JP2003253059A - 殺菌性樹脂組成物およびその成形物ならびに殺菌性樹脂組成物からなるフィルムの製造方法 - Google Patents

殺菌性樹脂組成物およびその成形物ならびに殺菌性樹脂組成物からなるフィルムの製造方法

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JP2003253059A
JP2003253059A JP2002059240A JP2002059240A JP2003253059A JP 2003253059 A JP2003253059 A JP 2003253059A JP 2002059240 A JP2002059240 A JP 2002059240A JP 2002059240 A JP2002059240 A JP 2002059240A JP 2003253059 A JP2003253059 A JP 2003253059A
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film
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Seiji Tone
誠司 刀禰
Noboru Imabayashi
昇 今林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細菌類の繁殖しやすい水分(湿度)がある環
境において、長期間、ほぼ一定濃度の二酸化塩素を放出
でき、細菌やカビの繁殖を効果的に抑制あるいは殺菌可
能な、フィルムなどの成形物に適した殺菌性樹脂組成物
を提供する。 【解決手段】 水分により二酸化塩素を発生しうる物質
とポリオレフィン樹脂またはポリスチレン樹脂からなる
樹脂組成物100質量部に対して、フッ素系樹脂0.0
01〜2質量部が配合された殺菌性樹脂組成物である。
この殺菌性樹脂組成物はからなるフィルムは、インフレ
ーション成形法による製造が容易で、外観も美しく、食
品などの包装資材に適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品、皮革、衣類
などの包装や医療用途に使用される殺菌性樹脂組成物と
その成形物ならびに該殺菌性樹脂組成物からなるフィル
ムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】肉、魚介類、野菜、果物等の生鮮食品、
菓子、惣菜、弁当、ハム、ソーセージ、かまぼこ等の加
工食品中の細菌繁殖による食中毒や、医療現場での器
具、シーツ、衣服などからの細菌感染を防ぐために、色
々な商品が開発されている。例えば二酸化塩素は、漂白
剤、消毒剤、燻蒸剤または脱臭剤として広く用いられて
いる優れた酸化剤であり、1ppm未満の濃度で、カビ
芽胞、細菌および他の微生物汚染物の細胞壁または膜お
よび細胞質に浸透し、それらを死滅させることができ
る。
【0003】このような二酸化塩素の特性を利用した技
術として、特公昭63−296758号公報、特公昭6
3−274434号公報および特公昭57−16897
7号公報には、それぞれポリマー、セラミックビーズま
たはケイ酸カルシウムを不織布で包んだものに二酸化塩
素を組み合わせた脱臭剤が開示されている。また、二酸
化塩素を発生する消毒用のゲルが、KenyonらのA
m.J.Vet.Res.,45(5)、1101(19
86)に開示されている。二酸化塩素発生ゲルは、通
常、亜塩素酸ナトリウムを懸濁させたゲルと乳酸含有ゲ
ルとを使用直前に混合することにより、所望の際に二酸
化塩素を放出させるものである。このような二酸化塩素
放出ゲルは、食品防腐用としても用いられている。ま
た、最近では、二酸化塩素放出ゲルを用いて食品の鮮度
を保持する技術が記載されたものとして、特開2000
−50851号公報、特開2000−211901号公
報がある。
【0004】その他にも二酸化塩素を利用した技術とし
て、カナダ特許第959238号には、亜塩素酸ナトリ
ウムおよび乳酸をポリビニルアルコールにそれぞれ封入
し、それらカプセルと水とを混合して二酸化塩素を発生
させる方法が開示されている。また、米国特許第458
5482号には、ポリスチレンとナイロンのカプセル内
に交互ポリ(ビニルメチルエーテル−無水マレイン酸)ま
