JP2003257090A - 情報媒体製造用スタンパの製造方法、スタンパ及びフォトレジスト原盤 - Google Patents

情報媒体製造用スタンパの製造方法、スタンパ及びフォトレジスト原盤

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JP2003257090A
JP2003257090A JP2002379051A JP2002379051A JP2003257090A JP 2003257090 A JP2003257090 A JP 2003257090A JP 2002379051 A JP2002379051 A JP 2002379051A JP 2002379051 A JP2002379051 A JP 2002379051A JP 2003257090 A JP2003257090 A JP 2003257090A
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concavo
pattern
forming
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Hisashi Koyake
久司 小宅
Hiroaki Takahata
広彰 高畑
Hitoshi Arai
均 新井
Hajime Utsunomiya
肇 宇都宮
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Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シャープな凹凸パターンが形成されたスタン
パを得ると共に、該スタンパを用いて高精度の情報媒体
を製造可能とする。 【解決手段】 基板102上に光吸収層103及びフォ
トレジスト層104を積層すると共に、フォトレジスト
層104に潜像の形成及びその現像によって凹凸パター
ン106を形成してフォトレジスト原盤100を製造す
る工程と、このフォトレジスト原盤100における凹凸
パターン上への無電解メッキの前処理として、凹凸パタ
ーン106表面にPdを付与する工程と、表面にPdが
付与された凹凸パターン上に無電解メッキによって金属
薄膜108を形成すると共に、この金属薄膜108上に
電鋳によってNi膜110を形成し、この金属薄膜10
8及びNi膜110を剥離してスタンパ120を形成す
る工程と、を有するスタンパ製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グルーブやプリピ
ットなどの凹凸パターンを有する情報媒体を製造する際
に用いるスタンパ、該スタンパ製造用のフォトレジスト
原盤、前記フォトレジスト原盤を用いるスタンパの製造
方法及び前記スタンパにより製造した情報媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】情報媒体の一種である光ディスクには、
現在、追記又は書き換え等が可能な光記録ディスクと、
予め情報が記録されている再生専用ディスクの2種類が
存在する。
【0003】光記録ディスクにおけるディスク基板には
トラッキング等に利用されるグルーブ(案内溝)が形成
されており、更にこのディスク基板上に相変化材料や有
機色素材料を含有する記録層が積層される。レーザビー
ムを記録層に照射すると、該記録層が化学変化や物理変
化を起こして記録マークが形成される。一方、再生専用
ディスクのディスク基板上には、予め記録マーク(情報
ピット)が凹凸パターンの一部として形成されている。
これらの記録マークに読取用のレーザビームが照射され
ると光反射量が変動し、この変動を検出することによっ
て情報の読み取り(再生)が可能となっている。
【0004】グルーブや情報ピット等の凹凸パターンを
有するディスク基板を製造するには、この凹凸のネガパ
ターン(これも凹凸パターンの一種である)が予め形成
されているスタンパを用いる。例えば、キャビティー内
に上記スタンパが固定された金型を用いて射出成型を行
い、充填された樹脂に上記ネガパターンを転写してディ
スク基板を製造する方法が一般的である。
【0005】凹凸パターンを有するスタンパは、通常、
Ni等を含む金属プレートによって構成される。このス
タンパを製造する工程として、先ず、上記スタンパの凹
凸パターンのネガパターンを有するフォトレジスト原盤
を予め作成しておき、このフォトレジスト原盤上にメッ
