JP2003252580A - 重量物用移動式リフター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】現場盤等の壁掛型盤の据付の際に、重量物を持
ち上げる必要があるが、この作業を一人で安全にできる
様にする為の、油圧、電気も要らず、作業時の転倒事故
を無くす事ができる、安いリフターを提供する。 【解決手段】基台１及びテーブル２とＸ字型リンクアー
ム３の結合方式を、基台１及びテーブル２に固定したラ
ック１０とＸ字型リンクアーム３の先端に固定して取り
付けられたピニオン軸に回転自在に取り付けられたピニ
オン１１といの歯車かみ合いとする事により、テーブル
２の昇降に伴うＸ字型リンクアーム３の動きを左右対称
とし、リフターの支持中心位置が移動しないようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】電気設備工事において、現場
盤などの重量物の据付に際し、重量物を持ち上げる作業
があるが、この作業の省力化、安全確保を狙ったリフタ
ーに関する発明で、Ｘ字型リンクアーム方式で安く提供
できる。

【０００２】

【従来の技術】重量物の持ち上げの類似装置としては、
多数の提案がある。 例えば、特開平11-130383 リフト装置 特許第3164571 昇降リフター 特開平11-79689 タイヤジャッキ 等がある。 しかし、安全性に不安があったり、油圧や電気駆動で高
価になっている。安くて手軽に使用できるものは見当た
らない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】安く提供するには、油
圧や電気駆動ではなく、Ｘ字型リンクアーム方式で人力
駆動が望ましい。重量物を扱う場合は、安全が第一条件
で転倒事故は絶対に防がねばならない。しかし、図-３
に示す様に、従来のＸ字型リンクアーム方式はリフター
の支持力中心位置Ｓがテーブル２の昇降に伴って移動す
る。重量物の重心位置Ｇは移動しないのでモーメントが
発生し転倒の危険があった。即ち、基台１及びテーブル
２に対するＸ字型リンクアーム３の動きが左右対称にな
っていない。

【０００４】作業現場の床は、施工が未完で綺麗な平面
に仕上がっていない場合が多いので、床面が多少凸凹で
も基台を水平に保持できる様にする。

【０００５】現場での作業は、作業場所が刻々と変わる
ので簡単に移動できる必要がある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】図-１に示す様に、基台
１及びテーブル２とＸ字型リンクアーム３の結合方式
を、基台１及びテーブル２に固定したラック１０とＸ字
型リンクアーム３の先端に固定して取り付けられたピニ
オン軸１９に回転自在に取り付けられたピニオン１１と
の歯車かみ合いとする事により、テーブル２の昇降に伴
うＸ字型リンクアーム３の動きを左右対称にできるので
リフターの支持中心位置Ｓが移動しない。

【０００７】ラック１０とピニオン１１の噛み合いが外
れると、安全なリフターの使用ができなくなるので、を
設け安全を確保する。重量物１２の荷重は、ラック１０
とピニオン１１の噛み合いを密着する方向作用するの
で、外れないが、リフターの移動の際にテーブルを持ち
上げる等の操作をするとラック１０とピニオン１１の噛
み合いが外れる恐れがあのでピニオン離脱防止金具１４
は必要になるが大きな力は作用しないので簡単な構造で
十分である。

【０００８】

【発明の実施の形態】図-５に示す様に、壁掛型現場盤
２２を取付ける作業手順を説明する。現場盤は、幅400-
500mm 高さ600-1000mm 奥行き400-500mm 質量30-100kg
程度で、持ち上げ高さは約1000mm前後である。現場は、
地下室の様に狭い場所が多く、殆ど重機は接近できな
い。

【０００９】従来の作業を説明する。現場盤２２を作業
現場まで移動し、受角材２５の上に仮置きする。次に、
位置寸法を確認しアンカー２３を打設する。

【００１０】作業者３〜４名で現場盤２２を持ち上げ、
盤固定金具２４の穴にアンカーボルト２３を合わせ押込
む。通常、アンカーボルト２３は盤１面当たり４本ある
ので、人力で支えながら４本同時に位置を合わせる事は
かなり困難であり、危険な筋力作業であり人手を必要と
する。仮アンカーを上部に打設して、チエンブロック等
で吊り上げる方法もあるが仮アンカーの打設、復旧、建
屋に傷が残る等手間が掛かるので好まれない。

