JP2003255035A - アレイ及びそれを用いた信号推定方法 - Google Patents

アレイ及びそれを用いた信号推定方法

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JP2003255035A
JP2003255035A JP2002060969A JP2002060969A JP2003255035A JP 2003255035 A JP2003255035 A JP 2003255035A JP 2002060969 A JP2002060969 A JP 2002060969A JP 2002060969 A JP2002060969 A JP 2002060969A JP 2003255035 A JP2003255035 A JP 2003255035A
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Gabami Mohamad
ガバミ モハマド
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 3つのセンサ素子からなり、各センサ素子の
受信信号及び周波数領域における信号処理に応じて、所
定の入射角度における所望の信号を推定し、干渉信号を
抑制できるアレイを提供する。 【解決手段】 各センサ素子の時間サンプルが周波数領
域に変換され、非線形演算に基づき、所定の入射角度に
おける所望の信号の周波数成分が推定され、そして、I
FFT処理を行うことにより、干渉信号が抑制され、所
望の信号の時間サンプルが求められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、干渉のある状況に
おいて所望の信号を受信し、かつ干渉を除去できる広帯
域アレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、異なるアレイによって広帯域指向
性ビームを形成するために、時間遅延及び位相遅延ビー
ムフォーミング技術が用いられていた[1−3]。所望信
号または干渉信号の帯域幅が増加するにつれて、適応型
フェースドアレイの性能は急速に低下してしまう[1]。
狹帯域信号については各アレイ素子の後段での複素重み
付けが用いられる。しかし、広帯域の場合振幅と位相の
調整が周波数の関数ではないため、その信号処理技術は
一般的には広帯域の干渉を十分にヌーリングすることが
できない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】広帯域の干渉信号を抑
制する方法の1つは、各複素重み付けをそれぞれタップ
付き遅延構造に置き換えることである[1,2]。また、
以前の研究では、サブバンド技術も用いられていた
[4]。比較的大きなアレイでは、これらの技術が非常に
複雑になる。これらに代わる1つの手法は、高速フーリ
エ変換(FFT)を用いて位相遅延を周波数領域で実行
することを含む。しかし、各素子の後段でFFT演算を
行う適応型アレイにより得られる信号対干渉及び雑音の
比(SINR)は、タップ付き遅延線(TDL)を用い
て同数のサンプルまたはタップをそれぞれ処理する等価
的な適応型アレイのそれと同じである。また、サンプル
した信号に対してFFT処理を行っても、さらなる改善
結果を得ることはない[6]。
【0004】次は、以上言及された文献のリストであ
る。 [1] Compton Jr.,R.T., “The bandwidth performance
of a two-element adaptive array with tapped delay-
line processing”, IEEE Trans. On Antennas and Pro
pag., vol.36, no.1, Jan.1988, pp.5-14; [2] Mayhan J.T., A.J. Simmon and W.C. Cummings,
“Wideband adaptive antenna nulling using tapped d
elay-lines”, IEEE Trans. On Antennas and Propag.,
vol.29, no.6, Nov.1981, pp.923-936; [3] Sydow, C., “Broadband beamforming for a micro
phone array”, Journalof Acoustic Society of Ameri
ca, Aug. 1994, pp.845-849. [4] Weiss, I. M., P. Pacini and Y.S. Kim, “Thinne
d phased array adaptive bandwidth effects”, IEEE
AP-S International Symposium, Dallas Texas,May 199
0. [5] Follet, R.F. and J.P. Donohoe, “A wideband, h
igh resolution low-probability of detection FFT be
amformer”, IEEE Journal of Oceanic Engineering, v
ol. 19, no. 2, April 1994, pp.175-182 [6] Compton Jr., R. T., “The relationship between
tapped delay-line andFFT processing in adaptive a
rrays”. IEEE Trans. on Antennas and Propag., vol.
36 no. l, Jan. 1988, pp.15-25.
