JP2003269349A - 気体圧縮機 - Google Patents

気体圧縮機

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JP2003269349A
JP2003269349A JP2002065317A JP2002065317A JP2003269349A JP 2003269349 A JP2003269349 A JP 2003269349A JP 2002065317 A JP2002065317 A JP 2002065317A JP 2002065317 A JP2002065317 A JP 2002065317A JP 2003269349 A JP2003269349 A JP 2003269349A
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JP
Japan
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rotor
side block
gas compressor
shaft
rotary shaft
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Application number
JP2002065317A
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English (en)
Inventor
Nagatake Toki
永偉 時
Seiichiro Yoda
誠一郎 依田
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Seiko Instruments Inc
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Seiko Instruments Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸動力の損失を少なく、かつ体積効率を向上
させた気体圧縮機を提供する。 【解決手段】 回転軸6とフロントヘッド63、フロン
トサイドブロック65で仕切られた空間にはシール室1
01が形成されている。このシール室101は、軸方向
に段差101aを有している。段差101aは、吸入側
の径が吐出側の径より細く形成されている。そして、こ
の段差101aにリング状のスラストワッシャ103の
右端面が当接されている。また、このスラストワッシャ
103の左端面とフロントサイドブロック65の右端面
間にはリング状の軸肩105が介在されている。この軸
肩105は回転軸6に固定されている。回転軸6のロー
タ5に貫通された周囲はインボリュートスプライン11
0にて形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は気体圧縮機に係わ
り、特に軸動力の損失を少なく、かつ体積効率を向上さ
せた気体圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】図10に従来の気体圧縮機10の断面
図、図11に気体圧縮機10の図10中のA−A矢視断
面図を示す。気体圧縮機10は、自動車に搭載され、自
動車の室内冷暖房用に用いられている。吸入口61は、
フロントヘッド63とフロントサイドブロック65間に
形成され、外部に接続された図示しない蒸発器より冷媒
ガスを吸入するようになっている。
【0003】シリンダ4は、フロントサイドブロック6
5とリアサイドブロック67間に挟装されている。回転
軸6は、シリンダ4、フロントヘッド63及びフロント
サイドブロック65を貫通し、その一端6aはリアサイ
ドブロック67内部に到達している。シリンダ4内には
ロータ5が回転可能に配設されている。
【0004】ロータ5は回転軸6に貫通固定されてい
る。ロータ5の外周面には径方向にベーン溝12が形成
され、ベーン溝12にはベーン13が摺動可能に装着さ
れている。そして、ベーン13は、ロータ5の回転時に
は遠心力とサライ81、87に通ずるベーン溝底部の油
圧とによりシリンダ4の内壁に付勢される。
【0005】シリンダ4内は、ロータ5、ベーン13、
13・・により複数の小室に仕切られている。これらの
小室は圧縮室14、14・・と称され、ロータ5の回転
により容積の大小変化を繰り返す。
【0006】そして、このように、ロータ5が回転して
圧縮室14、14・・の容積が変化すると、その容積変
化により吸入口61より低圧冷媒ガスを吸気し圧縮す
る。フロントヘッド63端部にはケース52が固定さ
れ、このケース52の内部には、吐出室19が形成され
ている。
【0007】圧縮室14で圧縮された高圧冷媒ガスは、
吐出ポート16、吐出弁17を介して図示しない吐出ガ
ス通路を経由して吐出室19に送られる。そして、吐出
室19内に設けられたオイルセパレータ71で冷媒ガス
と油分が分離される。油分は、吐出室19内底部に溜ま
り、冷媒ガスは吐出室19から吐出口73を経て外部の
図示しない凝縮器へと送られる。
【0008】一方、吐出室19内底部に溜まった油分は
ロータ5回転時の圧力差に従い、オイル通路77を通じ
てフロント側軸受部79に送られる。フロント側軸受部
79を経てサライ81に到達した油分は減圧され、吐出
室19内の吐出圧Pdより低く、吸入口61に通ずる吸
入室75の吸入圧Psより高い圧力Pvとなっている。
【0009】また、同様に吐出室19内底部に溜まった
油分は、オイル通路83を通じてリア側軸受部85に送
られる。そして、サライ81と同程度の圧力の油分が潤
滑等のためサライ87及び油溜まり89に溜められる。
【0010】回転軸6の他端6bは、フロントヘッド6
3より外部に出され、アマチュア33がボルト34によ
り固着されている。そして、このアマチュア33は、プ
ーリ31に電磁吸着されるようになっている。このプー
リ31には、図示しない自動車のエンジンのクランクプ
ーリから動力が伝えられる。フロントヘッド63と回転
軸6の間にはリップシール64が配設されている。
【0011】ここに、冷媒ガスとしてR134aを使用
した場合における回転軸6に作用する力を算出してみる
と次のようになる。まず、冬場等で気体圧縮機10が低
負荷のときを設計の基準時に定める。このときの回転軸
6の各部位にかかる圧力は、例えば、吐出圧Pdが0.
