JP2003269106A - 蒸気タービン - Google Patents

蒸気タービン

Info

Publication number
JP2003269106A
JP2003269106A JP2002065047A JP2002065047A JP2003269106A JP 2003269106 A JP2003269106 A JP 2003269106A JP 2002065047 A JP2002065047 A JP 2002065047A JP 2002065047 A JP2002065047 A JP 2002065047A JP 2003269106 A JP2003269106 A JP 2003269106A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
turbine
rotor blade
steam
disk
blade
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002065047A
Other languages
English (en)
Inventor
Masataka Kikuchi
地 正 孝 菊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2002065047A priority Critical patent/JP2003269106A/ja
Publication of JP2003269106A publication Critical patent/JP2003269106A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Butt Welding And Welding Of Specific Article (AREA)
  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸気温度が650℃以上の蒸気タービンであ
るにもかかわらず、高熱応力の発生が抑制されて低サイ
クル疲労損傷の防止することができるとともに、遠心力
によるタービン動翼接合部の応力を大幅に低減し十分な
強度が確保できるようにした蒸気タービンを得ること。 【解決手段】 タービンに流入する蒸気の温度が650
℃以上の蒸気タービンにおいて、且つ低圧タービン部を
除くタービン段落のうちの少なくとも1段落以上の段落
に関する。例えば12Cr鋼に代表されるフェライト系
鉄鋼材料からなるタービン動翼の基部を、同様に12C
r鋼に代表されるフェライト系鉄鋼材料からなるタービ
ンシャフトと一体で形成されているディスクの外周に直
接溶接接合することによってタービンのロータ部を構成
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タービンに流入す
る蒸気条件が650℃以上の蒸気タービンに係り、特に
そのロータ部に関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電プラントの蒸気条件の高温・高
圧化は、その効率向上に寄与する非常に重要かつ基本的
な要因であるが、1960年代後半に24.1MPa、
538/566℃の一段再熱の蒸気条件がわが国の事業
用火力タービンの標準的なものとして確立されてから
は、最近に至るまで画期的な進展はみられていなかっ
た。しかし、オイルショック以来、省エネルギー化が強
力に推進され、その後の地球温暖化問題に対する急速な
関心の高まりから火力発電プラントの高効率化が押し進
められている。
【0003】発電効率を上げるためには蒸気タービンの
蒸気温度を上げるのが最も有効な手段である。従来の蒸
気タービン設備の蒸気条件は、600℃級以下の蒸気温
度であり、蒸気タービンのタービンシャフト、タービン
動翼等の主要部材にはCrMoV鋼や12Cr鋼に代表
されるフェライト系耐熱鋼が用いられている。蒸気温度
600℃級の蒸気タービンのタービン動翼においては一
部においてNi基合金が適用されることもあった。
【0004】従来の高効率タービン用のフェライト系耐
熱鋼としては、例えば特公昭60−31898号公報、
特公昭60−54385号公報また特開平2−1496
49号公報にみられるような高強度耐熱鋼が知られ、特
にこれらの材料として高温強度のより優れた耐熱鋼とし
ては、特開平8−3697号公報や特開平7−3420
2号公報にみられるような高強度耐熱鋼が知られてい
る。
【0005】しかしながら、これらフェライト系耐熱鋼
は600℃を越えるとその強度が急激に低下する。
【0006】従来技術においては、タービン動翼をター
ビンシャフトに取り付けるための接合構造として、図1
3に代表されるようなタービン動翼1の動翼基部1aに
形成されたあり溝1aとタービンシャフト2に一体的
に設けられたディスク3の外周部のあり溝3aの嵌合
による方法が用いられている。このあり溝1a、3a
にはタービン動翼1の遠心力が作用するので、あり溝
部分には強大な応力が作用している。なおかつ、あり溝
1a、3aの嵌合によるタービン動翼1とディスク
