JP2003244034A

JP2003244034A - 伝送路におけるケーブル組の検査方法及びその装置、ケーブル組の選択方法

Info

Publication number: JP2003244034A
Application number: JP2002037886A
Authority: JP
Inventors: Masahiro Maki; 昌弘牧; Yuji Igata; 裕司井形; Satoshi Hasako; 里志羽迫; Junji Kondo; 潤二近藤
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 2002-02-15
Filing date: 2002-02-15
Publication date: 2003-08-29
Also published as: EP1337094A3; EP1337094A2

Abstract

(57)【要約】【課題】メタリックケーブルを多数備える伝送路にお
ける通信品質を向上できる技術を提供することを目的と
する。【解決手段】伝送路１内に、互いに近接するように配
設される多数のメタリックケーブル２、３のうち、特定
のメタリックケーブルの組による通信状態の良否を検査
する。一のメタリックケーブルへ検査信号を流すと共
に、この検査信号が流れることにより、他のメタリック
ケーブルを流れる干渉信号を計測し、検査信号と干渉信
号との関係に基づいて、特定のメタリックケーブルの組
による通信状態の良否を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、内部に多数のメタ
リックケーブルが互いに近接するように配設された、伝
送路におけるケーブル組の検査方法及びその関連技術に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】たとえば、ｘＤＳＬ通信システムのよう
に、複数のメタリックケーブルを一つのケースに収納し
た伝送路が、通信システムに広く採用されるようになっ
てきている。

【０００３】ところで、このような伝送路を使用する通
信において、その品質を低下させる要因の一つとして、
メタリックケーブル間の漏話の問題がある。

【０００４】この漏話には、近端漏話と遠端漏話がある
が、近端漏話は、一般に雑音レベルが大きく、伝送性能
を極端に悪化させる要因となる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、例えば集合
住宅やオフィスビルなどのように、複数の部屋がある建
物において、各部屋にメタリックケーブルを分配して配
設するような場合、この種の近端漏話の問題への対策
は、全くとられていない。このため、近端漏話が原因と
なって通信品質が低下したり、場合によっては通信自体
が不能になることがあった。

【０００６】そこで本発明は、メタリックケーブルを多
数備える伝送路における通信品質を向上できる技術を提
供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】第１の発明では、伝送路
内に、互いに近接するように配設される多数のメタリッ
クケーブルのうち、一のメタリックケーブルと他のメタ
リックケーブルとの組による通信状態の良否を検査する
について、一のメタリックケーブルへ検査信号を流すと
共に、この検査信号が流れることにより、他のメタリッ
クケーブルを流れる干渉信号を計測し、検査信号と干渉
信号との関係に基づいて、一のメタリックケーブルと他
のメタリックケーブルとの組による通信状態の良否を判
定する。

【０００８】この構成により、近端漏話が発生するメタ
リックケーブルの組を回避して、通信品質を向上でき
る。

【０００９】第２の発明では、以上に加えて、検査信号
が、任意の周波数の信号であり、かつ、検査信号と干渉
信号との関係は、検査信号と干渉信号との電圧レベルの
比較により評価される。

【００１０】この構成により、近端漏話の強弱を、正確
に評価できる。

【００１１】第３の発明では、通信状態の良否の判定に
おいて、通信状態が良とされたケーブル組を選択する。

【００１２】これにより、好ましいメタリックケーブル
の組を使用して、近端漏話による悪影響を抑制できる。

【００１３】第４の発明では、上位回線への中継器と、
中継器の下流側に接続される伝送路であって、内部に多
数のメタリックケーブルが互いに近接するように配設さ
れたものと、伝送路を構成するメタリックケーブルのう
ち、一のメタリックケーブルの下流側に接続される第１
の送受信器と、他のメタリックケーブルの下流側に接続
される第２の送受信器とを具備する通信システムについ
て、

【００１４】一のメタリックケーブルと他のメタリック
ケーブルとの組による、通信状態の良否を検査するにつ
いて、第１の送受信器と一のメタリックケーブルとの間
に、第１の計測器を介装すると共に、第２の送受信器と
他のメタリックケーブルとの間に、第２の計測器を介装
し、第１の計測器により、第１の送受信器が中継器と送
受信する信号以外の成分を計測し、第２の計測器によ
り、第２の送受信器が中継器と送受信する信号以外の成
分を計測し、これらの成分に基づいて、一のメタリック
ケーブルと他のメタリックケーブルとの組による、通信
状態の良否を判定する。

【００１５】この構成により、一のメタリックケーブル
に積極的に検査信号を流さなくとも、上記組による通信
状態の良否を判定できる。

【００１６】第５の発明では、第４の発明に加えて、第
１の計測器が計測した成分と第２の計測器が計測した成
分とに関する情報は、伝送路を経由して中継器へ通知さ
れ、中継器に接続されるモニタに表示される。

