JP2003277371A - ナイルレッド系化合物、その製造方法、ナイルレッド系赤色発光化合物及びその製造方法 - Google Patents

ナイルレッド系化合物、その製造方法、ナイルレッド系赤色発光化合物及びその製造方法

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JP2003277371A
JP2003277371A JP2002014881A JP2002014881A JP2003277371A JP 2003277371 A JP2003277371 A JP 2003277371A JP 2002014881 A JP2002014881 A JP 2002014881A JP 2002014881 A JP2002014881 A JP 2002014881A JP 2003277371 A JP2003277371 A JP 2003277371A
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JP2002014881A
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Tadao Nakaya
忠雄 仲矢
Akio Tajima
晶夫 田島
Takao Yamauchi
隆夫 山内
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Taiho Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Taiho Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 深紅に近い赤色発光可能なナイルレッド系新
規化合物を提供、その新規製造方法を提供、深紅に近い
高輝度赤色発光素子の提供 【解決手段】 以下の構造式を有するナイルレッド系赤
色発光化合物、その製造方法及びそれを利用した高輝度
赤色発光素子。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ナイルレッド系
化合物、その製造方法、ナイルレッド系赤色発光化合物
及びその製造方法、並びに発光素子に関し、更に詳しく
は、電気的エネルギーを印加すると深紅に近い赤色の発
光が高輝度で可能なナイルレッド系赤色発光化合物及び
その製造方法、前記ナイルレッド系赤色発光化合物を容
易に合成することのできる前駆体としてのナイルレッド
系化合物及びその新規な製造方法、並びに前記ナイルレ
ッド系赤色発光化合物を利用した発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
有機電界発光素子(別に有機エレクトロルミネッセンス
素子或いは有機EL素子とも称されている。)として種
々の有機化合物が提案されている。
【0003】しかしながら、赤色発光が可能で、発光輝
度が高くて熱及び光等に安定な有機化合物は、未だ開発
されていないのが現状である。
【0004】この発明の目的は、高い発光輝度であり、
及び/又はCIE色度におけるX座標が0.63を超え
る赤色発光が可能であり、熱及び光等に安定な有機系の
赤色発光化合物、及びその製造方法、前記赤色発光化合
物を製造するための新規化合物及びその製造方法、並び
にその有機系赤色発光化合物を使用する発光素子を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
のこの発明の手段は、下記構造式(1)で示される構造
を有することを特徴とするナイルレッド系化合物であ
り、また、
【0006】
【化9】
【0007】(但し、式中、R1は、水素原子又はアル
キル基を示す。) 下記構造式(2)で示される構造を有することを特徴と
するナイルレッド系化合物である。
【0008】
【化10】
【0009】(但し、式中、R1及びRは、水素原子
又はアルキル基を示し、互いに同一であっても相違して
いても良い。) 前記課題を解決するためのこの発明の手段は、4−ニト
ロソフェノールと分子内の窒素原子に置換基R(但
し、Rは水素原子又はアルキル基を示す。)が結合し
たカルバゾール類とを反応させ、得られる生成物と硫黄
とを反応させることを特徴とする前記構造式(1)の構
造を有するナイルレッド系化合物の製造方法であり、ま
た、分子内の窒素原子に置換基R及びR(但し、R
及びRは水素原子又はアルキル基を示し、互いに同
一であっても相違していても良い。)が結合した4−ニ
トロソアニリン類と1−ナフトールとを反応させ、得ら
れる生成物と硫黄とを反応させることを特徴とする構造
式(2)の構造を有するナイルレッド系化合物の製造方
法である。
【0010】前記課題を解決するためのこの発明の手段
は、下記構造式(3)で示される構造を有することを特
徴とするナイルレッド系赤色発光化合物である。
【0011】
【化11】
【0012】(ただし、前記R及びRは水素原子又
はアルキル基を示し、互いに同一であっても相違してい
ても良い。前記Arは、以下の構造式(4)、(6)及
び(7)のいずれかを示す。)
【0013】
【化12】
【0014】(但し、Rは、単結合又はメチレン基を
示す。Rは、水素原子、又はRと共同して形成され
る−CF−O−CF−を示す。Rは、フッ素原
子、シアノ基、炭素数1〜5のフッ素原子含有低級アル
キル基、前記Rと共同して形成される−CF−O−
CF−、又はRと共同して形成される−CF−O
−CF−を示す。Rは、水素原子、シアノ基、フッ
素原子、炭素数1〜5のフッ素原子含有低級アルキル
基、前記Rと共同して形成される−CF−O−CF
−、又は構造式(5)で示される基を示す。Rは、
が水素原子であるときには水素原子又は炭素数1〜
5のフッ素原子含有低級アルキル基を示し、R が水素
原子以外の基であるときには水素原子を示す。)
【0015】
