JP2003251792A - 機能液滴吐出ヘッドの位置認識装置およびヘッドユニットの組立装置、並びに液晶表示装置の製造方法、有機el装置の製造方法、電子放出装置の製造方法、pdp装置の製造方法、電気泳動表示装置の製造方法、カラーフィルタの製造方法、有機elの製造方法、スペーサ形成方法、金属配線形成方法、レンズ形成方法、レジスト形成方法および光拡散体形成方法 - Google Patents

機能液滴吐出ヘッドの位置認識装置およびヘッドユニットの組立装置、並びに液晶表示装置の製造方法、有機el装置の製造方法、電子放出装置の製造方法、pdp装置の製造方法、電気泳動表示装置の製造方法、カラーフィルタの製造方法、有機elの製造方法、スペーサ形成方法、金属配線形成方法、レンズ形成方法、レジスト形成方法および光拡散体形成方法

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JP2003251792A
JP2003251792A JP2002053224A JP2002053224A JP2003251792A JP 2003251792 A JP2003251792 A JP 2003251792A JP 2002053224 A JP2002053224 A JP 2002053224A JP 2002053224 A JP2002053224 A JP 2002053224A JP 2003251792 A JP2003251792 A JP 2003251792A
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liquid droplet
droplet ejection
head unit
functional liquid
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Makoto Anami
誠 阿南
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘッド本体のノズル形成面に形成した細長形
状の凹溝内に開設される多数の吐出ノズルから成るノズ
ル列を有する機能液滴吐出ヘッドの位置を画像認識する
機能液滴吐出ヘッドの位置認識装置であって、凹溝の端
部近傍に正対する撮像手段を備えたものにおいて、ノズ
ル形成面の表面状態に左右されることなく凹溝の端縁に
対し最寄りの吐出ノズルの画像位置を確実に求められる
ようにする。 【解決手段】 撮像手段の光軸に対し傾斜した方向から
照明光を照射する斜め照明手段を設け、撮像手段の画像
にノズル形成面の凹溝の端縁に対応する影64aが現れ
るようにする。影64aに基づくパターンマッチングで
凹溝の端縁の位置を特定し、この端縁に対し最寄りの吐
出ノズル57aの画像位置を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットヘ
ッドに代表される機能液滴吐出ヘッド、特に、ヘッド本
体のノズル形成面に形成した細長形状の凹溝内に開設さ
れる多数の吐出ノズルから成るノズル列を有する機能液
滴吐出ヘッドの位置を画像認識する機能液滴吐出ヘッド
の位置認識装置およびこれら機能液滴吐出ヘッドの複数
個を単一のキャリッジに搭載して成るヘッドユニットの
組立装置、並びに液晶表示装置の製造方法、有機EL装
置の製造方法、電子放出装置の製造方法、PDP装置の
製造方法、電気泳動表示装置の製造方法、カラーフィル
タの製造方法、有機ELの製造方法、スペーサ形成方
法、金属配線形成方法、レンズ形成方法、レジスト形成
方法および光拡散体形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のプリンタ等では、複数(多数)の
機能液滴吐出ヘッドを必要とする場合、各機能液滴吐出
ヘッドを個々にヘッド保持部材に保持し、更にこれを単
一のキャリッジに搭載して、複数の機能液滴吐出ヘッド
を、ヘッド保持部材およびキャリッジと共にヘッドユニ
ットとして扱うようにしている。この場合、ヘッド保持
部材に取り付けられる機能液滴吐出ヘッドは、例えば顕
微鏡等を用いて人的に位置決めされた後、ヘッド保持部
材にねじ止め固定され、またキャリッジに取り付けられ
るヘッド保持部材は、例えばキャリッジに設けた位置決
めピン等を介して装着された後、これにねじ止め固定さ
れるようになっている。ところで、この種の機能液滴吐
出ヘッドは、そのノズル列から微小な液滴を精度良く且
つ選択的に吐出することができるため、液晶表示装置や
有機EL表示装置等のカラーフィルタの製造に応用可能
であると共に、各種の電子デバイスや光デバイス等の製
造装置への応用も期待されている。このような応用技術
を考慮すると、機能液滴吐出ヘッド自体の性能に加え、
平面内における吐出ノズル(ノズル列)位置精度や機能
液滴吐出ヘッドが搭載されるキャリッジの位置精度など
も問題となる。これらの点において、従来のヘッドユニ
ットでは、各部の精度の累積が全体の精度を決定してし
まうため、高い精度を安定に維持することにおいて、単
純にこれを適用することが不可能であることが想定され
る。
【0003】そこで、本願出願人は、先に、以下のよう
なヘッドユニットの組立装置を提案している。この組立
装置は、ヘッドユニットを支持するユニット移動装置
と、機能液滴吐出ヘッドの位置を画像認識する位置認識
装置と、機能液滴吐出ヘッドの位置を補正するヘッド補
正装置とを備えており、キャリッジに各機能液滴吐出ヘ
ッドを位置調整可能に仮組み付けして成るヘッドユニッ
トをユニット移動装置にセットして、各機能液滴吐出ヘ
ッドをユニット移動装置の動きで位置認識装置に対向す
る計測位置に順に移動させ、該位置認識装置による認識
結果に基づいて、ヘッド補正装置により各機能液滴吐出
ヘッドの位置を補正する。ここで、前記位置認識装置
は、計測位置に存する機能液滴吐出ヘッドのヘッド本体
のノズル形成面に形成されている凹溝の一端と他端との
端部近傍に正対する一対の撮像手段を備え、該各撮像手
段の画像に現れる前記凹溝の端縁に対し最寄りの吐出ノ
ズル、即ち、一方の撮像手段の画像に現れるノズル列の
一端の吐出ノズルと、他方の撮像手段の画像に現れるノ
ズル列の他端の吐出ノズルとの画像位置に基づいて機能
液滴吐出ヘッドの位置を認識するように構成されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記位置認識装置で
は、撮像手段の画像における凹溝の内外のコントラスト
差を利用してパターンマッチングにより凹溝の端縁の位
置を特定し、この端縁に最も近い吐出ノズルの像を抽出
してその画像位置を求めている。然し、ノズル形成面の
表面状態によっては、凹溝の内外のコントラスト差があ
まりつかず、パターンマッチングエラーを生じて、凹溝
の端縁の位置を特定できなくなることがある。この場合
には、画像内の吐出ノズルの像のうちどれが凹溝の端縁
に対し最寄りの吐出ノズル、即ち、ノズル列の端の吐出
ノズルであるか判別できなくなり、機能液滴吐出ヘッド
の位置認識が不能になる。
【0005】本発明は、以上の点に鑑み、ノズル形成面
の表面状態に左右されずに凹溝の端縁に対し最寄りの吐
出ノズルの画像位置を確実に求められるようにした機能
液滴吐出ヘッドの位置認識装置およびこの位置認識装置
を具備するヘッドユニットの組立装置、並びに液晶表示
装置の製造方法、有機EL装置の製造方法、電子放出装
置の製造方法、PDP装置の製造方法、電気泳動表示装
置の製造方法、カラーフィルタの製造方法、有機ELの
製造方法、スペーサ形成方法、金属配線形成方法、レン
ズ形成方法、レジスト形成方法および光拡散体形成方法
を提供することをその課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の第1の特徴によれば、ヘッド本体のノズル
形成面に形成した細長形状の凹溝内に開設される多数の
吐出ノズルから成るノズル列を有する機能液滴吐出ヘッ
ドの位置を画像認識する機能液滴吐出ヘッドの位置認識
装置であって、前記凹溝の端部近傍に正対する撮像手段
を備え、該撮像手段の画像に現れる前記凹溝の端縁に対
し最寄りの吐出ノズルの画像位置に基づいて前記機能液
滴吐出ヘッドの位置を認識するものにおいて、前記撮像
手段の画像に前記凹溝の端縁に対応する影が現れるよう
に、前記撮像手段の光軸に対し傾斜した方向から照明光
を照射する斜め照明手段を備えている。
【0007】また、本発明の第2の特徴によれば、ヘッ
ド本体のノズル形成面に形成した細長形状の凹溝内に開
設される多数の吐出ノズルから成るノズル列を有する機
能液滴吐出ヘッドの複数個を単一のキャリッジに搭載し
て成るヘッドユニットの組立装置であって、前記ヘッド
ユニットを支持するユニット移動装置と、機能液滴吐出
ヘッドの位置を画像認識する位置認識装置と、機能液滴
吐出ヘッドの位置を補正するヘッド補正装置とを備え、
前記キャリッジに前記各機能液滴吐出ヘッドを位置調整
可能に仮組み付けして成るヘッドユニットを前記ユニッ
ト移動装置にセットして、前記各機能液滴吐出ヘッドを
前記ユニット移動装置の動きで前記位置認識装置に対向
する計測位置に順に移動させ、該位置認識装置による認
識結果に基づいて、前記ヘッド補正装置により前記各機
能液滴吐出ヘッドの位置を補正するものにおいて、前記
位置認識装置として上記第1の特徴の機能液滴吐出ヘッ
ドの位置認識装置を用いている。
【0008】上記の構成によれば、撮像手段の画像に、
ノズル形成面の表面状態の如何に係わらず、斜め照明手
段による照明で凹溝の端縁に対応する影が現れ、この影
に基づいて、パターンマッチング等により凹溝の端縁の
位置を特定できる。従って、ノズル形成面の表面状態に
左右されずに凹溝の端縁に対し最寄りの吐出ノズルの画
像位置を確実に求められ、機能液滴吐出ヘッドの位置認
識の確実性が向上する。そして、このような位置認識装
置をヘッドユニットの組立装置で用いることにより、機
能液滴吐出ヘッドを正確に位置補正でき、ヘッドユニッ
トの組立精度を向上できる。
【0009】尚、キャリッジに搭載される各機能液滴吐
出ヘッドを位置決めするための基準位置をそれぞれ示す
パターンが形成されたアライメントマスクを用意し、ヘ
ッドユニットの組立装置のユニット移動装置にアライメ
ントマスクをセットして、上記位置認識装置でアライメ
ントマスクのパターンを画像認識させることにより、各
機能液滴吐出ヘッドの基準位置(ノズル列の正規位置)
を組立装置の制御系に記憶させ、その後にヘッドユニッ
トをユニット移動装置にセットして、各機能液滴吐出ヘ
ッドの位置認識と位置補正とを行うことがある。ここ
で、アライメントマスクのパターンは、撮像手段の光軸
と同軸方向から照明光を照射した方が明瞭に撮像でき
る。そのため、位置認識装置に、上記斜め照明手段に加
えて、撮像手段の光軸と同軸方向から照明光を照射する
同軸照明手段を設け、この同軸照明手段と前記斜め照明
手段とを選択的に作動させるようにすることが望まし
い。
【0010】本発明の液晶表示装置の製造方法は、上記
したヘッドユニットの組立装置により組み立てられたヘ
ッドユニットを用い、カラーフィルタの基板上に多数の
フィルタエレメントを形成する液晶表示装置の製造方法
であって、機能液滴吐出ヘッドに各色のフィルタ材料を
導入し、ヘッドユニットを介して機能液滴吐出ヘッドを
基板に対し相対的に走査し、フィルタ材料を選択的に吐
出して多数のフィルタエレメントを形成することを特徴
とする。
【0011】本発明の有機EL装置の製造方法は、上記
したヘッドユニットの組立装置により組み立てられたヘ
ッドユニットを用い、基板上の多数の絵素ピクセルにそ
れぞれEL発光層を形成する有機EL装置の製造方法で
あって、機能液滴吐出ヘッドに各色の発光材料を導入
し、ヘッドユニットを介して機能液滴吐出ヘッドを基板
に対し相対的に走査し、発光材料を選択的に吐出して多
数のEL発光層を形成することを特徴とする。
【0012】本発明の電子放出装置の製造方法は、上記
したヘッドユニットの組立装置により組み立てられたヘ
ッドユニットを用い、電極上に多数の蛍光体を形成する
電子放出装置の製造方法であって、機能液滴吐出ヘッド
に各色の蛍光材料を導入し、ヘッドユニットを介して機
能液滴吐出ヘッドを前記電極に対し相対的に走査し、蛍
光材料を選択的に吐出して多数の蛍光体を形成すること
を特徴とする。
【0013】本発明のPDP装置の製造方法は、上記し
たヘッドユニットの組立装置により組み立てられたヘッ
ドユニットを用い、背面基板上の多数の凹部にそれぞれ
蛍光体を形成するPDP装置の製造方法であって、機能
液滴吐出ヘッドに各色の蛍光材料を導入し、ヘッドユニ
ットを介して機能液滴吐出ヘッドを背面基板に対し相対
的に走査し、蛍光材料を選択的に吐出して多数の蛍光体
を形成することを特徴とする。
【0014】本発明の電気泳動表示装置の製造方法は、
上記したヘッドユニットの組立装置により組み立てられ
たヘッドユニットを用い、電極上の多数の凹部に泳動体
を形成する電気泳動表示装置の製造方法であって、機能
液滴吐出ヘッドに各色の泳動体材料を導入し、ヘッドユ
ニットを介して機能液滴吐出ヘッドを電極に対し相対的
に走査し、泳動体材料を選択的に吐出して多数の泳動体
を形成することを特徴とする。
【0015】このように、上記のヘッドユニットを、液
晶表示装置の製造方法、有機EL(Electronic Lumines
cence)装置の製造方法、電子放出装置の製造方法、P
DP(Plasma Display Panel)装置の製造方法および電
気泳動表示装置の製造方法に適用することにより、各装
置に求められるフィルタ材料や発光材料等を、適切な位
置に適切な量を精度良く選択的に供給することができ
る。なお、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Em
ission Display)装置を含む概念である。
【0016】本発明のカラーフィルタの製造方法は、上
記したヘッドユニットの組立装置により組み立てられた
ヘッドユニットを用い、基板上に多数のフィルタエレメ
ントを配列して成るカラーフィルタを製造するカラーフ
ィルタの製造方法であって、機能液滴吐出ヘッドに各色
のフィルタ材料を導入し、ヘッドユニットを介して機能
液滴吐出ヘッドを基板に対し相対的に走査し、フィルタ
材料を選択的に吐出して多数のフィルタエレメントを形
成することを特徴とする。この場合、多数のフィルタエ
レメントを被覆するオーバーコート膜が形成されてお
り、フィルタエレメントを形成した後に、機能液滴吐出
ヘッドに透光性のコーティング材料を導入し、ヘッドユ
ニットを介して機能液滴吐出ヘッドを基板に対し相対的
に走査し、コーティング材料を選択的に吐出してオーバ
ーコート膜を形成することが、好ましい。
【0017】本発明の有機ELの製造方法は、上記した
ヘッドユニットの組立装置により組み立てられたヘッド
ユニットを用い、EL発光層を含む多数の複数の絵素ピ
クセルを基板上に配列して成る有機ELの製造方法であ
って、機能液滴吐出ヘッドに各色の発光材料を導入し、
ヘッドユニットを介して機能液滴吐出ヘッドを基板に対
し相対的に走査し、発光材料を選択的に吐出して多数の
EL発光層を形成することを特徴とする。この場合、多
数のEL発光層と基板との間には、EL発光層に対応し
て多数の画素電極が形成されており、機能液滴吐出ヘッ
ドに液状電極材料を導入し、ヘッドユニットを介して機
能液滴吐出ヘッドを基板に対し相対的に走査し、液状電
極材料を選択的に吐出して多数の画素電極を形成するこ
とが、好ましい。またこの場合、多数のEL発光層を覆
うように対向電極が形成されており、EL発光層を形成
した後に、機能液滴吐出ヘッドに液状電極材料を導入
し、ヘッドユニットを介して機能液滴吐出ヘッドを基板
に対し相対的に走査し、液状電極材料を選択的に吐出し
て対向電極を形成することが、好ましい。
【0018】本発明のスペーサ形成方法は、上記したヘ
ッドユニットの組立装置により組み立てられたヘッドユ
ニットを用い、2枚の基板間に微小なセルギャップを構
成すべく多数の粒子状のスペーサを形成するスペーサ形
成方法であって、機能液滴吐出ヘッドにスペーサを構成
する粒子材料を導入し、ヘッドユニットを介して機能液
滴吐出ヘッドを少なくとも一方の基板に対し相対的に走
査し、粒子材料を選択的に吐出して基板上にスペーサを
形成することを特徴とする。
【0019】本発明の金属配線形成方法は、上記したヘ
ッドユニットの組立装置により組み立てられたヘッドユ
ニットを用い、基板上に金属配線を形成する金属配線形
成方法であって、機能液滴吐出ヘッドに液状金属材料を
導入し、ヘッドユニットを介して機能液滴吐出ヘッドを
基板に対し相対的に走査し、液状金属材料を選択的に吐
出して金属配線を形成することを特徴とする。
【0020】本発明のレンズ形成方法は、上記したヘッ
ドユニットの組立装置により組み立てられたヘッドユニ
ットを用い、基板上に多数のマイクロレンズを形成する
レンズ形成方法であって、機能液滴吐出ヘッドにレンズ
材料を導入し、ヘッドユニットを介して機能液滴吐出ヘ
ッドを基板に対し相対的に走査し、レンズ材料を選択的
に吐出して多数のマイクロレンズを形成することを特徴
とする。
【0021】本発明のレジスト形成方法は、上記したヘ
ッドユニットの組立装置により組み立てられたヘッドユ
ニットを用い、基板上に任意形状のレジストを形成する
レジスト形成方法であって、機能液滴吐出ヘッドにレジ
スト材料を導入し、ヘッドユニットを介して機能液滴吐
出ヘッドを基板に対し相対的に走査し、レジスト材料を
選択的に吐出してレジストを形成することを特徴とす
る。
【0022】本発明の光拡散体形成方法は、上記したヘ
ッドユニットの組立装置により組み立てられたヘッドユ
ニットを用い、基板上に多数の光拡散体を形成する光拡
散体形成方法であって、機能液滴吐出ヘッドに光拡散材
料を導入し、ヘッドユニットを介して機能液滴吐出ヘッ
ドを基板に対し相対的に走査し、光拡散材料を選択的に
吐出して多数の光拡散体を形成することを特徴とする。
【0023】このように、上記のヘッドユニットを、カ
ラーフィルタの製造方法、有機ELの製造方法、スペー
サ形成方法、金属配線形成方法、レンズ形成方法、レジ
スト形成方法および光拡散体形成方法に適用することに
より、各電子デバイスや各光デバイスに求められるフィ
ルタ材料や発光材料等を、適切な位置に適切な量を精度
良く選択的に供給することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して、本
発明の実施形態について説明する。インクジェットプリ
ンタのインクジェットヘッド(機能液滴吐出ヘッド)
は、微小なインク滴(液滴)をドット状に精度良く吐出
することができることから、例えば液滴(吐出対象液)
に特殊なインクや感光性の樹脂等を用いることにより、
各種部品の製造分野への応用が期待されている。また、
係る応用技術では、粘性の高い吐出対象液等の機能液滴
吐出ヘッドの耐久性に大きな影響を与えるものも想定さ
れ、複数の機能液滴吐出ヘッドをキャリッジに精度良く
組み込んだヘッドユニットを、随時供給可能とすること
が必要となる。
【0025】本実施形態のヘッドユニットの組立装置
は、例えば液晶表示装置等のフラットディスプレイに組
み込まれるカラーフィルタの製造装置(以下、「描画装
置」という)に併設され、これに随時ヘッドユニットを
供給可能とするものである。この描画装置では、カラー
フィルタのフィルタエレメントに、R.G.Bのフィル
タ材料を液滴として吐出する複数の機能液滴吐出ヘッド
を備えており、ヘッドユニットの組立装置は、この複数
の機能液滴吐出ヘッドをキャリッジに精度良く組み込ん
でヘッドユニットを組み立て、これを描画装置に適宜供
給できるようにしている。
【0026】この場合のヘッドユニットの組立手順は、
先ず各機能液滴吐出ヘッドをヘッド保持部材に位置決め
状態で個々に組み付け、これを単一のキャリッジに仮装
着し、次いでキャリッジに対し各機能液滴吐出ヘッドを
