JP2003262314A - 含水性有機物の加熱処理方法とその施設 - Google Patents

含水性有機物の加熱処理方法とその施設

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JP2003262314A
JP2003262314A JP2002062826A JP2002062826A JP2003262314A JP 2003262314 A JP2003262314 A JP 2003262314A JP 2002062826 A JP2002062826 A JP 2002062826A JP 2002062826 A JP2002062826 A JP 2002062826A JP 2003262314 A JP2003262314 A JP 2003262314A
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heat treatment
gas
furnace
heat
steam
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JP2002062826A
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Yoshiyuki Kashiwagi
佳行 柏木
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水蒸気と熱分解ガスの混合を防止して安定性
及び耐久性の高い加熱処理を実現すること。 【解決手段】 含水性有機物からなる被処理物を多段の
加熱処理炉にて加熱処理する含水性有機物の加熱処理に
おいて、乾燥炉1にて被処理物を加熱処理して該被処理
物に含まれる水分を水蒸気として除去した後、これを熱
分解炉3におけるさらなる加熱処理に供するにあたり、
水分除去した被処理物を、前段の加熱処理によって生じ
た水蒸気を主成分とする気相と後段の加熱処理によって
生じた熱分解ガスを主成分とする気相とを区画するガス
区画手段2を介して、熱分解炉3に供すると共に、前記
水蒸気と前記熱分解ガスの系外移送の際、水蒸気の系外
移送流量(A)を熱分解ガスの系外移送流量(B)より
も高く設定する。また、水蒸気移送路61のガス管径
(C)を、熱分解ガス移送路63の管径(D)よりも大
きく設定するとよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含水性の有機物
(例えば各種汚泥等)を被処理物とする加熱処理方法と
その施設に関するものである。尚、ここでの加熱処理に
は、乾燥処理、乾留処理、熱分解処理、賦活処理、炭化
処理または灰化処理する意味が含まれる。
【0002】
【従来の技術】含水性有機物、例えば下水汚泥を乾燥
し、熱分解により炭化物にして再利用する技術が提案さ
れている。
【0003】この場合に熱分解手段としては、熱分解容
器が固定式で内部に搬送と攪拌を行う、例えばスクリュ
ーを備えた装置等、熱分解容器が回転する回転キルン装
置等が一般的に利用されている。
【0004】下水汚泥は、一般的に含水率が高いことか
ら(例えば含水率85%)、電熱面積を大きく確保でき
る回転キルン方式が有利であり、しかも大量の下水汚泥
を処理するにも好都合である。
【0005】回転キルンを複数備えて、汚泥などの被処
理物を熱分解処理するものとして、例えば、特開昭44
−12313号、実開昭60−189734号、特開昭
49−36181号、特開昭49−52875号等で開
示されている技術が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、下水汚
泥のような含水率の高い被処理物の場合には、前処理と
して乾燥が必要となる。この乾燥工程において多量の水
蒸気が発生する。一方、後工程における熱分解において
は、熱分解ガス(乾留ガス)が発生する。
【0007】何れの発生ガスもガス燃焼炉において燃焼
処理することが、脱臭、排ガスの浄化などのことから必
要である。
【0008】これらのガスは異質な性状であるから、水
蒸気の温度は熱分解ガスの温度に比較して低温であり、
しかも水蒸気の発生量は大量である(例えば、含水率が
80%以上からして発生水蒸気量は相当なものとな
る)。
【0009】したがって、両者を混合して導管に搬送す
ると、水蒸気中の水分と熱分解ガス中の分解成分が反応
