JP2003257344A - 表示装置およびその製造方法 - Google Patents

表示装置およびその製造方法

Info

Publication number
JP2003257344A
JP2003257344A JP2002054681A JP2002054681A JP2003257344A JP 2003257344 A JP2003257344 A JP 2003257344A JP 2002054681 A JP2002054681 A JP 2002054681A JP 2002054681 A JP2002054681 A JP 2002054681A JP 2003257344 A JP2003257344 A JP 2003257344A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
forming
substrate
pattern
conductive layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002054681A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3854174B2 (ja
Inventor
Takeo Ito
武夫 伊藤
Shuzo Matsuda
秀三 松田
Hajime Tanaka
肇 田中
Masayuki Yoshii
正之 吉井
Tomoko Nakazawa
知子 中澤
Kazuo Sakai
和夫 坂井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Fuji Pigment Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Corp
Fuji Pigment Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Fuji Pigment Co Ltd filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2002054681A priority Critical patent/JP3854174B2/ja
Publication of JP2003257344A publication Critical patent/JP2003257344A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3854174B2 publication Critical patent/JP3854174B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子放出能力が高く安価で寿命の長い電子源
を備え、発光効率が高く信頼性の高い表示装置を提供す
る。 【解決手段】 この表示装置は、内面に電子源が形成さ
れたリアプレートと蛍光体層を有するフェースプレート
とが対向配置されて構成されている。電子源は、所定の
パターンで形成されたAl層と、Al層の片面に陽極酸
化により形成された多孔質アルミナ層、そのナノホール
内に形成されたNiなどの埋め込み層、および多孔質ア
ルミナ層の表面に異なるパターンで形成されたAu等の
薄膜を備え、多孔質アルミナ層のナノホールの底端部と
Al層とは、アルミナから成るバリア層により隔てられ
た構造になっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示装置、および
表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、平面型の画像表示装置として、フ
ィールドエミッションディスプレイ(以下、FEDと示
す。)の開発が進められている。このFEDは、所定の
隙間をおいて対向配置されたフェースプレートとリアプ
レートとを有し、フェースプレートの内面には3色の蛍
光体層が形成され、リアプレートの内面には、これらの
蛍光体を励起する電子を放出する電子放出源が設けられ
ている。
【0003】従来、FEDの電子放出源として、スピン
ドル型と称する構造が提案されている。この電子放出源
は、Moから形成された電子放出部の先鋭部に電界を集
中させ、蛍光体層との間にかけた電圧により電子放出部
から電子を放出させて蛍光体を発光させる構造を有して
いる。この方式により、薄型の平面表示装置が実現され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た電子放出源は非常に精細な構造を有し、均一にかつ簡
便に多数形成することが極めて難しかった。したがっ
て、このような電子放出源を用いて大型の平面表示装置
を作ることが困難であるとともに、小型画面の平面表示
装置であっても製造コストが高くなってしまうという問
題があった。また、電子放出源の僅かな形状の相違によ
り電子放出能力に違いが生じるため、安定した画像を得
ることが難しかった。
【0005】最近、アルミニウム(Al)の陽極酸化に
より得られる、直径が数nm〜数100nmの極めて微
細な細孔(ナノホール)に、カーボンナノチューブ(C
N)を形成して電子放出源とした構造が提案されている
(Displays21(2000)P99-104参照)。
【0006】しかしながら、このような構造の電子放出
源においては、CNが高価格であるばかりでなく、管内
の真空度が低いと管内ガスがCNを汚染するため寿命が
短くなるなど、実用化面で多くの問題があった。
【0007】本発明は、これらの問題を解決するために
なされたもので、その目的は、電子放出能力が高く低真
空度でも長寿命の電子源を備え、発光効率が高く安価で
信頼性の高い表示装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る表示装置
は、互いに対向して配置された第1の基板および第2の
基板と、前記第1の基板の内面に設けられた蛍光体層
と、前記第2の基板の内面側に設けられ、前記蛍光体層
を励起する電子を放出する電子源とを備えた表示装置で
あり、前記電子源は、絶縁性基板上に形成された所定の
パターンを有する導電層と、前記導電層の上に配設され
た該導電層と同一のパターンを有する多数の微細孔を含
む絶縁体層と、前記絶縁体層の微細孔内に形成された導
体または半導体の埋め込み層と、前記絶縁体層の表面に
前記導体または半導体埋め込み層と接触して形成され
た、前記導電層と異なるパターンを有する導電性金属薄
膜とを備え、前記絶縁体層の有する微細孔の底端部と前
記導電層とが、前記絶縁体から成るバリア層により隔て
られ、かつ前記導電層と前記導電性金属薄膜との間に印
加される電圧により、電子が放出されることを特徴とす
