JP2003257372A - 放電ランプ - Google Patents

放電ランプ

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JP2003257372A
JP2003257372A JP2002058945A JP2002058945A JP2003257372A JP 2003257372 A JP2003257372 A JP 2003257372A JP 2002058945 A JP2002058945 A JP 2002058945A JP 2002058945 A JP2002058945 A JP 2002058945A JP 2003257372 A JP2003257372 A JP 2003257372A
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electrode
valve
discharge lamp
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JP2002058945A
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Toshio Hiruta
寿男 蛭田
Toshihiko Ishigami
敏彦 石神
Kozo Kamimura
幸三 上村
Nobuhiro Tamura
暢宏 田村
Takuya Honma
卓也 本間
Ikue Karibe
幾恵 苅部
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
Harison Toshiba Lighting Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】傾斜機能材料を用いて良好に封止するととも
に、電極の構造が簡単で、組立が容易な放電ランプを提
供する。 【解決手段】放電ランプは、主要部が非導電性材料から
なり、開口部1aを有するバルブ1と、先端の領域2a
が実質的にWからなる電極領域、基端の領域2cが電極
領域から離間して位置する非導電性材料リッチ領域、な
らびに中間の領域2bが電極領域および非導電性材料リ
ッチ領域の中間部に位置する導電性材料および非導電性
材料の混合割合が傾斜している傾斜材料領域であって、
これらの領域を一体化して備えた傾斜機能材料からな
り、電極領域がバルブ1の内部に対して臨むように少な
くとも非導電性材料リッチ領域でバルブ1の開口部1a
を閉塞している閉塞体2とを具備している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、傾斜機能材料を主
体とする閉塞体を用いてバルブを封止した放電ランプに
関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、特開平10−188897号
公報には、傾斜機能材料からなる閉塞体を用いてバルブ
を封止した高圧放電ランプが記載されている。この高圧
放電ランプは、上記公報の図1に示されているように、
石英ガラス製の発光管すなわちバルブの両端に形成した
閉塞部の端部を傾斜機能材料からなる閉塞体によって閉
塞している。閉塞体は、中心孔を有する筒状をなしてい
るとともに、シリカ粉末とモリブデン粉末の混合体で、
発光管の閉塞部に封止される一端がほぼSiO100
%、外部に露出する他端がSiOおよびMoそれぞれ
50%の組成となっていて、粉末の混合比率が長さ方向
に連続的または段階的に異なっている。そして、閉塞体
の中央孔に電極心棒を挿通し、他端の端面において金属
蝋により気密に固定している。(従来技術1) また、上記公報の図2に示されているように、閉塞体の
両端面からそれぞれ電気導電性を有する部分に達するが
貫通しない第1および第2の中心孔を形成し、第1の中
心孔から電極心棒、第2の中心孔から端子、をそれぞれ
挿入し、第1の中心孔の中間部において金属蝋を用いて
電極心棒を閉塞体に接続する構成も記載されている。
(従来技術2) さらに、特開平11−260315号公報には、傾斜機
能材料からなる閉塞部構造体の中心孔内に位置する電極
心棒の表面に高融点金属薄膜を被覆することにより、閉
塞部構造体を焼結した際に最冷点になるような隙間が形
成されなくなるとともに、クラックが生じなくなるよう