キによって金属膜を形成する。その後、フォトレジスト
原盤から前記金属膜を剥離し、表面洗浄等の所定の処理
を行うことでスタンパを得る。
【0006】図5に示される従来のフォトレジスト原盤
1を参照しながら、このフォトレジスト原盤1の製造工
程について説明する。まず、ガラス基板2上にフォトレ
ジスト層4を形成する。次に、レーザー等のパターンニ
ング用ビームを用いてフォトレジスト層4を露光し、そ
の潜像パターンを現像する。これによって凹凸パターン
6がフォトレジスト層4に形成されたフォトレジスト原
盤1が得られる。
【0007】このフォトレジスト原盤1を用いてメッキ
によってスタンパ20を作成するには、図6に示される
ように、先ず凹凸パターン6の表面にNi材料等を含ん
だ金属薄膜8を無電解メッキなどによって形成し、フォ
トレジスト原盤1に導電性を付与する。
【0008】その後、この金属薄膜8を下地として通電
させてメッキを行い、Ni等を含んだ金属膜10を形成
する。これらの金属薄膜8及び金属膜10をフォトレジ
スト原盤1から剥離すれば、凹凸パターン6が転写され
ているスタンパ20を得ることが出来る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】近年、光記録媒体の大
容量化に伴ってグルーブ等の凹凸パターンが微細化し、
その形状誤差が記録・読み取り精度に大きな影響を及ぼ
すようになってきている。従って、シャープな凹凸パタ
ーンをディスク基板に形成することが要求されるが、そ
のためには、基礎となるフォトレジスト層4の凹凸パタ
ーンを高精度(シャープ)に形成する必要がある。
【0010】フォトレジスト層4に形成される潜像パタ
ーンの最小幅は、該フォトレジスト層4に到達するレー
ザビームのスポット径によって制限される。スポット径
wは、レーザー波長をλ、照射光学系の対物レンズの開
口数をNAとしたとき、w=k・λ/NAで表される。
なお、kは対物レンズの開口形状及び入射光束の強度分
布によって決定される定数である。
【0011】ところで、スポット径の限界を論理的には
超えない幅のパターンであっても、フォトレジスト層4
が薄かったりすると、スタンパに転写される凹凸パター
ンが浅かったり、凹凸パターンの形状が丸みを帯びてし
まったり(これをパターンの「ダレ」という)して、シ
ャープさが不足することが知られている。これは、一般
的に露光・現像作業中にフォトレジスト層4の厚さに変
動が生じてしまう(これを「膜減り」という)ことが原
因であると考えられている。この厚さ変動は、フォトレ
ジスト層4とガラス基板2の間でレーザビームが反射し
て、この反射光によってフォトレジスト層4が必要以上
に露光されてしまうことが原因と考えられていた。
【0012】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、レーザビームのスポット径よりも小さい幅のパタ
ーンをシャープに形成可能としたフォトレジスト原盤の
製造方法、フォトレジスト原盤及びこれを用いて製造し
たスタンパを提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、光記録媒
体、磁気ディスク(ディスクリート媒体)等の情報媒体
の製造方法等について鋭意研究を重ね、スタンパに凹凸
パターンをシャープに形成する方法を発案した。即ち以
下に示す発明によって、上記目的を達成することが可能
となっている。
【0014】(1)基板上に、少なくとも光吸収層及び
フォトレジスト層を、この順で形成し、該フォトレジス
ト層に、前記光吸収層と接する面の反対の面側から光を
照射して潜像を形成し、この潜像を現像することにより
凹凸パターンを形成してフォトレジスト原盤を製造する
工程と、前記フォトレジスト原盤における前記凹凸パタ
ーン上に金属薄膜を形成する工程と、該金属薄膜上に金
属膜を形成し、前記金属薄膜及び金属膜を前記フォトレ
ジスト原盤から剥離してスタンパを形成する工程と、前
記フォトレジスト層に前記金属薄膜を形成する工程の前
処理として、前記凹凸パターン表面にPdを付与する工
程を有することを特徴する情報媒体製造用スタンパの製
造方法。
【0015】(2)上記(1)において、前記Pd付与
工程における、前記凹凸パターンにより凹凸が形成され
ている領域であるパターン面に付与されるPdの量Xに
対して、凹凸パターンが形成されていない領域であるミ
ラー面に付与されるPdの量Yが、0.9X<Y<1.
