JP2003270611A - 光偏向素子、該偏向素子を用いた光偏向装置、および画像表示装置 - Google Patents

光偏向素子、該偏向素子を用いた光偏向装置、および画像表示装置

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JP2003270611A
JP2003270611A JP2002075478A JP2002075478A JP2003270611A JP 2003270611 A JP2003270611 A JP 2003270611A JP 2002075478 A JP2002075478 A JP 2002075478A JP 2002075478 A JP2002075478 A JP 2002075478A JP 2003270611 A JP2003270611 A JP 2003270611A
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liquid crystal
light
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Toshiaki Tokita
才明 鴇田
Hiroyuki Sugimoto
浩之 杉本
Yoshirou Futamura
恵朗 二村
Yumi Matsuki
ゆみ 松木
Masanori Kobayashi
正典 小林
Yasuyuki Takiguchi
康之 滝口
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複屈折性媒体として液晶を用い、その傾斜角
を制御することによって、簡単に精度良く偏向量を制御
することが可能な光偏向素子、光偏向装置、および高精
細画像の画像表示装置を提供すること。 【解決手段】 光偏向素子における偏光面回転手段2は
液晶層を用いて構成される。複屈折性媒体3は、1対の
透明基板31間に挟まれ、分子の長軸を基板面よりθだ
け傾斜して配向してなる液晶30を有する。また液晶3
0よりなる液晶層の少なくとも片側には配向膜32が形
成されており、液晶配向方向を規制している。液晶層を
挟んで電極対を設けることにより液晶に電界を印加して
液晶傾斜角を変化させ光偏向量を制御する。この光偏向
素子を用いて精度良く偏向量を制御することが可能な光
偏向装置、高精細画像を得ることが可能な画像表示装置
を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気信号によって
光の進行方向をかえる光学素子(光偏向素子)技術に係
り、特に複屈折性材料として液晶を用いて簡単に精度よ
く偏向量を制御可能とした光偏向素子および画像表示装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気信号によって光の進行方向をかえる
光学素子(光偏向素子)としては、従来よりKH2PO4(KD
P)、NH4H2PO4(ADP)、LiNbO3、LiTaO3、GaAs、CdTeな
ど第1次電気光学効果(ポッケルス効果)の大きな材料
や、KTN、SrTiO3、CS2、ニトロベンゼン等第2次電気光
学効果の大きな材料を用いた電気光学デバイスや、ガラ
ス、シリカ、TeO2などの材料を用いた音響光学デバイス
が知られている(例えば、青木昌治 編;「オプトエレク
トロニックデバイス」、昭晃堂、を参照)。
【0003】一般的に、電気光学デバイスは高電圧を印
加することで屈折率を変化させ光路あるいは光強度を変
調させ、音響光学デバイスは超音波を印加し定在波を誘
起することで光回折を制御させる。ただしこれらの方法
によって十分大きな光偏向量を得るためには光路長を長
く取る必要があるが材料が高価であるため用途が制限さ
れていた。
【0004】一方で液晶材料を用いた光学素子も提案さ
れており、一例として以下に示すものがある。 特許第2939826号公報「投影表示装置」 表示素子に表示された画像を投写光学系によりスクリー
ン上に拡大投影する投影表示装置において、前記表示素
子から前記スクリーンに至る光路の途中に透過光の偏光
方向を旋回できる光学素子を少なくとも1個以上と複屈
折効果を有する透明素子を少なくとも1個以上を有して
なる投影画像をシフトする手段と、前記表示素子の開口
率を実効的に低減させ、表示素子の各画素の投影領域が
前記スクリーン上で離散的に投影される手段と、を備え
たことを特徴とする投影表示装置を提供している。
【0005】特許第2939826号公報においては、偏光方
向を旋回できる光学素子(旋光素子と呼ぶ)を少なくと
も1個以上と複屈折効果を有する透明素子(複屈折素子
と呼ぶ)を少なくとも1個以上を有してなる投影画像シ
フト手段(ピクセルシフト手段)によりピクセルシフト
(後記)を行っているが、問題点として、複屈折性媒体
として光学結晶(水晶)が用いられている。
【0006】その光偏向量は光学結晶の屈折率と厚みで
決定するため、精度良く光偏向量を設計するためには極
めて精巧な厚み制御が必要であり、サブμmオーダーの
光偏向量の制御は困難である。また光学結晶を用いた光
偏向素子では、光偏向量は製造過程で決まってしまい、
使用時に偏向量を微調制御することはできなかった。
【0007】特開平6-324320号公報「画像表示装置、
画像表示装置の解像度改善方法、撮像方法、記録装置お
よび再生装置」 LCD等の画像表示装置の画素数を増加させることな
く、表示画像の解像度を、見掛け上、向上させる。縦方
向および横方向に配列された複数個の画素の各々が、表
示画素パターンに応じて発光することにより、画像が表
示される画像表示装置と、観測者またはスクリーンとの
