JP2003277006A - 改質器の制御装置 - Google Patents

改質器の制御装置

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JP2003277006A
JP2003277006A JP2002083357A JP2002083357A JP2003277006A JP 2003277006 A JP2003277006 A JP 2003277006A JP 2002083357 A JP2002083357 A JP 2002083357A JP 2002083357 A JP2002083357 A JP 2002083357A JP 2003277006 A JP2003277006 A JP 2003277006A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基準負荷より負荷が大きくなる領域において
も改質器内の反応を効率的に行わせる。 【解決手段】 原料入口と、気体入口と、改質反応と部
分酸化反応とを行って水素を含む改質ガスを生成する触
媒とからなる改質器(8)において、部分酸化反応に必
要な気体流量である要求気体流量Qneedを原料流量
に基づいて算出する要求気体流量算出手段(21)と、
改質器内部のピーク温度位置を推定するピーク温度位置
推定手段(21)と、このピーク温度位置が基準ピーク
温度位置より下流側に移動したとき、前記要求気体流量
Qneedを減量側に補正して気体流量Q1を算出する
気体流量算出手段(21)と、この算出した気体流量Q
1が気体入口から供給されるように気体入口流量調整手
段(12)を制御する制御手段(21)とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は改質器の制御装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の改質器の制御装置として特開平6
−349510号公報に開示されるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】改質器では炭化水素を
主成分とする原料と空気中の酸素とを反応させて原料を
分解し水素リッチな改質ガスを生成するのであるが、そ
の水素リッチな改質ガスを生成する改質反応は吸熱反応
であるので、同時に部分酸化反応による発熱反応を生じ
させ、これら吸熱と発熱とがバランスする条件で運転す
ることにより、外部加熱や外部冷却を不要としている。
【0004】改質器の構成は、一方向に長い円筒状の容
器内に改質反応と部分酸化反応とを共に行う触媒を充填
し、長手方向の一端に原料及び空気(酸素を含む気体)
の各入口を、長手方向他端にガス出口を開口したもので
あり、こうした改質器の構成によれば、原料入口に原料
を、空気入口に空気をそれぞれ供給したとき、改質器内
部の温度分布は一様とならず温度差のある温度分布が生
じる。
【0005】改質器内のガスは改質器の入口より出口に
向けて一方向に流れるので、改質器の入口を原点として
下流方向の位置を横軸に、その位置でのガス温度を縦軸
に採ると、ガス温度は入口より上昇してピークをとった
後に徐々に低下していく(図19参照)。ガス温度がピ
ークをとるということは、ガス温度がピークをとる位置
で空気入口より供給された酸素が殆ど残っていないこと
を意味する。
【0006】この場合に、ピークの温度が、改質器内の
触媒が働くのに適した温度(この温度を以下「目標運転
温度」という。)Tmを大きく超えないように改質器を
運転できれば問題ないので、こうした観点から改質器の
触媒の種類や量、改質器の外形寸法といった設計仕様が
定まる。
【0007】ただし、このときの仕様は基準負荷に対し
て決定されるのであり、具体的に示すと、図19上段に
示したように基準負荷に対応する原料流量と、部分酸化
反応に必要な空気流量とを供給したとき、ピーク温度が
望みの位置(基準ピーク温度位置zp0)にきたとする
(図19上段参照)。
【0008】しかしながら、基準負荷より負荷が大きく
なって原料を増加し、これに応じて空気流量も増加し、
これら増加した原料と空気とを各入口より供給したとき
には、ピーク温度が目標運転温度Tmを超えたり、ピー
ク温度の位置zpが基準ピーク温度位置zp0より下流
側に移動してしまう(図19下段の一点鎖線参照)。ピ
ーク温度位置が下流側に移動する理由は、基準負荷より
大きな高負荷時になると改質器の入口付近はガス流速が
早く滞留時間が短いため十分な反応が起きずに温度が低
くなり、未燃の酸素は下流側へ流されていきながら徐々
に反応して下流のほうでピーク温度を生じるためであ
る。
【0009】このように負荷の増大でピーク温度位置が
基準ピーク温度位置zp0より下流側に移動すると、改
質器の上流側に触媒温度が低くなる領域(不活性な触媒
領域)が生じ(図19下段参照)、これにより原料を水
素リッチな改質ガスにする転化率が下がり、改質器を出
るガス中に未反応の原料成分が多量に含まれるようにな
る(水素を含む改質ガスの生成が不十分となる)。
【0010】そこで本発明は、部分酸化反応に必要な酸
素を含む気体の流量である要求気体流量を原料流量に基
づいて算出する一方で、改質器内部のピーク温度位置を
推定し、そのピーク温度位置が基準ピーク温度位置より
下流側に移動したとき、前記要求気体流量を減量側に補
正して、気体入口から供給すべき気体流量を算出するこ
とにより、基準負荷より負荷が大きくなる領域において
も、改質器内の反応を効率的に行わせることを目的とす
る。
【0011】一方、上記の従来装置は、改質器に複数の
温度センサを設けて改質器の内部温度が高温になりすぎ
たり低温になりすぎたりすることを防止するものに過ぎ
ず、ピーク温度の存在や負荷に応じてピーク温度位置が
移動する点を開示するものでない。
【0012】このため従来装置を、上記のようにピーク
温度位置が基準ピーク温度位置よりずれた場合に適用し
ようとすれば、例えば改質器の長手方向に適当な間隔を
おいて温度センサを複数配置し、温度センサからの各温
度をみて最も高い温度を示した温度センサの位置がピー
ク温度位置であると推定し、その位置が基準温度位置よ
り下流側にあれば酸素を含む気体の流量を減量補正する
ことである。
【0013】しかしながら、この方法によりピーク温度
位置の検出精度を上げようとすれば温度センサの数を増
やすしかなくコストアップを招く。かといってセンサ数
が少ないと、ピーク温度位置がどこにあるかわからな
い。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、負荷に応じた原料を供給する原料入口と、部分酸化
反応に用いる酸素を含む気体(例えば空気)を供給する
気体入口と、酸素を含む気体と原料とを用いて改質反応
と部分酸化反応とを行って水素を含む改質ガスを生成す
る触媒と、この生成された改質ガスを排出するガス出口
とからなる改質器において、気体入口の流量を調整可能
な気体入口流量調整手段と、部分酸化反応に必要な気体
流量である要求気体流量Qneedを原料流量に基づい
て算出する要求気体流量算出手段と、改質器内部のピー
ク温度位置を推定するピーク温度位置推定手段と、この
ピーク温度位置が基準ピーク温度位置より下流側に移動
したとき、前記要求気体流量Qneedを減量側に補正
して気体流量Q1を算出する気体流量算出手段と、この
算出した気体流量Q1が気体入口から供給されるように
気体入口流量調整手段を制御する制御手段とを備える。
【0015】請求項3に記載の発明では、気体入口とガ
ス出口との中間位置に酸素を含む気体(例えば空気)を
供給する気体中間入口と、この気体中間入口の流量を調
整可能な気体中間入口流量調整手段とを備え、要求気体
流量Qneedのうち気体入口から供給されなかった気
体が気体中間入口より供給されるように気体中間入口流
量調整手段を制御する。
【0016】請求項4に記載の発明は、負荷に応じた原
料を供給する原料入口と、部分酸化反応に用いる酸素を
含む気体(例えば空気)を供給する気体入口と、酸素を
含む気体と原料とを用いて改質反応と部分酸化反応を行
って水素を含む改質ガスを生成する触媒と、この生成さ
れた改質ガスを排出するガス出口とからなる改質器にお
いて、気体入口の流量を調整可能な気体入口流量調整手
段と、部分酸化反応に必要な気体流量である要求気体流
量Qneedを原料流量に基づいて算出する要求気体流
量算出手段と、気体入口付近の実際の触媒温度T1を検
出する気体入口触媒温度検出手段と、改質器内部のピー
ク温度位置を推定するピーク温度位置推定手段と、この
