JP2003267129A

JP2003267129A - モニタ装置内蔵の車両用ミラー

Info

Publication number: JP2003267129A
Application number: JP2002072282A
Authority: JP
Inventors: Makoto Ikemizu; 誠池水
Original assignee: Ichikoh Industries Ltd
Current assignee: Ichikoh Industries Ltd
Priority date: 2002-03-15
Filing date: 2002-03-15
Publication date: 2003-09-25

Abstract

(57)【要約】【課題】モニタ装置内蔵の車両用ミラーによって表示
されるモニタ像の視認性を向上させる。【解決手段】モニタ装置１１の表示部１２の表示領域
１２ａに対向する樹脂ミラー１３の部分に開口１４を形
成し、表示領域１２ａは樹脂ミラー１３を介することな
く外部に臨むものとして、表示領域１２ａに表示される
モニタ像Ｐに反射像Ｒが重畳するのを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、モニタ装置内蔵の
車両用ミラーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、自動車等の車両には、例え
ば、車室内に設けられて車両の後方の反射像を得るイン
ナーミラーや、ドア側面またはボンネットのフェンダー
部等に設けられて側後方の反射像を得るサイドミラー、
バックドア等に設けられて車両後方の直近下部の反射像
を得るリヤアンダーミラー等、後方や側方等の状況を反
射像として運転者等に視認させるためのミラーが備えら
れている。

【０００３】一方、近年は車庫入れや縦列駐車等後退し
ての運転操作における後方視界を良好なものとするため
に、車両後面にＣＣＤカメラ等の撮像装置を配設し、こ
の撮像装置によって得られた後方の像を、車室内に設け
られた液晶表示装置等のモニタ装置に表示するバックモ
ニタシステムが普及している。

【０００４】また、左右の見通しが悪い路地から交差点
に差しかかったときの左右視界を良好なものとするため
に、前述した撮像装置を車両の前面に備えたブラインド
コーナモニタシステムも開発されている。

【０００５】このようなモニタシステムで用いられるモ
ニタ装置は、ナビゲーションシステムに用いられている
画像表示装置をそのまま利用しているものが多いが、例
えば特開平７−２６７００２号、同１２−１５３７３６
号、同１２−１５９０１４号、同１２−２５５３２０
号、同１２−２５５３２１号等によって開示されている
ように、上述したインナーミラー等の車両用ミラーの内
部に組み込まれているものも知られている。

【０００６】これらモニタ装置内蔵の車両用ミラーは、
ミラーと、このミラーの周縁を支持するミラー枠を有す
るとともにミラーの背面を覆うハウジングと、このミラ
ーとハウジングとに覆われた内部空間内に内蔵され、撮
像装置から入力された情報に基づいてモニタ像を表示す
る表示部を有するモニタ装置とを備えている。

【０００７】そして、運転者等がミラーを透過してモニ
タ装置に表示された像を視認できるように、この像の表
示領域については通常の反射膜に代えて半透過膜などが
形成されている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のモニ
タ装置内蔵の車両用ミラーは、ミラーを構成する半透過
膜および透明ガラス板または透明樹脂板等の基板を通し
てモニタ装置の像を視認するように構成されている。

【０００９】一方、モニタ装置にはバックライト等の発
光手段が内蔵されており、上記ミラーを構成する半透過
膜および基板を良好に透過し、モニタ装置に表示された
モニタ像の視認性を良好なものとしている。

【００１０】しかし、周囲環境光が強い晴天の昼間時等
においては、半透過膜や基板の表面で反射した後方視界
等の反射像が強くなって、モニタ像と反射像とが重畳
し、モニタ像の視認性を低下させるという問題があっ
た。

【００１１】そこで、周囲環境光の強度に応じて、基板
の背面における透過率を変化させる技術が提案されてい
る（特開平７−２６６９２８号公報等）。

【００１２】しかし、この技術によってもなお、モニタ
像と反射像との重畳を完全に排除することはできず、モ
ニタ像の視認性を一層向上させることが望まれている。

【００１３】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
り、内蔵されたモニタ装置によって表示される像の視認
性を向上させることができるモニタ装置内蔵の車両用ミ
ラーを提供することを目的とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の請求項１に記載のモニタ装置内蔵の車両用
ミラーは、ミラーと、前記ミラーの周縁を支持するミラ
ー枠を有するとともに該ミラーの背面を覆うハウジング
と、前記ミラーと前記ハウジングとに覆われた内部空間
内に内蔵され、入力された情報に基づいてモニタ像を表
示する表示部を有するモニタ装置とを備えたモニタ装置
内蔵の車両用ミラーにおいて、前記ミラーの、少なくと
も前記表示部の前記モニタ像の表示領域に対応する部分
が切り欠かれていることを特徴とする。