間に、光路をフィールドごとに変更する光学部材を配す
る。また、フィールド毎に、前記光路の変更に応じて表
示位置がずれている状態の表示画素パターンを画像表示
装置に表示する。屈折率が異なる部位が、画像情報のフ
ィールドごとに、交互に、画像表示装置と観測者または
スクリーンとの間の光路中に現れるようにすることで、
前記光路の変更が行われる。
【0008】特開平6-324320号公報においては、光路を
変更する手段として、電気光学素子と複屈折材料の組合
わせ機構、レンズシフト機構、バリアングルプリズム、
回転ミラー、回転ガラス等が記述されており、上記旋光
素子と複屈折素子を組合せてなる方式の他に、ボイスコ
イル、圧電素子等によりレンズ、反射板、複屈折板等の
光学素子を変位(平行移動、傾斜)させ光路を切り替え
る方式を提案している。
【0009】前者の複屈折素子として光学結晶を用いる
方式では、特許第2939826号と同様の問題があり、後者
の方式においては、光学素子を駆動するために構成が複
雑となりコストが高くなるという問題がある。
【0010】また特開平6-324320号公報においては、そ
の実施例中に複屈折板としてプリズム形状の液晶を用い
ることが示されている(段落番号「0086」参照)。しか
し液晶をプリズム形状に安定に配向させるのは困難であ
り、特に大面積にわたって均一な配向を得るのは難し
い。また特にこの中では複屈折板としての液晶分子の配
向状態については何ら規定されておらず、また液晶の配
向状態を変化させるような技術は開示されていない。従
ってここに開示されている技術を用いた場合、上記第29
39826号と同様に光偏向量は製造過程で決まってしま
い、使用時に偏向量を微調制御することはできない。
【0011】以下、従来の複屈折媒体を用いた光偏向素
子の構成について説明する。図11は従来の光偏向素子
1の概略図であって、入射する直線偏光の偏光面を時間
的に切り替えることが可能な偏光面回転手段2、偏光面
回転手段からの光の進行方向を、その偏光面に応じて切
り替える複屈折性媒体3とを有する。
【0012】偏向面回転手段2としては、液晶材料が好
適に用いられ、特に高速応答が必要な用途には強誘電性
液晶が好ましい。その常光,異常光の屈折率差Δnが、
厚みdとの間にΔn・d=λ/2 (λは可視光の所定波
長)なる関係を満たすものを選ぶ。
【0013】複屈折性結晶3は、従来複屈折性を有する
光学結晶材料が用いられ、一軸性の光学結晶が一般的に
用いられていた。すなわち、KH2PO4(KDP)、NH4H2PO4
(ADP)、LiNbO3、LiTaO3、GaAs、CdTeなど第1次電気
光学効果(ポッケルス効果)の大きな材料や、KTN、SrT
iO3、CS2、ニトロベンゼン等第2次電気光学効果の大き
な材料、ガラス、シリカ、TeO2などの材料が用いられて
いた。以下、従来の複屈折媒体を用いた光偏向素子の動
作について説明する。
【0014】入射光4はあらかじめ直線偏光に設定さ
れ、その偏光面は複屈折性結晶の光学結晶軸方向との関
係から定められる。具体的には仮に直交座標系を図11
中に示すようにとり、複屈折性結晶3として一軸性光学
結晶材料を用い、その光学結晶軸を(X,Y,Z)=(1,
0、−1)にとった時、入射光4の偏光面(電場ベクト
ル面)はXY面あるいはXZ面に一致するように選ぶ。
【0015】以後、入射光4の偏光面がXY面内にある場
合について説明する。偏光面回転手段2を通過した時
に、入射した光は時間的に0°もしくは90°の偏光面回
転を受ける。0°すなわち回転を受けない場合は、直線
偏光は偏光面をXY面に保ったまま複屈折性結晶3に入射
する。光学結晶軸に対して偏光方向(Y軸方向)は垂直
方向であるため、光は常光として振るまい回転を受ける
ことなく直進する。この光は、図11中第1の出射光5
として示される位置に出射する。
【0016】一方、偏光面回転手段2において90°の回
転を受ける場合は、直線偏光は偏光面をXZ面に回転し複
屈折性結晶3に入射する。90°回転の原理については後
述する。この場合光学結晶軸に対して偏光方向(Z軸方
向)は垂直方向でないため、光は異常光として振るまい
所定方向に回転を受け進行(図11では斜め下方向)す
る。この光は図中第2の出射光6として示されるとおり
出射する。
【0017】図12は複屈折性媒体として、LiNbO3を用
いた時の光シフト量(光偏向量)を計算したものであ
る。結晶軸は図11で示す場合であり,屈折率は波長63
3nmの時のもの(no=2.286, ne=2.200)を用いている。
仮に光シフト量(光偏向量)として5.0μm±0.2μmを得
るためには、結晶厚は130.5μm±5.2μmに仕上げる必要
がある。
【0018】この精度は、現状の光学素子研磨技術にお
いては可能であるものの、工業的に歩留まりあるいはス
ループットを低下させる要因となリ、特に大面積、例え
ば一辺30mm前後以上に形成する場合はクラックが混入し
やすく、さらに取り扱いが難しくなる。また当然のこと
ながら一旦加工して出荷した光偏向素子は、その厚みに
よって光偏向量が決定されるため、微調することはでき
ない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術で示さ
れる問題点、すなわち以下項目が課題である。 複屈折性媒体として光学結晶(水晶)を用いる場合、
その光偏向量が光学結晶の屈折率と厚みで決定するた
め、精度良く光偏向量を設計するためには極めて精巧な
厚み制御が必要であり、サブμmオーダーの光偏向量の
制御が困難である点。 また大面積、例えば一辺30mm前後以上に形成する場合
は、クラックが混入しやすくやはり成形が困難である
