JP2003255040A - Gps受信機および受信方法 - Google Patents

Gps受信機および受信方法

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JP2003255040A JP2002053845A JP2002053845A JP2003255040A JP 2003255040 A JP2003255040 A JP 2003255040A JP 2002053845 A JP2002053845 A JP 2002053845A JP 2002053845 A JP2002053845 A JP 2002053845A JP 2003255040 A JP2003255040 A JP 2003255040A
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    • H04B2201/70715Orthogonal indexing scheme relating to spread spectrum techniques in general relating to direct sequence modulation with application-specific features

Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率よくしかも高速に複数のGPS衛星から
のGPS信号を捕捉することができるとともに、より精
度よく測位演算を行うことが可能なGPS受信機を提供
する。 【解決手段】 拡散符号発生部534(1)〜534
(3)からの3種類のPN符号のうちの2種類を加算部
536に供給して加算し、その加算結果をFFT処理部
537においてFFT処理してメモリ538に格納す
る。メモリ538に格納されたPN符号の加算結果のF
FT処理結果と、メモリ532に格納されたIFデータ
(受信データ)のFFT処理結果とを乗算し、この結果
を逆拡散して相関値を得る。この処理を加算するPN符
号の組合せを変えて繰り返し、それらの結果から複数の
PN符号を用いた同期捕捉処理を少ない処理回数で迅速
に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、携帯型
ナビゲーションシステムや自動車、航空機、船舶などの
いわゆる移動体のナビゲーションシステムなどに用いら
れるGPS(Global Positioning
System)受信機およびGPS信号の受信方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】人工衛星(GPS衛星)を利用して移動
体などの位置を測定するGPSシステムにおいて、GP
S受信機は、4個以上のGPS衛星からの信号を受信
し、その受信信号から受信機の位置を計算し、ユーザに
知らせることが基本機能である。
【0003】GPS受信機は、GPS衛星からの信号を
復調してGPS衛星の軌道データを獲得し、GPS衛星
の軌道および時間情報と受信信号の遅延時間から、自受
信機の3次元位置を連立方程式により導き出す。受信信
号を得るGPS衛星が4個必要となるのは、GPS受信
機内部の時間と衛星の時間とで誤差があり、その誤差の
影響を除去するためである。
【0004】民生用GPS受信機の場合には、GPS衛
星からのL1帯、C/A(Coarse/Aquisi
tion)コードと呼ばれるスペクトラム拡散信号電波
を受信して、測位演算を行う。
【0005】C/Aコードは、送信信号速度(チップレ
ート)が1.023MHz、符号長が1023のPN
(Pseudorandom Noise;擬似ランダ
ム雑音)系列の符号、例えばGold符号で、50bp
sのデータを拡散した信号により、周波数が1575.
42MHzの搬送波(以下、キャリアという。)をBP
SK(Binary Phase Shift Key
ing)変調した信号である。この場合、符号長が10
23であるので、C/Aコードは、PN系列の符号が、
図35(A)に示すように、1023チップを1周期
(したがって、1周期=1ミリ秒)として、繰り返すも
のとなっている。
【0006】このC/AコードのPN系列の符号は、G
PS衛星ごとに異なっているが、どのGPS衛星が、ど
のPN系列の符号を用いているかは、予めGPS受信機
で検知できるようにされている。また、後述するような
航法メッセージによって、GPS受信機では、どのGP
S衛星からの信号を、その地点およびその時点で受信で
きるかが判るようになっている。したがって、GPS受
信機では、例えば3次元測位であれば、その地点および
その時点で取得できる4個以上のGPS衛星からの電波
を受信して、スペクトラム逆拡散し、測位演算を行っ
て、自分の位置を求めるようにする。
【0007】そして、図35(B)に示すように、衛星
信号データの1ビットは、PN系列の符号の20周期
分、つまり、20ミリ秒単位として伝送される。つま
り、データ伝送速度は、50bpsである。PN系列の
符号の1周期分の1023チップは、ビットが“1”の
ときと、“0”のときとでは、反転したものとなる。
【0008】図35(C)に示すように、GPSでは、
30ビット(600ミリ秒)で1ワードが形成される。
そして、図35(D)に示すように、10ワードで、1
サブフレーム(6秒)が形成される。図35(E)に示
すように、1サブフレームの先頭のワードには、データ
が更新されたときであっても常に規定のビットパターン
とされるプリアンブルが挿入され、このプリアンブルの
後にデータが伝送されてくる。
【0009】さらに、5サブフレームで、1メインフレ
ーム(30秒)が形成される。そして、航法メッセージ
は、この1メインフレームのデータ単位で伝送されてく
る。この1メインフレームのデータのうちの始めの3個
のサブフレームは、エフェメリス情報と呼ばれる衛星毎
に固有の軌道情報である。このエフェメリス情報は、1
メインフレーム単位(30秒)で繰り返し送られるもの
であり、その情報を送信してくる衛星の軌道を求めるた
めのパラメータと、衛星からの信号の送出時刻とを含
む。
【0010】すなわち、エフェメリス情報の3個のサブ
フレームの2番目のワードには、Week Numbe
rと、TOW(Time Of Week)と呼ばれる
時刻データが含まれる。Week Numberは、1
980年1月6日(日曜日)を第0週として1週ごとに
カウントアップする情報である。また、TOWは、日曜
日の午前0時を0として6秒ごとにカウントアップ(サ
ブフレームの周期でカウントアップ)する時間の情報で
ある。
【0011】GPS衛星のすべては、原子時計を備え、
共通の時刻データを用いており、各GPS衛星からの信
号の送出時刻は、原子時計に同期したものとされてい
る。上記の2つの時刻データを受信することにより絶対
時刻を求める。6秒以下の値は、衛星の電波に同期ロッ
クする過程で、そのGPS受信機が備える基準発振器の
精度で、衛星の時刻に同期するようにする。
【0012】また、各GPS衛星のPN系列の符号も、
原子時計に同期したものとして生成される。また、この
エフェメリス情報から、GPS受信機における測位計算
の際に用いられる衛星の位置および衛星の速度が求めら
れる。
【0013】エフェメリス情報は、地上の管制局からの
制御により比較的頻繁に更新される精度の高い暦であ
る。GPS受信機では、このエフェメリス情報をメモリ
に保持しておくことにより、当該エフェメリス情報を測
位計算に使用することができる。しかし、その精度上、
使用可能な寿命は、通常、2時間程度とされており、G
PS受信機では、エフェメリス情報をメモリに記憶した
時点からの時間経過を監視して、その寿命を超えたとき
には、メモリのエフェメリス情報を更新して書き換える
ようにしている。
【0014】なお、新しいエフェメリス情報をGPS受
信機から取得して、その取得したエフェメリス情報にメ
モリの内容を更新するには、最低18秒(3サブフレー
ム分)が必要であり、サブフレームの途中からデータが
取れたときには、連続30秒が必要となる。
【0015】1フレームのデータの残りの2サブフレー
ムの航法メッセージは、アルマナック情報と呼ばれる全
ての衛星から共通に送信される情報である。このアルマ
ナック情報は、全情報を取得するために25フレーム分
必要となるもので、各GPS衛星のおおよその位置情報
や、どのGPS衛星が使用可能かを示す情報などからな
る。
【0016】このアルマナック情報も、地上の制御局か
らの制御により数日ごとに更新される。このアルマナッ
ク情報も、これをGPS受信機のメモリに保持して使用
することができるが、その寿命は、数か月とされてお
り、通常は、数ヶ月毎に、メモリのアルマナック情報
は、GPS衛星から取得した新しい情報に更新される。
GPS受信機のメモリに、このアルマナック情報を蓄え
ておけば、電源投入後、どのチャンネルにどの衛星を割
り当てればよいかを計算することができる。
【0017】GPS衛星からの信号を受信して、上述の
データを得るためには、まず、キャリアを除去した後、
GPS受信機に用意される受信しようとするGPS衛星
で用いられているC/Aコードと同じPN系列の符号
(以下、PN系列の符号をPN符号という。)を用い
て、そのGPS衛星からの信号について、C/Aコード
の位相同期を取ることによりGPS衛星からの信号を捕
捉し、スペクトラム逆拡散を行う。C/Aコードとの位
相同期が取れて、逆拡散が行われると、ビットが検出さ
れて、GPS衛星からの信号から時刻情報等を含む航法
メッセージを取得することが可能になる。
【0018】GPS衛星からの信号の捕捉は、C/Aコ
ードの位相同期検索により行われるが、この位相同期検
索においては、GPS受信機のPN符号とGPS衛星か
らの信号のPN符号との相関を検出し、例えば、その相
関検出結果の相関値が予め定めた値よりも大きい時に、
両者が同期していると判定する。そして、同期が取れて
いないと判別されたときには、何らかの同期手法を用い
て、GPS受信機のPN符号の位相を制御して、GPS
衛星からの信号のPN符号と同期させるようにしてい
る。
【0019】ところで、上述したように、GPS衛星か
らの信号(GPS信号)は、データをPN符号(拡散符
号)で拡散した信号によりキャリアをBPSK変調した
信号であるので、当該GPS信号をGPS受信機が受信
するには、拡散符号のみでなく、キャリアおよびデータ
の同期をとる必要があるが、拡散符号とキャリアの同期
は独立に行うことはできない。
【0020】そして、GPS受信機では、GPS信号
は、そのキャリア周波数を数MHz以内の中間周波数に
変換して、その中間周波数信号で、上述の同期検出処理
するのが普通である。この中間周波数信号におけるキャ
リアには、主にGPS衛星の移動速度に応じたドップラ
ーシフトによる周波数誤差と、GPS信号を中間周波数
信号に変換する際に、GPS受信機内部で発生させる局
部発信器の周波数誤差分が含まれる。
【0021】したがって、これらの周波数誤差要因によ
り、中間周波数信号におけるキャリア周波数は未知であ
り、その周波数サーチが必要となる。また、PN符号の
1周期内での同期点(同期位相)は、GPS受信機とG
PS衛星との位置関係に依存するのでこれも未知である
から、上述のように、何らかの同期手法が必要となる。
【0022】従来のGPS受信機では、キャリアについ
ての周波数サーチと、スライディング相関器+DLL
(Delay Locked Loop)+コスタスル
ープによる同期手法を用いている。これについては、以
下に説明を加える。
【0023】GPS受信機のPN符号の発生器を駆動す
るクロックは、GPS受信機に用意される基準周波数発
振器を分周したものが、一般に用いられている。この基
準周波数発振器としては、高精度の水晶発振器が用いら
れており、この基準周波数発振器の出力から、GPS衛
星からの受信信号を中間周波数信号に変換するのに用い
る局部発振信号を生成する。
【0024】図36は、この周波数サーチを説明するた
めの図である。すなわち、GPS受信機のPN符号の発
生器を駆動するクロック信号の周波数が、ある周波数f
1であるときに、PN符号についての位相同期検索、つ
まり、PN符号の位相を1チップずつ順次ずらして、そ
れぞれのチップ位相のときのGPS受信信号とPN符号
との相関を検出し、相関のピーク値を検出することによ
り、同期が取れる位相を検出するようにする。
【0025】前記のクロック信号の周波数がf1の時に
おいて、1023チップ分の位相検索の全てで同期する
位相が存在しなければ、例えば基準周波数発振器に対す
る分周比を変えて、前記の駆動クロック信号の周波数を
周波数f2に変更し、同様に1023チップ分の位相検
索を行う。これを、図36のように、前記の駆動クロッ
ク信号の周波数をステップ的に変更して繰り返す。以上
の動作が周波数サーチである。
【0026】そして、この周波数サーチにより、同期可
能とされる駆動クロック信号の周波数が検出されると、
そのクロック周波数で最終的なPN符号の位相同期が行
われる。これにより、水晶周波数発振器の発振周波数ず
れがあっても、衛星信号を捕捉することが可能になる。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、DS
P(Digital Signal Processo
r)に代表されるハードウエア能力の向上により精度の
高い高速フーリエ変換(以下、FFT(Fast Fo
urier Transform)と略称する。)演算
がデバイス上で可能となり、スペクトラム拡散信号であ
るGPS信号とGPS受信機において発生させる拡散符
号との符号同期をFFTを用いて高速に捕捉するように
する手法が考えられている。
【0028】これは、信号a(n)と信号b(n)との
相関関数c(n)は、信号a(n)のフーリエ変換結果
A(k)と信号b(n)のフーリエ変換結果B(k)の
複素共役となるB’(k)との乗算結果C(k)[=A
(k)・B’(k)]の逆フーリエ変換結果と等価であ
るという性質を利用するものである。
【0029】例えば、図37に示すように、GPS受信
機により受信された受信信号であるGPS信号を信号a
(n)とし、GPS受信機において発生させる拡散符号
を信号b(n)とする場合について考える。この場合、
信号a(n)をFFT演算部101においてFFT演算
し、その結果をメモリ102に書き込む。同様に、信号
b(n)をFFT演算部105においてFFT演算し、
その結果をメモリ106に書き込む。
【0030】そして、メモリ102に書き込まれた信号
a(n)のFFT処理結果(FFT演算結果)と、メモ
リ106に書き込まれた信号b(n)のFFT処理結果
(FFT演算結果)とを乗算部103において乗算し、
この乗算結果を逆FFT演算部107において逆FFT
演算することにより、相関関数c(n)が得られる。
【0031】この相関関数c(n)のレベルが所定値よ
りも高いか否かに応じて、GPS信号をスペクトラム拡
散している拡散符号と、GPS受信機において発生させ
た拡散符号とが同じであるか否かを判別できる。そし
て、拡散符号が同じであると判別できたときには、GP
S受信機において発生させたその拡散符号を用いて逆ス
ペクトラム拡散を行うことによって、送信データを復調
することができるのである。
【0032】そして、図37に示したFFT演算部10
1、105、乗算器103、逆FFT演算部107は、
DSPの機能として実現でき、いわゆるデジタルマッチ
ドフィルタを構成することができ、前述したいわゆるス
ライディング相関器を用いた同期手法を用いるよりも高
速に位相同期を取ることができる。
【0033】しかしながら、FFT演算を用いたデジタ
ルマッチドフィルタの場合、以下に示すような問題点や
要求がある。まず、FFT演算を行うようにする場合に
は、図37にも示したように、FFT処理結果を記憶す
るメモリ102、106が必要であり、このメモリの記
憶容量が比較的に大きくなるという問題点がある。例え
ば、データが2の16乗個(65536個)であれば、
FFT演算用のメモリの必要となる記憶容量は、32ビ
ット演算では、複素計算の実部、虚部を合わせて約52
4kバイトとなる。
【0034】FFTの演算アルゴリズムでは、通常、入
力データを書き換えながら再帰的に計算するので、入力
データを残すようにするのであれば、入力データを記憶
保持するメモリと、FFT処理結果を記憶するメモリと
が必要になり、入力データを残さない場合の2倍のメモ
リ容量が必要になる。
【0035】入力データが2値信号であれば、入力デー
タの記憶保持用メモリは、上述の例で言えば約65.5
kバイトで済む。しかし、FFT処理結果は2値ではな
く、前述のように、32ビット演算で、複素計算の実
部、虚部を合わせた分で、かつ、入力データの個数に応
じた分の記憶容量が必要となり、出力データの記憶用メ
モリの記憶容量は、約524kバイトと少なくなること
はない。
【0036】通常のFFT演算による周波数分析ではデ
ータ数が大きくなるほど、周波数分解能は上がるが、上
述のように、FFT演算を行うために必要となるメモリ
の必要量は増す。メモリ容量は、LSIチップ面積に大
きく影響するので、LSI化する上ではメモリ容量のコ
ストアップにつながる。このため、少ないメモリ容量で
も所定の周波数分解能を得ることができるようにするこ
とが要求されている。
【0037】また、同期捕捉をより素早く行えるように
したいとする要求がある。FFT演算を用いることによ
り、GPS衛星からのGPS信号について高速に同期捕
捉を行うことができるが、前述もしたように、1つのG
PS衛星からのGPS信号だけでは、測位演算を行うこ
とはできず、3次元測位を行うためには少なくとも4つ
のGPS衛星からのGPS信号の同期を捕捉しなければ
ならない。また、各GPS衛星からのGPS信号は、ド
ップラー効果の影響を受けて、周波数がずれるいわゆる
ドップラーシフトの影響も含んでいる。
【0038】このため、複数のGPS衛星からのGPS