1Xとなるようにしたことを特徴とする情報媒体製造用
スタンパの製造方法。
【0016】(3)予め表面に凹凸パターンが形成され
る情報媒体製造用のスタンパであって、基板上に、少な
くとも光吸収層及びフォトレジスト層を、この順で形成
し、該フォトレジスト層に、前記光吸収層と接する面の
反対の面側から光を照射して潜像を形成し、この潜像を
現像することにより凹凸パターンを形成してフォトレジ
スト原盤を製造する工程と、前記フォトレジスト原盤に
おける前記凹凸パターン上に金属薄膜を形成する工程
と、該金属薄膜上に金属膜を形成し、前記金属薄膜及び
金属膜を前記フォトレジスト原盤から剥離してスタンパ
を形成する工程と、前記フォトレジスト層に前記金属薄
膜を形成する工程の前処理として、前記凹凸パターン表
面にPdを付与する工程と、を経て製造されたことを特
徴とするスタンパ。
【0017】(4)基板と、該基板上に積層される光吸
収層と、該光吸収層に接して積層され且つ潜像の形成及
びその現像によって凹凸パターンが形成可能とされるフ
ォトレジスト層と、を有し、前記フォトレジスト層に形
成される前記凹凸パターン表面にPdが付与されている
ことを特徴とするフォトレジスト原盤。
【0018】(5)基板と、該基板上に積層される光吸
収層と、該光吸収層に接して積層され且つ潜像の形成及
びその現像によって凹凸パターンが形成可能とされるフ
ォトレジスト層と、を有し、前記フォトレジスト層に形
成される前記凹凸パターン表面にPdが付与されている
フォトレジスト原盤から製造される情報媒体製造用のス
タンパであって、前記凹凸パターンにより凹凸が形成さ
れている領域であるパターン面に付与されるPdの量X
に対して、凹凸パターンが形成されていない領域である
ミラー面に付与されるPdの量Yが、0.9X<Y<
1.1Xに設定されていることを特徴とするスタンパ。
【0019】(6)基板上に、少なくとも光吸収層及び
フォトレジスト層を、この順で形成し、該フォトレジス
ト層に、前記光吸収層と接する面の反対の面側から光を
照射して潜像を形成し、この潜像を現像することにより
凹凸パターンを形成してフォトレジスト原盤を製造する
工程と、前記フォトレジスト原盤における前記凹凸パタ
ーン上に金属薄膜を形成する工程と、該金属薄膜上に金
属膜を形成し、前記金属薄膜及び金属膜を前記フォトレ
ジスト原盤から剥離してスタンパを形成する工程と、前
記フォトレジスト層に前記金属薄膜を形成する工程の前
処理として、前記凹凸パターン表面にPdを付与する工
程と、を経て製造されたスタンパにおける前記凹凸パタ
ーンをネガパターンとして、最終凹凸パターンが形成さ
れていることを特徴とする情報媒体。
【0020】(7)上記(6)において、前記スタンパ
から直接凹凸パターンを転写して形成された最終凹凸パ
ターンを有することを特徴とする情報媒体。
【0021】(8)上記(6)において、前記スタンパ
をマスター盤として凹凸パターンを転写して形成された
マザー盤から、更に凹凸パターンを転写して形成された
最終凹凸パターンを有することを特徴とする情報媒体。
【0022】(9)上記(6)において、前記最終凹凸
パターンはチャイルド盤の凹凸パターンを転写して形成
されたものであり、このチャイルド盤の凹凸パターン
は、前記スタンパをマスター盤として凹凸パターンを転
写して形成されたマザー盤から、更に凹凸パターンを転
写して形成されたものであることを特徴とする情報媒
体。
【0023】(10)基板と、該基板上に積層される光
吸収層と、該光吸収層に接して積層され且つ潜像の形成
及びその現像によって凹凸パターンが形成可能とされる
フォトレジスト層と、を有し、前記フォトレジスト層に
形成される前記凹凸パターン表面にPdが付与されてい
るフォトレジスト原盤から製造され、前記凹凸パターン
により凹凸が形成されている領域であるパターン面に付
与されるPdの量Xに対して、凹凸パターンが形成され
ていない領域であるミラー面に付与されるPdの量Y
が、0.9X<Y<1.1Xに設定されているスタンパ
における前記凹凸パターンをネガパターンとして、最終
凹凸パターンが形成されていることを特徴とする情報媒