ピーク温度位置に基づいて気体入口触媒温度検出手段位
置の目標温度Tbを算出する気体入口触媒温度検出手段
位置目標温度算出手段と、気体入口付近の実際の触媒温
度T1がこの気体入口触媒温度検出手段位置の目標温度
Tbと一致するように気体流量Q1を算出する気体流量
算出手段と、要求気体流量Qneedとこの気体流量Q
1のうち値の小さい方を選択する選択手段と、この選択
した値の小さい方の気体流量(Qsel)が流れるよう
に気体入口流量調整手段を制御する制御手段とを備え
る。
【0017】請求項5に記載の発明では、気体入口とガ
ス出口との中間位置に酸素を含む気体(例えば空気)を
供給する気体中間入口と、この気体中間入口の流量を調
整可能な気体中間入口流量調整手段とを備え、気体入口
付近の実際の触媒温度T1がこの気体入口触媒温度検出
手段位置の目標温度Tbと一致するように算出した気体
流量Q1より、要求気体流量Qneedが大きい場合
に、その差の流量Q2risが気体中間入口より供給さ
れるように気体中間入口流量調整手段を制御する。
【0018】
【発明の効果】図19に示したように基準負荷のときピ
ーク温度が基準ピーク温度位置zp0にくるように、基
準負荷に対応する要求気体流量Qneedを設定してい
る場合に(図19上段参照)、基準負荷より負荷が大き
くなって原料を増加し、これに応じて要求気体流量Qn
eedを増加し、その要求気体流量Qneedを気体入
口より供給したのでは、ピーク温度が目標運転温度Tm
を超えたり、ピーク温度位置が基準ピーク温度位置より
下流側に移動する(図19下段、図20上段の一点鎖線
参照)。
【0019】そして、ピーク温度位置が基準ピーク温度
位置より下流側に移動すると、改質器入口側に触媒温度
が低くなる領域(不活性な触媒領域)が生じ、これによ
り水素を含む改質ガスの生成量が不足するのであるが、
請求項1に記載の発明によれば、ピーク温度位置が基準
ピーク温度位置より下流側に移動したとき、要求気体流
量Qneedを減量側に補正して気体流量Q1を算出
し、この算出した気体流量Q1を気体入口から供給する
ので、基準負荷より大きな負荷領域においてもピーク温
度位置が目標運転温度Tmを超えてしまったり基準ピー
ク温度位置より下流側に移動することを抑制できる。す
なわち、気体入口に流入する過剰な酸素を含む気体を減
らすことで、改質器内部のガス流速が低下してガスの滞
留時間が長くなり酸化反応が改質器上流側の触媒で生
じ、これにより、ピーク温度が目標運転温度Tmを超え
る高温になることを防止できると共に、改質器入口側に
不活性な触媒領域が生じることを回避できる(図20中
段の実線参照)。
【0020】要求気体流量Qneedを減量補正した値
である気体流量Q1を気体入口より供給すると、ピーク
温度位置が上流側に移動するが、これは、ピーク温度の
部分で気体入口より供給した気体中の酸素がほとんど反
応しきったことを意味し、このままであればそのピーク
温度位置以降の下流側は下流になるほど温度が低下す
る。請求項3に記載の発明によれば、要求空気流量Qn
eedのうち、気体入口より供給できなかった気体の流
量(Qneed−Q1)を気体中間入口より供給するの
で、気体中間入口付近の触媒温度を高めることができる
(図20下段の破線参照)。
【0021】一方、気体入口付近の実際の触媒温度T1
が気体入口触媒温度検出手段位置の目標温度Tbと一致
するように算出した気体流量Q1が、原料流量に基づい
て算出した要求気体流量Qneedより小さい場合と
は、目標運転温度Tmが低く設定されている状態である
か、または気体入口付近の実際の触媒温度T1が現在、
目標運転温度Tmに近い状態である。この状態で値の大
きい方の要求気体流量Qneedを選択すると、過剰な
空気を含む気体の供給によりピーク温度が目標運転温度
Tmを大きく超えて高温になったり、ピーク温度位置が
下流に過剰に移動するのであるが、請求項4に記載の発
明によれば、この状態で値の小さい方の気体流量Q1を
選択するので、ピーク温度が目標運転温度Tmを超えて
高温になったり、ピーク温度位置が下流に過剰に移動す
ることを抑制できる。
【0022】一方、気体流量Q1が要求気体流量Qne
edより大きい場合とは、目標運転温度Tmが高く設定
されている状態であるか、または気体入口付近の実際の
触媒温度T1が現在、目標運転温度Tmに到達してない
状態である。この状態では反応に必要な気体流量の全て
である要求気体流量Qneedを気体入口より供給でき
る。
【0023】また、気体流量Q1より要求気体流量Qn
eedが大きい場合に、気体流量Q1を気体入口より供
給すると、ピーク温度位置が上流側に移動するのである
が、これは、ピーク温度の部分で気体入口より供給した
気体中の酸素がほとんど反応しきったことを意味し、こ
のままであればそのピーク温度位置より下流側は下流に
なるほど温度が低下する。請求項5に記載の発明によれ
ば、要求気体流量Qneedのうち、気体入口より供給
できなかった気体の流量(Qneed−Q1)を気体中
間入口より供給するので、気体中間入口付近の触媒温度
を高めることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1実施形態
を示す。まず燃料改質システムとしての基本的な構成お
よび動作につき説明する。
【0025】図において原料タンク2内の水と原料タン
ク3内の燃料であるメタノールとが水供給装置4、メタ
ノール供給装置5より蒸発器6内に送られて加熱蒸発さ
れ、水とメタノールの混合蒸気(原料蒸気)となって改
質器8に供給される。ここで、水供給装置4、メタノー
ル供給装置5は、主にフィードポンプとインジェクタか
らなっている。
【0026】水流量とメタノール流量の目標値は燃料電
池9で要求する発電量に基づいてコントローラ21によ
り算出され、それぞれの目標値になるようにコントロー
ラ21がそれぞれの供給装置4、5内の流量制御装置
(インジェクタ)を制御する。当該燃料電池システムを
車両に適用した場合には、上記の要求発電量はドライバ
のアクセルペダルの踏み込み量に基づいて算出する。
【0027】また、コンプレッサ7より空気(酸素を含
む気体)が改質器8に圧送(送気)される。コンプレッ
サ7は、燃料電池システム全体で必要とする空気を全て
供給するため、流量センサ15により検出されるコンプ
レッサ吐出流量が、改質器8に供給する空気流量と燃料
電池9で必要とされる空気流量との総和と等しくなるよ
うに、流量制御器16がコンプレッサ7の回転速度を制
御する。この場合、流量制御器16による制御には非干
渉制御方式を採用している(特開2001−33865
9号公報参照)。
【0028】改質器8は、水、メタノールの混合蒸気と
空気中の酸素とを改質反応させて水素リッチな改質ガス
を生成する。改質器8は、部分酸化反応による発熱とメ
タノールの分解反応による吸熱とがバランスするオート
サーマル条件で運転される。
【0029】なお、水素リッチな改質ガスには低レベル
の一酸化炭素が含まれ、この一酸化炭素は固体高分子型
燃料電池9の、白金等からなる電極触媒を被毒し、その
活性を著しく低下させてしまうので、一酸化炭素を除去
するシフト反応器が改質器8と一体に構成されている。
【0030】このようにして極めて低レベルな濃度にま
で一酸化炭素が低減された改質ガスとコンプレッサ7か
らの空気とが燃料電池9の燃料極と空気極に送気され、
燃料電池9では空気中の酸素と改質ガス中の水素とを電
気化学的に反応させて発電する。
【0031】燃料電池9において、改質ガス中の水素を
全て利用することは困難であり、一部の水素を残した、
発電に使用済みの改質ガスと、一部の酸素を残した、発
電に使用済みの空気とを、触媒燃焼器10に送り燃焼さ
せる。得られた高温の燃焼ガスは、蒸発器6に送られ、
メタノールと水の蒸発のエネルギーとして再利用され
る。
【0032】こうした燃料改質システムは、本実施形態
は車両に搭載され、燃料電池9から取り出される負荷電
流は、インバータ18を介して車両駆動用のモータ19
に流される。ここでは、インバータ18及び駆動モータ
19が、燃料電池9で発電した電力を消費する負荷装置
である。
【0033】こうして燃料改質システムが、運転条件に
より変化する負荷装置と組み合わされるとき、負荷装置
で必要な電力を燃料電池9が発生するように改質器8に
供給する原料と空気の各流量とを制御する必要があるの
であるが、図2に示したように、改質器8の構成が、一
方向に長い円筒状の容器8a内に部分酸化反応と改質反
応とを共に行う触媒8bを充填し、長手方向の一端(図
で左端)に原料入口8c及びその近くに空気入口8d
