JP2003258036A - 封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物Info
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Abstract
フラックス活性を付加し、熱可塑性樹脂の加熱充填を達
成する熱処理中に、そのフラックス活性よるハンダ材料
に対するフラックス処理、ならびにハンダ接合をも実施
することを可能とする新規な封止充填剤用熱可塑性樹脂
組成物を提供する。 【解決手段】 封止充填剤として、主成分として、その
分子内にフラックス性を示す原子団を有する熱可塑性樹
脂を用い、ハンダ材料の融点において、軟化または溶融
した状態をとるものを選択することで、フラックス性を
示す原子団の作用により、熱可塑性樹脂と接触する表面
実装部品および基板に設けるバンプやパッドを構成する
金属材料の酸化被膜を除去し、良好なハンダ接合と封止
充填を一工程で実施する。
Description
装における封止充填の際に利用される、封止充填剤用熱
可塑性樹脂組成物、ならびに、かかる充填剤用熱可塑性
樹脂組成物を利用する封止充填方法、及び前記封止充填
剤用熱可塑性樹脂組成物を用いて封止充填がなされた回
路基板に関する。
化を進める上で、有効なプリント配線基板上に半導体チ
ップ部品を実装する方法としては、BGA(ボールグリ
ッドアレイ)、CSP(チップサイズドパッケージ)、
フリップチップ実装方式がある。特に、フリップチップ
実装方式では、プリント配線基板上に実装するチップ部
品の実装面に予めバンプ電極を形成しておき、このバン
プ電極とプリント配線基板上の電極とを直接接続する
が、その接続だけでは、熱サイクル試験時に熱応力がバ
ンプ電極に影響し、例えば、応力歪に起因する半田クラ
ックなどを発生させ、電気的な接合不良を引き起こすこ
とがある。この熱応力に由来する接合不良を回避するた
め、接合されたバンプ電極部を埋め込むように、例え
ば、熱硬化性のアンダーフィル剤をチップ部品と基板の
間に注入・硬化させている。すなわち、充填されたアン
ダーフィル剤が、チップ部品と基板との間を接着して、
その接着力により、熱応力による歪を抑制する結果、半
田クラックなどの発生を回避している。
基板上の電極との接続工程で、洗浄半田を用いれば、そ
の半田接合後溶剤洗浄が必要となる。その溶剤洗浄を終
えた後、アンダーフィル剤の注入に移るため、全体工程
として、時間がかかり生産性を高める上でのネックとも
なる。さらに、前段の半田バンプの接合と、後段の熱硬
化性樹脂の熱硬化と、チップ部品とプリント基板と固着
を行う一連の工程中に、二度にわたり熱処理工程を設け
る必要が生じている。
つの手法として、予めプリント配線基板上に熱硬化性樹
脂組成物をスクリーン印刷、ディスペンサーによる画描
等の手段で形成し、その後、実装するチップ部品を配置
する際、チップ部品で塗布した熱硬化性樹脂組成物の層
を押し伸ばし、手法が提案されている(特開平11−3
54555号公報など)。その後、リフロー炉内におい
て、熱処理する間に、バンプ電極と電極間の接合形成
と、アンダーフィル剤の硬化接着とを同時に実施する方
法である。加熱工程を一体化できるため、作業効率は大
幅に向上する方法である。しかしながら、前記の加熱処
理を1工程で行う方法では、バンプ自体をも覆うよう
に、アンダーフィルの充填がなされるため、前もってフ
ラックス処理を施しておく必要があった。従って、フラ
ックス処理後に形成される酸化被膜の影響は残り、処理
後の時間経過とともに、その影響は増すものであった。
そのため、予めフラックス処理を施しても、なお、電極
面に対するハンダの濡れ不良に起因するハンダ付け不
良、すなわち、導通不良の発生が少なからず見出されて
いる。
ボールの酸化被膜を除去し接合できる程度に、フラック
ス活性を有する成分を添加した熱硬化性樹脂組成物をデ
ィスペンサー等で画描塗布し、形成された熱硬化性樹脂
組成物層をチップ部品にて押し広げ手法が提案されてい
る(特許公報第2589239号)。リフロー炉内での
電極間接合と樹脂の熱硬化とを一体化して行う際、樹脂
組成物中に添加されている十分なフラックス成分が供給
されるので、半田の酸化被膜が除去され、電極の接合性
が大幅に向上する。しかしながら、この方法を利用する
上では、リフロー炉中で樹脂の硬化時期と半田接合時期
とが重要であり、つまり、少なくとも、フラックス成分
の作用が必要である半田接合以前に、樹脂自体が決して
硬化してはならない。逆に、リフローの温度プロファイ
ルによっては、熱硬化が先に進行すると、接合不良にな
る場合があった。
用する際には、チップ部品を一度プリント基板に接着す
ると、再度取り外すことはできなかった。仮に、チップ
部品の搭載を終えたプリント基板に不具合が見出された
際に、不具合のあったチップ部品を交換する、あるい
は、チップ部品の交換により、プリント基板の再利用を
図るなど、つまり、リペアすることはできなかった。
て、リペア性を付与するため、アンダーフィル剤に熱可
塑性樹脂を用いることが提案されている(USP622
8678)。チップ部品に、その半田バンプの表面一部
が露出するように熱可塑性樹脂層を塗布した後、露出し
ている半田バンプの表面一部にフラックスを塗工して、
プリント配線板に設置し、リフロー炉にて、ハンダ接合
を行うとともに、熱可塑性アンダーフィルによる充填を
完成して、チップ部品とプリント基板との固着を行うも
のである。チップ部品に、アンダーフィル剤を塗布する
工程を行った後、フラックスを塗布する工程を実施する
という、二段階の塗布工程となり、特に、フラックス
を、熱可塑性樹脂から一部露出した半田ボール表面に一
様に塗布することは煩雑であり、塗りむらを生じ易いも
のである。フラックス塗布にむらがあると、半田付け不
良を引き起こし、電気的接合不良の一因ともなる。
業性の向上からは、チップ部品をプリント基板上に実装
する際、バンプ電極に対するハンダ接合の工程と、アン
ダーフィル剤の充填硬化の工程とを一度の熱処理工程で
実施することが望まれている。加えて、アンダーフィル
剤として、熱硬化性樹脂に代えて、熱可塑性樹脂を利用
した際にも、ハンダ接合の工程と、アンダーフィル剤の
充填硬化の工程とを一度の熱処理工程で実施することが
望まれている。その際、先に述べたような、アンダーフ
ィル剤の塗布後に、フラックス塗布を行う煩雑さを無く
し、加えて、フラックスの塗布むらに起因する半田付け
不良をも抑制が可能な手段の提案が望まれる。
発明の目的は、熱可塑性樹脂を利用するアンダーフィル
剤においても、かかるアンダーフィル剤中にフラックス
活性を示す化合物を含有させ、熱可塑性樹脂の加熱充填
を達成する熱処理中に、含まれるフラックス活性を示す
化合物によるハンダ材料に対するフラックス処理、なら
びにハンダ接合をも実施することを可能とする新規な封
止充填剤用熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
的は、かかる新規な封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物を
利用することで、アンダーフィル剤の加熱充填と同時
に、含まれるフラックス活性を示す化合物によるハンダ
材料に対するフラックス処理、ならびにハンダ接合をも
実施し、その後、冷却して、充填された熱可塑性樹脂に
よる接着固定を達成が可能な封止充填方法、ならびに、
かかる新規な封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物を利用し
て、チップ部品の実装がなされた回路基板を提供するこ
とにある。
題を解決すべく鋭意研究・検討を行ったところ、熱可塑
性樹脂のうち、ハンダ接合に利用されるハンダ材料の融
点よりも低い温度で、軟化または溶融した状態となるも
のを利用すると、ハンダ接合を行う際、既に流動性を示
す熱可塑性樹脂を押し広げつつ、バンプ電極をプリント
基板上の接合パッドと接触させることが可能であり、バ
ンプ電極全体を覆うように熱可塑性樹脂を塗布しても、
ハンダ接合を完了した時点では、チップ部品とプリント
基板との間隙を封止充填することが可能であることを見
出した。その際、バンプ電極のハンダ材料表面に存在し
ている酸化被膜の除去を図る必要があるが、例えば、熱
可塑性樹脂中にフラックス剤を添加混合して置くと、熱
可塑性樹脂が流動性を示す状態となると、かかる熱可塑
性樹脂は溶媒として機能し、フラックス剤が均一に溶解
した状態が達成できることを見出した。すなわち、溶媒
で酸素を遮断した状態で、ハンダ材料表面に存在してい
る酸化被膜にフラックス剤を作用させることが可能であ
り、ハンダ材料の融点よりも高い温度において、プリン
ト基板上の接合パッドと接触させると、そのままハンダ
接合を実施することができることを確認した。加えて、
熱可塑性樹脂にフラックス剤を添加するだけでなく、熱
可塑性樹脂自体にフラックス活性を示す原子団を有する
ものを利用しても、同じく、流動性を示す熱可塑性樹脂
により酸素を遮断した状態で、酸化被膜の除去を行うこ
とが可能であることを見出した。これらの知見に加え
て、本発明者らは、ハンダ接合を終えた後、冷却する
と、チップ部品とプリント基板との間隙を満たしている
熱可塑性樹脂の固化がなされ、両者間を接着する封止充
填剤となり、さらに、再び、ハンダ材料の融点よりも高
い温度に加熱すると、封止充填剤となっている熱可塑性
樹脂も良好な流動性を示し、チップ部品をプリント基板
から容易に除去することができ、リペア性にも優れるこ
とを確認して、本発明を完成するに至った。
樹脂組成物の一つは、基板上に表面実装部品を実装する
際に、表面実装部品に対する封止充填に利用される封止
充填剤用熱可塑性樹脂組成物であって、主成分として、
熱可塑性樹脂を含有し、前記熱可塑性樹脂は、その分子
内にフラックス性を示す原子団を有し、少なくとも、そ
の軟化点は130℃以上であって、前記の実装工程で利
用されるハンダ材料の融点において、軟化または溶融し
た状態をとり、その軟化または溶解時において、少なく
とも、前記熱可塑性樹脂が接触する表面実装部品および