る。
【0009】本発明の表示装置では、電子源において、
微細孔を有する絶縁体層を多孔質アルミナ層とすること
ができる。そして、この多孔質アルミナ層としては、ア
ルミニウムを主成分とする層の陽極酸化により得られる
酸化アルミニウム層が好適する。また、導電性金属薄膜
を間に挟んで導電層と反対側に、第3の電極を設けるこ
とができる。
【0010】また、本発明の表示装置では、電子源にお
いて、導電層および該導電層と同一のパターンを有する
絶縁体層の少なくともパターンエッジ部に、絶縁被覆層
を形成し、その上に導電性金属薄膜を形成することがで
きる。また、絶縁体層表面の電子放出部以外の部分の一
部または全部および絶縁性基板表面の一部または全部
に、絶縁被覆層を形成することができる。
【0011】本発明に係る表示装置の製造方法は、第1
の基板の内面に蛍光体層を形成する工程と、第2の基板
の内面に、前記蛍光体を励起する電子を放出する電子源
を形成する工程と、前記蛍光体層と前記電子源とが間隙
を有して対向するように、前記第1の基板と第2の基板
を配置して接合する工程とを備えており、前記電子源の
形成工程は、絶縁性基板上にアルミニウムを主成分とす
る導電層を所定のパターンで形成する工程と、前記導電
層を陽極酸化することにより、前記基板側を導電層のま
まで残しながら、該基板と反対側に微細孔を有する酸化
アルミニウム層を形成する陽極酸化工程と、前記酸化ア
ルミニウム層の微細孔内に導体または半導体の埋め込み
層を形成する埋め込み層形成工程と、前記酸化アルミニ
ウム層の表面に、前記導体または半導体埋め込み層と接
触する導電性金属薄膜を、前記導電層と異なるパターン
で形成する薄膜パターン形成工程とを備え、前記陽極酸
化工程において、前記微細孔の底端部と前記導電層との
間に、前記酸化アルミニウムから成るバリア層を形成す
ることを特徴とする。
【0012】この表示装置の製造方法において、埋め込
み層形成工程と薄膜パターン形成工程との間に、導電層
および酸化アルミニウム層のパターンの少なくともエッ
ジ部に絶縁被覆層を形成する工程を有することができ
る。また、埋め込み層形成工程と薄膜パターン形成工程
との間に、絶縁体層表面の電子放出部以外の部分の一部
または全部および絶縁性基板表面の一部または全部に、
絶縁被覆層を形成する工程を有することができる。
【0013】さらに、本発明に係る別の表示装置の製造
方法は、第1の基板の内面に蛍光体層を形成する工程
と、第2の基板の内面に、前記蛍光体を励起する電子を
放出する電子源を形成する工程と、前記蛍光体層と前記
電子源とが間隙を有して対向するように、前記第1の基
板と第2の基板を配置して接合する工程とを備えてお
り、前記電子源の形成工程は、絶縁性基板上にアルミニ
ウムを主成分とする導電層を形成する工程と、前記導電
層を陽極酸化することにより、前記基板側を導電層のま
まで残しながら、該基板と反対側に微細孔を有する酸化
アルミニウム層を形成する陽極酸化工程と、前記酸化ア
ルミニウム層の微細孔内に導体または半導体の埋め込み
層を形成する埋め込み層形成工程と、前記導電層と前記
微細孔内に導体または半導体の埋め込み層が形成された
前記酸化アルミニウム層との積層膜を、エッチングによ
り所定のパターンに形成する積層膜パターニング工程
と、前記酸化アルミニウム層のパターンの表面に、前記
導体または半導体埋め込み層と接触する導電性金属の薄
膜を、前記酸化アルミニウム層と異なるパターンで形成
する薄膜パターン形成工程とを備え、前記陽極酸化工程
において、前記微細孔の底端部と前記導電層との間に、
前記酸化アルミニウムから成るバリア層を形成すること
を特徴とする。
【0014】この表示装置の製造方法において、積層膜
パターニング工程と薄膜パターン形成工程との間に、導
電層および酸化アルミニウム層のパターンの少なくとも
エッジ部に絶縁被覆層を形成する工程を有することがで
きる。また、積層膜パターニング工程と薄膜パターン形
成工程との間に、絶縁体層表面の電子放出部以外の部分
の一部または全部および絶縁性基板表面の一部または全
部に、絶縁被覆層を形成する工程を有することができ
る。
【0015】本発明によれば、電子源において、多孔質
絶縁体層の有する微細孔の内部に、導体または半導体埋
め込み層が形成されるとともに、この微細孔の底端部と
下層の導電層との間に、前記絶縁体によるバリア層が設
けられており、バリア層がトンネル障壁層となる。そし
て、埋め込み層と接触するように形成された導電性金属
の薄膜と前記導電層との間に電圧を印加することによ
り、バリア層に電界が集中して電子が放出されるので、
均一で電子の放出能力が高い電子源が得られる。また、
電子放出部と雰囲気ガスとの直接接触が回避されている
ので、電子放出部の汚染による劣化がほとんど生じず、
長寿命の表示装置が実現される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の表示装置をFEDに適用した実施の形態について説
明する。
【0017】このFEDは、図1に示すように、それぞ
れ矩形状のガラス基板からなるリアプレート1およびフ
ェースプレート2を備え、これらのプレートは所定の間
隔をおいて対向配置されている。そして、リアプレート
1とフェースプレート2は、それぞれ周端部がガラスか
らなる矩形枠状の側壁3を介して接合され、真空外囲器
4を形成している。
【0018】フェースプレート2の内面には、蛍光体ス
クリーン5が形成されている。蛍光体スクリーン5は、
ストライプ状あるいはドット状に形成された赤(R)、
青(B)、緑(G)の3色の蛍光体層と黒色顔料から成
る光吸収層が、並べられて構成されている。また、蛍光
体スクリーン5とフェースプレート2との間には、例え
ばITOからなる対向電極6が配置されている。
【0019】ここで、光吸収層はフォトリソグラフィな
どにより形成することができる。また、赤(R)、青
(B)、緑(G)の3色の蛍光体層の形成は、ZnS
系、Y系、YS系などの蛍光体液を用いた
スラリー法で行うことができる。なお、各色の蛍光体層
の形成は、スプレー法や印刷法で行うこともでき、これ
らの方法においても、必要に応じてフォトリソグラフィ
によるパターン形成(パターニング)を併用することが
できる。
【0020】リアプレート1の内面には、電子ビーム
(矢印で示す。)を放出して蛍光体を励起する電子源7
が設けられている。側壁3は、例えばフリットガラスに
よりリアプレート1の周縁部およびフェースプレート2
の周縁部に封着され、これらリアプレート1とフェース
プレート2および側壁3から構成された真空外囲器4の
内部がほぼ真空に保持されている。さらに、リアプレー
ト1とフェースプレート2の間には、これらのプレート