3との接合においては、あり溝形状による断面積の減少
に伴う応力の上昇や、あり溝形状の角部の高い応力集中
係数による局所応力の上昇、タービン動翼1とタービン
シャフト2のディスク3のあり溝嵌合部の接触端近傍の
応力の上昇などによって、これらのあり溝部は非常に高
い応力にさらされている。
【0007】650℃以上の蒸気条件の蒸気タービンに
おいては、タービンシャフトまたはタービン動翼がフェ
ライト系鉄鋼材料から形成されている場合、高温による
材料の強度低下が顕著になるので、このような従来のタ
ービン動翼接合構造では強度上の安全性を確保すること
が困難になってくる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】蒸気タービン設備の蒸
気条件が、650℃級以上の蒸気温度になった場合に、
タービンシャフト、ディスクおよびタービン動翼をフェ
ライト系鉄鋼材料によって形成し、タービン動翼とディ
スク間の接合方法として従来からの技術であるところの
あり溝の嵌合による接合方法を適用することは、高温に
さらされる部分のあり溝嵌部が強度的に非常に厳しい状
態となって、その実現性に欠けざるを得ないと言える。
【0009】また、蒸気タービン設備の蒸気条件が、6
50℃級以上の蒸気温度になった場合には、タービン動
翼を高温高強度のNi基合金としたとしても、タービン
動翼とディスク間の接合方法として従来からの技術であ
るところのあり溝の嵌合による接合方法を適用すること
は、フェライト系鉄鋼材料からなるディスク側のあり溝
形状部分が強度的に厳しいままであり、やはりその実現
性は極めて低い。
【0010】タービンシャフトは厚肉の構造物でありタ
ービンの起動時や停止時には外表面部と中心部の間に温
度差が生じて大きな熱応力が発生する。フェライト系鉄
鋼材料は熱伝導率が比較的高いのでタービンシャフトに
フェライト系鉄鋼材料を適用する限りにおいては現状の
タービン起動スケジュールに従って運転しても過大な熱
応力が発生することは希である。ところが、蒸気条件の
高温化に対処する目的でタービンシャフトに高温高強度
のNi基合金などに代表されるオーステナイト系金属材
料(具体的な材料としてSUS316等)を適用した場
合、オーステナイト系金属材料は熱伝導率がフェライト
系鉄鋼材料に比べて1/2程度であって小さいために従
来プラントと同等の起動・停止スケジュールを適用する
と、タービンの起動停止時にタービンシャフト外表面と
中心部の間に極めて大きな温度差が発生して極端に過大
な熱応力および熱歪みが発生し、しかもタービン起動停
止の繰り返しによってこの過大な熱歪みが繰り返し負荷
されるので低サイクル疲労損傷を誘発し、タービンシャ
フトに亀裂が発生することによる軸振動の発生やタービ
ンシャフトの損傷等によりタービンの運転に支障をきた
すことになる。タービンシャフトにオーステナイト系金
属材料を適用した際に上述のような問題が生じないよう
にするにはタービンの起動・停止スケジュールを大幅に
遅延伸長させて起動および停止に十分な時間を与えれば
よいことになるが、そのようなゆっくりとした起動・停
止スケジュールは運転コストの問題や運用性の問題など
から商業的に非現実的である。それ故に、タービンシャ
フトにオーステナイト系金属材料を適用することなくフ
ェライト系鉄鋼材料を適用した蒸気条件650℃以上の
蒸気タービンを実現することが課題となっている。
【0011】フェライト系鉄鋼材料で形成されたタービ
ンシャフトの高温部において強度的に厳しい部位はター
ビン動翼接合部のあり溝構造部分、ディスク位置のター
ビンシャフト中心孔表面およびディスク付け根部のター
ビンシャフト表面である。
【0012】従って、タービン動翼接合部の応力低減、
タービンシャフト中心孔の応力低減が、オーステナイト
系金属材料に比べて600℃を越えるような高温域では
強度的に劣るが安価で熱伝導性に優れたフェライト系鉄
鋼材料をタービンシャフトに採用するための課題である
と言える。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、タービンに流入する蒸気の
温度が650℃以上の蒸気タービンにける低圧タービン
部を除くタービン段落のうちの少なくとも1段落以上の
段落において、タービン動翼の基部をタービンシャフト
と一体で形成されているディスクの外周に溶接接合する
ことによってタービンのロータ部を構成したことを特徴
とする。
【0014】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明において、タービン動翼の基部を動翼植付けリングの
外周に溶接することによってタービン動翼を動翼植付け
リングに接合し、その動翼植付けリングの内周をタービ
ンシャフトと一体で形成されているディスクの外周に溶
接接合することによってタービンのロータ部を構成した
ことを特徴とする。
【0015】請求項3に係る発明は、請求項1に係る発
明において、精密鋳造、電解加工及び機械加工の少なく
とも1つの方法により全周一群構造のタービン動翼をリ