基板に設けるバンプやパッドを構成する金属材料の酸化
被膜を除去可能なフラックス活性を、前記のフラックス
性を示す原子団により有していることを特徴とする熱可
塑性樹脂組成物である。
性樹脂組成物の他の一つは、基板上に表面実装部品を実
装する際に、表面実装部品に対する封止充填に利用され
る封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物であって、主成分と
して、熱可塑性樹脂を含有し、前記熱可塑性樹脂に加え
て、フラックス剤を必須成分として含有し、前記熱可塑
性樹脂は、少なくとも、その軟化点は130℃以上であ
って、前記の実装工程で利用されるハンダ材料の融点に
おいて、軟化または溶融した状態をとり、その軟化また
は溶解時において、前記フラックス剤は前記熱可塑性樹
脂と相溶性を有し、少なくとも、前記熱可塑性樹脂が接
触する表面実装部品および基板に設けるバンプやパッド
を構成する金属材料の酸化被膜を除去可能なフラックス
活性を、前記フラックス剤により有しており、フラック
ス剤の含有比率は、熱可塑性樹脂100質量部当たり、
15質量部以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂組
成物である。
においては、例えば、その分子内にフラックス性を示す
原子団を有する、前記熱可塑性樹脂は、ポリアミドなら
びにポリアミドエステルからなる群から選択される高分
子であり、少なくとも、その軟化点は130℃以上であ
って、分子内に有するフラックス性を示す原子団とし
て、前記の高分子を構成する有機酸に由来する酸性基を
有しているものを用いることが好ましい。より具体的に
は、その分子内にフラックス性を示す原子団を有する、
前記熱可塑性樹脂は、二塩基酸化合物とプロトン供与体
との脱水縮合するにより生成する高分子であり、二塩基
酸化合物とプロトン供与体とのモル配合比率R(二塩基
酸化合物/プロトン供与体)において、Rが1を超える
二塩基酸成分が過剰な組成を有し、少なくとも、過剰な
二塩基酸成分に付随して、前記高分子の示す酸価は8
(KOHmg/g)以上であるものを利用することがで
きる。
性樹脂組成物において、熱可塑性樹脂組成物に含まれる
前記フラックス剤として、その分子中にカルボキシ基を
少なくとも1つ以上有する化合物を利用することが好ま
しい。
組成物においては、前記の二塩基酸化合物とプロトン供
与体とのモル配合比率Rが1を超える高分子に加えて、
前記高分子中の、過剰となっている二塩基酸の酸基部分
に対して、その酸基と反応できる一官能あるいは二官能
の官能基を有する反応性希釈剤を添加し、前記高分子が
軟化または溶融した状態となる温度において、前記反応
性希釈剤と、過剰な酸基との反応が可能であり、かかる
反応により酸基が消費された後も、熱可塑性を有する高
分子となることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物とする
ことができる。その際、前記反応性希釈剤として、一官
能あるいは二官能の官能基を有するエポキシ樹脂を利用
することが好ましい。
可塑性樹脂組成物を利用した封止充填方法の発明をも提
供し、すなわち、本発明の封止充填方法は、はんだバン
プを有する表面実装部品を、前記はんだバンプと電気的
な接合に対応したパッドまたはバンプを有する基板上に
接合し、封止充填する方法であって、封止充填剤とし
て、上記の何れかの構成を有する本発明の封止充填剤用
熱可塑性樹脂組成物を用い、前記封止充填剤用熱可塑性
樹脂組成物を、それ自体に含まれる熱可塑性樹脂が軟化
または融解し、また、前記はんだバンプのハンダ材料が
熔融する温度に加熱し、その際、前記表面実装部品およ
び基板に設けるバンプやパッドを構成する金属材料の酸
化被膜を、前記熱可塑性樹脂組成物が有するフラックス
活性により除去し、前記はんだバンプを、基板上のそれ
と電気的な接合に対応したパッドまたはバンプとの間で
ハンダ付けした後、温度を降下させて、前記封止充填剤
に含有される熱可塑性樹脂の固化を行い、前記表面実装
部品と基板との間隙を封止充填することを特徴とする封
止充填方法である。その際、本発明の封止充填方法で
は、封止充填前に実施する、前記表面実装部品のはんだ
バンプ部への前記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物を塗
布する工程を有し、その塗布工程では、ホットメルトに
利用可能な加熱アプリケーターを用いて、前記封止充填
剤用熱可塑性樹脂組成物を一旦軟化させて、はんだバン
プ部へ塗布する方法、あるいは、モールド注型して、は
んだバンプ部を含む領域に前記封止充填剤用熱可塑性樹
脂組成物を塗布する方法の何れかを選択し、前記はんだ
バンプのバンプ面を一様に覆うように前記封止充填剤用
熱可塑性樹脂組成物の塗布層を付与する工程とすること
が好ましい。
物を一旦軟化させて塗布する手法に代えて、前記封止充
填剤用熱可塑性樹脂組成物を溶剤に溶解した溶液を利用
する手法として、その塗布工程では、はんだバンプを有
する前記表面実装部品おいて、前記はんだバンプをその
内に含む前記塗布のなされる領域を取り囲む位置に、熱
可塑性を示さない樹脂材料からなるダム形状の周壁を形
成し、前記周壁の頂部高さをはんだバンプ頂部高さより
高く選択し、前記樹脂材料からなるダム形状の周壁内
に、前記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物を溶剤に溶解
してなる溶液を、少なくとも前記はんだバンプ頂部を浸
す液量で満たし、その後、前記周壁内を満たす溶液中に
含まれる溶剤を乾燥除去して、前記封止充填剤用熱可塑
性樹脂組成物を再析出させることで、はんだバンプ部を
含む領域に前記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物を塗布
する方法を用いて、前記はんだバンプのバンプ面を一様
に覆うように前記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物の塗
布層を付与することもできる。
実装部品のはんだバンプ部への前記封止充填剤用熱可塑
性樹脂組成物を塗布する工程を有し、かかる塗布工程
は、前記はんだバンプの頂部を予め平坦化して、前記表
面実装部品の裏面に形成されている複数のはんだバンプ
の頂部を、概ね同一の水平面に位置する高さとする工程
と、その後、平坦化処理が施された、表面実装部品のは
んだバンプ部への前記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物
を塗布する工程では、ホットメルトに利用可能な加熱ア
プリケーターを用いて、前記封止充填剤用熱可塑性樹脂
組成物を一旦軟化させて、はんだバンプ部へ塗布し、
平坦化された前記はんだバンプのバンプ面を一様に覆
い、前記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物の塗布層の上
面と平坦化された前記はんだバンプの頂部とが概ね同一
の水平面を構成するように、前記封止充填剤用熱可塑性
樹脂組成物の塗布層の付与を行う方法、あるいは、モー
ルド注型して、はんだバンプ部を含む領域に前記封止充
填剤用熱可塑性樹脂組成物を塗布し、前記はんだバンプ
のバンプ面を一様に覆い、前記封止充填剤用熱可塑性樹
脂組成物の塗布層の上面と前記はんだバンプの頂部とが
概ね同一の水平面を構成するように、前記封止充填剤用
熱可塑性樹脂組成物の塗布層の付与を行う方法の何れか
を選択し、前記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物の塗布
を終えた、はんだバンプ部を設ける前記表面実装部品の
裏面側の水平化がなされる工程とを含むことを特徴とす
る封止充填方法とすることが好ましい。
成物の塗布を終えた、はんだバンプ部を設ける裏面側の
水平化がなされた前記表面実装部品において、前記封止
充填剤用熱可塑性樹脂組成物の塗布層の外周と、前記表
面実装部品自体の外周との相対的に配置を、前記塗布層
の外周は、前記表面実装部品自体の外周に対して、その
内側に位置し、かつ前記はんだバンプの全ては、前記塗
布層の外周の内側に位置するように配置することがより
望ましい。
を利用することで表面実装部品の実装がなされている回
路基板の発明をも提供し、すなわち、本発明にかかる回
路基板は、はんだバンプを有する表面実装部品を、前記
はんだバンプと電気的な接合に対応したパッドまたはバ
ンプを有する基板上に接合し、封止充填されてなる回路
基板であって、前記表面実装部品の基板上への接合と、
封止充填とは、上記する本発明の封止充填方法でなされ
ており、前記表面実装部品と基板との間隙を封止充填す
る、熱可塑性樹脂を含有する封止充填剤は、再度、前記
バンプ材料の融点以上に加熱した際、熱可塑性を示すこ
とを特徴とする回路基板である。
装部品と基板との間隙を封止充填する、熱可塑性樹脂を
含有する封止充填剤は、再度、前記バンプ材料の融点以
上に加熱した際、熱可塑性を示し、さらに、その軟化点
は、前記バンプ材料の融点より低く保たれることを特徴
とする回路基板とすることが望ましい。
充填剤として、熱可塑性樹脂を含有する封止充填剤を利
用することで、実装後、仮にチップ部品を取り外す必要
が生じた際、加熱して、熱可塑性樹脂を軟化あるいは溶
融した状態とし、同時に、一旦ハンダ接合を行ったハン
ダ材料を融解することで、チップ部品を回路基板上から
容易に取り外すことを可能として、リペア性を有する封
止充填方法としている。同時に、用いている封止充填剤
用熱可塑性樹脂組成物自体は、主成分として、熱可塑性
樹脂を含有し、この熱可塑性樹脂に加えて、フラックス
剤を必須成分として含有したものとする、あるいは、主
成分の熱可塑性樹脂自体は、その分子内にフラックス性
を示す原子団を有する高分子とすることで、封止充填を
行うため、加熱を行う際、バンプ電極に用いているハン
ダ材料表面、さらには、プリント基板の配線や接続パッ
ド表面に対して、それら金属表面に存在する酸化被膜に
ついて、フラックス剤を作用させるなどにより、酸化被
