JP2003273681A - 圧電素子の周波数特性調整方法及び装置 - Google Patents

圧電素子の周波数特性調整方法及び装置

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JP2003273681A JP2002069156A JP2002069156A JP2003273681A JP 2003273681 A JP2003273681 A JP 2003273681A JP 2002069156 A JP2002069156 A JP 2002069156A JP 2002069156 A JP2002069156 A JP 2002069156A JP 2003273681 A JP2003273681 A JP 2003273681A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性表面波素子等の圧電素子の周波数を調整
する場合において、周波数特性の充分な精度や再現性を
確保することができると同時に、処理効率を高めること
のできる新規の方法及びこれに用いることのできる装置
を提供する。 【解決手段】 エッチング過程の当初は、比較的エッチ
ングレートが高くなる条件で粗調整ステップが実行され
る。粗調整ステップTs1においては、電源回路18か
ら放電電極12,14に供給される電力を大きくする。
このエッチング中において、検出装置17は圧電素子2
1の共振周波数を測定し、出力データを制御装置20に
送出する。特性周波数が所定値Fsに到達したとき、粗
調整ステップTs1が終了し、制御装置20は電源回路
18に切換制御信号を送出し、電源回路18から供給さ
れる電力を低下させ、上記の粗調整ステップよりも小さ
なエッチングレートでエッチングが行われる微調整ステ
ップTs2に移行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧電素子の周波数特
性調整方法及び装置に係り、特に、圧電素子をエッチン
グしながら周波数特性を調整する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、水晶などの圧電体を用いた圧電
素子は、クロック等の基準信号を生成するための回路や
発振回路、信号フィルタなどに用いられている。特に、
信号の高周波数化に伴い弾性表面波素子が用いられるよ
うになってきている。このような弾性表面波素子等の圧
電素子については、共振周波数等の周波数特性を高精度
化及び安定化させることが望まれている。しかし、圧電
素子の製造工程におけるばらつきにより個々の素子は周
波数特性にばらつきが生じるため、個々の圧電素子の周
波数特性を調整し高精度化および安定化させることが必
要である。
【0003】上記のように圧電素子の周波数特性を高精
度化又は安定化させる方法としては、従来、特開平7−
30355号、特開平9−55636号、特開平11−
308065号などに記載された方法が挙げられる。
【0004】特開平7−30355号には、圧電素子と
放電電極との間に局所的なプラズマを発生させ、圧電素
子の表面をエッチングすることにより、圧電素子の周波
数特性を調整する方法が記載されている。
【0005】また、特開平9−55636号には、弾性
表面波素子をエッチング位置に搬送し、ここで、弾性表
面波素子にプラズマを照射して、弾性表面波素子の周波
数特性を測定しながら、測定された周波数が所望の値に
なるまでエッチングして、その後、搬出する方法が記載
されている。
【0006】特開平11−308065号には、発振周
波数を監視しながら水晶振動子に大気圧下で反応ガスを
吹き付けてエッチングし、発振周波数が基準値になると
エッチングを停止する方法が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の
圧電素子の高周波数化に伴って、周波数特性の高精度化
及び安定化に対する要請はますます高まってきており、
上記のような方法で周波数の調整を行う場合、効率的に
調整処理を行おうとすれば、エッチングレートを高くす
る必要があるため、周波数特性の充分な精度や再現性を
得ることができず、また、周波数特性の充分な精度や再
現性を得るためには、エッチングレートの小さい条件で
処理を行う必要があるため、手間がかかることにより、
処理効率が低下するという問題点がある。
【0008】そこで本発明は上記問題点を解決するもの
