JP2003255869A - 蓄光機能を有する表示部材 - Google Patents

蓄光機能を有する表示部材

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JP2003255869A
JP2003255869A JP2002033893A JP2002033893A JP2003255869A JP 2003255869 A JP2003255869 A JP 2003255869A JP 2002033893 A JP2002033893 A JP 2002033893A JP 2002033893 A JP2002033893 A JP 2002033893A JP 2003255869 A JP2003255869 A JP 2003255869A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで残光輝度が極めて高い蓄光機
能を発揮する表示部材を提供する。 【解決手段】 表示部材は透光性部材11の裏面に画像
部1が形成され、白抜き文字部2または透明部3に対応
した裏面には透明接着層12が設けられ、この透明接着
層12に大粒径蓄光材粒子13が一層状に付着してい
る。蓄光材粒子13は裏側から透明樹脂層14にてカバ
ーされ、また、前記画像部1または文字部2の裏面側に
は反射層15が形成され、蓄光材粒子13および反射層
15の裏側に反射シート16を貼着し、この反射シート
16の裏側に防水性ベースシート17を取り付けてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は残光が長時間継続す
る蓄光機能を有する表示部材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】化学的・光学的に優れた蓄光材として、S
rAl24:Eu2+,Dy3+などのアルカリ土類−アル
ミン酸塩蓄光型蛍光体が開発され、このような蓄光材に
て所定の部分を発光せしめるには、従来から、蓄光材
を樹脂に混練して塗料とする。蓄光材を樹脂に混練し
てシート状(テープ状)とする。などの方法が採用され
ている。
【0003】蓄光材塗料を印刷する先行技術としては特
開平8−217885号公報、特開平10−31440
号公報、特開平10−88048号公報があり、蓄光材
をシート状にする先行技術としては特開平9−7175
6号公報、特開平10−198301号公報、特開20
00−290643号公報がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来にあっては蓄光材
の粒子をできるだけ細かくして樹脂と混ぜて塗料とし、
或いはシート状に成形している。例えば、特開平8−2
17885号公報や特開平10−31440号公報では
粉状の蓄光材を用いることが開示され、特開平10−8
8048号公報にはD50=22〜35μm、D90=58
〜80μm(D50とは蓄光材の粒度分布において小さい
粒子から50重量%まで累計したときの最大粒子径をい
う)が開示されている。
【0005】しかしながら、最近の研究、即ち、資料と
素材Vol 114 p965-969(1998)には、SrAl
24:Eu2+,Dy3+蓄光材についての論文が発表され
ており、この論文中で蓄光材の粒径が大きいほど残光の
初期強度が大きいことが報告されている。つまり、残光
の初期強度は蓄光材塗膜の厚さ或いは蓄光材シートの厚
みではなく蓄光材の粒径に依存することが明らかにされ
ている。また、初期強度が大きいことは残光の持続時間
も長くなる。
【0006】一方、大粒径の蓄光材については、特開2
000-290643号公報に0.5〜3.0mmの蓄
光材を用いることが開示されている。しかしながら、こ
の先行技術にあっては、20W蛍光ランプのランプカバ
ーに貼り付けた後の暗所放置後1時間の残光輝度が17
mcd/mm2となっており、充分な残光輝度が得られて
いない。この先行技術において充分な残光輝度(100
mcd/mm2以上)が得られないのは、蓄光材をアクリ
ル樹脂系エマルションに分散させているためと考えられ
る。
【0007】また、特開2000-290643号公報
を含め、蓄光材をシート状に成形し、この蓄光材シート
と画像又は文字を形成したシートを重ね、画像又は文字
を形成したシートの透明部分から蓄光材シートを視認す
るタイプの表示部材にあっては、画像又は文字と重なる
部分の蓄光材シートは蓄光材として機能しないため無駄
であり、必要な部分を光らすために無駄な蓄光材を大量
に用いることになり、コスト的に実施することはできな
い。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明にかかる表示部材は、画像または文字を表示し
た透光性部材の裏面の一部に透明接着層が設けられ、こ
の透明接着層に大粒径蓄光材が1層状に付着した構成と
した。蓄光材が付着した面と画像または文字が形成され
た面とが同じ面である必要はないが、蓄光材を付着せし
める箇所は、画像または文字と出来るだけ重さならない
ようにすることがコスト的に好ましい。また、1層状で
あっても大粒径蓄光材が密に付着していることが必要で
あり、大粒径とはD50=100μm以上、D50=300
μm以上、好ましくは500μm以上、更に好ましくは
1000μm以上である。また、機械化して蓄光材を自
動プリントする場合、例えば、シルクスクリーンやロー
ラなどで接着剤のみを塗布し、この接着剤の上に蓄光材
粒子を振り掛けるような場合には、蓄光材粒子が大きす
ぎると接着剤にくっつかないことがあるので、自動化す
る場合にはD50=100〜300μmが最も好ましい。
特に、接着剤/蓄光材/接着剤/蓄光材・・・のように
積層して印刷する場合には、蓄光材粒子の径が大きくな
ると下層(蓄光材粒子)の凹凸が大きくなって、その上
に印刷する接着剤が下層に沁み込んで、積層できなくな
ってしまうので、上記した粒径範囲(D50=100〜3
00μm)が有効である。
【0009】また、本発明にかかる表示部材は、透光性
部材を複数枚の透光性シートから構成し、この複数枚の
透光性シートの間に蓄光印刷層を設け、この蓄光印刷層
と厚み方向において重なる透光性部材の裏面に透明接着
層を設けて、この透明接着層に大粒径蓄光材が1層状に
付着した構成、或いは透光性部材の裏面の一部に蓄光印
刷層が設けられ、この蓄光印刷層の裏面に透明接着層が
設けられ、この透明接着層に大粒径蓄光材が1層状に付
着した構成とした。このように、微細な蓄光材を含む印
刷層を設けることで、発光面を平滑に且つ外観的にもき
れいにすることができる。そして微細な蓄光材は残光輝
度が小さいが、その裏側にバックライトとして機能する
大粒径蓄光材を配置することで、残光輝度を大きくする
ことができる。尚、蓄光印刷層に含有される蓄光材の粒
径としては、D50が300μm以下、好ましくは150
μm〜15μmである。
【0010】また蓄光材の残光輝度を高めるには、大粒
径蓄光材の裏側に反射シートを設け、蓄光材からの発光
を全て利用することが有効である。また、付着した大粒
径蓄光材の裏側から透明樹脂層で蓄光材を保持すること
も有効である。このようにすることで、蓄光材の剥離が
防止できるとともに、水分による蓄光材の機能低下を防
止することができる。更に、蓄光材の隙間に屈折率の高
い透明樹脂を十分に充填することにより、蓄光材表面で
の太陽光等の反射を少なくすることが出来、残光輝度を
大きくすることができる。
【0011】また、本発明に係る表示部材としては1層
状の大粒径蓄光材を複数層積層したものも含む。積層す
ることで残光輝度を高めると共に均一な発光となる。更
に、大粒径蓄光材のみを付着せしめると大粒径蓄光材の
粒子間に隙間ができる。この隙間を中粒径または小粒径
の蓄光材で埋めることで、残光強度を高めることができ
る。例えば、中粒径蓄光材の粒子径としては、D50=3
00〜100μm、小粒径蓄光材の粒子径としては、D
50=100μm以下とする。
【0012】また、表示部材としては一部に塩ビシート
などの再帰反射シートや自反射機能をもったガラスビー
ズを付着したものとすることができる。
【0013】一方、本発明に係る蓄光機能を有する表示
部材の製造方法は、透光性部材の裏面側に透明接着層を
形成し、この接着層に大粒径の蓄光材を降りかけ又は押
し付けて透明接着層に大粒径蓄光材を1層状に付着せし
める。
【0014】また、本発明に係る蓄光機能を有する表示
部材の他の製造方法は、画像または文字を表示した透光
性部材に紫外線硬化樹脂膜を備えたシートを重ね、この
シートに前記画像または文字の逆画像を形成した露光用
フィルムを重ね、この逆画像を形成した露光用フィルム
をマスクとして紫外線硬化樹脂膜に露光を施して光が当
たった部分を硬化させ、光が当たらなかった部分を透明
な未硬化樹脂膜として残し、次いで、逆画像を形成した
露光用フィルムを剥離して未硬化樹脂膜を露出せしめ、
この露出した未硬化樹脂膜に大粒径の蓄光材を降りかけ
又は押し付けて未硬化樹脂膜に大粒径蓄光材を1層状に
付着せしめる。従来の印刷法では大粒径の蓄光材を必要
な箇所のみに付着せしめることはできなかったが、上記
したように、接着層(未硬化樹脂膜)に蓄光材を降りか
け又は押し付けることでそれが可能になった。
【0015】透明接着層の形成方法としては上記した露
光法に限らず任意である。例えば、スタンプあるいはシ
ルクスクリーン印刷によって画像又は文字と出来るだけ
