JP2003272697A - 液体燃料直接供給形燃料電池 - Google Patents

液体燃料直接供給形燃料電池

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JP2003272697A JP2002071510A JP2002071510A JP2003272697A JP 2003272697 A JP2003272697 A JP 2003272697A JP 2002071510 A JP2002071510 A JP 2002071510A JP 2002071510 A JP2002071510 A JP 2002071510A JP 2003272697 A JP2003272697 A JP 2003272697A
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Ryoichi Okuyama
良一 奥山
Eiichi Nomura
栄一 野村
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Yuasa Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンパクト化が可能な液体燃料直接供給形燃
料電池を得る。 【解決手段】 プロトン導電性の高分子電解質よりなる
電解質を介して一対の負極と正極とを配した単位セル1
01、102を有し、この単位セル101、102の負
極に液体燃料を供給し、正極に酸化剤ガスを供給して起
電力を得る液体燃料直接供給形燃料電池において、酸化
剤ガスとしての空気が大気より自然拡散または自然対流
によって導入するための貫通口1010、1020、1
60、170を、少なくとも一つ有してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、負極に有機溶媒と
水を液体のまま直接供給して発電を行うことができる液
体燃料直接供給形燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題や資源問題への対策が重
要になってきており、その対策の一つとして燃料電池の
開発が活発になってきており、特に、燃料として、メタ
ノールを用い、これを改質、ガス化することなく直接発
電に利用することができる直接メタノール形燃料電池に
代表される液体燃料直接供給形燃料電池は、構造がシン
プルであり、小型化、軽量化が容易であることから、携
帯電話用電源、コンピューター用電源等の小型のコンシ
ューマ用電源として有望である。
【0003】このような液体燃料直接供給形燃料電池
は、プロトン導電性の高分子電解質よりなる電解質の両
側に一対の負極と正極とを接合した単位セルが、液体燃
料を負極に供給し酸化剤ガスを正極に供給する構成を介
して複数個積層されて構成されており、直接メタノール
形燃料電池では、負極に、液体燃料としての濃度が3%
程度のメタノール水溶液を供給し、正極に酸化剤ガスと
しての空気中の酸素を供給するようにしたものである。
このような直接メタノール形燃料電池は、負極側の電池
反応によって二酸化炭素が生成し、正極側の電池反応に
よって水が生成して、外部に起電力が得られる。
【0004】また、上記した直接メタノール形燃料電池
以外にも、液体燃料として、エタノール、イソプロピル
アルコール、ブタノール、ジメチルエーテル、エチレン
グリコール等の各種有機溶媒を用いたものが検討されて
いる。
【0005】上記した直接メタノール形燃料電池に代表
される液体燃料直接供給形燃料電池は、正極中に空気中
の酸素を供給するのに、液体燃料を負極に供給し酸化剤
ガスを正極に供給する構成の正極側に溝を設け、この溝
の両端を大気に対して開放し、大気の自然拡散または自
然対流によって空気を取り入れる形式のものと、ポンプ
によって空気を取り入れる形式のものとがある。
【0006】前者の形式は、後者の形式と比較して、出
力が得にくいといった短所がある反面、ポンプを駆動す
るための電力が不要であって、ポンプを駆動する音がし
ないいという長所があることから、発電効率を高くする
ことができる、システムをシンプルでコンパクトにする
ことができる、静かな発電機にできる、といった特徴を
有しており、携帯電話用電源、コンピューター用電源と
いった小型のコンシューマ用に最適な燃料電池であると
して、多方面で検討されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した正
極側に設けた溝の両端を大気に対して開放したものは、
正極側の溝の幅が2mm程度のものでは溝の深さを約
2.5mm以上にしなければ、大気の自然拡散または自
然対流によって正極側に空気中の酸素を円滑に供給でき
なかった。このため、前述した液体燃料を負極に供給し
酸化剤ガスを正極に供給する構成の正極側の厚さを2.