【００１１】次に、リフターを使用して、作業を行う場
合を説明する。リフターを所定の位置に置き、テーブル
２を最低位置にしてテーブル２の上に重量物１２を受け
入れる。この時、重量物１２の重心がテーブル２の中心
にくる様に置く。

【００１２】次に、基台１の高さ調節部９Ａ、９Ｂを調
節し、基台１を水平に保つ。図-７に示す様に、高さ調
節部９は螺子棒２６アダプター２７ナット２８蝶ナット
２９ハンドル３０から構成され、蝶ナット２９を緩めた
状態でハンドル３０を時計廻りに回すと、基台１に溶接
固定されたナット２８と螺合した螺子棒２６が下に移動
する。

【００１３】アダプター２７は螺子棒２６の力を床２０
に伝える為のもので、力の分散及び床２０の僅かな傾斜
に対応できる様に螺子棒２６とは、図-９に示す様に或
る角度θの範囲内で関節ボール３６を中心として、全方
向に動ける構造にしている。

【００１４】アダプター２７の上部は、関節ボール３６
と嵌合した後に軽くかしめてあり抜けなくなっている。
回転自在で圧縮力を伝える構造になっている。ハンドル
５を回転し螺子棒２６が回転しても、アダプター２７は
床２０に密着して回転しない事ができるので、高さ調節
部９から床２０に荷重を滑らかに伝達できる。

【００１５】アダプター２７が床２０に密着して、更に
ハンドル３０を回転すると基台１は上昇する。こうして
基台１の高さを調節できる。所定の高さになったら蝶ナ
ット２９を締めて螺子棒２６の緩みを防止する。

【００１６】アウトリガー８はアウトリガー支持金具１
６と緩く嵌合しており、容易にスライドできるが、ロッ
ク螺子を締めるとスライドを固定できる。図-１に示す
様に、アウトリガー８にはストッパー３７があり、アウ
トリガー８の抜け落ちを防止する。ロック螺子３５を緩
めてロックを解除し、アウトリガー８を張り出しアウト
リガー８の高さ調節部９Ｃ、９Ｄ、９Ｅを調節し、蝶ナ
ット２９で固定する。

【００１７】図-２に示す様に、高さ調節部９Ｅとアウ
トリガー８により、前方への転倒を防止する。次に、ロ
ック螺子３５を締めてアウトリガー８の位置を固定す
る。この時、キャスター７は床から離れ、荷重は受けな
い。

【００１８】リフターの転倒方向としては、左右と前方
があるが、アウトリガー８の張り出しによる効果で何れ
も防止できる。後方は、壁があるので転倒はありえな
い。

【００１９】図-１で、ハンドル５を自在カップリング
１５に差込み、ハンドル５を右に回転すると螺子棒４が
回転するので、螺子棒４と螺子結合した左右のナット付
リンクピン６はそれぞれ左螺子、右螺子としているので
互いに接近する方向に移動する。即ち、Ｘ字型リンクア
ーム３の左右のピニオン軸１９の間隔が狭くなる。ピニ
オン１１はラック１０と噛み合いながら互いに接近する
方向に回転するこの結果テーブルが上昇する。

【００２０】自在カップリング１５はハンドル５の回転
中心と螺子棒４の回転中心が或る角度を持っていても円
滑に回転力が伝達される構造になっているのでテーブル
２の昇降により、螺子棒４の床上高さが変化しても、ハ
ンドル５の操作が容易にできる。ハンドル５は自在カッ
プリング１５から容易に取り外せる構造にしているの
で、リフターを移動する時は取り外したほうが邪魔にな
らない。

【００２１】テーブルが所定の位置に上昇したら、盤固
定金具２４の穴にアンカーボルト２３の中心がくる様
に、重量物１２をミニジャッキにより微動移動して合わ
せる。

【００２２】図-８に示す様に、ミニジャッキ支持穴３
３にナット３２の突出子３４を回転自在に挿入し、ハン
ドル３０を右回転すると、ナット３２と螺合している螺
子棒３１が回転し、アダプター２７を介して重量物１２
を押して移動させる。

【００２３】ミニジャッキで重量物１２を押す時に、重
量物１２の押される面は常に螺子棒３１の中心線と直角
になるとは限らないので、関節ボール３６とアダプター
２７でずれに適応して無理なく力を伝達する。螺子棒３
１を回転しても、アダプター２７は回転しないので、重
量物１２の表面の塗膜に傷を付けたりしない。アダプタ
ー２７の接触面には細かい凹凸を付けて滑りを防止す
る。ミニジャッキ支持穴３３は、テーブル２の上に複数
あるので、ミニジャッキを２個使用すれば、斜め方向に
も短時間に移動できる。

