JP2003275000A - 一分子蛍光分析により核酸と核酸結合タンパク質との結合を検出する方法 - Google Patents

一分子蛍光分析により核酸と核酸結合タンパク質との結合を検出する方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の方法の有している問題点を解決し得
る、核酸と核酸結合タンパク質との結合を検出する新規
な方法を提供すること。 【解決手段】 一分子蛍光分析により、核酸と核酸結合
タンパク質との結合を検出する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核酸と核酸結合タ
ンパク質との結合を一分子蛍光分析により検出する方法
に関する。とりわけ本発明は、遺伝子とそれに結合する
転写因子の相互作用を探索し、タンパク質機能解析およ
びそれを利用した薬剤検出に有用である。
【0002】
【従来の技術】生命現象は、遺伝子発現により合成され
るタンパク質が正常に発現・機能することにより営まれ
るが、異常な遺伝子発現は発がんやアポトーシスの原因
となる。遺伝子発現の大部分は、転写因子と呼ばれるD
NA結合タンパク質により制御されている。転写研究の
進展により転写システムの全貌が明らかになりつつあ
り、酵母からヒトに至る真核生物で基本的な転写機構の
類似性が示されている。例えば、プロモーターに集合し
たTBP(TATA box-binding protein)/TFIIA/T
FIIB複合体の立体構造もすでに解明されており、DN
A鎖上での基本転写因子間のタンパク質―タンパク質相
互作用や、基本転写因子によるDNAの高次構造形成な
どの新しい情報が蓄積されつつある。そのため、転写の
基本となる転写システムを中心に、転写調節因子による
転写活性化、あるいは不活性化の分子機構の解析が行わ
れ、最終的には発生、分化、増殖、癌化といった生命現
象を転写制御のネットワークやカスケードを通して理解
することが望まれている。このような状況下、転写因子
とDNAとの結合反応を迅速かつ特異的に検出する検出
系が期待される。
【0003】これまで、転写因子と特定DNA配列との
特異的な結合を検出する系として、ゲルシフトアッセ
イ、in vitro転写アッセイおよびフットプリント法とい
った電気泳動やアイソトープ(放射性物質)を用いた解
析が知られている。
【0004】ゲルシフトアッセイは、転写因子と特定D
NA配列との特異的な結合によりDNA結合タンパク質
の電気泳動の移動度が低下することを利用した方法であ
る。この方法は、数mgの多量のタンパク質を必要とす
るうえに、電気泳動に時間がかかり、更に、DNAと結
合したタンパク質複合体の分子量はオートラジオグラフ
ィーによる解析が必要なため、多大な時間とコストがか
かる。また、特異的なサンプルがあっても、サンプル回
収が困難であり、プロテオーム解析などへの拡張性に乏
しい。また、多くのタンパク質をスクリーニングするた
めに非常に時間とコスト、手間がかかる。
【0005】in vitro転写アッセイは、試験管内に鋳型
となる所定のDNA配列、RNAポリメラーゼ、転写因
子、基質NTP(塩基成分G、A、C、U)を入れ、R
NA合成反応を行わせ、転写因子のDNA配列への特異
的な結合に基づく転写因子活性を測定する方法である。
この方法は、合成されたRNAの検出を、電気泳動とそ
の後のオートラジオグラフィーによる解析を行う必要が
あるため、多大な時間とコスト、手間がかかる。
【0006】フットプリント法は、DNAの特異的部位
に結合するタンパク質のDNA鎖上での塩基配列認識部
位を決定する方法である。この方法は、詳細には、まず
タンパク質の結合部位を含むDNA断片の5’または
3’末端を32Pで標識し、これをDNアーゼ処理し、塩
基非特異的切断を行い、ゲル電気泳動ののちオートラジ
オグラフィーを行うことにより、一塩基ずつの長さの違
いで分離されたDNA片のバンドを得る。他方、上述の
DNA断片にタンパク質を結合させてDNアーゼ処理を
行うと、結合部位の塩基は切断されず、オートラジオグ
ラフィーではそれに対応するバンドは消失し、白く抜け
て見える。両者のオートラジオグラムを比較することに
より、タンパク質の結合部位とその部分の塩基配列を決
定することができる。この方法も、電気泳動およびオー
トラジオグラフィーによる解析を行う必要があるため、
多大な時間とコスト、手間がかかる。
【0007】また、フットプリント法と同じ原理を用い
てタンパク質とリガンドの相互作用を解析する方法もあ
る。この方法は、タンパク質のコンフォーメーションの
変化を検出するのに利用されている。転写複合体に応用
して、moribund complex とdead-end complexでのコン
フォーメーションの変化を検出できる。(参考文献 Nag
ai & Shimamoto (1997) Most conserved regions of th
e E. coli primary sigma factor are involved in int
eraction with RNA polymerase core enzyme. Gene. Ce