結合して新たな腐食性成分などを生成する可能性があ
り、機器及び施設に損傷を及ぼす可能性がある。
【0010】また、水蒸気と熱分解ガス中のタール成分
などが結合して管路内壁に付着して閉塞現象を起こす恐
れがある。
【0011】さらに、このようなことから、低カロリー
の水蒸気と高カロリーの熱分解ガスを熱分解炉の異なる
位置(前段部と後段部)とから導出することで、混合を
回避する技術として、特開平10−132238号など
が知られている。
【0012】これによると、導出部位が離間しているの
で、低高位カロリーのガスの混合防止には限界がある。
【0013】本発明は、かかる事情に鑑みなされたもの
で、その目的は、被処理物の加熱よって生じた水蒸気と
熱分解ガスの混合を防止して安定性及び耐久性の高い加
熱処理を実現する含水性有機物の加熱処理方法と処理施
設の提供にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は以下のことを特徴とする。
【0015】請求項1記載の発明は、含水性有機物から
なる被処理物を多段の加熱処理炉にて加熱処理する含水
性有機物の加熱処理方法において、前段の加熱処理炉に
て被処理物を加熱処理して該被処理物に含まれる水分を
水蒸気として除去した後、これを後段の加熱処理炉にお
けるさらなる加熱処理に供するにあたり、水分除去した
被処理物を、前段の加熱処理によって生じた水蒸気を主
成分とする気相と後段の加熱処理によって生じた熱分解
ガスを主成分とする気相とを区画するガス区画手段を介
して、後段の加熱処理炉に供すると共に、前記水蒸気と
前記熱分解ガスの系外移送の際、水蒸気の系外移送流量
を熱分解ガスの系外移送流量よりも高く設定することを
特徴とする。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項2記載の含
水性有機物の加熱処理方法において、ガス区画手段は、
前記水分除去した被処理物によって、前記水蒸気を主成
分とする気相と、前記熱分解ガスを主成分とする気相
と、を区画することを特徴とする。
【0017】請求項3記載の発明は、含水性有機物から
なる被処理物が供給される多段の加熱処理炉を備えた含
水性有機物の加熱処理施設において、被処理物が供給さ
れ、これを加熱処理して該被処理物に含まれる水分を水
蒸気として除去する第一加熱処理炉と、第一加熱処理炉
に接続され、水蒸気を系外移送するための水蒸気移送路
と、第一加熱処理炉にて加熱処理した被処理物が供給さ
れ、これをさらに加熱処理する第二加熱処理炉と、第一
加熱処理炉で生じた水蒸気と第二加熱処理炉で生じた熱
分解ガスとの混合を防ぎながら前記水分除去した被処理
物を第二加熱処理炉に供給するガス区画手段と、第二加
熱処理炉に接続され、熱分解ガスを系外移送するための
熱分解ガス移送路とを備えたことを特徴とする。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項3記載の含
水性有機物の加熱処理施設における水蒸気移送路と熱分
解ガス移送路において、水蒸気の系外移送流量を、熱分
解ガスの系外移送流量よりも高く設定したことを特徴と
する。
【0019】請求項5記載の発明は、請求項3または4
記載の含水性有機物の加熱処理施設において、水蒸気移
送路の管径を、熱分解ガス移送路の管径よりも大きく設
定したことを特徴とする。
【0020】請求項6記載の発明は、請求項3から5の
いずれか1項記載の含水性有機物の加熱処理施設におい
て、ガス区画手段は、第一加熱処理炉と第二加熱処理炉
とを接続する被処理物搬送路において、前記水分除去し
た被処理物を第二加熱処理炉に搬送するコンベアと、こ
のコンベアに前記被処理物を供給するホッパー部と、を
備え、ホッパー部は、前記被処理物搬送路において、第
一加熱処理炉で生じた水蒸気を主成分とする気相と、第
二加熱処理炉で生じた熱分解ガスを主成分とする気相
と、が区画されるように、設置することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながら説明する。
【0022】図1は、本発明に係る加熱処理の概念図で
ある。
【0023】本発明は、被処理物の多段式の加熱処理に
あたり、水分除去した被処理物自体のガスシール性を利
用することで、加熱処理によって生じた水蒸気を主成分
とする気相と熱分解ガスを主成分とする気相とを分離区
画することにより、被処理物の加熱処理及び後段の熱分