位置決めした後、仮固定し、最後に本固定するものであ
る。そして、機能液滴吐出ヘッドのヘッド保持部材への
組付け、キャリッジへの仮装着および本固定は、外工程
として手作業により行われる一方、キャリッジに複数の
機能液滴吐出ヘッドを位置決めし且つ仮固定する作業
は、実施形態の組立装置で行われる。
【0027】そこで、本実施形態では、先ずこの組立装
置で扱うヘッドユニットと、その構成要素である機能液
滴吐出ヘッド、ヘッド保持部材およびキャリッジについ
て説明する。また、この説明に相前後して、ヘッドユニ
ットと上記の描画装置との関係、治具を用いた機能液滴
吐出ヘッドのヘッド保持部材への組付方法、およびヘッ
ドユニットの位置決め基準となるアライメントマスクに
ついて説明する。その後、ヘッドユニットの組立装置に
ついて詳細に説明することとする。そして、最後に、こ
のヘッドユニットを、いわゆるフラットディスプレイの
製造方法に適用した例について説明する。
【0028】図1、図2および図3は、ヘッドユニット
の構造図である。同図に示すように、ヘッドユニット1
は、キャリッジ2と、キャリッジ2に搭載した複数個
(12個)の機能液滴吐出ヘッド3と、各機能液滴吐出
ヘッド3をキャリッジ2に個々に取り付けるための複数
個(12個)のヘッド保持部材4とを備えている。12
個の機能液滴吐出ヘッド3は、6個づつ左右に二分さ
れ、主走査方向に対し所定の角度傾けて配設されてい
る。また、各6個の機能液滴吐出ヘッド3は、副走査方
向に対し相互に位置ずれして配設され、12個の機能液
滴吐出ヘッド3の全吐出ノズル57(後述する)が副走
査方向において連続する(一部重複)ようになってい
る。
【0029】すなわち、実施形態のヘッド配列は、キャ
リッジ2上において、同一方向に傾けて配置した6個の
機能液滴吐出ヘッド3を2列としてものであり、且つ各
ヘッド列間において機能液滴吐出ヘッド3が相互に18
0°回転した配置となっている。もっとも、この配列パ
ターンは一例であり、例えば、各ヘッド列における隣接
する滴吐出ヘッド3同士を90°の角度を持って配置
(隣接ヘッド同士が「ハ」字状)したり、各ヘッド列間
における滴吐出ヘッド3を90°の角度を持って配置
(列間ヘッド同士が「ハ」字状)したりすることは可能
である。
【0030】いずれにしても、12個の機能液滴吐出ヘ
ッド3の全吐出ノズル57によるドットが副走査方向に
おいて連続していればよい。また、各種の基板に対し機
能液滴吐出ヘッド3を専用部品とすれば、機能液滴吐出
ヘッド3をあえて傾けてセットする必要は無く、千鳥状
や階段状に配設すれば足りる。さらにいえば、所定長さ
のノズル列(ドット列)を構成できる限り、これを単一
の機能液滴吐出ヘッド3で構成してもよいし複数の機能
液滴吐出ヘッド3で構成してもよい。すなわち、機能液
滴吐出ヘッド3の個数や列数、さらに配列パターンは任
意である。
【0031】キャリッジ2は、一部が切り欠かれた略方
形の本体プレート11と、本体プレート11の長辺方向
の中間位置に設けた左右一対の基準ピン12,12と、
本体プレート11の両長辺部分に取り付けた左右一対の
支持部材13,13と、各支持部材13の端部に設けた
左右一対のハンドル14,14とを有している。左右の
ハンドル14,14は、例えば組み立てたヘッドユニッ
ト1を上記の描画装置Bに載せ込む場合に、ヘッドユニ
ット1を手持ちするための部位となる。また、左右の支
持部材13,13は、キャリッジ2を組立装置Aや描画
装置Bのセット部に固定するときの部位となる(いずれ
も詳細は後述する)。
【0032】さらに、キャリッジ2には、二分された機
能液滴吐出ヘッド群3Sの上側に位置して、これら機能
液滴吐出ヘッド3に接続される左右一対の配管接続アッ
センブリ15,15および左右一対の配線接続アッセン
ブリ16,16が設けられている。各配管接続アッセン
ブリ15は、描画装置Bのフィルタ材料供給系に配管接
続され、同様に各配線接続アッセンブリ16は、描画装
置Bの制御系に配線接続されるようになっている。な
お、図1は、一方(図示手前側)の配管接続アッセンブ
リ15を省略して、描かれている。
【0033】本体プレート11は、ステンレス等の厚板
で構成され、左右に各6個の機能液滴吐出ヘッド3を取
り付けるための一対の装着開口18,18が形成される
と共に、適宜位置に重量を軽減するための複数の抜き開
口19が形成されている。各装着開口18は、6個の機
能液滴吐出ヘッド3を取り付ける開口部位18aが連続
したものであり、6個の機能液滴吐出ヘッド(機能液滴
吐出ヘッド群3S)3の並びに倣って、その軸線が本体
プレート11の軸線に対しわずかに傾いている。
【0034】各支持部材13は、厚手のステンレス板等
で構成され、これを固定するための2つの固定孔(ばか
孔)21,21および2つのボルト孔22,22が形成
されると共に、これら固定孔21,21およびボルト孔
22,22間に位置決め用のピンが挿入されるピン孔2
3が形成されている。詳細は後述するが、組立装置Aに
ヘッドユニット1をセットするときには、ピン孔23を
用いて位置決めされると共に2つの固定孔21,21を
用いてねじ止め固定され、同様に描画装置Bにヘッドユ
ニット1をセットするときには、ピン孔23を用いて位
置決めされると共に2つのボルト孔22,22を用いて
ねじ止め固定される。
【0035】左右一対の基準ピン12,12は、画像認
識を前提として、キャリッジ2をX軸、Y軸およびθ軸
方向に位置決め(位置認識)するための基準となるもの
であり、本体プレート11の裏面に突出するように取り
付けられている。図4に示すように、各基準ピン12
は、円柱状のピン本体25と、ピン本体25の先端面の
中央部に形成した凹状、具体的には孔状の位置認識マー
ク26とで構成されている。ピン本体25は、キャリッ
ジ2に圧入するための基部圧入部27と、基部圧入部2
7に連なる胴部28と、胴部28の先端に突出形成した
マーク形成部29とから成り、このマーク形成部29の
先端面29aに位置認識マーク26が形成されている。
【0036】マーク形成部29の先端面29aは鏡面加
工されており、この先端面29aの中心位置に位置認識
マーク26となる小孔が穿孔されている。小孔(位置認
識マーク)26は、例えば直径0.3mm程度のもので
あり、基部圧入部27から胴部28にかけてその軸心部
分に形成した軸心孔30に連通している。この場合、基
準ピン12は、小孔26を穿孔した後、熱処理(イオン
窒化)し、マーク形成部29の先端面29aを、鏡面仕
上げして、形成される。鏡面仕上げの例としては、研磨
工具と先端面29aの間に微細な砥粒を介在させて磨く
ラップ仕上げであるが、これに限定されるものではな
い。
【0037】このように、簡単なプロセスによって先端
面29aが白色で小孔の位置認識マーク26が暗色に認
識カメラで撮像することができるため、キャリッジ2の
アライメント精度を向上させることができる。なお、基
準ピン12は、断面を円柱状として説明したが、楕円状
でも、多角形状でも構わない。さらに、小孔の位置認識
マーク26も、小孔に限定されるものではなく、充分な
コントラストが得られるような溝を持つ凹形状であれば
よく、その凹の平面形状も円形に限定されるものではな
い。
【0038】詳細は後述するが、組立装置Aおよび描画
装置Bに搭載した認識カメラ353は、位置認識マーク
26を形成した基準ピン12の先端面29aを、視野内
に捕らえて画像認識(パターン認識)を行う。このた
め、認識カメラ353によるパターン認識では、鏡面仕
上げの先端面29aが明色で、その先端面29aの略中
央部に形成された凹形状の位置認識マーク26が暗色で
認識され、十分なコントラストを持って位置認識マーク
26が画像認識される。したがって、位置認識マーク2
6を精度良く認識することができ、認識ミスを確実に防
止することができる。
【0039】このようにして形成された基準ピン12
は、その先端面29aを下向きにしてキャリッジ(本体
プレート11)2に形成した取付用の孔部分に打ち込む
ようにして圧入される。キャリッジ2に圧入された基準
ピン12は、キャリッジ2から突出した機能液滴吐出ヘ
ッド3と略同一高さとなるように、本体プレート11の
裏面から突出している。すなわち、基準ピン12の画像
認識面となる先端面29aと、機能液滴吐出ヘッド3の
画像認識面となるノズル形成面(図3参照)52とが、
略同一平面内に位置するようになっている。
【0040】これにより、認識カメラ353で、両基準
ピン12,12に続いて各機能液滴吐出ヘッド3の吐出
ノズル57を検出する場合に、その焦点位置を変更(認
識カメラ353の上下動)する必要が無く、且つ画像認
識のための認識カメラ353の相対的移動に際し、認識
カメラ353が他の部品等に干渉するのを有効に防止す
ることができる。なお、一対の基準ピン12,12は、
本体プレート11の長辺方向の略中間位置に設けること
が好ましいが、相互に離間している限り他の位置に設け
てもよい。
【0041】図1、図2および図3に示すように、左右
のハンドル14,14は、重量のある(7kg程度)ヘ
ッドユニット1を手持ちするためのものであり、各ハン
ドル14は、握り部分となるハンドル本体32と、ハン
ドル本体32の下端から直角に延びるアーム部33とで
「L」字状に形成されている。ハンドル本体32は、そ
の上端部が滑止め用の太径部34となっている。また、
ハンドル本体32の外周面には、滑止め用のローレット
加工が施されている。なお、本実施形態では、アヤ目の
ローレット加工を採用している(図2および図3参照)
が、スジ目であってもよい。
【0042】アーム部33は水平に延在し、その先端部
でキャリッジ2の支持部材13に着座するようにしてね
じ止めされている。すなわち、各ハンドル14は、キャ
リッジ2に着脱自在に取り付けられている。このよう
に、左右のハンドル14,14は、キャリッジ(本体プ
レート11)2の長辺方向の端部からはみ出した位置、
すなわち機能液滴吐出ヘッド3から離れた位置に、立ち
上がるようにして設けられている。
【0043】このため、両ハンドル14,14を把持し
てキャリッジ(ヘッドユニット1)2を持ち上げると、
力のバランスにより、キャリッジ2は略水平姿勢を維持
したまま持ち上げられることになる。また、運搬作業な
どにおいて、ハンドル14を握った手が機能液滴吐出ヘ
ッド3に触れるなどの支障を生ずることがない。なお、
詳細は後述するが、このハンドル14は、ヘッドユニッ
ト1の運搬は元より、ヘッドユニット1の描画装置Bへ
のセット作業に特に有用となる(詳細は後述する)。
【0044】各配管接続アッセンブリ15は、各機能液
滴吐出ヘッド群3Sの上側に配設されており、本体プレ
ート11の長辺方向の両端部に立設した一対のスペーサ
36,36と、一対のスペーサ36,36間に渡した押
さえプレート37と、押さえプレート37に搭載した6
組の配管アダプタ38とで構成されている。6組の配管
アダプタ38は、その下端のヘッド側接続部分をわずか
に突出するようにして、それぞれ押さえプレート37に
固着されている。
【0045】詳細は後述するが、機能液滴吐出ヘッド3
はいわゆる2連のものであり、6組の配管アダプタ38
は、それぞれ2連の配管接続部材17を介して機能液滴
吐出ヘッド3に接続される。すなわち、各機能液滴吐出
ヘッド3に配管接続部材17を嵌合接続する一方、6組
の配管アダプタ38を搭載した押さえプレート37を両
スペーサ36,36にねじ止めすることで、6組の配管
アダプタ38が、それぞれ配管接続部材17を介して機
能液滴吐出ヘッド3に接続される。そして、各配管アダ
プタ38の流入側には、描画装置Bにセットする際にそ
のフィルタ材料供給系にワンタッチで配管接続される
(詳細は後述する)。
【0046】同様に、各配線接続アッセンブリ16は、
キャリッジ2の左右の端部に立設した3個の屈曲支持部
材40,40,40と、屈曲支持部材40の上端に固定
したコネクタベース41と、コネクタベース41上に取
り付けた配線コネクタ43付きの4つのヘッド中継基板
42とで構成されている。4つのヘッド中継基板42
は、それぞれフレキシブルフラットケーブル(図示省
略)を介して、後述する各機能液滴吐出ヘッド3の2連
のヘッド基板47に接続されている。そして、各ヘッド
中継基板42には、描画装置Bにセットする際にその制
御系ケーブルの配線プラグにより配線接続される(詳細
は後述する)。
【0047】なお、図2にのみ示すように、このヘッド
ユニット1には更に、両配線接続アッセンブリ16を覆
う中継基板カバー24が設けられている。中継基板カバ
ー24は、各配線接続アッセンブリ16の側面から直上
部を覆う一対の側面カバー24aと、一対の側面カバー
24a間に渡した上面カバー24bとで構成されてお
り、このうち上面カバー24bは、ヘッドユニット1を
描画装置Bにセットした後に取り付けるようになってい
る。また、詳細は後述するが、ヘッドユニット1を組立
装置Aにセットする段階では、描画装置Bにセットする
場合と異なり、中継基板カバー24は元より両アッセン
ブリ15,16も組み付けておかないものとする。
【0048】次に、図5ないし図8を用いて機能液滴吐
出ヘッド3について説明する。この機能液滴吐出ヘッド
3は、いわゆる2連のものであり、2連の接続針46を
有する液体導入部45と、液体導入部45の側方に連な
る2連のヘッド基板47と、液体導入部45に下方に連
なる2連のポンプ部48と、ポンプ部48に連なるノズ
ル形成プレート49とを備えている。液体導入部45に
は、上記の配管接続部材17が接続され、ヘッド基板4
7には、上記のフレキシブルフラットケーブルが接続さ
れている。一方、このポンプ部48とノズル形成プレー
ト49とにより、キャリッジ2の裏面側に突出する方形
のヘッド本体50が構成されている。また、ノズル形成
プレート49のノズル形成面52には、2列のノズル列
53,53が形成されている(図6参照)。
【0049】図6および図7に示すように、ポンプ部4
8は、ノズル数に対応する圧力室55と圧電素子56と
を有し、各圧力室55は、対応する吐出ノズル57に連
通している。また、ポンプ部48の基部側、すなわちヘ
ッド本体50の基部側は、液体導入部45を受けるべく
方形フランジ状に形成され、このフランジ部58には、
機能液滴吐出ヘッド3をヘッド保持部材4に固定する小
ねじ用の一対のねじ孔(雌ねじ)59,59が形成され
ている。この一対のねじ孔59,59は、両長辺部分に
位置し、且つノズル形成面52の中心に対し点対称とな
るように配設されている。詳細は後述するが、ヘッド保
持部材4を貫通してフランジ部58に螺合した2本の小
ねじ73,73により、機能液滴吐出ヘッド3がヘッド
保持部材4に固定される(図9参照)。
【0050】ノズル形成プレート49は、ステンレス板
等で形成され、ポンプ部48の吐出側端面(液滴吐出
面)に接着されている。より具体的には、図6および図
7に模式的に示すように、ポンプ部48は、上記の圧電
素子56を収容した機構部48aと、樹脂フィルム48
bを介して、ノズル形成プレート49と共にこの機構部
48aに接合されるシリコンキャビティ48cとを有し
ている。すなわち、ノズル形成プレート49は、シリコ
ンキャビティ48cに接着され、この状態で樹脂フィル
ム48bを介して、機構部48aの接合面48dに接合
され、上記の圧力室55を構成している。
【0051】したがって、ヘッド本体50において組立
方法を勘案すると、上記の樹脂フィルム48b、シリコ
ンキャビティ48cおよびノズル形成プレート(後述す
るメッキ層49aを含む)49は、ポンプ部48の機構
部48aに対し、圧力室組立体60を構成している。そ
して、機構部48aの接合面48dは、長方形に形成さ
れる一方、ノズル形成プレート49を含む圧力室組立体
60は、これより幾分小さい相似形に形成されており、
圧力室組立体60は、接合面48dと略同心となるよう
に重ねて接合されている。
【0052】このため、圧力室組立体60の四周と機構
部48aの接合面48dの四周縁部との間には、四周に
亘って接合のためのクリアランスとしての段部61が構
成され、この段部61には樹脂62がモールドされてい
る。すなわち、接合面48dの端縁(周縁部)と圧力室
組立体60の端面(側面部)とで構成される段部61
は、これを埋めるように樹脂62でモールドされてい
る。したがって、ヘッド本体50の下端は、この樹脂6
2により四周が面取りされた形態になっている。
【0053】詳細は後述するが、この樹脂62によるモ
ールドにより、ワイピングの際にヘッド本体50がワイ
ピングシート131につかえるのを防止している。この
場合、機能液滴吐出ヘッド3は水平面内において幾分傾
いてキャリッジ2に保持されているものの、ヘッド本体
50に対しワイピングシート131は、X軸方向から拭
取り動作する(図17参照)。したがって、上記の四周
に亘るモールドの樹脂62は、最低限拭取りを開始する
側の長辺部分にのみ、或いは両長辺部分にのみに設けら
れていればよい。また、後述する面取り加工でも同様で
ある。
【0054】一方、ノズル形成プレート49には、2本
のノズル列53,53が相互に平行に列設されており、
各ノズル列53は、等ピッチで並べた180個(図示で
は模式的に表している)の吐出ノズル57で構成されて
いる。すなわち、ヘッド本体50のノズル形成面52に
は、その中心線を挟んで2本のノズル列53,53が左
右対称に配設されている。そして、各吐出ノズル57の
ノズル口63は、ノズル形成面52に各ノズル列53に
合わせて形成した細長形状の凹溝64内に開口してい
る。尚、ノズル形成面52は、下地メッキ層52aとそ
の上に共析メッキしたフッ素樹脂等の撥水層52bとで
被覆されており、下地メッキ層52aをノズル列53の
部分で欠除させることにより凹溝64を形成している。
【0055】なお、図6中の符号65,65は、機能液
滴吐出ヘッド3を位置認識するための2つのノズル基準
マークである。後述するように、本実施形態では機能液
滴吐出ヘッド3の位置認識を、いずれか一方のノズル列
53の両端の吐出ノズル57a,57aを画像認識(パ
ターン認識)することで行われる。ところが、吐出対象
液によっては、吐出ノズル(ノズル口63)57に形成
されるメニスカスの形態が一定しない場合があり(図6
(b)中の仮想線参照)、パターン認識において認識不
能(NG)となるおそれがある。
【0056】そこで、本実施形態では、上記両端の吐出
ノズル57a,57aの近傍に、2つのノズル基準マー
ク65,65を形成するようにしている。すなわち、ノ
ズル形成面52において、両端の吐出ノズル57a,5
7aを平行移動した位置、より厳密にはノズル列53を
平行移動(必ずしもノズル列53に直交する方向でなく
てもよい)したときの両端の吐出ノズル57a,57a
に対応する位置に、レーザーエッチングなどにより2つ
のノズル基準マーク65,65が形成されている。両端
の吐出ノズル57a,57aに対し2つのノズル基準マ
ーク65,65は位置保証されており、両端の吐出ノズ
ル57a,57aにおける画像認識が不安定な場合に
は、この2つのノズル基準マーク65,65を用いて画
像認識を行うようにする。なお、2つのノズル基準マー
ク65,65は、両端の吐出ノズル57a,57aに対
し位置保証されている限り、ノズル形成面52のいずれ
の位置に設けてもよい。
【0057】このように構成された機能液滴吐出ヘッド
3は、そのヘッド本体50を、キャリッジ2に形成した
装着開口18からキャリッジ2の裏面側に突出させ、装
着開口18の縁部にあてがったヘッド保持部材4に上記
のフランジ部58の部分でねじ止め固定される。また、
ヘッド保持部材4は、キャリッジ2に接着により仮固定
され、その後、機械的な固定手段を使って本固定され
る。
【0058】次に、図8および図9を参照して、ヘッド
保持部材4について説明する。ヘッド保持部材4は、機
能液滴吐出ヘッド3をキャリッジ2に安定に取り付ける
ための媒介金具であり、ステンレス等で構成された略長