膜を除去して、清浄なハンダ材料表面と接続パッド表面
等の間で緊密なハンダ接合をも同時に行っている。
において、フラックス剤を添加・混合する際、主成分に
用いる熱可塑性樹脂には、少なくとも、かかる樹脂自体
の軟化点は、130℃以上の熱可塑性樹脂を利用するこ
とが好ましい。例えば、好適な熱可塑性樹脂の一例とし
て、軟化点が135℃以上のポリアミド樹脂、ポリアミ
ドエステル樹脂を挙げることができる。
ス剤としては、熱可塑性樹脂と相溶性を有し、バンプ電
極に利用されるハンダ材料表面の酸化被膜、あるいは、
プリント基板の配線や接続パッドに用いられる金属、例
えば、銅表面の酸化被膜に対して、その除去に効果を示
す化合物が利用される。前記の条件を満たすフラックス
剤として、公知のものでは、モノカルボン酸、ジカルボ
ン酸、多価カルボン酸化合物が挙げられる。例えば、こ
れらカルボン酸を利用する際には、主成分の熱可塑性樹
脂100質量部当たり、カルボン酸の総和を、0.1質
量部〜15質量部の範囲に選択して添加することが好ま
しく、さらに好ましくは、3質量部〜10質量部の範囲
に選択することが望ましい。種々のカルボン酸のうちで
も、酸化被膜除去能力の特に優れたジカルボン酸類を用
いるとより好ましく、なかでも、アジピン酸、セバシン
酸などを好適なジカルボン酸として挙げることができ
る。これらフラックス剤は、主成分の熱可塑性樹脂が軟
化または溶解する温度に達した時点で、フラックス活性
を発揮させるため、通常、例えば、予め熱可塑性樹脂中
に均一に添加・混合して、熱可塑性樹脂組成物を形成す
る。
おいて、主成分とし、また、フラックス活性をも示す、
その分子内にフラックス性を示す原子団を有する熱可塑
性樹脂としても、少なくとも、かかる樹脂自体の軟化点
は、130℃以上の熱可塑性樹脂を利用することが好ま
しい。例えば、好適な熱可塑性樹脂の一例として、軟化
点が135℃以上のポリアミド樹脂、ポリアミドエステ
ル樹脂を挙げることができる。従って、利用されるポリ
アミド樹脂、ポリアミドエステル樹脂は、少なくとも、
軟化点が130℃以上であって、かかる高分子を構成す
る有機酸に由来する酸性基を有しているものである。ポ
リアミド樹脂、ポリアミドエステル樹脂から選択される
熱可塑性樹脂において、その軟化点が130℃を下回る
と、例えば、吸水試験時において120℃に加熱して保
持する間に、熱可塑性樹脂は次第に吸水して、最終的に
は溶解してしまう。高分子を構成する有機酸に由来する
酸性基を残すためには、樹脂骨格を形成する、二塩基酸
成分と、それと脱水縮合するプロトン供与体、具体的に
は、アミド結合を形成するアミノ基、あるいはエステル
結合を形成するヒドロキシ基を有するプロトン供与体成
分との配合比率Rにおいて、二塩基酸成分が過剰となる
比率R、すなわち、Rが1を超える範囲として、過剰な
二塩基酸成分に由来するカルボキシ基が残余するものと
する。残余するカルボキシ基の存在比率は、熱可塑性樹
脂自体の酸価は、8(KOHmg/g)以上とすること
が好ましい。なお、その酸価は、40(KOHmg/
g)を超えない範囲とすることが好ましい。すなわち、
二塩基酸成分が過剰となる比率Rをあまり高くし、酸価
が、40(KOHmg/g)を超えない範囲とすると、
それに伴い、樹脂自体の平均分子量(重合度)が低下
し、熱可塑性樹脂に必要な特性が十分に発揮できない場
合も生じる。
般に、二塩基酸とジアミンとの重縮合、アミノカルボン
酸の重縮合、あるいは、ラクタムの開環重合などの各種
反応で得られるアミド結合を有する高分子を含むが、加
えて、各種の変性ポリアミドを始め、一部もしくは全部
水素添加された反応物で製造されたもの、他のモノマー
が一部共重合された製造物をも含む混合物を利用するこ
ともできる。また、封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物に
調製する際には、主成分に用いるポリアミドに対して、
利用可能な各種添加物などの他の物質を添加・混合する
こともできる。
脂は、一般に、二塩基酸とジオールの重縮合、カルボキ
シアルコール(ヒドロキシカルボン酸)の重縮合、ある
いは、はラクトンの開環重合などで生成されるエステル
部分、および上記の二塩基酸とジアミンとの重縮合、ア
ミノカルボン酸の重縮合、あるいは、ラクタムの開環重
合などの各種反応で得られるアミド部分とをその骨格に
有する高分子を含むが、加えて、各種の変性ポリエステ
ルを始め、一部もしくは全部水素添加された反応物で製
造されたもの、他のモノマーが一部共重合された製造物
をも含む混合物を利用することもできる。また、封止充
填剤用熱可塑性樹脂組成物に調製する際には、主成分に
用いるポリアミドエステルに対して、利用可能な各種添
加物などの他の物質を添加・混合することもできる。
述する条件を満たす限り、特に限定されてないが、二塩
基酸成分として、主にダイマー酸を用い、二塩基酸成分
と縮合重合させるプロトン供与体成分として、ポリアミ
ン類を利用して、縮合重合させて得られるダイマー酸変
性ポリアミド樹脂を利用することが好ましい。このダイ
マー酸変性ポリアミド樹脂の製造において、利用可能な
ダイマー酸としては、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸な
どに含まれる天然の一塩基不飽和脂肪酸を重合したダイ
マー酸が工業的に広く用いられる。これらダイマー酸と
しては、一塩基不飽和脂肪酸を重合したダイマー酸であ
れば、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂環式、あるいは、
芳香族などの各種ジカルボン酸のいずれをも使用するこ
とができる。
に制限されるものではないが、具体的には、トール油脂
肪酸や大豆油脂肪酸などの天然の一塩基不飽和脂肪酸に
ついて、白土触媒を用いて重合させた後、蒸留によっ
て、未反応のモノマー酸を除去して得られる重合脂肪酸
等が挙げられる。具体的には、前記の重合反応で得られ
るダイマー酸の組成は、C18の一塩基不飽和脂肪酸か
ら生成する、C36の二塩基酸成分を99%〜60%含
有し、C54の三塩基酸ならびにより多量体化したもの
が1〜35%の範囲で存在し、C18の一塩基酸が、0
%〜10%の範囲で残留する場合もある。それらのう
ち、ダイマー酸自体の酸価が190〜200KOHmg
/gのものが好適に利用できる。本発明に用いられるポ
リアミド樹脂に対しては、これら天然の脂肪酸の中で
も、特に大豆油由来の脂肪酸を原料として得られたもの
が、その後、必要に応じて、残されている不飽和炭素−
炭素結合に水素添加を施す際、利用される触媒に対し
て、触媒毒となるイオウ分等の不純物の含有量が少ない
ことから好ましい。なお、ダイマー酸は、1種のみを単
独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。
も、他のジカルボン酸を用いることもできる。利用可能
な二塩基酸として、次に例示する各種のジカルボン酸を
用いることができる。鎖式、あるいは、環を含くむジカ
ルボン酸としては、全体の炭素数は、C2〜C22の範
囲のジカルボン酸を挙げることができ、具体的には、シ
ュウ酸、マロン酸、(無水)コハク酸、(無水)マレイ
ン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,3−
又は1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,18−
オクタデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジ
カルボン酸などを用いることができる。
ド樹脂とするため、必要に応じて、二塩基酸成分以外
に、その重合反応の際、各種のモノカルボン酸を副次的
な原料に用いることができる。モノカルボン酸としては
全体の炭素数は、C1〜C26の範囲のモノカルボン酸
を挙げることができ、具体的には、プロピオン酸、酢
酸、カプリル酸(オクタン酸)、ステアリン酸、オレイ
ン酸、ロジン(樹脂酸)、安息香酸、ナフトエ酸などが
用いられる。これらモノカルボン酸は、1種のみを単独
で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。より好ま
しくは、プロピオン酸を選択するとよい。
ミン類、具体的には、上記ダイマー酸変性ポリアミド樹
脂を製造する際に、原料とするポリアミン類は、例え
ば、C2〜C20の脂肪族、脂環式、芳香族などの各種
ジアミン、トリアミン、ポリアミンなどである。ジアミ
ンの具体例としては、エチレンジアミン、トリエチレン
ジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,2−ジアミ
ノプロパン、メンタンジアミン、イソホロンジアミン、
テトラエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p
−又はm−キシレンジアミン、4,4’−メチレンビス
(シクロヘキシルアミン)、2,2−ビス−(4−シク
ロヘキシルアミン)、ポリグリコールジアミン、イソホ
ロンジアミン、1,2−、1,3−又は1,4−シクロ
ヘキサンジアミン、1,4−ビス−(2−アミノエチ
ル)ベンゼン、N−エチルアミノピペラジン、ピペラジ
ンなどが挙げられる。
ミンなどが挙げられ、ポリアミンには、トリエチレンテ
トラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレン
ヘキサミンなどが挙げられる。さらに、二量体化された
脂肪族のニトリル基を変換して、水素還元して得られた
ダイマージアミンも使用することもできる。
(アミノアルコール)を併用して、部分的にエステル結
合を含むものとしてもよい。アルカノールアミン(アミ
ノアルコール)には、エタノールアミン、プロパノール
アミン、ジエタノールアミン、ブタノールアミン、2−
アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−(2−ア
ミノエトキシ)エタノール等が挙げられる。
