JP2003246484A - ベルト搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルト全周でベルトの軸方向移動を規制する
ことにより、ベルトの蛇行を確実に防止することができ
るベルト搬送装置を提供する。 【解決手段】 互いに平行に配設された複数のローラ
と、該複数のローラに捲回された無端ベルトとを具備す
るベルト搬送装置であって、複数のローラは中央部に形
成されたベルト装着部と、該ベルト装着部の両側に設け
られベルト装着部の外径より小径に形成された一対の蛇
行防止部材装着部とを備えており、無端ベルトは複数の
ローラのベルト装着部の長さより幅広に形成され、その
両端部内面に無端の被案内凸条を備えている。複数のロ
ーラの一対の蛇行防止部材装着部には複数のローラに捲
回された無端ベルトの側面形状に対応した形状を有する
一対の蛇行防止部材がそれぞれ軸方向に摺動可能に装着
されており、該蛇行防止部材の外周面には無端ベルトに
設けられた被案内凸条を摺動可能に嵌合する無端の案内
凹溝が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ、複写
機、ファクシミリ等の画像形成機の感光体ベルト機構や
転写分離ベルト機構等として用いられるベルト搬送装
置、更に詳しくはベルトの蛇行防止機能を備えたベルト
搬送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画
像形成機においては、感光体ベルト機構や転写分離ベル
ト機構として平ベルト搬送装置が用いられている。ベル
ト搬送装置は、互いに平行に配設された複数のローラ
と、該複数のローラに捲回された無端ベルトとからなっ
ている。このようなベルト搬送装置は、各ローラ間の軸
ずれやベルト内周長の左右差等によって、ベルトがある
方向に片寄る傾向がある。このベルトの片寄りを解消す
るために、ローラの軸間を調整する軸間調整機構を装備
したものが実用化されている。しかしながら、軸間調整
機構を装備することは、コストが増大するとともに、機
器の限られたスペース内に軸間調整機構を配置するため
のスペースを確保することが設計上問題となる。

【０００３】上記問題を解消するために、ベルトの幅方
向両端部にローラの端部と接触する傾斜面を有するガイ
ドを設け、該ガイドの傾斜面とローラ端部との接触によ
りベルトの片寄りを防止するようにしたベルト搬送装置
が特許第２８７１８３８号公報に開示されている。ま
た、ベルトの幅方向両端部内面にローラの端面と接触す
る蛇行防止ベルトを装着したベルト搬送装置が特許第３
０７９７６４号公報に開示されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】而して、上記両公報に
開示されたベルト搬送装置は、ローラの半周部のみでベ
ルトの蛇行を規制する構成であり、ローラ間での蛇行規
制がないため、ベルトが蛇行しようとしてローラに達す
る際に上記ガイドまたは蛇行防止ベルトがローラに乗り
上げ、ベルトの蛇行を確実に防止することはできない。

【０００５】本発明は、上記の事実に鑑みてなされたも
のであり、その主たる技術的課題は、ベルト全周でベル
トの軸方向移動を規制することにより、ベルトの蛇行を
確実に防止することができるベルト搬送装置を提供する
ことにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記主たる技術課題を解
決するために、本発明によれば、互いに平行に配設され
た複数のローラと、該複数のローラに捲回された無端ベ
ルトと、を具備するベルト搬送装置において、該複数の
ローラは、それぞれ中央部に形成されたベルト装着部
と、該ベルト装着部の両側に設けられ該ベルト装着部の
外径より小径に形成された一対の蛇行防止部材装着部と
を備えており、該無端ベルトは、該複数のローラの該ベ
ルト装着部の長さより幅広に形成され、その両端部内面
に無端の被案内凸条を備えており、該複数のローラの該
一対の蛇行防止部材装着部にそれぞれ装着され該複数の
ローラに捲回された該無端ベルトの側面形状に対応した
形状を有する一対の蛇行防止部材を具備し、該一対の蛇
行防止部材は、該ローラの該蛇行防止部材装着部にそれ
ぞれ軸方向に摺動可能に嵌合する嵌合穴を備え、その外
周面に該無端ベルトに設けられた該被案内凸条を摺動可
能に嵌合する無端の案内凹溝が形成されている、ことを
特徴とする辺と搬送装置が提供される。