間の間隙を維持するため、多数のスペーサ(図示を省
略。)が所定の間隔をおいて配置されている。スペーサ
はそれぞれ板状あるいは柱状に形成されている。
【0021】電子源7は、図2に拡大して示すように、
リアプレートのような絶縁性基板8の上に所定のパター
ンで形成された導電層9を有し、この導電層9の片面
(蛍光体スクリーンと対向する側の面)には、直径が数
nm〜数100nmのサイズで表面に対してほぼ垂直方
向に延びた多数の微細孔(ナノホール)10を有する絶
縁体層11が、導電層9と同一のパターンで形成されて
いる。
【0022】ここで、導電層9としては、例えばAlを
主成分とする層(以下、Al層と示す。)が挙げられ
る。そして、このAl層を陽極酸化することにより、微
小間隔をおいて規則的に配列されたナノホール10を有
する多孔質酸化アルミニウム層を得ることができる。ま
た、導電層9としてチタン(Ti)層を用い、Ti層を
陽極酸化することによりナノホールを有する多孔質酸化
チタン層を形成することも可能である。アルミニウムや
チタンの他に、タンタル、ニオブ、バナジウム、ジルコ
ニウム、モリブデン、ハフニウム、タングステン等の金
属が挙げられる。さらに、多孔質酸化アルミニウム層の
ようなナノホール10を有する絶縁体層11を、陽極酸
化以外の方法で形成することもできる。
【0023】ナノホール10の内部には、Niなどの金
属埋め込み層12が形成されている。この金属埋め込み
層12の先端部(上端部)は、ナノホール10の上端開
口部とほぼ等しい高さまで延出して形成されている。金
属埋め込み層12の形成は、例えば電気化学的方法やC
VD法あるいは蒸着法などにより行うことができる。
【0024】また、ナノホール10内に埋め込まれる材
料としては、Ni以外に、Au、Ag、Cu、Co、F
e、Crなどの金属を挙げることができ、シリコンなど
の半導体や化合物半導体も使用することができる。金属
として埋め込まれたものの一部が酸化物の形態になって
いても、ある程度の導通が得られるものであれば、使用
することができる。さらに、これらの金属埋め込み層1
2は、ナノホール10内部に隙間なく充填されている必
要がなく、埋め込み層内部に微小な空隙部が存在して
も、導通が確保できれば良い。
【0025】そして、金属埋め込み層12が形成された
ナノホール10の底端部と導電層9とは、ナノホール1
0を有する絶縁体と同じ酸化アルミニウムなどから成る
バリア層13により隔てられている。
【0026】さらに、ナノホール10を有する絶縁体層
11の表面には、金属埋め込み層12と電気的に接触す
るように、Auなどの導電性金属の薄膜14が、導電層
9および多孔質絶縁体層11と異なるパターンで形成さ
れている。Au以外に他の導電性金属、例えばAl、A
gなどが使用可能である。Au薄膜パターンの形成は、
例えば蒸着、スパッタリングなどの方法により行うこと
ができる。
【0027】この電子源によれば、基準電極である導電
層9に対してAuなどの金属薄膜14に電圧を印加する
ことにより、バリア層13に電界が集中され、その結果
電子放出がなされる。そして、ナノホール10内の金属
埋め込み層12および金属薄膜14を突きぬけて、電子
が放出される。
【0028】このような構造を有する電子源において、
バリア層13の厚さの最適値は、バリア層13に加えら
れる電界強度に依存すると考えられる。そして、電界強
度は、金属埋め込み層12の抵抗値や、ナノホール10
の深さなど種々の要因の影響を受けるものと考えられ
る。バリア層13の厚さは、2nm〜50nmとするこ
とが望ましい。
【0029】バリア層13の厚さが2nm未満では、電
子放出(エミッション)が生じにくい。また、バリア層
13の厚さが50nmを超えても、安定した良好なエミ
ッションが生じにくくなる。
【0030】ナノホール10の深さは、50nm〜30
μmとし、孔径は2nm〜100nmとすることが望ま
しい。ナノホール10の深さは、浅いほうがエミッショ
ン発生は良くなるが、耐電圧性はかえって悪化する傾向
にある。また、孔径は、大きすぎると電界集中が少なく
なるため、エミッション発生電圧が大きくなり、逆に小
さすぎると、孔の形成が難しくなり好ましくない。ナノ
ホール10の深さ、孔径ともに、バリア層13にかかる
電界強度に影響を及ぼす。
【0031】金属埋め込み層12の厚さは、50nm〜
30μmとすることが望ましい。金属埋め込み層12の
厚さが50nm未満では、エミッション発生は良好であ
るが、耐電圧性が低下し好ましくない。反対に、金属埋
め込み層12の厚さが30μmを超えると、安定した良
好なエミッションを得ることが難しい。また、ナノホー
ル10の上端開口部から金属埋め込み層12の上端部ま
での距離が短いほど、エミッション発生電圧が低くなり
好ましい。さらに、ナノホール10の上端開口部から金
属埋め込み層12が飛び出していないほうが好ましい。
【0032】Auなどの導電性金属薄膜14の厚さは、
5nm〜300nmとすることが望ましい。導電性金属
薄膜14の厚さが5nm未満では、金属埋め込み層12
との間に安定した良好な導通を確保することが難しい。
反対に、300nmを超えると、電子が突きぬけて放出
されることが難しくなる。
【0033】さらに、この電子源では、導電性金属薄膜
14と導電層9との間に印加された電圧により、バリア
層13に電界を集中し電子を放出させるために、第1の
電極(陰極)である導電層9と第2の電極(陽極)であ
る導電性金属薄膜14との間の抵抗値を、5Ω〜2MΩ
の範囲とすることが望ましい。
【0034】以上のように構成される本発明の実施形態
によれば、電子放出(エミッション)能力が高く長寿命
で信頼性の高い電子源を備えており、発光効率が高く安
価で長寿命の表示装置を得ることができる。
【0035】また、電子源において、第1の電極である
導電層9と第2の電極である導電性金属薄膜14がそれ
ぞれ所定のパターンに形成されているので、電子発生部
位の調整ならびによび電子発生量の制御が可能である。
【0036】導電層9のパターンおよび導電性金属薄膜
14のパターンとして、単純マトリックス型のパターン
を有する電子源の第1の実施例を、図3および図4
(a)、(b)に示す。図4(a)および(b)は、そ
れぞれ図3におけるA−A断面図およびB−B断面図で
ある。
【0037】電子源の第1の実施例では、第1の電極
(下部電極)である導電層と第2の電極(上部電極)で
ある導電性金属薄膜が、直交する2本の軸(例えば、X
軸およびY軸)方向にそれぞれ平行にストライプ状に形
成され、これらの導電層パターン15および金属薄膜パ
ターン16が互いにクロスするように配置されている。
そして、クロスしているそれぞれのパターンが電極とし
て選択され、それらの電極の交点に電圧が印加される。
