JP2003275926A - ワイヤカット放電加工方法 - Google Patents

ワイヤカット放電加工方法

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JP2003275926A JP2002079177A JP2002079177A JP2003275926A JP 2003275926 A JP2003275926 A JP 2003275926A JP 2002079177 A JP2002079177 A JP 2002079177A JP 2002079177 A JP2002079177 A JP 2002079177A JP 2003275926 A JP2003275926 A JP 2003275926A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工途中や完了時に生ずる被加工物の不要部
分の落下、衝突に起因する加工機等の損傷を防止でき、
連続無人加工を実現できるワイヤカット放電加工方法を
提供する。非導電部分を含む被加工物であっても精度の
高い加工が可能なワイヤカット放電加工方法を提供す
る。 【解決手段】 加工中において無条件に被加工物の不要
部分を切落し長さAで切り落として行く、無条件スクラ
ップ切落し処理21→19,22→19を実行する。切
落し長さAは、不要部分が落下しても加工機等を損傷さ
せない程度に選定する。被加工物が非導電部分を含む導
電材である場合、断線時復旧処理15と短絡時復旧のた
めの短絡時スクラップ切落し処理17→18→19を併
用して実行する。2重の復旧処理の下で、鋳物等の非導
電部分を含む被加工物の加工を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続無人加工を可
能とするワイヤカット放電加工方法及び非導電部分を含
む導電材からなる被加工物、例えばす(鬆)や砂噛みの
ある鋳物等の高精度かつ連続無人加工に好適なワイヤカ
ット放電加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ワイヤカット放電加工においては、従来
から、可能な限り連続自動加工を維持し得るように、種
々の制御技術が提案されている。例えば、(1)ワイヤ
電極の断線が発生する直前に現れる放電集中(放電回
数)を検出し、それが所定数に達した場合に、放電エネ
ルギを減少させるように加工条件を変更することで、加
工速度の低下を招くことなくワイヤ電極の断線を防止す
るワイヤカット放電加工機の断線防止装置(特開平5−
200627号公報参照)、(2)放電加工中におい
て、ワイヤ電極の断線回数をカウントし、それが所定数
以上であるときに、断線し難い放電加工条件に緩和する
ワイヤカット放電加工方法(特開平1−310822号
公報参照)、(3)放電加工時に短絡が発生すると、予
め設定された角度方向にワイヤ電極を移動させ、短絡が
解除されると短絡発生点まで戻って加工を続行させるワ
イヤカット放電加工機の短絡解除方法(特開平4−28
9026号公報参照)、等が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上掲従来
技術(1)〜(3)は、いずれも被加工物として、材
質、組織が比較的均一であり、非導電部分の混じること
のない安定した鋼材等の導電材を想定した一般的なワイ
ヤカット放電加工技術である。したがって、これらの加
工技術では、非導電部分を含む導電材の切断加工は著し
く困難であり、このような非導電部分を含む導電材を高
精度に加工することは更に困難であった。その一方で、
非導電部分を含む導電材、特に鋳物を例に採ると、近
年、鋳物の焼入れ後の切断加工の需要が多くなり、ま
た、そうした焼入れ後の鋳物について、小半径部の切断
加工等のように高精度加工が要求されるようになってき
た。
【0004】また、ワイヤカット放電加工においては、
被加工物が非導電部分を含む導電材であるか否かに拘わ