lls 2, 725-734) しかし、この方法でも、やはりアイ
ソトープ、電気泳動、およびオートラジオグラフィーに
よる解析を使用するため、設備投資や専門家を要し、実
験が大変しにくい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記事情に鑑み、本発
明は、ゲルシフトアッセイ、in vitro転写アッセイおよ
びフットプリント法といったアイソトープ(放射性物
質)や電気泳動を用いた検出方法の有している問題点を
すべて解決できる、核酸と核酸結合タンパク質との結合
を検出する新規な方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、非放射性
物質を検出マーカーとして用いて、簡便かつ迅速に、核
酸に結合可能なタンパク質を検出する新たな方法を見出
し、本発明を完成させるに至った。なお、本発明の方法
は、ゲルシフトアッセイ、in vitro転写アッセイおよび
フットプリント法など従来の検出方法の有している問題
点を一気に解決できるものである。
【0010】すなわち、本発明は以下に記載の手段を提
供するものである。
【0011】(1) 一分子蛍光分析により、核酸と核
酸結合タンパク質との結合を検出する方法。 (2) 一分子蛍光分析により、核酸と2種類の核酸結
合タンパク質との結合を検出する方法であって、核酸と
第一の核酸結合タンパク質との結合を検出する工程と、
前記工程において核酸と第一の核酸結合タンパク質との
結合が検出された場合、得られた核酸タンパク質複合体
と第二の核酸結合タンパク質との結合を検出する工程と
を具備することを特徴とする方法。 (3) 一分子蛍光分析により、核酸とn種類(nは2
以上の整数を表す)の核酸結合タンパク質との結合を検
出する方法であって、核酸と第一の核酸結合タンパク質
との結合を検出する工程と、前記工程において核酸と第
一から第(X−1)まで(X−1)個の核酸結合タンパ
ク質との結合が検出された場合、得られた核酸タンパク
質複合体と第Xの核酸結合タンパク質との結合を検出す
る工程を、X=2からX=nまで順次(n−1)回繰り
返す工程とを具備することを特徴とする方法。 (4) (1)〜(3)の何れか1に記載の方法であっ
て、核酸と1種類以上の核酸結合タンパク質との結合
を、核酸結合タンパク質の何れか一に対する抗体を用い
て確認する工程を更に具備することを特徴とする方法。 (5) (1)〜(4)の何れか1に記載の方法であっ
て、前記核酸が、タンパク質結合部位の配列を持つこと
を特徴とする方法。 (6) (1)〜(5)の何れか1に記載の方法であっ
て、前記核酸結合タンパク質が、TATAボックス結合
タンパク質であることを特徴とする方法。 (7) (1)〜(6)の何れか1に記載の方法であっ
て、前記核酸に、蛍光物質、発光物質、酵素発光物質、
放射活性物質を結合させることにより、前記核酸結合タ
ンパク質との結合を光シグナルで検出することを特徴と
する方法。 (8) (1)〜(7)の何れか1に記載の方法であっ
て、前記核酸結合タンパク質が、基本転写因子、転写促
進因子、または転写阻害因子であることを特徴とする方
法。
【0012】
【発明の実施の形態】<一分子蛍光分析技術>まず、本
発明のスクリーニング方法に用いる解析技術、一分子蛍
光分析について説明する。
【0013】一分子蛍光分析とは、微小な共焦点領域に
出入りする蛍光分子に由来する蛍光シグナル(例えば、
ゆらぎ運動および/または蛍光強度)を計測し、この計
測により得られるデータを関数により解析する技術であ
る。この技術には、(1)蛍光相関分光法(Fluorescen
ce Correlation Spectroscopy)による解析、(2)蛍
光強度分布解析(Fluorescence Intensity Distributio
n Analysis)、および(3)これら解析を同時に行う蛍
光強度多分布解析(Fluorescence Intensity Multiple
Distribution Analysis)が含まれる。以下、それぞれ
について説明する。
【0014】(1)蛍光相関分光法(以下FCSともい
う)は、蛍光で標識した標的分子の媒質中におけるゆら
ぎ運動を測定し、自己相関関数(Autocorrelation funct
ion)を用いることにより、個々の標的分子の微小運動を
正確に測定する技術である(参照文献:D. Magde and
E. Elson, “Fluorescence correlation spectroscopy.
II. An experimental realization”, Biopolymers 19
74 13(1) 29-61)。
【0015】FCSは、溶液中の蛍光分子のブラウン運
動をレーザ共焦点顕微鏡により微小領域で捉えることに
よって、蛍光強度のゆらぎから拡散時間を解析し、物理
量(分子の数、大きさ)を測定することにより実行され
る。このような微小な領域で分子ゆらぎを捕えるFCS
による解析は、高感度、特異的に分子間相互作用を検出
する上で有効である。
