JP2003244426A - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置及び画像処理方法

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JP2003244426A
JP2003244426A JP2002355686A JP2002355686A JP2003244426A JP 2003244426 A JP2003244426 A JP 2003244426A JP 2002355686 A JP2002355686 A JP 2002355686A JP 2002355686 A JP2002355686 A JP 2002355686A JP 2003244426 A JP2003244426 A JP 2003244426A
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JP2002355686A
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Tomochika Murakami
友近 村上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転処理、スケーリング処理、平行移動処理
等の幾何的な加工編集処理に対して強い耐性を持つ電子
透かしを埋め込む画像処理装置及び画像処理方法、並び
に画像の回転処理等の加工編集処理後も埋め込まれた電
子透かしを正しく抽出することができる画像処理装置及
び画像処理方法を提供する。 【解決手段】 まず、フーリエ変換手段901は、画像
入力手段900から入力された画像を振幅成分データと
位相成分データとに変換する。次に、包絡線リングパタ
ーン生成手段902は、振幅成分データ上に円を包絡線
とした直線群で表される電子透かし情報の埋め込みパタ
ーンを生成する。さらに、包絡線リングパターン埋め込
み手段903によって、直線上の所定位置に電子透かし
情報が埋め込まれる。そして、逆フーリエ変換手段90
4が、電子透かし情報が埋め込まれた振幅成分データを
位相成分データを用いて逆周波数変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル画像に
電子透かしを埋め込む画像処理装置及び画像処理方法、
並びに埋め込まれた電子透かしをディジタル画像から抽
出する画像処理装置及び画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータ及び情報通信ネット
ワークの急速な発達により、文字、画像及び音声等の様
々なコンテンツがディジタルデータ化されている。ディ
ジタルデータは、それ自身経年変化による劣化がなく、
いつまでも完全な状態で保存することができる。しか
し、その一方で、容易にデータの複製が可能であるた
め、コンテンツの著作権の保護が大きな問題となってい
る。したがって、著作権保護のためのセキュリティ技術
の重要性は急速に増してきている。
【0003】ここで、著作権を保護するための技術の一
つとして「電子透かし」がある。電子透かしとは、ディ
ジタル化された画像データ、音声データ、文字データ等
のコンテンツに埋め込まれている情報(透かし情報)が
わからないように、すなわち、埋め込まれるデータの品
質に影響を及ぼさないように各種情報を埋め込む技術で
ある。例えば、透かし情報として、著作権保有者の名前
や購入者のID等を埋め込むことで、違法な複製による
無断使用の抑制に用いることが可能である。
【0004】また電子透かしには、著作権保護だけでな
く、あらかじめディジタルデータ全体に情報を埋め込ん
でおき、ディジタルデータ中に埋めこまれた情報の整合
性を取ることで、ディジタルデータに加えられた改ざん
位置の検出等にも応用することができる。
【0005】一般に、電子透かしの方法は、ディジタル
データ中においてデータの変更が加えられた場合であっ
ても品質に影響を及ぼしにくい部分に透かし情報を埋め
込む方法が用いられている。したがって、電子透かしが
埋め込まれたディジタルデータの「埋め込まれる前のオ
リジナルのディジタルデータと比較した品質」、「電子
透かしの耐性の強さ」、「埋め込み可能な情報量」の3
つは、それぞれトレードオフの関係になっている。
【0006】ここで、「電子透かしの耐性の強さ」と
は、電子透かしが埋め込まれたディジタルデータに様々
な加工編集処理が加えられた後にも、埋めこまれた情報
を抽出することができる程度を意味する。例えば、電子
透かしが埋め込まれたディジタル画像に対する加工編集
処理として、ディジタル画像の「JPEG圧縮処理」、
「回転処理」、「スケーリング処理」、「平行移動処
理」等が挙げられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、二つの
領域の画素値の大きさの差を利用し、情報を埋め込むパ
ッチワークやスペクトル拡散法に代表される電子透かし
は、抽出の際に透かし情報の埋め込み位置を正しく検出
する必要があるため、画像の回転処理、スケーリング処
理、平行移動処理等の幾何的な加工編集処理を行った場
合、透かし情報を正しく抽出することが難しいという問
題があった。
【0008】本発明は、このような事情を考慮してなさ
れたものであり、回転処理、スケーリング処理、平行移
動処理等の幾何的な加工編集処理に対して強い耐性を持
つ電子透かしを埋め込む画像処理装置及び画像処理方
法、並びに画像の回転処理等の加工編集処理後も埋め込
まれた電子透かしを正しく抽出することができる画像処
理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、人間に見えない又は見えにくいように電
子透かし情報を画像中に埋め込む画像処理装置であっ
て、画像を周波数変換して振幅成分データと位相成分デ
ータとに変換する周波数変換手段と、生成された振幅成
分データ上に所定の包絡線を有する直線群で表される電
子透かし情報の埋め込みパターンを生成する埋め込みパ
ターン生成手段と、前記埋め込みパターンにおける直線
上の所定位置に電子透かし情報を埋め込む電子透かし情
報埋め込み手段と、前記電子透かし情報が埋め込まれた
振幅成分データを前記位相成分データを用いて逆周波数
変換する逆周波数変換手段とを備えることを特徴とす
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
一実施形態による画像処理装置について説明する。
【0011】図1は、本発明による画像処理装置で用い
られる電子透かしパターンの一例を説明するための図で
ある。図1では、xy空間上の原点を中心とした半径R
の円の円周上の点(Rcosφ,Rsinφ)からの接線が、
10度間隔で設定された角度φで描かれている。図1に
おける符号101は、円周上の点(Rcosφ,Rsinφ)
から一方向に向かって伸びた接線が描かれたものであ
り、符号102では、双方向に伸びる接線が描かれてい
る。すなわち、円周上の点(Rcosφ,Rsinφ)におけ
る接線である直線群の包絡線は、原点を中心とした半径
Rの円となる。
【0012】次に、図1に示された図形を数式で表示す
る。図2は、円周上の点(Rcosφ,Rsinφ)における
接線と接点で直交する線分の傾きを説明するための図で
ある。図2に示すように、半径Rの円周上の点における
接線方向のベクトルは、原点から円周上の点(Rcos
φ,Rsinφ)に向かうベクトル(Rcosφ,Rsinφ)
と直交することから、(−sinφ,cosφ)で表すことが
できる。
【0013】従って、図1に示される直線群上の(x,
y)座標は、パラメータtを用いた媒介変数表示によ
り、次式のように表すことができる。
【0014】 x=Rcosφ−tsinφ (1) y=Rsinφ+tcosφ (2) 尚、図1においては、t<0の場合について表示されて
いる。本実施形態では、上述したような直線群で表され
る電子透かしパターンを透かし情報を埋め込むための基
本パターンとして使用する。
【0015】次に、図1に示された直線群や円等の図形
を画像中から検出するための有効な手法であるハフ(Ho
ugh)変換について説明する。一般に、ある方程式で表
現することが可能な直線、円、楕円等の図形は、パラメ
ータが決まればその形状や画像中の位置を決定すること
ができる。このように、パラメータによって表現するこ
とができる図形を求める方法の一つとしてハフ変換が知
られている。
【0016】このハフ変換による直線検出の一例につい
て説明する。例えば、xy空間上のある直線の方程式を
y=mx+cとすると、この直線上の任意の点(x0
0)は次式を満足する。
【0017】y0=mx0+c (3) ここで、(m,c)を変数として考えると、mc空間上
