JP2003268664A - 積層不織布 - Google Patents
積層不織布Info
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Abstract
つ、原料の樹脂のリサイクルが可能である積層不織布を
提供することにある。 【解決手段】積層不織布10は、ポリオレフィン系樹脂
からなるポリオレフィン系割繊維不織布11と、前記ポ
リオレフィン系樹脂と同一の樹脂からなるランダム不織
布12とをロール表面に複数の凸部が形成されたエンボ
スロールを用いた熱エンボス加工により積層・接着して
構成されている。また、熱エンボス加工によるポリオレ
フィン系割繊維不織布11とランダム不織布12との接
着面積の占める割合は、5〜90%程度であり、好まし
くは7〜30%程度である。
Description
る。詳しくは、農業用被覆材料、ゴルフ場のグリンカバ
ー、フィルター、水切り袋、その他各種の袋類、油吸着
材料、フラワーラップ、ハウスラップ等の農業用や園芸
用資材、建築用資材等に利用される積層不織布に関す
る。
リンカバー、フィルター、水切り袋、その他各種の袋
類、油吸着材料、フラワーラップ、ハウスラップ等の農
業用や園芸用資材、建築用資材等に利用されるシート材
としては、機械的強度、通気性、また材料の分別等のた
めにフィルター性が要求されている。これらの要求を満
たすシート材の材料として、不織布が期待され、その中
でも、割繊維不織布が挙げられている。
してなる溶融樹脂をTダイまたは管状ダイでフィルム成
形して延伸した後、割繊して得られた網状組織の割繊維
(スプリットファイバー)を一定の幅に展開して固定
し、交差するように経緯積層して得られる(特公昭47
−2786号公報、特公昭47−4738号公報および
特公昭52−4672号公報)ものが挙げられる。しか
しながら、この割繊維不織布は、機械的強度はあるもの
の、不織布の目が粗く、フィルターや保温性農業被覆材
等の用途には使用できない等の問題を有している。
の繊維がランダムに分散したランダム不織布がある。こ
のランダム不織布は、原料となる樹脂を溶融紡糸し、ラ
ンダムに分散させてなるランダムウェブを機械的交絡に
より固定するか、または接着剤や加熱による熱溶融によ
り固定して製造される。このランダム不織布を製造する
方法としては、ニードルパンチ法、レジンボンド法、ス
パンボンド法等が挙げられている。これらランダム不織
布は、機械的強度が上記の割繊維不織布に劣るという問
題がある。
不織布のそれぞれの問題点を解決するために、割繊維繊
維不織布とランダム不織布を積層させる方法も検討され
ている(特開平6−207359号公報)。特開平6−
207359号公報記載の技術でのランダム不織布は、
高融点樹脂繊維と低融点樹脂繊維の組み合わせ、もしく
は高融点樹脂と低融点樹脂を混合してなる複合繊維の使
用を好適としている。また、特開平6−207359号
公報には、単一系すなわち同種の原料を用いたランダム
不織布として、メルトブロー法によるメルトブロー不織
布のみが挙げられている。
用、ゴミの低減等の環境問題が発生している。そのため
プラスチック製品のリサイクル等ができる各種の方法が
検討されている。その中で、当初より単一の熱可塑性樹
脂で製品を設計して、使用後、再度、該製品を溶融成形
し直し、別のプラスチック製品を製造する、樹脂のリサ
イクルが要望されている。
た特開平6−207359号公報記載の技術では、ラン
ダム不織布は、2種以上の原料の組み合わせからなるも
のであり、樹脂のリサイクルができないというという問
題がある。また、特開平6−207359号公報記載の
技術での、単一系の原料を用いたランダム不織布とし
て、メルトブロー不織布を用いた場合でも、割繊維不織
布とランダム不織布の積層は、加熱ロールによる全面の
熱接着によるものなので、割繊維不織布に熱によるダメ
ージを与え、割繊維不織布の機械的強度の劣化を生じる
という問題がある。また、メルトブロー不織布固有の問
題で、表面にケバがでやすいという問題もある。
ィルター性を有し、かつ、原料の樹脂のリサイクルが可
能である積層不織布を提供することにある。
に、本発明の積層不織布は、ポリオレフィン系樹脂から
