JP2003276610A - 全方向移動台車 - Google Patents
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Abstract
く行うことが可能な全方向移動台車を提供する。 【解決手段】 操作部3を備えた車体には、ユニバーサ
ルホイールw1〜w4とこれらを駆動する駆動部31〜
34とが設けられ、操作力に応じて車体を前後方向、左
右方向、および旋回方向にそれぞれ移動させる駆動要素
Dを個別に算出する駆動要素算出手段15と、この算出
結果から所定の演算式に基づいて各駆動部31〜34に
おける駆動出力v1〜v4を決定する駆動出力演算手段
16とを有し、かつ、ユニバーサルホイールの接地点が
切り換わるタイミングを判別する接地点切換タイミング
判別手段17を設けるとともに、駆動出力演算手段は、
この接地点切換タイミング判別手段で判別された切換タ
イミングに合わせて各駆動部における駆動出力v1〜v
4を決定する場合に使用する演算式の係数A1〜A4を
切り換えるように構成されている。
Description
係り、特には全方向移動車輪を精度良く移動制御するた
めの技術に関する。
として、例えば、図13ないし図17に示す構成を備え
たものを提案している(たとえば、特開2001−97
221号公報参照)。この全方向移動台車は、車体1の
一側部に操作者2が意図する方向に車体1を誘導するた
めの操作部3が設けられ、また、車体1の底部の前後左
右の4箇所には、ユニバーサルホイールw1〜w4(各
ホイールを総称する場合にはwで表記する)が設けられ
ている。
および図15に示すように、駆動モータMに直結された
主軸6に回転枠体7が回転可能に設けられ、この回転枠
体7には内側と外側の2組のローラ群8out,8in
が配置されている。これらの各ローラ群8out,8i
nは、紡錘状の4つのローラ9からなり、これらのロー
ラ9がそれぞれ主軸6に垂直な平面内において等間隔に
回転自在に保持されている。そして、内外の各ローラ9
は、それぞれ主軸6を中心とする円周の一部を構成して
おり、かつ、互いの不連続部分を補完するように回転枠
体7の周方向に沿って交互に半ピッチずつずらせて配置
されている。
向に走行する時には、ローラ9自体は回転せずにローラ
9は回転枠体7とともに回転する。また、車体1が主軸
6の軸心に沿う方向に走行する時には、回転枠体7は回
転せずにローラ9のみが回転する。さらに、車体1が主
軸6に対して斜め方向に走行する時には、傾斜角度に対
応して回転枠体7とローラ9とが同時に回転する。そし
て、図16に示すように、車体1の前後に配置された左
右一対の各ユニバーサルホイールw1〜w4は、互いの
主軸6が車体1の前後方向に沿う中心線上において交差
し、かつ、中心線からの角度θが互いに等しくなるよう
に配置されている。
る駆動制御系の構成を示すブロック図である。すなわ
ち、操作者2が意図する方向に車体1を誘導するために
操作部3を操作すると、これに応じて操作力検出手段1
4は、その操作力Hを車体1の制御中心(たとえば車体
1の重心)Aにおける前後方向の分力Hxと、車体1の
左右方向の分力Hyと、車体1の旋回方向の分力Hmと
に分解する。そして、これらの値Hx,Hy,Hmを駆
動要素値算出手段15に与える。
Hx,Hy,Hmに対して予め設定されたゲイン(力増
倍率)を乗じて、車体1の制御中心Oにおける前後方向
の移動速度Vaxと、車体の左右方向の移動速度Vay
と、車体の旋回速度Vaψとからなる駆動要素値Dを求
める。この駆動要素値D(Vax,Vay,Vaψ)が
求まると、続いて、駆動出力演算手段16は、図16に
示した幾何学的な関係から、次の演算式に基づいて、各
ユニバーサルホイールw1〜w3の速度指令値v1,v
2,v3,v4を求める。
心線から左右の各ユニバーサルホイールw1〜w4まで
の平均的な接地点距離、L1,L2は制御中心から前後
の各ユニバーサルホイールw1〜w4までの平均的な接
地点距離、θは各ユニバーサルホイールw1〜w4の主
軸6と中心線とのなす角度である。
1〕により各ホイールw1〜w4の制御目標となる速度
指令値v1,v2,v3,v4を求めると、これらの各
速度指令値v1,v2,v3,v4のデータが各ユニバ
ーサルホイールw1〜w4ごとに個別に配置された制御