に対して直線を描くことができる。これを直線検出の対
称である1本の直線を構成する全ての画素について行う
と、mc空間上の直線群はある1点(m0,c0)の交点
を持ち、その交点が直線を検出するために求めるパラメ
ータ(m,c)の値となる。
【0018】図3は、xy空間における直線上の点のm
c空間への写像を説明するための図である。図3におい
て、符号301で示されるxy空間上の点A1、B1、
C1は、符号302で示されるmc空間上のそれぞれ直
線a1、b1、c1に写像される。そして、写像後の直
線の交点座標が上述した(m0,c0)となる。
【0019】以上、ハフ変換を用いた直線検出の原理を
述べたが、具体的にコンピュータを用いてプログラム処
理する場合は、mc空間に相当する2次元配列を用意し
ておき、mc空間に直線が引かれたときに当該直線が通
る2次元配列の要素を1ずつインクリメントするという
操作に置き換えればよい。しかし、mc空間への写像の
場合、y軸に平行な直線の傾きmの数は無限大であるた
め、高精度で直線検出をするためには非常に大きな配列
を準備する必要がある。
【0020】そこで、直線の式をρ=xcosθ+ysinθ
で表現すると、直線上の任意の座標(x0,y0)は、次
式を満足する。
【0021】ρ=x0cosθ+y0sinθ (4) 図4は、xy空間における直線上の点のθρ空間への写
像を説明するための図である。図4において、ρは原点
から直線への垂線の長さ、θは当該垂線とx軸とのなす
角度である。式(4)を用いることによって、xy空間
における点はθρ空間に写像されたとき、正弦波として
表現される。図4において、符号401で示されるxy
空間上の点A2、B2、C2は、符号402で示される
θρ空間上では、それぞれ正弦波a2、b2、c2に写
像され、この場合も一点で交わる。したがって、mc空
間の場合と同様に、θρ空間においても交点を求めるこ
とによってxy空間における直線を検出することが可能
である。
【0022】また、ρの値は最大でも対象画像の対角線
程度の有限の長さであり、θの値は0〜2πの範囲内だ
けで全方向の直線に対応することができるので、通常の
写像ではθρ空間がよく用いられる。上述したハフ変換
の長所は、検出される直線が不連続で途切れていても一
定の点が直線上に並んでいれば検出可能な点や、線が画
像中に複数本あっても一括して処理することができる点
にある。
【0023】次に、図1で示された電子透かしパターン
の図形に対して、θρ空間へのハフ変換を適用する。x
y空間からθρ空間への変換の式は、次式で表すことが
できる。
【0024】 ρ=xcosθ+ysinθ (5) 式(1)及び式(2)を式(5)に代入すると次式のよ
うに変形することができる。
【0025】 ρ=(Rcosφ−tsinθ)cosθ+(Rsinφ+tcosφ)sinθ =Rcos(θ−φ)+tsin(θ−φ) (6) 式(6)は、円の接線上の位置を示すパラメータtの値
に関係なく、θ=φのときは、必ず(θ,ρ)=(φ,
R)を通過することを意味する。すなわち、半径Rの円
周上の点(x,y)=(Rcosφ,Rsinφ)における接
線をハフ変換によるθρ空間へ写像は、すべてのパラメ
ータtについて(θ,ρ)=(φ,R)を通過するの
で、(θ,ρ)=(φ,R)が最大値の要素を有するこ
とになる。
【0026】図5は、図1に示される図形に対してハフ
変換によるθρ空間へ写像の計算結果を説明するための
図である。尚、図5においては、ρが正の場合のみを表
示している。図5に示されるように、φ=0、10、2
0、・・・、350度の場合における円上の点の接線が、
それぞれθρ空間上の(θ,ρ)=(φ,R)のピーク
と対応している。
【0027】ここで、半径Rの円周上の点(x,y)=
(Rcosθ,Rsinθ)から、接線を引く場合に1ビット
の情報を埋め込む。ここで、xy空間からθρ空間への
写像により得られるρ=R上に一定間隔で並ぶピーク値
から、1ビットの埋め込まれた情報を抽出することが可
能である。すなわち、1ビットの情報が一本の直線に対
応した複数の直線の包絡線が円となる基本パターンは、
複数ビット情報を秘匿するための基本パターンとなる。
また、θρ空間へのハフ変換は、上記パターンから付加
情報を抽出するための基本処理となる。
【0028】次に、図1の基本パターンによる図形に対
して、回転処理およびスケーリング処理を加えた場合、
ハフ変換によるθρ空間への写像に現れる影響を考えて
みる。式(6)から、図1の基本パターンによる図形に
回転(φ→φ+Δφ)が加わった場合、θρ空間へのハ
フ変換の結果は、ピークの出現位置がφ座標で平行移動
(φ→φ+Δφ)するに過ぎない。
【0029】同様に、図1の基本パターンによる図形に
スケーリング処理(R→aR)が加わった場合、θρ空
間へのハフ変換の結果は、ピーク列の出現位置がρ座標
で平行移動(R→aR)するに過ぎない。即ち、図1の
パターンによる図形に対して、回転処理、スケーリング
処理等の加工編集が加えられた場合にも、容易に抽出を
行うことができる。また、ハフ変換の特徴を考えたと
き、1ビットの情報は必ずしも1本の直線に対応してい
なくてもよく、直線上の複数の点から成る点列でもよい
ことが分かる。
【0030】以下、多数の情報を埋め込むことができる
ように、複数の直線の包絡線が円となる基本パターンを
数式的に表す。
【0031】 x=Rjcosφi−tmsinφi (7) y=Rjcosφi−tmsinφi (8) ここで、x、yはそれぞれ、透かしパターンのx座標、
y座標における位置を表す。図6は、半径Rjの円の円
周上の位置(φi,Rj)を表現するための極座標表示で
ある。尚、tmは、直線上の点を表すためのパラメータ
である。
【0032】さらに、半径の異なる複数の円R1、R2
から複数の接線を引くことによって、情報を冗長に埋め
込んで耐性の向上を図り、また情報量を増加させること
も可能である。
【0033】図7は、半径R1、R2の2つの円におけ
る複数の接線を描いた基本パターンを説明するための図
である。また、図8は、図7に示される2種類の基本パ
ターンのθρ空間へのハフ変換を説明するための図であ
る。尚、図8はρが正の場合のみを表示している。図8
に示すように、複数の円から複数の接線を描いた場合で
も、ハフ変換によるθρ空間への写像のピークの抽出が
可能であり、情報の冗長化、情報量の増加を実現するこ
とができる。
【0034】次に、1または0の数値からなるnビット
の付加情報bi,(i=1,2,・・・,n)と直線との対
応付けの方法の一例について述べる。尚、付加情報bi
と直線との関係は、情報を抽出するための鍵情報となる
ものであり、以下に述べるものの他にも種々の対応付け
の方法が考えられる。
【0035】まず、nビットの付加情報biの先頭に1
ビットを加えてn+1ビットの情報にする。この先頭に
加えられた1ビットの情報を開始位置を示すための特別
なビットであるスタートビットs1とし、常にそのビッ
ト情報は1とする。次に、式(9)に基づいて、付加情
報のビットbiと直線とを関係付ける。
【0036】φi=p×i×bi+q (9) ここで、iはビット情報の順序、pは角度間隔、qはス
タートビットs1に対応する直線に対応したものであ
る。また、スタートビットs1に対応した直線は、他の
ビットに対応する直線に比べて識別可能な特徴を持つも
のとする。
【0037】また、本実施形態において、式(7)、式
(8)で記述される直線群の包絡線が円になるパターン
を「包絡線リングパターン」と呼ぶ。
【0038】以下、上述した包絡線リングパターンで様
々な付加情報を埋め込む付加情報を埋め込む画像処理装
置の適用例について述べる。
【0039】<第1の実施形態>第1の実施形態では、
包絡線リングパターンを離散フーリエ変換されたフーリ
エ振幅スペクトル上に適用し、回転・スケーリング・平
行移動の各編集加工処理に耐性のある電子透かしを実現
する。上述したように、包絡線リングパターンを原画像
のフーリエ振幅スペクトル上に配置することで、平行移
動処理の影響を無視することができる。
【0040】また、画像の回転処理(Δφ)やスケーリ
ング処理(a倍)は、フーリエ変換の基本的性質からフ
ーリエ振幅スペクトルの回転処理(Δφ)とスケーリン
グ処理(周波数1/a倍、振幅1/a)となることか
ら、包絡線リングパターンのハフ変換の性質がほぼその
まま適用可能である。尚、フーリエ変換の振幅スペクト
ルの対称性を満たすように直線を配置する必要がある。
【0041】以下、付加情報のディジタル画像への埋め
込み、及び埋め込まれた付加情報のディジタル画像への
抽出について詳細に説明する。
【0042】図9は、本発明の一実施形態による電子透
かしを埋め込むための画像処理装置の構成を示すブロッ