であり、その課題は、弾性表面波素子等の圧電素子の周
波数を調整する場合において、周波数特性の充分な精度
や再現性を確保することができると同時に、処理効率を
高めることのできる新規の方法及びこれに用いることの
できる装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の圧電素子の周波数特性調整方法は、前記圧電
素子をエッチングして周波数特性を調整する圧電素子の
周波数調整方法であって、前記圧電素子を前記周波数特
性が所定状態になるまでエッチングを行う粗調整ステッ
プと、この後に前記圧電素子を前記粗調整ステップより
も低速にエッチングを行う微調整ステップとを連続して
行うことを特徴とする。
【0010】この発明によれば、高速でエッチングを行
う粗調整ステップの後に、低速でエッチングを行う微調
整ステップを連続して行うことにより、圧電素子の周波
数特性の精度及び再現性と、処理効率とを両立させるこ
とが可能になるとともに、周波数調整を迅速かつ容易に
行うことが可能になる。
【0011】また、本発明の別の圧電素子の周波数特性
調整方法は、前記圧電素子をエッチングして周波数特性
を調整する圧電素子の周波数調整方法であって、前記圧
電素子を前記周波数特性が所定状態になるまでエッチン
グを行う粗調整ステップと、この後に前記圧電素子を前
記粗調整ステップよりも低速にエッチングを行う微調整
ステップとを同一処理手段により順次行うことを特徴と
する。
【0012】この発明によれば、高速でエッチングを行
う粗調整ステップの後に、低速でエッチングを行う微調
整ステップを同一処理手段により順次行うことにより、
別の処理手段を用いて両ステップを行う必要がなくなる
ので、圧電素子の周波数特性の精度及び再現性と、処理
効率とを両立させることが可能になるとともに、周波数
調整を迅速かつ容易に行うことが可能になる。
【0013】本発明において、前記圧電素子の周波数特
性を測定しながら前記粗調整ステップ及び前記微調整ス
テップを行い、前記粗調整ステップでは、測定値が所定
値になったときに前記微調整ステップに移行し、前記微
調整ステップでは、測定値が目標値になったときにエッ
チングを停止することが好ましい。
【0014】この発明によれば、圧電素子の周波数特性
を測定しながら、粗調整ステップでは測定値が所定値に
なったときに微調整ステップに移行し、微調整ステップ
では測定値が目標値になったときにエッチングを停止す
るようにしているので、圧電素子の周波数特性の精度及
び再現性と、処理効率とを更に高次元で両立させること
が可能になる。
【0015】本発明において、前記圧電素子のエッチン
グは、放電電極により生じたプラズマを前記圧電素子に
接触させて行うことが好ましい。
【0016】この発明によれば、本発明においてプラズ
マにより圧電素子をエッチングすることによって、より
高精度に周波数特性を調整することが可能になる。
【0017】本発明において、前記プラズマを発生させ
るための放電電極と圧電素子との距離は、前記粗調整ス
テップにおいてエッチングレートが極大値近傍になり、
前記微調整ステップにおいてエッチングレートの極値を
避けた安定領域となるように選定されることが好まし
い。
【0018】この発明によれば、粗調整ステップにおけ
るエッチングレートを大きくすることができるととも
に、微調整ステップにおけるエッチングレートを小さく
して制御性を向上させることができ、しかもエッチング
レートそのものを安定させることが可能になるので、圧
電素子の周波数特性の精度及び再現性と、処理効率の向
上とを共により高めることが可能になる。
【0019】なお、上記各発明においては、粗調整ステ
ップと微調整ステップとを同一のエッチング装置を用い
てエッチング条件のみを変えることにより連続して行う
ことが望ましい。これにより、異なる装置で順次処理を
行ったり、エッチング手段を変えて処理を行ったりする
場合に較べて処理作業の煩雑さや処理時間を低減でき、
装置の大型化や設備コストの増大を抑制することが可能
になる。
【0020】次に、本発明の圧電素子の周波数特性調整
装置は、圧電素子をエッチングして周波数特性を調整す
る圧電素子の周波数特性調整装置であって、前記圧電素
子をエッチングするためのエッチング手段と、前記エッ
チング手段のエッチング強度を調整するエッチング調整
手段と、前記エッチング調整手段を制御することによ
り、前記圧電素子を前記周波数特性が所定状態になるま
でエッチングを行う粗調整ステップと、この後に前記圧