【0016】FCSによる検出の原理を更に詳しく説明
する。FCSでは、試料中の微小視野領域から発生する
蛍光信号を顕微鏡で検出定量する。このとき、媒質中の
蛍光標識した標的分子は常に運動(ブラウン運動)して
いる。従って、標的分子がこの微小視野領域内に進入す
る頻度および前記領域内に留まる時間に応じて、検出さ
れる蛍光強度が変化する。
【0017】例えば、分子の2量体化が生じて見かけの
分子量が増大すれば、標的分子の運動は遅くなり、見か
けの分子数は減少する。その結果、微小視野領域内に入
ってくる頻度は低下し、観察される蛍光強度が変化す
る。このような蛍光強度の変化をモニターすることによ
り、標的分子の見かけの分子量変化を追跡することがで
きる。
【0018】(2)蛍光強度分布解析(以下FIDAと
もいう)は、文献 P Kask, et al;PNAS 23, 96, 13756-
13761, 1999, WO98/16814 に開示されている。FIDA
は、サンプルにレーザ照射し、サンプル中から発せられ
る蛍光分子の励起光を、APD(高感度フォト検出器)
によって計測し、計測した蛍光シグナルを、40マイク
ロ秒という非常に短時間あたりに分解したフォトンカウ
ントについて、ダブル・ポアソン分布関数解析し、統計
処理解析する技術である。FIDAにより、一分子あた
りの蛍光強度(ブライトネス;qn)と蛍光分子の数
(cn)が算出される。分子種類が複数個あっても分布
解析によって識別することができ、それぞれの分子種に
ついてブライトネスと分子数を乗じた数値が総蛍光量と
して計算できる。
【0019】(3)蛍光強度多分布解析(以下FIMD
Aともいう)は、FCS解析とFIDAを同時に行うも
のである。詳細な内容は、文献 K Palo, Biophysical J
ournal, 79, 2858-2866, 2000)に開示されている。F
IMDAによれば、蛍光分子の並進拡散時間、分子数、
および一分子あたりの蛍光強度(ブライトネス)に関す
るデータを同時に取得することができる。そのため、分
子の大きさが判別できるだけでなく、FCSでは識別不
可能であった2倍程度の分子の大きさの変化をブライト
ネスの違いで識別することができる。なお、FCSでは
5倍程度の分子の大きさの変化を識別することが可能で
ある。
【0020】<本発明の検出方法>上述の一分子蛍光分
析技術を用いて、本発明の検出を行うことができる。す
なわち、一分子蛍光分析技術を用いて、「遊離の核酸結
合タンパク質」が核酸に結合して複合体を形成したこと
を、並進拡散時間の増大(即ち、分子量の増大)により
検出することができる(図4参照)。また、一分子蛍光
分析技術を用いて、「遊離の核酸結合タンパク質」と、
核酸との結合により得られる「核酸タンパク質複合体」
の存在比を、各分子の分子数の変化、一分子あたりの蛍
光強度の変化により求めることができる。これにより、
本発明の一分子蛍光分析技術を用いた検出方法は、核酸
結合タンパク質の核酸への結合の有無を検出できるだけ
でなく、核酸結合タンパク質の核酸への結合能(結合力
の強さ)を検出することもできる。
【0021】以下、本発明の方法を詳細に説明する。
【0022】本発明の検出方法は、一分子蛍光分析技術
により、核酸と核酸結合タンパク質との結合を検出する
方法である。本発明の検出方法において、核酸結合タン
パク質は、1種類であっても複数種類であってもよい。
【0023】すなわち、核酸結合タンパク質が2種類で
ある場合、本発明の一分子蛍光分析技術を用いた検出方
法は、核酸と第一の核酸結合タンパク質との結合を検出
する工程と、前記工程において核酸と第一の核酸結合タ
ンパク質との結合が検出された場合、得られた核酸タン
パク質複合体と第二の核酸結合タンパク質との結合を検
出する工程とを具備することを特徴とする。
【0024】更に、核酸結合タンパク質がn種類(nは
2以上の整数を表す)である場合、本発明の一分子蛍光
分析技術を用いた検出方法は、核酸と第一の核酸結合タ
ンパク質との結合を検出する工程と、前記工程において
核酸と第一から第(X−1)まで(X−1)個の核酸結
合タンパク質との結合が検出された場合、得られた核酸
タンパク質複合体と第Xの核酸結合タンパク質との結合
を検出する工程を、X=2からX=nまで順次(n−
1)回繰り返す工程とを具備することを特徴とする。n
は通常2〜9種類が考えられる。
【0025】本発明の検出方法に従えば、予め「核酸」
を選定しておくことにより、「該核酸に結合する核酸結
合タンパク質」を探索することができる。また、本発明
の検出方法に従えば、予め「核酸結合タンパク質」を選
定しておくことにより、「該核酸結合タンパク質を結合
する核酸」を探索することができる。
【0026】(核酸と核酸結合タンパク質について)本
発明において「核酸」は、DNA、RNAの何れでもよ
く、修飾塩基を含んでいてもよい。また1本鎖、2本鎖
の何れでもよく特に限定されない。予め「核酸」を選定
して、「該核酸に結合する核酸結合タンパク質」を探索
する場合、「核酸」は、タンパク質結合部位(protein-
binding site)を有する核酸であることが好ましい。よ
