JP2003265522A - 紙オムツ - Google Patents

紙オムツ

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JP2003265522A
JP2003265522A JP2002074095A JP2002074095A JP2003265522A JP 2003265522 A JP2003265522 A JP 2003265522A JP 2002074095 A JP2002074095 A JP 2002074095A JP 2002074095 A JP2002074095 A JP 2002074095A JP 2003265522 A JP2003265522 A JP 2003265522A
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paper
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JP2002074095A
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Shigefumi Ota
重文 太田
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OTA EIZAI KK
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OTA EIZAI KK
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  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)
  • Orthopedics, Nursing, And Contraception (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 土壌等に埋めることによって容易に生分解可
能な素材で形成された紙オムツを提供することを課題と
する。 【解決手段】 紙オムツ1は、体外に排出された液体成
分を透過可能な繊維状のポリ乳酸によって不織布に形成
された透過性表面部材2と、アミノ酸系吸水性ポリマー
からなる高分子吸収体3を綿状パルプ4で包み、さらに
セルロース繊維からなる包合紙5で包込んだ吸収体6
と、吸収体6を透過性表面部材2と挟込んで内包したポ
リ乳酸フィルムで形成された防漏性裏面部材7と、身体
に装着した際の股部からの液体成分Lの漏れ防止、及び
身体にフィットさせるために弾性ゴム9を含んで構成さ
れたギャザーとを備え、各部材は接着剤10によって組
み立てられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙オムツに関する
ものであり、特に土壌や堆肥中で微生物の働きによって
生分解される素材で形成された紙オムツに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から、乳幼児及び痴呆性老人などを
含む介護を要する高齢者の排泄物の世話を行うために、
要介護者の下半身にオムツを装着することがある。ここ
で、出生率の低下に伴う少子化及び高齢化社会への移行
などの社会構造の転換によって、従来の乳幼児を主たる
対象とするオムツの消費需要は横這い状態の傾向にあ
り、一方で高齢者などの大人用オムツの消費需要が近年
に入り、大幅に増加し、さらに増える傾向にある。
【0003】使用されるオムツは、いわゆる「紙オム
ツ」と呼ばれる使い捨てタイプのものが大部分を占めて
いる。従来から用いられてきた布オムツは、使用の度に
洗濯を行う必要があったが、紙オムツは、使用後はゴミ
として廃棄すればよいため洗濯などの手間がかからな
い。したがって、育児にかかる時間をできるだけ短くし
たい家庭や、多くの要介護者をまとめて介護する病院や
介護施設などでは、上述した手間のかからない紙オムツ
を利用することが多い。これにより、乳幼児の世話をす
る母親や、介護施設などのスタッフの負担が軽減され
る。
【0004】紙オムツは、体外に排泄された排泄物の液
体成分(=尿など)の透過可能な素材で形成された表面
材と、液体成分を吸収し内部に保持する吸収材と、吸収
した液体成分の漏出を防ぐ液体成分の透過しない素材で
形成された防水材とから一般に構成されている。さら