にした管球の閉塞体が記載されている。(従来技術3) そうして、従来技術1ないし3によれば、従来の箔シー
ル法における欠点である金属箔の酸化やメタルハライド
ランプにおけるハロゲン化物のシール部分への進入によ
る封止部のクラックや箔切れといった不具合を生じない
という利点がある。
【0003】また、従来技術1および2の場合、仮焼成
後に中心孔を形成して、電極心棒を挿入してから本焼成
を行なう構成であり、傾斜機能材料の収縮による応力が
発生して傾斜機能材料が割れやすくなるので、これを防
止するために、閉塞体の本焼成時の収縮によって生じる
応力を吸収緩和する緩衝部材を配置している。一方、従
来技術3においては、中心孔内に位置する電極心棒の表
面に高融点金属薄膜を形成している。高融点金属薄膜
は、閉塞材の仮焼結の状態で電極心棒を挿通する中心孔
を孔あけ加工により形成し、本焼成して閉塞体を得た後
に電極心棒を中心孔に圧入する構成であるため、電極心
棒の圧入時に閉塞体に割れが生じることがあることから
用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術1ないし3は、そのいずれも傾斜機能材料からなる閉
塞材に電極心棒を挿通して電極を組み立てる構造である
ため、電極の組立作業が煩雑である。また、緩衝部材や
高融点金属薄膜を配設しているために、構造が複雑にな
り、組立作業が一層煩雑になる。さらに、電極心棒取り
付けの際に使用する接着剤からの不純ガスの放出による
短寿命が生じやすいという問題がある。さらにまた、電
極心棒を挿入するために閉塞体に形成する中心孔を挿入
しやすくするために、径大に形成すると、熱や振動によ
るて電極抜けの不具合が発生しやすいという問題もあ
る。
【0005】本発明は、傾斜機能材料を主体とする閉塞
体を用いて良好に封止するとともに、電極の構造が簡単
で、組立が容易な放電ランプを提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明の放電ラ
ンプは、主要部が非導電性材料からなり、開口部を有す
るバルブと;先端が実質的にWからなる電極領域、電極
領域から離間して位置する非導電性材料リッチ領域、な
らびに電極領域および非導電性材料リッチ領域の中間部
に位置する導電性材料および非導電性材料の混合割合が
傾斜している傾斜材料領域を一体化して備えた傾斜機能
材料からなり、電極領域がバルブの内部に対して臨むよ
うに少なくとも非導電性材料リッチ領域でバルブの開口
部を閉塞している閉塞体と;を具備していることを特徴
としている。
【0007】本発明および以下の各発明において、特に
指定しない限り用語の定義および技術的意味は次によ
る。
【0008】「放電ランプ」とは、バルブの内部に電極
が封装される多様な各種の放電ランプを包含する広い概
念である。たとえば、高圧放電ランプおよび低圧放電ラ
ンプのいずれであってもよい。上記の高圧放電ランプ
は、バルブの内部に封入される放電媒体が点灯中に大気
圧程度の圧力になるものから80気圧以上の高圧になる
超高圧放電ランプといわれる放電ランプを含む。また、
バルブ内部に発生する放電は、金属蒸気放電およびガス
放電のいずれの態様であってもよい。したがって、たと
えばメタルハライドランプ、水銀ランプ、高圧ナトリウ
ムランプ、キセノンランプなどであることを許容する。
一方、低圧放電ランプは、放電媒体が大気圧以下の圧力
で点灯し、たとえば蛍光ランプおよび殺菌ランプなどの
低圧水銀蒸気放電ランプやネオンランプなどの希ガス放
電ランプなどを含む。
【0009】バルブは、主要部が非導電性材料からな
り、その開口部を後述する閉塞体を用いて封止すること
により、内部に電極を封装し、かつ、放電媒体を封入す
ることにより、気密な放電容器を構成して、内部に発生
する放電を包囲する。また、バルブは、放電により生じ
た放射を外部へ導出して照明やその他に利用するため
に、所望の放射に対する実質的な透過性を有している。
しかし、バルブの放射に対する透過性は、バルブの全体
にわたっていなければならないものではなく、所望の部
位が透過性を有していればよい。
【0010】また、バルブの開口部は、主要部の一部と
して非導電性材料にて形成されているとともに、バルブ
の所望位置に配設することができ、その数、サイズおよ
び形状などは特定の構成に限定されるものではない。た
とえばバルブの両端および一端のいずれでもよい。
【0011】さらにまた、バルブは、耐火性、放射に対
