JP2003264149A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JP2003264149A
JP2003264149A JP2002065797A JP2002065797A JP2003264149A JP 2003264149 A JP2003264149 A JP 2003264149A JP 2002065797 A JP2002065797 A JP 2002065797A JP 2002065797 A JP2002065797 A JP 2002065797A JP 2003264149 A JP2003264149 A JP 2003264149A
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oxide film
film
batio
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semiconductor device
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JP2002065797A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Furuya
博之 古屋
Toshiya Yokogawa
俊哉 横川
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Si基板あるいはGaAs基板の上に高品質
なInP層が形成された半導体装置およびその製造方法
を提供する。 【解決手段】 Si基板31の上に、厚さ1.5〜2.
5nm程度のSiO2 膜32を形成した後、厚さ100
nm程度のCaTiO3− BaTiO3 膜33を形成す
る。CaTiO3− BaTiO3 膜33の組成比は、堆
積開始時にはBa/(Ba+Ca)=0.1〜0.3の
範囲として、徐々にBaの組成を増加させて、堆積終了
時には、BaTiO3 とする。その上に、厚さ100n
m程度のBaTiO3 −BaHfO3 膜34を形成す
る。BaTiO3 −BaHfO3 膜34の組成比は、堆
積開始時にはBaTiO3 として、徐々にHfの組成比
を増加させて、堆積終了時には、Hf/(Ti+Hf)
=0.7〜0.9の範囲とする。その上に、InP層3
5を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板上に、
半導体基板とは異種の半導体結晶が形成された半導体装
置とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報ネットワークシステムの急速
な発展に伴い、電界効果トランジスタに対しても、超高
速動作、高周波動作、低消費電力および高効率等の特性
が要求されている。このような特性を実現するために
は、SiGe、InPおよびGaAsなどの化合物半導
体基板上に形成された電界効果トランジスタが好適であ
る。中でも、InPを用いた電界効果トランジスタは超
高速動作が可能であるため、電界効果トランジスタを応
用したマイクロ波集積回路やモノリシックマイクロ波集
積回路などの超高速・高周波回路が、精力的に研究され
ている。
【0003】InP結晶は、リン成分の欠損を防止する
ために蒸気圧制御を行い,B23などの物質で融液表面
を封止した状態で、チョクラルスキー法(LEC法)に
より育成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、InP
結晶は育成が困難であるため、LEC法では直径3イン
チから4インチのものしか得られておらず、高価であり
ウエハーの面積も小さいため、生産性が低いという問題
点があった。
【0005】InPと同じ化合物半導体の一種であるG
aAsをSi基板上に形成する技術が開発されつつある
のに対し、InPとSiとの格子定数差は大きく、In
PをSi基板上に形成することは困難であった。
【0006】本発明の目的は、Si基板やGaAs基板
の上にInP結晶を形成する手段を講ずることにより、
品質のよいInP結晶を形成することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置は、
半導体基板と、上記半導体基板の上方に形成され,少な
くとも2つの酸化物の組成比が変化する第1酸化膜と、
上記第1酸化膜の上方に形成され,少なくとも2つの酸
化物の組成比が変化する第2酸化膜と、上記第2酸化膜
の上に形成されたInP層とを有する半導体装置であっ
て、上記第1酸化膜では、上記第2酸化膜に近づく方向
に,基板面に平行な面内で見た格子間隔が上記第2酸化
膜の下面における格子間隔に近づき、上記第2酸化膜で
は、上記InP層に近づく方向に,基板面に平行な面内
で見た格子間隔が上記InP層の格子間隔に近づくこと
を特徴とする。
【0008】これにより、第1酸化膜および第2酸化膜
において、酸化物の組成比を変化させることにより、基
板面に平行な面内で見た格子間隔をInP層の格子間隔
に近づけることができるので、半導体基板とInP層と
の間におけるミスフィット転位の少ない半導体装置を得
ることができる。よって、高品質なInP層を得ること
ができると共に、従来よりも膜厚の大きなInP層を得
ることができる。
【0009】上記半導体基板と上記第1酸化膜との間
に、SiO2 膜がさらに介在していることにより、半導
体基板と第1酸化膜との整合性をさらに高めることがで
きる。
【0010】上記半導体基板はSi基板であり、上記第
1酸化膜はCaTiO3 −BaTiO3 固溶体であり、
上記第2酸化膜はBaTiO3 −BaHfO3 固溶体で
あることにより、第1酸化膜および第2酸化膜におい
て、基板面に平行な面で見た格子間隔を、半導体基板の
格子間隔からInP層の格子間隔まで変化させることが
できるので、整合性をより高めることができる。
【0011】上記半導体基板はSi基板であり、上記第
1酸化膜はSrTiO3 −CaTiO3 固溶体であり、
上記第2酸化膜はBaTiO3 −BaHfO3 固溶体で
あり、上記第1酸化膜と上記第2酸化膜との間には、C
aTiO3 −BaTiO3 固溶体からなる第3酸化膜が
さらに介在していることにより、第1酸化膜,第2酸化
膜および第3酸化膜において、基板面に平行な面で見た
格子間隔を、半導体基板の格子間隔からInP層の格子
間隔まで変化させることができるので、整合性をより高
めることができる。さらに、SrTiO3 はBaTiO
3 およびCaTiO3 と固溶しやすいので、第1酸化
膜,第2酸化膜および第3酸化膜の結晶性を向上するこ
とができ、より高い品質のInP層を形成することがで
きる。
【0012】上記半導体基板はGaAs基板であり、上
記第1酸化膜は、SrTiO3 −BaTiO3 固溶体で
あり、上記第2酸化膜は、BaTiO3 −BaHfO3
固溶体であることにより、第1酸化膜および第2酸化膜
において、基板面に平行な面で見た格子間隔を、半導体
基板の格子間隔からInP層の格子間隔まで変化させる
ことができるので、整合性をより高めることができる。
【0013】上記半導体基板と上記InP層との格子ミ
スマッチは1%以下であることが好ましい。
【0014】上記第1酸化膜から上記第2酸化膜までの
結晶層内に、光導波路が形成されていることにより、光
変調器,光配線等を基板内に埋め込んだ半導体装置を得
ることができる。
【0015】本発明の半導体装置の製造方法は、半導体
基板と、少なくとも2つの酸化物の組成比が変化する第
1酸化膜と、少なくとも2つの酸化物の組成比が変化す
る第2酸化膜と、InP層とを有する半導体装置の製造
方法であって、上記半導体基板の上方に、上記第2酸化
膜に近づく方向に,基板面に平行な面内で見た格子間隔
が上記第2酸化膜の下面における格子間隔に近づく上記
第1酸化膜を形成する工程(a)と、上記第1酸化膜の
上方に、上記InP層に近づく方向に,基板面に平行な
面内で見た格子間隔が上記InP層の格子間隔に近づく
上記第2酸化膜を形成する工程(b)と、上記第2酸化
膜の上に、上記InP層を形成する工程(c)とを備え
ることを特徴とする。
【0016】これにより、第1酸化膜および第2酸化膜
において、組成比を変化させることにより、基板面に平
行な面内で見た格子間隔をInP層の格子間隔に近づけ
ることができるので、半導体基板とInP層との間にお
けるミスフィット転位の発生を抑制することができる。
よって、高品質なInP層を形成することができると共
に、従来よりも膜厚の大きなInP層を形成することが
可能となる。
【0017】上記工程(a)の前に、上記半導体基板の
上にSiO2 膜を形成する工程をさらに備え、上記工程
(a)では、上記SiO2 膜の上に、上記第1酸化膜を
形成することにより、半導体基板と第1酸化膜との整合
性をさらに高めることができる。
【0018】上記半導体基板はSi基板であり、上記第
1酸化膜はCaTiO3 −BaTiO3 固溶体であり、
上記第2酸化膜はBaTiO3 −BaHfO3 固溶体で
あることにより、第1酸化膜および第2酸化膜におい
て、基板面に平行な面で見た格子間隔を、半導体基板の
格子間隔からInP層の格子間隔まで変化させることが
できるので、整合性をより高めることができる。
【0019】上記工程(a)の後に、上記第1酸化膜の
上に、第2酸化膜に近づくと,基板面に平行な面内で見
た格子間隔が上記第2酸化膜の格子間隔に近づく第3酸
化膜を形成する工程をさら備え、上記半導体基板はSi
基板であり、上記第1酸化膜はSrTiO3 −CaTi
3 固溶体であり、上記第2酸化膜はBaTiO3 −B
aHfO3 固溶体であり、上記第3酸化膜はCaTiO
3 −BaTiO3 固溶体であることにより、第1酸化
膜,第2酸化膜および第3酸化膜において、基板面に平
行な面で見た格子間隔を、半導体基板の格子間隔からI
nP層の格子間隔まで変化させることができるので、整
合性をより高めることができる。さらに、SrTiO3
はBaTiO3 およびCaTiO3 と固溶しやすいの
で、第1酸化膜,第2酸化膜および第3酸化膜の結晶性
を向上することができ、より高い品質のInP層を形成
することができる。
【0020】上記半導体基板はGaAs基板であり、上
記第1酸化膜は、SrTiO3 −BaTiO3 固溶体で