方形の平板状に形成されている。ヘッド保持部材4に
は、その中央に機能液滴吐出ヘッド3のヘッド本体50
が挿通する方形の挿通開口71が形成されている。この
場合、ヘッド保持部材4は、その長辺方向の両端部で装
着開口(開口部位18a)18を跨ぐようにしてキャリ
ッジ2の裏面側にセットされ、これに対し機能液滴吐出
ヘッド3は、そのヘッド本体50を挿通開口71に挿通
すようにしてキャリッジ2の表側にセットされる(図3
参照)。
【0059】ヘッド保持部材4の挿通開口71の周囲に
は、上記フランジ部58の2つのねじ孔59,59に対
応する2つの貫通孔72,72および2本の小ねじ7
3,73と、2つの突出位置規制ピン74,74が配設
されている。2つの貫通孔72,72は、それぞれ装着
開口18側に突出する2つのボス部75,75に形成さ
れている。この場合、各ボス部75は、ヘッド保持部材
4に圧入した筒状のカラーで構成されている。この2つ
のボス部75,75と2つの突出位置規制ピン74,7
4とは、いずれも挿通開口71の中心に対し点対称位置
に配設されており、これらボス部75,75と突出位置
規制ピン74,74がヘッド本体50のフランジ部58
に当接することにより、機能液滴吐出ヘッド3のキャリ
ッジ2からの吐出寸法が規制されるようになっている。
【0060】また、挿通開口71の中心線上において、
挿通開口71の外側には2つの係合孔76,76が形成
されている。この2つの係合孔76,76は、後述する
機能液滴吐出ヘッド3の組付治具Cが装着される部位で
あると同時に、組立装置Aにおける位置補正用の係合ピ
ン343,343が係合される部位でもある。この場
合、組付治具Cの装着や係合ピン343の係合が無理な
く為されるように、2つの係合孔76,76は、一方が
円形に、他方が上記中心線方向に長い長円形に形成され
ている。
【0061】さらに、挿通開口71の中心線上におい
て、ヘッド保持部材4の両端部には、それぞれ2つの接
着剤注入孔77,77が、挿通開口71を挟んで対称位
置に形成されている。各接着剤注入孔77はヘッド保持
部材4の横断方向に延びる長孔となっており、この長孔
のキャリッジ2側の端部は、面取りされている(図8参
照)。各2つの接着剤注入孔77,77が形成されたヘ
ッド保持部材4の両端部は、ヘッド保持部材4をキャリ
ッジ2に接着するための接着部位78,78となってお
り、各接着剤注入孔77から注入された接着剤は、毛細
管現象によりキャリッジ2と接着部位78,78との界
面部分に広がって、塗着される。
【0062】この場合、一方の端部の外側(内側)に形
成した接着剤注入孔77a(77b)と他方の端部の内
側(外側)に形成した接着剤注入孔77a(77b)と
は、それぞれ対となっている。詳細は後述するが、組立
装置Aは2本の接着剤注入ノズル387,387を有し
ており、2本の接着剤注入ノズル387,387は、対
となる一方の2つの接着剤注入孔77a,77aに同時
に挿入されて接着剤を注入すると共に、上記中心線方向
に移動した後、他方の2つの接着剤注入孔77b,77
bに同時に挿入されて接着剤を注入する。
【0063】なお、図中の符号79,79は、ヘッド保
持部材4をキャリッジ2に仮装着するときに使用する
(詳細は後述する)一対の締結孔であり、この一対の締
結孔79,79は、それぞれ接着剤注入孔77,77の
近傍であって、挿通開口71の中心に対し点対称位置に
形成されている。また、キャリッジ2の開口部位18a
には、この一対の締結孔79,79に対応する一対の仮
締め用ねじ孔20,20が形成されている(図11参
照)。
【0064】ところで、一対の基準ピン12,12を介
して位置決めされるキャリッジ2に対し、各機能液滴吐
出ヘッド3は、その出力端であるノズル列(吐出ノズル
57)53を基準に、X軸、Y軸およびθ軸方向に位置
決め(位置認識)される。より具体的には、2つのノズ
ル列53,53は、製造段階で相互の位置精度が保証さ
れているため、いずれか一方のノズル列53の一端と他
端に位置する2つの吐出ノズル57a,57aを位置決
め基準とし、これを認識するようにしている。また、機
能液滴吐出ヘッド3のヘッド本体50における先端部の
四辺(厳密には、ポンプ部48の数ミリ幅に亘る先端部
の四辺)も、製造段階で相互の位置精度が保証されてい
る。
【0065】一方、機能液滴吐出ヘッド3は、ヘッド保
持部材4を介してキャリッジ2に固定する形態である。
そこで、本実施形態では、組付治具Cを用い、上記ヘッ
ド本体50の先端部四辺を基準にして、機能液滴吐出ヘ
ッド3をヘッド保持部材4に位置決めし、ねじ止め固定
の後、上記両端の吐出ノズル57a,57aを基準にし
て、ヘッド保持部材4付き機能液滴吐出ヘッド3を位置
決めし、仮固定するようにしている。すなわち、機能液
滴吐出ヘッド3は、組付治具Cを用いた手作業により、
いったんヘッド保持部材4に仮位置決めされ、続く組立
装置Aでの画像認識(両端の吐出ノズル57a,57a
を認識)を経て、本位置決めされる。
【0066】実施形態の組立装置Aでは、位置認識のス
ピードアップを図るため、上記両端の吐出ノズル57
a,57aを、固定的に設けた2つの認識カメラ35
3,353で同時に認識、即ち、2つの認識カメラ35
3,353が同時に視野内に捕らえるようにしている。
このため、組付治具Cを用いた機能液滴吐出ヘッド3の
仮位置決めは、本位置決めの段階で、設定した位置デー
タに基づいて、機能液滴吐出ヘッド3をそのノズル形成
面52の凹溝64の両端部近傍に2つの認識カメラ35
3,353が正対するはずの計測位置に移動させたと
き、ノズル列53の両端の吐出ノズル57a,57aが
いずれも2つの認識カメラ353,353の視野から外
れることのないようにするものである。
【0067】ここで、図9および図10を参照して、機
能液滴吐出ヘッド3の組付治具Cについて説明すると共
に、この組付治具Cを用いて機能液滴吐出ヘッド3をヘ
ッド保持部材4に組み付ける組付方法について説明す
る。図10に示すように、組付治具Cは、機能液滴吐出
ヘッド3のヘッド本体50を位置決めする治具本体81
と、治具本体81をヘッド保持部材4に位置決め状態で
装着する一対の装着ピン82,82とで構成されてい
る。
【0068】治具本体81は、縦辺部84と、縦辺部8
4の両端から直角に延びる一対の横辺部85,85と
で、略「C」字状に一体に形成されている。一方、一対
の装着ピン82,82は、それぞれ横辺部85,85の
裏面側から突出しており、この一対の装着ピン82,8
2をヘッド保持部材4の係合孔76,76に嵌合させる
ことで、治具本体81がヘッド保持部材4に装着され
る。
【0069】縦辺部84の内側から一方の横辺部85の
内側に亘る部位には、略「L」字状の位置決め部86が
形成され、この位置決め部86にヘッド本体50の一方
の長辺および短辺を当接させることで、機能液滴吐出ヘ
ッド3がヘッド保持部材4に位置決めされるようになっ
ている。位置決め部86は、表側を他の部分と面一とし
て薄肉に形成され、且つコーナー部分86aが半円状に
窪入形成されている。また、治具本体81は、これをヘ
ッド保持部材4に装着した状態で、その表面と機能液滴
吐出ヘッド3のノズル形成面52とが、ほぼ面一(同レ
ベル)とになるように、その厚みが設計されている。
【0070】これにより、ヘッド本体50はその突出方
向の先端部が、組付治具Cの位置決め部86に当接して
位置決めされるようになっている。すなわち、製造段階
で、ノズル列53に対し位置精度が保証されたヘッド本
体50における先端部の四辺のうち隣接する2つの辺
を、組付治具Cの位置決め部86に突き当てることで、
機能液滴吐出ヘッド3がヘッド保持部材4に位置決めさ
れるようになっている。
【0071】一方、一対の装着ピン82,82は、位置
決め部86に突き当てたヘッド本体50の中心線に合致
するように配設されている。より具体的には、位置決め
部86の長辺部位86bは、一対の装着ピン82,82
を結ぶ直線と平行に形成され、且つその離間寸法は、ヘ
ッド本体50の長辺位置に合わせて管理されると共に、
ヘッド本体50の短辺の1/2の寸法に形成されてい
る。また、位置決め部86の短辺部位86cは、長辺部
位86bに直角に形成され、且つ短辺部位86c側に位
置する装着ピン82との離間寸法は、ヘッド本体50の
短辺位置に合わせて管理されている。
【0072】これにより、組付治具Cは、図9の状態か
ら180°回転した状態で、ヘッド保持部材4に装着し
ても、特段の支障を生ずることなく、機能液滴吐出ヘッ
ド3を位置決めすることができる。すなわち、実施形態
の組付治具Cは、その平面形状が左右対称ではないが、
いわゆる右勝手・左勝手のない構造となっている。
【0073】次に、図9、図11および図12を参照し
て、上記の組付治具Cを用いた、機能液滴吐出ヘッド3
のヘッド保持部材4への組付方法について説明する。こ
の組付作業は、組立装置Aの外工程として手作業で行わ
れる。先ず、キャリッジ(厳密には本体プレート11)
2の表側の周縁部に4本の支持脚88,88,88,8
8をねじ止めする。次いで、キャリッジ2を上下反転さ
せ、キャリッジ2を支持脚88により浮いた状態にセッ
トする。なお、図示では省略したが、この状態でキャリ
ッジ2に、上記一対の支持部材13,13および一対の
基準ピン12,12を取り付けておくことが、好まし
い。
【0074】次に、ヘッド本体50を上向きにした機能
液滴吐出ヘッド3を、キャリッジ2の下側から装着開口
18に挿入する。ここで、キャリッジ2の上側からヘッ
ド保持部材4の挿通開口71をヘッド本体50に位置合
わせし嵌め入れるようにして、ヘッド保持部材4をキャ
リッジ2上にセットする。ヘッド保持部材4をセットし
たら、上側からヘッド保持部材4に組付治具Cを装着す
ると共に、ヘッド保持部材4の位置決め部86に、これ
に対峙するヘッド本体50の2辺を押し付ける。なお、
組付治具Cを複数個用意しておいて、これを予めヘッド
保持部材4に装着しておいてから、作業を開始してもよ
い。
【0075】続いて、上記の押付け状態を維持しつつ、
上側から2本の小ねじ73,73を、ヘッド保持部材4
を貫通して機能液滴吐出ヘッド3のフランジ部58にそ
れぞれ螺合し、機能液滴吐出ヘッド3をヘッド保持部材
4に固定する。次に、2つの認識カメラ353,353
の視野が、2つの吐出ノズル57a,57aから外れな
いようにする手段として、上記一対の締結孔79,79
からキャリッジ2の仮締め用ねじ孔20,20に、それ
ぞれ固定ねじ89,89を仮締め状態で螺合しておく
(図9参照)。
【0076】これにより、固定ねじ89と締結孔79の
寸法公差の範囲において、キャリッジ2に対する機能液
滴吐出ヘッド3の位置調整が可能となると共に、2つの
認識カメラ353,353の視野が、両端の吐出ノズル
57a,57aから外れることがなくなる。このように
して、機能液滴吐出ヘッド3のヘッド保持部材4への位
置決めおよび固定を順に繰り返すことで、12個の機能
液滴吐出ヘッド3が個々にヘッド保持部4に組み付けら
れる。最後に、ヘッド保持部材4から組付治具Cを引き
抜くと共に4本の支持脚88を取り外して、作業を完了
する。
【0077】以上のようにして、キャリッジ2を挟ん
で、12個の機能液滴吐出ヘッド3が12個のヘッド保
持部4に組み付けられるが、この状態では、12個の機
能液滴吐出ヘッド3はキャリッジ2に固定されておら
ず、吊り下げられた状態となっている。すなわち、ヘッ
ド保持部4付きの12個の機能液滴吐出ヘッド3は、キ
ャリッジ2に対し、固定ねじ89と締結孔79の寸法公
差範囲内で微小移動可能に、仮組み付けされている。な
お、この固定ねじ89は捨てねじであり、組立装置Aに
おいて、キャリッジ2にヘッド保持部4が接着された
(仮固定)後に、取り外される。すなわち、実施形態で
は、ヘッド保持部4のキャリッジ2へのねじによる直接
的な本固定は行わない(別部材による押圧固定とす
る)。
【0078】そして、キャリッジ2に、ヘッド保持部材
4付きの12個の機能液滴吐出ヘッド3が仮組み付けさ
れたヘッドユニット1は、組立装置Aに導入され、上下
反転姿勢のままこれにセットされる。なお、組立装置A
に導入されるヘッドユニット1は、上記の主構成部品に
一対の支持部材13,13および基準ピン12,12を
組み込んだものとなり、描画装置Bに導入されるヘッド
ユニット1は、これに更にハンドル14を始め、両アッ
センブリ15,16等を組み込んだものとなる。
【0079】ここで、描画装置Bについて簡単に説明す
ると共に、一対のハンドル14,14を利用してヘッド
ユニット1を描画装置Bに載せ込むヘッドユニット1の
セット方法について説明する。また、機能液滴吐出ヘッ
ド3のヘッド本体50の構造に関連して、描画装置Bの
ワイピング装置についても簡単に説明する。
【0080】図13は描画装置Bを模式的に表した概念
図であり、同図に示すように、描画装置Bは、ヘッドユ
ニット1を搭載しこれをY軸方向およびθ軸方向に移動
させるヘッド移動部101と、ヘッド移動部101に対
峙しカラーフィルタ等の基板102をX軸方向に移動さ
せる基板移動部103と、ヘッドユニット1の機能液滴
吐出ヘッド3を保全するメンテナンス部104とを備え
ている。ヘッド移動部101は、これに搭載したヘッド
ユニット1を、基板移動部103を挟んでユニット導入
部105とメンテナンス部104との間で移動させる。
【0081】ヘッドユニット1を導入セットする場合に
は、ヘッド移動部101がユニット導入部105側に移
動し、その仮置き台106がユニット導入部105に臨
んでいる。ヘッドユニット1は、この仮置き台106上
に仮置きされ配管および配線を繋ぎこんだ後、ヘッド移
動部101に送り込むようにしてセットされる。そし
て、ヘッドユニット1の初期位置決めを行う準備工程で
は、ヘッドユニット1のθ軸方向への微小移動(角度補
正)が行われるが、フィルタ材料を吐出する製造工程で
は、基板102がX軸方向に且つヘッドユニット1がY
軸方向に移動して、機能液滴吐出ヘッド3の主走査およ
び副走査が行われる。
【0082】ヘッド移動部101は、ヘッドユニット1
を垂設するようにして支持するメインキャリッジ111
と、メインキャリッジ111をθ軸方向に移動させるθ
テーブル112と、θテーブル112を介してヘッドユ
ニット1をY軸方向に移動させるYテーブル113とを
有している。また、基板移動部103は、基板102を
吸着するようにしてセットする基板セットテーブル11
5と、基板セットテーブル115を介して基板をX軸方
向に移動させるXテーブル116とを有している。
【0083】この場合、Xテーブル116は、エアース
ライダとリニアモータとの組み合わせで駆動し、Yテー
ブル113は、ボールねじとサーボモータの組み合わせ
で駆動する(いずれも図示省略)。また、基板認識カメ
ラ117はメインキャリッジ111に(図15参照)、
ヘッド認識カメラ118は基板セットテーブル115
に、それぞれ搭載されている。したがって、ヘッドユニ
ット1のキャリッジ2に設けた一対の基準ピン12,1
2は、ヘッド認識カメラ118とこれをX軸方向に移動
させるXテーブル116との協働により、画像認識され
る。
【0084】ここで、図61を参照して、ヘッド認識カ
メラ118による一対の基準ピン12,12の認識動作
について説明する。先ず、設計上のデータに基づいてX
テーブル116およびYテーブル113が適宜駆動し
て、ヘッド認識カメラ118およびキャリッジ(ヘッド
ユニット1)を移動させ、一方の基準ピン12をヘッド
認識カメラ118の視野内に取り込む。一方の基準ピン
12をヘッド認識カメラ118で認識したら、次に、X
テーブル116を駆動し、ヘッド認識カメラ118をX
軸方向(主走査方向)に移動させ、他方の基準ピン12
をヘッド認識カメラ118の視野内に取り込んでこれを
認識する。
【0085】そして、ヘッド認識カメラ118による一
対の基準ピン12,12の認識結果に基づいて、Xテー
ブル116、Yテーブル113およびθテーブル112
が適宜駆動して、キャリッジ(ヘッドユニット1)の位
置補正が行われる。なお、位置補正後に、確認のため再
度上記の認識動作が行われ、一連の認識動作が完了す
る。
【0086】その後、実際の液滴吐出作業では、先ずX
テーブル116が駆動し、基板102を主走査方向に往
復移動させると共に複数の機能液滴吐出ヘッド3を駆動
して、機能液滴吐出ヘッド3の選択的な液滴吐出が行わ
れる。次に、Yテーブル113が駆動し、キャリッジ
(ヘッドユニット1)2を1ピッチ分、副走査方向に移
動させ、再度基板102の主走査方向への往復移動と機
能液滴吐出ヘッド3の駆動が行われる。そしてこれを、
数回繰り返すことで、基板102の端から端まで(全領
域)液滴吐出が行われる。
【0087】このように、一対の基準ピン12,12の
画像認識におけるヘッド認識カメラ118の移動を、X
テーブル116で行うようにしているため、ボールねじ
を用いるYテーブル113等と異なり、移動精度が認識
精度に影響するのを防止することができる。また、Xテ
ーブル116の移動方向であるX軸方向は、主走査方向
に合致しており、構造上、液滴吐出の精度(着弾点の精
度)を高めることができる。
【0088】なお、本実施形態では、ヘッドユニット
(キャリッジ2)1に対し、その吐出対象物である基板
102を主走査方向に移動させるようにしているが、キ
ャリッジ(ヘッドユニット1)2を主走査方向に移動さ
せる構成であってもよい。また、一対の基準ピン12,
12をキャリッジ2の長辺方向の両端部に設けられる場
合も考えられるが、かかる場合には、キャリッジ2のY
軸方向への相対的移動により、一対の基準ピン12,1
2が認識されることとなる。
【0089】図14および図15は、メインキャリッジ
111の外観図である。メインキャリッジ111は、ヘ
ッドユニット1が着座するベースプレート121と、ベ
ースプレート121を垂設するように支持するアーチ部
材122と、ベースプレート121の一方の端部に突出
するように設けた仮置き台106である左右一対の仮置
きアングル106a,106aと、ペースプレート12
1の他方の端部に設けたストッパプレート123とを備
えている。なお、上記の基板認識カメラ117は、スト
ッパプレート123の外側に一対設けられている。
【0090】ベースプレート121には、ヘッドユニッ
ト1の本体プレート11が遊嵌する方形開口124が形
成され、またこの方形開口124を構成するベースプレ
ート121の左右の各開口縁部125には、ヘッドユニ
ット1の各支持部材13に形成した2つのボルト孔2
2,22およびピン孔23に合致する2つの貫通孔12
6,126と位置決めピン127とが設けられている。
この場合、方形開口124の幅と本体プレート11の幅
とがほぼ合致しており、側方からセットされるヘッドユ
ニット1は、本体プレート11の左右が方形開口124
の左右に案内されるようにして、挿入される。
【0091】各仮置きアングル106aは、十分な厚み
(高さ)を有し、外側に「L」字状に屈曲した基部で、
ベースプレート121の端部に載置するようにして固定
されている。また、両仮置きアングル106a,106
aの離間寸法は、ヘッドユニット1の両支持部材13,
13の離間寸法に対応している。したがって、ヘッドユ
ニット1は、その両支持部材13,13が両仮置きアン
グル106a,106aに着座することで仮置きされ、
且つ両仮置きアングル106a,106aによりベース
プレート121への送り込みが案内される。また、この
状態で、各機能液滴吐出ヘッド3のヘッド本体50がベ
ースプレート121から十分に浮いて、ベースプレート
121との接触(干渉)が防止される。
【0092】図16のイメージ図に示すように、ヘッド
ユニット1を、メインキャリッジ111のベースプレー
ト121にセットする場合には、先ず両ハンドル14,
14で手持ちして運び込んだヘッドユニット1を、両仮
置きアングル106a,106a上に載置する(仮置