する透過性および加工性を備えていれば、特定の材料に
限定されない。なお、「耐火性」とは、放電ランプの動
作温度に十分に耐える程度であればよい。また、放射に
対する透過性は、バルブの少なくとも主要部のうち放射
を外部へ導出する部位が透過性であればよい。さらに、
「加工性」とは、バルブの開口部を閉塞体で気密に閉塞
する際の加工に応えることができればよい。バルブの構
成材料としては、たとえばガラスおよび透光性セラミッ
クスなど幅広く用いることができる。なお、「ガラス」
とは、石英ガラス、硬質ガラス、軟質ガラス、結晶化ガ
ラスおよびダイアモンドを含むものとする。また、「透
光性セラミックス」とは、透光性多結晶アルミニウム酸
化物、単結晶アルミニウム酸化物(サファイヤ)、イッ
トリウム−アルミニウム−ガリウム酸化物(YAG)、
イットリウム酸化物(YO)、アルミニウム窒化物など
を含む意味である。
【0012】本発明において、閉塞体は、バルブの開口
部を気密に閉塞するとともに、電極としても機能するも
ので、傾斜機能材料を主体として構成されていて、少な
くとも電極領域、傾斜材料領域および非導電性材料リッ
チ領域を一体化して備えているものとする。 電極領域
は、バルブの開口部を閉塞している状態で、バルブの内
部に対して臨むように位置している。なお、「バルブの
内部に対して臨む」とは、電極がバルブの内部に突出し
ている状態およびバルブの内部に連通する筒体が配設さ
れていて、その筒体の内部に電極が位置している状態の
いずれであってもよいことを意味している。また、電極
領域は、実質的にタングステンWからなる。なお、「実
質的にタングステンWからなる」とは、タングステンが
60質量%以上、好適には80質量%以上含有されてい
ることを意味する。さらに、電極領域は、その先端を半
球体形状にしたり、円錐体形状にしたりするなど電極に
適した所望の形状に形成することができる。
【0013】タングステンWは、高い耐火性と電子放射
性とを併せて有する金属であるために、放電ランプの電
極として好適である。したがって、100%タングステ
ンである純タングステンおよびドープドタングステンの
いずれでもよく、金属固体および傾斜機能材料の一部の
いずれで構成されていてもよい。金属固体のWを用いる
場合、傾斜材料領域と一緒に焼結して一体化することが
できる。なお、金属固体のWと傾斜材料領域とを直接融
着させてもよいし、金属蝋を介在させて融着させてもよ
い。また、金属固体のWが傾斜材料領域に固着されやす
くするために、Wの傾斜機能材料との接触面に複数の凹
凸やアンカー用凸部を形成することができる。
【0014】傾斜材料領域は、上記電極領域と後述する
非導電性材料リッチ領域との間において、これらと一体
化された状態で介在している。そして、導電性材料と非
導電性材料とが混合し、それらの混合比率が連続的また
は段階的に一端から他端に向かって順次変化している。
導電性材料は、W、Mo、Ta、PtおよびVなどの導
電性金属の一種または複数種ならびに導電性の金属酸化
物などを用いることができる。非導電性材料は、特に限
定されないが、バルブの開口部を構成している材料と同
様な材料を用いると熱膨張率差が小さくなるので好まし
い。
【0015】非導電性材料リッチ領域は、少なくともバ
ルブの開口部に対向する表面領域が非導電性材料リッチ
になっていればよい。したがって、内部は表面領域と同
様に非導電性材料リッチの状態および導電性材料リッチ
の状態のいずれであってもよい。
【0016】また、非導電性材料リッチ領域は、傾斜材
料領域の一部として構成されていてもよいし、別体とし
て構成されたものを用いてもよい。後者の場合、別体と
して用意された非導電性材料リッチ領域を傾斜機能材料
の一部として傾斜材料領域と一緒に焼結して一体化する
ことができる。なお、一体化する際に非導電性材料が溶
融して傾斜材料領域に融着させたり、非導電性材料の粉
末を介在させその粉末の溶融により融着させたり、低融
点ガラスを介在させて融着させたりすることができる。
【0017】さらに、非導電性材料リッチ領域は、構成
材料が特段限定されるものではないが、バルブの開口部
を構成している材料と同様な材料を用いると熱膨張率差
が小さくなるので好ましい。しかし、要すれば、異なる
材料であってもよい。
【0018】さらにまた、非導電性材料リッチ領域は、
非導電性材料が80〜100質量%程度であればよい。
しかし、好適にはより一層良好な封止が得られる97.