たはポリ(乳酸−グリコール酸)と二酸化塩素発生源を封
入し、二酸化塩素を放出させる方法が提案されている。
カプセルの反応および適用には溶媒が必要で、カプセル
調製直後に二酸化塩素放出が開始する。一方、国際出願
特許WO9639200号、WO9639030号、W
O9639028号、WO9939574号には水分の
存在下ではじめて二酸化塩素を放出し、しかも長期間徐
放性を発揮する材料が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、二酸化塩
素の特性を利用した技術は従来より検討されているが、
これらの技術を利用して食品を殺菌したり、細菌やカビ
の繁殖を抑制したりする場合には、二酸化塩素を発生す
る製剤を、食品などの対象物とともに包装する方法が一
般的であり、手間がかかった。このような問題を解決す
るためには、包装に使用されるフィルムの原料となる樹
脂に、あらかじめ二酸化塩素を発生する製剤を配合して
フィルムを成形し、フィルムに殺菌などの機能を付与す
る方法が考えられる。しかしながら、従来の製剤は、水
分を含んだゲル状製剤や熱安定性の低いものが多く、包
装材料として一般的なポリエチレン樹脂などに混合した
場合でも高い機能を発現するものはなかった。また、従
来の製剤を単に対象物とともに包装する方法では、二酸
化塩素の放出期間や濃度を制御することはできず、細菌
やカビの繁殖を効果的に抑制したり、殺菌したりするこ
とは困難であった。
【0006】このような問題を解決する技術として、樹
脂と混合でき、しかも、二酸化塩素の放出制御が可能な
製剤も提案されてきている。ところが、このような製剤
を樹脂に混合すると、通常の方法で安定にフィルムなど
に成形することは困難であって、フィルム表面に凹凸が
生じ、外観が悪化したり、粉落ちを誘発したりする場合
が多かった。また、得られたフィルムの強度も十分では
なかった。
【0007】本発明はこのような現状に鑑みてなされた
もので、細菌類の繁殖しやすい水分(湿度)がある環境
において、長期間、ほぼ一定濃度の二酸化塩素を放出で
き、細菌やカビの繁殖を効果的に抑制あるいは殺菌可能
であって、しかも、フィルムなどへの成形が安定かつ容
易に行える、包装資材に適した殺菌性樹脂組成物とその
成形物ならびに該殺菌性樹脂組成物からなるフィルムの
製造方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水分によ
り二酸化塩素を発生しうる物質と特定の樹脂とを組み合
わせ、さらに特定の第3成分を所定量含有させること
で、水分があって細菌類の繁殖しやすい環境において、
長期間、ほぼ一定濃度の二酸化塩素を放出し、存在する
細菌やカビの繁殖を抑制あるいは殺菌可能な、包装資材
に好適な殺菌性樹脂組成物が得られることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0009】本発明の殺菌性樹脂組成物は、水分により
二酸化塩素を発生しうる物質とポリオレフィン樹脂また
はポリスチレン樹脂とからなる樹脂組成物100質量部
に対して、フッ素系樹脂0.001〜2質量部が配合さ
れたことを特徴とする。この殺菌性樹脂組成物は、各種
成形物に成形可能であり、特に物品の包装などに使用さ
れるフィルムにも安定かつ容易に成形でき、殺菌性のあ
るフィルムとすることができる。本発明のフィルムの製
造方法は、水分により二酸化塩素を発生しうる物質とポ
リオレフィン樹脂またはポリスチレン樹脂とを含有する
樹脂組成物100質量部に対して、フッ素系樹脂0.0
01〜2質量部を溶融混合して殺菌性樹脂組成物を製造
する工程と、前記殺菌性樹脂組成物をインフレーション
成形法でフィルムに成形する工程とを有することを特徴
とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明の殺菌性樹脂組成物は、水分により二酸化塩
素を発生しうる物質と、ポリオレフィン樹脂またはポリ
スチレン樹脂とからなる樹脂組成物に対して、フッ素系
樹脂が配合されたものである。水分により二酸化塩素を
発生しうる物質(以下、二酸化塩素発生物質という。)
とは、亜塩素酸塩と水分によって酸を発生する化合物と
の混合物であり、この混合物に水分が接触することによ
り酸が発生し、この酸と亜塩素酸塩が反応することによ