き)。ここで、特に図示しないが、アーチ部材122上
に配設した描画装置Bのフィルタ材料供給系のチューブ
をヘッドユニット1の配管接続アッセンブリ15に配管
接続すると共に、制御系のケーブルを配線接続アッセン
ブリ16に配線接続する(同図(a))。
【0093】接続作業が完了したら、再度ハンドル1
4,14を把持し、両仮置きアングル106a,106
aをガイドにしてヘッドユニット1を先方に押し入れ、
更にその先端部を下げるように傾ける(同図(b))。
ヘッドユニット1を傾けてゆくと、本体プレート11の
先端部が方形開口124に挿入され、且つ両支持部材1
3,13の先端が方形開口124の両開口縁部125,
125に着地する。両支持部材13,13が開口縁部1
25,125に着地したら、両仮置きアングル106
a,106aから両支持部材13,13を浮かせるよう
にし、こんどは両支持部材13,13の先端を中心に、
ヘッドユニット1を、開口縁部125上をスライドさせ
ながら更に奥に向かって押し込んでゆく。
【0094】そして、ヘッドユニット1の先端がストッ
パプレート123に突き当たったら、ヘッドユニット1
の後部をゆっくり下げて、両支持部材13,13のピン
孔23に両開口縁部125,125の位置決めピン12
7を嵌合させるようにして、ヘッドユニット1をベース
プレート121上に着座させる。ここで、ベースプレー
ト121の下側からベースプレート121を貫通して、
4本の固定ねじ128を両支持部材13,13に螺合
し、作業を完了する(同図(c))。
【0095】このように、ユニット導入部105におい
て、ヘッドユニット1を仮置きし、この状態で必要な配
管・配線接続を行うようにしているため、これら接続作
業が行い易く、且つ接続作業後のヘッドユニット1を狭
いスペースに適切にセットすることができる。また、ヘ
ッドユニット1を、仮置きアングル106aから一段低
いベースプレート121に、スライドさせながらセット
するようにしているため、ヘッドユニット1をメインキ
ャリッジ111にソフトランディングさせるようにセッ
トすることができ、重いヘッドユニット1を、衝撃なく
円滑にセットすることができる。
【0096】一方、描画装置Bのメンテナンス部104
には、キャッピング装置やクリーニング装置に併設する
ようにワイピング装置が設けられている。図17に示す
ように、ワイピング装置108は、ワイピングシート1
31を備えるワイピングユニット132と、ワイピング
ユニット132をヘッドユニット1に向かって進退させ
る移動機構133とを有している。Yテーブル113に
よりメンテナンス部104に導入されたヘッドユニット
1に対し、移動機構133がワイピングユニット132
をX軸方向(主走査方向)に進退させるようにして拭取
り動作させる。
【0097】ワイピングユニット133は、ワイピング
シート131をロール状に巻回した繰出しリール135
と、繰出しリール135から繰り出したワイピングシー
ト131を巻き取る巻取りリール136と、繰出しリー
ル135および巻取りリール136間においてワイピン
グシート131を掛け渡したワイピングローラ137と
を備えている。また、繰出しリール135とワイピング
ローラ137との間には、回転速度検出軸を兼ねるガイ
ドローラ138が配設され、且つワイピングローラ13
7の近傍には、洗浄液供給ヘッド139が配設されてい
る。
【0098】繰出しリール135は、これに設けたトル
クリミッタにより制動回転し、巻取りリール136は、
これに設けたモータにより駆動回転する。繰出しリール
135から繰り出されたワイピングシート131は、ガ
イドローラ138をくぐって経路変更され、洗浄液供給
ヘッド139から洗浄液の供給を受けた後、ワイピング
ローラ137を周回し、巻取りリール136に巻き取ら
れる。
【0099】ワイピングローラ137は、自由回転ロー
ラであり、弾力性或いは柔軟性を有するゴムローラ等で
構成されている。ワイピング時におけるワイピングロー
ラ137は、ワイピングシート131を各機能液滴吐出
ヘッド3のヘッド本体50に下側から押し付けるように
作用する。また、ワイピング時には、ワイピングローラ
137は巻取りリール136の回転を受けて走行するワ
イピングシート131により回転し、且つ移動機構13
3により、ワイピングユニット133全体としてX軸方
向に移動する。これにより、ワイピングシート131
が、ヘッドニットの下面、すなわち12個の機能液滴吐
出ヘッド3のヘッド本体50に順に摺接してゆく。言い
換えれば、ヘッド本体50の相対的な移動方向に対し、
ワイピングシート131が逆方向に走行し、各ヘッド本
体50のノズル形成面52が拭き取られることになる。
【0100】ヘッド本体50に摺接してゆくワイピング
シート131には、ワイピングローラ137に達する直
前に、洗浄液供給ヘッド139から洗浄液、すなわちフ
ィルタ材料の溶剤等が供給される。これにより、各ヘッ
ド本体50のノズル形成面52に付着したフィルタ材料
は、ワイピングローラ137を介して洗浄液を含浸した
ワイピングシート131により、きれいに拭き取られ
る。また、上述したように、ヘッド本体50の下端部は
これにモールドした樹脂62により、面取りされている
ため、このワイピングの際にヘッド本体50がワイピン
グシート131につかえることがない。
【0101】次に、図18および図19を参照して、ア
ライメントマスクDについて説明する。実施形態の組立
装置Aでは、ヘッドユニット1の組立個数に係わらず、
常に一定レベルの組立精度を有するヘッドユニット1を
供給する必要がある。そこで、キャリッジ2および12
個の機能液滴吐出ヘッド3の基準位置をマークしたアラ
イメントマスクDを用意している。すなわち、アライメ
ントマスクDを部品位置の原型(原版)とし、複製とし
てのヘッドユニット1を、この組立装置Aで組み立てる
ようにしている。これにより、ヘッドユニット1に対す
る各組立装置Aが持つ癖や経時変化等の精度的影響を排
除するようにしている。
【0102】アライメントマスクDは、キャリッジ2の
基準位置および各機能液滴吐出ヘッド3の基準位置をマ
スクパターン形成したマスタプレート161と、マスタ
プレート161を下側から保持するプレートホルダ16
2とで構成されている。上述したように、各機能液滴吐
出ヘッド3は、主走査方向に対し所定の角度(角度40
°〜60°)傾けて配設されている。そこで、マスタプ
レート161およびプレートホルダ162は、この傾き
角度に合わせて形成されている。
【0103】より具体的には、マスタプレート161
は、傾けて搭載される機能液滴吐出ヘッド3のヘッド本
体50に対応し、その長辺に平行な2辺と短辺に平行な
2辺とで方形に形成され、無駄な部分が生じないように
している。また、マスタプレート161は、原型として
狂いが生じないように厚手の透明な石英ガラスで構成さ
れている。
【0104】マスタプレート161の表面には、各機能
液滴吐出ヘッド3の基準位置を表す各5つのヘッド基準
マーク164,164,164,164,164を1組
として、これが両側に6組ずつ計12組形成されてい
る。また、この12組のヘッド基準マーク164の外側
には、キャリッジ2の基準位置を表す一対のキャリッジ
基準マーク165,165が形成されている。さらに、
端部に位置するヘッド基準マーク164の近傍には、認
識カメラ353の画素分解能を調整するための被写体画
像166が形成されている。
【0105】各5つのヘッド基準マーク164は、機能
液滴吐出ヘッド3におけるノズル形成面52の中心位置
と、2列のノズル列53,53のそれぞれ両端に位置す
る計4つの吐出ノズル57,57,57,57の位置を
表示している。図18(a)に示すように、各ヘッド基
準マーク164は、円形ラインの内部に中抜きの十字を
描くと共に、十字を除く円形内に斜線を描いて形成され
ている。したがって、これを認識カメラ353で画像認
識(撮像)すると、暗色の円形部分の内部に、明色の十
字部分が認識される。
【0106】上記と同様に、各キャリッジ基準マーク1
65も、円形ラインの内部に中抜きの十字を描くと共
に、十字を除く円形内に斜線を描いて形成されている。
また、被写体画像166は、格子状に精度良く描いた縦
横の多数のラインで形成されている。なお、ノズル形成
面52の中心位置を表すヘッド基準マーク164は、4
つの吐出ノズル57の位置を表す4つのヘッド基準マー
ク164から演算可能であるため、省略してもよい。な
お、アライメントマスクDに形成されたパターンは、C
r等の金属に代表される不透明膜を一面形成し、その膜
を半導体技術を用いてパターニングする等して形成され
る。
【0107】プレートホルダ162は、図19および図
20に示すように、マスタプレート161より一回り大
きく形成した略方形のマスタ支持プレート168と、マ
スタ支持プレート168の裏面四隅に取り付けた樹脂製
の4つの脚ブロック169,169,169,169
と、マスタ支持プレート168の表面に設けられたマス
タプレート161を縦横不動に位置決めする複数のウレ
タンストッパ170と、マスタプレート161をマスタ
支持プレート168上に浮いた状態で支持する複数の支
持ピン171と、支持ピン171に対応して設けられマ
スタプレート168を上側から押さえる複数の押さえブ
ロック172とを備えている。
【0108】複数のウレタンストッパ170は、マスタ
プレート161の四辺に各2個ずつ突き当てられてい
る。また、複数の支持ピン171は、マスタプレート1
61の隅部に各2個ずつ配置され、且つマスタ支持プレ
ート168に対し高さ調節可能に取り付けられている。
すなわち、各支持ピン171は、アジャストボルトの構
造を有しており、マスタプレート161の表面、すなわ
ちマーク形成面161aのレベルを調整できるようにな
っている。複数の押さえブロック172は、それぞれ支
持ピン171に対応しており、支持ピン171との間に
マスタプレート161を挟み込むようにして、これを押
さえている。
【0109】このように構成されたアライメントマスク
Dは、後述する組立装置Aのセットテーブル231に固
定される。このため、マスタ支持プレート168の左右
の各縁部には、2つの固定孔173,173と、2つの
固定孔173,173間に配設したピン孔174とが形
成されている。そして、アライメントマスクDとヘッド
ユニット1とは、組立装置Aのセットテーブル231に
交換セットされる。
【0110】次に、機能液滴吐出ヘッド3の組立装置A
および組立方法について説明する。組立装置Aは、キャ
リッジ2に12個の機能液滴吐出ヘッド3を仮組み付け
した上記のヘッドユニット1を組立対象物とし、ヘッド
ユニット1のキャリッジ2に各機能液滴吐出ヘッド3を
精度良く位置決めして接着(仮固定)するものである。
なお、この組立装置Aで、機能液滴吐出ヘッド3を仮固
定したヘッドユニット1は、洗浄工程および上記のハン
ドル14等の部品組込み工程を経て、描画装置Bにセッ
トされる。
【0111】図21ないし図25の外観図に示すよう
に、組立装置Aは、架台201上に透明な安全カバー2
02を有し、架台201にエアー供給機器203等を組
み込むと共に、安全カバー202内に機台204に載置
するようにして主構成装置205を収容して、構成され
ている。架台201には、4個のキャスタ206と6個
のアジャストボルト付き支持脚207とが設けられてい
る。安全カバー202の正面には、ヘッドユニット1を
導入するための開閉扉208が設けられ、またその上面
には、警告灯209が立設されている。
【0112】主構成装置205は、ヘッドユニット1を
搭載しこれを水平面内においてX・Y・θ方向に移動さ
せるユニット移動装置211と、キャリッジ2に仮組み
付けされている各機能液滴吐出ヘッド3の位置補正を行
うヘッド補正装置212と、キャリッジ2に各機能液滴
吐出ヘッド3を接着する仮固定装置213と、機能液滴
吐出ヘッド3の位置補正に先立ってキャリッジ2および
各機能液滴吐出ヘッド3の位置を画像認識する位置認識
装置214と、これらユニット移動装置211、ヘッド
補正装置212、仮固定装置213および位置認識装置
214を統括制御する制御装置(図50参照)215と
を備えている。
【0113】この組立装置Aでは、予めユニット移動装
置211に上記のアライメントマスクDを導入し、位置
認識装置214によりアライメントマスクDの各基準マ
ーク164,165を画像認識して、キャリッジ2およ
び各機能液滴吐出ヘッド3の基準位置データを記憶し、
この基準位置データ(マスタデータ)に基づいてキャリ
ッジ2および各機能液滴吐出ヘッド3の位置補正が行わ
れる。なお、アライメントマスクDは、新規のヘッドユ
ニット1の導入組立時は元より、同一のヘッドユニット
1であっても、その組立個数や稼動時間に基づいて、定
期的に導入される。もちろん、その際に基準位置データ
はリセットされる。
【0114】一方、ヘッドユニット1は、各機能液滴吐
出ヘッド3のヘッド本体50を上向きにしてユニット移
動装置211の上面にセットされ、ヘッドユニット1の
組立ては、先ず位置認識装置214によるキャリッジ2
の位置認識からスタートする。キャリッジ2が位置認識
されると、この認識データと基準位置データとが比較さ
れ、その比較結果に基づいて、ユニット移動装置211
によりキャリッジ2の位置補正が行われる。次に、位置
認識装置214により機能液滴吐出ヘッド3が位置認識
され、この認識結果(比較結果)に基づいてヘッド補正
装置212により、機能液滴吐出ヘッド3の位置補正が
行われる。
【0115】続いて、この位置補正状態を維持しつつ、
仮固定装置213により、ヘッド保持部材4を介して機
能液滴吐出ヘッド3がキャリッジ2に接着される。また
その際、接着剤が硬化するまで、ヘッド補正装置212
は、機能液滴吐出ヘッド(ヘッド保持部材4)3を動か
ないように押さえている。そして、この機能液滴吐出ヘ
ッド3の位置認識から接着までの工程を、機能液滴吐出
ヘッド3の個数分繰り返えすようにし、全機能液滴吐出
ヘッド3の仮固定が完了する。
【0116】図21および図26に示すように、ユニッ
ト移動装置211は、3個所のアジャストボルト217
により水平に支持した板状の機台204に、広い占有面
積をもって載置されている。ユニット移動装置211
は、ヘッドユニット1を反転状態でセットするセットテ
ーブル231と、セットテーブル231を下側から支持
するθテーブル232と、θテーブル232を下側から
支持するX・Yテーブル233とを、備えている。ヘッ
ドユニット1は、セットテーブル231と共に搭載した
機能液滴吐出ヘッド3の傾きに合わせ、傾けてセットさ
れている。このため、機能液滴吐出ヘッド3の主走査方
向に相当する方向がX軸方向となり、副走査方向がY軸
方向となる。
【0117】図27に示すように、セットテーブル23
1は、複数の円形抜き孔236を形成した方形のベース
プレート235と、ベースプレート235の両側に固定
した一対の帯状ブロック237,237とを有してい
る。各帯状ブロック237の上面には、位置決めピン2
38が立設される共に2つのねじ孔239,239が形
成されている。すなわち、ヘッドユニット1はセットテ
ーブル231に対し、左右の2個所で位置決めされ、計
4個所でねじ止め固定されるようになっている。また、
ベースプレート235の中央部分には、セットテーブル
231をθテーブル232に固定するための4つの貫通
孔240等が形成されている。
【0118】このように、ヘッドユニット1は、セット
テーブル231を介してθテーブル232に固定され、
同様にアライメントマスクDも、セットテーブル231
を介してθテーブル232に固定されるようになってい
る。この場合、ヘッドユニット1とアライメントマスク
Dとは、θテーブル232に固定したヘッドユニット1
の各機能液滴吐出ヘッド3のノズル形成面52と、θテ
ーブル232に固定したアライメントマスクDのマーク
形成面(マスタプレートの表面)161aとが、同一水
平面内に位置するように設計されている。
【0119】同様に、ヘッドユニット1の重量と、プレ
ートホルダ162を含むアライメントマスクDの重量と
が、略同一重量となるように設計されている。これによ
り、アライメントマスクDの位置認識動作とヘッドユニ
ット1の位置認識動作とを、全く同一条件で行えるよう
にしている。なお、セットテーブル231は、ヘッドユ
ニット1に対し専用部品となっており、ヘッドユニット
1が変更されるとこれに合わせてセットテーブル231
も変更される。
【0120】次に、図28、図29および図30を参照
して、θテーブル232について説明する。θテーブル
232は、セットテーブル231を介してヘッドユニッ
ト1を微小回転(微小回動)させる回転作動部242
と、回転作動部242を駆動する進退駆動部243とで
構成されている。回転作動部242は、セットテーブル
231が固定されるテーブル本体245と、テーブル本
体245から進退駆動部243側に延びる連結アーム2
46と、テーブル本体245を回転自在に支持するロー
ラリング247と、ローラリング247を支持する支持
台248とを有している。この場合、セットテーブル2
31は、テーブル本体245に設けた2個所の位置決め
ピン250,250と、4個所のねじ孔251を介し
て、テーブル本体245の上面に位置決め状態でねじ止
めされている。
【0121】進退駆動部243は、動力源を構成するθ
テーブルモータ(サーボモータ)253と、θテーブル
モータ253の主軸254にカップリング255を介し
て連結されボールねじ256と、ボールねじ256が螺
合する雌ねじブロック257と、雌ねじブロック257
をボールねじ256の軸方向(X軸方向に)にスライド
自在に支持する主スライダ258とを有しており、また
上記の連結アーム246の先端部が連結されるアーム受
け260と、ベアリング261を介してアーム受け26
0を回動自在に軸支する鉛直軸部材262と、雌ねじブ
ロック257に対し鉛直軸部材262をY軸方向にスラ
イド自在に支持する副スライダ263とを有している。
【0122】θテーブルモータ253は正逆回転可能に
構成され、θテーブルモータ253が正逆回転すると、
ボールねじ256により、雌ねじブロック257が主ス
ライダ258に案内されてX軸方向に進退する。雌ねじ
ブロック257が進退すると、これに支持されている副
スライダ263おび鉛直軸部材262もX軸方向に進退
する。さらに、鉛直軸部材262が進退すると、これに
軸着されているアーム受け260を介して、連結アーム
246およびテーブル本体245がテーブル本体245
の軸心を中心に回動する。すなわち、テーブル本体24
5が水平面内において、正逆微小回転する(θ方向に正
逆移動)。
【0123】また、この回動に伴って、テーブル本体2
45と鉛直軸部材262との中心間距離が変化するが、
この距離の変化は、副スライダ263を介して鉛直軸部
材262がY軸方向に適宜、微小移動することにより吸
収される。なお、雌ねじブロック257から突出する遮
光板265と、雌ねじブロック257の進退に伴って遮
光板265が臨む3個のフォトインタラプタ266によ
り、雌ねじブロック257の移動端位置、すなわちテー
ブル本体245の回動範囲(角度)が規制されるように
なっている(オーバーランの防止)。
【0124】進退駆動部243は、主スライダ258の
下側に設けた支持プレート267に支持されており、こ
の支持プレート267が回転作動部242の支持台24
8に固定されている。そして、この支持台248がX・
Yテーブル233に載置されている。
【0125】次に、図26、図31および図32を参照
して、X・Yテーブル233について説明する。X・Y
テーブル233は、θテーブル232を下側から支持す
る支持ブロック270と、支持ブロック270をX軸方
向にスライド自在に支持するX軸テーブル271と、X
軸テーブル271をY軸方向にスライド自在に支持する
Y軸テーブル272とを有している。支持ブロック27