なお、図3および図4において、符号17は絶縁性基板
を示す。また、図4において、18は多孔質絶縁体層パ
ターン、19は多孔質絶縁体層の微細孔(ナノホール)
内に形成された金属埋め込み層をそれぞれ示す。
【0038】このような第1の実施例の電子源において
は、導電層パターン15と金属薄膜パターン16とが重
なり合った部分(図3において、Cで示す。)から電子
が放出される。各電極に印加する電圧などを制御するこ
とにより、電子発生部位を調整し電子発生量を制御する
ことができる。
【0039】また、下部電極である導電層パターン15
と上部電極である金属薄膜パターン16との間は絶縁さ
れているが、この絶縁をより確実に保つために、以下に
示す構造を採ることができる。
【0040】すなわち、電子源の第2の実施例では、図
5およびそのA−A断面図およびB−B断面図である図
6(a)、(b)に示すように、導電層パターン15お
よびそれと同一の形状を有する多孔質絶縁体層パターン
18のエッジ部に、絶縁被覆層20が形成され、その上
に金属薄膜パターン16が形成されている。絶縁被覆層
20を構成する絶縁材料として、例えばシリカ(SiO
2)のような絶縁性の酸化物を使用することができる。
【0041】また、第3の実施例では、図7(a)、
(b)および図7(a)におけるA−A断面図およびB
−B断面図である図8(a)、(b)に示すように、多
孔質絶縁体層パターン18表面の電子放出部以外の一部
または全部、および絶縁性基板17表面の一部または全
部に、絶縁被覆層20が形成されている。そして、この
絶縁被覆層20の上に金属薄膜パターン16が形成され
ている。絶縁被覆層20を構成する絶縁材料として、例
えばシリカ(SiO2)のような絶縁性の酸化物を使用
することができる。なお、図7(a)の一部を拡大して
示した図7(b)において、多孔質絶縁体層パターン1
8表面の電子放出部をEで示す。
【0042】第2および第3の実施例の電子源において
は、絶縁被覆層20により導電層パターン15および多
孔質絶縁体層パターン18のエッジ部の絶縁が補強され
ているので、パターン端部での絶縁破壊が起こりにく
い。したがって、第2および第3の実施例の電子源で
は、第1の実施例の電子源に比べて、絶縁破壊が高くな
り耐電圧性が向上する。
【0043】第1の実施例の電子源は、以下に示す方法
で製造することができる。
【0044】第1の製造方法においては、まず図9
(a)に示すように、ガラス基板のような絶縁性基板1
7の上に、アルミニウム(Al)等の導電層のパターン
15を形成する。導電層パターン15の形成方法として
は、所望のパターンの開口を有するマスクを介して、
Al等の金属を蒸着する。Al等の金属層を蒸着等に
より形成した後、この金属層の上に所望のパターンの耐
酸性保護層(レジスト層)をフォトリソグラフィにより
形成し、しかる後、酸などにより金属層をエッチングし
除去する。などの方法を採ることができる。
【0045】次いで、図9(b)に示すように、導電層
パターン15を陽極酸化する。このとき、絶縁性基板1
7側の所定厚の導電層は酸化しないで残すように、陽極
酸化の時間をコントロールし、基板と反対側の導電層を
酸化する。こうして、酸化されないで残った導電層パタ
ーン15の上に、微細孔(ナノホール)21を有する多
孔質絶縁体層(例えば、酸化アルミニウム層)のパター
ン18が形成される。
【0046】次に、図9(c)に示すように、多孔質絶
縁体層の微細孔(ナノホール)21の内部に、Niなど
の金属埋め込み層19を、電気化学的方法やCVD法あ
るいは蒸着法などにより形成する。
【0047】その後、図9(d)に示すように、多孔質
絶縁体層パターン18の上に、金属埋め込み層19に電
気的に接触するように、Auなどの導電性金属の薄膜パ
ターン16を、例えば、所望のパターンの開口を有する
マスクを介して導電性金属を蒸着あるいはスパッタリン
グするなどの方法で形成する。
【0048】また、第1の実施例の電子源は、別の方法
で製造することができる。第2の製造方法では、図10
(a)に示すように、絶縁性基板17の上に、アルミニ
ウム(Al)等の導電層22を例えば蒸着により形成し
た後、図10(b)に示すように、導電層22を陽極酸
化する。このとき、基板側の所定厚の導電層22は酸化
しないで残すように、陽極酸化の時間をコントロール
し、基板と反対側の導電層を酸化する。こうして、酸化
されないで残った導電層22の上に、微細孔(ナノホー
ル)21を有する多孔質絶縁体層(例えば、酸化アルミ
ニウム層)23が形成される。
【0049】次に、図10(c)に示すように、多孔質
絶縁体層23の微細孔21の内部に、Niなどの金属埋
め込み層19を、電気化学的方法やCVD法あるいは蒸
着法などにより形成する。
【0050】次いで、導電層22と多孔質絶縁体層23
の積層膜を所望のパターンにエッチングし、図10
(d)に示すように、導電層パターン15と多孔質絶縁
体層パターン18とを同時に形成する。積層膜のパター
ニングは、積層膜の上に所望のパターンのレジスト層
(保護層)をフォトリソグラフィにより形成した後、リ
ン酸クロム酸混酸などを用いて、レジスト層に覆われて
いない部分をエッチング除去し、さらに保護層を過酸化
物で剥離することにより行う。
【0051】次いで、図10(e)に示すように、多孔
質絶縁体層パターン18の上に、金属埋め込み層19に
電気的に接触するように、Auなどの導電性金属の薄膜
パターン16を、例えば、所望のパターンの開口を有す
るマスクを介して導電性金属を蒸着あるいはスパッタリ
ングするなどの方法で形成する。
【0052】第3の実施例の電子源は、図11に示す第
3の方法で製造することができる。すなわち、図9に示
す第1の製造方法において、多孔質絶縁体層の微細孔
(ナノホール)21の内部に、Niなどの金属埋め込み
層19を形成した後、図11(d)に示すように、導電
層パターン15および多孔質絶縁体層パターン18のエ
ッジ部および絶縁性基板17の全面を覆うように、シリ
カ(SiO2)等の絶縁被覆層20を形成する。
【0053】絶縁被覆層20は、例えば、所望のパター
ンの開口を有するマスクを介して、シリカ等の絶縁材料
をスパッタリングすることにより形成することができ
る。
【0054】また、多孔質絶縁体層パターン18上の電
子放出部を覆う保護層(レジスト層)を、フォトリソグ
ラフィにより形成した後、ゾルゲル法などを用いて全面
にシリカ層を形成した後、保護層の上のシリカ層を保護
層ごと除去する等の方法で形成することも可能である。
なお、第2の実施例の電子源は、絶縁被覆層20を、導
電層パターン15および多孔質絶縁体層パターン18の
エッジ部のみを覆うパターンで形成することにより、製
造することができる。