あり、上記第2酸化膜は、BaTiO3 −BaHfO3
固溶体であることにより、第1酸化膜および第2酸化膜
において、基板面に平行な面で見た格子間隔を、半導体
基板の格子間隔からInP層の格子間隔まで変化させる
ことができるので、整合性をより高めることができる。
【0021】上記半導体基板と上記InP層との格子ミ
スマッチは1%以下であることが好ましい。
【0022】上記工程(b)の後に、上記第1酸化膜か
ら上記第2酸化膜までの結晶層内に光導波路を形成する
工程をさらに備えることにより、光変調器,光配線等を
基板内に埋め込むことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1は、第1
の実施形態の半導体装置を示す断面図である。図1にお
ける各寸法は、実際の寸法と必ずしも一致していない。
【0024】図1に示すように、本実施形態の半導体装
置は、面方位〈001〉のSi基板1と、CaTiO3
−BaTiO3 膜(第1酸化膜)2と、BaTiO3
BaHfO3 膜(第2酸化膜)3と、面方位〈001〉
のInP層4とから構成されている。 以下に、本実施
形態の半導体装置の製造方法について、図2(a)〜
(d)を参照しながら説明する。図2(a)〜(d)
は、第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す断面
図である。
【0025】まず、図2(a)に示す工程で、面方位
〈001〉のSi基板1の表面を洗浄する。ここで、
〈001〉方向から5〜10°傾斜した面方位を有する
Si基板を用いてもよく、その場合には、Si基板1
と、後に形成するペロブスカイト系酸化物結晶との格子
不整合をより低減することができる。
【0026】次に、図2(b)に示す工程で、基板を酸
素ラジカル併用電子ビーム方式の酸化物形成用MBE
(Molecular Beam Epitaxy)装置内に導入する。そし
て、基板温度を400〜600℃に昇温して、厚さ10
0nm程度のCaTiO3− BaTiO3 膜2を形成す
る。ここで、CaTiO3 −BaTiO3 膜2の形成温
度は550℃付近であることが望ましい。Si基板1と
整合をとるために、CaTiO3− BaTiO3 膜2の
堆積開始時の組成比は、Ba/(Ba+Ca)=0.1
〜0.3の範囲とする。堆積を開始した後、徐々にBa
の組成を増加させて、堆積終了時には、BaTiO3
する。
【0027】CaTiO3 −BaTiO3 膜2の厚み
は、緻密性を保持できる程度の厚みであり、かつ、基板
との間に働くストレスによって剥離しない程度の厚みで
あることが必要である。この点から、CaTiO3 −B
aTiO3 膜2の厚みは、50〜100nm程度である
ことが望ましい。
【0028】ここで、CaTiO3 −BaTiO3 膜2
の他の形成方法として、RFスパッタリング装置(出力
50〜100W)あるいはMOCVD(Metal Organic
Chemical Vapor Deposition )装置を用いて、酸素分圧
10〜50%で、Ca/Ba組成比の変化する複数の層
を形成してもよい。この場合には、CaTiO3 −Ba
TiO3 膜2は、組成比が異なり,合計層厚が50〜1
00nmである複数の層からなる。RFスパッタリング
法、MOCVD法においては、緻密な薄膜を形成するた
めに基板温度を500〜600℃程度とすることが望ま
しい。
【0029】また、上記の方法の他に、MOMBE法(M
etal Organic Molecular Beam Epitaxy) あるいはレー
ザアブレーション法(Pulsed Laser Deposition : PLD
法)を用いても、同様の効果を得ることができる。
【0030】次に、図2(c)に示す工程で、基板温度
を400〜600℃に昇温し、厚さ100nm程度のB
aTiO3 −BaHfO3 膜3を形成する。ここで、緻
密な薄膜を形成するために、BaTiO3 −BaHfO
3 膜3の形成温度は550〜600℃であることが望ま
しい。BaTiO3 から堆積を開始し、徐々にHfの組
成比を増加させて、堆積終了時には、Hf/(Ti+H
f)=0.7〜0.9の範囲とする。
【0031】BaTiO3 −BaHfO3 膜3の厚み
は、緻密性を保持できる程度の厚みであり、かつ、下層
との間に働くストレスによって剥離しない程度の厚みで
あることが必要である。この点から、BaTiO3 −B
aHfO3 膜3の厚みは、50〜100nmであること
が望ましい。
【0032】ここで、BaTiO3 −BaHfO3 膜3
の他の形成方法として、RFスパッタリング装置(出力
50〜100W)あるいはMOCVD( Metal Organic
Chemical Vapor Deposition)装置を用いて、酸素分圧
10〜50%で、Ti/Hf組成比の変化する複数の層
を形成してもよい。この場合には、複数の層のうち最上
層の組成比をHf/(Ti+Hf)=0.7〜0.9の
範囲とする。RFスパッタリング法、MOCVD法にお
いては、緻密な薄膜を形成するために基板温度を550
〜600℃程度とすることが望ましい。
【0033】また、上記の方法の他に、レーザアブレー
ション法(Pulsed Laser Deposition : PLD法)を用い
ても、同様の効果を得ることができる。
【0034】次に、図2(d)に示す工程で、基板をガ
スソースMBE装置に導入し、基板温度400〜600
℃で、〈001〉方向に厚さ1μmのInP層4を形成
する。ここで、InPの結晶成長温度が高すぎるとリン
(P)成分が抜けて結晶性の低下につながり、結晶成長
温度が低すぎると良好な品質の結晶が形成できない。こ
のことから、結晶成長温度は450℃〜500℃である
ことが望ましい。
【0035】なお、InP層4を形成する方法として、
MOCVD法、MOVPE(MetalOrganic Vapor Phase
Epitaxy )法などを用いても同様の効果を得ることが
できる。
【0036】図13は、CaTiO3 −BaTiO3
格子間隔とSiの格子定数との関係を示したグラフ図で
ある。ここで、CaTiO3 の格子間隔はa×√3=
5.36Åで比定し、BaTiO3 の格子間隔はa×√
3=5.65Åで比定した。また、Siの格子定数はa
=5.42Åである。
【0037】これにより、CaTiO3 −BaTiO3
膜2の下面付近の組成比をBa/(Ba+Ca)=0.
1〜0.3とすると、CaTiO3 −BaTiO3 膜2
の下面とSi基板1の(001)面との整合性を高める
ことができる。
【0038】図14は、BaTiO3 −BaHfO3
格子間隔とInPの格子定数との関係を示したグラフ図
である。ここで、BaTiO3 の格子間隔はa×√3=
5.65Åで比定し、BaHfO3 の格子間隔はa×√
3=5.90Åで比定した。これにより、BaTiO3
−BaHfO3 膜3の上面付近の組成比をHf/(Ti
+Hf)=0.7〜0.9とすると、BaTiO3 −B
aHfO3 膜3の上面とInP層4の(001)面との
整合性を高めることができる。
【0039】本実施形態の方法では、Si基板1とCa
TiO3 −BaTiO3 膜2との間の格子ミスマッチ量
を約0%,BaTiO3 −BaHfO3 膜3とInP層
4との間の格子ミスマッチ量を約0%とすることができ
る。このように格子ミスマッチ量を1%以下に抑えるこ
とにより、ミスフィット転位などの転位や結晶欠陥の少
ないInP層4を形成することができる。このことか
ら、高品質で、膜厚の大きなInP層4を形成すること
が可能となる。
【0040】特に、本発明において中間層として用いて
いるペロブスカイト系結晶では、近年、半導体基板上に
高品質の結晶を形成可能となってきており、ペロブスカ
イト系結晶の上に格子間隔の近いInP結晶を形成する
ことで、より高品質なInP結晶を形成することができ
る。
【0041】図17(a)〜(d)は、本発明の半導体
装置における格子間隔の変化を示すグラフ図である。本
実施形態では、図17(a)〜(d)における酸化膜
(CaTiO3−BaTiO3 膜2とBaTiO3−Ba
HfO3 膜3に相当)の格子間隔を、図17(a)に示
すように直線的に変化させても、図17(b)に示すよ
うに階段状に変化させても、図17(c)に示すように
2次関数あるいは指数関数的に変化させても、図17
(d)に示すように3次関数的に変化させても、同様の
効果を得ることができる。
【0042】本実施形態の方法では、Si基板1の上方
に高品質なInP層4を形成することができるので、よ
り大面積のInP層4を得ることができる。従って、電
界効果トランジスタ、半導体レーザ、半導体発光素子、
フォトダイオードなどの素子のコスト削減、高密度集積
化が可能となる。
【0043】さらに、SiO2 層2,CaTiO3 −B
aTiO3 膜3およびBaTiO3−BaHfO3 膜4
からなる酸化膜に導波路を形成することにより、基板内
で光信号の送受信が可能である光接続機構を備えた集積
型半導体装置を提供することが可能となる。
【0044】なお、本実施形態におけるCaTiO3
BaTiO3 膜2と、BaTiO3−BaHfO3 膜3
との成長する面方位の例としては、〈001〉方向が挙
げられる。
【0045】(第2の実施形態)図3は、第2の実施形
態の半導体装置を示す断面図である。図3における各寸
法は、実際の寸法と必ずしも一致していない。
【0046】図3に示すように、本実施形態の半導体装
置は、面方位〈001〉のSi基板11と、CaTiO
3 −SrTiO3 膜(第1酸化膜)12と、SrTiO
3 −BaTiO3 膜(第3酸化膜)13と、BaTiO
3 −BaHfO3 膜(第2酸化膜)14と、面方位〈0
01〉のInP層15とから構成されている。
【0047】以下に、本実施形態の半導体装置の製造方
法について、図4(a)〜(e)を参照しながら説明す
る。図4(a)〜(e)は、第2の実施形態の半導体装
置の製造工程を示す断面図である。
【0048】まず、図4(a)に示す工程で、面方位
〈001〉のSi基板11の表面を洗浄する。ここで、
〈001〉方向から5〜10°傾斜した面方位を有する
Si基板を用いてもよく、その場合には、Si基板11
と、後に形成するペロブスカイト系酸化物結晶との格子
不整合をより低減することができる。