【0005】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的の1つは、所望の到来角度における
所望の信号を受信しながら干渉源からの信号を抑制する
アレイ及びそれを用いた信号推定方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の観点によれば、本発明は、少なくと
も3つの素子を有するアレイと、上記各素子の受信信号
を周波数領域に変換する変換手段と、上記変換手段の出
力に応じて、非線形演算に基づき所定の到来角度におけ
る所望の信号の周波数成分を演算する演算手段とを有す
るアレイを提供する。
【0007】本発明の第2の観点によれば、本発明は、
直線上に間隔dを離れて配置されている3つの素子と、
上記各素子の受信信号を周波数領域に変換する変換手段
と、上記変換手段の出力に応じて、次に示す式
【数1】 により所定の到来角度における所望の信号の周波数成分
を演算する演算手段とを有するアレイを提供する。ここ
で、X1(f),X2(f)及びX3(f)は、周波数領域における
上記素子の受信信号であり、φ0(f)は次式のように上記
所望の信号の到来角度θ0に応じて得られた位相関数で
ある。
【数2】
【0008】本発明の第3の観点によれば、本発明は、
直線上に間隔dを離れて配置されている少なくとも3つ
の素子と、上記素子の受信信号を標本化し、標本化した
信号に応じたディジタル化信号を出力するアナログ/デ
ィジタル変換手段と、上記アナログ/ディジタル変換手
段の出力信号を周波数領域に変換する変換手段と、上記
変換手段の出力に応じて、非線形演算に基づき所定の到
来角度における所望の信号の周波数成分を演算する演算
手段とを有するアレイを提供する。
【0009】好適には、本発明のアレイは、上記アナロ
グ/ディジタル変換手段の出力信号を記憶する記憶手段
をさらに有する。
【0010】また、好適には、本発明のアレイは、上記
演算手段の出力信号を時間領域に変換する逆変換手段を
さらに有する。
【0011】また、好適には、本発明のアレイでは、上
記演算手段は、上記変換手段の出力に応じて、次に示す
【数3】 により所定の到来角度における所望の信号の周波数成分
を演算する。ここで、X1(f),X2(f)及びX3(f)は、周
波数領域における上記素子の受信信号であり、φ 0(f)は
次式のように上記所望の信号の到来角度θ0に応じて得
られた位相関数である。
【数4】
【0012】本発明の第4の観点によれば、本発明は、
少なくとも3つの素子を有するアレイを用いて、所定の
到来角度における所望の信号を推定する方法であって、
上記各素子の出力信号を周波数領域に変換するステップ
と、上記変換によって得られた受信信号の周波数成分に
応じて、非線形演算で上記所定の到来角度における所望
の信号の周波数成分を演算するステップとを有する信号
推定方法を提供する。
【0013】また、好適には、本発明では、上記非線形
演算は、次式を用いて行われる。
【数5】 ここで、X1(f),X2(f)及びX3(f)は、周波数領域にお
ける上記素子の受信信号であり、φ0(f)は次式のように
上記所望の信号の到来角度θ0に応じて得られた位相関
数である。
【数6】
【0014】また、好適には、本発明の方法は、上記各
素子の出力信号を標本化し、標本化した信号をディジタ
ル化するステップをさらに有する。
【0015】さらに、好適には、本発明の方法は、上記
演算された所望の信号の周波数成分を時間領域に変換
し、上記所望の信号の時間サンプルを得る逆変換ステッ
プをさらに有する。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照し、本発明
の好適実施形態について説明する。図1は、本発明に係
る3つの素子を含むアレイの受信信号を示す概念図であ
る。図1において、所望の信号の到来角度は、θ0で表
記され、干渉信号の到来角度は、θiで表記される。
【0017】本発明において、センサ素子のアレイは受
信ビームフォーマとして用いられ、そこでビームフォー
ミングは、ただ3つの素子を用いて周波数領域で行われ
る。実際には、周波数領域において、広帯域システムの
各周波数成分に対して所望の信号の強調が行われる。ア
レイのセンサ素子は、それぞれ異なる方向からの入射波
を測定するために用いられる。従来のTDLまたはFF
Tアレイとは異なって、本発明によって提案された方法
は、各センサ素子が受信した既知の信号より所望の信号
を計算する簡単な問題に基づいている。
【0018】図2は、3つのセンサ素子を用いて所望の
信号の強調及び干渉信号の除去を行う信号受信及び処理
システムの一構成例を示すブロック図である。