【0055】最後に、図11(e)に示すように、絶縁
被覆層20および多孔質絶縁体層パターン18の上に、
電子放出部である金属埋め込み層19に電気的に接触す
るように、Auなどの導電性金属の薄膜パターン16を
形成する。金属薄膜パターン16の形成は、例えば、所
望のパターンの開口を有するマスクを介して導電性金属
を蒸着あるいはスパッタリングするなどの方法で行うこ
とができる。
【0056】さらに、第3の実施例の電子源は、図12
に示す第4の方法で製造することもできる。すなわち、
図10に示す第2の製造方法において、導電層22と多
孔質絶縁体層23との積層膜をエッチングし、導電層パ
ターン15と多孔質絶縁体層パターン18とを同時に形
成した後、図12(e)に示すように、導電層パターン
15および多孔質絶縁体層パターン18のエッジ部およ
び絶縁性基板17の全面を覆うように、シリカ(SiO
2)等の絶縁被覆層20を形成する。
【0057】絶縁被覆層20の形成およびパターニング
は、前記した第3の方法と同様にして行うことができ
る。
【0058】最後に、図12(f)に示すように、絶縁
被覆層20および多孔質絶縁体層パターン18の上に、
電子放出部である金属埋め込み層19に電気的に接触す
るように、Auなどの導電性金属の薄膜パターン16を
形成する。
【0059】以上のように、本発明の実施の形態によれ
ば、電子放出(エミッション)能力が高く長寿命で信頼
性の高い電子放出源を用いることで、発光特性が良好で
耐放電性に優れたFEDを、簡便かつ安価に実現するこ
とができる。
【0060】次に、本発明の具体的実施例について説明
する。
【0061】実施例1 絶縁性基板として、縦10cm×横10cmのガラス板
を使用し、その片面を界面活性剤とアセトンを用いて十
分に洗浄した後、その上に、幅0.5mmのスリット状
の多数の開口を有するマスクを介してアルミニウムを蒸
着した。こうしてガラス板上に、幅0.5mm、厚さ
0.3μmの細線(ストライプ)状のアルミニウム層を
0.5mmの間隔で形成した。
【0062】次に、こうして形成されたアルミニウム層
のパターンの陽極酸化を、硫酸を電解液として電圧20
Vで行った。陽極酸化の時間は、得られるアルミニウム
陽極酸化膜に導電性が認められる範囲で、すなわちアル
ミニウム層が全厚に亘って酸化されることがなく、ガラ
ス板側にアルミニウム層が残る範囲でコントロールし
た。
【0063】次に、陽極酸化により形成された多孔質酸
化アルミニウム層の微細孔内に、電解析出法によりNi
埋め込み層を形成した。すなわち、硫酸ニッケル、ホウ
酸および硫酸第一スズを含む電解液を使用し、電圧14
Vで電解を行い、微細孔内にNiを析出させた。
【0064】次いで、多孔質酸化アルミニウム層のパタ
ーンの上に、幅1.0mmのスリット状の多数の開口を
有するマスクを介して金(Au)をスパッタリングし、
幅0.5mmのストライプ状のAu薄膜(厚さ30〜6
0nm)を0.5mmの間隔で形成した。なお、このA
u薄膜のパターンは、アルミニウム層および多孔質酸化
アルミニウム層のパターンと直交する方向に形成した。
【0065】こうして、多孔質酸化アルミニウム層の厚
さが250nm、微細孔の孔径が10nm、バリア層の
厚さが15nm、Au薄膜の厚さが40nmの電子源が
得られた。この電子源のアルミニウム層は、第1の電極
であるカソード電極、Au薄膜は第2の電極であるドラ
イブ電極となる。電子放出部位は、この第1の電極と第
2の電極の対向した部位となる。
【0066】次いで、蛍光面を以下の手順にて作成し
た。縦10cm×横10cmのガラス基板上に、フォト
リソグラフィによりグラフファイトを主成分とする格子
マトリックス状の遮光層を形成した。この遮光層の間隙
部に、規則正しく配列された赤(Y22S:Eu)、緑
(ZnS:Cu,Al)、青(ZnS:Ag,Al)の蛍
光体層をフォトリソグラフィにより形成した。次いで、
蛍光体層上にニトロセルロースからなるフィルムを形成
し、その上に蒸着によりアルミニウム層を形成し蛍光面
とした。このアルミニウム層は、第3の電極であるアノ
ード電極となる。
【0067】こうして得られた蛍光面と前記電子源と
を、以下の手順で組み立てた。まず、電子源の画像有効
面外の所望位置に穴をあけ、排気管をフリットガラスに
より接合した。次いで、電子源にギャップ制御のための
ガラス枠を配置し、その上に、電子源の第2の電極と蛍
光面の第3の電極とがガラス枠を介して対向するよう
に、蛍光面を配置した。電子源の個々の電子放出部位が
蛍光面画素と対応するように位置合せを行った後、フリ
ットガラスにより接合した。このとき、電子源の第2の
電極と蛍光面の第3の電極とのギャップは、全面で2m
mとなるようにガラス枠を制御した。次いで、300℃
で加熱しながら排気管により排気を行い、1×10−3
〜5×10−3Paとなったところで排気管の封止を行
った。以上の手順により、10cm×10cmの表示装
置を製作した。
【0068】そして、第3電極の電圧(アノード電圧:
Va)を7kvとし、第1の電極群と第2の電極群との
間に印加する電圧(ドライブ電圧:Vd)を変え、蛍光
面の発光状態を観察することにより、エミッション(電
子放出)開始電圧および絶縁破壊電圧を測定した。測定
結果を表1に示す。
【0069】実施例1の表示装置では、低い電圧(3
V)で電子の放出が開始し、良好な発光状態が得られ
た。また、絶縁破壊電圧が高く、耐電圧性も十分に満足
のゆくものであった。
【0070】実施例2 アルミニウム層パターンの形成とその陽極酸化による多
孔質酸化アルミニウム層パターンの形成、および多孔質
酸化アルミニウム層の微細孔内へのNi埋め込み層の形
成を、実施例1と同様に行った。
【0071】次に、多孔質酸化アルミニウム層パターン
の上にフォトレジスト層を形成し、フォトリソグラフィ
によりパターニングを行って、電子放出部にレジストか
ら成る保護層を形成した後、基板の全面にスパッタリン
グによりシリカ(SiO2)層を形成した。次いで、電
子放出部に形成されたシリカ層を下地の保護層ごと過酸
化物により除去した後、露出した電子放出部のNi埋め
込み層に接触するように、実施例1と同様にしてAu薄
膜のパターンを形成した。
【0072】こうして、多孔質酸化アルミニウム層の厚
さが250nm、微細孔の孔径が10nm、バリア層の
厚さが15nm、Au薄膜の膜厚が40nmで、電子放
出部以外の部分がシリカ層により被覆された電子源が得
られた。
【0073】次いで、得られた電子源を使用し、実施例
1と同様にして表示装置を組み立て、電子放出開始電圧
および絶縁破壊電圧を測定した。測定結果を表1に示
す。
【0074】実施例2の表示装置では、十分に低い電圧
(4V)で電子放出が開始し、良好な発光状態が得られ