【化13】
【0016】(但し、Rは、水素原子、又はRと共
同して形成される−CF−O−CF −を示す。R
は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜5のフッ素原子
含有低級アルキル基、前記Rと共同して形成される−
CF−O−CF−、又はR 10と共同して形成され
る−CF−O−CF−を示す。R10は、水素原
子、シアノ基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素原子
含有低級アルキル基、前記Rと共同して形成される−
CF−O−CF−を示す。R11は、R10が水素
原子であるときには水素原子又は炭素数1〜5のフッ素
原子含有低級アルキル基を示し、R10が水素原子以外
の基であるときには水素原子を示す。)
【0017】
【化14】
【0018】(但し、R12はフッ素原子、シアノ基、
炭素数1〜5のフッ素原子含有低級アルキル基を示す。
kは1〜4の整数を示し、mは1〜3の整数を示す。m
とkとの合計個数のR12は同一であっても相違してい
ても良い。)
【0019】
【化15】
【0020】(但し、R12、k及びmは、前記と同様
の意味を有する。) 前記課題を解決するためのこの発明の手段は、構造式
(2)で示されるナイルレッド系化合物とNC−CH
−Ar (但し、Arは前記請求項5におけるのと同様
の意味を示す)で示される電子吸引性芳香族系アセトニ
トリルとを反応させることを特徴とする前記構造式
(3)で示されるナイルレッド系赤色発光化合物の製造
方法である。
【0021】
【化16】
【0022】(但し、R及びRは前記請求項と同様
の意味を示す。) 前記課題を解決するためのこの発明の手段は、一対の電
極間に、前記構造式(2)で示される構造を有するナイ
ルレッド系赤色発光化合物を含有する発光層を設けてな
ることを特徴とする発光素子である。
【0023】
【発明の実施の形態】この発明に係るナイルレッド系化
合物は構造式(1)で示される。
【0024】
【化17】
【0025】但し、式中、R1は、水素原子又はアルキ
ル基を示す。R1がアルキル基であるとき、そのアルキ
ル基としては、メチル基、エチル基、婦プロピル基、ブ
チル基、ペンチル基等の炭素数が1〜5の低級アルキル
基が好ましい。
【0026】この発明に係る他のナイルレッド系化合物
は、下記構造式(2)で示される。
【0027】
【化18】
【0028】但し、式中、R1は、前記と同様の意味を
有し、Rは、水素原子又はアルキル基を示す。R1
とは、同一であっても相違していても良い。R1
はRがアルキル基である場合、そのアルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基等の炭素数が1〜5の低級アルキル基が好まし
い。
【0029】前記構造式(1)で示されるナイルレッド
系化合物は、以下のようにして製造されることができ
る。
【0030】先ず、以下の反応式(a)に従って、4−
ニトロソフェノールと分子内の窒素原子に置換基R
(但し、Rは前記と同様の意味を示す。)が結合し
たカルバゾール類とを反応させて構造式(a)で示され
る生成物を合成する。
【0031】
【化19】
【0032】この反応式(a)で示される反応は、反応
原料を例えば溶媒である硫酸中で、温度−70〜−40
℃に冷却しながら、1〜10時間程度の時間をかけて撹
拌することにより、進行する。
【0033】次いで、以下の反応式(b)に示されるよ
うに、前記反応により得られる生成物(a)と硫黄と
を、o−ジクロロベンゼン等の極性芳香族化合物溶媒中
で反応させることにより、前記構造式(1)で示される
この発明のナイルレッド系化合物(b)が製造される。
なお、前記極性芳香族化合物溶媒は、極性を有する芳香
族化合物であって、この発明における反応の進行を妨げ
ない溶剤をいう。
【0034】
【化20】
【0035】この反応式(b)に示される反応の条件と
して、100〜250℃に30分〜5時間の時間をかけ
て加熱することを挙げることができる。
【0036】一方、この発明に係る前記構造式(2)で
示されるナイルレッド系化合物は、以下のようにして製
造されることができる。
【0037】先ず、以下の反応式(c)式に従って、分
子内の窒素原子に置換基R及びR (但し、R及び
は前記と同様の意味を示す。)が結合した4−ニト
ロソアニリン類と1−ナフトールとを反応させ、構造式
(c)で示される生成物を合成する。
【0038】
【化21】
【0039】この反応式(c)で示される反応は、たと
えば、アルカリ性にした水性溶媒たとえば水中で、冷却
しながら反応原料を混合し、次いで0〜100℃で1〜
10時間程度の時間をかけて撹拌することにより、進行
する。
【0040】次いで、以下の反応式(d)に示されるよ
うに、前記反応により得られる生成物(a)と硫黄と
を、o−ジクロロベンゼン等の極性芳香族化合物溶媒中
で反応させることにより、前記式(1)で示されるこの
発明のナイルレッド系化合物(d)が製造される。
【0041】
【化22】
【0042】この反応式(d)に示される反応の条件と
して、100〜250℃に30分〜5時間の時間をかけ
て加熱することを挙げることができる。
【0043】前記構造式(2)で示される構造を有する
ナイルレッド系化合物は、構造式(3)で示す構造を有
するナイルレッド系赤色発光化合物の原料乃至前駆体と
して有用である。
【0044】
【化23】
【0045】前記構造式(3)中、R及びRは前記
と同様の意味を有する。前記構造式(3)におけるAr
は、以下の構造式(4)、(6)及び(7)のいずれか
の構造を有する。
【0046】
【化24】
【0047】但し、Rは、単結合又はメチレン基を示
す。Rは、水素原子、又はRと共同して形成される
−CF−O−CF−を示す。Rは、フッ素原子、