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジンなど
の利用である。これらは1種のみを単独で用いてもよい
し、2種以上を併用しても良い。
有するポリエーテルジアミンを使用してもかまわない。
このポリエーテルジアミンには、下記の一般式: H2N−R1−(R−O)n−R2−NH2 (式中、nは2〜100であり、R1、R2は、炭素原
子数が1〜14のアルキレン基または二価の脂環式炭化
水素基であり、Rは、炭素原子数が1〜10のアルキレ
ン基または二価の脂環式炭化水素基である。なお、アル
キレン基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよ
い。)で表すことができるエーテルジアミン、例えば、
ポリオキシプロピレンジアミン、ビス−(3−アミノプ
ロピル)−ポリテトラヒドロフラン等をも使用できる。
合反応に応じて、必要により、従来公知の各種添加剤を
用いることもできる。このような反応時に加える添加剤
としては、例えば、リン酸、ジブチルチンジラウレート
等の反応促進剤等が挙げられる。さらには、反応の際、
発泡が多い場合には、消泡剤を添加することもできる。
なお、これら添加剤の添加量は、適宜設定すればよい。
は、前記ダイマー酸を主に含む二塩基酸成分と前記ポリ
アミン類を主にふくむアミン成分とを、通常の手法によ
って重合させて得ることができる。重合方法について
は、特に制限はなく、従来公知の方法を採用すればよ
い。また、重合の際の反応条件や、二塩基酸成分やアミ
ン成分などの各単量体成分の配合比等についても、特に
制限はなく、適宜設定すればよい。
する単位のうち、前記ダイマー酸由来の構成単位に関し
て、少なくとも、その一部が水素添加されていてもよ
く、また、ポリアミド樹脂は、ダイマー酸とポリアミン
類とを重合させた後、得られた重合体に水素添加を施し
てもよい。
DA−200、DA−250、DA−270(ハリマ化
成社製)などを挙げることができる。
としては、プリポール1009(ユニケマ社製)、エン
ポール1008(コグニス社製)を挙げることができ
る。さらに、前記のDA−200、DA−250、DA
−270(ハリマ化成社製)などに、水素添加処理を施
したものも使用できる。
では、必要に応じて、熱可塑性樹脂に適合した各種酸化
防止剤を使用することができる。例えば、酸化防止剤と
して、ヒンダードフェノール系化合物、モノフェノール
系化合物、ビスフェノール系化合物、ポリフェノール系
化合物、芳香族第二アミン系化合物、ジアルキルフェノ
ールスルフィド、メルカプトベンゾイミダゾール、銅/
ハロゲン系、トリアジン誘導体が利用できる。さらに、
二次酸化防止剤として、亜リン酸系化合物、あるいは有
機チオ系化合物を併用することも可能である。なお、酸
化防止剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以
上を併用しても良い。
は、常温で固形であるため、実装チップ部品の裏面に塗
布する方法としては、ホットメルトで用いられるアプリ
ケーターを利用して、チップ部品の半田バンプ部分に樹
脂を塗布するか、あるいはモールド注型して熱可塑性樹
脂組成物をバンプ面に一様に付与させることができる。
あるいは、ディスペンサー、スクリーン印刷等を用いる
際には、一旦熱可塑性樹脂組成物を溶剤に可溶化させ
て、チップ部品バンプ部分またはプリント基板面に塗布
し、含まれる溶剤を加熱あるいは減圧下で除去して、熱
可塑性樹脂組成物のアンダーフィル層を形成することが
できる。
では、熱可塑性樹脂自体にフラックス性を有するものを
利用する代わりに、フラックス剤、すなわち、フラック
ス作用を有した化合物を添加する組成物とすることがで
きる。好適に利用できるフラックス剤は、カルボキシ基
を有する化合物であり、例えば、セバシン酸、コハク
酸、アゼライン酸、ロジン類、高級脂肪酸、ポリ(メ
タ)アクリル酸重合物などが利用でき、特に好適なもの
として、ロジン類などが挙げられる。
では、その樹脂自体が、フラックス性を示すため、過剰
な二塩基酸成分に由来するカルボキシ基が残余するもの
である場合、封止充填後、熱可塑性という特性を失わず
樹脂中に残ったカルボキシ基を除去するために、カルボ
キシ基と反応可能なエポキシ化合物、例えば、分子中に
1つまたは2つまでのグリシジル基を有したエポキシ樹
脂を、反応性希釈剤として添加することができる。反応
性希釈剤として、分子中2個までのグリシジル基を有し
たエポキシ樹脂を用いると、反応後も、樹脂全体に分岐
が導入されることもなく、従って、3次元架橋すること
なく、残余しているカルボキシ基と反応するため、その
後も、熱可塑性を維持することができる。
は、それを構成する主成分の熱可塑性樹脂自体は、対象
とするハンダ材料の融点においては、軟化または溶融し
た状態をとる必要があり、従って、対象とするハンダ材
料に応じて、その軟化点は、ハンダ材料の融点を超えな
い範囲とすることが必要となる。その際、主成分の熱可
塑性樹脂自体の軟化点は、対象とするハンダ材料の融点
と比較して、例えば、温度差10℃以内で高いもの、あ
るいは、5℃以内で高くとも、熱可塑性樹脂組成物は他
の成分を含む結果、全体として、軟化点の低下がなされ
るので、十分に利用できる。
組成物は、下記する封止充填方法に利用することができ
る。具体的には、本発明の封止充填剤用熱可塑性樹脂組
成物は、封止充填剤の機能に加え、ハンダ材料に対する
フラックス活性の機能を具えるため、はんだバンプを有
する表面実装部品を、前記はんだバンプと電気的な接合
に対応したパッドまたはバンプを有する基板上に接合
し、封止充填する際に、封止充填剤として、本発明の封
止充填剤用熱可塑性樹脂組成物を用い、前記封止充填剤
用熱可塑性樹脂組成物を、それ自体に含まれる熱可塑性
樹脂が軟化または融解し、また、前記はんだバンプのハ
ンダ材料が熔融する温度に加熱し、その際、前記表面実
装部品および基板に設けるバンプやパッドを構成する金
属材料の酸化被膜を、前記熱可塑性樹脂組成物が有する
フラックス活性により除去し、前記はんだバンプを、基
板上のそれと電気的な接合に対応したパッドまたはバン
プとの間でハンダ付けした後、温度を降下させて、前記
封止充填剤に含有される熱可塑性樹脂の固化を行い、前
記表面実装部品と基板との間隙を封止充填することが単
一の加熱工程で実施することができる。その際、封止充
填前に実施する、前記表面実装部品のはんだバンプ部へ
の前記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物を塗布する工程
では、例えば、ホットメルトに利用可能な加熱アプリケ
ーターを用いて、前記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物
を一旦軟化させて、はんだバンプ部へ塗布する方法、あ
るいは、モールド注型して、はんだバンプ部を含む領域
に前記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物を塗布する方法
の何れかを選択することが好ましい。なお、前記の手法
で形成される前記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物の塗
布層は、前記はんだバンプのバンプ面を一様に覆うよう
に塗布を行う。
と電気的な接合に対応したパッドまたはバンプとの間で
ハンダ付けを行う際、通常、表面実装部品の上面より、
平均的に加圧を加えて、溶融したハンダ材料と、基板上
のパッドまたはバンプとの緻密な接触を達成することが
なされる。この加圧を行う間に、軟化または融解されて
いる熱可塑性樹脂組成物も併せて、基板上面との密着が
なされる。すなわち、表面実装部品の上面より、平均的
に加圧を加えることで、溶融したハンダ材料ならびに軟
化または融解されている熱可塑性樹脂組成物は、とも
に、基板上面との間の隙間を埋めるように押し拡げられ
る。その際、かかる隙間に存在していた気体は、徐々に
押し拡げられる過程で、この封止充填領域から排除さ
れ、ボイドの発生要因とはならない。
基板上面に対して密着する際、はんだバンプの頂部と形
成されている熱可塑性樹脂組成物の塗布層の上面との間
に、不必要な高低差が存在すると、例えば、塗布層の上
面が極端に低いと、軟化または融解されている熱可塑性
樹脂組成物が基板上面との密着するまで、押し付けを行
うことに伴い、融解されたハンダ材料も同じ水準まで押
し潰される。場合によっては、この過度な押し潰しに伴
い、基板上のパッドまたはバンプの領域を超えて、融解
されたハンダ材料が押し拡げられる懸念がある。特に、
表面実装部品の裏面に設けるはんだバンプ相互の間隔が
狭くなる際には、不必要に押し拡げられたハンダ材料が
接触すると、その表面は、フラックス処理がなされてい
る結果、両者の間で短絡を生じる結果を生じることも懸
念される。前記の近接するはんだバンプ間での短絡の懸
念に加えて、不必要に押し拡げられたハンダ材料が目的
とする基板上のパッドまたはバンプの領域を超えて、本
来接触すべきでない、基板上の配線部にまで達する懸念
もある。
に起因するハンダ付け不良は、はんだバンプに加わる加
圧に面内の不均一さが存在する場合に、より顕著とな
る。より具体的には、はんだバンプの頂部と形成されて
いる熱可塑性樹脂組成物の塗布層の上面とが水平でな
く、局所的に加圧が集中すると、その領域に存在するは
んだバンプにおいては、融解したハンダ材料は不必要に
押し拡げられた状態となる頻度が大幅に増す結果、前記
のハンダ付け不良を生じ易いものとなる。従って、はん
だバンプの頂部と形成されている熱可塑性樹脂組成物の
塗布層の上面とが概ね水平面に位置する高さとすること
が好ましい。これらが概ね水平面に位置すると、表面実
装部品の上面より加圧を加える際、裏面に設ける複数の
はんだバンプのいずれにも、概ね均等に加圧が加わり、
結果として、融解したハンダ材料が非必要に押し拡げら
れる現象をより有効に防止できる。
熱可塑性樹脂組成物の塗布層の上面とが概ね水平面とな
るようにする際、予め表面実装部品の裏面側に形成され
ているはんだバンプの頂部自体も、概ね水平面となるよ