を、長手方向他端(図で右端)にガス出口8eを開口し
たものであり、こうした改質器8の構成によれば、原料
入口8cに原料蒸気を、空気入口8dに空気をそれぞれ
供給したとき、改質器8内部の温度分布は一様とならず
温度差のある温度分布が生じる。
【0034】改質器8内のガスは原料入口8cよりガス
出口8eに向けて一方向(図で右方向)に流れるので、
原料入口8cを原点として下流方向の位置を横軸に、そ
の位置でのガス温度を縦軸に採ると、ガス温度は原料入
口8cより上昇してピークをとった後に徐々に低下して
いく。ガス温度がピークをとるということは、その位置
で空気入口8dより供給された酸素が殆ど残っていない
ことを意味する。
【0035】この場合に、ピークの温度が目標運転温度
Tmを大きく超えないように運転できれば問題ないの
で、こうした観点から触媒8bの種類や量、改質器8の
外形寸法といった設計仕様が定まる。
【0036】ただし、このときの仕様は基準負荷に対し
て決定されるのであり、具体的に示すと、図19上段に
示したように基準負荷に対応する原料流量と、部分酸化
反応に必要な空気流量(この空気流量を以下「要求空気
流量」という。)Qneedとを供給したとき、ピーク
温度が望みの位置(基準ピーク温度位置zp0)にきた
とする(図19上段参照)。
【0037】しかしながら、基準負荷より負荷が大きく
なって原料を増加し、これに応じて要求空気流量Qne
edを増加し、これら増加した原料と空気とを各入口8
c、8dより供給したときには、ピーク温度が目標運転
温度Tmを超えたり、ピーク温度の位置が基準ピーク温
度位置より下流側に移動する(図19下段の一点鎖線参
照)。
【0038】本発明では、運転条件により変化する負荷
装置と組み合わされる、このような燃料改質システムに
おいて、空気入口8d付近の触媒温度(この触媒温度を
以下「入口触媒温度」という。)を実際に検出する温度
センサ(気体入口触媒温度検出手段)22を、原料入口
8cから所定の距離だけ下流側の位置に設け、改質器8
内のガス流速に基づいて改質器8内部のピーク温度位置
を推定し、このピーク温度位置に基づいて温度センサ2
2位置の目標温度Tbを算出し、温度センサ22により
検出される実際の入口触媒温度T1がこの温度センサ2
2位置の目標温度Tbと一致するように空気入口8dよ
り供給される空気流量(この流量を以下「空気入口流
量」という。)Q1を算出し、この空気入口流量Q1と
要求空気流量Qneedのうち値の小さい方を選択し、
この選択した値の小さい方の空気流量(Qsel)が流
れるように、コンプレッサ7より改質器8への空気供給
通路11に設けた流量制御弁12の開度を制御する。
【0039】また、改質器8内のガス流速を推定するた
め、改質器8の入口側と出口側に圧力センサ25、26
を備えている。
【0040】一方、上記の要求空気流量Qneedは原
料流量に基づいて算出するのであるが、空気入口流量Q
1が要求空気流量Qneedより小さいときには、空気
入口8dからは空気入口流量Q1が供給されるだけで、
残りQneed−Q1の空気分が供給されないことにな
ってしまうため、空気入口8dよりも下流側に空気中間
入口8fを設け、この空気中間入口8fより残りの空気
を供給する。
【0041】この場合、空気中間入口8f付近の触媒
は、空気中間入口8fからの空気供給の影響を受けて温
度が上昇し、さらに空気入口8dより供給される空気の
影響を受けても温度が上昇する。すなわち、空気入口8
dより供給される空気による酸化反応によって入口側触
媒の温度が上昇し、この入口側触媒の温度上昇が下流側
の触媒温度を上昇させる。このような状態で空気中間入
口8fからも空気を導入すると、中間空気入口付近の触
媒温度が触媒8bの上限温度(以下単に「上限温度」と
いう)Tmaxを超えてしまう可能性がある。
【0042】そこで、空気中間入口8f付近の触媒温度
を実際に検出する温度センサ(気体中間入口触媒温度検
出手段)23と、空気入口流量を実際に検出する流量セ
ンサ(気体入口流量検出手段)27と、空気中間入口8
fより供給される空気流量(この空気流量を以下「空気
中間流量」という。)を実際に検出する流量センサ(気
体中間入口流量検出手段)28とを設け、実際の空気入
口流量Qsen1や実際の空気中間流量Qsen2がス
テップ的に増加したときの所定期間先の温度センサ23
位置の触媒温度を推定し、この所定期間先の温度センサ
23位置の触媒温度の推定値T2suiが上限温度Tm
axを超えるときには、超えないように空気中間流量を
減量側に補正し、補正後の空気中間流量が流れるよう
に、改質器8への空気供給通路11からの分岐供給通路
13に設けた流量制御弁14の開度を制御する。
【0043】なお、空気入口8dと空気中間入口8fと
の2つから空気を分散して供給するようにしたものは特
開2001−19403号公報により公知であるが、こ
のように、空気中間入口8f付近の触媒が、空気中間入
口8fからの空気供給の影響を受けて温度が上昇するこ
とに加えて、空気入口8dより供給された空気の影響も
受けて温度上昇することまで開示するものではない。
【0044】次に、コントローラ21で実行されるこの
ような制御を以下のフローチャートに基づいて詳述す
る。
【0045】図3は2つの流量制御弁12、14の各目
標空気流量の演算を説明するためのもので、一定時間毎
(例えば10msec毎)に実行する。
【0046】ステップ1では改質器8内のガス流速νを
推定する。この推定については図4により説明する。図
4においてステップ11で圧力センサ25、26により
検出される改質器8の入口圧P1[Pa]と出口圧P2
[Pa]を読み込み、ステップ12で圧力差ΔP[P
a]を、 △P=P1−P2…(1) の式により算出し、この圧力差ΔPを用いて改質器8内
のガス流速ν[m/s]を、 ν=△P×D×D/(32×μ×L)…(2) ただし、D:改質器直径[m]、 L:改質器長さ[m]、 μ:粘度[Pa・s]、 の式により算出する。
【0047】ここで、(2)式は、円筒内を層流状に流
れる流体の流れの法則であるハーゲン・ポアズイユの式
(Hagen−Poiseuille law)であ
る。
【0048】このようにして改質器8内のガス流速νの
推定を終了したら図3に戻り、ステップ2で要求空気流
量Qneedを算出する。この算出については図5によ
り説明する。図5においてステップ21で改質器8に供
給する原料流量Qgen[NL/min]を読み込み、
これからステップ22において要求空気流量Qneed
[NL/min]を、 Qneed=Qgen×係数/0.21…(3) の式により算出する。
【0049】ここで、(3)式右辺の分子であるQge
n×係数は、改質器8内の部分酸化反応に必要となる酸
素流量であり、従って係数は改質器内の部分酸化率を表
す任意の定数(例えば0.3)である。0.21は空気
中の酸素割合であり、酸素流量を0.21で割ることに
よって空気流量を求めることができる。
【0050】上記の原料流量Qgenは、水流量とメタ
ノール流量を合わせた値である。すなわち、水流量とメ
タノール流量とはインジェクタに与えるデューティ値に
より制御している(デューティ値が増えるほど流量が増
加する)ので、これらデューティ値から図6、図7を内
容とするテーブルを検索することによりにより水流量
[NL/min]とメタノール流量[NL/min]を
求めることができ、両者を合計すれば、原料流量Qge
nを求めることができる。なお、流量の単位であるL
(リットル)に付けている「N」は標準状態(0℃、一
気圧)での値であることを表している。
【0051】このようにして要求空気流量Qneedの
算出を終了したら図3に戻り、ステップ3ではピーク温
度位置を推定する。改質器8が図2に示す構成であると
き、改質器8の内部に一様でない温度分布が生じ、この
うち最大となる温度がピーク温度である。ピーク温度位
置とは改質器8の原料入口8cとガス出口8eの間でピ
ーク温度が生じる位置のことである。ここでは、改質器
内ガス流速νから図8を内容とするテーブルを検索する
ことにより、ピーク温度位置を算出する。
【0052】図8の特性は予め行った実験データに基づ
いて作成したものである。図8において縦軸のピーク温
度位置は原料入口8c(改質器入口)が原点であり、改
質器内ガス流速νが速くなるほどピーク温度位置が改質
器8の下流方向へと移動している。これは次の理由によ
る。例えば改質器内ガス流速νが速い場合には改質器8
に供給している原料と空気が多い高負荷時がある。この
高負荷時に改質器8内にガスが滞留する時間が短くなる
ため、反応が改質器8の下流のほうで行われるようにな