シアノ基、炭素数1〜5のフッ素原子含有低級アルキル
基、前記Rと共同して形成される−CF−O−CF
−、又はRと共同して形成される−CF−O−C
−を示す。Rは、水素原子、シアノ基、フッ素原
子、炭素数1〜5のフッ素原子含有低級アルキル基、前
記Rと共同して形成される−CF−O−CF−、
又は構造式(5)で示される基を示す。Rは、R
水素原子であるときには水素原子又は炭素数1〜5のフ
ッ素原子含有低級アルキル基を示し、R が水素原子以
外の基であるときには水素原子を示す。
【0048】
【化25】
【0049】但し、Rは、水素原子、又はRと共同
して形成される−CF−O−CF −を示す。R
は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜5のフッ素原
子含有低級アルキル基、前記Rと共同して形成される
−CF−O−CF−、又はR 10と共同して形成さ
れる−CF−O−CF−を示す。R10は、水素原
子、シアノ基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素原子
含有低級アルキル基、前記Rと共同して形成される−
CF−O−CF−を示す。R11は、R10が水素
原子であるときには水素原子又は炭素数1〜5のフッ素
原子含有低級アルキル基を示し、R10が水素原子以外
の基であるときには水素原子を示す。
【0050】前記R、R、R、及びR10で示さ
れる炭素数1〜5のフッ素原子含有低級アルキル基とし
ては、フッ素原子含有メチル基例えば、トリフルオロメ
チル基、ジフルオロメチル基、及びモノフルオロメチル
基、フッ素原子含有エチル基例えばペンタフルオロエチ
ル基、フッ素原子含有プロピル基例えばヘキサフルオロ
プロピル基、フッ素原子含有ペンチル基等を挙げること
ができる。これらの中でも好ましいフッ素原子含有低級
アルキル基はフッ素原子含有メチル基である。
【0051】前記構造式(3)中のArにおいて、R
が単結合又はメチレン基である場合に、好適なR、R
、R及びRの組合せ例を、表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】前記表1に示される好適例の外に、2,4
−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル
基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオ
ロフェニル基、及び3,5−ジフルオロフェニル基等の
フッ化フェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル
基、4−トリフルオロメチルフェニル基、及び3,5−
ビス(トリフルオロメチル)フェニル基等のトリフルオ
ロメチルフェニル基、及び4−フルオロ−3−トリフル
オロメチルフェニル基、6−フルオロ−2−トリフルオ
ロメチルフェニル基等のフルオロトリフルオロメチルフ
ェニル基等をArの好適例として挙げることができる。
【0054】Arの一つは、構造式(6)で示される。
【0055】
【化26】
【0056】但し、R12はフッ素原子、シアノ基、炭
素数1〜5のフッ素原子含有低級アルキル基を示す。k
は1〜4の整数を示し、mは1〜3の整数を示す。mと
kとの合計個数のR12は同一であっても相違していて
も良い。
【0057】Arの他の一つは構造式(7)で示され
る。
【0058】
【化27】
【0059】但し、R12、k及びmは、前記と同様の
意味を有する。
【0060】構造式(6)又は(7)で示されるナフチ
ル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜5のフッ素
原子含有低級アルキルと言う電子吸引性基を有している
ので、ナイルレッド骨格におけるπ電子とフッ素系の置
換基又はシアノ基とが超共役効果を発揮して赤色発光を
容易にする。
【0061】ナフチル基に結合する炭素数1〜5のフッ
素原子含有低級アルキル基は、構造式(4)における炭
素数1〜5のフッ素原子含有低級アルキル基と同様であ
る。ナフチル基に結合する炭素数1〜5のフッ素原子含
有低級アルキル基の中でも、トリフルオロメチル基が好
適である。
【0062】構造式(6)で示されるナフチル基の内、
1−ナフチル基に関しては、例えば、1個のトリフルオ
ロメチル基が2位、3位、4位、5位、6位、7位又は
8位に結合する(トリフルオロメチル)−1−ナフチル
基、フッ素原子が2位、3位、4位、5位、6位、7位
又は8位に結合するフルオロ−1−ナフチル基、2個の
トリフルオロメチル基が2位及び3位、2位及び4位、
2位及び5位、2位及び6位、2位及び7位、2位及び
8位、3位及び4位、3位及び5位、3位及び6位、3
位及び7位、3位及び8位、4位及び5位、4位及び6
位、4位及び7位、4位及び8位、5位及び6位、5位
及び7位、5位及び8位、6位及び7位、6位及び8
位、又は7位及び8位に結合するビス(トリフルオロメ
チル)−1−ナフチル基、2個のフッ素原子が2位及び
3位、2位及び4位、2位及び5位、2位及び6位、2
位及び7位、2位及び8位、3位及び4位、3位及び5
位、3位及び6位、3位及び7位、3位及び8位、4位
及び5位、4位及び6位、4位及び7位、4位及び8
位、5位及び6位、5位及び7位、5位及び8位、6位
及び7位、6位及び8位、又は7位及び8位に結合する
ジフルオロ−1−ナフチル基、3個のトリフルオロメチ
ル基が2位、3位及び4位、2位、3位及び5位、2
位、3位及び6位、2位、3位及び7位、2位、3位及
び8位、2位、4位及び5位、2位、4位及び6位、2
位、4位及び7位、2位、4位及び8位、2位、5位及
び6位、2位、5位及び7位、2位、5位及び8位、2
位、6位及び7位、2位、5位及び8位、3位、4位及
び5位、3位、4位及び6位、3位、4位及び7位、3