ング状の一体構造物として形成し、そのリング状の一体
構造物として形成された全周一群構造のタービン動翼の
動翼基部を、タービンシャフトから一体で形成されてい
るディスクの外周に溶接接合することによってタービン
のロータ部を構成したことを特徴とする。
【0016】請求項4に係る発明は、請求項1ないし3
のいずれかに係る発明において、タービンシャフトから
一体で形成されているディスクの外周の中央部及びター
ビン動翼基部の内周の中央部の少なくとも一方に溝を形
成し、そのタービン動翼基部をそのディスクの外周に溶
接することによって接合し、ディスク及びタービン動翼
基部の少なくとも一方に空間を形成させたことを特徴と
する。
【0017】請求項5に係る発明は、請求項1ないし4
のいずれかに係る発明において、タービンシャフト及び
タービン動翼の材料が12Cr鋼に代表されるフェライ
ト系鉄鋼材料であることを特徴とする。
【0018】請求項6に係る発明は、請求項1ないし4
のいずれかに係る発明において、タービンシャフトの材
料が12Cr鋼に代表されるフェライト系鉄鋼材料であ
り、タービン動翼の材料がNiを35%以上含むNi基
合金であることを特徴とする。
【0019】請求項7に係る発明は、請求項3に係る発
明において、リング状の一体構造物として形成された全
周一群構造のタービン動翼の動翼基部を別の中間リング
の外周に溶接接合し、その中間リングの内周をタービン
シャフトと一体で形成されているディスクの外周に溶接
接合することによってタービンのロータ部を構成したこ
とを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】図1及び図2は本発明における第
1の実施形態の例を示す図であり、図1はタービン動翼
の蒸気出口側から見た図、図2はロータの部分的な縦断
面図である。
【0021】本実施の形態は、タービンに流入する蒸気
の温度が650℃以上の蒸気タービンにおいて、且つ低
圧タービン部を除くタービン段落のうちの少なくとも1
段落以上の段落におけるロータに係るものであって、図
中符号10はタービンシャフトであり、そのタービンシ
ャフト10にはディスク11が一体に形成されている。
そして、そのディスク11に、動翼12a、動翼基部1
2b、及びシュラウドリング12cからなるタービン動
翼12が装着されている。上記タービンシャフト10及
びディスク11、並びに上記タービン動翼12はともに
12Cr鋼に代表されるフェライト系鉄鋼材料により構
成されており、上記タービン動翼12の動翼基部12b
が上記ディスク11の外周に直接溶接により接合され、
タービンのロータが構成されている。
【0022】しかして、本実施の形態によれば、蒸気温
度が650℃以上の蒸気タービンであるにもかかわらず
タービンシャフト及びタービン動翼の材料をフェライト
系鉄鋼材料としているので高熱応力の発生が抑制されて
低サイクル疲労損傷の防止に効果があり、またタービン
動翼接合部のあり溝構造を廃止してタービン動翼基部を
タービンシャフトのディスクに直接溶接接合する構造に
したので、遠心力によるタービン動翼接合部の応力が大
幅に低減されて十分な強度が確保でき、タービン動翼接
合部のクリープ損傷や疲労損傷を防止できる等の効果を
奏する。
【0023】また、上記実施の形態においては、タービ
ン動翼をフェライト系鉄鋼材料により構成したものを示
したが、本実施の形態における変形例として、上述のタ
ービン動翼12の材料をフェライト系鉄鋼材料に代えて
Niを35%以上含むNi基合金とすることもできる。
このようにタービン動翼を高温で高強度のNi基合金と
した場合には、蒸気温度が650℃以上の蒸気タービン
においても動翼部は十分な強度を有することになるので
曲線形状を多用したことにより流体性能を追求した各種
の3次元アドバンストフローパターン動翼を適用するこ
とが可能となってタービンの性能を向上させることがで
きる。
【0024】図3及び図4は本発明における第2の実施
の形態を示す図であり、図3はタービン動翼の蒸気出口
側から見た図、図4はロータの部分的な縦断面図であ
る。
【0025】本実施の形態も、タービンに流入する蒸気
の温度が650℃以上の蒸気タービンにおいて、且つ低
圧タービン部を除くタービン段落のうちの少なくとも1
段落以上の段落に関するものであり、タービンシャフト
10およびタービン動翼12の材料を12Cr鋼に代表
されるフェライト系鉄鋼材料とし、タービン動翼12の
動翼基部12bをフェライト系鋼からなる動翼植付けリ
ング13の外周に溶接することによってタービン動翼1
2を動翼植付けリング13に接合し、その動翼植付けリ
ング13の内周をタービンシャフト10と一体で形成さ
れているディスク11の外周に溶接接合することによっ
てタービンのロータが構成されている。
【0026】ところで、上記実施の形態におけるタービ
ン動翼12の材料をフェライト系鉄鋼材料に代えてNi
を35%以上含むNi基合金とすることもできる。この
場合、動翼植付けリング13の材料としては、タービン
動翼12とタービンシャフト10及びディスク11の材
料の線膨張率を考慮し、フェライト系鉄鋼材料、Ni基