62(MPaG)、吸入圧Psが0.2(MPaG)、
サライ81、87及び油溜まり89の圧力Pvが0.5
4(MPaG)である。
【0012】回転軸6の各部位にかかる力は、圧力に各
部位の断面積を乗算することで求めることができる。図
10中、回転軸6の左方向を正符号として油溜まり89
にかかる力を−Frsh、サライ87にかかる力を−F
r、サライ81にかかる力をFf、吸入圧Psにより回
転軸6の外周に配設された傾斜部6cにかけられる力を
Fd、アマチュア33がプーリ31に電磁吸着されたと
きのバネ荷重により回転軸6の右端にかけられる力をF
cと定義する。
【0013】このとき、回転軸6にかかる総合力ΣF
は、ΣF=−Frsh−Fr+Ff+Fd+Fcで算出
できる。回転軸6にかかる総合力ΣFができるだけ小さ
く抑えられるように、サライ81に対するサライ87の
断面積比を1.32に設計する。即ち、サライ87の方
がサライ81より断面積の広い状態である。そして、こ
のときの総合力ΣFは、ほぼゼロとなる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、同様の演算
を夏場等の高負荷時について行ってみると、このときの
回転軸6の各部位にかかる圧力は、例えば、吐出圧Pd
が1.8(MPaG)、吸入圧Psが0.2(MPa
G)、サライ81、87及び油溜まり89の圧力Pvが
1.48(MPaG)となる。前述の設計条件の下に同
様に総合力ΣFを算出してみると、総合力ΣFは、ΣF
=−275(N)のように大きくなる。
【0015】このため、ロータ5がフロントサイドブロ
ック65に押しつけられる一方で、リアサイドブロック
67とロータ5の間の隙間は拡大される。従って、運転
条件によっては、体積効率が低下したり、摩耗を生じ動
力効率も低下するおそれがある。また、隙間から冷媒ガ
スの漏れる量が増えてしまう。
【0016】更に、近年は、地球環境の汚染、とりわけ
オゾン層の破壊、地球の温暖化を防止するために冷媒ガ
スとしてフロンよりはるかに影響の少ない炭酸ガス(C
2)を使用する研究開発が進められている。
【0017】気体圧縮機10でこの炭酸ガスを使用した
場合について同様の演算を行ってみると、このときの回
転軸6の各部位にかかる圧力は、例えば、吐出圧Pdが
9.9(MPaG)、吸入圧Psが3.38(MPa
G)、サライ81、87及び油溜まり89の圧力Pvが
8.6(MPaG)となる。そして、前述の設計条件の
下に同様に総合力ΣFを算出してみると、総合力ΣF
は、ΣF=−2317(N)のように大きくなる。
【0018】この総合力ΣFを0(N)とするには、サ
ライ87に対するサライ81の断面積比を2.55に設
計する。即ち、この場合には、先のR134aを使用し
た場合とは異なり、サライ81の方がサライ87より断
面積を広くする必要がある。
【0019】しかしながら、サライの断面積比をこのよ
うに設計した場合、隙間による冷媒ガスの漏れは更に大
きくなり、体積効率の低下や動力効率も著しく低下する
おそれがあり、またベーン13の背圧にもバランスを欠
くことになる。このため、気体圧縮機10の性能と寿命
が著しく低下されてしまうという問題があった。
【0020】本発明はこのような従来の課題に鑑みてな
されたもので、軸動力の損失を少なく、かつ体積効率を
向上させた気体圧縮機を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、吸引
した冷媒ガスを圧縮自在なベーンロータリー式気体圧縮
機であって、所定の回転動力により回転される回転軸
と、該回転軸により回転駆動されるロータと、該ロータ
を前記回転軸に対し軸方向に摺動自在とするロータ摺動
手段とを備えて構成した。
【0022】ロータは回転軸に対し、軸方向に摺動自在
である。このとき、ロータに対し軸方向に作用する力は
ほぼ均等にできる。従って、隙間からの冷媒ガスの漏れ
も低減され、体積効率を向上させることができる。ま
た、ロータとフロントサイドブロック、リアサイドブロ
ック間の摩耗を低減することができる。駆動効率も向上
する。
【0023】また、本発明は、前記回転軸が軸方向に移
動するのを規制しつつ該回転軸を回転自在に保持する保
持手段を備えたことを特徴とする。
【0024】このことにより、回転軸は軸方向に安定し