【0019】図2に示すように、このシステムは3つの
センサ10−1,10−2,10−3からなるアレイ、
アナログ−ディジタル変換器(ADC)20−1,20
−2,20−3、入力バッファ30−1,30−2,3
0−3、FFT処理回路40−1,40−2,40−
3、演算ブロック50及びIFFT処理回路60によっ
て構成されている。
【0020】図2に示す受信システムにおいて、センサ
10−1,10−2及び10−3は所望の信号源および
干渉源からの信号を受信し、それそれ受信信号x1(t),
2(t)及びx3(t)を出力する。ADC20−1,20−
2及び20−3は、センサ10−1,10−2及び10
−3からの信号x1(t),x2(t)及びx3(t)をディジタル
変換し、ディジタル変換された信号x1(n),x2(n)及び
3(n)、即ち、センサ素子より受信された信号の時間サ
ンプルを出力する。ディジタル変換された信号x1(n),
2(n)及びx3(n)は入力バッファ30−1,30−2,
30−3に入力されて、これらの入力バッファに保存さ
れる。入力バッファ30−1,30−2,30−3は入
力されたディジタル変換された信号x1(n),x2(n)及び
3(n)ごとにK個のサンプルを保存する。
【0021】図2に示すように、演算ブロック50はK
個のブロックB1,B2,…,Bkを含む。各ブロックは所定の
到来角度における所望の信号の推定のある特定の周波数
成分を演算処理する。各ブロックの演算処理の詳細につ
いては後に説明する。
【0022】IFFT処理回路60は演算ブロック50
にあるブロックB1,B2,…,Bkの出力信号に対して逆高速
フーリエ変換(FFT)を実行する。IFFT処理回路
の演算結果として、所望の到来角度θ0における推定信
号のK個の時間サンプルが取得されるとともに、干渉源
からの干渉信号が抑制される。
【0023】なお、図2においては、FFT処理、所望
の信号の推定演算、及びIFFT処理はそれぞれFFT
処理回路40−1,40−2,40−3、演算ブロック
50及びIFFT処理回路60によって別々に実行され
る。しかし、すべての処理は1つまたは複数の高性能デ
ィジタル信号処理回路(DSP)によって実行すること
が可能である。即ち、図2に示す受信システムは図3に
示すスマートシステムに簡単化できる。ここで、演算部
100は1つまたは複数の高性能DSPによって構成さ
れて、FFT処理、IFFT処理、及び到来角度におけ
る所望の信号の推定のための演算を実行する。
【0024】以下、所望の信号の推定及び干渉信号の除
去に関する基本的な原理について説明する。
【0025】図1に示した受信アレイにおいて、第1、
第2及び第3のセンサ素子から受信された信号をそれぞ
れx1(t),x2(t)及びx3(t)によって示されると仮定す
ると、第1センサで受信された信号は次のように書け
る。
【0026】
【数7】
【0027】ここで、s01(t)及びsi1(t)は第1のセン
サの受信信号x1(t)に含まれる所望の信号と干渉信号で
ある。センサ素子は直線上に間隔dを離れて配置されて
いると仮定すると、第1のセンサに対して第2、第3の
センサ素子における所望の受信信号の時間遅延τ02とτ
03は、それぞれ次のとおりである。
【0028】
【数8】
【0029】
【数9】
【0030】パラメータcは電波の伝播速度を示し、そ
してθ0は所望の信号の到来角度(AOA)を示す。し
たがって、第2、第3のセンサ素子における所望の信号
の時間関数は下記のように書ける。
【0031】
【数10】
【0032】
【数11】
【0033】下記のように、第2、第3のセンサ素子に
おける干渉信号にも同様な等式が導出される。
【0034】
【数12】
【0035】
【数13】
【0036】ここで、θiは干渉信号のAOAであり、
τi1とτi2は第1のセンサ素子に対して第2、第3のセ
ンサ素子における所望の受信信号の遅延時間である。し
たがって、第2、第3のセンサ素子における結果信号は
下記のように表される。
【0037】
【数14】
【0038】
【数15】
【0039】式(7)、(14)、(15)に対するフ
ーリエ変換を考慮し、さらに式(10)と(12)を式
(14)に代入して、式(11)と(13)を式(1
5)に代入すると、下記の等式を得られる。
【0040】
【数16】
【0041】
【数17】
【0042】
【数18】
【0043】ここで、S01(f),S02(f)及びS03(f)
は、それぞれs01(t),s02(t)及びs0 3(t)のフーリエ
変換であり、Si1(f),Si2(f)及びSi3(f)は、それぞ
れsi1(t),si2(t)及びsi3(t)のフーリエ変換であ