信号について、より素早く同期捕捉できるようにすると
ともに、ドップラーシフトの影響をも考慮した効率のよ
い同期捕捉を行うようにすることが要求されている。
【0039】また、同期捕捉したGPS信号について捕
捉した同期を保持し、GPS信号として提供される種々
のデータを復調して利用できるようにしなければならな
い。しかし、同期を捕捉し、これを保持しているGPS
信号が複数ある場合に、どのGPS信号を用いるように
すれば、より精度よく測位演算を行うことができるかが
問題となる。
【0040】以上のことにかんがみ、この発明は、上記
問題点を一掃し、効率よくしかも高速に複数のGPS衛
星からのGPS信号を捕捉することができるとともに、
より精度よく測位演算を行うことが可能なGPS受信機
およびGPS信号の受信方法を提供することを目的とす
る。
【0041】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明のGPS受信機は、人工衛星
毎に異なる拡散符号が用いられてスペクトラム拡散され
た送信データにより搬送波が変調されている受信信号で
あるGPS信号を高速フーリエ変換する第1の高速フー
リエ変換手段と、前記人工衛星毎に異なる複数の拡散符
号を発生させるようにする拡散符号発生手段と、前記拡
散符号発生手段により発生するようにされる前記複数の
拡散符号のうちの少なくとも2つ以上の異なる拡散符号
を加算する拡散符号加算手段と、前記拡散符号加算手段
からの加算結果を高速フーリエ変換する第2の高速フー
リエ変換手段と、前記第1の高速フーリエ変換手段の高
速フーリエ変換結果と前記第2の高速フーリエ変換手段
の高速フーリエ変換結果の複素共役とを乗算する乗算手
段と、前記乗算手段からの乗算結果について逆高速フー
リエ変換を行う逆高速フーリエ変換手段と、前記逆高速
フーリエ変換手段からの変換結果から前記GPS信号と
前記少なくとも2つ以上の異なる拡散符号との相関点を
検出する相関点検出手段と、前記相関点検出手段からの
検出結果に基づいて、受信した前記GPS信号の前記搬
送波周波数と前記スペクトラム拡散に用いられている拡
散符号とを検出する検出手段とを備えることを特徴とす
る。
【0042】この請求項1に記載のGPS受信機によれ
ば、拡散符号発生手段により、符号パターンの異なる複
数の拡散符号が発生するようにされるが、この複数の拡
散符号のうちの少なくとも2つ以上の拡散符号が、加算
手段において加算され、第2の高速フーリエ変換手段に
より高速フーリエ変換される。
【0043】そして、乗算手段により、第1の高速フー
リエ変換手段からのGPS信号の高速フーリエ変換結果
と、第2の高速フーリエ変換手段からの拡散符号加算手
段により加算された2つ以上の拡散符号の高速フーリエ
変換結果とが乗算され、この乗算結果が、逆高速フーリ
エ変換手段により逆高速フーリエ変換されて、GPS信
号と拡散符号との相関値が求められるようにされる。
【0044】この逆高速フーリエ変換結果得られた相関
値に基づいて相関点検出手段により相関点が検出するよ
うにされ、この検出結果に基づいて、搬送波周波数と拡
散符号とが特定するようにされる。
【0045】これにより、複数の拡散符号を同時に用い
るようにして、同時に複数の人工衛星からのGPS信号
についての搬送波周波数と拡散符号とを特定して、その
GPS信号の搬送波周波数の同期と拡散符号の位相同期
とを保持して測位演算を行えるようにする。すなわち、
複数のGPS信号についての同期捕捉を同時に行うこと
ができるようにされる。
【0046】また、符号パターンの異なる複数の拡散符
号のそれぞれ毎に高速フーリエ変換を行うようにした場
合に比べ、高速フーリエ変換処理の処理回数を減らすこ
とができる。したがって、高速フーリエ変換演算のため
に、多くのメモリを用意する必要がなく、メモリを効率
よく使用して、効果的に複数の人工衛星からのGPS信
号の同期捕捉を行うことができるようにされる。
【0047】また、請求項2に記載の発明のGPS受信
機は、請求項1に記載のGPS受信機であって、前記拡
散符号加算手段において加算する少なくとも2つ以上の
異なる拡散符号の組合せを変える組合せ変更手段と、前
記組合せ変更手段を制御して、前記拡散符号加算手段に
おいての加算する拡散符号の組合せを変更し、前記乗算
手段と前記逆高速フーリエ変換手段と前記相関点検出手
段とにおいて行われる相関点の検出を繰り返すように制
御する制御手段とを備え、前記検出手段は、相関点の複
数の検出結果に基づいて、前記搬送波と拡散符号とを検
出することを特徴とする。
【0048】この請求項2に記載のGPS受信機によれ
ば、組合せ変更手段は、制御手段により制御され、拡散
符号加算手段により加算される拡散符号の組合せが適宜
変更される。この組合せが変更された、異なる拡散符号
の加算結果を用いて、相関点の検出が繰り返し行われ
る。そして、検出手段により、複数の相関点の検出結果
に基づいて、搬送波周波数と拡散符号とが検出するよう
にされる。
【0049】これにより、一度の相関点の検出処理によ
り、複数の人工衛星からのGPS信号の搬送波周波数
と、拡散符号とが特定できない場合であっても、高速フ
ーリエ変換演算、逆高速フーリエ変換演算を含む相関点
の検出処理を符号パターンの異なる拡散符号の1つ1つ
について別々行う場合に比べ、より少ない相関点検出処
理回数で、多くの人工衛星からのGPS信号の搬送波周
波数と、用いられている拡散符号を特定することができ
るようにされる。
【0050】また、請求項3に記載の発明のGPS受信
機は、請求項1または請求項2に記載のGPS受信機で
あって、前記拡散符号加算手段において加算する拡散符
号同士の位相を所定量分シフトさせるようにする拡散符
号シフト手段を備えることを特徴とする。
【0051】この請求項3に記載のGPS受信機によれ
ば、拡散符号シフト手段により、加算対象の拡散符号同
士の位相をシフトさせてから加算が行うようにされる。
これにより、符号パターンの異なる拡散符号であっても
加算される拡散符号のチップ同士が相殺されてしまうこ
とを防止し、相関値の検出精度、検出レベルを上げて、
同期捕捉処理を迅速かつ精度良く行うことができるよう
にされる。
【0052】また、請求項4に記載の発明のGPS受信
機は、請求項1、請求項2または請求項3に記載のGP
S受信機であって、前記第1の高速フーリエ変換手段か
らの前記GPS信号の高速フーリエ変換結果が書き込ま
れる記憶手段と、前記記憶手段からのデータの読み出し
アドレスを制御する読み出しアドレス制御手段とを備
え、前記乗算手段は、前記読み出しアドレス制御手段の
制御により前記記憶手段から読み出される前記GPS信
号の高速フーリエ変換結果を前記第1の高速フーリエ変
換手段の高速フーリエ変換結果として用いるものであ
り、前記読み出しアドレス制御手段は、前記相関点検出
手段において、前記相関点が検出できなかった場合に、
前記記憶手段からのデータの読み出しアドレスを変更す
ることを特徴とする。
【0053】この請求項4に記載のGPS受信機によれ
ば、第1の高速フーリエ変換手段からの高速フーリエ変
換結果は記憶手段に記憶保持される。乗算手段において
は、第1の高速フーリエ変換手段の高速フーリエ変換結
果として、記憶手段から読み出されたデータが用いられ
る。
【0054】そして、相関点検出手段において、相関点
が検出されなかったときには、例えばドップラーシフト
の影響が考えられるので、読み出しアドレス制御手段に
より読み出しアドレスが変更されて記憶手段からデータ
が読み出され、これが乗算手段に供給されて、再度の相
関点の検出が行うようにされる。すなわち、周波数シフ
トするようにされた第1の高速フーリエ変換手段の高速
フーリエ変換結果と、拡散符号の高速フーリエ変換結果
とが用いられて再度の相関点検出が行われる。
【0055】これにより、GPS信号がドップラーシフ
トの影響を受けていても、第1の高速フーリエ変換手段
の高速フーリエ変換結果について周波数シフトさせたも
のを用いて相関点検出を行うことによって、ドップラー
シフトの影響を迅速に除去し、同期捕捉を迅速に行うよ
うにすることができる。
【0056】しかも、第1の高速フーリエ変換手段の高
速フーリエ変換結果、第2の高速フーリエ変換手段の高
速フーリエ変換結果を用いることができ、高速フーリエ
変換自体を繰り返し行わなくても済むので、処理が複雑
になることもなく、また、高速フーリエ変換のために必
要となるメモリの記憶容量が大きくなることもない。
【0057】また、請求項5に記載のGPS受信機は、
請求項4に記載のGPS受信機であって、前記読み出し
アドレス制御手段による前記読み出しアドレスの変更
が、所定周波数単位区間を越えたときには、新たに受信
したGPS信号を処理対象とするように制御する処理対
象制御手段を備えることを特徴とする。
【0058】この請求項5に記載の発明のGPS受信機
によれば、読み出しアドレス制御手段により、所定周波
数区間分読み出しアドレスを変更しても相関点が検出で
きなかったときには、新たに受信したGPS信号につい
て高速フーリエ変換を行い、再度、相関点の検出が行わ
れるようにされる。
【0059】これにより、同期捕捉が不能な場合におい
て、新たに受信し、取り込むようにしたGPS信号を用
いて、再度の相関検出を行うようにし、受信環境の変化
などに応じて、できるだけ迅速に同期捕捉を行うことが
できるようにされる。
【0060】また、請求項6に記載の発明のGPS受信
機は、人工衛星毎に異なる拡散符号が用いられてスペク
トラム拡散された送信データにより搬送波が変調されて
いる受信信号であるGPS信号を高速フーリエ変換する
高速フーリエ変換手段と、前記高速フーリエ変換手段か
らの前記GPS信号の高速フーリエ変換結果が書き込ま
れる記憶手段と、前記記憶手段から読み出される前記G
PS信号の高速フーリエ変換結果と、前記複数の人工衛
星のそれぞれで使用される複数の異なる拡散符号のそれ
ぞれの高速フーリエ変換結果とを個別に乗算するように
する乗算手段と、前記乗算手段からの乗算結果について
逆高速フーリエ変換を行う逆高速フーリエ変換手段と、
前記逆高速フーリエ変換手段からの変換結果から相関点
を検出する相関点検出手段と、前記相関点検出手段から
の検出結果に基づいて、受信した前記GPS信号の前記
搬送波と前記スペクトラム拡散に用いられている拡散符
号とを検出する検出手段とを備えることを特徴とする。
【0061】この請求項6に記載の発明のGPS受信機
によれば、GPS信号の高速フーリエ変換結果は、記憶
手段に記憶され、これが乗算手段において、複数の拡散
符号の高速フーリエ変換結果のそれぞれと乗算され、逆
高速フーリエ変換されて、GPS信号と各拡散符号との
相関値が求められるようにされる。
【0062】この場合、複数の拡散符号と乗算するGP
S信号の高速フーリエ変換結果は、記憶手段に記憶され
るので、拡散符号毎にGPS信号の高速フーリエ変換を
行うことがなく、複数の人工衛星からのGPS信号のそ
れぞれについての同期捕捉の処理を複雑にすることな
く、迅速に行うことができるとともに、GPS信号の高
速フーリエ変換演算のためにメモリ容量が増えることも
ないようにされる。
【0063】また、請求項7に記載の発明のGPS受信
機は、人工衛星で送信データをスペクトラム拡散するた
めに用いられる人工衛星毎に異なる拡散符号と同じ拡散
符号を発生させる拡散符号発生手段と、人工衛星毎に異
なる拡散符号が用いられてスペクトラム拡散された送信
データにより搬送波が変調されている受信信号であるG
PS信号の前記拡散符号と、前記拡散符号発生手段から
の人工衛星毎に異なる前記拡散符号のそれぞれとの相関
値を検出する相関値検出手段と、前記相関値検出手段に
おいて検出される前記相関値の大きさに基づいて、測位
に用いるようにするGPS信号を選択する選択手段とを
備えることを特徴とする。
【0064】この請求項7に記載のGPS受信機によれ
ば、GPS信号と人工衛星毎に異なる拡散符号のそれぞ
れとの相関値が相関値検出手段により検出され、相関値
のレベルの高いGPS信号により提供される航法メッセ
ージを用いるように選択手段により選択される。これに
より、高精度に復調される正確な航法メッセージを用い
て精度良く測位演算を行うことができるようにされる。
【0065】
【発明の実施の形態】以下、図を参照しながら、この発
明によるGPS受信機およびGPS信号の受信方法の一
実施の形態について説明する。
【0066】[第1の実施の形態](請求項1、2、
8、9、図1〜図13) 図1は、この発明によるGPS受信機、受信方法が適用
されたGPS受信機の一実施の形態を説明するためのブ
ロック図である。図1に示すように、この実施の形態の
GPS受信機は、アンテナ1と、増幅器2と、BPF
(BandPass Filter)3と、周波数変換
部4と、同期捕捉部5、同期保持部6、制御部7と、各
部分に供給するクロック信号を形成するタイミング発生
器8と、温度補償回路付き水晶発振器(以下、TCXO
という。)9と、水晶発振器(図1においては、XOと
記載。)10とを備えたものである。図1において、点
線で囲んだ部分が、例えば、1個のIC(集積回路)と
して構成される部分である。
【0067】なお、以下に説明するこの第1の実施の形
態から第7の実施の形態の各GPS受信機は、図1に示
す同じ構成を有し、各構成部分についても同様に構成さ
れるが、同期捕捉部5の機能や動作、あるいは、制御部
7の機能を変えることにより、そのそれぞれの実施の形
態において実現しようとしている目的を達成するように
している。
【0068】以下、図1に示したGPS受信機の各部の
構成とその動作について説明する。GPS衛星からの高
周波GPS信号は、アンテナ1により受信され、増幅器
2に供給される。
【0069】高周波GPS信号は、前述もしたように、
各GPS衛星から送信される信号であり、50bpsの
送信データを送信信号速度が1.023MHz、符号長
が1023で、GPS衛星ごとに決められるパターンの
PN符号(拡散符号)によりスペクトラム拡散した信号
(C/Aコード)により、周波数が1575.42MH
zのキャリアをBPSK変調したものである。
【0070】増幅器2は、これに供給された高周波GP
S信号を所定のレベルにまで増幅し、BPF3に供給す
る。BPF3は、これに供給された高周波GPS信号か
ら不要成分を除去し、不要成分除去後の高周波GPS信
号を周波数変換部4に供給する。
【0071】[周波数変換部4について]周波数変換部
4は、これに供給された高周波GPS信号を中間周波数
の信号である中間周波GPS信号に低域変換(ダウンコ
ンバート)し、これをアナログ/デジタル変換(2値化
処理)して、中間周波データ(以下、IFデータとい
う。)を形成し、これを同期捕捉部5と同期保持部6と
に供給するものである。
【0072】図2は、周波数変換部4の構成例を説明す
るための図である。図2に示すように、周波数変換部4
は、増幅器41、中間周波変換回路(以下、IF変換回
路という。)42、増幅器43、LPF(LowPas
s Filter)44、アナログ/デジタル変換器
(以下、A/D変換器と略称する。)45、周波数シン
セサイザの構成とされた局部発振回路46を備えたもの
である。
【0073】そして、BPF3からの高周波GPS信号
は、増幅器41を通じてIF変換回路42に供給され
る。また、TCXO9からの出力が局部発振回路46に
供給され、これよりTCXO9の出力周波数と周波数比
が固定された局部発振出力が得られる。
【0074】局部発振回路46からの局部発振出力は、
IF変換回路42に供給されて、キャリア周波数が15
75.42MHzの高周波GPS信号(RF)が、キャ
リア周波数が1.023MHzの中間周波GPS信号
(IF)に低域変換される。この中間周波GPS信号
は、増幅器43で増幅され、LPF44で帯域制限され
た後、A/D変換器45に供給される。
【0075】A/D変換器45は、これに供給された中
間周波GPS信号を2値化または多値化することにより
デジタル信号に変換してIFデータを形成し、これを同
期捕捉部5と、同期保持部6とに供給する。このIFデ
ータは、2値化の場合には、1ビット単位のデータであ
る。なお、上述のように、A/D変換器18では、その
入力信号を、2ビット以上のデジタル信号に変換して
(多値化して)出力するようにしてもよい。
【0076】[同期捕捉部5について]同期捕捉部5
は、これに供給されたIFデータを所定期間分蓄積する
ようにし、このIFデータに対して、キャリア周波数
(搬送波周波数)の同期と、C/Aコードの位相同期と
を高速に捕捉する処理を行い、C/Aコード位相、キャ
リア周波数、相関ピークレベル、衛星番号を検出して、
これを制御部7に供給するものである。
【0077】そして、この実施の形態の同期捕捉部5
は、以下に説明するように、複数のPN符号をタイミン
グをそろえて同時に発生させ、これを加算して用いるこ
とにより、複数のGPS衛星からのGPS信号のC/A
コードの位相同期を同時に捕捉することができるように
したものである。
【0078】図3は、同期捕捉部5の構成例を説明する
ためのブロック図である。図3に示すように、同期捕捉
部5は、サンプラ51、RAM(Random Acc
ess Memory)52、DSP53、RAM5
4、ROM(Read Only Memory)55
を備えたものである。
【0079】そして、周波数変換部4からのIFデータ
は、サンプラ51に供給される。サンプラ51は、これ
に供給されたIFデータを所定の周波数の信号でサンプ
リングし、サンプリングしたIFデータをRAM52に
書き込むことによって、所定量のIFデータをRAM5
2に格納するようにする。
【0080】RAM54は、主にDSP53において行
われる処理の作業領域として用いられるものであり、R
OM55は、DSP53において実行されるプログラム
や処理に必要となるデータを記憶しているものである。
【0081】そして、DSP53は、RAM52に格納