うに形成することが望ましい。すなわち、熱可塑性樹脂
組成物の塗布を行う前に、前記表面実装部品の裏面に形
成されている複数のはんだバンプの頂部を、概ね同一の
水平面に位置する高さとする工程を設けることがより好
ましい。その手段としては、作製されたはんだバンプの
頂部を予め平坦化して、その水準を均一化する手法を利
用することができる。その後、平坦化がなされた複数の
はんだバンプの隙間を密に前記封止充填剤用熱可塑性樹
脂組成物が占め、また、はんだバンプ表面全体を覆うよ
うに、熱可塑性樹脂組成物の塗布層を形成することが好
ましい。例えば、封止充填前に実施する、前記表面実装
部品のはんだバンプ部への前記封止充填剤用熱可塑性樹
脂組成物を塗布する工程は、前記はんだバンプの頂部を
予め平坦化して、前記表面実装部品の裏面に形成されて
いる複数のはんだバンプの頂部を、概ね同一の水平面に
位置する高さとする工程と、その後、平坦化処理が施さ
れた、表面実装部品のはんだバンプ部への前記封止充填
剤用熱可塑性樹脂組成物を塗布する工程では、ホットメ
ルトに利用可能な加熱アプリケーターを用いて、前記封
止充填剤用熱可塑性樹脂組成物を一旦軟化させて、はん
だバンプ部へ塗布し、平坦化された前記はんだバンプの
バンプ面を一様に覆い、前記封止充填剤用熱可塑性樹脂
組成物の塗布層の上面と平坦化された前記はんだバンプ
の頂部とが概ね同一の水平面を構成するように、前記封
止充填剤用熱可塑性樹脂組成物の塗布層の付与を行う方
法、あるいは、モールド注型して、はんだバンプ部を含
む領域に前記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物を塗布
し、前記はんだバンプのバンプ面を一様に覆い、前記封
止充填剤用熱可塑性樹脂組成物の塗布層の上面と前記は
んだバンプの頂部とが概ね同一の水平面を構成するよう
に、前記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物の塗布層の付
与を行う方法の何れかを選択し、前記封止充填剤用熱可
塑性樹脂組成物の塗布を終えた、はんだバンプ部を設け
る前記表面実装部品の裏面側の水平化がなされる工程と
を含むことがより好ましい。
平坦化する工程後、封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物の
塗布を行う工程を設ける、熱可塑性樹脂組成物の塗布層
の形成工程の一例を示す。この工程では、前記の作製さ
れたはんだバンプの頂部を予め平坦化する工程(フラッ
タニング工程)は、例えば、表面実装部品の表面側に関
して、樹脂モールド処理を施した後、裏面側に作製され
たはんだバンプ部の頂部を、ローラ等を利用して、加圧
成形して、水平な端面を表出させる方法を利用すること
ができる。なお、表面実装部品の表面側に関して、樹脂
モールド処理を施して、表面側に平坦面を構成する代わ
りに、例えば、表面実装部品の作製に利用される一連の
素子形成工程が終了した時点で、かかるウエハー表面
が、フラッタニング工程の加圧成形処理を実施する際
に、その水準面となり、また、加圧に耐えられるもので
ある場合には、このウエハー状態で、ローラ等を利用し
て、加圧成形して、水平な端面を表出させる方法を利用
することもできる。
実装部品の裏面側に作製されたはんだバンプは、当初、
その頂部は、半球面状を構成しているが、前記平坦化す
る工程(フラッタニング工程)を実施する結果、頂部に
平坦化された端面が形成される。この平坦化されたはん
だバンプに対する熱可塑性樹脂組成物の塗布層の形成
は、シート状の熱可塑性樹脂組成物を貼り付け、その
後、軟化処理を施し、はんだバンプ表面を被覆する形態
とすることも可能である。一方、モールド注型して、は
んだバンプ部を含む領域に前記封止充填剤用熱可塑性樹
脂組成物を塗布する、あるいは、ホットメルトに利用可
能な加熱アプリケーターを用いて、封止充填剤用熱可塑
性樹脂組成物を一旦軟化させて、はんだバンプ部へ塗布
するなどして、熱可塑性樹脂組成物の塗布層の上面と平
坦化処理を施したはんだバンプの頂部とが概ね同一の水
平面を構成するように、塗布される熱可塑性樹脂組成物
の量を調整する手法を採用することがより好ましい。
部に平坦化された端面が形成されるが、その端面サイズ
は、その後ハンダ付け接合される、基板上の対応したパ
ッドまたはバンプの面サイズを超えないものとすること
が望ましい。より具体的には、パッドまたはバンプの面
サイズに対して、はんだバンプの頂部に形成されている
平坦化された端面のサイズは、その80%以下、ただ
し、30%よりは大きくなる程度に選択することがより
好ましい。例えば、はんだバンプの頂部が、当初半球面
状を構成している際には、平坦化により、その頂部の高
さを前記半球の半径に対して、10〜40%の範囲で低
くする、より好ましくは、15〜30%の範囲で低くす
ることで、平坦化された端面を形成することが好まし
い。この程度の平坦化処理を予め施すことで、ハンダ付
けを行う際、表面実装部品の上面より加圧して、密着を
図る結果、融解したハンダ材料は押し拡げられるが、そ
の拡がりは、パッドまたはバンプの面サイズと略一致す
る程度に抑えることが可能である。また、はんだバンプ
の融解が生じる前に、予めはんだバンプの平坦化された
頂部の端面と、パッドまたはバンプの面とが概ね平行し
た配置のなった状態で、融解した熱可塑性樹脂組成物に
付与されているフラックス活性により、表面の酸化被膜
の除去が進み、次いで、ハンダ材料の融解がなされた時
点で、適正な接触が達成できるので、より良好なハンダ
付けがなされる。
成物の塗布を終えた、はんだバンプ部を設ける裏面側の
水平化がなされた前記表面実装部品において、前記封止
充填剤用熱可塑性樹脂組成物の塗布層の外周と、前記表
面実装部品自体の外周との相対的に配置を、前記塗布層
の外周は、前記表面実装部品自体の外周に対して、その
内側に位置し、かつ前記はんだバンプの全ては、前記塗
布層の外周の内側に位置するように配置することがより
望ましい。前記のように、塗布層の外周を表面実装部品
自体の外周よりも内側となるようにすることで、加圧し
て基板表面に密着させる過程において、軟化または融解
している熱可塑性樹脂組成物は押し拡げられる結果、表
面実装部品の実装範囲の周囲への熱可塑性樹脂組成物の
過剰なはみ出しを引き起こすことを回避できる。従っ
て、隣接して実装されている他の部品に対して、はみ出
した熱可塑性樹脂組成物が達する不具合を回避すること
がより確実になされる。換言するならば、隣接して実装
されている部品相互の間隔を密にすることが可能とな
る。
は、はんだバンプの表面を緻密に覆う状態を達成する必
要があるため、はんだバンプの全ては、前記塗布層の外
周の内側に位置するように配置する。この熱可塑性樹脂
組成物の塗布層の外周を、表面実装部品自体の外周に対
して、その内側に位置し、かつ前記はんだバンプの全て
は、前記塗布層の外周の内側に位置するように配置させ
る方法は、一旦表面実装部品自体の外周と塗布層の外周
とが一致させるように塗布した後、部分的に塗布層の外
周部を除去する方法を利用することができる。例えば、
図3に例示するように、表面実装部品をウェハーからダ
イシング分割する前に、熱可塑性樹脂組成物、例えばポ
リアミド系樹脂を一括モールド注型して塗布層を形成し
た後、ダイシング分割部位に近接する部位の塗布層に研
削除去を施し、最終的に、ウェハーをダイシングして、
表面実装部品を分割する手法などを利用することもでき
る。ただし、表面実装部品の外周よりも、熱可塑性樹脂
組成物の塗布層の外周は内側とする際、表面実装部品の
外周に隣接するはんだバンプに対しても、塗布層の外周
は、少なくとも、100μm以上、例えば、200μ
m、あるいはそれ以上の間隔を有するように選択するこ
とが望ましい。すなわち、例えば、はんだバンプに対し
て、その横方向にも200μmの被覆厚さを有する構成
とすることで、かかるはんだバンプ表面に存在する酸化
被膜の除去に要するフラックス活性成分の供給量を十分
にまかなうことができる。
実装部品を分割する工程に先立って、予め熱可塑性樹脂
組成物の塗布層を形成する手段の一つとして、熱可塑性
樹脂組成物を溶剤に溶解した溶液として、流動性を持た
せた上で、ウェハー裏面に塗布し、その後、溶剤を乾燥
除去することで、熱可塑性樹脂組成物の塗布層とするこ
ともできる。例えば、図4に例示するように、このウェ
ハー裏面の塗布層を形成すべき領域を取り囲むように、
熱可塑性を示さない樹脂材料からなるダム形状の周壁
(樹脂ダム)を形成しておき、その内部に前記封止充填
剤用熱可塑性樹脂組成物を溶剤に溶解してなる溶液で少
なくとも前記はんだバンプ頂部を浸す液量で満たす。つ
まり、前記周壁(樹脂ダム)の頂部高さをはんだバンプ
頂部高さより高くしておき、その内部に溶液を満たすこ
とで、はんだバンプ全体が溶液に浸される状態とする。
その後、前記周壁内を満たす溶液中に含まれる溶剤を乾
燥除去すると、溶解していた前記封止充填剤用熱可塑性
樹脂組成物は再析出して、させることで、はんだバンプ
部を含む領域に前記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物を
塗布することができる。
は、用いる溶液中の熱可塑性樹脂組成物含有比率に応じ
て、再析出した時点で、熱可塑性樹脂組成物の塗布層が
はんだバンプ頂部高さとほぼ一致し、はんだバンプ表面
を被覆するように選択することが望ましい。最終的に、
利用した前記周壁(樹脂ダム)を取り除くことで、熱可
塑性樹脂組成物の塗布層の形成が終了する。なお、この
溶液塗布法を利用して、予め熱可塑性樹脂組成物の塗布
層を形成した後は、上述するウェハーをダイシングし
て、表面実装部品を分割する工程を同じように実施する
ことができる。
可塑性を示さない樹脂材料としては、例えば、一般的な
レジスト材料などを利用することで、目的とするパター
ン形状、ならびに厚さの均一性を有する周壁(樹脂ダ
ム)作製が簡便に行なえる。より具体的には、光硬化/
アルカリ現像型、あるいは、熱硬化型タイプのレジスト
材料を利用すると、利用される溶剤に対する耐性も有
