JP2003255325A - 液晶表示装置用カラーフィルター、液晶表示装置および液晶表示装置用カラーフィルターの製造方法 - Google Patents

液晶表示装置用カラーフィルター、液晶表示装置および液晶表示装置用カラーフィルターの製造方法

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JP2003255325A
JP2003255325A JP2002350830A JP2002350830A JP2003255325A JP 2003255325 A JP2003255325 A JP 2003255325A JP 2002350830 A JP2002350830 A JP 2002350830A JP 2002350830 A JP2002350830 A JP 2002350830A JP 2003255325 A JP2003255325 A JP 2003255325A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】反射表示と透過表示での色純度、明るさ、色調
の差が少なく、明るい半透過型液晶表示装置用カラーフ
ィルターを得る。 【解決手段】一画素中に透過用領域と反射用領域を含
み、複数色の画素が配されたカラーフィルターであっ
て、少なくとも1色の画素については複数の着色層が積
層され、かつ、最上層が感光性カラーレジストからなる
構造を有し、かつ、反射用領域において基板と着色層の
間に透明樹脂層を有することを特徴とする液晶表示装置
用カラーフィルター、および、該カラーフィルターを用
いた液晶表示装置、および、該カラーフィルターの製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーフィルタ
ー、およびそれを用いた液晶表示装置、および透過型液
晶表示と反射型液晶表示の両方の方式を兼ね備えた半透
過型液晶表示装置、およびカラーフィルターの製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示装置は軽量、薄型、低消
費電力等の特性を生かし、ノートPC、携帯情報端末、
デスクトップモニタ、デジタルカメラなど様々な用途で
使用されている。バックライトを使用した液晶表示装置
においては、低消費電力化を進めるためにバックライト
光の利用効率を高めることが求められ、カラーフィルタ
ーの高透過率化が要求されている。一方、カラーフィル
ターの透過率は年々向上しているが、透過率向上による
消費電力の大幅な低下は望めなくなってきている。最近
では電力消費量の大きなバックライト光源を必要としな
い反射型液晶表示装置の開発が進められており、透過型
液晶表示装置にくらべ約1/7と大幅な消費電力の低減
が可能であることが発表されている(日経マイクロデバ
イス別冊フラットパネル・ディスプレイ1998、P.
126)。 反射型液晶表示装置は、透過型液晶表示装
置に比べ低消費電力であり、屋外での視認性に優れると
いう利点はあるものの、十分な環境光強度が確保されな
い場所では表示が暗くなってしまい、視認性が極端に悪
くなるという問題点がある。暗い環境下でも表示が視認
されるようにするために、(1)バックライトを設け、
反射膜の一部に切り欠きを入れ、一部が透過型表示方
式、一部を反射型表示方式とした液晶表示装置、半透過
半反射型表示方式(いわゆる半透過型表示方式)、文献
としては例えばファインプロセステクノロジージャパ
ン’99、専門技術セミナーテキストA5)、(2)フ
ロントライトを設けた液晶表示装置などが考案されてい
る。
【0003】バックライトを設けた半透過型液晶表示装
置では、バックライト光を利用する透過表示と環境光を
利用する反射表示が1画素内に共存するため、環境光強
度によらず、視認性のよい表示を行うことが出来る。し
かし、図4に示すような従来の構成のカラーフィルタ
ー、すなわち、反射用領域と透過用領域が特別には設け
られていない、1画素内での着色が均一なカラーフィル
ターを用いた場合には、鮮やかな透過表示を得ようとす
ると問題点が生じていた。具体的には透過色の色鮮やか
さ(色純度)を向上させると、反射色もそれに伴いさら
に色純度が高くなり、色純度とトレードオフの関係にあ
る明るさが極端に低下し、十分な視認性が得られないと
いうものである。この問題点は、透過表示を行うときに
はバックライト光がカラーフィルターを1回透過するの
に対して、反射表示では、環境光が入射時と反射時の2
回カラーフィルターを透過することに起因する。また、
半透過型液晶表示装置では透過表示での光源がバックラ
イト光である一方、反射表示での光源が環境光であるた
めに、色純度だけでなく色調も変化してしまうという問
題点もある。これは、環境光がD65光源に代表される
ような連続的なスペクトルを持つのに対して、バックラ
イト光源がある特性の波長にスペクトルのピークをもつ
という光源のスペクトル特性の違いに起因する。
【0004】そこで、透過用領域と反射用領域の表示色
を同一にする(色純度、明るさ、色調を同一にする)方
法として、反射用領域にスペーサー部を形成して、透過
用領域と反射用領域で着色層の膜厚を変えることが記載
されている(例えば、特許文献1参照)。図5は、従来
知られている膜厚調整方式の半透過型液晶表示装置用カ
ラーフィルターの断面図を模式的に示したものである。
反射用領域6には透明樹脂層3が形成され、反射用領域
6の着色層5の膜厚は、透過用領域7の着色層5の膜厚
に比べて、薄くなっている。しかし、反射用領域6の着
色層膜厚を薄く変えただけでは、色純度、明るさは大き
な違いをなくすことができるものの赤、緑、青それぞれ
単色の反射表示の色調は透過表示での色調と異なってし
まい、反射と透過における見え方に違和感があるという
問題点があった。
【0005】また、透過用領域と反射用領域の表示色を
同一にする別の方法としては、図6に示すような透過用
領域および/または反射用領域をバックライト光と環境
光を考慮した適切な複数の色材料で塗り分けることが考
えられる。透過用領域および/または反射用領域用領域
を塗り分ける方法では、透過用領域と反射用領域の色調
を同じにして色純度、明るさを変え、目的にあった透過
表示色と反射表示色を達成することができると考えられ
るが、現在主流のフォトリソ法では、一色の画素を形成
するのに二度以上色材料を塗布しフォトリソ加工するこ
とになり、赤、緑、青の三色の画素を形成するには各色
2回、すなわち計6回のフォトリソ加工が必要となり、
製造コストが増大してしまうという問題点があった。
【0006】
【特許文献1】特開2001−33778号公報(第3
〜4頁、第2図、第8図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の欠点に鑑み創案されたもので、半透過型液晶表示
装置用の反射表示と透過表示での色純度、輝度(明る
さ)、色調の差を少なくすることが可能であって、反射
用領域と透過用領域の色調整が容易なカラーフィルター
を製造工程増加を抑えて安価に提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来技術
の課題を解決するために鋭意検討した結果、以下のカラ
ーフィルターによって半透過型液晶表示装置の反射表示
と透過表示での色純度、輝度(明るさ)、色調の差を少
なくすることが可能であって、反射用領域と透過用領域
の色調整が容易なカラーフィルターを工程増加を抑えて
低コストで製造可能であることを見いだした。すなわ
ち、 (1)一画素中に透過用領域と反射用領域を含み、複数
色の画素が配されたカラーフィルターであって、少なく
とも1色の画素については複数の着色層が積層され、か
つ、最上層が感光性カラーレジストからなる構造を有
し、かつ、反射用領域において基板と着色層の間に透明
樹脂層を有することを特徴とする液晶表示装置用カラー
フィルター。 (2)複数の着色層が積層された画素において、該積層
された部分における最上層の感光性カラーレジストから
なる着色層とそれ以外の着色層の着色が異なることを特
徴とする(1)に記載の液晶表示装置用カラーフィルタ
ー。 (3)透過用領域と反射用領域を含んだ画素において、
透過用領域の最上層の着色層の膜厚が反射用領域の最上
層の着色層の膜厚より大きいことを特徴とする(1)ま
たは(2)のいずれかに記載の液晶表示装置用カラーフ
ィルター。 (4)透過用領域と反射用領域を含んだ画素において、
透過用領域のトータルの膜厚が、透明樹脂層を含む反射
用領域のトータルの膜厚より小さいことを特徴とする
(1)〜(3)のいずれかに記載の液晶表示装置用カラ
ーフィルター。 (5)透過用領域と反射用領域を含んだ画素において、
透過用領域に積層された着色層数が反射領域の着色層数
よりも多いことを特徴とする(1)〜(4)のいずれか
に記載の液晶表示装置用カラーフィルター。 (6)透過用領域における着色層の積層が2層であるこ
とを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の液晶
表示装置用カラーフィルター。 (7)2層のうちの下層の着色層が感光性カラーレジス
トからなることを特徴とする(6)に記載の液晶表示装
置用カラーフィルター。 (8)下層の感光性カラーレジストが感光性アクリルカ
ラーレジストであることを特徴とする(7)に記載の液
晶表示装置用カラーフィルター。 (9)2層のうちの下層の着色層が非感光性カラーペー
ストからなることを特徴とする(6)に記載の液晶表示
装置用カラーフィルター。 (10)非感光性カラーペーストがポリイミド樹脂を含
むことを特徴とする(9)に記載の液晶表示装置用カラ
ーフィルター。 (11)反射用領域に形成する透明樹脂層の膜厚が5μ
m以下である(1)〜(10)のいずれかに記載の液晶
表示装置用カラーフィルター。 (12)反射用領域に形成する透明樹脂層が感光性レジ
ストからなることを特徴とする(1)〜(11)のいず
れかに記載の液晶表示装置用カラーフィルター。 (13)感光性レジストが感光性アクリルレジストから
なることを特徴とする(12)に記載の液晶表示装置用
カラーフィルター。 (14)反射用領域に形成する透明樹脂層が非感光性ペ
ーストからなることを特徴とする(1)〜(13)のい
ずれかに記載の液晶表示装置用カラーフィルター。 (15)非感光性ペーストがポリイミド樹脂を含むこと
を特徴とする(14)に記載の液晶表示装置用カラーフ
ィルター。 (16)画素上にオーバーコート層を有することを特徴
とする(1)〜(15)のいずれかに記載の液晶表示装
置用カラーフィルター。 (17)複数色の画素を含み、画素は透過用領域と反射
用領域を含むカラーフィルターであって、下記工程をこ
の順に含むことを特徴とする液晶表示装置用カラーフィ
ルターの製造方法。 (A)少なくとも1色の画素の反射用領域において、基
板上に透明樹脂層を形成する工程 (B)少なくとも1色の画素について、最上層に感光性
カラーレジストを用いて複数の着色層が積層された構造
の画素を形成する工程 (18)感光性カラーレジストが感光性アクリルカラー
レジストであることを特徴とする(17)に記載の液晶
表示装置用カラーフィルターの製造方法。 (19)反射用領域の透明樹脂層上に塗布された最上層
以外の着色層を過現像条件によって除去する(18)に
記載の液晶表示装置用カラーフィルターの製造方法。 (20)(1)〜(16)のいずれかに記載のカラーフ
ィルターを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のカラーフィルターは一画
素内に透過用領域と反射用領域を持ち半透過液晶表示装
置に好適に用いることができる。以下、本発明の実施の
形態として、透過表示と反射表示の色純度、明るさ、色
調の差が少なくなることを意図して説明する。また、本
発明によればその優れた透過用領域と反射用領域のそれ
ぞれに対する色調整機能によって、意図的に透過表示と
反射表示のそれぞれの異なる色純度、明るさ、色調を意
図して調整することができ、それらの実施例についても
説明する。
【0010】反射膜が形成される基板は、カラーフィル
ター側基板、カラーフィルターに対向する基板のいずれ
でもよい。カラーフィルター側に反射膜が形成されてい
る場合は、色材料が形成されている画素領域の内、反射
膜が形成されている領域が反射用領域となり、画素領域
の中で反射膜が形成されていない領域が透過用領域とな
る。反射膜がカラーフィルターに対向する基板上に形成
されている場合は、該基板の反射膜形成領域に対応する
カラーフィルター画素領域が反射用領域となり、該基板
の反射膜が形成されていない領域に対応するカラーフィ
ルター画素領域が透過用領域となる。
【0011】本発明の液晶表示装置においては反射表示
と透過表示での色純度、明るさ、色調の差を小さくする
ために少なくとも1色の画素が複数の着色層が積層され
た構造であること、着色層最上層に感光性カラーレジス
トからなる着色層が形成されること、反射用領域におい
て基板と着色層の間に透明樹脂層が形成されていること
が重要である。
【0012】複数の着色層を積層させること、ならびに
積層させる着色層の着色特性を異ならせることで、透過
表示と反射表示のそれぞれで所望の色調を得ることが可
能となる。また、最上層が感光性カラーレジストである
ことで、下層着色層との一括パターン加工ができ、製造
工程の増加を抑えることが可能となる。パターン加工の
際には、反射用領域の下層着色層のみを現像時に溶解さ
せ、反射用領域の着色層については最上層の感光性カラ
ーレジストのみとしてもよい。このような加工をするこ
とでも、透過表示と反射表示のそれぞれで所望の特性を
得ることが可能となる。また、トータル膜厚の調整など
の必要に応じて、下層の着色層を形成する代わりに透明
の樹脂層を形成してもよい。
【0013】基板上の反射用領域に透明樹脂層を形成す
ると反射用領域は透明樹脂層部分の膜厚分凸になり、透
過用領域は反射用領域に比べて低い部分的に凸のある基
板となる。凸のある基板上に非感光性カラーペーストお
よび/または感光性カラーレジストを塗布し着色層を形
成すると、透過用領域の着色層の膜厚は、非感光性カラ
ーペーストや感光性カラーレジストによる平坦化(レベ
リング)によって凸が形成されている反射用領域の膜厚
に比べて厚くなる。このように平坦化により反射用領域
の着色と透過用領域の着色(同一光源(例えばC光源)
で見たときの「色の濃さ」)を変えることができる。着