合金、Co基合金、オーステナイト系鉄鋼材料の中から
適宜選択することができる。好ましくは動翼植付けリン
グ13の材料はタービン動翼12とディスク11を構成
する材料の中間の線膨張率を有する材料を適用する。
【0027】しかして、本実施の形態によれば、蒸気温
度が650℃以上の蒸気タービンであるにもかかわらず
タービンシャフトをフェライト系鉄鋼材料としているの
で高熱応力の発生が抑制されて低サイクル疲労損傷の防
止に効果があり、またタービン動翼接合部のあり溝構造
を廃止してタービン動翼基部をタービンシャフトのディ
スクに直接溶接接合する構造にしたので、遠心力による
タービン動翼接合部の応力が大幅に低減されて十分な強
度が確保できタービン動翼接合部のクリープ損傷や疲労
損傷の防止に効果がある。また、上述の作用・効果に加
えて、タービン動翼基部12bをフェライト系鋼からな
る動翼植付けリング13の外周に溶接することによって
タービン動翼12を動翼植付けリング13に接合したの
で、長大なタービンシャフト10に直接タービン動翼を
溶接接合する設備上の困難さを克服し、タービン動翼1
2をタービンシャフト10とは別体の動翼植付けリング
13に溶接して固定することになるので設備が簡略化で
きる。また、取り付け寸法精度も向上するのでタービン
の性能も向上する。
【0028】さらに、図5及び図6は本発明における第
3の実施の形態を示す図であり、図5はタービン動翼の
蒸気出口側から見た図、図6はロータの部分的な縦断面
図である。
【0029】本実施の形態も、タービンに流入する蒸気
の温度が650℃以上の蒸気タービンにおいて、且つ低
圧タービン部を除くタービン段落のうちの少なくとも1
段落以上の段落に関するものであり、タービンシャフト
10は12Cr鋼に代表されるフェライト系鉄鋼材料に
より形成されている。また、12Cr鋼に代表されるフ
ェライト系鉄鋼材料からなるリングを、精密鋳造、電解
加工及び機械加工のいずれかの方法もしくは複数の方法
を組合わせて加工することによって、図7に示すよう
に、動翼14a、リング状の動翼基部14b、及びリン
グ状のシュラウドリング14cが一体となった全周一群
構造のタービン動翼14を形成し、そのリング状の一体
構造物として形成された全周一群構造のタービン動翼1
4の動翼基部14bをタービンシャフト10に一体に形
成されているディスク11の外周に溶接接合することに
よりタービンのロータが形成されている。
【0030】しかして、本実施の形態によれば、蒸気温
度が650℃以上の蒸気タービンであるにもかかわらず
タービンシャフト10及びディスク11をフェライト系
鉄鋼材料としているので起動停止における高熱応力の発
生が抑制され低サイクル疲労損傷の防止に効果がある。
またディスク11とタービン動翼14の接合部のあり溝
構造を廃止してタービン動翼14の動翼基部14bをデ
ィスク11に直接溶接接合する構造にしたので遠心力に
よるタービン動翼接合部の応力が大幅に低減されて十分
な強度が確保できタービン動翼接合部のクリープ損傷や
疲労損傷の防止に効果がある。しかも、その段落のター
ビン動翼を全周一群構造に一体で形成したので構造的に
剛であり流体励振力などの外力の影響を受け難い構造と
なって高サイクル疲労損傷の危険性が大幅に減ずること
ができる。また、個々に分割されたタービン動翼を1枚
ずつタービンシャフトのディスクに溶接により接合する
方法に比べて、全周一群構造の一体構造物としてのター
ビン動翼14をタービンシャフト10のディスク11に
直接溶接接合したほうが寸法的なばらつきを少なくでき
るので動翼内の流れがスムーズになって蒸気通路部の寸
法的なばらつきによるタービンの性能の低下を抑制でき
る。また、溶接に際しての手順も簡単で溶接工数を大き
く低減できる等の効果を奏する。
【0031】なお、上記の実施の形態におけるタービン
動翼14の材料をフェライト系鉄鋼材料に代えてNiを
35%以上含むNi基合金とすることもできる。この場
合、タービン動翼14を高温で高強度のNi基合金とし
たことにより、蒸気温度が650℃以上の蒸気タービン
においてもタービン動翼14の動翼14aの部分は十分
な強度を有することになるので曲線形状を多用すること
により流体性能を追求した各種の3次元アドバンストフ
ローパターン動翼を適用することが可能となってタービ
ンの性能を向上させることができる。
【0032】図8及び図9は、本発明における第4の実
施の形態を示す図であり、図8はタービン動翼を蒸気出
口側から見た図、図9はロータの部分的な縦断面図であ
る。
【0033】本実施の形態も、タービンに流入する蒸気
の温度が650℃以上の蒸気タービンにおいて、且つ低
圧タービン部を除くタービン段落のうちの少なくとも1
段落以上の段落に関するものであり、タービンシャフト
10は12Cr鋼に代表されるフェライト系鉄鋼材料に
より形成されている。また、Niを35%以上含むNi
基合金からなるリングを、精密鋳造、電解加工及び機械
加工のいずれかの方法もしくは複数の方法を組合わせて
加工することによって、動翼15a、リング状の動翼基