されたIFデータと、自機が発生させるPN符号とにつ
いて、FFT(Fast Fourier Trans
form)を用いた同期捕捉処理を行うことにより、前
述もしたように、キャリア周波数、C/Aコード位相、
相関ピークレベルを検出する。
【0082】[同期捕捉部5の具体的な構成と動作につ
いて]図4は、主にDSP53の機能により実現される
この第1の実施の形態の同期捕捉部5Aの具体的な構成
と動作を説明するためのブロック図である。DSP53
は、FFT処理部531、乗算部533、拡散符号発生
部534、セレクタ535、加算部536、FFT処理
部537、逆FFT処理部539、相関点検出部540
の機能を備え、いわゆるデジタルマッチドフィルタを構
成するようにしたものである。
【0083】同期捕捉部5AのRAM52に書き込まれ
た信号(前処理されたIFデータ(受信信号))は、C
/Aコードの1周期分(1023チップ)ずつ、読み出
されてFFT処理部531でFFT処理され、そのFF
T処理結果がメモリ532に書き込まれる。このメモリ
532としては、図4において括弧内に示したように、
例えば、RAM52の空き領域が用いられるようにされ
る。そして、メモリ532に書き込まれたIFデータの
FFT処理結果は、詳しくは後述するように、その読み
出し位置が制御されて読み出され、乗算部533に供給
される。
【0084】なお、同期捕捉部5AのRAM52に書き
込まれた信号である前処理されたIFデータは、当該前
処理によりM周期分のIFデータが1週期に相当する所
定チップ数分のデータとして用いることができるように
されたものである。もちろん、前処理されていないIF
データそのものを用いるようにすることもできる。
【0085】一方、この実施の形態においてDSP53
は、例えば、ROM55に記憶保持されている情報に基
づいて、GPS衛星毎に異なる、複数のPN符号をタイ
ミングをそろえて同時に発生させることができるもので
ある。
【0086】この図4に示す例の場合には説明を簡単に
するため、拡散符号発生部534は、3種類の異なるP
N符号c(1)、c(2)、c(3)をタイミングをそ
ろえて同時に1周期分(1023チップ)発生させるも
のとして説明する。つまり、拡散符号発生部534は、
図4において参照符号534(1)、534(2)、5
34(3)が示すように、3つの拡散符号発生部を備え
たものと等価なものである。
【0087】そして、DSP53において発生するよう
にされた3種類のPN符号のそれぞれは、セレクタ53
5に供給される。セレクタ535は、これに供給される
3種類のPN符号のうちから2種類のPN符号を選択
し、この選択した2種類のPN符号を加算部536に供
給する。
【0088】加算部536は、これに供給された2種類
のPN符号を加算し、これをFFT処理部537に供給
する。FFT処理部537は、これに供給された加算部
536からの加算結果をFFT処理し、その結果をメモ
リ538に書き込む。このメモリ538としては、図4
において括弧内に示したように、例えば、RAM54が
用いられるようにされる。このメモリ538からは、通
常の場合と同様に、FFT処理結果が低い周波数から順
に読み出されて乗算部533に供給される。
【0089】乗算部533では、メモリ532からのI
FデータのFFT処理結果と、メモリ538からの2種
類のPN符号の加算結果のFFT処理結果とが乗算さ
れ、周波数領域におけるIFデータとこのGPS受信機
において発生させた2種類のPN符号との相関の度合い
が演算される。ここで、乗算部533での乗算は、受信
信号の離散フーリエ変換結果と、PN符号の加算結果の
離散フーリエ変換結果とのどちらか一方の複素共役と他
方とを乗算する演算となる。そして、その乗算結果は逆
FFT処理部539に供給されて、周波数領域の信号が
時間領域の信号に戻される。
【0090】逆FFT処理部539から得られる逆FF
T処理結果は、IFデータとこの実施の形態のGPS受
信機において発生させたPN符号との時間領域における
相関検出信号となっており、この相関検出信号は、相関
点検出部540に供給される。相関点検出部540で
は、IFデータとこのGPS受信機において発生させた
PN符号との同期が取れたかどうかを検出し、同期が取
れたと検出した場合には、相関検出信号のピーク値の位
相を相関点として検知する。
【0091】この相関検出信号は、PN符号(拡散符
号)の1周期分の各チップ位相における相関値を示すも
のとなっており、IFデータ中の拡散符号と、拡散符号
発生器534からのPN符号(拡散符号)とが同期して
いる場合には、図5に示すように、1023チップのう
ちのある1つの位相での相関が、予め決められるスレッ
ショールド値を超えるようなピーク値を示す相関波形が
得られる。このピーク値の立つチップ位相が、相関点の
位相(C/Aコード位相)となる。すなわち、相関点が
立つ位置が、PN符号の先頭位置に一致する。
【0092】一方、IFデータ中の拡散符号と、拡散符
号発生部534からの拡散符号とが同期していない場合
には、図5のようなピーク値が立つ相関波形は得られ
ず、いずれのチップ位相においても、予め定められるス
レッショールド値を超えるようなピークは立たない。
【0093】相関点検出部540は、例えば、予め定め
た値を超えるピーク値が、この相関点検出部540に供
給される相関検出信号に存在するかどうかにより、受信
信号であるIFデータとこのGPS受信機において発生
させるようにしたPN符号との同期がとれたかどうかを
検出し、同期が取れたと検出した場合には、上述のピー
ク値の位相を相関点として検知する。
【0094】そして、この実施の形態の場合には、図4
に示したように、2つの異なるPN符号が加算されたも
のがFFT処理されて、IFデータのFFT処理結果と
乗算される。したがって、複数のGPS衛星からのGP
S信号を受信し、上述のように、加算された2つのPN
符号のそれぞれと同期が合うものがあれば、図5に示し
たようなピークは2つ立つことになる。
【0095】また、ピークが1つしか立たない場合で
も、加算するPN符号の組合せを変えて、再度、この組
合せを変えたPN符号の加算結果をFFT処理したもの
と、IFデータのFFT処理結果とを乗算してピーク値
を検出することにより、どのPN符号と同期が合ってい
るかを検出することが可能となる。
【0096】この実施の形態の場合、符号パターンの異
なる3種類のPN符号c(1)、c(2)、c(3)が
用いられるようにされている。そして、まず、PN符
号c(1)とc(2)とを加算したものを用いて上述の
相関点を検出する処理を行い、続いて、PN符号c
(2)とPN符号c(3)とを加算したものを用いて上
述の相関点の検出を行う。
【0097】そして、c(1)+c(2)を用いた場合
と、c(2)+c(3)を用いた場合とで、同じ位置に
ピークが1つだけ立つ場合には、PN符号c(2)と同
期があっていることが分かる。また、c(1)+c
(2)を用いた場合と、c(2)+c(3)を用いた場
合とで、異なる位置にピークが2つ立つ場合には、PN
符号c(1)とPN符号c(3)の2つと同期があって
いることが分かる。
【0098】また、c(1)+c(2)を用いた場合に
のみピークが立つ場合には、PN符号c(1)と同期が
あっていることが分かるし、c(2)+c(3)を用い
た場合にのみピークが立つ場合には、PN符号c(3)
と同期があっていることが分かる。
【0099】このように、上述のととの2回の相関
点の検出処理を行うことによって、異なる3つPN符号
との相関点を検出し、異なる3つのGPS衛星からのG
PS信号の拡散符号との同期を合わせることができるこ
とになる。
【0100】ここでは、説明を簡単にするため、3種類
のPN符号c(1)、c(2)、c(3)を用いる場合
を例にして説明したが、PN符号の種類は3種類に限る
ものではない。例えば、4種類のPN符号c(1)、c
(2)、c(3)、c(4)を用いるようにした場合で
も、c(1)+c(2)を用いた場合と、c(2)
+c(3)を用いた場合と、c(3)+c(4)を用
いた場合との3回の相関点の検出処理を行う。
【0101】そして、その3回の相関点の検出処理結果
を全て考慮し、c(1)+c(2)を用いた場合にの
み相関点が検出できたのであれば、PN符号c(1)と
同期が合っていることが分かるし、また、c(3)+
c(4)を用いた場合にのみ相関点が検出できたのであ
れば、PN符号c(4)と同期が合っていることが分か
る。
【0102】また、c(1)+c(2)を用いた場合
とc(2)+c(3)を用いた場合とで、同じ位置に
相関点が1つだけ検出できた場合には、PN符号c
(2)と同期が合っていることが分かるし、c(2)
+c(3)を用いた場合とc(3)+c(4)を用い
た場合とで、同じ位置に相関点が1つだけ検出できた場
合には、PN符号c(3)と同期が合っていることが分
かる。
【0103】また、c(1)+c(2)を用いた場合
とc(2)+c(3)を用いた場合とで、異なる位置
に3つの相関点が検出できた場合には、PN符号c
(1)、c(2)、c(3)の3つのPN符号と同期が
合っていることが分かるというように、相関点の検出処
理結果の組合せにより、4つのPN符号について、どの
PN符号と同期が合っているかを検出することができ
る。
【0104】このように、異なるGPS衛星で用いられ
ているPN符号を加算したものを用いて相関点の検出を
行うことによって、複数のGPS衛星からのGPS信号
の1つ1つについてPN符号の同期を合わせていくよう
にする場合に比べ、FFT処理の回数を減らし、迅速に
PN符号の同期合わせを行って、送信データの復調を行
うようにすることができるのである。
【0105】以上の説明では、受信信号であるIFデー
タのキャリア成分については考慮していないが、実際に
は、受信信号r(n)は、図8の式(3)に示すように
キャリアを含んでいる。この式(3)においては、Aは
振幅、d(n)はデータ、foは中間周波信号における
キャリア角周波数、n(n)はノイズを表している。
【0106】サンプラ51でのサンプリング周波数をf
s、サンプリング数をN(したがって、0≦n<N、0
≦k<N)とすると、離散フーリエ変換後の離散周波数
kと実周波数fとの関係は、0≦k≦N/2では、f=
k・fs/N、N/2<k<Nではf=(k−N)・fs/
N(f<0)である。なお、離散フーリエ変換の性質に
より、R(k)、C(k)は、k<0、k≧Nでは循環
性を示す。
【0107】そして、受信信号r(n)から、データd
(n)を得るためには、拡散符号c(n)とキャリアc
os2πnf0との同期をとってキャリア成分を除去す
る必要がある。すなわち、後述する図8の式(2)で、
R(k)のみにキャリア成分が含まれている場合には、
図5のような相関波形が得られない。
【0108】この実施の形態では、FFTによる周波数
領域での処理のみの簡単な構成により、拡散符号c
(n)とキャリアcos2πnf0との同期をとってキ
ャリア成分を除去することができるようにしている。
【0109】すなわち、FFT処理部531から得られ
るGPS衛星からの受信信号であるIFデータのFFT
処理結果は、通常は、受信信号の周波数成分の周波数が
低いものから順にメモリ532から読み出されて、乗算
部533に供給されるが、この実施の形態では、メモリ
532からは、DSP53が読み出しアドレス制御部と
して機能し、DSP53からの制御に従って、読み出し
アドレスがシフト制御されて、順次、IFデータのFF
T処理結果が読み出される。
【0110】DSP53には、受信信号を得たGPS衛
星についてのドップラーシフト量を正確に見積もり、か
つ、GPS受信機内部の発振周波数および時間情報を正
確に校正することに基づいて検出した受信信号のキャリ
ア周波数の情報が供給される。このキャリア周波数の情
報は、GPS受信機内部でのみ作成することもできる
が、例えば、通信ネットワーク等を通じて外部から取得
するようにすることもできる。
【0111】そして、DSP53は、この取得したキャ
リア周波数の情報に基づいて、そのキャリア周波数分だ
け、すなわち、本来のキャリア周波数からドップラーシ
フト量に応じたずれ分に対応する周波数分だけ、読み出
しアドレスをシフトして、メモリ532から受信信号で
あるIFデータのFFT処理結果を、順次、読み出し、
乗算部533に供給するようにする。
【0112】このように受信信号r(n)のFFT処理
結果を、メモリ532から、受信信号のキャリア周波数
分だけシフトして読み出すことにより、後述するよう
に、キャリア成分を除去した受信信号のFFT処理結果
と等価なFFT処理結果を得ることができ、そのキャリ
ア成分を除去したFFT処理結果と、拡散符号の1周期
分のFFT処理結果との乗算結果を逆拡散することによ
り、確実に図5のように相関点でピークを生じる相関検
出出力が得られる。
【0113】なお、IFデータのFFT結果と拡散符号
のFFT結果とのどちらか一方の複素共役と他方とを乗
算するようにしても良い。また、後述もするように、メ
モリ532からのFFT処理結果の読み出しアドレスを
制御するのではなく、メモリ536からの拡散符号のF
FT処理結果の読み出しアドレスを制御することによ
り、拡散符号のFFT処理結果に、受信信号r(n)の
キャリア分を加え、乗算部533での乗算によって、実
質的によりキャリア成分の除去を行うようにすることも
できる。
【0114】以下に、メモリ532または536からの
読み出しアドレスの制御によって、受信信号のキャリア
とPN符号(拡散符号)との同期によるキャリア成分の
除去について、DSP53でのデジタルマッチドフィル
タの処理の動作説明と共に、さらに詳細に説明する。
【0115】この実施の形態において、DSP53で
は、デジタルマッチドフィルタの処理が行われるもので
あるが、このデジタルマッチドフィルタの処理の原理
は、図8の式(1)に示すように、時間領域での畳み込
みのフーリエ変換が周波数領域では乗算になるという定
理に基づくものである。
【0116】この式(1)において、r(n)は時間領
域の受信信号、R(k)はその離散フーリエ変換を表
す。また、c(n)は拡散符号発生部からの拡散符号、
C(k)はその離散フーリエ変換を表す。nは離散時
間、kは離散周波数である。そして、F[]は、フーリ
エ変換を表している。
【0117】2つの信号r(n)、c(n)の相関関数
を改めてf(n)と定義すると、f(n)の離散フーリ
エ変換F(k)は、図8の式(2)のような関係にな
る。したがって、r(n)を図2のA/D変換器45か
らの信号とし、c(n)を拡散符号発生部534からの
拡散符号とすれば、r(n)とc(n)の相関関数f
(n)は、通常の定義式によらず、前記式(2)により
以下の手順で計算できる。
【0118】・受信信号r(n)の離散フーリエ変換R
(k)を計算する。
【0119】・拡散符号c(n)の離散フーリエ変換C
(k)の複素共役を計算する。
【0120】・R(k)、C(k)の複素共役より、式
(2)のF(k)を計算する。
【0121】・F(k)の逆離散フーリエ変換により相
関関数f(n)を計算する。
【0122】ところで、前述したように、受信信号r
(n)に含まれる拡散符号が、拡散符号発生部534か
らの拡散符号c(n)と一致していれば、上記手順によ
り計算した相関関数f(n)は、図5のように相関点で
ピークを生ずる時間波形となる。上述したように、この
実施の形態では、離散フーリエ変換および逆フーリエ変
換に、FFTおよび逆FFTの高速化アルゴリズムを適
用したので、定義に基づいて相関を計算するより、かな
り高速に計算を行うことができる。
【0123】次に、受信信号r(n)に含まれるキャリ
アと拡散符号との同期について説明する。
【0124】前述したように、受信信号r(n)は、図
8の式(3)に示すようにキャリアを含んでいる。受信
信号r(n)から、データd(n)を得るためには、拡
散符号c(n)とキャリアcos2πnf0との同期を
とって除去する必要がある。すなわち、前述の図8の式
(2)で、R(k)のみにキャリアが含まれている場合
には、図5のような相関波形が得られない。
【0125】ドップラーシフト量が正確に見積もられ、
かつ、GPS受信機内部の発振周波数および時間情報が
正確であれば、受信信号r(n)のキャリア周波数f0
が既知となる。その場合には、図6に示すように、FF
T処理部531の前段に乗算部541を設け、この乗算
部541において受信信号r(n)と信号発生部542
からの周波数f0のキャリアとを乗算して周波数変換す
ることにより、FFTを行う前に受信信号r(n)から
キャリア成分を除くことができる。
【0126】その場合には、メモリ532からは、その
キャリア成分が除去された受信信号r(n)のFFT処
理結果が得られ、このFFT処理結果と、拡散符号c
(n)のFFT処理結果とが乗算部533で乗算される
ので、逆FFT処理部537の出力としては、図5のよ
うに相関点にピークを生じる時間波形が確実に得られ
る。
【0127】なお、図6で括弧内に記載したように、受
信信号r(n)からキャリア成分を除去するのではな
く、拡散符号c(n)についてのFFT処理部535の
前段に乗算部541を設けて、この乗算部541におい
て拡散符号c(n)と信号発生部542からの周波数f
0のキャリアとを乗算して周波数変換することにより、
拡散符号にキャリア成分を加えるようにしても同様であ
る。
【0128】すなわち、その場合には、メモリ532か
ら読み出した受信信号のFFT処理結果に含まれるキャ
リア成分と、メモリ536から読み出した拡散符号のF
FT処理結果に含まれる、加えられたキャリア成分とが
同期しているため、逆FFT処理部537からは、図5
のように相関点でピークを生じる相関検出出力が得られ
る。
【0129】しかし、以上説明したような図6のように
時間領域の信号にキャリア周波数の信号を乗算する方法
による場合には、キャリア成分を除くための乗算部が特
に必要になり、構成が複雑になると共に、その乗算演算