重さならないように接着層を形成してもよい。
【0016】また、付着した大粒径蓄光材の裏側に防水
などの目的で透明樹脂層を設ける場合には、裏側から透
明樹脂を吹き付けるようにすればよい。更に、大粒径蓄
光材の粒子間に中粒径または小粒径蓄光材が充填された
表示部材を製造する場合には、先に大粒径蓄光材を1層
状に付着せしめ、この後中粒径蓄光材または小粒径蓄光
材を降りかけ又は押し付ける必要がある。尚、一部にガ
ラスビーズを付着せしめる場合にも、蓄光材と同様に降
りかけ又は押し付ければよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る表示部材
の平面図、図2は同表示部材の断面図であり、表示部材
は平面図において、画像部1、白抜き文字部2および透
明部3からなる。尚、画像部1には図形、文字なども含
まれる。尚、図示例にあっては画像や文字を設けた例を
示したが画像や文字を設けないものも本発明に含まれ
る。
【0018】断面図を参照して表示部材を説明すると、
表示部材はガラス板、プラスチック板、プラスチックシ
ートなどからなる透光性部材11の裏面に画像部1が形
成され、白抜き文字部2または透明部3に対応した裏面
には透明接着層12が設けられ、この透明接着層12に
蓄光材粒子13が一層状に付着している。この実施例に
あっては蓄光材粒子13として粒径1000μ以上の大
粒径のものを選定している。
【0019】前記蓄光材粒子13は裏側から透明樹脂層
14にてカバーされている。この実施例では透明樹脂層
14と透明接着層12とは同一材料を用いている。
【0020】また、前記画像部1の裏面側には反射層1
5が形成されている。この反射層15は例えばスクリー
ン印刷によってTiO2層を形成する。そして、蓄光材
粒子13および反射層15の裏側に反射シート16を貼
着している。反射シート16としては例えばアルミ箔、
TiO2コートシートなどを用いる。そして、反射シー
ト16の裏側に防水性ベースシート17を取り付けてい
る。
【0021】尚、前記反射層15、反射シート16及び
防水性ベースシート17については省略してもよい。
【0022】次に、図3に基づいて表示部材の製造方法
を説明する。先ず、図3(a)に示すように、画像部1
の上にスクリーン印刷などの方法によってTiO2層な
どの反射層15が形成された透光性部材(シート)11
の上に紫外線硬化樹脂膜を備えたシート20を重ねる。
シート20は接着層20a、紫外線硬化樹脂膜20bお
よび保護膜20cの三層構造をなしている。
【0023】次いで、図3(b)に示すように、画像部
1の逆画像が形成された露光用フィルム21をシート2
0の上に重ねる。重ねる際には画像部1と逆画像とが一
致するように重ねる。そして、この逆画像を形成した露
光用フィルム21をマスクとして紫外線硬化樹脂膜に露
光を施して光が当たった部分を硬化させ、光が当たらな
かった部分を透明な未硬化樹脂膜として残す。
【0024】次いで、図3(c)に示すように、露光用
フィルム21および保護膜20cを剥離する。その結
果、未硬化樹脂膜が露出する。この未硬化樹脂膜は接着
剤として機能する。
【0025】そして、上記樹脂層の上に大粒径の蓄光材
13を降りかける。すると、硬化した部分は接着機能を
有さず、未硬化樹脂膜のみが接着剤として機能するの
で、図3(d)に示すように、透明部3に大粒径の蓄光
材13が1層状に付着する。なお、降りかける代わりに
トレイなどに盛った蓄光材13に未硬化樹脂膜を押し付
けることでも蓄光材13を1層状に付着せしめることが
できる。
【0026】この後、図3(e)に示すように、1層状
に付着した大粒径の蓄光材13の裏面に透明樹脂22を
スプレーし、更に、図3(f)に示すように、裏側に反
射シート16を貼着する。そして、発泡樹脂シートなど
の防水性ベースシート17を取り付ることで、図2に示
した表示部材が完成する。
【0027】尚、図示例では露光によって画像部1以外
の白抜き文字部2または透明部3に接着層を形成するよ
うにしたが、スタンプ、スクリーン印刷あるいは刷毛塗
りなどで所定範囲に接着層を形成してもよい。
【0028】図4は別実施例に係る表示部材の断面図で
あり、この実施例にあってはシート状透光性部材11の
裏面側に画像部1が形成され、この画像部1以外の透明
部3に微細な粒径の蓄光材を含有する蓄光印刷層30が
設けられ、この蓄光印刷層30の裏側に透明接着層12
を介して大粒径蓄光材13が一層状に付着し、更にこの
一層状の大粒径蓄光材13の裏側に透明接着層を介して
大粒径蓄光材13が一層状に付着し、トータルで2層状
に付着している。大粒径蓄光材13はバックライトとし
て作用するので、3層以上積層してもよい。
【0029】図5は別実施例に係る表示部材の断面図で
あり、この実施例にあっては透光性部材11を2枚の透
光性シート11a、11bで構成し、これら透光性シー
ト11a、11bの間に画像部1を設けるとともに、透
明部3に微細な粒径の蓄光材を含有する蓄光印刷層30
を形成し、更に塩ビシートなどの再帰反射シート31も
透光性シート11a、11bの間に固着している。そし
て、透光性シート11aの裏面側で厚み方向において蓄
光印刷層30と重なる部分に前記方法にて2層状に大粒
径蓄光材13を積層している。この実施例も大粒径蓄光
材13がバックライトとして作用するので残光輝度を高
めることができ、しかも発光部において粒子の粗さが目
立つことがない。更に、再帰反射シート31の耐久性も
向上する。
【0030】図6は別実施例に係る表示部材の断面図で
あり、この実施例にあっては大粒径蓄光材13を複数層
積層するとともに、各大粒径蓄光材13の間に中粒径ま
たは小粒径蓄光材13aを充填している。充填の方法
は、先に大粒径蓄光材13を透明接着層に降りかけて付
着せしめた後に、中粒径または小粒径蓄光材13aを降
りかけるようにする。逆にすると大粒径蓄光材13を付
着せしめることができない。
【0031】図7は別実施例に係る表示部材の平面図、
図8は図7に示した表示部材の断面図であり、この実施
例にあっては、透明部3の一部を蓄光材13で発光せし
めるとともに、他の一部に自反射機能を有するガラスビ
ーズ23による反射機能を持たせている。ガラスビーズ
23の保持方法は蓄光材13と同様に、接着層の上に降
りかけるか接着層にガラスビーズ23を押し付ける。
尚、複数の実施例を図示して説明したが、本発明はこれ
らを組み合わせたものも含む。
【0032】
【発明の効果】以下の(表)は、蓄光材の粒径と暗所放置
後10分、60分の残光輝度を実験した結果を示すもの
であり、この(表)から蓄光材の粒径を大きくすること、
及び複数層積層することで残光輝度が大きくなることが
分る。
【0033】
【表1】
【0034】以上に説明したように本発明によれば、暗
所放置後1時間の残光輝度が従来であれば0.9〜20
mcd/mm2であったものが100mcd/mm2以上と
なる表示部材を得ることができる。したがって、交通標
識、警告板、案内板など極めて広い用途が考えられる。
また、使用する蓄光材の量も発光させたい箇所のみに使
用すればよいので、コスト的にも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表示部材の平面図
【図2】同表示部材の断面図
【図3】(a)〜(f)は本発明に係る表示部材の製造
手順を説明した図
【図4】別実施例に係る表示部材の断面図
【図5】別実施例に係る表示部材の断面図
【図6】別実施例の断面図
【図7】別実施例に係る表示部材の平面図
【図8】図7に示した表示部材の断面図 1…画像部、2…白抜き文字部2、3…透明部、11…
透光性部材、12…透明接着層、13…大粒径蓄光材粒
子、13a…中粒径または小粒径蓄光材粒子、14…透
明樹脂層、15…反射層、16…再帰反射シート、17
…防水性ベースシート、20…紫外線硬化樹脂膜を備え
たシート、21…逆画像が形成された露光用フィルム、
22…透明樹脂、23…自反射機能を持ったガラスビー
ズ、30…蓄光材印刷層、31…再帰反射シート。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年4月10日(2002.4.1
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は残光が長時間継続す
る蓄光機能を有する表示部材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】化学的・光学的に優れた蓄光材として、S
rAl24:Eu2+,Dy3+などのアルカリ土類−アル
ミン酸塩蓄光型蛍光体が開発され、このような蓄光材に
て所定の部分を発光せしめるには、従来から、蓄光材
を樹脂に混練して塗料とする。蓄光材を樹脂に混練し
てシート状(テープ状)とする。などの方法が採用され
ている。
【0003】蓄光材塗料を印刷する先行技術としては特
開平8−217885号公報、特開平10−31440
号公報、特開平10−88048号公報があり、蓄光材
をシート状にする先行技術としては特開平9−7175
6号公報、特開平10−198301号公報、特開20
00−290643号公報がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来にあっては蓄光材
の粒子をできるだけ細かくして樹脂と混ぜて塗料とし、
或いはシート状に成形している。例えば、特開平8−2
17885号公報や特開平10−31440号公報では
