JP2003272093A - 自律分散型信号制御システム - Google Patents

自律分散型信号制御システム

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JP2003272093A
JP2003272093A JP2002074929A JP2002074929A JP2003272093A JP 2003272093 A JP2003272093 A JP 2003272093A JP 2002074929 A JP2002074929 A JP 2002074929A JP 2002074929 A JP2002074929 A JP 2002074929A JP 2003272093 A JP2003272093 A JP 2003272093A
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JP2002074929A
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Etsushi Nishimae
悦史 西前
Akinori Natsume
明典 夏目
Hisaharu Takeuchi
久治 竹内
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 一の装置の計算負荷が過重になることなく、
信号の制御パラメータの最適な決定を可能にする技術を
提供する。 【解決手段】 制御エリア10内にある交差点1に設け
られたローカルステーション2と、基軸交差点決定手段
とを備えている。基軸ローカルステーションは、基軸交
差点と隣接交差点とを制御する基軸/隣接交差点制御パ
ラメータ案を複数定めたうえ、基軸交差点での平均遅れ
の予想値と隣接交差点での平均遅れの予想値との和を最
小にするものに基づいて、基軸交差点に設けられた信号
灯器を制御する。一方、ローカルステーション2のう
ち、基軸交差点以外である協調ローカルステーションの
それぞれは、自交差点に隣接する交差点の制御パラメー
タに協調しながら、且つ、前記自交差点の交通状態に基
づいて、信号灯器を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自律分散型信号制
御システムに関する。本発明は、特に、各交差点に対応
して設けられたローカルステーションが、自律的に自己
が対応する自交差点の信号制御パラメータを決定する自
律分散型信号制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】交通信号の制御パラメータの最適化は、
道路交通を円滑にする上で重要である。一般に、制御パ
ラメータは、サイクル長さ、スプリット、オフセットの
3つから構成される。サイクル長さは、信号の信号表示
シーケンスが一巡するのに要する時間である。スプリッ
トは、各現示(phase)に割り当てられる時間の長さを
表すパラメータであり、時間、或いは、サイクル長に対
する比率で表される。オフセットとは、ある系統の上
に、隣接して存在する2つの交差点の青表示が開始され
る時刻の差である。信号制御システムは、これら3つか
らなる制御パラメータを最適化し、交差点で発生する信
号遅れをより小さくすることが求められている。
【0003】信号制御方法の一つとして、地域制御方式
が知られている。地域制御方式を実行する信号制御シス
テムでは、制御地域内の交差点に設けられた全ての信号
機と、交通量を計測する全ての感知器とが中央装置に接
続される。その中央装置が、計測された交通量を基に各
交差点の制御パラメータを決定する。地域制御方式は、
理論的には、制御地域全体についての制御パラメータの
最適化が可能である。
【0004】しかし、地域制御方式を採用する信号制御
システムでは、信号機の数が増えるに従い、中央装置の
計算量が増大し、中央装置の計算負荷が過重になるとい
う問題がある。
【0005】一の装置の計算負荷が過重になることな
く、制御パラメータの最適な決定を可能にする技術の提
供が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、一の
装置の計算負荷が過重になることなく、制御パラメータ
の最適な決定を可能にする技術を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、制御パラメータの決
定に必要な計算量を減少するための技術を提供すること
にある。
【0008】本発明の更に他の目的は、信号制御システ
ムの動作の安定性を高めるための技術を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】以下に、[発明の実施の
形態]で使用される番号・符号を用いて、課題を解決す
るための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特
許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載と
の対応関係を明らかにするために付加されている。但
し、付加された番号・符号は、[特許請求の範囲]に記
載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならな
い。
【0010】本発明による自律分散型信号制御システム
は、制御エリア(10)内にある交差点(1)に一対一
に対応して設けられたローカルステーション(2)と、
前記交差点(1)のうちから交通状態に応じて基軸交差
点(1)を選択する基軸交差点決定手段(2、4)
とを備えている。ローカルステーション(2)のうち、
基軸交差点(1)に対応して設けられた基軸ローカル
ステーション(2)は、基軸交差点(1)と基軸交
差点(1)に隣接する隣接交差点(1α)とを制御す
る制御パラメータの案である基軸/隣接交差点制御パラ
メータ案(X〜X)を複数定める。更に、基軸ロー
カルステーション(2)は、基軸/隣接交差点制御パ
ラメータ案(X〜X)のそれぞれについて、基軸交
差点(1 )での平均遅れ(W )の予想値と、隣接
交差点(1α)での平均遅れの予想値(W α)とを算
出する。更に基軸ローカルステーション(2)は、基
軸/隣接交差点制御パラメータ案(X〜X)のう
ち、基軸交差点(1)での平均遅れの予想値
(W )と隣接交差点での平均遅れの予想値
(W α)との和を最小にするものに基づいて、基軸交
差点(1)の基軸交差点制御パラメータ(X)を決
定し、基軸交差点制御パラメータ(X)に基づいて、
基軸交差点(1)に設けられた信号灯器(6)を制御
する。一方、ローカルステーション(2)のうち、基軸
交差点(1)以外である協調交差点に対応して設けら
れた協調ローカルステーションのそれぞれは、それぞれ
が対応する自交差点(1)の自交差点制御パラメータ
(Y)を、自交差点(1)に隣接する隣接交差点
(1β)を制御するための隣接交差点制御パラメータに
協調しながら、且つ、前記自交差点(1)の交通状態
に基づいて順次に作成し、作成した自交差点制御パラメ
ータ(Y)に基づいて、自交差点(1)に設けられ
た信号灯器(6)を制御する。
【0011】基軸/隣接交差点制御パラメータ案(X
〜X)のそれぞれが、基軸交差点(1)と隣接交差
点(1α)とのサイクル長の候補である候補サイクル長
(C )と、隣接交差点(1α)のそれぞれと基軸交差
点(1)とのオフセットの候補である候補オフセット
(Op→α )とを含む場合、候補オフセット(O
→α )は、隣接交差点(1α)と基軸交差点(1
との距離(lα⇔p)と、候補サイクル長(C)とか
ら、一意に定められることが好ましい。このような一意
的な候補オフセット(Op→α )の決定は、基軸ロー
カルステーション(2)における演算量を減少させ
る。
【0012】また、協調ローカルステーションのそれぞ
れは、制御パラメータ決定時間の直前に定められている
前記自交差点の制御パラメータ(Y old)に基づい
て、複数の協調交差点制御パラメータ案(Y
27)を作成し、前記協調交差点制御パラメータ案
(Y〜Y27)のうち、所定の条件を満足しないもの
を除いて条件満足制御パラメータ案を作成し、自交差点
(1)での平均遅れの予測値(W )と、自交差点
(1)に隣接する隣接交差点(1β)での平均遅れの
予測値(W β)との関数である評価関数(F’
(Y))の関数値に基づいて、前記条件満足制御パラ
メータ案のうちの一を前記自交差点の制御パラメータ
(Y)として採用し、前記制御パラメータ決定時間以
降、採用された自交差点(1)の制御パラメータ(Y
)に基づいて、自交差点(1)に設けられた信号灯
器(6)を制御することが好ましい。
【0013】前記条件は、前記協調交差点制御パラメー
タ案(Y)に示されている各現示の現示時間(tP1
,tP2 )のそれぞれが、所定の最小現示時間(t
MI )以上であるという第1条件を含むことが好まし
い。
【0014】前記条件は、前記協調交差点制御パラメー
タ案(Y)に示されたサイクル長(tP1 +tP2
)が、所定の最大サイクル長(Cmax)以下である
という第2条件を含むことが好ましい。
【0015】前記条件は、自交差点(1)への全ての
流入リンク(Lj→a)について、 (G−Y)・S≧Q・C, G:流入リンク(Lj→a)に対して与えられる青時間
の長さ Y:所定の余裕時間 S:流入リンク(Lj→a)に設けられた。前記自交差
点(1)の停止線(5 )の飽和交通流率
(S ) Q:流入リンク(Lj→a)の交通量(Qj→a) C:協調交差点制御パラメータ案(Y)に示されたサ
イクル長(tP1 +tP2 ) を満足するという第3条件を含むことが好ましい。
【0016】前記協調ローカルステーションのそれぞれ
は、制御パラメータ決定時間の直前に定められている自
交差点(1)の制御パラメータ(Y old)に基づ
いて、複数の制御パラメータ案を作成し、前記制御パラ
メータ案のそれぞれについて、自交差点(1)での平
均遅れの予想値(W )と自交差点(1)に隣接す
る隣接交差点(1β)での平均遅れの予想値(W β
とを算出し、自交差点(1)での平均遅れの予想値
(W )と前記隣接交差点での平均遅れの予想値(W
β)との関数である評価関数(F’(Y))の関数
値に基づいて、前記制御パラメータ案のうちの一を自交
差点(1)の制御パラメータ(Y)として採用し、
前記制御パラメータ決定時間以降、採用された自交差点
(1)の制御パラメータ(Y)に基づいて、自交差
点(1)に設けられた信号灯器(6)を制御すること
がある。この場合、前記制御パラメータ案は、前記制御
パラメータ決定時間の直前に定められている前記自交差
点(1)の制御パラメータ(Y old)と同一であ
る直前同一制御パラメータ案(Y)を含み、且つ、評
価関数(F’(Y))は、制御パラメータ案(Y
が直前同一制御パラメータ案(Y)であるか否かに応
じて値が定められるペナルティー項(P(Y))を有
することが好ましい。
【0017】また、前記協調ローカルステーションのそ
れぞれは、制御パラメータ決定時間の直前に定められて
いる自交差点(1)の制御パラメータ(Y)に基づ
いて、複数の制御パラメータ案を作成し、前記制御パラ
メータ案のそれぞれについて、自交差点(1)の平均
遅れの予想値(W )と自交差点(1)に隣接する
隣接交差点(1β)の平均遅れの予想値(W β)とを
算出し、自交差点(1 )の平均遅れの予想値
(W )と隣接交差点(1β)の平均遅れの予想値
(W β)との関数である評価関数(F’(Y))の
関数値に基づいて、前記制御パラメータ案のうちの一を
自交差点(1)の制御パラメータ(Y)として採用
し、前記制御パラメータ決定時間以降、採用された自交
差点(1)の制御パラメータ(Y)に基づいて、自
交差点(1)に設けられた信号灯器(6)を制御する
ことがある。このとき、自交差点(1)の平均遅れの