り、さらに部分酸化反応に比べて改質反応の反応速度が
遅いことが原因で部分酸化反応による発熱と改質反応に
よる吸熱のバランスが崩れ吸熱が追いつかない。このよ
うな理由で改質器内ガス流速νが速いほどピーク温度位
置が改質器8の下流方向へと移動するのである。
【0053】ステップ4、5では改質器8の入口付近、
具体的には空気入口8dのすぐ下流に取付けた温度セン
サ22位置の目標温度Tbを算出する。
【0054】まずステップ4ではピーク温度位置が、目
標運転温度Tmとなるように改質器内部の温度分布状態
を示すプロファイルを表す関数を次のように作成する。
すなわち、改質器内部の温度分布状態を示すプロファイ
ルは、図9に示したようにピーク温度位置(図ではaが
ピーク温度位置)で目標運転温度Tmに達する、上に凸
の曲線であると考えられるので(中段の実線参照)、こ
のプロファイルをロジスティック波形(logisti
c curve)で近似する。
【0055】ロジスティック波形は、一般的には y=k/(1+c×EXPf(t))…(4) ただし、k、c:定数、 f(t):時間の関数、 の型の関数yを表す波形であるが(「EXP」は指数を
「f(t)」は指数の右肩に付く値)、ここでは時間t
に代えて、原料入口8cを原点とする位置zの関数とし
ている。すなわち、ロジスティック波形を表す関数とし
て、 y(z)=K2/(1+EXP(−K1×z)…(5a) ただし、y(z):位置zにおけるガス温度、 z:位置、 K1、K2:定数、 の式を用いる。
【0056】ここで、(5a)式の関数は2つの定数K
1、K2が決まれば1つに定まるので、これら定数K
1、K2は次の条件を満足するように決定する。
【0057】条件1:z=aのとき、y=Tm。
【0058】条件2:z=0のとき、y=原料温度Tf
と空気温度Taの平均値Tav。
【0059】上記の目標運転温度Tmはたとえば400
℃である。原料温度Tfは温度センサ29により、また
空気温度Taは温度センサ30により検出している(図
1参照)。
【0060】ロジスティック波形を表す関数には次に示
す他の態様が考えられる。
【0061】(1)他の態様1: y(z)=(A1−A2)/(1+EXP(z−z0)/d)+A2 …(5b) ただし、A2:目標温度、 d:任意の値、 ここで、A1、z0は上記の条件1、2を満足するよう
に決定する。
【0062】(2)他の態様2: y(z)=A×EXP(−EXP(−k×(z−z0)))…(5c) ただし、k:任意の値、 ここで、A、z0は上記の条件1、2を満足するように
決定する。
【0063】(3)他の態様3: y(z)=A/(1+EXP(−k(z−z0))…(5d) ただし、k:任意の値、 ここで、A、z0は上記の条件1、2を満足するように
決定する。
【0064】(4)他の態様4: y(z)=A/(1+B×EXP(−k×z))…(5e) ただし、k:任意の値、 ここで、A、Bは上記の条件1、2を満足するように決
定する。
【0065】ステップ5では、このようにして作成した
温度分布状態を示すプロファイル上の温度であって温度
センサ22位置に対応する触媒温度を、温度センサ22
位置の目標温度Tbとして求める。すなわち、改質器8
上における温度センサ22位置は予め定まっているの
で、この位置をbとすれば、このbを上記(5a)式に
代入して求めたy(b)の値が目標温度Tbである(図
9中段参照)。
【0066】なお、図9には実験に用いたものを示して
いるため、負荷が50%のときに温度ピークがくる位置
に温度センサ22を取付けている。原料入口8cの近く
では温度は上がらないので、温度センサ22位置として
は原料入口8cはふさわしくない。
【0067】ステップ6では、温度センサ22により検
出される実際の入口触媒温度T1がこの温度センサ22
位置の目標温度Tbと一致するように、空気入口流量Q
1を算出する。この算出については図10により説明す
る。
【0068】図10においてステップ31で温度センサ
22により検出される実際の入口触媒温度T1を読み込
み、ステップ32では温度センサ22位置の目標温度T
bからの偏差eを、 e=Tb−T1…(6) の式により算出し、この偏差eを用いステップ33にお
いて制御周期当たりの空気流量のフィードバック量Qf
b[NL/min]を、 Qfb=K3×{(e−e(前回))+(T/Ti)×e +(TD/T)×(e−2×e(前回)+e(前々回))}…(7) ただし、e(前回):前回の偏差、 e(前々回):前々回の偏差、 T/Ti:積分係数(積分ゲイン)、 TD/T:微分係数(微分ゲイン)、 T:制御周期、 K3:定数、の式により算出する。これは公知の比例積
分微分動作の式である。
【0069】ステップ34ではこのフィードバック量Q
fbを用いて、実際の入口触媒温度T1を目標温度Tb
に一致させるための空気入口流量Q1[NL/min]
を、 Q1=Q1(前回)+Qfb…(8) ただし、Q1(前回):Q1の前回値、 の式により算出する。Q1の初期値はゼロである。
【0070】例えば、実際の入口触媒温度T1が目標温
度Tbより低いときフィードバック量Qfbが正となり
空気入口流量Q1が増量され、この反対に実際の入口触
媒温度T1が目標温度Tbより高いときフィードバック
量Qfbが負となり空気入口流量Q1が減量される。
【0071】このようにしてT1をTbと一致させるた
めの空気入口流量Q1の算出を終了したら図3に戻り、
ステップ7でこのQ1とQneedとを比較して値の小
さい方を選択し、選択後の空気流量を選択空気流量Qs
elとする。
【0072】例えばQ1がQneedより小さい場合と
は、目標運転温度Tmが低く設定されている状態である
かまたは、実際の入口触媒温度T1がTmに現在近い状
態である。この状態でQ1よりも大きなQneedを与
えるとすれば、過剰な空気供給によりピーク温度がTm
を超えて高温になり、かつピーク温度が下流に過剰に移
動してしまう。本実施形態では値の小さな方のQ1を選
択することで、こうした事態が生じることが防止され
る。
【0073】一方、Q1がQneedより大きい場合と
は、Tmが高く設定されている状態であるかまたは、実
際の入口触媒温度T1がTmに現在到達してない状態で
ある。この状態では値の小さな方のQneedを選択す
ることで、反応に必要な空気流量の全てであるQnee
dを空気入口8dより供給できる。
【0074】ステップ8では、選択空気流量Qselに
対して、ピーク温度位置に応じた空気入口流量の減量補
正を行う。すなわち、ピーク温度位置から図11を内容
とするテーブルを検索することにより、空気入口流量の
減量補正値Qgenを演算し、選択空気流量Qselか
らこの減量補正値Qgenを差し引いた値を、目標空気
入口流量Qm1として、つまり Qm1=Qsel−Qgen…(9) の式により目標空気入口流量Qm1を算出する。
【0075】減量補正値Qgenは、ピーク温度位置を
温度センサ22位置までもってきたいための空気入口流
量の減量分で、図11のようにピーク温度位置が改質器
8の下流になるほど大きくしている。図11の特性も予
め行った実験データから作成する。
【0076】空気入口流量を減量補正して、改質器8の
下流方向に移動したピーク温度位置を温度センサ22位
置へと移動させたい理由は、ピーク温度位置が温度セン
サ22位置に一致するとき、改質効率が最適となるよう
に改質器8を設計しているためである。
【0077】なお、図11において温度センサ22位置
であるbよりも左側の領域でQgen=0としているの
は、要求空気流量Qneedが空気入口流量Q1より小
さいとき、ピーク温度位置が温度センサ22位置よりも
前にくることあり、このときにも正の値の減量補正値Q
genを与えたのでは、ピーク温度位置を温度センサ2
2位置にもってくることができなくなるからである。
【0078】ステップ9では、要求空気流量Qneed
と目標空気入口流量Qm1との差分を空気中間流量の理
想値Q2risとして、すなわち Q2ris=Qneed−Qm1…(10) の式により空気中間流量理想値Q2risを算出する。
【0079】ただし、(10)式において差分がマイナ
スの値となった場合には無視してQ2ris=0とす
る。
【0080】このようにして算出した空気中間流量理想
値Q2risは、要求空気流量Qneedのうち空気入
口8dから供給できない空気流量である。
【0081】ステップ10では温度センサ23位置の触
媒温度を推定する。この推定については図12により説
明する。
【0082】図12においてステップ41で流量センサ
27、28からの実際の空気流量Qsen1、Qsen