点。
【0020】光学結晶を用いた光偏向素子では、光偏
向量は製造過程で決まってしまい、使用時に偏向量を微
調制御することができない点。 光学結晶が高価であり、特に大面積化した場合、安価
な光路偏向素子を提供することができない点。
【0021】そこで、本発明は以上の課題を解決するこ
とを目的としている。以下、各請求項ごとの具体的な目
的を述べる。
【0022】(1)請求項1記載の発明の目的 従来複屈折性媒体はもっぱら光学結晶が用いられてい
た。その光偏向量は光学結晶の屈折率と厚みで決定する
ため、精度良く光偏向量を設計するためには極めて精巧
な厚み制御が必要でありサブμmオーダーの制御は難し
かった。さらに大面積、例えば一辺30mm前後以上に形成
する場合は、クラックが混入しやすくやはり成形が困難
であった。請求項1記載の発明の目的は、複屈折性媒体
として液晶を用い、その傾斜角を制御することで簡単に
精度良く偏向量を制御することを可能にする光偏向素子
を提供することである。
【0023】(2)請求項2記載の発明の目的 従来の光学結晶を用いた光偏向素子では、光偏向量は製
造過程で決まってしまい、使用時に制御することはでき
なかった。請求項2記載の発明の目的は、電極からの電
界強度を制御することにより、使用時に液晶傾斜角を変
化させて光偏向量を制御することが可能な構造を有する
光偏向素子を提供することである。
【0024】(3)請求項3記載の発明の目的 請求項3記載の発明の目的は、有効な光偏向量が得ら
れ、場所毎の偏向量のバラツキを抑えるために有効な液
晶層の構造と傾斜部の設定手段を有する光偏向素子を提
供することである。
【0025】(4)請求項4記載の発明の目的 請求項4記載の発明の目的は、電圧無印加時においても
光偏向が可能な構成を有する光偏向素子を提供すること
である。
【0026】(5)請求項5記載の発明の目的 請求項5記載の発明の目的は、電圧無印加時においても
光偏向が可能な構成を有する光偏向素子を提供すること
である。
【0027】(6)請求項6記載の発明の目的 請求項6記載の発明の目的は、分子長軸を基板法線方向
より傾斜して配向するのに適した液晶材料を有する光偏
向素子を提供することである。
【0028】(7)請求項7記載の発明の目的 請求項7記載の発明の目的は、光偏向素子の偏向量を制
御することが可能な光偏向装置を提供することである。
【0029】(8)請求項8記載の発明の目的 請求項8記載の発明の目的は、光偏向素子の偏向量を常
に一定に保つことが可能な光偏向装置を提供することで
ある。
【0030】(9)請求項9記載の発明の目的 請求項7記載の発明の目的は、光偏向素子の偏向量を常
に一定に保つことが可能な光偏向装置を提供することで
ある。
【0031】(10)請求項10記載の発明の目的 請求項10記載の発明の目的は、光偏向量に対して微調
整可能な光偏向素子を用いることで、ピクセルシフトの
シフト量を正確に半ピッチに制御し高精細画像を得るこ
とが可能な画像表示装置を提供することである。
【0032】(11)請求項11記載の発明の目的 請求項11記載の発明の目的は、液晶層を配向に適した
厚みに抑えながら、ピクセルシフトに適した光偏向量を
得るために必要な傾斜角を規定した画像表示装置を提供
することである。
【0033】(12)請求項12記載の発明の目的 請求項12記載の発明の目的は、波長毎に異なるピクセ
ルシフト量を補正することが可能な画像表示装置を提供
することである。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、次の如き構成を有している。 (1)請求項1記載の発明は、入射する直線偏光の偏光
面を時間的に切り替えることが可能な偏光面回転手段お
よび該偏光面回転手段からの光の進行方向をその偏光面
に応じて切り替える複屈折性媒体とを有する光偏向素子
において、複屈折性媒体が、1対の透明基板間に挟ま
れ、分子長軸を基板面より傾斜して配向することが可能
な液晶よりなることを特徴としている。これにより、簡
単に精度良く偏向量を制御することを可能となり、さら
に従来複屈折媒体として用いられていた光学結晶に比べ
極めて安価に光偏向素子を構成することが可能となる。
【0035】(2)請求項2記載の発明は、請求項1の
構成において、液晶に電界を印加する電極対を液晶層を
挟んで形成したことを特徴としている。この構成より、
偏向量を一定に保て、また必要な偏向量が光学系システ
ムによって変わる場合でも、偏向量が微量であれば光偏
向素子を新規に設計・製造することなく対応させること
ができる。
【0036】(3)請求項3記載の発明は、請求項2の
構成において、前記液晶が、無電界時には分子長軸を略
一方向に揃ってホモジニアス配向されてなり、前記液晶
層を挟む電極対によって形成される電界によって、分子
長軸を基板面から所定角度(傾斜角と呼ぶ)傾斜して配
向することが可能なことを特徴としている。この構成に
より安定な配向状態が得られ、また大きな偏向量の変化
を誘起することができる。
【0037】(4)請求項4記載の発明は、請求項1ま
たは2において、前記液晶を含む液晶層が、一方の基板
面付近では基板と略平行に配向し、もう一方の基板面付
近では略垂直に配向されてなることを特徴としている。
この構成により、電圧無印加時においても光偏向が可能
となると同時に、微小電圧で偏向量の制御が可能とな
る。
【0038】(5)請求項5記載の発明は、請求項1ま
たは2の構成において、前記液晶が、該液晶周囲に形成
された高分子からの規制力によって分子長軸を基板法線
方向より傾斜して配向されてなることを特徴としてい
る。この構成により、電圧無印加時においても光偏向が