り亜塩素酸が発生し、この亜塩素酸が分解することによ
り二酸化塩素が発生するものである。
【0011】二酸化塩素発生物質としては、このような
物質であればどのようなものでもいいが、固体であり、
ポリオレフィン樹脂またはポリスチレン樹脂の賦形温度
で安定であるものが好ましく、例えば、天然または合成
ゼオライト、結晶質アルミノホスフェート、フェリシア
ン化物などからなるコア粒子に亜塩素酸塩を注入したも
のに、エステル化合物、アルコキシシランおよび五酸化
燐を反応させ、それを焼結、粉砕することにより得られ
る物質が好ましいものとして例示できる。このような二
酸化塩素発生物質の具体例としては、バーナード・テク
ノロジーズ社製Microsphere(登録商標)2
500などを例示できる。このような二酸化塩素発生物
質は、一定の水分があり細菌類の繁殖しやすい環境下で
のみ二酸化塩素を発生する。よって、例えば後述のよう
に、この物質を含有する殺菌性樹脂組成物からフィルム
を製造して食品を包装した場合には、食品から発生する
水分などによって二酸化塩素を発生し、食品中における
細菌やカビの繁殖を効果的に抑制したり、殺菌したりす
ることができる。
【0012】二酸化塩素発生物質の形態には制限はない
が、樹脂組成物中で均一に分散し、最終的に得られる殺
菌性樹脂組成物からなる成形物の外観が優れることか
ら、平均粒径が0.1〜100μmの範囲の粒子である
ことが好ましく、0.5〜20μmの範囲がより好まし
い。0.1μm未満では粒子の凝集が起こり、樹脂組成
物中での分散が不十分となる傾向にあり、100μmを
超えると殺菌性樹脂組成物からなる成形物の外観が損な
われる傾向にある。
【0013】樹脂組成物中における二酸化塩素発生物質
の含有量は、好ましくは10〜50質量%であり、さら
に好ましくは20〜40質量%である。10重量%未満
では二酸化塩素放出量が不十分となり、得られた殺菌性
樹脂組成物からフィルム、容器などの成形物を製造し、
これを例えば食品の包装に使用した場合に、細菌やカビ
の繁殖を効果的に抑制あるいは殺菌できない場合があ
る。一方、50質量%を超えると、得られる成形物が十
分な強度を有さない場合がある。二酸化塩素発生物質の
含有量が10〜50質量%であると、細菌やカビの繁殖
を効果的に抑制したり殺菌したりでき、しかも、最終的
に得られる成形物が十分な強度を発現するものとなる。
【0014】樹脂組成物に使用するポリオレフィン樹脂
またはポリスチレン樹脂としては、例えばポリスチレ
ン、アクリロニトリル−スチレン樹脂、ハイインパクト
ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、アモル
ファスポリオレフィンなどのホモポリマーあるいはコポ
リマーでよく、これらを1種単独で、あるいは2種以上
混合して使用できるが、融点が150℃以下であって比
較的低温で賦形可能であることから低密度線状ポリエチ
レン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)
が好ましい。また、ポリオレフィン樹脂またはポリスチ
レン樹脂の流動性も成形の方法や目的とする成形物の形
状などに応じて適宜選択、決定することができるが、例
えば成形物としてフィルムなどの押出成形物を形成する
場合には、190℃でのメルトインデックス値(JIS
K6922準拠)が0.1〜30g/10分であると
賦形性に優れ好ましい。
【0015】上述の樹脂組成物に対して配合されるフッ
素系樹脂は、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエ
チレン、ビニリデンフルオライド、パーフルオロアルケ
ニルビニルエーテル、ヘキサフルオロプロピレンのホモ
ポリマーあるいはコポリマーなど、フッ素を含むポリマ
ーであればよく、これらを1種単独で、あるいは2種以
上混合して使用できるが、成形物、特にフィルムの賦形
性の点で、ビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプ
ロピレンのコポリマーを使用することが好ましい。フッ
素系樹脂は、樹脂組成物100質量部に対して、0.0
01〜2質量部の範囲で配合され、好ましくは0.00
2〜0.1質量部である。0.001質量部未満では殺