なるポリオレフィン系割繊維不織布と、前記ポリオレフ
ィン系樹脂と同一の樹脂からなるランダム不織布とをロ
ール表面に複数の凸部が形成されたエンボスロールを用
いた熱エンボス加工により積層・接着したことを特徴と
する。
例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等
が挙げられる。ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポ
リエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエ
チレン等が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂として
は、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン等が
挙げられる。また、ポリエチレン系樹脂同士であれば、
例えば、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとの
多層フィルムを用いて割繊した割繊維不織布としてもよ
い。
繊方法としては、1軸延伸したフィルムを針歯やカッタ
ーで切開割繊する方法、回転丸棒ヤスリに接触摺動せし
めて割繊する方法等、接着材を使用していないものであ
れば、公知の方法が使用できる。
は、接着材を用いない方法であればよく、特に制限され
ないが、割繊した繊維を熱接着により接着する方法が好
ましい。
維がランダムに分散した不織布である。このランダム不
織布を製造する際には、紡糸、延伸、開繊を行った後、
開繊処理された糸条をネットドラム上に捕集する、また
はネットコンベア上に捕集することにより行われる。こ
の際、例えば、数千m/分の糸状の放出速度に対して、
数十〜数百m/分の速度で移動する捕集装置上に糸状が
堆積するので、規則的に堆積せず、ランダムループ状に
糸状が捕集される。このようにして、不織布の繊維がラ
ンダムに分散するようになる。
樹脂のリサイクルが可能な樹脂同士の組合わせになるよ
うに選択された樹脂のことをいう。具体的には、例え
ば、ポリオレフィン系割繊維不織布のポリオレフィン系
樹脂がポリエチレン系樹脂である場合には、高密度ポリ
エチレンと低密度ポリエチレンの組み合わせ、直鎖状低
密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンの組み合わせ、
低密度ポリエチレンと直鎖状低密度ポリエチレンの組み
合わせ等が該当する。
フィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂である場合には、
ホモポリプロピレンとランダムポリプロピレンの組み合
わせ等が該当する。しかしながら、ポリオレフィン系樹
脂であるといっても、ポリエチレン系樹脂とポリプロピ
レン系樹脂との組み合わせは、本発明でいうポリオレフ
ィン系樹脂と、それと同一の樹脂との組み合わせとはな
らない。
ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂とポリエス
テル系樹脂、ポリエチレン系樹脂とエチレン−酢酸ビニ
ルは、本発明でいうポリオレフィン系樹脂と、それと同
一の樹脂との組み合わせとはならない。但し、紡糸性、
成形性の観点から、5wt%以下の他の樹脂を添加して
もよい。ここで、5wt%を越えると、樹脂のリサイク
ル上問題が生じる。
0g/m2が好ましく、より好ましくは7〜100g/
m2である。この目付が5g/m2未満であると、緻密性
に劣る。この目付が200g/m2を越えると、不織布
が厚く重くなり、ハンドリング性、製造コストの面で問
題がある。ポリオレフィン系割繊維不織布と、ランダム
不織布との原料となる樹脂の最適な組み合わせは、汎用
的に生産できるという観点から、ポリエチレン系樹脂同
士の組み合わせが良い。
ム不織布との積層方法としては、ロール表面に複数の凸
部が形成されたエンボスロールを用いた熱エンボス加工
により積層・接着することが好ましい。
ランダム不織布は、同一の樹脂同士を原料の樹脂とする