り具体的には、タンパク質が特異的に結合することによ
り遺伝子の転写を開始させたり転写を促進・抑制したり
するタンパク質結合部位を含む核酸であり得る。このよ
うに、予め「核酸」を選定して、「該核酸に結合する核
酸結合タンパク質」を探索する場合、「核酸結合タンパ
ク質」は、前記「核酸」に特異的もしくは非特異的に結
合することが予測される任意のタンパク質であり得る。
【0027】また「核酸」は、所望の配列(例えばタン
パク質結合部位)を有する限り、その長さは特に限定さ
れない。ただし、「核酸」と「核酸結合タンパク質」と
の結合をその分子量の変化に基づいて検出する場合であ
って、「核酸結合タンパク質」を蛍光標識した場合に
は、「核酸結合タンパク質」が「核酸」と結合して複合
体を形成した際に、“遊離の核酸結合タンパク質”と比
べて5倍以上の分子サイズの増大を引き起こすように
「核酸」の分子量を設定しておくことが望ましい。
【0028】一方、予め「核酸結合タンパク質」を選定
して、「該タンパク質を結合する核酸」を探索する場
合、「核酸結合タンパク質」は、核酸に結合することが
既知のものであれば特に限定されず、具体的には、DN
Aに結合して転写の開始、伸長、終結などの転写調節に
関わる転写因子が挙げられる。より具体的には、転写因
子として、基本転写因子、転写促進因子、転写阻害因子
が挙げられる。公知の転写因子の種類は、50種類以上
を超えており、AP−1(activator protein 1),c
−Myb、FAST−1などがある。転写因子の分子量
は、12〜250kDaといわれており、40kDa付
近の分子量をもつ因子が多い。転写因子が結合する配列
は、短いDNAは6塩基のものもあり、一分子蛍光分析
によって計測することができる塩基配列は、5200塩
基対までの長さが好ましく、1000塩基対までの長さ
がより好ましい。このように、予め「核酸結合タンパク
質」を選定して、「該タンパク質を結合する核酸」を探
索する場合、「核酸」は、前記「核酸結合タンパク質」
を特異的もしくは非特異的に結合することが予測される
任意の核酸であり得る。
【0029】なお、「核酸結合タンパク質」が複数予測
される場合、それぞれの核酸結合タンパク質は直接核酸
に結合するものであってもよいし、他の核酸結合タンパ
ク質を介して間接的に核酸に結合するものであっても何
れでもよい。
【0030】予め選定した「核酸」の具体例として、T
ATAボックスを含む核酸が挙げられる。TATAボッ
クスとは、遺伝子の転写開始位置より上流に位置し、転
写開始に重要な役割を果たす特定のDNA配列である。
TATAボックスの配列は、5’−T A T A A(も
しくはT) A T(もしくはA)−3’として知られてい
る。このTATAボックスにTATAボックス結合タン
パク質(TATA box-binding protein;即ち、転写因子T
FIID)が結合し、その後転写因子TFIIBが結合する
ことが知られている。本発明の検出方法に従って、TA
TAボックスなどのタンパク質結合部位に結合可能なタ
ンパク質を探索することができる。
【0031】また、予め選定した「核酸結合タンパク
質」の具体例として、TATAボックス結合タンパク質
(即ち、TFIID)を用いれば、本発明の方法に従っ
て、TATAボックス結合タンパク質を結合可能な核酸
を探索することができる。
【0032】本発明において「核酸」と「核酸結合タン
パク質」は、どのように調製されたものでもよい。「核
酸」については、所望の配列を合成により調製すること
ができる。「核酸結合タンパク質」については、例えば
該タンパク質をコードする遺伝子を用いて、公知の遺伝
子工学的手法により試験管内で発現させたものを利用し
てもよい。あるいは、該タンパク質を含む分画を生体や
細胞から抽出してもよい。また、タンパク質、ペプチド
ライブラリーから得られるサンプルを使用してもよい。
【0033】ただし、本発明の検出方法は、上述の具体
的な記載に限定されず、任意の核酸と任意の核酸結合タ
ンパク質の結合を検出する際に利用可能であることはい
うまでもない。
【0034】以下、真核生物の転写について説明する。
【0035】真核生物では、3種類のRNAポリメラー
ゼが存在し、それぞれ異なるクラスの遺伝子を転写す
る。タンパク質をコードする遺伝子の転写には、RNA
ポリメラーゼIIと6種類の基本転写因子(TFIIA,T
FIIB,TFIID,TFIIE,TFIIF,TFIIH)が
必要であり、これらの因子のなかで唯一DNA結合能を
もつ因子がTFIIDである。TFIIDがTATAボック
スに結合し、それに引き続いて各因子が順次プロモータ
ー上に集合することにより、転写開始複合体(PIC)
が形成され、RNAポリメラーゼがPICから離れるこ
とで転写伸長の段階へ移行する。ここ数年の間に転写シ
ステムを構成する各因子がスクリーニングされ、PIC
形成のメカニズムが詳細に解明されるとともに、基本転
写因子や転写伸長因子の変異がヒトの遺伝病と密接に関
係することも明らかにされており、有用な検出法が望ま
れている。従って、本発明の検出方法は、転写因子の変
異がDNAへの結合能に及ぼす影響を調べる際にも有用