の分だけ、処理速度が遅くなるという不利益がある。
【0130】ところで、FFTの性質として、上述のよ
うな周波数乗算は、図8の式(4)のように表すことが
できる。この式(4)で、F[]は離散フーリエ変換、
φ0はキャリアとの位相差、k0 はf0 に対応するkで
あって、f0 =k0 ・fs /Nである。この式(4)よ
り、受信信号r(n)を図6のように周波数変換した信
号のFFTは、r(n)のFFTであるR(k)を、キ
ャリア周波数分k0だけシフトした形になる。
【0131】以上のことから、図6の構成は、図7のよ
うな構成に置換可能となる。すなわち、受信信号r
(n)や拡散符号c(n)にキャリア周波数を乗算する
代わりに、受信信号のFFT処理結果または拡散符号の
FFT処理結果をメモリ532またはメモリ536から
の読み出す際の読み出しアドレスを、キャリア周波数分
だけシフトするようにするものである。
【0132】この場合に、図7で、受信信号r(n)を
シフトする場合はダウンコンバージョンで、k0 >0と
し、また、拡散符号c(n)をシフトする場合はアップ
コンバージョンで、k0 <0とする。
【0133】以上説明したように、式(4)に示したF
FTの性質を利用すれば、図6の信号発生器542は不
要になり、図7のように、FFT処理結果のメモリから
の読み出しアドレス位相をシフトするだけでよくなり、
構成が簡単になると共に、処理の高速化に繋がる。
【0134】なお、前述の式(4)における位相差φ0
は未知であるため、図4では無視しているが、例えば、
図8の式(5)により計算されるF’(k)の逆FFT
の演算結果として得られる相関関数f’(n)(0≦n
<N)は複素数となり、その実部をfR’(n)、虚部
をfI’(n)とすると、相関ピークの振幅|f’
(n)|は、図8の式(6)に示すようにして得られ、
位相φは、図8の式(7)に示すようにして得られるの
で、式(4)の右辺のexp(jφ0 )の乗算は省略し
てよい。なお、なお、位相φは、式(3)のデータd
(n)の符号に対応したπだけ異なる2つの値に式
(4)の位相差φ0 が加わった値となる。
【0135】そして、図4の各ブロックの出力には、上
述したような信号出力r(n)、c(n)および演算結
果R(k)、C(k)、f'(n)が示されている。
【0136】このように、この実施の形態のGPS受信
機において、FFTを利用してデジタルマッチドフィル
タを構成する場合に、図4のように受信信号のFFT処
理結果を、キャリア周波数分だけメモリのアドレスをシ
フトして、拡散符号と乗算する構成によって、相関点n
pが、例えば図5に示すような波形で得られ、3個のG
PS衛星、つまり、3種類の拡散符号c(1)、c
(2)、c(3)について相関点np(C/Aコード位
相)が分かれば、GPS受信機の2次元測位の計算が可
能となり、また、4個のGPS衛星、つまり4種類の拡
散符号c(n)について、相関点np(C/Aコード位
相)が判れば、GPS受信機位置の3次元測位の計算が
可能になる。
【0137】すなわち、この実施の形態によれば、FF
Tを利用したデジタルマッチドフィルタ処理を行う場合
において、受信信号のキャリアと拡散符号との同期を取
るために、時間領域で乗算を行うことなく、受信信号の
FFT処理結果と拡散符号のFFT処理結果同士の周波
数領域での乗算の際に、受信信号のFFT処理結果と拡
散符号のFFT処理結果のうちの一方のFFT処理結果
をシフトするという簡便な方法により、受信信号のキャ
リア成分を除去することができる。
【0138】なお、図4の例では、受信信号のFFT処
理結果R(k)の方の、メモリの読み出しアドレスをシ
フトさせたが、拡散符号のFFT処理結果C(k)の方
のメモリの読み出しアドレスを、受信信号のFFT処理
結果R(k)の場合とは逆方向にシフト(乗算器でのア
ップコンバージョンの形になる)しても良い。
【0139】また、上述の実施の形態の説明において
は、拡散符号発生器534とFFT処理部537とを別
々に設けるようにしたが、それぞれのGPS衛星に対応
する拡散符号をあらかじめFFTしておいたものをメモ
リに記憶させておくことで、衛星信号の受信時における
拡散符号c(n)のFFT計算を省略することができ
る。
【0140】このように、この実施の形態のGPS受信
機の同期捕捉部5は、FFTを用いて同期捕捉処理を高
速に行い、C/Aコード位相、キャリア周波数、相関ピ
ークレベル、衛星番号を検出して、これらを制御部7に
通知し、制御部7は、これらを同期保持部6に供給する
ことになる。
【0141】なお、図1において、同期捕捉部5におい
て検出するようにしたC/Aコード位相、キャリア周波
数、相関ピークレベル、衛星番号を直接に、同期捕捉部
5から同期保持部6に通知するようにすることもでき
る。
【0142】[同期保持部6について]次に、同期保持
部6について説明する。同期保持部6は、図9に示すよ
うに、異なるGPS衛星からのGPS信号に対する処理
を個別に行うことができるようにするため、n個の同期
捕捉回路60(1)、60(2)、…、60(n)を備
えたものである。
【0143】同期保持回路60(1)、60(2)、
…、60(n)のそれぞれは、制御部7を通じて供給さ
れる同期捕捉部5からのC/Aコード位相、キャリア周
波数、衛星番号に応じて、これらの情報を設定し、周波
数変換部4からのIFデータに対して、キャリア周波数
の同期と、C/Aコードの位相同期とを瞬時に引き込
み、この引き込んだキャリア周波数の同期と、C/Aコ
ードの位相同期とを保持するように動作する。
【0144】そして、同期保持部6の同期保持回路60
(1)、60(2)、…、60(n)のそれぞれは、同
期を保持しているGPS信号によって提供される送信デ
ータを復調して航法メッセージを得て、これを制御部7
が利用できるようにする。制御部7は、例えば4つの同
期保持回路からの航法メッセージを用いて当該GPS受
信機の位置を測位演算して求めることになる。
【0145】そして、この実施の形態において、同期保
持部6の同期保持回路60(1)、60(2)、…、6
0(n)のそれぞれは、コスタスループとDLL(De
lay Locked Loop)とにより構成された
ものである。
【0146】図10は、同期保持回路60(1)、60
(2)、…、60(n)の構成例を説明するためのブロ
ック図である。図10において、参照符号612〜61
9が付された部分がコスタスループ61である。また、
図22において、参照符号621〜644が付された部
分がDLL62である。
【0147】コスタスループ61は、キャリア周波数の
同期の保持、送信データである航法メッセージの抽出を
行う部分であり、DLL62は、C/Aコードの位相同
期の保持を行う部分である。そして、コスタスループ6
1とDLL62とが協働し、受信信号であるIFデータ
をスペクトラム拡散しているPN符号と同じPN符号を
用いて逆スペクトラム拡散を行ってスペクトラム拡散前
の信号を得るとともに、このスペクトラム拡散前の信号
を復調して航法メッセージを得て、これを制御部7に供
給する。以下、コスタスループ61とDLL62との動
作について具体的に説明する。
【0148】[コスタスループ61について]周波数変
換部4からのIFデータは、同期保持部6の乗算器61
1、621、631に供給される。これら乗算器61
1、621、631のそれぞれには、図10に示すよう
に、PN符号発生器(図10においてはPNGと記
載。)644からの一致(プロンプト)PN符号P、進
み(アーリ)PN符号E、遅れ(レート)PN符号Lの
それぞれが供給される。
【0149】PN符号発生器644は、後述もするよう
に、NCO643からの信号に基づいて、一致PN符号
Pと、進みPN符号Eと、遅れPN符号Lとを発生させ
る。この場合、NCO643は、同期捕捉部5の捕捉結
果に基づいて制御部7において設定される周波数情報の
供給を受け、同期保持しようとしている目的とする受信
信号であるIFデータをスペクトラム拡散しているPN
符号と、同じPN符号であって、位相が一致する進み遅
れのないPN符号を発生させるようにPN符号発生器6
44を制御する信号を形成し、これをPN符号発生器6
44に供給する。
【0150】PN符号発生器644は、NCO643か
らの信号に基づいて、上述もしたように、同期保持しよ
うとしている目的とするIFデータをスペクトラム拡散
しているPN符号と同じPN符号であって、位相が一致
する進み遅れのない一致PN符号Pと、一致PN符号P
に対して位相が所定量分進むようにされたPN符号であ
る進みPN符号Eと、一致PN符号Pに対して、位相が
所定量分遅れるようにされたPN符号である遅れPN符
号Lを形成し、乗算器611、621、631のそれぞ
れに供給する。
【0151】コスタスループ61の前段に設けられた乗
算器611は、周波数変換部4からのIFデータとPN
符号発生器644からの一致PN符号Pとを乗算するこ
とにより、スペクトラム逆拡散を行い、この逆拡散がな
された信号をコスタスループ61に供給する。
【0152】コスタスループ61は、図10に示すよう
に、数値制御型発振器(以下、NCOと略称する。)6
12と、乗算器613、614と、LPF(LowPa
ssFilter)615、616と、位相検出器61
7と、ループフィルタ618と、相関検出器619とか
らなっている。
【0153】乗算器611において逆拡散された信号
は、コスタスループ61の乗算器613、614に供給
される。図10に示すように、乗算器613には、制御
部7からの周波数情報であるキャリア周波数に応じてN
CO612において形成される直交位相のI(Sin
e)信号と、Q(Cosine)信号とのうち、I信号
が供給され、乗算器614には、Q信号が供給される。
【0154】乗算器613においては、逆拡散されたI
FデータとNCO612からのI信号とが乗算され、そ
の結果がLPF615を通じて位相検出器617に供給
される。また、乗算器614においては、逆拡散された
IFデータとNCO612からのQ信号とが乗算され、
その結果がLPF616を通じて位相検出器617に供
給される。
【0155】LPF615、616は、制御部7からの
カット・オフ周波数情報の供給を受け、これに供給され
た信号の帯域外ノイズを除去するものである。位相検出
器617は、LPF615、616からの出力信号に基
づいて、受信信号のキャリアとNCO612が発生させ
た信号との位相誤差を例えば1ミリ秒間隔で検出し、こ
の位相誤差をループフィルタ618を介してNCO61
2に供給する。これによりNCO612が制御されて、
NCO612からの出力キャリア信号の位相が、受信信
号のキャリア成分に追従するようにされる。
【0156】なお、コスタスループ61のループフィル
タ618は、制御部7から供給されるパラメータに応じ
て、位相検出器617からの位相誤差情報を積分して、
NCO612を制御するNCO制御信号を形成するもの
である。NCO612は、ループフィルタ618からの
NCO制御信号によって、前述したように、NCO61
2からの出力キャリア信号の位相が、受信信号のキャリ
ア成分に追従するようにされるのである。
【0157】また、コスタスループ61のLPF61
5、616からの出力は、相関検出器619に供給され
る。相関検出器619は、これに供給されるLPF61
5、616からの出力信号を自乗して加算し、これを出
力する。この相関検出器619からの出力は、IFデー
タと、PN符号発生器644からの一致PN符号Pとの
相関値(P)示すものである。この相関値(P)は、例
えば、図示しないレジスタに格納され、制御部7が用い
ることができるようにされる。
【0158】制御部7は、相関検出器619からの相関
値(P)から、キャリア周波数の同期がロックしている
か、アンロックなのかを判定し、アンロックである場合
には、キャリア周波数を引き込んでロックするように、
コスタスループ61を制御することになる。
【0159】そして、送信データの復調出力は、LPF
615から得られ、これがデコードされて航法メッセー
ジ(ナビゲーションメッセージ)として制御部7におい
て用いることができるようにされる。
【0160】[DLL62について]一方、乗算器62
1は、周波数変換部4からのIFデータとPN符号発生
器644からの進みPN符号Eとを乗算することによ
り、スペクトラム逆拡散を行い、この逆拡散がなされた
信号をDLL62の乗算器622、623に供給する。
そして、乗算器622には、前述したように、NCO6
12において形成されるI信号が供給され、乗算器62
3には、NCO612において形成されるQ信号が供給
される。
【0161】乗算器622は、逆拡散されたIFデータ
とNCO612からのI信号とを乗算し、その結果をL
PF624を通じて相関検出器626に供給する。同様
に、乗算器623は、逆拡散されたIFデータとNCO
612からのQ信号とを乗算し、その結果をLPF62
5を通じて相関検出器626に供給する。なお、LPF
624、625は、コスタスループ61のLPF61
5、616と同様に、制御部7からのカット・オフ周波
数情報の供給を受け、これに供給された信号の帯域外ノ
イズを除去するものである。
【0162】相関検出器626は、これに供給されるL
PF624、625からの出力信号を自乗して加算し、
これを出力する。この相関検出器626からの出力は、
IFデータと、PN符号発生器644からの進みPN符
号Eとの相関値(E)示すものである。この相関値
(E)は、位相検出器641に供給されるとともに、例
えば、図示しないレジスタに格納され、制御部7が用い
ることができるようにされる。
【0163】同様に、乗算器631は、周波数変換部4
からのIFデータとPN符号発生器644からの遅れP
N符号Lとを乗算することにより、スペクトラム逆拡散
を行い、この逆拡散がなされた信号をDLL62の乗算
器632、633に供給する。乗算器632には、前述
したように、NCO612において形成されるI信号が
供給され、乗算器633には、NCO612において形
成されるQ信号が供給される。
【0164】乗算器632は、逆拡散されたIFデータ
とNCO612からのI信号とを乗算し、その結果をL
PF634を通じて相関検出器636に供給する。同様
に、乗算器633は、逆拡散されたIFデータとNCO
612からのQ信号とを乗算し、その結果をLPF63
5を通じて相関検出器636に供給する。LPF63
4、635は、前述のLPF624、625と同様に、
制御部7からのカット・オフ周波数情報の供給を受け、
これに供給された信号の帯域外ノイズを除去するもので
ある。
【0165】相関検出器636は、これに供給されるL
PF634、635からの出力信号を自乗して加算し、
これを出力する。この相関検出器636からの出力は、
IFデータと、PN符号発生器644からの遅れPN符
号Lとの相関値(L)を示すものである。この相関値
(L)は、位相検出器641に供給されるとともに、例
えば、図示しないレジスタに格納され、制御部7が用い
ることができるようにされる。
【0166】位相検出器641は、相関検出器626か
らの相関値(E)と、相関検出器636からの相関値
(L)との供給を受け、両者の位相誤差を検出し、これ
に基づき相関値(E)と相関値(L)とが同じレベルと
なるように、PN符号発生器644に供給するNCO6
43からの出力信号を調整するようにするための信号を
形成して、これをループフィルタ642を介してNCO
643に供給する。
【0167】たとえば、図11に示すように、一致PN
符号P(図11(b))と、一致PN符号Pに対して位
相が所定量分進められた進みPN符号E(図11
(a))と、一致PN符号Pに対して位相が所定量分遅
れるようにされた遅れPN符号L(図11(c))とが
ある場合に、そのそれぞれとIFデータとの相関値につ
いて考える。
【0168】この図11に示す例の場合、図11(d)
に示す進みPN符号EとIFデータとの相関値(E)の
レベルと、図11(f)に示す遅れPN符号PとIFデ
ータとの相関値(L)のレベルとが同じレベルとなるよ
うに、一致PN符号Pの位相を調整することにより、図
11(e)に示すように相関値(P)は最大となり、I
Fデータをスペクトラム拡散しているPN符号と同期の
合った(位相が一致した)一致PN符号を発生させるこ
とができるのである。
【0169】NCO643は、前述もしたように、同期
捕捉部5の捕捉結果に応じた制御部7からの初期周波数
を示す周波数情報の供給を受け、目的とするGPS衛星
からの信号であるIFデータをスペクトラム拡散してい
るPN符号と同期の合ったPN符号を発生させるように
PN符号発生器644を動作させる信号を発生させる
が、上述のように、ループフィルタ642を介して位相
検出器641からの信号に基づいて、PN符号発生器6
44に供給する信号の位相を調整する。
【0170】これにより、NCO643からの信号に応
じてPN符号発生器644において発生させるPN符号
の位相が調整され、PN符号発生器644において発生
させる一致PN符号Pが、IFデータをスペクトラム拡
散しているPN符号に追従するようにされ、一致PN符
号Pを用いてIFデータについて正確に逆スペクトラム
拡散することができ、コスタスループ61において、受
信データの復調ができるようにされる。
【0171】なお、DLL62のループフィルタ642
は、前述したコスタスループ61のループフィルタ61
8と同様に、制御部7から供給されるパラメータに基づ
いて、位相検出器641からの位相誤差情報を積分し
て、NCO643を制御するNCO制御信号を形成する
ものである。
【0172】このようにして、スペクトラム拡散変調さ
れたIFデータについて、同期保持部6において同期保
持し、送信データとしての航法メッセージが同期保持部
6のコスタスループ61により復調される。そして、航
法メッセージの復調出力は、前述もしたように、LPF
615から得られ、これが図示しないデータ復調回路に
供給されて制御部7に供給可能なデータに復調された