【０００７】上記蛇行防止部材の外周面における上記蛇
行防止部材装着部との嵌合部の外径は、上記ベルト装着
部の外径より僅かに小径に形成されていることが望まし
い。また、上記蛇行防止部材の外周面における上記蛇行
防止部材装着部との嵌合部の外径をｄ１、上記ローラの
ベルト装着部の外径をｄ２、上記被案内凸条２４１の高
さをｄｔとすると、０＜（ｄ２−ｄ１）≦ｄｔ／３に設
定されていることが望ましい。更に、上記複数のローラ
の少なくとも一つは、ベルト装着部が両端部から中央部
に向けて外径か徐々に大きくなるように形成されている
ことが望ましい。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明に従って構成された
ベルト搬送装置の好適な実施形態について、添付図面を
参照して説明する。

【０００９】図１には、本発明に従って構成されたベル
ト搬送装置を適用した転写分離ベルト装置を備えた画像
形成機としてのレーザビームプリンタの概略構成断面図
が示されている。図示のレーザビームプリンタは、合成
樹脂によって形成された直方体形状のハウジング２を備
えている。ハウジング２の略中央部には、ハウジング２
内に前後方向（図１において紙面に垂直な方向）に所定
の間隔をおいて配置された図示しない金属板からなる前
側および後側側板との間にトナー像形成体としての感光
体ドラム３が回転自在に配設されている。この感光体ド
ラム３は、図示しない歯車伝動装置によって矢印で示す
方向に帯電域、静電潜像形成域、現像域、画像転写域、
クリーニング域を順次通して回転駆動せしめられる。こ
の感光体ドラム３の周囲には、帯電域に帯電用コロナ放
電器４、現像域に現像装置５、画像転写域にトナー像形
成体としての中間転写体６、クリーニング域に感光体ド
ラム用のクリーニング機構７がそれぞれ配設されてい
る。なお、上記現像装置５は、図示の実施形態において
はイエロートナー用現像ユニット５ａと、マゼンタトナ
ー用現像ユニット５ｂと、シアントナー用現像ユニット
５ｃと、黒トナー用現像ユニット５ｄを具備している。
また、中間転写体６は、上記感光体ドラム３と同様にハ
ウジング２内に前後方向（図１において紙面に垂直な方
向）に所定の間隔をおいて配置された上記前側および後
側側板との間に回転自在に配設され、図示しない歯車伝
動装置によって矢印で示す方向に回転駆動せしめられ
る。この中間転写体６の図１において左下部には、中間
転写体用のクリーニング機構８が配設されている。

【００１０】上記ハウジング２内の上部には、静電潜像
形成手段としてのレーザユニット９が配設されている。
このレーザユニット９は、例えばコンピュータから出力
された画像情報に基いたレーザ光を上記帯電域と現像域
との間の静電潜像形成域にて感光体ドラム３の周表面に
投射する。また、上記ハウジング２内の下部には、上記
中間転写体６の下側に本発明に従って構成されたベルト
搬送装置を適用した転写分離ベルト装置２０が配設され
ている。なお、転写分離ベルト装置１０については、後
で詳細に説明する。転写分離ベルト装置２０の下流側
（図１において左側）には搬送ベルト装置１１および定
着ユニット１２が配設されている。

【００１１】次に、上記転写分離ベルト装置２０につい
て、図２乃至図６を参照して説明する。転写分離ベルト
装置２０は、ケース２１と、該ケース２１内に互いに平
行に配設された駆動ローラ２２および従動ローラ２３
と、該駆動ローラ２２と従動ローラ２３に捲回された転
写分離ベルト２４を具備している。ケース２１は適宜の
合成樹脂によって形成され、上方が開放された箱状に構
成されている。