色塗液の平坦化(レベリング)の程度は、塗液の粘度、
固形分濃度により調整することが出来る。塗液の粘度が
低いとより平坦化しやすくなり、また塗液中の固形分濃
度が高いとより平坦化しやすくなる。最上層の着色層に
用いる感光性カラーレジスト中の固形分濃度は10重量
%から30重量%であることが好ましく、下層の着色層
に用いる非感光性カラーペーストおよび/または感光性
カラーレジスト中の固形分濃度は3重量%から15重量
%であることが好ましい。
【0014】着色層は最上層に感光性カラーレジストか
らなる着色層が形成されることが必要であるが、感光性
カラーレジストの下の非感光性カラーペーストおよび/
または感光性カラーレジスト着色層は何層でも積層する
ことが可能である。何層積層するかは目標の着色を達成
するために適宜選択されるが、生産性から着色層は感光
性カラーレジストと他の1層を組み合わせた2層積層構
造であることがより好ましい。
【0015】光源が異なるにも係わらず、透過表示と反
射表示の色純度、明るさ、色調の差を少なくするために
は、透過用領域の着色と反射用領域の着色が異なること
が好ましい。反射用領域の着色と透過用領域の着色を変
える方法として、最上層の感光性カラーレジストからな
る着色層とそれ以外の着色層の着色が異なる構成とする
ことができる。「着色が異なる」とは、同一光源(例え
ばC光源)で透過用領域と反射用領域を見たときの色純
度、明るさ(透過率)、色調が異なることを指す。透過
用領域と反射用領域で「着色を異ならせる」ためにカラ
ーフィルターの構成として利用できる因子は主に、反射
用領域への透明樹脂層の設置に基づく最上層の感光性カ
ラーレジストおよび下層着色層の透過用領域と反射用領
域での膜厚の違いであり、この膜厚の違いはそれぞれの
層(例えば最上層)の透過用領域と反射用領域での着色
(同一光源で見た時の「色の濃さ」)の違いに反映でき
るが、これだけでは不十分である。このため、最上層の
感光性カラーレジストと感光性カラーレジストおよび/
または非感光性カラーペーストからなる下層着色層との
着色は同一ではなく目的に応じて異なることが好まし
い。
【0016】非感光性カラーペーストと感光性カラーレ
ジストに含まれる着色剤または樹脂成分を変更すること
および/または非感光性カラーペーストと感光性カラー
レジストに含まれる着色剤の種類を変更することおよび
/または非感光性カラーペーストからなる着色層と感光
性カラーレジストからなる着色層の膜厚を調整すること
および/または反射領域に形成する透明樹脂層の膜厚、
面積、形状を変えることにより透過用領域と反射用領域
に形成されるカラーフィルターの着色(色純度、明る
さ、色調)を自由に調整するすることができるので、透
過用領域の光源がバックライト光であり、反射用領域の
光源が環境光であるという違いがあっても、透過表示と
反射表示の色純度、明るさ、色調を同一にすることがで
きる。
【0017】本発明では少なくとも一色の画素について
非感光性カラーペーストおよび/または感光性カラーレ
ジストからなる着色層と感光性カラーレジストからなる
着色層を積層させるが、積層させる色については、特に
限定はなく赤画素、緑画素、青画素のいずれでもよく、
積層させる色画素は1色でも2色でも3色でもよいが、
用いるバックライト光源と環境光の特性差を勘案し、目
標の着色を達成できるように個々の積層させる色材料の
着色を決めることが好ましい。
【0018】好ましい画素の着色設計には、光源の違い
を考慮に入れるため、透過用領域はバックライトに用い
られる光源としてC光源、2波長型光源、3波長型光源
の内のいずれか、反射用領域は環境光としての太陽光
(自然光)に近いD65光源で行うことが好ましい。こ
こでいう2波長型のLED光源の例としては、青色LE
Dと黄色蛍光体または黄緑色蛍光体とを組み合わせて白
色光を発するLED光源があげられる。また、3波長型
光源の例としては、3波長冷陰極管、紫外LEDと赤、
青、緑蛍光体とを組み合わせた白色LED光源、赤、
青、緑各色のLEDを組み合わせた白色LED光源、青
色LEDと赤色蛍光体ならびに緑色蛍光体とを組み合わ
せた白色LED光源、有機エレクトロルミネッセンス光
源などがあげられる。
【0019】透明樹脂層とは具体的には可視光領域の平
均透過率が80%以上である樹脂層である。反射用領域
に形成される透明樹脂層の膜厚は、光源の違いを勘案し
たうえで反射用領域と透過用領域の色純度、明るさ、色
調の差が小さくなるように選択させる。透明樹脂の膜厚
が大きいほど、平坦化により反射用領域と透過用領域に
形成される着色層の膜厚差が大きくなり、透過用領域と
反射用領域の色純度、明るさ、色調の差を小さくする効
果が大きい。透明樹脂層の膜厚があまり大きくなるとカ
ラーフィルター表面の段差が大きくなり、液晶配向に悪
影響を及ぼし表示品位が悪化するので透明樹脂層の膜厚
は5μm以下が好ましい。
【0020】透明樹脂層は感光性レジストを使用して形
成することができる。感光性樹脂材料としてはポリイミ
ド系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等
の材料が使用でき、アクリル系樹脂が好ましく用いられ
る。感光性アクリル系樹脂としては、感光性を持たせる
ため、少なくともアクリル系ポリマー、アクリル系多官
能モノマーあるいはオリゴマー、光重合開始剤を含有さ
せた構成を有するのが一般的であるがエポキシモノマー
を加えたいわゆるアクリルエポキシ樹脂としてもよい。
透明樹脂層を感光性レジストで形成した場合は、フォト
リソ加工の露光工程で、露光マスクと透明樹脂層を形成
する基板の距離を変えることで透明樹脂層の表面の丸み
や平坦性を制御することが可能である。
【0021】透明樹脂層は非感光性ペーストを使用して
も形成することができる。非感光性樹脂材料としてはポ
リイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウ
レタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系
樹脂等の材料が使用でき、ポリイミド系樹脂が好ましく
用いられる。透明樹脂層を非感光性ペーストで形成した
場合は、透明樹脂層の上部表面が平坦な構造になり、よ
り小さな面積の透明樹脂層を形成することが可能であ
る。
【0022】反射用領域に形成する透明樹脂層には光散
乱のための粒子を含んでもよい。透明樹脂層に光拡散の
粒子を含むことで、正反射成分による表示のギラツキを
押さえ、良好な表示特性を得ることができ、かつ透過用
領域には透明樹脂層は存在しないので光散乱せずに効率
的にバックライトを使用することができる。光散乱のた
めの粒子としてはシリカ、アルミナ、チタニアなどの無
機酸化物粒子、金属粒子、アクリル、スチレン、シリコ
ーン、フッ素含有ポリマーなどの樹脂粒子などの材料を
使用することができ、シリカ粒子を用いることが好まし
い。光散乱粒子の粒径としては0.1〜10μmの範囲
で用いることができる。光拡散の粒子径が透明樹脂層の
厚み以下である場合は透明樹脂層が平坦になるのでより
好ましい。
【0023】本発明で使用する色材料は、着色成分と樹
脂成分を含むペーストである。樹脂成分としては、ポリ
イミド系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレ
タン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂等の材料が好ましく用いられる。感光性、非感光性の
どちらの材料でも使用することが可能である。
【0024】感光性カラーレジストは、着色成分と樹脂
成分を含み、樹脂成分は光によって反応する感光成分を
含む。光照射された樹脂が現像液への溶解速度のあがる
ポジ型と、光照射された樹脂が現像液への溶解速度の下
がるネガ型があり、どちらも使用することが可能である
が、可視光で感光成分の透明性の高いネガ型樹脂が好ま
しく用いられる。感光性カラーレジストの樹脂成分とし
てはポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹
脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフ
ィン系樹脂等の材料が好ましく用いられる。
【0025】非感光性カラーペーストに使用する樹脂成
分の例としてポリイミド系樹脂について述べる。ポリイ
ミド系樹脂としてはポリイミド前駆体であるポリアミッ
ク酸を、加熱又は適当な触媒によってイミド化したもの
が好適に用いられる。ポリアミック酸は、テトラカルボ
ン酸二無水物とジアミンを反応させることにより得るこ
とができる。
【0026】本発明におけるポリアミック酸の合成に
は、テトラカルボン酸二無水物として、たとえば、脂肪
族系または脂環式系のものを用いることができ、その具
体的な例として、1,2,3,4−シクロブタンテトラ
カルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタン
テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,5−シクロペ
ンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ビ
シクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,
4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、
1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テ
トラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフ
ト[1,2−C]フラン−1,3−ジオンなどが挙げら
れる。また、芳香族系のものを用いると、耐熱性の良好
な膜に変換しうるポリアミック酸を得ることができ、そ
の具体的な例として、3,3´,4,4´−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水
物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無
水物、3,3´,4,4´−ジフェニルスルホンテトラ
カルボン酸二無水物、4,4´−オキシジフタル酸無水
物、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、3,3”,4,4”−パラターフェニルテ
トラカルボン酸二無水物、3,3”,4,4”−メタタ
ーフェニルテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。ま
た、フッ素系のものを用いると、短波長領域での透明性
が良好な膜に変換しうるポリアミック酸を得ることがで
き、その具体的な例として、4,4´−(ヘキサフルオ
ロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物などが挙げられ
る。なお、本発明は、これらに限定されずにテトラカル
ボン酸二無水物が1種または2種以上用いられる。
【0027】また、本発明におけるポリアミック酸の合
成には、ジアミンとして、たとえば、脂肪族系または脂
環式系のものを用いることができ、その具体的な例とし
て、エチレンジアミン、1,3−ジアミノシクロヘキサ
ン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4´−ジア
ミノ−3,3´−ジメチルジシクロヘキシルメタン、
4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジシクロヘキ
シルなどが挙げられる。また、芳香族系のものを用いる
と、耐熱性の良好な膜に変換しうるポリアミック酸を得
ることができ、その具体的な例として、4,4´−ジア
ミノジフェニルエーテル、3,4´−ジアミノジフェニ
ルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、
3,3´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジア
ミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニ
ルスルホン、4,4´−ジアミノジフェニルサルファイ
ド、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミ
ン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトル
エン、2,6−ジアミノトルエン、ベンジジン、3,3
´−ジメチルベンジジン、3,3´−ジメトキシベンジ
ジン、o−トリジン、4,4”−ジアミノターフェニ
ル、1,5−ジアミノナフタレン、3,3´−ジメチル
−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エ−テ
ル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ス
ルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル]スルホンなどが挙げられる。また、フッ素系のもの
を用いると、短波長領域での透明性が良好な膜に変換し
うるポリアミック酸を得ることができ、その具体的な例
として、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどが挙げられる。
【0028】また、ジアミンの一部として、シロキサン
ジアミンを用いると、無機基板との接着性を良好にする
ことができる。シロキサンジアミンは、通常、全ジアミ
ン中の1〜20モル%量用いる。シロキサンジアミンの
量が少なすぎれば接着性向上効果が発揮されず、多すぎ
れば耐熱性が低下する。シロキサンジアミンの具体例と
しては、ビス−3−(アミノプロピル)テトラメチルシ
ロキサンなどが挙げられる。本発明は、これに限定され
ずにジアミンが1種または2種以上用いられる。
【0029】ポリアミック酸の合成は、極性有機溶媒中
でテトラカルボン酸二無水物とジアミンを混合して反応
させることにより行うのが一般的である。この時、ジア
ミンとテトラカルボン酸二無水物の混合比により、得ら
れるポリアミック酸の重合度を調節することができる。