体。
【0024】(11)上記(10)において、前記スタ
ンパから直接凹凸パターンを転写して形成された最終凹
凸パターンを有することを特徴とする情報媒体。
【0025】(12)上記(10)において、前記スタ
ンパをマスター盤として凹凸パターンを転写して形成さ
れたマザー盤から、更に、凹凸パターンを転写して形成
された最終凹凸パターンを有することを特徴とする情報
媒体。
【0026】(13)上記(10)において、前記最終
凹凸パターンはチャイルド盤の凹凸パターンを転写して
形成されたものであり、このチャイルド盤の凹凸パター
ンは、前記スタンパをマスター盤として凹凸パターンを
転写して形成されたマザー盤から、更に凹凸パターンを
転写して形成されたものであることを特徴とする情報媒
体。
【0027】本発明者は、光吸収層を用い、更にフォト
レジスト原盤にPdを付与することで、シャープな凹凸
パターンをスタンパに形成することが可能になることを
確認した。これは、光吸収層におけるPdの相性と、フ
ォトレジスト層におけるPdの相性が極めて近く、この
ようなPd自体が、フォトレジスト原盤の表面に均一に
付与されるからであると思われる。この結果、光吸収層
の特性によってシャープに露光された凹凸パターンを、
無電解メッキによって形成される金属薄膜に正確に再現
することが可能となっている。
【0028】以上の結果、情報媒体、例えば光記録媒体
のグルーブや情報ピット等もシャープに形成されるの
で、記録・再生特性を向上させることが出来る。又、今
後益々進展する凹凸パターンの微細化にも対応可能とな
ることから、情報媒体の情報記憶(記録)容量を増大さ
せることもできる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態の例につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0030】図1に、本発明の実施形態の例に係るフォ
トレジスト原盤100を示す。このフォトレジスト原盤
100は、ガラス基板102と、このガラス基板102
上に積層される光吸収層103と、この光吸収層103
上に積層されるフォトレジスト層104と、を備える。
前記フォトレジスト層104は、光吸収層103の反対
側(図1において上側)からパターニング用レーザビー
ムにより露光されることによって凹凸パターンの潜像が
形成され、この潜像の現像によって一部が除去されて凹
凸パターン106が形成されている。なお、現像後は、
凹凸パターン106の凹部の底面に光吸収層103の一
部が露出していることになる。図1の符号107は凹凸
パターンが形成されていない領域である非凹凸領域を示
す。
【0031】なお、後述のように、前記凹凸パターン1
06はスタンパ120のパターン面206となる。又、
凹凸パターンが形成されていない領域はスタンパ120
のミラー面207となる。前記露光の際は、パターニン
グ用ビームが光吸収層103によって吸収されて光反射
が抑制され、微細な凹凸をシャープに形成することが可
能となっている。
【0032】このフォトレジスト原盤100における凹
凸パターン106表面にはPd(106A)が付与され
ている。具体的には、キャタリスト(Pd−Sn化合
物)を凹凸パターン106の表面に吸着させると共に、
アクセラレータを用いてキャタリストからSnのみを除
去することで凹凸パターン106表面にPdを析出させ
る。
【0033】なお、図1では、Pd(106A)の付与
状態を膜状にして模式的に示しているが現実の付与状態
を表わすものではない。本実施形態の例では凹凸パター
ン106の領域と、非凹凸領域107でのPdの付与量
が、スタンパ120のパターン面206におけるPdの
析出量Xに対して、ミラー面207におけるPdの析出
量Yが、0.9X<Y<1.1Xの範囲内となるように
設定することが好ましい。
【0034】図2(A)には、上記フォトレジスト原盤
100上にスタンパ120を形成した状態を示す。
【0035】この形成工程では、先ず、Pdが析出され
ている凹凸パターン106表面に、無電界メッキによっ
てNi薄膜108を形成する。