5mm以下にすることができず、燃料電池のコンパクト
化が妨げられるという問題があった。
【0008】また、このような構造の燃料電池では、溝
の開口が側面にあるため、前記構成の面積を大きくする
と、溝の開口から中央部までの距離が大きくなり、大気
の自然拡散または自然対流によって中央部まで空気が十
分に供給されず、中央部での電池反応の効率が低下する
という問題があった。
【0009】つまり、小型のコンシューマ用電源とし
て、上記した燃料電池を使用する場合には、ポンプによ
って、空気を、前記構成の正極側の溝に送り込まないた
め、上記した問題によってコンパクト化が妨げられるだ
けでなく、電池特性も影響を受けることになり、この問
題を解決することが不可欠であった。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、プロトン導電性の高分子電
解質よりなる電解質を介して一対の負極と正極とを配し
た単位セルを有し、前記単位セルの負極に液体燃料を供
給し、正極に酸化剤ガスを供給して起電力を得る液体燃
料直接供給形燃料電池において、前記単位セルに、酸化
剤ガスを正極に供給する構成が設けられるとともに、少
なくとも前記酸化剤ガスを正極に供給する構成を貫通
し、酸化剤ガスとしての空気を、大気より自然拡散また
は自然対流によって単位セルに導入するための貫通口
を、一つ以上有したことを特徴とするものである。
【0011】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の液体燃料直接供給形燃料電池において、貫通口より
導入された空気は酸化剤ガス流通溝を通って正極に供給
されるようにしたことを特徴とするものである。
【0012】また、請求項3記載の発明は、請求項1記
載の液体燃料直接供給形燃料電池において、貫通口より
導入された空気は酸化剤ガス流通溝を通って正極に供給
されるようにするとともに、酸化剤ガス流通溝は、両端
が大気に対して開放されており、空気が大気より自然拡
散または自然対流によって導入されるようにしたことを
特徴とするものである。
【0013】また、請求項4記載の発明は、請求項1〜
3のいずれか一項記載の液体燃料直接供給形燃料電池に
おいて、液体燃料を流通させるためのマニホールドがさ
らに設けられ、このマニホールドを通って導入された液
体燃料は液体燃料流通溝を通って負極に供給されるよう
にし、かつ前記液体燃料流通溝は一部に壁部が形成さ
れ、この壁部によって液体燃料流通溝と貫通口とが隔離
されていることを特徴とするものである。
【0014】請求項1〜4記載の発明によれば、また、
貫通口を通って空気が大気より自然拡散または自然対流
によって正極側に供給されるので、液体燃料を負極に供
給し酸化剤ガスを正極に供給する構成の正極側の溝の深
さを2.5mm以下にしても、正極側に空気が十分に供
給でき、電池特性が低下しないので、液体燃料直接供給
形燃料電池のコンパクト化が可能になる。
【0015】また、上記した請求項1〜4記載の発明に
よれば、電池の有効面積を低下させず、強度を低下させ
ない範囲で、正極の中央部にも酸化剤ガスを導入するこ
とが可能となるため、中央部での反応が十分に進行しな
いといった問題を解消することが可能である。なお、負
極に液体燃料を供給し正極に酸化剤ガスを供給する構成
の面積に対し、貫通口の面積を、その3分の1以上にす
ると、電池の有効面積の低下や強度の低下といったコン
パクト化の代償が大きくなるため、電池の有効面積を低
下させず、強度を低下させない範囲は3分の1以下にす
るのがよい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、その実施の形態
に基づいて説明する。
【0017】図1は、本発明の実施の形態に係る液体燃
料直接供給形燃料電池の構成を示した図である。
【0018】図1に示したように、本発明の液体燃料直
接供給形燃料電池の特徴は、プロトン導電性の高分子電
解質よりなる電解質111を介して一対の正極121
(図示されていない)と負極131とを配した単位セル
101と、電解質112を介して一対の正極122(図
示されていない)と負極132とを配した単位セル10
2とが、正極側に正極側パッキング14を配し、負極側
に負極側パッキング15を配した、液体燃料を負極に供