ク図である。図9に示される画像処理装置は、大きく画
像入力手段900と電子透かし埋め込み手段908とか
ら構成される。図9において、画像入力手段900は、
付加情報が埋め込まれるディジタル画像を入力するため
の装置であり、フーリエ変換手段901に接続されてい
る。
【0043】フーリエ変換手段901は、入力されたデ
ィジタル画像のフーリエ変換処理を行うための装置であ
り、画像解析手段907、包絡線リングパターン埋め込
み手段903、逆フーリエ変換手段904に接続してい
る。画像解析手段907は、画像の解析を行うための装
置であり、包絡線リングパターン生成手段902に接続
している。本実施形態では、周波数変換の一例としてフ
ーリエ変換を用いている。
【0044】また、付加情報入力手段905は、ディジ
タル画像に埋め込む付加情報(電子透かし情報)を入力
するための装置であり、包絡線リングパターン生成手段
902に接続している。さらに、パラメータ入力手段9
06は、透かしの強度や埋め込み毎に変化するパラメー
タを入力するための装置であり、包絡線リングパターン
生成手段902と包絡線リングパターン埋め込み手段9
03とに接続している。
【0045】埋め込み毎に変化するパラメータとして
は、ユーザIDや時間情報、埋め込みに用いたハードウ
ェアの機種番号、ソフトウェアのシリアル番号、画像内
の付加情報を埋め込むブロックの位置等の環境情報など
が挙げられる。ここで、図20は、付加情報を繰り返し
埋め込む様子を示した図である。付加情報を画像に繰り
返し埋め込む場合には、図20に示されるように、最小
埋め込み単位のブロック2201をタイル状に画像20
01に複数配置する。ここで、ブロックの位置とは、ブ
ロックの位置や座標を表すものとする。
【0046】包絡線リングパターン生成手段902は、
入力された付加情報とフーリエ変換手段901で生成さ
れたフーリエ振幅スペクトルとに基づいて、包絡線リン
グパターンを生成する装置である。包絡線リングパター
ン生成手段902は、さらに包絡線リングパターン埋め
込み手段903に接続している。
【0047】また、包絡線リングパターン埋め込み手段
903は、フーリエ変換手段901で生成されたフーリ
エ振幅スペクトルと、包絡線リングパターン生成手段9
02で生成された包絡線リングパターンと、パラメータ
入力手段906から入力された透かしの強度や埋め込み
毎に変換するパラメータとに基づいて、包絡線リングパ
ターンをフーリエ振幅スペクトルに埋め込むための装置
である。包絡線リングパターン埋め込み手段903は、
さらに逆フーリエ変換手段904に接続している。
【0048】逆フーリエ変換手段904は、フーリエ変
換手段901で生成されたフーリエ位相スペクトルと、
包絡線リングパターンが埋め込まれたフーリエ振幅スペ
クトルとから電子透かし(付加情報)が埋め込まれた画
像を生成するための装置である。
【0049】すなわち、本発明は、人間に見えない又は
見えにくいように電子透かし情報を画像中に埋め込む画
像処理装置であって、画像を周波数変換して振幅成分デ
ータと位相成分データとに変換する周波数変換手段(フ
ーリエ変換手段901)と、生成された振幅成分データ
上に所定の包絡線を有する直線群で表される電子透かし
情報の埋め込みパターンを生成する埋め込みパターン生
成手段(包絡線リングパターン生成手段902)と、埋
め込みパターンにおける直線上の所定位置に電子透かし
情報を埋め込む電子透かし情報埋め込み手段(包絡線リ
ングパターン埋め込み手段903)と、電子透かし情報
が埋め込まれた振幅成分データを位相成分データを用い
て逆周波数変換する逆周波数変換手段(逆フーリエ変換
手段904)とを備えることを特徴とする。
【0050】また、本発明は、画像中に電子透かし情報
を埋め込むときの透かしの強度または埋め込み毎に変化
するパラメータを入力するパラメータ入力手段906を
さらに備えることを特徴とする。さらに、本発明は、包
絡線は円であることを特徴とする。
【0051】上述した構成の画像処理装置の動作手順に
ついて説明する。図10は、本実施形態による画像処理
装置の電子透かし埋め込み手順について説明するための
フローチャートである。まず、画像入力手段900から
原画像(ディジタル画像)が入力される(ステップS1
01)。次に、フーリエ変換手段901において入力さ
れた画像のフーリエ変換が行われ、フーリエ振幅スペク
トルとフーリエ位相スペクトルとが生成される(ステッ
プS102)。
【0052】さらに、付加情報入力手段905から付加
情報が入力され、パラメータ入力手段906から透かし
の強度や埋め込み毎に変化するパラメータが入力される
(ステップS103)。
【0053】包絡線リングパターン生成手段902で
は、上述した式(9)等を用いて、スタートビットs1
を含む付加情報と包絡線リングパターンの直線との対応
付けが行われる。このとき、ビット情報「1」を埋め込
む場合には、包絡線リングパターンのビット情報に対応
する直線上に複数の埋め込み位置を選択することとする
(ステップS104)。また、ビット情報「0」を埋め
込む場合には、包絡線リングパターンのビット情報に対
応する直線上には埋め込み位置を選択しないとこととす
る。
【0054】また、別の手法としては、ビット情報
「1」及びビット情報「0」の両方のビット情報につい
て、包絡線リングパターンのビット情報に対応する直線
上に複数の埋め込み位置を選択する。そして、包絡線リ
ングパターン埋め込み手段903における埋め込み処理
で、それぞれ正と負の方向にフーリエ振幅スペクトルを
変調する方法なども考えられる。
【0055】ここで、包絡線リングパターン生成手段9
02では、電子透かしの耐性を向上させたり、電子透か
し埋め込み画像の画質を維持するために、フーリエ変換
手段901から入力される原画像のフーリエ振幅スペク
トルや、パラメータ入力手段906から入力される透か
しの強度や埋め込み毎に変化するパラメータ等に応じ
て、包絡線リングパターンの円の半径Rjを変化させる
処理を行ってもよい。
【0056】まず、画像解析手段907を用い、原画像
のフーリエ振幅スペクトルに依存して、包絡線リングパ
ターンの円の半径Rjを変化させる場合の処理について
述べる。
【0057】図11は、入力された原画像をフーリエ変
換処理することによって生成されたフーリエ振幅スペク
トルを説明するための図である。図11において、半径
Mの円1101の内側部分(斜線部分)には、比較的
強い振幅スペクトルが含まれているものとする。
【0058】ここで、包絡線リングパターンの円の半径
jが比較的強い振幅スペクトルが含まれている半径IM
の内側部分との境界(半径IMの円1101)よりも小
さい場合には、包絡線リングパターンの埋め込みによ
り、元の画像の特徴を損なう可能性がある。また、ビッ
ト情報の抽出時に画像本来のフーリエ振幅スペクトルの
影響を受けて抽出を誤る可能性もある。
【0059】このため、包絡線リングパターン生成手段
903では、入力される原画像のフーリエ振幅スペクト
ルに応じて、包絡線リングパターンの円の半径RjをRj
≧I Mとなるように変化させる。尚、画像解析手段90
7は不可欠の機能ではなく、必要に応じて用いる形態を
とってもよい。
【0060】次に、パラメータ入力手段906から入力
される透かしの強度パラメータに応じて、包絡線リング
パターンの円の半径Rjを変化させることによって、透
かしの耐性を変化させる場合について述べる。
【0061】ローパスフィルタ的な効果があるJPEG
圧縮、印刷・スキャン処理(電子透かしが埋め込まれた
画像を印刷し、再びスキャニングして検出する処理)に
対しては、包絡線リングパターンの円の半径Rjを小さ
くし、低周波成分に包絡線リングパターンを埋め込むと
耐性を強化することができる。また、高周波成分の変化
は人間にあまり知覚されない性質があるため、透かしの
強度があまり必要でない場合には、包絡線リングパター
ンの円の半径Rjを大きくするとよい。
【0062】上述したように、包絡線リングパターンの
円の半径Rjを変化させることで、透かしの強度パラメ
ータに応じて、透かしの強さを変化させることができ
る。このように、包絡線リングパターンは、円の半径R
jを変化させることで、埋め込むフーリエ振幅スペクト
ルの対応する周波数成分を選択できる利点がある。
【0063】また、パラメータ入力手段906から入力
される透かしの強度パラメータによって、付加情報の各
ビットに対応する包絡線リングパターンの直線上の埋め
込み点数を変化させてもよい。包絡線リングパターンに
おける直線は、ハフ変換の特性上、必ずしも完全な直線
である必要はなく、ハフ変換を実行する際に直線を検出
するために十分な数の埋め込み点が直線上に存在すれば
よい。この操作は、式(7)及び式(8)において、埋
め込み点tmの数を増やす操作に相当する。