【0036】この際、メッキ溶液中の還元剤が、触媒活
性特性を有するPd表面で酸化されるときに電子を放出
するので、その電子によって溶液中のNiイオンが還元
され、Ni薄膜108が凹凸パターン106に効果的に
馴染むようになっている。特に、本実施形態の例では凹
凸パターン106の凹部の底面にも十分なPdが付与さ
れているので、その凹凸パターン106に忠実に沿って
Ni薄膜108が形成される。
【0037】その後、Ni薄膜108を下地として表面
を通電させ、電気メッキによってNi膜110を形成す
る。Ni薄膜108とNi膜110をフォトレジスト原
盤100から剥離させると、図2(B)のように凹凸パ
ターン106が正確に転写されたスタンパ120を得る
ことが出来る。このとき、前記Pd(106A)は、N
i薄膜108側に付着している。
【0038】前記スタンパ120において、前記凹凸パ
ターン106の領域に対応してパターン面206が、
又、非凹凸領域107に対応してミラー面207が、そ
れぞれ形成されている。
【0039】なお、特に図示しないが、例えば、上記ス
タンパ120を金型に設置して射出成型等によって前記
凹凸パターンをネガパターンとして転写された最終凹凸
パターンを有する光ディスク基板を製造する。又このス
タンパ120を用いて光ディクス基板を製造する以外に
も、該スタンパ120をマスタ盤とした電鋳工程によっ
てマザー盤を作成し、このマザー盤で光ディスクを製造
しても良い。
【0040】更に、このマザー盤を原盤としてチャイル
ド盤を作成し、これで光ディスクを製造しても良い。即
ち、本発明におけるスタンパ120とは、実際に光ディ
スクの製造に直接利用される場合に限られず、これをマ
スタ盤としてマザー盤などを作成することによって光デ
ィスクの製造に間接的に用いるものであっても構わな
い。
【0041】本実施形態の例のフォトレジスト層104
では、光吸収層103を積層することによって鮮明な潜
像を描くことが可能となり、シャープな凹凸パターン1
06を得ることが出来る。それに加えて、無電界メッキ
の前処理として予め当該凹凸パターン106にPdを付
与しているので、凹凸パターン106の形状に沿った正
確なNi薄膜108を形成することが可能となってい
る。
【0042】なお、Ni薄膜108が正確に形成できる
のは、凹凸パターン106の凹部に露出された光吸収層
103とPdの相性が好いことが大きな要因であると推
測される。これらの光吸収層103とPd付与による相
乗効果によって、シャープな凹凸パターン106をシャ
ープな状態のままスタンパ120に転写することがで
き、結果として、スタンパ120に形成される凹凸パタ
ーンの「ダレ」が抑制される。このスタンパ120を利
用すれば、記録・読み取り(再生)精度の高い光記録媒
体を得ることが出来る。
【0043】また、光吸収層が露出する前、すなわち、
露光をフォトレジスト層の厚さ方向途中で止める場合に
も、Pd付与と光吸収層による相乗効果は得られるの
で、上記と同様にシャープな凹凸パターンをシャープな
状態のままスタンパに転写することができる。
【0044】更に、本実施形態ではNiを用いたメッキ
処理についてのみ説明したが、本発明はそれに限定され
るものではなく、他の金属メッキを利用してもよく、あ
るいはメッキ以外の処理によって金属薄膜を形成する場
合にも適用される。更に又、Ni膜110は、電気メッ
キ以外の手段によって形成される金属膜であってもよ
い。
【0045】又、上記スタンパは、光ディスクのみなら
ず、例えば磁気ディスク(ディスクリート媒体等)を含
む情報媒体の製造に一般的に適用されるものである。
【0046】
【実施例】(実施例:スタンパNo.1)研磨されたガ
ラス基板上にカップリング剤層を形成した後、光吸収層
をスピンコート法により形成した。塗布液には4.4’
−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを光吸収剤と
して含有するSWK−T5D60(東京応化工業(株))を
用いた。この塗膜を200度で15分間ベーキングして