解ガスの燃焼を安定且つ効果的に行っている。このと
き、本発明は、被処理物の加熱処理における水蒸気ガス
と分解ガスの発生量の相異に着目し、前記水蒸気と前記
熱分解ガスの系外移量を調整することで、その効果を一
層高めている。
【0024】すなわち、図1において、本発明は、含水
性有機物からなる被処理物を多段の加熱処理炉にて加熱
処理する方式において、前段の加熱処理炉(ここでは乾
燥処理炉1)にて被処理物を加熱処理して該被処理物に
含まれる水分を水蒸気として除去した後、これを後段の
加熱処理炉(ここでは熱分解炉3)におけるさらなる加
熱処理に供するにあたり、水分除去した被処理物を、前
段の加熱処理によって生じた水蒸気を主成分とする気相
と後段の加熱処理によって生じた熱分解ガスを主成分と
する気相とを区画するガス区画手段2を介して、後段の
加熱処理炉に供すると共に、前記水蒸気と前記熱分解ガ
スの系外移送の際、水蒸気の系外移送流量(A)を熱分
解ガスの系外移送流量(B)よりも高く設定している。
【0025】ここで、前記水蒸気と前記熱分解ガスの系
外移送は、ブロア類等によって行っている。
【0026】尚、図示されたように、水蒸気移送路61
のガス管径(C)を、熱分解ガス移送路63の管径
(D)よりも大きく設定すると、水蒸気と分解ガスの分
離が一層効率的なものとなるので、被処理物の加熱処理
の安定性及び施設の耐久性はより一層高いものとなる。
【0027】図2は、本発明の加熱処理方法を実施する
施設の概略図である。
【0028】図示されたように、乾燥炉1は、被処理物
を乾燥処理するための設備で、回転キルン方式を採用
し、回転自在の回転炉11と、回転炉11の外周にガス
ダクトを形成し、熱風ガスを導入して回転炉11を外部
から加熱する外部加熱手段としての加熱ジャケット12
と、回転炉12を両端側で回転自在に支承する支持ロー
ラと、回転炉12を回転駆動する回転駆動源と、を具備
してなる。尚、熱風ガスは、後述の熱風炉4から導入し
ている。
【0029】回転炉11は、その一端側に被処理物を搬
入する図示しない供給口側を、また他端側に図示しない
排出口側を設け、円筒体内部には搬送物を攪拌搬送する
ための図示省略した送り羽根が複数枚具備されている。
そして、供給側ダクト10から供給された被処理物を、
供給口側から回転炉11に導入し、回転炉11の回転に
よって、該被処理物を撹拌しながらの排出口側への移送
を可能とさせている。尚、供給側ダクト10には、被処
理物や必要に応じて薬剤を投入するためのホッパー設備
が設けられる。
【0030】熱分解炉3は、乾燥炉1にて乾燥処理した
被処理物を熱分解処理するための設備で、回転キルン方
式を採用し、乾燥炉1と同じ構成をなし、回転炉31と
加熱ジャケット32とを備える。熱分解炉3の構成の詳
細な説明は、先の乾燥炉1の説明に譲る。
【0031】乾燥炉1と熱分解炉3は、図示されたよう
に、熱分解炉3の供給口側が乾燥炉1の排出口側と連絡
するように二段配置される。このとき、乾燥炉1の排出
口側と熱分解炉3の供給口側には、これら排出口側と供
給口側を覆って連通する連絡ダクト13が設けられる。
【0032】連絡ダクト13には、乾燥炉1で乾燥処理
した被処理物を解砕する後述のガス区画手段2が具備さ
れる。尚、連絡ダクト13には、乾燥炉1にて発生した
水蒸気を移送するための水蒸気移送路61が、熱分解炉
3にて発生した熱分解ガスを移送するための熱分解ガス
移送路63が、接続されている。
【0033】熱風炉4は、熱風ガス(例えば温度約45
0〜600℃程度)を供給する設備で、熱風ガスを発生
させるための燃焼バーナー40を備えている。発生した
熱ガスは、連絡管41を介して、乾燥炉1の加熱ジャケ
ット12に供給され、乾燥炉1の回転炉11を加熱した
後、連絡管30を介して熱分解炉3の加熱ジャケット3
2内に供給される。このとき、熱風ガスには、温度調整
用の空気が注入され、ガス温度が調整される。このよう
に、乾燥炉1と熱分解炉3は熱風ガスで外部から間接加
熱されて、内部の被処理物が乾留処理される。これによ
って、乾燥炉1内に導入された被処理物は乾燥処理さ
れ、熱分解炉3内に導入された被処理物は熱分解処理さ
れる。
【0034】熱分解炉3で発生した残渣は、炭化物を主
成分とする。炭化物は、経路50を介してさらに処理物
加工燃焼炉5に供される。
【0035】処理物加工燃焼炉5は、熱分解炉3で減容
化した処理物(炭化物)を燃焼させて灰化させるための