予想値(W )は、前記自交差点と前記基軸交差点と
を結ぶ最短経路上にある基軸交差点側隣接交差点
(1)から自交差点(1)に向かう基軸交差点側流
入リンクでの平均遅れの予想値である基軸交差点側流入
リンク平均遅れ予想値(W )を含み、評価関数
(F’(Y))には、自交差点(1)での平均遅れ
の予想値(W )のそれぞれについて、重み係数(a
)が与えられ、自交差点(1)での平均遅れの予
想値(W )のうち、基軸交差点側流入リンク平均遅
れ予想値(W )に与えられている重み係数
(a )と、他に与えられている重み係数とは異なる
ことが好ましい。
【0018】また、隣接交差点(1β)の平均遅れの予
想値(W β)は、自交差点(1)と基軸交差点とを
結ぶ最短経路の上にある基軸交差点側隣接交差点
(1)への流出リンク(La→b)での平均遅れの予
想値である基軸交差点側流出リンク平均遅れ予想値(W
)を含み、評価関数(F’(Y))には、隣接交
差点(1β)での平均遅れの予想値(W β)のそれぞ
れについて、重み係数(a β)が与えられ、隣接交差
点(1β)での平均遅れの予想値(W β)のうち、前
記基軸交差点側流出リンク平均遅れ予想値(W )に
与えられている重み係数(a )と、他に与えられて
いる重み係数(W )とは異なることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、
本発明による自律分散型信号制御システムの実施の一形
態を説明する。
【0020】本発明による自律分散型信号制御システム
の実施の一形態では、図1に示されているように、制御
エリア10の内部にある交差点1のそれぞれに対応して
ローカルステーション(LS)2が設けられている。ロ
ーカルステーション2は、対応する交差点1に設けられ
た信号灯器を制御する計算機である。ローカルステーシ
ョン2のそれぞれは、通信回線3に接続されている。
【0021】通信回線3は、ローカルステーション2相
互の通信に使用される。ローカルステーション2は、通
信回線3を使用して、信号灯器の制御に必要な情報を交
換する。通信回線3には、センターステーション4が接
続されている。
【0022】センターステーション4は、各ローカルス
テーション2の動作状態を監視する。更にセンターステ
ーション4は、当該自律分散型信号制御システムの管理
者により与えられた指示に応じて各ローカルステーショ
ン2を個別に制御する。このような個別制御は、事故や
イベントのような非定常的な事態が発生しているとき
に、発生した事態に円滑に対処するために行われる。こ
のような動作をするセンターステーション4としては、
例えば、パーソナルコンピュータのような比較的小規模
の計算機が使用される。
【0023】図2は、交差点1の詳細図を示す。交差点
1には、ローカルステーション2、停止線5、信号灯器
6、停止線感知器7、上流感知器8、及び流出部感知器
9が設けられている。
【0024】停止線5は、交差点1の交差点流入部のそ
れぞれに設けられている。信号灯器6が赤を表示してい
る場合、交差点1に流入する車両は、停止線5の直前で
停止する義務がある。
【0025】信号灯器6は、交差点1の制御シーケンス
に含まれる現示のそれぞれに対応して設けられている。
交差点1は、少なくとも2つの現示を含む制御シーケン
スにより制御される。本実施の形態では、制御シーケン
スに含まれる現示のうち、従現示については考慮せず、
全ての交差点1が2現示制御によって制御されているも
のとして記載する。即ち、交差点1の制御シーケンス
は、交差点1の横方向に流入する交通流に通行権を与え
る現示(以下、「現示P1」という。)と、交差点1の
縦方向に流入する交通流に通行権を与える現示(以下、
「現示P2」という。)とから構成されるとする。信号
灯器6のうちの信号灯器6aは、現示P1の間、青を表
示し、信号灯器6のうちの信号灯器6bは、現示P2の
間、青を表示する。
【0026】停止線感知器7、上流感知器8、及び流出
部感知器9は、交通状態の取得に使用される。
【0027】停止線感知器7は、停止線5の近傍に設け
られ、停止線5の位置での車両の存在の有無を検知す
る。停止線感知器7は、停止線5の位置での車両の存在
の有無を示す停止線感知器信号を生成する。
【0028】上流感知器8は、交差点1へ車両を流入さ
せる流入リンク1aに、停止線5から所定の距離だけ離
れて設けられている。上流感知器8は、上流感知器8が
設けられた位置での車両の存在の有無を検知し、その位
置での車両の存在の有無を示す上流感知器信号を生成す
る。
【0029】流出部感知器9は、交差点1の交差点流出
部11のそれぞれに設けられ、交差点1の交差点流出部
11における車両の存在の有無を検知する。流出部感知
器9は、交差点1の交差点流出部11における車両の存
在の有無を示す流出部感知器信号を生成する。
【0030】停止線感知器7、上流感知器8、及び流出
部感知器9は、ローカルステーション2に接続されてい
る。停止線感知器7、上流感知器8、及び流出部感知器
9は、それらがそれぞれ生成した停止線感知器信号、上
流感知器信号及び流出部感知器信号をローカルステーシ
ョン2に送信する。ローカルステーション2は、他のロ
ーカルステーション2から受け取った情報と、停止線感
知器信号、上流感知器信号及び流出部感知器信号とに基
づいて、信号灯器6を制御する制御パラメータを決定す
る。ローカルステーション2は、決定した制御パラメー
タに従って、信号灯器6を制御する。
【0031】続いて、ローカルステーション2が制御パ
ラメータを決定するときに実施する制御パラメータ決定
方法について説明する。
【0032】当該制御パラメータ決定方法では、制御エ
リア10の内部にある交差点1のうち、最も混雑してい
ると推定される一の交差点が、基軸交差点と定められ、
他は協調交差点と定められる。基軸交差点の制御パラメ
ータと、協調交差点の制御パラメータとは、異なるアル
ゴリズムを使用して決定される。
【0033】基軸交差点の制御パラメータは、基軸交差
点及び基軸交差点に隣接する隣接交差点の交通状態に基
づいて決定される。基軸交差点の制御パラメータは、基
軸交差点及びその隣接交差点での信号遅れを最小化する
ように決定され、基軸交差点及びその隣接交差点での混
雑の解消が図られている。
【0034】一方、協調交差点のそれぞれの制御パラメ
ータは、それが隣接する隣接交差点の制御パラメータに
協調しながら決定される。基軸交差点に隣接する協調交
差点(以下、「第1次協調交差点」という。)の制御パ
ラメータは、基軸交差点の制御パラメータに協調して決
定される。第1次協調交差点に隣接する協調交差点(以
下、「第2次協調交差点」という。)の制御パラメータ
は、第1次協調交差点の制御パラメータに協調して決定
されるから、結果として、基軸交差点の制御パラメータ
に協調して決定されることになる。以下同様に考えれ
ば、全ての協調交差点の制御パラメータは、基軸交差点
の制御パラメータに協調して決定されることが理解され
る。このように、全ての協調交差点の制御パラメータ
が、基軸交差点の制御パラメータに協調して決定される
ことにより、当該自律分散型信号制御システム全体の安
定性の確保が図られている。
【0035】基軸交差点は、交通状態に応じて変更さ
れ、その時点で最も混雑していると推定される交差点
が、基軸交差点と定められる。これにより、制御エリア
10の内部での交通量が平準化され、結果として、制御
エリア10全体の渋滞の緩和が実現される。
【0036】以下、制御パラメータ決定方法をより具体
的に説明する。制御パラメータ決定方法の説明のため
に、以下のような定義を用いることとする。交差点1に
は、互いに異なる交差点番号1〜nが与えられていると
する。図3に示された例では、交差点1の数は11であ
るから、n=11である。交差点番号iが与えられた交
差点1は、以下、交差点1と記載する。更に、交差点
に対応して設けられたローカルステーション2は、
以下、ローカルステーション2と記載する。ローカル
ステーション2が対応する交差点1は、ローカルス
テーション2の自交差点1と記載することがある。
【0037】更に、図4に示されているように、交差点
から交差点1に向かうリンクをリンクLi→j
記載する。このとき、交差点1について考えれば、リ
ンクLi→jは交差点1から車両を流出させる流出リ
ンクであり、リンクLi→jを交差点1からの流出リ
ンクLi→jと記載することがある。同様に、交差点1
について考えれば、リンクLi→jは交差点1に車
両を流入させる流入リンクであり、リンクLi→jを、
交差点1への流入リンクLi→jと記載することがあ
る。
【0038】また、制御エリア10の外部から交差点1
に向かうリンクをリンクLEk→ と定義する。ここ
で、kは、自然数である。制御エリア10の外部から複
数のリンクが交差点1に接続する場合には、それら
を、リンクLE1→i、LE2 →i、…として区別す
る。
【0039】更に、交差点1に設けられている停止線
5のうち、流入リンクLj→iに設けられたものを、停
止線5 と記載する。制御エリア10の外部から交差
点1 への流入リンクLEk→iに設けられた停止線5
も同様に、停止線5Ek と記載する。以下では、上述
の定義を用いて、制御パラメータ決定方法を説明する。
【0040】また、初期条件として、交差点1のうちの
交差点1(oは、1以上n以下の整数)が、基軸交差
点に指定されているとする。以下では、交差点1を、
基軸交差点1と記述することがある。交差点1のう
ち、交差点1以外の交差点は、協調交差点と定められ
ていることになる。
【0041】ローカルステーション2の動作は、それが
基軸交差点に設けられている場合と、協調交差点に設け
られている場合とで異なる。まず、基軸交差点に設けら
れているローカルステーション2の動作を説明する。
【0042】図5は、基軸交差点に設けられたローカル
ステーション2の動作を示すフローチャートである。基
軸交差点1に設けられているローカルステーション2
は、交差点1を含む全ての交差点1の交差点負荷率
を収集し、交差点負荷率が最も高い交差点を、新たな基
軸交差点として決定する(ステップS01)。交差点負
荷率とは、交差点の混雑度を示す数であり、ある交差点
の交差点負荷率が大きいことは、その交差点の混雑の程
度が高いことを示している。以下では、交差点1の交
差点負荷率は、交差点負荷率λと記載される。交差点
負荷率が最も高い交差点が基軸交差点に選ばれること
は、交差点の混雑の程度が高い交差点が、基軸交差点に
選ばれることを意味している。
【0043】新たな基軸交差点を決定するために、基軸
交差点1に設けられているローカルステーション2
は、交差点1を含む全ての交差点1の交差点負荷率を
収集する。ローカルステーション2は、自交差点1
の交差点負荷率λを同定するとともに、他のローカル
ステーション2のそれぞれに、それぞれが設けられた交
差点の交差点負荷率を同定し、同定した交差点負荷率を
送信するように要求する。他のローカルステーション2
は、その要求に応じて、自己が設けられた自交差点の交
差点負荷率を同定し、基軸交差点1に設けられたロー
カルステーション2に送信する。
【0044】図6を参照して、ローカルステーション2
を含む全てのローカルステーション2は、自交差点
の交差点負荷率λを同定するために、自交差点1
への流入リンクのそれぞれについて、流入リンクの交
通量(台/s)を算出する。図6に示されているよう
に、交差点1が、隣接交差点1、1、1からの
リンクLa→i、Lb→i、Lc→iと、制御エリア1
0の外部からのリンクL E1→iとに接続されている場
合、ローカルステーション2は、交差点1への流入
リンクLa→i、Lb→i、Lc→i、及びLE1→i
のそれぞれの交通量Qa→i、Qb→i、Qc→i、及
びQE1→iを算出する。
【0045】流入リンクLj→iの交通量Qj→iは、
過去の所定の計測期間の間に、流入リンクLj→iを介