給し酸化剤ガスを正極に供給する構成16を介して積層
され、前記単位セル101の正極121側(最外部)に
酸化剤ガスを正極に供給する構成17を設けて構成した
もので、前記単位セル101、102、前記液体燃料を
負極に供給し酸化剤ガスを正極に供給する構成16およ
び前記酸化剤ガスを正極に供給する構成17に、酸化剤
ガスを正極121、122に供給するための貫通口10
10、1020、160、170を設けたことである。
なお、前記液体燃料を負極に供給し酸化剤ガスを正極に
供給する構成16および前記酸化剤ガスを正極に供給す
る構成17としては、カーボンや金属などの導電性の材
料からなるものがよい。
【0019】前述した貫通口170はトンネル170a
によって前記構成17の酸化剤ガス流通溝171と連通
しており、貫通口170より導入された酸化剤ガスはト
ンネル170aと酸化剤ガス流通溝171を通って単位
セル101の正極121に供給されるとともに、両端1
71a、171bが大気に対して開放されている前記酸
化剤ガス流通溝171の一端(たとえば上端171a)
からも単位セル101の正極121の表面に空気が供給
されて電池反応に寄与し、反応生成物は前記溝171の
他端(たとえば下端171b)から排出される。さら
に、前記貫通口170より導入された空気は、単位セル
101の貫通口1010、液体燃料を負極に供給し酸化
剤ガスを正極に供給する構成16の貫通口160、トン
ネル160a、酸化剤ガス流通溝161を通って単位セ
ル102の正極122の表面に供給されるとともに、両
端161a、161bが大気に対して開放されている前
記酸化剤ガス流通溝161の一端(たとえば上端161
a)からも単位セル102の正極122の表面に空気が
供給されて電池反応に寄与し、反応生成物は前記溝16
1の他端(たとえば下端161b)から排出される。な
お、前述した空気は大気の自然拡散または自然対流によ
って供給されるため、溝161の下端161bや溝17
1の下端171bから供給されたり、溝161の上端1
61aから供給される空気が貫通口160、1010を
通って単位セル101の正極121の表面に供給された
り、といった多様な供給経路がある。同様に、反応生成
物は溝161の上端161aや溝171の上端171a
から排出されたり、貫通口170から排出されたり、と
いった多様な排出経路がある。
【0020】前述した実施の形態は、単位セル101、
102が、液体燃料を負極に供給し酸化剤ガスを正極に
供給する構成16を介して積層した例で説明したが、前
記構成16は、液体燃料を負極に供給する構成(負極側
セパレータ)と、酸化剤ガスを正極に供給する構成(正
極側セパレータ)とに分けたものにしてもよい。
【0021】一方、前述した、液体燃料を負極に供給し
酸化剤ガスを正極に供給する構成16にはマニホールド
16a、16bが設けられ、酸化剤ガスを正極に供給す
る構成17にはマニホールド17a、17bが設けられ
ており、マニホールド17aから液体燃料を供給する
と、液体燃料は正極側パッキング14に設けられたマニ
ホールド14a、単位セル101に設けられたマニホー
ルド101a、負極側パッキング15に設けられたマニ
ホールド15aを介して前記マニホールド16aから、
前記構成16の負極側に設けられた液体燃料流通溝(図
示されていない)を通って負極131に供給されて負極
側の電池反応に寄与し、反応生成物は前記構成16のマ
ニホールド16bから、負極側パッキング15に設けら
れたマニホールド15b、単位セル101に設けられた
マニホールド101b、正極側パッキング14に設けら
れたマニホールド14b、前記マニホールド17bを介
して外部に排出される。さらに、前記マニホールド17
aから供給された液体燃料は、マニホールド16aを通
過して単位セル102の負極側の電池反応に寄与し、そ
の反応生成物も同様にマニホールド17bを介して外部
に排出される。このように負極に液体燃料を供給する方
法は一例であり、他の方法であってもよい。
【0022】本発明では、上記した如く、単位セル10
1、102、液体燃料を負極に供給し酸化剤ガスを正極
に供給する構成16および酸化剤ガスを正極に供給する
構成17に、貫通口1010、1020、160、17
0を設けているが、この貫通口1010、1020、1
60、170によって負極に供給される液体燃料と正極
