JP2003251397A - 底質物の処理方法 - Google Patents

底質物の処理方法

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JP2003251397A
JP2003251397A JP2002057080A JP2002057080A JP2003251397A JP 2003251397 A JP2003251397 A JP 2003251397A JP 2002057080 A JP2002057080 A JP 2002057080A JP 2002057080 A JP2002057080 A JP 2002057080A JP 2003251397 A JP2003251397 A JP 2003251397A
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water
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chloride
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Shiyuuji Yukiya
修治 雪谷
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TAGUCHI GIJUTSU KENKYUSHO KK
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TAGUCHI GIJUTSU KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受入地不足等のリサイクル問題を解決するこ
とができ、また、魚貝類、海藻、小動物等の生育環境や
自然環境の回復をもたらすことができるようにした底質
物の処理方法を提供する。 【解決手段】 水底の底質物(汚泥、ヘドロ)を浚渫
し、この底質物と再生材とを混合してポーラス状の再生
土を生成し、この再生土を水底に戻す。再生土を水底に
戻す際、水底の底質物と置換することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川、海、湖、
池、沼等の水底に堆積した汚泥、ヘドロと称される底質
物(底泥)を処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】河川、海、湖、池、沼等の水底に堆積し
た底質物は、人類を含む生物界の体系そのものに悪影響
を与えるために処理する必要がある。そして、従来にお
いて、底質物を浚渫して固化処理する方法が提案されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記底
質物は、一般的に微細粒子で構成され、高含水、高有機
質であり、鉛、銅、砒素等の有害物質を含む場合も多
く、その特異な性状から固化しにくかったり、再泥化、
あるいは長期安定性等の問題もあり、従来の固化処理で
は処分地に廃棄したり、あるいは処分地に運搬する条件
のみを満足するためだけに留まっていた。
【0004】ところで、近年のリサイクル意識の向上に
より、浚渫した底質物をなるべく有効利用すべく各種指
針等も定められてきたが、そのほとんどが盛土および埋
立地への再利用であり、ここに新たな問題が発生してき
た。つまり、盛土にされるべき土地(受入地)そのもの
が物理的に不足しているばかりでなく、仮に底質物を浚
渫した河川、湖沼等の近辺に盛土に適した土地が存在し
たとしても、所謂ヘドロに対する嫌悪感、有害感等から
近隣住民や地主が受入れを拒否する場合が多く、再利用
には自ら限界がある。
【0005】そこで、本発明の目的は水底に堆積した底
質物を再生して戻すことにより、底質物を処理すること
ができ、したがって、受入地不足等のリサイクル問題を
同時に解決することができ、また、ポーラス状の再生土
として水底に戻すので、水の浄化作用を促すことがで
き、したがって、魚貝類、海藻、小動物等の生育環境や
自然環境の回復をもたらすことができるようにした底質
物の処理方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明の底質物の処理方法は、水底の底質物を浚渫
し、この底質物と再生材とを混合してポーラス状の再生
土を生成し、この再生土を水底に戻すようにしたもので
ある。
【0007】前記処理方法において、底質物と再生材と
を混合する前に前記底質物中の水分を低減する処理を行
うのが好ましい。
【0008】再生土の処理例として、再生土を通水性の
収納体に収納した状態で水底に戻すようにすることがで
きる。
【0009】再生土の処理例として、再生土を浚渫する
底質物と置換するように水底に戻すようにすることがで
きる。