【0064】さらに、埋め込み毎に変化する付加情報、
時間情報、ユーザID等の各種パラメータに応じて、包
絡線リングパターンの半径Rjや包絡線リングパターン
の直線上の埋め込み点tmの位置及び数をランダムに変
化させてもよい。これにより、透かしの埋め込み位置を
分かりにくくする効果がある。画像に加わった幾何変換
等を判定する位置信号は、共通信号として用いられる場
合が多いが、この操作は、共通信号が容易に解析される
ことを防ぐ効果がある。
【0065】従来の電子透かし技術では、情報信号bi
や位置合わせ信号s1の埋め込み位置は固定であったた
め、一度埋め込み位置が判別されてしまうと、情報信号
や位置合わせ信号を除去することが容易になり、外部か
らの改ざん等の危険性があった。しかし、埋め込み位置
を付加情報や埋め込みを行うタイミングによって可変に
することによって、電子透かしを除去することをより困
難にすることができる。なお、スタートビットs1に関
しては、スタートビットs1に対応する包絡線リングパ
ターンの直線上の埋め込み点数tmを増やすなど、他の
付加情報biとの識別が可能なようにしておく。
【0066】その後、包絡線リングパターン埋め込み手
段903では、原画像のフーリエ振幅スペクトルに対
し、包絡線リングパターン生成手段902で決められた
位置で孤立点が生成される(ステップS105)。孤立
点とは、周囲と比べて値が異なった点であるとする。こ
こで、包絡線リングパターン埋め込み手段903で行う
処理について詳しく述べる。
【0067】包絡線リングパターン埋め込み手段903
では、包絡線リングパターン生成手段902で決定され
た各ビット情報に対応する埋め込み位置に相当する原画
像のフーリエ振幅スペクトルが変更される。
【0068】図12は、包絡線リングパターン埋め込み
手段903で行われるフーリエ振幅スペクトルの変更を
説明するための図である。図12において、符号120
1で表される図は、包絡線リングパターン埋め込み手段
903での処理を分かり易くするため、原画像のフーリ
エ振幅スペクトルの値を半径r方向に1次元で表示した
図である。
【0069】包絡線リングパターン埋め込み手段903
では、各ビット情報に対応する埋め込み位置r’の位置
に対応する原画像のフーリエ振幅スペクトルの振幅を符
号1202に示される図のr’の位置で示される振幅成
分のように増加させる。
【0070】すなわち、埋め込み位置r’の周囲のフー
リエ振幅スペクトルの分布を考慮して、できるだけ原画
像の画質に影響がなく、かつ、周囲の画素と比較して孤
立点として認識されるように、埋め込み位置r’におけ
るフーリエ振幅スペクトルに正(または負の)変更を加
える。このとき、パラメータ入力手段906から透かし
の強度パラメータが入力された場合には、透かしの強度
パラメータに応じて、変更量を加減する。
【0071】尚、フーリエ振幅スペクトルの軸上の点に
埋め込むと、比較的目に付き易いパターンが発生する可
能性があるので、軸上には孤立点を作らないように、包
絡線リングパターン生成手段902で埋め込み位置を選
択するようにしてもよい。
【0072】最後に、フーリエ逆変換手段904は、包
絡線リングパターンが埋め込まれたフーリエ振幅スペク
トルとフーリエ変換手段901から入力されるフーリエ
位相スペクトルとから、電子透かしが埋め込まれた画像
を生成する(ステップS106)。以上が電子透かしを
埋め込むための本発明による画像処理装置の動作手順で
ある。
【0073】次に、上述した手順で電子透かしが埋め込
まれた画像から、電子透かしを抽出するための画像処理
装置について説明する。図13は、本実施形態における
電子透かしを抽出するための画像処理装置の構成を示す
ブロック図である。
【0074】入力手段1300は、上述した手順で作成
された電子透かしが埋め込まれた画像を入力するための
装置であり、フーリエ変換手段1301に接続してい
る。フーリエ変換手段1301は、入力された電子透か
し埋め込み画像をフーリエ変換する装置であり、低域成
分除去手段1302に接続している。低域成分除去手段
1302は、フーリエ振幅スペクトルの低周波領域を除
去する装置であり、極座標関数解析手段1307に接続
している。
【0075】極座標関数解析手段1307は、第1の実
施形態では、エッジ抽出手段1303、二値化手段13
04、ハフ変換手段1305から成る。
【0076】エッジ抽出手段1303は、ラプラシアン
フィルタ等の微分フィルタを用いて画像中のエッジ検出
処理を行う装置であり、二値化手段1304に接続して
いる。二値化手段1304は、しきい値を用いてエッジ
画像を二値化する装置であり、ハフ変換手段1305に
接続している。ハフ変換手段1305は、二値化画像に
対して上述したハフ変換処理を行う装置である。
【0077】極座標関数解析手段1307は、付加情報
抽出手段1306に接続している。付加情報抽出手段1
306は、極座標関数解析データに基づいて、画像中に
埋め込まれた付加情報を抽出する装置である。
【0078】すなわち、本発明は、所定の包絡線を有す
る直線上の所定位置に、人間に見えない又は見えにくい
ように電子透かし情報が埋め込まれた画像から、電子透
かし情報を抽出するための画像処理装置であって、画像
中における極値を算出する極座標関数解析手段1307
と、算出された極値の位置から、前記画像に埋め込まれ
た電子透かし情報を抽出する電子透かし情報抽出手段
(付加情報抽出手段1306)とを備えることを特徴と
する。
【0079】また、本発明は、極座標関数解析手段13
07が、電子透かし情報が埋め込まれた位置を検出する
埋め込み位置検出手段(エッジ抽出手段1303)と、
人間に見えない又は見えにくいように電子透かし情報が
埋め込まれた画像中において検出された埋め込み位置の
画素と残りの画像中の画素とから構成される二値化画像
を生成する二値化手段1304と、生成された二値化画
像に対してハフ変換を実行してハフ変換画像を生成する
ハフ変換手段1305とを備えることを特徴とする。
【0080】また、本発明は、人間に見えない又は見え
にくいように電子透かし情報が埋め込まれた画像を周波
数変換して振幅成分データを生成する周波数変換手段
(フーリエ変換手段1301)と、生成された振幅成分
データから低周波成分を除去する低域成分除去手段13
02とをさらに備え、低周波成分が除去された画像から
埋め込まれた電子透かし情報を抽出することを特徴とす
る。
【0081】次に、図面を参照して、図13に示される
画像処理装置の動作手順について説明する。図14は、
図13に示される付加情報を抽出するための画像処理装
置の動作手順を説明するためのフローチャートである。
まず、電子透かしが埋め込まれた画像が、入力手段13
00によって入力される(ステップS141)。入力さ
れた電子透かしが埋め込まれた画像は、フーリエ変換手
段1301においてフーリエ変換が実行され、フーリエ
振幅スペクトルが生成される(ステップS142)。
【0082】生成されたフーリエ振幅スペクトルは低域
成分除去手段1302に入力され、画像特有の周波数成
分の影響が大きく、包絡線リングパターンの存在する可
能性が低いフーリエ振幅スペクトルの低周波領域が除去
される(ステップS143)。尚、低域成分除去手段1
302は、画像特有の周波数成分の影響を除去するため
に導入される手段であり、必ずしも不可欠な処理を行う
装置ではない。すなわち、この低域成分除去手段130
2は、付加情報の抽出精度を高めるために導入されてい
る。
【0083】次に、低周波数成分が除去されたフーリエ
振幅スペクトルに対し、エッジ抽出手段1303の作動
により、ラプラシアンフィルタ等の微分フィルタのエッ
ジ検出処理が行われる(ステップS144)。図15
は、画像処理装置におけるエッジ検出手段1303の処
理内容を簡単に説明するための図である。尚、図15に
示される例では、処理内容の説明を簡単に行うために1
次元で表示されている。
【0084】図15において、符号1501で示される
図は、図12における符号1201で示される電子透か
しの埋め込みが行われていない場合のフーリエ振幅スペ
クトルに対してラプラシアンフィルタ等の微分フィルタ
を用いてエッジを検出した結果を示している。符号15
02は、図12における符号1202で示される電子透
かしが埋め込まれた場合のフーリエ振幅スペクトルに対
して微分フィルタ(ラプラシアンフィルタ等)を用いて
エッジを検出した結果を示している。
【0085】尚、上述したように、電子透かしを埋め込
むための画像処理装置の包絡線リングパターン埋め込み
手段903において、包絡線リングパターンがエッジと
して検出されるように埋め込まれている。
【0086】エッジ検出がされた画像は、二値化手段1
304に入力され、そこで所定のしきい値を用いて二値