して交差点1に流入した車両の台数n
in j→i(台)を、その計測時間の長さTで割ること
により算出される。即ち、交差点1への流入リンクL
j→iの交通量Qj→iは、 Qj→i=nin j→i/T, …式(1) で算出される。車両の台数nin j→iが計測される計
測期間は、典型的には、図7に示されているように、交
差点1に対して行われた制御シーケンスのうち、直前
の4サイクルが実行されている期間である。このとき、
計測時間の長さTは、その4サイクルのサイクル長の合
計である。交差点1への流入リンクL →iの交通量
j→iは、リンクLj→iに設けられた停止線感知器
7、上流感知器8、及び流出部感知器9によって取得さ
れた交通状態に基づいて算出される。
【0046】更に、全てのローカルステーション2
は、自交差点1に設けられた停止線5の捌け残り台
数を計算する。ここで、ある停止線の捌け残り台数と
は、その停止線が設けられた流入リンクに対して、最も
直前になされた青表示が終了した時点で、その停止線に
捌け残された車両の台数(台)をいう。図6を参照し
て、交差点1の、流入リンクLj→iに設けられた停
止線5 の捌け残り台数は、R と記載される。捌
け残り台数R の算出は、流入リンクLj→iに設け
られた停止線感知器7、及び上流感知器8を利用して取
得された交通状態に基づいて行われる。
【0047】全てのローカルステーション2は、自交
差点1に設けられた停止線5のそれぞれについて停止
線負荷率を求める。停止線5 の停止線負荷率λ
は、下記式:
【数1】 …式(2) によって求められる。ここで、S は、停止線5
の飽和交通流率(台/s)である。Tは、停止線5での
捌け残りを解消する目標となる時間(s)であり、当該
信号制御システムの管理者によって定められる定数であ
る。
【0048】続いて、全てのローカルステーション2
は、自交差点1の制御シーケンスに含まれる現示のそ
れぞれについて、現示負荷率を求める。交差点1の現
示Pk(kは1又は2)の現示負荷率λPk は、下記
式:
【数2】 …式(3) で与えられる。ここで、maxは、交差点1への流入
リンクのうちの現示Pkにおいて通行権が与えられる流
入リンクに設けられた停止線の停止線負荷率λ の最
大値を意味する。例えば、図6に示されているように、
交差点1の制御シーケンスが、流入リンクLE1→i
と流入リンクLc→iとに通行権が割り当てられている
現示P1と、流入リンクLa→iと流入リンクLb→i
とに通行権が割り当てられている現示P2とからなると
する。この場合、交差点1の現示P1の現示負荷率λ
P1 は、停止線5E1 の停止線負荷率λE1 と、
停止線5 の停止線負荷率λ とのうちの大きい方
である。同様に、交差点1の現示P2の現示負荷率λ
P2 は、停止線5 の停止線負荷率λ と、停止
線5 の停止線負荷率λ とのうちの大きい方であ
る。
【0049】全てのローカルステーション2は、自交
差点1の制御シーケンスに含まれる全ての現示の現示
負荷率の和を、交差点1の交差点負荷率λとして算
出する。即ち、交差点負荷率λは、下記式:
【数3】 …式(4) により求められる。ここでΣは、全てのkについての和
を意味する。
【0050】基軸交差点1に設けられたローカルステ
ーション2は、全ての交差点1のうち、交差点負荷率
が最も高い交差点を、以降の基軸交差点として決定す
る。基軸交差点は、交差点負荷率が最も高い交差点に変
更される。以下では、基軸交差点が交差点1に変更さ
れたとする。交差点1は、以後、基軸交差点1と記
載されることがある。もともと基軸交差点であった交差
点1に設けられているローカルステーション2は、
新たに基軸交差点とされる交差点1に設けられたロー
カルステーション2に、交差点1が基軸交差点に決
定されたことを通知する。更に、ローカルステーション
は、ローカルステーション2以外のローカルステ
ーション2のそれぞれに、それぞれが設けられた交差点
が協調交差点に決定されたことを通知する。
【0051】新たに基軸交差点に指定された交差点1
に設けられたローカルステーション2は、基軸交差点
の制御パラメータを決定する。
【0052】より詳細には、図5に示されているよう
に、基軸交差点1の制御パラメータの決定のために、
ローカルステーション2は、基軸交差点1、及び基
軸交差点1に隣接する全ての隣接交差点の交通状態を
取得する(ステップS02)。ここでいう隣接交差点に
は、制御エリア10の内部にない交差点は含まれない。
2現示制御が行われる基軸交差点1の隣接交差点は、
最大で4つである。以下では、基軸交差点1の隣接交
差点を、隣接交差点1、1、…と記述することがあ
る。また、αを、p、q、…として、隣接交差点1
、…を総称して隣接交差点1と記載することがあ
る。図8に示されているように、隣接交差点が2つのみ
であれば、その2つの隣接交差点は、隣接交差点1
と記載される。
【0053】より詳細には、ローカルステーション2
は、 (1)基軸交差点1への全ての流入リンクの交通量
(台/s) (2)基軸交差点1に設けられた全ての停止線の捌け
残り台数(台)、 (3)基軸交差点1に設けられた全ての停止線の飽和
交通流率(台/s) (4)基軸交差点1に隣接する全ての隣接交差点1α
について、隣接交差点1 αへの全ての流入リンクの交通
量(台/s)、 (5)基軸交差点1に隣接する全ての隣接交差点1α
について、隣接交差点1 αに設けられた全ての停止線の
捌け残り台数(台)、 (6)基軸交差点1に隣接する全ての隣接交差点1α
について、隣接交差点1 αに設けられた全ての停止線の
飽和交通流率(台)を算出する。
【0054】基軸交差点1への流入リンクLj→p
交通量Qj→pは、 Qj→p=nin j→p/T,…式(1)’ で算出される。図8で示されている例では、jは、q、
r、E1、E2である。ここで、nin j→pは、基軸
交差点1に対して過去に行われた制御シーケンスの直
前の4サイクルが実行されている期間に基軸交差点1
に流入した車両の台数である。このとき、計測時間の長
さTは、基軸交差点1に対して行われた制御シーケン
スの、直前の4サイクルのそれぞれのサイクル長の合計
である。
【0055】同様に、隣接交差点1αへの流入リンクL
j’→αの交通量Qj’→αは、 Qj’→α=nin j’→α/T,…式(1)” で算出される。図8で示されている例では、α=qのと
き、jはa、b、c、pであり、α=rのとき、j’は
p、E1、E2、E3である。
【0056】ここに列挙された交通量、捌け残り台数、
及び飽和交通流率は、基軸交差点1 及びその隣接交差
点1αに設けられた停止線感知器7、上流感知器8、及
び、流出部感知器9がそれぞれ生成する停止線感知器信
号、上流感知器信号、及び流出部感知器信号に基づいて
算出される。
【0057】続いて、図5に示されているように、ロー
カルステーション2は、基軸交差点1及び隣接交差
点1αの青時間比を求める(ステップS03)。青時間
比とは、交差点1の制御シーケンスに含まれる現示のそ
れぞれの青時間の比である。全ての交差点1の制御シー
ケンスは、現示P1と現示P2とで構成されると仮定さ
れているから、基軸交差点1の青時間比は、
P1 :GP2 である。ここで、GP1 は、交差
点1の現示P1における青時間であり、GP2 は、
交差点1の現示P2における青時間である。同様に、
基軸交差点1に隣接する隣接交差点1αの青時間比
は、GP1 α:GP2 αである。
【0058】基軸交差点1及び隣接交差点1αの青時
間比の算出のために、ローカルステーション2は、ま
ず、基軸交差点1及び隣接交差点1αに設けられた各
停止線の停止線負荷率を、上述の交通量に基づいて算出
する。例えば、図8を参照して、基軸交差点1に設け
られた停止線5 の停止線負荷率λ は、下記式:
【数4】 …式(5) によって算出される。但し、jは、q、r、E1、E2
のいずれかである。同様に、隣接交差点1αに設けられ
た停止線5j’ αの停止線負荷率λj’ αは、下記式:
【数5】 …式(5)’ によって算出される。但し、α=qであるとき、j’
は、a、b、c、pであり、α=rであるとき、j’
は、p、E1、E2、E3である。
【0059】続いて、ローカルステーション2は、基
軸交差点1及び隣接交差点1αの制御シーケンスに含
まれる各現示の現示負荷率を、停止線負荷率に基づいて
算出する。基軸交差点1の現示Pkの現示負荷率λ
Pk は、基軸交差点1への流入リンクのうちの現示
Pkにおいて通行権が与えられる流入リンクに設けられ
た停止線の停止線負荷率λ の最大値として定められ
る。即ち、基軸交差点1 の現示Pkの現示負荷率λ
Pk は、下記式:
【数6】 …式(6) によって算出される。同様に、隣接交差点1αの現示P
kの現示負荷率λPk αは、下記式:
【数7】 …式(6)’ によって算出される。
【0060】基軸交差点1の青時間比は、基軸交差点
の現示Pkの現示負荷率λPk の比に一致され
る。即ち、基軸交差点1の青時間比GP1 :GP2
は、下記式: GP1 :GP2 =λP1 :λP2 , …式(7) により算出される。
【0061】同様に、隣接交差点1αの青時間比GP1
α:GP2 αは、下記式: GP1 α:GP2 α=λP1 α:λP2 α, …式(7)’ により算出される。
【0062】続いて、ローカルステーション2は、基
軸交差点1の制御パラメータ案を決定する(ステップ
S04、ステップS05)。後述されるように、ローカ
ルステーション2は、複数の制御パラメータ案を作成
し、作成された制御パラメータ案のうち最適であるもの
を、基軸交差点1の制御パラメータとして採用する。
【0063】制御パラメータ案の決定のために、ローカ
ルステーション2は、まず、最小サイクル長Cmin
を決定する(ステップS04)。最小サイクル長C
minとは、制御パラメータ案に定められたサイクル長
(以下、「候補サイクル長」という。)の許容される最
小値である。ローカルステーション2は、下記の条件
(1)〜(3)を満足する最小のサイクル長Cを、最小
サイクル長Cminとして決定する。
【0064】条件(1):基軸交差点1の全ての流入
リンクLj→pについて、サイクル長Cが、下記不等式
を満足すること。 (G −Y)・S ≧(Qj→p+R /T)・C, …式(8)
【0065】ここで、式(8)の左辺のG は、流入
リンクLj→pに対して与えられる青時間の長さであ
る。流入リンクLj→pが、現示Pkにおいて通行権が
与えられる流入リンクである場合、G は、
【数8】 …式(9) である。
【0066】また、式(8)の左辺のYは、制御シーケ
ンスの1サイクルあたりの余裕時間(損失時間)であ
り、所定の一定値である。Yは、典型的には、2.5
(s)である。S は、上述の通り、基軸交差点1
への流入リンクLj→pに設けられた停止線5 の飽
和交通流率(台/s)である。
【0067】一方、式(8)の右辺のQj→pは、上述
の通り、流入リンクLj→pの交通量であり、R
は、停止線5 の捌け残り台数である。
【0068】条件(2):基軸交差点1の全ての流入
リンクLj→pについて、サイクル長Cが、上述の青時
間G に下記式: G ≧Gmin, …式(10) を満足させること。ここで、Gminは、安全上定めら
れている最小青時間であり、典型的には、15(s)で
ある。既述の通り、青時間G は、サイクル長Cに依
存する量であり、上述の式(9)によって定められる。
【0069】条件(3):サイクル長Cが、所定のサイ
クル長下限設定値Cpre min以上であること。ここ
でサイクル長下限設定値Cpre minは、安全上定め
られている最小のサイクル長である。
【0070】以上の条件(1)〜(3)を満足する最小
のサイクル長Cが、最小サイクル長Cminと定められ
る。
【0071】続いて、ローカルステーション2は、図
5に示されているように、複数の制御パラメータ案X