菌性樹脂組成物からなる成形物の外観が悪く、2質量部
を超えると、成形物からの二酸化塩素放出量が不十分と
なる。
【0016】本発明の殺菌性樹脂組成物は、上述の樹脂
組成物100質量部に対して、フッ素系樹脂を0.00
1〜2質量部の範囲で配合し、さらに、必要に応じて他
の樹脂成分や添加剤などを添加してもよい。添加剤とし
ては、加工助剤、滑剤、酸化防止剤等の安定剤などを例
示できる。これらの樹脂成分や添加剤は、殺菌性樹脂組
成物の機能を阻害しない程度の範囲、例えば樹脂組成物
100質量部に対して、5質量部以下の範囲で添加され
ることが好ましい。また、殺菌性樹脂組成物の製造方法
には特に制限はなく、上記各成分を所定の質量割合で、
公知の方法で混合すればよく、好ましくは溶融混合す
る。
【0017】本発明の殺菌性樹脂組成物は、種々の形状
および機能を有する成形物に成形可能であり、成形物と
しては、シート、フィルム、テープ、繊維、食品包装容
器などの容器あるいはこれらからなる複合成形物などが
例示でき、特に限定されないが、例えばフィルムは、表
面積が大きいため、効果的に二酸化塩素が発生し、食品
包装などに好適に使用できる他、用途が広いため好まし
い。フィルムの場合、厚さは特に限定されないが、その
取扱性や強度から10〜400μmが好ましく、20〜
200μmがより好ましい。
【0018】また、成形物からの二酸化塩素発生量は、
例えば成形物の形状などによって異なり、任意に設定可
能であるが、蓋上部と胴部の二箇所にコックつきガス導
入口を有するガラス製のデシケーター(容量1200m
l)の底の部分に水を充填し、このデシケーター内に、
水に接触しないように約100cm2、厚さ約50μm
のフィルムを入れ、密閉し、1日後に二箇所のコックを
解放した状態にて北川式二酸化塩素検知管(測定範囲1
−20ppm)を用いて、片方のガス導入口から100
mlの雰囲気気体を吸引し二酸化塩素量を測定した場
合、測定された二酸化塩素量が質量換算で、フィルム1
gあたりの濃度が、0.1〜30ppmとなることが好
ましく、1〜20ppmが最も好ましい。二酸化塩素の
濃度が好ましくは上記範囲となるように、成形物の形
状、大きさなどを制御することが好ましい。
【0019】また、成形物からの二酸化塩素の発生期間
は、食品をフィルムなどの成形物で包装した場合の保存
期間が長く設定できることからできるだけ長期間がよ
く、例えば、上記のフィルム1gあたりの濃度が、少な
くとも0.1ppm以上である日が、少なくとも3日
間、好ましくは10日間以上であることが好ましい。二
酸化塩素の発生期間を制御して、できるだけ長期間とす
るためには、例えば、二酸化塩素を発生しうる物質を多
層構造にする方法などが挙げられる。
【0020】成形物の製造方法には特に制限はなく、公
知の方法での成形が可能であるが、フィルムを成形する
場合には、Tダイを用いた押出成形法、リングダイを用
いたインフレーション成形法が好ましく、フィルムを安
価に製造できる点でインフレーション成形法が最も好ま
しい。すなわち、フィルムを成形する場合には、二酸化
塩素発生物質を含有する樹脂組成物100質量部に対し
て、フッ素系樹脂0.001〜2質量部を溶融混合して
殺菌性樹脂組成物とし、この殺菌性樹脂組成物をインフ
レーション成形法でフィルム状に成形する。インフレー
ション成形法では、通常のインフレーションフィルム成
形機を使用する。成形条件は適宜設定可能であるが、例
えば成形温度は、二酸化塩素発生物質の耐熱性に応じて
ポリオレフィン樹脂あるいはポリスチレン樹脂を選択し
たうえで、そのポリオレフィン樹脂あるいはポリスチレ
ン樹脂に適した温度とすることが好ましい。
【0021】このような殺菌性樹脂組成物には、二酸化
塩素発生物質を含有する樹脂組成物100質量部に対し
てフッ素系樹脂が0.001〜2質量部の範囲で配合さ
れている。よって、細菌類の繁殖しやすい水分(湿度)
がある環境において、長期間、ほぼ一定濃度の二酸化塩
素を放出でき、細菌やカビの繁殖を効果的に抑制あるい
は殺菌可能である。しかも、フィルム成形時において、
メヤニと呼ばれるダイ周辺の堆積物を低減することがで
き、長時間安定に成形を行うことができる。また、得ら
れたフィルムなどの成形物も強度があり、外観も良好で
ある。なお、比較的少量のフッ素系樹脂を殺菌性樹脂組