【0010】再生土の処理例として、壁体により囲んだ
場所で底質物と再生土を置換し、置換場所を順次移動さ
せるようにすることができる。
【0011】再生土の生成を陸上、若しくは水上のいず
れかで行うようにすることができる。
【0012】再生材として底質物の土粒子を固化するた
めの再生基材と、前記再生基材により前記底質物の土粒
子を固化する際にポーラス状にするための再生助材とを
用いることができる。そして、前記再生基材としてセメ
ント、セメント系固化材、石灰系固化材の一種類以上を
用いることができ、前記再生助材として塩化カリウム、
塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、
塩化第二鉄、硫酸ナトリウム、クエン酸および塩化コバ
ルトを用いることができる。この再生助材は、重量比で
塩化カリウムが20〜40%、塩化マグネシウムが15
〜30%、塩化ナトリウムが10〜35%、塩化カルシ
ウムが15〜30%、塩化第二鉄が1.5〜2.5%、
硫酸ナトリウムが2〜4.5%、クエン酸が2〜5%、
塩化コバルトが0.5〜1.5%であるのが好ましい。
【0013】本発明によれば、水底に堆積した底質物を
再生土として戻すことにより底質物を処理することがで
き、また、ポーラス状の再生土として水底に戻すので、
水の浄化作用を促すことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形
態に係る底質物の処理方法を示す概略平面図、図2
(a)、(b)は同処理方法を示す概略横断面図、図3
は同処理方法により再生土を戻すために網製の収納体に
収納した状態を示す概略斜視図である。
【0015】本実施形態においては、河川の底質物の処
理に適用した例について説明する。図1、図2(a)に
示すように、まず、河川1における底質物2の堆積して
いる最上流部において、一方の第1の岸側で所望の広さ
となるように矢板3により止水して区画4Aを形成す
る。この区画4Aを形成する際、河川1の他方の第2の
岸側は遮断しないようにして水を確実に流すようにす
る。次に、区画4A内の底質物2をポンプ5等により浚
渫し、河川1に隣接する陸6上に設置した水槽7に入れ
る。浚渫した底質物2は多量の水分を含んでいるため、
水槽7内に一時的に静置し、上澄み水をポンプ(図示省
略)等により除去し、底質物2の含有水分を低減する。
【0016】次に、低含水とした水槽7内の底質物2を
陸6上に設置した混合撹拌機8により再生材(改良材)
と混合撹拌する。このとき、底質物2に礫を含んでいる
場合にはこれを破砕し、泥土塊を含んでいる場合には解
砕するなどの前処理を施しておく。一方、再生材として
は前記のように底質物2の土粒子を固化するための再生
基材と、この再生基材により底質物2の土粒子を固化す
る際にポーラス状にするための再生助材とを用いる。再
生基材としてはセメント、セメント系固化材、石灰系固
化材の一種類以上を用い、再生助材としては、塩化カリ
ウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カルシ
ウム、塩化第二鉄、硫酸ナトリウム、クエン酸および塩
化コバルトを用いる。この再生助材は、重量比で塩化カ
リウムが20〜40%、塩化マグネシウムが15〜30
%、塩化ナトリウムが10〜35%、塩化カルシムが1
5〜30%、塩化第二鉄が1.5〜2.5%、硫酸ナト
リウムが2〜4.5%、クエン酸が2〜5%、塩化コバ
ルトが0.5〜1.5%の範囲で選択的に用いるのが好
ましい。
【0017】そして、底質物1mに対し、再生基材を
100〜200kgの範囲で用い(底質物の含水率等に
よって適宜選択する。)、再生助材を約1kg用いる。
これら底質物、再生基材、再生助材を混合撹拌すること
により、底質物の粒子間をエトリンガイド針状結晶体で
連結したポーラス状(連続多孔体構造)で団粒化させた
再生土(改良土)を生成することができる。
【0018】セメント等の固化材は水と混和すると、セ
メント等の中の成分(CaO、SiO2、Al23、F
23など)が各種反応により各種無機塩やそれらの含
水塩の結晶や固溶体を形成しつつ固化する。それらセメ
ント固化物と土の粒子の結合を強固にして硬度の高いも
のとし、かつそれが無数の微細な空隙を有するものにす
るためには、各種無機塩のうち、まずはCaO−SiO
2−Al23−Clの4成分系の含水塩であるクロルエ
トリンガイトを主体とする針状結晶体の形成とその安定
化が不可欠である。
【0019】それらの強固で安定した結晶群を主体と
し、回りに無数の微細な空隙を有するように、前記クロ
ルエトリンガイドとは別の各種無機塩やそれらの含水塩
の板状や針状等の結晶及びそれらが混ざり合った固溶体
が混在し、かつ土の粒子と強固に結びついて硬度を高
め、また、ヘドロ処理での臭気物質を化学的分解により
低減し、かつ結晶群間の微細な空隙による吸着により除