し、また、パターン形成にも適する。周壁(樹脂ダム)
作製における、所望のパターン形成には、スクリーン印
刷法を利用することもでき、また、別途パターニングし
て作製した、所望の形状のレジスト材料膜を転写貼り付
けする手法を利用することもできる。
体の熱可塑が生じない温度範囲で、加熱しつつ行うこと
もできる。具体的には、120℃程度までの加熱を行い
つつ溶剤の乾燥除去を行うことができる。一方、利用さ
れる溶剤は、熱可塑性樹脂組成物の溶解性に富み、ま
た、乾燥も容易なものが好ましい。
イシング分割する前に、熱可塑性樹脂組成物、例えばポ
リアミド系樹脂を一括モールド注型して塗布層を形成す
る際、そのモールド注型の側壁に熱可塑性を示さない樹
脂材料からなるダム形状の周壁(樹脂ダム)を活用する
こともできる。例えば、図5に例示するように、このウ
ェハー裏面の塗布層を形成すべき領域を取り囲むよう
に、熱可塑性を示さない樹脂材料からなるダム形状の周
壁(樹脂ダム)を形成しておき、その内部に前記封止充
填剤用熱可塑性樹脂組成物をホットメルトで利用される
アプリケーターを用いて注入して、このウェハー裏面に
塗布層を形成することもできる。
は、目的とする塗布領域に対して、差し障りのない箇所
に、微小な幅で寸断部を設けた形態としておくことで、
ホットメルト注入に伴い、押し出される気体の抜け道を
確保しておく。この微小な幅の寸断部は、気体は容易に
抜け出せるものの、熱可塑性樹脂組成物自体は抜け出せ
ない幅とすることが必要である。
ェハーを保持する台とする、ウェハー外形に合わせた凹
部を設けた金型上に、この凹部を設けた金型と対をなす
上蓋を被せた構成とする。ウェハー外形に合わせた凹部
を設けた金型上に、樹脂ダムを作製したウェハー裏面が
露呈するように、裏返された状態で置き、上蓋を被せる
と、平坦な面を有する上蓋の内面は、その自重によっ
て、ウェハー裏面に形成された樹脂ダム頂部に対して、
密に圧接しつつ、平坦に保たれている状態となる。その
状態で、樹脂ダムで取り囲まれている領域内で、チップ
部品をウェハーから分離した際には、最終的にチップ部
品の裏面に設ける熱可塑性樹脂組成物塗布層とはならな
い位置に、上蓋表面から裏面へと達する注入用ポート穴
が上蓋に設けておく。この注入用ポート穴を利用して、
熱硬化性樹脂組成物をホットメルトで利用されるアプリ
ケーターを用いて、このウェハー裏面に注入すること
で、上面は平坦な塗布層を形成することができる。
形状の周壁(樹脂ダム)を活用するので、その形状は注
入の際に熱的に変形を被ることもない。勿論、この樹脂
ダム頂部の高さは、ウェハー裏面に設けられているはん
だバンプの頂部より若干高くしておく必要もある。かか
る構成とすることで、得られる塗布層は、はんだバンプ
全体を被覆し、また、はんだバンプの頂部と塗布層の上
面は、ほぼ水平面となる。注入用ポート穴部には、余剰
な熱可塑性樹脂組成物が残留するものの、最終的にチッ
プ部品の裏面に設ける熱可塑性樹脂組成物塗布層とはな
らない位置に選択することで、問題とならないものとな
る。最終的に、利用した前記周壁(樹脂ダム)を取り除
くことで、熱可塑性樹脂組成物の塗布層の形成が終了す
る。なお、この溶液塗布法を利用して、予め熱可塑性樹
脂組成物の塗布層を形成した後は、上述するウェハーを
ダイシングして、表面実装部品を分割する工程を同じよ
うに実施することができる。
可塑性を示さない樹脂材料としては、例えば、一般的な
レジスト材料などを利用することで、目的とするパター
ン形状、ならびに厚さの均一性を有する周壁(樹脂ダ
ム)作製が簡便に行なえる。より具体的には、光硬化/
アルカリ現像型、あるいは、熱硬化型タイプのレジスト
材料を利用すると、必要とされる熱的耐性を有し、ま
た、パターン形成にも適する。周壁(樹脂ダム)作製に
おける、所望のパターン形成には、スクリーン印刷法を
利用することもでき、また、別途パターニングした、レ
ジスト材料膜を転写貼り付けする手法を利用することも
できる。
んだバンプを有する表面実装部品を、前記はんだバンプ
と電気的な接合に対応したパッドまたはバンプを有する
基板上に接合し、封止充填されてなる回路基板とする
際、前記表面実装部品の基板上への接合と、封止充填と
は、上記する本発明の封止充填方法でなされたものであ
る。前記表面実装部品と基板との間隙を封止充填する、
熱可塑性樹脂を含有する封止充填剤は、再度、前記バン
プ材料の融点以上に加熱した際、熱可塑性を示すため、
場合によっては、一旦実装した表面実装部品を、前記バ
ンプ材料の融点以上に再加熱し、取り外すこと、すなわ
ち、リペア処理を行うことが可能な回路基板である。か
かるリペア処理をより確実に実施可能とする上では、特
に、本発明の回路基板では、前記表面実装部品と基板と
の間隙を封止充填する、熱可塑性樹脂を含有する封止充
填剤は、再度、前記バンプ材料の融点以上に加熱した
際、熱可塑性を示し、さらに、その軟化点は、前記バン
プ材料の融点より低く保たれるものとすることことがよ
り望ましい。
的に説明する。なお、これら実施例は、本発明における
最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明は、かか
る具体例により限定されるものではない。
計、冷却管及び滴下漏斗を備えた反応容器に、二塩基酸
成分として、ダイマー酸のエンポール1008(コグニ
ス社製)600部、セバシン酸45部を入れ、前記二塩
基酸成分と脱水縮合するプロトン供与体として、ピペラ
ジン22部、エチレンジアミン55部を添加して、23
0℃に2時間かけて昇温し、さらに3時間、230℃に
維持して、熟成させて、ポリアミド樹脂を合成する。か
かるポリアミド樹脂679.4部に、酸化防止剤イルガ
ノックス1010を3.9部添加・混合して、ポリアミ
ド樹脂組成物を調製した。
に、二塩基酸成分として、ダイマー酸のエンポール10
08(コグニス社製)600部、セバシン酸63部を入
れ、前記二塩基酸成分と脱水縮合するプロトン供与体と
して、ピペラジン22部、エチレンジアミン57部を添
加して、230℃に2時間かけて昇温し、さらに3時
間、230℃に維持して、熟成させて、ポリアミド樹脂
を合成する。かかるポリアミド樹脂691.8部に、酸
化防止剤イルガノックス1010を3.9部添加・混合
して、ポリアミド樹脂組成物を調製した。
に、二塩基酸成分として、ダイマー酸のDA−200
(ハリマ化成社製)500部、セバシン酸100部、さ
らに、モノカルボン酸であるステアリン酸25部を入
れ、前記二塩基酸成分と脱水縮合するプロトン供与体と
して、エチレンジアミン39部、ヘキサメチレンジアミ
ン37部、エタノールアミン19.5部を添加して、2
30℃に2時間かけて昇温し、さらに3時間、230℃
に維持して、熟成させて、ポリアミドエステル樹脂を合
成する。かかるポリアミドエステル樹脂670.2部
に、酸化防止剤イルガノックス1010を3.9部添加
・混合して、ポリアミドエステル樹脂組成物を調製し
た。
に、二塩基酸成分として、ダイマー酸のDA−250
(ハリマ化成社製)520部、セバシン酸104部、さ
らに、モノカルボン酸のプロピオン酸6.2部を入れ、
前記二塩基酸成分と脱水縮合するプロトン供与体とし
て、ピペラジン74部、エチレンジアミン38部を添加
して、230℃に2時間かけて昇温し、さらに3時間、
230℃に維持して、熟成させて、ポリアミド樹脂を合
成する。かかるポリアミド樹脂690.6部に、酸化防
止剤イルガノックス1010を6部添加・混合して、樹
脂組成物を得た。得られたこの樹脂組成物100部当た
り、フラックス成分として、ロジンG100Fを8部添
加・混合して、目的のポリアミド樹脂組成物を調製し
た。
に、二塩基酸成分として、ダイマー酸のエンポール10
61(コグニス社製)600部、セバシン酸30部を入
れ、前記二塩基酸成分と脱水縮合するプロトン供与体と
して、ピペラジン18.6部、エチレンジアミン49部
を添加して、230℃に2時間かけて昇温し、さらに3
時間、230℃に維持して、熟成させて、ポリアミド樹
脂を合成する。かかるポリアミド樹脂654.6部に、
酸化防止剤イルガノックス1010を6部添加・混合し
て、樹脂組成物を得た。得られたこの樹脂組成物100
部当たり、その残余するカルボキシ基と反応可能なエポ
キシ基を有するエポキシ樹脂のエピコート828(ジャ
パンエポキシレジン社製、エポキシ当量 約190)を
9.3部添加・混合して、目的のポリアミド樹脂組成物
を調製した。
ポリアミド樹脂中に残余するカルボキシ基との間の開環
付加反応は、160℃以上において、主に進行する。
ダイマー酸のエンポール1061(コグニス社製)52
0部、セバシン酸104部、さらに、モノカルボン酸の
プロピオン酸6.2部を入れ、前記二塩基酸成分と脱水
縮合するプロトン供与体として、ピペラジン74部、エ
チレンジアミン38部を添加して、230℃に2時間か
けて昇温し、さらに3時間、230℃に維持して、熟成
させて、ポリアミド樹脂を合成する。かかるポリアミド
樹脂689.1部に、酸化防止剤イルガノックス101
0を3.9部添加・混合して、ポリアミド樹脂組成物を
調製した。
に、二塩基酸成分として、ダイマー酸のエンポール10
08(コグニス社製)520部、セバシン酸20.8
部、さらに、モノカルボン酸のプロピオン酸6.24部
を入れ、前記二塩基酸成分と脱水縮合するプロトン供与
体として、ピペラジン27.5部、ヘキサメチレンジア
ミン33部、エチレンジアミン27.5部を添加して、
230℃に2時間かけて昇温し、さらに3時間、230
℃に維持して、熟成させて、ポリアミド樹脂を合成す
る。かかるポリアミド樹脂596.9部に、酸化防止剤
イルガノックス1010を3.6部添加・混合して、ポ
リアミド樹脂組成物を調製した。
に、二塩基酸成分として、ダイマー酸のエンポール10
08(コグニス社製)520部、セバシン酸130部を
入れ、前記二塩基酸成分と脱水縮合するプロトン供与体
として、ピペラジン79.2部、エチレンジアミン4
0.6部を添加して、230℃に2時間かけて昇温し、
さらに3時間、230℃に維持して、熟成させて、ポリ
アミド樹脂を合成する。かかるポリアミド樹脂713.