位、4位及び8位、3位、5位及び6位、3位、5位及
び7位、3位、5位及び8位、3位、6位及び7位、3
位、6位及び8位、4位、7位及び8位、4位、5位及
び6位、4位、5位及び7位、4位、5位及び8位、4
位、6位及び7位、4位、6位及び8位、4位、7位及
び8位、5位、6位及び7位、5位、6位及び8位、5
位、7位及び8位、並びに6位、7位及び8位に結合す
るトリ(トリフルオロメチル)−1−ナフチル基、3個
のフッ素原子が2位、3位及び4位、2位、3位及び5
位、2位、3位及び6位、2位、3位及び7位、2位、
3位及び8位、2位、4位及び5位、2位、4位及び6
位、2位、4位及び7位、2位、4位及び8位、2位、
5位及び6位、2位、5位及び7位、2位、5位及び8
位、2位、6位及び7位、2位、5位及び8位、3位、
4位及び5位、3位、4位及び6位、3位、4位及び7
位、3位、4位及び8位、3位、5位及び6位、3位、
5位及び7位、3位、5位及び8位、3位、6位及び7
位、3位、6位及び8位、4位、7位及び8位、4位、
5位及び6位、4位、5位及び7位、4位、5位及び8
位、4位、6位及び7位、4位、6位及び8位、4位、
7位及び8位、5位、6位及び7位、5位、6位及び8
位、5位、7位及び8位、並びに6位、7位及び8位に
結合するトリフルオロ−1−ナフチル基、並びに2,
3,4,5,6,7,8−ヘプタフルオロ−1−ナフチ
ル基を挙げることができる。
【0063】構造式(7)で示されるナフチル基の内、
例えば、1個のトリフルオロメチル基が1位、3位、4
位、5位、6位、7位又は8位に結合する(トリフルオ
ロメチル)−2−ナフチル基、フッ素原子が1位、3
位、4位、5位、6位、7位又は8位に結合するフルオ
ロ−2−ナフチル基、2個のトリフルオロメチル基が1
位及び3位、1位及び4位、1位及び5位、1位及び6
位、1位及び7位、1位及び8位、3位及び4位、3位
及び5位、3位及び6位、3位及び7位、3位及び8
位、4位及び5位、4位及び6位、4位及び7位、4位
及び8位、5位及び6位、5位及び7位、5位及び8
位、6位及び7位、6位及び8位、又は7位及び8位に
結合するビス(トリフルオロメチル)−2−ナフチル
基、2個のフッ素原子が1位及び3位、1位及び4位、
1位及び5位、1位及び6位、1位及び7位、1位及び
8位、3位及び4位、3位及び5位、3位及び6位、3
位及び7位、3位及び8位、4位及び5位、4位及び6
位、4位及び7位、4位及び8位、5位及び6位、5位
及び7位、5位及び8位、6位及び7位、6位及び8
位、又は7位及び8位に結合するジフルオロ−2−ナフ
チル基、3個のトリフルオロメチル基が1位、3位及び
4位、1位、3位及び5位、1位、3位及び6位、1
位、3位及び7位、1位、3位及び8位、1位、4位及
び5位、1位、4位及び6位、1位、4位及び7位、1
位、4位及び8位、1位、5位及び6位、1位、5位及
び7位、1位、5位及び8位、1位、6位及び7位、1
位、5位及び8位、3位、4位及び5位、3位、4位及
び6位、3位、4位及び7位、3位、4位及び8位、3
位、5位及び6位、3位、5位及び7位、3位、5位及
び8位、3位、6位及び7位、3位、6位及び8位、4
位、7位及び8位、4位、5位及び6位、4位、5位及
び7位、4位、5位及び8位、4位、6位及び7位、4
位、6位及び8位、4位、7位及び8位、5位、6位及
び7位、5位、6位及び8位、5位、7位及び8位、並
びに6位、7位及び8位に結合するトリ(トリフルオロ
メチル)−2−ナフチル基、3個のフッ素原子が1位、
3位及び4位、1位、3位及び5位、1位、3位及び6
位、1位、3位及び7位、1位、3位及び8位、1位、
4位及び5位、1位、4位及び6位、1位、4位及び7
位、1位、4位及び8位、1位、5位及び6位、1位、
5位及び7位、1位、5位及び8位、1位、6位及び7
位、1位、5位及び8位、3位、4位及び5位、3位、
4位及び6位、3位、4位及び7位、3位、4位及び8
位、3位、5位及び6位、3位、5位及び7位、3位、
5位及び8位、3位、6位及び7位、3位、6位及び8
位、4位、7位及び8位、4位、5位及び6位、4位、
5位及び7位、4位、5位及び8位、4位、6位及び7
位、4位、6位及び8位、4位、7位及び8位、5位、
6位及び7位、5位、6位及び8位、5位、7位及び8
位、並びに6位、7位及び8位に結合するトリフルオロ
−2−ナフチル基、並びに1,3,4,5,6,7,8
−ヘプタフルオロ−2−ナフチル基を挙げることができ
る。
【0064】構造式(3)で示されるナイルレッド系赤
色発光化合物は、−NRが電子供与性基であり、
骨格中に結合する窒素原子とカルボニル基とでキノイド
構造が形成されていることにより、カルボニル基側にπ
電子の偏りが生じ、しかもフッ素原子を結合するArが
強力な電子吸引性基であることによりArに結合する−
CH−の水素がδとなり、その結果Arに結合するC
Hと隣接する芳香環との単結合が余剰共役効果により二
重結合性を帯び、キナクリドン骨格上のπ電子がAr側
にも偏ることになる。そのような電子の偏りにより、僅
かのエネルギーにより赤色発光が容易になる。この発明
に係る新規なナイルレッド系赤色発光化合物は、R
N−Rという電子供与性基がナイルレッド骨格におけ
るπ電子雲に電子を供与し、芳香族系電子吸引性基であ
るArにより電子を吸引すると言う構造により特徴付け
られる。このナイルレッド系赤色発光化合物は、安定し
たナイルレッド骨格構造を有するので、化学的に安定で
あり、過酷な使用条件下においても、劣化しないという
特異性を発揮する。
【0065】構造式(3)で示されるナイルレッド系赤
色発光化合物は、次のようにして製造することができ
る。
【0066】すなわち、構造式(2)で示されるナイル
レッド系化合物とNC−CH−Ar(但し、Arは前
記と同様の意味を示す。)で示される電子吸引性芳香族