に供給される酸化剤ガスとは隔離しておかなければなら
ない。そのため、図2に示した、図1の液体燃料直接供
給形燃料電池A−A部断面図から明かなように、前記構
成17の貫通口170と、前記単位セル101の貫通口
1010(貫通口170に対応した位置に設けられた正
極121の貫通口、電解質111の貫通口および負極1
31の貫通口からなる)、前記構成16の貫通口160
および単位セル102の貫通口1020(貫通口160
に対応した位置に設けられた正極122の貫通口、電解
質112の貫通口および負極132の貫通口からなる)
とは互いに対応する位置に設けられており、前記負極1
31の貫通口は内壁にリーク防止用Oリング131aを
嵌着し、構成16側をその貫通口160の周縁に設けた
壁部160bに当接させ、電解質111側をその外周部
111aに当接させて、貫通口170から供給される酸
化剤ガスが負極131にリークしないようにしている。
また、前記外周部111aの正極121側をその貫通口
に嵌着したOリング121aに当接させて、貫通口17
0から供給される酸化剤ガスが円滑に単位セル101、
102に供給されるようにしている。なお、図2におい
て、160a、170aは図1のものとは別の位置にあ
るトンネルを示している。
【0023】図1、図2に示した実施の形態では、前記
酸化剤ガス流通溝161、171を縦方向のみに設け、
貫通口160、170と酸化剤ガス流通溝161、17
1とをトンネル160a、170aによって連通させて
いるが、トンネル160a、170aに代えて凹部によ
って連通させてもよい。また、図3に示したように、酸
化剤ガス流通溝161、171を横方向にも設けると、
貫通口160、170と酸化剤ガス流通溝161、17
1とを連通させる経路を多くすることができるととも
に、横方向の端部からも空気を自然拡散または自然対流
によって正極121、122に空気を供給することがで
きるので、正極121、122における電池反応を均一
にできる。
【0024】また、図1、図2に示した実施の形態で
は、単位セル101、102、液体燃料を負極に供給し
酸化剤ガスを正極に供給する構成16および酸化剤ガス
を正極に供給する構成17に、円形の貫通口1010、
1020、160、170を一つずつ設けているが、こ
の貫通口1010、1020、160、170はそれぞ
れに複数個設けたり、円形以外の形状にしてもよい。す
なわち、図4に前記構成16の負極側の形状を示し、図
5に前記構成16の正極側の形状を示したように、貫通
口160を4個設けたもの、図6に前記構成16の負極
側の形状を示し、図7に前記構成16の正極側の形状を
示したように、貫通口160を長円形にしたものがあ
る。このようにすると、酸化剤ガスを、より有効に正極
側に導入することができる。なお、図4、図6におい
て、160bは図2の壁部であり、図5、図7におい
て、160aは図2のトンネルである。
【0025】また、図1、図2に示した実施の形態で
は、単位セル101、102、液体燃料を負極に供給し
酸化剤ガスを正極に供給する構成16および酸化剤ガス
を正極に供給する構成17に、貫通口1010、102
0、160、170を設けているが、単位セル101、
102の有効面積を減少させないようにするならば、酸
化剤ガスを正極に供給する構成17のみに貫通口170
を設けるようにしてもよい。
【0026】
【実施例】(実施例)次に、実際に燃料電池を作製し、
本発明の有効性を検証した。従来の燃料電池としては、
電解質の両面に正極と負極を構成したMEA(電解質/
電極接合体)に貫通口を設けないものとし、その正極側
に正極側セパレータとして、溝の深さが1mm、溝の幅
が2mm、厚さが2mm、有効面積が25cm2のもの
を、その負極側に負極側セパレータとして、溝の深さが
1mm、溝の幅が2mm、厚さが2mm、有効面積が2
5cm2のものを配して挟み込んだものとした。また、
本発明の燃料電池としては、同じMEAを用い、その正
極側に図5に示した正極側セパレータ(溝の深さが1m
m、溝の幅が2mm、厚さが2mm、4個の貫通口の口
径が10mm、有効面積が20cm2)を、その負極側
に図4に示した負極側セパレータ(溝の深さが1mm、
溝の幅が2mm、厚さが2mm、4個の貫通口の口径が
10mm、有効面積が20cm2)を配して挟み込んだ
ものとした。これらに、濃度が3%のメタノール水溶液