粉状の蓄光材を用いることが開示され、特開平10−8
8048号公報にはD50=22〜35μm、D90=58
〜80μm(D50とは蓄光材の粒度分布において小さい
粒子から50重量%まで累計したときの最大粒子径をい
う)が開示されている。
【0005】しかしながら、最近の研究、即ち、資料と
素材Vol 114 p965-969(1998)には、SrAl
24:Eu2+,Dy3+蓄光材についての論文が発表され
ており、この論文中で蓄光材の粒径が大きいほど残光の
初期強度が大きいことが報告されている。つまり、残光
の初期強度は蓄光材塗膜の厚さ或いは蓄光材シートの厚
みではなく蓄光材の粒径に依存することが明らかにされ
ている。また、初期強度が大きいことは残光の持続時間
も長くなる。
【0006】一方、大粒径の蓄光材については、特開2
000-290643号公報に0.5〜3.0mmの蓄
光材を用いることが開示されている。しかしながら、こ
の先行技術にあっては、20W蛍光ランプのランプカバ
ーに貼り付けた後の暗所放置後1時間の残光輝度が17
mcd/mm2となっており、充分な残光輝度が得られて
いない。この先行技術において充分な残光輝度(100
mcd/mm2以上)が得られないのは、蓄光材をアクリ
ル樹脂系エマルションに分散させているためと考えられ
る。
【0007】また、特開2000-290643号公報
を含め、蓄光材をシート状に成形し、この蓄光材シート
と画像又は文字を形成したシートを重ね、画像又は文字
を形成したシートの透明部分から蓄光材シートを視認す
るタイプの表示部材にあっては、画像又は文字と重なる
部分の蓄光材シートは蓄光材として機能しないため無駄
であり、必要な部分を光らすために無駄な蓄光材を大量
に用いることになり、コスト的に実施することはできな
い。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明にかかる表示部材は、画像または文字を表示し
た透光性部材の裏面の一部に透明接着層が設けられ、こ
の透明接着層に大粒径蓄光材が1層状に付着した構成と
した。蓄光材が付着した面と画像または文字が形成され
た面とが同じ面である必要はないが、蓄光材を付着せし
める箇所は、画像または文字と出来るだけ重さならない
ようにすることがコスト的に好ましい。また、1層状で
あっても大粒径蓄光材が密に付着していることが必要で
あり、大粒径とはD50=100μm以上、D50=300
μm以上、好ましくは500μm以上、更に好ましくは
1000μm以上である。また、機械化して蓄光材を自
動プリントする場合、例えば、シルクスクリーンやロー
ラなどで接着剤のみを塗布し、この接着剤の上に蓄光材
粒子を振り掛けるような場合には、蓄光材粒子が大きす
ぎると接着剤にくっつかないことがあるので、自動化す
る場合にはD50=100〜300μmが最も好ましい。
特に、接着剤/蓄光材/接着剤/蓄光材・・・のように
積層して印刷する場合には、蓄光材粒子の径が大きくな
ると下層(蓄光材粒子)の凹凸が大きくなって、その上
に印刷する接着剤が下層に沁み込んで、積層できなくな
ってしまうので、上記した粒径範囲(D50=100〜3
00μm)が有効である。
【0009】また、本発明にかかる表示部材は、透光性
部材を複数枚の透光性シートから構成し、この複数枚の
透光性シートの間に蓄光印刷層を設け、この蓄光印刷層
と厚み方向において重なる透光性部材の裏面に透明接着
層を設けて、この透明接着層に大粒径蓄光材が1層状に
付着した構成、或いは透光性部材の裏面の一部に蓄光印
刷層が設けられ、この蓄光印刷層の裏面に透明接着層が
設けられ、この透明接着層に大粒径蓄光材が1層状に付
着した構成とした。このように、微細な蓄光材を含む印
刷層を設けることで、発光面を平滑に且つ外観的にもき
れいにすることができる。そして微細な蓄光材は残光輝
度が小さいが、その裏側にバックライトとして機能する
大粒径蓄光材を配置することで、残光輝度を大きくする
ことができる。尚、蓄光印刷層に含有される蓄光材の粒
径としては、D50が300μm以下、好ましくは150
μm〜15μmである。
【0010】また蓄光材の残光輝度を高めるには、大粒
径蓄光材の裏側に反射シートを設け、蓄光材からの発光
を全て利用することが有効である。また、付着した大粒
径蓄光材の裏側から透明樹脂層で蓄光材を保持すること
も有効である。このようにすることで、蓄光材の剥離が
防止できるとともに、水分による蓄光材の機能低下を防
止することができる。更に、蓄光材の隙間に屈折率の高
い透明樹脂を十分に充填することにより、蓄光材表面で
の太陽光等の反射を少なくすることが出来、残光輝度を
大きくすることができる。
【0011】また、本発明に係る表示部材としては1層
状の大粒径蓄光材を複数層積層したものも含む。積層す
ることで残光輝度を高めると共に均一な発光となる。更
に、大粒径蓄光材のみを付着せしめると大粒径蓄光材の
粒子間に隙間ができる。この隙間を中粒径または小粒径
の蓄光材で埋めることで、残光強度を高めることができ
る。例えば、中粒径蓄光材の粒子径としては、D50=3
00〜100μm、小粒径蓄光材の粒子径としては、D
50=100μm以下とする。
【0012】また、表示部材としては一部に塩ビシート
などの再帰反射シートや自反射機能をもったガラスビー
ズを付着したものとすることができる。
【0013】一方、本発明に係る蓄光機能を有する表示
部材の製造方法は、透光性部材の裏面側に透明接着層を
形成し、この接着層に大粒径の蓄光材を降りかけ又は押
し付けて透明接着層に大粒径蓄光材を1層状に付着せし
める。
【0014】また、本発明に係る蓄光機能を有する表示
部材の他の製造方法は、画像または文字を表示した透光
性部材に紫外線硬化樹脂膜を備えたシートを重ね、この
シートに前記画像または文字の逆画像を形成した露光用
フィルムを重ね、この逆画像を形成した露光用フィルム
をマスクとして紫外線硬化樹脂膜に露光を施して光が当
たった部分を硬化させ、光が当たらなかった部分を透明
な未硬化樹脂膜として残し、次いで、逆画像を形成した
露光用フィルムを剥離して未硬化樹脂膜を露出せしめ、
この露出した未硬化樹脂膜に大粒径の蓄光材を降りかけ
又は押し付けて未硬化樹脂膜に大粒径蓄光材を1層状に
付着せしめる。従来の印刷法では大粒径の蓄光材を必要
な箇所のみに付着せしめることはできなかったが、上記
したように、接着層(未硬化樹脂膜)に蓄光材を降りか
け又は押し付けることでそれが可能になった。
【0015】透明接着層の形成方法としては上記した露
光法に限らず任意である。例えば、スタンプあるいはシ
ルクスクリーン印刷によって画像又は文字と出来るだけ
重さならないように接着層を形成してもよい。
【0016】また、付着した大粒径蓄光材の裏側に防水
などの目的で透明樹脂層を設ける場合には、裏側から透
明樹脂を吹き付けるようにすればよい。更に、大粒径蓄
光材の粒子間に中粒径または小粒径蓄光材が充填された
表示部材を製造する場合には、先に大粒径蓄光材を1層
状に付着せしめ、この後中粒径蓄光材または小粒径蓄光
材を降りかけ又は押し付ける必要がある。尚、一部にガ
ラスビーズを付着せしめる場合にも、蓄光材と同様に降
りかけ又は押し付ければよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る表示部材
の平面図、図2は同表示部材の断面図であり、表示部材
は平面図において、画像部1、白抜き文字部2および透
明部3からなる。尚、画像部1には図形、文字なども含
まれる。尚、図示例にあっては画像や文字を設けた例を
示したが画像や文字を設けないものも本発明に含まれ
る。
【0018】断面図を参照して表示部材を説明すると、
表示部材はガラス板、プラスチック板、プラスチックシ
ートなどからなる透光性部材11の裏面に画像部1が形
成され、白抜き文字部2または透明部3に対応した裏面
には透明接着層12が設けられ、この透明接着層12に
蓄光材粒子13が一層状に付着している。この実施例に
あっては蓄光材粒子13として粒径1000μm以上の
大粒径のものを選定している。
【0019】前記蓄光材粒子13は裏側から透明樹脂層
14にてカバーされている。この実施例では透明樹脂層
14と透明接着層12とは同一材料を用いている。
【0020】また、前記画像部1の裏面側には反射層1
5が形成されている。この反射層15は例えばスクリー
ン印刷によってTiO2層を形成する。そして、蓄光材
粒子13および反射層15の裏側に反射シート16を貼
着している。反射シート16としては例えばアルミ箔、
TiO2コートシートなどを用いる。そして、反射シー
ト16の裏側に防水性ベースシート17を取り付けてい
る。
【0021】尚、前記反射層15、反射シート16及び
防水性ベースシート17については省略してもよい。
【0022】次に、図3に基づいて表示部材の製造方法
を説明する。先ず、図3(a)に示すように、画像部1
の上にスクリーン印刷などの方法によってTiO2層な
どの反射層15が形成された透光性部材(シート)11
の上に紫外線硬化樹脂膜を備えたシート20を重ねる。
シート20は接着層20a、紫外線硬化樹脂膜20bお
よび保護膜20cの三層構造をなしている。
【0023】次いで、図3(b)に示すように、画像部
1の逆画像が形成された露光用フィルム21をシート2
0の上に重ねる。重ねる際には画像部1と逆画像とが一
致するように重ねる。そして、この逆画像を形成した露
光用フィルム21をマスクとして紫外線硬化樹脂膜に露