電素子を前記粗調整ステップよりも低速にエッチングを
行う微調整ステップとを順次行わせる制御手段とを有す
ることを特徴とする。
【0021】この発明によれば、高速でエッチングを行
う粗調整ステップの後に、低速でエッチングを行う微調
整ステップを行うようにしていることにより、圧電素子
の周波数特性の精度及び再現性と、処理効率とを両立さ
せることが可能になる。特に、制御手段でエッチング調
整手段を制御することによって、上記粗調整ステップと
微調整ステップとを順次実施するようにしているため、
粗調整ステップと微調整ステップとを別々の装置で行っ
たり、別々のエッチング手段で行ったりする必要がなく
なるので、煩雑な作業が不要になるとともに、装置の小
型化や設備コストの低減を図ることができる。
【0022】本発明において、前記圧電素子の周波数特
性を測定する周波数測定手段を有し、前記制御手段は、
前記粗調整ステップでは測定値が所定値になったときに
前記微調整ステップに移行し、前記微調整ステップでは
測定値が目標値になったときにエッチングが停止される
ように制御することが好ましい。
【0023】この発明によれば、圧電素子の周波数特性
を測定しながら、粗調整ステップでは測定値が所定値に
なったときに微調整ステップに移行し、微調整ステップ
では測定値が目標値になったときにエッチングを停止す
るようにしているので、圧電素子の周波数特性の精度及
び再現性と、処理効率とを更に高次元で両立させること
が可能になる。
【0024】本発明において、前記エッチング手段は、
プラズマを発生させるための放電電極を有し、前記プラ
ズマにより前記圧電素子のエッチングを行うことが好ま
しい。
【0025】本発明において、前記エッチング手段は、
プラズマを発生させるための放電電極を有し、前記放電
電極がアルミニウムを主成分とする金属で構成されてい
ることが好ましい。
【0026】本発明において、前記プラズマを発生させ
るための放電電極と圧電素子との距離は、前記粗調整ス
テップにおいてエッチングレートが極大値近傍になり、
前記微調整ステップにおいてエッチングレートの極値を
避けた安定領域となるように選定されることが好まし
い。
【0027】この発明によれば、粗調整ステップにおけ
るエッチングレートを大きくすることができるととも
に、微調整ステップにおけるエッチングレートを小さく
して制御性を向上させることができ、しかもエッチング
レートそのものを安定させることが可能になるので、圧
電素子の周波数特性の精度及び再現性と、処理効率の向
上とを共に高めることが可能になる。
【0028】次に、本発明の圧電素子は、上記いずれか
の周波数調整方法によって周波数調整が行われたもので
ある。
【0029】また、本発明の弾性表面波素子は、上記い
ずれかの周波数調整方法によって周波数調整が行われた
ものである。
【0030】さらに、本発明の圧電素子は、上記いずれ
かの周波数調整装置によって周波数調整が行われたもの
である。
【0031】また、本発明の弾性表面波素子は、上記い
ずれかの周波数調整装置によって周波数調整が行われた
ものである。
【0032】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して本発明
に係る圧電素子の周波数特性調整方法及び装置の実施形
態について詳細に説明する。
【0033】図1は、本発明に係る圧電素子の周波数特
性調整装置の全体構成を示す概略構成図である。この装
置10は、チャンバー11と、放電電極12と、この放
電電極12に対向配置された放電電極14とを有する。
放電電極12と放電電極14との間には、電源回路18
から供給される交流電力がマッチングボックス19を介
して供給される。絶縁材13は放電電極12と14の間
を絶縁するものである。また、放電電極14は、チャン
バー11を介して回路に接続されている。放電電極14
には開口部14aが設けられている。
【0034】放電電極12,14は、アルミニウムで構
成されていることが好ましい。アルミニウムは後述する
フッ化ガス等でエッチングされにくいとともに、エッチ
ング後の圧電素子に周波数シフトなどの特性不良が生ず
ることを防止することができる。例えば、ステンレス材
を用いた場合にはスパッタリングによりNiやCr等が
圧電素子に付着し、処理後に生ずる周波数シフトの原因
になる。
【0035】放電電極14の開口部14aには、チャン
バー11内に配置された支持部材15が対向配置されて
いる。支持部材15上には弾性表面波素子等の圧電素子