【００１５】ここで、車両用ミラーとしては、車室内に
設けられて車両の後方の反射像を得るインナーミラーだ
けでなく、ドア側面またはボンネットのフェンダー部等
に設けられて側後方の反射像を得るサイドミラー、バッ
クドア等に設けられて車両後方の直近下部の反射像を得
るリヤアンダーミラー等車両に用いられる種々のミラー
を適用することができる。

【００１６】また、ミラーは、透明ガラス板を基板にし
てなる一般的なガラスミラーの他、透明樹脂板を基板に
してなる樹脂ミラーを適用することもできる。

【００１７】さらに、入力された情報とは、例えば、バ
ックモニタシステム等におけるＣＣＤカメラ等の撮像装
置から入力された画像信号、映像信号等の情報をいうも
のである。

【００１８】また、表示部のモニタ像の表示領域に対応
する部分が切り欠かれているとは、ミラーの当該部分を
窓として開口させた態様であってもよいし、表示部のモ
ニタ像が表示される表示領域に対向する部分までミラー
が到達しないようにミラーの長さを短縮した態様であっ
てもよいし、開口を凹状に浸食させた文字通りの切欠き
であってもよい。

【００１９】このように構成された本発明の請求項１に
記載のモニタ装置内蔵の車両用ミラーによれば、モニタ
像が表示される表示部の表示領域に対応する部分には、
ミラーが存在しない。

【００２０】このため、運転者等の視認者は、表示領域
に表示されたモニタ像を、ミラーの基板や半透過膜等を
通さずに直接視認することができ、モニタ像には、ミラ
ーの半透過膜や基板の表面などの界面で反射した反射像
が重畳することがない。

【００２１】したがって、モニタ像の視認性を従来より
も向上させることができる。

【００２２】また、ミラーが切り欠かれた部分が表示領
域に対応する部分よりも大きい場合には、この表示領域
に対応する部分の周囲の部分もミラーが存在しないた
め、この周囲の部分のミラーから反射像が回り込んでモ
ニタ像に重畳することも防止することができる。

【００２３】本発明の請求項２に記載のモニタ装置内蔵
の車両用ミラーは、請求項１に記載のモニタ装置内蔵の
車両用ミラーにおいて、前記モニタ像の表示領域に対応
する部分の周囲部分が、カバー部材により覆われている
ことを特徴とする。

【００２４】このように構成された本発明の請求項２に
記載のモニタ装置内蔵の車両用ミラーによれば、前記表
示領域の周囲の部分がカバー部材によって覆われるた
め、このカバー部材がミラーと表示領域との間の境界を
明瞭化し、ミラーに映った反射像と表示領域に表示され
たモニタ像とを、視認者に瞬時に区別して視認させるこ
とができる。

【００２５】したがって、視認者が、モニタ像が反射像
の一部であると瞬間的に錯誤するのを防止することがで
きる。

【００２６】また、ミラーが切り欠かれた部分が表示領
域に対応する部分よりも大きい場合に、ミラーが切り欠
かれた部分のうち表示領域に対応する部分を除いた周囲
部分がカバー部材によって覆われるため、外装の欠落部
分が生じず、外観品質を向上させることができる。

【００２７】なお、カバー部材は、樹脂製、木製、金属
製等如何なる材質のものであってもよいが、その表面が
低反射のものまたはその表面が低反射となる表面処理が
施されていることが好ましい。

【００２８】本発明の請求項３に記載のモニタ装置内蔵
の車両用ミラーは、請求項２に記載のモニタ装置内蔵の
車両用ミラーにおいて、前記カバー部材は、前記ミラー
枠と一体的に形成されていることを特徴とする。

【００２９】このように構成された本発明の請求項３に
記載のモニタ装置内蔵の車両用ミラーによれば、カバー
部材とミラー枠とが一体的に形成されているため、これ
ら両者が別体である場合に生じる組立工数の増大や両者
間の組合わせ部分の外観品質の問題が発生する余地がな
く、部品点数も実質的に増加しないため製造コストの上
昇を抑制することもできる。