このほか、テトラカルボン酸ジクロライドとジアミン
を極性有機溶媒中で反応させて、その後、塩酸と溶媒を
除去することによってポリアミック酸を得るなど、ポリ
アミック酸を得るには種々の方法がある。しかし、本発
明はその合成法によらずにポリアミック酸に対して適用
が可能である。
【0030】次に、本発明で使用する非感光性カラーペ
ーストに使用するポリアミック酸の構造単位の繰り返し
数について述べる。ポリイミド膜の力学的特性は、分子
量が大きいほど良好であるため、ポリイミド前駆体であ
るポリアミック酸の分子量も大きいことが望まれる。一
方、ポリアミック酸膜を湿式エッチングによりパターン
加工を行う場合、ポリアミック酸の分子量が大きすぎる
と、現像に要する時間が長くなりすぎるという問題があ
る。したがって、構造単位の繰り返し数の好ましい範囲
は15〜1000、より好ましくは18〜400、さら
に好ましくは20〜100である。なお、ポリアミック
酸の分子量には一般にばらつきがあるため、ここでいう
構造単位の繰り返し数の好ましい範囲とは、この範囲の
中に全ポリアミック酸の50モル%以上、好ましくは7
0モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上が入っ
ていることを意味する。
【0031】感光性カラーレジストに使用する樹脂成分
の例として、アクリル系樹脂について述べる。感光性ア
クリル系樹脂としては、感光性を持たせるため、少なく
ともアクリル系ポリマー、アクリル系多官能モノマーあ
るいはオリゴマー、光重合開始剤を含有させた構成を有
するのが一般的である。さらにエポキシを加えた、いわ
ゆるアクリルエポキシ樹脂も用いることができる。
【0032】使用できるアクリル系ポリマーとしては、
特に限定はないが、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽
和化合物の共重合体を好ましく用いることができる。不
飽和カルボン酸の例としては、例えばアクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマ
ル酸、ビニル酢酸、あるいは酸無水物などがあげられ
る。
【0033】これらは単独で用いても良いが、他の共重
合可能なエチレン性不飽和化合物と組み合わせて用いて
も良い。共重合可能なエチレン性不飽和化合物として
は、具体的には、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル
酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル
酸nープロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸s
ec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル
酸イソ−ブチル、メタクリル酸イソ−ブチル、アクリル
酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、
アクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸n−ペンチル、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジル
メタクリレートなどの不飽和カルボン酸アルキルエステ
ル、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレンなどの芳
香族ビニル化合物、アミノエチルアクリレートなどの不
飽和カルボン酸アミノアルキルエステル、グリシジルア
クリレート、グリシジルメタクリレートなどの不飽和カ
ルボン酸グリシジルエステル、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニト
リルなどのシアン化ビニル化合物、1,3−ブタジエ
ン、イソプレンなどの脂肪族共役ジエン、それぞれ末端
にアクリロイル基、あるいはメタクリロイル基を有する
ポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメ
タクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメ
タクリレート、ポリシリコーンなどのマクロモノマーな
どがあげられるが、これらに限定されるものではない。
【0034】また、側鎖にエチレン性不飽和基を付加し
たアクリル系ポリマーを用いると、加工の際の感度がよ
くなるので好ましく用いることができる。エチレン性不
飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メ
タクリル基のようなものがある。このような側鎖をアク
リル系(共)重合体に付加させる方法としては、アクリ
ル系(共)重合体のカルボキシル基や水酸基などを有す
る場合には、これらにグリシジル基を有するエチレン性
不飽和化合物やアクリル酸またはメタクリル酸クロライ
ドを付加反応させる方法が一般的である。その他、イソ
シアネートを利用してエチレン性不飽和基を有する化合
物を付加させることもできる。ここでいうグリシジル基
を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸またはメ
タクリル酸クロライドとしては、アクリル酸グリシジ
ル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グ
リシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロトン酸
グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエーテ
ル、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドな
どがあげられる。
【0035】多官能モノマーとしては、例えば、ビスフ
ェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリレー
ト、ポリ(メタ)アクリレートカルバメート、変性ビス
フェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、アジピン
酸1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリル酸エステ
ル、無水フタル酸プロピレンオキサイド(メタ)アクリ
ル酸エステル、トリメリット酸ジエチレングリコール
(メタ)アクリル酸エステル、ロジン変性エポキシジ
(メタ)アクリレート、アルキッド変性(メタ)アクリ
レートのようなオリゴマー、あるいはトリプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグ
リシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、トリアクリルホル
マール、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレ
ートなどがあげられる。これらは単独または混合して用
いることができる。また、次にあげるような単官能モノ
マーも併用することができ、例えば、エチル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、n−ブチ
ルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレ
ート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどがあり、
これらの2種以上の混合物、あるいはその他の化合物と
の混合物などが用いられる。これらの多官能及び単官能
モノマーやオリゴマーの選択と組み合わせにより、ペー
ストの感度や加工性の特性をコントロールすることが可
能である。特に、硬度を高くするにはアクリレート化合
物よりメタクリレート化合物が好ましく、また、感度を
上げるためには、官能基が3以上ある化合物が好まし
い。また、メラミン類、グアナミン類などもアクリル系
モノマーの代わりに好ましく用いることができる。
【0036】光重合開始剤としては、特に限定はなく、
公知のものが使用でき、例えば、ベンゾフェノン、N,
N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノ
ン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノ
ン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエー
テル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソ
ブチルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサ
ントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−
2−モルホリノ−1−プロパン、t−ブチルアントラキ
ノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロア
ントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノ
ン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノ
ン、9,10−フェナントラキノン、1,2−ベンゾア
ントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−
フェニルアントラキノン、2−(o−クロロフェニル)
−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体などがあげら
れる。また、その他のアセトフェノン系化合物、イミダ
ゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサン
トン系化合物、リン系化合物、トリアジン系化合物、あ
るいはチタネート等の無機系光重合開始剤なども好まし
く用いることができる。また、p−ジメチルアミノ安息
香酸エステルなどの増感助剤を添加すると、さらに感度
を向上させることができ好ましい。また、これらの光重
合開始剤は2種類以上を併用して用いることもできる。
【0037】光重合開始剤の添加量としては、特に限定
はないが、ペースト全固形分に対して、好ましくは1〜
30wt%、より好ましくは5〜25wt%、さらに好
ましくは10〜20wt%である。本発明で用いる溶媒
としては、樹脂成分を容易に溶解するものを使用するこ
とができる。
【0038】非感光性樹脂であるポリアミック酸の例で
は、溶解する溶媒として、例えばN―メチル―2―ピロ
リドン、N,N―ジメチルアセトアミド、N,N―ジメ
チルホルムアミドなどのアミド系極性溶媒、β―プロピ
オラクトン、γ―ブチロラクトン、γ―バレロラクト
ン、δ―バレロラクトン、γ―カプロラクトン、ε―カ
プロラクトンなどのラクトン類などが挙げられる。ま
た、感光性樹脂であるアクリル系樹脂の例では、これら
に加え、例えばメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、
メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピレン
グリコールモノエチルエーテルなどのエチレングリコー
ルあるいはプロピレングリコール誘導体、あるいは、プ
ロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ア
セト酢酸エチル、メチル―3―メトキシプロピオネー
ト、3―メチル―3―メトキシブチルアセテートなどの
脂肪族エステル類、あるいは、エタノール、3―メチル
―3―メトキシブタノールなどの脂肪族アルコール類、
シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類を
用いることも可能である。
【0039】本発明に用いるカラーペースト用溶媒とし
ては使用樹脂を溶解する単独あるいは2種類以上の溶媒
の混合溶媒を、適宜組み合わせて使用するのが好まし
い。この場合は、副溶剤として、使用する樹脂に対する
貧溶媒を用いることも可能である。好ましい溶媒として
は、特に限定されるわけではないが、例えばN−メチル
ピロリドンとシクロペンタノンの混合溶媒などがあげら
れ、特にアクリル系樹脂の場合には、シクロペンタノン
単独でも好ましく用いることができる。
【0040】本発明のカラーぺーストにおいて、ポリア
ミック酸あるいはアクリル系樹脂といった樹脂成分と、
着色剤とは、通常、重量比で1:9〜9:1、好ましく
は2:8〜8:2、より好ましくは3:7〜7:3の範
囲で混合して用いられる。樹脂成分の量が少なすぎる
と、着色被膜の基板との接着性が不良となり、逆に顔料
の量が少なすぎると着色度が問題となる。また、該ペー
ストにおいては、塗工性、乾燥性などの観点から、樹脂
成分と顔料をあわせた固形分濃度は、2〜40%、好ま
しくは3〜30%、さらに好ましくは5〜25%の範囲
で使用する。
【0041】本発明のカラーフィルターは、少なくとも
赤、緑、青の3色の色画素から構成され、使用される着
色材料は、有機顔料、無機顔料、染料問わず着色剤全般
を使用することができる。代表的な顔料の例として、ピ
グメントレッド(PR−)、2、3、22、38、14
9,166、168、177,206、207、20
9、224、242,254、ピグメントオレンジ(P
O−)5、13、17、31、36、38、40、4
2、43、51、55、59、61、64、65、7
1、ピグメントイエロー(PY−)12、13、14、
17、20、24、83、86、93、94、109、
110、117、125、137、138、139、1
47、148、150,153、154、166、17
3、185、ピグメントブルー(PB−)15(15:
1、15:2、15:3、15:4、15:6)、2
1、22、60、64、ピグメントバイオレット(PV
−)19、23、29、32、33、36、37、3
8、40、50などが挙げられる。本発明ではこれらに
限定されずに種々の顔料を使用することができる。
【0042】上記顔料は必要に応じて、ロジン処理、酸