手段21〜24に与えられるので、各制御手段21〜2
4は、各ユニバーサルホイールw1〜w4の速度が各速
度指令値v1,v2,v3,v4となるように各駆動部
31〜34の駆動モータMを制御する。このようにし
て、操作者2は、操作部3を操作することで車体1を意
図する方向に任意の速度で誘導することができるのであ
る。
D(Vax,Vay,Vaψ)を知る必要があるときに
は、〔数1〕のベクトル演算式の逆行列を求めることで
得ることができる。すなわち、 L1v=(L1・cosθ+Lv・sinθ) L2v=(L2・cosθ+Lv・sinθ) L1v+L2v={(L1+L2)・cosθ+2・Lv・sinθ} =LL とおくと、次の〔数2〕〜〔数5〕のいずれかにより現
在の駆動要素値D(Vax,Vay,Vaψ)が得られ
る。
向移動台車において、ユニバーサルホイールwを構成す
る内側と外側の2組のローラ群8out,8inは、前
述のように、互いの不連続部分を補完するように各ロー
ラ9が回転枠体7の周方向に沿って交互に半ピッチずつ
ずらせて配置されている。したがって、図15に示すよ
うに、ユニバーサルホイールwの主軸6の回転によって
ローラ9が回転枠体7とともに回転する場合には、各ロ
ーラ9がπ・Ruw/4(ただし、Ruwは主軸6の中
心からローラ9の外縁までの距離)移動するごとに接地
点が内側位置Piと外側位置Poとに切り換わる。
ーラ9の接地点の切り換わりを考慮することなく、常
に、ユニバーサルホイールwの平均的な接地点Pav
(たとえば、PiとPoとの中間位置)を決定し、その
位置を基準にして駆動出力演算手段16が各接地点距離
Lv,L1,L2を求めた後、各ユニバーサルホイール
wの速度指令値v1,v2,v3,v4を〔数1〕の演
算式により決定するようにしていた。あるいは、ユニバ
ーサルホイールwの平均的な位置Pavを基準にして各
接地点距離Lv,L1,L2を求めた後、〔数2〕〜
〔数5〕のいずれかの演算式により現在の駆動要素値D
(Vax,Vay,Vaψ)を決定するようにしてい
た。
1を誘導する場合の速度制御や位置制御のさらなる高精
度化を図ろうとすると、ユニバーサルホイールwのロー
ラ9の接地点の変動が高精度化の阻害要因となる。
が操作力を加える操作部を備えており、その操作力をア
シストするものであるが、操作者が操作力を加える操作
部を備えず、車体位置に基づいて自律的に移動方向を決
定し、その決定された移動方向へ駆動するものがある
(例えば、本願出願人が提案した特願2001−329
903、特願2001−336863など)。このもの
にあっても、決定された移動方向へ駆動する場合の速度
制御や位置制御のさらなる高精度化を図ろうとすると、
同様に、ユニバーサルホイールwのローラ9の接地点の
変動が高精度化の阻害要因となる。
で、従来よりもさらに高精度な速度制御や位置制御が可
能な全方向移動台車を提供することを目的とする。
めに、請求項1記載の発明は、少なくとも3つのユニバ
ーサルホイールと各ユニバーサルホイールを駆動する駆
動部とを設けた車体であって、かつ車体が所定の動作制
御を行うために車体を前後方向、左右方向、および旋回
方向にそれぞれ移動させる駆動要素を個別に算出する駆
動要素値算出手段と、この駆動要素値算出手段の算出結
果から所定の演算式に基づいて前記各駆動部における駆
動出力を決定する駆動出力演算手段とを有している全方
向移動台車において、前記ユニバーサルホイールの接地
点が切り換わるタイミングを判別する接地点切換タイミ
ング判別手段を設けるとともに、前記駆動出力演算手段
は、この接地点切換タイミング判別手段で判別された切
換タイミングに合わせて前記各駆動部における駆動出力
を決定する場合に使用する演算式の係数を切り換えるよ
うに構成されていることを特徴としている。
ように、ユニバーサルホイールの平均的な接地位置に基
づいて決定された係数を用いて各駆動部における駆動出
力を決定するのではなく、ユニバーサルホイールの接地
点が切り換わるタイミングに合わせて各駆動部における
駆動出力を決定する場合に使用する演算式の係数を切り
換えるので、従来よりも速度制御や位置制御を一層精度
良く行うことが可能となる。
明の構成において、前記車体は、操作者が操作力を加え
る操作部を備えており、前記動作制御は操作部に加えら
れた操作力をアシストするものであって前記駆動要素値