らず、連続自動加工、特に保守等の作業員の待機も不要
な連続無人加工が要望されている。上記のような連続無
人加工においては、加工中、特に加工完了時において生
ずる、被加工物の不要部分(取り代部分)の処置が肝要
である。すなわち上記不要部分は、加工中や加工完了時
に被加工物の必要部分から分離される。この際、不要部
分を支持したり、無人で除去するようになっていない
と、その不要部分は落下して加工機自身やその周辺の関
連機器に衝突し、それらを損傷させたり、故障させたり
する虞がある。特に、加工完了時に生ずる不要部分は、
大きいものが多く、上記損傷や故障の程度は大きくなり
やすく、従来、この点についての改善が望まれていた
が、上掲従来技術(1)〜(3)では、この点について
の配慮が何らなされていないため、連続無人加工を実現
できなかった。
【0005】本発明の目的は、非導電部分を含む導電材
からなる被加工物を含む種々の被加工物につき、加工中
や加工完了時に生ずる被加工物の不要部分が落下して加
工機自身やその周辺の関連機器に衝突し、それらを損傷
させたり、故障させたりすることを極力防止でき、した
がって、保守等の作業員の待機も不要な連続無人加工を
実現できるワイヤカット放電加工方法を提供することに
ある。
【0006】また本発明の目的は、被加工物が非導電部
分を含む導電材である場合でも精度の高い加工が可能な
ワイヤカット放電加工方法を提供することにある。
【0007】更に本発明の目的は、被加工物が非導電部
分を含む導電材である場合でも精度の高い加工及び連続
無人加工が可能なワイヤカット放電加工方法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、ワイヤ電極と被加工物と
の間に間欠放電を発生させつつ、それらワイヤ電極と被
加工物を相対移動させることによってその被加工物を所
望形状に切断加工するワイヤカット放電加工方法におい
て、前記被加工物の加工中に加工長さを検知する加工長
さ検知工程と、この加工長さ検知工程により検知された
加工長さが予め設定した値に達する毎に前記ワイヤ電極
を、前記被加工物を所望形状に加工するための正規の経
路からスクラップ分離経路に変更して所定距離加工移動
させ、その後、経路変更前の位置に戻して前記正規の経
路の加工移動に復帰させる無条件スクラップ分離工程と
を具備することを特徴とする。
【0009】請求項2に記載の発明は、ワイヤ電極と被
加工物との間に間欠放電を発生させつつ、それらワイヤ
電極と被加工物を相対移動させることによってその被加
工物を所望形状に切断加工するワイヤカット放電加工方
法において、前記被加工物は非導電部分を含む導電材で
あって、その被加工物の加工中に、加工長さ、ワイヤ電
極の断線及びワイヤ電極と被加工物との間の短絡を検知
する検知工程と、この検知工程中のワイヤ電極の断線検
知工程によりワイヤ電極の断線が検知された場合に、そ
のワイヤ電極を自動結線すると共にワイヤ電極をより断
線させることのない加工条件に緩和する断線時復旧工程
と、前記検知工程中のワイヤ電極と被加工物との間の短
絡を検知する短絡検知工程により短絡が検知された場合
に、前記ワイヤ電極を、前記被加工物を所望形状に加工
するための正規の経路を逆方向に所定量戻した後、その
正規の経路からスクラップ分離経路に変更して所定距離
加工移動させ、その後、前記短絡が検知されたときの位
置に戻して前記正規の経路の加工移動に復帰させる短絡
時スクラップ分離工程とを具備することを特徴とする。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、断線検知工程及び短絡検知工程により
断線検知及び短絡検知がされていない場合に、加工長さ
検知工程により検知された加工長さが予め設定した値に
達する毎にワイヤ電極を、正規の経路からスクラップ分
離経路に変更して所定距離加工移動させ、その後、経路
変更前の位置に戻して前記正規の経路の加工移動に復帰
させる無条件スクラップ分離工程が付加されることを特
徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。図4は本発明が適用されるワイヤカ
ット放電加工機の構成例を概略的に示す図である。図示
するように、ワイヤカット放電加工機は、数値制御装置
41と加工機本体42からなる。数値制御装置41は、
加工指令テープ43にパンチされた加工プログラムを読
み取ってサーボモータ44,45を駆動し、XYテーブ
ル46を移動させたり、加工電源47を制御する等、加
工機本体42の全体を制御する。
【0012】XYテーブル46はサーボモータ44,4
5によって直交2軸方向に移動可能である。XYテーブ
ル46上には、導電性の材料(導電材)、ここでは、す
(鬆)や砂噛みのある鋳物等のような非導電部分を含む
導電材からなる被加工物48が載置、固定されている。
図示例では、被加工物48は取付治具49を介してXY
テーブル46に固定されている。なお、48aは被加工
物48の不要部分(取り代部分)を示す。
【0013】XYテーブル46及び被加工物48の上下
側にはワイヤ電極50を保持する上部ワイヤガイド51
及び下部ワイヤガイド52が設けられている。ワイヤ電
極50は送出しリール53から連続的に送り出され(矢
印イ参照)、上部ワイヤガイド51を介して被加工物4
8に至り、この被加工物48を通過して巻取りリール5
4に回収される。
【0014】加工電源47の一方の出力端子はワイヤ電
極50に接する給電子55に、他方の出力端子は被加工
物48に接続され、ワイヤ電極50と被加工物48との
間に放電加工電圧(パルス状電圧)を印加するようにな
されている。加工電源47は、数値制御装置41からの
制御信号によって加工電圧のON/OFF時間や放電時
の電流等を制御し、加工特性(加工条件)を変化させる
ことができる。
【0015】数値制御装置41は、上記加工電源47の
制御中に、ワイヤ電極50の断線や、ワイヤ電極50と
被加工物48との間の短絡を検知し、後述断線時復旧処
理や短絡時復旧のための短絡時スクラップ分離処理、こ
こでは短絡時スクラップ切落し処理を実行する。ワイヤ
電極50の断線は加工電圧の一定レベル以上の上昇によ
り検知され、ワイヤ電極50と被加工物48との間の短
絡は無放電状態の発生により検知される。また数値制御
装置41は、被加工物48の加工中において、常時、加
工長さを検知しており、その検知結果は後述無条件スク
ラップ切落し処理や短絡時スクラップ切落し処理等に用
いられる。
【0016】このような構成において、数値制御装置4
1からの制御信号に基づき、XYテーブル46を移動し
つつワイヤ電極50を走行させ、かつ、ワイヤ電極50
と被加工物48との間で間欠放電を行わせて被加工物4
8を所望形状(上記プログラムに記述された形状)に切
断加工する。なお、被加工物48の加工部分には加工液
槽56からの加工液57が注がれる(矢印ロ参照)。
【0017】図1は、本発明によるワイヤカット放電加
工方法の一実施形態を示すフローチャートである。以
下、図2及び図4を併用して本発明方法を説明する。こ
こでは、図2に示すように長方形の被加工物48の3辺
48b〜48dにつき、所定の幅寸法で切り落とす加工
に、本発明方法を適用する場合を例に採って説明する。
なお被加工物48は、上述したように、す(鬆)や砂噛
みのある鋳物等のような非導電部分を含む導電材であ
る。
【0018】図1に示すように、ステップ11では加工
開始に当たり、数値制御装置41(図4参照)は加工条
件の設定と、後述断線時復旧処理、短絡時スクラップ分
離処理及び無条件スクラップ切落し処理に係わるパラメ
ータP1〜P7の読込みを行う。
【0019】上記パラメータP1は数値制御装置41内
の加工条件テーブル(図示せず)に設定された第1〜第
5段階の加工条件中の選択結果、P2は短絡時スクラッ
プ切落し機能のON/OFF選択結果、P3は無条件ス
クラップ切落し機能のON/OFF選択結果、P4は切
落し長さ、P5は切落し方向(経路)、P6は切落し移
動距離、P7は短絡時戻り量を表す。ここでは、パラメ