21が配置され、この圧電素子21に導電接触するプロ
ーブ15a,15bが設けられ、これらのプローブ15
a,15bは、ネットワークアナライザ等で構成される
検出装置17に接続されている。例えば、圧電素子21
に一対の電極(例えばアルミニウム電極)が形成されて
いる場合には、上記プローブ15a,15bを一対の電
極に接触させた状態とする。これによって、検出装置1
7により圧電素子21の周波数特性を測定することが可
能になる。
【0036】また、支持部材15をチャンバー11内に
おいて移動させることのできる駆動機構15cが設けら
れている。この駆動機構15cにより、放電電極14
と、上記支持部材15上に配置された圧電素子との間隔
を調整することができるようになっている。
【0037】さらに、圧電素子21の放電電極12,1
4側には、必要に応じてマスク15dが配置される。こ
のマスク15dは圧電素子21を押えるワーク押えを兼
ねていてもよい。
【0038】上記の検出装置17は、制御装置20に接
続されている。本実施形態の場合、検出装置17は、支
持部材15上に配置された圧電素子21の周波数特性を
測定し、この周波数特性の特性周波数(例えば、共振周
波数など)に対応する検出データを出力するように構成
されている。なお、周波数特性としては、上記の特性周
波数に限らず、周波数特性に依存する種々のパラメー
タ、例えば、周波数ピークの半値幅、分散値、積分値、
温度係数などであっても構わない。
【0039】制御装置20は、上記検出装置17からの
検出データを受け、この検出データと、内部にて設定さ
れた設定値との関係に応じて電源回路18を制御するよ
うに構成されている。より具体的に述べると、上記検出
データによって表される特性周波数が所定値Fsになっ
た場合には切換制御信号を出力し、上記の電源回路18
を制御してチャンバー11内の放電電極12と14との
間の放電状態を切り換える切換制御信号を出力する。ま
た、上記の特性周波数が目標値Fxになった場合には停
止制御信号を出力し、上記の電源回路18を制御してチ
ャンバー11内の放電電極12と14との間の放電を停
止させる。
【0040】上記の放電電極12と14との間にはシャ
ッタ装置16が配置されている。このシャッタ装置16
は、可動に構成されたシャッタ板16aを有し、このシ
ャッタ板16aを放電電極12と14との間に繰り出さ
せることによって放電を停止させ、プラズマを消滅させ
ることができるように構成されている。
【0041】また、上記チャンバー11には、ガス供給
装置22から圧電素子21に対して反応性を有する反応
ガス、例えば、CF,C,HF,F,COF
などのハロゲンを含む(ハロゲン化合物で構成され
る)各種ガスなどを必要に応じて他の酸素や不活性ガス
などと混合して供給する。また、チャンバー11には排
気装置23が接続され、処理中においてはチャンバー1
1内が所定の圧力に保たれる。
【0042】図2は、上記の装置10を用いて圧電素子
21をエッチングする過程を示すグラフである。ここ
で、縦軸は圧電素子21の共振周波数(発振周波数)を
示し、横軸は時間を示す。まず、チャンバー11内の上
記支持部材15上に圧電素子21を配置し、チャンバー
11内の圧力を排気装置23により所定圧力に保持しな
がら、ガス供給装置22から上記の反応ガスを導入す
る。なお、チャンバー11内の圧力としては、例えば、
0.1〜400[Pa]、好ましくは1〜100[P
a]とする。この圧力は反応ガスの種類や組成、圧電素
子21の種類などに応じて設定する。そして、上記放電
電極12と14との間に高周波電圧を供給し、シャッタ
板16aを開いて放電させ、プラズマを発生させる。プ
ラズマは放電電極14の開口部14aから圧電素子21
に照射され、エッチングが開始される。放電周波数も適
宜であるが、例えば13.56MHzである。
【0043】上記エッチング過程の当初は、比較的エッ
チングレートが高くなる条件で粗調整ステップが実行さ
れる。粗調整ステップTs1においては、電源回路18
から放電電極12,14に供給される電力を大きく、例
えば200Wとする。この粗調整ステップにおけるエッ
チングレートは、例えば300〜400[ppm/se
c]である。
【0044】上記エッチング中において、検出装置17
は、例えば0.05[sec]毎にサンプリングを行
い、圧電素子21の特性周波数、例えば共振周波数を測
定し、出力データを制御装置20に送出する。この検出