後、これが制御部7に供給されて測位計算に用いられる
ことになる。
【0173】このような同期保持処理および送信データ
の復調処理が、同期保持部60(1)、60(2)、
…、60(n)のそれそれにおいて行われ、前述もした
ように、4つの異なるGPS衛星からの航法メッセージ
が用いられてGPS受信機の位置を特定する測位演算が
制御部7において行われる。
【0174】[制御部7について]制御部7は、この実
施の形態のGPS受信機の各部を制御するとともに、同
期保持部6からの航法メッセージの供給を受け、測位演
算を行ったり、各種の時間検出(時間計測)を行ったり
する部分である。
【0175】図12は、制御部7の構成例を説明するた
めの図である。図12に示すように、制御部7は、CP
U(Central Processing Uni
t)71、ROM(Read Only Memor
y)72、RAM(RandomAccess Mem
ory)73、タイムカウンタ74、RTC(Real
Time Clock)75を備えたものである。
【0176】ここで、ROM72は、CPU71におい
て実行するプログラムや処理に用いる各種のデータが格
納されているものである。RAM73は、各種の処理に
おいての途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域と
して用いられるものである。また、タイムカウンタ7
4、RTC75は、各種の時間検出(時間計測)を行う
場合に用いられるものである。
【0177】そして、前述もしたように、図1に示した
この実施の形態のGPS受信機の制御部7は、同期捕捉
部5を制御して高速に受信信号のキャリア周波数の同
期、C/Aコードの位相同期を捕捉するようにし、この
捕捉結果に基づいて、同期保持部6を制御して、受信信
号のキャリア周波数の同期、C/Aコードの位相同期を
瞬時に引き込んで、これを保持し、航法メッセージとし
てのビット・データを得て、測位演算を行い、当該GP
S受信機の現在位置を正確に算出して、これをホストI
/O端子31を通じて出力するなどのことができるよう
にされている。
【0178】なお、図1においてタイミング発生器8
は、TCXO9からの基準周波数信号の供給を受け、こ
れを逓倍/分周して、各部に供給するクロック信号を形
成し、これをCPU、同期捕捉部5、同期保持部6など
の各部に供給し、その各部の目的とする部分を動作する
ことができるようにするものである。
【0179】そして、図4を用いて上述したように、こ
の実施の形態のGPS受信機の同期保持部5Aは、当該
GPS受信機において発生させる複数種類のPN符号を
加算したものを用いて同期捕捉を行うので、FFT処理
の処理回数を少なくすることができ、各GPS衛星から
の信号ごとに同期捕捉を行う場合に比べ、迅速に同期捕
捉を行うことができる。
【0180】なお、上述の第1の実施の形態において
は、いずれかのGPS衛星で使用されることになる複数
のPN符号の中から2つ(2種類)のPN符号を加算
し、これを同期捕捉処理部5においての相関点の検出処
理に用いるようにした。しかし、これに限るものではな
い。いずれかのGPS衛星で使用されることになる3種
類のPN符号、あるいは、4種類のPN符号というよう
に、複数種類のPN符号を加算し、これを同期捕捉部5
における相関点の検出処理に用いるようにしてもよい。
【0181】また、上述の第1の実施の形態において
は、加算するPN符号の組合せを変えて、相関点の検出
処理を繰り返すようにした。しかし、これに限るもので
はない。例えば、受信すべきGPS信号を送信している
n個のGPS衛星が決まっている場合などにおいては、
それらn個のGPS衛星からの信号について、C/Aコ
ードの位相同期と、キャリア周波数の同期とを同時に捕
捉するようにすることもできる。
【0182】図13は、予め決められたn個のGPS衛
星からのGPS信号について、同時にC/Aコードの位
相同期と、キャリア周波数の同期とを捕捉することがで
きるようにしたこの例のGPS受信機の同期捕捉部5B
の構成と動作を説明するためのブロック図である。
【0183】そして、図13に示すように、この例の同
期捕捉部5Bは、n個の拡散符号発生器534(1)、
534(2)、…、534(n)を備えるようにされ、
同時にn種類のPN符号を発生させることができる点、
セレクタ535を備えないようにされた点を除けば、図
4に示した同期捕捉部5と同様に構成されるものであ
る。
【0184】この図13に示す同期捕捉部5Bの場合に
は、加算するPN符号を選択することなく、拡散符号発
生器534(1)、534(2)、…、534(n)の
それぞれで発生されるPN符号c(1)、c(2)、
…、c(n)の全部を加算部536において加算し、こ
れをFFT処理部537においてFFT処理してメモリ
538に書き込む。
【0185】したがって、乗算部533において、IF
データのFFT処理結果と乗算されるのは、PN符号c
(1)、c(2)、…、c(n)の全部の加算結果のF
FT処理結果であり、逆FFT処理後、n個の相関点が
検出されれば、PN符号c(1)、c(2)、…、c
(n)の全部との同期が一度に取れることになる。
【0186】このように、1回の相関点の検出処理によ
り複数のGPS衛星からのGPS信号についてC/Aコ
ードの位相同期と、キャリア周波数の同期とを捕捉する
ことができる。
【0187】なお、加算するPN符号の種類の数nは、
例えば、4以上で全GPS衛星数以下ということなり、
具体的に加算するPN符号の種類の数nは、同期捕捉部
6の同期捕捉回路60の数に対応するものとなる。
【0188】[第2の実施の形態](請求項3、10、
図14〜図16) 上述の第1の実施の形態のGPS受信機においては、同
期捕捉部5において、複数種類のPN符号を加算したも
のを用いて相関点の検出処理を行うようにすることによ
り、迅速に同期捕捉を行うようにした。しかし、複数種
類のPN符号を加算することにより、PN符号同士が打
ち消しあい、相関点の検出レベルを幾分低下させてしま
う恐れがある。
【0189】そこで、この第2の実施の形態のGPS受
信機においては、第1の実施の形態のGPS受信機の場
合と同様に、複数種類のPN符号を加算したものを用い
て相関点の検出処理を行うが、相関点の検出レベルを低
下させることがないようにしたものである。
【0190】前述もしたように、この第2の実施の形態
のGPS受信機は、図1〜図3、図9、図10、図12
に示した第1の実施の形態のGPS受信機と同様に構成
されるが、同期捕捉部5の具体的な構成が異なるもので
ある。このため、この第2の実施の形態の同期捕捉部5
C以外の各部分についての説明は省略する。
【0191】また、この第2の実施の形態においても、
図4を用いて前述した第1の実施の形態の同期捕捉部5
Aの場合と同様に、拡散符号発生部534は、3種類の
異なるPN符号c(1)、c(2)、c(3)をタイミ
ングをそろえて同時に1周期分(1023チップ)発生
させるものとして説明する。
【0192】図14は、この第2の実施の形態のGPS
受信機の同期捕捉部5Cを説明するためのブロック図で
ある。図14に示すように、この第2の実施の形態のG
PS受信機の同期捕捉部は、加算部536に供給される
2つ(2種類)のPN符号のうちの一方のPN符号の位
相をずらすためのシフター561が設けられた点を除け
ば、図4に示した第1の実施の形態の同期捕捉部5Aと
同様に構成されたものである。このため、図4に示した
第1の実施の形態の同期捕捉部5Aと同様に構成される
部分には同じ参照符号を付し、その説明は省略する。
【0193】そして、シフター561は、拡散符号発生
器534(1)、534(2)、534(3)のそれぞ
れにおいて発生され、セレクタ535において選択され
た2つのPN符号のうちの一方のPN符号の位相を他方
のPN符号の位相に対して1/4(4分の1)チップ分
ずらすようにするものである。
【0194】加算部536は、セレクタ535からのP
N符号と、シフター561によって1/4チップ分位相
がずらされたPN符号とを加算する。この場合、加算部
536において加算されるPN符号同士は、位相が1/
4チップ分ずれるようにされているので、PN符号同士
を加算することにより打ち消しあってしまう部分を発生
させないようにすることができる。
【0195】図15は、位相が異なるPN符号の加算に
ついて説明するための図である。図15Aは、位相がず
らされていないPN符号1であり、図15Bは、位相が
1/4チップずらされたPN符号2である。これらPN
符号1とPN符号2とを加算すると、PN符号1とPN
符号2との位相が合っている場合には、打ち消しあって
しまう部分であるチップ区間aとチップ区間cのうちの
斜線で示した区間bと区間dにおいて、PN符号1とP
N符号2との成分を残すようにすることができる。
【0196】そして、加算部536からのPN符号の加
算結果は、FFT処理部537に供給され、ここでFF
T処理される。FFT処理部537からのFFT処理結
果は、メモリ538に供給される。この後、乗算部53
3において、メモリ532からのIFデータのFFT処
理結果と、メモリ538からの加算PN符号のFFT処
理結果とが乗算され、この乗算結果が逆FFT処理部5
39に供給されて逆FFT処理される。
【0197】この場合、図15を用いて前述したよう
に、加算PN符号は、1/4チップ分位相がずれされて
加算されることにより、加算されるPN符号同士が打ち
消しあってしまう部分を最小限に押さえ、相関点の検出
レベルを低下させることなく、感度良く、迅速に、IF
データをスペクトラム拡散しているPN符号と、加算さ
れた2つのPN符号のそれぞれについての相関点の検出
を行い、C/Aコードの位相同期を捕捉することができ
るようにされる。
【0198】なお、この第2の実施の形態において、同
期捕捉部のシフター561は、これに供給されたPN符
号の位相を1/4チップ分シフトさせるものとして説明
した。これは、1チップ当たりのサンプル数が、4サン
プルであり、1サンプル分シフトさせた場合と同じであ
る。しかし、シフト量は、1/4チップに限るものでは
ない。1チップ当たりのサンプル数をNサンプルとする
と、シフト量は、1/Nから(N−1/N)までの範囲
内で設定可能である。また、1チップの整数倍シフトさ
せた後に、1/Nから(N−1/N)までの範囲内で設
定するようにしてもよい。
【0199】また、この第2の実施の形態においても、
第1の実施の形態の場合と同様に、いずれかのGPS衛
星で使用されることになる複数のPN符号の中から2つ
(2種類)のPN符号を加算し、これを同期捕捉処理部
においての相関点の検出処理に用いるようにした。しか
し、これに限るものではない。
【0200】いずれかのGPS衛星で使用されることに
なる3種類のPN符号、あるいは、4種類のPN符号と
いうように、複数種類のPN符号の位相を前述の例に従
えば1/4チップづつシフトさせて加算し、これを同期
捕捉部5における相関点の検出処理に用いるようにして
もよい。
【0201】また、この第2の実施の形態においても、
加算するPN符号の組合せを変えて、相関点の検出処理
を繰り返すことにより、少ないFFT処理回数で、複数
のGPS衛星からの信号のC/Aコードの位相同期を捕
捉することが可能となる。しかし、これに限るものでは
ない。例えば、受信すべきGPS信号を送信しているn
個のGPS衛星が決まっている場合などにおいては、そ
れらn個のGPS衛星からの信号について、C/Aコー
ドの位相同期と、キャリア周波数の同期とを同時に捕捉
するようにすることもできる。
【0202】図16は、予め決められたn個のGPS衛
星からのGPS信号について、同時にC/Aコードの位
相同期と、キャリア周波数の同期とを捕捉することがで
きるようにしたこの例のGPS受信機の同期捕捉部5D
の構成と動作を説明するためのブロック図である。
【0203】そして、図16に示すように、この例の同
期捕捉部5Dは、n個の拡散符号発生器534(1)、
534(2)、…、534(n)を備えるようにされ、
同時にn種類のPN符号を発生させることができる点、
セレクタ535を備えないようにされた点、および、最
初の拡散符号発生器534(1)以外の拡散符号発生器
534(2)〜534(n)のそれぞれに対応して、シ
フター561(1)〜561(n−1)が設けられてい
る点を除けば、図13に示した同期捕捉部5Bと同様に
構成されるものである。
【0204】この図16に示す同期捕捉部5Dの場合に
は、加算するPN符号を選択することなく、拡散符号発
生器534(1)、534(2)、…、534(n)の
それぞれで発生されるPN符号c(1)、c(2)、
…、c(n)の全部を加算部536において加算する
が、加算に先立って、各PN符号を1/4チップづつシ
フトさせるようにしている。
【0205】つまり、PN符号c(1)とPN符号c
(2)とは1/4チップ分位相がずれており、PN符号
c(2)とPN符号c(3)とは1/4チップ分位相が
ずれており、PN符号c(3)とPN符号c(4)とは
1/4チップ分位相がずれているというように、種類の
異なるPN符号間で1/4チップ分の位相差があるよう
にされる。
【0206】そして、乗算部533において、IFデー
タのFFT処理結果と乗算されるのは、位相が1/4チ
ップづつシフトするようにされたPN符号c(1)、c
(2)、…、c(n)の全部の加算結果のFFT処理結
果であり、逆FFT処理後、n個の相関点が検出されれ
ば、PN符号c(1)、c(2)、…、c(n)の全部
との同期が一度に取れることになる。
【0207】このように、1回の相関点の検出処理によ
り複数のGPS衛星からのGPS信号についてC/Aコ
ードの位相同期と、キャリア周波数の同期とを捕捉する
ことができる。
【0208】なお、加算するPN符号の種類の数nは、
例えば、4つ以上で全GPS衛星数以下ということな
り、具体的に加算するPN符号の種類の数nは、同期捕
捉部6の同期捕捉回路60の数に対応するものとなる。
【0209】[第3の実施の形態](請求項4、5、1
1、12、図17〜図19) 上述の第1、第2の実施の形態の場合には、ドップラー
シフト量をも考慮してGPS衛星からの受信信号のキャ
リア周波数が既知である場合であったが、以下に説明す
る他の例は、キャリア周波数が未知である場合である。
図17は、この例の同期捕捉部5Eの具体的な構成と動
作について説明するためのブロック図である。この図1
7において、図4を用いて前述したGPS受信機の同期
捕捉部5Aと同一部分には、同一番号を付してある。
【0210】この例では、図17に示すように、相関点
検出部540の相関検出出力を、読み出しアドレス制御
部550に供給する。読み出しアドレス制御部550
は、受信信号r(n)のFFT処理結果のメモリ532
からの読み出しアドレスの前記シフト量を、過去のデー
タから決定した予測アドレスを中心に、相関点検出部5
40の相関検出出力に基づいて変更制御して、相関点検
出部540で図5に示したようなピークが得られるよう
にする。相関点検出部540で図5に示したようなピー
クが得られたときには、読み出しアドレス制御部550
は、読み出しアドレスのシフト制御を、そのときのシフ
ト量で停止する。
【0211】この例における同期捕捉部5EのDSP5
3での処理の流れを、図18および図19のフローチャ
ートを参照しながら説明する。なお、この図18および
図19のフローチャートは、DSP53でのソフトウエ
ア処理に対応するものである。
【0212】まず、周波数変換部4のA/D変換器45
にてデジタル信号に変換されたIF信号(受信信号)を
信号r(n)としてメモリ52に取り込む(ステップS
1)。次に、この信号r(n)をFFT処理部531で
FFTし、そのFFT処理結果R(k)をメモリ532
に書き込む(ステップS2)。次に、所定の2種類の拡
散符号の加算結果のFFT処理結果C(k)をメモリ5
38にセットする(ステップS3)。
【0213】次に、受信信号r(n)のFFT処理結果
R(k)のメモリ532からの読み出しアドレスのシフ
ト量の初期値k0’を、過去のデータから決定する(ス
テップS4)。そして、決定した初期値k0’を、メモ
リ532からのFFT処理結果の読み出しアドレスのシ
フト量k'として設定すると共に、シフト制御の変更回
数mを初期値m=0にセットする(ステップS5)。
【0214】次に、メモリ532から、受信信号r
(n)のFFT処理結果R(k)を、読み出しアドレス
を、k'だけシフトして読み出す(ステップS6)。そ
して、読み出したFFT処理結果R(k−k')と、拡
散符号のFFT処理結果C(k)の複素共役とを乗算し
て相関関数F’(k)を求める(ステップS7)。
【0215】次に、この相関関数F’(k)の逆FFT
を行って時間領域の関数f’(n)を求める(ステップ
S8)。そして、この関数f’(n)について、ピーク
値f’(np)を求め(ステップS9)、そのピーク値
f’(np)が予め設定されているスレッショールド値
fthより大きいかどうか判別する(ステップS11)。
【0216】ステップS11での判別の結果、ピーク値
f’(np)が、予め設定されているスレッショールド
値fthより小さいときには、相関点が検出できなかった
として、シフト制御の変更回数mが予め設定された最大
値mmaxよりも小さいかどうか判別する(ステップS1
6)。この最大値mmaxは、周波数に換算したときに1
kHzに相当する。
【0217】そして、シフト制御の変更回数mが予め設
定された最大値mmaxよりも小さいと判別したときに
は、シフト制御の変更回数mを1だけインクリメント
(m=m+1)すると共に、新たなシフト量k'を、 k'=k'+(−1)×m として設定し(ステップS17)、その後、ステップS
6に戻る。そして、上述したステップS6以降の処理を
繰り返す。
【0218】また、ステップS16で、シフト制御の変
更回数mが、予め設定された最大値mmaxよりも大きい