2、温度センサ23位置の実際の触媒温度T2を読み込
む。
【0083】ステップ42〜44は空気入口流量の変化
が温度センサ23位置の触媒温度に与える温度変化分d
T1を算出する部分、ステップ45〜47は空気中間流
量の変化が温度センサ23位置の触媒温度に与える温度
変化分dT2を算出する部分である。dT1を考慮する
必要があるのは、空気入口8dから供給した空気により
空気入口8d付近の触媒で酸化反応が活発になって温度
が上昇し、この温度上昇が温度センサ23位置の触媒温
度に影響するためである。同様にして、dT2を考慮す
る必要があるのは、温度センサ23位置より上流側に空
気中間入口8fが設けられている場合に、空気中間入口
8fから供給した空気により空気中間入口付近の触媒で
酸化反応が活発になって温度が上昇し、この温度上昇が
温度センサ23位置の触媒温度に影響するためである。
【0084】これについて図13を参照してさらに説明
すると、空気入口流量がt1のタイミングでステップ的
に増加したとき(最上段参照)、この変化に対応して温
度センサ23位置の触媒温度は、ステップ増加後の空気
流量に対応する温度(図13第2段目の一点鎖線参照)
に対して、一次遅れで追従するものと考えられる(図1
3第2段目の実線参照)。このとき、制御理論で良く知
られている伝達関数G1(s)(sはラプラス演算子)
を用いれば、空気入口流量がステップ増加したタイミン
グを起点として、所定の期間先の温度センサ23位置の
触媒温度の変化を時系列に推定することが可能である。
これを式で表すと次のようになる。
【0085】 dT1=G1(s)×dQ1…(11a) ただし、G1(s):伝達関数、 すなわち、空気入口流量がdQ1だけ変化したときの、
温度センサ23位置の触媒温度変化分dT1の所定の期
間先までの時系列データを、dQ1と伝達関数G1
(s)を用いて求めることができる(図13第2段目の
矢印参照)。
【0086】次に、空気中間流量がt2のタイミングで
ステップ的に増加したとき(図13第3段目参照)、こ
の変化に対応して温度センサ23位置の触媒温度は、ス
テップ増加後の空気流量に対応する温度(図13第4段
目の一点鎖線参照)に対して、一次遅れで追従するもの
と考えられるため(図13第4段目の実線参照)、推定
方法は上記と同様にして行う。すなわち、伝達関数G2
(s)を用いれば、空気中間流量がdQ2だけステップ
増加したタイミングを起点として、所定の期間先の温度
センサ23位置の触媒温度の変化を、式で表すと次のよ
うになる。
【0087】 dT2=G2(s)×dQ2…(12a) ただし、G2(s):伝達関数、 従って、空気中間流量がdQ2だけ変化したときの、温
度センサ23位置の触媒温度変化分dT2の所定の期間
先までの時系列データを、dQ2と伝達関数G2(s)
を用いて求めることができる(図13第4段目の矢印参
照)。
【0088】ここで、上記の伝達関数G1(s)、G2
(s)は予めステップ応答実験を行って求めておく。た
だし、伝達関数G2(s)は温度センサ23位置の実際
の触媒温度が同じでも伝達関数G1(s)とは異なるの
で、伝達関数G2(s)は別途作成する。
【0089】図12に戻り、ステップ42では空気入口
流量の制御周期当たりの実際の変化分dQ1を、 dQ1=Qsen1−Qsen1(前回)…(13) ただし、Qsen1(前回):Qsen1の前回値、 の式により算出する。本実施形態では、図12に示すサ
ブルーチンの制御周期を図3に示すメインルーチンの制
御周期と同じにしているが、図12の制御周期を別途定
めるようにしてもかまわない。
【0090】ステップ43では温度センサ23位置の実
際の触媒温度T2に応じた伝達関数G1(s)を選択す
る。
【0091】伝達関数G1(s)は温度センサ23位置
の触媒温度に応じて複数作成している。複数の伝達関数
を用意して温度センサ23位置の実際の触媒温度T2に
応じた伝達関数を選択させるのは、温度センサ23位置
の触媒温度が高い場合には空気入口流量の単位変化に対
する温度センサ23位置の触媒温度変化分が大きくなる
特性があり、この特性を持たせるためである(図14参
照)。高負荷時には空気入口流量も高流量となるので温
度変化分は高負荷になるほど大きくなる。
【0092】ステップ44では選択した伝達関数G1
(s)とdQ1とを用いて、空気入口流量が制御周期当
たりdQ1だけ変化したときの、温度センサ23位置の
触媒温度変化分dT1の所定の期間先までの時系列デー
タを算出する。
【0093】ステップ45では空気中間流量の制御周期
当たりの実際の変化分dQ2を、 dQ2=Qsen2−Qsen2(前回)…(14) ただし、Qsen2(前回):Qsen2の前回値、 の式により算出する。
【0094】ステップ46では温度センサ23位置の実
際の触媒温度T2に応じた伝達関数G2(s)を選択
し、ステップ47においてこの選択した伝達関数G2
(s)とdQ2とを用いて、空気中間流量が制御周期当
たりdQ2だけ変化したときの、温度センサ23位置の
触媒温度変化分dT2の所定の期間先までの時系列デー
タを算出する。
【0095】そして、ステップ48では温度センサ23
位置の触媒温度変化分dT1の時系列データともう一つ
の温度センサ23位置の触媒温度変化分dT2の時系列
データとを温度センサ23位置の実際の触媒温度T2に
加算することにより、つまり温度センサ23位置の触媒
温度推定値T2suiの時系列データを、 T2suiの時系列データ=T2+dT1の時系列データ +dT2の時系列データ…(15) の式により算出する。
【0096】このようにして、空気入口流量や空気中間
流量がステップ増加したとき、そのステップ増加した各
タイミングを起点として所定の期間先までの温度センサ
23位置の触媒温度推定値の時系列データを求めること
ができる。
【0097】なお、(15)式のdT1、dT2の時系
列データは正の値も採るし負の値も採る。入口空気流
量、中間空気流量の変化分dQ1、dQ2が正のときに
はdT1、dT2の時系列データが正の値となり、この
反対に各空気流量の変化分が負のときにはdT1、dT
2の時系列データが負の値となる。
【0098】G1(s)、G2(s)の各伝達関数を複
数用意する代わりに、各伝達関数は温度センサ23位置
の基準触媒温度に対するもの1つずつとし、温度センサ
23位置の実際の触媒温度T2に基づいて温度補正値を
算出し、これらに基づいてdT1、dT2の時系列デー
タを算出するようにしてもよい。この方法について述べ
ると、これは(15)式のdT1の時系列データ、dT
2の時系列データを次のようにして求めるものである。
すなわち、温度センサ23位置の触媒温度が基準触媒温
度である場合において空気入口流量が制御周期当たりd
Q1だけ変化したときの、温度センサ23位置の触媒温
度変化分dT1の所定の期間先までの時系列データを、
dQ1と温度センサ23位位置の基準触媒温度に対する
伝達関数G10(s)を用いて算出し、これら時系列デ
ータにそれぞれ温度補正値1を加えた値を、改めてdT
1の時系列データとする。
【0099】 dT1の時系列データ =基準触媒温度時のdT1の時系列データ+温度補正値1…(16) 同様にして、温度センサ23位置の触媒温度が基準触媒
温度である場合において中間空気流量が制御周期当たり
dQ2だけ変化したときの、温度センサ23位置の触媒
温度変化分dT2の所定の期間先までの時系列データ
を、dQ2と基準触媒温度に対する伝達関数G20
(s)を用いて算出し、これら時系列データにそれぞれ
温度補正値2を加えた値を、改めてdT2の時系列デー
タとする。
【0100】 dT2の時系列データ =基準触媒温度時のdT2の時系列データ+温度補正値2…(17) ここで、(16)、(17)式の温度補正値1、2は図
15に示したように温度センサ23位置の実際の触媒温
度T2が基準触媒温度より高くなるほど大きくなる値で
ある。
【0101】このようにして温度センサ23位置の触媒
温度推定値T2suiの算出を終了したら図3に戻り、
ステップ11ではこのT2suiに基づいて、T2su
iの所定の期間先までの時系列データの中の最大値が上
限温度Tmaxを超えることがないように、目標空気中
間流量Tm2を算出する。この算出については図16に
より説明する。
【0102】図16においてステップ51で、温度セン
サ23位置の触媒温度推定値T2suiの時系列データ
の最大値が上限温度Tmax以下であるかどうかみる。
【0103】ここで、上限温度Tmaxは目標運転温度
Tm(例えば400℃)より少し高い値を設定する。簡
単にはTmと等しくしてもかまわない。
【0104】T2suiの時系列データの最大値が上限