去して低減するために前記再生助材を用いる。この再生
助材は、土とセメント等の混和物に極く少量添加するこ
とにより効果が発現する。以下にそれら成分の効果およ
び各成分の配合比に関する理由について説明する。
【0020】セメント等は硬化(または固化)する際、
硬化体中のアルミネートと各種硫酸塩とが反応してエト
リンガイト(3CaO・Al23・3CaSO4・31
〜33H2O)と呼ばれる比重の軽い(1.78)、針
状結晶を主体とした化合物が生成される。針状結晶が多
く生成されると、透水性が向上するが、一方、それが成
長すると膨張し、硬度を低下させるため、透水性をもた
せ、かつ硬度を低下させない方策が望まれる。
【0021】基本としては針状結晶を残しつつ、その回
りに板状ほか、各種形状の結晶体を生成させ、無数の微
細な空隙を有する強固な混合体とすることであり、前記
再生助材に示す成分中には板状ほか、各種結晶体の形成
を助長する成分が各種ある。まず、主体となる強固な針
状結晶体であるが、上述のエトリンガイトに加え、同種
のクロルエトリンガイド(エトリンガイトのSO4 2-
Cl-に置換したもの)を生成する。並行してそれらの
回りに各種形状の結晶を生成し、かつ複雑にからみ合っ
て上記針状結晶を補強し、かつ安定化させる必要があ
り、それらの観点より各成分の役割と混合比率の範囲が
定められる。
【0022】クエン酸は、共存するNa+、K+といった
アルカリ金属との塩、すなわち、クエン酸ソーダやクエ
ン酸カリとして、セメント硬化体中の石コウ等の結晶成
長面に作用し、平板状プリズム形結晶を成長させる。こ
こで、クエン酸量が2%より少ないと前記結晶成長への
寄与が少なく、逆に5%gより多いと気孔構造体の硬度
が低下する。同様に、塩化カリウム、塩化マグネシウ
ム、塩化ナトリウム、塩化カルシウムもそれぞれ異なっ
た石コウなどの板状結晶の形成に寄与する。それぞれ2
0%、15%、10%、15%より少ないと硬度向上効
果が見られず、逆に各々が40%、30%、35%、3
0%より多いと、付随する塩素イオンが増え、針状結晶
であるエトリンガイト類が増え過ぎ、他の結晶構造体と
の比率が悪くなって気孔構造体の硬度低下を引き起こす
ことになり、望ましくない。
【0023】また、塩化コバルト、塩化第二鉄、硫酸ナ
トリウムの添加量は前記アルカリ金属塩やアルカリ土類
金属塩と比べて少ないが、それぞれ石コウや水酸化カル
シウムおよびトベルモライト、モノサルフェイトなど、
エトリンガイトより変化してできる塩を板状や不定形結
晶形への変化をもたらす役目をする。つまり、前記各種
結晶の生成時に各種金属イオンによるイオン置換が無秩
序に起こり、それら結晶中に格子欠陥が生じ、結晶構造
が変わる効果を得るため、微量ではあるが前記種々の塩
を前記範囲で添加するわけである。
【0024】塩化コバルトは各種結晶の成長を早める効
果がある。混和量が少なく、効果は見分けにくいきらい
があるが、0.5%より少ないと、結晶の成長を早める
効果に劣り、1.5%以上では効果の発現が頭打ちとな
り、かつ価格も他に比べ高いため、0.5〜1.5%の
添加量が好ましい。硬度や気孔率の目標値が低い場合
等、用途によってはこれら微量成分の添加を省略した
り、塩化コバルトに加え、同様の効果を有する酸化バリ
ウム、硫酸カルシウム、二酸化マンガン、燐酸カルシウ
ム等の一種類以上を添加してもよい場合がある。
【0025】前記のような再生助材を用いることによ
り、一般に固化が難しいとされている有機物含有量が2
%以上ある底質物の固化が可能となった。しかし、有機
物の量が2%程度と少なくても含まれる成分により硬化
しない場合がある。それは、土壌中に腐蝕酸(有機物の
一種)が多いと固化し難いが、その主原因は、腐蝕酸の
構造中に含まれるカルボキシル基(−COOH)量であ
る。その量はCEC(Cation exchange
capacity)値(陽イオン交換容量)にて代表
でき、土中の有機物量OM(organic matt
er)値との相関も認められる。
【0026】このカルボキシル基はかなり強い酸として
の性質を示し、ヒドロニウムイオン化した水分子を強く
周囲に取り巻き、それが硬化の発現を妨害するわけであ
る。その妨害を低減するには、Ca++等の金属陽イオン
によりカルボキシル基末端のH+をイオン交換により中
性化し、周囲を取り巻く水分子を外せばよい。再生助材
には金属イオンの運び屋としてのクエン酸も含まれてい
るので、Ca++等の金属イオンを効率的に土壌中のカル
ボキシル基に到着させ、中和反応を行わせることがで
き、したがって、従来、硬化が難しかった腐蝕物の多い
底質物であっても、セメント等により硬化することが可
能となる。
【0027】次に、前記のようにして生成した再生土を
造粒機(図示省略)により整形する。このとき、あらか
じめ凝集剤を所望量添加しておくことにより、所望の大