【0049】次に、図4(b)に示す工程で、基板を酸
素ラジカル併用電子ビーム方式の酸化物形成用MBE
(Molecular Beam Epitaxy)装置内に導入する。そし
て、基板温度を400〜500℃に昇温して、厚さ10
0nm程度のCaTiO3 −SrTiO3 膜12を形成
する。CaTiO3 −SrTiO3 膜12の堆積開始時
の組成比は、Sr/(Sr+Ca)=0.2〜0.5の
範囲とする。堆積を開始した後、徐々にSrの組成を増
加させて、堆積終了時には、SrTiO3 とする。
【0050】CaTiO3 −SrTiO3 膜12の厚み
は、緻密性を保持できる程度の厚みであり、かつ、基板
との間に働くストレスによって剥離しない程度の厚みで
あることが必要である。この点から、CaTiO3 −S
rTiO3 膜12の厚みは、50〜100nm程度であ
ることが望ましい。
【0051】ここで、CaTiO3 −SrTiO3 膜1
2の他の形成方法として、RFスパッタリング装置(出
力50〜100W)あるいはMOCVD(Metal Organi
c Chemical Vapor Deposition )装置を用いて、酸素分
圧10〜50%で、Ca/Sr組成比の変化する複数の
層を形成してもよい。この場合には、CaTiO3 −S
rTiO3 膜12は、組成比が異なり,合計層厚が50
〜100nmである複数の層からなる。RFスパッタリ
ング法、MOCVD法においては、緻密な薄膜を形成す
るために基板温度を500〜600度程度とすることが
望ましい。
【0052】また、上記の方法の他に、MOMBE法(M
etal Organic Molecular Beam Epitaxy) あるいはレー
ザアブレーション法(Pulsed Laser Deposition : PLD
法)を用いても、同様の効果が得ることができる。
【0053】次に、図4(c)に示す工程で、基板温度
を400〜500℃に昇温し、厚さ100nm程度のS
rTiO3 −BaTiO3 膜13を形成する。SrTi
3から堆積を開始し、徐々にBaの組成比を増加させ
て、堆積終了時には、BaTiO3 とする。
【0054】ここで、SrTiO3 −BaTiO3 膜1
3の他の形成方法として、RFスパッタリング装置(出
力50〜100W)あるいはMOCVD(Metal Organi
c Chemical Vapor Deposition )装置を用いて、酸素分
圧10〜50%で、Sr/Ba組成比の変化する複数の
層を形成してもよい。この場合には、SrTiO3 −B
aTiO3 膜13は、組成比が異なり,合計層厚が50
〜100nmである複数の層からなる。RFスパッタリ
ング法、MOCVD法においては、緻密な薄膜を形成す
るために基板温度を550〜600度程度とすることが
望ましい。
【0055】また、上記の方法の他に、MOMBE法(M
etal Organic Molecular Beam Epitaxy) あるいはレー
ザアブレーション法(Pulsed Laser Deposition : PLD
法)を用いても、同様の効果が得ることができる。
【0056】次に、図4(d)に示す工程で、基板温度
を400〜500℃に昇温し、厚さ100nm程度のB
aTiO3 −BaHfO3 膜14を形成する。ここで、
BaTiO3 −BaHfO3 膜14の形成温度は550
〜600℃であることが望ましい。BaTiO3 から堆
積を開始し、徐々にHfの組成比を増加させて、堆積終
了時には、Hf/(Ti+Hf)=0.7〜0.9の範
囲とする。
【0057】BaTiO3 −BaHfO3 膜14の厚み
は、緻密性を保持できる程度の厚みであり、かつ、下層
との間に働くストレスによって剥離しない程度の厚みで
あることが必要である。この点から、BaTiO3 −B
aHfO3 膜14の厚みは、50〜100nmであるこ
とが望ましい。
【0058】ここで、BaTiO3 −BaHfO3 膜1
4の他の形成方法として、RFスパッタリング装置(出
力50〜100W)あるいはMOCVD( Metal Organ
ic Chemical Vapor Deposition)装置を用いて、酸素分
圧10〜50%で、Ti/Hf組成比の変化する複数の
層を形成してもよい。この場合には、複数の層のうち最
上層の組成比をHf/(Ti+Hf)=0.7〜0.9
の範囲とする。RFスパッタリング法、MOCVD法に
おいては、緻密な薄膜を形成するために基板温度を55
0〜600℃程度とすることが望ましい。
【0059】また、上記の方法の他に、レーザアブレー
ション法(Pulsed Laser Deposition : PLD法)を用い
ても、同様の効果を得ることができる。
【0060】次に、図4(e)に示す工程で、基板をガ
スソースMBE装置に導入し、基板温度400〜600
℃で、〈001〉方向に厚さ1μmのInP層15を形
成する。
【0061】ここで、InPの結晶成長温度が高すぎる
とリン(P)成分が抜けて結晶性の低下につながり、結
晶成長温度が低すぎると良好な品質の結晶が形成できな
い。このことから、結晶成長温度は450℃〜500℃
であることが望ましい。
【0062】なお、InP層15を形成する方法とし
て、MOCVD法、MOVPE(Metal Organic Vapor
Phase Epitaxy )法などを用いても同様の効果を得るこ
とができる。
【0063】図15は、CaTiO3 −SrTiO3
格子間隔とSiの格子定数との関係を示したグラフ図で
ある。ここで、CaTiO3 の格子間隔はa×√3=
5.36Åと比定し、SrTiO3 の格子間隔はa×√
3=5.52Åと比定した。また、Siの格子定数はa
=5.42Åである。
【0064】これにより、CaTiO3 −SrTiO3
膜12の下面付近の組成比をSr/(Sr+Ca)=
0.2〜0.5とすると、CaTiO3 −SrTiO3
膜12の下面とSi基板11の(001)面との整合性
を高めることができる。
【0065】図16は、SrTiO3 −BaTiO3
格子間隔を示したグラフ図である。ここで、SrTiO
3の格子間隔はa×√3=5.52Åで比定し、BaT
iO3 の格子間隔はa×√3=5.65Åで比定した。
【0066】図14は、BaTiO3 −BaHfO3
格子間隔とInPの格子定数との関係を示したグラフ図
である。ここで、BaTiO3 の格子間隔はa×√3=
5.65Åで比定し、BaHfO3 の格子間隔はa×√
3=5.90Åで比定した。これにより、BaTiO3
−BaHfO3 膜14の上面付近の組成比をHf/(T
i+Hf)=0.7〜0.9とすると、BaTiO3
BaHfO3 膜14の上面とInP層15の(001)
面との整合性を高めることができる。
【0067】本実施形態の方法では、Si基板11とC
aTiO3 −SrTiO3 膜12との格子ミスマッチ量
を約0%、BaTiO3 −BaHfO3 膜14とInP
層15との格子ミスマッチ量を約0%とすることができ
る。このように格子ミスマッチ量を1%以下に抑えるこ
とにより、ミスフィット転位などの転位や結晶欠陥の少
ないInP層15を形成することができる。このことか
ら、高品質で、膜厚の大きなInP層15を形成するこ
とが可能となる。
【0068】特に、本発明において中間層として用いて
いるペロブスカイト系結晶では、近年、半導体基板上に
高品質の結晶を形成可能となってきており、ペロブスカ
イト系結晶の上に格子間隔の近いInP結晶を形成する
ことで、より高品質なInP結晶を形成することができ
る。
【0069】本実施形態は、第1の実施形態におけるC
aTiO3 −BaTiO3 膜2を、CaTiO3 −Sr
TiO3 膜12とSrTiO3 −BaTiO3 膜13と
で置き換えたものに相当する。BaTiO3 がCaTi
3 に固溶しにくいのに対し、SrTiO3 はBaTi
3 およびCaTiO3 と完全固溶する。したがって、
CaTiO3 とBaTiO3 との間にSrTiO3 を含
む混晶を形成することにより、ペロブスカイト系結晶薄
膜の結晶性を向上させることが可能となり、より高品質
なInP結晶を形成することができる。
【0070】図17(a)〜(d)は、本発明の半導体
装置における格子間隔の変化を示すグラフ図である。本
実施形態では、図17(a)〜(d)におけるペロブス
カイト系酸化膜(CaTiO3 −SrTiO3 膜12,
SrTiO3 −BaTiO3膜13およびBaTiO3
−BaHfO3 膜14に相当)の格子間隔を、図17
(a)に示すように直線的に変化させても、図17
(b)に示すように階段状に変化させても、図17
(c)に示すように2次関数あるいは指数関数的に変化
させても、図17(d)に示すように3次関数的に変化
させても、同様の効果を得ることができる。
【0071】本実施形態の方法では、Si基板11の上
方に高品質なInP層15を形成することができるの
で、より大面積のInP層15を得ることができる。従
って、電界効果トランジスタ、半導体レーザ、半導体発
光素子、フォトダイオードなどの素子のコスト削減、高
密度集積化が可能となる。
【0072】さらに、CaTiO3 −SrTiO3 膜1
2,SrTiO3 −BaTiO3 膜13およびBaTi
3 −BaHfO3 膜14からなる酸化膜に導波路を形
成することにより、基板内で光信号の送受信が可能であ
る光接続機構を備えた集積型半導体装置を提供すること
が可能となる。
【0073】なお、本実施形態におけるCaTiO3
SrTiO3 膜12,SrTiO3−BaTiO3 膜1
3およびBaTiO3 −BaHfO3 膜14の成長する
面方位の例としては、〈001〉方向が挙げられる 。
【0074】(第3の実施形態)図5は、第3の実施形
態の半導体装置を示す断面図である。図5における各寸
法は、実際の寸法と必ずしも一致していない。
【0075】図5に示すように、本実施形態の半導体装
置は、面方位〈001〉のGaAs基板21と、SrT
iO3−BaTiO3 膜(第1酸化膜)22と、BaT
iO3 −BaHfO3 膜(第2酸化膜)23と、面方位
〈001〉のInP層24とから構成されている。
【0076】以下に、本実施形態の半導体装置の製造方
法について、図6(a)〜(d)を参照しながら説明す
る。図6(a)〜(d)は、第3の実施形態の半導体装
置の製造工程を示す断面図である。