性基処理、塩基性処理、顔料誘導体処理などの表面処理
が施されているものを使用しても良い。 なお、PR
(ピグメントレッド)、PY(ピグメントイエロー)、
PV(ピグメントバイオレット)、PO(ピグメントオ
レンジ)等は、カラーインデックス(C.I.;The So
ciety of Dyers and Colourists社発行)の記号であ
り、正式には頭にC.I.を付するもの(例えば、C.
I.PR254など)である。これは染料や染色の標準
を規定したものであり、それぞれの記号は特定の標準と
なる染料とその色を指定するものもである。なお、以下
の本発明の説明においては、原則として、前記C.I.
の表記は省略(例えば、C.I.PR254ならば、P
R254)する。
【0043】本発明のカラーフィルターの赤画素用着色
剤においては、PR242、PR254、キナクリドン
骨格を持つ顔料、PO38、PY17、PY138、P
Y150を使用することがより好ましい。本発明におけ
るキナクリドン骨格とは、以下の構造式(1)にて示さ
れる化合物である。
【0044】
【化1】
【0045】〔構造式(1)において、R1〜R8はそ
れぞれ独立に水素原子、メチル基等のアルキル基、また
は塩素原子等のハロゲン原子を示す。〕中でも、PR1
22(構造式(1)中、R3、R6がメチル基、R1、
R2、R4、R5、R7、R8が水素原子、構造式
(2)参照)、PV19(構造式(1)中、R1〜R8
はすべて水素原子、構造式(3)参照)又は、PR20
9(構造式(1)中、R3、R6が塩素原子で、R1、
R2、R4、R5、R7、R8が水素原子、構造式
(4)参照)が特に好ましい。
【0046】
【化2】
【0047】
【化3】
【0048】
【化4】
【0049】本発明のカラーフィルターの緑画素用着色
剤においては、PG7、PG36、PY17、PY13
8、PY150を使用することがより好ましい。また、
青画素用着色剤としてはPB15(15:1、15:
2、15:3、15:4、15:6)、60、PV1
9、23を使用することがより好ましい。
【0050】本発明のカラーフィルターでは非感光性カ
ラーペーストに含まれる着色剤は、感光性カラーレジス
トに含まれる着色剤と同じでも良く、異なっていても良
く、どちらか一方が染料で他方が顔料であっても良く、
独立に調製することができる。 また、1色あたり2種
類以上の着色剤を用いて、色度を調整することがある
が、非感光性カラーペーストと感光性カラーレジストに
含まれる着色剤は、着色剤数、着色剤種類、着色剤組
成、着色剤濃度は独立に調製することが可能である。
【0051】光源が異なるにも係わらず、透過表示と反
射表示の色純度、明るさ、色調の差を少なくするために
は、透過用領域の着色と反射用領域の着色が異なること
が好ましい。「着色が異なる」とは、同一光源(例えば
C光源)で透過用領域と反射用領域を見たときの色純
度、明るさ(透過率)、色調が異なることを指す。透過
用領域と反射用領域で「着色を異ならせる」ためにカラ
ーフィルターの構成として利用できる因子は主に、反射
用領域への透明樹脂層の設置に基づく最上層の感光性カ
ラーレジストおよび下層着色層の透過用領域と反射用領
域での膜厚の違いであり、この膜厚の違いはそれぞれの
層(例えば最上層)の透過用領域と反射用領域での着色
(同一光源で見た時の「色の濃さ」)の違いに反映でき
るが、これだけでは不十分である。このため、最上層の
感光性カラーレジストと非感光性カラーペーストおよび
/または感光性カラーレジストからなる下層着色層との
着色は同一ではなく目的に応じて異なることが好まし
い。着色を異ならせる方法としては、上記すなわち使用
する着色剤数、着色剤種類、着色剤組成、着色剤濃度を
異ならせることで達成することができる。勿論、使用さ
れる着色剤が同じであっても組成を変えれば達成される
色度を異ならせることができる。あるいは、最上層に主
顔料と副顔料の両者を使用した調色された着色とし、下
層着色層には主顔料あるいは副顔料のみを使用する、あ
るいは、最上層と下層着色層で主顔料の種類を変えるな
どが可能である。
【0052】画素に含まれる着色剤の例を記載するが、
この組み合わせに限定されるものではない。赤画素の例
として、透明樹脂層形成後に塗布する非感光性カラーペ
ーストの着色剤にはPR209とPO38を60対40
(重量比)で使用し、感光性カラーレジストの着色剤に
はPR177を使用し、透過用領域と反射用領域のそれ
ぞれの膜厚を調整することで、透過用領域と反射用領域
の色純度、明るさ、色調の差を小さくすることができ
る。赤画素と同様に緑画素の例として透明樹脂層形成後
に塗布する非感光性カラーペーストの着色剤にはPY1
38を使用し、感光性カラーレジストの着色剤にはPG
36とPY138を75対25(重量比)で使用するこ
とができる。赤画素と同様に青画素の例として透明樹脂
層形成後に塗布するカラーペーストの着色剤にはPB1
5:6とPV23を93対7(重量比)で使用し、感光
性カラーレジストの着色剤にはPB15:6を使用する
ことができる。
【0053】非感光性カラーペーストまたは感光性カラ
ーレジストを塗布する方法としては、ディップ法、ロー
ルコーター法、スピンコーティング法、ダイコーティン
グ法、ダイコーティングとスピンコーティング併用法、
ワイヤーバーコーティング法などが好適に用いられる。
【0054】非感光性ペーストを用いて透明樹脂層を形
成する例としては、透明基板上に非感光性ペーストを塗
布し、ホットプレート、オーブン、真空乾燥などを用い
て加熱乾燥(セミキュア)する。セミキュア膜上にポジ
型フォトレジストを塗布し、加熱乾燥(プリベーク)す
る。プリベーク後にマスク露光し、アルカリ現像し、フ
ォトレジストを溶剤で剥離することで透明樹脂層を形成
し加熱硬化させる。
【0055】感光性レジストを用いて透明樹脂層を形成
する方法としては、透明基板上に感光性レジストを塗布
し、ホットプレート、オーブン、真空乾燥を用いて加熱
乾燥(プリベーク)する。プリベーク後にマスク露光
し、アルカリ現像し、後に加熱硬化することで、透明樹
脂層を得る。形成する透明樹脂層の膜厚が厚すぎると透
明基板全体に均一な膜厚と形状で形成することが困難に
なるので、透明樹脂層の膜厚は5μm以下が好ましい。
【0056】画素を形成する方法としては、画素の反射
用領域に透明樹脂層が形成された透明基板上に、たとえ
ば非感光性カラーペーストを塗布、ホットプレート、オ
ーブン、真空乾燥を用いて加熱乾燥(セミキュア)す
る。このセミキュア膜上に感光性カラーレジストを塗布
し、加熱乾燥(プリベーク)する。プリベーク後にマス
ク露光し、アルカリ現像し、加熱硬化させるフォトリソ
工程で非感光性カラーペースト層と感光性カラーレジス
ト層とを同時にパターニングでき、積層構成でありなが
ら1回のフォトリソ加工で1色の画素を形成することが
できる。
【0057】非感光性カラーペーストからなる未硬化の
複数の着色層からなる着色層上に未硬化の感光性カラー
レジストからなる着色層を積層して、露光、現像を行い
フォトリソ加工することで感光性カラーレジストと未硬
化の着色層を同時に加工することができるので生産性が
向上して好ましい。非感光性カラーペーストは通常ポジ
型フォトレジストを積層し、フォトリソ加工し、フォト
レジストを剥離する工程が必要であるが、本発明の最上
層に感光性カラーレジストを積層する場合は感光性カラ
ーレジストは着色層なので、フォトリソ加工後に感光性
樹脂を剥離することなく、カラーフィルターを作製する
ことが可能であり、フォトレジスト剥離工程が短縮でき
るので好ましい。
【0058】画素を単層膜で形成する場合は目標色度ご
とに着色剤組成を最適化する必要があるが、この方法で
は透過用領域と反射用領域を別々に形成しなければなら
ないので赤、緑、青の3色の画素が必要な場合には6回
のフォトリソ加工が必要である。一方、本発明ではすく
なくとも1色の画素が複数の着色層が積層された構造で
あること、着色層最上層に感光性カラーレジストからな
る着色層が形成されること、反射用領域において基板と
着色層の間に透明樹脂層が形成されていることにより、
赤、緑、青の3色の画素が必要な場合には従来6回のフ
ォトリソ加工工程で達成される透過用領域と反射用領域
の目標の色純度、明るさ、色調を4回のフォトリソ加工
工程で達成することができる。
【0059】本発明においては、反射用領域への透明樹
脂層の形成、ならびに着色塗液の平坦化(レベリング)
によって、着色層膜厚を変えているが、別の方法によっ
てもよい。例えば、感光性カラーレジストからなる着色
層はフォトリソ加工におけるマスク露光の露光量により
硬化する膜厚を変えることができる。感光性アクリルカ
ラーレジストの場合について述べるが、本発明の感光性
カラーレジストはこれに限定されない。感光性カラーレ
ジストをフォトリソ加工する場合には、露光量が十分多
いと感光性カラーレジストの光架橋が進み、露光された
部分は現像液にほとんど溶解されない(いわゆる「膜べ
り」(膜厚方向にも現像が進んで膜厚が減少する)も起
こらない)。未露光部分はアクリル樹脂の光架橋が進ま
ないので、現像液に溶解する。露光はするが、露光量が
感光性樹脂の硬化に十分でない場合はアクリル樹脂の光
架橋が十分進まないので、露光された部分は現像液に一
部の塗膜が溶解するいわゆる「膜べり」が起こるので、
露光量によって感光性樹脂の膜厚を調整することも可能
である。
【0060】露光量を調節する方法としては半透過フォ
トマスクを使用する方法や、スリットまたは網点フォト
マスクを使用する方法がある。半透過フォトマスクはフ
ォトマスクに0より大きく100%未満の透過率の半透
過領域を持つ。この半透過フォトマスクを使用すること
で、露光量が多い部分と少ない部分で膜厚を調整する方
法である。スリットフォトマスクはフォトマスクの遮光
部分に20μm以下の幅でスリットを形成し、単位面積
あたりでスリットを通過した露光量を平均化して露光量
を調整する方法である。網点フォトマスクはフォトマス
クの遮光部分に1個あたりの面積400μm2以下の円
形、楕円形、四角形、長方形、菱形、台形、などを1個
以上形成し、単位面積あたりでスリットを通過した露光
量を平均化して露光量を調整する方法である。感光性カ
ラーレジストを露光する場合、光源にg線、h線、i線
の混合スペクトルを持つ高圧水銀灯を用ることが好まし
い。露光量は感光性カラーレジストの感度によるが、i
線で50mJ/cm2以上が好ましい。
【0061】アルカリ現像液は有機アルカリ現像液と無
機アルカリ現像液のどちらも用いることができる。無機
アルカリ現像液では炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムの水溶液などが好適に用いられる。
有機アルカリ現像液ではテトラメチルアンモニウムヒド
ロキシド水溶液、メタノールアミンなどのアミン系水溶
液が好適に用いられる。現像液には現像の均一性を上げ
るために界面活性剤を添加することが好ましい。アルカ
リ現像はディップ現像、シャワー現像、パドル現像など
の方法が可能である。現像後はアルカリ現像液を除去す
るために純水洗浄を行う。シャワー現像では最適な画素
形状になるようにシャワー圧力を調整することが好まし
い。シャワー圧力が弱いと、画素の解像度が低下する。
シャワー圧力が強いと画素が基板から剥がれることがあ
る。シャワーの圧力は0.05〜5MPaが好ましい。
【0062】透明樹脂層の形成によって、表面の平坦性
が損なわれ透過用領域と反射用領域の表面段差が生じる
場合があるので、画素上に平坦化層としてオーバーコー
ト層を形成するのが好ましい。具体的には、エポキシ
膜、アクリルエポキシ膜、アクリル膜、シロキサンポリ
マ系の膜、ポリイミド膜、ケイ素含有ポリイミド膜、ポ
リイミドシロキサン膜等が挙げられる。
【0063】カラーフィルターの形成は、ガラス、高分
子フィルム等の透明基板側に限定されず、駆動素子側基
板にも行うことができる。カラーフィルターのパターン
形状については、ストライプ状、アイランド状などがあ
げられるが特に限定されるものではない。また、必要に
応じてカラーフィルター上に柱状の固定式スペーサーが
配置されていてもよい。
【0064】画素の形成方法については、色材料は塗布
したときにその流動性を利用した「レベリング(平坦
化)」が起こるものなら何でも良い。
【0065】本発明のカラーフィルターは、半透過型液
晶表示装置に組み込まれて使用される。ここで、半透過
型液晶表示装置とは、対向基板あるいはカラーフィルタ
ーの反射領域にはアルミニウム膜や銀膜等から成る反射
膜を備え、透過領域にはそのような反射膜がないことを
特徴とする液晶表示装置である。本発明のカラーフィル
ターは、液晶表示装置の駆動方法、表示方式にも限定さ
れず、アクティブマトリクス方式、パッシブマトリクス
方式、TNモード、STNモード、ECBモード、OC
B、VAモードなど種々の液晶表示装置に適用される。
また、液晶表示装置の構成、例えば偏光板の数、散乱体
の位置等にも限定されずに使用することができる。
【0066】本発明のカラーフィルター作製方法の一例
を述べる。透明基板上に少なくともポリアミック酸、黒
色着色剤、溶剤からなる非感光性カラーペーストを透明
基板上に塗布した後、風乾、加熱乾燥、真空乾燥などに
より、ポリアミック酸黒色着色被膜を形成する。加熱乾
燥の場合、オーブン、ホットプレートなどを使用し、6
0〜200℃の範囲で1分〜60分行うのが好ましい。
次にこのようにして得られたポリアミック酸黒色被膜に
ポジ型フォトレジストを塗布し、ホットプレートを使用
して60〜150℃の範囲で1〜30分加熱乾燥させ
る。露光装置を用いて、紫外線を照射し目的のパターン
を焼き付け、アルカリ現像して所望位置に所望パターン
で樹脂ブラックマトリクス層を得る。樹脂ブラックマト
リクス層は200〜300℃で加熱硬化させる。
【0067】次にポリアミック酸と溶剤からなる非感光
性ペーストをブラックマトリクスが形成された透明基板
の全面に塗布し、ホットプレートを使用し、60〜20
0℃の範囲で1〜60分間加熱乾燥する。次にこのよう
にして得られたポリアミック酸被膜にポジ型フォトレジ
ストを塗布し、ホットプレートを使用して60〜150
℃の範囲で1〜30分加熱乾燥させる。露光装置を用い
て、紫外線を照射し目的のパターンを焼き付け、アルカ
リ現像して所望位置に所望パターンで透明樹脂層を得
る。透明樹脂層は200〜300℃で加熱硬化させる。
【0068】次に着色層を積層して画素を形成する。少