系アセトニトリルとを反応させる。
【0067】前記ナイルレッド系化合物と前記電子吸引
性芳香族系アセトニトリルとは、溶媒中で加熱すること
により容易に反応する。該溶媒としては、無水酢酸、酢
酸、炭素数が5以下である酸無水物、ベンゼン及びトル
エン等の芳香族系溶剤、ジオキサン等を使用することが
できる。反応温度は、通常100〜250℃、好ましく
は100〜170℃である。反応の終了後には、常法に
従って精製操作及び分離操作をすることにより目的とす
るナイルレッド系赤色発光化合物を得ることができる。
【0068】この発明に係るナイルレッド系赤色発光化
合物は、単にナイルレッド系化合物と前記電子吸引性芳
香族系アセトニトリルとを加熱するだけで容易に製造さ
れることができる。このような簡便なナイルレッド系赤
色発光化合物の製造方法は、工業的な製造方法である。
【0069】なお、構造式(1)で示されるナイルレッ
ド系化合物は、以下の構造式(3a)で示す構造を有す
るナイルレッド系赤色発光化合物の原料乃至前駆体とし
て有用である。構造式(3a)で示されるナイルレッド
系赤色発光化合物は、前記構造式(1)で示されるナイ
ルレッド系化合物とNC−CH−Ar(但し、Arは
前記と同様の意味を示す。)で示される電子吸引性芳香
族系アセトニトリルとを反応させることにより、構造式
(2)で示されるナイルレッド系赤色発光化合物と同様
にして容易に製造することができる。
【0070】
【化28】
【0071】この発明に係るナイルレッド系赤色発光化
合物は、発光素子に使用される。この発光素子は、陽極
と、ナイルレッド系赤色発光化合物含有の発光層と、こ
の発光層の表面に形成された陰極とを有して成る構造を
有する。この発光素子は、陽極及び陰極の間に、前記ナ
イルレッド系赤色発光化合物含有の発光層を有している
限り様々のタイプの構造を採用することができる。この
発光素子として、例えば、図1に示されるように、透明
基板1の表面に形成された透明電極2と、その透明電極
2の表面に形成されたところの、この発明に係る白色有
機蛍光化合物を含有する発光層4と、この発光層4の表
面に形成された陰極3とを備えて成る一層型有機発光素
子を挙げることができる。又、これとは別のタイプの発
光素子賭して、例えば、陽極と陰極との間に、電子を輸
送する電子輸送性物質、ナイルレッド系赤色発光化合
物、及びホールを輸送するホール輸送性物質を含有する
発光層を有する一層型有機発光素子、陽極と陰極との間
に、ホール輸送性物質を含有するホール輸送層と、ナイ
ルレッド系赤色発光化合物含有の電子輸送性発光層とを
積層して成る二層型有機発光素子(例えば、陽極と陰極
との間に、ホール輸送層と、ゲスト色素としてナイルレ
ッド系赤色発光化合物及びホスト色素を含有する発光層
とを積層して成る二層型色素ドープ型発光素子)、陽極
と陰極との間に、電子輸送性物質を含有する電子輸送層
と、前記ナイルレッド系赤色発光化合物を含有するホー
ル輸送性発光層とを積層して成る二層型有機発光素子
(例えば、陽極と陰極との間に、電子輸送層と、ゲスト
色素としてナイルレッド系赤色発光化合物及びホスト色
素とを含有する発光層とを積層して成る二層型色素ドー
プ型有機発光素子)、陽極と陰極との間に、ホール輸送
層、ナイルレッド系赤色発光化合物含有の発光層及び電
子輸送層を積層して成る三層型有機発光素子を挙げるこ
とができる。上記各種の有機発光素子において、一層の
発光層、並びに二層及び三層からなる積層体を有機層と
称されることがある。
【0072】上記発光素子は通常の基板上に形成される
ことができる。この基板としては、例えばガラス、プラ
スチック等の透明基板を挙げることができる。
【0073】前記陽極としては、仕事関数が大きくて透
明であり、電圧を印加することにより前記膜にホールを
注入することができる限り様々の素材を採用することが
できる。具体的には、陽極として、ITO、In23
SnO2、ZnO、CdO等、及びそれらの化合物等の
無機透明導電材料、及びポリアニリン等の導電性高分子
材料等で形成することができる。
【0074】この陽極の膜厚は、通常、100〜200
μmであり、表面抵抗が10〜20Ω/□である。
【0075】この陽極は、前記基板上に、化学気相成長
法、スプレーパイロリシス、真空蒸着法、電子ビーム蒸
着法、スパッタ法、イオンビームスパッタ法、イオンプ
レーティング法、イオンアシスト蒸着法、その他の方法
により形成されることができる。
【0076】前記陰極は、仕事関数の小さな物質が採用
され、例えば、MgAg、アルミニウム合金、金属カル
シウム等の、金属単体又は金属の合金で形成されること
ができる。好適な陰極はアルミニウムと少量のリチウム
との合金電極である。この陰極は、例えば基板の上に形
成された前記発光層を含む有機層の表面に、蒸着技術に
より、容易に形成することができる。
【0077】前記電子輸送性物質としては、例えば、
2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジ
アゾール(BND)、及び2−(4−tert−ブチルフェ
ニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,3,4−オキ
サジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、並びに2,
5−ビス(5’−tert−ブチル−2’−ベンゾキサゾリ
ル)チオフェン等を挙げることができる。また、電子輸
送性物質として、例えばキノリノールアルミ錯体(Al
q3)、ベンゾキノリノールベリリウム錯体(Bebq
2)等の金属錯体系材料を好適に使用することもでき
る。
【0078】前記ホール輸送物質としては、トリフェニ
ルアミン系化合物例えばN,N’−ジフェニル−N,
N’−ジ(m−トリル)−ベンジジン(TPD)、及び