光を施して光が当たった部分を硬化させ、光が当たらな
かった部分を透明な未硬化樹脂膜として残す。
【0024】次いで、図3(c)に示すように、露光用
フィルム21および保護膜20cを剥離する。その結
果、未硬化樹脂膜が露出する。この未硬化樹脂膜は接着
剤として機能する。
【0025】そして、上記樹脂層の上に大粒径の蓄光材
13を降りかける。すると、硬化した部分は接着機能を
有さず、未硬化樹脂膜のみが接着剤として機能するの
で、図3(d)に示すように、透明部3に大粒径の蓄光
材13が1層状に付着する。なお、降りかける代わりに
トレイなどに盛った蓄光材13に未硬化樹脂膜を押し付
けることでも蓄光材13を1層状に付着せしめることが
できる。
【0026】この後、図3(e)に示すように、1層状
に付着した大粒径の蓄光材13の裏面に透明樹脂22を
スプレーし、更に、図3(f)に示すように、裏側に反
射シート16を貼着する。そして、発泡樹脂シートなど
の防水性ベースシート17を取り付ることで、図2に示
した表示部材が完成する。
【0027】尚、図示例では露光によって画像部1以外
の白抜き文字部2または透明部3に接着層を形成するよ
うにしたが、スタンプ、スクリーン印刷あるいは刷毛塗
りなどで所定範囲に接着層を形成してもよい。
【0028】図4は別実施例に係る表示部材の断面図で
あり、この実施例にあってはシート状透光性部材11の
裏面側に画像部1が形成され、この画像部1以外の透明
部3に微細な粒径の蓄光材を含有する蓄光印刷層30が
設けられ、この蓄光印刷層30の裏側に透明接着層12
を介して大粒径蓄光材13が一層状に付着し、更にこの
一層状の大粒径蓄光材13の裏側に透明接着層を介して
大粒径蓄光材13が一層状に付着し、トータルで2層状
に付着している。大粒径蓄光材13はバックライトとし
て作用するので、3層以上積層してもよい。
【0029】図5は別実施例に係る表示部材の断面図で
あり、この実施例にあっては透光性部材11を2枚の透
光性シート11a、11bで構成し、これら透光性シー
ト11a、11bの間に画像部1を設けるとともに、透
明部3に微細な粒径の蓄光材を含有する蓄光印刷層30
を形成し、更に塩ビシートなどの再帰反射シート31も
透光性シート11a、11bの間に固着している。そし
て、透光性シート11aの裏面側で厚み方向において蓄
光印刷層30と重なる部分に前記方法にて2層状に大粒
径蓄光材13を積層している。この実施例も大粒径蓄光
材13がバックライトとして作用するので残光輝度を高
めることができ、しかも発光部において粒子の粗さが目
立つことがない。更に、再帰反射シート31の耐久性も
向上する。
【0030】図6は別実施例に係る表示部材の断面図で
あり、この実施例にあっては大粒径蓄光材13を複数層
積層するとともに、各大粒径蓄光材13の間に中粒径ま
たは小粒径蓄光材13aを充填している。充填の方法
は、先に大粒径蓄光材13を透明接着層に降りかけて付
着せしめた後に、中粒径または小粒径蓄光材13aを降
りかけるようにする。逆にすると大粒径蓄光材13を付
着せしめることができない。
【0031】図7は別実施例に係る表示部材の平面図、
図8は図7に示した表示部材の断面図であり、この実施
例にあっては、透明部3の一部を蓄光材13で発光せし
めるとともに、他の一部に自反射機能を有するガラスビ
ーズ23による反射機能を持たせている。ガラスビーズ
23の保持方法は蓄光材13と同様に、接着層の上に降
りかけるか接着層にガラスビーズ23を押し付ける。
尚、複数の実施例を図示して説明したが、本発明はこれ
らを組み合わせたものも含む。
【0032】
【発明の効果】以下の(表)は、蓄光材の粒径と暗所放置
後10分、60分の残光輝度を実験した結果を示すもの
であり、この(表)から蓄光材の粒径を大きくすること、
及び複数層積層することで残光輝度が大きくなることが
分る。
【0033】
【表
【0034】以上に説明したように本発明によれば、暗
所放置後1時間の残光輝度が従来であれば0.9〜20
mcd/mm2であったものが100mcd/mm2以上と
なる表示部材を得ることができる。したがって、交通標
識、警告板、案内板など極めて広い用途が考えられる。
また、使用する蓄光材の量も発光させたい箇所のみに使
用すればよいので、コスト的にも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表示部材の平面図
【図2】同表示部材の断面図
【図3】(a)〜(f)は本発明に係る表示部材の製造
手順を説明した図
【図4】別実施例に係る表示部材の断面図
【図5】別実施例に係る表示部材の断面図
【図6】別実施例の断面図
【図7】別実施例に係る表示部材の平面図
【図8】図7に示した表示部材の断面図
【符号の説明】 1…画像部、 2…白抜き文字部、 3…透明部、 1
1…透光性部材、 12…透明接着層、 13…大粒径
蓄光材粒子、 13a…中粒径または小粒径蓄光材粒
子、 14…透明樹脂層、 15…反射層、 16…再
帰反射シート、17…防水性ベースシート、 20…紫
外線硬化樹脂膜を備えたシート、 21…逆画像が形成
された露光用フィルム、 22…透明樹脂、 23…自
反射機能を持ったガラスビーズ、 30…蓄光材印刷
層、 31…再帰反射シート。
【手続補正書】
【提出日】平成14年5月21日(2002.5.2
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 蓄光機能を有する表示部材およびそ
の製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は残光が長時間継続す
る蓄光機能を有する表示部材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】化学的・光学的に優れた蓄光材として、S
rAl24:Eu2+,Dy3+などのアルカリ土類−アル
ミン酸塩蓄光型蛍光体が開発され、このような蓄光材に
て所定の部分を発光せしめるには、従来から、蓄光材
を樹脂に混練して塗料とする。蓄光材を樹脂に混練し
てシート状(テープ状)とする。などの方法が採用され
ている。
【0003】蓄光材塗料を印刷する先行技術としては特
開平8−217885号公報、特開平10−31440
号公報、特開平10−88048号公報があり、蓄光材
をシート状にする先行技術としては特開平9−7175
6号公報、特開平10−198301号公報、特開20
00−290643号公報がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来にあっては蓄光材
の粒子をできるだけ細かくして樹脂と混ぜて塗料とし、
或いはシート状に成形している。例えば、特開平8−2
17885号公報や特開平10−31440号公報では
粉状の蓄光材を用いることが開示され、特開平10−8
8048号公報にはD50=22〜35μm、D90=58
〜80μm(D50とは蓄光材の粒度分布において小さい
粒子から50重量%まで累計したときの最大粒子径をい
う)が開示されている。
【0005】しかしながら、最近の研究、即ち、資料と
素材Vol 114 p965-969(1998)には、SrAl
24:Eu2+,Dy3+蓄光材についての論文が発表され
ており、この論文中で蓄光材の粒径が大きいほど残光の
初期強度が大きいことが報告されている。つまり、残光
の初期強度は蓄光材塗膜の厚さ或いは蓄光材シートの厚
みではなく蓄光材の粒径に依存することが明らかにされ
ている。また、初期強度が大きいことは残光の持続時間
も長くなる。
【0006】一方、大粒径の蓄光材については、特開2
000-290643号公報に0.5〜3.0mmの蓄
光材を用いることが開示されている。しかしながら、こ
の先行技術にあっては、20W蛍光ランプのランプカバ
ーに貼り付けた後の暗所放置後1時間の残光輝度が17
mcd/mm2となっており、充分な残光輝度が得られて
いない。この先行技術において充分な残光輝度(100
mcd/mm2以上)が得られないのは、蓄光材をアクリ
ル樹脂系エマルションに分散させているためと考えられ
る。
【0007】また、特開2000-290643号公報
を含め、蓄光材をシート状に成形し、この蓄光材シート
と画像又は文字を形成したシートを重ね、画像又は文字
を形成したシートの透明部分から蓄光材シートを視認す
るタイプの表示部材にあっては、画像又は文字と重なる
部分の蓄光材シートは蓄光材として機能しないため無駄
であり、必要な部分を光らすために無駄な蓄光材を大量
に用いることになり、コスト的に実施することはできな
い。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明にかかる表示部材は、画像または文字を表示し
た透光性部材の裏面の一部に透明接着層が設けられ、こ
の透明接着層に大粒径蓄光材が1層状に付着した構成と
した。蓄光材が付着した面と画像または文字が形成され
た面とが同じ面である必要はないが、蓄光材を付着せし
める箇所は、画像または文字と出来るだけ重さならない
ようにすることがコスト的に好ましい。また、1層状で
あっても大粒径蓄光材が密に付着していることが必要で
あり、大粒径とはD50=100μm以上、D50=300
μm以上、好ましくは500μm以上、更に好ましくは
1000μm以上である。また、機械化して蓄光材を自
動プリントする場合、例えば、シルクスクリーンやロー
ラなどで接着剤のみを塗布し、この接着剤の上に蓄光材