である。
【0036】(核酸と核酸結合タンパク質の結合を検出
する工程)本発明において、「核酸結合タンパク質」も
しくは「核酸」の少なくとも一方は、一分子蛍光分析の
ため、予め標識されている必要がある。以下、標識の代
表パターンとして(A)〜(C)の場合を挙げるが、本
発明はこれらに限定されない。
【0037】(A)「核酸結合タンパク質」を蛍光標識
する場合 この場合、遊離の核酸結合タンパク質と核酸に結合した
複合体とは、複合体を形成した場合にその分子サイズが
5倍以上増加するように、「核酸」の長さを長くしてお
くことが望ましい。例えば、「核酸結合タンパク質」と
して転写因子TFIIDを使用した場合、その分子量38
kDaであるから、結合する「核酸」は、好ましくは1
52kDa以上の分子量を持つように合成しておくこと
が望ましい。2本鎖DNAは、1塩基対で分子量660
Daであるから、分子量152kDaのDNAは230
塩基対に相当する。一方、230塩基対未満の長さの
「核酸」の場合は、タンパク質と核酸それぞれを2色で
蛍光標識することによって、相互相関分析すると解析す
ることができる。
【0038】(B)「核酸」を標識する場合 核酸を蛍光標識する場合は、オリゴヌクレオチドを合成
する際に、末端に蛍光物質を取り込ませることによっ
て、容易に標識できる。また、任意の核酸をデオキシリ
ボヌクレアーゼIで処理して切れ目(ニック)をつくら
せ、次に4種類のデオキシリボヌクレオチドとDNAポ
リメラーゼIを加えて修復合成させ、2番目の反応の際
に蛍光標識したヌクレオチドをDNAに取り込ませる方
法(ニックトランスレーション法)を利用して標識する
ことができる。合成オリゴヌクレオチドに比べて、「核
酸結合タンパク質」はかなり大きいので、複合体形成に
よってサイズ変化が劇的にかわるため、一分子蛍光分析
で識別することができる。
【0039】(C)複数の分子を蛍光標識する場合 「核酸」と「核酸結合タンパク質」の両方を2色で色分
けして蛍光標識することによって、相互の相関を検出す
る解析方法(蛍光相互相関分析)によって識別すること
ができる。
【0040】蛍光標識用のマーカーとしては、光学的に
追跡できる信号を発するもの、すなわち光検出可能な物
質であれば任意のものを使用することができる。例え
ば、蛍光物質、発光物質、酵素発光物質、放射活性物質
を使用することができる。特に、微小物質の存在を個別
に測定しえる蛍光色素が好ましい。好ましくは、検出可
能な蛍光を発する任意の蛍光物質を使用することができ
る。例えば、ローダミン、TAMRA、Cy3、Cy5
(アマシャム)、Alexaシリーズ(モレキュラープロー
ブ)、蛍光緑色タンパク質GFP(クロンテック社)等、
さまざまな蛍光色素を用いることが可能である。蛍光標
識は、既知の手法により行うことができる。
【0041】「核酸」と「核酸結合タンパク質」の結合
を検出する工程は、「核酸」と「核酸結合タンパク質」
とを所定の溶液中に置くことにより行われる。所定の溶
液とは、「核酸」と該核酸に結合することが既知のタン
パク質とが結合可能な溶液であり得る。例えば、生理食
塩水やリン酸緩衝液を使用することができる。
【0042】この所定の溶液中で、「核酸」と「核酸結
合タンパク質」を所定の条件下で維持することにより、
「核酸結合タンパク質」のうち「核酸」に結合可能なタ
ンパク質のみが結合反応を起こす。ここで所定の条件
(温度、pH、反応時間等)は、「核酸」の種類等に応
じて適宜設定することができる。
【0043】「核酸結合タンパク質」を蛍光標識する場
合、反応溶液中に添加する「核酸結合タンパク質」の量
は、最終濃度0.01〜100nM程度になる量がよ
く、さらに好ましくは、0.1〜50nM程度がよい。
また、添加する「核酸」の量は、最終濃度0.01nM
〜10μM程度になる量がよく、さらに好ましくは、
0.1〜50nM程度がよい。
【0044】反応の一例として、後述の実施例に記載さ
れるとおり、5−TAMRAで標識した「核酸」を生理
的緩衝溶液中に10nmol/L含む溶液と、「核酸結
合タンパク質」を生理的緩衝溶液中に1〜100nmo
l/L含む溶液とを、それぞれ50μLずつ混合し、室
温で15〜30分間インキュベートすることにより行う
ことができる。
【0045】インキュベートするために、上記所定の溶
液に反応成分のセットを浮遊状態で含んでなる反応液
を、適宜の液体保持手段、例えば、試験管、ウエル、キ
ュベット、溝、管、平板、多孔体等に保持することがで
きる。ここで、液体保持手段の形状、材質、サイズ等
は、分注、攪拌、インキュベート、測定、搬送等の各種
検出ステップの一部または全てを迅速に行うように選択
するのが好ましい。例えば、一分子蛍光分析による測定
は、光学的な焦点レベルの極微小な領域を測定場所とす
るので、非常に小型の液体収容手段で有り得る。特に、
光学的測定による検出においては、測定用の光ビームが
なるべく反応成分と直接的に関係するように、液体保持
手段は、測定ビームが入射および/または出射するため
の開口部を有するのが好ましい。
【0046】前記反応後の溶液中において、「核酸」に