7部に、酸化防止剤イルガノックス1010を3.6部
添加・混合して、樹脂組成物を得た。得られたこの樹脂
組成物100部当たり、フラックス成分として、ロジン
G100Fを20部添加・混合して、目的のポリアミド
樹脂組成物を調製した。
填剤用熱硬化性樹脂組成物を下記のように調製した。エ
ポキシ樹脂のエピコート828(ジャパンエポキシレジ
ン社製、エポキシ当量 約190)を100部、前記エ
ポキシ樹脂に対する硬化剤として機能する、酸無水物Y
H−307(ジャパンエポキシレジン社製、酸無水物当
量 約230)を130部、さらに、前記のエポキシ樹
脂と酸無水物間の重合反応を促進させる、硬化促進剤1
−ベンジル−2−メチルイミダゾール(四国化成社製)
を2部配合し良く撹拌して、熱硬化性樹脂組成物を調製
した。なお、かかる熱硬化性樹脂組成物において、含有
される酸無水物YH−307は、テトラヒドロフタル酸
無水物誘導体であり、若干過剰量含有されており、フラ
ックス活性成分としての機能をも有している。
塑性樹脂、ならびに樹脂組成物に関して、その特性につ
いては以下の方法にて測定・評価した。また、参考例1
の熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物についても、併せて、
評価を行った。
0℃における溶融粘度を測定した。
し、昇温速度5℃/分にて測定した。
ール溶剤に溶解させ、水酸化カリウム標準液で滴定して
測定した。
に、はんだボールを載せ、下記樹脂組成物をはんだボー
ルに塗布し、リフロー炉にて一定時間加熱溶融させた
後、はんだ広がり性を評価した。
済み半導体装置について、チップ部品とプリント回路基
板電極との間の導通不良の有無を評価した。導通試験
は、全試料数50に対して、導通不良の無い合格品数の
比率をもって、その指標とする。
から250℃まで急速に昇温(1.5℃/s)し、25
0℃で20秒間保持した。この保持後、強制冷却した。
付近のため、樹脂自体が軟化・融解するため、測定不
能。
存在下で加熱し、ハンダ接合し、再度、ハンダ材料を加
熱溶融させて、チップ部品を基板より剥離させた。
になって付着する。その結果、付着した樹脂成分が基板
面を汚すため、その後の再実装時の作業性を著しく悪化
させる。従って、リペア作業の観点では、樹脂の糸引き
が過多であると、致命的な欠点となる。
熱可塑性樹脂組成物を利用すると、錫−鉛共晶ハンダの
みならず、鉛フリー錫系ハンダを利用する際にも、金属
表面の酸化被膜を除去でき、良好な半田濡れ性が達成で
き、従って、電気接合性に不良がないハンダ接合、封止
充填が一度に行えている。熱可塑性樹脂を利用する上の
最大の利点であるリペア性も満足すべきものであり、封
止充填剤に求められる低い吸水性の点でも、十分に実用
上の水準を達成している。
実装を行い、得られた実装済み半導体装置について、チ
ップ部品とプリント回路基板電極との間の導通不良の有
無を評価した。
はんだバンプは、ロールにて、フラッタニング処理を施
し、当初半球状の頂部を示していたものを、平坦化し、
平坦な端面を示す形状とした。この状態で、はんだバン
プの頂部は、いずれも概ね水平面ないに位置するものと
した。一方、熱硬化性樹脂組成物として、上記の実施例
1において調製されたポリアミド樹脂組成物を用い、ホ
ットメルトで利用されるアプリケーターを用いて、この
チップ部品の裏面にモールド注型法で塗布層を形成し
た。なお、塗布層は、はんだバンプ全体を被覆し、ま
た、はんだバンプの頂部と塗布層の上面は、ほぼ水平面
となるようにした。塗布層の外周と、チップ部品の外周
は、ほぼ一致した状態となっていた。
後、上記のリフロー加熱条件にて、チップ部品をプリン
ト回路板上に実装した。実装後、導通試験とリペア性の
検証を同じ手順で実施した。
実装を行い、得られた実装済み半導体装置について、チ
ップ部品とプリント回路基板電極との間の導通不良の有
無を評価した。
バンプは、ウェハーから分離する前に、ロールにて、フ
ラッタニング処理を施し、当初半球状の頂部を示してい
たものを、平坦化し、平坦な端面を示す形状とした。こ
の状態で、はんだバンプの頂部は、いずれも概ね水平面
ないに位置するものとした。一方、熱硬化性樹脂組成物
として、上記の実施例1において調製されたポリアミド
樹脂組成物を用い、ホットメルトで利用されるアプリケ
ーターを用いて、このウエハー裏面にモールド注型法で
塗布層を形成した。なお、塗布層は、はんだバンプ全体
を被覆し、また、はんだバンプの頂部と塗布層の上面
は、ほぼ水平面となるようにした。
離に先立ち、ダイシング装置の研削ブレードを利用し、
ウエハー裏面には接しない範囲で、最終的にチップ部品
のダイシングを行う周囲の塗布層のみを、均一な幅で研
削除去し、ストライプ状にウエハー裏面を露出させた。
その結果、各チップ部品とした際、その最外周部に位置
するはんだバンプから200μm隔たった位置に塗布層
の外周が位置する形態とした。最後に、先に露出された
ストライプ状にウエハー裏面の中央において、ダイシン
グを行い、各チップ部品の分割を行った。分割されたチ
ップ部品において、塗布層の外周は、チップ部品の外周
より、内側に位置する状態となっていた。
部品をプリント回路板上に実装した。実装後、導通試験
とリペア性の検証を同じ手順で実施した。なお、実装を
終えた後、封止充填剤の充填形態を確認したところ、良
好なフィレットが形成されていた。
記載するフリップチップ実装における、導通試験とリペ
ア性の検証結果を示す。ともに、良好な結果であり、ま
た、ボイドの発生も見出されなかった。
実装を行い、得られた実装済み半導体装置について、チ
ップ部品とプリント回路基板電極との間の導通不良の有
無を評価した。
成物に対して、トルエンと2−プロパノールの1:1
(重量比)混合溶剤を用いて、該ポリアミド組成物を1
5質量%溶解した溶液を調製した。
ウェハーから分離する前に、このウェハー裏面の塗布層
を形成すべき領域を取り囲むように、樹脂ダムを作製し
た。具体的には、ウェハーの外周に沿って、ウェハー端
に位置する各チップ部品をその内部に含む位置に、熱硬
化性樹脂をディスペンサーで塗布し、熱硬化して、樹脂
ダムを作製した。この樹脂ダム頂部の高さは、裏面に設
けられているはんだバンプの頂部より十分に高くした。
次いで、樹脂ダムで取り囲まれたウェハー裏面部分に前
記ポリアミド樹脂組成物溶液を注入し、樹脂ダム頂部に
達するまで溶液で満たした。従って、裏面に設けられて
いるはんだバンプの表面は、ポリアミド樹脂組成物溶液
中に浸された状態とされる。
成物溶液に、120℃で乾燥処理を施すことで、含まれ
ている混合溶剤を除去した。最終的に、ポリアミド組成
物が残留し、はんだバンプの表面を被覆するポリアミド
樹脂組成物の塗布層が形成される。しかる後に、この塗
布層形成工程に利用した樹脂ダム層の除去を行い、ウェ
ハー裏面の塗布層形成を完了した。なお、この例でも、
樹脂ダム頂部の高さを適宜選択することで、得られる塗
布層は、はんだバンプ全体を被覆し、また、はんだバン
プの頂部と塗布層の上面は、ほぼ水平面となるようにし
た。
離工程を、上記実施例7に記載する手順で行うことで、
分割されたチップ部品において、塗布層の外周は、チッ
プ部品の外周より、内側に位置する状態となっていた。
また、上記のリフロー加熱条件にて、このチップ部品を
プリント回路板上に実装した。実装後、導通試験とリペ
ア性の検証を同じ手順で実施した。なお、実装を終えた
後、封止充填剤の充填形態を確認したところ、良好なフ
ィレットが形成されていた。
実装を行い、得られた実装済み半導体装置について、チ
ップ部品とプリント回路基板電極との間の導通不良の有
無を評価した。
ウェハーから分離する前に、このウェハー裏面の塗布層
を形成すべき領域を取り囲むように、樹脂ダムを作製し
た。具体的には、ウェハーの外周に沿って、ウェハー端
に位置する各チップ部品をその内部に含む位置に、熱硬
化性樹脂をディスペンサーで塗布し、熱硬化して、樹脂
ダムを作製した。この樹脂ダム頂部の高さは、裏面に設
けられているはんだバンプの頂部より若干高くした。加
えて、前記実施例8においては、作製された樹脂ダム
は、その内部に溶液を満たすことが可能な槽壁様の形状
であるが、本例では、樹脂ダムは、目的とする塗布領域
に対して、差し障りのない箇所に、幅1mm程度の寸断
部を設けた形態とした。
けた金型上に、樹脂ダムを作製したウェハー裏面が露呈
するように、裏返された状態で置いた。その上に、この
凹部を設けた金型と対をなす上蓋を被せた。その際、平
坦な面を有する上蓋の内面は、ウェハー裏面に形成され
た樹脂ダム頂部に対して、密に圧接しつつ、平坦に保た
れている。その状態で、樹脂ダムで取り囲まれている領
域内で、チップ部品をウェハーから分離した際には、最
終的にチップ部品の裏面に設ける熱可塑性樹脂組成物塗
布層とはならない位置に、上蓋表面から裏面へと達する
注入用ポート穴が上蓋に設けてある。
樹脂組成物として、上記の実施例1において調製された
ポリアミド樹脂組成物を用い、ホットメルトで利用され
るアプリケーターを用いて、このウェハー裏面にモール
ド注型法で塗布層を形成した。具体的には、溶融された
ポリアミド樹脂組成物を、注入用ポート穴を介して、樹
脂ダムで取り囲まれている領域内に注入し、その際、モ
ールド側壁として機能する樹脂ダムには、幅1mm程度
の寸断部を設けてあるため、この寸断部を通って内部に
気体は押し出される。その結果、樹脂ダムと上蓋裏面と
で覆われた領域内を完全に満たすように、ポリアミド樹
脂組成物の注入がなされる。最終的に、注入したポリア
ミド組成物を再び固化することで、はんだバンプの表面
を被覆するポリアミド樹脂組成物の塗布層が形成され
る。しかる後に、この塗布層形成工程に利用した樹脂ダ
ム層の除去を行い、ウェハー裏面の塗布層形成を完了し
た。なお、この例でも、樹脂ダム頂部の高さを適宜選択
することで、得られる塗布層は、はんだバンプ全体を被
覆し、また、はんだバンプの頂部と塗布層の上面は、ほ
ぼ水平面となるようにした。
離工程を、上記実施例7に記載する手順で行うことで、
分割されたチップ部品において、塗布層の外周は、チッ
プ部品の外周より、内側に位置する状態となっていた。
また、上記のリフロー加熱条件にて、このチップ部品を
プリント回路板上に実装した。実装後、導通試験とリペ
ア性の検証を同じ手順で実施した。なお、実装を終えた
後、封止充填剤の充填形態を確認したところ、良好なフ
ィレットが形成されていた。
記載するフリップチップ実装における、導通試験とリペ
ア性の検証結果を示す。ともに、良好な結果であり、ま
た、ボイドの発生も見出されなかった。
物は、主成分として、熱可塑性樹脂を含有し、この熱可
塑性樹脂に加えて、フラックス剤を必須成分として含有
したものとする、あるいは、主成分の熱可塑性樹脂自体
は、その分子内にフラックス性を示す原子団を有する高
分子とすることで、封止充填を行うため加熱を行う際、
溶融した熱可塑性樹脂で被覆して、外界からの酸素の進
入を防止しつつ、含まれているフラックス剤あるいはそ
の分子内にフラックス性を示す原子団がもたらすフラッ
クス性により、バンプ電極に用いているハンダ材料表
面、さらには、プリント基板の配線や接続パッド表面に
対して、それら金属表面に存在する酸化被膜の除去を可
能としている。従って、清浄なハンダ材料表面と接続パ
ッド表面等の間で緊密なハンダ接合が可能となり、同時
に、ハンダ接合後、実装されるチップ部品と回路基板と
の間隙を満たす熱可塑性樹脂による封止充填も達成でき
る。かかる封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物を利用する
封止充填方法により実装がなされた回路基板は、実装
後、仮にチップ部品を取り外す必要が生じた際、加熱し
て、熱可塑性樹脂を軟化あるいは溶融した状態とし、同
時に、一旦ハンダ接合を行ったハンダ材料を融解するこ
とで、チップ部品を回路基板上から容易に取り外すこと
が可能となり、リペア性を有する封止充填がなされた回
路基板となる。
用する封止充填方法における、チップ部品の裏面に形成
されたバンプ電極を覆う封止充填剤用熱可塑性樹脂組成
物の塗布層付与工程の一例を模式的に示す図である。
う封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物の塗布層付与工程の
一例であり、バンプ電極の頂部の平坦化工程と、その
後、熱可塑性樹脂組成物の塗布層の形成工程とにより、
バンプ電極の頂部と塗布層上面との水平化を行う一連の
工程を模式的に示す図である。