【００１７】この構成により、中継器に接続されたモニ
タを監視しさえすれば、一元的に、上記組により通信状
態の良否を判定できる。

【００１８】第６の発明では、第４の発明に加えて、中
継器には、情報が示すこれらの成分の時間的変化を記録
する記録装置が接続されている。

【００１９】この構成により、第１、第２の送受信器の
送受信に時間的ずれがあり、実際に発生する近接漏話が
少ない場合に、通信状態が不良であるとの誤判定を回避
することができ、判定結果を実情にマッチさせ得る。

【００２０】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態を説明する。（実施の形態１）図１は、本発明の実施の形態１におけ
る伝送路におけるケーブル組の検査装置のブロック図で
ある。

【００２１】図１に示すように、伝送路１は、多数のメ
タリックケーブル２、３、．．．が、互いに近接するよ
うに配設されてなる。これらのメタリックケーブル２、
３、．．．は、数本がツイストされているものであって
もよいし、同軸状に配置されているものであっても良
い。要するに、近端漏話のおそれがあるものであれば、
任意である。

【００２２】この例では、図１の装置を使用して、この
伝送路１から、好ましいメタリックケーブルの組を選択
する。

【００２３】このような選択は、典型的には、集合住宅
やオフィスビルなどにおいて、順次ｘＤＳＬ加入者が発
生し、この加入者のための工事が行われる場合や、メタ
リックケーブルの接続管理を行うような状態で実施され
る（選択の実益が高いから）が、原理的には、どのよう
な状態で実施しても差し支えない。

【００２４】また、伝送路１は、集合住宅やオフィスビ
ルなどに、既に布設されているものであっても良いし、
これから布設しようとしているものであっても良い。

【００２５】そして、伝送路１を構成する、多数のメタ
リックケーブルのうち、特定のケーブル組が選択され
る。ここでは、図１に示しているように、メタリックケ
ーブル２、３が選択されたものとする。

【００２６】なお、この組は、図示しているように、２
本でなくてもよく、例えば、３本、４本などでも良い。

【００２７】そして、これらのメタリックケーブル２、
３のうち、一のメタリックケーブル２には、干渉計測器
４の出力部５が接続される。

【００２８】この出力部５は、一のメタリックケーブル
２に、矢印Ｎ１で示すように、任意の周波数の検査信号
を出力する。例えば、ｘＤＳＬ通信を前提とするのであ
れば、ｘＤＳＬ通信において使用される周波数帯の検査
信号（４ｋＨｚ程度の音声信号よりも高周波の信号）を
出力するようにすると良い。

【００２９】ここで、他のメタリックケーブル３は、理
想的には、一のメタリックケーブル２と、全く干渉せ
ず、矢印Ｎ１方向に検査信号を流しても、矢印Ｎ２方向
の干渉信号はゼロのはずである。

【００３０】しかしながら、近端漏話によって、仮想ル
ープＬが形成されることがあり、そうなると、他のメタ
リックケーブル３を矢印Ｎ２方向に流れる干渉信号は、
ゼロではなくなる。

【００３１】そこで、この他のメタリックケーブル３
に、干渉計測器４の入力部６を接続し、入力部６によ
り、干渉信号を計測する。

【００３２】そして、出力部５が出力した検査信号と、
入力部６が計測した干渉信号とを、比較器７とで比較
し、それらの関係を調べる。ここでは、比較器７は、電
圧レベルで、検査信号と干渉信号を比較する。

【００３３】そして、この比較の結果は、モニタ８に表
示される。なお、この比較の具体適例としては、比較器
７が、検査信号と干渉信号との差分を求め、この差分
と、経験的に予め設定した閾値とを大小比較し、通信状
態の良否判定を行うようにするとよい。

【００３４】さて、以上の説明では、簡単のため、干渉
信号を計測する他のメタリックケーブル３は、１本のみ
であった。しかし、複数の入力部６を設けて２本以上の
他のメタリックケーブルに接続したり、入力部６が接続
される他のメタリックケーブルを切り替えるスイッチを
設けるなどして、２本以上の他のメタリックケーブルに
おける干渉信号を並行して計測しても良い。

【００３５】こうすると、ケーブルの接続をやり直すこ
となく、干渉計測を実施できるので、検査の効率を向上
できる。

【００３６】そして、以上の比較の結果、他のメタリッ
クケーブルのうち、干渉信号が小さいものを、好まし
い、他のメタリックケーブルとして選択する。

【００３７】（実施の形態２）図２は、本発明の実施の
形態２における通信システムのブロック図である。図２
の通信システムは、集合住宅やオフィスビル等の建物に
設置されるものである。図示している例では、この建物
には、管理室１００、ａ室１０１、ｂ室１０２等があ
る。