値Tmax以下である場合にはステップ52に進み、上
記の空気中間流量理想値Q2risをそのまま目標空気
中間流量Qm2とする。
【0105】一方、T2suiの時系列データの最大値
がTmaxを越える場合とは、例えば図17に示したよ
うに、Q1(ただしQ1<Qneedの場合)にdQ1
の流量増加があった場合に、T2suiの時系列データ
のうち時間的に遅い側がTmaxを超える場合である
(図17下段の実線参照)。このときには空気中間流量
理想値Q2risをそのま空気中間入口8fから供給し
たのでは大きすぎるので、Q2risより小さな流量と
してやる必要がある。このため、ステップ51よりステ
ップ53に進んで温度センサ23位置の実際の触媒温度
T2を読み込み、この温度T2からステップ54におい
て図18を内容とするテーブルを検索することにより、
空気中間流量の減量側補正値dQgenを演算する。
【0106】図18のように減量側補正値dQgen
は、温度センサ23位置の実際の触媒温度T2が高くな
るほど負の値で大きくしている。これは、T2が高い場
合には空気中間流量の単位変化に対する温度センサ23
位置の触媒温度変化分が大きくなる特性があるので、こ
れを考慮して計算誤差を少なくするようにしたものであ
る。
【0107】ステップ55では空気中間流量理想値Q2
risにこの負の値である減量分dQgenを加算した
値を改めて空気中間流量理想値Q2ris’として、 Q2ris’=Q2ris+dQgen…(18) の式により算出する。
【0108】ここで、Q2ris’はQ2risより小
さな値である。
【0109】ステップ56では空気中間流量がQ2ri
s’の状態から|dQgen|だけステップ増加すると
きの伝達関数G2’(s)を選択し、ステップ57にお
いてこの伝達関数G2’(s)と|dQgen|とを用
いて、空気中間流量がQ2ris’の状態から|dQg
en|だけ増加するときの、温度センサ23位置の触媒
温度変化分dT2の所定の期間先までの時系列データを
算出する。
【0110】そして、ステップ58ではこのdT2の時
系列データを温度センサ23位置の実際の触媒温度T2
に加算することにより、温度センサ23位置の触媒温度
推定値T2suiの時系列データを、つまり、 T2suiの時系列データ=T2+dT2の時系列データ…(19) の式により算出する。
【0111】ステップ59ではこのようにして算出した
温度センサ23位置の触媒温度推定値T2suiの時系
列データの最大値が、再び触媒の上限温度Tmax以下
であるかどうかみる。
【0112】ここで、T2suiの時系列データの最大
値が上限温度Tmaxを超えていない場合とは、空気中
間流量の|dQgen|の減量によって(図17最上段
の破線鎖線)、図17最下段の一点鎖線で示したように
T2suiの時系列データが最大値Tmaxを下回った
場合である。この場合にはステップ60に進み、Q2離
sから|dQgen|だけ減量した値であるQ2ri
s’を目標空気中間流量Qm2として算出する。
【0113】一方、T2suiの時系列データの最大値
が上限温度Tmaxを超えている場合には、ステップ5
9よりステップ61に進み、減量側補正値dQgenを
一定値dQだけ増やしてステップ55〜59の操作を繰
り返す。この繰り返しによりやがてT2suiの時系列
データの最大値が上限温度Tmax以下になったらステ
ップ60の操作を実行して、図16の処理を終える。
【0114】なお、ステップ55〜59、61の操作の
繰り返しは制御速度が速いこともあって一瞬で終わる。
【0115】このようにして目標空気中間流量Qm2の
算出を終了したら図3に戻り、ステップ12でこの目標
空気中間流量Qm2と目標空気入口流量Qm1とを出力
レジスタに移す。
【0116】図示しないフローでは、このようにして算
出した目標空気入口流量Qm1の空気が空気入口8dよ
り供給されるように流量制御弁12の開度を制御すると
共に、目標空気中間流量Qm2の空気が空気中間入口8
fより供給されるように流量制御弁14の開度を制御す
る。
【0117】これらの流量制御弁12、14に代えて、
ガス流体用の流量制御一体型の制御弁を用いてもかまわ
ない。当該制御弁では流量センサを内蔵しており、算出
した目標空気流量Qm1、Qm2を入力として与える
と、この値と内蔵の流量センサにより検出される実流量
とが一致するように弁開度が駆動される。
【0118】ここで、本実施形態の作用効果を説明す
る。
【0119】温度センサ22(気体入口触媒温度検出手
段)位置の実際の触媒温度T1が温度センサ22位置の
目標温度Tbと一致するように算出した空気入口流量Q
1が、原料流量に基づいて算出した要求空気流量Qne
edより小さい場合とは、目標運転温度Tmが低く設定
されている状態であるか、または空気入口8dの実際の
触媒温度T1が目標運転温度Tmに現在近い状態であ
る。この状態で値の大きい方の要求空気流量Qneed
を選択すると、過剰な空気の供給によりピーク温度が目
標運転温度Tmを大きく超えて高温になったり、ピーク
温度位置が下流に過剰に移動するのであるが、本実施形
態(請求項4に記載の発明)によれば、この状態で値の
小さい方の空気入口流量Q1を選択するので、ピーク温
度が目標運転温度Tmを超えて高温になったり、ピーク
温度位置が下流に過剰に移動することを抑制できる。
【0120】一方、空気入口流量Q1が要求空気流量Q
needより大きい場合とは、目標運転温度Tmが高く
設定されている状態であるか、または空気入口8dの実
際の触媒温度T1が目標運転温度Tmに現在到達してな
い状態である。この状態では反応に必要な空気流量の全
てである要求空気流量Qneedを空気入口8dより供
給できる。
【0121】また、空気入口流量Q1より要求気体流量
Qneedが大きい場合に、空気入口流量Q1を空気入
口8dより供給すると、ピーク温度位置が上流側に移動
するが、これは、ピーク温度の部分で空気入口8dより
供給した空気中の酸素がほとんど反応しきったことを意
味し、このままであればピーク温度位置より下流側は下
流になるほど温度が低下する。本実施形態(請求項5に
記載の発明)によれば、要求空気流量Qneedのう
ち、空気入口8dより供給できなかった空気の流量(Q
need−Q1)を空気中間入口8fより供給するの
で、空気中間入口8f付近の触媒温度を高めることがで
きる。
【0122】本実施形態(請求項6の発明)によれば、
選択空気流量Qselをピーク温度位置に基づいて減量
補正することでも、ピーク温度位置が改質器8の下流方
向に過剰に移動することを抑制することができ、かつ上
流側で温度の低かった部分の温度を上昇させることがで
きる。
【0123】本実施形態(請求項7の発明)によれば、
ピーク温度位置が改質器下流方向に移動するほど、選択
空気流量の減量補正値Qgenを増やすので、負荷が相
違してもピーク温度位置をほぼ同じ位置にもってくるこ
とができる。
【0124】本実施形態(請求項8の発明)によれば、
ピーク温度位置が目標運転温度Tmとなるように生成し
た温度分布プロファイルの中で、温度センサ22位置に
相当する温度を、温度センサ22位置の目標温度Tbと
して算出するので、ピーク温度位置が下流側に移動して
も、ピーク温度位置が目標運転温度Tmを超えないよう
にすることができる。
【0125】本実施形態(請求項10に記載の発明)に
よれば、改質器内ガス流速νが速くなるほどピーク温度
が改質器の下流側へ移動すると推定するので、改質器内
ガス流速が相違してもピーク温度位置を精度良く与える
ことができる。
【0126】空気入口流量がステップ増加すると、この
影響を受けて温度センサ23位置(気体中間入口付近)
の触媒温度が上昇する。この温度上昇分を考慮すること
なく、空気入口8dの実際の触媒温度T1がこの温度セ
ンサ23位置の目標温度Tbと一致するように算出した
空気流量Q1より、要求空気流量Qneedが大きい場
合に、その差の流量Q2risの空気をそのまま空気中
間入口8fより供給するとすれば、温度センサ23位置
の触媒温度が上限温度Tmaxを超えてしまうことが考
えられる。本実施形態(請求項12に記載の発明)によ
れば、この温度上昇分を含んだ温度センサ23位置の触
媒温度を推定し、その所定期間先の温度センサ23位置
の触媒温度の推定値T2suiが上限温度Tmaxを超
えるときには超えないように空気中間流量を減量側に補
正するので、空気入口流量がステップ増加するときで
も、温度センサ23位置の触媒温度が上限温度Tmax
を超えてしまうことを回避できる。
【0127】同様にして、空気中間流量がステップ増加
すると、この影響を受けて温度センサ23位置の触媒温