【0077】まず、図6(a)に示す工程で、面方位
〈001〉のGaAs基板21の表面を洗浄する。
【0078】次に、図6(b)に示す工程で、基板を酸
素ラジカル併用電子ビーム方式の酸化物形成用MBE
(Molecular Beam Epitaxy)装置内に導入する。そし
て、基板温度を400〜600℃に昇温して、厚さ10
0nm程度のSrTiO3 −BaTiO3 膜22を形成
する。SrTiO3 −BaTiO3 膜22の堆積開始時
の組成比は、Ba/(Sr+Ba)=0.1〜0.3の
範囲とする。堆積を開始した後、徐々にBaの組成を増
加させて、堆積終了時には、BaTiO3 とする。
【0079】SrTiO3 −BaTiO3 膜22の厚み
は、緻密性を保持できる程度の厚みであり、かつ、基板
との間に働くストレスによって剥離しない程度の厚みで
あることが必要である。この点から、SrTiO3 −B
aTiO3 膜22の厚みは、50〜100nm程度であ
ることが望ましい。また、結晶成長時の基板温度は、緻
密な薄膜を形成するためには高温が好ましいが、GaA
s基板21のAsが抜けにくい程度に低温である必要が
あるので、500℃程度であることが好ましい。
【0080】ここで、SrTiO3 −BaTiO3 膜2
2の他の形成方法として、RFスパッタリング装置(出
力50〜100W)あるいはMOCVD(Metal Organi
c Chemical Vapor Deposition )装置を用いて、酸素分
圧10〜50%で、Sr/Ba組成比の変化する複数の
層を形成してもよい。この場合には、SrTiO3 −B
aTiO3 膜22は、組成比が異なり,合計層厚が50
〜100nmである複数の層からなる。
【0081】また、上記の方法の他に、レーザアブレー
ション法(Pulsed Laser Deposition : PLD法)を用い
ても、同様の効果を得ることができる。
【0082】次に、図6(c)に示す工程で、基板温度
を400〜600℃に昇温し、厚さ100nm程度のB
aTiO3 −BaHfO3 膜23を形成する。BaTi
3から堆積を開始し、徐々にHfの組成比を増加させ
て、堆積終了時には、Hf/(Ti+Hf)=0.7〜
0.9の範囲とする。
【0083】BaTiO3 −BaHfO3 膜23の厚み
は、緻密性を保持できる程度の厚みであり、かつ、下層
との間に働くストレスによって剥離しない程度の厚みで
あることが必要である。この点から、BaTiO3 −B
aHfO3 膜23の厚みは、50〜100nmであるこ
とが望ましい。また、結晶成長時の基板温度は、緻密な
薄膜を形成するためには高温が好ましいが、GaAs基
板21のAsが抜けにくい程度に低温である必要がある
ので、500℃程度であることが好ましい。
【0084】ここで、BaTiO3 −BaHfO3 膜2
3の他の形成方法として、RFスパッタリング装置(出
力50〜100W)あるいはMOCVD( Metal Organ
ic Chemical Vapor Deposition)装置を用いて、酸素分
圧10〜50%で、Ti/Hf組成比の変化する複数の
層を形成してもよい。この場合には、複数の層のうち最
上層の組成比をHf/(Ti+Hf)=0.7〜0.9
の範囲とする。
【0085】また、上記の方法の他に、レーザアブレー
ション法(Pulsed Laser Deposition : PLD法)を用い
ても、同様の効果を得ることができる。
【0086】次に、図6(d)に示す工程で、基板をガ
スソースMBE装置に導入し、基板温度400〜600
℃で、〈001〉方向に厚さ1μmのInP層24を形
成する。ここで、InPの結晶成長温度が高すぎるとリ
ン(P)成分が抜けて結晶性の低下につながり、結晶成
長温度が低すぎると良好な品質の結晶が形成できない。
このことから、結晶成長温度は450℃〜500℃であ
ることが望ましい。
【0087】なお、InP層24を形成する方法とし
て、MOCVD法、MOVPE(Metal Organic Vapor
Phase Epitaxy )法などを用いても同様の効果を得るこ
とができる。
【0088】図16は、SrTiO3 −BaTiO3
格子間隔と、GaAsの格子定数との関係を示したグラ
フ図である。ここで、SrTiO3 の格子間隔はa×√
3=5.52Åで比定し、BaTiO3 の格子間隔はa
×√3=5.65Åで比定した。また、GaAsの格子
定数はa=5.64Åである。これにより、SrTiO
3 −BaTiO3 膜22の下面付近の組成比をBa/
(Sr+Ba)=0.1〜0.3とすると、SrTiO
3 −BaTiO3 膜22の下面とGaAs基板21の
(001)面との整合性を高めることができる。
【0089】図14は、BaTiO3 −BaHfO3
格子間隔とInPの格子定数との関係を示したグラフ図
である。ここで、BaTiO3 の格子間隔はa×√3=
5.65Åで比定し、BaHfO3 の格子間隔はa×√
3=5.90Åで比定した。これにより、BaTiO3
−BaHfO3 膜23の上面付近の組成比をHf/(T
i+Hf)=0.7〜0.9とすると、BaTiO3
BaHfO3 膜23の上面とInP層24の(001)
面との整合性を高めることができる。
【0090】本実施形態の方法では、Ga基板21とS
rTiO3 −BaTiO3 膜22との格子ミスマッチ量
を約0%、BaTiO3 −BaHfO3 膜23とInP
層24との格子ミスマッチ量を約0%とすることができ
る。このように格子ミスマッチ量を1%以下に抑えるこ
とにより、ミスフィット転位などの転位や結晶欠陥の少
ないInP層24を形成することができる。このことか
ら、高品質で、膜厚の大きなInP層24を形成するこ
とが可能となる。
【0091】特に、本発明において中間層として用いて
いるペロブスカイト系結晶では、近年、半導体基板上に
高品質の結晶を形成可能となってきており、ペロブスカ
イト系結晶の上に格子間隔の近いInP結晶を形成する
ことで、より高品質なInP結晶を形成することができ
る。
【0092】図17(a)〜(d)は、本発明の半導体
装置における格子間隔の変化を示すグラフ図である。本
実施形態では、図17(a)〜(d)におけるペロブス
カイト系酸化膜(SrTiO3 −BaTiO3 膜22お
よびBaTiO3 −BaHfO3 膜23に相当)の格子
間隔を、図17(a)に示すように直線的に変化させて
も、図17(b)に示すように階段状に変化させても、
図17(c)に示すように2次関数あるいは指数関数的
に変化させても、図17(d)に示すように3次関数的
に変化させても、同様の効果を得ることができる。
【0093】本実施形態の方法では、GaAs基板21
の上方に高品質なInP層24を形成することができる
ので、より大面積のInP層24を得ることができる。
従って、電界効果トランジスタ、半導体レーザ、半導体
発光素子、フォトダイオードなどの素子のコスト削減、
高密度集積化が可能となる。
【0094】さらに、SrTiO3 −BaTiO3 膜2
2およびBaTiO3 −BaHfO 3 膜23からなる酸
化膜に導波路を形成することにより、基板内で光信号の
送受信が可能である光接続機構を備えた集積型半導体装
置を提供することが可能となる。
【0095】なお、本実施形態におけるSrTiO3
BaTiO3 膜22およびBaTiO3 −BaHfO3
膜23の成長する面方位の例としては、〈001〉方向
が挙げられる 。
【0096】(第4の実施形態)図7は、第4の実施形
態の半導体装置を示す断面図である。図7における各寸
法は、実際の寸法と必ずしも一致していない。
【0097】図7に示すように、本実施形態の半導体装
置は、面方位〈001〉のSi基板31と、SiO2
32と、CaTiO3 −BaTiO3 膜(第1酸化膜)
33と、BaTiO3 −BaHfO3 膜(第2酸化膜)
34と、面方位〈001〉のInP層35とから構成さ
れている。
【0098】以下に、本実施形態の半導体装置の製造方
法について、図8(a)〜(e)を参照しながら説明す
る。図8(a)〜(e)は、第4の実施形態の半導体装
置の製造工程を示す断面図である。
【0099】まず、図8(a)に示す工程で、面方位
〈001〉のSi基板31の表面を洗浄する。ここで、
〈001〉方向から5〜10°傾斜した面方位を有する
Si基板を用いてもよく、その場合には、Si基板31
と、後に形成するペロブスカイト系酸化物結晶との格子
不整合をより低減することができる。
【0100】次に、図8(b)に示す工程で、Si基板
31を、真空度が1.33×10-5 Pa程度であるEC
RプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition) 装置に
導入する。そして、Si基板31の温度を300℃程度
にし、温度が安定するまで10分間程度放置する。その
後、マイクロ波出力200Wで、O2ガスを20cm3
min、SiH4ガスを10cm3/min供給すること
により、厚さ1.5〜2.5nm程度のSiO2 膜32
を形成する。このSiO2 膜32は、Si基板31とC
aTiO3−BaTiO3 膜33との間の整合性を高め
る役割を果たす。
【0101】ここで、SiO2 膜32の形成方法として
は、Si基板31を石英管内に導入して、加湿したO2
雰囲気下で950℃にした後4時間保持することによ
り、Si基板31の表面付近を熱酸化する方法を取って
もよい。
【0102】SiO2 膜32の形成方法としては、Si
基板31の表面付近に生じている自然酸化膜をバッファ
ードフッ酸で除去した後、Si基板31の表面付近を、
硫酸,過酸化水素の水溶液によって酸化することにより
形成してもよい。
【0103】あるいは、Si基板31の表面付近に生じ
ている自然酸化膜をSiO2 膜32としてもよい。
【0104】次に、図8(c)に示す工程で、基板を酸
素ラジカル併用電子ビーム方式の酸化物形成用MBE
(Molecular Beam Epitaxy)装置内に導入する。そし
て、基板温度を400〜600℃に昇温して、厚さ10
0nm程度のCaTiO3− BaTiO3 膜33を形成
する。ここで、CaTiO3 −BaTiO3 膜33の形
成温度は550℃付近であることが望ましい。Si基板
31と整合性を高めるために、CaTiO3− BaTi
3 膜33の堆積開始時の組成比は、Ba/(Ba+C