α−NPD等、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合
物、複素環系化合物、π電子系スターバースト正孔輸送
物質等を挙げることができる。
【0079】この発光素子における有機層は、蒸着法、
並びに塗布法例えばスピンキャスト法、コート法及びデ
ィップ法のいずれかにより形成されることができる。
【0080】蒸着法及び塗布法のいずれを採用するにし
ても、電極と有機層との間に、バッファ層を介装するの
が好ましい。
【0081】前記陰極と前記有機層との間に形成される
前記バッファ層を形成することのできる材料として、例
えば、フッ化リチウム等のアルカリ金属化合物、フッ化
マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物、酸化アルミ
ニウム等の酸化物、4,4’−ビスカルバゾールビフェ
ニル(Cz−TPD)を挙げることができる。また、例
えばITO等の陽極と有機層との間に形成されるバッフ
ァ層を形成する材料として、例えばm−MTDATA
(4,4’,4''−トリス(3−メチルフェニルフェニ
ルアミノ)トリフェニルアミン)、フタロシアニン、ポ
リアニリン、ポリチオフェン誘導体、無機酸化物例えば
酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化バナジウム、フ
ッ化リチウムを挙げることができる。これらのバッファ
層は、その材料を適切に選択することにより、発光素子
の駆動電圧を低下させることができ、発光の量子効率を
改善することができ、発光輝度の向上を達成することが
できる。
【0082】蒸着法により形成することのできる好適な
発光素子は、蒸着法により形成されたITO等の陽極の
表面に、好適にはバッファ層を介して蒸着法により形成
されたホール輸送層と、このホール輸送層の表面に、蒸
着により形成されたところの、Alq3、Bebq2等
のホスト色素とゲスト色素であるナイルレッド系赤色発
光化合物とを含有する電子輸送性発光層と、この電子輸
送性発光層の表面、好適にはバッファ層を介して蒸着法
により形成された陰極とを積層して成る。
【0083】この発光素子における電子輸送性発光層に
含まれるナイルレッド系赤色発光化合物の含有量は、通
常の場合、ホスト色素に対して0.001〜50重量
%、好ましくは0.01〜10重量%である。ナイルレ
ッド系赤色発光化合物の含有量が前記範囲内にあると、
特に赤色発光が鮮やかに起こる。
【0084】この電子輸送性発光層の厚みは、通常、3
0〜300nm、好ましくは50〜200nmである。
この電子輸送性発光層の厚みが前記範囲にあると低電圧
で高輝度の発光が可能に成るという利点がある。
【0085】塗布法により形成することのできる好適な
発光素子は、基板の表面に蒸着法により形成されたIT
P等の陽極と、この陽極の表面に、ナイルレッド系赤色
発光化合物と電子輸送性材料とホール輸送性高分子とを
含有する溶液を塗布し、乾燥することにより形成されて
成る有機層と、この有機層の表面に、好適にはバッファ
層を介して蒸着により形成されて成る陰極とを積層して
成る。
【0086】有機層中に含まれるナイルレッド系赤色発
光化合物の含有量は、通常の場合、0.01〜10重量
%、好ましくは0.1〜5重量%である。ナイルレッド
系赤色発光化合物の含有量が前記範囲内にあると、特に
赤色発光が鮮やかに起こる。
【0087】ホール輸送性高分子としては、例えばポリ
ビニルカルバゾール、ポリ(3−アルキレンチオフェ
ン)が挙げられる。また、この有機層中には、増感剤と
してルブレンが含有されているのが好ましく、特に、ル
ブレンとAlq3とが含有されているのが好ましい。
【0088】この電子輸送性発光層の厚みは、通常、3
0〜300nm、好ましくは50〜200nmである。
この電子輸送性発光層の厚みが前記範囲にあると低電圧
で高輝度に成るという利点がある。
【0089】この発明に係る発光素子は、例えば一般に
直流駆動型の素子として使用することができ、また、パ
ルス駆動型の素子及び交流駆動型の素子としても使用す
ることができる。従来のナイルレッドはオレンジ色にし
か発光しなかったが、この発明に係る発光素子は、ナイ
ルレッド系赤色発光化合物を含有するので、深紅の赤に
近い赤色を高輝度で発光する。
【0090】この発明に係る発光素子における発光層に
発光物質として前記ナイルレッド系赤色発光化合物しか
含まれていないのであれば、その発光層は赤色に発光す
る。この発光層に、ナイルレッド系赤色発光化合物と、
青色発光化合物と、緑色発光化合物とが含まれている
と、この発光層は白色に発光する。
【0091】前記青色発光化合物としては、ジフェニル
ビニルビフェノール系青色発光化合物、スチルベン系青
色発光化合物等を挙げることができる。好適なジフェニ
ルビニルビフェノール系青色発光化合物としては、構造
式(8)で示されるDPVBi等を挙げることができ
る。
【0092】
【化29】
【0093】前記緑色発光化合物としては、クマリン系
緑色発光化合物、インドフェノール系緑色発光化合物及
びインジゴ系緑色発光化合物を挙げることができ、構造
式(9)で示されるクマリン系緑色発光化合物が好適で
ある。
【0094】
【化30】
【0095】この発明に係る発光素子を白色に発光させ
るには、発光層におけるナイルレッド系赤色発光化合物
と青色発光化合物と緑色発光化合物との配合割合は、通
常、重量比で、5〜200:10〜100:50〜20
000であり、好ましくは10〜100:50〜50
0:100〜10000である。
【0096】赤色に発光する素子及び白色に発光する発
光素子は、蛍光灯等の照明装置、表示装置等に利用する
ことができる。
【0097】
【実施例】(実施例1) <エチルカルバゾールインドフェノールの合成>100
0mL三つ口フラスコに、硫酸600gを入れて、反応
系を−50〜−60℃に冷却した。そこにエチルカルバ