粒子を振り掛けるような場合には、蓄光材粒子が大きす
ぎると接着剤にくっつかないことがあるので、自動化す
る場合にはD50=100〜300μmが最も好ましい。
特に、接着剤/蓄光材/接着剤/蓄光材・・・のように
積層して印刷する場合には、蓄光材粒子の径が大きくな
ると下層(蓄光材粒子)の凹凸が大きくなって、その上
に印刷する接着剤が下層に沁み込んで、積層できなくな
ってしまうので、上記した粒径範囲(D50=100〜3
00μm)が有効である。
【0009】また、本発明にかかる表示部材は、透光性
部材を複数枚の透光性シートから構成し、この複数枚の
透光性シートの間に蓄光印刷層を設け、この蓄光印刷層
と厚み方向において重なる透光性部材の裏面に透明接着
層を設けて、この透明接着層に大粒径蓄光材が1層状に
付着した構成、或いは透光性部材の裏面の一部に蓄光印
刷層が設けられ、この蓄光印刷層の裏面に透明接着層が
設けられ、この透明接着層に大粒径蓄光材が1層状に付
着した構成とした。このように、微細な蓄光材を含む印
刷層を設けることで、発光面を平滑に且つ外観的にもき
れいにすることができる。そして微細な蓄光材は残光輝
度が小さいが、その裏側にバックライトとして機能する
大粒径蓄光材を配置することで、残光輝度を大きくする
ことができる。尚、蓄光印刷層に含有される蓄光材の粒
径としては、D50が300μm以下、好ましくは150
μm〜15μmである。
【0010】また蓄光材の残光輝度を高めるには、大粒
径蓄光材の裏側に反射シートを設け、蓄光材からの発光
を全て利用することが有効である。また、付着した大粒
径蓄光材の裏側から透明樹脂層で蓄光材を保持すること
も有効である。このようにすることで、蓄光材の剥離が
防止できるとともに、水分による蓄光材の機能低下を防
止することができる。更に、蓄光材の隙間に屈折率の高
い透明樹脂を十分に充填することにより、蓄光材表面で
の太陽光等の反射を少なくすることが出来、残光輝度を
大きくすることができる。
【0011】また、本発明に係る表示部材としては1層
状の大粒径蓄光材を複数層積層したものも含む。積層す
ることで残光輝度を高めると共に均一な発光となる。更
に、大粒径蓄光材のみを付着せしめると大粒径蓄光材の
粒子間に隙間ができる。この隙間を中粒径または小粒径
の蓄光材で埋めることで、残光強度を高めることができ
る。例えば、中粒径蓄光材の粒子径としては、D50=3
00〜100μm、小粒径蓄光材の粒子径としては、D
50=100μm以下とする。
【0012】また、表示部材としては一部に塩ビシート
などの再帰反射シートや自反射機能をもったガラスビー
ズを付着したものとすることができる。
【0013】一方、本発明に係る蓄光機能を有する表示
部材の製造方法は、透光性部材の裏面側に透明接着層を
形成し、この接着層に大粒径の蓄光材を降りかけ又は押
し付けて透明接着層に大粒径蓄光材を1層状に付着せし
める。
【0014】また、本発明に係る蓄光機能を有する表示
部材の他の製造方法は、画像または文字を表示した透光
性部材に紫外線硬化樹脂膜を備えたシートを重ね、この
シートに前記画像または文字の逆画像を形成した露光用
フィルムを重ね、この逆画像を形成した露光用フィルム
をマスクとして紫外線硬化樹脂膜に露光を施して光が当
たった部分を硬化させ、光が当たらなかった部分を透明
な未硬化樹脂膜として残し、次いで、逆画像を形成した
露光用フィルムを剥離して未硬化樹脂膜を露出せしめ、
この露出した未硬化樹脂膜に大粒径の蓄光材を降りかけ
又は押し付けて未硬化樹脂膜に大粒径蓄光材を1層状に
付着せしめる。従来の印刷法では大粒径の蓄光材を必要
な箇所のみに付着せしめることはできなかったが、上記
したように、接着層(未硬化樹脂膜)に蓄光材を降りか
け又は押し付けることでそれが可能になった。
【0015】透明接着層の形成方法としては上記した露
光法に限らず任意である。例えば、スタンプあるいはシ
ルクスクリーン印刷によって画像又は文字と出来るだけ
重さならないように接着層を形成してもよい。
【0016】また、付着した大粒径蓄光材の裏側に防水
などの目的で透明樹脂層を設ける場合には、裏側から透
明樹脂を吹き付けるようにすればよい。更に、大粒径蓄
光材の粒子間に中粒径または小粒径蓄光材が充填された
表示部材を製造する場合には、先に大粒径蓄光材を1層
状に付着せしめ、この後中粒径蓄光材または小粒径蓄光
材を降りかけ又は押し付ける必要がある。尚、一部にガ
ラスビーズを付着せしめる場合にも、蓄光材と同様に降
りかけ又は押し付ければよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る表示部材
の平面図、図2は同表示部材の断面図であり、表示部材
は平面図において、画像部1、白抜き文字部2および透
明部3からなる。尚、画像部1には図形、文字なども含
まれる。尚、図示例にあっては画像や文字を設けた例を
示したが画像や文字を設けないものも本発明に含まれ
る。
【0018】断面図を参照して表示部材を説明すると、
表示部材はガラス板、プラスチック板、プラスチックシ
ートなどからなる透光性部材11の裏面に画像部1が形
成され、白抜き文字部2または透明部3に対応した裏面
には透明接着層12が設けられ、この透明接着層12に
蓄光材粒子13が一層状に付着している。この実施例に
あっては蓄光材粒子13として粒径1000μm以上の
大粒径のものを選定している。
【0019】前記蓄光材粒子13は裏側から透明樹脂層
14にてカバーされている。この実施例では透明樹脂層
14と透明接着層12とは同一材料を用いている。
【0020】また、前記画像部1の裏面側には反射層1
5が形成されている。この反射層15は例えばスクリー
ン印刷によってTiO2層を形成する。そして、蓄光材
粒子13および反射層15の裏側に反射シート16を貼
着している。反射シート16としては例えばアルミ箔、
TiO2コートシートなどを用いる。そして、反射シー
ト16の裏側に防水性ベースシート17を取り付けてい
る。
【0021】尚、前記反射層15、反射シート16及び
防水性ベースシート17については省略してもよい。
【0022】次に、図3に基づいて表示部材の製造方法
を説明する。先ず、図3(a)に示すように、画像部1
の上にスクリーン印刷などの方法によってTiO2層な
どの反射層15が形成された透光性部材(シート)11
の上に紫外線硬化樹脂膜を備えたシート20を重ねる。
シート20は接着層20a、紫外線硬化樹脂膜20bお
よび保護膜20cの三層構造をなしている。
【0023】次いで、図3(b)に示すように、画像部
1の逆画像が形成された露光用フィルム21をシート2
0の上に重ねる。重ねる際には画像部1と逆画像とが一
致するように重ねる。そして、この逆画像を形成した露
光用フィルム21をマスクとして紫外線硬化樹脂膜に露
光を施して光が当たった部分を硬化させ、光が当たらな
かった部分を透明な未硬化樹脂膜として残す。
【0024】次いで、図3(c)に示すように、露光用
フィルム21および保護膜20cを剥離する。その結
果、未硬化樹脂膜が露出する。この未硬化樹脂膜は接着
剤として機能する。
【0025】そして、上記樹脂層の上に大粒径の蓄光材
13を降りかける。すると、硬化した部分は接着機能を
有さず、未硬化樹脂膜のみが接着剤として機能するの
で、図3(d)に示すように、透明部3に大粒径の蓄光
材13が1層状に付着する。なお、降りかける代わりに
トレイなどに盛った蓄光材13に未硬化樹脂膜を押し付
けることでも蓄光材13を1層状に付着せしめることが
できる。
【0026】この後、図3(e)に示すように、1層状
に付着した大粒径の蓄光材13の裏面に透明樹脂22を
スプレーし、更に、図3(f)に示すように、裏側に反
射シート16を貼着する。そして、発泡樹脂シートなど
の防水性ベースシート17を取り付ることで、図2に示
した表示部材が完成する。
【0027】尚、図示例では露光によって画像部1以外
の白抜き文字部2または透明部3に接着層を形成するよ
うにしたが、スタンプ、スクリーン印刷あるいは刷毛塗
りなどで所定範囲に接着層を形成してもよい。
【0028】図4は別実施例に係る表示部材の断面図で
あり、この実施例にあってはシート状透光性部材11の
裏面側に画像部1が形成され、この画像部1以外の透明
部3に微細な粒径の蓄光材を含有する蓄光印刷層30が
設けられ、この蓄光印刷層30の裏側に透明接着層12
を介して大粒径蓄光材13が一層状に付着し、更にこの
一層状の大粒径蓄光材13の裏側に透明接着層を介して
大粒径蓄光材13が一層状に付着し、トータルで2層状
に付着している。大粒径蓄光材13はバックライトとし
て作用するので、3層以上積層してもよい。
【0029】図5は別実施例に係る表示部材の断面図で
あり、この実施例にあっては透光性部材11を2枚の透
光性シート11a、11bで構成し、これら透光性シー
ト11a、11bの間に画像部1を設けるとともに、透
明部3に微細な粒径の蓄光材を含有する蓄光印刷層30
を形成し、更に塩ビシートなどの再帰反射シート31も
透光性シート11a、11bの間に固着している。そし
て、透光性シート11aの裏面側で厚み方向において蓄
光印刷層30と重なる部分に前記方法にて2層状に大粒
径蓄光材13を積層している。この実施例も大粒径蓄光
材13がバックライトとして作用するので残光輝度を高
めることができ、しかも発光部において粒子の粗さが目
立つことがない。更に、再帰反射シート31の耐久性も
向上する。
【0030】図6は別実施例に係る表示部材の断面図で