算出手段は操作部に加えられた操作力に応じて算出する
ものであることを特徴としている。
力をアシストする型の全方向移動台車において奏するこ
とができる。
明の構成において、前記車体は、ユニバーサルホイール
の回転から車体の速度を算出する車体速度検出手段と、
車体速度から車体位置を算出する車体位置算出手段とを
備えていて、車体位置と目標位置に基づいて自律的に移
動方向を決定するものであり、前記動作制御は自律的に
決定された移動方向へ駆動するものであって前記駆動要
素値算出手段は決定される移動方向に応じて算出するも
のであることを特徴とする。
的に移動方向を決定し、その移動方向へ駆動する型の全
方向移動台車において奏することができる。
求項3のいずれか1項に記載の発明の構成において、前
記駆動出力演算手段は、車体が動き始める初期の段階で
は、前記演算式の係数を切り換えずにユニバーサルホイ
ールの平均的な接地点位置に基づいて決定された係数を
用いて前記各駆動部における駆動出力を決定し、車体が
所定距離だけ移動した段階では前記接地点切換タイミン
グ判別手段で判別された切換タイミングに合わせて前記
演算式の係数を切り換えるものであることを特徴とす
る。
点が切り換わるタイミングを判別する接地点切換タイミ
ング判別手段として高価な回路構成のものでなくて比較
的安価な回路構成のものを使用した場合であっても、駆
動出力演算手段は各駆動部における駆動出力を確実に決
定することができる。
求項4のいずれか1項に記載の発明の構成において、前
記接地点切換タイミング判別手段で判別される切換タイ
ミングの前後に前記駆動出力演算手段で演算される駆動
出力と前記各駆動部における実際の駆動検出値との間に
偏差が有るか否かを監視し、偏差が有る場合には、前記
切換タイミングを補正する補正手段を備えることを特徴
としている。
駆動部における駆動出力を決定する場合に使用する演算
式の係数の切換タイミングが一層正確になるので、速度
制御や位置制御の精度がさらに向上する。
求項5のいずれか1項に記載の発明の構成において、前
記接地点切換タイミング判別手段は、ユニバーサルホイ
ールを構成する各ローラの接地の有無を直接に検出する
検出センサを備えることを特徴としている。
点が切り換わるタイミングを判別する接地点切換タイミ
ング判別手段の構成をさらに一層簡素化するとができ、
安価に実現することができる。
に係る全方向移動台車の駆動制御系の構成を示すブロッ
ク図であり、図13ないし図17に示した従来技術と対
応する構成部分については同一の符号を付す。このもの
は、操作力をアシストする型の全方向移動台車である。
が操作力を加える操作部、w1〜w4は車体の底部に配
置された4つのユニバーサルホイール、31〜34は各
ユニバーサルホイールw1〜w4を駆動する駆動モータ
Mを備えた駆動部、21〜24は後述の駆動出力演算手
段16で演算して得られる駆動出力に基づいて各駆動部
31〜34を個別に制御する制御手段である。
Hを車体の制御中心(たとえば車体の重心)における前
後方向の分力Hxと、車体の左右方向の分力Hyと、車
体の旋回方向の分力Hmとに分解する操作力検出手段、
15は操作力検出手段14で検出されたこれらの各値H
x,Hy,Hmに対して予め設定されたゲイン(力増倍
率)を乗じて、車体の前後方向の移動速度Vaxと、車
体の左右方向の移動速度Vayと、車体の旋回速度Va
ψとからなる駆動要素値Dを求める駆動要素値算出手段
であり、これらの各部の構成は、図14に示した従来技
術の場合と基本的に同じであるから、ここでは詳しい説
明は省略する。
ホイールwのローラ9の接地点Pi,Po(図12参
照)が切り換わるタイミングを判別する接地点切換タイ
ミング判別手段17を備えている。この接地点切換タイ
ミング判別手段17は、図2に示すように、各々のユニ
バーサルホイールw(w1〜w4)の主軸6の端部に比
較的廉価なインクリメンタル型のロータリエンコーダ4
1〜44(各エンコーダを総称する場合には符号40で
表記する)が取り付けられるとともに、各ロータリエン
コーダ41〜44の出力に基づいて各ローラ9の接地点
の切り換わり周期Tgを決定する接地周期決定手段18
を備えて構成されている。
演算手段16は、駆動要素算出手段15の算出結果から
所定の演算式に基づいて各駆動部31〜34における駆
動出力(ここでは速度指令値)v1〜v4を算出する場