部15b、及びリング状のシュラウドリング15cが一
体となった全周一群構造のタービン動翼15を形成し、
そのリング状の一体構造物として形成された全周一群構
造のタービン動翼15の動翼基部15bを別の中間リン
グ16の外周に溶接接合し、その中間リング16の内周
をタービンシャフト10と一体で形成されているディス
ク11の外周に溶接接合することによってタービンのロ
ータが形成されている。
【0034】なお、ディスク11の外周に溶接する中間
リング16の材料としては、タービン動翼15とタービ
ンシャフト10およびディスク11の材料の線膨張率を
考慮し、フェライト系鉄鋼材料、Ni基合金、Co基合
金、オーステナイト系鉄鋼材料の中から適宜選択するこ
とができる。好ましくは中間リング16の材料はタービ
ン動翼15とディスク11を構成する材料の中間の線膨
張率を有するものがよい。
【0035】しかして、本実施の形態によれば、前記各
実施の形態と同様に、蒸気温度が650℃以上の蒸気タ
ービンであるにもかかわらずタービンシャフト10及び
ディスク11をフェライト系鉄鋼材料としているので起
動停止における高熱応力の発生が抑制され低サイクル疲
労損傷の防止に効果がある。またディスク11とタービ
ン動翼15の接合部のあり溝構造を廃止してタービン動
翼15の動翼基部15bを中間リング16を介してディ
スク11に溶接接合する構造にしたので遠心力によるタ
ービン動翼接合部の応力が大幅に低減されて十分な強度
が確保できタービン動翼接合部のクリープ損傷や疲労損
傷の防止に効果がある。また、中間リングは、タービン
シャフト10及びディスク11とタービン動翼15がそ
れぞれ有する線膨張率の略中間の値を有する材料とした
ので、起動停止時においても溶接接合部に過大な熱応力
が負荷されることはない。さらに、その段落のタービン
動翼を全周一群構造に一体で形成したので構造的に剛で
あり流体励振力などの外力の影響を受け難い構造となっ
て高サイクル疲労損傷の危険性が大幅に減ずることがで
きる。また、個々に分割されたタービン動翼を1枚ずつ
タービンシャフトのディスクに溶接により接合する方法
に比べて、全周一群構造の一体構造物としてのタービン
動翼15をタービンシャフト10のディスク11に溶接
接合したほうが寸法的なばらつきを少なくできるので動
翼内の流れがスムーズになって蒸気通路部の寸法的なば
らつきによるタービンの性能の低下を抑制できる。
【0036】しかも、タービン動翼15の材料を高温で
高強度のNi基合金としたことにより、蒸気温度が65
0℃以上の蒸気タービンにおいてもタービン動翼15の
動翼15aの部分は十分な強度を有することになるので
曲線形状を多用することにより流体性能を追求した各種
の3次元アドバンストフローパターン動翼を適用するこ
とが可能となってタービンの性能を向上させることがで
きる。
【0037】さらに、本実施の形態においては、ディス
ク11の外周に溶接する中間リング16の材料として、
タービン動翼15とタービンシャフト10およびディス
ク11の材料の線膨張率を考慮し、フェライト系鉄鋼材
料、Ni基合金、Co基合金、オーステナイト系鉄鋼材
料の中から適宜選択し、好ましくは中間リング16の材
料としてタービン動翼10とディスク11を構成する材
料の中間の線膨張率を有する材料を適用することによ
り、溶接接合部に発生する熱応力を低減できることから
溶接接合部の熱疲労による亀裂の発生を防止することが
でき、安全で信頼性が高いタービンのロータを得ること
ができる。
【0038】図10は、図2の変形例を示す図であり、
図2に示す蒸気タービンにおいて、ディスク11の外周
の中央部及び動翼基部12bの少なくとも一方の内周の
中央部に溝17a、17bが形成され、その動翼基部1
2bをそのディスク11の外周に溶接することによって
接合され、ディスク11及び動翼基部12bの少なくと
も一方に空間が形成されている。
【0039】また、図11は図4の変形例であり、ディ
スク11の外周の中央部及び動翼植付けリング13の内
周の少なくとも一方の中央部に溝17a、17cを形成
し、その動翼植付けリング13を上記ディスク11の外
周に溶接することによって接合し、ディスク11及び動
翼植付けリング13の少なくとも一方に空間が形成され
ている。
【0040】さらに、図12は図8の変形例であり、デ
ィスク11と中間リング16との接合部、及び中間リン
グ16と動翼基部15bとの接合部にそれぞれ溝18、
19が設けられている。
【0041】しかして、これらの実施の形態によれば、
ディスク11部分を中空にすることができるので、ディ
スク11の質量を低減することができ、それ故にタービ
ンシャフト中心孔20の遠心応力を低減することがで
き、いっそうの高温化に対応できる。
【0042】なお、代表的なフェライト系鉄鋼材料とし
てはCrMo鋼、CrMoV鋼、12Cr鋼などが挙げ
られるが、Nb、Bなどの微量添加物の有無を問わな
い。さらに、前記Ni基合金の具体的な合金名としてI
ncone1718、Nimonic80A(いずれも
登録商標)などが、また前記Co基合金としてステライ
ト(登録商標)が挙げられる。また、溶接法としてはタ