度が上昇する。この温度上昇分を考慮することなく、空
気入口8dの実際の触媒温度T1が温度センサ22位置
の目標温度Tbと一致するように算出した空気入口流量
Q1より、要求空気流量Qneedが大きい場合に、そ
の差の流量Q2risの空気をそのまま空気中間入口8
fより供給するとすれば、温度センサ23位置の触媒温
度が上限温度Tmaxを超えてしまうことが考えられ
る。本実施形態(請求項13に記載の発明)によれば、
この温度上昇分を含んだ温度センサ23位置の触媒温度
を推定し、その所定期間先の温度センサ23位置の触媒
温度の推定値T2suiが上限温度Tmaxを超えると
きには超えないように空気中間流量を減量側に補正する
ので、空気中間流量がステップ増加するときでも、温度
センサ23位置の触媒温度が上限温度Tmaxを超えて
しまうことを回避できる。
【0128】高負荷になるほど空気入口8dより供給さ
れる空気の単位流量変化に対する温度センサ23位置の
触媒温度変化が大きくなる特性を有するので、この特性
を考慮しないとすれば、所定期間先の温度センサ23位
置の触媒温度を推定するのに用いる、空気中間流量の減
量側補正値dQgenに過不足が生じる。これに対して
本実施形態(請求項15に記載の発明)によれば、所定
期間先の温度センサ23位置の触媒温度の推定値T2s
uiが上限温度Tmaxを超えるときに、その上限温度
Tmaxからの温度上昇分が大きいほど、空気中間流量
の減量側補正値dQgenを大きくするので、負荷に関
係なく空気中間流量の減量側補正値dQgenを精度良
く与えることができる。
【0129】前述した実施形態のほかに次の他の実施形
態が考えられる。
【0130】他の実施形態1:図2に示した改質器であ
ることを前提とし、部分酸化反応に必要な空気流量であ
る要求空気流量Qneedを原料流量に基づいて算出す
る要求空気流量算出手段と、改質器内部のピーク温度位
置を推定するピーク温度位置推定手段と、このピーク温
度位置が基準ピーク温度位置より下流側に移動したと
き、前記要求空気流量Qneedを減量側に補正して空
気入口流量Q1を算出する空気入口流量算出手段と、こ
の算出した空気入口流量Q1が空気入口から供給される
ように流量制御弁12の開度を制御する制御手段とを備
える。
【0131】この他の実施形態1(請求項1に記載の発
明)による作用効果を次に説明する。
【0132】図19に示したように基準負荷のときピー
ク温度が基準ピーク温度位置zp0にくるように、基準
負荷に対応する要求空気流量Qneedを設定している
場合に(図19上段参照)、基準負荷より負荷が大きく
なって原料を増加し、これに応じて要求空気流量Qne
edを増加し、その要求空気流量Qneedを空気入口
8dより供給したのでは、ピーク温度が目標運転温度T
mを超えたり、ピーク温度位置が基準ピーク温度位置よ
り下流側に移動する(図19下段の一点鎖線参照)。
【0133】そして、ピーク温度位置が基準ピーク温度
位置より下流側に移動すると、改質器入口側に触媒温度
が低くなる領域(不活性な触媒領域)が生じ、これによ
り水素を含む改質ガスの生成量が不足するのであるが、
他の実施形態1(請求項1に記載の発明)によれば、ピ
ーク温度位置が基準ピーク温度位置より下流側に移動し
たとき、要求空気流量Qneedを減量側に補正して空
気入口流量Q1を算出し、この算出した空気入口流量Q
1が空気入口8dから供給されるようにするので、ピー
ク温度位置が目標運転温度Tmを超えてしまったり基準
ピーク温度位置より下流側に移動することを抑制でき
る。すなわち、空気入口8dに流入する過剰な空気を減
らすことで、改質器8内部のガス流速が低下してガスの
滞留時間が長くなり酸化反応が改質器8上流側の触媒で
生じ、これにより、ピーク温度が目標運転温度Tmを超
える高温になることを防止できると共に、改質器8入口
側に不活性な触媒領域が生じることを回避できる(図2
0中段の実線参照)。
【0134】他の実施形態2:要求空気流量Qneed
のうち空気入口8dから供給されなかった空気が空気中
間入口8fより供給されるように流量制御弁14の開度
を制御する。
【0135】この他の実施形態2(請求項3に記載の発
明)による作用効果を次に説明する。
【0136】要求空気流量Qneedを減量補正した値
である空気入口流量Q1を空気入口8dより供給する
と、ピーク温度位置が改質器8の上流側に移動するが、
これは、ピーク温度の部分で空気入口8dより供給した
空気中の酸素がほとんど反応しきったことを意味し、こ
のままであればそのピーク温度位置より下流側は下流に
なるほど温度が低下する。他の実施形態2(請求項3に
記載の発明)によれば、要求空気流量Qneedのう
ち、空気入口8dより供給できなかった空気の流量(Q
need−Q1)を空気中間入口8fより供給するの
で、空気中間入口8f付近の触媒温度を高めることがで
きる(図20下段の破線参照)。
【0137】実施例では、空気入口8dより供給される
実際の空気流量Qsen1と空気中間入口8fより供給
される実際の空気流量Qsen2とが変化したときの所
定期間先の温度センサ23位置の触媒温度を推定する場
合で説明したが、簡単には空気入口8dより供給される
実際の空気流量Qsen1のみが変化したときの、ある
いは空気中間入口8fより供給される実際の空気流量Q
sen2のみが変化したときの所定期間先の温度センサ
23位置の触媒温度を推定する場合でもかまわない。
【0138】実施形態ではメタノール改質の場合で述べ
たが、本発明は、ガソリン改質など他の改質仕様にも適
用が可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料改質システムの概略構成図。
【図2】改質器の概略構成図。
【図3】目標空気流量の算出を説明するためのフローチ
ャート。
【図4】改質器内ガス流量の推定を説明するためのフロ
ーチャート。
【図5】要求空気流量の算出を説明するためのフローチ
ャート。
【図6】水流量の特性図。
【図7】メタノール流量の特性図。
【図8】ピーク温度位置の特性図。
【図9】温度分布プロファイルの作成を説明するための
特性図。
【図10】空気入口流量の算出を説明するためのフロー
チャート。
【図11】空気入口流量の減量補正値の特性図。
【図12】温度センサ23位置の触媒温度の推定を説明
するためのフローチャート。
【図13】空気入口流量と空気中間流量の各ステップ増
加が温度センサ23位置の触媒温度に与える影響を説明
するための波形図。
【図14】単位空気流量変化に対する温度センサ23位
置の温度変化分が負荷の違いによって異なることを説明
するための特性図。
【図15】温度補正値の特性図。
【図16】目標空気中間流量の算出を説明するためのフ
ローチャート。
【図17】空気中間流量の減量を説明するための波形
図。
【図18】減量側補正値の特性図。
【図19】従来装置の作用を説明する波形図。
【図20】請求項1に記載の発明の作用を説明する波形
図。
【符号の説明】
8 改質器 8a 円筒状ケース 8b 触媒 8c 原料入口 8d 空気入口(気体入口) 8e ガス出口 8f 空気中間入口(気体中間入口) 12 流量制御弁(気体入口流量調整手段) 14 流量制御弁(気体中間入口流量調整手段) 21 コントローラ 22 温度センサ(気体入口触媒温度検出手段) 23 温度センサ(気体中間入口触媒温度検出手段) 25 圧力センサ 26 圧力センサ

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】負荷に応じた原料を供給する原料入口と、 部分酸化反応に用いる酸素を含む気体を供給する気体入
    口と、 酸素を含む気体と原料とを用いて改質反応と部分酸化反
    応とを行って水素を含む改質ガスを生成する触媒と、 この生成された改質ガスを排出するガス出口とからなる
    改質器において、 気体入口の流量を調整可能な気体入口流量調整手段と、 部分酸化反応に必要な気体流量である要求気体流量を原
    料流量に基づいて算出する要求気体流量算出手段と、 改質器内部のピーク温度位置を推定するピーク温度位置
    推定手段と、 このピーク温度位置が基準ピーク温度位置より下流側に
    移動したとき、前記要求気体流量を減量側に補正して気
    体流量を算出する気体流量算出手段と、 この算出した気体流量が気体入口から供給されるように
    気体入口流量調整手段を制御する制御手段とを備えるこ
    とを特徴とする改質器の制御装置。
  2. 【請求項2】気体入口付近の触媒温度を実際に検出する