設備である。当該処理物は、排出側ダクト33に設けら
れたパイプコンベアなどの搬送手段によって導入してい
る。
【0036】処理部加工燃焼炉5は、図示省略した回転
炉から構成され、回転炉は、筒状の鋼材からなり、その
筒状の鋼材の内部にはキャスタブル材による耐火・耐熱
層(図示省略)が設けられている。その回転炉は、軸方
向の両側が図示省略した回転ローラで支持され、中央部
には、駆動源により回転される手段を備えている。回転
炉は、進行方向に適度に傾斜して構成され、自然搬送が
可能となるようにしている。また、回転炉の内部には、
図示しないが軸方向に延び且つ半径方向に突出した回転
搬送手段を備えている。
【0037】また、回転炉の上流側、すなわち、炭化物
投入側には、図示省略された箱状の投入ジャケットがシ
ールを介して具備され、さらに炭化物の搬送手段(スク
リュー、スパイラル)と、炭化物を着火燃焼する燃焼バ
ーナー50とが具備される。一方、回転炉の下流側、す
なわち、灰化物排出側には、内部にキャスタブル材によ
る耐火・耐熱層(図示省略)を装着した箱状の排出ジャ
ケットが介して備えられている。排出ジャケットから排
出された灰化物は、図示省略した灰回収箱にて回収され
る。尚、排出ジャケットからの排ガスは、配管51を介
してガス燃焼炉6に供される。
【0038】ガス燃焼炉6は、乾燥炉1及び熱分解炉3
で発生した水蒸気や熱分解ガスを燃焼処理する。水蒸気
は、水蒸気移送路61からエゼクタブロア62によっ
て、(a)ラインを介し導入している。このとき、水蒸
気の一部もしくは全ては(b)ラインを介してバグフィ
ルタ71に移送される場合がある。一方、熱分解ガスは
熱分解ガス移送路63を介してエゼクタブロア64によ
って導入している。また、水蒸気と熱分解ガスを導入の
際、各ガスを別々に導入し、それぞれ所定の温度にて燃
焼処理してもよい。さらに、ガス燃焼炉6には、加熱ジ
ャケット32からの排熱風ガスも、循環ブロア65等の
移送手段によって導入される。このとき、いずれの被処
理ガスには、系外から空気が適宜導入される。また、水
蒸気移送路61及び熱分解ガス移送路63は熱ガスによ
って保温され、浮遊物が導管内壁に付着するのを防いで
いる。
【0039】ガス燃焼炉6は、導入したガスを燃焼する
ガス燃焼室を備える。ガス燃焼室においては、熱分解ガ
スさらには処理物加工燃焼炉5で発生した排ガスを燃焼
バーナー60によって混合燃焼する。尚、熱分解ガスが
充分発生している場合には、燃焼バーナー60による燃
焼は、燃料の供給を絞ることにより適宜制限される。ま
た、ガス燃焼炉6にて処理したガスは、空気を冷却媒体
とする気体−気体熱交換方式の熱交換器7によって冷却
処理した後、バグフィルタ71、排気ブロア72、煙突
73を介して、系外に排出させている。尚、熱交換器7
にて、加熱された空気は、熱風炉4での熱風ガスの生成
に供される。
【0040】ガス区画手段2の実施形態について述べ
る。
【0041】図3は、ガス区画手段の実施形態を示した
概略構成図である。(a)はガス区画手段の概略構成
を、(b)は当該ガス区画手段のA−A断面を示した概
略断面図である。
【0042】本実施形態に係るガス区画手段は、被処理
物が搬送される連絡ダクト13に、被処理物を熱分解炉
3に移送するためのスクリューコンベア21と、このス
クリューコンベアに設置され被処理物をスクリューコン
ベア21に導入するためのホッパー部22と、を備えて
いる。
【0043】当該ガス区画手段において、ホッパー部2
2は、乾燥炉1から排出された水蒸気を主成分とする気
相と、熱分解炉3から排出された熱分解ガスを主成分と
する気相と、が混ざらないように、ダクト13内に具備
される((a)(b))。スクリューコンベア21に
は、コンベア内に図示省略したスクリュー部を駆動させ
るための回転速度自在の駆動源Mが具備されている。
尚、ダクト13には、水蒸気移送路61と熱分解ガス移
送路63とが接続され、各移送路61,63には、ブロ
アが設置される。当該ブロアのガス移送流量は自在で、
望ましくは、水蒸気の移送流量(A)が熱分解ガスの移
送流量(B)よりも高く設定される。このとき、水蒸気
移送路61のガス管の径は、熱分解ガス移送路63のガ
ス管の径よりも大きく設定されるとなおよい。
【0044】図1を参照しながら、本発明の加熱処理施
設の動作例について概説する。
【0045】先ず、乾燥炉1では、被処理物(大きさは