化処理が行われる(ステップS145)。ここでは、図
15における符号1502で示されるエッジ検出処理後
の画像データに対して、あるしきい値1503を導入し
て二値化処理が行われる。すなわち、しきい値1503
を超えるエッジ検出された画像データを1、しきい値以
下の画像データ0として二値化画像が生成される。
【0087】生成された二値化画像は、ハフ変換手段1
305に入力され、上述したようなハフ変換処理が行わ
れ、θρ空間への写像画像が生成される(ステップS1
86)。ハフ変換手段1305では、二値化画像に対し
てハフ変換によるθρ空間への写像が行われ、しきい値
を超えるエッジ位置がθρ空間における正弦波として描
かれる。
【0088】そして、生成された写像画像は、付加情報
抽出手段1306に入力され、θρ空間への写像画像に
おけるピーク点列から、埋め込まれた付加情報が抽出さ
れる(ステップS147)。例えば、付加情報抽出手段
1306では、図16における符号1601に示される
ようなハフ変換画像が入力され、付加情報が抽出され
る。図16は、付加情報抽出手段1306の内部処理の
説明に用いられるハフ変換画像の一例を示す図である。
図16の符号1601に示すように、包絡線リングパタ
ーンが埋め込まれている場合には、ρ=R’の直線上に
複数のピークが出現する。
【0089】図17は、付加情報抽出手段1306の細
部構成を示すブロック図である。図17に示すように、
付加情報抽出手段1306は、入力されたハフ変換画像
からピーク列を検出するためのピーク列検出手段170
1と、スタートビットS1を検出するためのスタートビ
ット検出手段1702と、しきい値に基づいてビット情
報を獲得するビット情報検出手段1703とから構成さ
れる。
【0090】図18は、付加情報抽出手段1306の動
作手順を説明するためのフローチャートである。まず、
入力されたハフ変換画像はピーク列検出手段1701に
入力される。ここで、ピーク列検出部1701では、図
示しないが、極座標関数解析手段から入力されるデータ
に対し、必要な場合には、ピークを強調するような処理
を行うものとする。例えば、ハフ変換画像データが入力
される場合、孤立点抽出のための微分フィルタ処理や所
定の閾値を超える座標の値以外は全て0に初期化する処
理などのピークを強調する処理が行われるものとする。
以降、ピークの抽出のために用いるハフ変換画像データ
には、上述したようなピークを強調する処理が施されて
いるとする。ピーク列検出手段1701では、ピークの
強調処理が施されたハフ変換画像データの各成分をρ方
向に足し合わせる。このとき、符号1602に示すよう
に、ρ=R’の部分だけが突出する。そして、この成分
の和が最大となる位置ρ=R’を検出する(ステップS
147a)。尚、原画像が自然画像の場合、エッジ等の
原点から伸びる直線(ハフ変換によるθρ空間への写像
ではρ=0の部分に現れる。)が比較的含まれ易いた
め、ρ=0の成分の和は無視してもよい。
【0091】次に、スタートビット検出手段1702で
は、符号1603で示されるハフ変換画像におけるρ=
R’の直線上の成分の中から、最も成分が大きな位置s
1が検出され、スタートビットとされる(ステップS1
47b)。
【0092】最後に、ビット情報検出手段1703で
は、包絡線リングパターン生成手段902において式
(9)等を用いて対応付けられたビット情報と直線との
関係から、符号1603で表されるρ=R’の直線上の
ピークを各ビット情報に変換する。このとき、各ビット
が1であるか0であるかの判定は、あるしきい値を導入
して行うものとする。以上が電子透かしを抽出する画像
処理装置の構成及びその動作手順である。
【0093】以上述べたように、第1の実施形態では、
回転処理、スケーリング処理、平行移動処理等に対し
て、耐性のある包絡線リングパターンを用いた電子透か
しの埋め込み及び埋め込まれた電子透かしの抽出方法、
並びにそれらを行うための画像処理装置について説明し
た。
【0094】尚、動画像では、基本的に静止画像を時間
方向に重ね合わせた構成を取っていることから、本発明
が静止画像に限らず、包絡線リングパターンを動画像に
適応することも可能である。従って、電子透かしパター
ンとして包絡線リングパターンを動画像へ適用すること
も本発明の範疇に含む。
【0095】また、スタートビットs1の埋め込み点t
mの数を増やすと、付加情報の抽出時に用いるθρ空間
へのハフ変換の写像空間で、スタートビットs1のピー
クが他の付加情報のピークよりも大きくなるという効果
が得られる。
【0096】<第2の実施形態>第1の実施形態では、
画像をフーリエ変換して得られる振幅スペクトルの包絡
線リングパターンで表される位置の振幅スペクトルを変
更し、電子透かしを埋め込む場合について説明を行っ
た。第2の実施形態では、包絡線リングパターンと位相
スペクトルを逆フーリエ変換して得られる透かし画像
を、空間上で画像に加え、電子透かしを埋め込む場合に
ついて説明を行う。
【0097】図21に第1の実施形態における図9に対
応する電子透かし埋め込み手段を示す。図21は、本発
明の一実施形態による電子透かしを埋め込むための画像
処理装置の構成を示すブロック図である。図9と同じ符
号の手段は、図9と同じ機能を持つ手段である。以下、
図21の電子透かし埋め込み手段2101について説明
する。
【0098】まず、画像入力手段2101で入力された
画像データは、画像解析手段2107に入力される。画
像解析手段2107は、画像の特徴を解析し、結果の画
像解析データを包絡線リングパターン生成手段2111
に出力する。包絡線リングパターン生成手段2111に
は、付加情報入力手段905からスタートビットs1を
含む付加情報が入力される。
【0099】また、パラメータ入力手段906から、透
かしの強度や埋め込み毎に変化するパラメータ情報が入
力される。上記の付加情報入力手段905やパラメータ
入力手段906の機能は、第1の実施の形態で詳しく述
べたのでここでは、省略する。
【0100】包絡線リングパターン生成手段2111で
は、付加情報入力手段905、パラメータ入力手段90
6、画像解析手段2107から入力される情報に基づい
て、包絡線リングパターンが生成される。
【0101】包絡線リングパターン生成手段2111で
は、画像解析手段2107から入力される画像解析デー
タに基づいて、例えば、平坦な画像に於ける高周波成分
を取り除くため、図22に示すようにフーリエ振幅スペ
クトルの高周波領域2202に対応する位置を利用しな
い包絡線リングパターンを生成してもよい。すなわち、
第1の実施形態と同様に、低周波領域2201に対応す
る位置を埋め込み位置として利用しなくてもよい。図2
2は、低周波領域と高周波領域を避けた埋め込み位置を
選択する様子を示した図である。
【0102】図21の包絡線リングパターン生成手段2
111は、図9の包絡線リングパターン生成手段902
と異なり、包絡線リングパターンで表される位置の振幅
スペクトルを操作した振幅スペクトルを出力する。包絡
線リングパターン生成手段2111で生成された振幅ス
ペクトルは、逆フーリエ変換手段2104に入力され
る。
【0103】位相スペクトル生成手段2108では、フ
ーリエ位相スペクトルを生成し、逆フーリエ変換手段2
104にフーリエ位相スペクトルを出力する。位相スペ
クトル生成手段2108で生成されるフーリエ位相スペ
クトルは、固定値でもよいし、パラメータ入力手段90
6から入力されるユーザIDや時間情報等をもとに生成
された位相スペクトルでもよい。
【0104】本発明では、フーリエ位相スペクトルは、
付加情報の抽出には必要でない。従って、位相スペクト
ルをパラメータ入力情報によって入力毎に変化させるこ
とで、空間上における透かしパターンを分かりにくくす
る等の効果が得られる。
【0105】逆フーリエ変換手段2104では、包絡線
リングパターン生成手段2111から入力された振幅ス
ペクトルと、位相スペクトル生成手段2108から入力
された位相スペクトルとから、逆フーリエ変換した透か
しパターンを生成し、後段の透かしパターン変調手段2
109に入力する。
【0106】透かしパターン変調手段2109は、画像
解析手段2107から入力される画像解析データと、逆
フーリエ変換手段2104から入力される電子透かしパ
ターンと、パラメータ入力手段906から入力される透
かしの強度に基づいて、透かしパターンを変調する。透
かしパターン変調手段2109は変調した透かしパター
ンを透かしパターン加算手段2110に出力する。
【0107】透かしパターン加算手段2110は、原画
像に変調した透かしパターンを加算し、電子透かし埋め
込み画像を出力する。尚、画像解析手段2107から包
絡線リングパターン生成手段2111に入力される画像
解析データと、透かしパターン変調手段2109に入力