なくともポリアミック酸、着色剤、溶剤からなる非感光
性カラーペーストを透明樹脂層を形成した透明基板上に
塗布した後、風乾、加熱乾燥、真空乾燥などにより、ポ
リアミック酸着色被膜を形成する。加熱乾燥の場合、オ
ーブン、ホットプレートなどを使用し、60〜200℃
の範囲で1分〜60分行うのが好ましい。次に、このよ
うにして得られたポリアミック酸着色被膜に、アクリル
系ポリマー、アクリル系多官能モノマー、光重合開始剤
からなる感光性アクリル樹脂、着色剤、溶剤からなる感
光性カラーレジストを塗布した後、風乾、加熱乾燥、真
空乾燥などにより、感光性アクリル着色被膜を積層形成
する。加熱乾燥の場合、オーブン、ホットプレートなど
を使用し、60〜200℃の範囲で1分〜3時間行うの
が好ましい。続いて感光性アクリル着色被膜にフォトマ
スクと露光装置を用いて紫外線をパターン状に照射す
る。露光後、アルカリ現像液により、感光性アクリル着
色被膜とポリアミック酸着色被膜のエッチングを同時に
行う。
【0069】ポリアミック酸着色被膜は、その後、加熱
硬化することによって、ポリイミド着色被膜に変換され
る。加熱硬化は通常、空気中、窒素雰囲気中、あるい
は、真空中などで、150〜350℃、好ましくは18
0〜250℃の温度のもとで、0.5〜5時間、連続的
または段階的に行われる。
【0070】感光性アクリル着色層を積層しない他の色
の画素がある場合は、ポリアミック酸着色被膜を形成し
た後、フォトレジストを塗布し、フォトレジスト被膜を
形成する。続いて該フォトレジスト被膜上にフォトマス
クと露光装置を用いてパターン状に紫外線照射する。露
光後、アルカリ現像液により、フォトレジスト被膜とポ
リアミック酸被膜のエッチングを同時に行う。エッチン
グ後、不要となったフォトレジスト被膜を剥離し、ポリ
アミック酸を加熱硬化することでポリイミド着色膜を得
る。以上の工程を赤、緑、青の画素(必要に応じてブラ
ックマトリックス)について行うと、液晶表示装置用カ
ラーフィルターが作製できる。
【0071】次に、このカラーフィルターを用いて作成
した半透過型液晶表示装置の一例について述べる。上記
カラーフィルター上に、透明保護膜を形成し、さらにそ
の上にITO膜などの透明電極を製膜する。次に、この
カラーフィルター基板と、金属蒸着膜などがパターニン
グされた半透過反射膜、半透過反射膜上の透明絶縁膜、
さらにその上にITO膜などの透明電極が形成された半
透過反射基板とを、さらにそれらの基板上に設けられた
液晶配向のためのラビング処理を施した液晶配向膜、お
よびセルギャップ保持のためのスペーサーを介して、対
向させてシールし貼りあわせる。なお、半透過反射基板
上には、反射膜、透明電極以外に、光拡散用の突起物、
薄膜トランジスタ(TFT)素子や薄膜ダイオード(T
FD)素子、および走査線、信号線などを設け、TFT
液晶表示装置や、TFD液晶表示装置を作成することが
できる。次に、シール部に設けられた注入口から液晶を
注入した後に、注入口を封止する。つぎに、ICドライ
バー等を実装することによりモジュールが完成する。
【0072】
【実施例】<測定法>透過率、色座標:大塚電子(株)
製、“MCPD−2000”顕微分光光度計を用い、カ
ラーフィルター上に製膜されているものと同一製膜条件
により作製されるITOを製膜したガラスをリファレン
スとして測定した。
【0073】ここでいう透過領域色度とは、上述のカラ
ーフィルター透過用領域を顕微分光光度計などで測定し
たときに得られる分光スペクトルから求められるもので
あり、反射領域色度とは該領域中の着色領域の分光スペ
クトル、透明領域の分光スペクトルをそれぞれ各波長で
自乗し、着色領域と透明領域との面積についての加重平
均を取ることにより求められるものである。画素の膜厚
は表面粗さ計:(株)東京精密製、“サーフコム130
A”を用いて測定した。
【0074】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下の実
施例では透過表示と反射表示の色純度、明るさ、色調の
差が少なくなることを意図した例を示す。また、本発明
によればその優れた透過用領域と反射用領域のそれぞれ
に対する色調整機能によって、意図的に透過表示と反射
表示のそれぞれの異なる色純度、明るさ、色調を調製す
ることができるが、それらの実施例についても説明す
る。
【0075】なお、以下の実施例、比較例では、特に断
りがない場合は画素開口部に対する反射板の形成領域
(反射用領域)の割合は50%とする。また、透明樹脂
層の反射用領域に対する割合についても、特に断りがな
い場合は100%とする。
【0076】実施例1 A.ポリアミック酸溶液の作製 4,4′−ジアミノジフェニルエーテル 95.1gお
よびビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサ
ン 6.2gをγ−ブチロラクトン 525g、N−メチ
ル−2−ピロリドン 220gと共に仕込み、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
144.1gを添加し、70℃で3時間反応させた
後、無水フタル酸 3.0gを添加し、さらに70℃で
2時間反応させ、25重量%のポリアミック酸溶液(P
AA)を得た。
【0077】B.ポリマー分散剤の合成 4,4′−ジアミノベンズアニリド 161.3g、
3,3′−ジアミノジフェニルスルホン 176.7
g、およびビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシ
ロキサン 18.6gをγ−ブチロラクトン 2667
g、N−メチル−2−ピロリドン 527gと共に仕込
み、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物 439.1gを添加し、70℃で3時間反応
させた後、無水フタル酸 2.2gを添加し、さらに7
0℃で2時間反応させ、20重量%のポリアミック酸溶
液であるポリマー分散剤(PD)を得た。
【0078】C.非感光性カラーペーストの作製 ピグメントレッドPR209、3.6g(80wt
%)、ピグメントオレンジPO38、0.9g(20w
t%)とポリマー分散剤(PD) 22.5gおよびγ
−ブチロラクトン 42.8g、3−メトキシ−3−メ
チル−1−ブタノール 20.2gをガラスビーズ 90
gとともに仕込み、ホモジナイザーを用い、7000r
pmで5時間分散後、ガラスビーズを濾過し、除去し
た。このようにしてPR209とPO38からなる分散
液5%溶液(GD)を得た。
【0079】分散液(GD) 45.6gにポリアミッ
ク酸溶液(PAA) 14.88gをγ−ブチロラクト
ン 39.52gで希釈した溶液を添加混合し、赤色カ
ラーペースト(RPI−1)を得た。同様にして、表1
に示す割合で赤ペースト(RPI−2、RPI−3、R
PI−4、RPI−5)、緑ペースト(GPI−1、G
PI−2、GPI−3、GPI−4、GPI−5)、青
ペースト(BPI−1、BPI−2、BPI−3、BP
I−4、BPI−5)を得た。各カラーペーストの固形
分濃度は8.3%に調製した。
【0080】D.非感光性ペースト(透明樹脂層に用い
る)の作製 ポリアミック酸溶液(PAA) 16.0gをγ−ブチ
ロラクトン 34.0gで希釈し非感光性透明ペースト
(TPI−1)を得た。
【0081】E.感光性カラーレジストの作製 ピグメントレッドPR177、8.05gを3−メチル
−3−メトキシブタノール50gとともに仕込み、ホモ
ジナイザーを用い、7000rpmで5時間分散後、ガ
ラスビーズを濾過し、除去した。アクリル共重合体溶液
(ダイセル化学工業株式会社製サイクロマーP、ACA
−250、43wt%溶液)70.00g、多官能モノ
マーとしてペンタエリスリトールテトラメタクリレート
30.00g、光重合開始剤として“イルガキュア”3
69 15.00gにシクロペンタノン260.00g
を加えた濃度20重量%の感光性樹アクリル樹脂溶液
(AC−1)134.75gを加え、赤レジスト(RA
C−1)を得た。同様にして、表1に示す割合で赤レジ
スト(RAC−2、RAC−3、RAC−4、RAC−
5、RAC−6、RAC−7)、緑レジスト(GAC−
1、GAC−2、GAC−3、GAC−4、GAC−
5、GAC−6、GAC−7)、青レジスト(BAC−
1、BAC−2、BAC−3、BAC−4、BAC−
5、BAC−6、BAC−7、BAC−8)を得た。各
カラーレジストの固形分濃度は17.2%に調製した。
【0082】
【表1】
【0083】F.着色塗膜の作製と評価 ブラックマトリクスがパターン加工されたガラス基板上
に熱処理後の膜厚が1.0μmになるように非感光性ペ
ースト(TPI−1)をスピンナーで塗布した。該塗膜
を、120℃のオーブンで20分乾燥し、この上にポジ
型フォトレジスト(東京応化株式会社製“OFPR−8
00”)を塗布し、90℃で10分オーブン乾燥した。
キャノン株式会社製紫外線露光機“PLA−501F”
を用い、フォトマスクパターンを介して赤、緑、青の各
画素の反射用領域に透明樹脂層が残るように60mJ/
cm2(365nmの紫外線強度)で露光した。露光
後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの
2.0%の水溶液からなる現像液に浸漬し、フォトレジ
ストの現像、ポリアミック酸の塗膜のエッチングを同時
に行った。エッチング後不要となったフォトレジスト層
をアセトンで剥離し、240℃で30分熱処理し、赤、
緑、青画素の反射用領域に透明樹脂層を得た。
【0084】次に透過用領域の画素中央での熱処理後の
膜厚が1.5μmになるように赤レジスト(RAC−
1)をスピンナーで基板上に塗布し、該塗膜を80℃で
15分乾燥した。紫外線露光機を用い、赤画素の透過用
領域と反射用領域は光が透過するクロム製フォトマスク
を介して、100mJ/cm2(365nmの紫外線強
度)で露光した。露光後にテトラメチルアンモニウムハ
イドロオキサイドの0.1%の水溶液からなる現像液に
浸漬しRAC−1から得た着色層を現像した。現像後に
240℃のオーブンで30分熱処理をした。次に透過用
領域の画素中央での熱処理後の膜厚が1.5μmになる
ように緑レジスト(GAC−1)をスピンナーで塗布し
赤画素と同様にフォトリソ加工して緑画素を得た。次に
透過用領域の画素の中央での熱処理後の膜厚が0.7μ
mになるように青ペースト(BPI−1)をスピンナー
で基板上に塗布し、該塗膜を120℃のオーブンで20
分乾燥した。該塗膜の上に透過用領域の画素の中央で熱
処理後の膜厚が、BPI−1からなる塗膜との合計が、
1.7μmになるように青レジスト(BAC−1)をス
ピンナーで基板上に塗布し、該塗膜を80℃のオーブン
で10分熱処理した。紫外線露光機を用い、青画素の透
過用領域と反射用領域は光が透過するクロム製フォトマ
スクを介して、100mJ/cm2(365nmの紫外線
強度)で露光した。露光後にテトラメチルアンモニウム
ハイドロオキサイドの2.0%の水溶液からなる現像液
に浸漬し、BAC−1およびBPI−1から得た積層さ
れた着色層を現像した。現像後に240℃のオーブンで
30分熱処理をし青画素を得た。作製したカラーフィル
ターの構成と使用した非感光性カラーペーストおよび感
光性カラーレジストおよび透明樹脂層について表2にま
とめた。
【0085】
【表2】
【0086】得られた画素上にオーバーコート層を2.
0μmの厚みで製膜し、さらにその上にITO膜を膜厚
0.14μmとなるようにスパッタリングした。得られ
たカラーフィルターの構成断面図を模式的に図1に示
す。このようにして得られたカラーフィルターをD65
光源での反射用領域色度、冷陰極放電管の3波長光源で
の透過用領域色度を表3に示す。なお、ここで用いた冷
陰極放電管の光源の色座標は(0.311,0.32
6)である。
【0087】
【表3】
【0088】実施例2 ブラックマトリクスがパターン加工されたガラス基板上
に熱処理後の膜厚が1.5μmになるように非感光性ペ
ースト(TPI−1)をスピンナーで塗布し、実施例1
と同様にフォトリソ加工して反射用領域に透明樹脂層を
得た。
【0089】次に透過用領域の画素中央での熱処理後の
膜厚が0.7μmになるように赤ペースト(RPI−
1)をスピンナーで基板上に塗布し、該塗膜を120℃
のオーブンで20分乾燥した。該塗膜の上に透過用領域
の画素の中央で熱処理後の膜厚が、RPI−1からなる
塗膜との合計が、2.2μmになるように赤レジスト
(RAC−2)をスピンナーで基板上に塗布し、該塗膜
を80℃のオーブンで10分熱処理した。紫外線露光機
を用い、赤画素の透過用領域と反射用領域は光が透過す
るクロム製フォトマスクを介して、100mJ/cm
2(365nmの紫外線強度)で露光した。露光後にテ
トラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの2.0%
の水溶液からなる現像液に浸漬しRAC−2およびRP
I−1から得た積層した着色層を同時に現像した。現像
後に240℃のオーブンで30分熱処理をし赤画素を得
た。
【0090】次に透過用領域の画素中央での熱処理後の
膜厚が0.7μmになるように緑ペースト(GPI−
1)をスピンナーで基板上に塗布し、該塗膜を120℃
のオーブンで20分乾燥した。該塗膜の上に透過用領域
の画素の中央で熱処理後の膜厚が、GPI−1からなる
塗膜との合計が、2.2μmになるように緑レジスト
(GAC−2)をスピンナーで基板上に塗布し、該塗膜
を80℃のオーブンで10分熱処理し、赤画素と同様に
GPI−1とGAC−2を同時にフォトリソ加工して緑
画素を得た。
【0091】次に透過用領域の画素中央での熱処理後の
膜厚が0.7μmになるように青ペースト(BPI−
1)をスピンナーで基板上に塗布し、該塗膜を120℃
のオーブンで20分乾燥した。該塗膜の上に透過用領域
の画素の中央で熱処理後の膜厚が、BPI−1からなる
塗膜との合計が、2.2μmになるように青レジスト
(BAC−2)をスピンナーで基板上に塗布し、該塗膜
を80℃のオーブンで10分熱処理し、赤画素と同様に
BPI−1とBAC−2を同時にフォトリソ加工して青
画素を得た。
【0092】得られた画素上にオーバーコート層を2.
0μmの厚みで製膜し、さらにその上にITO膜を膜厚
0.14μmとなるようにスパッタリングした。作製し
たカラーフィルターの構成と使用した非感光性カラーペ