〜Xを作成する(ステップS05)。制御パラメータ
案X 〜Xは、それぞれ (1)候補サイクル長(単位:s)、 (2)隣接交差点1αのそれぞれについて、隣接交差点
αと基軸交差点1との候補オフセット(単位:%) (3)基軸交差点1の青時間比GP1 :GP2
びその隣接交差点1αそれぞれの青時間比GP1 α:G
P2 α から構成される。以下、制御パラメータ案Xの候補サ
イクル長をCと記載する。また、制御パラメータ案X
に含まれる、基軸交差点1とその隣接交差点1
…との候補オフセットを、それぞれ、Op→q
p→r 、…と記載する。一の制御パラメータ案に含
まれる候補オフセットの数は、隣接交差点1、1
の数に一致する。
【0072】まず、ローカルステーション2は、制御
パラメータ案X〜Xのそれぞれに含まれる候補サイ
クル長C〜Cを、 Cmin≦C<C<…<C≦Cmax, …式(11) C−Ci−1=ΔC, …式(12) となるように定める。Cminは、上述のステップS0
4で定められた最小サイクル長である。最大サイクル長
maxは、当該信号制御システムの管理者によって定
められる所定の値であり、典型的には、180(s)で
ある。ΔCは、候補サイクル長C〜Cの間隔であ
り、典型的には5(s)である。
【0073】続いて、ローカルステーション2は、制
御パラメータ案X〜Xのそれぞれに含まれる候補オ
フセットを定める。ローカルステーション2は、制御
パラメータ案Xの基軸交差点1と隣接交差点1
α(αは、q、r、…)との候補オフセットOp→α
を、基軸交差点1と隣接交差点1αとの距離
p⇔α、及び候補サイクル長Cから一意に決定す
る。即ち、ローカルステーション2は、隣接交差点1
、1、…のそれぞれについて、下記式: Op→α =fOFF(C、lp⇔α), …式(13) により候補オフセットOp→α を決定する。ここで、
OFFは、所定の関数である。
【0074】図9は、候補オフセットOp→α を決定
する関数fOFFの一例を示すグラフである。vを所定
の系統速度(既定値)、tp⇔α(=lp⇔α/v)を
リンクLp→α(及びリンクLα→p)の走行時間とし
て、 (1)0≦C≦(4/3)・tp⇔αの場合、候補オ
フセットOp→α は、同時オフセットとされる。即
ち、この場合、fOFF=0(%)である。 (2)(4/3)・tp⇔α<C≦4tp⇔α+10
の場合、候補オフセットOp→α は、交互オフセット
とされる。即ち、この場合、fOFF=50(%)であ
る。 (3)C>4tp⇔α+10の場合、候補オフセット
p→α は、同時オフセットとされる。即ち、この場
合、fOFF=0(%)である。
【0075】制御パラメータ案X〜Xに含まれる基
軸交差点1の青時間比GP1 :GP2 及びその隣
接交差点1αそれぞれの青時間比GP1 α:G
P2 αは、上述のステップS03で求められた青時間比
に一致する。基軸交差点1の青時間比GP1 :G
P2 及びその隣接交差点1αそれぞれの青時間比G
P1 α:G P2 αは、全ての制御パラメータ案X〜X
で共通である。
【0076】続いて、図5に示されているように、制御
パラメータ案X〜Xのそれぞれについて、その制御
パラメータ案に従って基軸交差点1と隣接交差点1α
とが制御されたと仮定したときに、基軸交差点1と隣
接交差点1αとで発生する信号遅れの平均(平均遅れ)
の予想値が算出される(ステップS06)。より詳細に
は、基軸交差点1に設けられた全ての停止線5
の平均遅れの予想値W (s)と、隣接交差点1α
設けられた停止線5j’ αのうち、基軸交差点1から
の流出リンクLp→αにある停止線5 αでの平均遅れ
の予想値W α(s)とが算出される。図8に示されて
いる例では、基軸交差点1に設けられた停止線
、5 、5E1 、及び5E2 それぞれでの
平均遅れの予想値W 、W 、WE1 、及びW
E2 と、隣接交差点1に設けられた停止線5
の平均遅れの予想値W と、隣接交差点1に設けら
れた停止線5 での平均遅れの予想値W とが算出
される。
【0077】図10を参照して、基軸交差点1に設け
られた停止線5 での平均遅れの予想値W は、以
下のようにして算出される。平均遅れの予想値W
算出では、基軸交差点1のサイクル長、青時間比が、
それぞれ、制御パラメータ案Xに含まれる候補サイク
ル長C、青時間比GP1 :GP2 であると仮定さ
れる。更に、隣接交差点1αのサイクル長、青時間比
が、それぞれ、制御パラメータ案Xに含まれる候補サ
イクル長C、青時間比GP1 α:GP2 αであると仮
定される。更に、基軸交差点1を基準とした隣接交差
点1αのオフセットが、候補オフセットOp→α であ
ると仮定される。
【0078】これらの仮定の下、まず、時刻tにおけ
る、基軸交差点1への流入リンクL j→pの、停止線
での予想交通量Qest α→p (t)が求めら
れる。
【0079】基軸交差点1への流入リンクLj→p
うち、隣接交差点1αから基軸交差点1への流入リン
クLα→pについての、停止線5α での予想交通量Q
es α→p (t)は、以下のようにして求められ
る。まず、隣接交差点1αから基軸交差点1に向かう
リンクLα→pの、隣接交差点1αの交差点流出部11
αでの予想交通量Qest α→p α(t)が算出され
る。隣接交差点1αの交差点流出部11αでの予想交通
量Qest α→p α(t)は、図10に示されているよ
うに、隣接交差点1αへの流入リンクLj’→αの交通
量が、今後、上述の交通量Qj’→αで一定であるとい
う仮定の下で算出される。隣接交差点1αの交差点流出
部11αでの予想交通量Qest α→p α(t)は、隣
接交差点1αへの流入リンクLj’→αの交通量Q
j’→αと、制御パラメータ案Xに示された隣接交差
点1αのサイクル長、及び青時間比、並びに、基軸交差
点1を基準とした隣接交差点1αのオフセットとに基
づいて算出される。
【0080】続いて、リンクLα→pの交差点流出部1
αでの予想交通量Qest α→p α(t)を走行時間
α⇔p(=lα⇔p/v)だけシフトすることによ
り、時刻tにおける、リンクLα→pの停止線5α
の予想交通量Qest α→p (t)が算出される。即
ち、停止線5α での予想交通量Q
est α→p (t)は、 Qest α→p (t)=Qest α→p α(t−tα⇔p), …式( 14) で求められる。
【0081】一方、基軸交差点1に設けられた停止線
のうち、制御エリア10の外部から基軸交差点1
に向かう流入リンクLEk→pの、停止線5Ek
の予想交通量Qest Ek→p (t)は、ステップS
02で算出された交通量Q k→pで一定とされる。即
ち、リンクLEk→pの、停止線5Ek での予想交通
量Qest Ek→p (t)は、 Qest Ek→p (t)=QEk→p(一定), …式(15) とされる。
【0082】続いて、リンクLj→pの停止線5
の予想交通量Qest j→p (t)から、停止線5
への到着累加台数Nin (t)が求められる。停
止線5 への到着累加台数Nin (t)とは、現
時点(t=0)から時刻tまでの間に、停止線5
到着した車両の台数の総和である。
【0083】更に、リンクLj→pの停止線5 での
予想交通量Qest j→p (t)と、制御パラメータ
案Xに示された基軸交差点1のサイクル長、及び青
時間比とから、停止線5 からの出発累加台数N
out (t)が求められる。停止線5 からの出
発累加台数Nout (t)とは、現時点(t=0)
から時刻tまでの間に、停止線5 から出発した車両
の台数の総和である。
【0084】図10には、リンクLα→pに設けられた
停止線5α への到着累加台数N α (t)と、出
発累加台数Nout α (t)とが示されている。
【0085】続いて、停止線5 の次の赤表示が始ま
る時刻tから始まる1サイクルの間に、停止線5
で発生する遅れの総和(総遅れ)D が算出される。
総遅れD は、上述の到着累加台数Nin (t)
と出発累加台数Nout (t)とを用いて、
【数9】 …式(16) により算出される。
【0086】続いて、停止線5 の平均遅れの予想値
が算出される。停止線5 の平均遅れの予想値
は、総遅れD を用いて、下記式:
【数10】 …式(17) により算出される。
【0087】一方、図11を参照して、基軸交差点1
から隣接交差点1αへのリンクL →αに設けられた停
止線5 αでの平均遅れの予想値W αは、以下のよう
にして算出される。まず、既に求められている、停止線
での予想交通量Qes j→p (t)と、制御
パラメータ案Xに示された基軸交差点1のサイクル
長、及び青時間比とから、基軸交差点1から隣接交差
点1αへのリンクL →αの、交差点流出部11での
予想交通量Qest p→α (t)が算出される。
【0088】続いて、リンクLp→αの交差点流出部1
での予想交通量Qest p→α (t)を走行時間
α⇔p(=lα⇔p/v)だけシフトすることによ
り、時刻tにおける、リンクLp→αの停止線5 α
の予想交通量Qest p→α α(t)が算出される。
【0089】リンクLp→αの停止線5 αでの予想交
通量Qest p→α α(t)から、停止線5 αへの到
着累加台数Nin α(t)が求められる。更に、予想
交通量Qest p→α α(t)と制御パラメータ案X
に示された隣接交差点1αのサイクル長、及び青時間比
とから、停止線5 αからの出発累加台数Nout α
(t)が求められる。
【0090】続いて、停止線5 αの次の赤表示が始ま
る時刻t’から始まる1サイクルの間に、停止線5
αで発生する遅れの総和(総遅れ)D αが算出され
る。総遅れD αは、上述の到着累加台数N
in α(t)と出発累加台数Nout α(t)とを
用いて、
【数11】 …式(18) により算出される。
【0091】更に、停止線5 αの平均遅れの予想値W
αが下記式:
【数12】 …式(19) により算出される。
【0092】続いて、図5に示されているように、基軸
交差点1に設けられたローカルステーション2は、
基軸交差点1の制御パラメータの実行解Xを定める
(ステップ07)。基軸交差点1の制御パラメータの
実行解Xは、制御パラメータ案X〜Xのそれぞれ
について、基軸交差点1の停止線5 での平均遅れ
の予想値W と、隣接交差点1αの停止線のうち、基
軸交差点1から隣接交差点1αへのリンクLp→α
設けられた停止線5 αでの平均遅れの予想値W α
の和で定義される評価関数Fを用いて決定される。この
ような評価関数Fは、下記の式:
【数13】 …式(20) により表現される。評価関数Fの第1項のΣは、基軸交
差点1の全ての流入リンクについての和であり、評価
関数Fの第2項のΣは、全ての隣接交差点1αについて
の和である。
【0093】制御パラメータ案X〜Xのうちから、
評価関数Fを最小にするものが最適制御パラメータ案と
して選択される。最適制御パラメータ案に選択された制
御パラメータ案の候補サイクル長が最適サイクル長C
optと定められる。即ち、制御パラメータ案X(t
は、1以上m以下の整数のいずれか)が最適制御パラメ
ータ案であるとき、候補サイクル長Cが最適サイクル
長Coptと定められる。
【0094】続いて、基軸交差点1に設けられたロー
カルステーション2は、基軸交差点1の制御パラメ
ータの実行解Xを定める。実行解Xは、基軸交差点
のサイクル長の実行解Cと、青時間比の実行解G
P1*:GP2*とで構成される。
【0095】基軸交差点1のサイクル長の実行解C
としては、原則的に、上述の最適サイクル長Copt
使用される。
【0096】但し、実行解Cがその直前の基軸交差点
のサイクル長C oldから大きく変動し過ぎない
ように、基軸交差点1のサイクル長の実行解Cの、
oldからの変動は、ΔCmax以下に制限され
る。ここで、ΔCmaxは、サイクル長の変動の許容最
大値であり、0より大きい値である。ΔCmaxは、典
型的には、10(s)である。より詳細には、サイクル