あり、この実施例にあっては大粒径蓄光材13を複数層
積層するとともに、各大粒径蓄光材13の間に中粒径ま
たは小粒径蓄光材13aを充填している。充填の方法
は、先に大粒径蓄光材13を透明接着層に降りかけて付
着せしめた後に、中粒径または小粒径蓄光材13aを降
りかけるようにする。逆にすると大粒径蓄光材13を付
着せしめることができない。
【0031】図7は別実施例に係る表示部材の平面図、
図8は図7に示した表示部材の断面図であり、この実施
例にあっては、透明部3の一部を蓄光材13で発光せし
めるとともに、他の一部に自反射機能を有するガラスビ
ーズ23による反射機能を持たせている。ガラスビーズ
23の保持方法は蓄光材13と同様に、接着層の上に降
りかけるか接着層にガラスビーズ23を押し付ける。
尚、複数の実施例を図示して説明したが、本発明はこれ
らを組み合わせたものも含む。
【0032】
【発明の効果】以下の(表)は、蓄光材の粒径と暗所放置
後10分、60分の残光輝度を実験した結果を示すもの
であり、この(表)から蓄光材の粒径を大きくすること、
及び複数層積層することで残光輝度が大きくなることが
分る。
【0033】
【表
【0034】以上に説明したように本発明によれば、暗
所放置後1時間の残光輝度が従来であれば0.9〜20
mcd/mm2であったものが100mcd/mm2以上と
なる表示部材を得ることができる。したがって、交通標
識、警告板、案内板など極めて広い用途が考えられる。
また、使用する蓄光材の量も発光させたい箇所のみに使
用すればよいので、コスト的にも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表示部材の平面図
【図2】同表示部材の断面図
【図3】(a)〜(f)は本発明に係る表示部材の製造
手順を説明した図
【図4】別実施例に係る表示部材の断面図
【図5】別実施例に係る表示部材の断面図
【図6】別実施例の断面図
【図7】別実施例に係る表示部材の平面図
【図8】図7に示した表示部材の断面図
【符号の説明】 1…画像部、 2…白抜き文字部、 3…透明部、 1
1…透光性部材、 12…透明接着層、 13…大粒径
蓄光材粒子、 13a…中粒径または小粒径蓄光材粒
子、 14…透明樹脂層、 15…反射層、 16…再
帰反射シート、17…防水性ベースシート、 20…紫
外線硬化樹脂膜を備えたシート、 21…逆画像が形成
された露光用フィルム、 22…透明樹脂、 23…自
反射機能を持ったガラスビーズ、 30…蓄光材印刷
層、 31…再帰反射シート。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年9月26日(2002.9.2
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項21】 請求項16乃至請求項19に記載の蓄
光機能を有する表示部材の製造方法において、前記蓄光
粒子を1層状に付着せしめた後、その裏側に反射層を
設けることを特徴とする蓄光機能を有する表示部材の製
造方法。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年12月11日(2002.12.
11)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項10】 請求項1乃至請求項7に記載の蓄光機
能を有する表示部材において、蓄光材を設けた部分とは
異なる他の一部の透明接着層に再帰反射シートまたは自
反射機能をもったガラスビーズが付着していることを特
徴とする蓄光機能を有する表示部材。
【請求項11】 透光性部材の裏面側に透明接着層を形
成し、この接着層に蓄光材粒子を降りかけ又は押し付け
て透明接着層に蓄光材粒子を1層状に付着せしめ、次い
で1層状に付着した蓄光材粒子の上にバックシートを設
けることを特徴とする蓄光機能を有する表示部材の製造
方法。
【請求項12】 画像または文字を表示した透光性部材
に紫外線硬化樹脂膜を備えたシートを重ね、このシート
に前記画像または文字の逆画像を形成した露光用フィル
ムを重ね、この逆画像を形成した露光用フィルムをマス
クとして紫外線硬化樹脂膜に露光を施して光が当たった
部分を硬化させ、光が当たらなかった部分を透明な未硬
化樹脂膜として残し、次いで、逆画像を形成した露光用
フィルムを剥離して未硬化樹脂膜を露出せしめ、この露
出した未硬化樹脂膜に蓄光材粒子を降りかけ又は押し付
けて未硬化樹脂膜に蓄光材粒子を1層状に付着せしめる
ことを特徴とする蓄光機能を有する表示部材の製造方
法。
【請求項13】 請求項11または請求項12に記載の
蓄光機能を有する表示部材の製造方法において、前記透
明接着層または未硬化樹脂膜に蓄光材粒子を降りかけ又
は押し付けて1層状に付着せしめた後、この1層状の蓄
光材粒子の裏側に透明接着層を浸漬または刷毛塗りなど
の手段で設け、この透明接着層に大粒径の蓄光材を再び
降りかけ又は押し付けて大粒径蓄光材を1層状に付着せ
しめることを特徴とする蓄光機能を有する表示部材の製
造方法。
【請求項14】 請求項11または請求項12に記載の
蓄光機能を有する表示部材の製造方法において、前記透
明接着層または未硬化樹脂膜に蓄光材粒子を降りかけ又
は押し付けて1層状に付着せしめた後、この蓄光材粒子
よりも小径の蓄光材粒子を降りかけ又は押し付けて前記
1層状に付着した粒子間にそれよりも小径の蓄光材粒子
を保持又は付着せしめることを特徴とする蓄光機能を有
する表示部材の製造方法。
【請求項15】 請求項11または請求項12に記載の
蓄光機能を有する表示部材の製造方法において、前記蓄
光材粒子を1層状に付着せしめた後、その裏側に反射層
を設けることを特徴とする蓄光機能を有する表示部材の
製造方法。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年6月2日(2003.6.2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 蓄光機能を有する表示部材
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は残光が長時間継続す
る蓄光機能を有する表示部材に関する。
【0002】
【従来技術】化学的・光学的に優れた蓄光材として、S
rAl:Eu2+,Dy3+などのアルカリ土類
−アルミン酸塩蓄光型蛍光体が開発され、このような蓄
光材にて所定の部分を発光せしめるには、従来から、
蓄光材を樹脂に混練して塗料とする。蓄光材を樹脂に
混練してシート状(テープ状)とする。などの方法が採
用されている。
【0003】蓄光材塗料を印刷する先行技術としては特
開平8−217885号公報、特開平10−31440
号公報、特開平10−88048号公報があり、蓄光材
をシート状にする先行技術としては特開平9−7175
6号公報、特開平10−198301号公報、特開20
00−290643号公報がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来にあっては蓄光材
の粒子をできるだけ細かくして樹脂と混ぜて塗料とし、
或いはシート状に成形している。例えば、特開平8−2
17885号公報や特開平10−31440号公報では
粉状の蓄光材を用いることが開示され、特開平10−8
8048号公報にはD50=22〜35μm、D90=58
〜80μm(D50とは蓄光材の粒度分布において小さい
粒子から50重量%まで累計したときの最大粒子径をい
う)が開示されている。
【0005】しかしながら、最近の研究、即ち、資料と
素材Vol 114 p965-969(1998)には、SrAl
:Eu2+,Dy3+蓄光材についての論文が発表さ
れており、この論文中で蓄光材の粒径が大きいほど残光
の初期強度が大きいことが報告されている。つまり、残
光の初期強度は蓄光材塗膜の厚さ或いは蓄光材シートの
厚みではなく蓄光材の粒径に依存することが明らかにさ
れている。また、初期強度が大きいことは残光の持続時
間も長くなる。
【0006】一方、大粒径の蓄光材については、特開2
000-290643号公報に0.5〜3.0mmの蓄
光材を用いることが開示されている。しかしながら、こ
の先行技術にあっては、20W蛍光ランプのランプカバ
ーに貼り付けた後の暗所放置後1時間の残光輝度が17
mcd/mmとなっており、充分な残光輝度が得られ
ていない。この先行技術において充分な残光輝度(10
0mcd/mm以上)が得られないのは、蓄光材をア
クリル樹脂系エマルションに分散させているためと考え
られる。
【0007】また、特開2000-290643号公報
を含め、蓄光材をシート状に成形し、この蓄光材シート
と画像又は文字を形成したシートを重ね、画像又は文字
を形成したシートの透明部分から蓄光材シートを視認す
るタイプの表示部材にあっては、画像又は文字と重なる
部分の蓄光材シートは蓄光材として機能しないため無駄
であり、必要な部分を光らすために無駄な蓄光材を大量
に用いることになり、コスト的に実施することはできな
い。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明にかかる表示部材は、透光性部材の裏面にまた
は複数枚の透光性シートからなる透光性部材の間に、画
像部と蓄光印刷層が設けられ、この蓄光印刷層と厚み方
向において重なる透光性部材の裏面に透明接着層を介し
て蓄光材粒子が1層状に付着した構成とした。蓄光材が