ータP1に第5段階の加工条件、P2に短絡時スクラッ
プ切落し機能ON、P3に無条件スクラップ切落し機能
ON、P4に切落し長さA、P5に切落し方向B、P6
に切落し移動距離C及びP7に短絡時戻り量Dが、各々
選定されている。
【0020】なお、切落し方向Bは、加工の進行方向に
対して後述スクラップαの切落しに最適な方向が選定さ
れる。ここでは、図2中の矢印B方向、すなわち、被加
工物48の3辺48b〜48dの各々に対して外向きに
直角の方向を指す。このB方向は、後述スクラップ切落
し時におけるワイヤ電極50(図4参照)の最短距離と
なる方向である。
【0021】切落し移動距離Cは被加工物48の不要部
分(取り代部分)48aの幅(取り代幅)を超える寸法
に選定される。切落し長さAは、被加工物48の不要部
分48aをスクラップαとして必要部分(加工済み部
分)から切り落した場合に、そのスクラップαが、加工
機自身やその周辺の関連機器に衝突しない、あるいは衝
突してもそれらを損傷させない程度の大きさや重さにな
るような寸法に選定される。また、切落し長さAは、図
3に示すように、加工が進行し、被加工物48の不要部
分(取り代部分)48aが長尺になって歪んだり、自重
によって垂れ下がってねじれる等により、ワイヤ電極5
0が被加工物48の不要部分48aと必要部分の切断面
との間に挟み込まれることもないような寸法にも選定さ
れている。
【0022】また、各パラメータP1〜P7は、加工開
始前に上記数値制御装置41に付設されたキーボードや
ディスプレイ画面(図示せず)を用いた対話形式により
設定され、あるいは上記加工プログラム中に設定され
る。
【0023】ステップ12では設定された加工条件、パ
ラメータに従って加工を開始する。ステップ13では加
工開始後におけるワイヤ電極50の断線状態を検知す
る。ステップ14ではステップ13における検知結果、
つまりワイヤ電極50が断線している(断線状態)か否
かの判定を行うもので、ワイヤ電極50が断線状態にあ
ればステップ15に進み、そうでなければステップ16
に進む。
【0024】ステップ15では、ワイヤ電極50を自動
結線すると共に、ワイヤ電極50をより断線させること
のない加工条件に緩和する処理、すなわち断線時復旧処
理を実行する。加工条件の緩和は、上記加工条件テーブ
ルを参照して選定された加工条件の段階を現状の第5段
階から、例えば第4段階に落とすことで行われる。具体
的には、放電時の電流の大きさや、放電加工電圧のON
/OFFのON時間の長さを、予め決められた1段階分
下げ、断線回避に適する加工条件に設定し直すように制
御することで行われる。その他の、加工条件緩和法を用
いてもよい。
【0025】ステップ15における上述断線時復旧処理
が済むとステップ12に戻り、加工を続行する。なお、
続くステップ13、ステップ14にて再び断線状態が検
知、判定された場合には、ステップ15で再度、断線時
復旧処理を実行するが、この場合は加工条件の段階を更
に1段階下げ、以下、断線状態が繰り返される毎に同様
の処理を限界、ここでは第1段階に下げるまで繰り返さ
れる。
【0026】さて、ステップ15で断線時復旧処理が行
われ、ステップ12〜ステップ13が実行され、ステッ
プ14で断線状態から抜ける(判定結果がNoになる)
と、ステップ16にて加工電圧から無放電状態を検知
し、ワイヤ電極50と被加工物48との間が短絡状態に
あるか否かを判定する。短絡状態にあれば、ステップ1
7に進み、そうでなければステップ20に進む。
【0027】ステップ17〜ステップ19は短絡時スク
ラップ切落し処理の実行ステップであって、以下に述べ
る処理を実行する。なお図示例では、ステップ17、ス
テップ19は短絡時スクラップ切落し処理を行わない場
合(短絡時スクラップ切落し機能がOFF設定の場合)
にも共通に実行される。すなわちステップ17では、ワ
イヤ電極50を、被加工物48を所望形状に加工するた
めの正規の経路(加工経路)を逆方向に、予め選定され
た短絡時戻り量Dだけ戻す。ステップ18では、短絡時