0には、4箇所にねじ孔274を有しており、この4箇
所にねじ孔274を介して支持ブロック270にθテー
ブル232が固定されている。
【0126】X軸テーブル271は、X軸エアースライ
ダ276と、X軸リニアモータ277と、X軸エアース
ライダ276に併設したX軸リニアスケール278とで
構成されている。同様に、Y軸テーブル272は、Y軸
エアースライダ279と、Y軸リニアモータ280と、
Y軸エアースライダ279に併設したY軸リニアスケー
ル281とで構成されている。なお、図中の符号、28
2,283は、それぞれX軸ケーブルベア(登録商標)
およびY軸ケーブルベアである。また、符号284,2
84は、両リニアモータ277,280のアンプであ
る。
【0127】X軸リニアモータ277およびY軸リニア
モータ280は、適宜制御駆動され、θテーブル232
をX軸方向およびY軸方向に移動させる。すなわち、セ
ットテーブル231にセットされたヘッドユニット(或
いはアライメントマスクD)1は、水平面内において、
θテーブル231によりθ軸方向に移動すると共に、X
・Yテーブル233によりX軸方向およびY軸方向に移
動する。
【0128】次に、ヘッド補正装置212について説明
する。ヘッド補正装置212は、認識装置214による
機能液滴吐出ヘッド3の位置認識に基づき、ヘッド保持
部材4を介して機能液滴吐出ヘッド3をX軸、Y軸およ
びθ軸方向に微小移動させて、機能液滴吐出ヘッド3の
位置決め(位置補正)を行うものである。また同時に、
ヘッド補正装置212は仮固定装置213と協働し、接
着剤が凝固するまでヘッド保持部材4をキャリッジ2に
押し付けるよう機能する。
【0129】図23および図33に示すように、ヘッド
補正装置212は、上記の機台204の奥側に取り付け
た補正装置用スタンド301と、これに載置された補正
用X・Yテーブル302と、補正用X・Yテーブル30
2に支持された補正用θテーブル303と、補正用θテ
ーブル303に支持されたアームユニット304とで構
成されている。この場合、補正用θテーブル303は、
ユニット移動装置211のθテーブル232と全く同一
の構造を有しているため、ここでは説明を省略する。な
お、θテーブル232ではその進退駆動部243が左側
に位置するように配設されているが、この補正用θテー
ブル303では右側に位置するように配設されている
(図23参照)。
【0130】補正装置用スタンド301は、図33に示
すように、補正用X・Yテーブル302が載置されるベ
ースプレート307と、ベースプレート307を支持す
る3組の脚ユニット308,308,308とを有して
いる。3組の脚ユニット308は、左部、右部および中
央後部の3個所に配設されており、それぞれ一対の支柱
309,309と、一対の支柱309,309の上下に
固定した上板310および下板311とで構成されてい
る。
【0131】この場合、補正装置用スタンド301の下
側空間には、ユニット移動装置211により移動するヘ
ッドユニット1が臨み、補正装置用スタンド301から
張り出したアームユニット304がこのヘッドユニット
1に上側から臨む(ヘッド保持部材4に係合)ようにな
っている。そして、ヘッドユニット1の移動およびキャ
リッジ2の位置補正は、ユニット移動装置211により
行われ、各液滴ヘッド3の位置補正は、このヘッド補正
装置212により行われる。したがって、任意の1の機
能液滴吐出ヘッド3が仮固定された後、ユニット移動装
置211がヘッドユニット1を移動させて、次の機能液
滴吐出ヘッド3をヘッド補正装置212に臨ませる。
【0132】図33ないし図36に示すように、補正用
X・Yテーブル302は、補正装置用スタンド301の
中央に載置されており、補正用θテーブル302を支持
する支持ブロック314と、支持ブロック314をX軸
方向にスライド自在に支持する補正用X軸テーブル31
5と、補正用X軸テーブル315をY軸方向にスライド
自在に支持する補正用Y軸テーブル316とを有してい
る。支持ブロック314には、4箇所にねじ孔318を
有しており、この4箇所にねじ孔318を介して支持ブ
ロック314に補正用θテーブル303が固定されてい
る。
【0133】補正用X軸テーブル315は、X軸エアー
スライダ320と、X軸リニアモータ321と、X軸エ
アースライダ320に併設したX軸リニアスケール32
2とで構成されている。同様に、補正用Y軸テーブル3
16は、Y軸エアースライダ323と、Y軸リニアモー
タ324と、Y軸エアースライダ323に併設したY軸
リニアスケール325とで構成されている。なお、図中
の符号、326,327は、それぞれX軸ケーブルベア
およびY軸ケーブルベアであり、また、符号328,3
28は、両リニアモータ321,324のアンプであ
る。
【0134】図37、図38および図39に示すよう
に、アームユニット304は、ヘッド保持部材4の一対
の係合孔76,76に係合する一対の係合アーム33
1,331と、一対の係合アーム331,331を支持
するブラケット332と、ブラケット332を昇降させ
るアーム昇降機構333と、アーム昇降機構333を支
持する支持台334とで構成されている。支持台334
は、補正用θテーブル303に固定される固定板336
と、固定板336から前方に延びる一対のL字アーム3
37,337と、一対のL字アーム337,337の前
端に固定した鉛直板338とで構成され、前方に向かっ
て逆「L」字状に延在している。
【0135】アーム昇降機構333は、ブラケット33
2を昇降自在に支持する昇降スライダ340と、鉛直板
338の下部に固定され昇降スライダ340を昇降させ
るエアーシリンダ341とで構成されている。エアーシ
リンダ341は、上記のエアー供給機器203に接続さ
れており、エアーバルブ等の切り替えにより昇降スライ
ダ340を案内にしてブラケット332を昇降させる。
ブラケット332は、「L」字状に形成され、先端が二
股に形成されている。そして、この二股部分に、それぞ
れ係合アーム331,331が下向きに取り付けられて
いる。
【0136】各係合アーム331は、図40に示すよう
に、ヘッド保持部材4の係合孔76に挿入される係合ピ
ン343と、係合ピン343を上下動自在に保持するピ
ンホルダ344と、ピンホルダ344に内蔵され係合ピ
ン343を下方に付勢するコイルばね345とを有して
いる。ピンホルダ344の上端部は、ブラケット332
に下側から嵌合するようにして固定されている。係合ピ
ン343の先端部は、テーパー形状に形成されており、
このテーパー部347は、ヘッド保持部材4の係合孔7
6に対し基端側が太径に先端側が細径に形成されてい
る。これにより、係合ピン343は係合孔76にがたつ
きなく、係合するようになっている。
【0137】初期状態において、両係合アーム331,
331はエアーシリンダ341により上昇端位置に移動
しており、ユニット移動装置211によりヘッドユニッ
ト1を移動させた後、エアーシリンダ341により両係
合アーム331,331を下降させると、その一対の係
合ピン343,343が、所望のヘッド保持部材4の係
合孔76,76に係合する。また、エアーシリンダ34
1は、上記の制御装置215によりタイマー制御されて
おり、仮固定装置213により塗布された接着剤が凝固
するまで、位置補正後のヘッド保持部材4をそのままキ
ャリッジ2に押圧している。
【0138】すなわち、両係合アーム331,331を
下降させたエアーシリンダ341は、ヘッド保持部材4
の位置補正および接着剤の塗布(詳細後述する)が行わ
れた後、接着剤の凝固時間(所定の接着強度に達する時
間)が経過した時に両係合アーム331,331を元の
位置に上昇させる。なお、本実施形態では、係合ピン3
43をコイルばね345で付勢するようにしているが、
コイルばね345を省略し、係合ピン343とピンホル
ダ344とを一体化した単純な構造にしてもよい。
【0139】以上の構成では、アームユニット304の
両係合アーム331,331が下降して、ヘッド保持部
材4に係合すると、補正用θテーブル303および補正
用X・Yテーブル302が駆動して、ヘッド保持部材4
を介して機能液滴吐出ヘッド3を位置決めする。そし
て、接着剤が凝固するまで、この位置決め状態が維持さ
れる。すなわち、アームユニット304の両係合アーム
331,331が、位置決め状態でヘッド保持部材4を
キャリッジ2に向かって押さえており、このヘッド保持
部材4に仮固定装置(接着)213が臨むことになる。
【0140】次に、位置認識装置214について説明す
る。図24および図41に示すように、位置認識装置2
14は、補正用X・Yテーブル302の前部を跨ぐよう
に補正装置用スタンド301上に固定したカメラスタン
ド351と、カメラスタンド351の前面に固定したカ
メラ位置調節ユニット352と、カメラ位置調節ユニッ
ト352に取り付けた撮像手段たる一対の認識カメラ
(CCDカメラ)353,353とで構成されている。
【0141】カメラスタンド351は、逆「L」字状に
前方に延びる左右一対の脚片部材355,355と、一
対の脚片部材355,355間に渡した横長の前面プレ
ート356とを有している。カメラ位置調節ユニット3
52を介して前面プレート356に固定された一対の認
識カメラ353,353は、ヘッド補正装置212の一
対の係合アーム331,331より幾分高い位置に、且
つ幾分前方に張り出した位置に配設され(図25参
照)、係合アーム331との干渉が防止されるようにな
っている。
【0142】図41ないし図44に示すように、カメラ
位置調節ユニット352は、前面プレート356に添設
したZ軸調整プレート358と、Z軸調整プレート35
8の下端部に取り付けたマイクロステージ359と、左
側の認識カメラ353aを保持する左カメラホルダ36
0と、右側の認識カメラ353bを保持する右カメラホ
ルダ361とを有している。Z軸調整プレート358
は、前面プレート356との間に鉛直方向に延びる一対
のガイドレール362,362を有すると共に、前面プ
レート356の上端に突き当てたアジャストボルト36
3を有している。このアジャストボルト363の正逆回
転により、Z軸調整プレート358を介して、両認識カ
メラ353,353の上下方向の位置が調節できるよう
になっている。
【0143】マイクロステージ359は、右カメラホル
ダ361を介して右側の認識カメラ353Rを支持する
X軸ステージ365と、X軸ステージ365を支持する
と共にZ軸調整プレート358の下端部に固定したY軸
ステージ366とで構成されている。X軸ステージ36
5は、右側の認識カメラ353RをX軸方向に微小移動
可能に構成され、右側の認識カメラ353Rにおける前
後方向の位置を調節可能に構成されている。同様に、Y
軸ステージ366は、右側の認識カメラ353Rにおけ
る左右方向の位置を調節可能に構成されている。
【0144】一方、左カメラホルダ360は、Z軸調整
プレート358の下端部に固定されている。このため、
左カメラホルダ360を介して固定的に設けた左側の認
識カメラ353Lに対し、右側の認識カメラ353Rを
マイクロステージ359で位置調節するようになってい
る。上述したように、左右の認識カメラ353L,35
3Rにより、両端の吐出ヘッド57a,57aを同時に
位置認識するため、特に新規の機能液滴吐出ヘッド3を
扱うときには、予めマイクロステージ359により、左
右の認識カメラ353L,353Rの離間距離、すなわ
ち視野間距離を調節するようにしている。
【0145】また、各認識カメラ353は、これと同軸
上の鏡筒353aを備え、対象物を拡大して撮像するよ
うに構成されている。更に、各認識カメラ353には、
照明光を各認識カメラ353の光軸と同軸方向から照射
する同軸照明手段367と、照明光を各認識カメラ35
3の光軸に対し傾斜した方向から照射する斜め照明手段
368とを付設し、同軸照明手段367と斜め照明手段
368とを選択的に作動させるようにしている。なお、
同軸照明手段367は、鏡筒353aの外面に設けた光
導入部367aからの照明光を鏡筒353a内のハーフ
ミラーで反射させ、鏡筒353aを介して対象物に照明
光を照射するように構成されている。図中の符号369
は、カメラ位置調節ユニット352および両認識カメラ
353,353を一体に覆うカメラカバーである。
【0146】このように構成された認識装置214で
は、一方の認識カメラ353とユニット移動機構211
のX軸テーブル271との協働により、キャリッジ2の
2つの位置認識マーク(基準ピン12,12)26,2
6が画像認識される。すなわち、一方の認識カメラ35
3により一方の基準ピン12の画像認識が行われ、続い
てキャリッジ2がX軸方向に移動して他方の基準ピン1
2の画像認識が行われる。そして、この認識結果に基づ
いて、ユニット移動装置211によりキャリッジ(ヘッ
ドユニット1)2の位置補正が行われ、さらに確認のた
め再度の位置認識が行われる。
【0147】また、一対の認識カメラ353,353に
より、各機能液滴吐出ヘッド3の基準となるノズル列5
3の両端の吐出ノズル57a,57aが、同時に位置認
識される。すなわち、該当する機能液滴吐出ヘッド3
が、そのノズル形成面52の凹溝64の両端部近傍に一
対の認識カメラ353,353が対向する状態になる計
測位置に移動して、両端の吐出ヘッド57a,57aが
同時に画像認識される。また、この状態で、ヘッド保持
部材4にヘッド補正装置212が臨んで、機能液滴吐出
ヘッド3の位置補正が行われる、且つ仮固定装置213
による接着が行われる。なお、アライメントマスクDに
おける各マーク164,165の認識も、上記と同様に
為される。
【0148】ここで、ノズル列53の各端の吐出ノズル
57aの位置認識に際しては、各認識カメラ353の画
像に現れる凹溝64の端縁の位置をパターンマッチング
で特定し、この端縁に対し最寄りの吐出ノズルをノズル
列53の各端の吐出ノズル57aであるとして抽出し、
その画像位置を求める。この場合、同軸照明手段367
による照明を行うと、ノズル形成面52の表面状態(撥
水層52bの厚さや成分のばらつき)によっては、認識
カメラ353の画像において凹溝64の内外のコントラ
スト差があまりつかず、パターンマッチングエラーを生
じて、凹溝64の端縁の位置の特定、従って、端縁の位
置に基づくノズル列53の各端の吐出ノズル57aの抽
出ができなくなる。
【0149】そこで、本実施形態では、ノズル列53の
各端の吐出ノズル57aの位置認識に際し、斜め照明手
段368を作動させるようにした。これによれば、図5
1に示す如く、認識カメラ353の画像に凹溝64の端
縁に対応する影64aが現れる。そのため、ノズル形成
面52の表面状態に左右されずに、パターンマッチング
で凹溝64の端縁の位置を確実に特定でき、ノズル列5
3の各端の吐出ノズル57aを正確に抽出して、その画
像位置を求めることができる。
【0150】上記の如くして左側の認識カメラ353L
におけるノズル列53の左端の吐出ノズル57aの画像
位置と、右側の認識カメラ353Rにおけるノズル列5
3の右端の吐出ノズル57aの画像位置とを求めた後
は、これら両吐出ノズル57a,57aの画像位置から
機能液滴吐出ヘッド3の基準位置に対するX軸、Y軸お
よびθ軸方向の偏位を求め、この偏位に基づいて、ヘッ
ド補正装置212により機能液滴吐出ヘッド3を基準位
置に合致するように位置補正する。
【0151】ここで、右側の認識カメラ353Rは、上
記の如くマイクロステージ359を介して支持されてい
るため、その位置が微小ではあっても経時的に変化しや
すく、左側の認識カメラ353Lに対する右側の認識カ
メラ353Rの相対位置関係にずれを生ずる。このずれ
を生ずると、左右両端の吐出ノズル57a,57aの画
像位置だけでは機能液滴吐出ヘッド3の基準位置に対す
る偏位を正確に求められなくなる。
【0152】そこで、本実施形態では、左側の認識カメ
ラ353Lに対する右側の認識カメラ353Rの相対位
置関係のずれを予め計測し、このずれを加味して機能液
滴吐出ヘッド3の基準位置に対する偏位を求めている。
即ち、キャリッジ2に設けた2個の基準ピン12,12
の一方が左側と右側の認識カメラ353L,353Rに
順に対向するようにヘッドユニット1をユニット移動装
置211により所定の軌跡で移動させ、各認識カメラ3
53L,353Rの対向位置で撮像された一方の基準ピ
ン12上の位置認識マーク26の画像位置から左側の認
識カメラ353Lに対する右側の認識カメラ353Rの
相対位置関係のずれを計測している。
【0153】このずれの計測原理を図52に示す。先
ず、アライメントマスクDを用いてキャリッジ2の基準
位置および各機能液滴吐出ヘッド3の基準位置を認識記
憶させる際に、アライメントマスクDに設けた一方のキ
ャリッジ基準マーク165が左側と右側の認識カメラ3
53L,353Rに順に対向するようにアライメントマ
スクDをユニット移動装置211により所定の軌跡で移
動させる。
【0154】そして、左側の認識カメラ353Lの対向
位置で該カメラ353Lにより撮像されたキャリッジ基
準マーク165の画像位置(XoL,YoL)と、右側
の認識カメラ353Rの対向位置で該カメラ353Rに
より撮像されたキャリッジ基準マーク165の画像位置
(XoR,YoR)とから左側の認識カメラ353Lに
対する右側の認識カメラ353Rの位置ベクトルVo=
(XoR−XoL,YoR−YoL)を算出し、これを
左側の認識カメラ353Lに対する右側の認識カメラ3
53Rの基準相対位置関係を表す基準位置ベクトルとし
て記憶させておく(図52(a)参照)。
【0155】その後、ヘッドユニット1の組立作業に際
し、キャリッジ2の一方の基準ピン12が左側と右側の
認識カメラ353L,353Rに順に対向するようにヘ
ッドユニット1をユニット移動装置211によりアライ
メントマスクDのときと同一の所定軌跡で移動させ、左
側の認識カメラ353Lの対向位置で該カメラ353L
により撮像された位置認識マーク26の画像位置(Xs
L,YsL)と、右側の認識カメラ353Rの対向位置
で該カメラ353Rにより撮像された位置認識マーク2
6の画像位置(XsR,YsR)とから左側の認識カメ
ラ353Lに対する右側の認識カメラ353Rの実位置
ベクトルVs=(XsR−XsL,YsR−YsL)を
算出する(図52(b)参照)。
【0156】そして、実位置ベクトルVsから基準位置
ベクトルVoをベクトル減算して、左側の認識カメラ3
53Lに対する右側の認識カメラ353Rの相対位置関
係のずれベクトルΔV=Vs−Vo=(Xd,Yd)を
算出する(図52(c)参照)。そして、計測位置に存
する機能液滴吐出ヘッド3を左右の認識カメラ353
L,353Rで撮像したとき、右側の認識カメラ353
Rにおけるノズル列53の右端の吐出ノズル57aの画
像位置(XhR,YhR)からずれベクトルΔVを差し
引いて、右端の吐出ノズル57aの画像位置を左側の認
識カメラ353Lに対する右側の認識カメラ353Rの
相対位置関係がずれていない場合における画像位置(X
hR−Xd,YhR−Yd)に補正し、この補正画像位
置と左側の認識カメラ353Lにおけるノズル列53の
左端の吐出ノズル57aの画像位置とから機能液滴吐出
ヘッド3の基準位置に対する偏位を求める。
【0157】これによれば、左右の認識カメラ353
L,353Rの相対位置関係の経時変化の影響を受けず
に、機能液滴吐出ヘッド3の基準位置に対する偏位を正
確に求めることができる。尚、アライメントマスクDの
パターンやキャリッジ2の位置認識マーク26は、認識
カメラ353の光軸方向から照明光を照射した方が明瞭
に撮像でき、そのため、アライメントマスクDのパター
ンやキャリッジ2の位置認識マーク26を撮像する際は
同軸照明手段367を作動させる。
【0158】次に、仮固定装置213について説明す
る。図22および図45に示すように、上記の機台20
4の右部には、補正装置用スタンド301を跨ぐように