結合している「核酸結合タンパク質」と、反応溶液中に
遊離している「核酸結合タンパク質」の存在比を、それ
ぞれの分子量の差に基づいて一分子蛍光分析により測定
することができる。これにより、「核酸結合タンパク
質」の「核酸」に対する結合のし易さ(親和性)を解離
定数として求めることができる。
【0047】また、「核酸」と「核酸結合タンパク質」
の結合反応を行った後、核酸結合タンパク質に対する特
異的抗体を反応溶液中に添加することによって、核酸結
合タンパク質が核酸に結合していることを、その分子量
の増大により確定することができる(後述の実施例参
照)。
【0048】また、核酸と核酸結合タンパク質の分子量
は、解析によって得られる並進拡散時間から容易に算定
することができる。タンパク質の分子量の増加に従っ
て、並進拡散時間が増大することを図1に示す。図1に
おいて横軸は、横軸は、タンパク質の分子量、縦軸は並
進拡散時間(μ秒)を示す。また、DNAサイズ(即ち
塩基対)の増加に従って、並進拡散時間が増大すること
を図2に示す。図2において横軸はDNAの塩基配列の
長さ、縦軸は並進拡散時間(μ秒)を示す。
【0049】<一分子蛍光分析を行うための装置>以
下、一分子蛍光分析を行うための装置(以下、蛍光相関
分析装置ともいう)の例を、図3を参照して説明する。
【0050】図3に示すように、蛍光相関分析装置は、
レーザ光源1と、前記レーザ光源1からの光ビームの強
度を減弱する光強度調節手段(ここではNDフィルタ)
2と、適切な光強度調節手段2を設定する光減衰選択装
置(ここではNDフィルタチェンジャー)3と、前記レ
ーザ光源1からの光ビームを前記試料に集光し共焦点領
域を形成する光学系4、5と、蛍光分子を含有する試料
を載せたステージ6と、前記試料からの蛍光を集光する
光学系7〜11と、集光した蛍光を検出する光検出器1
2と、蛍光強度の変化を記録する蛍光強度記録手段13
を具備する。このように、蛍光相関分析装置は、共焦点
レーザ顕微鏡を利用したものである。
【0051】図3においてレーザ光源1から放射される
レーザは、アルゴンイオンレーザ、ヘリウム−ネオンレ
ーザ、クリプトン、ヘリウム−カドミウム等何れであっ
てもよい。図3においてレーザ光源からの光ビームを前
記試料に集光し共焦点領域を形成する光学系4、5は、
具体的にはダイクロイックミラー4、および対物レンズ
5を意味する。レーザ光源1からの光ビームは、図3中
の矢印で示すような経路で、まず蛍光強度調節手段(こ
こではNDフィルタ)2の減弱度に従ってその強度が減
弱され、次いで、ダイクロイックミラー4により入射光
に対して90度ステージの方向に屈折し、対物レンズ5を
通ってステージ6上の試料に照射される。このようにし
て光ビームは、微小な1点で前記試料に集光され共焦点
領域が形成される。
【0052】図3において共焦点領域内の蛍光分子から
放射された蛍光を集光する光学系7〜11は、具体的に
はフィルタ7、チューブレンズ8、反射鏡9、ピンホー
ル10、レンズ11を意味する。蛍光分子から放射され
た蛍光は、図3中の矢印で示すような経路で、まず、ダ
イクロイックミラー4を光進行方向に透過し、フィルタ
ー7、チューブレンズ8を経て、反射鏡9により屈折
し、ピンホール10に結像した後、レンズ11を通過し
て光検出器12に集光される。
【0053】集光された蛍光を検出する光検出器(ここ
ではアバランシャルフォトダイオード)12は、受容し
た光信号を電気信号に変換し、蛍光強度記録手段(ここ
ではコンピュータ)13に送信する。
【0054】蛍光強度の変化を記録する蛍光強度記録手
段13は、伝達された蛍光強度データの記録・解析を行
う。具体的には、この蛍光強度データの解析により自己
相関関数を設定する。蛍光分子の受容体への結合による
分子量の増大、および遊離の蛍光分子数の減少などは、
自己相関関数の変化により検出することができる。
【0055】なお、一分子蛍光分析を行うための装置
(蛍光相関分析装置)は、図3に示す例に限定されな
い。例えば、「核酸」と「核酸結合タンパク質」を、そ
れぞれ異なる励起波長を有する2種類の蛍光物質で識別
標識する場合には、蛍光相関分析装置は、それぞれの蛍
光物質を励起させるための2種類のレーザ光源を有し、
更にそれぞれの蛍光物質から放射される光を検出するた
めの2種類の光検出器を有していることが必要である。
光検出器は、APD(アバランシェ・フォトダイオー
ド)のほか、光電子増倍管からなる装置でもよい。
【0056】<本発明の効果について>従来、転写因子
の核酸への結合力に基づく転写因子活性の測定は、ゲル
シフトアッセイ、in vitro転写アッセイおよびフットプ
リント法といった電気泳動やアイソトープ(放射性物
質)を用いた解析であった。
【0057】ゲルシフトアッセイは、転写因子と特定D
NA配列との結合によりDNA結合タンパク質の電気泳
動の移動度が低下することを利用しているが、数mgの
多量のタンパク質を必要とするうえ、電気泳動に時間が
かかり、更に、DNAと結合したタンパク質複合体の分
子量はオートラジオグラフィーによる解析が必要なた
め、多大な時間とコストがかかる。また、特異的なサン