を室温(25℃)下で、4ml/分で供給し、空気を自
然拡散で供給し、500mAの放電電流で放電して、放
電時間と放電特性を比較し、結果を図8に示す。
【0027】この実施例によれば、図8より明かなよう
に、従来の燃料電池では、正極側セパレータの溝の深さ
が1mmであるため、放電開始後、約10分間で、空気
の供給を十分行うことができなくなって放電電圧が低下
したのに対し、本発明の燃料電池では、3時間以上の連
続運転が可能であることがわかった。
【0028】(比較例1)前記実施例の従来の燃料電池
に対応するものとして、電解質の両面に正極と負極を構
成したMEA(電解質/電極接合体)に貫通口を設けな
いものとし、その正極側に正極側セパレータとして、溝
の深さが1.5mm、溝の幅が2mm、厚さが2.5m
m、有効面積が25cm2のものを、その負極側に負極
側セパレータとして、溝の深さが1mm、溝の幅が2m
m、厚さが2mm、有効面積が25cm2のものを配し
て挟み込んだものとした。また、本発明の燃料電池に対
応するものとしては、同じMEAを用い、その正極側に
図5に示した正極側セパレータ(溝の深さが1.5m
m、溝の幅が2mm、厚さが2.5mm、4個の貫通口
の口径が10mm、有効面積が20cm2)を、その負
極側に図4に示した負極側セパレータ(溝の深さが1m
m、溝の幅が2mm、厚さが2mm、4個の貫通口の口
径が10mm、有効面積が20cm2)を配して挟み込
んだものとした。これらに、濃度が3%のメタノール水
溶液を室温(25℃)下で、4ml/分で供給し、空気
を自然拡散で供給し、500mAの放電電流で放電し
て、放電時間と放電特性を比較し、結果を図9に示す。
【0029】図9より明かなように、従来の燃料電池に
対応するものでは、実施例のものより溝の深さが深いた
め、これより空気の供給が十分できたため、放電開始
後、約1時間の連続運転が可能であることがわかった。
【0030】(比較例2)前記実施例の従来の燃料電池
に対応するものとして、電解質の両面に正極と負極を構
成したMEA(電解質/電極接合体)に貫通口を設けな
いものとし、その正極側に正極側セパレータとして、溝
の深さが2.5mm、溝の幅が2mm、厚さが3.5m
m、有効面積が25cm2のものを、その負極側に負極
側セパレータとして、溝の深さが1mm、溝の幅が2m
m、厚さが2mm、有効面積が25cm2のものを配し
て挟み込んだものとした。また、本発明の燃料電池に対
応するものとしては、同じMEAを用い、その正極側に
図5に示した正極側セパレータ(溝の深さが2.5m
m、溝の幅が2mm、厚さが3.5mm、4個の貫通口
の口径が10mm、有効面積が20cm2)を、その負
極側に図4に示した負極側セパレータ(溝の深さが1m
m、溝の幅が2mm、厚さが2mm、4個の貫通口の口
径が10mm、有効面積が20cm2)を配して挟み込
んだものとした。これらに、濃度が3%のメタノール水
溶液を室温(25℃)下で、4ml/分で供給し、空気
を自然拡散で供給し、500mAの放電電流で放電し
て、放電時間と放電特性を比較し、結果を図10に示
す。
【0031】図10より明かなように、従来の燃料電池
に対応するものでは、比較例1のものより溝の深さが深
いため、さらに空気の供給が十分できたため、放電電圧
が本発明の燃料電池に対応するものより高くなり、その
連続運転が可能な時間も同程度であることがわかった。
【0032】上記した実施例、比較例1、2から明かな
ように、本発明の燃料電池は、セパレータの厚さを2m
m(溝の深さを1mm)程度にしても、自然拡散形の燃
料電池を構成することが可能になり、これによって電池
のコンパクト化を実現することができる。なお、上記し
た実施例、比較例1、2において、従来電池が本発明電
池より放電電圧が高くなるのは、本発明電池は貫通口を
設けたため、その有効面積が従来電池より小さくなるこ
とによる。
【0033】なお、上記した実施例において、さらに貫
通口の周辺と電池上部にマイクロファンを設けて、空気
を流動させて、同様の試験を行ったところ、さらに良好
な特性が得られることがわかった。
【0034】また、上記した実施例では、厚さが2mm
(溝の深さが1mm)のセパレータを用いてその効果の
確認を行ったが、貫通口の形状や個数について、さらに
検討すれば、セパレータの厚さをさらに薄くすることも