可能な構成となるとともに、微小電圧で偏向量の制御が
可能となる。またあらかじめ液晶の傾斜方向を作製時に
設定できるので所望の光偏向量を設計しやすくなる。
【0039】(6)請求項6記載の発明は、請求項1〜
5のいずれかに記載の構成において、前記液晶が、ネマ
ティック液晶であることを特徴としている。この液晶材
料は分子長軸を基板法線方向より傾斜して配向するのに
適している。
【0040】(7)請求項7記載の発明は、請求項2〜
6のいずれかに記載の液晶に電界を印加するための電極
対を有する光偏向素子、該光偏向素子の電極に電圧を印
加するための電圧印加手段、および所望の光偏向量を得
るために必要な電圧を計算し電圧印加手段の電圧値を制
御する電圧制御手段を有する光偏向装置である。この構
成により、入射する光の性質(例えば波長)にあわせ
て、偏向量を調整することができ、波長毎にシフト量を
微調できる。
【0041】(8)請求項8記載の発明は、請求項7の
構成において、光偏向素子を出射した光の偏向量を測定
する光偏向量測定手段、光偏向量の設定値と前記光偏向
量測定手段により測定した光の偏向量の測定値の差に基
づいてフィードバック信号を生成し電圧制御手段に伝達
するフィードバック信号生成手段とをさらに有すること
を特徴としている。この構成により、環境温度等、光偏
向量の誤差要因による影響を排除できる。
【0042】(9)請求項9記載の発明は、請求項7の
構成において、前記光偏向素子の温度を測定する温度測
定手段、該温度測定手段によって測定された温度測定値
に基づいてフィードバック信号を生成し電圧制御手段に
伝達するフィードバック信号生成手段とをさらに有する
ことを特徴としている。この構成により特に環境温度に
よる光偏向量の誤差要因による影響を排除できる。
【0043】(10)請求項10記載の発明は、画像情
報に従って光を制御可能な複数の画素が二次元的に配列
した画像表示素子と、該画像表示素子を照明する光源
と、前記画像表示素子に表示した画像パターンを観察す
るための光学部材と、画像フィールドを時間的に分割し
た複数のサブフィールド毎に前記画像表示素子と前記光
学部材の間の光路を偏向する請求項1〜6のいずれかに
記載の光偏向素子または請求項7〜9のいずれかに記載
の光偏向装置からなる光偏向手段とを有し、サブフィー
ルド毎の光路の偏向に応じて表示位置がずれている状態
の画像パターンを表示し画像表示素子の見かけ上の画素
数を増倍して表示する画像表示装置である。この構成に
より色毎にシフト量を微調でき、位置を正確に一致させ
ることができる。また光偏向量を数段回に設定すること
ができるため、画像信号の画素数に対応させ決定される
画素倍増量にあわせてピクセルシフトのピッチを任意に
設定できる。
【0044】(11)請求項11記載の発明は、請求項
10の構成において、光偏向素子または光偏向装置に用
いられる液晶の傾斜角を10°以上80°以下にしたことを
特徴としている。この構成により、標記角度以内であれ
ば液晶層を実用上問題の生じない厚み、すなわち応答速
度、必要電界の範囲内で設定することが可能になる。
【0045】(12)請求項12記載の発明は、請求項
10の構成において、光路偏向手段が請求項7の光偏向
装置であり、電圧制御手段における電圧設定値を各波長
によって切り換えることが可能なことを特徴としてい
る。この構成により各色でピクセルシフト量を一致させ
ることができるため、表示色の劣化がなくなる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光偏向素子、光偏
向装置、および画像表示装置の実施例を図面を用いて説
明する。
【0047】<実施例1>図1は本発明の光偏向素子の
一実施形態を示す概略図である(請求項1に対応)。偏
光面回転手段2は従来の光偏向素子同様液晶層を用いて
構成できる。複屈折性媒体は1対の透明基板31間に挟
まれ、分子の長軸を基板面よりθだけ傾斜して配向して
なる液晶30である。また液晶30よりなる液晶層の少
なくとも片側には配向膜32が形成されており、液晶配
向方向を規制している。
【0048】図2は複屈折性媒体として液晶を用いた場
合の、液晶材料の代表的物性値(no=1.6、ne=1.8)に対
して得られる液晶傾斜角 と光偏向量を計算した結果で
ある。液晶傾斜角θ=45°付近が最も光偏向量が大き
い。図3は液晶膜厚と液晶傾斜角に対する光偏向量の関
係を示す図である。図3によると、仮に液晶の厚みを5
0μm厚に設定したとき、S=5(μm)の偏向量を得るた
めには液晶分子の傾斜角は32°±2°とすれば良いこと
がわかる。
【0049】この傾斜角は光の通過するすべての部分で
等しい値であることが好ましく、特に光軸と垂直な面で
は傾斜角のバラツキは場所毎に偏向量のバラツキを生む
原因となるので極力抑えることが望ましい。一方、光軸
と平行な方向においては、この規制はゆるく平均的にこ
の値をとれば良い。従って基板界面付近等での液晶分子
の局所的な配向方向の変化は無視して差し支えない。た
だし後述する実施例7に示す通り傾斜角によってはこの
限りではない。
【0050】この傾斜角は以下の測定法によって求める
ことができる。すなわち、図4に示す通り2枚の偏光板
をクロスニコル状態に平行に配置し、その間に光偏向素
子を設置する。
【0051】2枚の偏光板に垂直に光を透過させ(光源
側の偏光子をポラライザ7、逆側をアナライザ8と呼
ぶ)、光偏向素子(図4では液晶と基板のみ図示してい
る)を適当な角度θ'傾けることで、ポラライザ7を通
過し直線偏光化した光の光軸が液晶分子長軸と平行な状
態となる時に、偏光面を保ったままアナライザ8に入射
するため、アナライザ8を出射した光の光量が最小にな