プルがあっても、サンプル回収が困難であり、プロテオ
ーム解析などへの拡張性に乏しい。また、多くのタンパ
ク質をスクリーニングするために非常に時間とコスト、
手間がかかる。同様にin vitro転写アッセイおよびフッ
トプリント法も、電気泳動、オ−トラジオグラフィーの
煩雑な操作が必要である。
【0058】しかし、本発明の一分子蛍光分析技術を用
いた検出方法によって、従来法の問題点は解決され、本
発明の検出方法は、以下に記載の利点を有する。
【0059】(1)従来法に特有の煩雑さがなくなり、
迅速かつ簡便に核酸と核酸結合タンパク質との結合を検
出することが可能である。一般に、一分子蛍光分析の計
測時間は、数秒から数十秒で充分であり、その計測操作
は簡便である。また、計測コストも低く抑えることがで
きる。 (2)本発明の検出方法は、核酸結合タンパク質の核酸
への結合の有無を検出できるだけでなく、核酸結合タン
パク質の核酸への結合能(結合力の強さ)を検出するこ
ともできる。 (3)一分子蛍光分析技術を利用しているため、サンプ
ル溶液は数十マイクロリットルで充分であり、サンプル
溶液中の試料が低濃度であっても高感度に検出すること
ができる。また、サンプル溶液は精製されていない粗精
製溶液であっても本発明では使用可能である。 (4)サンプル溶液として粗精製溶液を使用し、該サン
プル溶液に含まれる核酸もしくは核酸結合タンパク質の
分子量が未知の場合であっても、結合反応の結果計測さ
れる並進拡散時間の増大値に基づいて、分子量を算定す
ることができる。
【0060】
【実施例】TATAボックス配列を持つ合成オリゴヌク
レオチドをTAMRAラベルし、転写因子TFIID、T
FIIBの複合体を形成する挙動を溶液中で解析すること
ができた。その結果を図4および表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】転写因子TFIIDの基本的な性質は参考文
献による(Ehrenberg, M., Rigler,R.,; Chem.Phys.,
4, 390-410, 1974)。転写因子TFIIBの基本的な性質
は参考文献による(Patterson,M.G., et.al; Science,
248, 1625-1630, 1990)。
【0063】TAMRAラベルしたTFIID結合部位を
有する25塩基対オリゴヌクレオチド(シグマジェノシ
ス(株))から2本鎖DNAとし、ヒト組み換え転写因子
TFIID、TFIIB(プロメガ(株))をそれぞれ添加し
た。2本鎖DNAを、表1および以下の説明において、
「TFIID結合部位25merオリゴヌクレオチド」と称
する。「TFIID結合部位25merオリゴヌクレオチ
ド」の溶液中の濃度は、5nMとし、転写因子TFII
D、TFIIBの溶液中の濃度は、それぞれ50nMとし
た。
【0064】「TFIID結合部位25merオリゴヌクレ
オチド」の配列を、以下に示す。 5’-GCA GAG CAT ATA AGG TGA G
GT AGG A- 3’ 3’-CGT CTC GTA TAT TCC ACT C
CA TCC T- 5’
【0065】「TFIID結合部位25merオリゴヌクレ
オチド」は、分子量17kDaであり、並進拡散時間は
178μ秒であった。これにTFIIDを添加すると並進
拡散時間は237μ秒となり、複合体の分子量55kD
aから予想される並進拡散時間が264μ秒となり、実
測値と予想値の格差は1割程度に収まることがわかっ
た。このことより、並進拡散時間から分子量の概算を立
てることができると判断できる。
【0066】さらに、転写因子TFIIBの添加により、
さらに大きく複合体が87kDaとなるが、これも同様
に1分子あたりの分子量の増加に伴って、元の合成オリ
ゴヌクレオチドを基準とした並進拡散時間が計算値に近
似した値で増加していくことがわかった。この際の実測
値と予想値の並進拡散時間の格差はわずか4%程度に収
まることがわかった。
【0067】さらに、溶液中に複合体が存在することを
抗TFIIBモノクローナル抗体または抗TFIIDモノク
ローナル抗体の添加によって確定することができた。抗
体は分子量140kDaであるが、抗体を含めた複合体
は227kDaであるが、同様に求めた並進拡散時間の
予想値と実測値の格差はわずか3%程度に収まることが
わかった。なお、ここで溶液中に添加する抗体は、抗T
FIIB抗体、抗TFIID抗体の何れを使用してもよい
し、両方を使用してもよい。
【0068】一方、TATAボックス配列を持たない合
成オリゴヌクレオチド(21mer)では、転写因子や抗
転写因子抗体を添加しても、蛍光シグナルをもつ複合体
を形成せず、並進拡散時間に顕著な増加はなかった(表
1)。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の検出方法
によれば、従来のゲルシフトアッセイ、in vitro転写ア
ッセイおよびフットプリント法といった手法の問題点を
すべて解決することが可能である。とりわけ、本発明の
方法は、核酸と核酸結合能を示すタンパク質の相互作用
をみる場合に、分子レベルでの相互作用をより迅速、高
