JP2003258519A - 車両用物体感知装置 - Google Patents

車両用物体感知装置

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JP2003258519A
JP2003258519A JP2002053513A JP2002053513A JP2003258519A JP 2003258519 A JP2003258519 A JP 2003258519A JP 2002053513 A JP2002053513 A JP 2002053513A JP 2002053513 A JP2002053513 A JP 2002053513A JP 2003258519 A JP2003258519 A JP 2003258519A
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antenna
radio wave
wave
sensing device
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JP2002053513A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Mori
寛之 森
Noboru Maeda
登 前田
Toshio Shimomura
俊夫 下村
Noriyuki Shimonomoto
詞之 下ノ本
Shigeru Kadota
茂 門田
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Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両用移動体感知装置にて物体の感知を良好
に行うようにする。 【解決手段】 車両の天井側に円偏波パッチアンテナ1
0を設置し、この円偏波パッチアンテナ10が、2つの
偏波の合成波の偏波面を時間とともに旋回させように電
波を放射するようになっているため、合成波の偏波面の
旋回に伴って合成波による不感知領域が移動することに
なる。ある領域が、ある時刻で不感知領域になっていて
も、当該領域を、時間の経過により物体の感知可能な領
域に変化させ得る。従って、直線偏波を発生させた場合
に比べて、物体の感知を良好に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンテナを用いて
車両内側或いは車両周辺の物体を感知する車両用物体感
知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車室内の天井側にアンテナを設
け、車両内側から車両周辺に亘る検知エリア内に当該ア
ンテナから電波を放射させ、この放射された電波の反射
波に基づき、検知エリア内の移動体を感知できるように
した装置が提案されている(特開平2001−3485
5号公報参照)。
【0003】このような装置では、検知エリア内であれ
ば、車両内外に関わらず、移動体を精度良く感知できる
ようにするため、検知エリアの全領域に亘り、漏れな
く、電波を到達させることが必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者等
が、移動体の感知精度について検討したところ、車室内
の天井側に設置されたアンテナから、検知エリアの全領
域に向けて電波を放射させても、検知エリア内の全て
が、移動体を感知可能な感知可能領域になっておらず、
検知エリア内に感知不能領域が生じていることが分かっ
た。
【0005】そこで、本発明者等は、感知不能領域の発
生原因を解析するため、天井側に設置されるアンテナに
着目して、次のような実験を行った。本実験では、直線
偏波を発生する2種類のアンテナとして、水平偏波アン
テナと、垂直偏波アンテナとを用いた。水平偏波アンテ
ナは、垂直偏波アンテナによる偏波面と直交する偏波面
を形成する偏波を発生するものである。なお、偏波は、
アンテナから放射される電波のうち電界成分である。
【0006】次に、水平偏波アンテナを車室内天井の中
央部付近にて下側に向け設置した場合について説明する
と、水平偏波アンテナから検知エリアの全領域に向けて
電波を放射させても、図11に示すように、車両外側で
右側Bピラー11bの近傍に、感知不能領域12aが生
じることが分かった。図11は、水平偏波アンテナ3を
車室内天井に設置した車両を上方から視た図である。