可能である。
【0035】また、本発明では、貫通口を設けたことに
よって放電電圧が低下しているが、これは連続運転が可
能な時間を重視した結果であり、放電電圧の低下が好ま
しくない場合は、酸化剤ガスを正極に供給する構成17
のみに貫通口170を設けてもよい。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明は、酸化剤ガスと
しての空気を自然拡散または自然対流で供給する方式の
液体燃料直接供給形燃料電池のコンパクト化に有効であ
り、その安定した動作と特性の向上が可能になるととも
に、今後の需要が期待できる、携帯電話用電源、コンピ
ューター用電源等の小型のコンシューマー用電源に適し
たものであると言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る液体燃料直接供給形
燃料電池の構成を示した図である。
【図2】図1のA−A部の断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に係る液体燃料直接供
給形燃料電池の構成を示した図である。
【図4】液体燃料を負極に供給し酸化剤ガスを正極に供
給する構成16の負極側の形状を示した図である。
【図5】前記構成16の正極側の形状を示した図であ
る。
【図6】前記構成16の負極側の形状を示した図であ
る。
【図7】前記構成16の正極側の形状を示した図であ
る。
【図8】本発明の燃料電池と従来の燃料電池の特性を比
較した図である。
【図9】正極側セパレータの溝の深さを1.5mm、厚
さを2.5mmにして特性を比較した図である。
【図10】正極側セパレータの溝の深さを2.5mm、
厚さを3.5mmにして特性を比較した図である。
【符号の説明】
101、102 単位セル 1010、1020、160、170 貫通口 16 液体燃料を負極に供給し酸化剤ガスを正極に供給
する構成 17 酸化剤ガスを正極に供給する構成 161、171 酸化剤ガス流通溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロトン導電性の高分子電解質よりなる
    電解質を介して一対の負極と正極とを配した単位セルを
    有し、前記単位セルの負極に液体燃料を供給し、正極に
    酸化剤ガスを供給して起電力を得る液体燃料直接供給形
    燃料電池において、前記単位セルに、酸化剤ガスを正極
    に供給する構成が設けられるとともに、少なくとも前記
    酸化剤ガスを正極に供給する構成を貫通し、酸化剤ガス
    としての空気を、大気より自然拡散または自然対流によ
    って単位セルに導入するための貫通口を、一つ以上有し
    たことを特徴とする液体燃料直接供給形燃料電池。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液体燃料直接供給形燃料
    電池において、貫通口より導入された空気は酸化剤ガス
    流通溝を通って正極に供給されるようにしたことを特徴
    とする液体燃料直接供給形燃料電池。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の液体燃料直接供給形燃料
    電池において、貫通口より導入された空気は酸化剤ガス
    流通溝を通って正極に供給されるようにするとともに、
    前記酸化剤ガス流通溝は、両端が大気に対して開放され
    ており、空気が大気より自然拡散または自然対流によっ
    て導入されるようにしたことを特徴とする液体燃料直接
    供給形燃料電池。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項記載の液体
    燃料直接供給形燃料電池において、液体燃料を流通させ
    るためのマニホールドがさらに設けられ、このマニホー
    ルドを通って導入された液体燃料は液体燃料流通溝を通
    って負極に供給されるようにし、かつ前記液体燃料流通
    溝は一部に壁部が形成され、この壁部によって液体燃料
    流通溝と貫通口とが隔離されていることを特徴とする液
    体燃料直接供給形燃料電池。
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