きさに容易に整形することができる。整形後の再生土9
を図3に示すように、通水性の金網等からなる収納体1
0に収納する。そして、これらの収納体10をクレーン
等により吊下げる等により図2(b)に示すように、浚
渫した区画4A内に戻す。このようにして底質物2を再
生土9により置換することができる。
【0028】置換後、区画4Aと隣接する第2の岸側で
所望の広さとなるように矢板3により止水して区画4B
を形成し、区画4A側で水を流すことができるように矢
板3を除去する。この区画4Bについても、前記と同様
にして底質物2を収納体10に収納した再生土9により
置換する。次に、区画4Bと隣接する下流側の第2の岸
側で所望の広さとなるように矢板3により止水して区画
4Cを形成し、この区画4Cについても、前記と同様に
して底質物2を収納体10に収納した再生土9により置
換する。次に、区画4Cと隣接する第1の岸側で所望の
広さとなるように矢板3により止水して区画4Dを形成
し、区画4B、4C側で水を流すことができるように矢
板3を除去する。この区画4Dについても、前記と同様
にして底質物2を収納体10に収納した再生土9により
置換する。以下、前記と同様にして水の流れを遮断する
ことなく、河川1における底質物2の堆積箇所の全長に
亘って、順次底質物2を再生土9により置換することが
できる。
【0029】前記実施形態においては、底質物2の浚
渫、簡易脱水、再生土の生成、造粒、造粒後の再生土9
の収納体10に対する充填、浚渫場所への戻し等の一連
の作業を陸6上で行った場合について説明したが、他の
実施形態として、図1に鎖線で示すように、水上の台船
11により行うことができる。
【0030】前記のように、一般的に河川等の底質物2
は高有機質であるが、底質物2中に含まれる有機質分
(フミン酸などの腐蝕酸)が2%以上である場合、土粒
子表面にあるそれら有機質分がヒドロニウムイオン化
(H)した水を周囲に厚く取り巻き、セメントと
土粒子の結合、固化反応を阻害するため、セメントを主
体とした従来の固化材だけでは長期的な安定固化が困難
とされている。これに対し、本発明実施形態のようにセ
メント、若しくはセメント系固化材、若しくは石灰系固
化材の一種類以上からなる再生基材と、底質物2の土粒
子をポーラス状の団粒構造にするための再生助材を用い
ることにより、土粒子とセメントの結合、固化の阻害要
因を除去することができるので、長期的な安定固化を図
り、再泥化を抑制することができる。また、前記再生助
材は結晶形のコントロール材であり、土粒子とセメント
の固化体中に様々な結晶体(エトリンガイド等)を強固
に混在させてポーラス状の団粒構造となり、多数の微小
気孔を有し、鉛、銅、砒素等の有害物質を吸着保持する
ので、次のような利点を有する。 (1)多数の微小気孔が多種の微生物等の住処を提供す
るので、微生物による水質の浄化作用を有する。 (2)再生土9による礫間浄化作用と同様の作用により
水質の改善効果を有する。 (3)粒状、礫状の再生土9の集合体が漁礁、若しくは
海藻、若しくは小動物の住処となり、自然環境の回復を
もたらす。 (4)自然のもたらす経年劣化により、置換後の再生土
9がいずれは土として、砂として、小石として本来あっ
た自然の中へと戻っていく。また、河川においては、そ
れらはいずれ河口にたどり着き、現在問題となっている
海岸線の後退を阻止する役目も果たすことになる。
【0031】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、海、湖、池、沼等、各種の水底の底質物
の処理に適用することができる。また、例えば、水位の
上昇に問題がなければ、底質物を再生土により置換する
ことなく、再生土により底質物を被覆してもよく、この
場合、矢板等により区画を形成する必要もないことは明
らかである。また、再生土は通水性の収納体に収納した
状態で水底に戻すことにより、その作業を効率良く行う
ことができるが、収納体に収納することなく水底に戻す
こともでき、この場合、バックホウ、ダンプカー、ポン
プ等により戻すことができる。このほか、本発明は、そ
の基本的技術思想を逸脱しない範囲で種々設計変更する
ことができる。
【0032】
【実施例】次に、本発明の処理方法において、底質物と
再生材との混合により再生土を生成する方法の実施例に
ついて説明する。
【0033】浚渫した底質物である有機泥は含水比が3
22%であった。再生基材としてセメントとセメント系
固化材(ハードキープ:商品名、トクヤマ社製)を用い
た。再生助材として、重量比で塩化カリウムが31%、
塩化マグネシウムが20%、塩化ナトリウムが20%、
塩化カルシウムが20%、塩化第二鉄が2%、硫酸ナト
リウムが3%、クエン酸が3%、塩化コバルトが1%と
なるように配合した。
【0034】そして、有機泥1150gに対し、セメン