た。また、絶縁破壊を起こす電圧が、実施例1の表示装
置に比べて2倍以上と非常に高くなっており、耐電圧性
に極めて優れていることがわかった。
【0075】実施例3 縦10cm×横10cmのガラス板の片面を界面活性剤
とアセトンを用いて十分に洗浄した後、その上にアルミ
ニウムを蒸着し厚さ0.3μmのアルミニウム層を形成
した。
【0076】次に、こうして形成されたアルミニウム層
の陽極酸化を、実施例1と同様に、硫酸を電解液として
電圧20Vで行った。陽極酸化の時間は、得られるアル
ミニウム陽極酸化膜に導電性が認められる範囲で、すな
わちアルミニウム層が全厚に亘って酸化されることがな
く、ガラス板側にアルミニウム層が残る範囲でコントロ
ールした。
【0077】次に、陽極酸化により形成された多孔質酸
化アルミニウム層の微細孔内に、実施例1と同様に電解
析出法によりNi埋め込み層を形成した。
【0078】次いで、こうして形成されたアルミニウム
層と多孔質酸化アルミニウム層との積層膜の上に、スト
ライプ状の保護層パターンをフォトリソグラフィにより
形成した後、リン酸クロム酸混酸等で積層膜の不要部分
をエッチング除去し、さらに保護層を過酸化物で剥離し
た。こうして、幅0.5mmのストライプ状(ストライ
プの間隔0.5mm)の積層膜のパターンを得た。
【0079】次いで、この積層膜のパターンの上に、実
施例1と同様にしてNi埋め込み層に接触するようにA
u薄膜のパターンを形成した。
【0080】こうして、多孔質酸化アルミニウム層の厚
さが250nm、微細孔の孔径が10nm、バリア層の
厚さが15nm、Au薄膜の膜厚が40nmの電子源が
得られた。
【0081】次いで、得られた電子源を使用し、実施例
1と同様にして表示装置を組み立て、電子放出開始電圧
および絶縁破壊電圧を測定した。測定結果を表1に示
す。
【0082】実施例3の表示装置では、低い電圧(3
V)で電子放出が開始し、良好な発光状態が得られた。
また、絶縁破壊電圧が高く、耐電圧性も十分に満足のゆ
くものであった。
【0083】実施例4 アルミニウム層の形成とその陽極酸化、多孔質酸化アル
ミニウム層の微細孔内へのNi埋め込み層の形成、およ
びアルミニウム層と多孔質酸化アルミニウム層との積層
膜のパターニングを、実施例3と同様にして行った。
【0084】次に、多孔質酸化アルミニウム層のパター
ンの上にフォトレジスト層を形成し、フォトリソグラフ
ィによりパターニングを行って、電子放出部にレジスト
から成る保護層を形成した後、基板の全面にスパッタリ
ングによりシリカ層を形成した。次いで、電子放出部に
形成されたシリカ層を下地の保護層ごと過酸化物により
除去した後、露出された電子放出部のNi埋め込み層に
接触するように、実施例1と同様にしてAu薄膜のパタ
ーンを形成した。
【0085】こうして、多孔質酸化アルミニウム層の厚
さが250nm、微細孔の孔径が10nm、バリア層の
厚さが15nm、Au薄膜の膜厚が40nmで、電子放
出部以外の部分がシリカ層により被覆された電子源が得
られた。
【0086】次いで、得られた電子源を使用し、実施例
1と同様にして表示装置を組み立て、電子放出開始電圧
および絶縁破壊電圧を測定した。測定結果を表1に示
す。
【0087】実施例4の表示装置では、低い電圧(3
V)で電子放出が開始し、良好な発光状態が得られた。
また、絶縁破壊を起こす電圧が、実施例3の表示装置に
比べて2倍以上と非常に高くなっており、耐電圧性に極
めて優れていることがわかった。
【0088】
【表1】
【0089】なお、本発明は前記した実施の形態に限定
されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能であ
る。例えば、使用する材料は前記した実施の形態に限定
されることなく、必要に応じて種々選択可能である。ま
た、本発明は、FEDに限らず、他の平面表示装置にも
適用可能である。
【0090】
【発明の効果】以上の記載から明らかなように、本発明
によれば、電子放出能力が高く長寿命の電子源を有し、
明るく信頼性の高い表示装置を簡便かつ安価に得ること
ができる。
【0091】また、超微細単位を有し均一性に優れた電
子源を備え、1つの絵素に対して数千以上もの単位電子
源が対応するので、高効率で信頼性の高い表示を実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態であるFEDの構造を概略的
に示す断面図。
【図2】本発明の実施形態に使用される電子源の構造を
示す断面図。
【図3】本発明の実施形態に使用される電子源の第1の
実施例を示す上面図。
【図4】本発明の実施形態に使用される電子源の第1の
実施例を示す断面図であり、図4(a)は図3の線A−
Aに沿った断面図、図4(b)は図3の線B−Bに沿っ
た断面図。
【図5】本発明の実施形態に使用される電子源の第2の
実施例を示す上面図。
【図6】本発明の実施形態に使用される電子源の第2の
実施例を示す断面図であり、図6(a)は図5の線A−
Aに沿った断面図、図6(b)は図5の線B−Bに沿っ
た断面図。
【図7】本発明の実施形態に使用される電子源の第3の
実施例を示し、図7(a)は上面図、図7(b)は図7
(a)の一部を拡大して示す図。
【図8】本発明の実施形態に使用される電子源の第3の
実施例を示す断面図であり、図8(a)は図7(a)の
線A−Aに沿った断面図、図8(b)は図7(a)の線
B−Bに沿った断面図。
【図9】第1の実施例の電子源を製造するための第1の
製造方法を示す断面図。
【図10】第1の実施例の電子源を製造するための第2
の製造方法を示す断面図。
【図11】第3の実施例の電子源を製造するための第3
の製造方法を示す断面図。
【図12】第3の実施例の電子源を製造するための第4
の製造方法を示す断面図。
【符号の説明】
5………蛍光体スクリーン、7………電子源、9,22
………導電層、10,21………ナノホール、11,2
3………絶縁体層、12………金属埋め込み層、13…
……バリア層、14………導電性金属薄膜、15………
導電層パターン、16………金属薄膜パターン、17…
……多孔質絶縁体層パターン、20………絶縁被覆層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 秀三 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番地2 株式 会社東芝深谷工場内 (72)発明者 田中 肇 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番地2 株式 会社東芝深谷工場内 (72)発明者 吉井 正之 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番地2 株式 会社東芝深谷工場内 (72)発明者 中澤 知子 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番地2 株式 会社東芝深谷工場内 (72)発明者 坂井 和夫 兵庫県川西市小花2丁目23−2 冨士色素 株式会社内 Fターム(参考) 5C027 BB02 5C031 DD17 DD19 5C036 EE01 EE08 EE14 EF01 EF06 EF09 EG12 EH06 EH08