【００３８】ここで、管理室１００には、公衆回線網等
の上位回線１１が引き込まれ、この上位回線１１は、こ
の建物の中継器１０の上流側へ接続される。

【００３９】一方、中継器１０の下流側には、実施の形
態１で述べたのと同様な、伝送路１が接続される。伝送
路１を構成する、各メタリックケーブルは、この建物の
内部を通過して、各部屋へ配線される。

【００４０】この例では、ａ室１０１に、一のメタリッ
クケーブルＡが配線され、ｂ室１０２に、他のメタリッ
クケーブルＢが配線されている。

【００４１】ここで、実施の形態１と同様に、伝送路１
を構成する、複数のメタリックケーブル（一のメタリッ
クケーブルＡ及び他のメタリックケーブルＢも、これに
含まれる。）は、ツイストされていてもいなくとも良
く、少なくとも１カ所（例えば、中継器１０の近傍な
ど）において、近接漏話のおそれがあるほど、近接して
いればよい。

【００４２】また、管理室１００に設置される中継器１
０は、上位回線１１と伝送路１の配下に位置する送受信
器（送受信器２２、３２等）との、データの送受信を中
継する。

【００４３】さて、ａ室１０１には、一のメタリックケ
ーブルＡを用いて、データの送受信を行う送受信器２２
が設置されている。そして、一のメタリックケーブルＡ
と、送受信器２２との間に、計測器２１が介装される。

【００４４】この計測器２１は、送受信器２２が送受信
する信号以外の成分（つまり、本来あってはならない近
接漏話等の成分）の量または強さを計測する。この計測
器２１としては、ネットワークアナライザ、オシロスコ
ープ、周波数毎の電圧計、スペクトラムアナライザなど
を用いることができる。そして、簡単にするためには、
計測器２１は、送受信器２２が信号を出していない時間
における、信号のレベル（例えば、電圧レベルなど）を
計測し、計測結果を上記成分とするように構成すること
ができる。

【００４５】そして、計測器２１は、上記成分を計測す
ると、一のメタリックケーブルＡを経由して、上記成分
に関する情報を、中継器１０へ通知する。

【００４６】また、ｂ室１０２についても、ａ室１０１
と同様に、計測器３１と送受信器３２とが配設されてい
る。

【００４７】さて、中継器１０は、計測器２１、３１か
ら、上記成分に関する情報を入力すると、それを逐次、
入力した時間毎に、記録装置１３に記録する。この記録
装置１３は、この情報を読み書きできさえすれば十分で
あり、典型的には、メモリ、ハードディスク装置などか
ら構成される。

【００４８】記録装置１３に、この情報が格納される
と、中継器１０は、この情報に基づいて、通信状態の良
否判定（この判定自体は、実施の形態１と同様で良
い。）を行い、判定結果をモニタ１２に表示する。

【００４９】以上の説明から明らかなように、本形態で
は、実施の形態１とは異なり、一のメタリックケーブル
に検査信号を積極的に流す必要はない（流しても良
い）。

【００５０】さて図３のグラフは、上記成分の時間的経
過の例（但し、上記成分そのものではなくトラフィック
量）を示している。

【００５１】この例では、一のメタリックケーブルＡ
（つまり中継器１０と送受信器２２）によるトラフィッ
ク量は、昼間に多く、夜には少ない。一方、他のメタリ
ックケーブルＢ（つまり中継器１０と送受信器３２）に
よるトラフィック量は、昼間に少なく、夜には多い。

【００５２】このように、ａ室１０１の住人（送受信器
２２のユーザ）と、ｂ室１０２の住人（送受信器３２の
ユーザ）とにおいて、伝送路１へのアクセスのパターン
が違うことは、現実には、ままあり得る。

【００５３】このように、トラフィック量の多寡が時間
的にずれていれば、仮に一のメタリックケーブルＡと他
のメタリックケーブルＢとで、同時に多量の送受信を行
うと、近接漏話が発生するような場合でも、実際には、
通信状態が悪くなる度合いが少ないか、または無視でき
るようなことも考えられる。

【００５４】本形態によれば、記録装置１３に、上記成
分の時間的経過が記録され、中継器１０は、それに基づ
いて、通信状態の良否判定を行っているため、実用上問
題ない、上述したようなケースにおいて、正しく「特に
問題ではない」との判定を下すことができる。