【0007】この場合、車両の前方右側窓枠および後方
右側窓枠がそれぞれ金属で形成されていると、水平偏波
アンテナから放射された電波に基づき、図11に示すよ
うに、前方右側窓枠の水平エレメント6で電波の二次放
射が生じるとともに、後方右側窓枠の水平エレメント7
で電波の二次放射が生じると考えられる。これに伴い、
水平エレメント6から二次放射により発生する電界8
と、水平エレメント7から二次放射により発生する電界
9とが、右側Bピラー11の近傍で打ち消し合うため、
感知不能領域12aが生じると考えられる。
【0008】次に、水平偏波アンテナ3に代えて垂直偏
波アンテナ4を設置すると、垂直偏波アンテナ4から放
射された電波に基づき、図12に示すように、車両外側
で後方右側ウインドシールド近傍に、感知不能領域12
bが生じることが分かった。なお、同様に、前方右側ウ
インドシールド近傍にも感知不能領域(図示しない)が
生じることが分かった。
【0009】図12は、垂直偏波アンテナ4を車室内天
井に設置した車両を上方から視た図である。
【0010】この場合、車両の右側Bピラー11bおよ
び右側Cピラー11cがそれぞれ金属で形成されている
と、垂直偏波アンテナから放射された電波に基づき、右
側Bピラー11bで電波の二次放射が生じるとともに、
右側Cピラー11cで電波の二次放射が生じると考えら
れる。これに伴い、右側Bピラー11bから二次放射に
より発生する磁界8bと、右側Cピラー11cから二次
放射により発生する磁界9aとが、後方右側のウインド
シールドの近傍で打ち消し合うため、感知不能領域12
bが生じると考えられる。
【0011】以上により、直線偏波を発生するアンテナ
では、アンテナの設置位置が同じであっても、偏波の偏
波面の違いによって感知不能領域の発生位置が異なるこ
とが分かった。
【0012】そこで、本発明は、上記点に鑑み、物体の
感知を良好に行うようにした車両用物体感知装置を提供
することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、アンテナから
の偏波面を時間とともに移動させることが可能であるな
らば、この移動に伴って不感知領域が移動することに着
目して成されたものである。
【0014】すなわち、請求項1に記載の発明では、電
波を放射するアンテナを用いて、車両内側及び車両周辺
のうち少なくとも一方の物体を前記放射される電波に基
づき感知する車両用物体感知装置であって、アンテナ
は、複数の偏波を発生しこれら偏波の合成波の偏波面を
時間とともに移動させるように電波を放射するようにな
っていることを特徴とする。
【0015】ここで、アンテナから複数の偏波のうちい
ずれか1つの偏波を発生させた場合には、時間の経過に
関わらず、ある領域が定常的に感知不能領域になる。こ
れに対して、請求項1に記載の発明のように、複数の偏
波の合成波の偏波面を時間とともに移動させれば、この
移動に伴って合成波による不感知領域が移動する。これ
により、ある領域が、ある時刻で不感知領域になってい
ても、当該領域を、時間の経過により移動体を感知可能
な領域に変化させ得る。このため、複数の偏波のうちい
ずれか1つを発生させた場合に比べて、移動体の感知を
良好に行うことができる。
【0016】具体的には、請求項2に記載の発明のよう
に、アンテナとしては、合成波の偏波面を時間とともに
旋回させるように電波を放射するように構成することが
できる。
【0017】例えば、アンテナとしては、請求項3に記
載の発明のように、偏波面を時間とともに真円状に旋回
してなる円偏波を合成波として発生させるように電波を
放射するようにしてもよい。なお、アンテナとしては、
偏波面を時間とともに楕円状に旋回してなる楕円偏波を
合成波として発生させるように電波を放射するようにし
てもよい。
【0018】また、車両用物体感知装置としては、請求
項11に記載の発明のように、一定周波数の周波数信号
を発生する手段(11)を有し、アンテナは、周波数信
号に対して位相をオフセットしたオフセット信号を発生
させる手段(40)と、周波数信号及びオフセット信号
に基づき、合成波の偏波面を時間とともに移動させるた
めの複数の偏波を発生する手段(11A)とを有するよ
うに構成することができる。
【0019】また、車両用物体感知装置において、車両
内側或いは車両周辺の移動体を感知する上で請求項4〜
10に記載の発明を実施することが好ましい。
【0020】すなわち、請求項4に記載の発明では、ア
ンテナは、車両の天井側に配置されていることを特徴と