a)=0.1〜0.3の範囲とする。堆積を開始した
後、徐々にBaの組成を増加させて、堆積終了時には、
BaTiO3 とする。
【0105】CaTiO3 −BaTiO3 膜33の厚み
は、緻密性を保持できる程度の厚みであり、かつ、基板
との間に働くストレスによって剥離しない程度の厚みで
あることが必要である。この点から、CaTiO3 −B
aTiO3 膜33の厚みは、50〜100nm程度であ
ることが望ましい。
【0106】ここで、CaTiO3 −BaTiO3 膜3
3の他の形成方法として、RFスパッタリング装置(出
力50〜100W)あるいはMOCVD(Metal Organi
c Chemical Vapor Deposition )装置を用いて、酸素分
圧10〜50%で、Ca/Ba組成比の変化する複数の
層を形成してもよい。この場合には、CaTiO3 −B
aTiO3 膜33は、組成比が異なり,合計層厚が50
〜100nmである複数の層からなる。RFスパッタリ
ング法、MOCVD法においては、緻密な薄膜を形成す
るために基板温度を500〜600℃程度とすることが
望ましい。
【0107】また、上記の方法の他に、MOMBE法(M
etal Organic Molecular Beam Epitaxy) あるいはレー
ザアブレーション法(Pulsed Laser Deposition : PLD
法)を用いても、同様の効果を得ることができる。
【0108】次に、図8(d)に示す工程で、基板温度
を400〜600℃に昇温し、厚さ100nm程度のB
aTiO3 −BaHfO3 膜34を形成する。ここで、
BaTiO3 −BaHfO3 膜34の形成温度は550
〜600℃であることが望ましい。BaTiO3 から堆
積を開始し、徐々にHfの組成比を増加させて、堆積終
了時には、Hf/(Ti+Hf)=0.7〜0.9の範
囲とする。
【0109】BaTiO3 −BaHfO3 膜34の厚み
は、緻密性を保持できる程度の厚みであり、かつ、下層
との間に働くストレスによって剥離しない程度の厚みで
あることが必要である。この点から、BaTiO3 −B
aHfO3 膜34の厚みは、50〜100nmであるこ
とが望ましい。
【0110】ここで、BaTiO3 −BaHfO3 膜3
4の他の形成方法として、RFスパッタリング装置(出
力50〜100W)あるいはMOCVD( Metal Organ
ic Chemical Vapor Deposition)装置を用いて、酸素分
圧10〜50%で、Ti/Hf組成比の変化する複数の
層を形成してもよい。この場合には、複数の層のうち最
上層の組成比をHf/(Ti+Hf)=0.7〜0.9
の範囲とする。RFスパッタリング法、MOCVD法に
おいては、緻密な薄膜を形成するために基板温度を50
0〜600℃程度とすることが望ましい。
【0111】また、上記の方法の他に、レーザアブレー
ション法(Pulsed Laser Deposition : PLD法)を用い
ても、同様の効果を得ることができる。
【0112】次に、図8(e)に示す工程で、基板をガ
スソースMBE装置に導入し、基板温度400〜600
℃で、〈001〉方向に厚さ1μmのInP層35を形
成する。ここで、InPの結晶成長温度が高すぎるとリ
ン(P)成分が抜けて結晶性の低下につながり、結晶成
長温度が低すぎると良好な品質の結晶が形成できない。
このことから、結晶成長温度は450℃〜500℃であ
ることが望ましい。
【0113】なお、InP層35を形成する方法とし
て、MOCVD法、MOVPE(Metal Organic Vapor
Phase Epitaxy )法などを用いても同様の効果を得るこ
とができる。
【0114】図13は、CaTiO3 −BaTiO3
格子間隔とSiの格子定数との関係を示したグラフ図で
ある。ここで、CaTiO3 の格子間隔はa×√3=
5.36Åで比定し、BaTiO3 の格子間隔はa×√
3=5.65Åで比定した。また、Siの格子定数はa
=5.42Åである。これにより、CaTiO3 −Ba
TiO3 膜33の下面付近の組成比をBa/(Ba+C
a)=0.1〜0.3とすると、CaTiO3 −BaT
iO3 膜33の下面とSi基板31の(001)面との
整合性を高めることができる。
【0115】図14は、BaTiO3 −BaHfO3
格子間隔とInPの格子定数との関係を示したグラフ図
である。ここで、BaTiO3 膜の格子間隔はa×√3
=5.65Åで比定し、BaHfO3 の格子間隔はa×
√3=5.90Åで比定した。これにより、BaTiO
3 −BaHfO3 膜34の上面付近の組成比をHf/
(Ti+Hf)=0.7〜0.9とすると、BaTiO
3 −BaHfO3 膜34の上面とInP層35の(00
1)面との整合性を高めることができる。
【0116】本実施形態の方法では、Si基板31とC
aTiO3 −BaTiO3 膜33との格子ミスマッチ量
を約0%、BaTiO3 −BaHfO3 膜34とInP
層35との格子ミスマッチ量を約0%とすることができ
る。このように格子ミスマッチ量を1%以下に抑えるこ
とにより、ミスフィット転位などの転位や結晶欠陥の少
ないInP層35を形成することができる。このことか
ら、高品質で、膜厚の大きなInP層35を形成するこ
とが可能となる。また、Si基板31とCaTiO3
BaTiO3 膜33との間にSiO2 膜32が形成され
ていることにより、Si基板31とCaTiO3 −Ba
TiO3 膜33との間の整合性をさらに高めることがで
きる。
【0117】特に、本発明において中間層として用いて
いるペロブスカイト系結晶では、近年、半導体基板上に
高品質の結晶を形成可能となってきており、ペロブスカ
イト系結晶の上に格子間隔の近いInP結晶を形成する
ことで、より高品質なInP結晶を形成することができ
る。
【0118】図17(a)〜(d)は、本発明の半導体
装置における格子間隔の変化を示すグラフ図である。本
実施形態では、図17(a)〜(d)におけるペロブス
カイト系酸化膜(CaTiO3−BaTiO3 膜33お
よびBaTiO3−BaHfO 3 膜34に相当)の格子
間隔を、図17(a)に示すように直線的に変化させて
も、図17(b)に示すように階段状に変化させても、
図17(c)に示すように2次関数あるいは指数関数的
に変化させても、図17(d)に示すように3次関数的
に変化させても、同様の効果を得ることができる。
【0119】本実施形態の方法では、Si基板31の上
方に高品質なInP層35を形成することができるの
で、より大面積のInP層35を得ることができる。従
って、電界効果トランジスタ、半導体レーザ、半導体発
光素子、フォトダイオードなどの素子のコスト削減、高
密度集積化が可能となる。
【0120】さらに、SiO2 層32,CaTiO3
BaTiO3 膜33およびBaTiO3 −BaHfO3
膜34からなる酸化膜に導波路を形成することにより、
基板内で光信号の送受信が可能である光接続機構を備え
た集積型半導体装置を提供することが可能となる。
【0121】なお、本実施形態におけるCaTiO3
BaTiO3 膜33およびBaTiO3 −BaHfO3
膜34の成長する面方位の例としては、〈001〉方向
が挙げられる 。
【0122】(第5の実施形態)図9は、第5の実施形
態の半導体装置を示す断面図である。図9における各寸
法は、実際の寸法と必ずしも一致していない。
【0123】図9に示すように、本実施形態の半導体装
置は、面方位〈001〉のSi基板41と、SiO2
42と、CaTiO3 −SrTiO3 膜(第1酸化膜)
43と、SrTiO3 −BaTiO3 膜(第3酸化膜)
44と、BaTiO3 −BaHfO3 膜(第2酸化膜)
45と、面方位〈001〉のInP層46とから構成さ
れている。
【0124】以下に、本実施形態の半導体装置の製造方
法について、図10(a)〜(f)を参照しながら説明
する。図10(a)〜(f)は、第5の実施形態の半導
体装置の製造工程を示す断面図である。
【0125】まず、図10(a)に示す工程で、面方位
〈001〉のSi基板41の表面を洗浄する。ここで、
〈001〉方向から5〜10°傾斜した面方位を有する
Si基板を用いてもよく、その場合には、Si基板41
と、後に形成するペロブスカイト系酸化物結晶との格子
不整合をより低減することができる。
【0126】次に、図10(b)に示す工程で、Si基
板41を、真空度が1.33×10 -5Pa程度であるE
CRプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition) 装置
に導入する。そして、Si基板41の温度を300℃程
度にし、温度が安定するまで10分間程度放置する。そ
の後、マイクロ波出力200Wで、O2 ガスを20cm
3 /min、SiH4 ガスを10cm3 /min供給す
ることにより、厚さ1.5〜2.5nm程度のSiO2
膜42を形成する。このSiO2 膜42は、Si基板4
1とCaTiO3 −SrTiO3 膜43との間の整合性
を高める役割を果たす。
【0127】ここで、SiO2膜42の形成方法として
は、Si基板41を石英管内に導入して、加湿したO2
雰囲気下で950℃にした後4時間保持することによ
り、Si基板41の表面付近を熱酸化する方法を取って
もよい。
【0128】SiO2 膜42の形成方法としては、Si
基板41の表面付近に生じている自然酸化膜をバッファ
ードフッ酸で除去した後、Si基板41の表面付近を、
硫酸,過酸化水素の水溶液によって酸化することにより
形成してもよい。
【0129】あるいは、Si基板41の表面付近に生じ
ている自然酸化膜をSiO2 膜42としてもよい。
【0130】次に、図10(c)に示す工程で、基板を
酸素ラジカル併用電子ビーム方式の酸化物形成用MBE
(Molecular Beam Epitaxy)装置内に導入する。そし
て、基板温度を400〜500℃に昇温して、厚さ10
0nm程度のCaTiO3 −SrTiO3 膜43を形成
する。CaTiO3 −SrTiO3 膜43の堆積開始時
の組成比は、Sr/(Sr+Ca)=0.2〜0.5の
範囲とする。堆積を開始した後、徐々にSrの組成を増
加させて、堆積終了時には、SrTiO3 とする。
【0131】CaTiO3 −SrTiO3 膜43の厚み
は、緻密性を保持できる程度の厚みであり、かつ、基板