ーストおよび感光性カラーレジストおよび透明樹脂層に
ついて表2にまとめた。また、得られたカラーフィルタ
ーの構成断面図を模式的に図2に示す。このようにして
得られたカラーフィルターのD65光源での反射用領域
色度、冷陰極放電管の3波長光源での透過用領域色度を
表4に示す。なお、ここで用いた冷陰極放電管の光源の
色座標は(0.311,0.326)である。
【0093】
【表4】
【0094】また表4には、同一光源(C光源)で見た
ときの透過用領域色度と反射用領域色度を同時に示す。
緑画素のy(Gのy)が0.011、また青画素のy
(Bのy)が0.024異なっており、十分違いが認識
できるレベルの違いであるが、3波長冷陰極管光源で見
たときの透過用領域色度とD65光源で見たときの反射
用領域色度の違いは0.003以内となって違いが認識
困難なレベルとなった。
【0095】比較例1 反射用領域に透明樹脂層を形成しないこと、青画素に透
過用領域の画素中央での熱処理後の膜厚が1.5μmに
なるように青レジスト(BAC−3)を塗布して実施例
1の赤画素と同様にして青画素を得た事以外は実施例1
と同様にしてカラーフィルターを得た。得られた画素膜
上にオーバーコート層を2.0μmの厚みで製膜し、さ
らにその上にITO膜を膜厚0.14μmとなるように
スパッタリングした。作製したカラーフィルターの構成
と使用した非感光性カラーペーストおよび感光性カラー
レジストおよび透明樹脂層について表2にまとめた。こ
のようにして得られたカラーフィルターをD65光源で
の反射用領域色度、冷陰極放電管の3波長光源での透過
用領域色度を表5に示す。なお、ここで用いた冷陰極放
電管の光源の色座標は(0.311,0.326)であ
る。
【0096】
【表5】
【0097】透過用領域色度と反射用領域色度が赤画素
のxで0.058、緑画素のyで0.044、青画素の
yで0.022の差があること、および反射用領域の明
るさYが小さかった。
【0098】比較例2 反射用領域に透明樹脂層を1.0μm形成し、青画素に
透過用領域の画素中央での熱処理後の膜厚が1.5μm
になるように青レジスト(BAC−3)を塗布して実施
例1の赤画素と同様にして青画素を得た事以外は実施例
1と同様にしてカラーフィルターを得た。得られた画素
膜上にオーバーコート層を2.0μmの厚みで製膜し、
さらにその上にITO膜を膜厚0.14μmとなるよう
にスパッタリングした。作製したカラーフィルターの構
成と使用した非感光性カラーペーストおよび感光性カラ
ーレジストおよび透明樹脂層について表2にまとめた。
このようにして得られたカラーフィルターをD65光源
での反射用領域色度、冷陰極放電管の3波長光源での透
過用領域色度を表6に示す。なお、ここで用いた冷陰極
放電管の光源の色座標は(0.311,0.326)で
ある。
【0099】
【表6】
【0100】透過用領域色度と反射用領域領域色度が赤
画素のyで0.007、緑画素yで0.011、青画素
のyで0.028の差があった。
【0101】比較例3 ブラックマトリクスがパターン加工されたガラス基板上
に、透過用領域の画素中央での熱処理後の膜厚が1.5
μmになるように赤レジスト(RAC−1)をスピンナ
ーで基板上に塗布し、該塗膜を80℃で15分乾燥し
た。紫外線露光機を用い、赤画素の透過用領域に光が透
過するクロム製フォトマスクを介して、100mJ/cm
2(365nmの紫外線強度)で露光した。露光後にテ
トラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの0.1%
の水溶液からなる現像液に浸漬しRAC−1からなる着
色層を現像した。現像後に240℃のオーブンで30分
熱処理をして透過用領域の赤画素を得た。
【0102】次に反射用領域の画素中央での熱処理後の
膜厚が1.5μmになるように赤レジスト(RAC−
3)を塗布し、該塗膜を80℃で15分乾燥した。紫外
線露光機を用い、赤画素の反射用領域に光が透過するク
ロム製フォトマスクを介して、100mJ/cm2(36
5nmの紫外線強度)で露光した。露光後にテトラメチ
ルアンモニウムハイドロオキサイドの0.1%の水溶液
からなる現像液に浸漬しRAC−3からなる着色層を現
像した。現像後に240℃のオーブンで30分熱処理を
して反射用領域の赤画素を得た。
【0103】次に透過用領域の画素中央での熱処理後の
膜厚が1.5μmになるように緑レジスト(GAC−
1)をスピンナーで基板上に塗布したこと以外は比較例
1の赤画素と同様にして透過用領域の緑画素を得た。次
に反射用領域の画素中央での熱処理後の膜厚が1.5μ
mになるように緑レジスト(GAC−3)をスピンナー
で基板上に塗布したこと以外は比較例1の赤画素と同様
にして反射用領域の緑画素を得た。
【0104】次に透過用領域の画素中央での熱処理後の
膜厚が1.5μmになるように青レジスト(BAC−
3)をスピンナーで基板上に塗布したこと以外は比較例
1の赤画素と同様にして透過用領域の青画素を得た。次
に反射用領域の画素中央での熱処理後の膜厚が1.5μ
mになるように青レジスト(BAC−4)をスピンナー
で基板上に塗布したこと以外は比較例1の赤画素と同様
にして反射用領域の青画素を得た。
【0105】得られた画素膜上にオーバーコート層を
2.0μmの厚みで製膜し、さらにその上にITO膜を
膜厚0.14μmとなるようにスパッタリングした。作
製したカラーフィルターの構成と使用した非感光性カラ
ーペーストおよび感光性カラーレジストおよび透明樹脂
層について表2にまとめた。このようにして得られたカ
ラーフィルターをD65光源での反射用領域色度、冷陰
極放電管の3波長光源での透過用領域色度を表7に示
す。なお、ここで用いた冷陰極放電管の光源の色座標は
(0.311,0.326)である。
【0106】
【表7】
【0107】本比較例のカラーフィルターは透過用領域
と反射用領域の色度の差が赤画素、緑画素、青画素とも
に0.011以下と小さかったが、カラーフィルターの
画素を作製するために6回のフォトリソ加工工程が必要
であり、コスト増になる問題があった。
【0108】実施例1、および実施例2で作製したカラ
ーフィルターは、比較例1で作製したカラーフィルター
に比べ、反射用領域色度での明るさYが大きく、液晶表
示装置を作成した場合に明るい反射表示となることが期
待される。
【0109】比較例2は、透明樹脂層を形成し、画素を
積層させない場合のカラーフィルター作成例である。赤
画素については、透過用領域色度と反射用領域色度にお
けるxの差は0.001であり、色純度はよい一致を示
している。しかし、透過用領域色度と反射用領域色度に
おけるyの差は0.007であり、色調の違いが視認さ
れるレベルである。また、緑画素については、反射用領
域色度のyが透過用領域色度でのyにくらべ、0.01
1小さく、色純度が低くなっている。さらに青画素につ
いても、反射用領域色度のyが透過用領域色度でのyに
くらべ0.028大きく、色純度が低い。このように、
透明樹脂を形成しただけの比較例2は反射用領域色度と
透過用領域色度の色純度バランスが崩れたものである。
一方、実施例1で作製した青画素について透明樹脂を形
成し、さらに着色層を積層させたカラーフィルターは、
青画素について、反射用領域色度のyと透過用領域色度
とのyの差は0.001であり、色純度のバランスが比
較例1に比べ、改善されている。また、赤画素、緑画
素、青画素、すべてについて透明樹脂を形成し、さらに
着色層を積層した実施例2で作製したカラーフィルター
は、比較例1に比べ、色純度バランス、色調ともによい
一致を示している。
【0110】比較例3は、実施例2と同様に優れた色純
度バランス、色調ともによい一致を示しているが、カラ
ーフィルターの画素を作製するために6回のフォトリソ
加工工程が必要であり、コスト増になる問題がある。次
に、反射用領域色度の色純度、明るさを調整した実施例
を示す。
【0111】実施例3 反射用領域に形成する透明樹脂層の膜厚が熱処理後に
1.0μmであること以外は実施例2と同様にしてカラ
ーフィルターを得た。作製したカラーフィルターの構成
と使用した非感光性カラーペーストおよび感光性カラー
レジストおよび透明樹脂層について表2にまとめた。
【0112】このようにして得られたカラーフィルター
をD65光源での反射領域色度、冷陰極放電管の3波長
光源での透過領域色度を表8に示す。なお、ここで用い
た冷陰極放電管の光源の色座標は(0.311,0.3
26)である。
【0113】
【表8】
【0114】実施例3では、反射用領域色度の色純度バ
ランスと透過用領域色度の色純度バランスが大きく崩れ
ないようにしつつ、色再現範囲を拡大させることが出来
た。
【0115】実施例4 反射用領域に形成する透明樹脂層の膜厚が熱処理後に
3.5μmであること以外は実施例2と同様にしてカラ
ーフィルターを得た。作製したカラーフィルターの構成
と使用した非感光性カラーペーストおよび感光性カラー
レジストおよび透明樹脂層について表2にまとめた。こ
のようにして得られたカラーフィルターをD65光源で
の反射用領域色度、冷陰極放電管の3波長光源での透過
用領域色度を表9に示す。なお、ここで用いた冷陰極放
電管の光源の色座標は(0.311,0.326)であ
る。
【0116】
【表9】
【0117】実施例4では、反射用領域色度の色純度バ
ランスと透過用領域色度の色純度バランスが大きく崩れ
ないようにしつつ、輝度を大きくすることが出来た。
【0118】実施例5 ブラックマトリクスがパターン加工されたガラス基板上
に熱処理後の膜厚が1.5μmになるように感光性アク
リル樹脂溶液(AC−1)をスピンナーで塗布した。該
塗膜を、80℃のオーブンで10分乾燥し、キャノン株
式会社製紫外線露光機PLA−501Fを用い、赤、
緑、青の各画素の反射用領域に光が透過するフォトマス
クパターンを介して100mJ/cm2(365nmの紫
外線強度)露光した。露光後、テトラメチルアンモニウ
ムハイドロオキサイドの0.1%の水溶液からなる現像
液に浸漬し、240℃のオーブンで30分熱処理し、
赤、緑、青画素の反射用領域に透明樹脂層を得たこと以
外は実施例2と同様にしてカラーフィルターを得た。作
製したカラーフィルターの構成と使用した非感光性カラ
ーペーストおよび感光性カラーレジストおよび透明樹脂
層について表2にまとめた。
【0119】このようにして得られたカラーフィルター
をD65光源での反射用領域色度、冷陰極放電管の3波
長光源での透過用領域色度を表10に示す。なお、ここ
で用いた冷陰極放電管の光源の色座標は(0.311,
0.326)である。
【0120】
【表10】
【0121】実施例5では、反射用領域に形成する透明
樹脂層を感光性レジスト(感光性アクリル樹脂)とした
場合でも、反射用領域色度の色純度バランスと透過用領
域色度の色純度バランスを調整することが出来た。
【0122】実施例6 ブラックマトリクスがパターン加工されたガラス基板上
に熱処理後の膜厚が1.0μmになるように非感光性ペ
ースト(TPI−1)をスピンナーで塗布した。該塗膜
を、120℃のオーブンで20分乾燥し、この上にポジ
型フォトレジスト(東京応化株式会社製OFPR−80
0)を塗布し、90℃で10分オーブン乾燥した。キャ
ノン株式会社製紫外線露光機PLA−501Fを用い、
赤画素の反射用領域の44%の面積、緑画素の反射用領
域の50%の面積、青画素の反射用領域の69%の面積
には光が透過しないフォトマスクパターンを介して60
mJ/cm2(365nmの紫外線強度)露光した。露光
後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの
2.0%の水溶液からなる現像液に浸漬し、フォトレジ
ストの現像、ポリアミック酸のエッチングを同時に行っ
た。エッチング後不要となったフォトレジスト層をアセ
トンで剥離し、240℃で30分熱処理し、赤画素の反
射用領域の44%の面積、緑画素の反射用領域の50%
の面積、青画素の反射用領域の69%の面積に透明樹脂
層を形成したこと以外は実施例2と同様にしてカラーフ
ィルターを得た。作製したカラーフィルターの構成と使
用した非感光性カラーペーストおよび感光性カラーレジ
ストおよび透明樹脂層について表2にまとめた。
【0123】このようにして得られたカラーフィルター
をD65光源での反射領域色度、冷陰極放電管の3波長
光源での透過領域色度を表11に示す。なお、ここで用
いた冷陰極放電管の光源の色座標は(0.311,0.
326)である。
【0124】
【表11】
【0125】実施例6では、着色層の積層に加え、反射
用領域に対する透明樹脂層の割合を調整することでも、
反射用領域色度の色純度バランスと透過用領域色度の色
純度バランスを調整することが出来た。
【0126】実施例7 ブラックマトリクスがパターン加工されたガラス基板上
に熱処理後の膜厚が1.5μmになるように非感光性ペ
ースト(TPI−1)をスピンナーで塗布した。該塗膜
を、120℃のオーブンで20分乾燥し、この上にポジ
型フォトレジスト(東京応化株式会社製OFPR−80
0)を塗布し、90℃で10分オーブン乾燥した。キャ
ノン株式会社製紫外線露光機PLA−501Fを用い、
赤画素の反射用領域の56%の面積に直径12μmのピ
ンホールを形成した透明樹脂層、緑画素の反射用領域の
50%に直径12μmのピンホールを形成した透明樹脂
層、青画素の反射用領域の31%に直径12μmのピン
ホールを形成した透明樹脂層を形成するようなフォトマ
スクパターンを介して60mJ/cm2(365nmの紫
外線強度)露光した。露光後、テトラメチルアンモニウ
ムハイドロオキサイドの2.0%の水溶液からなる現像
液に浸漬し、フォトレジストの現像、ポリアミック酸の
エッチングを同時に行った。エッチング後不要となった
フォトレジスト層をアセトンで剥離し、240℃で30
分熱処理し、赤画素の反射用領域の56%の面積、緑画
素の反射用領域の50%の面積、青画素の反射用領域の
31%の面積に直径12μmのピンホールが形成された
透明樹脂層を形成したこと以外は実施例4と同様にして
カラーフィルターを得た。作製したカラーフィルターの
構成と使用した非感光性カラーペーストおよび感光性カ
ラーレジストおよび透明樹脂層について表2にまとめ
た。
【0127】このようにして得られたカラーフィルター
をD65光源での反射領域色度、冷陰極放電管の3波長
光源での透過領域色度を表12に示す。なお、ここで用
いた冷陰極放電管の光源の色座標は(0.311,0.