る。この状態では、光軸を中心に光偏向素子を回転させ
た場合、出射光量の変化が最も少なくなることからも、
θ'を確定できる。求められたθ'と傾斜角θはθ=π/2
−θ'の関係が成り立つので、傾斜角θを求めることが
できる。
【0052】本発明では液晶を基板面から傾斜して配向
することを特徴としているが、液晶は基板面に平行ある
いは垂直に配向させ、基板自体を光軸から傾けて設置す
ることも可能であるが、素子設置のための必要空間が大
きくなり光学系の省サイズ化を図る必要のある用途では
好ましくない。
【0053】本構成によれば、複屈折性媒体として液晶
を用い、その傾斜角を制御することで簡単に精度良く偏
向量を制御することを可能にする光偏向素子を実現でき
るだけでなく、さらに従来複屈折媒体として用いられて
いた光学結晶に比べ極めて安価に光偏向素子を構成する
ことができる。
【0054】<実施例2>図5は、図1に示す光学素子
の液晶30を挟んで、該液晶に電界を印加することが可
能な電極対33が形成されてなる光偏向素子を示す(請
求項2に対応)。
【0055】本構成では、電極対33はITO(インジウ
ム鉛酸化物)等の透明導電膜を使うことができ、これを
光の通過する液晶30の両側に、均一にスパッタ等によ
り積層して用意することができる。
【0056】従来の光学結晶を用いた光偏向素子では、
光偏向量は製造過程で決まってしまい、使用時に制御す
ることはできなかったが、本構成の光偏向素子では、電
極からの液晶30に対する電界強度を制御することによ
り、使用時に液晶傾斜角を変化させて光偏向量を制御す
ることが可能である。その傾斜角と光偏向量の関係は前
記図2に示される。
【0057】一般に環境温度、波長等により光偏向素子
による偏向量は微妙に変化してしまうが、本構成の光偏
向素子を用いることで偏向量を一定に保てる。また必要
な偏向量が光学系システムによって変わる場合でも、偏
向量が微量であれば光偏向素子を新規に設計・製造する
ことなく対応させることができる。
【0058】画像表示装置のピクセルシフト素子(後述
参照)に適用した場合、ピクセルシフト量の変動を抑
え、高精細画像を保持することが可能となる。光通信に
おけるスイッチング素子に適用した場合、誤動作を抑え
信頼性向上等に寄与する。
【0059】電気光学結晶を用いて複屈折媒体を構成し
電圧印加により偏向量を操作することも可能(ポッケル
ス効果など)であるが、電気光学結晶が高価であること
と、印加電圧が大きいことから本構成の方がより優れて
いる。
【0060】この液晶を均一に傾斜させて配向するため
には、液晶材料と初期的(電圧無印加時)な配向状態が
重要である。本出願人が検討したところでは、液晶材料
としては例えばZLI2471(メルク社の商標)等のネマテ
ッィク材料が優れていることが確認できた(請求項6に
対応)。
【0061】前述の通り本発明における液晶層の厚み
は、その光偏向量にもよるが数μmの光偏向を行うため
には数十μm程度必要となる。この厚みの範囲内で均一
な方向に液晶分子を配向させるのにはネマテッィク系液
晶が好適であり問題なく配向できることが確認された。
配向は、配向剤にAL3046-R31(商標、JSR製)を選び、
これにラビング処理することによって初期的にホモジニ
アス配向させた。
【0062】無電界状態では液晶分子が基板に平行にほ
ぼ同一方向に分子長軸をそろえ配向していることが偏光
顕微鏡観察により確認され、これに電圧を加えることで
液晶分子が傾斜配向することが、図4に示す測定法から
確認された。
【0063】これによって初期的な配向状態としてホモ
ジニアス配向させることで傾斜時にも安定な配向状態が
得られることが確認できた(請求項3に対応)。
【0064】また、必要な電圧は50μmの液晶層厚に対
して数十Vであり、同時に、数V程度の電圧の制御で傾
斜角を大きく変化させることができるため、5μmでの範
囲内で偏向量の変化を誘起することができた。
【0065】<比較例>たとえば強誘電性液晶を用いた
場合、強誘電性液晶の螺旋軸を基板に垂直に設け、これ
に横方向の電界を印加することで強誘電性液晶分子を実
質的に傾斜させ配向させることも可能であるが、必要な
横電界が大きくなり、例えば強誘電性液晶材料としてCS
1029(商標、チッソ社)を用いた場合、傾斜配向に必要
な横方向電圧は100V/mmであり適当ではなかった。
【0066】<実施例3>図6は、本発明の光偏向素子
の別の構造を示すものである。この光偏向素子は、液晶
30を含む液晶層が、一方の基板面付近(図中左側基
板)では基板と略平行に配向し、もう一方の基板面付近
(図中右側基板)では略垂直に配向されてなることを特
徴とする(請求項4に対応)。
【0067】この構成では、電圧無印加時においても液
晶の傾斜部が形成されているため、光偏向が可能な点で
ある。ここで水平配向および垂直配向は、光偏向に対す
る必要用件ではなく、均質で良好な配向を得るのに適し
た構造である点と、これらを組合せることで液晶の傾斜
部が容易に形成可能である点とから選ばれるものであ
る。基板への配向は、一般には液晶分子と液晶と接する
材料(配向膜) との表面張力の効果として説明されて
おり、低表面張力の液晶配向膜ほど高いプレチルト角を
示すと考えられている。
【0068】従って、配向剤によって垂直方向と水平方
向を得ることができ、例えば前述のAL3046-R31(商標、
JSR製)によって片側の基板面付近の液晶分子を水平配
向させ、長鎖シランカップリング剤によって他方の基板
面付近の液晶分子を垂直配向させることができる。
【0069】基板に平行または垂直に配向させること
で、比較的安定な配向状態が得られ、無電界時にも傾斜
部を設けることができるため上記目的が達成されるのと