長の実行解Cは、以下のようにして定められる。
【0097】直前の基軸交差点1のサイクル長C
oldと最適サイクル長Coptとが、下記関係: |Copt−C old|≦ΔCmax, …式(21) を満足するとき、基軸交差点1のサイクル長の実行解
は、最適サイクル長Coptに一致される。
【0098】一方、 Copt−C old>ΔCmax, …式(22) であるとき、基軸交差点1のサイクル長の実行解Cは、 C=C old+ΔCmax, により定められる。
【0099】更に、 C old−Copt>ΔCmax, …式(23) であるとき、基軸交差点1のサイクル長の実行解Cは、 C=C old−ΔCmax, …式(24) により定められる。
【0100】このようにして基軸交差点1のサイクル
長の実行解Cが定められることにより、直前の基軸交
差点1のサイクル長C oldからの実行解Cの変
動は、ΔCmax以下に制限される。このように、実行
解Cの変動が抑えられていることにより、当該信号制
御システムの安定性が向上されている。
【0101】一方、基軸交差点1の青時間比の実行解
P1*:GP2*としては、制御パラメータ案X
含まれる青時間比GP1 :GP2 が使用される。既
述のように、青時間比GP1 :GP2 は、基軸交差
点1の現示Pkの現示負荷率λPk の比に一致し、 GP1 :GP2 =λP1 :λP2 , …式(7) である。
【0102】以後、基軸交差点1に設けられたローカ
ルステーション2は、サイクル長の実行解Cを基軸
交差点1のサイクル長として、且つ、青時間比の実行
解G P1*:GP2*を基軸交差点1の青時間比とし
て、基軸交差点1に設けられた信号灯器6の1サイク
ルの制御を実行する。
【0103】図5に示されているように、その1サイク
ルの制御が終了するまで、基軸交差点1に設けられた
ローカルステーション2は、基軸交差点1から隣接
交差点1αへの流入予測プロファイルと、リンクL
α→pについての基軸交差点1の流出可能プロファイ
ルとを逐次に作成して、隣接交差点1αのそれぞれに送
信する(ステップS08、S09)。
【0104】基軸交差点1から隣接交差点1αへの流
入予測プロファイルとは、基軸交差点1から隣接交差
点1αに向かうリンクLp→αの予測交通量である。図
12は、流入予測プロファイルの一例を示してている。
基軸交差点1から隣接交差点1αへの流入予測プロフ
ァイルとしては、基軸交差点1から隣接交差点1α
向かうリンクLp→αの、基軸交差点1の交差点流出
部11での予測交通量Qest p→α (t)が使用
される。基軸交差点1の制御パラメータの実行解X
に対応する予測交通量Qest p→α (t)が算出さ
れ、算出された予測交通量Qest p→α (t)が、
流入予測プロファイルとして使用される。制御パラメー
タの実行解Xに対応する予測交通量Qest p→α
(t)の算出方法は、基軸交差点1での平均遅れW
の算出方法において、記述された通りである。基軸交
差点1に設けられたローカルステーション2は、制
御パラメータの実行解Xに対応する予想交通量Q
est p→α (t)を流入予測プロファイルとして、
隣接交差点1αに設けられたローカルステーション2α
に送信する。
【0105】一方、流出可能プロファイルQout α
(t)とは、隣接交差点1αから基軸交差点1へのリ
ンクLα→pに設けられた停止線5α から車両が流出
可能な台数のプロファイルである。流出可能プロファイ
ルQout α (t)は、図13を参照して、以下のよ
うにして求められる。基軸交差点1において、リンク
α→pに対して通行権が与えられる時刻tでは、Q
out α (t)は、 Qout α (t)=Sα , …式(25) とされる。ここで、Sα とは、既述の通り、基軸交差
点1に設けられた停止線5α の飽和交通流率であ
る。基軸交差点1において、時刻tにおいてリンクL
α→pに対して通行権が与えられるか否かは、制御パラ
メータの実行解Xに基づいて決定される。
【0106】一方、基軸交差点1において、リンクL
α→pに対して通行権が与えられない時刻tでは、Q
out α (t)は、 Qout α (t)=0, …式(26) とされる。
【0107】基軸交差点1に設けられたローカルステ
ーション2は、このようにして求められた流出可能プ
ロファイルQout α (t)を隣接交差点1αに送信
する。
【0108】基軸交差点1に設けられたローカルステ
ーション2は、上述のステップS02〜S09までの
シーケンスをN回繰り返す(ステップS10:NO)。
Nは、2以上の自然数である。即ち、Nサイクルの間、
上述のステップS02〜S09に記述された制御が行わ
れる。Nサイクルの制御が完了した後、再度、基軸交差
点1に設けられたローカルステーション2は、上述
のステップS01と同一の過程により、新たに基軸交差
点1を選定する。基軸交差点は、Nサイクル毎に変更
されることになる。
【0109】続いて、基軸交差点以外の協調交差点に設
けられたローカルステーション2の動作を説明する。以
下では、協調交差点のうち、動作の説明の対象である協
調交差点を、対象交差点1と記載し、その対象交差点
に隣接する隣接交差点を隣接交差点1、1、…
と記載する。a、b、c…は、1以上n以下の整数であ
る。更に、対象交差点1、及び隣接交差点1
、…に設けられているローカルステーション2をロ
ーカルステーション2、2、2、…と記載する。
また、隣接交差点1、1、…を総称して、隣接交差
点1βと記載し、ローカルステーション2、2、2
、…を総称してローカルステーション2βと記載す
る。図15に示されている例では、βは、bとcとうち
の任意の一方である。以下では、ローカルステーション
の動作のみを説明するが、協調交差点に設けられた
全てのローカルステーション2の動作は、対象交差点1
に設けられたローカルステーション2の動作と同一
である。
【0110】図14は、協調交差点に設けられたローカ
ルステーション2の動作を示すフローチャートである。
図14に示されているように、対象交差点1に設けら
れたローカルステーション2は、その隣接交差点1β
に設けられた全てのローカルステーション2βから、流
入予測プロファイルQest β→a β(t)と、流出可
能プロファイルQout β(t)とを受信する(ステ
ップS11)。
【0111】図15を参照して、流入予測プロファイル
est β→a β(t)とは、隣接交差点1βから対象
交差点1に向かうリンクLβ→aの、隣接交差点1β
の交差点流出部11βでの予測交通量である。図16
は、流入予測プロファイルQ st β→a β(t)の一
例を示す。流入予測プロファイルQ
est β→a β(t)は、各隣接交差点1βによって算
出される。隣接交差点1βが基軸交差点1である場合
には、既述の、ローカルステーション2によって算出
された流入予測プロファイルが、流入予測プロファイル
est β→a β(t)として隣接交差点1βから送信
される。
【0112】一方、流出可能プロファイルQout β
(t)とは、対象交差点1から隣接交差点1βに向か
うリンクLa→βに設けられた、隣接交差点1βの停止
線5 βから車両が流出可能な台数のプロファイルであ
る。図17は、流出可能プロファイルQ
out β(t)を示す。隣接交差点1βにおいて、リ
ンクLa→βに対して通行権が与えられる時刻tでは、
out β(t)は、 Qout β(t)=S β,, …式(27) であり、隣接交差点1βにおいて、リンクLa→βに対
して通行権が与えられない時刻tでは、Q
out β(t)は、 Qout β(t)=0, …式(28) である。ここでS βは、隣接交差点1βに設けられた
停止線5 βの飽和交通流率である。隣接交差点1β
基軸交差点1である場合には、既述の、ローカルステ
ーション2によって算出された流出可能プロファイル
が、流出可能プロファイルQout β(t)としてロ
ーカルステーション2から送信される。
【0113】隣接交差点1βから受信した流入予測プロ
ファイルQest β→a β(t)と、流出可能プロファ
イルQout β(t)とは、対象交差点1の制御パ
ラメータの実行解Yの決定に使用される。この流入予
測プロファイルQest β→ β(t)と、流出可能プ
ロファイルQout β(t)とは、隣接交差点1β
制御パラメータを反映している。従って、流入予測プロ
ファイルQest β→ β(t)と、流出可能プロファ
イルQout β(t)とに基づいて対象交差点1
制御パラメータの実行解Yが決定されることにより、
対象交差点1の制御パラメータの実行解Yは、隣接
交差点1βの制御パラメータに協調して決定されること
になる。
【0114】続いて、ローカルステーション2は、対
象交差点1の制御パラメータ案を27個作成する(ス
テップS12)。制御パラメータ案は、互いに異なる。
以下、作成された制御パラメータ案は、Y〜Y27
記載される。制御パラメータ案Y〜Y27は、それぞ
れ、現示P1の長さである第1現示時間tP1、現示P
2の長さである第2現示時間tP2、及びデルタ時間Δ
tから構成されている。対象交差点1のサイクル長
は、tP1+tP2となり、対象交差点1の青時間比
は、tP1:tP2になる。デルタ時間Δtとは、オフ
セットの調整のために現時点の現示に付加される時間で
ある。図18に示されているように、現時点が、現示P
2である場合、現示P2の長さがtP2+Δtに延長さ
れる。同様に、現時点が、現示P1である場合、現示P
1の長さがtP1+Δtに延長される。以下では、制御
パラメータ案Y〜Y27のうちの制御パラメータ案Y
の第1現示時間tP1、第2現示時間tP2、及びデ
ルタ時間Δtは、それぞれ、tP1 、tP2 、Δt
と記載される。
【0115】制御パラメータ案Y〜Y27は、直前に
対象交差点1の制御のために使用されている制御パラ
メータの実行解Y oldをベースとして作成される。
より詳細には、制御パラメータ案Y〜Y27の第1現
示時間tP1、第2現示時間tP2、及びデルタ時間Δ
tは、それぞれ、制御パラメータの実行解Y old
第1現示時間tP1* old、第2現示時間tP2*
old、及びデルタ時間Δt oldに基づいて定めら
れる。図19に示されているように、制御パラメータ案
〜Y27の第1現示時間tP1は、
P1* old、tP1* old+δ、及びtP1*
old−δのいずれかである。制御パラメータ案Y
の第2現示時間tP2は、tP2* old、t
P2* old+δ、及びtP2 old−δ(s)のい
ずれかである。制御パラメータ案Y〜Y27のデルタ
時間Δtは、Δt old(s)、Δt old+δ
(s)、及びΔt old−δ(s)のいずれかであ
る。制御パラメータ案の第1現示時間tP1、第2現示
時間tP2、及びデルタ時間Δtの決定に使用されるδ
は、当該信号制御システムの管理者によって与えられる
値であり、典型的には、5(s)である。第1現示時間
P1、第2現示時間tP2、及びデルタ時間Δtの互
いに異なる組み合わせが、制御パラメータ案Y〜Y
27に定められる。
【0116】図19に示されているように、制御パラメ
ータ案Y〜Y27のうちの制御パラメータ案Yは、
直前に対象交差点1の制御のために使用されている制
御パラメータの実行解Y oldに一致している。一
方、制御パラメータ案Y〜Y 27のうちの制御パラメ
ータ案Y以外のものは、第1現示時間tP1、第2現
示時間tP2及びデルタ時間Δtのいずれかにおいて、
制御パラメータの実行解Y oldと異なっている。
【0117】続いて、図14に示されているように、制
御パラメータ案Y〜Y27のうち、下記の条件(a)
〜(c)のいずれか一つでも満足しないものが廃棄され
る(ステップS13)。 条件(a):下記不等式: tP1 ≧tMIN、且つ、tP2 ≧tMIN,, …式(29) を満足すること。ここで、tMINは、所定の最小現示
時間であり、典型的には、20(s)である。