との間に働くストレスによって剥離しない程度の厚みで
あることが必要である。この点から、CaTiO3 −S
rTiO3 膜43の厚みは、50〜100nm程度であ
ることが望ましい。
【0132】ここで、CaTiO3 −SrTiO3 膜4
3の他の形成方法として、RFスパッタリング装置(出
力50〜100W)あるいはMOCVD(Metal Organi
c Chemical Vapor Deposition )装置を用いて、酸素分
圧10〜50%で、Ca/Sr組成比の変化する複数の
層を形成してもよい。この場合には、CaTiO3 −S
rTiO3 膜43は、組成比が異なり,合計層厚が50
〜100nmである複数の層からなる。RFスパッタリ
ング法、MOCVD法においては、緻密な薄膜を形成す
るために基板温度を500〜600度程度とすることが
望ましい。
【0133】また、上記の方法の他に、MOMBE法(M
etal Organic Molecular Beam Epitaxy) あるいはレー
ザアブレーション法(Pulsed Laser Deposition : PLD
法)を用いても、同様の効果が得ることができる。
【0134】次に、図10(d)に示す工程で、基板温
度を400〜500℃に昇温し、厚さ100nm程度の
SrTiO3 −BaTiO3 膜44を形成する。SrT
iO 3 から堆積を開始し、徐々にBaの組成比を増加さ
せて、堆積終了時には、BaTiO3 とする。
【0135】ここで、SrTiO3 −BaTiO3 膜4
4の他の形成方法として、RFスパッタリング装置(出
力50〜100W)あるいはMOCVD(Metal Organi
c Chemical Vapor Deposition )装置を用いて、酸素分
圧10〜50%で、Sr/Ba組成比の変化する複数の
層を形成してもよい。この場合には、SrTiO3 −B
aTiO3 膜44は、組成比が異なり,合計層厚が50
〜100nmである複数の層からなる。RFスパッタリ
ング法、MOCVD法においては、緻密な薄膜を形成す
るために基板温度を550〜600度程度とすることが
望ましい。
【0136】また、上記の方法の他に、MOMBE法(M
etal Organic Molecular Beam Epitaxy) あるいはレー
ザアブレーション法(Pulsed Laser Deposition : PLD
法)を用いても、同様の効果が得ることができる。
【0137】次に、図10(e)に示す工程で、基板温
度を400〜500℃に昇温し、厚さ100nm程度の
BaTiO3 −BaHfO3 膜45を形成する。ここ
で、BaTiO3 −BaHfO3 膜45の形成温度は5
50〜600℃であることが望ましい。BaTiO3
ら堆積を開始し、徐々にHfの組成比を増加させて、堆
積終了時には、Hf/(Ti+Hf)=0.7〜0.9
の範囲とする。
【0138】BaTiO3 −BaHfO3 膜45の厚み
は、緻密性を保持できる程度の厚みであり、かつ、下層
との間に働くストレスによって剥離しない程度の厚みで
あることが必要である。この点から、BaTiO3 −B
aHfO3 膜45の厚みは、50〜100nmであるこ
とが望ましい。
【0139】ここで、BaTiO3 −BaHfO3 膜4
5の他の形成方法として、RFスパッタリング装置(出
力50〜100W)あるいはMOCVD( Metal Organ
ic Chemical Vapor Deposition)装置を用いて、酸素分
圧10〜50%で、Ti/Hf組成比の変化する複数の
層を形成してもよい。この場合には、複数の層のうち最
上層の組成比をHf/(Ti+Hf)=0.7〜0.9
の範囲とする。RFスパッタリング法、MOCVD法に
おいては、緻密な薄膜を形成するために基板温度を55
0〜600℃程度とすることが望ましい。
【0140】また、上記の方法の他に、レーザアブレー
ション法(Pulsed Laser Deposition : PLD法)を用い
ても、同様の効果を得ることができる。
【0141】次に、図10(f)に示す工程で、基板を
ガスソースMBE装置に導入し、基板温度400〜60
0℃で、〈001〉方向に厚さ1μmのInP層46を
形成する。
【0142】ここで、InPの結晶成長温度が高すぎる
とリン(P)成分が抜けて結晶性の低下につながり、結
晶成長温度が低すぎると良好な品質の結晶が形成できな
い。このことから、結晶成長温度は450℃〜500℃
であることが望ましい。
【0143】なお、InP層46を形成する方法とし
て、MOCVD法、MOVPE(Metal Organic Vapor
Phase Epitaxy )法などを用いても同様の効果を得るこ
とができる。
【0144】図15は、CaTiO3 −SrTiO3
格子間隔とSiの格子定数との関係を示したグラフ図で
ある。ここで、CaTiO3 の格子間隔はa×√3=
5.36Åで比定し、SrTiO3 の格子間隔はa×√
3=5.52Åで比定した。また、Siの格子定数はa
=5.42Åである。これにより、CaTiO3 −Sr
TiO3 膜43の下面付近の組成比をSr/(Sr+C
a)=0.2〜0.5とすると、CaTiO3 −SrT
iO3 膜43の下面とSi基板41の(001)面との
整合性を高めることができる。
【0145】図16は、SrTiO3 −BaTiO3
格子間隔を示したグラフ図である。ここで、SrTiO
3の格子間隔はa×√3=5.52Åで比定し、BaT
iO3 の格子間隔はa×√3=5.65Åで比定した。
【0146】図14は、BaTiO3 −BaHfO3
格子間隔とInPの格子定数との関係を示したグラフ図
である。ここで、BaTiO3 の格子間隔はa×√3=
5.65Åで比定し、BaHfO3 の格子間隔はa×√
3=5.90Åで比定した。これにより、BaTiO3
−BaHfO3 膜45の上面付近の組成比をHf/(T
i+Hf)=0.7〜0.9とすると、BaTiO3
BaHfO3 膜45の上面とInP層46の(001)
面との整合性を高めることができる。
【0147】本実施形態の方法では、Si基板41とC
aTiO3 −SrTiO3 膜43との格子ミスマッチ量
を約0%、BaTiO3 −BaHfO3 膜45とInP
層46との格子ミスマッチ量を約0%とすることができ
る。このように格子ミスマッチ量を1%以下に抑えるこ
とにより、ミスフィット転位などの転位や結晶欠陥の少
ないInP層46を形成することができる。このことか
ら、高品質で、膜厚の大きなInP層46を形成するこ
とが可能となる。また、Si基板41とCaTiO3
SrTiO3 膜43との間にSiO2 層42が形成され
ていることにより、Si基板41とCaTiO3 −Sr
TiO3 膜43との整合性をさらに高めることができ
る。
【0148】特に、本発明において中間層として用いて
いるペロブスカイト系結晶では、近年、半導体基板上に
高品質の結晶を形成可能となってきており、ペロブスカ
イト系結晶の上に格子間隔の近いInP結晶を形成する
ことで、より高品質なInP結晶を形成することができ
る。
【0149】本実施形態は、第4の実施形態におけるC
aTiO3 −BaTiO3 膜32を、CaTiO3 −S
rTiO3 膜43とSrTiO3 −BaTiO3 膜44
とで置き換えたものに相当する。BaTiO3 がCaT
iO3 に固溶しにくいのに対し、SrTiO3 はBaT
iO3 およびCaTiO3 と完全固溶する。したがっ
て、CaTiO3 とBaTiO3 との間にSrTiO3
を含む混晶を形成することにより、ペロブスカイト系結
晶薄膜の結晶性を向上させることが可能となり、より高
品質なInP結晶を形成することができる。
【0150】図17(a)〜(d)は、本発明の半導体
装置における格子間隔の変化を示すグラフ図である。本
実施形態では、図17(a)〜(d)におけるペロブス
カイト系酸化膜(CaTiO3−SrTiO3 膜43,
SrTiO3−BaTiO3 膜44およびBaTiO3
−BaHfO3 膜45に相当)の格子間隔を、図17
(a)に示すように直線的に変化させても、図17
(b)に示すように階段状に変化させても、図17
(c)に示すように2次関数あるいは指数関数的に変化
させても、図17(d)に示すように3次関数的に変化
させても、同様の効果を得ることができる。
【0151】本実施形態の方法では、Si基板41の上
方に高品質なInP層46を形成することができるの
で、より大面積のInP層46を得ることができる。従
って、電界効果トランジスタ、半導体レーザ、半導体発
光素子、フォトダイオードなどの素子のコスト削減、高
密度集積化が可能となる。
【0152】さらに、SiO2 層42,CaTiO3
SrTiO3 膜43,SrTiO3−BaTiO3 膜4
4およびBaTiO3 −BaHfO3 膜45からなる酸
化膜に導波路を形成することにより、基板内で光信号の
送受信が可能である光接続機構を備えた集積型半導体装
置を提供することが可能となる。
【0153】なお、本実施形態におけるCaTiO3
SrTiO3 膜43,SrTiO3−BaTiO3 膜4
4およびBaTiO3 −BaHfO3 膜45の成長する
面方位の例としては、〈001〉方向が挙げられる 。
【0154】(第6の実施形態)図11は、第6の実施
形態の半導体装置を示す断面図である。図11における
各寸法は、実際の寸法と必ずしも一致していない。
【0155】図11に示すように、本実施形態の半導体
装置は、面方位〈001〉のGaAs基板51と、Si
2 膜52と、SrTiO3−BaTiO3 膜(第1酸
化膜)53と、BaTiO3 −BaHfO3 膜(第2酸
化膜)54と、面方位〈001〉のInP層55とから
構成されている。
【0156】以下に、本実施形態の半導体装置の製造方
法について、図12(a)〜(e)を参照しながら説明
する。図12(a)〜(e)は、第6の実施形態の半導
体装置の製造工程を示す断面図である。
【0157】まず、図12(a)に示す工程で、面方位
〈001〉のGaAs基板51の表面を洗浄する。
【0158】次に、図12(b)に示す工程で、GaA
s基板51を、真空度が1.33×10-5Pa程度であ
るECRプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)
装置に導入する。そして、GaAs基板51の温度を3