て保持される。回転軸の軸方向の荷重も低減されている
ため、駆動効率も向上する。
【0025】更に、本発明は、前記ロータ摺動手段は、
前記回転軸の外周と前記ロータの内周間がインボリュー
トスプライン形状にて形成されたことを特徴とする。
【0026】インボリュートスプライン形状にて形成す
ることで、ロータは回転軸に安定して保持される。
【0027】更に、本発明は、前記冷媒ガスの吸入され
る吸入口の形成されたフロントヘッドと、該フロントヘ
ッド及び前記ロータ間に配設されたフロントサイドブロ
ックと、前記ロータの軸方向吐出側に配設されたリアサ
イドブロックとを備え、前記保持手段は、前記回転軸周
囲に配設され、前記フロントサイドブロックと前記フロ
ントヘッド間に介在され、かつ軸方向吸入側端面及び/
又は軸方向吐出側端面で摺動される軸肩を有することを
特徴とする。
【0028】従来は半径の大きいロータの軸方向吸入側
端面又は軸方向吐出側端面がフロントサイドブロック又
はリアサイドブロックに接触することで比較的大きな接
触抵抗を生じていたが、本発明ではロータに比べて半径
の小さい軸肩がフロントサイドブロック又はフロントヘ
ッドに接触することになるため、接触抵抗はその分小さ
くなり、トルクは低減される。
【0029】更に、本発明は、前記軸肩と前記フロント
サイドブロック及び/又は前記フロントヘッド間には摺
動部材が配設されたことを特徴とする。
【0030】摺動部材が介在されることで、摺動抵抗は
一層小さくなり、トルクも低減される。
【0031】更に、本発明は、前記軸肩は前記回転軸と
別体にて形成されたことを特徴とする。
【0032】このことにより、軸肩を回転軸とは別に製
造できるため、コスト低減につながる。
【0033】更に、本発明は、前記冷媒ガスの吸入され
る吸入口の形成されたフロントヘッドと、該フロントヘ
ッド及び前記ロータ間に配設されたフロントサイドブロ
ックと、前記ロータの軸方向吐出側に配設されたリアサ
イドブロックとを備え、前記保持手段は、前記回転軸端
部に配設され、前記リアサイドブロックの軸方向吐出側
端面で摺動される摺動端部を有することを特徴とする。
【0034】本発明ではロータに比べて半径の小さい摺
動端部がリアサイドブロックの軸方向吐出側端面に接触
することになるため、接触抵抗はその分小さくなり、ト
ルクは低減される。
【0035】更に、本発明は、前記摺動端部と前記リア
サイドブロック間には摺動部材が配設されたことを特徴
とする。
【0036】摺動部材が介在されることで、摺動抵抗は
一層小さくなり、トルクも低減される。
【0037】更に、本発明は、前記冷媒ガスの吸入され
る吸入口の形成されたフロントヘッドと、該フロントヘ
ッド及び前記ロータ間に配設されたフロントサイドブロ
ックと、前記ロータの軸方向吐出側に配設されたリアサ
イドブロックと、前記ロータの軸方向吸入側端面に面し
て前記フロントサイドブロックに形成された第1のサラ
イと、前記ロータの軸方向吐出側端面に面して前記リア
サイドブロックに形成された第2のサライとを備え、該
第2のサライと前記第1のサライとは径方向回りの断面
積がほぼ同一とされたことを特徴とする。
【0038】第1のサライと第2のサライの径方向回り
の断面積をほぼ同一に形成することで、ロータに対し軸
方向に作用する力を均等にできる。また、ベーンの背圧
のバランスをとることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施形態に
ついて説明する。図1に、本発明の第1実施形態の全体
構成図、図2に部分拡大図を示す。なお、図10と同一
要素のものについては同一符号を付して説明は省略す
る。
【0040】図1及び図2において、回転軸6とフロン
トヘッド63、フロントサイドブロック65で仕切られ
た空間にはシール室101が形成されている。このシー
ル室101は、軸方向に段差101aを有している。段
差101aは、吸入側の径が吐出側の径より細く形成さ
れている。
【0041】そして、この段差101aにリング状のス
ラストワッシャ103の右端面が当接されている。ま
た、このスラストワッシャ103の左端面とフロントサ
イドブロック65の右端面間にはリング状の軸肩105
が介在されている。この軸肩105は回転軸6に固定さ
れている。
【0042】かかる構成において、回転軸6が回転され