【００３０】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係るモニタ装置内
蔵の車両用ミラーの具体的な実施の形態について、図面
を用いて説明する。（実施の形態１）図１は、本発明の第１の実施形態に係
るモニタ装置内蔵のインナーミラーを示す図であり、
（ａ）は正面図、（ｂ）は側面図、（ｃ）は（ａ）にお
けるＡ−Ａ線に沿った面による断面図である。

【００３１】図示のモニタ装置内蔵のインナーミラー１
０は、樹脂ミラー１３と、この樹脂ミラー１３の背面を
覆うハウジング１５と、樹脂ミラー１３およびハウジン
グ１５によって覆われたミラー内部空間１８に収容され
たモニタ装置１１と、車両のフロントガラス５０にハウ
ジング１５を装着するミラー支持ステイ１９とを備えた
構成である。

【００３２】ここで、樹脂ミラー１３は、透明樹脂板を
基板とし、この透明樹脂板の背面に反射膜１３ａを蒸着
して形成されている。

【００３３】また、ハウジング１５は、樹脂ミラー１３
の周縁を支持するミラー枠１６を有している。

【００３４】前記モニタ装置１１は、車両の後部に装着
された図示しないＣＣＤカメラが撮像した後方視界の映
像を表す信号Ｓが入力され、この入力された信号Ｓに基
づいて後方視界の映像であるモニタ像Ｐを表示する表示
部１２を備えている。

【００３５】ここで、表示部１２は、全面に亘ってモニ
タ像Ｐを表示可能なものではなく、最外周部を除いた破
線で囲まれた内部領域のみが、表示領域１２ａとなって
いる。

【００３６】そして表示部１２の表示領域１２ａに対応
する樹脂ミラー１３の部分には開口１４が形成されてお
り、表示領域１２ａは樹脂ミラー１３を介することなく
外部に臨まれている。

【００３７】次に本実施形態１のモニタ装置内蔵のイン
ナーミラー１０の作用について説明する。

【００３８】まず、樹脂ミラー１３の開口１４以外の部
分には、この樹脂ミラー１３の背面に蒸着された反射膜
１３ａによって反射された車室後方の視界が反射像Ｒと
して映り、運転者は、開口１４以外の樹脂ミラー１３の
部分に映る反射像Ｒを視認することができる。

【００３９】一方、開口１４の部分には、樹脂ミラー１
３が存在しないため、運転者は、モニタ装置１１の表示
領域１２ａそのものを樹脂ミラー１３の基板や反射膜１
３ａを通すことなく直接視認する。

【００４０】ここで、表示領域１２ａには通常は何も像
は表示されていないが、例えばオートマチックトランス
ミッションのセレクタレバーを「Ｒ（リバース）」ポジ
ションにシフトすると、図示しないＣＣＤカメラによっ
て撮像された車両後方の映像に対応したモニタ像Ｐが表
示される。

【００４１】すなわち、オートマチックトランスミッシ
ョンのセレクタレバーを「Ｒ」ポジションにシフトする
と、車両が後退するとともに、シフトポジションセンサ
等の検出器が「Ｒ」ポジションへのシフトを検出し、車
両後面に配設された図示しないＣＣＤカメラに、バッテ
リから所定の駆動用電力が供給され、一方、モニタ装置
１１は非表示状態から表示状態に切り替えられる。

【００４２】そして、この電力が供給されたＣＣＤカメ
ラは車両後方の映像を撮像し、この映像に対応した信号
Ｓを、インナーミラー１０に内蔵されたモニタ装置１１
に出力する。

【００４３】インナーミラー１０に内蔵されたモニタ装
置１１は、ＣＣＤカメラから、無線または有線によって
入力された信号Ｓを、この信号Ｓが表す可視画像である
モニタ像Ｐに変換し、このモニタ像Ｐを表示部１２の表
示領域１２ａに表示する。

【００４４】そして、運転者は、表示領域１２ａに表示
されたモニタ像Ｐを樹脂ミラー１３の基板や反射膜１３
ａを通すことなく直接視認する。

【００４５】このように、運転者は、樹脂ミラー１３の
開口１４以外の部分では従来通り反射像Ｒを視認し、開
口１４の部分ではモニタ像Ｐを視認するが、運転者は、
樹脂ミラー１３を介することなく表示領域１２ａに映る
モニタ像Ｐを視認するため、視認されたモニタ像Ｐに、
樹脂ミラー１３の基板の表面や反射膜１３ａで反射した
反射像Ｒが重畳することはなく、モニタ像Ｐの視認性は
従来よりも向上したものとなる。

【００４６】以上のように、本実施形態１のモニタ装置
内蔵のインナーミラー１０によれば、モニタ装置１１に
よって映し出されるモニタ像Ｐの視認性を従来よりも向
上させることができる。