成物中において均一に分散させるためには、あらかじめ
ポリオレフィン樹脂あるいはポリスチレン樹脂と溶融混
合しマスターバッチを調製し、このマスターバッチを所
定量混合することが有効である。マスターバッチ中での
フッ素系樹脂の濃度は任意ではあるが、マスターバッチ
中、1〜10質量%の濃度範囲が好ましい。
【0022】このようにして得られたシート、フィル
ム、テープ、繊維、食品包装容器などの容器あるいはこ
れらからなる複合成形物の用途には制限はないが、特
に、肉、魚介類、野菜および果物等の生鮮食品、菓子、
惣菜、弁当、ハム、ソーセージ、かまぼこ等の加工食品
の包装に好適に使用できる。また、その他にも、皮革、
衣類などの包装や医療用途にも使用可能である。
【0023】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。 (実施例1−4、比較例1)二酸化塩素発生物質とし
て、平均粒径約10μmのバーナード・テクノロジーズ
社製Microsphere(登録商標)2500と、
ポリオレフィン樹脂として低密度ポリエチレンである日
本ユニカー社製DFD−0118(メルトインデック
ス;2.3)を、まず2軸押出機にて150℃にて溶融
押出を行い混合物を得た。この混合物と、フッ素系樹脂
であるビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピ
レンのコポリマー樹脂2質量%と、ポリエチレン樹脂9
8質量%とからなるマスターバッチ(大日精化社製ノン
メッシーマスターLO−20)を、リングダイを備えた
インフレーションフィルム成形機にて、150℃にてさ
らに溶融混合し、厚さ50μm、幅18cmのチューブ
状フィルムを得た。各成分の配合割合を表1に示す。フ
ィルム成形時における工程の安定性、リングダイ周辺の
メヤニ堆積量、また、得られたフィルムの外観、二酸化
塩素発生量の最大値、発生期間、殺菌性能を表1に示
す。
【0024】なお、各種評価方法を以下に示す。 1)フィルムの二酸化塩素発生量測定 蓋上部と胴部の二箇所にコックつきガス導入口を有する
ガラス製のデシケーター(容量1200ml)の底の部
分に水を充填し、このデシケーター内に、水に接触しな
いように約100cm2、厚さ約50μmのフィルムを
入れ、密閉した。定期的に二箇所のコックを解放した状
態にて北川式二酸化塩素検知管(測定範囲1−20pp
m)を用いて、片方のガス導入口から100mlの雰囲
気気体を吸引し二酸化塩素量を測定し、コックを閉じ、
以上の操作を14日後まで繰り返した。測定した二酸化
塩素量は質量換算し、フィルム1gあたりの濃度で記録
した。表1中「二酸化塩素最大濃度」とは、14日間の
測定中の最大濃度であり、「二酸化塩素発生期間」と
は、14日間のうち、0.1ppm以上の濃度を維持し
た日数である。
【0025】2)フィルムの殺菌性評価 黄色ブドウ球菌および大腸菌を、それぞれSCD寒天培
地で35℃、24時間培養し、滅菌生理食塩水で遠心、
洗浄後、浮遊液とし、200cfu/50mlになるよ
うに調製した菌液を作成した。一方、滅菌シャーレの蓋
にろ紙を貼り付け、1.5mlの滅菌精製水を噴霧し、
シャーレ内の相対湿度を85%以上にした。そのシャー
レに上記各実施例および比較例で得られた厚さ約100
μm、7cm×7cmの正方形のフィルムをそれぞれ入
れた。ついで、上記シャーレ内のフィルムの表面に、上
記菌液300mlをろ過したメンブランフィルターを置
き、25℃、湿度99%、4℃、湿度99%のそれぞれ
の条件下で24時間培養した。培養終了後、それぞれの
メンブランフィルターをはがし、平板に貼り付け、さら
に35℃、24時間培養を行い、菌の発育の有無を確認
した。メンブランフィルターにおける菌の発育がない場
合を◎、10%以下ではあるが発育が認められる場合を
○、10−30%の場合を△、30−60%の場合を
×、60%以上発育が認められる場合を××として評価
した。
【0026】3)フィルム成形時における工程の安定性 フィルム成形時において、均一なフィルムを連続製造可
能な時間が1時間以上であるものを◎、30分〜1時間
であるものを○、15〜30分であるものを△、15分
にみたず不安定なものを×とした評価した。 4)リングダイ周辺のメヤニ堆積量 10kgのフィルムを1時間で製造した場合のメヤニ堆