合に、接地点切換タイミング判別手段17で判別された
切換タイミングに合わせて各駆動部31〜34における
駆動出力(速度指令値)v1〜v4を決定する場合に使
用する演算式の係数を切り換えるように構成されてい
る。以下、このことについて、さらに詳しく説明する。
方向、これに直交する幅方向をy方向としたとき、車体
1の前後に配置された左右一対の各ユニバーサルホイー
ルw1〜w4は、互いの主軸6が車体1のx方向に沿う
中心線上において交差し、かつ、中心線からの角度θが
互いに等しくなるように配置されている。
のユニバーサルホイールw1〜w4の接地点までのx方
向の距離をそれぞれL1x,L2x,L3x,L4xと
し、また、制御中心Oから各ユニバーサルホイールw1
〜w4の接地点までのy方向の距離をそれぞれL1y,
L2y,L3y,L4yとする。さらに、各々のユニバ
ーサルホイールw1〜w4を構成する内側と外側の2組
のローラ群8out,8inについて、内側のローラ8
in群を構成する各ローラ9の接地点をそれぞれP1
S,P2S,P3S,P4Sとし、また、外側のローラ
群8outを構成する各ローラ9の接地点をそれぞれP
1L,P2L,P3L,P4Lとする。
地点P1S,P2S,P3S,P4S,P1L,P2
L,P3L,P4Lまでのx方向の距離L1x,L2
x,L3x,L4xと、y方向の距離L1y,L2y,
L3y,L4yとは、それぞれ次のようになる。 ローラがP1Sで接地しているとき L1x=L1a,L1y=Lva ローラがP1Lで接地しているとき L1x=L1b,L1y=Lvb ローラがP2Sで接地しているとき L2x=L2a,L2y=Lva ローラがP2Lで接地しているとき L2x=L1b,L2y=Lvb ローラがP3Sで接地しているとき L3x=L2a,L3y=Lva ローラがP3Lで接地しているとき L3x=L2b,L3y=Lvb ローラがP4Sで接地しているとき L4x=L1a,L4y=Lva ローラがP4Lで接地しているとき L4x=L1b,L4y=Lvb
ルホイールw1〜w4の接地点P1S,P2S,P3
S,P4S,P1L,P2L,P3L,P4Lまでのx
方向の距離L1x,L2x,L3x,L4xと、y方向
の距離L1y,L2y,L3y,L4yとはホイールw
1〜w4の回転に伴ってそれぞれ変化する。
バーサルホイールw1〜w4の接地点の変化に応じて、
従来のように〔数1〕で示した演算式で使用するような
固定された係数L1,L2,Lvを用いるのではなく、
接地点の変化に応じて演算式の係数が切り換わるよう
に、次の演算式に基づいて、各ユニバーサルホイールw
1〜w4の駆動出力(速度指令値)v1,v2,v3,
v4を求めるようにしている。
D(Vax,Vay,Vaψ)を逆に知る必要があると
きには、〔数7〕の演算式の逆行列を求めることで得る
ことができる。すなわち、v1〜v4の4つの速度から
駆動要素値D(Vax,Vay,Vaψ)を求めるのは
冗長であるので、v1を無視して算出することを考える
と、次の逆行列が得られる。
ては同様の計算で算出できるので説明は省略する。
を備えた全方向移動台車の制御動作ついて説明する。操
作者2が意図する方向に車体1を誘導するために操作部
3を操作すると、これに応じて操作力検出手段14は、
その操作力Hを車体1の制御中心Oにおける前後方向の
分力Hxと、車体の左右方向の分力Hyと、車体の旋回
方向の分力Hmとに分解する。そして、これらの値H
x,Hy,Hmを駆動要素値算出手段15に与える。
Hx,Hy,Hmに対して予め設定されたゲインを乗じ
て、車体1の制御中心Oにおける前後方向の移動速度V
axと、車体1の左右方向の移動速度Vayと、車体1
の旋回速度Vaψとからなる駆動要素値Dを求める。こ
うして駆動要素値算出手段15によって駆動要素値D
(Vax,Vay,Vaψ)が求まると、これらの駆動
要素値D(Vax,Vay,Vaψ)が駆動出力演算手
段16に与えられる。
指令値v1〜v4を求める場合の係数A1〜A4には、
L1a,L1b,L2a,L2b,Lva,Lvbの数
値が含まれるので、ユニバーサルホイールw1〜w4が
回転して内側と外側のローラ9の接地点が切り換わるた
びに、図4に示すような脈動が起こる。なお、図4で
は、4つのユニバーサルホイールw1〜w4の内の一つ
のホイールのみに着目した場合を示している。