5〜100質量%の範囲である。
【0019】次に、閉塞体の非導電性材料リッチ領域に
よってバルブの開口部を閉塞するために適当な手段を用
いることができる。たとえば、非導電性材料リッチ領域
とバルブの開口部とを直接溶融させたり、フリットガラ
スや金属蝋を介したりして封止することができる。ま
た、非導電性材料リッチ領域とバルブの開口部との間に
非導電性材料リッチ領域の非導電性材料と同一の材料の
粉末たとえばSiO粉末やAl粉末を介在させ
て加熱溶融させることにより封止することもできる。い
ずれにしても、放電ランプの作動中の熱で封止が阻害さ
れないように封止する必要がある。
【0020】閉塞体の電極領域に対して放電ランプの外
部から給電するための手段は、既知の手段を用いて行な
うことができ、したがって特段限定されない。たとえ
ば、非導電性材料リッチ領域の端面から電極領域に導電
的に到達する連通孔を形成して、外部導入線を挿入して
接続することができる。なお、「導電的に到達する」と
は、電極領域に直接到達するだけでなく、導電性材料リ
ッチ領域が電極領域に隣接していて、導電性材料に到達
するが電極領域には到達しない挿入孔が形成されている
態様を含む意味である。また、閉塞体の導電性材料リッ
チ領域を中心軸に沿って形成し、導電性材料リッチ領域
を包囲するように傾斜材料領域および非導電性材料リッ
チ領域を順次同軸的に外側に向かって形成するととも
に、導電性材料リッチ領域の先端に電極領域を形成して
もよい。そうすれば、導電性材料リッチ領域の基端を経
由して電極領域に給電することが可能になる。この場合
の給電は、上記基端に挿入孔を形成して外部導入線を接
続したり、導電性材料リッチ領域に接触する口金キャッ
プを閉塞体のバルブから外部へ突出している部分に装着
したりすることにより行なうことができる。
【0021】傾斜機能材料は、既知の手段により製作す
ることができる。たとえば、スリップキャスト法、フロ
ックキャスト法、プレス法および一部材料排出法(仮
称)などによることができる。スリップキャスト法は、
導電性材料および非導電性材料を含有するスラリーを石
膏などの吸水性を有する鋳型に鋳込み、傾斜沈殿させて
得た成形体を乾燥後焼結することにより、傾斜機能材料
を得る製造方法である。
【0022】フロックキャスト法は、溶媒、凝固剤、導
電性材料および非導電性材料を含有するスラリーを湯浴
中で成形する過程で比重差を利用して組成割合を連続的
に変化させる方法である。
【0023】プレス法は、導電性材料と非導電性材料の
混合割合が異なった混合粉末を複数種用意して、それぞ
れの種類の混合粉末ごとに有機バインダーを添加した溶
媒とともに湿式混合して造粒し、乾燥したものを混合割
合順に金型内に層状に充填し、加圧して成形体を得、仮
焼結により有機バインダーを揮散させ、本焼結して傾斜
機能材料を得る製造方法である。
【0024】一部材料排出法は、まず所望の材料成分を
排出処理する前の材料として導電性材料のモリブデンと
非導電性材料のSiOが均一に混合しているか、混合
比率が傾斜している焼結体を用意する。そして、酸化雰
囲気中で焼結体を加熱する。焼結体中のモリブデンが酸
化して昇華するため、表面層中のモリブデンが深さ方向
に応じて低減する。その結果、焼結体の深さ方向に混合
比率が傾斜した傾斜機能材料が得られる。
【0025】そうして、本発明においては、電極が閉塞
体の一部によって構成されているので、閉塞体を成形す
る際に電極が一体的に形成され、かつ、バルブの開口部
を閉塞体で閉塞すれば、電極がバルブ内の所定の位置に
封装される。そのため、放電ランプの構造が簡単にな
り、放電ランプの組立も容易になる。
【0026】また、電極心棒取り付けの際に接着剤を使
用しなくてよいから、不純ガスが放出する虞のある接着
剤を用いなくてよいので、不純ガス放出による短寿命が
ないばかりか、さらに電極を挿入するための中心孔が不
要になるので、電極抜けの不具合が発生しにくくなる。
【0027】請求項2の放電ランプは、主要部が非導電