硬化すると共に残留溶剤を除去し、厚さ140nmの光
吸収層とした。次いで、この光吸収層上に、フォトレジ
スト(日本ゼオン(株)製DVR100)をスピンコート
し、ベーキングにより残留溶剤を蒸発させて、厚さ25
nmのフォトレジスト層とした。
【0047】その後、ソニー(株)製カッティングマシン
を用い、トラックピッチ320nm、グルーブ幅150
nmのグルーブパターンの形成を目的として、Krレー
ザ(波長=351nm)によってフォトレジスト層に対し
露光を行い、更に現像を行うことで凹凸パターンを形成
して、フォトレジスト原盤を得た。
【0048】このフォトレジスト原盤のフォトレジスト
層表面を界面活性剤で活性化した後に、無電界メッキの
前処理として、キャタリスト(Pd、Snコロイド)を付
与した。次いでアクセラレータ(HBF4溶液)によりS
nを除去するとともに表面にPdを析出させ、無電界メ
ッキの下準備が完了したフォトレジスト原盤を得た。
【0049】次いで、このフォトレジスト原盤をNiC
2浴に浸漬し、無電界メッキによりNi薄膜を形成し
た。このNi薄膜を下地として電気メッキを行い、Ni
膜を形成した。これらのNi薄膜およびNi膜からなる
積層体を原盤から剥離し、裏面研磨、表面洗浄を行っ
て、スタンパNo.1を得た。
【0050】(比較例:スタンパNo.2)光吸収層を
持たないという条件を除き、スタンパNo.1作製の際
と同様にしてスタンパNo.2を作製した。
【0051】(評価結果1)各スタンパに形成された凹
凸パターンについて、AFM(原子間力顕微鏡)を用いて
形状を確認した。AFMの探針は窒化シリコン(Si
N)針を用いた。測定はノンコンタクトモードにて行
い、サンプルとプローブ間の原子間力の変化を画像化し
た。
【0052】図3(A)にスタンパNo.1のAFM像
を、図3(B)に同断面形状を線図によりそれぞれ示
す。又、図4(A)にスタンパNo2のAFM像を、図
4(B)に同断面状を線図によりそれぞれ示す。AFM
像において、描点の密度が高い領域が凹凸パターンにお
ける凹部であり、描点の密度が低い、あるいは白抜きの
領域が凸部であり、フォトレジスト原盤における凹凸パ
ターンの凸部及び凹部にそれぞれ対応している。又、図
3(B)、図4(B)では、凹凸が0.32μmピッチ
で形成されている。
【0053】図3、図4を比較すれば明らかなように、
本発明を適用して製造されたスタンパNo.1では、光
吸収層の効果によりシャープなパターンが形成され、そ
のパターンを忠実に転写したことがわかる。
【0054】(評価結果2)スタンパNo.1およびス
タンパNo.2のパターン面、ミラー面の表面をESC
A(Electron Spectoroscopy
for Chemikal Analysis )を用
いてPd量分析を行った。結果を表1に示す。なお、パ
ターン面におけるPd量は、ESCAのスポット径がミ
リメートル単位の大きさであるため、複数の凹凸に渡る
測定値となる。
【0055】
【表1】
【0056】この表1より、光吸収層を用いたスタンパ
No.1には、パターン面、ミラー面の双方にPdが同
量存在することが分かる。一方で、スタンパNo.2に
おいてはパターン面のPd量がミラー面と比較して非常
に少ない。これはスタンパNo.2では、フォトレジス
ト原盤側の凹凸パターンでの凹部底面であるガラス面が
露出しているためであると考えられる。
【0057】
【発明の効果】本発明では、フォトレジスト層に接した
光吸収層によって、シャープな凹凸パターンをフォトレ
ジスト原盤に形成でき、更に、凹凸パターン表面に付与
されるPdによりこの凹凸パターンに忠実なスタンパを
得ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例に係るフォトレジスト
原盤を示す断面図
【図2(A)】同フォトレジスト原盤用いてスタンパを
製造途中の状態を示す断面図
【図2(B)】同製造されたスタンパを示す断面図
【図3(A)】本発明の実施例に係るスタンパに形成さ
れた凹凸パターンをAFMによって解析した状態を示す
【図3(B)】同AFM解析に基づく凹凸パターンの断
面形状を示す線図