される画像解析データは、画像解析に基づいて得られる
データであって、それぞれ異なるデータであってもよ
い。
【0108】すなわち、この発明は、人間に見えない又
は見えにくいように電子透かし情報を画像中に埋め込む
画像処理装置であって、周波数変換された画像データを
入力する画像入力手段2100と、所定のパラメータを
利用して、位相成分データを生成する位相成分生成手段
(位相成分スペクトル生成手段2108)と、入力され
た画像データから得られる振幅成分データと位相成分デ
ータとから透かしパターンを生成する逆周波数変換手段
(逆フーリエ変換手段2104)と、振幅成分データと
透かしパターンを変調する透かしパターン変調手段21
09と、入力された画像データに変調された透かしパタ
ーンを加算する透かしパターン加算手段2110とを備
えることを特徴とする。
【0109】以上、第2の実施の形態では、包絡線リン
グパターンを利用し、空間領域で表現される透かしパタ
ーンを生成し、空間領域で入力画像に加算して、電子透
かし埋め込み画像を生成する方法について述べた。
【0110】<第3の実施形態>第1の実施の形態で
は、図13に示すように極座標関数解析手段1307の
内部構成がエッジ抽出手段1303、2値化手段130
4、ハフ変換手段1305で構成される場合について述
べた。第3の実施形態では、極座標解析手段1307の
内部処理を別の手法を用いて実現する。
【0111】図1や図7に示される包絡線リングパター
ンに対して、極座標(θ,ρ)における円の接線上の画
素値の和(振幅スペクトルの値)を計算し、極座標
(θ,ρ)上にプロットした場合を考える。この場合、
図5及び図8に示すθρ空間への写像画像とほぼ同様の
結果が得られる。これは、ハフ変換の処理が、直線を検
出するのに間接的に直線上のパワーを求めていることか
らも直感的に分かる。
【0112】ハフ変換は、方程式で表現される円や幾何
的図形も検出することが可能であることは、既に第1の
実施の形態で述べた。従って、上記の抽出方法や第1の
実施形態は、以下のようにより一般化することができ
る。
【0113】極座標上の点(φi,Rj)に基づいた方程
式で表現される関数上の点の画素値(振幅スペクトルの
値)を変更することで情報を埋め込むことが可能であ
り、極座標上の点(φi,Rj)に基づいた方程式で表現
される関数上の点を解析し、極座標で表される解析デー
タを生成し、解析データのピークの位置関係から付加情
報の抽出が可能である。
【0114】第3の実施形態の場合、極座標上の点に基
づいた方程式で表現される関数上の点を解析すること
は、方程式上の画素値(振幅スペクトル値)の和を計算
することである。第3の実施形態では、埋め込みに於い
て、孤立点を生成する必要はなく、接線上の画素値の和
が他と比べて大きくなればよい。以上、第3の実施形態
について述べた。
【0115】<第4の実施形態>本実施形態では、包絡
線リングパターンを文書画像の背景画像として用いる場
合について説明する。したがって、付加情報を不可視の
電子透かしとしてではなく包絡線リングパターンを用い
た可視の2次元パターンとして埋め込む。この場合、様
々な付加情報が、図1における符号101や符号102
で示されるような包絡線リングパターンとして表現さ
れ、文書情報の背景に直接配置される。
【0116】一例として、全画素が1の画像に対して、
フーリエ変換することなく、包絡線リングパターンを用
いて第1の実施形態と同様に付加情報を埋め込む方法が
挙げられる。そして、この画像と文書データとを足し合
わせて、文書データの背景画像が包絡線リングパターン
に近い形状をした文書画像を作成することができる。
【0117】但し、本実施形態では、包絡線リングパタ
ーンから付加情報を抽出する場合に、前もって包絡線リ
ングパターンの原点を検出した上でハフ変換処理を施す
必要がある。この理由として、包絡線リングパターンの
原点とハフ変換を行う際の原点が一致していない場合、
包絡線リングパターンの直線をθρ空間へ写像した写像
画像においてピークが正弦波上に並ぶからである。
【0118】尚、包絡線リングパターンの原点位置の検
出方法として、あらかじめ中心位置を指定する方法、円
である包絡線をハフ変換等で検出する方法、包絡線リン
グパターンのピークが直線上に並ぶ位置を検出する方法
等のアプローチがある。
【0119】さらに、半径の異なる複数の包絡線リング
パターンを重ね合わせることで、画像に埋め込む情報量
を増やすことも可能である。さらにまた、包絡線リング
パターン自身が幾何学的な特徴を有するものであるた
め、文書画像等に装飾的な効果を与えるという特別の効
果を付与することも可能である。
【0120】<第5の実施形態>第5の実施形態では、
第1の実施形態の手法を応用して第4の実施形態で説明
したような文書画像等に付加情報を埋め込む方法につい
て述べる。本実施形態では、図9に示される電子透かし
を埋め込むための画像処理装置において、入力画像とし
て濃淡画像ではなく平坦な画像(例えば、全画素が12
8の画像)を与える。そして、第1の実施形態と同様
に、フーリエ変換した後に、第1の実施形態と同様に付
加情報を埋め込む。そして、付加情報が埋め込まれた画
像にもとの文書画像等を足し合わせる。尚、付加情報の
抽出は、第1の実施形態の図4の電子透かしを抽出する
ための画像処理装置とほぼ同じ構成で実行可能である。
【0121】図19は、本発明による画像処理装置にお
いて電子透かしの抽出を行うためのコンピュータの構成
を示すブロック図である。図19において、本装置の構
成要素であるCPU1911、RAM1912、ROM
1913、ディスプレイ制御部1914、デバイスキー
ボードやマウスなどの操作入力デバイスの接続I/O1
917、外部記憶装置の接続I/O1919、カラーイ
メージスキャナなどの画像入力機器との接続I/O19
22、他のコンピュータシステムとのインタフェース部
1923はバス1920に接続されている。
【0122】また、カラーイメージスキャナ1921
は、カラーイメージスキャナなどの画像入力機器との接
続I/O1922に接続している。さらに、ディスプレ
イ1915はディスプレイ制御部1914に接続してい
る。さらにまた、キーボードやマウスなどの操作入力部
1916は、操作入力デバイスの接続I/O1917に
接続している。さらにまた、ハードディスク装置などの
外部記憶装置1918は、外部記憶装置の接続I/O1
919に接続している。
【0123】本発明における、第1、第2、第3の実施
形態で説明された電子透かしを抽出するための画像処理
装置は、コンピュータ実行可能なプログラムとして、あ
らかじめROM1913に格納しておき、プログラムを
RAM1912上の読みこんだ後に、あるいは、あらか
じめ外部記憶装置1919に格納されているプログラム
をRAM1912上の読みこんだ後に、あるいはネット
ワークなどの通信手段とのインタフェース部1923を
通じてプログラムをダウンロードし、RAM1912上
の読み込んだ後に、CPU1911により該プログラム
を実行することにより本発明を実施する。
【0124】電子透かしの抽出を行う対象が画像の場
合、カラーイメージスキャナ1921、あるいは、カラ
ーイメージスキャナに代わるディジタルカメラ等の入力
機器を用いて入力される。そして、入力画像は、接続I
/O1922を通じて、RAM1912内部に蓄積され
るか、あるいは、外部記憶装置1918を通じて、接続
I/O1919を通じて、RAM1912内部に蓄積さ
れるか、あるいはネットワークなどの通信手段1923
を通じて、RAM1912内部に蓄積される。
【0125】電子透かしの抽出を行う対象が音声信号の
場合、図19におけるカラーイメージスキャナ1921
に代わるマイク等の音声入力機器を用いて入力される。
入力音声は、接続I/O1922を通じて、RAM19
12内部に蓄積されるか、あるいは、外部記憶装置19
18を通じて、接続I/O1919を通じて、RAM1
912内部に蓄積されるか、あるいはネットワークなど
の通信手段1923を通じて、RAM1912内部に蓄
積される。
【0126】電子透かしの抽出を行う対象が動画像デー
タの場合、図19におけるカラーイメージスキャナ19
21に代わるディジタルカメラ等の入力機器を用いて入
力される。入力された動画像は、接続I/O1922を
通じて、RAM1912内部に蓄積されるか、あるい
は、外部記憶装置1918から接続I/O1919を通
じて、RAM1912内部に蓄積されるか、あるいはネ
ットワークなどの通信手段1923を通じて、RAM1
912内部に蓄積される。尚、電子透かしの抽出処理プ
ログラムは、キーボード&マウス1916あるいは、ネ
ットワークなどの通信手段1923からの入力を通じて
制御される。
【0127】尚、本発明は、複数の機器(例えば、ホス
トコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリン
タ等)から構成されるシステムに適用しても、一つの機
器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置
等)に適用してもよい。
【0128】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記録媒体(または記憶媒体)を、システムあるい
は装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュ
ータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納された
プログラムコードを読み出し実行することによっても、
達成されることは言うまでもない。この場合、記録媒体
から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施
形態の機能を実現することになり、そのプログラムコー
ドを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0129】また、コンピュータが読み出したプログラ
ムコードを実行することにより、前述した実施形態の機
能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指
示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーテ
ィングシステム(OS)などが実際の処理の一部または
全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能
が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0130】さらに、記録媒体から読み出されたプログ
ラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カー
ドやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わ
るメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示
に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備
わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、
その処理によって前述した実施形態の機能が実現される
場合も含まれることは言うまでもない。
【0131】本発明を上記記録媒体に適用する場合、そ
の記録媒体には、先に説明したフローチャートに対応す
るプログラムコードが格納されることになる。
【0132】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
回転処理、スケーリング処理、平行移動処理等の幾何的
な加工編集処理に対して強い耐性を持つ電子透かしを埋
め込むことができる、また、画像の回転処理等の加工編
集処理後も埋め込まれた電子透かしを正しく抽出するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像処理装置で用いられる電子透
かしパターンの一例を説明するための図である。
【図2】円周上の点(Rcosφ,Rsinφ)における接線
と接点で直交する線分の傾きを説明するための図であ
る。
【図3】xy空間における直線上の点のmc空間への写
像を説明するための図である。
【図4】xy空間における直線上の点のθρ空間への写
像を説明するための図である。
【図5】図1に示される図形に対してハフ変換によるθ
ρ空間へ写像の計算結果を説明するための図である。
【図6】半径Rjの円の円周上の位置(φi,Rj)を表
現するための極座標表示である。
【図7】半径R1、R2の2つの円における複数の接線
を描いた基本パターンを説明するための図である。
【図8】図7に示される2種類の基本パターンのθρ空
間へのハフ変換を説明するための図である。
【図9】本発明の一実施形態による電子透かしを埋め込
むための画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本実施形態による画像処理装置の電子透かし
埋め込み手順について説明するためのフローチャートで
ある。
【図11】入力された原画像をフーリエ変換処理するこ
とによって生成されたフーリエ振幅スペクトルを説明す
るための図である。
【図12】包絡線リングパターン埋め込み手段903で
行われるフーリエ振幅スペクトルの変更を説明するため
の図である。
【図13】本実施形態における電子透かしを抽出するた
めの画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図14】図13に示される付加情報を抽出するための
画像処理装置の動作手順を説明するためのフローチャー
トである。
【図15】画像処理装置におけるエッジ検出手段130
3の処理内容を簡単に説明するための図である。
【図16】付加情報抽出手段1306の内部処理の説明
に用いられるハフ変換画像の一例を示す図である。
【図17】付加情報抽出手段1306の細部構成を示す
ブロック図である。
【図18】付加情報抽出手段1306の動作手順を説明
するためのフローチャートである。
【図19】本発明による画像処理装置において電子透か
しの抽出を行うためのコンピュータの構成を示すブロッ
ク図である。
【図20】付加情報を繰り返し埋め込む様子を示した図
である。
【図21】本発明の一実施形態による電子透かしを埋め
込むための画像処理装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図22】低周波領域と高周波領域と避けた埋め込み位
置を選択する様子を示した図である。
【符号の説明】
900 画像入力手段 901 フーリエ変換手段 902 包絡線リングパターン生成手段 903 包絡線リングパターン埋め込み手段 904 逆フーリエ変換手段 905 付加情報入力手段 906 パラメータ入力手段 907 画像解析手段

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人間に見えない又は見えにくいように電
    子透かし情報を画像中に埋め込む画像処理装置であっ
    て、 画像を周波数変換して振幅成分データと位相成分データ
    とに変換する周波数変換手段と、 生成された振幅成分データ上に所定の包絡線を有する直
    線群で表される電子透かし情報の埋め込みパターンを生
    成する埋め込みパターン生成手段と、 前記埋め込みパターンにおける直線上の所定位置に電子
    透かし情報を埋め込む電子透かし情報埋め込み手段と、 前記電子透かし情報が埋め込まれた振幅成分データを前
    記位相成分データを用いて逆周波数変換する逆周波数変
    換手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記画像中に前記電子透かし情報を埋め
    込むときの透かしの強度または埋め込み毎に変化するパ
    ラメータを入力するパラメータ入力手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 人間に見えない又は見えにくいように電
    子透かし情報を画像中に埋め込む画像処理装置であっ
    て、 周波数変換された画像データを入力する画像入力手段
    と、 所定のパラメータを利用して、位相成分データを生成す
    る位相成分生成手段と、 入力された画像データから得られる振幅成分データと前
    記位相成分データとから透かしパターンを生成する逆周
    波数変換手段と、 前記振幅成分データと前記透かしパターンを変調する透
    かしパターン変調手段と、 入力された画像データに変調された透かしパターンを加
    算する透かしパターン加算手段とを備えることを特徴と
    する画像処理装置。
  4. 【請求項4】 文書画像中に所定の付加情報を埋め込む
    画像処理装置であって、 前記文書画像上に所定の包絡線を有する所定の直線群を
    設定する埋め込みパターン生成手段と、 前記設定された直線上の所定位置に前記付加情報を埋め
    込む付加情報埋め込み手段とを備えることを特徴とする
    画像処理装置。
  5. 【請求項5】 所定の包絡線を有する直線上の所定位置
    に、人間に見えない又は見えにくいように電子透かし情
    報が埋め込まれた画像から、該電子透かし情報を抽出す