【００４７】なお、開口１４の端面は、図示したよう
に、視認者側に向くように傾斜させるとともに、この端
面の背面側には反射膜１３ａを具備しないように形成す
るのが好ましい。反射膜１３ａで形成された反射像Ｒ
が、この端面において視認されるのを防止することがで
きるからである。

【００４８】また、本実施形態１は、車両用ミラーとし
てインナーミラー１０を適用した形態であるが、本発明
のモニタ装置内蔵の車両用ミラーとしては、必ずしもこ
の形態に限定されるものではなく、ドア側面またはボン
ネットのフェンダー部等に設けられて側後方の反射像を
得るサイドミラー、バックドア等に設けられて車両後方
の直近下部の反射像を得るリヤアンダーミラー等車両に
用いられる種々のミラーを適用することができる。

【００４９】さらに、樹脂ミラー１３に代えて、透明ガ
ラス板を基板にしてなる一般的なガラスミラーを適用す
ることもできる。

【００５０】また、モニタ装置１１に入力される信号と
しては、バックモニタシステムのＣＣＤカメラにより得
られた後方視野の映像を表す信号Ｓに限定されるもので
はない。（実施の形態２）図２は、本発明の第２の実施形態に係
るモニタ装置内蔵のインナーミラーを示す図であり、
（ａ）は正面図、（ｂ）は（ａ）におけるＡ−Ａ線に沿
った面による断面図である。

【００５１】図示のモニタ装置内蔵のインナーミラー１
０が、樹脂ミラー１３と、この樹脂ミラー１３の背面を
覆うハウジング１５と、樹脂ミラー１３およびハウジン
グ１５によって覆われたミラー内部空間１８に収容され
たモニタ装置１１と、車両のフロントガラス５０にハウ
ジング１５を装着するミラー支持ステイ１９とを備えた
構成である点は、前述した実施形態１と同一である。

【００５２】また、上記樹脂ミラー１３は、表示部１２
の表示領域１２ａに対向する部分まで到達しないよう
に、その長さが短縮されており、さらに、この短縮され
て切り欠かれた部分を覆うように樹脂カバー１７が配設
されている。

【００５３】この樹脂カバー１７は、表面がつや消しの
マット面として形成されており、反射が極力抑制されて
いる。

【００５４】また、この樹脂カバー１７の、表示領域１
２ａに対応する部分には、実施形態１における樹脂ミラ
ー１３と同様に開口１４′が形成されており、表示領域
１２ａは樹脂ミラー１３および樹脂カバー１７を介する
ことなく外部に臨まれている。

【００５５】なお、樹脂カバー１７に代えて、木製や金
属製等のカバー部材を適用してもよい。

【００５６】次に本実施形態２のモニタ装置内蔵のイン
ナーミラー１０の作用について説明する。なお、実施形
態１と同一の構成による同一の作用、効果については説
明を省略する。

【００５７】まず、短縮された樹脂ミラー１３には、こ
の樹脂ミラー１３の背面に蒸着された反射膜１３ａによ
って反射された車室後方の視界が反射像Ｒとして映り、
運転者は、樹脂ミラー１３に映る反射像Ｒを視認するこ
とができる。

【００５８】一方、樹脂ミラー１３が除去された部分を
覆う樹脂カバー１７は、その表面に反射像Ｒが映り込む
のを極力抑えられているため、樹脂ミラー１３のような
反射像Ｒは映らない。

【００５９】また、樹脂カバー１７の開口１４′の部分
には、樹脂ミラー１３および樹脂カバー１７が存在しな
いため、運転者は、モニタ装置１１の表示領域１２ａそ
のものを樹脂ミラー１３および樹脂カバー１７を介する
ことなく直接視認する。

【００６０】したがって、運転者は、樹脂ミラー１３で
は従来通り反射像Ｒを視認し、樹脂カバー１７の開口１
４′の部分ではモニタ像Ｐを視認するが、運転者は、樹
脂ミラー１３を介することなく表示領域１２ａに映るモ
ニタ像Ｐを視認するため、視認されたモニタ像Ｐに、樹
脂ミラー１３の基板の表面や反射膜１３ａで反射した反
射像Ｒが重畳することはなく、モニタ像Ｐの視認性は従
来よりも向上したものとなる。

【００６１】このように、本実施形態２のモニタ装置内
蔵のインナーミラー１０によれば、モニタ装置１１によ
って映し出されるモニタ像Ｐの視認性を従来よりも向上
させることができる。