して前後方向に延びる共有スタンド219が設けられて
おり、仮固定装置213は、この共有スタンド219の
前部に配設されている。仮固定装置213は、4本のス
テー371で共有スタンド219に支持した方形支持プ
レート372と、方形支持プレート372の下面に固定
したエアーテーブル373と、エアーテーブル373の
先端部に固定した接着剤塗布装置374と、ホーム位置
に移動した接着剤塗布装置374に下側から臨む接着剤
トレイ375とを備えている。接着剤トレイ375は、
共有スタンド219に固定されており、接着剤塗布装置
374から垂れた接着剤を受けるようになっている。
【0159】図45ないし図49に示すように、エアー
テーブル373は、方形支持プレート372に取り付け
たY軸エアーテーブル377と、Y軸エアーテーブル3
77の先端部に取り付けたサブY軸エアーテーブル37
8と、サブY軸エアーテーブル378の先端部に取り付
けたX軸エアーテーブル379と、X軸エアーテーブル
379の先端部に取り付けたZ軸エアーテーブル380
とで構成されている。そして、これらY軸エアーテーブ
ル377、サブY軸エアーテーブル378、X軸エアー
テーブル379およびZ軸エアーテーブル380は、い
ずれも上記のエアー供給機器203に接続されたエアー
シリンダ377a,378a,379a,380aと、
スライダ377b,378b,379b,380bとで
構成されている。
【0160】接着剤塗布装置374は、上記のZ軸エア
ーテーブル380に固定した鉛直支持板382と、鉛直
支持板382の下部から先方に突出する左右一対の水平
支持ブロック383,383と、各水平支持ブロック3
83に取り付けた一対のディスペンサユニット384,
384と、上記の共有スタンド219に支持したディス
ペンサコントローラ385とで構成されている。一対の
ディスペンサユニット384,384は、上記一対の係
合アーム331,331や一対の認識カメラ353,3
53に対し、前方から対峙するように配設されている。
【0161】各ディスペンサユニット384は、先端に
接着剤注入ノズル387を装着したディスペンサ388
と、ディスペンサ388に接着剤を供給するカートリッ
ジ形式のシリンジ389と、ディスペンサ388および
シリンジ389を保持するディスペンサホルダ390と
を備えている。ディスペンサホルダ390は、水平支持
ブロック383の先端部に角度調節自在に取り付けられ
ており、本実施形態では、接着剤注入ノズル387が水
平に対し45度程度、傾くように調節されている。な
お、各水平支持ブロック383は、鉛直支持板382に
対し、前後および左右方向に位置調節可能に固定されて
いる。
【0162】上述したように、接着剤は、上記の2本の
接着剤注入ノズル387,387を用い、ヘッド保持部
材4の対となる一方の2つの接着剤注入孔77a,77
aに同時に注入(塗布)されると共に、両接着剤注入ノ
ズル387,387のY軸方向への移動を経た後、対と
なる他方の2つの接着剤注入孔77b,77bに同時に
注入(塗布)される。したがって、両接着剤注入ノズル
387,387の離間寸法は、ヘッド保持部材4におけ
る対を為す接着剤注入孔77a(77b),77a(7
7b)の離間寸法に対応している。また、所定の傾き角
度を有する各接着剤注入ノズル387は、長孔である接
着剤注入孔77に差し込まれ、その内周面に吹き付ける
ようにして接着剤を注入する。
【0163】ところで、ヘッド補正装置212は、位置
決め動作を完了した状態で、そのままヘッド保持部材4
をキャリッジ2に押し付けるようにして、これを不動に
保持している。これに対し、X軸エアーテーブル379
およびY軸エアーテーブル377が駆動して、2本の接
着剤注入ノズル387,387をヘッド保持部材4の2
つの接着剤注入孔77a,77aの直上部に移動させ
る。ここで、Z軸エアーテーブル380が駆動して、2
本の接着剤注入ノズル387,387を2つの接着剤注
入孔77a,77aに同時に挿入する。
【0164】つぎに、シリンダ389により、2本の接
着剤注入ノズル387,387から所定量(ディスペン
サコントローラ385で調整)の接着剤が注入される。
続いて、Z軸エアーテーブル380により、2本の接着
剤注入ノズル387,387を上昇させると共に、サブ
Y軸エアーテーブル378を駆動して、2本の接着剤注
入ノズル387,387を、他方の2つの接着剤注入孔
77b,77bの直上部に移動させる。この場合、ヘッ
ド保持部材4における対となる2組の接着剤注入孔77
a(77b),77a(77b)間の距離は、一定して
いるため、ここでは、Y軸エアーテーブル377を停止
させ、サブY軸エアーテーブル378のみを駆動させる
ようにしている。
【0165】次に、再度、接着剤注入ノズル387,3
87を上昇させてから、仮固定装置213を休止させて
接着剤の凝固時間を待つ。凝固時間が経過すると、ヘッ
ド補正装置212がヘッド保持部材4に対する係合を解
き、任意の1つの機能液滴吐出ヘッド3の仮固定(位置
決めおよび接着)作業が完了する。そして、このヘッド
補正装置212と仮固定装置213との協働による機能
液滴吐出ヘッド3の位置決めおよび接着作業が、12回
繰り返されることにより、機能液滴吐出ヘッド3の仮固
定が完了し、それぞれヘッド補正装置212と仮固定装
置213はホーム位置に戻る。
【0166】ここで、図50を参照して、制御装置21
5について説明すると共に、この制御装置215に基づ
くヘッドユニット1の一連の組立手順について説明す
る。同図のブロック図に示すように、制御装置215に
おける制御系は、キャリッジ2や機能液滴吐出ヘッド3
の設計上の位置データ等を操作パネル401により入力
する入力部402と、ユニット移動装置211等の構成
装置を駆動する各種のドライバ等を有する駆動部403
と、認識カメラ353により位置認識を行う検出部40
4と、組立装置Aの各構成装置を統括制御する制御部4
05とを備えている。
【0167】駆動部403は、ユニット移動装置211
の各モータを駆動制御する移動用ドライバ407と、ヘ
ッド補正装置212の各モータを駆動制御する補正用ド
ライバ408と、仮固定装置213におけるエアーテー
ブル373の各エアーシリンダを駆動制御するエアー用
ドライバ409と、仮固定装置213におけるディスペ
ンサユニット384を制御するディスペンサコントロー
ラ385とを有している。
【0168】制御部405は、CPU411、ROM4
12、RAM413およびP−CON414を有してお
り、これらは互いにバス415を介して接続されてい
る。ROM412には、CPU411で処理する制御プ
ログラムを記憶する制御プログラムの他、各種の制御デ
ータを記憶する制御データ領域を有している。RAM4
13は、外部から入力した位置データや、認識カメラ3
53がアライメントマスクDから得たマスタ位置データ
等を記憶する位置データ領域の他、各種レジスタ群を有
し、制御処理のための作業領域として使用される。
【0169】P−CON414は、CPU411の機能
を補うと共に、周辺回路とのインターフェース信号を取
り扱うための論理回路やタイマー416が組み込まれて
いる。このため、P−CON414は、操作パネル40
1と接続され入力部402からの各種指令などを、その
まま或いは加工してバス415に取り込む。また、P−
CON414はCPU411と連動して、CPU411
等からバス415に出力されたデータや制御信号を、そ
のまま或いは加工して駆動部に出力する。
【0170】そして、CPU411は、上記の構成によ
り、ROM412内の制御プログラムにしたがって、P
−CON414を介して各種検出信号、各種指令、各種
データ等を入力し、RAM413内の各種データを処理
し、P−CON414を介して駆動部403に制御信号
を出力する。これにより、ユニット移動装置211、ヘ
ッド補正装置212、仮固定装置213等の組立装置A
全体が制御される。
【0171】例えば、認識カメラ353から得たアライ
メントマスクDのマスタ位置データ、および認識カメラ
353から得たヘッドユニット1のユニット位置データ
は、RAM413内に格納され、ROM412内の制御
プログラムに従って、マスタ位置データとユニット位置
データとが比較され、その比較結果に基づいて、ユニッ
ト移動装置211、ヘッド補正装置212等が制御され
る。
【0172】ここで、実施形態の組立装置Aによるヘッ
ドユニット1の組立方法について、順を追って説明す
る。この組立装置Aでは、ヘッドユニット1の導入に先
立って、先ずアライメントマスクDが導入される。アラ
イメントマスクDがセットテーブル231にセットされ
ると、ユニット移動装置211が駆動し、アライメント
マスクDの一方のキャリッジ基準マーク165を一方の
認識カメラ353に臨ませ、一方のキャリッジ基準マー
ク165を位置認識する。次に、ユニット移動装置21
1のX軸テーブル271が駆動し、他方のキャリッジ基
準マーク165を認識カメラ353に臨ませ、他方のキ
ャリッジ基準マーク165を位置認識する。また、一方
のキャリッジ基準マーク165を一方の認識カメラ35
3と他方の認識カメラ353に順に臨ませ、一方の認識
カメラ353(左側の認識カメラ353L)に対する他
方の認識カメラ353(右側の認識カメラ353R)の
基準位置ベクトルを求める。
【0173】次に、ユニット移動装置211が駆動し、
アライメントマスクDの端部に位置するヘッド基準マー
ク164を一対の認識カメラ353,353に同時に臨
ませ、2個所のヘッド基準マーク164,164を同時
に位置認識する。これを、順に繰り返して、12個の機
能液滴吐出ヘッド3に対応する12組のヘッド基準マー
ク164を位置認識する。このようにして、アライメン
トマスクDの位置認識が完了したら、アライメントマス
クDをホーム位置に戻し、セットテーブル231にヘッ
ドユニット1を載せかえる。
【0174】ここで、ヘッドユニット1を上記と同様の
手順で移動させ、先ずキャリッジ2の一対の基準ピン1
2,12を位置認識し、この認識結果に基づいて、ユニ
ット移動装置211によりキャリッジ(ヘッドユニット
1)2を位置補正する。また、キャリッジ2の一方の基
準ピン12を一方の認識カメラ353と他方の認識カメ
ラ353に順に臨ませ、一方の認識カメラ353(左側
の認識カメラ353L)に対する他方の認識カメラ35
3(右側の認識カメラ353R)の実位置ベクトルを求
め、実位置ベクトルと基準位置ベクトルとから両認識カ
メラ353,353の相対位置関係のずれを計測する。
【0175】次に、第1番目の機能液滴吐出ヘッド3を
計測位置に移動させ、この機能液滴吐出ヘッド3のヘッ
ド保持部材4にヘッド補正装置212の一対の係合アー
ム331を係合させる。ここで、一対の認識カメラ35
3,353により第1番目の機能液滴吐出ヘッド3の計
測箇所たるノズル列53の両端の吐出ノズル57a,5
7aを撮像し、これら吐出ノズル57a,57aの画像
位置から両認識カメラ353,353の相対位置関係の
ずれを加味して第1番目の機能液滴吐出ヘッド3の基準
位置に対する偏位を求める。
【0176】次に、ヘッド補正装置212を駆動し、上
記の偏位に基づきヘッド保持部材4を介して機能液滴吐
出ヘッド3を位置補正して基準位置に位置決めする。そ
して、この位置決め状態のまま、仮固定装置213を駆
動し、一対の接着剤注入ノズル387,387をヘッド
保持部材4に臨ませて、接着剤の注入を行う。接着剤の
注入は、仮固定装置213のサブY軸エアーシリンダ3
78により、接着剤注入ノズル387の移動を伴って2
回行われる。接着剤の注入が完了したら、タイマー制御
により接着剤の硬化を待って、ヘッド補正装置212の
ヘッド保持部材4への係合を解く。
【0177】このようにして、第1番目の機能液滴吐出
ヘッド3の位置決めおよび仮固定が完了し、この作業を
第2番目から第12番目の機能液滴吐出ヘッド3まで繰
り返す。尚、各機能液滴吐出ヘッド3の仮固定が完了し
てから次の機能液滴吐出ヘッド3を計測位置に移動する
前に、毎回、キャリッジ2の一方の基準ピン12を一方
の認識カメラ353と他方の認識カメラ353に順に臨
ませて、両認識カメラ353,353の相対位置関係の
ずれを計測し、次の機能液滴吐出ヘッド3の位置認識に
際し、直前に計測された両認識カメラ353,353の
相対位置関係のずれを加味して基準位置に対する偏位を
もとめる。
【0178】そして、最後に、ユニット移動装置21
1、ヘッド補正装置212および仮固定装置213を、
それぞれホーム位置に戻し、組み立てられたヘッドユニ
ット1をセットテーブル231から外す。その後、ヘッ
ドユニット1は、機能液滴吐出ヘッド3の洗浄を経ると
共に、これに、ハンドル14や両アッセンブリ15,1
6等の構成部品を組み込んで、描画装置Bに運び込まれ
る。
【0179】なお、本実施形態では、機能液滴吐出ヘッ
ド3を、ヘッド保持部材4を介してキャリッジ2に接着
し、接着部分が金属−金属の接着となるようにしている
が、機能液滴吐出ヘッド3を直接、キャリッジ2に接着
する構造にしてもよい。
【0180】ところで、以上の方法で組み立てられるヘ
ッドユニット1は、上記の描画装置Bのみならず、各種
フラットディスプレイの製造方法や、各種の電子デバイ
スおよび光デバイスの製造方法等にも適用可能である。
そこで、このヘッドユニット1を用いた製造方法を、液
晶表示装置の製造方法および有機EL装置の製造方法を
例に、説明する。
【0181】図53は、液晶表示装置のカラーフィルタ
の部分拡大図である。図53(a)は平面図であり、図
53(b)は図53(a)のB−B´線断面図である。
断面図各部のハッチングは一部省略している。
【0182】図53(a)に示されるように、カラーフ
ィルタ500は、マトリクス状に並んだ画素(フィルタ
エレメント)512を備え、画素と画素の境目は、仕切
り513によって区切られている。画素512の1つ1
つには、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかのイ
ンク(フィルタ材料)が導入されている。この例では
赤、緑、青の配置をいわゆるモザイク配列としたが、ス
トライプ配列、デルタ配列など、その他の配置でも構わ
ない。
【0183】図53(b)に示されるように、カラーフ
ィルタ500は、透光性の基板511と、遮光性の仕切
り513とを備えている。仕切り513が形成されてい
ない(除去された)部分は、上記画素512を構成す
る。この画素512に導入された各色のインクは着色層
521を構成する。仕切り513及び着色層521の上
面には、オーバーコート層522及び電極層523が形
成されている。
【0184】図54は、本発明の実施形態によるカラー
フィルタの製造方法を説明する製造工程断面図である。
断面図各部のハッチングは一部省略している。
【0185】膜厚0.7mm、たて38cm、横30c
mの無アルカリガラスからなる透明基板511の表面
を、熱濃硫酸に過酸化水素水を1重量%添加した洗浄液
で洗浄し、純水でリンスした後、エア乾燥を行って清浄
表面を得る。この表面に、スパッタ法によりクロム膜を
平均0.2μmの膜厚で形成し、金属層514´を得る
(図54:S1)。
【0186】この基板をホットプレート上で、80℃で
5分間乾燥させた後、金属層514´の表面に、スピン
コートによりフォトレジスト層(図示せず)を形成す
る。この基板表面に、所要のマトリクスパターン形状を
描画したマスクフィルムを密着させ、紫外線で露光をお
こなう。次に、これを、水酸化カリウムを8重量%の割
合で含むアルカリ現像液に浸漬して、未露光の部分のフ
ォトレジストを除去し、レジスト層をパターニングす
る。続いて、露出した金属層を、塩酸を主成分とするエ
ッチング液でエッチング除去する。このようにして所定
のマトリクスパターンを有する遮光層(ブラックマトリ
クス)514を得ることができる(図54:S2)。遮
光層514の膜厚は、およそ0.2μmである。また、
遮光層514の幅は、およそ22μmである。
【0187】この基板上に、さらにネガ型の透明アクリ
ル系の感光性樹脂組成物515´をやはりスピンコート
法で塗布する(図54:S3)。これを100℃で20
分間プレベークした後、所定のマトリクスパターン形状
を描画したマスクフィルムを用いて紫外線露光を行な
う。未露光部分の樹脂を、やはりアルカリ性の現像液で
現像し、純水でリンスした後スピン乾燥する。最終乾燥
としてのアフターベークを200℃で30分間行い、樹
脂部を十分硬化させることにより、バンク層515が形
成され、遮光層514及びバンク層515からなる仕切
り513が形成される(図54:S4)。このバンク層
515の膜厚は、平均で2.7μmである。また、バン
ク層515の幅は、およそ14μmである。
【0188】得られた遮光層514およびバンク層51
5で区画された着色層形成領域(特にガラス基板511
の露出面)のインク濡れ性を改善するため、ドライエッ
チング、すなわちプラズマ処理を行なう。具体的には、
ヘリウムに酸素を20%加えた混合ガスに高電圧を印加
し、プラズマ雰囲気でエッチングスポットに形成し、基
板を、このエッチングスポット下を通過させてエッチン
グする。
【0189】次に、仕切り513で区切られて形成され
た画素512内に、上記R(赤)、G(緑)、B(青)
の各インクをインクジェット方式により導入する(図5
4:S5)。機能液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッ
ド)には、ピエゾ圧電効果を応用した精密ヘッドを使用
し、微小インク滴を着色層形成領域毎に10滴、選択的
に飛ばす。駆動周波数は14.4kHz、すなわち、各
インク滴の吐出間隔は69.5μ秒に設定する。ヘッド
とターゲットとの距離は、0.3mmに設定する。ヘッ
ドよりターゲットである着色層形成領域への飛翔速度、
飛行曲がり、サテライトと称される分裂迷走滴の発生防
止のためには、インクの物性はもとよりヘッドのピエゾ
素子を駆動する波形(電圧を含む)が重要である。従っ
て、あらかじめ条件設定された波形をプログラムして、
インク滴を赤、緑、青の3色を同時に塗布して所定の配
色パターンにインクを塗布する。
【0190】インク(フィルタ材料)としては、例えば
ポリウレタン樹脂オリゴマーに無機顔料を分散させた
後、低沸点溶剤としてシクロヘキサノンおよび酢酸ブチ
ルを、高沸点溶剤としてブチルカルビトールアセテート
を加え、さらに非イオン系界面活性剤0.01重量%を
分散剤として添加し、粘度6〜8センチポアズとしたも
のを用いる。
【0191】次に、塗布したインクを乾燥させる。ま
ず、自然雰囲気中で3時間放置してインク層516のセ
ッティングを行った後、80℃のホットプレート上で4
0分間加熱し、最後にオーブン中で200℃で30分間
加熱してインク層516の硬化処理を行って、着色層5
21が得られる(図54:S6)。
【0192】上記基板に、透明アクリル樹脂塗料をスピ
ンコートして平滑面を有するオーバーコート層522を
形成する。さらに、この上面にITO(Indium Tin Oxi
de)からなる電極層523を所要パターンで形成して、
カラーフィルタ500とする(図54:S7)。なお、
オーバーコート層522をインクジェット法で形成する
ようにしてもよい。
【0193】図55は、本発明の製造方法により製造さ
れる電気光学装置(フラットディスプレイ)の一例であ
るカラー液晶表示装置の断面図である。断面図各部のハ
ッチングは一部省略している。
【0194】このカラー液晶表示装置550は、カラー
フィルタ500と対向基板566とを組み合わせ、両者
の間に液晶組成物565を封入することにより製造され
る。液晶表示装置550の一方の基板566の内側の面
には、TFT(薄膜トランジスタ)素子(図示せず)と
画素電極563とがマトリクス状に形成されている。ま
た、もう一方の基板として、画素電極563に対向する
位置に赤、緑、青の着色層521が配列するようにカラ