と判別したときには、受信信号であるIFデータについ
て予め決められた回数分の取り込み直しが終了したか否
かを判断する(ステップS18)。
【0219】ステップS18において、IFデータにつ
いて予め決められた回数分の取り込み直しが終了してい
ないと判断したときには、図18のステップS1の処理
に戻り、新たにメモリにIFデータを取り込みなおし、
相関値の検出処理を繰り返す。
【0220】ステップS18において、IFデータにつ
いて予め決められた回数分の取り込み直しが終了したと
判断したときには、IFデータを取り込みなおし、同じ
加算PN符号について相関点の検出を複数回行っても同
期が取れないので、すべての衛星について、上述の拡散
符号同期サーチ処理が終了したか否か判別し(ステップ
S14)、すべての衛星についての拡散符号同期サーチ
処理が終了したと判別したときには、サーチ動作を終了
する(ステップS19)。
【0221】また、ステップS14で、拡散符号同期サ
ーチが終了していない衛星があると判別したときには、
次に拡散符号同期サーチを行う衛星の組合せを選択し、
その選択した組合せの衛星が用いるPN符号同士を加算
した加算PN符号を求め、用いるPN符号を変更するよ
うにする(ステップS15)。そして、ステップS3に
戻り、上述したステップS3以降の処理を実行する。
【0222】また、ステップS11において、ピーク値
f’(np)が、予め設定されているスレッショールド
値fthより大きいと判別したときには、そのピーク値
f’(np)を取る離散時間(拡散符号の位相)npを
相関点として検出する(ステップS12)。
【0223】そして、検出した相関点npが、4個目で
あるか否か判別し(ステップS13)、4個目であると
判別したときには、受信機位置計算処理を開始し、同期
保持部30における同期保持処理をする(ステップS2
0)。その後、ステップS14に移行する。ステップS
20の処理は、4個目以降でも行うにようにしてもよ
い。
【0224】なお、ステップS12で検出した相関点n
pが得られるときの読み出しアドレスシフト量k'か
ら、当該受信中のGPS衛星についてのドップラーシフ
ト量およびGPS受信機の発振周波数の誤差を推定する
ことができる。すなわち、受信信号のキャリア周波数を
検知することができる。
【0225】ステップS13で、検出した相関点np
が、4個目以外であると判別したときには、すべての衛
星について、上述の拡散符号同期サーチ処理が終了した
か否か判別し(ステップS14)、すべての衛星につい
ての拡散符号同期サーチ処理が終了したと判別したとき
には、サーチ動作を終了する(ステップS19)。
【0226】また、ステップS14で、拡散符号同期サ
ーチが終了していない衛星があると判別したときには、
次に拡散符号同期サーチを行う衛星の組合せを選択し、
その選択した組合せの衛星が用いるPN符号同士を加算
した加算PN符号を求め、用いるPN符号を変更するよ
うにする(ステップS15)。そして、ステップS3に
戻り、上述したステップS3以降の処理を実行する。な
お、上述したような信号出力および演算結果は、図17
中にも示してある。
【0227】以上のようにして、この例によれば、GP
S衛星からの受信信号のキャリア周波数が未知であって
も、FFTによる周波数領域での処理を積極的に用い
て、受信信号のキャリアと拡散符号との同期検出を行っ
て、キャリア成分を除去することができる。したがっ
て、FFTを利用したデジタルマッチドフィルタによる
GPS受信信号と拡散符号との相関点の検出を、高速、
かつ簡単な構成で実現することができる。
【0228】なお、この例においても、それぞれの衛星
に対応する拡散符号をあらかじめFFTしておいたもの
をメモリに記憶させておくことで、衛星信号の受信時に
おける拡散符号c(n)のFFT計算を省略することが
できる。
【0229】[第4の実施の形態](請求項4、5、1
1、12、図20〜図22) 上述したように、デジタルマッチドフィルタによって受
信信号と拡散符号の相関点を検出する場合には、その相
関点を検出する単位データ長は、拡散符号の1周期長と
するのが通常である。
【0230】しかし、GPS衛星からの受信信号では、
前述したように、データの1ビットは、拡散符号の20
周期分であり、この20周期分では、すべて同じパター
ンの符号となっている。この第4の実施の形態において
は、この特質を生かして、デジタルマッチドフィルタに
よって受信信号と拡散符号の相関点を検出する単位デー
タ長は、拡散符号の複数周期長とする。
【0231】このように、受信信号について、拡散符号
の複数周期分単位でFFT演算処理をすることにより、
受信感度が向上し、同じ時間領域の信号を累積加算する
方法に比べてキャリア周波数のサーチがし易くなる。以
下、この第4の実施の形態について、さらに説明する。
【0232】時間領域において、拡散符号のM周期(M
は2以上の整数)に渡って累積加算を行った1周期長の
データに対して相関点を検出する先行例がある(例えば
米国特許4998111号明細書または「An Introduct
ion to Snap TrackTM Server−Aided GPS Technolog
y, ION GPS−98 Proceedings」参照)。
【0233】すなわち、図20に示すように、この先行
例の方法においては、受信信号r(n)について、拡散
符号との乗算結果を、M周期分に渡って累積加算するも
のである。この先行例の方法は、GPS衛星からの受信
信号の周期性とノイズの統計的な性質とを利用してC/
Nを高めるもので、受信信号のキャリアと拡散符号の同
期が事前にとれている状態であれば、C/NがM倍に改
善され、したがって受信感度(相関点の検出感度)はM
倍に向上する。
【0234】しかし、受信信号のキャリアと拡散符号と
の同期がとれていないと位相の異なるM個のキャリアが
加算合成されてしまい、累積加算した結果においては肝
心のGPS信号が相殺されてしまって相関ピークは検出
できなくなる。
【0235】このため、受信信号のキャリア周波数が未
知の場合には、キャリア周波数をサーチする必要があ
り、サーチする各々の周波数毎に累計加算を行うといっ
た効率の悪い操作を行わざるを得なくなる。
【0236】これに対して、図4、図17を用いて上述
した例では、上述したようにして周波数領域において、
FFT処理結果のメモリからの読み出しアドレスをシフ
トするという簡便な方法により、受信信号のキャリアと
拡散符号との同期がとれるので、累積加算の効果を最大
限に発揮させることができる。
【0237】この例では、図17を用いて前述した方式
と同様に、GPS衛星からの受信信号のキャリア周波数
は未知として、キャリア周波数のサーチを行うのである
が、その場合に、受信信号r(n)については、拡散符
号のM周期分毎にFFTを行うようにする。そして、こ
の拡散符号のM周期分毎に、受信信号のFFT処理結果
のメモリからの読み出しアドレスのシフト量の制御によ
る受信信号のキャリア周波数のサーチを行う。
【0238】前述した図8の式(3)中のデータd
(n)は、M≦20とすれば、拡散符号のM周期中では
1または−1の固定値になるので無視できる。すると、
式(3)は、 r(n)=A・c(n)cos2πnf0 +n(n) となり、これをM周期長で離散フーリエ変換すると、デ
ータの数はN×M(Nは拡散符号の1周期分のデータ
数)なので、離散フーリエ変換後のkと実周波数fの関
係は、サンプリング周波数fs に対して0≦k≦MN/
2では、f=kfs/MNとなり、MN/2<k<MN
では、f=(k−MN)fs /MN(f<0)となっ
て、分解能がM倍になる。
【0239】しかし、拡散符号c(n)は周期信号であ
り、その1周期長の時間をT(GPSのC/Aコードで
はT=1ミリ秒)とすると、f=1/T以下の精度の周
波数成分はない。したがって、受信信号r(n)の離散
フーリエ変換後のFFT処理結果R(K)(ただし、0
≦K<MN)中の拡散符号c(n)の周波数成分はM個
おき、すなわち、MN個のデータのうちのN個の点に集
中し、その振幅は、M周期分が累積加算されるため、1
周期長での同じ周波数成分のM倍になる。M=4とした
ときのスペクトラム例を図21に示す。
【0240】図21の例では、信号のスペクトラムが4
個おきにあり、それらの間には信号成分はない。N個の
点以外では、拡散符号c(n)の周波数成分は0にな
る。一方、ノイズn(n)は、多くの場合、非周期信号
であるから、MN個の全周波数成分にエネルギーが分散
される。したがって、受信信号r(n)のFFT処理結
果R(k)中における拡散符号c(n)のN個の周波数
成分の総和において、時間領域での累積加算と同様に、
C/NがM倍向上することになる。
【0241】受信信号r(n)中に、図8の式(3)に
示したキャリア成分cos2πnf 0がなければ、FF
T処理結果R(k)中の拡散符号c(n)の周波数成分
は、k=i×M(0≦i<N)に集中するが、キャリア
成分が存在するので、この例では、メモリからのFFT
処理結果R(K)の読み出しアドレスを、拡散符号の1
周期当たりについて、k=(i×M)−k0 として、キ
ャリア周波数分のk0だけ循環的にシフトするようにす
る。
【0242】以上説明した例の全体の構成は、図17に
示した場合と同様となるが、メモリ52に取り込まれる
IFデータは、拡散符号のM周期分となる上述の処理動
作を、そのDSP53の内部構成に反映させた構成図を
図22に示す。ただし、図において、0≦K<MK,0
≦k<Nとしている。
【0243】すなわち、この第4の実施の形態の同期捕
捉部5FのFFT処理部531からは、FFT演算処理
単位を拡散符号のM周期とするFFT処理結果R(K)
が得られ、メモリ532に書き込まれる。そして、この
メモリ532から、読み出しアドレスがシフト制御され
てFFT処理結果が読み出されて乗算部533に供給さ
れ、メモリ536からの拡散符号c(n)のFFT処理
結果と乗算される。
【0244】この例の場合、この乗算部533から得ら
れる相関関数F(k)は、図8の式(8)に示すような
ものとなるようにされる。なお、式(8)で、kは、拡
散符号のFFT処理結果C(k)の複素共役におけるk
であり、k0 については、f 0 =k0 ・fs /MNであ
る。
【0245】このとき、図22において、逆FFT処理
部539から得られる相関関数f’(n)のピークは、
R(K)がM周期の拡散符号を含むので、0≦n<MN
の範囲においてM個現れることになる。しかし、相関点
の検出は、拡散符号の1周期についての1個でよいの
で、逆FFT処理部539での計算は、図4、図17を
用いて説明した例の場合と同様に、0≦n<Nの範囲だ
けで済み、N≦n<MNにおける計算は必要ない。
【0246】以上のようにして、この例によれば、受信
信号r(n)のFFTを拡散符号の1周期のM倍とする
ことにより、相関点の検出感度、したがって、受信感度
を向上させることができる。
【0247】なお、この例においても、それぞれの衛星
に対応する拡散符号をあらかじめFFTしておいたもの
をメモリに記憶させておくことで、衛星信号の受信時に
おける拡散符号c(n)のFFT計算を省略することが
できる。
【0248】[第5の実施の形態](請求項4、5、1
1、12、図23〜図30) 前述の第4の実施の形態の同期捕捉部の具体的な構成と
動作では、拡散符号のM周期(M>1)分を含む受信信
号r(n)をFFT処理することで、未知のキャリア周
波数のサーチを可能にすると共に、受信感度の向上を図
ることができるものであるが、データサンプルの数が、
拡散符号1周期分の場合のN個からM倍のMN個になる
ため、FFTの計算時間および図22におけるメモリ5
32の容量が大きくなる。この第5の実施の形態は、こ
のメモリ容量の問題を改善したものである。
【0249】図21の例のように、拡散符号のM周期
(M>1)をFFT処理単位とした場合のFFT処理結
果R(K)中の周波数成分はM個おきにしか存在しない
ので、それらのM個おきの周波数成分の間の成分は不要
である。
【0250】ここで、FFT処理結果R(K)(ただ
し、0≦K<MN)を、R(i×M)、R(i×M+
1)、R(i×M+2)、・・・、R(i×M+M−
1)(0≦i<N)のM組に分ける。M=4組に分けた
場合の、それぞれの組の分割スペクトラムの例を図23
〜図26に示す。キャリア周波数は未知であるが、M組
のうちの1組に、相関を検出する対象となるGPS信号
のエネルギーがある。図23〜図26の例では、図23
のR(i×M)の組に、受信信号r(n)の周波数成分
が含まれ、それ以外の3つの分割スペクトラムにはノイ
ズしかない状態を表している。
【0251】なお、実際の信号ではキャリア周波数k0
は、正確にはk'=k0でないため、例えばk0がk0’と
0’+1との間にあったとすると、k'=k0’とk'=
0’+1との両方で相関が検出され、k0に近い方が大
きな相関を示す。
【0252】FFT処理結果R(K)を前記のようにM
組に分割した場合、Mが2のべき乗であれば、FFT計
算手順の性質から、各組は、それぞれ独立に計算でき
る。
【0253】図27は、8個のデータg(0)〜g
(7)のFFT計算の信号の流れ図である。図27のF
FT処理結果G(K)を、4個おきのデータに分けると
すると、(G(0),G(4))、(G(1),G
(5))、(G(2),G(6))、(G(3),G
(7))の4組となる。この中の(G(0),G
(4))に注目すると、図28に示す部分だけの計算で
よいことが判る。そして、この計算の構造は、他の組
(G(1),G(5))、(G(2),G(6))、
(G(3),G(7))においても同様となるものであ
る。
【0254】この4組のデータを1組ずつ調べることに
すると、まず、(G(0),G(4))を計算し、調べ
終わったら(G(0),G(4))を格納したメモリを
開放して次の組に進む。(G(1),G(5))、(G
(2),G(6))、(G(3),G(7))と、順次
計算して調べ終わったらメモリを開放するという操作を
行うことにより、メモリは、G(0)〜G(7)を一括
してFFTを求めるのに比べて、1/4のメモリ容量で
よくなる。乗算回数は、M個に分割して計算した場合と
全体を一括してFFT計算をした場合とでは同じにな
る。
【0255】上記の例と同様のことが、Mを2のべき乗
にすることで、R(i×M)、R(i×M+1)、R
(i×M+2)、・・・、R(i×M+M−1)に適用
でき、FFT処理結果を格納するメモリの容量は、MN
の1/M、すなわち、Nで済む。また、R(i×M)、
R(i×M+1)、R(i×M+2)、・・・、R(i
×M+M−1)の順で相関を検出する際に、途中の組で
相関点が検出できてしまえば、残る組については調べる
必要がなくなるので、拡散符号のM周期毎の受信信号を
一括してFFT処理して検出するより、処理時間が短く
なると期待できる。
【0256】以上説明したこの例の場合の拡散符号およ
びキャリア同期のフローチャートを、図29および図3
0に示す。図29および図30の例ではFFTの回数を
最小にするため、キャリア周波数のサーチを、各FFT
の組毎に、対象とする衛星すべてについて相関検出を行
うようにしている。なお、この図29および図30のフ
ローチャートは、同期捕捉部5のDSP53でのソフト
ウエア処理に対応するものである。
【0257】まず、R(K)(0≦K<NMであり、K
=i×M+j)の分割組数についての変数j(0≦j≦
M)を初期化し(ステップS21)、次に、周波数変換
部4のA/D変換器45にてデジタル信号に変換された
受信信号を信号r(n)(ただし、0≦n≦MN)とし
てメモリ52に取り込む(ステップS22)。次に、こ
の信号r(n)をFFT処理部531でFFTし、その
FFT処理結果R(K)(ただし、K=i×M+j)を
メモリ532に書き込む(ステップS23)。次に、目
的とするGPS衛星に対応する拡散符号の加算結果のF
FT処理結果C(k)をメモリ538にセットする(ス
テップS24)。
【0258】次に、受信信号r(n)のFFT処理結果
R(K)のメモリ532からの読み出しアドレスのシフ
ト量の初期値k0’を、例えば過去のデータから決定す
る(ステップS25)。そして、決定した初期値k0
を、メモリ532からのFFT処理結果の読み出しアド
レスのシフト量k'として設定すると共に、シフト制御
の変更回数mを、初期値m=0にセットする(ステップ
S26)。
【0259】次に、メモリ532から、受信信号r
(n)のFFT処理結果R(K)を、その読み出しアド
レスを、k'だけシフトして読み出す(ステップS2
7)。そして、読み出したFFT処理結果R(k−
k')と、拡散符号のFFT処理結果c(k)の複素共役
とを乗算して相関関数F’(k)を求める(ステップS
28)。
【0260】次に、この相関関数F’(k)の逆FFT
を行って時間領域の関数f’(n)を求める(ステップ
S29)。そして、この関数f’(n)について、ピー
ク値f’(np)を求め(ステップS30)、そのピー
ク値f’(np)が予め設定されているスレッショール
ド値fthより大きいかどうか判別する(ステップS3
1)。
【0261】ステップS31での判別の結果、ピーク値
f’(np)が、予め設定されているスレッショールド
値fthより小さいときには、相関点が検出できなかった
として、シフト制御の変更回数mが予め設定された最大
値mmaxよりも小さいかどうか判別する(ステップS3
2)。そして、シフト制御の変更回数mが予め設定され
た最大値mmaxよりも小さいと判別したときには、シフ
ト制御の変更回数mを1だけインクリメント(m=m+
1)すると共に、新たなシフト量k'を、 k'=k'+(−1)×m として(ステップS33)、ステップS27に戻る。そ
して、上述したステップS27以降の処理を繰り返す。
【0262】また、ステップS32で、シフト制御の変
更回数mが、予め設定された最大値mmaxよりも大きい
と判別したときには、そのように大きいと判別された回
数が、現在のRAM52のデータに対して予め定められ