326)である。
【0128】
【表12】
【0129】実施例7では、反射用領域に形成する透明
樹脂層の加工方法によらず、反射用領域色度の色純度バ
ランスと透過用領域色度の色純度バランスを調整するこ
とが出来た。表12には、同一光源(C光源)で見たと
きの透過用領域色度と反射用領域色度を同時に示す。赤
画素のy(Rのy)が0.014、緑画素のy(Gの
y)が0.011また青画素のy(Bのy)が0.02
0異なっており、十分違いが認識できるレベルの違いで
あるが、3波長冷陰極管光源で見たときの透過用領域色
度とD65光源で見たときの反射用領域色度の違いは
0.003以内となって違いが認識困難なレベルとなっ
た。
【0130】実施例8 ブラックマトリクスがパターン加工されたガラス基板上
に実施例2と同様に反射用領域に膜厚1.5μmになる
ように透明樹脂層を形成した。次に透過用領域の画素中
央での熱処理後の膜厚が2.1μmになるように赤レジ
スト(RAC−4)をスピンナーで基板上に塗布したこ
と以外は実施例1と同様に赤画素を得た。次に透過用領
域の画素中央での熱処理後の膜厚が0.7μmになるよ
うに緑ペースト(GPI−2)をスピンナーで基板上に
塗布し、該塗膜を120℃のオーブンで20分乾燥し
た。該塗膜の上に透過用領域の画素の中央で熱処理後の
膜厚が、GPI−2からなる塗膜との合計が、2.2μ
mになるように緑レジスト(GAC−4)をスピンナー
で基板上に塗布したこと以外は実施例2と同様に緑画素
を得た。次に透過用領域の画素中央での熱処理後の膜厚
が2.1μmになるように青レジスト(BAC−5)を
スピンナーで基板上に塗布したこと以外は実施例1と同
様に青画素を得た。得られた画素膜上にオーバーコート
層を2.0μmの厚みで製膜し、さらにその上にITO
膜を膜厚0.14μmとなるようにスパッタリングし
た。作製したカラーフィルターの構成と使用した非感光
性カラーペーストおよび感光性カラーレジストおよび透
明樹脂層について表2にまとめた。このようにして得ら
れたカラーフィルターをD65光源での反射用領域色
度、2波長型LED光源での透過用領域色度を表13に
示す。なお、ここで用いた2波長型LED光源の色座標
は(0.327,0.331)である。
【0131】
【表13】
【0132】実施例9 反射用領域に形成する透明樹脂層の膜厚が熱処理後に
1.7μmであること以外は実施例1と同様にして透明
樹脂層を得た。次に透過用領域の画素中央での熱処理後
の膜厚が0.7μmになるように赤ペースト(RPI−
2)をスピンナーで基板上に塗布し、該塗膜を120℃
のオーブンで20分乾燥した。該塗膜の上に透過用領域
の画素の中央で熱処理後の膜厚が、RPI−2からなる
塗膜との合計が、2.4μmになるように赤レジスト
(RAC−5)をスピンナーで基板上に塗布したこと以
外は実施例2と同様に赤画素を得た。次に透過用領域の
画素中央での熱処理後の膜厚が0.7μmになるように
緑ペースト(GPI−2)をスピンナーで基板上に塗布
し、該塗膜を120℃のオーブンで20分乾燥した。該
塗膜の上に透過用領域の画素の中央で熱処理後の膜厚
が、GPI−2からなる塗膜との合計が、2.4μmに
なるように緑レジスト(GAC−5)をスピンナーで基
板上に塗布したこと以外は実施例2と同様に緑画素を得
た。
【0133】次に透過用領域の画素中央での熱処理後の
膜厚が0.7μmになるように青ペースト(BPI−
2)をスピンナーで基板上に塗布し、該塗膜を120℃
のオーブンで20分乾燥した。該塗膜の上に透過用領域
の画素の中央で熱処理後の膜厚が、BPI−2からなる
塗膜との合計が、2.4μmになるように青レジスト
(BAC−6)をスピンナーで基板上に塗布したこと以
外は実施例2と同様に青画素を得た。得られた画素膜上
にオーバーコート層を2.0μmの厚みで製膜し、さら
にその上にITO膜を膜厚0.14μmとなるようにス
パッタリングした。作製したカラーフィルターの構成と
使用した非感光性カラーペーストおよび感光性カラーレ
ジストおよび透明樹脂層について表2にまとめた。この
ようにして得られたカラーフィルターをD65光源での
反射用領域色度、2波長型LED光源での透過用領域色
度を表14に示す。なお、ここで用いた2波長型LED
光源の色座標は(0.327,0.331)である。
【0134】
【表14】
【0135】比較例4 反射用領域に透明樹脂層を形成しないこと、緑画素の透
過用領域の画素中央での熱処理後の膜厚が2.1μmに
なるように緑レジスト(GAC−5)を塗布して実施例
1の赤画素と同様にして緑画素を得た事以外は実施例1
と同様にしてカラーフィルターを得た。得られた画素膜
上にオーバーコート層を2.0μmの厚みで製膜し、さ
らにその上にITO膜を膜厚0.14μmとなるように
スパッタリングした。作製したカラーフィルターの構成
と使用した非感光性カラーペーストおよび感光性カラー
レジストおよび透明樹脂層について表2にまとめた。こ
のようにして得られたカラーフィルターをD65光源で
の反射用領域色度、2波長型LED光源での透過用領域
色度を表15に示す。なお、ここで用いた2波長型LE
D光源の色座標は(0.327,0.331)である。
【0136】
【表15】
【0137】透過用領域色度と反射用領域領域色度が赤
画素のxで0.080、緑画素yで0.068、青画素
のyで0.038の差があること、および反射用領域の
明るさYが小さかった。
【0138】比較例5 反射用領域に透明樹脂層を1.5μm形成し、緑画素の
透過用領域の画素中央での熱処理後の膜厚が2.1μm
になるように緑レジスト(GAC−5)を塗布して実施
例1の赤画素と同様にして緑画素を得た事以外は実施例
9と同様にしてカラーフィルターを得た。得られた画素
膜上にオーバーコート層を2.0μmの厚みで製膜し、
さらにその上にITO膜を膜厚0.14μmとなるよう
にスパッタリングした。作製したカラーフィルターの構
成と使用した非感光性カラーペーストおよび感光性カラ
ーレジストおよび透明樹脂層について表2にまとめた。
このようにして得られたカラーフィルターをD65光源
での反射用領域色度、2波長型LED光源での透過用領
域色度を表16に示す。なお、ここで用いた2波長型L
ED光源の色座標は(0.327,0.331)であ
る。
【0139】
【表16】
【0140】透過用領域色度と反射用領域領域色度が緑
画素xで0.038差があった。
【0141】比較例6 ブラックマトリクスがパターン加工されたガラス基板上
に、透過用領域の画素中央での熱処理後の膜厚が2.1
μmになるように赤レジスト(RAC−4)を塗布した
こと、反射用領域の画素中央での熱処理後の膜厚が2.
1μmになるように赤レジスト(RAC−6)を塗布し
たこと、透過用領域の画素中央での熱処理後の膜厚が
2.1μmになるように緑レジスト(GAC−5)を塗
布したこと、反射用領域の画素中央での熱処理後の膜厚
が2.1μmになるように緑レジスト(GAC−6)を
塗布したこと、透過用領域の画素中央での熱処理後の膜
厚が2.1μmになるように青レジスト(BAC−5)
を塗布したこと、反射用領域の画素中央での熱処理後の
膜厚が2.1μmになるように青レジスト(BAC−
7)を塗布したこと以外は比較例3と同様にしてカラー
フィルターを得た。
【0142】得られた画素膜上にオーバーコート層を
2.0μmの厚みで製膜し、さらにその上にITO膜を
膜厚0.14μmとなるようにスパッタリングした。作
製したカラーフィルターの構成と使用した非感光性カラ
ーペーストおよび感光性カラーレジストおよび透明樹脂
層について表2にまとめた。このようにして得られたカ
ラーフィルターをD65光源での反射用領域色度、2波
長型LED光源での透過用領域色度を表17に示す。な
お、ここで用いた2波長型LED光源の色座標は(0.
327,0.331)である。
【0143】
【表17】
【0144】本比較例のカラーフィルターは透過用領域
と反射用領域の色度の差が赤画素、緑画素、青画素とも
に0.005未満と小さかったが、カラーフィルターの
画素を作製するために6回のフォトリソ加工工程が必要
であり、コスト増になる問題があった。実施例8、およ
び実施例9で作製したカラーフィルターは、比較例4で
作製したカラーフィルターに比べ、反射用領域色度での
明るさYが大きく、液晶表示装置を作成した場合に明る
い反射表示となることが期待される。比較例5は、透明
樹脂層を形成し、画素を積層させない場合のカラーフィ
ルター作成例である。赤画素については、透過用領域色
度と反射用領域色度におけるxの差は0.002であ
り、色純度はよい一致を示している。しかし、透過用領
域色度と反射用領域色度におけるyの差は0.013で
あり、色調の違いがはっきり視認されるレベルである。
緑画素については、反射用領域色度のyが透過用領域色
度でのyにくらべ、0.015大きく、色純度が高くな
っている。さらに、透過用領域色度と反射用領域色度に
おけるxの差は0.038であり、色調に大きな違いが
ある。また、青画素についても、反射用領域色度のyが
透過用領域色度でのyにくらべ0.018大きく、色純
度が低い。このように、透明樹脂層を形成しただけの比
較例5は反射用領域色度と透過用領域色度の色純度バラ
ンスが崩れ、反射用領域と透過用領域の色調についても
大きく異なるものである。一方、実施例8で作製した青
画素について透明樹脂を形成し、さらに着色層を積層さ
せたカラーフィルターは、青画素についての反射用領域
色度のyと透過用領域色度とのyの差は0.001であ
り、色純度のバランスが比較例1に比べ、改善されてい
る。また、赤画素、緑画素、青画素、すべてについて透
明樹脂を形成し、さらに着色層を積層させた実施例9で
作製したカラーフィルターは、比較例5に比べ、色純度
バランス、色調ともによい一致を示している。比較例6
は、実施例9と同様に優れた色純度バランス、色調とも
によい一致を示しているが、カラーフィルターの画素を
作製するために6回のフォトリソ加工工程が必要であ
り、コスト増になる問題がある。次に、反射用領域色度
の色純度、明るさを調整した実施例を示す。
【0145】実施例10 反射用領域に形成する透明樹脂層の膜厚が熱処理後に
1.2μmであること以外は実施例9と同様にしてカラ
ーカラーフィルターを得た。得られた画素膜上にオーバ
ーコート層を2.0μmの厚みで製膜し、さらにその上
にITO膜を膜厚0.14μmとなるようにスパッタリ
ングした。作製したカラーフィルターの構成と使用した
非感光性カラーペーストおよび感光性カラーレジストお
よび透明樹脂層について表2にまとめた。このようにし
て得られたカラーフィルターをD65光源での反射用領
域色度、2波長型LED光源での透過用領域色度を表1
8に示す。なお、ここで用いた2波長型LED光源の色
座標は(0.327,0.331)である。
【0146】
【表18】
【0147】実施例10では、反射用領域色度の色純度
バランスと透過用領域色度の色純度バランスが大きく崩
れないようにしつつ、色再現範囲を拡大させることが出
来た。
【0148】実施例11 反射用領域に形成する透明樹脂層の膜厚が熱処理後に
3.7μmであること以外は実施例9と同様にしてカラ
ーフィルターを得た。得られた画素膜上にオーバーコー
ト層を2.0μmの厚みで製膜し、さらにその上にIT
O膜を膜厚0.14μmとなるようにスパッタリングし
た。作製したカラーフィルターの構成と使用した非感光
性カラーペーストおよび感光性カラーレジストおよび透
明樹脂層について表2にまとめた。このようにして得ら
れたカラーフィルターをD65光源での反射用領域色
度、2波長型LED光源での透過用領域色度を表19に
示す。なお、ここで用いた2波長型LED光源の色座標
は(0.327,0.331)である。
【0149】
【表19】
【0150】実施例11では、反射用領域色度の色純度
バランスと透過用領域色度の色純度バランスが大きく崩
れないようにしつつ、輝度を大きくすることが出来た。
【0151】実施例12 透明樹脂層を形成する際に赤画素の反射用領域の44%
の面積、緑画素の反射用領域の45%の面積、青画素の
反射用領域の65%の面積には光が透過しないフォトマ
スクパターンを介して露光し、赤画素の反射用領域の4
4%の面積、緑画素の反射用領域の45%の面積、青画
素の反射用領域の65%の面積に透明樹脂層を形成した
こと以外は実施例11と同様にしてカラーフィルターを
得た。得られた画素膜上にオーバーコート層を2.0μ
mの厚みで製膜し、さらにその上にITO膜を膜厚0.
14μmとなるようにスパッタリングした。作製したカ
ラーフィルターの構成と使用した非感光性カラーペース
トおよび感光性カラーレジストおよび透明樹脂層につい
て表2にまとめた。このようにして得られたカラーフィ
ルターをD65光源での反射用領域色度、2波長型LE
D光源での透過用領域色度を表20に示す。なお、ここ
で用いた2波長型LED光源の色座標は(0.327,
0.331)である。
【0152】
【表20】
【0153】実施例12では、着色層の積層に加え、反
射用領域に対する透明樹脂層の割合を調整することで
も、反射用領域色度と透過用領域色度の色純度バランス
を調整することが出来た。
【0154】実施例13 実施例2と同様にして膜厚1.5μmの透明樹脂層を得
た。次に透過用領域の画素中央での熱処理後の膜厚が
0.7μmになるように赤ペースト(RPI−3)をス
ピンナーで基板上に塗布し、該塗膜を120℃のオーブ
ンで20分乾燥した。次に該塗膜の上に透過用領域の画
素の中央で熱処理後の膜厚が、RPI−3からなる塗膜
との合計が、1.4μmになるように赤ペースト(RP
I−4)をスピンナーで基板上に塗布し、該塗膜を12
0℃のオーブンで20分乾燥した。次に該塗膜上に透過
用領域の画素の中央での熱処理後の膜厚が、RPI−3
とRPI−4とからなる塗膜との合計が2.9μmにな
るように赤レジスト(RAC−2)をスピンナーで塗布
したこと以外は実施例2と同様にして赤画素を得た。
【0155】次に透過用領域の画素中央での熱処理後の
膜厚が0.7μmになるように緑ペースト(GPI−
3)をスピンナーで基板上に塗布し、該塗膜を120℃
のオーブンで20分乾燥した。次に該塗膜の上に透過用
領域の画素の中央で熱処理後の膜厚が、GPI−3から
なる塗膜との合計が、1.4μmになるように緑ペース
ト(GPI−4)をスピンナーで基板上に塗布し、該塗
膜を120℃のオーブンで20分乾燥した。次に該塗膜
上に透過用領域の画素の中央での熱処理後の膜厚が、G
PI−3とGPI−4とからなる塗膜との合計が2.9
μmになるように緑レジスト(GAC−2)をスピンナ
ーで塗布したこと以外は実施例2と同様にして緑画素を
得た。
【0156】次に透過用領域の画素中央での熱処理後の
膜厚が0.7μmになるように青ペースト(BPI−
3)をスピンナーで基板上に塗布し、該塗膜を120℃
のオーブンで20分乾燥した。次に該塗膜の上に透過用
領域の画素の中央で熱処理後の膜厚が、BPI−3から
なる塗膜との合計が、1.4μmになるように青ペース
ト(BPI−4)をスピンナーで基板上に塗布し、該塗
膜を120℃のオーブンで20分乾燥した。次に該塗膜
上に透過用領域の画素の中央での熱処理後の膜厚が、B
PI−3とBPI−4とからなる塗膜との合計が2.9
μmになるように青レジスト(BAC−2)をスピンナ
ーで塗布したこと以外は実施例2と同様にして青画素を
得た。
【0157】得られた画素膜上にオーバーコート層を
2.0μmの厚みで製膜し、さらにその上にITO膜を
膜厚0.14μmとなるようにスパッタリングした。作
製したカラーフィルターの構成と使用した非感光性カラ