ーフィルタ500が設置されている。
【0195】基板566とカラーフィルタ500の対向
するそれぞれの面には、配向膜561、564が形成さ
れている。これらの配向膜561、564はラビング処
理されており、液晶分子を一定方向に配列させることが
できる。また、基板566およびカラーフィルタ500
の外側の面には、偏光板562、567がそれぞれ接着
されている。また、バックライトとしては蛍光燈(図示
せず)と散乱板の組合わせが一般的に用いられており、
液晶組成物565をバックライト光の透過率を変化させ
る光シャッターとして機能させることにより表示を行
う。
【0196】なお、電気光学装置は、本発明では上記の
カラー液晶表示装置に限定されず、例えば薄型のブラウ
ン管、あるいは液晶シャッター等を用いた小型テレビ、
EL表示装置、プラズマディスプレイ、CRTディスプ
レイ、FED(Field Emission Display)パネル等の種
々の電気光学手段を用いることができる。
【0197】次に、図56ないし図60を参照して、有
機EL装置の有機EL(表示装置)とその製造方法を説
明する。
【0198】図56は、表示装置600の一部を示す回
路図であって、この表示装置600は、透明の表示基板
上に、複数の走査線631と、これら走査線631に対
して交差する方向に延びる複数の信号線632と、これ
ら信号線632に並列に延びる複数の共通給電線633
と、がそれぞれ配線された構成を有するとともに、走査
線631及び信号線632の各交点毎に、画素領域素6
00Aが設けられている。
【0199】信号線632に対しては、シフトレジス
タ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイッチを
備えるデータ側駆動回路601か設けられている。
【0200】また、走査線631に対しては、シフトレ
ジスタおよびレベルシフタを備える走査側駆動回路60
2が設けられている。さらに、また、画素領域600A
の各々には、走査線631を介して走査信号がゲート電
極に供給されるスイッチング薄膜トランジスタ643
と、このスイッチング薄膜トランジスタ643を介して
信号線632から供給される画像信号を保持する保持容
量capと、該保持容量capによって保持された画像
信号がゲート電極に供給されるカレント薄膜トランジス
タ644と、このカレント薄膜トランジスタ644を介
して共通給電線633に電気的に接続したときに共通給
電線633から駆動電流が流れ込む画素電極642と、
この画素電極642と反射電極652との間に挟み込ま
れる発光素子641と、が設けられている。
【0201】かかる構成であれば、走査線631が駆動
されてスイッチング薄膜トランジスタ643がオンとな
ると、その時の信号線632の電位が保持容量capに
保持され、該保持容量capの状態に応じて、カレント
薄膜トランジスタ644のオン・オフ状態が決まる。そ
して、カレント薄膜トランジスタ644のチャネルを介
して、共通給電線633から画素電極642に電流が流
れ、さらに発光素子641を通じて反射電極652に電
流が流れるから、発光素子641は、これを流れる電流
量に応じて発光する。
【0202】ここで、各画素領域600Aの平面構造
は、反射電極や発光素子を取り除いた状態での拡大平面
図である図57に示すように、平面形状が長方形の画素
電極642の四辺が、信号線632、共通給電線63
3、走査線631及び図示しない他の画素電極用の走査
線によって囲まれた配置となっている。
【0203】図58〜図60は、画素領域600Aの製
造過程を順次示す断面図であって、図57のA−A線断
面に相当する。以下、図58〜図60に従って、画素領
域600Aの製造工程を説明する。
【0204】先ず、図58(a)に示すように、透明の
表示基板621に対して、必要に応じて、TEOS(テ
トラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料ガスとして
プラズマCVD法により厚さが約2000〜5000オ
ングストロームのシリコン酸化膜からなる下地保護膜
(図示せず。)を形成する。次いで、表示基板621の
温度を約350℃に設定して、下地保護膜の表面にプラ
ズマCVD法により厚さが約300〜700オングスト
ロームのアモルファスのシリコン膜からなる半導体膜7
00を形成する。次にアモルファスのシリコン膜からな
る半導体膜700に対して、レーザアニールまたは固相
成長法などの結晶化工程を行い、半導体膜700をポリ
シリコン膜に結晶化する。レーザアニール法では、例え
ば、エキシマレーザでビームの長寸が400mmのライ
ンビームを用い、その出力強度はたとえば200mJ/
cm2である。ラインビームについてはその短寸方向に
おけるレーザ強度のピーク値の90%に相当する部分が
各領域毎に重なるようにラインビームを走査する。
【0205】次いで、図58(b)に示すように、半導
体膜700をパターニングして島状の半導体膜710と
し、その表面に対して、TEOS(テトラエトキシシラ
ン)や酸素ガスなどを原料ガスとしてプラズマCVD法
により厚さが約600〜1500オングストロームのシ
リコン酸化膜または窒化膜からなるゲート絶縁膜720
を形成する。なお、半導体膜710は、カレント薄膜ト
ランジスタ644のチャネル領域及びソース・ドレイン
領域となるものであるが、異なる断面位置においてはス
イッチング薄膜トランジスタ643のチャネル領域及び
ソース・ドレイン領域となる半導体膜も形成されてい
る。つまり、図58〜図60に示す製造工程では二種類
のトランジスタ643、644が同時に作られるのであ
るが、同じ手順で作られるため、以下の説明では、トラ
ンジスタに関しては、カレント薄膜トランジスタ644
についてのみ説明し、スイッチング薄膜トランジスタ6
43については説明を省略する。
【0206】次いで、図58(c)に示すように、アル
ミニウム、タンタル、モリプデン、チタン、タングステ
ンなどの金属膜からなる導電膜をスパッタ法により形成
した後、パターニングし、ゲート電極644Aを形成す
る。
【0207】この状態で、高温度のリンイオンを打ち込
んで、シリコン薄膜710に、ゲート電極644Aに対
して自己整合的にソース・ドレイン領域644a、64
4bを形成する。なお、不純物が導入されなかった部分
がチャネル領域644cとなる。
【0208】次いで、図58(d)に示すように、層間
絶縁膜730を形成した後、コンタクトホール731、
732を形成し、それらコンタクトホール731、73
2内に中継電極733、734を埋め込む。
【0209】次いで、図58(e)に示すように、層間
絶縁膜730上に、信号線632、共通給電線633及
び走査線(図58には図示せず。)を形成する。このと
き、信号線632、共通給電線633及び走査線の各配
線は、配線として必要な厚さに捕らわれることなく、十
分に厚く形成する。具体的には、各配線を1〜2μm程
度の厚さに形成する。ここで中継電極734と各配線と
は、同一工程で形成されていてもよい。この時、中継電
極733は、後述するITO膜により形成されることに
なる。
【0210】そして、各配線の上面をも覆うように層間
絶縁膜740を形成し、中継電極733に対応する位置
にコンタクトホール741を形成し、そのコンタクトホ
ール741内にも埋め込まれるようにITO膜を形成
し、そのITO膜をパターニングして、信号線632、
共通給電線633及び走査線に囲まれた所定位置に、ソ
ース・ドレイン領域644aに電気的に接続する画素電
極642を形成する。
【0211】ここで、図58(e)では、信号線632
及び共通給電線633に狭まれた部分が、光学材料が選
択的に配置される所定位置に相当するものである。そし
て、その所定位置とその周囲との間には、信号線632
や共通給電線633によって段差611が形成されてい
る。具体的には、所定位置の方がその周囲よりも低くな
っている凹型の段差611が形成されている。
【0212】次いで、図59(a)に示すように、表示
基板621の上面を上に向けた状態で、インクジェット
ヘッド方式により、発光素子641の下層部分に当たる
正孔注入層を形成するための液状(溶媒に溶かされた溶
液状)の光学材料(前駆体)612Aを吐出し、これを
段差611で囲まれた領域内(所定位置)に選択的に塗
布する。
【0213】正孔注入層を形成するための材料として
は、ポリマー前駆体がポリテトラヒドロチオフェニルフ
ェニレンであるポリフェニレンビニレン、1,1−ビス
ー(4−N,N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキ
サン、トリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニ
ウム等が挙げられる。
【0214】このとき、液状の前駆体612Aは、流動
性が高いため、水平方向に広がろうとするが、塗布され
た位置を取り囲むように段差611が形成されているた
め、その液状の前駆体612Aの1回当たりの塗布量を
極端に大量にしなければ、液状の前駆体612Aが段差
611を越えて所定位置の外側に広がることは防止され
る。
【0215】次いで、図59(b)に示すように、加熱
或いは光照射により液状の前駆体612Aの溶媒を蒸発
させて、画素電極642上に、固形の薄い正孔注入層6
41aを形成する。ここでは、液状の前駆体612Aの
濃度にもよるが、薄い正孔注入層641aしか形成され
ない。そこで、より厚い正孔注入層641aを必要とす
る場合には、図59(a)及び(b)の工程を必要回数
繰り返し実行し、図59(c)に示すように、十分な厚
さの正孔注入層641Aを形成する。
【0216】次いで、図60(a)に示すように、表示
基板621の上面を上に向けた状態で、インクジェット
ヘッド方式により、発光素子641の上層部分に当たる
有撃半導体膜を形成するための液状(溶媒に溶かされた
溶液状)の光学材料(有機蛍光材料)612Bを吐出
し、これを段差611で囲まれた領域内(所定位置)に
選択的に塗布する。
【0217】有機蛍光材料としては、シアノポリフェニ
レンビニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアルキル
フェニレン、2,3,6,7−テトラヒドロー11−オ
キソー1H・5H・11H(1)ペンゾビラノ[6,
7,8−ij]−キノリジンー10−カルボン酸、1,
1−ビスー(4−N,N−ジトリルアミノフェニル)シ
クロヘキサン、2−13・4´−ジヒドロキシフェニ
ル)−3,5,7−トリヒドロキシー1−ベンゾピリリ
ウムパークロレート、トリス(8−ヒドロキシキノリノ
ール)アルミニウム、2,3・6・7−テトラヒドロー
9−メチルー11−オキソー1H・5H・11H(1)
ベンゾピラノ[6,7,8−Ij]−キノリジン、アロ
マティックジアミン誘導体(TDP)、オキシジアゾー
ルダイマー(OXD)、オキシジアゾール誘専体(PB
D)、ジスチルアリーレン誘導体(DSA)、キノリノ
ール系金属錯体、ベリリウムーベンゾキノリノール錯体
(Bebq)、トリフェニルアミン誘導体(MTDAT
A)、ジスチリル誘導体、ピラゾリンダイマー、ルブレ
ン、キナクリドン、トリアゾール誘導体、ポリフェニレ
ン、ポリアルキルフルオレン、ポリアルキルチオフェ
ン、アゾメチン亜鉛錯体、ポリフイリン亜鉛錯体、ベン
ゾオキサゾール亜鉛錯体、フェナントロリンユウロピウ
ム錯体等が挙げられる。
【0218】このとき、液状の有機蛍光材料612B
は、流動性が高いため、やはり水平方向に広がろうとす
るが、塗布された位置を取り囲むように段差611が形
成されているため、その液状の有機蛍光材料612Bの
1回当たりの塗布量を極端に大量にしなければ、液状の
有機蛍光材料612Bが段差611を越えて所定位置の
外側に広がることは防止される。
【0219】次いで、図60(b)に示すように、加熱
或いは光照射により液状の有機蛍光材料612Bの溶媒
を蒸発させて、正孔注入層641A上に、固形の薄い有
機半導体膜641bを形成する。ここでは、液状の有機
蛍光材料612Bの濃度にもよるが、薄い有機半導体膜
641bしか形成されない。そこで、より厚い有機半導
体膜641bを必要とする場合には、図60(a)及び
(b)の工程を必要回数繰り返し実行し、図60(c)
に示すように、十分な厚さの有機半導体膜641Bを形
成する。正孔注入層641A及び有機半導体膜641B
によって、発光素子641が構成される。最後に、図6
0(d)に示すように、表示基板621の表面全体に若
しくはストライプ状に反射電極652を形成する。
【0220】このように、本実施の形態にあっては、発
光素子641が配置される処置位置を四方から取り囲む
ように信号線632、共通配線633等の配線を形成す
るとともに、それら配線を通常よりも厚く形成して段差
611を形成し、そして、液状の前駆体612Aや液状
の有機蛍光材料612Bを選択的に塗布するようにして
いるため、発光素子641のパターニング精度が高いと
いう利点がある。
【0221】そして、段差611を形成すると、反射電
極652は比較的凹凸の大きな面に形成されることにな
るが、その反射電極652の厚さをある程度厚くしてお
けば、断線等の不具合が発生する可能性は極めて小さく
なる。しかも、信号線632や共通配線633等の配線
を利用して段差611を形成するため、特に新たな工程
が増加する訳ではないから、製造工程の大幅な複雑化等
を招くこともない。なお、発光素子641の上層部を形
成する光学材料は、有機蛍光材料612Bに限定される
ものではなく、無機の蛍光材料であってもよい。
【0222】また、スイッチング素子としての各トラン
ジスタ643、644は、600℃以下の低温プロセス
で形成された多結晶シリコンにより形成することが望ま
しく、これにより、ガラス基板の使用による低コスト化
と、高移動度による高性能化が両立できる。なお、スイ
ッチング素子は、非晶質シリセンまたは600℃以上の
高温プロセスで形成された多結晶シリコンにより形成さ
れてもよい。そして、スイッチング薄膜トランジスタ6
43およびカレント薄膜トランジスタ644の他にトラ
ンジスタを設ける形式であってもよいし、或いは、一つ
のトランジスタで駆動する形式であってもよい。
【0223】また、段差611は、パッシブマトリクス
型表示素子の第1のバス配線、アクティブマトリク大型
表示素子の走査線631および、遮光層によって形成し
てもよい。
【0224】なお、発光素子641としては、発光効率
(正孔注入率)がやや低下するものの、正孔注入層64
1Aを省略してもよい。また、正孔注入層641Aに代
えて電子注入層を有機半導体膜641Bと反射電極65
2との間に形成してもよいし、或いは、正孔注入層及び
電子注入層の双方を形成してもよい。また、画素電極6
42および反射電極652をインクジェット法で、形成
してもよい。
【0225】また、上記実施の形態では、特にカラー表
示を念頭において、各発光素子641全体を選択的に配
置した場合について説明したが、例えば単色表示の表示
装置600の場合には、第59図に示すように、有機半
導体膜641Bは、表示基板621全面に一様に形成し
てもよい。ただし、この場合でも、クロストークを防止
するために正孔注入層641Aは各所定位置毎に選択的
に配置しなければならないため、段差611を利用した
塗布が極めて有効である。
【0226】以上、ヘッドユニット1を用いた液晶表示
装置や有機EL装置の製造方法について説明したが、ヘ
ッドユニット1は、電子放出装置の製造方法、PDP装
置の製造方法および電気泳動表示装置の製造方法等にも
適用することができる。
【0227】電子放出装置の製造方法では、複数の機能
液滴吐出ヘッドにR、G、B各色の各色の蛍光材料を導
入し、ヘッドユニットを介して複数の機能液滴吐出ヘッ
ドを主走査および副走査し、蛍光材料を選択的に吐出し
て、電極上に多数の蛍光体を形成する。なお、電子放出
装置は、FED(電界放出ディスプレイ)を含む上位の
概念である。
【0228】PDP装置の製造方法では、複数の機能液
滴吐出ヘッドにR、G、B各色の各色の蛍光材料を導入
し、ヘッドユニットを介して複数の機能液滴吐出ヘッド
を主走査および副走査し、蛍光材料を選択的に吐出し
て、背面基板上の多数の凹部にそれぞれ蛍光体を形成す
る。
【0229】電気泳動表示装置の製造方法では、複数の
機能液滴吐出ヘッドに各色の泳動体材料を導入し、ヘッ
ドユニットを介して複数の機能液滴吐出ヘッドを主走査
および副走査し、インク材料を選択的に吐出して、電極
上の多数の凹部にそれぞれ泳動体を形成する。なお、帯
電粒子と染料とから成る泳動体は、マイクロカプセルに
封入されていることが、好ましい。
【0230】更に、ヘッドユニットは、スペーサ形成方
法、金属配線形成方法、レンズ形成方法、レジスト形成
方法および光拡散体形成方法等にも適用可能である。
【0231】スペーサ形成方法は、2枚の基板間に微小
なセルギャップを構成すべく多数の粒子状のスペーサを
形成するものであり、複数の機能液滴吐出ヘッドにスペ
ーサを構成する粒子材料を導入し、ヘッドユニットを介
して複数の機能液滴吐出ヘッドを主走査および副走査
し、粒子材料を選択的に吐出して少なくとも一方の基板
上にスペーサを形成する。例えば、上記の液晶表示装置
や電気泳動表示装置における2枚の基板間のセルギャッ
プを構成する場合に有用であり、その他この種の微小な
ギャップを必要とする半導体製造技術に適用できること
はいうまでもない。
【0232】金属配線形成方法では、複数の機能液滴吐
出ヘッドに液状金属材料を導入し、ヘッドユニットを介
して複数の機能液滴吐出ヘッドを主走査および副走査
し、液状金属材料を選択的に吐出して、基板上に金属配
線を形成する。例えば、上記の液晶表示装置におけるド
ライバと各電極とを接続する金属配線や、上記の有機E
L装置におけるTFT等と各電極とを接続する金属配線
に適用することができる。また、この種のフラットディ
スプレイの他、一般的な半導体製造技術に適用できるこ
とはいうまでもない。
【0233】レンズ形成方法では、複数の機能液滴吐出
ヘッドにレンズ材料を導入し、ヘッドユニットを介して
複数の機能液滴吐出ヘッドを主走査および副走査し、レ
ンズ材料を選択的に吐出して、透明基板上に多数のマイ
クロレンズを形成する。例えば、上記のFED装置にお
けるビーム収束用のデバイスとして適用可能である。ま
た、各種の光デバイスに適用可能であることはいうまで
もない。
【0234】レジスト形成方法では、複数の機能液滴吐
出ヘッドにレジスト材料を導入し、ヘッドユニットを介
して複数の機能液滴吐出ヘッドを主走査および副走査
し、レジスト材料を選択的に吐出して、基板上に任意形
状のフォトレジストを形成する。例えば、上記の各種表
示装置おけるバンクの形成は元より、半導体製造技術の
主体を為すフォトリソグラフィー法において、フォトレ
ジストの塗布に広く適用可能である。
【0235】光拡散体形成方法では、ヘッドユニットの
組立装置により組み立てられたヘッドユニットを用い、
基板上に多数の光拡散体を形成する光拡散体形成方法で
あって、複数の機能液滴吐出ヘッドに光拡散材料を導入
し、ヘッドユニットを介して複数の機能液滴吐出ヘッド
を主走査および副走査し、光拡散材料を選択的に吐出し
て多数の光拡散体を形成する。この場合も、各種の光デ
バイスに適用可能であることはいうまでもない。
【0236】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、ノズル形成面の表面状態に左右されずに凹溝
の端縁に対し最寄りの吐出ノズルの画像位置を確実に求
められ、機能液滴吐出ヘッドの位置認識の確実性が向上
する。そして、このような位置認識装置をヘッドユニッ
トの組立装置で用いることにより、機能液滴吐出ヘッド
を正確に位置補正でき、ヘッドユニットの組立精度を向
上できる。
【0237】一方、本発明の液晶表示装置の製造方法、