た所定回数以上となったか否かを判別し(ステップS3
6)、前記所定回数以上でなければ、ステップS21に
戻り、RAM52に新たなデータを取り込んで、以上の
処理を繰り返す。
【0263】また、ステップS36で、前記所定回数以
上であると判別したときには、すべての衛星について、
上述の拡散符号同期サーチ処理が終了したか否か判別し
(ステップS37)、すべての衛星についての拡散符号
同期サーチ処理が終了したと判別したときには、変数j
がM−1より小さいかどうか判別し(ステップS3
9)、小さいときには、変数jをインクリメントし(ス
テップS40)、その後、ステップS23に戻り、この
ステップS23以降の処理を繰り返す。
【0264】また、ステップS39で、変数jがM−1
に等しいあるいはM−1より大きいと判別したときに
は、サーチ動作を終了する(ステップS41)。
【0265】また、ステップS37で、拡散符号同期サ
ーチが終了していない衛星があると判別したときには、
次に拡散符号同期サーチを行う衛星を選択し、その選択
した衛星が用いる拡散符号c(n)に拡散符号を変更す
る(ステップS38)。すなわち、加算する拡散符号の
組合せを変える。そして、ステップS24に戻り、上述
したステップS24以降の処理を実行する。
【0266】また、ステップS31において、ピーク値
f’(np)が、予め設定されているスレッショールド
値fthより大きいと判別したときには、そのピーク値
f’(np)を取る離散時間(拡散符号の位相)npを
相関点として検出する(ステップS34)。
【0267】そして、検出した相関点npが、4個目で
あるか否か判別し(ステップS35)、4個目であると
判別したときには、CPU41は、受信機位置計算処理
を開始し、同期保持部30における同期保持処理をする
(ステップS42)。その後、ステップS37に進む。
ステップS42の処理は、4個目以降でも行うにように
してもよい。
【0268】なお、ステップS34で検出した相関点n
pが得られるときのシフト量k'とから、当該受信中の
GPS衛星についてのドップラーシフト量およびGPS
受信機の発振周波数の誤差が推定することができる。
【0269】ステップS35で、検出した相関点np
が、4個目以外であると判別したときには、ステップS
37に進み、上述したステップS37以降の処理を実行
する。
【0270】なお、図4を用いて説明した方式の場合の
ように、キャリア周波数が既知である場合には、R(i
×M)、R(i×M+1)、R(i×M+2)、・・
・、R(i×M+M−1)の中で該当するものだけを計
算すれば、拡散符号の多周期分を含む時間分を単位とし
て受信信号をFFTする方法は、同様に適用できる。
【0271】このように、この第5の実施の形態の計算
方法を前述した第1〜第4の実施の形態のGPS受信機
の同期捕捉部5A、5B、5C、5D、5E、5Fにお
いて実行するようにすることにより、メモリ容量を削減
し、効率よく同期捕捉処理を行うようにすることができ
る。
【0272】以上説明した第1の実施の形態から第5の
実施の形態の5つの例のGPS受信機の拡散符号および
キャリアの同期捕捉方法は、従来の手法であるスライデ
ィング相関器が原理的に時間を要するのに対し、高速な
DSP等の活用で処理時間の大幅な短縮が期待できる。
【0273】また、上述したように、第1の実施の形態
のGPS受信機の同期捕捉部5Aに、第3、第4、第5
の実施の形態のGPS受信機の同期捕捉部を適用するよ
うにして第3、第4、第5の実施の形態を説明したが、
これに限るものではない。上述した第2の実施の形態の
GPS受信機の同期捕捉部5Cに、上述の第3、第4、
第5のGPS受信機の同期捕捉部の機能を搭載すること
ももちろんできる。
【0274】[第6の実施の形態](請求項6、13、
図31〜図33) 上述の第1〜第5の実施の形態は、キャリア周波数の同
期とC/Aコードの位相同期とを迅速に捕捉するため
に、GPS受信機で複数種類のPN符号を同時に発生さ
せ、これら複数種類のPN符号を加算して同期捕捉のた
めのFFT処理を行うようにした。
【0275】しかし、例えば、気象状態や受信環境など
の影響により、GPS衛星からの信号の受信状態が必ず
しも良くない場合には、GPS衛星毎に異なるPN符号
の1つ1つを個別に用いて、キャリア周波数の同期とC
/Aコードの位相同期とを捕捉するようにした方が迅速
かつ確実にキャリア周波数の同期とC/Aコードの位相
同期を捕捉することができる場合がある。
【0276】この場合、受信信号であるIFデータのF
FT処理結果とGPS衛星毎に異なるPN符号のFFT
処理結果とを乗算し、この乗算結果を逆FFT処理して
相関検出を行う同期捕捉処理を、受信信号であるIFデ
ータを変更することなく、PN符号を順次に変えて行う
ようにすればよい。しかし、同じIFデータについて、
PN符号を変えるたびにFFT処理を繰り返し行うのは
無駄である。
【0277】そこで、この第6の実施の形態において
は、GPS衛星毎に異なる拡散符号毎に、キャリア周波
数の同期とC/Aコードの位相同期とを捕捉するように
するが、同期捕捉処理の効率化を図り、同期捕捉処理を
迅速に行えるようにしたものである。
【0278】なお、以下に説明する同期捕捉部におい
て、上述した第1の実施の形態の同期捕捉部5と同様に
形成される部分には、同じ参照符号を付し、その詳細な
説明については省略する。なお、以下に説明する実施の
形態においては、説明を簡単にするため、3種類のPN
符号のそれぞれと同期を取る場合を例にして説明する。
【0279】図31は、この第6の実施の形態のGPS
受信機の同期捕捉部5Gの構成と動作を説明するための
ブロック図である。この第6の実施の形態の同期捕捉部
5Gは、図31に示すように、符号パターンの異なる3
種類のPN符号A、B、Cを発生させる拡散符号発生部
534(1)、534(2)、534(3)を備えてい
る。
【0280】そして、拡散符号発生部534(1)、5
34(2)、534(3)に対応して、FFT処理部5
37(1)、537(2)、537(3)と、メモリ5
38(1)、538(2)、538(3)と、乗算部5
33(1)、533(2)、533(3)と、逆FFT
処理部539(1)、539(2)、539(3)とが
設けられている。
【0281】そして、PN符号A、PN符号B、PN符
号Cのそれぞれを用いて並列的にIFデータについて、
キャリア周波数の同期と、C/Aコードの位相同期とを
捕捉するようにする。このとき、受信信号であるIFデ
ータについては、FFT処理部531でFFT処理さ
れ、メモリ532に保持されたものが、乗算器533
(1)、533(2)、533(3)のそれぞれに供給
され、PN符号A、PN符号B、PN符号Cのそれぞれ
を用いた同期捕捉処理において共通に用いられるように
される。
【0282】これにより、異なるPN符号A、B、Cの
それぞれについては、別個にFFT処理してメモリに格
納する必要が生じるが、IFデータについては、一度F
FT処理してしまえば、そのIFデータのFFT処理結
果を異なるPN符号のいずれを用いた場合にも使用する
ことができる。したがって、IFデータについては、複
数のPN符号について1回のFFT処理を行って置けば
よい。そして、図31に示したように、複数のPN符号
を用いた同期捕捉処理を、その複数のPN符号の1つ1
つについて並列して迅速に行うようにすることができ
る。
【0283】また、同期捕捉部の主な機能を実現するD
SPの処理能力が高い場合には、図32に示すような構
成の同期捕捉部5Hを構成することもできる。この図3
2に示す同期捕捉部5Hは、符号パターンの異なるPN
符号を発生させる3つの拡散符号発生部534(1)、
534(2)、534(3)を有するが、PN符号用の
FFT処理部537、PN符号のFFT処理結果を記憶
するメモリ538、乗算部533は、ただ1つ設けるよ
うにしたものである。
【0284】そして、各拡散符号発生部534(1)、
534(2)、534(3)と、FFT処理部537と
の間にセレクタ543を設けている。このセレクタ54
3が、どの拡散符号発生部からのPN符号をFFT処理
部537に供給するかを選択する。
【0285】拡散符号発生部534(1)、534
(2)、534(3)のうちセレクタ543によって選
択された拡散符号発生部からのPN符号が、FFT処理
部537に供給される。FFT処理部は、これに供給さ
れたPN符号をFFT処理し、その結果をメモリ538
に格納する。
【0286】メモリ548に格納されたPN符号のFF
T処理結果は、順次に読み出され、乗算部533に供給
されて、メモリ532に記憶されているIFデータのF
FT処理結果と乗算される。そして、この乗算結果が逆
FFT処理部540に供給され、逆FFT演算されて相
関値が検出され、キャリア周波数の同期およびC/Aコ
ードの移動同期が取れているか否かが判別されることに
なる。
【0287】この後、セレクタ543は、異なる拡散符
号発生部からのPN符号を選択して、上述した処理を繰
り返すことにより、IFデータのキャリア周波数および
PN符号について、当該GPS受信機で発生させるどの
PN符号と同期しているかを検出ることができる。
【0288】そして、同期捕捉部のDSPの処理能力が
高く、FFTを高速に行うことができれば、図32に示
す同期捕捉部5Hは、図31に示した同期捕捉部と同様
の機能を実現することが可能である。
【0289】また、図31、32の同期捕捉部5G、5
Hの場合には、説明を簡単にするため、3種類の拡散符
号を発生させる場合を例にして説明した。しかし、これ
に限るものではない。PN符号は、1種類以上の複数種
類を用いるようにすることが可能である。
【0290】また、この第6の実施の形態に前述した第
1の実施の形態を適用し、符号パターンの異なるPN符
号を加算したものをFFT演算し、複数のPN符号につ
いて同時にキャリア周波数の同期とPN符号の位相同期
とを捕捉するようにすることもできる。
【0291】図33は、図31に示した同期捕捉部に第
1の実施の形態の同期捕捉部の考え方を適用して構成す
るようにした同期捕捉部5Iを説明するためのブロック
図である。図33に示すように、この例の同期捕捉部5
Iは、6つの拡散符号発生部534(1)〜534
(6)を備えたものである。
【0292】そして、図33に示す同期捕捉部5Iは、
拡散符号発生部534(1)からのPN符号Aと拡散符
号発生部534(2)からのPN符号Bとを加算する加
算部536(1)と、拡散符号発生部534(4)から
のPN符号Dと拡散符号発生部534(5)からのPN
符号Eと拡散符号発生部534(6)からのPN符号F
とを加算する加算部536(2)が設けられている。
【0293】これら拡散符号発生部534(1)〜53
4(6)、加算部536(1)、535(2)以外の各
部分は、図31に示した同期捕捉部5Gの対応する各部
分と同様に構成されたものである。
【0294】そして、図33に示す例の場合には、PN
符号AとPN符号Bとの加算結果のFFT処理結果とI
FデータのFFT処理結果とを乗算部533で乗算する
ことにより、IFデータについて、キャリア周波数の同
期とPN符号の位相同期とが合っているかをPN符号A
とPN符号Bとの両方について同時に検出する。
【0295】また、PN符号CのFFT処理結果とIF
データのFFT処理結果とを乗算部533で乗算するこ
とにより、IFデータについて、キャリア周波数の同期
とPN符号の位相同期とが合っているかをPN符号Cつ
いて検出する。
【0296】さらに、PN符号DとPN符号EとPN符
号Fとの加算結果のFFT処理結果とIFデータのFF
T処理結果とを乗算部533で乗算することにより、I
Fデータについて、キャリア周波数の同期とPN符号の
位相同期とが合っているかをPN符号DとPN符号Eと
PN符号Fとの3つについて同時に検出する。
【0297】そして、これらの検出結果から、どのPN
符号が、IFデータのキャリア周波数、C/Aコードの
PN符号と同期が合っているかを検出し、この検出結果
を用いて同期保持部6を制御することができる。
【0298】また、図33の例の場合には、拡散符号の
FFT演算を並列に行う場合を示したが、図32に示し
たように、拡散符号のFFT演算を順番に行うようにす
る場合であっても、FFT演算する拡散符号を複数のP
N符号の加算結果について行うようにすることによっ
て、図33に示した同期捕捉部5Iと同様の機能を実現
することができる。
【0299】また、図33の例の場合にも、用いる拡散
符号は、6種類の場合に限るものではなく、1種類以上
の複数種類の場合に適用でき、加算するPN符号の数や
組合せも種々態様を取ることが可能である。また、同期
捕捉結果などの種々の情報を勘案し、加算するPN符号
の数や組合せを適宜変更するように制御することも可能
である。
【0300】また、図31、図32、図33に示した同
期捕捉部5G、5H、5Iの場合にもそれぞれの衛星に
対応する拡散符号をあらかじめFFTしておいたものを
メモリに記憶させておくことで、あるいは、目的とする
複数のPN符号を加算した結果をFFTしておいたもの
をメモリに記憶させておくことで、衛星信号の受信時に
おけるPN符号についてのFFT計算を省略することが
できる。すなわち、FFT計算は、IFデータのみにつ
いて行えばよく、同期捕捉部の処理を簡略化し、迅速な
同期捕捉処理を行うことができる。
【0301】なお、以上の第1〜第6の実施の形態の説
明では、GPS衛星からの受信信号の場合に、この発明
を適用したが、この発明は、GPS衛星からの信号に限
らず、拡散符号でデータをスペクトラム拡散した信号に
より搬送波が変調されている受信信号の拡散符号および
キャリアの同期捕捉を行う場合のすべてに適用可能であ
る。
【0302】[第7の実施の形態](請求項7、14、
図34) 前述した第1の実施の形態から第6の実施の形態は、同
期捕捉部5においての同期捕捉処理をメモリの記憶容量
を増大させることなくより早く行うようにするものであ
る。そして、同期捕捉処理を迅速に行うだけでなく、よ
り精度のよい航法データを用いて、精度よく測位演算を
行えるようにしなければ、同期捕捉処理の高速化による
利益を十分に生かすことができなくなってしまう。そこ
で、この第7の実施の形態のGPS受信機は、より精度
よく抽出される航法データを選択して用い、精度よく測
位演算を行うようにするものである。
【0303】この第7の実施の形態のGPS受信機は、
前述した第1の実施の形態から第6の実施の形態のGP
S受信機と同様に構成されるものである。すなわち、こ
の第7の実施の形態のGPS受信機もまた、図1に示し
た全体構成を有し、各部分の詳細は上述の実施の形態に
おいて詳述した通りである。このため、必要に応じて、
上述の実施の形態において用いた図面をも参照しながら
この第7の実施の形態のGPS受信機について説明す
る。
【0304】上述のように、この第7の実施の形態のG
PS受信機は、前述した実施の形態のGPS受信機と同
様に構成されるものであるが、図9、図10を用いて説
明したように構成される同期保持部6の各同期保持回路
60(1)〜60(n)のそれぞれからの相関値(P)
を、図12に示したように構成される制御部7のCPU
71が監視し、相関値(P)のレベルが高い例えば4つ
のGPS信号から復調された航法メッセージを用いるよ
うに選択する。
【0305】すなわち、同期保持部6は、図9に示した
ように、複数の同期保持回路60(1)〜60(n)を
備え、同期捕捉部の捕捉結果に基づいて、4つ以上の複
数のGPS衛星からの信号、例えば8つGPS衛星から
の信号について、キャリア周波数の同期とC/Aコード
の位相同期とを引き込んでこれを保持し、航法メッセー
ジを取得するようにする。
【0306】そして、制御部7のCPU71は、各同期
保持回路61(1)〜61(n)から出力される、C/
AコードのPN符号とGPS受信機において発生させた
一致PN符号Pとの相関値(P)を監視し、この相関値
(P)の値の大きな上位4つ以上の同期保持回路から出
力される航法メッセージを測位計算に用いるようにす
る。これにより、測位計算を精度よく行うことができる
ようにされる。
【0307】図34は、この第7の実施の形態のGPS
受信機のCPU71で実行される処理を説明するための
フローチャートである。図10を用いて説明したよう
に、各同期捕捉回路60(1)〜60(n)のそれぞれ
のコスタスループ61から出力される一致相関値(P)
の値を得て(ステップS201)、相関値(P)の値
(レベル)の高い4つ以上のコスタスループを特定し
(ステップS202)、その特定した4つのコスタスル
ープにおいて復調された航法メッセージを取得する(ス
テップS203)。
【0308】そして、ステップS203で得た4つのG
PS衛星からの航法メッセージを用いて測位演算を行い
(ステップS204)、測位した当該GPS受信機の位
置を示す位置情報を図1に示したように、ホストI/O
端子11を介して出力する(ステップS205)。
【0309】高い相関値(P)を示す同期保持回路のコ
スタスループからの航法メッセージは、精度よく逆スペ
クトラム拡散が行われて復調されたエラーの少ない正確
なデータであるといえ、この正確な航法メッセージを用
いて測位演算を行うことにより、GPS受信機の現在位
置を精度よく求めることができるようになる。
【0310】なお、この第7の実施の形態のGPS受信
機は、前述した第1〜第6の実施の形態のGPS受信機
のいずれにも適用することができる。
【0311】また、前述した第1〜第7の実施の形態の
各GPS受信機について、必要な機能を組合せて用いる
ようにすることももちろんできる。高速に同期捕捉を行
ういわゆるスピードサーチを行いたい場合には、前述し
た第1〜第6の実施の形態で説明した機能の1つ以上の
機能を組合せて用いるようにする。
【0312】また、精度の高い測位演算を行うようにす
るいわゆる高精度サーチを行いたい場合には、第7の実
施の形態で説明した機能を用いるようにする。もちろ