性材料からなり、開口部を有するバルブと;導電性材料
および非導電性材料の混合割合が傾斜している傾斜材料
領域を備えた傾斜機能材料からなり、先端がバルブの内
部に突出するとともに実質的に導電性材料によって形成
され、傾斜機能材料領域を介して離間している非導電性
リッチ領域でバルブの開口部を閉塞している閉塞体と;
を具備していることを特徴としている。
【0028】閉塞体の実質的に導電性材料によって形成
された先端は、傾斜材料領域の導電性材料リッチ部分に
よって構成されていてもよいし、WやMoの金属固体に
よって構成されていてもよい。後者の場合、導電性部分
は、別体として形成されたものを傾斜機能材料の一部と
して傾斜材料領域と一緒に焼結して一体化することがで
きる。
【0029】非導電性リッチ領域は、傾斜材料領域の一
部の非導電性材料リッチ部分によって構成されていても
よいし、別体として形成されたものを傾斜機能材料の一
部として傾斜材料領域と一緒に焼結して一体化してもよ
い。
【0030】そうして、本発明においては、電極が閉塞
体を構成する傾斜機能材料の一部として形成されている
ので、閉塞体を成形する際に電極が一体的に形成され、
かつ、バルブの開口部を閉塞体で閉塞すれば、電極がバ
ルブ内の所定の位置に封装される。そのため、放電ラン
プの構造が簡単になり、放電ランプの組立も容易にな
る。
【0031】請求項3の発明の放電ランプは、請求項1
または2記載の放電ランプにおいて、バルブは、主要部
が石英ガラスからなり;閉塞体は、導電性材料がWおよ
びMoの少なくとも1種を主体としていて、非導電性材
料がSiOを主体としている;ことを特徴としてい
る。
【0032】本発明は、バルブおよび閉塞体の好適な構
成材料を規定している。すなわち、バルブは、主要部が
石英ガラスからなるので、従来の金属箔による封止の問
題が解消する。また、閉塞体は、導電性材料がWおよび
Moの少なくとも一種を主体としているため、電極とし
て好適な材料であるとともに、非導電性材料がSiO
を主体としていることと相まって両者の熱膨張率が比較
的接近していることにより、傾斜機能材料のクラックが
少なくなる。また、非導電性材料とバルブの材料が同質
になるので、良好な封止を行なうことができる。
【0033】そうして、本発明においては、従来の金属
箔を用いた封止部におけるような問題のない良好な封止
部を形成することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0035】図1および図2は、本発明の放電ランプの
第1の実施形態としてのメタルハライドランプを示し、
図1は正面図、図2は電極マウントの拡大断面図であ
る。各図において、1はバルブ、2、2は一対の閉塞
体、3、3は一対の外部導入線である。
【0036】バルブ1は、石英ガラスからなり、包囲部
1aおよび開口部1bを備えている。包囲部1aは、紡
錘形状をなし、内部が中空で放電空間1cとなる。な
お、一実施例としての包囲部1aの内径は約6mmであ
る。開口部1bは、包囲部1aの管軸方向の両端にその
一対が形成されていて、それぞれ放電空間1cに連通す
るとともに、内径が閉塞体2の外径よりわずかに大きい
筒状をなしている。
【0037】閉塞体2は、図2に拡大して示すように、
柱状をなしていて、長さ方向に3つの領域すなわち先端
の領域2a、中間の領域2bおよび基端の領域2cが一
体化して形成されている。すなわち、先端の領域2a
は、電極領域または実質的に導電性材料によって形成さ
れた領域からなる。また、先端の領域2aは、タングス
テンが80質量%以上含有されていて、後述するように
電極の機能を奏する。そして、先端が半球体形状をなし
ている。なお、一実施例として閉塞体2の直径は、2m
m、長さは12mmである。
【0038】閉塞体の基端の領域2cは、非導電性材料
リッチ領域からなる。この領域は、SiOが97.5
質量%以上含有されている。そして、基端の領域2c
は、後述するように封止部sを形成する。