同時に、微小電圧で偏向量の制御が可能となる。
【0070】本構成によれば、電圧無印加時においても
光偏向が可能な構成を有する光偏向素子を実現できる。
また基板に平行または垂直に配向させることで比較的安
定な配向状態が得られ、無電界時にも傾斜部を設けるこ
とができるだけでなく、微小電圧で偏向量の制御が可能
となる。
【0071】<実施例4>本発明の光偏向素子の、別の
構造を以下に示す。本光偏向素子は、液晶が液晶周囲に
形成された高分子からの規制力によって分子長軸を基板
法線方向より傾斜して配向されてなることを特徴とする
(請求項5に対応)。
【0072】本光偏向素子は、液晶層の内部に液晶分子
と高分子、好ましくは液晶性骨格を部分構造として有す
光硬化高分子が混在してなリ、その製造工程としては前
記ネマティック液晶(ZLI-2471(商標)、メルク社)と
光硬化高分子のプレポリマーを混合し毛細管法によりセ
ル中に注入して行うことができる。
【0073】液晶性骨格を部分構造として有する光硬化
型高分子のプレポリマーは、例えば図7に示す如き材料
があり、実際の液晶層には、この中の(a),(d),
(g)の混合物を用い、それぞれの割合を(a):
(d):(g)=48:48:4とした。また、この中
に、光重合開始剤(IRG-651(商標、チバガイギー
社))を上記重合性液晶に対し1wt%混合した。
【0074】該プレポリマーは20mW/cm2の強度の紫外
線を1分間室温で照射し高分子化した。プレポリマーは
15%とした。紫外線照射前の液晶はホモジニアス配向
となるよう配向剤に上記同様AL3046-R31(商標、JSR
製)を選び、紫外線照射時にθ=45°の方向に液晶分子
長軸が向くよう垂直方向に電界を印加した。得られた液
晶層はθ=45°に傾斜角を有する均一配向してなるも
のであることが、図4による測定から確認された。
【0075】本構成によれば、電圧無印加時においても
光偏向が可能な構成を有する光偏向素子を実現できるだ
けでなく、微小電圧で偏向量の制御が可能となる。また
高分子材料の形成条件により、あらかじめ液晶の傾斜方
向を作製時に設定できるので所望の光偏向量を設計しや
すくなる。
【0076】<実施例5>以下、請求項10にかかる本
発明の画像表示装置について説明する。ここでいうピク
セルシフト素子とは、少なくとも画像情報に従って光を
制御可能な複数の画素が二次元的に配列した画像表示素
子と、画像表示素子を照明する光源と、画像表示素子に
表示した画像パターンを観察するための光学部材と、画
像フィールドを時間的に分割した複数のサブフィールド
毎に画像表示素子と光学部材の間の光路を偏向する光偏
向手段とを有し、サブフィールド毎の光路の偏向に応じ
て表示位置がずれている状態の画像パターンを表示する
ことで、画像表示素子の見かけ上の画素数を増倍して表
示する画像表示装置における光偏向手段あるいは光偏向
素子のことである。 従って基本的には上記した光偏向
素子を応用することが可能である。
【0077】図8は、光偏向手段として請求項7に示す
光偏向装置をとり入れた画像表示装置(請求項10に対
応)である。図8において、81はLEDランプを2次
元アレイ状に配列した照明光源であり、82は拡散板で
あり、83はコンデンサレンズであり、84は画像表示
素子としての透過型液晶パネルであり、85は投射レン
ズであり、86はスクリーンであり、87は光源ドライ
ブ部であり、88は透過型液晶パネルのドライブ部であ
り、89は光学素子よりなる光偏向手段であり、90は
光偏向手段の電圧印加手段、91は所望の光偏向量を得
るために必要な電圧を計算し電圧印加手段90の電圧値
を制御する電圧制御手段である。電圧制御手段91は、
液晶パネルと同期をとるために液晶パネルのドライブ部
と接続されている(請求項7に対応)。
【0078】光源ドライブ部87で制御されて照明光源
81から放出された照明光は、拡散板82により均一化
された照明光となり、コンデンサレンズ83により液晶
ドライブ部88で照明光源と同期して制御されて液晶パ
ネル84をクリティカル照明する。この液晶パネル84
で空間光変調された照明光は、画像光として光偏向手段
に入射し、光偏向手段89によって画像光が画素の配列
方向に任意の距離だけシフトされる。この光は投射レン
ズ85で拡大されスクリーン86に投射される。
【0079】シフト量は画素の配列方向に対して2倍の
画像増倍を行うことから画素ピッチの1/2に設定され
る。シフト量に応じて液晶パネルを駆動する画像信号を
シフト量分だけ補正することで、見かけ上高精細な画像
を表示することができる。光偏向手段は前述のタイプの
ものを選んで使用する事ができる。
【0080】従来の光偏光手段は複屈折性媒体として光
学結晶が用いられていたため、光偏向量は製造過程で決
まってしまい、使用時に制御することはできなかった。
本発明では電極からの電界強度を制御することにより、
使用時に液晶傾斜角を変化させて光偏向量を制御するこ
とが可能である。
【0081】図8に用いた光偏向装置構成(請求項7に
対応)では、入射する光の性質(例えば波長)にあわせ
て、偏向量を調整することができる。そのため、波長毎
の偏向量は屈折率の波長依存性のためずれるが、本光偏
向装置を用いることで波長毎にシフト量を微調すること
が可能となる。
【0082】照明光の色を順次切替え照射するフィール
ドシーケンシャル方式において、従来のピクセルシフト
では色毎の偏向量が屈折率の波長依存性のためずれてい
たが、図8に用いた光偏向装置構成では、上述したよう
に色毎に偏向量を微調できるため、位置を正確に一致さ
せることができる。また光偏向量を数段回に設定するこ
とができるため、画像信号の画素数に対応させ決定され