【００５５】

【発明の効果】本発明によれば、メタリックケーブルの
組による、通信状態の良否を、正しく検査できる。

【００５６】これにより、近端漏話が発生するメタリッ
クケーブルの組を回避でき、好ましいメタリックケーブ
ルを選択して、通信品質を改善できる。

【００５７】また、検査信号を流さなくとも、通信状態
の検査を行える。

【００５８】さらに、トラフィックの時間的経過を反映
して、実情に沿った、検査を実施できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態１における伝送路における
ケーブル組の検査装置のブロック図

【図２】本発明の実施の形態２における通信システムの
ブロック図

【図３】本発明の実施の形態２におけるトラフィック量
の例示図

【符号の説明】

１伝送路２一のメタリックケーブル３他のメタリックケーブル４干渉計測器５出力部６入力部７比較器８モニタＬ仮想ループ１０中継器１１上位回線１２モニタ１３記録装置Ａ一のメタリックケーブルＢ他のメタリックケーブル２１、３１計測器２２、３２送受信器

フロントページの続き (72)発明者羽迫里志大阪府門真市大字門真1006番地松下電器産業株式会社内 (72)発明者近藤潤二大阪府門真市大字門真1006番地松下電器産業株式会社内Ｆターム(参考） 5K019 AA02 BA52 BB37 BB55 CC16 CC17 CD10 CD11 DA01 DB05 DC05 EA22 5K042 CA05 DA01 EA08 MA02

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】伝送路内に、互いに近接するように配設さ
れる多数のメタリックケーブルのうち、一のメタリック
ケーブルと他のメタリックケーブルとの組による通信状
態の良否を検査する方法であって、一のメタリックケーブルへ検査信号を流すと共に、この
検査信号が流れることにより、他のメタリックケーブル
を流れる干渉信号を計測し、検査信号と干渉信号との関係に基づいて、一のメタリッ
クケーブルと他のメタリックケーブルとの組による通信
状態の良否を判定する、伝送路におけるケーブル組の検
査方法。
【請求項２】前記検査信号は、任意の周波数の信号であ
り、かつ、前記検査信号と前記干渉信号との関係は、前
記検査信号と前記干渉信号との電圧レベルの比較により
評価される、請求項１記載の、伝送路におけるケーブル
組の検査方法。
【請求項３】伝送路を構成する、多数のメタリックケー
ブルから選択された、一のメタリックケーブルに接続さ
れ、一のメタリックケーブルに検査信号を流す出力部
と、一のメタリックケーブルとは異なる他のメタリックケー
ブルに接続され、この他のメタリックケーブルを流れる
干渉信号を計測する入力部と、前記出力部が流した検査信号と前記入力部が計測した干
渉信号とを比較して、一のメタリックケーブルと他のメ
タリックケーブルとの組による、通信状態の良否を判定
する比較器とを、具備する、伝送路におけるケーブル組
の検査装置。
【請求項４】前記検査信号は、任意の周波数の信号であ
り、かつ、前記比較器は、前記検査信号と前記干渉信号
との電圧レベルの比較により、通信状態の良否を判定す
る、請求項３記載の、伝送路におけるケーブル組の検査
装置。
【請求項５】請求項１または２記載の通信状態の良否の
判定において、通信状態が良とされたケーブル組を選択
する、伝送路におけるケーブル組の選択方法。
【請求項６】上位回線への中継器と、前記中継器の下流側に接続される伝送路であって、内部
に多数のメタリックケーブルが互いに近接するように配
設されたものと、前記伝送路を構成するメタリックケーブルのうち、一の
メタリックケーブルの下流側に接続される第１の送受信
器と、他のメタリックケーブルの下流側に接続される第
２の送受信器とを具備する通信システムについて、一のメタリックケーブルと他のメタリックケーブルとの
組による、通信状態の良否を検査する方法であって、前記第１の送受信器と前記一のメタリックケーブルとの
間に、第１の計測器を介装すると共に、前記第２の送受
信器と前記他のメタリックケーブルとの間に、第２の計
測器を介装し、前記第１の計測器により、前記第１の送受信器が前記中
継器と送受信する信号以外の成分を計測し、前記第２の
計測器により、前記第２の送受信器が前記中継器と送受
信する信号以外の成分を計測し、これらの成分に基づいて、一のメタリックケーブルと他
のメタリックケーブルとの組による、通信状態の良否を
判定する、伝送路におけるケーブル組の検査方法。
【請求項７】前記第１の計測器が計測した成分と前記第
２の計測器が計測した成分とに関する情報は、前記伝送
路を経由して前記中継器へ通知され、前記中継器に接続
されるモニタに表示される、請求項６記載の、伝送路に
おけるケーブル組の検査方法。
【請求項８】前記中継器には、前記情報が示すこれらの
成分の時間的変化を記録する記録装置が接続されてい
る、請求項７記載の、伝送路におけるケーブル組の検査
方法。