ゾール17.5g(89.7mmol)と4−ニトロソ
フェノール(40%含水)25g(122mmol)と
の混合物をゆっくりと加えた。その後−30〜−40℃
に保ったまま6時間撹拌した。反応終了後、三つ口フラ
スコの内容物を氷水中に加えた。冷時にヌッチェでろ過
し、ペースト状の残さを5%炭酸ナトリウム水溶液に加
えて中和した。そのまま一晩冷蔵庫で保存し、ヌッチェ
でろ過した。残さの固体を水洗し、硫酸デシケーターで
乾燥させ、黒い固体36gを得た。この化合物のNMR
チャートを図2に示した。このNMRチャート及び元素
分析値等から、この黒い固体は以下の構造式(a1)で
示される。 元素分析結果
【0098】
【化31】
【0099】200mLの3つ口フラスコに、前記化合
物(a1)10g(33.3mmol)、硫黄紛2.1
3g(66.6mmol)、ヨウ素0.4g、及びo−
ジクロロベンゼン50mlを入れ、オイルバスを用いて
190℃まで加熱し、2時間反応させた。反応後、室温
まで冷却し、o−ジクロロベンゼンを留去した。残さを
クロロホルムを用いたカラムクロマトグラフィーで精製
し、黒色固体1.3g得た。この化合物のNMRチャー
トを図3に示した。このNMRチャートより、この化合
物は以下の構造式(b1)で示される。
【0100】
【化32】
【0101】(実施例2)2000mL3つ口フラスコ
に、水酸化ナトリウム8.0g(200mmol)、水
300gを入れ、0℃まで冷却し、その温度下で、1−
ナフトール14.0g(97.1mmol)とN,N−
ジエチル−4−ニトロソアニリン16.6g(93.4
mmol)のエタノール溶液(600ml)を徐々に滴
下した。この温度を保ったまま、30分撹拌し、室温ま
で上げて、4時間反応させた。反応後、溶液を約半分に
なるまで濃縮し、水1500mlで希釈し、生成した沈
殿物を水洗、乾燥し、赤紫色固体8.0gを得た。この
化合物のNMRチャートを図4に示した。このNMRチ
ャートから、この化合物は以下の構造式(c1)で示さ
れる。
【0102】
【化33】
【0103】300mlナスフラスコに、前記化合物
(c1)8.0g(26.3mmol)、硫黄紛1.6
9g(52.6mmol)、ヨウ素0.3g、及びo−
ジクロロベンゼン50mlを入れ、オイルバスを用いて
185℃まで加熱し、2.5時間反応させた。反応後、
室温まで冷却し、o−ジクロロベンゼンを留去した。残
さをクロロホルムを用いたカラムクロマトグラフィーで
精製し、黒色固体1.0g得た。この化合物のNMRチ
ャートを図5に示した。このNMRチャートから、この
化合物は以下の構造式(d1)で示される。
【0104】
【化34】
【0105】(実施例3)100mlのナスフラスコ
に、前記実施例2で得られたナイルレッド系化合物0.
50g(1.57mmol)、3,5−ビス(トリフル
オロメチル)フェニルアセトニトリル0.40g(1.
57mmol)、及び無水酢酸25mlを仕込んだ。ナ
スフラスコ内の溶液をシリコンオイルバスで135℃に
まで加熱し、4時間反応させた。エバポレータを用いて
無水酢酸を溜去し、クロロホルムに溶解させた。このク
ロロホルム溶液を5%水酸化ナトリウム水溶液及び水の
順に洗浄し、硫酸ナトリウムを加えて30分間静置し、
脱水した。この溶液をエバポレータで濃縮し、得られた
固体をシリカゲル、ベンゼンを用いたカラムクロマトグ
ラフィーで精製し、青紫色固体30mgを得た。合成さ
れた化合物の収率は12%であり、この化合物の1H−
NMR及びIRのスペクトルは図6及び図7に示された
通りである。これらの結果から、得られた化合物は、構
造式(10)で示される化合物であると同定された。
【0106】
【化35】
【0107】混合キシレンに構造式(10)で示される
ナイルレッド系赤色発光化合物を10mg/Lの濃度に
なるように溶解して試料液を調製した。この試料液を、
島津製作所製のF−4500型分光蛍光光度計に装填し
て、以下の条件にて蛍光スペクトルを測定した。得られ
た蛍光スペクトルを図8に示した。
【0108】測定条件 測定モード 波長スキャン 励起波長 365nm 蛍光開始波長 400nm 蛍光終了波長 800nm スキャンスピード 1200nm/分 励起側スリット 5.0nm 蛍光側スリット 5.0nm ホトマル電圧 700V 図8から判るように、この実施例で得られたナイルレッ
ド系赤色発光化合物は、赤色の蛍光を発することが確か
められた。
【0109】
【発明の効果】この発明によると、従来得ることのでき
なかった、より深紅に近いピーク波長を有する赤色の発
光が高輝度で可能な、新規物質であるところの、熱及び
光に安定なナイルレッド系赤色発光化合物を提供するこ
とができる。
【0110】この発明によると、白色に発光可能な素子
を製造することのできる新規なナイルレッド系赤色発光
化合物を提供することができる。
【0111】この発明によると、前記新規なナイルレッ
ド系赤色発光化合物を簡単に製造することのできる製造
方法を提供することができる。
【0112】この発明によると前記ナイルレッド系赤色
発光化合物の前駆体乃至原料であるナイルレッド系化合
物を提供することができる。
【0113】この発明によるとナイルレッド系化合物を
容易に工業的に製造することのできるナイルレッド系化
合物の製造方法を提供することができる。
【0114】この発明によると、高輝度で深紅に近い赤
色に発光するEL素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は有機EL素子の一例を示す説明図であ
る。
【図2】図2は実施例1で製造された中間体(a1)の
NMRチャートである。
【図3】図3は実施例1で製造されたナイルレッド系化
合物(b1)のNMRチャートである。
【図4】図4は実施例2で製造された中間体(c1)の
NMRチャートである。