00℃程度にし、温度が安定するまで10分間程度放置
する。その後、マイクロ波出力200Wで、O2 ガスを
20cm3 /min、SiH4 ガスを10cm3 /mi
n供給することにより、厚さ1.5〜2.5nm程度の
SiO2 膜52を形成する。このSiO2 膜52は、G
aAs基板51とSrTiO3 −BaTiO3 膜53と
の間の整合性を高める役割を果たす。
【0159】次に、図12(c)に示す工程で、基板を
酸素ラジカル併用電子ビーム方式の酸化物形成用MBE
(Molecular Beam Epitaxy)装置内に導入する。そし
て、基板温度を400〜600℃に昇温して、厚さ10
0nm程度のSrTiO3 −BaTiO3 膜53を形成
する。SrTiO3 −BaTiO3 膜53の堆積開始時
の組成比は、Ba/(Sr+Ba)=0.1〜0.3の
範囲とする。堆積を開始した後、徐々にBaの組成を増
加させて、堆積終了時には、BaTiO3 とする。
【0160】SrTiO3 −BaTiO3 膜53の厚み
は、緻密性を保持できる程度の厚みであり、かつ、基板
との間に働くストレスによって剥離しない程度の厚みで
あることが必要である。この点から、SrTiO3 −B
aTiO3 膜53の厚みは、50〜100nm程度であ
ることが望ましい。また、結晶成長時の基板温度は、緻
密な薄膜を形成するためには高温が好ましいが、GaA
s基板51のAsが抜けにくい程度に低温である必要が
あるので、500℃程度であることが好ましい。
【0161】ここで、SrTiO3 −BaTiO3 膜5
3の他の形成方法として、RFスパッタリング装置(出
力50〜100W)あるいはMOCVD(Metal Organi
c Chemical Vapor Deposition )装置を用いて、酸素分
圧10〜50%で、Sr/Ba組成比の変化する複数の
層を形成してもよい。この場合には、SrTiO3 −B
aTiO3 膜53は、組成比が異なり,合計層厚が50
〜100nmである複数の層からなる。
【0162】また、上記の方法の他に、レーザアブレー
ション法(Pulsed Laser Deposition : PLD法)を用い
ても、同様の効果を得ることができる。
【0163】次に、図12(d)に示す工程で、基板温
度を400〜600℃に昇温し、厚さ100nm程度の
BaTiO3 −BaHfO3 膜54を形成する。BaT
iO 3 から堆積を開始し、徐々にHfの組成比を増加さ
せて、堆積終了時には、Hf/(Ti+Hf)=0.7
〜0.9の範囲とする。
【0164】BaTiO3 −BaHfO3 膜54の厚み
は、緻密性を保持できる程度の厚みであり、かつ、下層
との間に働くストレスによって剥離しない程度の厚みで
あることが必要である。この点から、BaTiO3 −B
aHfO3 膜54の厚みは、50〜100nmであるこ
とが望ましい。また、結晶成長時の基板温度は、緻密な
薄膜を形成するためには高温が好ましいが、GaAs基
板51のAsが抜けにくい程度に低温である必要がある
ので、500℃程度であることが好ましい。
【0165】ここで、BaTiO3 −BaHfO3 膜5
4の他の形成方法として、RFスパッタリング装置(出
力50〜100W)あるいはMOCVD( Metal Organ
ic Chemical Vapor Deposition)装置を用いて、酸素分
圧10〜50%で、Ti/Hf組成比の変化する複数の
層を形成してもよい。この場合には、複数の層のうち最
上層の組成比をHf/(Ti+Hf)=0.7〜0.9
の範囲とする。
【0166】また、上記の方法の他に、レーザアブレー
ション法(Pulsed Laser Deposition : PLD法)を用い
ても、同様の効果を得ることができる。
【0167】次に、図12(e)に示す工程で、基板を
ガスソースMBE装置に導入し、基板温度400〜60
0℃で、〈001〉方向に厚さ1μmのInP層55を
形成する。ここで、InPの結晶成長温度が高すぎると
リン(P)成分が抜けて結晶性の低下につながり、結晶
成長温度が低すぎると良好な品質の結晶が形成できな
い。このことから、結晶成長温度は450℃〜500℃
であることが望ましい。
【0168】なお、InP層55を形成する方法とし
て、MOCVD法、MOVPE(Metal Organic Vapor
Phase Epitaxy )法などを用いても同様の効果を得るこ
とができる。
【0169】図16は、SrTiO3 −BaTiO3
格子間隔と、GaAsの格子定数との関係を示したグラ
フ図である。ここで、SrTiO3 の格子間隔はa×√
3=5.52Åで比定し、BaTiO3 の格子間隔はa
×√3=5.65Åで比定した。また、GaAsの格子
定数はa=5.64Åである。これにより、SrTiO
3 −BaTiO3 膜33の下面付近の組成比をBa/
(Sr+Ba)=0.1〜0.3とすると、SrTiO
3 −BaTiO3 膜53の下面とGaAs基板51の
(001)面との整合性を高めることができる。
【0170】図14は、BaTiO3 −BaHfO3
格子間隔とInPの格子定数との関係を示したグラフ図
である。ここで、BaTiO3 の格子間隔はa×√3=
5.65Åで比定し、BaHfO3 の格子間隔はa×√
3=5.90Åで比定した。これにより、BaTiO3
−BaHfO3 膜54の上面付近の組成比をHf/(T
i+Hf)=0.7〜0.9とすると、BaTiO3
BaHfO3 膜54の上面とInP層55の(001)
面との整合性を高めることができる。
【0171】本実施形態の方法では、GaAs基板51
とSrTiO3 −BaTiO3 膜53との格子ミスマッ
チ量を約0%、BaTiO3 −BaHfO3 膜54とI
nP層55との格子ミスマッチ量を約0%とすることが
できる。このように格子ミスマッチ量を1%以下に抑え
ることにより、ミスフィット転位などの転位や結晶欠陥
の少ないInP層55を形成することができる。このこ
とから、高品質で、膜厚の大きなInP層55を形成す
ることが可能となる。また、GaAs基板51とSrT
iO3 −BaTiO3 膜53との間にSiO2 層52を
介在させることにより、GaAs基板51とSrTiO
3 −BaTiO3 膜53との間の整合性をさらに高める
ことができる。
【0172】特に、本発明において中間層として用いて
いるペロブスカイト系結晶では、近年、半導体基板上に
高品質の結晶を形成可能となってきており、ペロブスカ
イト系結晶の上に格子間隔の近いInP結晶を形成する
ことで、より高品質なInP結晶を形成することができ
る。
【0173】図17(a)〜(d)は、本発明の半導体
装置における格子間隔の変化を示すグラフ図である。本
実施形態では、図17(a)〜(d)におけるペロブス
カイト系酸化膜(SrTiO3 −BaTiO3 膜53お
よびBaTiO3 −BaHfO3 膜54に相当)の格子
間隔を、図17(a)に示すように直線的に変化させて
も、図17(b)に示すように階段状に変化させても、
図17(c)に示すように2次関数あるいは指数関数的
に変化させても、図17(d)に示すように3次関数的
に変化させても、同様の効果を得ることができる。
【0174】本実施形態の方法では、GaAs基板51
の上方に高品質なInP層55を形成することができる
ので、より大面積のInP層55を得ることができる。
従って、電界効果トランジスタ、半導体レーザ、半導体
発光素子、フォトダイオードなどの素子のコスト削減、
高密度集積化が可能となる。
【0175】さらに、SiO2 層52,SrTiO3
BaTiO3 膜53およびBaTiO3 −BaHfO3
膜54からなる酸化膜に導波路を形成することにより、
基板内で光信号の送受信が可能である光接続機構を備え
た集積型半導体装置を提供することが可能となる。
【0176】なお、本実施形態におけるSrTiO3
BaTiO3 膜53およびBaTiO3 −BaHfO3
膜54の成長する面方位の例としては、〈001〉方向
が挙げられる 。
【0177】(第7の実施形態)以下に、本発明のペロ
ブスカイト系酸化膜部分に埋め込み型光導波路を形成し
た場合について、図18,19を参照しながら説明す
る。本実施形態は、第1〜第6の実施形態に適用するこ
とができる。
【0178】図18,19は、本発明の酸化膜部分に埋
め込み型光導波路を形成した半導体装置を示す断面図,
斜視図である。本実施形態の半導体装置は、Siまたは
GaAsからなる基板61と、SiO2 膜62と、ペロ
ブスカイト系の酸化膜63と、InP層64と、ペロブ
スカイト系の酸化膜63に埋め込まれている埋め込み型
光導波路65および埋め込み型光接続用導波路66と、
InP層64上に形成されたHEMT(High Electron M
obility Transistor) 67とから構成されている。
【0179】酸化膜63部分に埋め込み型光導波路65
を形成する方法としては、InP層64を形成する前
に、酸化膜63上にTiを蒸着し、500℃程度で熱拡
散させて形成する方法や、200〜380nm程度の波
長を持つ紫外レーザ光を照射することによる光誘起屈折
率変化を利用する方法などが適している。
【0180】本実施形態の半導体装置では、InP層6
4上に形成したHEMT67により増幅した信号で、基
板61とInP層64との間の酸化膜63に電圧を印加
して、電気光学効果を利用して酸化膜63の屈折率を変
化させることにより、光スイッチとしての動作が可能と
なる。
【0181】また、基板61上の発光素子で発生した光
を基板外へ取り出すことが可能となる上に、基板61内
の素子間において光による信号の送受信を可能とする光
接続機構を備えた集積型半導体装置を提供することが可
能となる。これにより、大容量光通信ネットワークの分
野で必要とされている、光増幅中継器、光分岐挿入装
置、光クロスコネクト装置における信号制御装置と光学
装置とをモノリシックに一体化した構造を提供すること
が可能となる。
【0182】なお、本実施形態では、HEMT67の代
わりとして、HBTやMOSFETを形成しても、同様
の効果を得ることができる。
【0183】(その他の実施形態)なお、第1〜第7の
実施形態では、半導体基板とInP層との間にペロブス
カイト系酸化物を介在させる場合について述べたが、本
発明では、ペロブスカイト以外の結晶性物質を用いても
よい。