積量が1g以下のものを「極少」、1〜2gのものを
「少」、2〜4gのものを「中」、4g以上のものを
「多」として評価した。 5)フィルムの外観 均一で透明感、つやがあるものを◎、均一でつやがある
ものを○、ざらつきがあるが粉落ちがないものを△、凹
凸があり粉落ちするものを×として評価した。
【0027】
【表1】 表1から明らかなように、実施例で得られたフィルム
は、フィルム成形時における工程の安定性が良好で、リ
ングダイ周辺のメヤニ堆積量が極少なく、得られたフィ
ルムの外観も優れ、かつ、二酸化塩素発生量の最大値、
発生期間、殺菌性にも優れていた。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明の殺菌性樹脂
組成物は、水分(湿度)があり細菌類の繁殖しやすい環
境において、長期間、ほぼ一定濃度の二酸化塩素を放出
でき、細菌やカビの繁殖を効果的に抑制あるいは殺菌可
能である。また、本発明の殺菌性樹脂組成物は、フィル
ムなどへの成形が容易かつ安定に行える。よって、本発
明の殺菌性樹脂組成物からなるフィルム、容器などの成
形物は、生鮮食品、加工食品の包装資材に最適である。
また、本発明のフィルムの製造方法によれば、メヤニと
呼ばれるダイ周辺の堆積物を低減することができ、長時
間安定した成形が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/16 C08K 3/16 C08L 25/04 C08L 25/04 //(C08L 23/00 27:12 27:12) (C08L 25/04 27:12) Fターム(参考) 4F071 AA14 AA18 AA22 AA26 AB13 AF30 AF32 AF52 AH04 AH05 BA01 BB06 BB09 BC01 4F210 AA03 AA13 AA16 AB01 AE10 AG08 AH54 QA01 QC07 QK01 4H011 AA01 AA03 BC18 DA07 DD05 DD06 4J002 BB031 BB051 BB121 BC031 BC061 BD122 BD142 BD152 BD162 BE042 BN141 DE186 FD186 GB00 GG02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分により二酸化塩素を発生しうる物質
    とポリオレフィン樹脂またはポリスチレン樹脂とからな
    る樹脂組成物100質量部に対して、 フッ素系樹脂0.001〜2質量部が配合されたことを
    特徴とする殺菌性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の殺菌性樹脂組成物から
    なることを特徴とする成形物。
  3. 【請求項3】 フィルムであることを特徴とする請求項
    2に記載の成形物。
  4. 【請求項4】 水分により二酸化塩素を発生しうる物質
    とポリオレフィン樹脂またはポリスチレン樹脂とからな
    る樹脂組成物100質量部に対して、フッ素系樹脂0.
    001〜2質量部を溶融混合して殺菌性樹脂組成物を製
    造する工程と、 前記殺菌性樹脂組成物をインフレーション成形法でフィ
    ルムに成形する工程とを有することを特徴とするフィル
    ムの製造方法。
JP2002059240A 2002-03-05 2002-03-05 殺菌性樹脂組成物およびその成形物ならびに殺菌性樹脂組成物からなるフィルムの製造方法 Withdrawn JP2003253059A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008272696A (ja) * 2007-05-02 2008-11-13 Mitsubishi Rayon Eng Co Ltd 脱気用複合中空糸膜及びその製造方法
JP2018184368A (ja) * 2017-04-26 2018-11-22 ライオン株式会社 加熱型燻蒸剤組成物
KR102556342B1 (ko) * 2023-01-08 2023-07-17 주식회사 네이피 발효식품을 위한 과발효억제 및 항균 기술

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