装置17はネットワークアナライザ等で構成できる。そ
して、この特性周波数が所定値Fsに到達したとき、粗
調整ステップTs1が終了し、制御装置20は、電源回
路18に切換制御信号を送出し、電源回路18から供給
される電力を低下させる。例えば、電源回路18から供
給される電力を上記の200Wから80Wに切り換え
る。そして、上記の粗調整ステップよりも小さなエッチ
ングレートでエッチングが行われる微調整ステップTs
2に移行する。ただし、一般に、粗調整ステップTs1
から微調整ステップTs2への移行に際しては、パワー
の切り換えに必要な切換時間Tdが存在するので、粗調
整ステップTs1の本来の高いエッチングレートでエッ
チングが行われる期間Tx1は、粗調整ステップTs1
よりも切換時間Tdだけ遅れた時点まで継続し、その
後、微調整ステップTs2の本来の低いエッチングレー
トでエッチングが行われるのは、切換時間Tdだけ遅れ
た期間Tx2となる。
【0045】なお、この粗調整ステップTs1から微調
整ステップTs2への移行に際して、シャッタ板16a
を一時的に繰り出させ、放電電極12と14との間のプ
ラズマを消失させた状態で電力の切り換えを行い、この
切り換えが完了してからシャッタ板16aを開くように
してもよい。これによって、粗調整ステップTs1の終
了と共に一時的にエッチングが停止され、その後、低い
エッチングレートで微調整ステップTs2が開始され
る。この場合には、切換期間におけるプラズマの不安定
性に起因する不具合の発生を防止することができる。
【0046】微調整ステップにおけるエッチングレート
は、粗調整ステップ時よりも大きく低下し、例えば80
〜100[ppm/sec]となる。そして、特性周波
数が目標値Fxに到達したときに、シャッタ板16aを
繰り出させ、エッチングを停止させる。このエッチング
の停止は、電力供給の遮断の他、例えば、シャッタ板1
6aを繰り出させて放電電極12,14間を遮断するこ
となどにより行うことができる。
【0047】本実施形態では、上記のように、エッチン
グレートの高い粗調整ステップを実施した後に、エッチ
ングレートの低い微調整ステップを実施することによ
り、処理効率を低下させずに、圧電素子の特性周波数の
高精度化及び安定化を図ることが可能になっている。ま
た、一つのエッチング手段、すなわち、放電電極12,
14によるプラズマ発生手段のみで圧電素子の周波数特
性の粗調整と微調整とを連続して行うことができる(す
なわち、粗調整ステップと微調整ステップとを同一の処
理手段により順次行うことができる)ので、圧電素子を
別の装置に移し替えたり、装置内の別の放電電極の近傍
に圧電素子を移動させたりするなどの煩雑な作業が不要
になり、また、放電電極の組を複数設けることなどによ
る装置10の大型化や複数の装置(例えば粗調整用装置
と微調整用装置)が必要になることなどによる設備コス
トの増大を回避することができる。
【0048】本実施形態では、放電電極14と圧電素子
21との間隔G(図1参照)を駆動機構15cによって
調整することができるように構成されている。間隔G
は、圧電素子12へのプラズマの作用を決定する重要な
パラメータである。供給される電力が異なることから、
上記粗調整ステップと微調整ステップとではプラズマの
発生状態が相互に異なるので、エッチングレートの間隔
Gによる依存性もまた、粗調整ステップと微調整ステッ
プとで相互に異なる。
【0049】この場合、粗調整ステップにおいてはエッ
チング効率が最も重要であるので、間隔Gをエッチング
レートの極大値が得られる間隔に設定することによっ
て、効率的にエッチング処理を行うことができる。これ
に対して、微調整ステップではエッチングの制御性が最
も重要であることから、間隔Gをエッチングレートの極
大値が得られる間隔からシフトさせ、エッチングレート
は低いけれども、エッチングレートの変化(エッチング
レートの間隔Gに対する依存性を示すグラフの傾斜角)
が少なく、より安定したエッチングが行われる値に設定
することが好ましい。
【0050】ところで、上述のように、粗調整ステップ
と微調整ステップとでは相互にプラズマの発生状態が異
なるので、上記のエッチングレートの間隔Gに対する依
存性もまた相互に異なるものとなる。したがって、粗調
整ステップにおけるエッチングレートの極大値が得られ
る間隔と、微調整ステップにおけるエッチングレートの
極大値が得られる間隔とは、通常、相互に異なるものと
なる。
【0051】本実施形態では、上記の状況を鑑みて、上