に、装着性を改善するための弾性部材や、各部材を紙オ
ムツの形状に組み立てるための接着部材などが用いられ
ることもある。
【0005】さらに、詳しく説明すると、液体成分を透
過する表面材は、サーマルボンド法やスパンボンド法に
よって形成されたポリプロピレン繊維やレーヨン繊維な
どから形成された不織布が主に用いられている。この表
面材は、身体に装着した際に直接肌に触れる部材である
ため、肌触りの良い風合いで、かつ疎水性の性質を有
し、装着した際に違和感を感じないものが求められてい
る。また、吸収体は、例えば、綿状パルプでポリアクリ
ル酸系ポリマーからなる吸水性樹脂を包み、さらに包合
紙で綿状パルプ及び吸水性樹脂を包み込んだものが用い
られている。係る吸水性樹脂は、条件によって異なるが
一般に自重に対して数十倍から数百倍の水分を内部に取
込み、ゲル状にして保持することができる性質を有して
いる。すなわち、排出された大量の尿を内部に吸収する
ことができるものである。
【0006】さらに、防水材は、吸収した液体成分が外
部に漏れ、衣服などが汚れるのを防ぐものであり、液体
成分の透過しない不透水性のポリプロピレンやポリエチ
レンなどをフィルム状に製膜したものなどが主に用いら
れる。なお、一部の紙オムツには、装着時のムレなどを
防ぐため、ある程度の通気性を持たせた素材が用いられ
ることもある。
【0007】加えて、弾性部材は、主に紙オムツを身体
に装着する際の装着感、すなわちフィット感を良くする
ために股部やウエスト部に設けられるギャザーを形成す
るために利用される。なお、股部のギャザーによって係
る部分からの液漏れなどを防止することもできる。素材
としては、例えばウレタン繊維や糸ゴムなどの弾性変形
により伸縮自在なものが利用されている。一方、接着部
材は互いの部材同士を貼合わせ、紙オムツの形状に組み
立てるためのものであり、合成ゴム系やオレフィン系な
どの素材が使用され、主にホットメルトなどの手法を用
いて接着が行われている。
【0008】前述したように、紙オムツは種々の異なる
素材を組合わせることにより製造されている。なお、そ
の素材の内訳としては、綿状パルプや包合紙など植物資
源から作られた天然物由来の素材(セルロース繊維な
ど)がおよそ40〜50%を占め、残りの50〜60%
は上述したポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリエ
ステルなどから製造された不織布やフィルム、及びポリ
アクリル酸系ポリマーからなる高分子吸収体など、いわ
ゆる石油化学製品、合成樹脂で占められている。これら
の合成樹脂類は、現代生活において種々の産業分野で利
用されている素材であるため、紙オムツを製造する場合
にも比較的安価なコストで入手することができる。しか
も、各素材は紙オムツに求められる性能を十分に発揮す
る性質を有しているため、高品質の紙オムツを低コスト
で生産することができる。したがって、入手容易性、コ
スト面、及び製品性能などの優れた利点を有するため、
近年の紙オムツはいずれも合成樹脂を多く含んだ構成で
製造されている。そして、その消費量は年々増加するこ
とが予想されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、紙オム
ツは以下のような問題を有していた。すなわち、前述し
たように、紙オムツは洗濯等の手間を省くために一回の
使用の度毎に捨てる、使い捨てタイプのものであった。
したがって、家庭、病院、及び介護施設などから出るゴ
ミの量を増加させる要因となっていた。特に、多くの要
介護者を介護する介護施設などでは、そのゴミの量は一
日で膨大な数となり、それらの処分を行うだけでも大変
であった。加えて、ゴミの処分は一般に普通ゴミとして
焼却されることがほとんどであった。そのため、紙オム
ツを構成する前述した合成樹脂の成分は、貴重な石油資
源から製造されたものに関わらずリサイクルがほとんど
されないという現状にあった。
【0010】また、排出された紙オムツをゴミとして土
中などに埋めた場合でも、ポリプロピレンやポリエチレ
ンなどの合成樹脂は、耐候性に優れ、通常の自然環境下
ではその化学構造が変化し、分解されることがなかっ
た。そのため、長期に亘って土中にその形状及び化学構
造を保持した状態で残存するため、地球環境に対する悪
影響が大きかった。さらに、土壌に残存したり、或いは
海洋に流出した未分解の合成樹脂を誤って鳥や海洋生物
が飲み込んだりするケースも報告されていた。すなわ