【0118】条件(b):下記不等式: tP1 +tP2 ≦Cmax,, …式(30) を満足すること。ここで、Cmaxは、既述の最大サイ
クル長であり、典型的には、180(s)である。
【0119】条件(c):対象交差点1の全ての流入
リンクLj→aについて、下記不等式を満足すること。 (G −Y)・S ≧Qj→a・C, …式(31)
【0120】ここで、式(31)の左辺のG は、流
入リンクLj→pに対して与えられる青時間の長さであ
り、流入リンクLj→aが、現示Pkにおいて通行権が
与えられる流入リンクである場合、 G =tPk , である。また、式(31)のYは、制御シーケンスの1
サイクルあたりの余裕時間(損失時間)であり、所定の
一定値である。Yは、典型的には、2.5(s)であ
る。S は、上述の通り、対象交差点1への流入リ
ンクLj→aに設けられた停止線5 の飽和交通流率
(台/s)である。
【0121】また、式(31)の右辺のQj→aは、流
入リンクLj→aの交通量である。交通量Qj→aは、
過去の所定の計測期間の間に、流入リンクLj→aを介
して対象交差点1に流入した車両の台数nin j→a
(台)を、その計測時間の長さTで割ることにより算出
される。即ち、交差点1への流入リンクLj→aの交
通量Qj→aは、 Qj→a=nin j→a/T, …式(32) で算出される。
【0122】式(31)は、対象交差点1の停止線5
に捌け残りが発生しない条件である。なぜなら、式
(31)の左辺は、対象交差点1の停止線5 から
流出可能な車両の台数を意味し、右辺は対象交差点1
の停止線5 に到着する車両の台数を意味するからで
ある。従って、式(31)を満足しない制御パラメータ
案が廃棄されることにより、対象交差点1の停止線5
に捌け残りが発生しないような制御パラメータ案の
みが、制御パラメータの実行解Yの決定に使用される
ことになる。
【0123】続いて、ローカルステーション2は、制
御パラメータ案Y〜Y27のうち、条件(a)〜
(c)の全てを満足したもの(以下、「条件満足制御パ
ラメータ案」という。)のそれぞれについて、その条件
満足制御パラメータ案に従って対象交差点1が制御さ
れたと仮定したときの、対象交差点1への全ての流入
リンクLj→aに設けられた停止線5 での平均遅れ
の予想値W を算出する(ステップS14)。図15
に示されている例では、対象交差点1aに設けられた停
止線5 、5 、5E1 、及び5E2 での平均
遅れの予想値W 、W 、WE1 、及びWE2
が算出される。
【0124】図20を参照して、対象交差点1の全て
の停止線5 のうち、隣接交差点1βから対象交差点
への流入リンクLβ→aに設けられた停止線5β
での平均遅れの予想値Wβ の算出は、以下のようにし
て行われる。まず、対象交差点1に設けられたローカ
ルステーション2は、隣接交差点1βのリンクLβ
→aへの交差点流出部11βに設けられた流出部感知器
βにより測定された、リンクLβ→aの交差点流出部
11βでの交通量の実測値Qdet β→a β(t)を、
隣接交差点1βに設けられたローカルステーション2β
から取得する。
【0125】続いて、ローカルステーション2は、交
差点流出部11βでの交通量の実測値Qdet β→a β
(t)と、流入予測プロファイルQ
est β→a β(t)とを組み合せて、リンクLβ→a
の交差点流出部11βでの実測/予測交通量プロファイ
ルQd/e β→a β(t)を作成する。現時点をt=0
として、実測/予測交通量プロファイルQd/e β→a
β(t)は、 Qd/e β→a β(t)=Qdet β→a β(t), (t<0) …式 (33) Qd/e β→a β(t)=Qest β→a β(t), (t≧0) …式 (34) である。
【0126】続いて、ローカルステーション2は、交
差点流出部11βでの実測/予測交通量プロファイルQ
d/e β→a β(t)を走行時間tβ⇔a(=lβ⇔a
/v,vは、所定の系統速度)だけシフトして、リンク
β→aの停止線5β での実測/予測交通量プロファ
イルQd/e β→a (t)を算出する。即ち、停止線
β での実測/予測交通量プロファイルQd/e
β→a (t)は、 Qd/e β→a (t)=Qd/e β→a β(t−tβ⇔a), …式( 35) で求められる。
【0127】更に、リンクLβ→aの停止線5β での
実測/予測交通量プロファイルQ /e β→a (t)
を時間について積分して、停止線5β への到着累加台
数N in β (t)が求められる。更に、実測/予測交
通量プロファイルQd/e β →a (t)の時間につい
ての積分と、制御パラメータ案Yに示された対象交差
点1のサイクル長、及び青時間比とから、停止線5β
からの出発累加台数Nout β (t)が求められ
る。
【0128】続いて、現時点(t=0)から、将来の所
定の時刻(t=test)までの流入予測期間内に、停
止線5β で発生する遅れの総和(総遅れ)Dβ が算
出される。総遅れDβ は、上述の到着累加台数Nin
β (t)と出発累加台数N out β (t)とを用い
て、
【数14】 …式(36) により算出される。
【0129】更に、停止線5β の平均遅れの予想値W
β が下記式:
【数15】 …式(37) により算出される。
【0130】一方、対象交差点1の全ての停止線5
のうち、制御エリア10の外部から対象交差点1
の流入リンクLEk→aに設けられた停止線5Ek
の平均遅れの予想値WEk の算出には、制御エリア1
0の外部にローカルステーションが存在しないため、流
入予測プロファイルは使用できない。そこで、リンクL
β→aの停止線5β での実測/予測交通量プロファイ
ルQd/e β→a (t)は、流入予測プロファイルを
使用せず、以下のようにして行われる。
【0131】停止線5Ek での平均遅れの予想値W
Ek の算出では、図21に示されているように、停止
線5Ek に、一様な交通量QEk→aで車両が到着す
ると仮定される。即ち、停止線5Ek での実測/予測
交通量プロファイルQd/e k→a E1(t)が Qd/e Ek→a Ek(t)=QEk→a, …式(38) であると仮定される。ここで、交通量QEk→aは、過
去の所定の計測期間の間に、流入リンクLEk→aを介
して対象交差点1に流入した車両の台数nin
Ek→a(台)を、その計測時間の長さTで割ることに
より算出されたものである。即ち、交通量Q
Ek→aは、 QEk→a=nin Ek→a/T, …式(39) で算出される。流入リンクLEk→aを介して対象交差
点1に流入した車両の台数nin Ek→aは、流入リ
ンクLEk→aに設けられた上流感知器8によって測定
される。
【0132】以下、停止線5Ek での実測/予測交通
量プロファイルQd/e Ek→a (t)を用いて、
上述と同様にして停止線5Ek での総遅れDEk
及び平均遅れの予想値WEk が算出される。即ち、リ
ンクLEk→aの停止線5 での実測/予測交通量
プロファイルQd/e Ek→a (t)を時間について
積分して、停止線5Ek への到着累加台数Nin Ek
(t)が求められ、実測/予測交通量プロファイルQ
d/e Ek→a (t)の時間についての積分と、制御
パラメータ案Yに示された対象交差点1のサイクル
長、及び青時間比とから、停止線5Ek からの出発累
加台数Nout Ek (t)が求められる。更に、停止
線5Ek での総遅れDEk
【数16】 …式(40) により算出され、停止線5Ek の平均遅れの予想値W
Ek が下記式:
【数17】 …式(41) により算出される。
【0133】以上の過程により、対象交差点1の全て
の停止線5 について、平均遅れW が算出され
る。
【0134】続いて、ローカルステーション2は、上
述の条件満足制御パラメータ案のそれぞれについて、そ
の条件満足制御パラメータ案に従って対象交差点1
制御されたと仮定したときの、対象交差点1から隣接
交差点1βへの流出リンクL a→βに設けられた、隣接
交差点1βの停止線5 βでの平均遅れの予想値W β
を算出する(ステップS15)。図15に示されている
例では、隣接交差点1 に設けられた停止線5 での
平均遅れの予想値W と、隣接交差点1に設けられ
た停止線5 での平均遅れの予想値W が算出され
る。
【0135】隣接交差点1βの、流出リンクLa→β
設けられた停止線5 βでの平均遅れの予想値W β
算出は、以下のようにして行われる。
【0136】図22を参照して、ローカルステーション
は、隣接交差点1βへの流出リンクLa→βの、交
差点流出部11での交通量の実測値Qdet a→β
(t)を、対象交差点1のリンクLa→βへの交差点
流出部11に設けられた流出部感知器9を用いて測定
する。現時点を時刻t=0としているから、交差点流出
部11での交通量の実測値Qdet a→β (t)
は、t<0でのみ値を有している。
【0137】更に、ローカルステーション2は、上述
された、停止線5β での実測/予測交通量プロファイ
ルQd/e β→a (t)と、制御パラメータ案Y
示された対象交差点1のサイクル長、及び青時間比と
から、将来における交差点流出部11での予測交通量
est β→a (t)を算出する。予測交通量Q
st β→a (t)は、t≧0でのみ定義されている。
【0138】ローカルステーション2は、交差点流出
部11での交通量の実測値Qde a→β (t)
と、交差点流出部11での予測交通量Qest β→a
(t)とを組み合せて、流出リンクLa→βの交差点
流出部11での実測/予測交通量プロファイルQ
d/e a→β (t)を作成する。現時点をt=0とし
て、流出リンクLa→βの交差点流出部11での実測
/予測交通量プロファイルQ d/e a→β (t)は、 Qd/e a→β (t)=Qdet a→β (t), (t<0) …式 (42) Qd/e a→β (t)=Qest a→β (t), (t≧0) …式 (43) である。
【0139】続いて、ローカルステーション2は、交
差点流出部11での実測/予測交通量プロファイルQ
d/e a→β (t)を、走行時間tβ⇔a(=l
β⇔a/v,vは、所定の系統速度)だけシフトして、
リンクLa→βの停止線5 βでの実測/予測交通量プ
ロファイルQd/e a→β β(t)を算出する。即ち、
停止線5 βでの実測/予測交通量プロファイルQ
d/e a→β β(t)は、 Qd/e a→β (t)=Qd/e a→β (t−tβ⇔a), …式( 44) で求められる。
【0140】更に、ローカルステーション2は、リン
クLa→βの停止線5 βでの実測/予測交通量プロフ
ァイルQd/e a→β β(t)を時間について積分し
て、停止線5 βへの到着累加台数Nin β(t)を
求める。更に、ローカルステーション2は、実測/予
測交通量プロファイルQd/e a→β β(t)の時間に
ついての積分と、上述の流出可能プロファイルQout
β(t)とから、停止線5 βからの出発累加台数N
out β(t)を求める。
【0141】続いて、ローカルステーション2は、現
時点(t=0)から、将来の所定の時刻(t=
est)までの流入予測期間内に、隣接交差点1β
停止線5 βで発生する総遅れD βを算出する。総遅
れD βは、上述の到着累加台数N β(t)と出
発累加台数Nout β(t)とを用いて、
【数18】 …式(45) により算出される。
【0142】更に、ローカルステーション2は、隣接
交差点1βの停止線5 βの平均遅れの予想値W
βを、下記式:
【数19】 …式(46) により算出する。
【0143】続いて、図14に示されているように、ロ
ーカルステーション2は、上述の条件満足制御パラメ
ータ案から、一の制御パラメータ案を選択し、新たな制
御パラメータ案の実行解とする。制御パラメータ案の選
択は、下記式:
【数20】 …式(47) で定義される評価関数F’(Y)に基づいて行われ