スクラップ切落し機能ONか否かを判定する。ここで
は、短絡時スクラップ切落し機能(パラメータP2)は
ONに設定、つまり、短絡時スクラップ切落し処理を実
行する設定となっているので、ステップ18からは、こ
の時の加工長さ寸法の如何に拘わらずステップ19側に
処理が移される。
【0028】ステップ19では、短絡時戻り量Dだけ戻
った上記正規の経路上の位置から、被加工物48の不要
部分48aをスクラップαとして必要部分から分離する
ためのスクラップ分離経路に変更して所定距離、加工移
動させる。具体的には、図2に示す切落し方向Bに切落
し移動距離Cだけ加工移動させる。この移動により、被
加工物48の不要部分48aはスクラップαとして切り
落とされる。またステップ19では、上記スクラップα
の切落し後、ワイヤ電極50を元の位置、つまり短絡が
検知されたときの位置に戻し、正規の経路の加工移動に
復帰させる。これにより、短絡時スクラップ切落し処理
を終了する。スクラップαの切落し後、ワイヤ電極50
が元の位置に戻った時には、上記短絡が、切り粉の存在
やワイヤ電極50の挟込み、あるいはその他の原因であ
っても、ステップ19の実行によりその原因は取り除か
れ、続くステップ12において正常に加工が続行され
る。
【0029】なお、短絡時スクラップ切落し処理を実行
しないように、つまり短絡時スクラップ切落し機能(パ
ラメータP2)がOFFに設定されている場合には、ス
テップ18からはステップ21側に処理が移される。
【0030】ステップ21→ステップ19は、無条件ス
クラップ切落し処理の実行ステップであって、無条件ス
クラップ切落し機能がON設定の場合に以下の処理を実
行する。すなわちステップ21では、無条件スクラップ
切落し機能がONかOFFか判定し、ONであれば現時
点での加工長さを検知して予め設定した値、ここでは切
落し長さAの倍数値に到達したか否かを判定する。到達
していれば上述ステップ19を実行、すなわちスクラッ
プαを切り落した後、ワイヤ電極50を元の位置に戻
し、正規の経路の加工移動に復帰させる。これにより、
無条件スクラップ切落し処理を終了する。
【0031】スクラップαの大きさ(重さ)は、その切
落しによる加工機自身やその周辺機器の損傷、あるいは
切り落とさないことによるワイヤ電極50の挟込みを回
避できる適宜寸法(例えば切落し移動距離Cに応じて適
宜選定された切落し長さA寸法)に選定されているの
で、それらの損傷、挟込み等の障害は発生しない。な
お、上記加工長さをスクラップαの切落し毎にクリア
し、加工長さが切落し長さAに到達したか否かをステッ
プ21にて判定するようにしてもよい。
【0032】ステップ21において、無条件スクラップ
切落し機能がONであって、現時点での加工長さが予め
設定した値に到達しているとの判定結果が得られなけれ
ば、処理をステップ12に戻し、加工が続行される。
【0033】説明をステップ16に戻すと、このステッ
プ16において短絡状態にあるか否かの判定結果がN
o、つまり短絡状態にないと判定された場合には、ステ
ップ20に進み、加工完了か否かが判定される。加工完
了であれば加工を終了し、そうでなければステップ22
側に処理が移される。
【0034】ステップ22→ステップ19は、無条件ス
クラップ切落し処理の実行ステップであって、無条件ス
クラップ切落し機能がON設定の場合に上述ステップ2
1→ステップ19と同様の処理を実行する。
【0035】ステップ22において、無条件スクラップ
切落し機能がONであって、現時点での加工長さが予め
設定した値に到達しているとの判断結果が得られなけれ
ば、処理をステップ12に戻し、加工が続行される。以
上の処理は加工が完了するまで、すなわちステップ20
においてYesと判定されるまで繰り返される。
【0036】上述無条件スクラップ切落し処理(ステッ
プ21→ステップ19,ステップ22→ステップ19)
によれば、加工途中において無条件に被加工物48の不
要部分を切落し長さAで切り落として行く。換言すれ
ば、不要部分をスクラップαとして細かく切り落としな