【００１２】駆動ローラ２２は鉄系の金属材によって形
成され、図３に示すように中央部に形成されたベルト装
着部２２１と、該ベルト装着部２２１の両側に設けられ
ベルト装着部２２１の外径より小径に形成された一対の
蛇行防止部材装着部２２２、２２２と、該一対の蛇行防
止部材装着部２２２、２２２の両側に設けられ蛇行防止
部材装着部の外径より小径に形成された一対の軸受装着
部２２３、２２３とを備えている。なお、図示の実施形
態においては、駆動ローラ２２のベルト装着部２２１
は、両端部から中央部に向けて外径か徐々に大きくなる
ように形成した所謂クラウンローラを構成している。駆
動ローラ２２のベルト装着部２２１をクラウン形状に形
成することにより、転写分離ベルト２４が中央でバラン
スをとるように作用するため、転写分離ベルト２４の蛇
行防止効果は得られる。そかしながら、ベルト装着部２
２１の両端部の半径と中央部の半径との差（所謂クラウ
ン量）が大きくしすぎると転写分離ベルト２４に皺が発
生し転写画像不良の原因となる。従って、所謂クラウン
量は、０．１ｍｍ以下に設定することが望ましい。この
ように構成された駆動ローラ２２は、図２に示すように
軸受装着部２２３、２２３がケース２１の端壁２１１、
２１２に図示しない軸受を介して回転自在に支持され、
図示しない回転駆動機構に伝動連結される。

【００１３】従動ローラ２３は図４に示すように、鉄系
の金属材によって形成され回転軸２３１と、該回転軸２
３１の中央部に装着された導電性のゴムローラ２３２と
からなっている。回転軸２３１は、中央部に形成された
ゴムローラ装着部２３１ａと、該ゴムローラ装着部２３
１ａの両側に設けられた一対の蛇行防止部材装着部２３
１ｂ、２３１ｂと、該一対の蛇行防止部材装着部２３１
ｂ、２３１ｂの両側に設けられ蛇行防止部材装着部の外
径より小径に形成された一対の軸受装着部２３１ｃ、２
３１ｃとを備えている。なお、図示の実施形態において
はゴムローラ装着部２３１ａと蛇行防止部材装着部２３
１ｂ、２３１ｂとは同径に形成されており、ゴムローラ
装着部２３１ａに装着されるゴムローラ２３２がベルト
装着部として機能する。ゴムローラ２３２は、導電性の
ウレタンゴムによって形成されており、図示の実施形態
においてはその体積抵抗値が１×１０６ Ω・ｃｍに設
定されており、その硬度はＪＩＳ−Ａ硬度６０度に設定
されている。このように構成された従動ローラ２３は、
図２に示すように上記駆動ローラ２２と平行に配設さ
れ、軸受装着部２３１ｃ、２３１ｃがケース２１の端壁
２１１、２１２に軸受２５ａ、２５ｂを介して回転自在
に支持される。なお、一方の軸受２５ａは、導電性樹脂
によって形成されており、図示しないバイアス電圧印加
手段によって所定の電圧が印加されるようになってい
る。

【００１４】上記転写分離ベルト２４は図５に示すよう
に無端ベルトからなり、駆動ローラ２２のベルト装着部
２２１と従動ローラ２３のゴムローラ２３２に捲回され
る。この転写分離ベルト２４は、導電性のゴム材によっ
て形成されており、図示の実施形態においてはその体積
抵抗値が１×１０９．５ 〜１×１０１１．５Ω・ｃｍ
に設定されている。なお、転写分離ベルト２４の表面に
は、フッ素系の樹脂コートが施されている。転写分離ベ
ルト２４は、駆動ローラ２２のベルト装着部２２１およ
び従動ローラ２３のゴムローラ２３２長さ寸法より幅広
に構成されており、その両端部内面に無端の被案内凸条
２４１、２４１が設けられている。この被案内凸条２４
１、２４１の高さは、後述する蛇行防止機能を考慮する
と１ｍｍ以上が望ましく、一方、ベルト成型時における
型抜き性および凸条の強度を考慮すると２ｍｍ程度が限
界となる。