る画素倍増量にあわせてピクセルシフトのピッチを任意
に設定できるようになる。
【0083】波長により光偏向素子による偏向量は微妙
に変化してしまうが、光源ドライブ部87の波長切り換
えタイミングに同期し、電圧制御手段91の電圧値を制
御し電圧印加手段90を駆動することで、波長間の偏向
量を補正し一定に保つことができる(請求項12に対
応)。
【0084】本構成の画像表示装置によれば、各色でピ
クセルシフト量を一致させることができるため、表示色
の劣化がない。また必要な偏向量が光学系システムによ
って変わる場合でも、偏向量が微量であれば光偏向素子
を新規に設計・製造することなく対応させることができ
る。
【0085】また、標記角度以内であれば液晶層を実用
上問題の生じない厚み、すなわち応答速度、必要電界の
範囲内で設定することが可能になる。
【0086】<実施例6>図9は、光偏向手段として請
求項9に示す光偏向装置をとり入れた画像表示装置(請
求項10に対応)である。図9においては、図8に示す
画像表示装置の光路偏向手段に、さらに温度測定手段と
しての温度センサ92が設置された構成である。温度セ
ンサにはサーミスタが用いられているが、熱電対等温度
モニタできるものであれば如何なるものでも使用可能で
ある。
【0087】この温度センサ92からの温度情報は、フ
ィードバック信号生成手段93に送られ、そこで温度測
定値に基づくフィードバック信号を生成し電圧制御手段
91に伝達される(請求項9に対応)。本構成の画像表
示装置によれば、特に環境温度による光偏向量の誤差要
因による影響を排除できる。
【0088】光偏向位置制御は、光学素子における電極
対による電界印加方向および光学素子に対する温度制御
により行うことでも可能であり、適切なピクセルシフト
量が保持され良好な画像を得ることができる。この場
合、光偏向素子を出射した光の偏向量を測定する光偏向
量測定手段を設け、フィードバック信号生成手段93と
しては、光偏向量の設定値と測定値の差に基づくフィー
ドバック信号を生成し電圧制御手段に伝達するように作
用させれば良い(請求項8に対応)。本光偏向装置の構
成によれば、環境温度等、光偏向量の誤差要因による影
響を排除でき、光偏向素子の偏向量を一定に保つことが
できる。
【0089】<実施例7>図10は、図2に用いた液晶
と同様の物性値にて5μmの光偏向量を得るために必要
な、液晶分子長軸の傾斜角と液晶層厚の関係を計算した
ものである。なおこの5μmは現状の市販画像表示素子の
1/2から1/3のピッチに相当するものである。図10に示
される通り10°以下あるいは80°以上であると液晶層厚
が150μm以上必要となる。
【0090】実質的に150μm以上の厚みで液晶分子の傾
斜角を規定の値に保持することは難しく、図4における
測定でも規定の角度における透過光量が大きく光偏向位
置が的確に定まらない状況が確認された。従って光偏向
素子に用いられる液晶の傾斜角が、10°以上80°以下
であることが有効であることが確認された(請求項11
に対応)。
【0091】
【発明の効果】本発明は、複屈折性媒体として液晶を用
い、その傾斜角を制御するようにしたことによって、簡
単に精度良く偏向量を制御することが可能な光偏向素子
を得ることができる。また、この光偏向素子を用いるこ
とによって精度良く偏向量を制御することが可能な光偏
向装置および高精細画像を表示する画像表示装置を実現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光偏向素子の概略図である。
【図2】液晶傾斜角と光偏向量の関係を示した図であ
る。
【図3】液晶膜厚と液晶傾斜角に対する光軸偏向量の関
係を示す図である。
【図4】液晶分子傾斜角測定の説明図である。
【図5】本発明の光偏向素子の概略図である。
【図6】本発明の光偏向素子の液晶分子配向の説明図で
ある。
【図7】液晶性骨格を部分構造として有する光硬化型高
分子のプレポリマーの材料例を示す図である。
【図8】本発明の画像表示装置の概略図である。
【図9】本発明の画像表示装置の概略図である。
【図10】液晶分子長軸の傾斜角と液晶層厚の関係を示
す図である。
【図11】従来の光偏向素子の概略図である。
【図12】光学結晶(LiNbO3)の厚みと光偏向量の関係
を示した図である。
【符号の説明】
1:光偏向素子(従来技術) 2:偏光面回転手段 3:複屈折性媒体 4:入射光 5:第1の出射光 6:第2の出射光 7:ポラライザ 8:アナライザ 30:液晶 31:一対の透明基板 32:配向膜 33:一対の電極 81:LEDランプを2次元アレイ状に配列した照明光
源 82:拡散板 83:コンデンサレンズ 84:画像表示素子としての透過型液晶パネル 85:投射レンズ 86:スクリーン 87:光源ドライブ部 88:透過型液晶パネルのドライブ部 89:光偏向素子よりなる光偏向手段 90:電圧印加手段 91:電圧制御手段 92:温度測定手段(温度センサ) 93:フィードバック信号生成手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/29 G02F 1/29 2K103 G03B 21/00 G03B 21/00 E (72)発明者 二村 恵朗 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 松木 ゆみ 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 小林 正典 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 滝口 康之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H088 EA45 GA02 MA16 MA20 2H090 LA05 MA01 MA11 MB14 2H091 FA08X FA08Z FA26X FA45Z GA06 LA11 LA12 LA30 2H093 NC02 NC53 NC57 NC62 ND42 ND54 NF05 NG18 2K002 AA07 AB06 AB07 BA06 CA14 DA14 EA11 2K103 AA05 AB01 BB02 BB05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射する直線偏光の偏光面を時間的に切