ると、軸肩105は回転され、スラストワッシャ10
3、フロントサイドブロック65との間を滑動する。こ
のことにより、回転軸6は軸方向に対し位置決めされ
る。回転軸6のスラスト荷重は軸肩105により支持さ
れる。なお、潤滑油はフロント側軸受部79よりしみ出
してくるので、回転軸6の回転は円滑に行われる。
【0043】一方、図3の断面図に示すように、回転軸
6のロータ5に貫通された周囲はインボリュートスプラ
イン110にて形成されている。従って、ロータ5は回
転軸6の軸方向に摺動自在である。このため、ロータ5
とフロントサイドブロック65、リアサイドブロック6
7間に生じる隙間は均等となる。
【0044】以上により、ロータ5はフロントサイドブ
ロック65やリアサイドブロック67との摩擦力が低減
され、それらの部材間の摩耗も低減される。従って、気
体圧縮機10の動力効率が向上する。
【0045】また、ロータ5とフロントサイドブロック
65やリアサイドブロック67間の隙間の偏りが生じな
いため、冷媒ガスの内部リークを最低に押さえることが
できる。従って、気体圧縮機10の体積効率を向上する
ことができる。
【0046】このため、気体圧縮機10の性能を安定さ
せ、かつ寿命を長くすることができる。また、気体圧縮
機10を用いた冷凍サイクルのCOP(気体圧縮機10
の能率を冷房能力と動力との比によって表した成績係
数)が向上する。
【0047】更に、サライ81とサライ87の径方向回
りの断面積を同一とした場合には、回転軸6にかかる総
合力ΣFは、ΣF=−Frsh+Fd+Fcで算出でき
る。例えば、吐出圧Pdを9.9(Mpa・G)、吸入
圧Psを3.38(Mpa・G)としたときの総合力Σ
Fは、ΣF=−1519(N)となる。従来のΣF=−
2317(N)に対して約34%低減する。
【0048】従って、冷媒ガスとして炭酸ガスのような
作動圧力が非常に高いものに対しても適用可能である。
炭酸ガスを使用した場合には、地球温暖化の防止に貢献
する。
【0049】また、サライ81とサライ87の径方向回
りの断面積を同一に構成可能な分、ベーン13の背圧の
バランスをとることができる。なお、回転軸6のロータ
5に貫通された周囲には、インボリュートスプライン1
10を形成する以外にも、角型スプラインや滑りキーな
どの構造としてもよい。
【0050】次に、本発明の第2実施形態について説明
する。本発明の第2実施形態の構成図を図4に示す。図
4において、スラストワッシャ103と軸肩105間に
スラストベアリング107が配設されている。スラスト
ベアリング107の右側面はスラストワッシャ103の
左端面に当接され、スラストベアリング107の左側面
は軸肩105の右端面に当接されている。
【0051】かかる構成において、スラストベアリング
107により軸肩105の軸方向の位置が規制され、か
つスラストベアリング107の転がり摩擦により軸動力
を一層低減することができる。
【0052】なお、軸肩105は回転軸6と一体形成さ
れてもよいが、図5に示すように、軸肩109を回転軸
6とは別体として配設してもよい。軸肩109は図中左
端にリング状の大径部109aを有し、この大径部10
9aの左端面がフロントサイドブロック65の右端面に
当接されている。
【0053】そして、この軸肩109の大径部109a
右方には、回転軸6の周囲に沿ってリング状胴部109
bが突設されており、このリング状胴部109bにはピ
ン111が径方向に貫通固定されている。
【0054】軸肩109とスラストワッシャ103の間
にはスラストベアリング107が配設されている。この
ことにより、軸肩109を回転軸6とは別に製造できる
ため、コスト低減につながる。以上により、本発明の第
1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0055】なお、軸肩109を回転軸6とは別に配設
することが可能なのは本発明の第2実施形態の構成に限
られるものではなく、本発明の他の各実施形態でも同様
に可能である。
【0056】次に、本発明の第3実施形態について説明
する。本発明の第3実施形態の構成図を図6に示す。な
お、図4と同一要素のものについては同一符号を付して
説明は省略する。
【0057】図6において、軸肩105とフロントサイ
ドブロック65の間にもスラストベアリング113が配