がら加工を進めて行く。したがって、加工中や加工完了
時に生ずる被加工物48の不要部分48aが落下し、加
工機自身やその周辺の関連機器に衝突し、それらを損傷
させたり、故障させたりすることが極力防止される。こ
の効果は、被加工物48が焼入れされた鋳物のように大
きな歪みが生じている場合に、特に有効である。これに
よれば、従来、保守等の作業員の待機も不要な連続無人
加工の実現を最も阻害していた問題点が解消でき、夜間
等における連続無人加工が可能となる。この効果は、被
加工物48が上述実施例のように非導電部分を含む導電
材からなるものか否かに拘わらず、つまり、通常の導電
材からなる被加工物48であっても発揮できる。
【0037】また、上述断線時復旧処理(ステップ1
5)によれば、ワイヤ電極50が断線した場合に、その
ワイヤ電極50を自動結線すると共に、ワイヤ電極50
をより断線させることのない加工条件に緩和するので、
その後のワイヤ電極50の断線が極力回避される。更
に、短絡時スクラップ切落し処理(ステップ17〜ステ
ップ19)によれば、ワイヤ電極50と被加工物48と
の間の短絡を検知した場合に、即座に、すなわちその際
の加工長さ寸法の如何に拘わらず、被加工物48の不要
部分48aをスクラップαとして必要部分から切り落と
される。これによれば、その後、ワイヤ電極50が元の
位置に戻った時には、上記短絡が切り粉の存在やワイヤ
電極50の挟込み、あるいはその他の原因であっても、
ステップ19の実行によりその原因は取り除かれ、続く
ステップ12において正常に加工が続行されることにな
る。したがって、これら断線時復旧処理と短絡時スクラ
ップ切落し処理を併用すれば、被加工物48が非導電部
分を含む導電材からなるもの、例えば焼入れされた鋳物
であっても、しかもそのような被加工物48における小
半径部の切断加工等のように高い精度を要する加工であ
っても、実現可能となる。
【0038】更に、上述断線時復旧処理及び短絡時スク
ラップ切落し処理の併用に加え、無条件スクラップ切落
し処理(ステップ22→ステップ19)を付加すること
によれば、被加工物48が非導電部分を含む導電材から
なるものの加工においても、加工中や加工完了時に生ず
る被加工物48の不要部分48aが落下し、加工機自身
やその周辺の関連機器を損傷させたり、故障させたりす
ることが極力防止され、保守等の作業員の待機も不要な
連続無人加工が可能となる。
【0039】なお上述実施形態では、パラメータをP1
〜P7の7種類としたが、断線時復旧処理、短絡時スク
ラップ分離処理及び無条件スクラップ切落し処理を、被
加工物の材質の相違に応じてより効果的に実行できるよ
うに、新たなパラメータを追加してもよく、これによれ
ば、特に、非導電部分を含む導電材からなる被加工物に
つき、広範囲の材質について高精度の加工が可能とな
る。
【0040】また上述実施形態では、図4からも分かる
ように、本発明を、被加工物48の不要部分48aをス
クラップとして必要部分(加工済み部分)から分離した
とき、即時、自由落下する環境における放電加工に適用
した場合について述べたが、本発明は、これ以外の環境
における放電加工にも適用できる。例えば、上記不要部
分48aを必要部分から分離したとき、それが傾斜して
設置されたXYテーブル46上を滑り落ちるというよう
な環境にある等、不要部分48aの分離により、その不
要部分48aが加工機自身やその周辺機器に損傷等を与
える全ての環境における放電加工に適用できる。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように請求項1に記載の発明
によれば、非導電部分を含む導電材からなる被加工物を
含む種々の被加工物につき、加工中や加工完了時に生ず
る被加工物の不要部分が落下して加工機自身やその周辺
の関連機器に衝突し、それらを損傷させたり、故障させ
たりすることを極力防止でき、したがって、保守等の作
業員の待機も不要な連続無人加工を実現できるワイヤカ
ット放電加工方法を提供することができる。