出力に基づいて得られる単位時間当たりのユニバーサル
ホイールの実際の回転速度(図中、実線で示す)と、駆
動出力演算手段16で算出される速度指令値の内の一つ
(図中、破線で示す)とを比較すると、ローラ9が外側
で接地している場合は速度指令値よりも実際の速度の方
が速くなり、ローラ9が内側で接地している場合には速
度指令値よりも実際の回転速度の方が遅くなる。このた
め、両者の間に偏差が現れて、両者の偏差が脈動(図
中、一点鎖線で示す)として現れる。そして、この場合
の脈動の半周期Tfごとに、内側と外側のローラ9の接
地点が切り換わるので、このタイミングに合わせて〔数
7〕の演算式の係数A1,A2,A3,A4を切り換え
る必要がある。
ロータリエンコーダ40(41〜44)の出力パルスを
カウントして単位時間当たりのカウント数からユニバー
サルホイールw1〜w4の実際の回転速度を算出する。
次に、このユニバーサルホイールw1〜w4の実際の回
転速度と駆動出力演算手段16で算出される速度指令値
v1〜v4との差を取ることにより、両者間の偏差が図
4の一点鎖線で示すようなパルス波形として得られる。
るために速度の大きさによって周期Tfが変化する。そ
こで、この影響を除くために、図5の一点鎖線に示すよ
うに、ローラ9の移動量(移動距離)に換算し直し、そ
のパルス波形の半周期分の平均値をローラ9の接地点が
切り換わる切り換わり周期Tgとして決定する。そし
て、この切り換わり周期Tgごとに、〔数7〕の演算式
の係数A1,A2,A3,A4を切り換える。なお、下
り坂などで車体全体に進行方向の外力が加わっているよ
うな場合には、図5の破線に示すように偏差が正方向に
オフセットするが、そのときには、ある一定範囲内の平
均値を差し引くことで一点鎖線のような波形を得ること
ができる。
(内側のローラ9の一つと外側のローラ9の一つがそれ
ぞれ接地する少なくとも一周期分の期間、図4のTf1
+Tf2の期間)は、ローラ9の接地点の切り換わり周
期Tgを決定するのに必要なロータリエンコーダ40の
出力に基づくデータが未だ得られていない。
車体1が動き始める初期の段階では、演算式の係数を切
り換えずにユニバーサルホイールw1〜w4の平均的な
接地点位置に基づいて決定された係数L1,L2,Lv
を用いて各駆動部31〜34における駆動出力v1〜v
4を決定する。つまり、前述の〔数1〕式に基づいて速
度指令値v1〜v4を決定する。
所定距離だけ移動して接地周期決定手段18によって切
り換わり周期Tgが決定された段階で、以降は、この切
り換わり周期Tgに合わせて〔図7〕の演算式の係数A
1〜A4を切り換えて速度指令値v1〜v4を算出す
る。この場合の具体的な手順は、図6のフローチャート
に示す通りである。
7〕の演算式に基づいて各ユニバーサルホイールw1〜
w4の速度指令値v1,v2,v3,v4を求めると、
これらの各速度指令値v1,v2,v3,v4のデータ
が各制御手段21〜24に与えられるので、各制御手段
21〜24は、各ユニバーサルホイールw1〜w4の回
転速度が各速度指令値v1,v2,v3,v4となるよ
うにそれぞれの駆動部31〜34を制御する。このよう
にして、操作者2は、操作部3を操作することで車体1
を意図する方向に任意の速度で精度良く誘導することが
できる。
D(Vax,Vay,Vaψ)を逆に知る必要があると
きには、たとえば前述の〔数10〕の演算式の逆行列を
求める。この場合の具体的な手順は、図7のフローチャ
ートに示す通りである。
従来のように、ユニバーサルホイールw1〜w4の平均
的な接地点に基づいて決定された係数を用いて各駆動部
31〜34の駆動出力v1〜v4を決定するのではな
く、ユニバーサルホイールw1〜w4の接地点が切り換
わるタイミングに合わせて〔数7〕の演算式の係数A1
〜A4を切り換えて駆動出力v1〜v4を決定するるの
で、従来よりも速度制御や位置制御を一層精度良く行う
ことが可能となる。
において、次のような応用例や変形例を考えることがで
きる。
(a)に示すように、接地周期決定手段18で決定され
た接地点の切り換わり周期Tgに合わせて〔数7〕の演
算式の係数A1〜A4を切り換えて速度指令値v1〜v
4を順次算出して速度制御を行うが、このような速度制
御を行っている途中でも、各制御手段21〜24におい
て、ロータリエンコーダ40(41〜44)の検出出力