設されている。スラストベアリング113の右側面は軸
肩105の左端面に当接され、スラストベアリング11
3の左側面はフロントサイドブロック65の右端面に当
接されている。
【0058】かかる構成において、回転軸6の軸方向に
対し左右いずれの方向に力が作用した場合でも摩擦力を
低減することができる。以上により、本発明の第1実施
形態と同様の効果を得ることができる。
【0059】次に、本発明の第4実施形態について説明
する。図7において、回転軸6の左端部にはボルト12
3によりスラストワッシャ121が止められている。ま
た、スラストワッシャ121の回転を防止するため、ピ
ン125がスラストワッシャ121を貫通して回転軸6
の左端部に打ち込まれている。スラストワッシャ121
の径は回転軸6の径よりも拡大されている。
【0060】更に、回転軸6の外周には軸段差部129
が形成されており、回転軸6の軸段差部129より吐出
側は吸入側より軸径が細くなっている。そして、この軸
段差部129の左端面はサライ87の奥端面に当接され
るようになっている。
【0061】かかる構成において、リアサイドブロック
67に対しスラストワッシャ121の右端面が回転軸6
の回転につれて摺動する。スラストワッシャ121とリ
アサイドブロック67間にはオイル通路83を通じて潤
滑油が供給される。
【0062】以上により、本発明の第1実施形態と同様
の効果を得ることができる。なお、図8に示すようにス
ラストワッシャ121とリアサイドブロック67間にス
ラストベアリング127を配設するようにしてもよい。
【0063】スラストベアリング127の右側面はリア
サイドブロック67の左端面に当接され、スラストベア
リング127の左側面はスラストワッシャ121の右端
面に当接されている。この場合には、スラストワッシャ
121とリアサイドブロック67間が転がり摩擦となる
分、軸動力を軽減することができる。
【0064】次に、本発明の第5実施形態について説明
する。本発明の第5実施形態の構成図を図9に示す。図
9において、回転軸6の左端部は図8に示す構成とほぼ
同一である。
【0065】但し、軸段差部129の左端面とサライ8
7の奥端面の間には隙間があいている点で図8に示す構
成と相違する。一方、回転軸6の右側のシール室101
においては、軸肩105とフロントサイドブロック65
間にスラストベアリング113が配設されている。
【0066】かかる構成において、回転軸6の軸方向の
いずれに力がかかった場合でも回転軸6の移動を規制す
ることができる。以上により、本発明の第1実施形態と
同様の効果を得ることができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ロータは回転軸に対し、軸方向に摺動自在とし、かつ第
1のサライと第2のサライの径方向回りの断面積をほぼ
同一として構成したので、ロータに対し軸方向に作用す
る力は均等である。
【0068】従って、隙間からの冷媒ガスの漏れも低減
され、体積効率を向上させることができる。また、ロー
タとフロントサイドブロック、リアサイドブロック間の
摩耗を低減することができ、駆動効率も向上する。更
に、気体圧縮機の性能を安定させ、かつ寿命を長くする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の全体構成図
【図2】 同上部分拡大図
【図3】 回転軸がロータに貫通されている様子を示す
【図4】 本発明の第2実施形態の構成図
【図5】 軸肩を回転軸とは別体として配設した例
【図6】 本発明の第3実施形態の構成図
【図7】 本発明の第4実施形態の構成図
【図8】 スラストワッシャとリアサイドブロック間に
スラストベアリングを配設した例
【図9】 本発明の第5実施形態の構成図
【図10】 従来の気体圧縮機の断面図
【図11】 図10中のA−A矢視断面図
【符号の説明】
4 シリンダ 5 ロータ 6 回転軸 10 気体圧縮機 13 ベーン 14 圧縮室 63 フロントヘッド 64 リップシール 65 フロントサイドブロック 67 リアサイドブロック 71 オイルセパレータ 101 シール室 101a 段差 103、121 スラストワッシャ 105、109 軸肩 107、113、127 スラストベアリング 110 インボリュートスプライン 111、125 ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H029 AA05 AA17 AB03 BB16 BB32 BB43 CC18 CC19 CC20 3H040 AA09 BB05 BB11 CC02 CC09 DD18 DD25 DD31