する。
【0021】請求項5に記載の発明では、アンテナが、
車両の天井の中央部付近に配置されていることを特徴と
する。
【0022】請求項6に記載の発明では、アンテナは、
天井側に設置されて、電波を放射するための電波放射面
(11A)を有するとともに、この電波放射面を下側に
向けて配置されていることを特徴とする。
【0023】請求項7に記載の発明では、アンテナは、
電波を車両のウインドシールド(21〜24)側に放射
するように配置されていることを特徴とする。
【0024】請求項8に記載の発明では、アンテナが、
電波の放射メインローブを車両のウインドシールド(2
1〜24)側に向けるように配置されていることを特徴
とする。
【0025】請求項9に記載の発明では、アンテナが、
車両の天井側の外板(20)と所定寸法だけ離して配置
されて、かつ、天井側の反対側に電波を放射するととも
に、天井側にも電波をするものであり、所定寸法は、天
井側に放出された電波を外板により反対側に反射させて
この反射された電波を天井側の反対側に放射される電波
と同位相にさせるために設定されていることを特徴とす
る。
【0026】このように所定寸法を設定すれば、外板に
より前記天井側の反対側に反射された電波と、アンテナ
から前記反対側に放射される電波とを同位相にさせるこ
とができ、前記天井側の反対側に放射される前記電波の
送信レベルを上げることができるので、前記天井側の反
対側にて、例えば、車両のウインドシールド側にて電波
で移動体を感知できる感知領域を広げることができる。
【0027】請求項10に記載の発明では、アンテナ
が、車両の天井側に配置されて、天井側と反対側に電波
を放射するとともに、天井側にも電波を放射するもの
で、かつ、天井側に放射される電波を反対側に反射する
電波反射部材(300)を、車両の天井側の外板との間
に挟むように位置しており、アンテナと電波反射部材と
の間の寸法は、電波反射部材により反対側に反射された
電波を天井側の反対側に放射される電波と同位相にさせ
るために設定されていることを特徴とする。
【0028】このように寸法を設定すれば、電波反射部
材により前記反対側に反射された電波と、前記天井側の
反対側に放射される電波と同位相にさせることができ、
前記天井側の反対側に放射される前記電波の送信レベル
を上げることができるので、前記天井側の反対側にて、
例えば、車両のウインドシールド側にて電波で移動体を
感知できる感知領域を広げることができる。
【0029】なお、特開平6−37524号公報には、
円偏波アンテナを車両の天井に設置した例が示されてい
るが、このものは、そもそも、衛星からの電波を受信す
るための衛星受信機に適用されるものであり、円偏波ア
ンテナ及び天井間の寸法と、円偏波アンテナからの送信
電波の指向特性との関係については一切記載されていな
い。
【0030】因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後
述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す
一例である。
【0031】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1に本発明に
係る車両用物体感知装置が適用された車両用移動体感知
装置の第1実施形態の構成を示す。図1は、車両用物体
感知装置の概略回路構成を示すブロック図である。
【0032】車両用移動体感知装置は、図1に示すよう
に、円偏波パッチアンテナ10、発振器11、送受信分
離モジュール12、受信器13、ミキサ14、ローパス
フィルタ(LPF)15、増幅器16、及び、判定回路
17を有している。
【0033】円偏波パッチアンテナ10は、車室内の天
井側に設置されるもので、一定周波数の周波数信号を発
振器11から送受信分離モジュール12を通して受けて
電波を放射する。なお、以下、円偏波パッチアンテナ1
0から放射される電波を放射電波という。また、円偏波
パッチアンテナ10の具体的な配置および構成について
は後述する。
【0034】受信器13は、後述するように、移動体に
よる放射電波の反射波を円偏波パッチアンテナ10を介
して受信して受信信号を発生する。ここで、反射波は、
移動体によるドップラー効果で、放射電波の周波数[F
(Hz)]と異なる周波数[F+Δf(Hz)]を有し
ている。
【0035】ミキサ14は、受信器13から出力される
受信信号と発振器11から出力される周波数信号とをミ