に基づいてユニバーサルホイールw1〜w4の実際の回
転速度を算出し、この実際の回転速度と駆動出力演算手
段16で算出される速度指令値v1〜v4との偏差Δv
を求めることで各ユニバーサルホイールw1〜w4の速
度制御の切り換え時期を補正することが好ましい。
バーサルホイールwの実際の回転速度と駆動出力演算手
段16で算出される速度指令値v1〜v4との間に偏差
Δvが存在する場合には、ローラ9の接地点の切り換わ
りタイミング、つまり〔図7〕の演算式の係数A1〜A
4を切り換えて速度指令値v1〜v4を算出するタイミ
ングが適切でなく時間的な誤差ΔTが生じている。
1〜24(特許請求の範囲における補正手段に相当)
は、偏差Δvが生じることなく速度指令値v1〜v4が
適切なタイミングでもって各駆動部31〜34に与えら
れるように、各駆動部31〜34への出力タイミングを
補正する。これにより、さらに精度良く速度制御や位置
制御を行うことができるようになる。
7には、図9に示すように、ユニバーサルホイールwを
構成する各ローラ9の接地の有無を直接に検出する検出
センサ51を設けてもよい。この場合の検出センサ51
としては、たとえば反射型赤外線センサを用い、このセ
ンサ51からの出力を予め設定された基準値と比較し
て、検出センサ51の出力が基準値よりも大きい場合に
は、ユニバーサルホイールwの内側のローラ9が接地
し、逆に検出センサ51の出力が基準値よりも小さい場
合には、ユニバーサルホイールwの外側のローラ9が接
地したとして接地点の切り換わり周期Tgを検出する。
0の検出出力に基づいて得られる脈動の周期Tfから演
算式の係数A1〜A4を切り換えるタイミング周期Tg
を決定しなくても、ユニバーサルホイールwの接地点が
切り換わるタイミングを直接に判別することができる。
このため、接地点切換タイミング判別手段17の構成を
さらに一層簡素化するとができ、安価に実現することが
可能になる。
クリメンタル型のロータリエンコーダ40を使用した
が、アブソリュート型のロータリエンコーダを使用する
こともできる。このようなアブソリュート型のロータリ
エンコーダを使用するときには、少し高価にはなるが、
接地周期決定手段18で脈動の周期Tgを求めて演算式
の係数を切り換えるタイミングを決定したり、上記のよ
うな検出センサ51を設けなくても、ローラ9の接地点
が切り換わるタイミングが直接に判別することができる
ため制御が容易になる。
車では、車体1にユニバーサルホイールwを前後左右の
4箇所に設けた場合について説明したが、これに限ら
ず、ユニバーサルホイールwを3箇所以上設けた台車で
あれば、本発明は適用可能である。また、上記の実施の
形態では、全方向移動台車の速度制御を行う場合につい
て説明したが、これに限らず、駆動力制御や加速度制御
を行う場合についても同様に本発明を適用することがで
きる。
示すもので、このものは、自律的に移動方向を決定し、
その決定された移動方向へ駆動する型の全方向移動台車
である。
バーサルホイールw1〜w4、各ユニバーサルホイール
w1〜w4を駆動する駆動モータMを備えた駆動部31
〜34を有する。また、車体1には、駆動出力演算手段
16、接地点切換タイミング判別手段17、接地周期決
定手段18等を有してケーシング61内に収容されてい
る。
形態にはない環境認識手段62、ヒューマンインターフ
エイス63、さらには、記憶手段64、経路形成手段6
5、移動方向決定手段66、車体速度検出手段67、車
体位置算出手段68等を備えている。
置であって2次元水平面をスキャンして障害物までの距
離を測定するためにケーシング61の外面に設けてあ
る。ヒューマンインターフエイス63は、例えば、タッ
チパネルであって目的地や操作指令を入力するためにケ
ーシング61の上面に設けてある。
の各種パラメータを記憶するためのもの、経路形成手段
65は、ヒューマンインターフエイス63の入力内容に
基づき目標位置の設定、すなわち、目的地までの経路を
生成するものである。そして、環境認識手段62、記憶
手段64、経路形成手段65のデータと車体位置算出手
段68のデータに基づいて移動方向決定手段66が自律
的に移動方向を決定する。この移動方向決定手段66
は、先の実施の形態における駆動要素算出手段15と実
質的に同様の駆動要素値、つまり、車体1の制御中心O
における前後方向の移動速度Vaxと、車体1の左右方