【0039】先端の電極領域2aと非導電性材料リッチ
領域からなる基端の領域2cとの間に中間の領域2bが
存在している。この中間の領域2bは、傾斜材料領域か
らなる。傾斜材料領域は、導電性材料がMoからなると
ともに、非導電性材料がSiOからなり、それらの含
有比率が先端側で導電性材料の含有比率が例えば50質
量%以上で相対的に大きくなっていて、順次導電性材料
の比率が低くなっていき、基端側で非導電性材料の含有
比率が80質量%以上で相対的に大きくなっている。
【0040】また、閉塞体2の基端面から先端の領域2
aまで達する挿入孔2dが中心軸部分に沿って形成され
ている。
【0041】外部導入線3は、モリブデン棒からなり、
先端が挿入孔2d内に挿入されて閉塞体2の先端の領域
2aに接続している。また、外部導入線3は、その基端
側が閉塞体2の基端から外部へ導出されている。
【0042】そうして、閉塞体2と外部導入線3とは、
電極マウントMを構成し、閉塞体2の部分でバルブ1の
開口部を閉塞している。すなわち、閉塞体2をその先端
の領域2aがバルブ1の包囲部1a内に突出するように
開口部2b内に挿入し、かつ、非導電性材料リッチ領域
からなる基端の領域2cと開口部2bとをアルゴンプラ
ズマバーナーや酸素−水素バーナーなどにより加熱溶融
させて、それらを気密に封止し、封止部sを形成してい
る。これによりバルブ1の包囲部1aの両端が封止され
て気密な放電空間1cが形成されている。また、放電空
間1cの両端から一対の閉塞体2、2の先端の領域2
a、2aが一対の電極として突出して離間対向する。な
お、一実施例として電極間距離は1.4mmである。放
電空間1c内には、上記封止に先立って放電媒体の一実
施例としてたとえば水銀、ScおよびNaのヨウ化物な
らびにアルゴンが封入されてメタルハライドランプが構
成される。また、定格ランプ電力は100W、ランプ電
圧は83Vである。
【0043】一対の外部導入線3、3を点灯回路の出力
端間に接続することにより、放電ランプを点灯すること
ができる。このとき、一対の閉塞体2、2の先端の領域
2aが電極として作用する。
【0044】図3は、本発明の放電ランプの第2の実施
形態における電極マウントの拡大断面図である。本実施
形態は、閉塞体2の先端の領域2aにおける先端が円錐
体形状をなしている点で異なる。なお、円錐体形状の頂
部は、径の小さな球面状をなしている。
【0045】そうして、本実施形態においては、上記の
構成により先端の領域2aが電極として作用する際に、
陰極輝点が安定するので、明るさのちらつきが生じにく
いとともに、陰極温度を所要に高めることができる。
【0046】図4は、本発明の放電ランプの第3の実施
形態における電極マウントの拡大断面図である。本実施
形態は、閉塞体2の先端の領域2aがWの金属固体によ
り形成されている点で主として異なる。
【0047】すなわち、閉塞体2の先端の領域2aは、
中間の領域2bおよび基端の領域2cとは別体に形成さ
れるが、中間の領域2bおよび基端の領域2cと一緒に
焼結されて一体化された傾斜機能材料を構成している。
【0048】また、閉塞体2の挿入孔2dは、中間の領
域2bの導電性材料の含有比率が相対的に大きい部分ま
で形成されていて、導電性材料の含有比率が相対的に大
きい部分を介して先端の領域2cに導電的に接続してい
る。
【0049】
【発明の効果】請求項1ないし3の各発明によれば、先
端が実質的にWからなる電極領域、電極領域から離間し
て位置する非導電性材料リッチ領域、ならびに電極領域
および非導電性材料リッチ領域の中間部に位置する導電
性材料および非導電性材料の混合割合が傾斜している傾
斜材料領域を一体化して備えた傾斜機能材料からなり、
電極領域がバルブの内部に対して臨むように少なくとも
非導電性材料リッチ領域でバルブの開口部を閉塞してい
る閉塞体を具備していることにより、良好に封止すると
ともに、電極の構造が簡単、かつ、組立が容易で、接着
剤からの不純ガス放出がなく、しかも、電極抜けの虞が