ングステンイナートガス溶接、サブマージドアーク溶接
等が挙げられるが、溶接の種類は問わない。さらに、溶
接に際して余熱や後熱を適宜行うことおよび溶接残留ひ
ずみ除去のための熱処理を適宜行う。またその条件は採
用した溶接法、被溶接材の材料の種類により適宜選択す
る。
【0043】また、本発明はタービンシャフト中心孔の
有無を問わない。タービンシャフト中心孔応力低減の効
果は、タービンシャフト中心孔が無い場合にはタービン
シャフト中心部の応力低減の効果に置き換わる。
【0044】
【発明の効果】本発明は、上述のように、蒸気温度が6
50℃以上の蒸気タービンであるにもかかわらずタービ
ンシャフトをフェライト系鉄鋼材料としているので高熱
応力の発生が抑制されて低サイクル疲労損傷の防止に効
果があり、またタービン動翼接合部のあり溝構造を廃止
してタービン動翼基部をホールに溶接接合する構造にし
たので、遠心力によるタービン動翼接合部の応力が大幅
に低減されて十分な強度が確保できタービン動翼接合部
のクリープ損傷や疲労損傷の防止に効果がある。
【0045】また、タービン動翼をタービンシャフトと
は別体の動翼植付けリングに溶接して固定した場合に
は、上述の作用・効果に加えて、長大なタービンシャフ
トに直接タービン動翼を溶接接合する設備上の困難さを
克服しタービン動翼の取り付け寸法精度も向上すると共
に、製造設備が簡略化でき、製造コストの低減を可能に
するという効果を生むことができる。
【0046】また、タービン動翼を全周一群構造に一体
で形成した場合には、タービン動翼は構造的に剛であり
流体励振力などの外力の影響を受け難い構造となって高
サイクル疲労損傷の危険性が大幅に低下するという効果
を発揮できる。
【0047】また、本発明はディスク部分を中空にする
ことができるので、その質量を低減することができ、そ
れ故にタービンシャフト中心孔の遠心応力を低減するこ
とができ、いっそうの高温化に対応できる。
【0048】さらに、タービン動翼を高温で高強度のN
i基合金とした場合には、蒸気温度が650℃以上の蒸
気タービンにおいてもタービン動翼翼素部分は十分な強
度を有することから曲線形状を多用したことにより流体
性能を追求した各種の3次元アドバンストフローパター
ン動翼を適用してタービンの性能を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の実施の形態を示す説明
図。
【図2】図1に示す蒸気タービンのロータの部分的な縦
断面図。
【図3】本発明における第2の実施の形態を示す説明
図。
【図4】第2の実施形態の蒸気タービンのロータの部分
的な縦断面図。
【図5】本発明における第3の実施の形態を示す説明
図。
【図6】第3の実施形態の蒸気タービンのロータの部分
的な縦断面図。
【図7】リング状の一体構造物として形成した全周一群
構造のタービン動翼を示す図。
【図8】本発明における第4の実施形態を示す説明図。
【図9】第4の実施形態の蒸気タービンのロータの部分
的な縦断面図。
【図10】図2の変形例を示す図。
【図11】図4の変形例を示す図。
【図12】図9の変形例を示す図。
【図13】従来技術における蒸気タービンのロータの部
分的な縦断面図。
【符号の説明】
10 タービンシャフト 11 ディスク 12、14、15 タービン動翼 12a、14a、15a 動翼 12b、14b、15c 動翼基部 12c、14c、15c シュラウドリング 13 動翼植付けリング 16 中間リング 17a、17b 溝

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タービンに流入する蒸気の温度が650℃
    以上の蒸気タービンにおける低圧タービン部を除くター
    ビン段落のうちの少なくとも1段落以上の段落におい
    て、タービン動翼の基部をタービンシャフトと一体で形
    成されているディスクの外周に溶接接合することによっ
    てタービンのロータ部を構成したことを特徴とする蒸気
    タービン。
  2. 【請求項2】タービン動翼の基部を動翼植付けリングの
    外周に溶接することによってタービン動翼を動翼植付け
    リングに接合し、その動翼植付けリングの内周をタービ
    ンシャフトと一体で形成されているディスクの外周に溶
    接接合することによってタービンのロータ部を構成した
    ことを特徴とする、請求項1記載の蒸気タービン。
  3. 【請求項3】精密鋳造、電解加工及び機械加工の少なく
    とも1つの方法により全周一群構造のタービン動翼をリ
    ング状の一体構造物として形成し、そのリング状の一体
    構造物として形成された全周一群構造のタービン動翼の
    動翼基部を、タービンシャフトから一体で形成されてい
    るディスクの外周に溶接接合することによってタービン
    のロータ部を構成したことを特徴とする、請求項1記載
    の蒸気タービン。
  4. 【請求項4】タービンシャフトから一体で形成されてい
    るディスクの外周の中央部及びタービン動翼基部の内周