記の間隔Gを、粗調整ステップにおいてはエッチングレ
ートの極大値が得られる間隔であり、微調整ステップに
おいてはエッチングレートの極大値から外れた、よりエ
ッチングレートの安定した間隔であるように設定するよ
うにしている。これにより、粗調整ステップではより大
きなエッチングレートが得られるので処理効率をさらに
高めることができる一方、微調整ステップではエッチン
グレートがより小さくなってエッチング量の制御性を高
めることができるとともに、プラズマ状態の不安定性等
に起因するエッチングレートの変動を抑制することがで
きる。
【0052】上記の間隔Gを設定する場合には、例え
ば、粗調整ステップのエッチング条件で予め測定したエ
ッチングレートと間隔Gとの間の依存性と、微調整ステ
ップのエッチング条件で予め測定したエッチングレート
と間隔Gとの間の依存性とを共に実験により測定してお
き、上記のような関係、すなわち、粗調整ステップにお
いてはエッチングレートの極大値が得られる間隔である
ことと、微調整ステップにおいてはエッチングレートの
極大値から外れた、よりエッチングレートの安定した領
域にあることの双方を満たす値を求め、この値に間隔G
を上記駆動機構15c等を用いて合せるように調整すれ
ばよい。本実施形態では、上記間隔Gを2〜6mmの範
囲内に設定している。
【0053】本発明においては、圧電素子に対するエッ
チングによる周波数特性の調整に際して、粗調整ステッ
プと微調整ステップとを連続して行うことが可能になる
ため、或いは、粗調整ステップと微調整ステップとを同
一の処理手段により順次行うことが可能になるため、迅
速に調整を行うことができるとともに、別の処理装置や
別の処理電極にて処理を行う段取りが不要となり、装置
構成を複雑化することなく、また、圧電素子の搬送作業
なども不要とすることができる。
【0054】尚、本発明の圧電素子の周波数調整方法及
び装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更
を加え得ることは勿論である。例えば、反応ガスの種
類、圧力、電力、間隔Gなどは、圧電素子の種類(水
晶、BaTiO、ZnOなど)によって適宜に選定す
ることができる。
【0055】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
圧電素子の周波数特性の高精度化及び安定化と、調整作
業の処理効率の向上とを両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る圧電素子の周波数特性の調整方
法に用いる装置の実施形態の構成を示す概略構成図であ
る。
【図2】 圧電素子の周波数特性の調整工程における周
波数の時間変化を示すグラフである。
【符号の説明】 10・・・調整装置、11・・・チャンバー、12・・
・放電電極、13・・・絶縁材、14・・・放電電極、
15・・・支持部材、16・・・シャッタ装置、17・
・・検出装置、18・・・電源回路、19・・・マッチ
ングボックス、20・・・制御装置、21・・・圧電素
子、22・・・ガス供給装置、23・・・排気装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 41/22 H01L 41/18 101B H03H 3/10 41/08 C Fターム(参考) 5J097 AA13 AA31 AA36 AA37 HA09 HA10 HB08 HB09 5J108 AA02 KK05 MM11 NB01 NB06

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状の圧電性を有する物質の少なくとも
    1面に所望の周波数特性を与える電極パターンを形成し
    た圧電素子をエッチングして周波数特性調整する圧電素
    子の周波数調整方法であって、 前記圧電素子を前記周波数特性が所定状態になるまでエ
    ッチングを行う粗調整ステップと、この後に前記圧電素
    子を前記粗調整ステップよりも低速にエッチングを行う
    微調整ステップとを連続して行うことを特徴とする圧電
    素子の周波数特性調整方法。
  2. 【請求項2】 板状の圧電性を有する物質の少なくとも
    1面に所望の周波数特性を与える電極パターンを形成し
    た圧電素子をエッチングして周波数特性調整する圧電素
    子の周波数調整方法であって、 前記圧電素子を前記周波数特性が所定状態になるまでエ