【図5】図5は実施例2で製造されたナイルレッド系化
合物(d1)のNMRチャートである。
【図6】図6は実施例3で製造されたところの、式(1
0)で示されるナイルレッド系赤色発光化合物のNMR
チャートである。
【図7】図7は実施例3で製造されたところの、式(1
0)で示されるナイルレッド系赤色発光化合物のIRチ
ャートである。
【図8】図8は実施例3で製造されたところの、式(1
0)で示されるナイルレッド系赤色発光化合物の蛍光ス
ペクトルチャートである。
【符号の説明】
1・・・基板、2・・・陽極、3・・・陰極、4・・・
ホール輸送層、5・・・発光層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山内 隆夫 神奈川県横浜市鶴見区北寺尾1丁目13−21 Fターム(参考) 3K007 AB02 AB04 AB12 DB03 4C036 AA02 AA03 AA17 AA18 4C072 AA01 AA07 BB02 BB08 CC02 CC16 EE17 FF03 GG07 JJ02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記構造式(1)で示される構造を有する
    ことを特徴とするナイルレッド系化合物。 【化1】 (但し、式中、R1は、水素原子又はアルキル基を示
    す。)
  2. 【請求項2】下記構造式(2)で示される構造を有する
    ことを特徴とするナイルレッド系化合物。 【化2】 (但し、式中、R1及びRは、水素原子又はアルキル
    基を示し、互いに同一であっても相違していても良
    い。)
  3. 【請求項3】4−ニトロソフェノールと分子内の窒素原
    子に置換基R(但し、Rは水素原子又はアルキル基
    を示す。)が結合したカルバゾール類とを反応させ、得
    られる生成物と硫黄とを反応させることを特徴とする前
    記請求項1に記載のナイルレッド系化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】分子内の窒素原子に置換基R及びR
    (但し、R及びRは水素原子又はアルキル基を示
    し、互いに同一であっても相違していても良い。)が結
    合した4−ニトロソアニリン類と1−ナフトールとを反
    応させ、得られる生成物と硫黄とを反応させることを特
    徴とする前記請求項2に記載のナイルレッド系化合物の
    製造方法。
  5. 【請求項5】下記構造式(3)で示される構造を有する
    ことを特徴とするナイルレッド系赤色発光化合物。 【化3】 (ただし、前記R及びRは水素原子又はアルキル基
    を示し、互いに同一であっても相違していても良い。前
    記Arは、以下の構造式(4)、(6)及び(7)のい
    ずれかを示す。) 【化4】 (但し、Rは、単結合又はメチレン基を示す。R
    は、水素原子、又はRと共同して形成される−CF
    −O−CF−を示す。Rは、フッ素原子、シアノ
    基、炭素数1〜のフッ素原子含有低級アルキル基、前記
    と共同して形成される−CF−O−CF−、又
    はRと共同して形成される−CF−O−CF−を
    示す。Rは、水素原子、シアノ基、フッ素原子、炭素
    数1〜5のフッ素原子含有低級アルキル基、前記R
    共同して形成される−CF−O−CF −、又は構造
    式(5)で示される基を示す。Rは、Rが水素原子
    であるときには水素原子又は炭素数1〜5のフッ素原子
    含有低級アルキル基を示し、Rが水素原子以外の基で
    あるときには水素原子を示す。) 【化5】 (但し、Rは、水素原子、又はRと共同して形成さ
    れる−CF−O−CF −を示す。Rは、フッ素原
    子、シアノ基、炭素数1〜5のフッ素原子含有低級アル
    キル基、前記Rと共同して形成される−CF−O−
    CF−、又はR 10と共同して形成される−CF
    O−CF−を示す。R10は、水素原子、シアノ基、
    フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素原子含有低級アルキ
    ル基、前記Rと共同して形成される−CF−O−C
    −を示す。R11は、R10が水素原子であるとき
    には水素原子又は炭素数1〜5のフッ素原子含有低級ア
    ルキル基を示し、R10が水素原子以外の基であるとき
    には水素原子を示す。) 【化6】 (但し、R12はフッ素原子、シアノ基、炭素数1〜5
    のフッ素原子含有低級アルキル基を示す。kは1〜4の
    整数を示し、mは1〜3の整数を示す。mとkとの合計
    個数のR12は同一であっても相違していても良い。) 【化7】 (但し、R12、k及びmは、前記と同様の意味を有す
    る。)
  6. 【請求項6】前記構造式(2)で示されるナイルレッド
    系化合物とNC−CH−Ar(但し、Arは前記請求
    項5におけるのと同様の意味を示す)で示される電子吸
    引性芳香族系アセトニトリルとを反応させることを特徴
    とする前記構造式(3)で示されるナイルレッド系赤色
    発光化合物の製造方法。 【化8】 (但し、R及びRは前記請求項と同様の意味を示
    す。)
  7. 【請求項7】一対の電極間に、前記請求項6に記載のナ
    イルレッド系赤色発光化合物を含有する発光層を設けて
    なることを特徴とする発光素子。
JP2002014881A 2001-10-10 2002-01-23 ナイルレッド系化合物、その製造方法、ナイルレッド系赤色発光化合物及びその製造方法 Withdrawn JP2003277371A (ja)

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