キシングしてローパスフィルタ15に出力する。これに
より、ローパスフィルタ15からのフィルタ出力とし
て、放射電波の周波数[F(Hz)]と反射波の周波数
[F+Δf(Hz)]との周波数差[Δf(Hz)]に
一致する周波数の信号を得ることができる。
【0036】増幅器16は、ローパスフィルタ15から
のフィルタ出力を電圧増幅して増幅信号を出力する。判
定回路17は、増幅器16からの増幅信号の電圧値と閾
値とを比較して、増幅信号の電圧値の方が閾値に比べて
大きいとき、移動体が存在すると判定する。
【0037】次に、円偏波パッチアンテナ10の具体的
な配置について図2、図3を用いて説明する。
【0038】図2は、円偏波パッチアンテナ10を設置
した車両を側方から視た図、図3は、円偏波パッチアン
テナ10を設置した車両を上側から視た図である。
【0039】円偏波パッチアンテナ10は、図2に示す
ように、車室内の天井側の外板20との間に、絶縁体ス
ペーサ30を挟むように設置されている。また、円偏波
パッチアンテナ10のうち電波を放射するための電波放
射面11Aが、車両下側に向けて配置されている。これ
に加えて、円偏波パッチアンテナ10は、図3に示すよ
うに、車室内の天井側において車両中央部付近に位置し
ている。
【0040】以上のように、円偏波パッチアンテナ10
を配置することにより、円偏波パッチアンテナ10が、
ウインドシールド21〜24、500、501を含む車
両内外の検知エリア100Aの全領域に向けて電波を放
射できる。この検知エリア100Aとしては、車両内側
から車両周辺に亘る領域に設定されている。
【0041】次に、円偏波パッチアンテナ10の構成に
ついて説明する。図4は、円偏波パッチアンテナ10の
構成を示す図、図5は、円偏波パッチアンテナ10から
発生される円偏波を説明するための図である。なお、図
4中紙面上側が車両下側、紙面下側が車両上側を示し、
電波放射面11Aには、xy座標が設定されて、図5に
は、xyz座標が設定されている。
【0042】円偏波パッチアンテナ10は、5層基板か
らなる四角形状マイクロストリップアンテナであって、
図4に示すように、車両上側から車両下側にかけて、マ
イクロストリップ線路40、誘電体層50、グランド層
60、誘電体層70、および、電波放射面(銅膜の放射
素子)11Aが重なるように構成されている。また、層
50、60、70を貫通するスルーホールと給電ピンと
から構成されるアンテナ給電部80、90が設けられて
いる。
【0043】アンテナ給電部80は、電波放射面11A
のアンテナ給電部111と、マイクロストリップ線路4
0の出力端子402とを接続しており、アンテナ給電部
90は、電波放射面11Aの給電点110と、マイクロ
ストリップ線路40の出力端子(アンテナ出力端部)4
03とを接続している。
【0044】マイクロストリップ線路40は、出力端子
402、403以外に、入力端部400および分岐点4
01を有する略Y字状に形成されており、入力端部40
0には、送受信分離モジュール12の出力端子が接続さ
れている。
【0045】ここで、分岐点401と出力端子403と
の間の寸法L1と、分岐点401と出力端子402との
間の寸法L2との差ΔL(=|L1−L2|)は、発振
器11からの周波数信号の波長λの4分の1[(1/
4)・λ=ΔL]に設定されている。
【0046】このことにより、送受信分離モジュール1
2の出力端子と電波放射面11Aの給電点110との間
の寸法と、送受信分離モジュール12の出力端子と電波
放射面11Aの給電点111との間の寸法との寸法差
を、波長λの4分の1に設定することができる。
【0047】これに伴い、電波放射面11Aの給電点1
10に入力される周波数信号(以下、第1の周波数信号
という)の位相と、電波放射面11Aの給電点111に
入力される周波数信号(以下、第2の周波数信号とい
う)の位相とを、4分の1波長([(1/4)・λ])
分オフセットさせることができる。
【0048】以上のように構成された本実施形態では、
発振器11が送受信分離モジュール12を通して周波数
信号を円偏波パッチアンテナ10に出力すると、このア
ンテナ10の電波放射面11Aの給電点110には、第
1の周波数信号が入力されるとともに、電波放射面11
Aの給電点111に第2の周波数信号が入力される。こ
れにより、円偏波パッチアンテナ10では、第1及び第
2の周波数信号により励振されて、次のように、同一振
幅にて互いに直交する偏波を独立して発生させることが