ん、スピードサーチと高精度サーチとを必要に応じて切
り換えて使用したり、それらを並列して用いるようにし
たりすることもできる。
【0313】また、GPS受信機の電源を入れた場合、
あるいは、GPS受信機の動作している回路をリセット
した場合には、GPS受信機内に必要となるデータのど
のデータが存在しているかによって立ち上がりのモード
が変わる。例えば、GPS受信機内のメモリに、エフェ
メリス情報、アルマナック情報、初期位置情報、時刻情
報の各データがあるかどうかで立ち上がりモードが決ま
る。
【0314】ここで、初期位置は、測位演算に使用する
目的とするGPS衛星の位置を示す情報であり、おおよ
その位置がわかればよい。また、時刻情報は、GPS受
信機内で把握している現在時刻であり、正確であればあ
るほどよいが、おおよその時刻であっても測位に支障は
ない。
【0315】そして、GPS受信機内にエフェメリス情
報、アルマナック情報、初期位置情報、時刻情報のいず
れも存在しない場合には、これらを始めから取得するこ
とになり、立ち上がりにある程度の時間が必要となり、
この場合、コールドスタートモードとなる。
【0316】また、GPS受信機内にエフェメリス情報
のみがない場合には、エフェメリス情報のみを取得すれ
ばよいので、ウォームスタートモードとなり、エフェメ
リス情報、アルマナック情報、初期位置情報、時刻情報
のいずれもが存在する場合には、それらの情報に基づい
て即座に測位演算を行うことができるので、ホットスタ
ートモードとなる。
【0317】そして、コールドスタートモードの場合に
は、できるだけ迅速な同期捕捉処理を行う必要があるの
で、前述した第1の実施の形態から第6の実施の形態に
おいて説明した1つ以上の機能を用いるようにして、同
期捕捉処理の高速化図り、ホットスタートモードのとき
には、単に第7の実施の形態の機能を用いて測位演算の
高精度化を図り、ウォームスタートモードのときには、
前述した第1の実施の形態から第6の実施の形態におい
て説明した1つ以上の機能と単に第7の実施の形態の機
能とを用いるというように、立ち上げモードに応じて用
いる機能を選択するようにしてもよい。
【0318】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、複数のGPS衛星からの信号について、効率よくし
かも高速に同期捕捉を行って、複数のGPS衛星からの
航法メッセージを迅速に取得することができるようにな
る。
【0319】また、必要最小限以上の複数のGPS衛星
からの航法メッセージが利用可能な状態にあっても、高
い相関値を得ているGPS衛星からの航法メッセージを
用いることにより、測位演算を精度よく行って、正確に
GPS受信機の現在位置を即することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるGPS受信機の一実施の形態を
説明するためのブロック図である。
【図2】GPS受信機の周波数変換部の一例を説明する
ためのブロック図である。
【図3】GPS受信機の同期捕捉部の一例を説明するた
めのブロック図である。
【図4】第1の実施の形態の同期捕捉部の構成および機
能を説明するためのブロック図である。
【図5】相関検出出力のスペクトラムの例を示す図であ
る。
【図6】同期捕捉処理の他の例を説明するための図であ
る。
【図7】同期捕捉処理の他の例を説明するための図であ
る。
【図8】この発明の実施の形態の説明に用いる計算式を
示す図である。
【図9】GPS受信機の同期保持部の一例を説明するた
めのブロック図である。
【図10】図9に示した同期保持部を構成する各同期保
持回路の一例を説明するためのブロック図である。
【図11】図10に示した各同期保持回路のDLLの動
作を説明するための図である。
【図12】GPS受信機の制御部の一例を説明するため
のブロック図である。
【図13】第1の実施の形態の同期捕捉部の構成および
機能の他の例を説明するためのブロック図である。
【図14】第2の実施の形態の同期捕捉部の構成および
機能を説明するためのブロック図である。
【図15】図14に示した同期捕捉部の処理を説明する
ための図である。
【図16】第2の実施の形態の同期捕捉部の構成および
機能の他の例を説明するためのブロック図である。
【図17】第3の実施の形態の同期捕捉部の構成および
機能を説明するためのブロック図である。
【図18】図17に示した機能を有するDSPにおける
動作を説明するためのフローチャートの一部である。
【図19】図17に示した機能を有するDSPにおける
動作を説明するためのフローチャートの一部である。
【図20】第4の実施の形態の同期捕捉部の同期捕捉処
理を説明するための図である。
【図21】第4の実施の形態の同期捕捉処理を説明する
ための図である。
【図22】第4の実施の形態の同期捕捉部の構成および
機能を説明するためのブロック図である。
【図23】第5の実施の形態の同期捕捉部の同期捕捉処
理を説明するための図である。
【図24】第5の実施の形態の同期捕捉部の同期捕捉処
理を説明するための図である。
【図25】第5の実施の形態の同期捕捉部の同期捕捉処
理を説明するための図である。
【図26】第5の実施の形態の同期捕捉部の同期捕捉処
理を説明するための図である。
【図27】第5の実施の形態の同期捕捉部のDSPにお
いて行われる同期捕捉処理の要部の説明に用いる図であ
る。
【図28】第5の実施の形態の同期捕捉部のDSPにお
いて行われる同期捕捉処理の要部の説明に用いる図であ
る。
【図29】第5の実施の形態の同期捕捉部のDSPにお
ける動作を説明するためのフローチャートの一部であ
る。
【図30】第5の実施の形態の同期捕捉部のDSPにお
ける動作を説明するためのフローチャートの一部であ
る。
【図31】第6の実施の形態の同期捕捉部の構成と機能
を説明するためのブロック図である。
【図32】第6の実施の形態の同期捕捉部の構成と機能
の他の例を説明するためのブロック図である。
【図33】第6の実施の形態の同期捕捉部の構成と機能
の他の例を説明するためのブロック図である。
【図34】第7の実施の形態のGPS受信機の制御部の
動作を説明するためのフローチャートである。
【図35】GPS衛星からの信号の構成を示す図であ
る。
【図36】従来のキャリアおよび拡散符号の同期処理を
説明するための図である。
【図37】マッチドフィルタの構成とされた同期捕捉回
路の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…アンテナ、2…増幅器(ローノイズアンプ)、3…
BPF、4…周波数変換部、5…同期捕捉部、6…同期
保持部、7…制御部、8…タイミング発生器、9…TC
XO(温度補償機能付き水晶発振器)、10…XO(水
晶発振器)、11…ホストI/O端子、12…制御端
子、13…付加機能端子、531…FFT処理部、53
2…メモリ、533…乗算部、534…拡散符号発生
部、535…セレクタ、536…加算部、537…FF
T処理部、538…メモリ、539…逆FFT処理部、
540…相関点検出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 勝之 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 新田 学 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 粟田 英樹 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 寺西 孝一郎 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5J062 AA01 AA02 AA05 BB01 BB02 BB03 CC07 DD05 DD14 DD24 EE03 5K022 EE02 EE32

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】人工衛星毎に異なる拡散符号が用いられて
    スペクトラム拡散された送信データにより搬送波が変調
    されている受信信号であるGPS信号を高速フーリエ変
    換する第1の高速フーリエ変換手段と、 前記人工衛星毎に異なる複数の拡散符号を発生させるよ
    うにする拡散符号発生手段と、 前記拡散符号発生手段により発生するようにされる前記
    複数の拡散符号のうちの少なくとも2つ以上の異なる拡
    散符号を加算する拡散符号加算手段と、 前記拡散符号加算手段からの加算結果を高速フーリエ変
    換する第2の高速フーリエ変換手段と、 前記第1の高速フーリエ変換手段の高速フーリエ変換結
    果と前記第2の高速フーリエ変換手段の高速フーリエ変
    換結果の複素共役とを乗算する乗算手段と、 前記乗算手段からの乗算結果について逆高速フーリエ変
    換を行う逆高速フーリエ変換手段と、 前記逆高速フーリエ変換手段からの変換結果から前記G
    PS信号と前記少なくとも2つ以上の異なる拡散符号と
    の相関点を検出する相関点検出手段と、 前記相関点検出手段からの検出結果に基づいて、受信し
    た前記GPS信号の前記搬送波周波数と前記スペクトラ
    ム拡散に用いられている拡散符号とを検出する検出手段
    とを備えることを特徴とするGPS受信機。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のGPS受信機であって、 前記拡散符号加算手段において加算する少なくとも2つ
    以上の異なる拡散符号の組合せを変える組合せ変更手段
    と、 前記組合せ変更手段を制御して、前記拡散符号加算手段
    においての加算する拡散符号の組合せを変更し、前記乗
    算手段と前記逆高速フーリエ変換手段と前記相関点検出
    手段とにおいて行われる相関点の検出を繰り返すように
    制御する制御手段とを備え、 前記検出手段は、相関点の複数の検出結果に基づいて、
    前記搬送波と拡散符号とを検出することを特徴とするG
    PS受信機。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載のGPS受
    信機であって、 前記拡散符号加算手段において加算する拡散符号同士の
    位相を所定量分シフトさせるようにする拡散符号シフト
    手段を備えることを特徴とするGPS受信機。
  4. 【請求項4】請求項1、請求項2または請求項3に記載
    のGPS受信機であって、 前記第1の高速フーリエ変換手段からの前記GPS信号
    の高速フーリエ変換結果が書き込まれる記憶手段と、 前記記憶手段からのデータの読み出しアドレスを制御す
    る読み出しアドレス制御手段とを備え、 前記乗算手段は、前記読み出しアドレス制御手段の制御
    により前記記憶手段から読み出される前記GPS信号の
    高速フーリエ変換結果を前記第1の高速フーリエ変換手
    段の高速フーリエ変換結果として用いるものであり、 前記読み出しアドレス制御手段は、前記相関点検出手段
    において、前記相関点が検出できなかった場合に、前記
    記憶手段からのデータの読み出しアドレスを変更するこ
    とを特徴とするGPS受信機。
  5. 【請求項5】請求項4に記載のGPS受信機であって、 前記読み出しアドレス制御手段による前記読み出しアド
    レスの変更が、所定周波数単位区間を越えたときには、
    新たに受信したGPS信号を処理対象とするように制御
    する処理対象制御手段を備えることを特徴とするGPS
    受信機。
  6. 【請求項6】人工衛星毎に異なる拡散符号が用いられて
    スペクトラム拡散された送信データにより搬送波が変調
    されている受信信号であるGPS信号を高速フーリエ変
    換する高速フーリエ変換手段と、 前記高速フーリエ変換手段からの前記GPS信号の高速
    フーリエ変換結果が書き込まれる記憶手段と、 前記記憶手段から読み出される前記GPS信号の高速フ
    ーリエ変換結果と、前記複数の人工衛星のそれぞれで使
    用される複数の異なる拡散符号のそれぞれの高速フーリ
    エ変換結果とを個別に乗算するようにする乗算手段と、 前記乗算手段からの乗算結果について逆高速フーリエ変
    換を行う逆高速フーリエ変換手段と、 前記逆高速フーリエ変換手段からの変換結果から相関点
    を検出する相関点検出手段と、 前記相関点検出手段からの検出結果に基づいて、受信し
    た前記GPS信号の前記搬送波と前記スペクトラム拡散
    に用いられている拡散符号とを検出する検出手段とを備
    えることを特徴とするGPS受信機。
  7. 【請求項7】人工衛星で送信データをスペクトラム拡散
    するために用いられる人工衛星毎に異なる拡散符号と同
    じ拡散符号を発生させる拡散符号発生手段と、 人工衛星毎に異なる拡散符号が用いられてスペクトラム
    拡散された送信データにより搬送波が変調されている受
    信信号であるGPS信号の前記拡散符号と、前記拡散符
    号発生手段からの人工衛星毎に異なる前記拡散符号のそ
    れぞれとの相関値を検出する相関値検出手段と、 前記相関値検出手段において検出される前記相関値の大
    きさに基づいて、測位に用いるようにするGPS信号を
    選択する選択手段とを備えることを特徴とするGPS受
    信機。
  8. 【請求項8】人工衛星毎に異なる拡散符号が用いられて
    スペクトラム拡散された送信データにより搬送波が変調
    されている受信信号であるGPS信号を高速フーリエ変
    換し、 前記人工衛星毎に異なる複数の拡散符号のうちの、少な
    くとも2つ以上の異なる拡散符号を発生させて加算し、 前記2つ以上の異なる拡散符号の加算結果を高速フーリ
    エ変換し、 前記GPS信号の高速フーリエ変換結果と前記少なくと
    も2つ以上の異なる拡散符号の加算結果の高速フーリエ
    変換結果の複素共役とを乗算して乗算結果を得て、 前記乗算結果について逆高速フーリエ変換を行い、逆高
    速フーリエ変換結果を得て、前記逆変換結果に基づいて
    相関点を検出し、 前記相関点の検出結果に基づいて、受信した前記GPS
    信号の前記搬送波周波数と前記スペクトラム拡散に用い
    られている拡散符号とを検出することを特徴とするGP
    S信号の受信方法。
  9. 【請求項9】請求項8に記載のGPS信号の受信方法で
    あって、 加算することになる前記少なくとも2つ以上の異なる拡
    散符号の組合せを変更して、組合せの異なる拡散符号の
    加算結果を用いて複数の前記相関点を検出するように
    し、この複数の相関点の検出結果に基づいて、前記搬送
    波と拡散符号とを検出することを特徴とするGPS信号
    の受信方法。
  10. 【請求項10】請求項8または請求項9に記載のGPS
    信号の受信方法であって、 加算することになる前記2つ以上の異なる拡散符号同士
    の位相を所定量分シフトさせることを特徴とするGPS
    信号の受信方法。
  11. 【請求項11】請求項8、請求項9または請求項10に
    記載のGPS信号受信方法であって、 前記GPS信号の高速フーリエ変換結果をメモリに記録
    し、 前記メモリからのデータの読み出しアドレスを制御でき
    るようにし、 読み出しアドレスが制御されて前記メモリから読み出さ
    れるデータを前記GPS信号の高速フーリエ変換結果と
    して用いて前記拡散符号の加算結果の高速フーリエ変換
    結果との乗算に用いるようにし、 前記相関点が検出できなかった場合に、前記メモリから
    のデータの読み出しアドレスを変更して、相関点の検出
    を繰り返すようにすることを特徴とするGPS信号受信
    方法。
  12. 【請求項12】請求項11に記載のGPS信号受信方法
    であって、 前記読み出しアドレスの変更が、所定周波数区間を越え
    たときに、新たに受信したGPS信号を処理対象とする
    ように制御することを特徴とするGPS受信機。
  13. 【請求項13】人工衛星毎に異なる拡散符号が用いられ
    てスペクトラム拡散された送信データにより搬送波が変
    調されて形成され、複数の人工衛星のそれぞれから送信
    されてくるGPS信号を高速フーリエ変換し、 前記GPS信号の高速フーリエ変換結果をメモリに記録
    し、 前記メモリから読み出される前記GPS信号の高速フー
    リエ変換結果と、前記複数の人工衛星のそれぞれで使用
    される複数の異なる拡散符号のそれぞれの高速フーリエ
    変換結果とを個別に乗算するようにし、 個別に乗算するようにされて得られた乗算結果のそれぞ
    れについて逆高速フーリエ変換を行い、 前記逆高速フーリエ変換結果から相関点を検出するよう
    にし、 前記相関点の検出結果に基づいて、受信した前記GPS
    信号の前記搬送波と、前記スペクトラム拡散に用いられ
    ている拡散符号とを検出することを特徴とするGPS信
    号受信方法。
  14. 【請求項14】人工衛星で送信データをスペクトラム拡
    散するために用いられる人工衛星毎に異なる拡散符号と
    同じ逆拡散用の拡散符号を発生させ、 人工衛星毎に異なる拡散符号が用いられてスペクトラム
    拡散された送信データにより搬送波が変調されて形成さ
    れ、複数の人工衛星のそれぞれから送信されてくるGP
    S信号の前記拡散符号と、発生させた前記逆拡散用の拡
    散符号との相関値を検出し、 検出される前記相関値の大きさに基づいて、測位に用い
    るようにするGPS信号を選択することを特徴とするG
    PS信号の受信方法。
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