    るための画像処理装置であって、 前記画像中における極値を算出する極座標関数解析手段
    と、 算出された極値の位置から、前記画像に埋め込まれた電
    子透かし情報を抽出する電子透かし情報抽出手段とを備
    えることを特徴とする画像処理装置。
  6. 【請求項6】 前記極座標関数解析手段が、 前記電子透かし情報が埋め込まれた位置を検出する埋め
    込み位置検出手段と、 人間に見えない又は見えにくいように電子透かし情報が
    埋め込まれた画像中において検出された埋め込み位置の
    画素と残りの画像中の画素とから構成される二値化画像
    を生成する二値化手段と、 生成された二値化画像に対してハフ変換を実行してハフ
    変換画像を生成するハフ変換手段とを備えることを特徴
    とする請求項5記載の画像処理装置。
  7. 【請求項7】 人間に見えない又は見えにくいように電
    子透かし情報が埋め込まれた画像を周波数変換して振幅
    成分データを生成する周波数変換手段と、 生成された振幅成分データから低周波成分を除去する低
    域成分除去手段とをさらに備え、 低周波成分が除去された画像から埋め込まれた電子透か
    し情報を抽出することを特徴とする請求項5または6に
    記載の画像処理装置。
  8. 【請求項8】 前記包絡線は円であることを特徴とする
    請求項1から7までのいずれか1項に記載の画像処理装
    置。
  9. 【請求項9】 人間に見えない又は見えにくいように電
    子透かし情報を画像中に埋め込む画像処理方法であっ
    て、 画像を入力する画像入力工程と、 入力された画像を周波数変換して振幅成分データと位相
    成分データに変換する周波数変換工程と、 生成された振幅成分データ上に所定の包絡線を有する直
    線群で表される電子透かし情報の埋め込みパターンを生
    成する埋め込みパターン生成工程と、 前記埋め込みパターンにおける直線上の所定位置に電子
    透かし情報を埋め込む電子透かし情報埋め込み工程と、 前記電子透かし情報が埋め込まれた振幅成分データを前
    記位相成分データを用いて逆周波数変換する逆周波数変
    換工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
  10. 【請求項10】 前記画像中に前記電子透かし情報を埋
    め込むときの透かしの強度または埋め込み毎に変化する
    パラメータを入力するパラメータ入力工程をさらに有す
    ることを特徴とする請求項9記載の画像処理方法。
  11. 【請求項11】 文書画像中に所定の付加情報を埋め込
    む画像処理方法であって、 前記文書画像上に所定の包絡線を有する所定の直線群を
    設定する埋め込みパターン生成工程と、 前記設定された直線上の所定位置に前記付加情報を埋め
    込む付加情報埋め込み工程とを有することを特徴とする
    画像処理方法。
  12. 【請求項12】 所定の包絡線を有する直線上の所定位
    置に、人間に見えない又は見えにくいように電子透かし
    情報が埋め込まれた画像を入力する入力工程と、 前記電子透かし情報が埋め込まれた位置を検出する埋め
    込み位置検出工程と、 前記画像中において検出された埋め込み位置の画素と残
    りの画像中の画素とから構成される二値化画像を生成す
    る二値化工程と、 生成された二値化画像に対してハフ変換を実行してハフ
    変換画像を生成するハフ変換工程と、 生成されたハフ変換画像中の極値の位置から、前記画像
    に埋め込まれた電子透かし情報を抽出する電子透かし情
    報抽出工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
  13. 【請求項13】 人間に見えない又は見えにくいように
    電子透かし情報が埋め込まれた画像を周波数変換して振
    幅成分データを生成する周波数変換工程と、 生成された振幅成分データから低周波成分を除去する低
    域成分除去工程とをさらに有し、 低周波成分が除去された画像から埋め込まれた電子透か
    し情報を抽出することを特徴とする請求項12記載の画
    像処理方法。
  14. 【請求項14】 前記包絡線は円であることを特徴とす
    る請求項9から13までのいずれか1項に記載の画像処
    理方法。
  15. 【請求項15】 人間に見えない又は見えにくいように
    電子透かし情報を画像中に埋め込む画像処理装置を制御
    するためのコンピュータプログラムであって、 画像を入力する画像入力工程のプログラムコードと、 入力された画像を周波数変換して振幅成分データと位相
    成分データに変換する周波数変換工程のプログラムコー
    ドと、 生成された振幅成分データ上に所定の包絡線を有する直
    線群で表される電子透かし情報の埋め込みパターンを生
    成する埋め込みパターン生成工程のプログラムコード
    と、 前記埋め込みパターンにおける直線上の所定位置に電子
    透かし情報を埋め込む電子透かし情報埋め込み工程のプ
    ログラムコードと、 前記電子透かし情報が埋め込まれた振幅成分データを前
    記位相成分データを用いて逆周波数変換する逆周波数変
    換工程のプログラムコードとを有することを特徴とする
    コンピュータプログラム。
  16. 【請求項16】 前記画像中に前記電子透かし情報を埋
    め込むときの透かしの強度または埋め込み毎に変化する
    パラメータを入力するパラメータ入力工程のプログラム
    コードをさらに備えることを特徴とする請求項15記載
    のコンピュータプログラム。
  17. 【請求項17】 文書画像中に電子透かし情報を埋め込
    む画像処理装置を制御するためのコンピュータプログラ
    ムであって、 前記文書画像上に所定の包絡線を有する所定の直線群を
    設定する埋め込みパターン生成工程のプログラムコード
    と、 前記設定された直線上の所定位置に前記電子透かし情報
    を埋め込む電子透かし情報埋め込み工程のプログラムコ
    ードとを有することを特徴とするコンピュータプログラ
    ム。
  18. 【請求項18】 所定の電子透かし情報が埋め込まれた
    画像から該電子透かし情報を抽出する画像処理装置を制
    御するためのコンピュータプログラムであって、 所定の包絡線を有する直線上の所定位置に、人間に見え
    ない又は見えにくいように電子透かし情報が埋め込まれ
    た画像を入力する入力工程のプログラムコードと、 前記電子透かし情報が埋め込まれた位置を検出する埋め
    込み位置検出工程のプログラムコードと、 前記画像中において検出された埋め込み位置の画素と残
    りの画像中の画素とから構成される二値化画像を生成す
    る二値化工程のプログラムコードと、 生成された二値化画像に対してハフ変換を実行してハフ
    変換画像を生成するハフ変換工程のプログラムコード
    と、 生成されたハフ変換画像中の極値の位置から、前記画像
    に埋め込まれた電子透かし情報を抽出する付加情報抽出
    工程のプログラムコードとを有することを特徴とするコ
    ンピュータプログラム。
  19. 【請求項19】 人間に見えない又は見えにくいように
    電子透かし情報が埋め込まれた画像を周波数変換して振
    幅成分データを生成する周波数変換工程のプログラムコ
    ードと、 生成された振幅成分データから低周波成分を除去する低
    域成分除去工程のプログラムコードとをさらに有し、 低周波成分が除去された画像から電子透かし情報を抽出
    することを特徴とする請求項18記載のコンピュータプ
    ログラム。
  20. 【請求項20】 前記包絡線は円であることを特徴とす
    る請求項15から19までのいずれか1項に記載のコン
    ピュータプログラム。
  21. 【請求項21】 請求項15記載のコンピュータプログ
    ラムを格納することを特徴とする記録媒体。
  22. 【請求項22】 請求項18記載のコンピュータプログ
    ラムを格納することを特徴とする記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006107795A1 (en) * 2005-04-05 2006-10-12 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Optical image processing using minimum phase functions
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