【００１５】図示の実施形態における転写分離ベルト装
置２０は、駆動ローラ２２の一対の蛇行防止部材装着部
２２２、２２２と従動ローラ２３の一対の蛇行防止部材
装着部２３１ｂ、２３１ｂ間にそれぞれ装着された一対
の蛇行防止部材２６、２６を具備している。この蛇行防
止部材２６、２６は、高摺動性を有する合成樹脂によっ
て形成され、その外径形状が図１、図２および図６に示
すように駆動ローラ２２のベルト装着部２２１と従動ロ
ーラ２３のゴムローラ２３２に捲回された転写分離ベル
ト２４の内周面の側面形状に対応した形状に形成されて
いる。蛇行防止部材２６には、上記駆動ローラ２２の蛇
行防止部材装着部２２２および従動ローラ２３の蛇行防
止部材装着部２３１ｂに摺動可能に嵌合する嵌合穴２６
１、２６２が形成されている。なお、蛇行防止部材装着
部２３１ｂに形成される嵌合穴２６１と２６２とのピッ
チは、駆動ローラ２２と従動ローラ２３との設定軸間隔
（設定ピッチ）に対して０．５ｍｍ程度のガタを有する
ように設定されている。これは、駆動ローラ２２と従動
ローラ２３とのピッチを決めているのが軸受であるた
め、蛇行防止部材２６でピッチを決めてしまうと所謂地
獄決めになってしまい、これを避けるためである。ま
た、蛇行防止部材２６の外周面には、図６に明確に示さ
れているように上記転写分離ベルト２４の内周面に設け
られた被案内凸条２４１と摺動可能に嵌合する無端の案
内凹溝２６３が形成されている。なお、蛇行防止部材２
６の外周面と側面とが交差する隅部には面取り２６４が
施されている。

【００１６】このように構成された蛇行防止部材２６
は、嵌合穴２６１と２６２を駆動ローラ２２の蛇行防止
部材装着部２２２と従動ローラ２３の蛇行防止部材装着
部２３１ｂにそれぞれ軸方向に摺動可能に嵌合する。こ
のとき、蛇行防止部材２６の外周面と側面とが交差する
隅部には面取り２６４が施されているので、転写分離ベ
ルト２４の内側に容易に挿入することができる。そし
て、蛇行防止部材２６の外周面に形成された案内凹溝２
６３に転写分離ベルト２４の内周面に設けられた被案内
凸条２４１を嵌合せしめる。なお、一対の蛇行防止部材
２６、２６の内側面と駆動ローラ２２のベルト装着部２
２１および従動ローラ２３のゴムローラ２３２の端面と
の間には、それぞれ１ｍｍ程度の隙間が形成されように
各部材の寸法関係が設定されている。

【００１７】なお、図示の実施形態においては、蛇行防
止部材２６の外周面における駆動ローラ２２および従動
ローラ２３との嵌合部の外径は、それぞれ駆動ローラ２
２のベルト装着部２２１の外径および従動ローラ２３の
ゴムローラ２３２の外径より僅かに小径に形成されてい
る。このように蛇行防止部材２６の外周面における駆動
ローラ２２および従動ローラ２３との嵌合部の外径をベ
ルト装着部２２１の外径およびゴムローラ２３２の外径
より僅かに小径に形成することにより、蛇行防止部材２
６と転写分離ベルト２４との摺動摩擦によるトルクの発
生を抑えることができる。しかしながら、蛇行防止部材
２６の外周面における駆動ローラ２２および従動ローラ
２３との嵌合部の外径を小さくし過ぎると、蛇行防止部
材２６の外周面に形成された案内凹溝２６３と転写分離
ベルト２４の内周面に設けられた被案内凸条２４１との
嵌合量が減少するので、蛇行防止部材２６の外周面にお
ける駆動ローラ２２の蛇行防止部材装着部２２２との嵌
合部の外径をｄ１、蛇行防止部材２６の外周面における
従動ローラ２３の蛇行防止部材装着部２３１ｂとの嵌合
部の外径をｄ３、駆動ローラ２２のベルト装着部２２１
の外径をｄ２、従動ローラ２３のゴムローラ２３２の外
径をｄ４、被案内凸条２４１の高さをｄｔとすると、そ
れぞれ次の関係に設定することが望ましい。 ０＜（ｄ２−ｄ１）≦ｄｔ／３ ０＜（ｄ４−ｄ３）≦ｄｔ／３