感度かつ安価に計測することができる。また、解析によ
って求められる並進拡散時間から分子量を算定すること
ができる。
【0070】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> OLYMPUS OPTICAL CO., LTD. <120> A method of detecting a binding of a nucleic acid and a nucleic acid-binding protein by using one molecule-fluorescence analysis technique <130> A000201472 <160> 1 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Oligonucleotide having TFIID-binding site <400> 1 gcagagcata taaggtgagg tagga 25
【図面の簡単な説明】
【図1】 タンパク質の分子量と並進拡散時間の関係を
示す図。
【図2】 DNAサイズと並進拡散時間の関係を示す
図。
【図3】 本発明の検出方法に用いる蛍光相関分析装置
の一例を示す図。
【図4】 DNAとDNA結合タンパク質の相互作用検
出を示す図。
【符号の説明】
1…レーザ光源、2…光強度調節手段、3…光減衰率選
択装置、4…ダイクロイックミラー、5…対物レンズ、
6…ステージ、7…フィルタ、8…チューブレンズ、9
…反射鏡、10…ピンホール、11…レンズ、12…光
検出器、13…蛍光強度記録手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 G01N 33/53 M Fターム(参考) 2G043 AA01 BA16 CA04 DA02 EA01 FA01 FA02 GA07 GB21 HA01 HA02 HA09 JA03 KA09 LA01 2G054 AA06 AB04 CA22 CA23 EA03 GA04 4B063 QA08 QA20 QQ43 QR08 QR42 QR48 QX02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一分子蛍光分析により、核酸と核酸結合
    タンパク質との結合を検出する方法。
  2. 【請求項2】 一分子蛍光分析により、核酸と2種類の
    核酸結合タンパク質との結合を検出する方法であって、 核酸と第一の核酸結合タンパク質との結合を検出する工
    程と、 前記工程において核酸と第一の核酸結合タンパク質との
    結合が検出された場合、得られた核酸タンパク質複合体
    と第二の核酸結合タンパク質との結合を検出する工程と
    を具備することを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 一分子蛍光分析により、核酸とn種類
    (nは2以上の整数を表す)の核酸結合タンパク質との
    結合を検出する方法であって、 核酸と第一の核酸結合タンパク質との結合を検出する工
    程と、 前記工程において核酸と第一から第(X−1)まで(X
    −1)個の核酸結合タンパク質との結合が検出された場
    合、得られた核酸タンパク質複合体と第Xの核酸結合タ
    ンパク質との結合を検出する工程を、X=2からX=n
    まで順次(n−1)回繰り返す工程とを具備することを
    特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載の方法
    であって、 核酸と1種類以上の核酸結合タンパク質との結合を、核
    酸結合タンパク質の何れか一に対する抗体を用いて確認
    する工程を更に具備することを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項に記載の方法
    であって、 前記核酸が、タンパク質結合部位の配列を持つことを特
    徴とする方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか1項に記載の方法
    であって、 前記核酸結合タンパク質が、TATAボックス結合タン
    パク質であることを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れか1項に記載の方法
    であって、 前記核酸に、蛍光物質、発光物質、酵素発光物質、放射
    活性物質を結合させることにより、前記核酸結合タンパ
    ク質との結合を光シグナルで検出することを特徴とする
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の何れか1項に記載の方法
    であって、前記核酸結合タンパク質が、基本転写因子、
    転写促進因子、または転写阻害因子であることを特徴と
    する方法。
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