ち、廃棄された合成樹脂などのプラスチックが地球環境
及び生態系を破壊する要因となることがあった。
【0011】そこで、上記実情に鑑み、微生物の働きに
よって地球環境や生態系に影響を与えないで容易に生分
解可能な素材で形成された紙オムツの提供を課題とする
ものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1の発明にかかる紙オムツは、排泄物の液体
成分を透過可能な透過性表面部材と、前記液体成分の漏
出を防ぐ防漏性裏面部材と、前記透過性表面部材及び前
記防漏性裏面部材の間に内包され、前記液体成分を吸収
し、内部に保持する吸収部材と、前記透過性表面部材、
前記防漏性裏面部材、及び前記吸収部材を接着する接着
部材とを具備する紙オムツであって、前記透過性表面部
材、前記防漏性裏面部材、前記吸収部材、及び前記接着
部材は、微生物の働きによって生分解される生分解性素
材が用いられているものである。
【0013】ここで、生分解性素材とは、例えば、澱粉
などから形成されるポリ乳酸系ポリマーや、植物の骨格
となる細胞壁を主に形成するセルロースからなるセルロ
ース繊維、キチン・キトサンなどの天然物から抽出され
る天然物由来の素材、及び化学合成によって形成された
ポリカプロラクトンなどの化学合成由来の素材などが挙
げられる。これらは、土壌や堆肥中などで微生物による
酵素分解反応などの働きによって最終的には水や二酸化
炭素などに分解され、地球環境に対して無害なものに変
換される。
【0014】したがって、請求項1の発明の紙オムツに
よれば、透過性表面部材、吸収部材、防漏性裏面部材、
及び接着部材の紙オムツを構成する部材が生分解可能な
素材によって形成されている。これにより、使用済みの
紙オムツを土壌等に埋め、土微生物の働きを利用するこ
とにより、各部材がそれぞれ、最終的には水や二酸化炭
素などの無害な物質に分解される。すなわち、ゴミとし
て処分する紙オムツが土壌中に残存することなく、地球
環境や生態系へ与える影響が小さくなる。さらに、排出
されるゴミの減量化につながるとともに、焼却に係るコ
ストなども抑えられる。
【0015】請求項2の発明にかかる紙オムツは、請求
項1に記載の紙オムツにおいて、前記液体成分の漏れを
防ぐとともに、身体にフィットさせて装着するギャザー
を形成するための弾性部材をさらに有し、前記弾性部材
は、微生物の働きによって生分解される生分解性素材が
用いられているものである。
【0016】したがって、請求項2の紙オムツは、請求
項1の発明の紙オムツの作用に加え、ギャザーを形成す
る弾性部材が生分解可能な素材で形成されている。これ
により、使用済みの紙オムツを土壌等に埋め、微生物の
働きを利用することにより、弾性部材が土壌中に残存し
ない。
【0017】請求項3の発明にかかる紙オムツは、請求
項1または請求項2に記載の紙オムツにおいて、前記透
過性表面部材は、澱粉の乳酸発酵から重合されたポリ乳
酸を繊維状に紡糸し、不織布として形成したポリ乳酸不
織布が用いられ、前記防漏性裏面部材は、前記ポリ乳酸
をフィルム状に製膜したポリ乳酸フィルムが用いられて
いるものである。
【0018】ここで、ポリ乳酸とは、トウモロコシ、小
麦、及びジャガイモなどに含まれる澱粉を酵素分解して
グルコースに変換し、さらに乳酸菌の作用によって乳酸
を合成し、ラクチドを経由して化学的に重合させたり、
ラクチドを経由せず直接乳酸から重合して得られる物質
である。ポリ乳酸は、加水分解等によって再び乳酸に変
化し、さらに水と二酸化炭素とに分解されるものであ
る。さらに、ポリ乳酸は、通常のプラスチック用の押出
成型機などを利用して、シート、フィルム、及び繊維な
どの様態に成型することができ、ポリスチレンやポリプ
ロピレンなどの汎用プラスチックの代替となる性質を有
している。
【0019】したがって、請求項3の発明の紙オムツに
よれば、請求項1または請求項2の発明の紙オムツの作
用に加え、透過性表面部材及び防漏性裏面部材は、澱粉
を出発原料として生成されたポリ乳酸の不織布またはフ
ィルムが用いられる。これにより、従来はポリプロピレ
ンなどの素材が用いられていた場所に生分解性の素材が
利用される。これにより、使用時は従来と同等の透過性
または防漏性をそれぞれ有するとともに、使用後は代謝
サイクルによって乳酸を経て、水と二酸化炭素とに透過
性表面部材及び防漏性裏面部材が分解される。
【0020】請求項4の発明にかかる紙オムツは、請求