る。2つの複素位相関数φ0(f)とφi(f)は下記の等式で
表示される。
【0044】
【数19】
【0045】
【数20】
【0046】3つの等式(16)、(17)、(18)
を有するシステムには3つの複素数の未知数を有し、等
式を解くことでこれらの未知数を求めることができる。
これら3つの複素数の未知数はS01(f),S02(f)及びφ
0(f)である。所望の角度θ0そして位相関数φ0(f)はビ
ームフォーミングにおける主要なパラメータであり、既
知数と考えられる。ビームフォーミングにおいて、θ0
の変化範囲は-90℃から+90℃までと仮定される。な
お、2つのセンサ素子ではこの3つの方程式を有するシ
ステムを解くには十分ではない。3つのセンサ素子は必
要かつ十分な受信センサ素子の数である。式(16)、
(17)及び(18)を解くことにより、S01(f)を下
記のように得られる。
【0047】
【数21】
【0048】等式(21)によれば、ある特定の周波数
成分における所望の信号の推定は、同じ周波数成分と所
望の到来角度θ0におけるセンサ素子の受信信号に基づ
く非線形演算で得られる。
【0049】θ0=θi=0の場合を除いて、等式(2
1)には解がある。なぜなら、その場合においては、X
1(f)=X2(f)=X3(f)となり、1つの等式から2つの未
知数を得ることはできないからである。等式(21)か
らS01(f)を計算した後、S01(f)の逆フーリエ変換がs
01(t)を与える。即ち、所望の信号は干渉sil(t)に独立
して得られる。
【0050】周波数領域における到来信号の特徴に関す
るすべての情報が等式(21)からS01(f)を求める演
算量の減少には有益である。一般的に、帯域幅の制限は
なく、かつ本発明に係る所望の信号の推定方法は広帯域
の干渉信号の除去に導く。
【0051】以下、図2に示す本発明の受信システムに
おいて、干渉の中から所望の信号を推定する演算処理に
ついて説明する。
【0052】上述したように、式(21)によって与え
られる解は、従来のFFT広帯域ビームフォーミングの
ような重み付き合計処理の解ではなく、かつ、ビームフ
ォーミングに必要となるセンサ素子の数は非常に少な
い。主要な演算は周波数領域で行われるので、時間領域
の信号を周波数領域の系列に変換することが必要であ
る。図2に示すように、各センサ素子10−1,10−
2及び10−3の出力側において、アナログ−ディジタ
ル変換回路が各センサ素子からの受信信号のサンプルを
取る。T秒のタイムウィンドウにおいて各センサ素子か
らK個ずつのサンプルが得られると仮定すると、各FF
T処理回路ではKポイントのFFTがこれらの時間サン
プルに適用される。FFT処理回路の入力と出力はそれ
ぞれxikとX ikで表示され、ここで、i=1,2,…,K
である。主な演算は図2に示すブロックBkによって行
われる。ここで、k=1,2,…,Kであり、K個の周波
数成分それぞれに対して式(21)が計算される。
【0053】図4は、各ブロックBkの演算処理の詳細
を示している。下記の等式によって所望の信号の到来角
度θ0が所望の位相φ0kに変換される。
【0054】
【数22】
【0055】fsはサンプリング周波数であり、下記に
等しい。
【0056】
【数23】
【0057】もしxikによって示される入力信号が実数
値である場合は、FFT出力の対称性を利用して係数2
で演算回数を減少させることが可能である。図4で示し
たブロックBkの出力は、演算された所望信号の推定サ
ンプルである。そして、最後のタスクは、これらのサン
プルに対して逆FFT(IFFT)を適用して、所望の
信号の推定の時間サンプルを求める。
【0058】下記は、本発明による2つのシミュレーシ
ョンの結果を表示する。
【0059】まず、所望の到来音声信号を推定するため
のアレイをシミュレーションに用いて、即ち、センサ素
子として3つのマイクロフォン受信機を用いてアレイが
構成される。
【0060】ここでは、音声周波数の帯域における所望
の到来信号S0(t)は下記のように定義される。
【0061】
【数24】
【0062】この信号のパワースペクトルは図5にプロ
ットされる。ADCのサンプリング周波数fsは100
00Hzに仮定され、シミュレーションにT=0.1秒
のタイムウィンドウが使用されている。マイクロフォン
受信機の間隔は34mm、音声の速度はc=340m/s
ec。図から、主なパワースペクトル成分が500Hzと
2300Hzの間に分布されていることが分かる。所望
の信号角度はθ0=−10°である。干渉信号は40°
のAOAを持ち、下記のような時間変数になる。
【0063】
【数25】
【0064】等式(24)と(25)との比較は、干渉
信号が図5に示す所望の信号とほぼ同様なパワースペク