ーペーストおよび感光性カラーレジストおよび透明樹脂
層について表2にまとめた。このようにして得られたカ
ラーフィルターをD65光源での反射用領域色度、冷陰
極放電管の3波長光源での透過用領域色度を表21に示
す。なお、ここで用いた冷陰極放電管の光源の色座標は
(0.311,0.326)である。
【0158】
【表21】
【0159】実施例13では、着色層を3層積層した場
合でも、反射用領域色度と透過用領域色度の色純度バラ
ンスを調整することが出来た。
【0160】実施例14 反射用領域に形成する透明樹脂層の膜厚が熱処理後に
1.2μmであること以外は実施例1と同様にして透明
樹脂層を得た。
【0161】次に透過用領域の画素中央での熱処理後の
膜厚が1.7μmになるように赤ペースト(RPI−
5)をスピンナーで基板上に塗布し、該塗膜を120℃
のオーブンで20分乾燥した。該塗膜の上に透過用領域
の画素の中央で熱処理後の膜厚が、RPI−5からなる
塗膜との合計が、3.4μmになるように赤レジスト
(RAC−7)をスピンナーで基板上に塗布し、該塗膜
を80℃のオーブンで10分熱処理した。紫外線露光機
を用い、赤画素の透過用領域と反射用領域は光が透過す
るクロム製フォトマスクを介して、100mJ/cm
2(365nmの紫外線強度)で露光した。露光後にテ
トラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの2.0%
の水溶液からなる現像液に浸漬しRAC−7およびRP
I−5から得た積層した着色層を同時に現像した。現像
は、反射用領域のRPI−5からなる着色層を除去する
よう、過現像条件でおこなった。現像後に240℃のオ
ーブンで30分熱処理し、赤画素を得た。
【0162】次に透過用領域の画素中央での熱処理後の
膜厚が1.7μmになるように緑ペースト(GPI−
5)をスピンナーで基板上に塗布し、該塗膜を120℃
のオーブンで20分乾燥した。該塗膜の上に透過用領域
の画素の中央で熱処理後の膜厚が、GPI−5からなる
塗膜との合計が、3.4μmになるように緑レジスト
(GAC−7)をスピンナーで基板上に塗布し、該塗膜
を80℃のオーブンで10分熱処理し、赤画素と同様に
GPI−5とGAC−7を同時にフォトリソ加工して緑
画素を得た。現像は、反射用領域のGPI−5からなる
着色層を除去するよう、過現像条件でおこなった。
【0163】次に、透過用領域の画素中央での熱処理後
の膜厚が1.7μmになるように青ペースト(BPI−
5)をスピンナーで基板上に塗布し、該塗膜を120℃
のオーブンで20分乾燥した。該塗膜の上に透過用領域
の画素の中央で、BPI−5からなる塗膜との合計が、
3.4μmになるように青レジスト(BAC−8)をス
ピンナーで基板上に塗布し、該塗膜を80℃のオーブン
で10分熱処理し、赤画素と同様にBPI−5とBAC
−8を同時にフォトリソ加工して青画素を得た。現像
は、反射用領域のBPI−5からなる樹脂層を除去する
よう、過現像条件でおこなった。得られた画素膜上にオ
ーバーコート層を2.0μmの厚みで製膜し、さらにそ
の上にITO膜を膜厚0.14μmとなるようにスパッ
タリングした。作製したカラーフィルターの構成と使用
した非感光性カラーペーストおよび感光性カラーレジス
トおよび透明樹脂層について表2にまとめた。また、得
られたカラーフィルターの構成断面図を模式的に図3に
示す。このようにして得られたカラーフィルターをD6
5光源での反射領域色度、2波長型LED光源での透過
領域色度を表22に示す。なお、ここで用いた2波長型
LED光源の色座標は(0.327,0.331)であ
る。
【0164】
【表22】
【0165】実施例14では、反射用領域の非感光ポリ
イミド層のみを現像時に溶解させることで、反射用領域
色度の輝度を高くすることが出来た。 (液晶表示装置の作製)カラーフィルター基板と、金属
蒸着膜などがパターニングされた半透過反射膜、半透過
反射膜上の透明絶縁膜、さらにその上にITO膜などの
透明電極が形成された半透過反射基板とを、さらにそれ
らの基板上に設けられた液晶配向のためのラビング処理
を施した液晶配向膜、およびセルギャップ保持のための
スペーサーを介して、対向させてシールし貼りあわせ
る。なお、半透過反射基板上には、反射膜、透明電極以
外に、光拡散用の突起物、薄膜トランジスタ(TFT)
素子や薄膜ダイオード(TFD)素子、および走査線、
信号線などを設けることができる。次に、シール部に設
けられた注入口から液晶を注入した後に、注入口を封入
する。つぎに、ICドライバー等を実装することにより
液晶表示装置が完成する。
【0166】実施例1から7までおよび実施例13と比
較例1から3で作製したカラーフィルターを用いた半透
過型液晶表示装置について、屋外の環境光下と屋内での
バックライト点灯状態で比較した。環境光は日中の昼間
に屋外の太陽光下で表示を行い、透過表示に使用するバ
ックライト光源は光源の色座標が(0.311,0.3
26)である3波長冷陰極放電管を用いた。
【0167】従来の技術で作製された比較例1の液晶表
示装置は透過表示と反射表示で赤、緑、青色ともに色
調、色の鮮やかさに違いが見られた。また、実施例1か
ら7および実施例13のカラーフィルターを用いた半透
過液晶表示装置に比べて、反射表示が非常に暗かった。
【0168】透明樹脂層のみを形成した比較例2のカラ
ーフィルターを使用した液晶表示装置は、透過表示に比
べ、反射表示での緑色、青色表示が薄く、透過表示時と
反射表示時での画像に差があり、違和感があった。一
方、実施例1のカラーフィルターを用いた液晶表示装置
は、緑色表示では透過表示時と反射表示時の鮮やかさに
差があるものの、青色の色純度差については、改善さ
れ、比較例2に比べ、良好な表示特性を示した。実施例
2または実施例5または実施例6または実施例7のカラ
ーフィルターを用いた液晶表示装置は反射表示と透過表
示で、赤表示、緑表示、青表示いずれにおいても色純
度、色調の違いがほとんどなく比較例2に比べ、非常に
良好な表示特性を示した。
【0169】実施例3のカラーフィルターを用いた液晶
表示装置は、比較例2の液晶表示装置に比べ、反射表示
での明るさが若干暗く感じられたが、透過表示と反射表
示での色調はほぼ同じで、透過表示に比べ、反射表示は
より色鮮やかな表示であった。また、実施例4のカラー
フィルターを用いた液晶表示装置は、比較例2の液晶表
示装置に比べ、反射表示での色の鮮やかさについては劣
るものの、反射表示での明るさは明るかった。さらに、
透過表示と反射表示での色調の変化が少なく、良好な表
示特性を示した。
【0170】比較例3のカラーフィルターを用いた液晶
表示装置は、実施例2のカラーフィルターを用いた液晶
表示装置と同様に透過表示と反射表示での色純度、明る
さ、色調の違いがほとんどなく良好な表示特性を示した
が、カラーフィルター画素形成までに6回のフォトリソ
加工工程が必要であり、実施例2の4回のフォトリソ加
工工程で作製されるカラーフィルターより製造コスト増
になる問題があった。
【0171】次に実施例8から12までと実施例14、
比較例4から6で作製したカラーフィルターを用いた半
透過型液晶表示装置について、屋外の環境光下と屋内で
のバックライト点灯状態で比較した。環境光は日中の昼
間に屋外の太陽光下で表示を行い、透過表示に使用する
バックライト光源は光源の色座標が(0.327,0.
331)である2波長型LED光源を用いた。
【0172】従来の技術で作製された比較例4の液晶表
示装置は透過表示と反射表示で赤、緑、青色ともに色調
の違いが見られたこと、および反射表示が暗かった。一
方、実施例8または実施例9または実施例12のカラー
フィルターを用いた液晶表示装置は反射表示と透過表示
での色純度、明るさ、色調の違いがほとんどなく良好な
表示特性を示した。実施例10のカラーフィルターを用
いた液晶表示装置は反射表示の赤色に比べて透過表示の
赤色が薄く感じたが、緑色、青色は透過表示と反射表示
での色純度、明るさ、色調の違いをわずかに感じる表示
特性を示した。実施例11のカラーフィルーを用いた液
晶表示装置は透過表示に比べて反射表示の赤色、緑色、
青色ともに薄く感じたが、反射表示がやや明るい表示特
性を示した。実施例14のカラーフィルーを用いた液晶
表示装置は、透過表示に比べて反射表示が薄く感じた
が、反射表示が非常に明るい特性を示した。比較例5の
カラーフィルーを用いた液晶表示装置は透過表示の緑色
で色調の違いがあった。
【0173】比較例6のカラーフィルターを用いた液晶
表示装置は、実施例9のカラーフィルターを用いた液晶
表示装置と同様に透過表示と反射表示での色純度、明る
さ、色調の違いがほとんどなく良好な表示特性を示した
が、カラーフィルター画素形成までに6回のフォトリソ
加工工程が必要であり、実施例9の4回のフォトリソ加
工工程で作製されるカラーフィルターより製造コスト増
になる問題があった。
【0174】
【発明の効果】本発明は上述のごとく構成したので、反
射表示と透過表示での色純度、明るさ、色調の差が少な
く、明るい半透過型液晶表示装置用カラーフィルターを
安価に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置の構成図
【図2】本発明の液晶表示装置の構成図
【図3】本発明の液晶表示装置の構成図
【図4】従来の液晶表示装置の構成図
【図5】従来の液晶表示装置の構成図
【図6】従来の液晶表示装置の構成図
【符号の説明】
1 :透明基板 2 :ブラックマトリックス 3 :透明樹脂層 4 :非感光性カラーペーストからなる着色層(B:青
色、G:緑色、R:赤色) 5 :感光性カラーレジストからなる着色層(B:青
色、G:緑色、R:赤色) 6 :反射用領域 7 :透過用領域 8B:青画素領域 8G:緑画素領域 8R:赤画素領域 9 :オーバーコート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 BA02 BA42 BB02 BB04 BB07 BB08 BB42 2H091 FA02Y FA14Y FA35Y FB03 FB04 FC01 FC10 FD04 FD05 FD06 FD22 FD23 FD24 GA01 GA16 KA10 LA11 LA15 LA16 LA30

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一画素中に透過用領域と反射用領域を含
    み、複数色の画素が配されたカラーフィルターであっ
    て、少なくとも1色の画素については複数の着色層が積
    層され、かつ、最上層が感光性カラーレジストからなる
    構造を有し、かつ、反射用領域において基板と着色層の
    間に透明樹脂層を有することを特徴とする液晶表示装置
    用カラーフィルター。
  2. 【請求項2】 複数の着色層が積層された画素におい
    て、該積層された部分における最上層の感光性カラーレ
    ジストからなる着色層とそれ以外の着色層の着色が異な
    ることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置用カ
    ラーフィルター。
  3. 【請求項3】 透過用領域と反射用領域を含んだ画素に
    おいて、透過用領域の最上層の着色層の膜厚が、反射用
    領域の最上層の着色層の膜厚より大きいことを特徴とす
    る請求項1または2のいずれかに記載の液晶表示装置用
    カラーフィルター。
  4. 【請求項4】 透過用領域と反射用領域を含んだ画素に
    おいて、透過用領域のトータルの膜厚が、透明樹脂層を
    含む反射用領域のトータルの膜厚より小さいことを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶表示装置用
    カラーフィルター。
  5. 【請求項5】 透過用領域と反射用領域を含んだ画素に
    おいて、透過用領域に積層された着色層数が反射領域の
    着色層数よりも多いことを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載の液晶表示装置用カラーフィルター。
  6. 【請求項6】 透過用領域における着色層の積層が2層
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    の液晶表示装置用カラーフィルター。
  7. 【請求項7】 2層のうちの下層の着色層が感光性カラ
    ーレジストからなることを特徴とする請求項6に記載の
    液晶表示装置用カラーフィルター。
  8. 【請求項8】 下層の感光性カラーレジストが感光性ア
    クリルカラーレジストであることを特徴とする請求項7
    に記載の液晶表示装置用カラーフィルター。
  9. 【請求項9】 2層のうちの下層の着色層が非感光性カ
    ラーペーストからなることを特徴とする請求項6に記載
    の液晶表示装置用カラーフィルター。
  10. 【請求項10】 非感光性カラーペーストがポリイミド
    樹脂を含むことを特徴とする請求項9に記載の液晶表示
    装置用カラーフィルター。
  11. 【請求項11】 反射用領域に形成する透明樹脂層の膜
    厚が5μm以下である請求項1〜10のいずれかに記載
    の液晶表示装置用カラーフィルター。
  12. 【請求項12】 反射用領域に形成する透明樹脂層が感
    光性レジストからなることを特徴とする請求項1〜11
    のいずれかに記載の液晶表示装置用カラーフィルター。
  13. 【請求項13】 感光性レジストが感光性アクリルレジ
    ストからなることを特徴とする請求項12に記載の液晶
    表示装置用カラーフィルター。
  14. 【請求項14】 反射用領域に形成する透明樹脂層が非
    感光性ペーストからなることを特徴とする請求項1〜1
    3のいずれかに記載の液晶表示装置用カラーフィルタ
    ー。
  15. 【請求項15】 非感光性ペーストがポリイミド樹脂を
    含むことを特徴とする請求項14に記載の液晶表示装置
    用カラーフィルター。
  16. 【請求項16】 画素上にオーバーコート層を有するこ
    とを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の液晶
    表示装置用カラーフィルター。
  17. 【請求項17】 複数色の画素を含み、画素は透過用領
    域と反射用領域を含むカラーフィルターであって、下記
    工程をこの順に含むことを特徴とする液晶表示装置用カ
    ラーフィルターの製造方法。 (A)少なくとも1色の画素の反射用領域において、基
    板上に透明樹脂層を形成する工程 (B)少なくとも1色の画素について、最上層に感光性
    カラーレジストを用いて複数の着色層が積層された構造
    の画素を形成する工程
  18. 【請求項18】 感光性カラーレジストが感光性アクリ
    ルカラーレジストであることを特徴とする請求項17に
    記載の液晶表示装置用カラーフィルターの製造方法。
  19. 【請求項19】 反射用領域の透明樹脂層上に塗布され
    た最上層以外の着色層を過現像条件によって除去する請
    求項18に記載の液晶表示装置用カラーフィルターの製
    造方法
  20. 【請求項20】 請求項1〜16のいずれかに記載のカ
    ラーフィルターを用いたことを特徴とする液晶表示装
    置。
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