付着した面と画像または文字が形成された面とが同じ面
である必要はないが、蓄光材を付着せしめる箇所は、画
像または文字と出来るだけ重さならないようにすること
がコスト的に好ましい。また、1層状であっても大粒径
蓄光材が密に付着していることが必要であり、大粒径と
はD50=100μm以上、D50=300μm以上、好ま
しくは500μm以上、更に好ましくは1000μm以
上である。また、機械化して蓄光材を自動プリントする
場合、例えば、シルクスクリーンやローラなどで接着剤
のみを塗布し、この接着剤の上に蓄光材粒子を振り掛け
るような場合には、蓄光材粒子が大きすぎると接着剤に
くっつかないことがあるので、自動化する場合にはD50
=100〜300μmが最も好ましい。特に、接着剤/
蓄光材/接着剤/蓄光材・・・のように積層して印刷す
る場合には、蓄光材粒子の径が大きくなると下層(蓄光
材粒子)の凹凸が大きくなって、その上に印刷する接着
剤が下層に沁み込んで、積層できなくなってしまうの
で、上記した粒径範囲(D50=100〜300μm)が
有効である。
【0009】微細な蓄光材を含む印刷層を設けること
で、発光面を平滑に且つ外観的にもきれいにすることが
できる。そして微細な蓄光材は残光輝度が小さいが、そ
の裏側にバックライトとして機能する大粒径蓄光材を配
置することで、残光輝度を大きくすることができる。
尚、蓄光印刷層に含有される蓄光材の粒径としては、D
50が300μm以下、好ましくは150μm〜15μm
である。
【0010】また蓄光材の残光輝度を高めるには、大粒
径蓄光材の裏側に反射シートを設け、蓄光材からの発光
を全て利用することが有効である。また、付着した大粒
径蓄光材の裏側から透明樹脂層で蓄光材を保持すること
も有効である。このようにすることで、蓄光材の剥離が
防止できるとともに、水分による蓄光材の機能低下を防
止することができる。更に、蓄光材の隙間に屈折率の高
い透明樹脂を十分に充填することにより、蓄光材表面で
の太陽光等の反射を少なくすることが出来、残光輝度を
大きくすることができる。
【0011】また、本発明に係る表示部材としては1層
状の大粒径蓄光材を複数層積層したものも含む。積層す
ることで残光輝度を高めると共に均一な発光となる。更
に、大粒径蓄光材のみを付着せしめると大粒径蓄光材の
粒子間に隙間ができる。この隙間を中粒径または小粒径
の蓄光材で埋めることで、残光強度を高めることができ
る。例えば、中粒径蓄光材の粒子径としては、D50=3
00〜100μm、小粒径蓄光材の粒子径としては、D
50=100μm以下とする。
【0012】また、表示部材としては一部に塩ビシート
などの再帰反射シートや自反射機能をもったガラスビー
ズを付着したものとすることができる。
【0013】一方、本発明に係る蓄光機能を有する表示
部材の製造方法は、透光性部材の裏面側に透明接着層を
形成し、この接着層に大粒径の蓄光材を降りかけ又は押
し付けて透明接着層に大粒径蓄光材を1層状に付着せし
める。
【0014】また、本発明に係る蓄光機能を有する表示
部材の他の製造方法は、画像または文字を表示した透光
性部材に紫外線硬化樹脂膜を備えたシートを重ね、この
シートに前記画像または文字の逆画像を形成した露光用
フィルムを重ね、この逆画像を形成した露光用フィルム
をマスクとして紫外線硬化樹脂膜に露光を施して光が当
たった部分を硬化させ、光が当たらなかった部分を透明
な未硬化樹脂膜として残し、次いで、逆画像を形成した
露光用フィルムを剥離して未硬化樹脂膜を露出せしめ、
この露出した未硬化樹脂膜に大粒径の蓄光材を降りかけ
又は押し付けて未硬化樹脂膜に大粒径蓄光材を1層状に
付着せしめる。従来の印刷法では大粒径の蓄光材を必要
な箇所のみに付着せしめることはできなかったが、上記
したように、接着層(未硬化樹脂膜)に蓄光材を降りか
け又は押し付けることでそれが可能になった。
【0015】透明接着層の形成方法としては上記した露
光法に限らず任意である。例えば、スタンプあるいはシ
ルクスクリーン印刷によって画像又は文字と出来るだけ
重さならないように接着層を形成してもよい。
【0016】また、付着した大粒径蓄光材の裏側に防水
などの目的で透明樹脂層を設ける場合には、裏側から透
明樹脂を吹き付けるようにすればよい。更に、大粒径蓄
光材の粒子間に中粒径または小粒径蓄光材が充填された
表示部材を製造する場合には、先に大粒径蓄光材を1層
状に付着せしめ、この後中粒径蓄光材または小粒径蓄光
材を降りかけ又は押し付ける必要がある。尚、一部にガ
ラスビーズを付着せしめる場合にも、蓄光材と同様に降
りかけ又は押し付ければよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る表示部材
の平面図、図2は同表示部材の断面図であり、表示部材
は平面図において、画像部1、白抜き文字部2および透
明部3からなる。尚、画像部1には図形、文字なども含
まれる。尚、図示例にあっては画像や文字を設けた例を
示したが画像や文字を設けないものも本発明に含まれ
る。
【0018】断面図を参照して表示部材を説明すると、
表示部材はガラス板、プラスチック板、プラスチックシ
ートなどからなる透光性部材11の裏面に画像部1が形
成され、白抜き文字部または透明部に対応した部分に蓄
光材印刷層30が設けられ、この蓄光材印刷層30に厚
み方向で重なるように透明接着層12を介して蓄光材粒
子13が一層状に付着している。この実施例にあっては
蓄光材粒子13として粒径1000μ以上の大粒径のも
のを選定している。
【0019】蓄光材粒子13の裏側に反射シート16を
貼着している。反射シート16としては例えばアルミ
箔、TiOコートシートなどを用いる。
【0020】図3は別実施例に係る表示部材の断面図で
あり、この実施例にあっては透光性部材11を2枚の透
光性シート11a、11bで構成し、これら透光性シー
ト11a、11bの間に画像部1を設けるとともに、透
明部3に微細な粒径の蓄光材を含有する蓄光印刷層30
を形成し、更に塩ビシートなどの再帰反射シート31も
透光性シート11a、11bの間に固着している。そし
て、透光性シート11aの裏面側で厚み方向において蓄
光印刷層30と重なる部分に前記方法にて2層状に大粒
径蓄光材13を積層している。この実施例も大粒径蓄光
材13がバックライトとして作用するので残光輝度を高
めることができ、しかも発光部において粒子の粗さが目
立つことがない。更に、再帰反射シート31の耐久性も
向上する。
【0021】次に、図4に基づいて表示部材の製造方法
を説明する。尚、透明部3には蓄光材印刷層が形成され
ているものとする。先ず、図4(a)に示すように、画
像部1の上にスクリーン印刷などの方法によってTiO
層などの反射層15が形成された透光性部材(シー
ト)11の上に紫外線硬化樹脂膜を備えたシート20を
重ねる。シート20は接着層20a、紫外線硬化樹脂膜
20bおよび保護膜20cの三層構造をなしている。
【0022】次いで、図4(b)に示すように、画像部
1の逆画像が形成された露光用フィルム21をシート2
0の上に重ねる。重ねる際には画像部1と逆画像とが一
致するように重ねる。そして、この逆画像を形成した露
光用フィルム21をマスクとして紫外線硬化樹脂膜に露
光を施して光が当たった部分を硬化させ、光が当たらな
かった部分を透明な未硬化樹脂膜として残す。
【0023】次いで、図4(c)に示すように、露光用
フィルム21および保護膜20cを剥離する。その結
果、未硬化樹脂膜が露出する。この未硬化樹脂膜は接着
剤として機能する。
【0024】そして、上記樹脂層の上に大粒径の蓄光材
13を降りかける。すると、硬化した部分は接着機能を
有さず、未硬化樹脂膜のみが接着剤として機能するの
で、図4(d)に示すように、透明部3に大粒径の蓄光
材13が1層状に付着する。なお、降りかける代わりに
トレイなどに盛った蓄光材13に未硬化樹脂膜を押し付
けることでも蓄光材13を1層状に付着せしめることが
できる。
【0025】この後、図4(e)に示すように、1層状
に付着した大粒径の蓄光材13の裏面に透明樹脂22を
スプレーし、更に、図4(f)に示すように、裏側に反
射シート16を貼着する。そして、発泡樹脂シートなど
の防水性ベースシート17を取り付ることで、図2に示
した表示部材が完成する。
【0026】
【発明の効果】以下の(表)は、蓄光材の粒径と暗所放置
後10分、60分の残光輝度を実験した結果を示すもの
であり、この(表)から蓄光材の粒径を大きくすること、
及び複数層積層することで残光輝度が大きくなることが
分る。
【0027】
【表】
【0028】以上に説明したように本発明によれば、暗
所放置後1時間の残光輝度が従来であれば0.9〜20
mcd/mmであったものが100mcd/mm以上
となる表示部材を得ることができる。したがって、交通
標識、警告板、案内板など極めて広い用途が考えられ
る。また、使用する蓄光材の量も発光させたい箇所のみ
に使用すればよいので、コスト的にも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表示部材の平面図
【図2】同表示部材の断面図
【図3】別実施例に係る表示部材の断面図
【図4】(a)〜(f)は本発明に係る表示部材の製造
手順を説明した図
【符号の説明】 1…画像部、2…白抜き文字部、3…透明部、11…透
光性部材、12…透明接着層、13…大粒径蓄光材粒
子、13a…中粒径または小粒径蓄光材粒子、16,3