【００１８】また、上記転写分離ベルト２４の両端部内
周面に設けられた被案内凸条２４１、２４１とそれぞれ
案内凹溝２６３、２６３が嵌合する一対の蛇行防止部材
２６、２６は、記録紙使用最大領域の外側に配置するこ
とが望ましい。即ち、一般的な絶縁性の合成樹脂によっ
て形成された一対の蛇行防止部材２６、２６が記録紙使
用最大領域内に配置されている場合には、蛇行防止部材
２６、２６の位置で上記中間転写体６と転写分離ベルト
２４間の転写電流不良が発生し、転写不良画像が発生す
る。なお、転写分離ベルト装置２０の構造的制約によ
り、一対の蛇行防止部材２６、２６を記録紙使用最大領
域内に配置せざるを得ない場合には、蛇行防止部材２
６、２６を導電性の合成樹脂によって形成することによ
って対応可能である。

【００１９】図示の実施形態における転写分離ベルト装
置２０は以上のように構成されており、図１に示すよう
に転写分離ベルト２４が中間転写体６に押圧される転写
位置と、転写分離ベルト２４が中間転写体６から離隔す
る退避位置に位置付け可能に構成されている。

【００２０】本発明に従って構成されたベルト搬送装置
を適用した転写分離ベルト装置２０を備えたレーザビー
ムプリンタは以上のように構成されており、以下その作
用について説明する。上記感光体ドラム３が矢印で示す
方向に回転せしめられる間に、帯電用コロナ放電器４が
感光体ドラム３の感光層を特定極性に帯電せしめる。次
いで帯電用コロナ放電器４が配設された帯電域と現像装
置５が配設された現像域との間の静電潜像形成域におい
てレーザユニット９からレーザ光が感光体ドラム３上に
投射され、感光体ドラム３の周表面に画像情報に対応し
た静電潜像が形成される。しかる後、現像装置５により
感光体ドラム３上の静電潜像にトナーを作用せしめて、
静電潜像を顕像化する。このようにして感光体ドラム３
に形成されたトナー像は、トナー像形成体としての中間
転写体６に転写される。なお、カラー印刷する場合は、
各色毎に帯電用コロナ放電器４による感光体ドラム３の
帯電、レーザユニット９による露光、イエロートナー用
現像ユニット５ａとマゼンタトナー用現像ユニット５ｂ
とシアントナー用現像ユニット５ｃおよび黒トナー用現
像ユニット５ｄによる現像を実行するとともに、中間転
写体６にその都度転写する。これにより、中間転写体６
には１枚分の画像信号に対応した多色トナー像が転写さ
れる。このようにして、１枚分の画像信号に対応した多
色トナー像が中間転写体６に転写される間、転写分離ベ
ルト装置２０は転写分離ベルト２４が中間転写体６から
離隔する退避位置に位置付けられている。中間転写体６
に１枚分の画像信号に対応した多色トナー像が転写され
た後、転写分離ベルト装置２０は転写分離ベルト２４を
中間転写体６に押圧する転写位置に位置付けられる。