有機EL装置の製造方法、FED装置の製造方法、PD
P装置の製造方法および電気泳動表示装置の製造方法に
よれば、各装置におけるフィルタ材料や発光材料等に適
した液滴吐出ヘッドを、精度良く組み付けたヘッドユニ
ットを用いることができるため、製造効率を向上させる
ことができる。
【0238】また、本発明のカラーフィルタの製造方
法、有機ELの製造方法、スペーサ形成方法、金属配線
形成方法、レンズ形成方法、レジスト形成方法および光
拡散体形成方法によれば、各電子デバイスや各光デバイ
スにおけるフィルタ材料や発光材料等に適した液滴吐出
ヘッドを、精度良く組み付けたヘッドユニットを用いる
ことができため、製造効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係るヘッドユニットの平面図であ
る。
【図2】 実施形態に係るヘッドユニットの正面図であ
る。
【図3】 実施形態に係るヘッドユニットの側面図であ
る。
【図4】 実施形態の基準ピンの構造図である。
【図5】 実施形態の機能液滴吐出ヘッド廻りの断面図
である。
【図6】 実施形態の機能液滴吐出ヘッドを模式的に表
した斜視図である。
【図7】 実施形態の機能液滴吐出ヘッドの拡大断面図
である。
【図8】 実施形態のヘッド保持部材の構造図である。
【図9】 実施形態の組付治具を用いたヘッドユニット
の組付方法を示す拡大斜視図である。
【図10】 実施形態の組付治具の構造図である。
【図11】 実施形態の組付治具を用いたヘッドユニッ
トの組付方法を示す平面図である。
【図12】 実施形態の組付治具を用いたヘッドユニッ
トの組付方法を示す正面図である。
【図13】 実施形態の描画装置の模式図である。
【図14】 実施形態の描画装置におけるメインキャリ
ッジの斜視図である。
【図15】 実施形態の描画装置におけるメインキャリ
ッジの平面図である。
【図16】 ヘッドユニットのセット方法を示す説明図
である。
【図17】 実施形態の描画装置におけるワイピング装
置の模式図である。
【図18】 実施形態のアライメントマスクにおけるマ
スタプレートの構造図である。
【図19】 実施形態のアライメントマスクの平面図で
ある。
【図20】 実施形態のアライメントマスクの正面図で
ある。
【図21】 実施形態の組立装置の正面側から見た全体
斜視図である。
【図22】 実施形態の組立装置の背面側から見た全体
斜視図である。
【図23】 実施形態の組立装置の全体平面図である。
【図24】 実施形態の組立装置の全体正面図である。
【図25】 実施形態の組立装置の左側から見た全体側
面図である。
【図26】 実施形態のユニット移動装置におけるX・
Yテーブル廻りの斜視図である。
【図27】 実施形態のユニット移動装置におけるセッ
トテーブルの構造図である。
【図28】 実施形態のユニット移動装置におけるθテ
ーブルの平面図である。
【図29】 実施形態のユニット移動装置におけるθテ
ーブルの裁断側面図である。
【図30】 実施形態のユニット移動装置におけるθテ
ーブルの正面図である。
【図31】 実施形態のユニット移動装置におけるX・
Yテーブル廻りの平面図である。
【図32】 実施形態のユニット移動装置におけるX・
Yテーブル廻りの正面図である。
【図33】 実施形態のヘッド補正装置における補正用
X・Yテーブル廻りの斜視図である。
【図34】 実施形態のヘッド補正装置における補正用
X・Yテーブル廻りの平面図である。
【図35】 実施形態のヘッド補正装置における補正用
X・Yテーブル廻りの正面図である。
【図36】 実施形態のヘッド補正装置における補正用
X・Yテーブル廻りの側面図である。
【図37】 実施形態のヘッド補正装置におけるアーム
ユニットの斜視図である。
【図38】 実施形態のヘッド補正装置におけるアーム
ユニットの正面図である。
【図39】 実施形態のヘッド補正装置におけるアーム
ユニットの側面図である。
【図40】 アームユニットの係合アームの断面図であ
る。
【図41】 実施形態の位置認識装置の斜視図である。
【図42】 実施形態の位置認識装置の平面図である。
【図43】 実施形態の位置認識装置の正面図である。
【図44】 実施形態の位置認識装置の側面図である。
【図45】 実施形態の仮固定装置の全体斜視図であ
る。
【図46】 実施形態の仮固定装置の平面図である。
【図47】 実施形態の仮固定装置の正面図である。
【図48】 実施形態の仮固定装置の側面図である。
【図49】 接着剤塗布装置の斜視図である。
【図50】 実施形態に係る制御装置のブロック図であ
る。
【図51】 計測位置に存する機能液滴吐出ヘッドを撮
像したカメラ画像を示す図である。
【図52】 左右の認識カメラの相対位置関係のずれの
計測原理を示す図である。
【図53】 実施形態のカラーフィルタの製造方法によ
り製造されるカラーフィルタの部分拡大図である。
【図54】 実施形態のカラーフィルタの製造方法を模
式的に示す製造工程断面図である。
【図55】 実施形態のカラーフィルタの製造方法によ
り製造される液晶表示装置の断面図である。
【図56】 実施形態の有機ELの製造方法により製造
される表示装置の回路図である。
【図57】 表示装置の画素領域の平面構造を示す拡大
平面図である。
【図58】 実施形態の有機ELの製造方法を模式的に
示す製造工程(1)の断面図である。
【図59】 実施形態の有機ELの製造方法を模式的に
示す製造工程(2)の断面図である。
【図60】 実施形態の有機ELの製造方法を模式的に
示す製造工程(3)の断面図である。
【図61】 実施形態の描画装置におけるキャリッジの
認識動作を示す模式図である。
【符号の説明】
A 組立装置 1 ヘッドユニ
ット 2 キャリッジ 3 機能液滴吐
出ヘッド 50 ヘッド本体 52 ノズル形
成面 53 ノズル列 57 吐出ノズ
ル 57a ノズル列の端の吐出ノズル 64 凹溝 211 ユニット移動装置 212 ヘッド
補正装置 214 位置認識装置 353 認識カ
メラ(撮像手段) 367 同軸照明手段 368 斜め照
明手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05D 7/00 G02B 3/00 Z 2H092 G02B 3/00 5/20 101 4D075 5/20 101 G02F 1/1335 505 4F033 G02F 1/1335 505 1/1339 500 4F041 1/1339 500 1/1343 4F042 1/1343 G03F 7/16 501 5F046 G03F 7/16 501 B41J 3/04 101Z H01L 21/027 H01L 21/30 564Z Fターム(参考) 2C056 EB08 EB36 FA04 FA15 FB01 HA07 2H025 AA00 AB13 AB14 CC11 EA04 2H048 BA02 BA11 BA55 BA64 BB02 BB42 2H089 LA12 MA03X MA04X MA06X MA07X NA05 NA09 NA12 NA60 QA12 QA16 2H091 FA02X FA02Y FA02Z FB02 FC01 FC29 FD04 GA02 GA04 GA08 LA12 LA30 2H092 GA13 GA21 GA26 GA30 GA33 GA38 GA41 GA44 GA46 GA48 GA57 HA01 HA11 HA15 HA16 HA21 JB21 JB22 JB23 JB31 JB32 KB01 KB04 KB05 MA02 MA10 MA12 MA29 MA35 NA27 NA29 PA03 4D075 AC06 AC07 CA47 CB08 CB09 DA04 DA06 DA31 DB13 DB14 DB31 DC24 EA05 EA10 EA43 EA45 4F033 AA14 BA03 DA01 EA05 LA12 LA13 4F041 AA05 AA06 AB01 BA05 BA13 BA23 BA34 BA38 4F042 AA06 AA07 AA10 AA27 AB00 BA08 DF01 DF11 DF15 5F046 JA01 JA02 (54)【発明の名称】 機能液滴吐出ヘッドの位置認識装置およびヘッドユニットの組立装置、並びに液晶表示装置の製 造方法、有機EL装置の製造方法、電子放出装置の製造方法、PDP装置の製造方法、電気泳動 表示装置の製造方法、カラーフィルタの製造方法、有機ELの製造方法、スペーサ形成方法、金 属配線形成方法、レンズ形成方法、レジスト形成方法および光拡散体形成方法

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘッド本体のノズル形成面に形成した細
    長形状の凹溝内に開設される多数の吐出ノズルから成る
    ノズル列を有する機能液滴吐出ヘッドの位置を画像認識
    する機能液滴吐出ヘッドの位置認識装置であって、 前記凹溝の端部近傍に正対する撮像手段を備え、該撮像
    手段の画像に現れる前記凹溝の端縁に対し最寄りの吐出
    ノズルの画像位置に基づいて前記機能液滴吐出ヘッドの
    位置を認識するものにおいて、 前記撮像手段の画像に前記凹溝の端縁に対応する影が現
    れるように、前記撮像手段の光軸に対し傾斜した方向か
    ら照明光を照射する斜め照明手段を備えることを特徴と
    する機能液滴吐出ヘッドの位置認識装置。
  2. 【請求項2】 前記撮像手段の光軸と同軸方向から照明
    光を照射する同軸照明手段を備え、この同軸照明手段と
    前記斜め照明手段とを選択的に作動させるようにしたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の機能液滴吐出ヘッドの
    位置認識装置。
  3. 【請求項3】 ヘッド本体のノズル形成面に形成した細
    長形状の凹溝内に開設される多数の吐出ノズルから成る
    ノズル列を有する機能液滴吐出ヘッドの複数個を単一の
    キャリッジに搭載して成るヘッドユニットの組立装置で
    あって、 前記ヘッドユニットを支持するユニット移動装置と、機
    能液滴吐出ヘッドの位置を画像認識する位置認識装置
    と、機能液滴吐出ヘッドの位置を補正するヘッド補正装
    置とを備え、前記キャリッジに前記各機能液滴吐出ヘッ
    ドを位置調整可能に仮組み付けして成るヘッドユニット
    を前記ユニット移動装置にセットして、前記各機能液滴
    吐出ヘッドを前記ユニット移動装置の動きで前記位置認
    識装置に対向する計測位置に順に移動させ、該位置認識
    装置による認識結果に基づいて、前記ヘッド補正装置に
    より前記各機能液滴吐出ヘッドの位置を補正するものに
    おいて、 前記位置認識装置として請求項1または2に記載の機能
    液滴吐出ヘッドの位置認識装置を用いることを特徴とす
    るヘッドユニットの組立装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のヘッドユニットの組立
    装置により組み立てられたヘッドユニットを用い、カラ
    ーフィルタの基板上に多数のフィルタエレメントを形成
    する液晶表示装置の製造方法であって、 前記機能機能液滴吐出ヘッドに各色のフィルタ材料を導
    入し、 前記ヘッドユニットを介して前記機能機能液滴吐出ヘッ
    ドを前記基板に対し相対的に走査し、前記フィルタ材料
    を選択的に吐出して多数の前記フィルタエレメントを形
    成することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載のヘッドユニットの組立
    装置により組み立てられたヘッドユニットを用い、基板
    上の多数の絵素ピクセルにそれぞれEL発光層を形成す
    る有機EL装置の製造方法であって、 前記機能機能液滴吐出ヘッドに各色の発光材料を導入
    し、 前記ヘッドユニットを介して前記機能機能液滴吐出ヘッ
    ドを前記基板に対し相対的に走査し、前記発光材料を選
    択的に吐出して多数の前記EL発光層を形成することを
    特徴とする有機EL装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載のヘッドユニットの組立
    装置により組み立てられたヘッドユニットを用い、電極
    上に多数の蛍光体を形成する電子放出装置の製造方法で
    あって、 前記機能機能液滴吐出ヘッドに各色の蛍光材料を導入
    し、 前記ヘッドユニットを介して前記機能機能液滴吐出ヘッ
    ドを前記電極に対し相対的に走査し、前記蛍光材料を選
    択的に吐出して多数の前記蛍光体を形成することを特徴
    とする電子放出装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載のヘッドユニットの組立
    装置により組み立てられたヘッドユニットを用い、背面
    基板上の多数の凹部にそれぞれ蛍光体を形成するPDP
    装置の製造方法であって、 前記機能機能液滴吐出ヘッドに各色の蛍光材料を導入
    し、 前記ヘッドユニットを介して前記機能機能液滴吐出ヘッ
    ドを前記背面基板に対し相対的に走査し、前記蛍光材料
    を選択的に吐出して多数の前記蛍光体を形成することを
    特徴とするPDP装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項3に記載のヘッドユニットの組立
    装置により組み立てられたヘッドユニットを用い、電極
    上の多数の凹部に泳動体を形成する電気泳動表示装置の
    製造方法であって、 前記機能機能液滴吐出ヘッドに各色の泳動体材料を導入
    し、 前記ヘッドユニットを介して前記機能機能液滴吐出ヘッ
    ドを前記電極に対し相対的に走査し、前記泳動体材料を
    選択的に吐出して多数の前記泳動体を形成することを特
    徴とする電気泳動表示装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項3に記載のヘッドユニットの組立
    装置により組み立てられたヘッドユニットを用い、基板
    上に多数のフィルタエレメントを配列して成るカラーフ
    ィルタを製造するカラーフィルタの製造方法であって、 前記機能機能液滴吐出ヘッドに各色のフィルタ材料を導
    入し、 前記ヘッドユニットを介して前記機能機能液滴吐出ヘッ
    ドを前記基板に対し相対的に走査し、前記フィルタ材料
    を選択的に吐出して多数の前記フィルタエレメントを形
    成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記多数のフィルタエレメントを被覆
    するオーバーコート膜が形成されており、 前記フィルタエレメントを形成した後に、 前記機能機能液滴吐出ヘッドに透光性のコーティング材
    料を導入し、 前記ヘッドユニットを介して前記機能機能液滴吐出ヘッ
    ドを前記基板に対し相対的に走査し、前記コーティング
    材料を選択的に吐出して前記オーバーコート膜を形成す
    ることを特徴とする請求項9に記載のカラーフィルタの
    製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項3に記載のヘッドユニットの組
    立装置により組み立てられたヘッドユニットを用い、E
    L発光層を含む多数の複数の絵素ピクセルを基板上に配
    列して成る有機ELの製造方法であって、 前記機能機能液滴吐出ヘッドに各色の発光材料を導入
    し、 前記ヘッドユニットを介して前記機能機能液滴吐出ヘッ
    ドを前記基板に対し相対的に走査し、前記発光材料を選
    択的に吐出して多数の前記EL発光層を形成することを
    特徴とする有機ELの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記多数のEL発光層と前記基板との
    間には、前記EL発光層に対応して多数の画素電極が形
    成されており、 前記機能機能液滴吐出ヘッドに液状電極材料を導入し、 前記ヘッドユニットを介して前記機能機能液滴吐出ヘッ
    ドを前記基板に対し相対的に走査し、前記液状電極材料
    を選択的に吐出して多数の前記画素電極を形成すること
    を特徴とする請求項11に記載の有機ELの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記多数のEL発光層を覆うように対
    向電極が形成されており、 前記EL発光層を形成した後に、 前記機能機能液滴吐出ヘッドに液状電極材料を導入し、 前記ヘッドユニット介して前記機能機能液滴吐出ヘッド
    を前記基板に対し相対的に走査し、前記液状電極材料を
    選択的に吐出して前記対向電極を形成することを特徴と
    する請求項12に記載の有機ELの製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項3に記載のヘッドユニットの組
    立装置により組み立てられたヘッドユニットを用い、2
    枚の基板間に微小なセルギャップを構成すべく多数の粒
    子状のスペーサを形成するスペーサ形成方法であって、 前記機能機能液滴吐出ヘッドにスペーサを構成する粒子
    材料を導入し、 前記ヘッドユニットを介して前記機能機能液滴吐出ヘッ
    ドを少なくとも一方の前記基板に対し相対的に走査し、
    前記粒子材料を選択的に吐出して前記基板上に前記スペ
    ーサを形成することを特徴とするスペーサ形成方法。
  15. 【請求項15】 請求項3に記載のヘッドユニットの組
    立装置により組み立てられたヘッドユニットを用い、基
    板上に金属配線を形成する金属配線形成方法であって、 前記機能機能液滴吐出ヘッドに液状金属材料を導入し、 前記ヘッドユニットを介して前記機能機能液滴吐出ヘッ
    ドを前記基板に対し相対的に走査し、前記液状金属材料
    を選択的に吐出して前記金属配線を形成することを特徴
    とする金属配線形成方法。
  16. 【請求項16】 請求項3に記載のヘッドユニットの組
    立装置により組み立てられたヘッドユニットを用い、基
    板上に多数のマイクロレンズを形成するレンズ形成方法
    であって、 前記機能機能液滴吐出ヘッドにレンズ材料を導入し、 前記ヘッドユニットを介して前記機能機能液滴吐出ヘッ
    ドを前記基板に対し相対的に走査し、前記レンズ材料を
    選択的に吐出して多数の前記マイクロレンズを形成する
    ことを特徴とするレンズ形成方法。
  17. 【請求項17】 請求項3に記載のヘッドユニットの組
    立装置により組み立てられたヘッドユニットを用い、基
    板上に任意形状のレジストを形成するレジスト形成方法
    であって、 前記機能機能液滴吐出ヘッドにレジスト材料を導入し、 前記ヘッドユニットを介して前記機能機能液滴吐出ヘッ
    ドを前記基板に対し相対的に走査し、前記レジスト材料
    を選択的に吐出して前記レジストを形成することを特徴
    とするレジスト形成方法。
  18. 【請求項18】 請求項3に記載のヘッドユニットの組
    立装置により組み立てられたヘッドユニットを用い、基
    板上に多数の光拡散体を形成する光拡散体形成方法であ
    って、 前記機能機能液滴吐出ヘッドに光拡散材料を導入し、 前記ヘッドユニットを介して前記機能機能液滴吐出ヘッ
    ドを前記基板に対し相対的に走査し、前記光拡散材料を
    選択的に吐出して多数の前記光拡散体を形成することを
    特徴とする光拡散体形成方法。
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