ので、これらの樹脂には、融点差をつけにくい。したが
って、ポリオレフィン系割繊維不織布とランダム不織布
を積層する際に全面を表面平滑なフラットロールにより
熱ラミネートするカレンダー方式を採用した場合には、
ラミネートが可能となるまでに各不織布を加熱すると、
ポリオレフィン系割繊維不織布の全面に熱によるダメー
ジが発生する。そのため、エンボスロールを用いた熱エ
ンボス加工により行えば、エンボスロールの凸部にのみ
不織布が加熱圧着されるので、加熱される部分の面積が
限られるために、熱によるダメージを少なくすることが
できる。
ン系樹脂からなるポリオレフィン系割繊維不織布を有し
ていることにより、割繊維不織布は機械的強度に優れて
いるので、機械的強度が大きい積層不織布とすることが
できる。また、ランダム不織布を有していることによ
り、ランダム不織布は、目の細かい繊維からなる不織布
であり、フィルター性を付与するので、フィルター性を
有する積層不織布とすることができる。さらに、ポリオ
レフィン系樹脂と、その樹脂と同一の樹脂を原料として
いるから、接着材を用いることなく積層することができ
るので、樹脂のリサイクルが可能である。そして、ポリ
オレフィン系割繊維不織布とランダム不織布は、ロール
表面に複数の凸部が形成されたエンボスロールを用いた
熱エンボス加工により積層・接着されることにより、エ
ンボスロールの凸部にのみ不織布が加熱圧着されるか
ら、加熱される部分の面積が限られるために、熱による
ダメージを少なくすることができるので、ポリオレフィ
ン系割繊維不織布の機械的強度の劣化を防ぐことがで
き、積層不織布の機械的強度を維持することができる。
加工による接着面積の占める割合は、5〜90%が好ま
しく、より好ましくは7〜30%である。ここで、接着
面積の占める割合が5%未満であると、ラミネート強度
が実用的には不十分となる。接着面積の占める割合が9
0%を越えると、不織布に熱によるダメージを与え、特
にポリオレフィン系割繊維不織布の機械的強度が低下す
る場合がある。また、不織布の積層時にエンボスロール
等へ不織布が付着してしまう場合がある。
加工は、前記ランダム不織布製造時に前記ポリオレフィ
ン系割繊維不織布を積層し、エンボス加工を施すインラ
イン加工であることが好ましい。ここで、インライン加
工とは、例えば、予めポリオレフィン系割繊維不織布上
に、前記ランダム不織布の樹脂を溶融紡糸し、ランダム
に分散させてなるランダムウェブを積層した後、ポリオ
レフィン系割繊維不織布とランダムウェブとが積層した
ものをエンボスロールにより、熱エンボス加工を施しつ
つ、ポリオレフィン系割繊維不織布とランダムウェブと
を固定する方法である。これによれば、ランダム不織布
のランダムウェブをエンボスロールにより固定すること
と、ポリオレフィン系割繊維不織布およびランダム不織
布の積層が同時にできるから、製造工程を減らすことが
でき、積層不織布の製造コストが削減できる。
ィン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂であることが好まし
い。ポリエチレン系樹脂は、加工性に優れているから割
繊を容易に行うことができるので、割繊維不織布の原料
として好適である。
織布は、スパンボンド不織布であることが好ましい。こ
こで、スパンボンド法は、不織布を構成するウェブを形
成する方法であり、公知のスパンボンド法を採用でき
る。スパンボンド法に好適な原料樹脂としては、生産性
の観点からポリオレフィン系樹脂が挙げられる。メルト
ブロー法と比較して、スパンボンド法により製造された
不織布は、連続長繊維からなり、ケバがでにくいので、
積層不織布もケバが発生しにくい。
系割繊維不織布に汎用的なポリエチレン系樹脂の不織布
を用いた場合、前記ランダム不織布の樹脂は、エチレン
−α−オレフィン系樹脂であることが好ましい。ここ
で、エチレン−α−オレフィン系樹脂としては、例え
ば、直鎖状低密度ポリエチレン等を採用できる。エチレ
ン−α−オレフィン系樹脂は、低密度ポリエチレンと比
較し、結晶化度が高いので、ランダム不織布製造時の紡
糸性、延伸性、開繊性を向上させることができる。ま
た、結晶化度が高いから、ランダム不織布の機械的強度