【図4(A)】本発明の比較例に係るスタンパに形成さ
れた凹凸パターンをAFMによって解析した状態を示す
【図4(B)】同AFM解析に基づく凹凸パターンの断
面形状を示す線図
【図5】従来のフォトレジスト原盤を示す断面図
【図6】従来のフォトレジスト原盤を用いてスタンパを
製造する状態を示す断面図
【符号の説明】
100…フォトレジスト原盤 102…ガラス基板 103…光吸収層 104…フォトレジスト層 106…凹凸パターン 107…非凹凸領域 108…金属薄膜 110…Ni膜 120…スタンパ 206…パターン面 207…ミラー面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 均 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 宇都宮 肇 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5D121 BB01 BB04 BB21 CA01 CA03 CA05 CB01 CB03 CB07

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、少なくとも光吸収層及びフォト
    レジスト層を、この順で形成し、該フォトレジスト層
    に、前記光吸収層と接する面の反対の面側から光を照射
    して潜像を形成し、この潜像を現像することにより凹凸
    パターンを形成してフォトレジスト原盤を製造する工程
    と、前記フォトレジスト原盤における前記凹凸パターン
    上に金属薄膜を形成する工程と、該金属薄膜上に金属膜
    を形成し、前記金属薄膜及び金属膜を前記フォトレジス
    ト原盤から剥離してスタンパを形成する工程と、前記フ
    ォトレジスト層に前記金属薄膜を形成する工程の前処理
    として、前記凹凸パターン表面にPdを付与する工程を
    有することを特徴する情報媒体製造用スタンパの製造方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記Pd符与工程にお
    ける、前記凹凸パターンにより凹凸が形成されている領
    域であるパターン面に付与されるPdの量Xに対して、
    凹凸パターンが形成されていない領域であるミラー面に
    付与されるPdの量Yが、0.9X<Y<1.1Xとな
    るようにしたことを特徴とする情報媒体製造用スタンパ
    の製造方法。
  3. 【請求項3】予め表面に凹凸パターンが形成される情報
    媒体製造用のスタンパであって、基板上に、少なくとも
    光吸収層及びフォトレジスト層を、この順で形成し、該
    フォトレジスト層に、前記光吸収層と接する面の反対の
    面側から光を照射して潜像を形成し、この潜像を現像す
    ることにより凹凸パターンを形成してフォトレジスト原
    盤を製造する工程と、前記フォトレジスト原盤における
    前記凹凸パターン上に金属薄膜を形成する工程と、該金
    属薄膜上に金属膜を形成し、前記金属薄膜及び金属膜を
    前記フォトレジスト原盤から剥離してスタンパを形成す
    る工程と、前記フォトレジスト層に前記金属薄膜を形成
    する工程の前処理として、前記凹凸パターン表面にPd
    を付与する工程と、を経て製造されたことを特徴とする
    スタンパ。
  4. 【請求項4】基板と、該基板上に積層される光吸収層
    と、該光吸収層に接して積層され且つ潜像の形成及びそ
    の現像によって凹凸パターンが形成可能とされるフォト
    レジスト層と、を有し、前記フォトレジスト層に形成さ
    れる前記凹凸パターン表面にPdが付与されていること
    を特徴とするフォトレジスト原盤。
  5. 【請求項5】基板と、該基板上に積層される光吸収層
    と、該光吸収層に接して積層され且つ潜像の形成及びそ
    の現像によって凹凸パターンが形成可能とされるフォト
    レジスト層と、を有し、前記フォトレジスト層に形成さ