トルを有することを示す。信号対干渉の比率(SIR)
は0dBである。信号対雑音の比率(SNR)は30d
Bである。なお、s0(t)及びsi(t)はともに次式で与え
られる比帯域幅(FB)を持つ広帯域信号である。
【0065】
【数26】
【0066】この信号は、超広帯域信号と考えられる。
【0067】図6は、3つのセンサ、即ち、マイクロフ
ォンにおける受信信号のパワースペクトルを示してい
る。所望の信号と干渉信号の形が近似しているから、パ
ワースペクトルには何らかの共振を示す幾つかのピーク
が存在することを観察できる。
【0068】出力サンプルの演算とIFFTの適用後、
結果としての推定信号は図7に示すパワースペクトルを
有する。0.1秒の時間ウィンドウにおける所望の信号
と推測信号の時間サンプルは図8に示されている。
【0069】これらの図は、時間領域と周波数領域の両
方から見ても、推定された超広帯域信号はもとの信号と
非常に近似していることを示している。
【0070】第2シミュレーションでは、干渉信号の数
は下記のように3つに増加される。
【0071】
【数27】
【0072】
【数28】
【0073】
【数29】
【0074】所望の信号は第1のシミュレーションと同
じである。図9は、0.1秒のウィンドウにおける所望
の信号の時間変化を示している。SINRもほぼ0dB
である。
【0075】第2のシミュレーションにおいて、干渉信
号のAOA及び帯域幅が推定エラー(ESER)に与え
る影響について考慮される。ESERは下記のように定
義される。
【0076】
【数30】
【0077】ここで、MはESERの計算に用いられた
所望の信号と推定信号の時間サンプルの大きな数を示し
ている。所望信号のAOAはθ0=5°であり、干渉信
号のAOAのθiは-90度から+90度の範囲内で変化
する。所望の信号と干渉信号の帯域幅はそれぞれ3つの
値1000,1800,2500Hzを取る。その結果
は図10に示されている。期待される所見は干渉信号の
AOAが所望の信号AOAより遠ざかるとき、推測エラ
ーはかなり低減することである。
【0078】要約すると、本発明によれば、干渉のある
条件において所望の信号を推定する新しい方法が提案さ
れた。所望の信号の推定と干渉信号の除去は3つの素子
を有するアレイを用いて行われる。提案された方法は周
波数領域における演算またはセンサ素子から受信された
信号の後処理からなる。2つのシミュレーションは提案
された方法の有効性を示している。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明で提案され
た所望信号を推定する受信システムは3つのセンサ素子
を有するアレイを用いて広帯域の周波数領域において干
渉信号を効果的に除去できる。以下、従来の広帯域受信
アレイに対して、新しい広帯域受信アレイシステムの利
点について述べる。
【0080】通常、広帯域アレイの素子数は制限されて
いるパラメータである。本発明で提案されているアレイ
に必要かつ十分な素子数はわずか3つである。以前の研
究では超広帯域において、ただ3つの素子を用いて広帯
域のビームフォーマを提供できることはなかった。
【0081】到来信号の最高周波数成分に応じて素子間
の間隔が決められる。例えば、音声処理システムではか
なり実用的な結果が得られる。
【0082】低周波数成分は素子間隔になにも制限を加
えないが、センサ素子にさらなる高精度と高分解能のア
ナログ−ディジタル変換器を要求する。
【0083】FFTとIFFTの演算処理を除いて、処
理量は入力信号の帯域幅に関連している。最低周波数と
最高周波数に関する情報は複雑な数学計算の量を減少す
るには有益である。
【0084】提案された方法は1つ以上の干渉信号も同
様に抑制できる。従来の方法と違って、多数の干渉を抑
制するためにセンサ素子の数を増加する必要はない。
【0085】3つの素子の受信アレイが持つ非常に高い
FBのため、超広帯域幅の通信に使用されることも可能
である。
【0086】なお、本発明は上記具体的実施形態に限定
されることなく、請求項の範囲内の変更例も本発明に含
まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、3つのセンサ素子を含むアレイの受信
信号を示す概念図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係る3つのセン
サ素子を含む受信システムの構成を示す図面である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態に係る3つのセン
サ素子を含む簡略化受信システムの構成を示す図面であ