    の中央部の少なくとも一方に溝を形成し、そのタービン
    動翼基部をそのディスクの外周に溶接することによって
    接合し、ディスク及びタービン動翼基部の少なくとも一
    方に空間を形成させたことを特徴とする、請求項1ない
    し3のいずれかに記載の蒸気タービン。
  5. 【請求項5】タービンシャフト及びタービン動翼の材料
    が12Cr鋼に代表されるフェライト系鉄鋼材料である
    ことを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載
    の蒸気タービン。
  6. 【請求項6】タービンシャフトの材料が12Cr鋼に代
    表されるフェライト系鉄鋼材料であり、タービン動翼の
    材料がNiを35%以上含むNi基合金であることを特
    徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の蒸気タ
    ービン。
  7. 【請求項7】リング状の一体構造物として形成された全
    周一群構造のタービン動翼の動翼基部を別の中間リング
    の外周に溶接接合し、その中間リングの内周をタービン
    シャフトと一体で形成されているディスクの外周に溶接
    接合することによってタービンのロータ部を構成したこ
    とを特徴とする、請求項3記載の蒸気タービン
JP2002065047A 2002-03-11 2002-03-11 蒸気タービン Withdrawn JP2003269106A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002065047A JP2003269106A (ja) 2002-03-11 2002-03-11 蒸気タービン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002065047A JP2003269106A (ja) 2002-03-11 2002-03-11 蒸気タービン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003269106A true JP2003269106A (ja) 2003-09-25

Family

ID=29197542

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002065047A Withdrawn JP2003269106A (ja) 2002-03-11 2002-03-11 蒸気タービン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003269106A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008062299A (ja) * 2006-07-19 2008-03-21 Snecma ブリスクの製造方法および方法を実施するための金型
JP2011012549A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Hitachi Ltd タービンロータ
US20110217176A1 (en) * 2008-10-16 2011-09-08 Mtu Aero Engines Gmbh Method for connecting at least one turbine blade to a turbine disk or a turbine ring
JP2014105363A (ja) * 2012-11-28 2014-06-09 Kunitomo Nekko Kk フェライト系表面改質金属部材およびフェライト系表面改質金属部材の製造方法
EP3000556A1 (en) * 2014-09-24 2016-03-30 Honeywell International Inc. Shrouded bonded turbine rotors and methods for manufacturing the same
EP3034645A1 (en) * 2014-12-17 2016-06-22 Mitsubishi Hitachi Power Systems, Ltd. Steam turbine rotor, steam turbine including same, and thermal power plant using same

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008062299A (ja) * 2006-07-19 2008-03-21 Snecma ブリスクの製造方法および方法を実施するための金型
US20110217176A1 (en) * 2008-10-16 2011-09-08 Mtu Aero Engines Gmbh Method for connecting at least one turbine blade to a turbine disk or a turbine ring