を向上させることができるので、積層不織布の機械的強
度も向上する。
織布の繊維径が、1〜30デニールであることが好まし
く、より好ましくは2〜20デニールである。ここで、
デニールとは、合成繊維等の長繊維の太さを表す単位を
いい、記号はdである。長さ9000mの糸の重さが1
gであるときを1デニールの太さという。したがって長
さ9000mの糸の重さをグラム数で表したものがデニ
ールになる。ランダム不織布の繊維径が1デニール未満
であると、不織布表面のケバが発生し易くなる。繊維径
が30デニールを越えると、不織布の緻密性が劣る場合
がある。
に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に
係る積層不織布10が示されている。積層不織布10
は、ポリオレフィン系樹脂からなるポリオレフィン系割
繊維不織布11と、前記ポリオレフィン系樹脂と同一の
樹脂からなるランダム不織布12とをロール表面に複数
の凸部が形成されたエンボスロールを用いた熱エンボス
加工により積層・接着して構成されている。また、熱エ
ンボス加工によるポリオレフィン系割繊維不織布11と
ランダム不織布12との接着面積の占める割合は、5〜
90%程度であり、好ましくは7〜30%程度である。
としては、低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンか
らなる多層フィルムを使用している。ポリオレフィン系
割繊維不織布11の目付は、5〜200g/m2程度で
あり、好ましくは10〜100g/m2である。この目
付が5g/m2未満であると、目的とする強度が得られ
ない。目付が200g/m2を越えると、製造コストの
面で不利となり、かつ厚くなりすぎて熱ラミネートしづ
らくなる。
割繊維不織布11の樹脂と同一の樹脂からなり、ポリオ
レフィン系割繊維不織布11がポリエチレン系樹脂から
なる場合、ランダム不織布12は、エチレン−α−オレ
フィン系樹脂である直鎖状低密度ポリエチレンを原料と
している。ランダム不織布12の製造方法としては、ス
パンボンド法を採用している。ランダム不織布12の目
付としては、5〜200g/m2程度である。ランダム
不織布12の繊維径としては、1〜30デニール程度で
あり、好ましくは2〜20デニール程度である。
層不織布10の製造は、図2に示されるような、製造装
置5を用いて行われる。製造装置5は、紡糸工程と、延
伸工程と、開繊工程と、捕集工程、ボンディング工程を
実施する。製造装置5は、ホッパ−40と、押出機41
と、ダイ42と、紡糸牽引機43と、コンベア44と、
巻き取りロール50と、ボンディング装置6と、繰り出
し機70とを備えて構成される。
12の原料を入れる開口部を有する。ここから、押出機
41へ原料を注入する。押出機41は、120mmΦ単
軸押出機(L/D=30、L:押出機のスクリュー部分
の長さ、D:スクリュー部分の径)である。ダイ42
は、スパンボンド法を行うための公知のダイを用いるこ
とができ、その大きさ、形状は、目的に応じて適宜変更
可能であり、さらに紡糸工程を行う紡糸口金430を有
する。
の糸条にするものである。なお、図示しないが、糸条に
するために、紡糸口金430には、冷却塔431側に向
いた複数のノズルが設けられており、この複数のノズル
を原料が通ることにより、糸条が形成される。
却塔431と、延伸工程を実施するフィラメント牽引部
432と、開繊工程を行う開繊部433とを備えて構成
される。紡糸牽引機43は、紡糸工程と、延伸工程と、
開繊工程を実施する。
能を持ち、箱形である。フィラメント牽引部432は、
紡糸牽引機43の絞り込まれたボックス状の部分のくび
れた部分に設けられ、紡糸した原料を高速で牽引して細
化、つまり、延伸する機能を持つ。開繊部433は、ボ
ックス状のくびれた部分のくびれが広がった部分が設け
られ、開繊部433で矢印で示した冷却空気による乱流
で糸条を均一に開繊する。
ル441、442と、吸引機443と、ベルト444と
を備えて構成される。コンベア44は、捕集工程を実施
する。ロール441、442は、金属製、ゴム製等任意
の部材より構成される。また、ベルト444も、金属