【００６２】また、樹脂ミラー１３が切り欠かれた部分
のうち表示領域１２ａに対応する部分を除いた周囲部分
が樹脂カバー１７によって覆われているため、外装の欠
落部分がなく、外観品質を向上させることができる。

【００６３】さらに、この樹脂カバー１７が樹脂ミラー
１３と表示領域１２ａとの間を埋めるように配設されて
いるため、樹脂ミラー１３と表示領域１２ａとの境界が
明瞭となり、樹脂ミラー１３に映った反射像Ｒと表示領
域１２ａに表示されたモニタ像Ｐとを、運転者に瞬時に
区別して視認させることができる。

【００６４】したがって、運転者が、モニタ像Ｐが反射
像Ｒの一部であると瞬間的に誤認識するのを防止するこ
とができる。（実施の形態３）図３は、本発明の第３の実施形態に係
るモニタ装置内蔵のインナーミラーを示す図であり、
（ａ）は正面図、（ｂ）は（ａ）におけるＡ−Ａ線に沿
った面による断面図である。

【００６５】図示のモニタ装置内蔵のインナーミラー１
０が、樹脂ミラー１３と、この樹脂ミラー１３の背面を
覆うハウジング１５と、樹脂ミラー１３およびハウジン
グ１５によって覆われたミラー内部空間１８に収容され
たモニタ装置１１と、車両のフロントガラス５０にハウ
ジング１５を装着するミラー支持ステイ１９とを備えた
構成である点は、前述した実施形態１および実施形態２
と同一である。

【００６６】また、上記樹脂ミラー１３は、表示部１２
の表示領域１２ａに対応する部分まで到達しないよう
に、その長さが短縮されており、この短縮されて切り欠
かれた部分を覆うようにハウジング１５のミラー枠１６
が、樹脂ミラー１３の前面側に延長されて形成されてい
る。

【００６７】この延長されて樹脂ミラー１３の前面側に
延長されたミラー枠１６の部分のうち、表示領域１２ａ
に対応する部分には、実施形態２における樹脂カバー１
７と同様に開口１４′が形成されており、表示領域１２
ａは樹脂ミラー１３およびミラー枠１６を介することな
く外部に臨まれている。

【００６８】すなわち、このミラー枠１６は、実施形態
２に示した樹脂カバー１７をミラー枠１６に一体化した
構成と基本的構成において同一である。

【００６９】次に本実施形態３のモニタ装置内蔵のイン
ナーミラー１０の作用について説明する。なお、実施形
態１と同一の構成による同一の作用、効果については説
明を省略する。

【００７０】まず、短縮された樹脂ミラー１３には、こ
の樹脂ミラー１３の背面に蒸着された反射膜１３ａによ
って反射された車室後方の視界が反射像Ｒとして映り、
運転者は、樹脂ミラー１３に映る反射像Ｒを視認するこ
とができる。

【００７１】一方、樹脂ミラー１３が切り欠かれた部分
を覆うミラー枠１６の開口１４′の部分には、樹脂ミラ
ー１３およびミラー枠１６が存在しないため、運転者
は、モニタ装置１１の表示領域１２ａそのものを樹脂ミ
ラー１３およびミラー枠１６を介することなく直接視認
する。

【００７２】したがって、運転者は、樹脂ミラー１３で
は従来通り反射像Ｒを視認し、ミラー枠１６の開口１
４′の部分ではモニタ像Ｐを視認するが、運転者は、樹
脂ミラー１３を介することなく表示領域１２ａに映るモ
ニタ像Ｐを視認するため、視認されたモニタ像Ｐに、樹
脂ミラー１３の基板の表面や反射膜１３ａで反射した反
射像Ｒが重畳することはなく、モニタ像Ｐの視認性は従
来よりも向上したものとなる。

【００７３】このように、本実施形態３のモニタ装置内
蔵のインナーミラー１０によれば、モニタ装置１１によ
って映し出されるモニタ像Ｐの視認性を従来よりも向上
させることができる。

【００７４】また、樹脂ミラー１３が切り欠かれた部分
のうち表示領域１２ａに対向する部分を除いた周囲部分
がミラー枠１６によって覆われているため、外装の欠落
部分がなく、外観品質を向上させることができる。

【００７５】さらに、このミラー枠１６が樹脂ミラー１
３と表示領域１２ａとの間を埋めるように配設されてい
るため、樹脂ミラー１３と表示領域１２ａとの境界が明
瞭となり、樹脂ミラー１３に映った反射像Ｒと表示領域
１２ａに表示されたモニタ像Ｐとを、運転者に瞬時に区
別して視認させることができる。