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向して配置された第1の基板お
    よび第2の基板と、前記第1の基板の内面に設けられた
    蛍光体層と、前記第2の基板の内面側に設けられ、前記
    蛍光体層を励起する電子を放出する電子源とを備えた表
    示装置であり、 前記電子源は、絶縁性基板上に形成された所定のパター
    ンを有する導電層と、前記導電層の上に配設された該導
    電層と同一のパターンを有する多数の微細孔を含む絶縁
    体層と、前記絶縁体層の微細孔内に形成された導体また
    は半導体の埋め込み層と、前記絶縁体層の表面に前記導
    体または半導体埋め込み層と接触して形成された、前記
    導電層と異なるパターンを有する導電性金属薄膜とを備
    え、 前記絶縁体層の有する微細孔の底端部と前記導電層と
    が、前記絶縁体から成るバリア層により隔てられ、かつ
    前記導電層と前記導電性金属薄膜との間に印加される電
    圧により、電子が放出されることを特徴とする表示装
    置。
  2. 【請求項2】 前記電子源において、前記微細孔を有す
    る絶縁体層が多孔質アルミナ層であることを特徴とする
    請求項1記載の表示装置。
  3. 【請求項3】 前記多孔質アルミナ層が、アルミニウム
    を主成分とする層の陽極酸化により得られる酸化アルミ
    ニウム層であることを特徴とする請求項2記載の表示装
    置。
  4. 【請求項4】 前記導電性金属薄膜を間に挟んで前記導
    電層と反対側に、第3の電極が設けられていることを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の表示装
    置。
  5. 【請求項5】 前記導電層および該導電層と同一のパタ
    ーンを有する前記絶縁体層の少なくともパターンエッジ
    部に、絶縁被覆層が形成され、その上に前記導電性金属
    薄膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4
    のいずれか1項記載の表示装置。
  6. 【請求項6】 前記絶縁体層表面の電子放出部以外の部
    分の一部または全部および前記絶縁性基板表面の一部ま
    たは全部に、絶縁被覆層が形成されていることを特徴と
    する請求項1乃至5のいずれか1項記載の表示装置。
  7. 【請求項7】 第1の基板の内面に蛍光体層を形成する
    工程と、第2の基板の内面に、前記蛍光体を励起する電
    子を放出する電子源を形成する工程と、前記蛍光体層と
    前記電子源とが間隙を有して対向するように、前記第1
    の基板と第2の基板を配置して接合する工程とを備えて
    おり、 前記電子源の形成工程は、 絶縁性基板上にアルミニウムを主成分とする導電層を所
    定のパターンで形成する工程と、 前記導電層を陽極酸化することにより、前記基板側を導
    電層のままで残しながら、該基板と反対側に微細孔を有
    する酸化アルミニウム層を形成する陽極酸化工程と、 前記酸化アルミニウム層の微細孔内に導体または半導体
    の埋め込み層を形成する埋め込み層形成工程と、 前記酸化アルミニウム層の表面に、前記導体または半導
    体埋め込み層と接触する導電性金属薄膜を、前記導電層
    と異なるパターンで形成する薄膜パターン形成工程とを
    備え、 前記陽極酸化工程において、前記微細孔の底端部と前記
    導電層との間に、前記酸化アルミニウムから成るバリア
    層を形成することを特徴とする表示装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記埋め込み層形成工程と前記薄膜パタ
    ーン形成工程との間に、前記導電層および前記酸化アル
    ミニウム層のパターンの少なくともエッジ部に絶縁被覆
    層を形成する工程を有することを特徴とする請求項7の
    表示装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記埋め込み層形成工程と前記薄膜パタ
    ーン形成工程との間に、前記絶縁体層表面の電子放出部
    以外の部分の一部または全部および前記絶縁性基板表面
    の一部または全部に、絶縁被覆層を形成する工程を有す
    ることを特徴とする請求項7の表示装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 第1の基板の内面に蛍光体層を形成す
    る工程と、第2の基板の内面に、前記蛍光体を励起する
    電子を放出する電子源を形成する工程と、前記蛍光体層
    と前記電子源とが間隙を有して対向するように、前記第
    1の基板と第2の基板を配置して接合する工程とを備え
    ており、 前記電子源の形成工程は、 絶縁性基板上にアルミニウムを主成分とする導電層を形
    成する工程と、 前記導電層を陽極酸化することにより、前記基板側を導
    電層のままで残しながら、該基板と反対側に微細孔を有
    する酸化アルミニウム層を形成する陽極酸化工程と、 前記酸化アルミニウム層の微細孔内に導体または半導体
    の埋め込み層を形成する埋め込み層形成工程と、 前記導電層と前記微細孔内に導体または半導体の埋め込
    み層が形成された前記酸化アルミニウム層との積層膜
    を、エッチングにより所定のパターンに形成する積層膜
    パターニング工程と、 前記酸化アルミニウム層のパターンの表面に、前記導体
    または半導体埋め込み層と接触する導電性金属の薄膜
    を、前記酸化アルミニウム層と異なるパターンで形成す
    る薄膜パターン形成工程とを備え、 前記陽極酸化工程において、前記微細孔の底端部と前記
    導電層との間に、前記酸化アルミニウムから成るバリア
    層を形成することを特徴とする表示装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記積層膜パターニング工程と前記薄
    膜パターン形成工程との間に、前記導電層および前記酸