例えば10〜20mm角アンダー)が投入され、約40
0〜500℃程度の雰囲気及び一定の滞留時間(例えば
約30分間)のもとで、乾留処理される。このとき、被
処理物に含有する水分が水蒸気として放出される。この
とき、有機物成分も被処理物から分解析出する。ここ
で、水蒸気は、水蒸気移送路61を介して直ちにエゼク
タブロア62によって強制的に吸引除去された後、ガス
燃焼炉6に供給されるか((a)ライン)またはバクフ
ィルター71に供給される((a)ライン)。また、他
の分解析出成分は、(a)ラインを介してガス燃焼処理
炉6における燃焼処理に供され、一定の雰囲気及び滞留
時間のもとで(例えば、約850℃の雰囲気で、2秒以
上の滞留時間)、無害化処理される。
【0046】次いで、乾燥炉1にて乾燥処理された被処
理物は、ガス区画手段2を介して、熱分解炉3に搬送さ
れる。熱分解炉3では、被処理物が約450〜550℃
程度のもとで乾留処理されることで、炭化物に減容化さ
れる。熱分解炉3にて得られた炭化物は、処理物加工燃
焼炉5に供された後に灰化物等に加工されてから回収さ
れる。
【0047】このとき、連絡ダクト13内においては、
ガス区画手段2によって、乾燥炉1から排出された水蒸
気と、熱分解炉3から排出された熱分解ガスと、が混合
しないと共に、水蒸気及び熱分解ガスをエゼクタブロア
62,64によって強制的に吸引除去しているので、加
熱処理施設における腐食性成分の発生や閉塞現象を防止
することができる。
【0048】また、乾燥炉1及び熱分解炉3における加
熱処理によって発生した分解ガス(熱分解ガス及び水蒸
気)や、処理物加工燃焼炉5にて発生した排ガスは、移
送手段によって、熱風ガスの一部と新鮮な空気と共に、
ガス燃焼炉6に導入され、燃焼処理された後、熱交換器
6、バグフィルタ71を経て、系外移送される。
【0049】尚、以上具体的に述べた加熱処理施設は、
図1に基づく、乾燥処理と熱分解処理とを実施する多段
式の回転キルンの構成となっているが、本発明は、この
実施形態に限定されず、乾燥処理、乾留処理、熱分解処
理、賦活処理、炭化処理若しくは灰化処理またはこれら
適宜組み合わせた処理を実施する多段式の回転キルンに
も、適用できる。
【0050】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の含水性有機物の加熱処理方法とその施設によれば、以
下の効果を奏する。
【0051】本発明によれば、被処理物の加熱処理にあ
たり、被処理物の加熱によって生じた水蒸気と熱分解ガ
スと混合させることなく取り出しているので、水蒸気と
熱分解ガスと混合を回避することができ、これにより加
熱処理施設における腐食現象や閉塞現象を防止すること
ができるので、含水性有機物の加熱処理方法及びその施
設において、安定で耐久性の高い被処理物の加熱処理を
実現する。また、水蒸気を主成分とする気相と熱分解ガ
スを主成分とする気相の区画を搬送中の水分除去した被
処理物によって行っているので、水蒸気と熱分解ガスの
分離と搬送とをスムーズに行える利点がある。
【0052】特に、水蒸気と熱分解ガスの系外移送の
際、水蒸気の系外移送流量を熱分解ガスの系外移送流量
よりも高く設定すること、さらには水蒸気を系外移送す
る経路の管径を、熱分解ガスを移送する経路の管径より
も大きく設定することで、水蒸気と熱分解ガスの分離が
一層効率的なものとなるので、被処理物の加熱処理の安
定性及び施設の耐久性はより一層高いものとなる。
【0053】このように、本発明は、被処理物の加熱処
理よって生じた水蒸気と熱分解ガスの混合を防止して、
安定性且つ耐久性の高い加熱処理を実現する含水性有機
物の加熱処理方法とその施設を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加熱処理の概念図。
【図2】本発明の実施形態例を示した概略図。
【図3】本発明におけるガス区画手段の実施形態を示し
た概略図で、(a)はガス区画手段の概略構成図、
(b)は当該ガス区画手段のA−A断面を示した概略断
面図。
【符号の説明】
1…乾燥炉、11…回転炉、12…加熱ジャケット 2…ガス区画手段、21…スクリューコンベア、22…
ホッパー部、232…スクリュー部、V1,V2…バル