製、ゴム製等任意の材質の網状の部材より構成される。
ベルト444は、ロール441、442に巻装されてい
る。
2の少なくともどちらか1つには、モータ等の駆動手段
が取り付けられ、回転できるようになっている。吸引機
443は、開繊工程までを経て、空気を吸引することに
より、糸条になった原料をコンベア44に導くために、
巻装されたベルト444の内部に設けられている。
6は、エンボスロール60と、フラットロール61とを
備えて構成される。このポリオレフィン系割繊維不織布
11およびランダム不織布12は、エンボスロール60
とフラットロール61の間に挿通される。エンボスロー
ル60は、ランダム不織布12の表面に配置され、フラ
ットロール61は、ポリオレフィン系割繊維不織布11
の表面にくるように配置されている。エンボスロール6
0は、金属製であり、ロール表面に所定の間隔、深さ、
模様でエンボスパターンが形成されている。
れている複数の凸部が形成するエンボスパターンの面積
が占める割合としては、5〜90%程度であり、好まし
くは7〜30%程度である。エンボスロール60の内部
には、温度調整可能なオイル温調機が組み込まれ、温度
コントロールされている。
ール表面は平滑になっている。フラットロール61の内
部には、オイル温調機が組み込まれている。また、これ
らエンボスロール60、フラットロール61の少なくと
もどちらか1つには、図示しないが、モータ等の駆動手
段が取り付けられており、回転自在になっている。
た積層不織布10を巻き取る。この巻き取りロール50
は、任意の部材よりなり、目的に応じて適宜、大きさ等
を変更できる。
られ、ポリオレフィン系割繊維不織布11をコンベア4
4の上面に繰り出せるようにしたものである。
れる。積層不織布10のポリオレフィン系割繊維不織布
11およびランダム不織布12をそれぞれ製造する。ま
ず、ポリオレフィン系割繊維不織布11の製造方法とし
ては、原料の低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレン
からなる多層フィルムを用い、針歯で切開割繊する。そ
の後、一定の幅に展開して、交差するように積層する。
積層した繊維を加熱により溶融して熱接着し、ポリオレ
フィン系割繊維不織布11が完成する。そして、繰り出
し機70内にポリオレフィン系割繊維不織布11をセッ
トする。
12の積層および積層不織布10の製造を行う。 1)まず、ランダム不織布12の原料である直鎖状低密
度ポリエチレンをホッパー40に入れ、押出機41に原
料を注入する。押出機41を動作させ、ダイ42を通し
て、原料を紡糸牽引機43へ投入する。 2)冷却塔431により、原料が紡糸される(紡糸工
程)。 3)フィラメント牽引部432により、紡糸した原料を
高速で牽引して細化、つまり、延伸が行われる(延伸工
程)。 4)延伸工程後、開繊部433にて開繊させる(開繊工
程)。
ダム不織布12製造時にポリオレフィン系割繊維不織布
11を積層し、エンボス加工を施すインライン加工であ
る。具体的には、繰り出し機70よりコンベア44上に
ポリオレフィン系割繊維不織布11を繰り出し、ポリオ
レフィン系割繊維不織布11がコンベア44上に敷かれ
た状態にする。その後、ポリオレフィン系割繊維不織布
11上に、ランダム不織布12の樹脂を溶融紡糸して、
開繊されたランダム不織布12の糸状を、ランダムに分
散させてなる2.4m幅のランダムウェブを積層する。
この際、開繊処理された糸条の放出速度とコンベア44
の移動速度が異なることにより、規則的に糸状が堆積せ
ず、このようにして、ランダムに分散したランダムウェ
ブが形成される(捕集工程)。
ランダム不織布12となるランダムウェブとが積層して
いるものが、ボンディング装置6内のエンボスロール6
0とフラットロール61の間を挿通する。 7)エンボスロール60とフラットロール61内部のオ
イル温調機能を作動させ、加熱、加圧しながら、ポリオ
レフィン系割繊維不織布11とランダム不織布12を熱
接着して、熱エンボス加工が完了する。この後、熱接着
が完了したポリオレフィン系割繊維不織布11とランダ
ム不織布12は、巻き取りロール50に巻かれ、積層不
織布10が完成する(ボンディング工程)。