    れる前記凹凸パターン表面にPdが付与されているフォ
    トレジスト原盤から製造される情報媒体製造用のスタン
    パであって、前記凹凸パターンにより凹凸が形成されて
    いる領域であるパターン面に付与されるPdの量Xに対
    して、凹凸パターンが形成されていない領域であるミラ
    ー面に付与されるPdの量Yが、0.9X<Y<1.1
    Xに設定されていることを特徴とするスタンパ。
  6. 【請求項6】基板上に、少なくとも光吸収層及びフォト
    レジスト層を、この順で形成し、該フォトレジスト層
    に、前記光吸収層と接する面の反対の面側から光を照射
    して潜像を形成し、この潜像を現像することにより凹凸
    パターンを形成してフォトレジスト原盤を製造する工程
    と、前記フォトレジスト原盤における前記凹凸パターン
    上に金属薄膜を形成する工程と、該金属薄膜上に金属膜
    を形成し、前記金属薄膜及び金属膜を前記フォトレジス
    ト原盤から剥離してスタンパを形成する工程と、前記フ
    ォトレジスト層に前記金属薄膜を形成する工程の前処理
    として、前記凹凸パターン表面にPdを付与する工程
    と、を経て製造されたスタンパにおける前記凹凸パター
    ンをネガパターンとして、最終凹凸パターンが形成され
    ていることを特徴とする情報媒体。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記スタンパから直接
    凹凸パターンを転写して形成された最終凹凸パターンを
    有することを特徴とする情報媒体。
  8. 【請求項8】請求項6において、前記スタンパをマスタ
    ー盤として凹凸パターンを転写して形成されたマザー盤
    から、更に、凹凸パターンを転写して形成された最終凹
    凸パターンを有することを特徴とする情報媒体。
  9. 【請求項9】請求項6において、前記最終凹凸パターン
    はチャイルド盤の凹凸パターンを転写して形成されたも
    のであり、このチャイルド盤の凹凸パターンは、前記ス
    タンパをマスター盤として凹凸パターンを転写して形成
    されたマザー盤から、更に凹凸パターンを転写して形成
    されたものであることを特徴とする情報媒体。
  10. 【請求項10】基板と、該基板上に積層される光吸収層
    と、該光吸収層に接して積層され且つ潜像の形成及びそ
    の現像によって凹凸パターンが形成可能とされるフォト
    レジスト層と、を有し、前記フォトレジスト層に形成さ
    れる前記凹凸パターン表面にPdが付与されているフォ
    トレジスト原盤から製造され、前記凹凸パターンにより
    凹凸が形成されている領域であるパターン面に付与され
    るPdの量Xに対して、凹凸パターンが形成されていな
    い領域であるミラー面に付与されるPdの量Yが、0.
    9X<Y<1.1Xに設定されているスタンパにおける
    前記凹凸パターンをネガパターンとして、最終凹凸パタ
    ーンが形成されていることを特徴とする情報媒体。
  11. 【請求項11】請求項10において、前記スタンパから
    直接凹凸パターンを転写して形成された最終凹凸パター
    ンを有することを特徴とする情報媒体。
  12. 【請求項12】請求項10において、前記スタンパをマ
    スター盤として凹凸パターンを転写して形成されたマザ
    ー盤から、更に、凹凸パターンを転写して形成された最
    終凹凸パターンを有することを特徴とする情報媒体。
  13. 【請求項13】請求項10において、前記最終凹凸パタ
    ーンはチャイルド盤の凹凸パターンを転写して形成され
    たものであり、このチャイルド盤の凹凸パターンは、前
    記スタンパをマスター盤として凹凸パターンを転写して
    形成されたマザー盤から、更に凹凸パターンを転写して
    形成されたものであることを特徴とする情報媒体。
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