る。ここで、評価関数F’(Y)の第1項のΣは、対
象交差点1の全ての流入リンクについての和であり、
評価関数F’(Y)の第2項のΣは、対象交差点1
から隣接交差点1βに向かう全ての流出リンクLa→β
についての和である。条件満足制御パラメータ案のう
ち、評価関数F’(Y)を最小とするものが、新たな
制御パラメータ案の実行解Yとされる。
【0144】評価関数F’(Y)の第1項のa
は、対象交差点1の停止線5 での平均遅れW
のそれぞれについて、与えられた重み係数である。
重み係数a は、停止線5 が設けられるリンクL
j→aの種類に応じて異なる値が与えられる。より詳細
には、停止線5 が設けられているリンクL
j→aが、隣接交差点1βから対象交差点1に向かう
リンクであり、且つ、その隣接交差点1βが、対象交差
点1から基軸交差点への距離を最短にする最短経路の
上にある場合、重み係数a はa1(>0)とされ、
その他の場合、重み係数a は、a1より小さいa2
(>0)とされる。その他の場合とは、停止線5
設けられているリンクLj→aが、隣接交差点1βから
対象交差点1に向かうリンクであるが、その隣接交差
点1βが、対象交差点1から基軸交差点への距離を最
短にする最短経路の上にない場合と、リンクLj→a
制御エリア10の外部からのリンクLEk→aである場
合の2つの場合がある。a1は、典型的には、1.0で
あり、a2は、典型的には、0.5である。対象交差点
から基軸交差点への距離を最短にする最短経路の上
にある隣接交差点1βから対象交差点1に向かうリン
クLβ に設けられた停止線5β に対しては、より大
きな重み係数a が与えられる。
【0145】例えば、図15に示されているように、隣
接交差点1が、対象交差点1から基軸交差点への距
離を最短にする最短経路の上にある場合、隣接交差点1
から対象交差点1に向かうリンクLb→aに設けら
れた停止線5 での平均遅れW の重み係数a
は、a1と定められ、他の停止線5 、5E1a、及
び5E2 それぞれでの平均遅れW 、WE1a、及
びWE2 の重み係数a は、a2と定められる。
【0146】このように、対象交差点1から基軸交差
点への距離を最短にする最短経路の上にある隣接交差点
βから対象交差点1に向かうリンクLβ に設けら
れた停止線5β に対しては、より大きな重み係数a
が与えられることにより、対象交差点1の制御パラ
メータと、基軸交差点の制御パラメータとの連携が強化
され、安定的な信号制御が実現される。
【0147】第1項のa と同様に、評価関数F’
(Y)の第2項のa βは、隣接交差点1βの停止線
βでの平均遅れW βのそれぞれについて、与えら
れた重み係数である。重み係数a と同様に、重み係
数a βは、停止線5 βが設けられるリンクLβ→a
の種類に応じて異なる値が与えられる。隣接交差点1β
が、対象交差点1から基軸交差点への距離を最短にす
る最短経路の上にある場合、重み係数aβ はa1(>
0)とされ、そうでない場合、重み係数aβ は、a1
より小さいa2(>0)とされる。
【0148】例えば、図15に示されているように、隣
接交差点1が、対象交差点1から基軸交差点への距
離を最短にする最短経路の上にある場合、対象交差点1
から隣接交差点1に向かうリンクLa→bに設けら
れた隣接交差点1の停止線5 での平均遅れW
の重み係数a は、a1と定められ、隣接交差点1
の停止線5 での平均遅れW の重み係数a
は、a2と定められる。
【0149】このように、隣接交差点1βが対象交差点
から基軸交差点への距離を最短にする最短経路の上
にある場合に、重み係数a βが大きな値に定められる
ことにより、対象交差点1の制御パラメータと、基軸
交差点の制御パラメータとの連携が強化され、安定的な
信号制御が実現される。
【0150】評価関数F’(Y)の第3項のP
(Y)は、制御パラメータ案Yが、直前に対象交差
点1の制御に使用されている制御パラメータの実行解
oldに一致するか否かに応じて定められるペナル
ティー項である。制御パラメータ案Yが、直前に対象
交差点1の制御に使用されている制御パラメータの実
行解Y oldに一致する場合、P(Y)は0をと
り、制御パラメータ案Yが、直前の制御パラメータの
実行解Yに一致しない場合、P(Y)は、所定値P
pre(>0)をとる。
【0151】このようなペナルティー項P(Y)が、
評価関数F’(Y)に付加されていることにより、制
御パラメータの実行解Yが頻繁に変更されることが防
がれ、より安定的な信号制御が実現されている。
【0152】ローカルステーション2は、評価関数
F’(Y)を最小とする制御パラメータ案を新たな制
御パラメータ案の実行解Yと定め、定められた制御パ
ラメータの実行解Yに従って、対象交差点1に設け
られた信号灯器6を制御する。新たな制御パラメータの
実行解Yに基づく信号灯器6の制御は、5秒間継続さ
れる。
【0153】続いて、図14に示されているように、ロ
ーカルステーション2は、制御パラメータ案の実行解
から、対象交差点1から隣接交差点1βへの流入
予測プロファイルと、リンクLβ→aについての対象交
差点1の流出可能プロファイルとを作成する(ステッ
プS17)。作成された流入予測プロファイルと流出可
能プロファイルとは、隣接交差点1βからの要求(ステ
ップS11)に応じて、隣接交差点1βに送られる。
【0154】図22を参照して、対象交差点1から隣
接交差点1βへの流入予測プロファイルとしては、対象
交差点1から隣接交差点1βに向かうリンクLa→β
の、交差点流出部11での実測/予測交通量プロファ
イルQd/e a→β (t)が使用される。対象交差点
に設けられたローカルステーション2は、対象交
差点1の制御パラメータの実行解Xに対応する実測
/予測交通量プロファイルQd/e a→β (t)を算
出し、算出した実測/予測交通量プロファイルQd/e
a→β (t)を、流入予測プロファイルとして使用す
る。制御パラメータの実行解Yに対応する実測/予測
交通量プロファイルQd/e a→β (t)の算出方法
は、隣接交差点1βでの平均遅れW βの算出方法にお
いて既述された通りである。。
【0155】一方、リンクLβ→aについての対象交差
点1の流出可能プロファイルQ ut β (t)は、
図17を参照して、以下のようにして求められる。ま
ず、制御パラメータの実行解Yに基づいて、対象交差
点1においてリンクLβ→aに対して通行権が与えら
れる時間が求められる。流出可能プロファイルQout
β (t)は、対象交差点1においてリンクLβ→a
に対して通行権が与えられる時刻tにおいて、 Qout β (t)=Sβ , …式(48) と定められ、対象交差点1において、リンクLβ→a
に対して通行権が与えられない時刻tでは、Qout β
(t)は、 Qout β (t)=0, …式(49) と定められる。ここで、Sβ は、既述の通り、対象交
差点1に設けられた停止線5β の飽和交通流率であ
る。
【0156】対象交差点1に設けられたローカルステ
ーション2は、このようにして求められた流入予測プ
ロファイルと流出可能プロファイルとを、隣接交差点1
βの要求に応じて隣接交差点1βに送信する。
【0157】上述のステップS11〜S17は、対象交
差点1が協調交差点である限り継続して実行される。
【0158】本実施の形態の自律分散型信号制御システ
ムでは、各交差点1に設けられたローカルステーション
2が、自律的に自交差点の制御パラメータを決定し、こ
れにより、一の装置の計算負荷が過重にならない自律分
散型信号制御システムが実現されている。このとき、制
御エリア10の内部にある交差点1のうち、最も混雑し
ていると推定される一の交差点が、基軸交差点と定めら
れ、その基軸交差点の制御パラメータは、基軸交差点及
びその隣接交差点での信号遅れを最小化するように決定
される。これにより、最も混雑しているエリアの混雑の
解消が図られている。一方、基軸交差点以外の協調交差
点の制御パラメータが、基軸交差点の制御パラメータに
直接的に、又は、間接的に協調して決定され、これによ
って当該自律分散型信号制御システム全体の安定性の確
保が図られている。
【0159】更に、本実施の形態の自律分散型信号制御
システムでは、基軸交差点1の制御パラメータの実行
解Xを決定する際に、制御パラメータ案Xに含まれ
る候補オフセットOp→α が、基軸交差点1と隣接
交差点1αとの距離lp⇔α、及び候補サイクル長C
から一意に決定されている。これにより、基軸交差点1
の制御パラメータ案の数が削減され、基軸交差点1
に設けられたローカルステーション2の演算の負荷が
軽減されている。
【0160】更に、本実施の形態の自律分散型信号制御
システムでは、協調交差点の制御パラメータの実行解Y
を決定する際に、制御パラメータ案Y〜Y27のう
ち、上述の条件(a)〜(c)のうちいずれか一つでも
満足しないものが廃棄され、制御パラメータの実行解Y
の決定に使用されない。これにより、対象交差点1
に設けられたローカルステーション2の演算の負荷が
軽減されている。
【0161】このとき、条件(c)を既定する不等式: (G −Y)・S ≧Qj→a・C, …式(31) を満足しない制御パラメータ案Yが廃棄されることに
より、対象交差点1の停止線5 における捌け残り
の発生が抑制されている。
【0162】更に、本実施の形態の自律分散型信号制御
システムでは、協調交差点の制御パラメータの実行解Y
を決定する際に、重み係数a 、aβ を有する評
価関数F’(Y)が使用される。重み係数a は、
リンクLj→aが対象交差点1から基軸交差点への距
離を最短にする最短経路の上にあるときに大きな値に設
定され、且つ、重み係数a βは、リンクLa→βが対
象交差点1から基軸交差点への距離を最短にする最短
経路の上にあるときに大きな値に設定される。これによ
り、対象交差点1の制御パラメータと、基軸交差点の
制御パラメータとの連携が強化され、安定的な信号制御
が実現されている。
【0163】更に、本実施の形態の自律分散型信号制御
システムでは、協調交差点の制御パラメータの実行解Y
を決定する際に、ペナルティー項P(Y)を含む評
価関数F’(Y)が使用されている。ペナルティー項
P(Y)により、制御パラメータの実行解Yの頻繁
な変更が防止され、これによって安定的な信号制御が実
現されている。
【0164】本実施の形態の自律分散型信号制御システ
ムにおいては、上述されているように、基軸交差点に設
けられているローカルステーション2が、新たな基軸交
差点を選定するが、基軸交差点の選定は、上述のセンタ
ーステーション4によって実行されることも可能であ
る。この場合、センターステーション4は、各交差点1
の交差点負荷率λを収集し、最も交差点負荷率λ
が高い交差点を基軸交差点と選定する。センターステー
ション4は、基軸交差点に設けられたローカルステーシ
ョン2に、自交差点1が基軸交差点に選定された旨
を通知し、更に、他のローカルステーション2に、自交
差点が協調交差点に定められた旨を通知する。
【0165】
【発明の効果】本発明により、一の装置の計算負荷が過
重になることなく、制御パラメータの最適な決定を可能
にする技術が提供される。
【0166】また、本発明により、制御パラメータの決
定に必要な計算量を減少するための技術が提供される。
【0167】また、本発明により、信号制御システムの
動作の安定性を高めるための技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による自律分散型信号制御シス
テムの実施の第1形態を示す。
【図2】図2は、交差点1を示す。
【図3】図3は、交差点番号が与えられた交差点1
11を示す。
【図4】図4は、リンクLi→j、及び停止線5
定義を示す。
【図5】図5は、基軸交差点に設けられたローカルステ
ーションの動作を示す。
【図6】図6は、現示負荷率λPk を示す。
【図7】図7は、車両台数nin j→iの計測期間を示
す。