【0184】また、第1〜第7の実施形態では、格子間
隔をa×√3と比定した場合について述べたが、本発明
においては他の値に比定してもよい。
【0185】また、本発明においては、基板の上に成長
する酸化膜の成長面が基板に平行ではないように成長し
てもよい。
【0186】
【発明の効果】本発明の半導体装置では、基板とInP
層との間にペロブスカイト系酸化膜を介在させることに
より、高品質のInP層を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の半導体装置を示す断面図であ
る。
【図2】(a)〜(d)は、第1の実施形態の半導体装
置の製造工程を示す断面図である。
【図3】第2の実施形態の半導体装置を示す断面図であ
る。
【図4】(a)〜(e)は、第2の実施形態の半導体装
置の製造工程を示す断面図である。
【図5】第3の実施形態の半導体装置を示す断面図であ
る。
【図6】(a)〜(d)は、第2の実施形態の半導体装
置の製造工程を示す断面図である。
【図7】第4の実施形態の半導体装置を示す断面図であ
る。
【図8】(a)〜(e)は、第4の実施形態の半導体装
置の製造工程を示す断面図である。
【図9】第5の実施形態の半導体装置を示す断面図であ
る。
【図10】(a)〜(f)は、第5の実施形態の半導体
装置の製造工程を示す断面図である。
【図11】第6の実施形態の半導体装置を示す断面図で
ある。
【図12】(a)〜(e)は、第6の実施形態の半導体
装置の製造工程を示す断面図である。
【図13】CaTiO3 −BaTiO3 の格子間隔とS
iの格子定数との関係を示したグラフ図である。
【図14】BaTiO3 −BaHfO3 の格子間隔とI
nPの格子定数との関係を示したグラフ図である。
【図15】CaTiO3 −SrTiO3 の格子間隔とS
iの格子定数との関係を示したグラフ図である。
【図16】SrTiO3 −BaTiO3 の格子間隔を示
したグラフ図である。
【図17】(a)〜(d)は、本発明の半導体装置にお
ける格子間隔の変化を示すグラフ図である。
【図18】本発明の酸化膜部分に埋め込み型光導波路を
形成した半導体装置を示す断面図である。
【図19】本発明の酸化膜部分に埋め込み型光導波路を
形成した半導体装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 Si基板 2 CaTiO3−BaTiO3 膜 3 BaTiO3−BaHfO3 膜 4 InP層 11 Si基板 12 CaTiO3 −SrTiO3 膜 13 SrTiO3 −BaTiO3 膜 14 BaTiO3 −BaHfO3 膜 15 InP層 21 GaAs基板 22 SrTiO3−BaTiO3 膜 23 BaTiO3 −BaHfO3 膜 24 InP層 31 Si基板 32 SiO2 膜 33 CaTiO3−BaTiO3 膜 34 BaTiO3−BaHfO3 膜 35 InP層 41 Si基板 42 SiO2 膜 43 CaTiO3−SrTiO3 膜 44 SrTiO3−BaTiO3 膜 45 BaTiO3−BaHfO3 膜 46 InP層 51 GaAs基板 52 SiO2 膜 53 SrTiO3 −BaTiO3 膜 54 BaTiO3 −BaHfO3 膜 55 InP層 61 基板 62 SiO2 膜 63 酸化膜 64 InP層 65 埋め込み型光導波路 66 埋め込み型光接続用導波路 67 HEMT
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F045 AA04 AA19 AB12 AB31 AF03 AF04 BB12 CA10 CA12 DC51 DC52 DC56 DC66

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板と、 上記半導体基板の上方に形成され,少なくとも2つの酸
    化物の組成比が変化する第1酸化膜と、 上記第1酸化膜の上方に形成され,少なくとも2つの酸
    化物の組成比が変化する第2酸化膜と、 上記第2酸化膜の上に形成されたInP層とを有する半
    導体装置であって、 上記第1酸化膜では、上記第2酸化膜に近づく方向に,
    基板面に平行な面内で見た格子間隔が上記第2酸化膜の
    下面における格子間隔に近づき、 上記第2酸化膜では、上記InP層に近づく方向に,基
    板面に平行な面内で見た格子間隔が上記InP層の格子
    間隔に近づくことを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体装置であって、 上記半導体基板と上記第1酸化膜との間に、SiO2
    がさらに介在していることを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の半導体装置で
    あって、 上記半導体基板はSi基板であり、 上記第1酸化膜はCaTiO3 −BaTiO3 固溶体で
    あり、上記第2酸化膜はBaTiO3 −BaHfO3
    溶体であることを特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の半導体装置で
    あって、 上記半導体基板はSi基板であり、 上記第1酸化膜はSrTiO3 −CaTiO3 固溶体で
    あり、上記第2酸化膜はBaTiO3 −BaHfO3
    溶体であり、 上記第1酸化膜と上記第2酸化膜との間には、CaTi
    3 −BaTiO3 固溶体からなる第3酸化膜がさらに
    介在していることを特徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載の半導体装置で
    あって、 上記半導体基板はGaAs基板であり、 上記第1酸化膜は、SrTiO3 −BaTiO3 固溶体
    であり、上記第2酸化膜は、BaTiO3 −BaHfO
    3 固溶体であることを特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のうちいずれか1つに記載
    の半導体装置であって、 上記半導体基板と上記InP層との格子ミスマッチは1
    %以下であることを特徴とする半導体装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のうちいずれか1つに記載
    の半導体装置であって、 上記第1酸化膜から上記第2酸化膜までの結晶層内に、
    光導波路が形成されていることを特徴とする半導体装
    置。
  8. 【請求項8】 半導体基板と、少なくとも2つの酸化物
    の組成比が変化する第1酸化膜と、少なくとも2つの酸
    化物の組成比が変化する第2酸化膜と、InP層とを有
    する半導体装置の製造方法であって、 上記半導体基板の上方に、上記第2酸化膜に近づく方向
    に,基板面に平行な面内で見た格子間隔が上記第2酸化
    膜の下面における格子間隔に近づく上記第1酸化膜を形
    成する工程(a)と、 上記第1酸化膜の上方に、上記InP層に近づく方向
    に,基板面に平行な面内で見た格子間隔が上記InP層
    の格子間隔に近づく上記第2酸化膜を形成する工程
    (b)と、 上記第2酸化膜の上に、上記InP層を形成する工程
    (c)とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の半導体装置の製造方法
    であって、 上記工程(a)の前に、上記半導体基板の上にSiO2
    膜を形成する工程をさらに備え、 上記工程(a)では、上記SiO2 膜の上に、上記第1
    酸化膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項8または9に記載の半導体装置
    の製造方法であって、 上記半導体基板はSi基板であり、 上記第1酸化膜はCaTiO3 −BaTiO3 固溶体で
    あり、上記第2酸化膜はBaTiO3 −BaHfO3
    溶体であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項8または9に記載の半導体装置
    の製造方法であって、 上記工程(a)の後に、上記第1酸化膜の上に、第2酸
    化膜に近づくと,基板面に平行な面内で見た格子間隔が
    上記第2酸化膜の格子間隔に近づく第3酸化膜を形成す
    る工程をさら備え、 上記半導体基板はSi基板であり、上記第1酸化膜はS
    rTiO3 −CaTiO3 固溶体であり、上記第2酸化
    膜はBaTiO3 −BaHfO3 固溶体であり、上記第
    3酸化膜はCaTiO3 −BaTiO3 固溶体であるこ
    とを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項8または9に記載の半導体装置
    の製造方法であって、 上記半導体基板はGaAs基板であり、 上記第1酸化膜は、SrTiO3 −BaTiO3 固溶体
    であり、上記第2酸化膜は、BaTiO3 −BaHfO
    3 固溶体であることを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 請求項8〜12のうちいずれか1つに
    記載の半導体装置の製造方法であって、 上記半導体基板と上記InP層との格子ミスマッチは1
    %以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項8〜13のうちいずれか1つに
    記載の半導体装置の製造方法であって、 上記工程(b)の後に、上記第1酸化膜から上記第2酸
    化膜までの結晶層内に光導波路を形成する工程をさらに
    備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008034834A (ja) * 2006-07-25 2008-02-14 Samsung Electro Mech Co Ltd シリコン基板上の窒化物単結晶成長方法、これを用いた窒化物半導体発光素子及びその製造方法

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