    気体入口触媒温度検出手段を備え、 ピーク温度位置に基づいて気体入口触媒温度検出手段位
    置の目標温度を算出し、 気体入口付近の実際の触媒温度がこの気体入口触媒温度
    検出手段位置の目標温度と一致するように気体入口から
    供給される気体流量を算出することを特徴とする請求項
    1に記載の改質器の制御装置。
  3. 【請求項3】気体入口とガス出口との中間位置に酸素を
    含む気体を供給する気体中間入口と、この気体中間入口
    の流量を調整可能な気体中間入口流量調整手段とを備
    え、要求気体流量のうち気体入口から供給されなかった
    気体が気体中間入口より供給されるように気体中間入口
    流量調整手段を制御することを特徴とする請求項1また
    は2に記載の改質器の制御装置。
  4. 【請求項4】負荷に応じた原料を供給する原料入口と、 部分酸化反応に用いる酸素を含む気体を供給する気体入
    口と、 酸素を含む気体と原料とを用いて改質反応と部分酸化反
    応を行って水素を含む改質ガスを生成する触媒と、 この生成された改質ガスを排出するガス出口とからなる
    改質器において、 気体入口の流量を調整可能な気体入口流量調整手段と、 部分酸化反応に必要な気体流量である要求気体流量を原
    料流量に基づいて算出する要求気体流量算出手段と、 気体入口付近の実際の触媒温度を検出する気体入口触媒
    温度検出手段と、 改質器内部のピーク温度位置を推定するピーク温度位置
    推定手段と、 このピーク温度位置に基づいて気体入口触媒温度検出手
    段位置の目標温度を算出する気体入口触媒温度検出手段
    位置目標温度算出手段と、 気体入口付近の実際の触媒温度がこの気体入口触媒温度
    検出手段位置の目標温度と一致するように気体流量を算
    出する気体流量算出手段と、 要求気体流量とこの気体流量のうち値の小さい方を選択
    する選択手段と、 この選択した値の小さい方の気体流量が流れるように気
    体入口流量調整手段を制御する制御手段とを備えること
    を特徴とする改質器の制御装置。
  5. 【請求項5】気体入口とガス出口との中間位置に酸素を
    含む気体を供給する気体中間入口と、この気体中間入口
    の流量を調整可能な気体中間入口流量調整手段とを備
    え、気体入口付近の実際の触媒温度がこの気体入口触媒
    温度検出手段位置の目標温度と一致するように算出した
    気体流量より、要求気体流量が大きい場合に、その差の
    流量が気体中間入口より供給されるように気体中間入口
    流量調整手段を制御することを特徴とする請求項4に記
    載の改質器の制御装置。
  6. 【請求項6】選択した値の小さい方の気体流量をピーク
    温度位置に基づいて減量補正することを特徴とする請求
    項4または5に記載の改質器の制御装置。
  7. 【請求項7】選択した値の小さい方の気体流量の減量補
    正値をピーク温度位置が改質器の下流方向に移動するほ
    ど増やすことを特徴とする請求項6に記載の改質器の制
    御装置。
  8. 【請求項8】気体入口触媒温度検出手段位置目標温度算
    出手段は、ピーク温度位置が目標運転温度となるように
    改質器内の温度分布プロファイルを生成する温度分布プ
    ロファイル生成手段と、この温度分布プロファイル上
    の、気体入口触媒温度検出手段位置に相当する温度を、
    気体入口触媒温度検出手段位置の目標温度として算出す
    る手段とからなることを特徴とする請求項4から7まで
    のいずれか一つに記載の改質器の制御装置。
  9. 【請求項9】改質器内のガス流速に基づいてピーク温度
    位置を推定することを特徴とする請求項4から8までの
    いずれか一つに記載の改質器の制御装置。
  10. 【請求項10】改質器内のガス流速が速くなるほどピー
    ク温度位置が改質器の下流側に移動すると推定すること
    を特徴とする請求項9に記載の改質器の制御装置。
  11. 【請求項11】改質器内ガス流速を改質器の入口圧と出
    口圧の差に基づいて推定することを特徴とする請求項9
    または10に記載の改質器の制御装置。
  12. 【請求項12】気体中間入口付近の実際の触媒温度を検
    出する気体中間入口触媒温度検出手段と、気体入口より
    供給される実際の気体流量を検出する気体入口流量検出
    手段とを備え、この気体入口より供給される実際の気体
    流量が変化したときの所定期間先の気体中間入口付近の
    触媒温度を、気体入口より供給される実際の気体流量と
    気体中間入口付近の実際の触媒温度とに基づいて推定
    し、この所定期間先の気体中間入口付近の触媒温度の推
    定値が触媒の上限温度を超えるときには超えないように
    気体中間入口より供給される気体流量を減量側に補正す
    ることを特徴とする請求項5から11までのいずれか一
    つに記載の改質器の制御装置。
  13. 【請求項13】気体中間入口付近の実際の触媒温度を検
    出する気体中間入口触媒温度検出手段と、気体中間入口
    より供給される実際の気体流量を検出する気体中間入口
    流量検出手段とを備え、この気体中間入口より供給され
    る実際の気体流量が変化したときの所定期間先の気体中
    間入口付近の触媒温度を、気体中間入口より供給される
    実際の気体流量と気体中間入口付近の実際の触媒温度と
    に基づいて推定し、この所定期間先の気体中間入口付近
    の触媒温度の推定値が触媒の上限温度を超えるときには
    超えないように気体中間入口より供給される気体流量を
    減量側に補正することを特徴とする請求項5から11ま
    でのいずれか一つに記載の改質器の制御装置。
  14. 【請求項14】気体中間入口付近の実際の触媒温度を実
    際に検出する気体中間入口触媒温度検出手段と、気体入
    口より供給される実際の気体流量を検出する気体入口流
    量検出手段と、気体中間入口より供給される実際の気体
    流量を検出する気体中間入口流量検出手段とを備え、こ
    れら気体入口より供給される実際の気体流量と気体中間
    入口より供給される実際の気体流量とが変化したときの
    所定期間先の気体中間入口付近の触媒温度を、気体入口
    より供給される実際の気体流量と気体中間入口より供給
    される実際の気体流量と気体中間入口付近の実際の触媒
    温度とに基づいて推定し、この所定期間先の気体中間入
    口付近の触媒温度の推定値が触媒の上限温度を超えると
    きには超えないように気体中間入口より供給される気体
    流量を減量側に補正することを特徴とする請求項5から
    11までのいずれか一つに記載の改質器の制御装置。
  15. 【請求項15】所定期間先の気体中間入口付近の触媒温
    度の推定値が触媒の上限温度を超えるときに、その触媒
    の上限温度からの温度上昇分が大きいほど、気体中間入
    口より供給される気体流量の減量側補正値を大きくする
    ことを特徴とする請求項12から14までのいずれか一
    つに記載の改質器の制御装置。
  16. 【請求項16】気体入口より供給される実際の気体流量
    が変化したときの所定期間先の気体中間入口付近の触媒
    温度の推定値は、気体入口より供給される実際の気体流
    量が変化したときの所定期間先の気体中間入口付近の触
    媒温度変化分の時系列データを、気体中間入口付近の実
    際の触媒温度に加算した値であることを特徴とする請求
    項12に記載の改質器の制御装置。
  17. 【請求項17】気体中間入口より供給される実際の気体
    流量が変化したときの所定期間先の気体中間入口付近の
    触媒温度の推定値は、気体中間入口より供給される実際
    の気体流量が変化したときの所定期間先の気体中間入口
    付近の触媒温度変化分の時系列データを、気体中間入口
    付近の実際の触媒温度に加算した値であることを特徴と
    する請求項13に記載の改質器の制御装置。
  18. 【請求項18】時系列データの算出に伝達関数を用いる
    ことを特徴とする請求項16または17に記載の改質器
    の制御装置。
  19. 【請求項19】伝達関数を負荷に応じて複数有すること
    を特徴とする請求項18に記載の改質器の制御装置。
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