できる。
【0049】すなわち、電波放射面11A上では、第1
の周波数信号に基づいて、交流電流(以下、第1の交流
電流という)が図4に示すy方向と並行に流れるので、
この第1の交流電流に基づき、偏波が、図5中符号11
3に示すように、発生する。これにより、第1の交流電
流による偏波が、偏波面115をy方向と並行に形成す
ることになる。なお、図5中、z方向(正方向)は、電
波の進行方向を示している。
【0050】また、電波放射面11Aの給電点111に
第2の周波数信号が入力されると、電波放射面11A上
では、第2の周波数信号に基づいて、交流電流(以下、
第2の交流電流という)が図4に示すx方向と並行に流
れる。すなわち、第2の交流電流が第1の交流電流に対
して、図4中符号11aの如く、直交するように流れる
ことになる。
【0051】これに伴い、この第2交流電流による偏波
が、図5中符号112に示すように、発生する。これに
より、この偏波が偏波面114をx方向と並行に形成す
ることになる。すなわち、偏波面114が第1の周波数
信号による偏波面115と直交するように形成されるこ
とになる。
【0052】ここで、上述のごとく、第1の周波数信号
の位相は、第2の周波数信号の位相に対して、4分の1
波長分オフセットさせている。このため、第2交流電流
による偏波の位相は、第1の周波数信号による偏波の位
相に対して、4分の1波長分オフセットされている。
【0053】以上のように発生される双方の偏波が合成
されることにより合成波としての円偏波が伝搬される。
このことにより、円偏波パッチアンテナ10が、円偏波
を含む電波を放射することになる。
【0054】図5では、電波の進行方向(z方向)から
視たとき、双方の偏波の合成波の偏波面が、矢印116
〜121に示すように、一定半径で、時間とともに左回
り(半時計回り)に旋回する左旋回偏波の例を示してい
る。換言すれば、合成波としての円偏波の偏波面が、矢
印116〜121に示すように、時間とともに真円状に
旋回していることになる。
【0055】その後、検知エリア100A内において移
動体が円偏波パッチアンテナ10からの電波を反射して
その反射波が、円偏波パッチアンテナ10で受信される
と、2つの交流電流が、電波放射面11A上にて独立し
て図4中符号11aに示すように直交するように発生す
る。
【0056】これに伴い、2つの交流電流のうち一方の
交流電流に基づく信号(以下、第1の反射信号という)
が、電波放射面11Aの給電点110からアンテナ給電
部90を経てマイクロストリップ線路40を通して送受
信分離モジュール12に出力されることになる。
【0057】これに加えて、2つの交流電流のうち他方
の交流電流に基づく信号(以下、第2の反射信号とい
う)が、電波放射面11Aの給電点111からアンテナ
給電部80を経てマイクロストリップ線路40を通して
送受信分離モジュール12に出力されることになる。
【0058】以上のように出力された第1及び第2の反
射信号が送受信分離モジュール12を通して受信器13
に入力されると、この受信器13が受信信号をミキサ1
4に出力する。
【0059】ここで、ミキサ14は、受信器13から出
力される受信信号と発振器11から出力される周波数信
号とをミキシングしてローパスフィルタ15に出力す
る。そして、増幅器16は、ローパスフィルタ15から
のフィルタ出力の増幅信号を出力する。これに伴い、判
定回路17では、増幅信号の電圧値の方が閾値に比べて
大きいとき、移動体が存在すると判定する。
【0060】以上説明したように本実施形態によれば、
円偏波パッチアンテナ10が、2つの偏波の合成波の偏
波面を時間とともに旋回させように電波を放射するよう
になっている。これにより、合成波の偏波面の旋回に伴
って合成波による不感知領域が移動する。
【0061】ここで、アンテナから直線偏波(すなわ
ち、水平偏波アンテナ及び垂直偏波アンテナのいずれか
一方から偏波)を発生させた場合には、時間の経過に関
わらず、例えば、図11に示す車室外の領域12a(或
いは、図12に示す車室外の領域12b)が定常的に感
知不能領域になる。これに対して、本実施形態では、合
成波の偏波面の旋回に伴って合成波による不感知領域が
移動するため、ある領域が、ある時刻で不感知領域にな
っていても、当該領域を、時間の経過により移動体の感
知可能な領域に変化させ得る。従って、直線偏波を発生
させた場合に比べて、移動体の感知を良好に行うことが
できる。