    り替えることが可能な偏光面回転手段および該偏光面回
    転手段からの光の進行方向をその偏光面に応じて切り替
    える複屈折性媒体とを有する光偏向素子において、 前記複屈折性媒体が、1対の透明基板間に挟まれ、分子
    長軸を基板面より傾斜して配向することが可能な液晶よ
    りなることを特徴とする光偏向素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光偏向素子において、 前記液晶に電界を印加することが可能な電極対が液晶層
    を挟んで形成されてなることを特徴とする光偏向素子。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の光偏向素子において、 前記液晶が、無電界時には分子長軸を略一方向に揃って
    ホモジニアス配向されてなり、前記液晶層を挟む電極対
    によって形成される電界によって、分子長軸を基板面か
    ら所定角度(傾斜角と呼ぶ)傾斜して配向することが可
    能なことを特徴とする光偏向素子。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の光偏向素子にお
    いて、 前記液晶を含む液晶層が、一方の基板面付近では基板と
    略平行に配向し、もう一方の基板面付近では略垂直に配
    向されてなることを特徴とする光偏向素子。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の光偏向素子にお
    いて、 前記液晶が、該液晶周囲に形成された高分子からの規制
    力によって分子長軸を基板法線方向より傾斜して配向さ
    れてなることを特徴とする光偏向素子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の光偏向
    素子において、 前記液晶が、ネマティック液晶であることを特徴とする
    光偏向素子。
  7. 【請求項7】 請求項2〜6のいずれかに記載の液晶に
    電界を印加するための電極対を有する光偏向素子、該光
    偏向素子の電極に電圧を印加するための電圧印加手段、
    および所望の光偏向量を得るために必要な電圧を計算し
    電圧印加手段の電圧値を制御する電圧制御手段を有する
    ことを特徴とする光偏向装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の光偏向装置において、 前記光偏向素子を出射した光の偏向量を測定する光偏向
    量測定手段、および光偏向量の設定値と前記光偏向量測
    定手段により測定した光の偏向量の測定値の差に基づい
    てフィードバック信号を生成し前記電圧制御手段に伝達
    するフィードバック信号生成手段とをさらに有すること
    を特徴とする光偏向装置。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の光偏向装置において、 前記光偏向素子の温度を測定する温度測定手段、および
    該温度測定手段によって測定された温度測定値に基づい
    てフィードバック信号を生成し前記電圧制御手段に伝達
    するフィードバック信号生成手段とをさらに有すること
    を特徴とする光偏向装置。
  10. 【請求項10】 少なくとも、画像情報に従って光を制
    御可能な複数の画素が二次元的に配列した画像表示素子
    と、該画像表示素子を照明する光源と、前記画像表示素
    子に表示した画像パターンを観察するための光学部材
    と、画像フィールドを時間的に分割した複数のサブフィ
    ールド毎に前記画像表示素子と前記光学部材の間の光路
    を偏向する請求項1〜6のいずれかに記載の光偏向素子
    または請求項7〜9のいずれかに記載の光偏向装置から
    なる光偏向手段とを有し、サブフィールド毎の光路の偏
    向に応じて表示位置がずれている状態の画像パターンを
    表示し画像表示素子の見かけ上の画素数を増倍して表示
    することを特徴とする画像表示装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の画像表示装置におい
    て、 前記光偏向素子または前記光偏向装置に用いられる液晶
    の傾斜角は、10°以上80°以下であることを特徴とする
    画像表示装置。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の画像表示装置におい
    て、 光路偏向手段が請求項7の光偏向装置であり、前記電圧
    制御手段における電圧設定値を各波長によって切り換え
    ることが可能なことを特徴とする画像表示装置。
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