【0042】また、請求項2に記載の発明によれば、被
加工物が非導電部分を含む導電材である場合でも精度の
高い加工が可能なワイヤカット放電加工方法を提供する
ことができる。
【0043】更に、請求項3に記載の発明によれば、被
加工物が非導電部分を含む導電材である場合について、
精度の高い加工と連続無人加工とが共に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるワイヤカット放電加工方法の一実
施形態を示すフローチャートである。
【図2】スクラップ切落し処理の説明図である。
【図3】ワイヤ電極が被加工物の不要部分と必要部分と
の間に挟み込まれる様子を示す図である。
【図4】本発明が適用されるワイヤカット放電加工機の
構成例を概略的に示す図である。
【符号の説明】
13 断線状態検知ステップ 15 断線時復旧処理ステップ 16 短絡状態検知、判定ステップ 17→18→19 短絡時スクラップ切落し処理ステッ
プ 21→19,22→19 無条件スクラップ切落し処理
ステップ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤ電極と被加工物との間に間欠放電
    を発生させつつ、それらワイヤ電極と被加工物を相対移
    動させることによってその被加工物を所望形状に切断加
    工するワイヤカット放電加工方法において、 前記被加工物の加工中に加工長さを検知する加工長さ検
    知工程と、 この加工長さ検知工程により検知された加工長さが予め
    設定した値に達する毎に前記ワイヤ電極を、前記被加工
    物を所望形状に加工するための正規の経路からスクラッ
    プ分離経路に変更して所定距離加工移動させ、その後、
    経路変更前の位置に戻して前記正規の経路の加工移動に
    復帰させる無条件スクラップ分離工程とを具備すること
    を特徴とするワイヤカット放電加工方法。
  2. 【請求項2】 ワイヤ電極と被加工物との間に間欠放電
    を発生させつつ、それらワイヤ電極と被加工物を相対移
    動させることによってその被加工物を所望形状に切断加
    工するワイヤカット放電加工方法において、 前記被加工物は非導電部分を含む導電材であって、 その被加工物の加工中に、加工長さ、ワイヤ電極の断線
    及びワイヤ電極と被加工物との間の短絡を検知する検知
    工程と、 この検知工程中のワイヤ電極の断線検知工程によりワイ
    ヤ電極の断線が検知された場合に、そのワイヤ電極を自
    動結線すると共にワイヤ電極をより断線させることのな
    い加工条件に緩和する断線時復旧工程と、 前記検知工程中のワイヤ電極と被加工物との間の短絡を
    検知する短絡検知工程により短絡が検知された場合に、
    前記ワイヤ電極を、前記被加工物を所望形状に加工する
    ための正規の経路を逆方向に所定量戻した後、その正規
    の経路からスクラップ分離経路に変更して所定距離加工
    移動させ、その後、前記短絡が検知されたときの位置に
    戻して前記正規の経路の加工移動に復帰させる短絡時ス
    クラップ分離工程とを具備することを特徴とするワイヤ
    カット放電加工方法。
  3. 【請求項3】 断線検知工程及び短絡検知工程により断
    線検知及び短絡検知がされていない場合に、加工長さ検
    知工程により検知された加工長さが予め設定した値に達
    する毎にワイヤ電極を、正規の経路からスクラップ分離
    経路に変更して所定距離加工移動させ、その後、経路変
    更前の位置に戻して前記正規の経路の加工移動に復帰さ
    せる無条件スクラップ分離工程が付加されることを特徴
    とする請求項2に記載のワイヤカット放電加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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