向の移動速度Vayと、車体1の旋回速度Vaψとから
なる駆動要素値Dを得て、これらの駆動要素値D(Va
x,Vay,Vaψ)が駆動出力演算手段16に与えら
れる。車体速度検出手段67はユニバーサルホイールの
回転から車体の速度Vbx,Vby,Vbψを算出し、
車体位置算出手段68は車体速度から車体位置x,y,
ψを算出する。これらは、ヒューマンインターフエイス
63を除き、ケーシング61内に収容してある。69は
バンパーである。
に、先の実施の形態における駆動要素値算出手段15が
移動方向決定手段66に置き換わるとともに、その前段
に車体位置算出手段68、その前段に車体速度検出手段
67が設けられている。そして、車体駆動出力演算手段
16は、先の実施の形態と同様に、従来のように、ユニ
バーサルホイールの平均的な接地位置に基づいて決定さ
れた係数を用いて各駆動部における駆動出力を決定する
のではなく、ユニバーサルホイールの接地点が切り換わ
るタイミングに合わせて各駆動部における駆動出力を決
定する場合に使用する演算式の係数を切り換えるので、
従来よりも速度制御や位置制御を一層精度良く行うこと
が可能となることが、自律的に移動方向を決定する移動
方向決定手段を備えていて、その移動方向決定手段によ
る移動方向へ駆動する型の全方向移動台車においても実
現できるのである。なお、この実施の形態に特有の構成
については、先に例示した本願出願人が提案している特
願2001−329903、特願2001−33686
3などにも開示している。
演算手段は、従来のように、ユニバーサルホイールの平
均的な接地位置に基づいて決定された係数を用いて各駆
動部における駆動出力を決定するのではなく、接地点切
換タイミング判別手段で判別されるユニバーサルホイー
ルの接地点が切り換わるタイミングに合わせて各駆動部
における駆動出力を決定する演算式の係数を切り換える
ので、従来よりもさらに高精度の速度制御や位置制御が
可能となる。
載の効果が、操作力をアシストする型の全方向移動台車
において奏することができる。
載の効果が、自律的に移動方向を決定し、その決定され
た移動方向へ駆動する型の全方向移動台車において奏す
ることができる。
いし請求項3のいずれかに記載の効果に加え、ユニバー
サルホイールの接地点が切り換わるタイミングを判別す
る接地点切換タイミング判別手段として高価な回路構成
のものでなくて比較的安価な回路構成のものを使用した
場合であっても、駆動出力演算手段は各駆動部における
駆動出力を確実に決定することができる。
いし請求項4のいずれかに記載の効果に加え、駆動出力
演算手段において各駆動部における駆動出力を決定する
場合に使用する演算式の係数の切換タイミングが一層正
確になるので、速度制御や位置制御の精度がさらに向上
する。
いし5のいずれかに記載の効果に加え、ユニバーサルホ
イールの接地点が切り換わるタイミングを判別する接地
点切換タイミング判別手段の構成をさらに一層簡素化す
るとができ、安価に実現することができる。
車の駆動制御系の構成を示すブロック図である。
サルホイールに対するロータリエンコーダの取り付け状
態を示す正面図である。
車におけるユニバーサルホイールの幾何学的な取り付け
状態と力学モデルを示す説明図である。
度と駆動出力演算手段で算出される速度指令値との偏差
により生じる脈動の様子を示す説明図である。
gを決定する場合の説明図である。
る切り換わり周期に合わせて演算式の係数を切り換えて
速度指令値決定する場合の手順を示すフローチャートで
ある。
合わせて全方向移動台車の現在の駆動要素値Dを求める
場合の手順を示すフローチャートである。
期に合わせて演算式の係数を切り換えて速度制御を行っ
ている途中で、切換タイミングが不適切なために生じる
偏差の状況を説明するためのタイミグチャートである。
り付け状態を示す正面図である。
台車の斜視図である。
た平面図である。
ある。
ある。
ホイールの幾何学的な取り付け状態と力学モデルを示す
説明図である。
示すブロック図である。
出手段) 67 車体速度算出手段 68 車体位置算出手段
Claims (6)
- 【請求項1】 少なくとも3つのユニバーサルホイール
と各ユニバーサルホイールを駆動する駆動部とを設けた
車体であって、かつ車体が所定の動作制御を行うために
車体を前後方向、左右方向、および旋回方向にそれぞれ