    ッチングを行う粗調整ステップと、この後に前記圧電素
    子を前記粗調整ステップよりも低速にエッチングを行う
    微調整ステップとを同一処理手段により順次行うことを
    特徴とする圧電素子の周波数特性調整方法。
  3. 【請求項3】 前記圧電素子の周波数特性を測定しなが
    ら前記粗調整ステップ及び前記微調整ステップを行い、
    前記粗調整ステップでは、測定値が所定値になったとき
    に前記微調整ステップに移行し、前記微調整ステップで
    は、測定値が目標値になったときにエッチングを停止す
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧電
    素子の周波数特性調整方法。
  4. 【請求項4】 前記圧電素子のエッチングは、放電電極
    により生じたプラズマを前記圧電素子に接触させて行う
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項
    に記載の圧電素子の周波数特性調整方法。
  5. 【請求項5】 前記プラズマを発生させるための放電電
    極と圧電素子との距離は、前記粗調整ステップにおいて
    エッチングレートが極大値近傍になり、前記微調整ステ
    ップにおいてエッチングレートの極値を避けた安定領域
    となるように選定されることを特徴とする請求項4に記
    載の圧電素子の周波数特性調整方法。
  6. 【請求項6】 圧電素子をエッチングして周波数を調整
    する圧電素子の周波数特性調整装置であって、 前記圧電素子をエッチングするためのエッチング手段
    と、前記エッチング手段のエッチング強度を調整するエ
    ッチング調整手段と、前記エッチング調整手段を制御す
    ることにより、前記圧電素子を前記周波数特性が所定状
    態になるまでエッチングを行う粗調整ステップと、この
    後に前記圧電素子を前記粗調整ステップよりも低速にエ
    ッチングを行う微調整ステップとを順次行わせる制御手
    段とを有することを特徴とする圧電素子の周波数特性調
    整装置。
  7. 【請求項7】 前記圧電素子の周波数特性を測定する周
    波数測定手段を有し、前記制御手段は、前記粗調整ステ
    ップでは測定値が所定値になったときに前記微調整ステ
    ップに移行し、前記微調整ステップでは測定値が目標値
    になったときにエッチングが停止されるように制御する
    ことを特徴とする請求項6に記載の圧電素子の周波数特
    性調整装置。
  8. 【請求項8】 前記エッチング手段は、プラズマを発生
    させるための放電電極を有し、前記プラズマにより前記
    圧電素子のエッチングを行うことを特徴とする請求項6
    又は請求項7に記載の圧電素子の周波数特性調整装置。
  9. 【請求項9】 前記エッチング手段は、プラズマを発生
    させるための放電電極を有し、前記放電電極がアルミニ
    ウムを主成分とする金属で構成されていることを特徴と
    する請求項6又は請求項7に記載の圧電素子の周波数特
    性調整装置。
  10. 【請求項10】 前記プラズマを発生させるための放電
    電極と圧電素子との距離は、前記粗調整ステップにおい
    てエッチングレートが極大値近傍になり、前記微調整ス
    テップにおいてエッチングレートの極値を避けた安定領
    域となるように選定されることを特徴とする請求項8又
    は請求項9に記載の圧電素子の周波数特性調整装置。
  11. 【請求項11】 前記請求項1から請求項5記載のいず
    れかの周波数調整方法によって周波数調整が行われた圧
    電素子。
  12. 【請求項12】 前記請求項1から請求項5記載のいず
    れかの周波数調整方法によって周波数調整が行われた弾
    性表面波素子。
  13. 【請求項13】 前記請求項6から請求項10記載のい
    ずれかの周波数調整装置によって周波数調整が行われた
    圧電素子。
  14. 【請求項14】 前記請求項6から請求項10記載のい
    ずれかの周波数調整装置によって周波数調整が行われた
    弾性表面波素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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