ブ手段、61…水蒸気移送路、63…熱分解ガス移送路 3…熱分解炉、31…回転炉、32…加熱ジャケット 4…熱風炉 5…炭化物燃焼炉 6…ガス燃焼炉 7…熱交換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F23G 5/44 ZAB F23G 5/44 ZABB 7/04 601 7/04 601J Fターム(参考) 3K061 AA07 AB02 AC02 BA05 CA01 CA07 FA03 FA10 FA21 3K065 AA07 AB02 AC02 BA05 CA12 EA06 EA14 EA23 EA33 3K078 AA05 BA08 BA21 CA02 CA21 CA24 4D059 AA02 BB01 BB05 BB14 BD11 BD22 CA10 CA16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含水性有機物からなる被処理物を多段の
    加熱処理炉にて加熱処理する含水性有機物の加熱処理方
    法において、前段の加熱処理炉にて被処理物を加熱処理
    して該被処理物に含まれる水分を水蒸気として除去した
    後、これを後段の加熱処理炉におけるさらなる加熱処理
    に供するにあたり、水分除去した被処理物を、前段の加
    熱処理によって生じた水蒸気を主成分とする気相と後段
    の加熱処理によって生じた熱分解ガスを主成分とする気
    相とを区画するガス区画手段を介して、後段の加熱処理
    炉に供すると共に、前記水蒸気と前記熱分解ガスの系外
    移送の際、水蒸気の系外移送流量を熱分解ガスの系外移
    送流量よりも高く設定することを特徴とする含水性有機
    物の加熱処理方法。
  2. 【請求項2】 ガス区画手段は、前記水分除去した被処
    理物によって、前記水蒸気を主成分とする気相と、前記
    熱分解ガスを主成分とする気相と、を区画することを特
    徴とする請求項2記載の含水性有機物の加熱処理方法。
  3. 【請求項3】 含水性有機物からなる被処理物が供給さ
    れる多段の加熱処理炉を備えた含水性有機物の加熱処理
    施設において、被処理物が供給され、これを加熱処理し
    て該被処理物に含まれる水分を水蒸気として除去する第
    一加熱処理炉と、第一加熱処理炉に接続され、水蒸気を
    系外移送するための水蒸気移送路と、第一加熱処理炉に
    て加熱処理した被処理物が供給され、これをさらに加熱
    処理する第二加熱処理炉と、第一加熱処理炉で生じた水
    蒸気と第二加熱処理炉で生じた熱分解ガスとの混合を防
    ぎながら前記水分除去した被処理物を第二加熱処理炉に
    供給するガス区画手段と、第二加熱処理炉に接続され、
    熱分解ガスを系外移送するための熱分解ガス移送路とを
    備えたことを特徴とする含水性有機物の加熱処理施設。
  4. 【請求項4】 水蒸気移送路と熱分解ガス移送路におい
    て、水蒸気の系外移送流量を、熱分解ガスの系外移送流
    量よりも高く設定したことを特徴とする請求項3記載の
    含水性有機物の加熱処理施設。
  5. 【請求項5】 水蒸気移送路の管径を、熱分解ガス移送
    路の管径よりも大きく設定したことを特徴とする請求項
    3または4記載の含水性有機物の加熱処理施設。
  6. 【請求項6】 ガス区画手段は、第一加熱処理炉と第二
    加熱処理炉とを接続する被処理物搬送路において、前記
    水分除去した被処理物を第二加熱処理炉に搬送するコン
    ベアと、このコンベアに前記被処理物を供給するホッパ
    ー部と、を備え、ホッパー部は、前記被処理物搬送路に
    おいて、第一加熱処理炉で生じた水蒸気を主成分とする
    気相と、第二加熱処理炉で生じた熱分解ガスを主成分と
    する気相と、が区画されるように、設置することを特徴
    とする請求項3から5のいずれか1項記載の含水性有機
    物の加熱処理施設。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006193622A (ja) * 2005-01-13 2006-07-27 Japan Sewage Works Agency 炭化製品及びその製造方法
JP2006205027A (ja) * 2005-01-27 2006-08-10 Actree Corp 含水有機汚泥等の減容・減量装置及びその方法

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