うな効果がある。 (1)ポリオレフィン系割繊維不織布11を有している
ことにより、割繊維不織布は機械的強度に優れているの
で、機械的強度が大きい積層不織布10とすることがで
きる。また、ランダム不織布12を有していることによ
り、ランダム不織布12は、目の細かい繊維からなる不
織布であり、フィルター性を付与するので、フィルター
性を有する積層不織布10とすることができる。さら
に、ポリオレフィン系割繊維不織布11およびランダム
不織布12は、互いにポリエチレンを原料としているか
ら接着材を用いることなく積層することができる。ま
た、同一樹脂の組み合わせであるからリサイクルが可能
である。そして、ポリオレフィン系割繊維不織布11と
ランダム不織布12は、ロール表面に複数の凸部が形成
されたエンボスロール60を用いた熱エンボス加工によ
り積層・接着されることにより、エンボスロール60の
凸部にのみ不織布が加熱圧着されるから、加熱される部
分の面積が限られるために、熱によるダメージを少なく
することができるので、ポリオレフィン系割繊維不織布
11の機械的強度の劣化を防ぐことができ、積層不織布
10の機械的強度を維持することができる。
の樹脂が、ポリエチレン系樹脂であることにより、加工
性に優れ、割繊を容易に行うことができるので、ポリオ
レフィン系割繊維不織布11の原料として好適である。 (3)ランダム不織布12の樹脂が、エチレン−α−オ
レフィン系樹脂である直鎖状低密度ポリエチレン(LL
DPE)であることにより、低密度ポリエチレンより結
晶化度が高いので、ランダム不織布12製造時の紡糸
性、延伸性、開繊性を向上させることができる。
ブをポリオレフィン系割繊維不織布11上にエンボスロ
ール60により固定することと、ポリオレフィン系割繊
維不織布11およびランダム不織布12の積層が同時に
できるから、製造工程を減らすことができ、積層不織布
10の製造コストを削減できる。 (5)スパンボンド法により製造されたランダム不織布
12は、連続長繊維からなるから、ケバがでにくいの
で、積層不織布10もケバが発生しにくい。
ものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変
形、改良は、本発明に含まれるものである。例えば、前
記実施形態では、ポリオレフィン系割繊維不織布11の
割繊方法としては、針歯で切開割繊する方法を採用して
いたがこれに限定されず、カッターで切開割繊する方
法、回転丸棒ヤスリに接触摺動せしめて割繊する方法
等、接着材を使用していないものであれば、公知の方法
が使用できる。
1とランダム不織布12の原料の組み合わせとしては、
例えば、ポリオレフィン系割繊維不織布11のポリオレ
フィン系樹脂がポリエチレン系樹脂である場合には、高
密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンの組み合わせ、
直鎖状低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンの組み
合わせ、低密度ポリエチレンと直鎖状低密度ポリエチレ
ン等の組み合わせとしてもよい。また、ポリオレフィン
系割繊維不織布11のポリオレフィン系樹脂がポリプロ
ピレン系樹脂である場合には、ホモポリプロピレンとラ
ンダムポリプロピレンの組み合わせ等としてもよい。
紡糸性、成形性の観点から、5wt%以下の他の樹脂を
添加してもよい。ここで、5wt%を越えると、樹脂の
リサイクル上問題が生じる。その他、本発明を実施する
際の具体的な構造および形状等は、本発明の目的を達成
できる範囲内で他の構造等としてもよい。
条件を下記の通りとして積層不織布10を製造した。製
造装置5は、前述した条件の他の具体的条件としては、 エンボスロール60の温度 :115℃ フラットロール61の温度 :115℃ エンボスロール60 :エンボスパターンの面積圧着率 13%
ポリエチレン系割繊維不織布を用いた。 日石プラスト(株)製 商品名 ワリフ グレード SS−T 目付 18g/m2 厚さ 0.1mm
ンダム不織布12を製造した。 出光石油化学(株)製 Idemitsu LL(ポリ