移動させる駆動要素を個別に算出する駆動要素値算出手
段と、この駆動要素値算出手段の算出結果から所定の演
算式に基づいて前記各駆動部における駆動出力を決定す
る駆動出力演算手段とを有している全方向移動台車にお
いて、 前記ユニバーサルホイールの接地点が切り換わるタイミ
ングを判別する接地点切換タイミング判別手段を設ける
とともに、前記駆動出力演算手段は、この接地点切換タ
イミング判別手段で判別された切換タイミングに合わせ
て前記各駆動部における駆動出力を決定する場合に使用
する演算式の係数を切り換えるように構成されているこ
とを特徴とする全方向移動台車。 - 【請求項2】 前記車体は、操作者が操作力を加える操
作部を備えており、前記動作制御は操作部に加えられた
操作力をアシストするものであって前記駆動要素値算出
手段は操作部に加えられた操作力に応じて算出するもの
であることを特徴とする請求項1記載の全方向移動台
車。 - 【請求項3】 前記車体は、ユニバーサルホイールの回
転から車体の速度を算出する車体速度検出手段と、車体
速度から車体位置を算出する車体位置算出手段とを備え
ていて、車体位置と目標位置に基づいて自律的に移動方
向を決定するものであり、前記動作制御は自律的に決定
された移動方向へ駆動するものであって前記駆動要素値
算出手段は決定される移動方向に応じて算出するもので
あることを特徴とする請求項1記載の全方向移動台車。 - 【請求項4】 前記駆動出力演算手段は、車体が動き始
める初期の段階では、前記演算式の係数を切り換えずに
ユニバーサルホイールの平均的な接地点位置に基づいて
決定された係数を用いて前記各駆動部における駆動出力
を決定し、車体が所定距離だけ移動した段階では前記接
地点切換タイミング判別手段で判別された切換タイミン
グに合わせて前記演算式の係数を切り換えるものである
ことを特徴とする請求項1ないし3記載の全方向移動台
車。 - 【請求項5】 前記接地点切換タイミング判別手段で判
別される切換タイミングの前後に前記駆動出力演算手段
で演算される駆動出力と前記各駆動部における実際の駆
動検出値との間に偏差が有るか否かを監視し、偏差が有
る場合には、前記切換タイミングを補正する補正手段を
備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいず
れか1項に記載の全方向移動台車。 - 【請求項6】 前記接地点切換タイミング判別手段は、
ユニバーサルホイールを構成する各ローラの接地の有無
を直接に検出する検出センサを備えることを特徴とする
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の全方向
移動台車。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002086790A JP3794340B2 (ja) | 2002-03-26 | 2002-03-26 | 全方向移動台車 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003276610A true JP2003276610A (ja) | 2003-10-02 |
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Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010235082A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Kanto Auto Works Ltd | 無人搬送車用台車及び無人搬送車 |
WO2012153596A1 (ja) * | 2011-05-09 | 2012-11-15 | Ntn株式会社 | 小型車両 |
JP2015182588A (ja) * | 2014-03-24 | 2015-10-22 | 株式会社日本自動車部品総合研究所 | 走行体 |
-
2002
- 2002-03-26 JP JP2002086790A patent/JP3794340B2/ja not_active Expired - Lifetime
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