ト400g、セメント系固化材150g、再生助材1g
を用いるとともに、更に、凝集剤3gを用い、これらを
住吉重工業株式会社製のオデイクリーン(商品名)によ
り混合撹拌し、造粒してポーラス状の団粒化した再生土
を生成した。この再生土は0.5cm〜1.0cmの粒
状であった。
【0035】前記再生土を水に接触させても溶解しない
ことを確認した。したがって、前記再生土を乾燥する前
に物理的な圧力を加え、所望の大きさに形成し、これを
通水性の収納体に収納することなどにより水底に戻して
も溶解しないことは明らかである。そして、前記
(1)、(4)における利点に加え、多数のミクロ孔、
マクロ孔により底質物中に含まれていた各種金属イオン
を電気的に捕捉しているK,Na,Ca++等の陽
イオンとイオン交換して吸着することができ、しかも、
悪臭成分も吸着することができる利点を有する
【0036】前記実施例においては、底質物と再生材と
を混合してポーラス状に団粒化させる際、凝集剤を用い
ているが、底質物と再生材とを混合した後、完全に乾燥
する前に所望の型等に充填して軽く加圧するなどにより
簡単に所望の形状、大きさに形成することができるの
で、凝集剤は用いなくてもよい。
【0037】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、水底に堆
積した底質物を再生土として戻すことにより底質物を処
理することができ、したがって、受入地不足等のリサイ
クル問題を同時に解決することができる。また、ポーラ
ス状の再生土として水底に戻すので、水の浄化作用を促
すことができ、したがって、魚貝類、海藻、小動物類等
の生育環境や自然環境の回復をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る底質物の処理方法を
示す概略平面図である。
【図2】(a)、(b)は同処理方法を示す概略横断面
である。
【図3】同処理方法により再生土を戻すために網製の収
納体に収納した状態を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 河川 2 底質物 3 矢板 7 水槽 8 混合撹拌機 9 再生土 10 収納体 11 台船

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水底の底質物を浚渫し、この底質物と再
    生材とを混合してポーラス状の再生土を生成し、この再
    生土を水底に戻すようにした底質物の処理方法。
  2. 【請求項2】 底質物と再生材とを混合する前に前記底
    質物中の水分を低減する処理を行うようにした請求項1
    記載の底質物の処理方法。
  3. 【請求項3】 再生土を通水性の収納体に収納した状態
    で水底に戻すようにした請求項1または2記載の底質物
    の処理方法。
  4. 【請求項4】 再生土を浚渫する底質物と置換するよう
    に水底に戻すようにした請求項1ないし3のいずれかに
    記載の底質物の処理方法。
  5. 【請求項5】 壁体により囲んだ場所で底質物と再生土
    を置換し、置換場所を順次移動させるようにした請求項
    4記載の底質物の処理方法。
  6. 【請求項6】 再生土の生成を陸上、若しくは水上のい
    ずれかで行うようにした請求項1ないし5のいずれかに
    記載の底質物の処理方法。
  7. 【請求項7】 再生材として底質物の土粒子を固化する
    ための再生基材と、前記再生基材により前記底質物の土
    粒子を固化する際にポーラス状にするための再生助材と
    を用いる請求項1ないし6のいずれかに記載の底質物の
    処理方法。
  8. 【請求項8】 再生基材としてセメント、セメント系固
    化材、石灰系固化材の一種類以上を用いる請求項7記載
    の底質物の処理方法。
  9. 【請求項9】 再生助材として塩化カリウム、塩化マグ
    ネシウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化第二
    鉄、硫酸ナトリウム、クエン酸および塩化コバルトを用
    いる請求項7または8記載の底質物の処理方法。
  10. 【請求項10】 重量比で塩化カリウムが20〜40
    %、塩化マグネシウムが15〜30%、塩化ナトリウム
    が10〜35%、塩化カルシウムが15〜30%、塩化
    第二鉄が1.5〜2.5%、硫酸ナトリウムが2〜4.
    5%、クエン酸が2〜5%、塩化コバルトが0.5〜
    1.5%である請求項9記載の底質物の処理方法。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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