【００７６】したがって、運転者が、モニタ像Ｐが反射
像Ｒの一部であると瞬間的に錯誤するのを防止すること
ができる。

【００７７】さらに、本実施形態３におけるミラー枠１
６は、実施形態２に示した樹脂カバー１７をミラー枠１
６の一部として一体化しているため、樹脂カバー１７を
別体の部材として構成した実施形態２に対して、両者を
組み合わせるのに要する工数の増大や、部品点数の増加
がないため製造コストの上昇を抑制することができる。

【００７８】

【発明の効果】本発明の請求項１に記載のモニタ装置内
蔵の車両用ミラーによれば、モニタ像が表示されるモニ
タ装置の表示部のモニタ画像の表示領域に対応する部分
にはミラーが存在しないため、運転者等の視認者は、表
示領域に表示されたモニタ像を、ミラーを介することな
く直接視認することができ、ミラーの半透過膜および透
明ガラス板または透明樹脂板等基板の表面の界面で反射
した反射像がモニタ像に重畳することがない。

【００７９】したがって、モニタ像の視認性を従来より
も向上させることができる。

【００８０】また、ミラーが切り欠かれた部分がモニタ
画像の表示領域に対応する部分よりも大きい場合には、
この表示領域に対応する部分の周囲の部分もミラーが存
在しないため、この周囲の部分のミラーから反射像が回
り込んでモニタ像に重畳することも防止することができ
る。

【００８１】また、本発明の請求項２に記載のモニタ装
置内蔵の車両用ミラーによれば、上記請求項１に係る効
果の他、表示領域に対向する部分の周囲部分がカバー部
材によって覆われているため、外装の欠落部分が生じ
ず、外観品質を向上させることができる。

【００８２】また、このカバー部材がミラーと表示領域
との間に配設されるため、ミラーと表示領域との境界が
明瞭となり、ミラーに映る反射像と表示領域に表示され
たモニタ像とを、視認者に瞬時に区別して視認させるこ
とができる。

【００８３】したがって、視認者が、モニタ像が反射像
の一部であると瞬間的に錯誤するのを防止することがで
きる。

【００８４】また、本発明の請求項３に記載のモニタ装
置内蔵の車両用ミラーによれば、上記請求項２に係る効
果の他、カバー部材とミラー枠とが一体的に形成されて
いるため、これら両者が別体である場合に生じ得る組立
工数の増大や両者間の組合わせ部分の外観品質の問題が
発生することがなく、部品点数も実質的に増加しないた
め製造コストの上昇を抑制することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施形態に係るモニタ装置内蔵
の車両用ミラーを示す（ａ）正面図、（ｂ）側面図、
（ｃ）断面図である。

【図２】本発明の第２の実施形態に係るモニタ装置内蔵
の車両用ミラーを示す（ａ）正面図、（ｂ）断面図であ
る。

【図３】本発明の第３の実施形態に係るモニタ装置内蔵
の車両用ミラーを示す（ａ）正面図、（ｂ）断面図であ
る。

【符号の説明】

１０インナーミラー（車両用ミラー）１１モニタ装置１２表示部１２ａ表示領域１３樹脂ミラー（ミラー）１３ａ反射膜１４開口（切欠き）１５ハウジング１６ミラー枠１７樹脂カバー１８内部空間１９ミラー支持ステイ５０フロントガラスＳ信号Ｐモニタ像Ｒ反射像

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ミラーと、前記ミラーの周縁を支持するミ
ラー枠を有するとともに該ミラーの背面を覆うハウジン
グと、前記ミラーと前記ハウジングとに覆われた内部空
間内に内蔵され、入力された情報に基づいてモニタ像を
表示する表示部を有するモニタ装置とを備えたモニタ装
置内蔵の車両用ミラーにおいて、前記ミラーの、少なくとも前記表示部の前記モニタ像の
表示領域に対応する部分が切り欠かれていることを特徴
とするモニタ装置内蔵の車両用ミラー。
【請求項２】前記モニタ像の表示領域に対応する部分の
周囲部分が、カバー部材により覆われていることを特徴
とする請求項１に記載のモニタ装置内蔵の車両用ミラ
ー。
【請求項３】前記カバー部材は、前記ミラー枠と一体的
に形成されていることを特徴とする請求項２に記載のモ
ニタ装置内蔵の車両用ミラー。