【００２１】一方、図示しない給紙装置から送給された
記録紙Ｐは、図示しないレジストローラ対で一時停止
し、上記のようにしてトナー像が転写された中間転写体
６とタイミングをとって中間転写体６と転写分離ベルト
装置２０の転写分離ベルト２４とが対向する２次転写域
に搬送される。このとき、転写分離ベルト装置２０は、
駆動ローラ２２を回転駆動して転写分離ベルト２４を作
動するとともに、図示しないバイアス電圧印加手段によ
って従動ローラ２３を支持する一方の軸受２５ａから回
転軸２３１およびゴムローラ２３２を通して転写分離ベ
ルト２４にバイアス電圧を印加する。この転写分離ベル
ト２４に印加されたバイアス電圧により、中間転写体６
上のトナー像が中間転写体６と転写分離ベルト２４間に
搬送された記録紙Ｐに転写されるとともに、該記録紙Ｐ
を転写分離ベルト２４上に吸引して中間転写体６から分
離する。

【００２２】上記転写分離時において転写分離ベルト２
４が蛇行すると、該転写分離ベルト２４上の記録紙Ｐに
転写されるトナー像に転写不良画像が発生する。しかる
に、図示の実施形態においては、転写分離ベルト２４の
両端部内周面に設けられた被案内凸条２４１、２４１と
嵌合する案内凹溝２６３、２６３を備えた一対の蛇行防
止部材２６、２６の作用によって、転写分離ベルト２４
の蛇行が防止される。即ち、転写分離ベルト２４の張力
の片寄りや駆動ローラ２２と従動ローラ２３間のよじれ
等により転写分離ベルト２４が軸方向に移動しようとす
ると、移動方向と反対側の凸条２４１における内側面と
該凸条２４１と嵌合する蛇行防止部材２６の案内凹溝２
６３における内側面とが接触する。このとき、蛇行防止
部材２６は軸方向に摺動可能に構成されているので軸方
向内側へ移動しようとするが、駆動ローラ２２のベルト
装着部２２１および従動ローラ２３のゴムローラ２３２
の外径は駆動ローラ２２の蛇行防止部材装着部２２２お
よび従動ローラ２３の蛇行防止部材装着部２３１ｂの外
径より大径に構成されているため、駆動ローラ２２のベ
ルト装着部２２１および従動ローラ２３のゴムローラ２
３２の端面に当接してその移動が規制される。この結
果、転写分離ベルト２４の軸方向移動が規制され、転写
分離ベルト２４の蛇行が防止される。なお、上記凸条２
４１および案内凹溝２６３は無端に形成されているの
で、凸条２４１が案内凹溝２６３から離脱することはな
い。また、図示の実施形態においては、駆動ローラ２２
のベルト装着部２２１は両端部から中央部に向けて外径
か徐々に大きくなるように形成した所謂クラウンローラ
を構成しているので、転写分離ベルト２４は中央でバラ
ンスをとるように作用するため、更に蛇行防止効果が得
られる。

【００２３】上述したようにしてトナー像が転写され中
間転写体６から分離された記録紙Ｐは転写分離ベルト２
４によって搬送され、更に搬送ベルト機構１１によって
定着ユニット１２に搬送されて、ここでトナー像が用紙
の表面に加熱定着された後、ハウジング２外に排出され
る。なお、上記のように感光体ドラム３から中間転写体
６にトナー像を転写した後に感光体ドラム３の表面に付
着している残留トナーは、クリーニング機構７によって
除去される。一方、中間転写体６から用紙Ｐにトナー像
を転写した後に中間転写体６の表面に付着している残留
トナーは、クリーニング機構８によって除去される。

【００２４】以上、本発明に従って構成されたベルト搬
送装置をカラー・レーザビームプリンタの転写分離ベル
ト装置に適用した実施形態に基づいて説明したが、本発
明は実施形態に限定されるものではなく、ベルト機構に
よって構成した感光体中間転写装置や画像形成機以外の
他の機器に装備するベルト搬送装置に広く適用すること
ができる。

【００２５】

【発明の効果】本発明によるベルト搬送装置は、互いに
平行に配設された複数のローラに捲回された無端ベルト
の両端部内面に無端の被案内凸条を設け、該被案内凸条
と嵌合する無端の案内凹溝を外周面に備えた一対の蛇行
防止部材を複数のローラの蛇行防止部材装着部にそれぞ
れ軸方向に摺動可能に装着したので、ベルト全周でベル
トの軸方向移動を規制することにより、ベルトの蛇行を
確実に防止することができるとともに、構成が簡単で安
価に製作することができ、かつ装着スペースも特に必要
ないので設計上の自由度が増大する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に従って構成されたベルト搬送装置を適
用した転写分離ベルト装置を装備した画像形成機として
のレーザビームプリンタの概略構成断面図。