項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の紙オムツにお
いて、前記吸収部材は、セルロース繊維から形成された
綿状パルプと、アミノ酸系吸水性ポリマーから形成され
た高分子吸収材と、前記セルロース繊維から形成され、
前記綿状パルプ及び前記高分子吸収材を包み込む包合紙
とを備えるものである。
【0021】ここで、アミノ酸系吸水性ポリマーは、ア
スパラギン酸を基本骨格として形成されるものであり、
自重に対して数十から数百倍の水分を吸収することが可
能なであり、微生物によって生分解する性質を有してい
る。また、セルロース繊維は、植物の細胞壁を構成する
天然繊維であり、綿状パルプや紙の原料として用いられ
るものであり、微生物によって分解可能である。
【0022】したがって、請求項4の発明の紙オムツに
よれば、請求項1乃至請求項3のいずれか一つの発明の
紙オムツの作用に加え、吸収部材がアミノ酸系吸水性ポ
リマー及びセルロース繊維から構成されている。これに
より、使用時は従来と同様に液体成分を吸収可能である
とともに、使用後は吸収部材が微生物によって分解さ
れ、土壌などに残存することがなくなる。
【0023】請求項5の発明にかかる紙オムツは、請求
項2乃至請求項4のいずれか一つに記載の紙オムツにお
いて、前記弾性部材及び前記接着部材は、天然ゴム成分
を含む素材で形成されているものである。
【0024】したがって、請求項5の発明の紙オムツに
よれば、請求項2乃至請求項4のいずれか一つの発明の
紙オムツの作用に加え、弾性部材及び接着部材が天然ゴ
ムを含んで形成されている。これにより、使用時は従来
と同様に弾性及び接着性を有するとともに、弾性部材及
び接着部材は微生物によって分解され、土壌などに残存
することがなくなる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態である
紙オムツについて図1乃至図3に基づいて説明する。図
1は本実施形態である紙オムツの構成を示す説明図であ
り、図2は紙オムツ1の構成を模式的に示す模式図であ
り、図3は紙オムツ1の生分解性の一例を示すグラフで
ある。
【0026】本実施形態の紙オムツ1は、図1及び図2
に示すように、体外に排出された液体成分L(=尿な
ど)を透過可能なポリ乳酸を繊維状に紡糸し、不織布と
して形成した素材を利用した透過性表面部材2と、アス
パラギン酸を基本骨格とする粉体状のアミノ酸系吸水性
ポリマーからなる高分子吸収体3を綿状パルプ4で包
み、さらにセルロース繊維からなる包合紙5で包込んだ
吸収体6と、吸収体6を内包した状態で透過性表面部材
2と貼合わされたポリ乳酸フィルムで形成された防漏性
裏面部材7とを備えている。さらに、身体に装着した際
の股部からの液体成分Lの漏れ防止、及び身体にフィッ
トさせるために略中央付近にヒダ状のギャザー8が形成
されている。
【0027】ここで、ギャザー8は透過性表面部材2及
び防漏性裏面部材7の間に縫着された天然ゴム製の伸縮
自在な弾性ゴム9によって形成されている。さらに、各
部材2,6,7は、図2に示すように、天然ゴムを含ん
だ素材からなる接着剤10によってそれぞれ貼合わさ
れ、紙オムツ1の形状に組み立てられている。つまり、
本実施形態の紙オムツ1を構成する全ての部材が、いず
れも微生物によって生分解可能な素材によって形成され
ており、土壌中に埋めることにより微生物の働きにより
容易に分解することができるものである。
【0028】なお、本実施形態では、図1に示すよう
に、いわゆるフラットタイプ(オムツカバー併用型)の
大人用のオムツを例として挙げている。ここで、吸収体
6が本発明における吸収部材に相当し、ギャザー8の弾
性ゴム9が本発明における弾性部材に相当し、接着剤1
0が本発明における接着部材に相当する。
【0029】なお、オムツのタイプ(種類)としてはこ
の他にも種々の形状のものがあり、例えば、パンツのよ
うにはかせて下半身に装着するパンツタイプや、ウエス
ト部分に装着固定用のテープが設けられたタイプや、軽
度の失禁用のパッドタイプなどが知られている。本発明
の紙オムツ1は、上述した形状や種類のものにも、構成
する素材を生分解性のものに変更することにより対応す
ることができる。すなわち、従来の紙オムツと同様の製
造設備、及び製造方法によって、本発明の紙オムツ1を
製造することができる。したがって、新たな設備投資等
に係る費用が必要とならない。