エチレン系樹脂) グレード 2074G MI 25g/10分(190℃で測定) 密度 0.940 (g/cm3)
表面のケバの立ちにくい積層不織布10が得られた。な
お、ランダム不織布12の目付は、30g/m2 であ
り、繊維径は3デニールであった。
に、ポリオレフィン系割繊維不織布11とランダム不織
布12の原料と製造条件が異なる。 エンボスロール60の温度 :125℃ ランダム不織布12となるランダムウェブの温度 :230℃
ポリプロピレン系割繊維不織布を用いた。 日石プラスト(株)製 商品名 ワリフ グレード HSP(T) 目付 35g/m2 厚さ 0.18mm
ンダム不織布12を製造した。 出光石油化学(株)製 Idemitsu PP(ホモ
ポリプロピレン樹脂) グレード Y6005GM MI 60g/10分(230℃で測定) 密度 0.900 (g/cm3)
表面のケバの立ちにくい積層不織布10が得られた。な
お、ランダム不織布12の目付は、30g/m2 であ
り、繊維径は3デニールであった。
で、以下のようにポリオレフィン系割繊維不織布11と
ランダム不織布12の原料をかえて積層不織布10を製
造した。
ポリプロピレン系割繊維不織布を用いた。 日石プラスト(株)製 商品名 ワリフ グレード HSP(T) 目付 35g/m2 厚さ 0.18mm
ンダム不織布12を製造した。 出光石油化学(株)製 Idemitsu LL(ポリ
エチレン系樹脂) グレード 2074G MI 25g/10分(190℃で測定) 密度 0.940 (g/cm3)
表面のケバの立ちにくい積層不織布10が得られた。な
お、ランダム不織布12の目付は、30g/m2 であ
り、繊維径は3デニールであった。しかしながら、積層
不織布10のラミネート強度が弱く、積層不織布10の
巻き取り中にデラミ(ポリオレフィン系割繊維不織布1
1とランダム不織布12の剥離)が生じた。
で、ポリオレフィン系割繊維不織布11とランダム不織
布12を製造した。但し、エンボスロールとフラットロ
ールの組み合わせではなく、金属の表面平滑なフラット
ロール同士であるオイル温調式熱ラミネート装置(三正
精機(株)製)に投入して積層を行った。
た。表面のケバが抑えられず、ラミネート強度が弱かっ
た。さらに、ラミネート強度の向上のために、フラット
ロールの温度を上げたところ、フラットロールに不織布
が熱接着されて、生産できなかった。なお、以上におい
て、MIの測定は、JIS−K−7210に準拠した方
法で測定した。
上記の各条件で得られた積層不織布10を100mm幅
に、スリットし、ホッパーの部分に代わりにフィードロ
ールが付いている50mmφ単軸押出機(L/D=2
1)(以後、リサイクル押出機)に投入した。このリサ
イクル押出機は、上記製造装置5の120mmφ単軸押
出機の前段に接続されている。原料樹脂のリサイクル樹
脂の比率が、全体の20wt%になるように、リサイク
ル押出機の樹脂の押出量を調整した。また、リサイクル
された樹脂が20wt%混合されている状態で、上記の
ように、ランダムウェブを形成した。
は、紡糸、延伸の際の糸切れもなく、生産できた。比較
例1の積層不織布10の場合には、紡糸、延伸の際の糸
切れが発生し、安定して生産できなかった。比較例2の
場合には、積層不織布が製造できず、リサイクル確認は
できなかった。
からなるポリオレフィン系割繊維不織布を有しているこ
とにより、割繊維不織布は機械的強度に優れているの
で、機械的強度が大きい積層不織布とすることができ
る。また、ランダム不織布を有していることにより、ラ
ンダム不織布は、目の細かい繊維からなる不織布であ
り、フィルター性を付与するので、フィルター性を有す
る積層不織布とすることができる。さらに、ポリオレフ
ィン系樹脂と、その樹脂と同一の樹脂を原料としている
から、接着材を用いることなく積層することができるの
で、樹脂のリサイクルが可能である。そして、ポリオレ
フィン系割繊維不織布とランダム不織布は、ロール表面
に複数の凸部が形成されたエンボスロールを用いた熱エ
ンボス加工により積層・接着されることにより、エンボ
スロールの凸部にのみ不織布が加熱圧着されるから、加
熱される部分の面積が限られるために、熱によるダメー