【図２】本発明に従って構成されたベルト搬送装置を適
用した転写分離ベルト装置の斜視図。

【図３】図２に示す転写分離ベルト装置を構成する駆動
ローラ部の断面図。

【図４】図２に示す転写分離ベルト装置を構成する従動
ローラ部の断面図。

【図５】図２に示す転写分離ベルト装置を構成する転写
分離ベルトの一部を破断して示す斜視図。

【図６】図２に示す転写分離ベルト装置を構成する蛇行
防止部材の斜視図。

【符号の説明】

２：画像形成機のハウジング ３：感光体ドラム ４：帯電用コロナ放電器 ５：現像装置 ５ａ：イエロートナー用現像ユニット ５ｂ：マゼンタナー用現像ユニット ５ｃ：シアントナー用現像ユニット ５ｄ：黒トナー用現像ユニット ６：中間転写体 ７：感光体ドラム用のクリーニング機構 ８：中間転写体用のクリーニング機構 ９：レーザユニット １１：搬送ベルト機構 １２：定着ユニット ２０：転写分離ベルト装置 ２１：ケース ２２：駆動ローラ ２２１：駆動ローラのベルト装着部 ２２２：駆動ローラの蛇行防止部材装着部 ２２３：駆動ローラの軸受装着部 ２３：従動ローラ ２３１：従動ローラの回転軸 ２３１ａ：回転軸のゴムローラ装着部 ２３１ｂ：回転軸の蛇行防止部材装着部 ２３１ｃ：回転軸の軸受装着部 ２３２：ゴムローラ ２４：転写分離ベルト ２４１：被案内凸条 ２５ａ、２５ｂ：軸受 ２６：蛇行防止部材 ２３６：案内凹溝

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 互いに平行に配設された複数のローラ
   と、該複数のローラに捲回された無端ベルトと、を具備
   するベルト搬送装置において、 該複数のローラは、それぞれ中央部に形成されたベルト
   装着部と、該ベルト装着部の両側に設けられ該ベルト装
   着部の外径より小径に形成された一対の蛇行防止部材装
   着部とを備えており、 該無端ベルトは、該複数のローラの該ベルト装着部の長
   さより幅広に形成され、その両端部内面に無端の被案内
   凸条を備えており、 該複数のローラの該一対の蛇行防止部材装着部にそれぞ
   れ装着され該複数のローラに捲回された該無端ベルトの
   側面形状に対応した形状を有する一対の蛇行防止部材を
   具備し、 該一対の蛇行防止部材は、該ローラの該蛇行防止部材装
   着部にそれぞれ軸方向に摺動可能に嵌合する嵌合穴を備
   え、その外周面に該無端ベルトに設けられた該被案内凸
   条を摺動可能に嵌合する無端の案内凹溝が形成されてい
   る、 ことを特徴とするベルト搬送装置。
2. 【請求項２】 該蛇行防止部材の外周面における該蛇行
   防止部材装着部との嵌合部の外径は、該ベルト装着部の
   外径より僅かに小径に形成されている、請求項１記載の
   ベルト搬送装置。
3. 【請求項３】 該蛇行防止部材の外周面における該蛇行
   防止部材装着部との嵌合部の外径をｄ１、該ローラの該
   ベルト装着部の外径をｄ２、該被案内凸条２４１の高さ
   をｄｔとすると、０＜（ｄ２−ｄ１）≦ｄｔ／３に設定
   されている、請求項１記載のベルト搬送装置。
4. 【請求項４】 該複数のローラの少なくとも一つは、該
   ベルト装着部が両端部から中央部に向けて外径か徐々に
   大きくなるように形成されている、請求項１記載のベル
   ト搬送装置。