る。
【図4】図4は、演算ブロックにある各ブロックの演算
処理の詳細を示す図面である。
【図5】図5は、第1のシミュレーションによる所望の
入射信号のパワースペクトルを示す図である。
【図6】図6は、3つのセンサ素子における受信信号の
パワースペクトルを示す図である。
【図7】図7は、推定された信号のパワースペクトルを
示す図である。
【図8】図8は、1つの不要干渉波に対する推定信号の
時間変数を示す図である。
【図9】図9は、3つの不要干渉波に対する推定信号の
時間変数を示す図である。
【図10】図10は、第2のシミュレーションに基づく
干渉信号のAOA及び帯域幅の関数としてESERを示
す図である。
【符号の説明】
10−1,10−2,10−3…センサ素子、 20−1,20−2,30−3…アナログ−ディジタル
変換器、 30−1,30−2,30−3…入力バッファ、 40−1,40−2,40−3…FFT処理回路、 50…演算ブロック、60…IFFT処理回路、 100…演算部。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくても3つの素子と、 上記各素子の受信信号を周波数領域に変換する変換手段
    と、 上記変換手段の出力に応じて、非線形演算に基づき所定
    の到来角度における所望の信号の周波数成分を演算する
    演算手段とを有するアレイ。
  2. 【請求項2】直線上に間隔dを離れて配置されている3
    つの素子と、 上記各素子の受信信号を周波数領域に変換する変換手段
    と、 上記変換手段の出力に応じて、次に示す式 により所定の到来角度における所望の信号の周波数成分
    を演算する演算手段とを有するアレイ。ここで、X
    1(f),X2(f)及びX3(f)は、周波数領域における上記各
    素子の受信信号であり、φ0(f)は次式のように上記所望
    の信号の到来角度θ0に応じて得られた位相関数であ
    る。
  3. 【請求項3】直線上に間隔dを離れて配置されている少
    なくとも3つの素子と、 上記素子の受信信号を標本化し、標本化した信号に応じ
    たディジタル化信号を出力するアナログ/ディジタル変
    換手段と、 上記アナログ/ディジタル変換手段の出力信号を周波数
    領域に変換する変換手段と、 上記変換手段の出力に応じて、非線形演算に基づき所定
    の到来角度における所望の信号の周波数成分を演算する
    演算手段とを有するアレイ。
  4. 【請求項4】上記アナログ/ディジタル変換手段の出力
    信号を記憶する記憶手段をさらに有する請求項3記載の
    アレイ。
  5. 【請求項5】上記演算手段の出力信号を時間領域に変換
    する逆変換手段をさらに有する請求項3記載のアレイ。
  6. 【請求項6】上記演算手段は、上記変換手段の出力に応
    じて、次に示す式 により所定の到来角度における所望の信号の周波数成分
    を演算する。ここで、X1(f),X2(f)及びX3(f)は、周
    波数領域における上記各素子の受信信号であり、φ0(f)
    は次式のように上記所望の信号の到来角度θ0に応じて
    得られた位相関数である 請求項3記載のアレイ。
  7. 【請求項7】少なくとも3つの素子を有するアレイを用
    いて、所定の到来角度における所望の信号を推定する方
    法であって、 上記各素子の出力信号を周波数領域に変換するステップ
    と、 上記変換によって得られた受信信号の周波数成分に応じ
    て、非線形演算で上記所定の到来角度における所望の信
    号の周波数成分を演算するステップとを有する信号推定
    方法。
  8. 【請求項8】上記非線形演算は、次式を用いて行われ
    る。 ここで、X1(f),X2(f)及びX3(f)は、周波数領域にお
    ける上記各素子の受信信号であり、φ0(f)は次式のよう
    に上記所望の信号の到来角度θ0に応じて得られた位相
    関数である 請求項7記載の信号推定方法。
  9. 【請求項9】上記各素子の出力信号を標本化し、標本化
    した信号をディジタル化するステップをさらに有する請
    求項7記載の信号推定方法。
  10. 【請求項10】上記演算された所望の信号の周波数成分
    を時間領域に変換し、上記所望の信号の時間サンプルを
    得る逆変換ステップをさらに有する請求項7記載の信号
    推定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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