JP2011012549A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Hitachi Ltd タービンロータ
US8596982B2 (en) 2009-06-30 2013-12-03 Hitachi, Ltd. Turbine rotor
JP2014105363A (ja) * 2012-11-28 2014-06-09 Kunitomo Nekko Kk フェライト系表面改質金属部材およびフェライト系表面改質金属部材の製造方法
EP3000556A1 (en) * 2014-09-24 2016-03-30 Honeywell International Inc. Shrouded bonded turbine rotors and methods for manufacturing the same
EP3034645A1 (en) * 2014-12-17 2016-06-22 Mitsubishi Hitachi Power Systems, Ltd. Steam turbine rotor, steam turbine including same, and thermal power plant using same
JP2016113683A (ja) * 2014-12-17 2016-06-23 三菱日立パワーシステムズ株式会社 蒸気タービンロータ、該蒸気タービンロータを用いた蒸気タービン、および該蒸気タービンを用いた火力発電プラント
CN105715304A (zh) * 2014-12-17 2016-06-29 三菱日立电力系统株式会社 蒸气涡轮转子、使用了该蒸气涡轮转子的蒸气涡轮以及使用了该蒸气涡轮的火力发电机组
US10260357B2 (en) 2014-12-17 2019-04-16 Mitsubishi Hitachi Power Systems, Ltd. Steam turbine rotor, steam turbine including same, and thermal power plant using same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8146795B2 (en) Method of friction welding
AU2007214378B2 (en) Methods and apparatus for fabricating turbine engines
JP4908137B2 (ja) タービンロータおよび蒸気タービン
US7984547B2 (en) Method for manufacturing and/or repairing components for gas turbines
US8969760B2 (en) System and method for manufacturing an airfoil
US7922455B2 (en) Steam-cooled gas turbine bucker for reduced tip leakage loss
US5823745A (en) Method of repairing a steam turbine rotor
JP2008151013A (ja) タービンロータおよび蒸気タービン
CN101821480A (zh) 用于借助焊接的叶片根部制造叶盘或叶环的方法
JP2008163937A (ja) 回転アセンブリ部品及び部品の製造方法
JP2007231868A (ja) 蒸気タービン動翼およびそれを用いた蒸気タービン並びに蒸気タービン発電プラント
CN107466337B (zh) 双合金动叶
JP2011062749A (ja) タービンエンジン部品を形成する超合金組成物及び方法
JP2000257404A (ja) サーマル・ターボ機械用のハウジング
JP2005224862A (ja) 鋳造ステータベーンセグメントの脚部を補修する補修方法
KR20090023291A (ko) 터빈 로터 장치 및 시스템
JP2017115859A (ja) 深い先端の割れを修理するためのシステムおよび方法
JPH0658168A (ja) ガスタービン用圧縮機及びガスタービン
JP5214280B2 (ja) タービンノズルセグメント及びその補修方法
JP2003269106A (ja) 蒸気タービン
JP2013185586A (ja) 加工タービンエーロフォイル
JP2007513780A (ja) コンプレッサロータの製造方法
US7108483B2 (en) Composite gas turbine discs for increased performance and reduced cost
JPWO2010053023A1 (ja) 蒸気タービンロータの製造方法及び蒸気タービンロータ
US20150211372A1 (en) Hot isostatic pressing to heal weld cracks

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050607