【0062】(第2実施形態)本第2実施形態では、天
井側の外板20と円偏波パッチアンテナ10との間の寸
法を調節して、円偏波パッチアンテナ10から天井側に
放射される電波を効率的に反射させるようにする例につ
いて図6を用いて説明する。
【0063】本実施形態では、天井側の外板20と円偏
波パッチアンテナ10との間に、支柱200を設け、支
柱200により円偏波パッチアンテナ10を外板20か
ら支持している。
【0064】ここで、円偏波パッチアンテナ10は、天
井側にも電波を放射するものであるため、天井側の外板
20と円偏波パッチアンテナ10のグランド層60との
寸法(以下、外板寸法という)を変化させると、外板2
0が金属製の場合、天井側に放射される電波に対する外
板20の電波の反射の効率を変えることができる。これ
に伴い、車両に設置された状態での円偏波パッチアンテ
ナ10の指向特性を変化させることができる。
【0065】従って、外板寸法を、円偏波パッチアンテ
ナ10からの電波の放射メインローブが側方ウインドシ
ールド21〜24に向けるように調節する。外板寸法と
しては、発振器11からの周波数信号の波長λの4分の
1を用いることができる。
【0066】図7に、外板寸法を波長λの4分の1に設
定した場合の円偏波パッチアンテナ10の指向特性を示
し、図8に、天井側の外板20に関わりなく、円偏波パ
ッチアンテナ10を単体で配置した場合の指向特性を示
す。
【0067】ここで、外板寸法を波長λの4分の1に設
定すると、外板20により車両下側に反射された電波
と、円偏波パッチアンテナ10から車両下側に放射され
る電波とを同位相にさせることができ、図7、図8から
分かるように、車両下側の電波の送信レベルが向上する
ことができる。従って、移動体を感知できる感知可能領
域を広げることができる。特に、図7、図8から分かる
ように、側方ウインドシールド21〜24の方向の送信
レベルが向上させることができるため、側方ウインドシ
ールド側の感知可能領域を広げることができる。
【0068】以上により、上記第1実施形態で説明した
ように円偏波を含む電波を放射して移動体の感知を良好
にさせることに加えて、車両下側の電波の送信レベルが
向上して感知可能領域を広げることにより、上記第1実
施形態に比べて、移動体の感知をより一層良好に行うこ
とができる。
【0069】なお、上記第2実施形態では、円偏波パッ
チアンテナ10からの電波の放射メインローブを側方ウ
インドシールド21〜24に向けるように調節した例に
ついて説明したが、これに限らず、円偏波パッチアンテ
ナ10からの電波の放射サイドローブを側方ウインドシ
ールド21〜24に向けるように調節してもよい。
【0070】(第3実施形態)上記第2実施形態では、
天井側の外板20と円偏波パッチアンテナ10との間の
寸法を調節した例について説明したが、円偏波パッチア
ンテナ10を車室内のルームランプのケース310内に
収納すると、天井側の外板20と円偏波パッチアンテナ
10との間の寸法を波長λの4分の1に設定できないこ
とがある。
【0071】そこで、本第3実施形態では、図9に示す
ように、円偏波パッチアンテナ10と天井側の外板20
との間に、円偏波パッチアンテナ10と略平行に、金属
板300(電波反射部材)を設けるようにした例につい
て説明する。
【0072】円偏波パッチアンテナ10は、金属板30
0とともに、支柱200により外板20から支持されて
いる。これに加えて、円偏波パッチアンテナ10と金属
板300と間の寸法は、波長λの4分の1に設定されて
いる。従って、金属板300が、上記第2実施形態の外
板20と同様の役割を果たすことができる。従って、上
記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0073】(第4実施形態)上記第1〜3実施形態で
は、天井側の外板20にて円偏波パッチアンテナ10の
電波放射面11Aを車両下側に向けて設置した例につい
て説明したが、これに限らず、円偏波パッチアンテナ1
0の電波放射面11Aを側方ウインドシールド21(或
いは、側方ウインドシールド22〜24)側に直接向け
て配置するようにしてもい。
【0074】なお、上記各実施形態では、アンテナか
ら、2つの偏波の合成波の偏波面を時間とともに旋回さ
せるように電波を放射するようにした例について説明し
たが、これに限らず、アンテナから、2つの偏波の合成
波の偏波面を時間とともに移動させるように電波を放射
するようにすればよく、時間とともに合成波の偏波面を