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸引した冷媒ガスを圧縮自在なベーンロ
    ータリー式気体圧縮機であって、所定の回転動力により
    回転される回転軸と、該回転軸により回転駆動されるロ
    ータと、該ロータを前記回転軸に対し軸方向に摺動自在
    とするロータ摺動手段とを備えたことを特徴とする気体
    圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記回転軸が軸方向に移動するのを規制
    しつつ該回転軸を回転自在に保持する保持手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の気体圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記ロータ摺動手段は、前記回転軸の外
    周と前記ロータの内周間がインボリュートスプライン形
    状にて形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項
    2記載の気体圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記冷媒ガスの吸入される吸入口の形成
    されたフロントヘッドと、該フロントヘッド及び前記ロ
    ータ間に配設されたフロントサイドブロックと、前記ロ
    ータの軸方向吐出側に配設されたリアサイドブロックと
    を備え、前記保持手段は、前記回転軸周囲に配設され、
    前記フロントサイドブロックと前記フロントヘッド間に
    介在され、かつ軸方向吸入側端面及び/又は軸方向吐出
    側端面で摺動される軸肩を有することを特徴とする請求
    項2又は請求項3記載の気体圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記軸肩と前記フロントサイドブロック
    及び/又は前記フロントヘッド間には摺動部材が配設さ
    れたことを特徴とする請求項4記載の気体圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記軸肩は前記回転軸と別体にて形成さ
    れたことを特徴とする請求項4又は請求項5記載の気体
    圧縮機。
  7. 【請求項7】 前記冷媒ガスの吸入される吸入口の形成
    されたフロントヘッドと、該フロントヘッド及び前記ロ
    ータ間に配設されたフロントサイドブロックと、前記ロ
    ータの軸方向吐出側に配設されたリアサイドブロックと
    を備え、前記保持手段は、前記回転軸端部に配設され、
    前記リアサイドブロックの軸方向吐出側端面で摺動され
    る摺動端部を有することを特徴とする請求項2又は請求
    項3記載の気体圧縮機。
  8. 【請求項8】 前記摺動端部と前記リアサイドブロック
    間には摺動部材が配設されたことを特徴とする請求項7
    記載の気体圧縮機。
  9. 【請求項9】 前記冷媒ガスの吸入される吸入口の形成
    されたフロントヘッドと、該フロントヘッド及び前記ロ
    ータ間に配設されたフロントサイドブロックと、前記ロ
    ータの軸方向吐出側に配設されたリアサイドブロック
    と、前記ロータの軸方向吸入側端面に面して前記フロン
    トサイドブロックに形成された第1のサライと、前記ロ
    ータの軸方向吐出側端面に面して前記リアサイドブロッ
    クに形成された第2のサライとを備え、該第2のサライ
    と前記第1のサライとは径方向回りの断面積がほぼ同一
    とされたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項
    に記載の気体圧縮機。
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