填剤用熱可塑性樹脂組成物の塗布層付与と、その塗布層
の部分的な研削除去とを利用し、最終的にダイシング工
程で分離を行う一連に工程による、チップ部品の外周よ
り塗布層の外周を内側とする手段の一例を模式的に示す
図である。
う封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物の塗布層付与工程の
一例であり、ダイシング工程において、チップ部品をウ
ェハーからの分離するに先立ち、塗布層付与領域全体を
囲み込む樹脂ダムを作製し、熱可塑性樹脂組成物を含む
溶液で樹脂ダム内部を満たし、その後、溶液に含まれる
溶液の乾燥除去により、充填剤用熱可塑性樹脂組成物の
塗布層を形成する手段の一例を模式的に示す図である。
う封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物の塗布層付与工程の
一例であり、ダイシング工程において、チップ部品をウ
ェハーからの分離するに先立ち、塗布層付与領域全体を
囲み込む樹脂ダムを作製した上で、ウェハー全体を上蓋
付き金型内に収容し、上蓋の注入孔を介して、熱可塑性
樹脂組成物を樹脂ダム内部にモールド注型して、充填剤
用熱可塑性樹脂組成物の塗布層を形成する手段の一例を
模式的に示す図である。
Claims (14)
- 【請求項1】 基板上に表面実装部品を実装する際に、
表面実装部品に対する封止充填に利用される封止充填剤
用熱可塑性樹脂組成物であって、 主成分として、熱可塑性樹脂を含有し、 前記熱可塑性樹脂は、その分子内にフラックス性を示す
原子団を有し、 少なくとも、その軟化点は130℃以上であって、 前記の実装工程で利用されるハンダ材料の融点におい
て、軟化または溶融した状態をとり、 その軟化または溶解時において、少なくとも、前記熱可
塑性樹脂が接触する表面実装部品および基板に設けるバ
ンプやパッドを構成する金属材料の酸化被膜を除去可能
なフラックス活性を、前記のフラックス性を示す原子団
により有していることを特徴とする熱可塑性樹脂組成
物。 - 【請求項2】 基板上に表面実装部品を実装する際に、
表面実装部品に対する封止充填に利用される封止充填剤
用熱可塑性樹脂組成物であって、 主成分として、熱可塑性樹脂を含有し、 前記熱可塑性樹脂に加えて、フラックス剤を必須成分と
して含有し、 前記熱可塑性樹脂は、少なくとも、その軟化点は130
℃以上であって、 前記の実装工程で利用されるハンダ材料の融点におい
て、軟化または溶融した状態をとり、 その軟化または溶解時において、前記フラックス剤は前
記熱可塑性樹脂と相溶性を有し、少なくとも、前記熱可
塑性樹脂が接触する表面実装部品および基板に設けるバ
ンプやパッドを構成する金属材料の酸化被膜を除去可能
なフラックス活性を、前記フラックス剤により有してお
り、 フラックス剤の含有比率は、熱可塑性樹脂100質量部
当たり、15質量部以下であることを特徴とする熱可塑
性樹脂組成物。 - 【請求項3】 その分子内にフラックス性を示す原子団
を有する、前記熱可塑性樹脂は、 ポリアミドならびにポリアミドエステルからなる群から
選択される高分子であり、 少なくとも、その軟化点は130℃以上であって、 分子内に有するフラックス性を示す原子団として、前記
の高分子を構成する有機酸に由来する酸性基を有してい
ることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成
物。 - 【請求項4】 その分子内にフラックス性を示す原子団
を有する、前記熱可塑性樹脂は、二塩基酸化合物とプロ
トン供与体との脱水縮合するにより生成する高分子であ
り、 二塩基酸化合物とプロトン供与体とのモル配合比率R
(二塩基酸化合物/プロトン供与体)において、Rが1
を超える二塩基酸成分が過剰な組成を有し、 少なくとも、過剰な二塩基酸成分に付随して、前記高分
子の示す酸価は8(KOHmg/g)以上であることを
特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項5】 熱可塑性樹脂組成物に含まれる前記フラ
ックス剤は、その分子中にカルボキシ基を少なくとも1
つ以上有する化合物であることを特徴とする請求項2に
記載の熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項6】 前記の二塩基酸化合物とプロトン供与体
とのモル配合比率Rが1を超える高分子に加えて、 前記高分子中の、過剰となっている二塩基酸の酸基部分
に対して、その酸基と反応できる一官能あるいは二官能
の官能基を有する反応性希釈剤を添加し、 前記高分子が軟化または溶融した状態となる温度におい
て、 前記反応性希釈剤と、過剰な酸基との反応が可能であ
り、かかる反応により酸基が消費された後も、熱可塑性
を有する高分子となることを特徴とする請求項4に記載
の熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項7】 前記反応性希釈剤は、一官能あるいは二
官能の官能基を有するエポキシ樹脂であることを特徴と
する請求項6に記載の熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項8】 はんだバンプを有する表面実装部品を、
前記はんだバンプと電気的な接合に対応したパッドまた
はバンプを有する基板上に接合し、封止充填する方法で
あって、 封止充填剤として、前記請求項1〜7の何れかの記載さ
れる封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物を用い、 前記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物を、それ自体に含
まれる熱可塑性樹脂が軟化または融解し、また、前記は
んだバンプのハンダ材料が熔融する温度に加熱し、 その際、前記表面実装部品および基板に設けるバンプや
パッドを構成する金属材料の酸化被膜を、前記熱可塑性
樹脂組成物が有するフラックス活性により除去し、 前記はんだバンプを、基板上のそれと電気的な接合に対
応したパッドまたはバンプとの間でハンダ付けした後、 温度を降下させて、前記封止充填剤に含有される熱可塑
性樹脂の固化を行い、前記表面実装部品と基板との間隙
を封止充填することを特徴とする封止充填方法。 - 【請求項9】 封止充填前に実施する、前記表面実装部
品のはんだバンプ部への前記封止充填剤用熱可塑性樹脂
組成物を塗布する工程を有し、 その塗布工程では、 ホットメルトに利用可能な加熱アプリケーターを用い
て、前記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物を一旦軟化さ
せて、はんだバンプ部へ塗布する方法、 あるいは、モールド注型して、はんだバンプ部を含む領
域に前記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物を塗布する方
法の何れかを選択し、 前記はんだバンプのバンプ面を一様に覆うように前記封
止充填剤用熱可塑性樹脂組成物の塗布層を付与すること
を特徴とする請求項8に記載の封止充填方法。 - 【請求項10】 封止充填前に実施する、前記表面実装
部品のはんだバンプ部への前記封止充填剤用熱可塑性樹
脂組成物を塗布する工程を有し、 その塗布工程では、 はんだバンプを有する前記表面実装部品おいて、前記は
んだバンプをその内に含む前記塗布のなされる領域を取
り囲む位置に、熱可塑性を示さない樹脂材料からなるダ
ム形状の周壁を形成し、前記周壁の頂部高さをはんだバ
ンプ頂部高さより高く選択し、 前記樹脂材料からなるダム形状の周壁内に、前記封止充
填剤用熱可塑性樹脂組成物を溶剤に溶解してなる溶液
を、少なくとも前記はんだバンプ頂部を浸す液量で満た
し、 その後、前記周壁内を満たす溶液中に含まれる溶剤を乾
燥除去して、前記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物を再
析出させることで、はんだバンプ部を含む領域に前記封
止充填剤用熱可塑性樹脂組成物を塗布する方法を用い
て、 前記はんだバンプのバンプ面を一様に覆うように前記封
止充填剤用熱可塑性樹脂組成物の塗布層を付与すること
を特徴とする請求項8に記載の封止充填方法。 - 【請求項11】 封止充填前に実施する、前記表面実装
部品のはんだバンプ部への前記封止充填剤用熱可塑性樹
脂組成物を塗布する工程を有し、 かかる塗布工程は、 前記はんだバンプの頂部を予め平坦化して、前記表面実
装部品の裏面に形成されている複数のはんだバンプの頂
部を、概ね同一の水平面に位置する高さとする工程と、 その後、平坦化処理が施された、表面実装部品のはんだ
バンプ部への前記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物を塗
布する工程では、 ホットメルトに利用可能な加熱アプリケーターを用い
て、前記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物を一旦軟化さ
せて、はんだバンプ部へ塗布し、平坦化された前記はん
だバンプのバンプ面を一様に覆い、前記封止充填剤用熱
可塑性樹脂組成物の塗布層の上面と平坦化された前記は
んだバンプの頂部とが概ね同一の水平面を構成するよう
に、前記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物の塗布層の付
与を行う方法、 あるいは、モールド注型して、はんだバンプ部を含む領
域に前記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物を塗布し、前
記はんだバンプのバンプ面を一様に覆い、前記封止充填
剤用熱可塑性樹脂組成物の塗布層の上面と前記はんだバ
ンプの頂部とが概ね同一の水平面を構成するように、前
記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物の塗布層の付与を行
う方法の何れかを選択し、 前記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物の塗布を終えた、
はんだバンプ部を設ける前記表面実装部品の裏面側の水
平化がなされる工程とを含むことを特徴とする請求項8
に記載の封止充填方法。 - 【請求項12】 前記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物
の塗布を終えた、はんだバンプ部を設ける裏面側の水平
化がなされた前記表面実装部品において、 前記封止充填剤用熱可塑性樹脂組成物の塗布層の外周
と、前記表面実装部品自体の外周との相対的に配置を、
前記塗布層の外周は、前記表面実装部品自体の外周に対
して、その内側に位置し、かつ前記はんだバンプの全て
は、前記塗布層の外周の内側に位置するように配置する
ことを特徴とする請求項11に記載の封止充填方法。 - 【請求項13】 はんだバンプを有する表面実装部品
を、前記はんだバンプと電気的な接合に対応したパッド
またはバンプを有する基板上に接合し、封止充填されて
なる回路基板であって、 前記表面実装部品の基板上への接合と、封止充填とは、
請求項8〜12に記載の封止充填方法でなされており、 前記表面実装部品と基板との間隙を封止充填する、熱可
塑性樹脂を含有する封止充填剤は、再度、前記バンプ材
料の融点以上に加熱した際、熱可塑性を示すことを特徴
とする回路基板。 - 【請求項14】 前記表面実装部品と基板との間隙を封
止充填する、熱可塑性樹脂を含有する封止充填剤は、再
度、前記バンプ材料の融点以上に加熱した際、熱可塑性
を示し、 さらに、その軟化点は、前記バンプ材料の融点より低く
保たれることを特徴とする請求項13に記載の回路基
板。
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JP2008288455A (ja) * | 2007-05-18 | 2008-11-27 | Hitachi Chem Co Ltd | 半導体装置の実装方法及び半導体装置実装品 |
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2002
- 2002-03-28 JP JP2002091542A patent/JP3842686B2/ja not_active Expired - Fee Related
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