直線的、或いは、曲線的に移動させるようにしてもよ
い。さらに、時間とともに合成波の偏波面を楕円状(電
波の進行方向から視て)に旋回してなる楕円偏波を発生
させるようにしてもよい。これに加えて、合成波の偏波
面が左回りに旋回する左旋回偏波に限らず、合成波の偏
波面が右回りに旋回するものを適用してもよい。
【0075】さらに、本発明の実施にあたり、車両内側
および車両外側の移動体を感知する場合に限らず、車両
内側および車両外側の一方だけの移動体を感知するよう
にしてもよい。
【0076】なお、上記各実施形態では、アンテナとし
て、2つの給電点111、112を有する円偏波パッチ
アンテナ10を用いた例について説明したが、これに限
らず、1つの給電点を有するアンテナを用いてもよい。
さらに、パッチアンテナを用いた場合には、アンテナの
形状は、四角形状でも、円形状でも良く、形状は問わな
い。さらに、このアンテナとしては、パッチアンテナに
限らず、ヘリカルアンテナ等の、、或いは、ダイポール
アンテナを組み合わせて用いてもよい。
【0077】さらに、上記各実施形態では、アンテナを
天井側に設けた例について、説明したが、これに限ら
ず、側方ウインドシールド21〜24側に放射するよう
に配置するのであれば、車両内の各部位に配置してもよ
い。例えば、アンテナを座席に内蔵するようにしてもよ
い。
【0078】また、上記各実施形態では、アンテナから
電波を側方ウインドシールド21〜24側に放射させる
ようにした例について説明したが、これに限らず、アン
テナから電波を前方ウインドシールド、或いは、後方ウ
インドシールドに放射させるようにしてもよい。
【0079】また、上記各実施形態では、アンテナから
2つの偏波を発生させるようにした例について説明した
が、アンテナから3つ以上の偏波を発生させるようにし
てもよい。
【0080】さらに、上記各実施形態では、物体とし
て、移動体を検出するようにした例について説明した
が、これに限らず、静止している静止体を検出するよう
にしてもよい。
【0081】さらに、本発明の実施にあたり、移動体感
知装置として、車両の盗難防止するために、侵入者を移
動体として感知するための車両盗難防止装置に適用して
もよい。さらに、電子キーと車載無線機との無線通信に
よりドアロックおよびアンロックを行うための電子キー
システムに用いてもよい。この場合、感知エリア内に運
転者を移動体として感知してこの感知により、電子キー
と車載無線機との無線通信を開始させるようにする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の車両用移動体感知
装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す円偏波パッチアンテナの設置状態を
車両側方から視た図である。
【図3】図1に示す円偏波パッチアンテナの設置状態を
車両上方から視た図である。
【図4】図1に示す円偏波パッチアンテナの構成を示す
図である。
【図5】円偏波を示す図である。
【図6】本発明に係る第2実施形態の構成を示す図であ
る。
【図7】第2実施形態の効果を説明するための図であ
る。
【図8】第2実施形態の効果を説明するための図であ
る。
【図9】本発明に係る第3実施形態の構成を示す図であ
る。
【図10】本発明に係る第4実施形態の構成を示す図で
ある。
【図11】従来の問題を説明するための図である。
【図12】従来の問題を説明するための図である。
【符号の説明】
10…円偏波パッチアンテナ、11A…電波放射面、1
1…発振器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 登 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 下村 俊夫 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 下ノ本 詞之 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 門田 茂 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 5J045 AA13 AA21 CA04 DA10 EA08 HA03 JA02 NA07 5J046 AA04 AB13 MA09 MA11 5J047 AA04 AB13 EA01 EA06 5J070 AB15 AC06 AD16 AF03 AH23 AK01 BA01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電波を放射するアンテナを用いて、車両