1…再帰反射シート、30…蓄光材印刷層。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】削除
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】削除
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】削除
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA21 AG00 AK01 AK15 BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C BA10E CA13D CB00B DE01C DE01D DJ01 GB90 HB31D JB14 JL11B JN01A JN01B JN06E JN13C JN13D YY00D 4H001 CA00 CA01 CA02 5C096 AA01 BA04 BB04 BB34 BB41 CA02 CA03 CA13 CA28 CA32 CA36 CB07 CC03 CC37 CD02 CE02 CE03 CE12 CE22 EA01 EA03 EA08 EB03 EB12 EB16 EB18 FA02 FA03 FA08 FA09 FA20

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性部材の裏面の一部に透明接着層が
    設けられ、この透明接着層に大粒径蓄光材が1層状に付
    着していることを特徴とする蓄光機能を有する表示部
    材。
  2. 【請求項2】 複数枚の透光性シートからなる透光性部
    材の間に蓄光印刷層が設けられ、この蓄光印刷層と厚み
    方向において重なる透光性部材の裏面に透明接着層が設
    けられ、この透明接着層に大粒径蓄光材が1層状に付着
    していることを特徴とする蓄光機能を有する表示部材。
  3. 【請求項3】 透光性部材の裏面の一部に蓄光印刷層が
    設けられ、この蓄光印刷層の裏面に透明接着層が設けら
    れ、この透明接着層に大粒径蓄光材が1層状に付着して
    いることを特徴とする蓄光機能を有する表示部材。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載の蓄光機
    能を有する表示部材において、前記蓄光印刷層に含有さ
    れる蓄光材の粒径はD50が300μm以下であることを
    特徴とする蓄光機能を有する表示部材。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項3に記載の蓄光機能
    を有する表示部材において、前記1層状の大粒径蓄光材
    の裏側に反射シートまたは白色系シートが設けられてい
    ることを特徴とする蓄光機能を有する表示部材。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項3に記載の蓄光機能
    を有する表示部材において、前記1層状の大粒径蓄光材
    は裏側から透明樹脂層で保持されていることを特徴とす
    る蓄光機能を有する表示部材。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項3に記載の蓄光機能
    を有する表示部材において、前記1層状の大粒径蓄光材
    の裏側に透明接着層を介して大粒径蓄光材が1層状に付
    着していることを特徴とする蓄光機能を有する表示部
    材。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項3に記載の蓄光機能
    を有する表示部材において、前記1層状の大粒径蓄光材
    の粒子間に中粒径または小粒径の蓄光材が保持又は付着
    されていることを特徴とする蓄光機能を有する表示部
    材。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項7に記載の蓄光機能
    を有する表示部材において、前記透光性部材には画像ま
    たは文字が表示され、少なくとも画像または文字以外の
    部分に蓄光材を配置していることを特徴とする蓄光機能
    を有する表示部材。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の蓄光機能を有する表
    示部材において、蓄光材周辺の画像または文字の裏面に
    遮蔽機能及び反射機能を有する白色系の顔料が印刷され
    ていることを特徴とする蓄光機能を有する表示部材。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項10に記載の蓄光
    機能を有する表示部材において、前記大粒径蓄光材の粒
    子径はD50が100μm以上であることを特徴とする蓄
    光機能を有する表示部材。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至請求項10に記載の蓄光
    機能を有する表示部材において、前記大粒径蓄光材の粒
    子径はD50が300μm以上であることを特徴とする蓄
    光機能を有する表示部材。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至請求項10に記載の蓄光
    機能を有する表示部材において、前記大粒径蓄光材の粒
    子径はD50が500μm以上であることを特徴とする蓄
    光機能を有する表示部材。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至請求項10に記載の蓄光
    機能を有する表示部材において、前記大粒径蓄光材の粒
    子径はD50が1000μm以上であることを特徴とする
    蓄光機能を有する表示部材。
  15. 【請求項15】 請求項1乃至請求項7に記載の蓄光機
    能を有する表示部材において、一部の透明接着層に再帰
    反射シートまたは自反射機能をもったガラスビーズが付
    着していることを特徴とする蓄光機能を有する表示部
    材。
  16. 【請求項16】 透光性部材の裏面側に透明接着層を形
    成し、この接着層に大粒径の蓄光材を降りかけ又は押し
    付けて透明接着層に大粒径蓄光材を1層状に付着せしめ
    ることを特徴とする蓄光機能を有する表示部材の製造方
    法。
  17. 【請求項17】 画像または文字を表示した透光性部材
    に紫外線硬化樹脂膜を備えたシートを重ね、このシート
    に前記画像または文字の逆画像を形成した露光用フィル
    ムを重ね、この逆画像を形成した露光用フィルムをマス
    クとして紫外線硬化樹脂膜に露光を施して光が当たった
    部分を硬化させ、光が当たらなかった部分を透明な未硬
    化樹脂膜として残し、次いで、逆画像を形成した露光用
    フィルムを剥離して未硬化樹脂膜を露出せしめ、この露
    出した未硬化樹脂膜に大粒径の蓄光材を降りかけ又は押
    し付けて未硬化樹脂膜に大粒径蓄光材を1層状に付着せ
    しめることを特徴とする蓄光機能を有する表示部材の製
    造方法。
  18. 【請求項18】 請求項15または請求項16に記載の
    蓄光機能を有する表示部材の製造方法において、前記透
    明接着層または未硬化樹脂膜に大粒径の蓄光材を1層状
    に付着せしめた後、この1層状の大粒径蓄光材の裏側か
    ら透明樹脂を吹き付けて大粒径蓄光材の間に透明樹脂を
    充填し且つ保持するようにしたことを特徴とする蓄光機
    能を有する表示部材の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項15または請求項16に記載の
    蓄光機能を有する表示部材の製造方法において、前記透
    明接着層または未硬化樹脂膜に大粒径の蓄光材を降りか
    け又は押し付けて1層状に付着せしめた後、この1層状
    の大粒径蓄光材の裏側に透明接着層を浸漬または刷毛塗
    りなどの手段で設け、この透明接着層に大粒径の蓄光材
    を再び降りかけ又は押し付けて大粒径蓄光材を1層状に
    付着せしめることを特徴とする蓄光機能を有する表示部
    材の製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項15または請求項16に記載の
    蓄光機能を有する表示部材の製造方法において、前記透
    明接着層または未硬化樹脂膜に大粒径蓄光材を降りかけ
    又は押し付けて1層状に付着せしめた後、中粒径蓄光材
    または小粒径蓄光材を降りかけ又は押し付けて大粒径蓄
    光材の粒子間に中粒径または小粒径蓄光材を保持又は付
    着せしめることを特徴とする蓄光機能を有する表示部材
    の製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項14乃至請求項19に記載の蓄
    光機能を有する表示部材の製造方法において、前記大粒
    径蓄光材を1層状に付着せしめた後、その裏側に反射層
    を設けることを特徴とする蓄光機能を有する表示部材の
    製造方法。
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