ジを少なくすることができるので、割繊維不織布の機械
的強度の劣化を防ぐことができ、積層不織布の機械的強
度を維持することができる。
である。
である。
ある。
Claims (7)
- 【請求項1】ポリオレフィン系樹脂からなるポリオレフ
ィン系割繊維不織布と、 前記ポリオレフィン系樹脂と同一の樹脂からなるランダ
ム不織布とをロール表面に複数の凸部が形成されたエン
ボスロールを用いた熱エンボス加工により積層・接着し
たことを特徴とする積層不織布。 - 【請求項2】請求項1に記載の積層不織布において、 前記熱エンボス加工による接着面積の占める割合は、5
〜90%であることを特徴とする積層不織布。 - 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の積層不織
布において、 前記熱エンボス加工は、前記ランダム不織布製造時に前
記ポリオレフィン系割繊維不織布を積層し、エンボス加
工を施すインライン加工であることを特徴とする積層不
織布。 - 【請求項4】請求項1から請求項3のいずれかに記載の
積層不織布において、 前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン系樹脂であ
ることを特徴とする積層不織布。 - 【請求項5】請求項1から請求項4のいずれかに記載の
積層不織布において、 前記ランダム不織布は、スパンボンド不織布であること
を特徴とする積層不織布。 - 【請求項6】請求項1から請求項5のいずれかに記載の
積層不織布において、 前記ランダム不織布の樹脂が、エチレン−α−オレフィ
ン系樹脂であることを特徴とする積層不織布。 - 【請求項7】請求項1から請求項6のいずれかに記載の
積層不織布において、 前記ランダム不織布の繊維径が、1〜30デニールであ
ることを特徴とする積層不織布。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002060329A JP2003268664A (ja) | 2002-03-06 | 2002-03-06 | 積層不織布 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002060329A JP2003268664A (ja) | 2002-03-06 | 2002-03-06 | 積層不織布 |
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---|---|
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002060329A Pending JP2003268664A (ja) | 2002-03-06 | 2002-03-06 | 積層不織布 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2003268664A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010121727A (ja) * | 2008-11-20 | 2010-06-03 | Sekisui Chem Co Ltd | 発泡プラスチック系断熱材 |
JP2012148482A (ja) * | 2011-01-19 | 2012-08-09 | Kurita Water Ind Ltd | 複合膜、その製造方法、吸着フィルタ及び流体処理方法 |
JP6171075B1 (ja) * | 2016-12-01 | 2017-07-26 | 株式会社アクト | 積層シート及びその製造方法 |
-
2002
- 2002-03-06 JP JP2002060329A patent/JP2003268664A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018089833A (ja) * | 2016-12-01 | 2018-06-14 | 株式会社アクト | 積層シート及びその製造方法 |
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