    内側及び車両周辺のうち少なくとも一方の移動体を前記
    放射される電波に基づき感知する車両用物体感知装置で
    あって、 前記アンテナは、複数の偏波を発生しこれら偏波の合成
    波の偏波面を時間とともに移動させるように前記電波を
    放射するようになっていることを特徴とする車両用物体
    感知装置。
  2. 【請求項2】 前記アンテナは、前記合成波の偏波面を
    時間とともに旋回させるように前記電波を放射するよう
    になっていることを特徴とする請求項1に記載の車両用
    物体感知装置。
  3. 【請求項3】 前記アンテナは、前記偏波面を時間とと
    もに真円状に旋回してなる円偏波を前記合成波として発
    生させるように前記電波を放射するようになっているこ
    とを特徴とする請求項2に記載の車両用物体感知装置。
  4. 【請求項4】 前記アンテナは、車両の天井側に配置さ
    れていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか
    1つに記載の車両用物体感知装置。
  5. 【請求項5】 前記アンテナが、前記車両の天井の中央
    部付近に配置されていることを特徴とする請求項4に記
    載の車両用物体感知装置。
  6. 【請求項6】 前記アンテナは、前記天井側に設置され
    て、前記電波を放射するための電波放射面(11A)を
    有するとともに、この電波放射面を下側に向けて配置さ
    れていることを特徴とする請求項4又は5に記載の車両
    用物体感知装置。
  7. 【請求項7】 前記アンテナは、前記電波を車両のウイ
    ンドシールド(21〜24、500、501)側に放射
    するように配置されていることを特徴とする請求項1乃
    至5のいずれか1つに記載の車両用物体感知装置。
  8. 【請求項8】 前記アンテナが、前記電波の放射メイン
    ローブを車両のウインドシールド(21〜24、50
    0、501)側に向けるように配置されていることを特
    徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の車両用物
    体感知装置。
  9. 【請求項9】 前記アンテナが、車両の天井側の外板
    (20)と所定寸法だけ離して配置されて、かつ、前記
    天井側の反対側に前記電波を放射するとともに、前記天
    井側にも前記電波をするものであり、 前記所定寸法は、前記天井側に放出された電波を前記外
    板により前記反対側に反射させてこの反射された電波を
    前記天井側の反対側に放射される電波と同位相にさせる
    ために設定されていることを特徴とする請求項1〜8の
    いずれか1つに記載の車両用物体感知装置。
  10. 【請求項10】 前記アンテナが、車両の天井側に配置
    されて、前記天井側と反対側に前記電波を放射するとと
    もに、前記天井側にも前記電波を放射するもので、か
    つ、前記天井側に放射される電波を前記反対側に反射す
    る電波反射部材(300)を、前記車両の天井側の外板
    との間に挟むように位置しており、 前記アンテナと前記電波反射部材との間の寸法は、前記
    電波反射部材により前記反対側に反射された電波を前記
    天井側の反対側に放射される電波と同位相にさせるため
    に設定されていることを特徴とする請求項1〜8のいず
    れか1つに記載の車両用物体感知装置。
  11. 【請求項11】 一定周波数の周波数信号を発生する手
    段(11)を有し、前記アンテナは、 前記周波数信号に対して位相をオフセットしたオフセッ
    ト信号を発生させる手段(40)と、 前記周波数信号及び前記オフセット信号に基づき、前記
    合成波の偏波面を時間とともに移動させるための前記複
    数の偏波を発生する手段(11A)と、を有することを
    特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の車両
    用物体感知装置。
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