【００２４】現場盤２２を押して盤固定金具２４の穴に
アンカーボルト２３を挿入しアンカーボルト２３にナッ
トを螺合し締め付けて盤取付け作業を終わる。

【００２５】ハンドル５を左に回転すると、テーブル２
は降下するので、最低位置まで降下し、総ての高さ調節
部を緩めて、アウトリガー８のロック螺子３５を緩め、
アウトリガー８を収縮しハンドル５を取り外し、キャス
ター７を使って次の作業場所に移動する。図-１０に示
す様に、アウトリガー８を収縮すると、リフターはコン
パクトになり移動しやすい。この作業方式では、無理な
筋力作業無しで、一人でも十分安全に作業できるので省
力化省人化を実現できる。

【００２６】

【実施例】配線ダクトの据付作業等或いはプラントの配
管作業等にも応用できる。リフターの取扱いを容易にす
る為にリフターの全体の重さを軽くし、しかも丈夫な構
造にする必要があるが、Ｘ字型リンクアーム３及びアウ
トリガー８を中空構造にするのが効果的である。

【００２７】

【発明の効果】高齢化社会の進展に伴い、力仕事のでき
る作業者は年々減少しており作業者を確保する事が困難
になっている。リフターの採用により、高齢者にも容易
に作業ができる様になる。

【００２８】作業時のリフターの転倒事故を無くす事が
できて、少ない人数で作業ができる。省力化省人化が達
成される。油圧源も電源も不要で、手軽で使いやすい。
レンタル会社で保有しておき、ニーズに応じて貸し出す
方式が効率良く活用される。

【図面の簡単な説明】

【図１】リフターの正面図

【図２】リフターの側面図

【図３】基台の平面図 （Ａ−Ａ’視）（アウトリガ
ー拡張状態）

【図４】テーブルの平面図（Ｂ−Ｂ’視）

【図５】従来のＸ字型リンクアーム方式リフター正面図

【図６】現場盤取付け作業説明図

【図７】高さ調節部

【図８】ミニジャッキ側面図

【図９】アダプター側面図

【図１０】基台の平面図（Ａ−Ａ’視）（アウトリガー
収縮状態）

【符号の説明】

１基台 ２テーブル ３Ｘ字型リンクアーム ４螺子棒 ５ハンドル ６ナット付リンクピン ７キャスター ８アウトリガー ９Ａ９Ｂ９Ｃ９Ｄ高さ調節部 １０ラック １１ピニオン １２重量物 １３リンクピン １４ピニオン離脱防止金具 １５自在カップリング １６アウトリガー支持金具 １７摺動自在軸 １８回動自在軸 １９ピニオン軸 ２０床 ２１壁 ２２現場盤(重量物) ２３アンカーボルト ２４盤固定金具 ２５受角材 ２６螺子棒 ２７アダプター ２８ナット ２９蝶ナット ３０ハンドル ３１螺子棒 ３２突出子付ナット ３３ミニジャッキ支持穴 ３４突出子 ３５ロック螺子 ３６関節ボール ３７ストッパー Ｇ 重量物の重心 Ｓ 支持力の中心 θ 角度

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】Ｘ字型リンクアーム方式リフターに於い
   て、テーブルが上昇しても支持力の中心が移動しないリ
   フター
2. 【請求項２】テーブル及び基台とリンクアームの結合方
   式をピニオン・ラック式としたリフターに於いて、 ピニオンとラックの噛み合いが外れない様にピニオン離
   脱防止金具を具備するリフター。
3. 【請求項３】テーブル上の重量物を細かく移動する為
   に、テーブルに複数個のミニジャッキ支持穴と螺子棒、
   突出子付ナットハンドルから成るミニジャッキを備えた
   リフター。
4. 【請求項４】移動式リフターの転倒防止の為に、基台の
   左右及び前方向へアウトリガーを具備したリフター
5. 【請求項５】Ｘ字型リンクアーム方式リフターに於いて
   Ｘ字型リンクアーム及びアウトリガーを中空構造とした
   リフター
6. 【請求項６】リフターの基台及びアウトリガーの高さ調
   節部の接地面に床の凹凸に対応する為にアダプター機能
   を有するリフター
7. 【請求項７】ミニジャッキの先端と重量物との接触面に
   於いてアダプター機能を有するミニジャッキ付リフター