ない放電ランプを提供することができる。
【0050】請求項3の発明によれば、バルブの主要部
が石英ガラスからなるとともに、閉塞体が非導電性材料
がSiO、を主体としていて、導電性材料がWおよび
Moの少なくとも1種を主体としていることにより、金
属箔を用いた封止部におけるような問題のない良好な封
止が得られる封止部を備えた放電ランプを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放電ランプの第1の実施形態としての
メタルハライドランプを示す正面図
【図2】同じく電極マウントの拡大断面図
【図3】本発明の放電ランプの第2の実施形態における
電極マウントの拡大断面図
【図4】本発明の放電ランプの第3の実施形態における
電極マウントの拡大断面図
【符号の説明】
1…バルブ、1a…包囲部、1b…開口部、1d…放電
空間、2…閉塞体、2a…先端の領域、2b…中間の領
域、2c…基端の領域、3…外部導入線、M…電極マウ
ント、s…封止部
【手続補正書】
【提出日】平成14年3月7日(2002.3.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 1…バルブ、1a…包囲部、1b…開口部、1c…放電
空間、2…閉塞体、2a…先端の領域、2b…中間の領
域、2c…基端の領域、3…外部導入線、M…電極マウ
ント、s…封止部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石神 敏彦 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 上村 幸三 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 田村 暢宏 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 本間 卓也 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 苅部 幾恵 愛媛県今治市旭町5丁目2番地の1ハリソ ン東芝ライティング株式会社内 Fターム(参考) 5C043 AA13 AA17 CC01 CC11 CC16 CD01 DD15 EB18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主要部が非導電性材料からなり、開口部を
    有するバルブと;先端が実質的にWからなる電極領域、
    電極領域から離間して位置する非導電性材料リッチ領
    域、ならびに電極領域および非導電性材料リッチ領域の
    中間部に位置する導電性材料および非導電性材料の混合
    割合が傾斜している傾斜材料領域を一体化して備えた傾
    斜機能材料からなり、電極領域がバルブの内部に対して
    臨むように少なくとも非導電性材料リッチ領域でバルブ
    の開口部を閉塞している閉塞体と;を具備していること
    を特徴とする放電ランプ。
  2. 【請求項2】主要部が非導電性材料からなり、開口部を
    有するバルブと;導電性材料および非導電性材料の混合
    割合が傾斜している傾斜材料領域を備えた傾斜機能材料
    からなり、先端がバルブの内部に突出するとともに実質
    的に導電性材料によって形成され、傾斜材料領域を介し
    て離間している非導電性リッチ領域でバルブの開口部を
    閉塞している閉塞体と;を具備していることを特徴とす
    る放電ランプ。
  3. 【請求項3】バルブは、主要部が石英ガラスからなり;
    閉塞体は、導電性材料がWおよびMoの少なくとも1種
    を主体としていて、非導電性材料がSiO、を主体と
    している;ことを特徴とする請求項1または2記載の放
    電ランプ。
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