【図8】図8は、基軸交差点及び隣接交差点での平均遅
れの算出方法を説明するための図である。
【図9】図9は、候補オフセットを決定する関数f
OFFを示す。
【図10】図10は、基軸交差点1の停止線5
の平均遅れの予想値W の算出方法を説明するための
図である。
【図11】図11は、隣接交差点1αの停止線5 α
の平均遅れの予想値W αの算出方法を説明するための
図である。
【図12】図12は、流入予測プロファイルQest
p→α (t)を示す。
【図13】図13は、流出予測プロファイルQout α
(t)を示す。
【図14】図14は、協調交差点に設けられたローカル
ステーションの動作を示すフローチャートである。
【図15】図15は、対象交差点及びその隣接交差点で
の平均遅れの算出方法を説明するための図である。
【図16】図16は、流入予測プロファイルQest
β→a (t)を示す。
【図17】図17は、流出可能プロファイルQout
β(t)を示す。
【図18】図18は、制御パラメータ案Yに含まれる
第1現示時間、第2現示時間、及びデルタ時間の内容を
説明する図である。
【図19】図19は、制御パラメータ案Y〜Y27
説明する図である。
【図20】図20は、対象交差点1の、隣接交差点1
βからの流入リンクLβ→aにある停止線5β での平
均遅れの予測値Wβ の算出方法を示す図である。
【図21】図21は、対象交差点1の、制御エリア1
0の外部からの流入リンクLEk →aにある停止線5
Ek での平均遅れの予測値WEk の算出方法を示す
図である。
【図22】図22は、隣接交差点1βの停止線5 β
の平均遅れの予測値W βの算出方法を示す図である。
【符号の説明】
1:交差点 2:ローカルステーション 3:通信回線 4:センターステーション 5:停止線 6:信号灯器 7:停止線感知器 8:上流感知器 9:流出部感知器 10:制御エリア 11:交差点流出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 久治 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 Fターム(参考) 5H180 AA01 DD02 JJ02 JJ05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御エリア内にある交差点に一対一に対
    応して設けられたローカルステーションと、 前記交差点のうちから交通状態に応じて基軸交差点を選
    択する基軸交差点決定手段とを備え、 前記ローカルステーションのうち、前記基軸交差点に対
    応して設けられた基軸ローカルステーションは、 (a)前記基軸交差点と前記基軸交差点に隣接する隣接
    交差点とを制御する制御パラメータの案である基軸/隣
    接交差点制御パラメータ案を複数定め、 (b)前記基軸/隣接交差点制御パラメータ案のそれぞ
    れについて、前記基軸交差点での平均遅れの予想値と、
    前記隣接交差点での平均遅れの予想値とを算出し、 (c)前記基軸/隣接交差点制御パラメータ案のうち、
    前記基軸交差点での平均遅れの予想値と前記隣接交差点
    での平均遅れの予想値との和を最小にするものに基づい
    て、前記基軸交差点の基軸交差点制御パラメータを決定
    し、且つ、 (d)前記基軸交差点制御パラメータに基づいて、前記
    基軸交差点に設けられた信号灯器を制御し、 前記ローカルステーションのうち、前記基軸交差点以外
    である協調交差点に対応して設けられた協調ローカルス
    テーションのそれぞれは、 (e)それぞれが対応する自交差点の自交差点制御パラ
    メータを、前記自交差点に隣接する隣接交差点を制御す
    るための隣接交差点制御パラメータに協調しながら前記
    自交差点の交通状態に基づいて順次に作成し、且つ、 (f)作成した前記自交差点制御パラメータに基づい
    て、前記自交差点に設けられた信号灯器を制御する自律
    分散型信号制御システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の自律分散型信号制御シ
    ステムにおいて、 前記基軸/隣接交差点制御パラメータ案のそれぞれは、 前記基軸交差点と前記隣接交差点とのサイクル長の候補
    である候補サイクル長と、 前記隣接交差点のそれぞれと前記基軸交差点とのオフセ
    ットの候補である候補オフセットとを含み、 前記候補オフセットは、前記隣接交差点と前記基軸交差
    点との距離と、前記候補サイクル長とから、一意に定め
    られた自律分散型信号制御システム。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の自律分散型信号制御シ
    ステムにおいて、 前記協調ローカルステーションのそれぞれは、 (g)制御パラメータ決定時間の直前に定められている
    前記自交差点の制御パラメータに基づいて、複数の協調
    交差点制御パラメータ案を作成し、 (h)前記協調交差点制御パラメータ案のうち、所定の
    条件を満足しないものを除いて条件満足制御パラメータ
    案を作成し、 (i)前記自交差点での平均遅れの予測値と、前記自交
    差点に隣接する隣接交差点での平均遅れの予測値との関
    数である評価関数の関数値に基づいて、前記条件満足制
    御パラメータ案のうちの一を前記自交差点の制御パラメ
    ータとして採用し、 (j)前記制御パラメータ決定時間以降、採用された前
    記自交差点の制御パラメータに基づいて、前記自交差点
    に設けられた信号灯器を制御する自律分散型信号制御シ
    ステム。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の自律分散型信号制御シ
    ステムにおいて、 前記条件は、前記協調交差点制御パラメータ案に示され
    ている現示時間のそれぞれが、所定の最小現示時間以上
    であるという第1条件を含む自律分散型信号制御システ
    ム。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の自律分散型信号制御シ
    ステムにおいて、 前記条件は、前記協調交差点制御パラメータ案に示され
    たサイクル長が、所定の最大サイクル長以下であるとい
    う第2条件を含む自律分散型信号制御システム。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の自律分散型信号制御シ
    ステムにおいて、 前記条件は、前記自交差点への全ての流入リンクについ
    て、 (G−Y)・S≧Q・C, G:前記流入リンクに対して与えられる青時間の長さ Y:所定の余裕時間 S:前記流入リンクに設けられた。前記自交差点の停止
    線の飽和交通流率 Q:前記流入リンクの交通量 C:前記協調交差点制御パラメータ案に示されたサイク
    ル長 を満足するという第3条件を含む自律分散型信号制御シ
    ステム。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の自律分散型信号制御シ
    ステムにおいて、前記協調ローカルステーションのそれ
    ぞれは、 (k)制御パラメータ決定時間の直前に定められている
    前記自交差点の制御パラメータに基づいて、複数の制御
    パラメータ案を作成し、 (l)前記制御パラメータ案のそれぞれについて、前記
    自交差点の平均遅れの予想値と前記自交差点に隣接する
    隣接交差点の平均遅れの予想値とを算出し、 (m)前記自交差点での平均遅れの予想値と前記隣接交
    差点での平均遅れの予想値との関数である評価関数の関
    数値に基づいて、前記制御パラメータ案のうちの一を前
    記自交差点の制御パラメータとして採用し、 (n)前記制御パラメータ決定時間以降、採用された前
    記自交差点の制御パラメータに基づいて、前記自交差点
    に設けられた信号灯器を制御し、 前記制御パラメータ案は、前記制御パラメータ決定時間
    の直前に定められている前記自交差点の制御パラメータ
    と同一である直前同一制御パラメータ案を含み、 前記評価関数は、前記制御パラメータ案が直前同一制御
    パラメータ案であるか否かに応じて値が定められるペナ
    ルティー項を有する自律分散型信号制御システム。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の自律分散型信号制御シ
    ステムにおいて、 前記協調ローカルステーションのそれぞれは、 (k)制御パラメータ決定時間の直前に定められている
    前記自交差点の制御パラメータに基づいて、複数の制御
    パラメータ案を作成し、 (l)前記制御パラメータ案のそれぞれについて、前記
    自交差点の平均遅れの予想値と前記自交差点に隣接する
    隣接交差点の平均遅れの予想値とを算出し、 (m)前記自交差点の平均遅れの予想値と前記隣接交差
    点の平均遅れの予想値との関数である評価関数の関数値
    に基づいて、前記制御パラメータ案のうちの一を前記自
    交差点の制御パラメータとして採用し、 (n)前記制御パラメータ決定時間以降、採用された前
    記自交差点の制御パラメータに基づいて、前記自交差点
    に設けられた信号灯器を制御し、 前記自交差点の平均遅れの予想値は、前記自交差点と前
    記基軸交差点とを結ぶ最短経路上にある基軸交差点側隣
    接交差点から前記自交差点に向かう基軸交差点側流入リ
    ンクでの平均遅れの予想値である基軸交差点側流入リン
    ク平均遅れ予想値を含み、 前記評価関数には、前記自交差点での平均遅れの予想値
    のそれぞれについて、重み係数が与えられ、 前記自交差点での平均遅れの予想値のうち、前記基軸交
    差点側流入リンク平均遅れ予想値に与えられている重み
    係数と、他に与えられている重み係数とは異なる自律分
    散型信号制御システム。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の自律分散型信号制御シ
    ステムにおいて、前記協調ローカルステーションのそれ
    ぞれは、 (j)制御パラメータ決定時間の直前に定められている
    前記自交差点の制御パラメータに基づいて、複数の制御
    パラメータ案を作成し、 (k)前記制御パラメータ案のそれぞれについて、前記
    自交差点の平均遅れの予想値と前記自交差点に隣接する
    隣接交差点の平均遅れの予想値とを算出し、 (l)前記自交差点の平均遅れの予想値と前記隣接交差
    点の平均遅れの予想値との関数である評価関数の関数値
    に基づいて、前記制御パラメータ案のうちの一を前記自
    交差点の制御パラメータとして採用し、 (m)前記制御パラメータ決定時間以降、採用された前
    記自交差点の制御パラメータに基づいて、前記自交差点
    に設けられた信号灯器を制御し、 前記隣接交差点の平均遅れの予想値は、前記自交差点と
    前記基軸交差点とを結ぶ最短経路の上にある基軸交差点
    側隣接交差点への流出リンクでの平均遅れの予想値であ
    る基軸交差点側流出リンク平均遅れ予想値を含み、 前記評価関数には、前記隣接交差点での平均遅れの予想
    値のそれぞれについて、重み係数が与えられ、 前記隣接交差点での平均遅れの予想値のうち、前記基軸
    交差点側流出リンク平均遅れ予想値に与えられている重
    み係数と、他に与えられている重み係数とは異なる自律
    分散型信号制御システム。
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