【0030】さらに、紙オムツ1の使用方法も従来のも
のと変更は全くない。すなわち、要介護者の下半身に本
実施形態の紙オムツ1を透過性表面部材2の側を肌に接
するようにし、さらにオムツカバー(図示しない)を用
いて紙オムツ1をカバーすることによって装着すればよ
い。これにより、要介護者から体外に排泄された排泄物
の液体成分Lは、透過性表面部材2を通って吸収体6に
到達し、アミノ酸系吸水性ポリマーに吸収される。アミ
ノ酸系吸水性ポリマーは液体成分Lを吸収しゲル状に変
化し、内部に保持する。これにより、一端吸収した液体
成分Lが逆流することがない。さらに、ヒダ状に形成さ
れたギャザー8によって吸収時の股部からの漏れが抑え
られる。したがって、本実施形態の紙オムツ1は、従来
の紙オムツと同等の機能を備えている。
【0031】そして、液体成分Lを吸収体6で吸収した
使用済みの紙オムツ1がゴミとして廃棄される。このと
き、紙オムツ1以外のゴミが混合するのを防ぐため、紙
オムツ1のみを分別して回収することが望ましい。そし
て、回収され、集積された紙オムツ1を所定の処理施設
などで微生物を利用して土壌中で分解し、最終的生成物
として水及び二酸化炭素に変換される。
【0032】
【実施例】以下に、本実施形態の紙オムツ1の有する生
分解性を確認した実施例について図3に基づいて説明す
る。ここで、図3は使用済みの本実施形態の紙オムツ1
を種々の条件下で生分解させた際の時間ー温度変化を表
すグラフである。
【0033】さらに、具体的に説明すると、使用済みの
紙オムツ1を所定の容器に入れて攪拌する際に紙オムツ
1とともに容器内に投入される材料、すなわち紙オムツ
1の生分解を活性化する物質毎の温度変化の違いを表し
たものである。ここで、比較対象となる混入される物質
(分解培地)としては、生ゴミ、もみ、土壌+生
ゴミ、生ゴミ+もみ、土壌、微生物の六種類が選
ばれ、それぞれの時間に対する温度変化の依存性がプロ
ットされている。なお、その他の実験条件は、同一吸収
水分量で総重量60kgに調製した本発明の紙オムツ1
を使用し、さらに実験開始から10分毎の温度変化を測
定するように統一している。ここで、〜中には、常
在菌として種々の微生物が存在している。一方、の微
生物は、本発明の紙オムツ1の分解に適した微生物が選
択されたものである。
【0034】ここで、生分解性の素材が分解される際に
は、一般に発熱反応を伴うことが知られている。さら
に、微生物は室温よりも高温の環境下で活動を活発にす
ることが知られている。そのため、反応系内での温度変
化が激しい場合には、微生物の活動が活発に行われ、素
材の生分解が急速に行われ、一方、温度変化が小さい場
合には、素材の生分解が緩やかに行われると考察するこ
とができる。
【0035】図3に示すように、本実施形態の紙オムツ
1は微生物を投入した条件が最も温度変化が激しく、
分解が活発に行われていることが示される。なお、その
他の物質の場合でも実験開始時に比べていずれも温度の
上昇が観察される。すなわち、〜の全ての条件下に
おいて微生物の働きによる本発明の紙オムツ1の生分解
が行われていることが示された。
【0036】このとき、紙オムツ1のポリ乳酸から形成
された透過性表面部材2及び防漏性裏面部材7は、いず
れも生分解によって乳酸に変化し、さらに最終生成物と
して水及び二酸化酸素に分解される。また、その他の部
材を構成するアミノ酸系吸水性ポリマー、セルロース繊
維、及び天然ゴムもそれぞれ生分解によって地球環境に
対して無害化した物質に変換される。これにより、土壌
などで分解されないゴミの量を減らすことができる。
【0037】また、”微生物”の条件下では、90分
後には90℃近くまでの温度変化が観察される。これに
より、液体成分L中の水分の蒸発も行われ、ゴミの重量
が軽減するという効果も得れられる。
【0038】以上述べたように、本発明の紙オムツ1
は、構成する全ての素材が微生物の働きによる生分解可
能な素材によって形成されているため、使用済みの紙オ
ムツを、微生物を多く含む土壌などに埋めることによ
り、紙オムツの分解が開始される。これにより、従来は
焼却処分などによって処理していた紙オムツを微生物に
より分解させて処分することができる。これにより介護
施設から出されるゴミの量を軽減することができる。
【0039】以上、本発明について好適な実施形態を挙
げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定され
るものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸
脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可
能である。
【0040】すなわち、本実施形態の紙オムツ1におい
て、フラットタイプのものを示したが、これに限定され
るものではなく、パンツタイプなど従来から周知の形状
のものに適用することができる。さらに、各部材に用い
られる素材も、ポリ乳酸やアミノ酸系吸水性ポリマーに
限定されるものではなく、微生物によって分解可能な素
材であれば構わない。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明の紙オムツは、紙
オムツを構成する各部材が全てポリ乳酸、アミノ酸系吸
水性ポリマー、及び天然ゴムなどの微生物によって生分
解可能な素材で形成されている。このため、自然環境下
での容易に分解することができる。したがって、土壌中
に埋めた場合、長期間に亘って合成樹脂成分などが残存
することがない。そのため、生態系などの破壊をするこ
とのない、環境に考慮した紙オムツを構成することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の紙オムツの構成を示す説明図であ
る。
【図2】本実施形態の紙オムツの構成を模式的に示す模
式図である。
【図3】紙オムツの生分解性の一例を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 紙オムツ 2 透過性表面部材(ポリ乳酸繊維) 3 高分子吸収体(アミノ酸系吸水性ポリマー) 4 綿状パルプ(セルロース繊維) 5 包合紙(セルロース繊維) 6 吸収体(吸収部材) 7 防漏性裏面部材(ポリ乳酸フィルム) 8 ギャザー 9 弾性ゴム(弾性部材) 10 接着剤(接着部材) L 液体成分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61F 13/514 A41B 13/02 K 13/53

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排泄物の液体成分を透過可能な透過性表
    面部材と、 前記液体成分の漏出を防ぐ防漏性裏面部材と、 前記透過性表面部材及び前記防漏性裏面部材の間に内包
    され、前記液体成分を吸収し、内部に保持する吸収部材
    と、 前記透過性表面部材、前記防漏性裏面部材、及び前記吸
    収部材を接着する接着部材とを具備する紙オムツであっ
    て、 前記透過性表面部材、前記防漏性裏面部材、前記吸収部
    材、及び前記接着部材は、 微生物の働きによって生分解される生分解性素材が用い
    られていることを特徴とする紙オムツ。
  2. 【請求項2】 前記液体成分の漏れを防ぐとともに、身
    体にフィットさせて装着するギャザーを形成するための
    弾性部材をさらに有し、 前記弾性部材は、 微生物の働きによって生分解される生分解性素材が用い
    られていることを特徴とする請求項1に記載の紙オム
    ツ。
  3. 【請求項3】 前記透過性表面部材は、 澱粉の乳酸発酵から重合されたポリ乳酸を繊維状に紡糸
    し、不織布として形成したポリ乳酸不織布が用いられ、 前記防漏性裏面部材は、 前記ポリ乳酸をフィルム状に製膜したポリ乳酸フィルム
    が用いられていることを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の紙オムツ。
  4. 【請求項4】 前記吸収部材は、 セルロース繊維から形成された綿状パルプと、 アミノ酸系吸水性ポリマーから形成された高分子吸収材
    と、 前記セルロース繊維から形成され、前記綿状パルプ及び
    前記高分子吸収材を包み込む包合紙とを備えることを特
    徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の
    紙オムツ。
  5. 【請求項5】 前記弾性部材及び前記接着部材は、 天然ゴム成分を含む素材で形成されていることを特徴と
    する請求項2乃至請求項4のいずれか一つに記載の紙オ
    ムツ。
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