    化アルミニウム層のパターンの少なくともエッジ部に絶
    縁被覆層を形成する工程を有することを特徴とする請求
    項10の表示装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記積層膜パターニング工程と前記薄
    膜パターン形成工程との間に、前記絶縁体層表面の電子
    放出部以外の部分の一部または全部および前記絶縁性基
    板表面の一部または全部に、絶縁被覆層を形成する工程
    を有することを特徴とする請求項10の表示装置の製造
    方法。
JP2002054681A 2002-02-28 2002-02-28 表示装置およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3854174B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002054681A JP3854174B2 (ja) 2002-02-28 2002-02-28 表示装置およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002054681A JP3854174B2 (ja) 2002-02-28 2002-02-28 表示装置およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003257344A true JP2003257344A (ja) 2003-09-12
JP3854174B2 JP3854174B2 (ja) 2006-12-06

Family

ID=28665767

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002054681A Expired - Fee Related JP3854174B2 (ja) 2002-02-28 2002-02-28 表示装置およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3854174B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2796602C1 (ru) * 2023-01-09 2023-05-26 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Петрозаводский государственный университет" Способ формирования гибридного покрытия на алюминии

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2796602C1 (ru) * 2023-01-09 2023-05-26 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Петрозаводский государственный университет" Способ формирования гибридного покрытия на алюминии

Also Published As

Publication number Publication date
JP3854174B2 (ja) 2006-12-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1113478B1 (en) Triode structure field emission device
WO2001031671A1 (en) Method of fabricating a field emission device with a lateral thin-film edge emitter
EP0957503A2 (en) Method of manufacturing a field emission cathode
KR101009983B1 (ko) 전자 방출 표시 소자
KR100770057B1 (ko) 전자원 장치 및 표시 장치
KR100576733B1 (ko) 일체형 3극구조 전계방출디스플레이 및 그 제조 방법
US20080278062A1 (en) Method of fabricating electron emission source, electron emission device, and electron emission display device including the electron emission device
JP3854174B2 (ja) 表示装置およびその製造方法
JP3581289B2 (ja) 電界放出電子源アレイ及びその製造方法
JP2000243247A (ja) 電子放出素子の製造方法
JP3597740B2 (ja) 冷陰極及びその製造方法
JP2004014406A (ja) 電子源装置とその製造方法および表示装置
JP3944415B2 (ja) 電子源装置とその製造方法および表示装置
KR20090131169A (ko) 전자 방출 소자, 이를 구비한 전자 방출형 백라이트 유닛및 그 제조 방법
JPH11233004A (ja) 電子放出装置の製造方法
JP2002124180A (ja) 電子放出素子の製造方法、電子放出素子、電子源及び画像形成装置
JP3568859B2 (ja) 冷陰極及びその冷陰極の製造方法
JP4141591B2 (ja) 表示装置の製造方法
KR100720669B1 (ko) 양면 발광이 가능한 스핀트형 3극관 전계방출소자 및 그제조방법
KR100511257B1 (ko) 전계방출소자 및 그의 제조방법
KR100879291B1 (ko) 전계 방출 표시 소자 및 이 소자의 후면 기판 제조 방법
JP2000331597A (ja) 電子放出素子およびその製造方法、並びに表示装置およびその製造方法
KR20060020017A (ko) 전자 방출 소자와 이의 제조 방법
JP2004265745A (ja) 表示装置の製造方法
KR20050112175A (ko) 전자 방출원의 활성화 단계가 생략된 전자방출소자의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060613

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060907

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees