JP2003243200A - レーザー光照射による直流放電発生装置及び環境汚染ガスの処理方法 - Google Patents

レーザー光照射による直流放電発生装置及び環境汚染ガスの処理方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大気圧での放電を可能とする、新規なレーザ
ー光照射による直流放電発生装置及びそれを利用した環
境汚染ガスの処理方法を提供する。 【解決手段】 反応管1内に放電電極となる陽極2と表
面がZrでなる陰極3を有し、反応管1に接続した一方
のフランジ4に設けた陽極2の外部端子2aと気体の流
入口4aと、他方のフランジ5に設けた陰極3の外部端
子3aと気体の排出口5aと、陽極2の外部端子2aと
直流電源10の正端子を接続し、陰極3の外部端子3a
と直流電源10の負端子を接続し、紫外線レーザー光源
6から窓部1aを介して陰極3へ照射する紫外線レーザ
ー光照射7を直流放電の補助的手段として、レーザー光
照射による直放電発生装置20を構成する。さらに、気
体の流入口4aにほぼ大気圧の希ガスと環境汚染ガスの
混合気体を導入し、直流放電により環境汚染ガスを無害
な物質へ分解できる処理方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザー光照射による
直流放電発生装置及び環境汚染ガスの処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】He(ヘリウム)、Ar(アルゴン)等
の希ガスに試料を希釈して放電を行わせ、その放電プラ
ズマ中で試料を化学反応により促進分解させる方法があ
る。この放電は又、放電の安定化等の種々の放電装置へ
の幅広い応用が可能である。上記試料が、環境に悪影響
を与える環境汚染ガスの主成分である窒素酸化物(以
下、NOxと呼ぶ)である場合には、NOxを無害なN
2 とO2 への分解処理が可能であり、この方法は、例え
ば車両等からの廃棄ガスに含まれるNOxガスの分解処
理装置として有用である。
【0003】プラズマは、気体を電離すなわちイオン化
することで得られるが、その電離手段としては、光電
離、熱電離及び放電電離による方法がある。その中で
も、応用に必要とされる、大面積で安定したプラズマの
生成は、放電電離により達成できる。放電電離によるプ
ラズマは、最初に気体に直流や交流の強い電界を印加
し、電極から二次電子などを放出させることにより出現
するわずかな数の種となる初期電子が、直流や交流の電
界によって加速される。この加速された電子は、気体中
の中性の原子または分子と衝突電離をしてさらに多数の
電子が発生する。このように電子が増倍を繰り返すこと
で、ついには気体放電が開始することによりプラズマが
発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、放電開始電
圧は、気体の種類とその圧力、電極の材質と表面状態、
電極間隔等の数多くのパラメータに依存する。放電開始
電圧を低下させるために従来行われてきた補助手段に
は、以下の課題がある。 (1)高電圧を別に印加して予備電離を起こさせる方法
は、放電電源よりも電圧の高い電源がさらに必要とな
り、より高価になる。 (2)熱電子放出を補助手段とする方法は、熱電子放出
用のフィラメントを別に取り付けることを要し、そのた
めには、フィラメント用電源が別に必要となることや、
フィラメントの寿命が短いなどの真空管と同様な課題が
生じる。
【0005】環境汚染ガスの主成分であるNOxの分解
処理に気体放電によるプラズマを使用する際に、気体放
電によるプラズマを、大気圧において発生させることが
できれば、放電装置に真空装置が不要となり、安価に製
造できる。しかし、大気圧での気体放電は、低電圧では
発生させることは困難であった。大気圧における気体放
電が低電圧で得られないのは、圧力の増加に伴い電子の
平均自由行程が短くなり、電子が加えられる直流電場に
より十分に加速されないために、電子の増倍効果が低下
し直流放電に到らないためである。このように、従来の
直流放電電圧を低下させる補助手段では、大気圧中で気
体を低電圧で直流放電させることは困難であった。
【0006】本発明の目的は、上記課題に鑑み、気体の
放電開始電圧を低下できる、新規なレーザー光照射によ
る直流放電発生装置及びそれを利用した環境汚染ガスの
処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は次のような構成をとる。すなわち、請求
項1に記載の発明は、所定圧力の気体を有する反応管
と、この反応管内に設けられた陽極及び陰極と、陽極及
び陰極に電力を印加する直流電源と、上記気体の放電開
始電圧を低下させるレーザー光源とからなる直流放電発
生装置において、上記陰極は少なくとも表面がZr(ジ
ルコニウム)からなり、かつ、上記レーザー光源が紫外
線レーザー光源であることを特徴とする。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
レーザー照射による直流放電発生装置において、前記紫
外線レーザー光源を、紫外線パルスレーザー光源とした
ことを特徴とするものである。請求項3に記載の発明
は、請求項1に記載のレーザー照射による直流放電発生
装置において、前記気体が大気圧のHe(ヘリウム)も
しくはAr(アルゴン)であることを特徴とするもので
ある。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
のレーザー光照射による直流放電発生装置を用い、希ガ
スと環境汚染ガスとを混合して大気圧で放電し、環境汚
染ガスを無害なガスに分解することを特徴とする、環境
汚染ガスの処理方法を提供するものである。請求項5に
記載の発明は、請求項4に記載の環境汚染ガスの処理方
法において、前記希ガスがHe(ヘリウム)またはAr
(アルゴン)であり、前記環境汚染ガスが窒素酸化物で
あることを特徴とするものである。
【0010】請求項1に記載の発明の作用は、次のとお
りである。このように構成されるレーザー光照射による
直流放電発生装置では、放電開始の補助手段として、陰
極表面に紫外線レーザー光を照射することによって発生
する光電子を利用するものである。そして、放電電極と
なる陰極表面をZrを用いれば、その仕事関数である
4.05eV以上のエネルギーを有する紫外線レーザー
光を照射することにより多くの電子がガス中に供給され
る。紫外線レーザー光照射により発生する光電子は、直
流電界によって加速され、気体中の中性の原子または分
子と衝突して電離し、さらに多数電子の発生が発生す
る。このように電子が増倍を繰り返すことにより、つい
には気体放電が開始する。この効果により気体の放電開
始に必要な直流電圧を低下させることが可能となる。
【0011】請求項2に記載の発明によれば、紫外線レ
ーザー光源として瞬時出力の大きい紫外線パルスレーザ
ー光源を用いるので、多くの電子が気体中に供給される
ことになり、本発明のレーザー光照射による直流放電発
生装置は、さらに気体の放電開始の直流電圧を低下させ
ることができる。請求項3に記載の発明によれば、大気
圧のHeもしくはArの直流放電電圧を著しく低下させ
ることができる。
【0012】請求項4に記載の環境汚染ガスの処理方法
によれば、希ガスと環境汚染ガスを混合して、レーザー
光照射による直流放電発生装置により大気圧で放電さ
せ、環境汚染ガスを無害な成分に分解し排出することが
できる。請求項5に記載の発明によれば、HeまたはA
rとNOxを混合して大気圧で放電し、N2 とO2 とい
う無害な気体に分解することができる。これらの構成に
よる本発明によれば、レーザー光照射による直流放電発
生装置及び環境汚染ガスの処理方法を実現できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面により詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施
の形態の、レーザー光照射による直流放電発生装置20
の構成を示す図である。レーザー光照射による直流放電
発生装置20は、所定の圧力の気体が導入されて放電領
域12となる石英製の反応管1と、この反応管1の内部
の所定位置に隔置された放電電極となる陽極2及び陰極
3と、この放電電極へ電力を供給する直流電源10と、
直流放電の補助的手段として、陰極3へ照射する紫外線
レーザー光源6とから基本的に構成される。
【0014】反応管1の両端には、ステンレス製のフラ
ンジ4及び5が、それぞれ気体の流入口及び排出口と、
放電電極の端子と、を設置するために設けられている。
図示するように、一方のフランジ4には、陽極2の外部
端子2aと気体の流入口4aとが設けられ、また他方の
フランジ5には、陰極3の外部端子3aと気体の排出口
5aとが設けられている。反応管1内に導入される気体
の圧力は、圧力計8及び圧力計表示部9により計測され
る。
【0015】陰極3は、Zr(ジルコニウム)で作製さ
れている。Zrへの紫外線レーザー光7の進入距離は極
めて浅いので、陰極3の少なくとも表面だけをZrで被
覆する電極構造でもよい。また、直流電源10の正端子
は、放電の安定化用に抵抗11を介して陽極の外部端子
2aと接続し、直流電源10の負端子は、陰極の外部端
子3aと接続される。紫外線レーザー光源6から陰極3
へは、反応管1に設けられた窓部1aを介して、紫外線
レーザー光7が照射される。反応管1に設ける窓部1a
は、紫外光をよく透過する材料が用いられる。例えば、
石英、水晶、CaF2 、LiF、MgF2 などを使用波
長に応じて選択することが好ましい。
【0016】本発明に使用する紫外線レーザー光源6
は、効率良く光電子を発生させるために、放電電極の陰
極3の仕事関数よりも大きなエネルギーを有する紫外線
レーザー光源6を用いると、放電の種となる光電子を多
量に発生できるので、放電を発生し易くするためには好
適である。このような紫外線レーザー光源6としては、
YAG(yttrium aluminum garn
et、イットリウム・アルミニウム・ガーネット)の第
四高調波レーザー光による266nmと、YAGの第五
高調波レーザー光による212.8nmの波長が好適に
使用され得る。
【0017】次に、レーザー光照射による直流放電発生
装置20による直流放電をさせる手順について説明す
る。先ず、反応管1を窒素などでパージした後に、気体
をその流入口4aより導入し、所定の圧力に維持する。
次に、電力を供給する直流電源10を陽極2と陰極3と
に印加し、直流放電の補助的手段となる紫外線レーザー
光源6から、紫外線レーザー光7を陰極3に照射するこ
とにより、放電領域12を形成することができる。な
お、この直流放電発生装置20では、上記気体を流入口
4aから導入して所定の圧力に維持しつつ、同時にその
排出口5aより排出させながら稼働するようにしてい
る。このようにして一旦、直流放電が開始したら、紫外
線レーザー光7の照射を停止しても放電は持続する。こ
の構成によれば、レーザー光照射が効率のよい補助的手
段として作用し、気体の放電開始電圧を低下させること
ができる。
【0018】さらに効率良く光電子を発生させるため
に、本発明に使用する紫外線レーザー光源6として、放
電電極の陰極3の仕事関数よりも大きなエネルギーを有
する瞬時電力の大きい紫外線パルスレーザー光源を用い
ると、放電の種となる光電子を瞬時に多量に発生できる
ので、放電を発生し易くするうえで有利である。上記の
紫外線レーザー光をパルス動作させる紫外線パルスレー
ザー光の他に、波長可変OPO(Optical Pa
rametric Oscillator)レーザー光
と、YAGレーザーの第二高調波で励起した色素レーザ
ーの第二高調波のレーザー光と、エキシマレーザー光な
どを紫外線パルスレーザー光として使用することができ
る。エキシマレーザー光では、ArF(アルゴン・フッ
素)による193nmと、KrF(クリプトン・フッ
素)による249nmなどの発振波長を利用することが
できる。
【0019】また、半導体レーザー光(赤外、赤、青等
の波長)と非線形結晶を組み合わせた高調波発生による
紫外線パルスレーザー光でもよい。この構成によれば、
紫外線パルスレーザー光が、陰極3に瞬時に多量の光電
子を発生させる補助的手段として作用し、気体の放電開
始電圧を、さらに低下させることができる。
【0020】次に、上述した紫外線パルスレーザー光照
射を用いて、大気圧である760TorrでHeとAr
を直流放電する場合の例を示す。電極材料としては、陽
極2をステンレス製とし、陰極3は直径5mmのZrを
用い、また、陽極2と陰極3との間隔は5mmとした。
放電安定用の抵抗11は500kΩとした。
【0021】紫外線パルスレーザー光としては、パルス
発振のYAGレーザー光の1064nmの基本波を、非
線形結晶を2個直列に使用して発生させた第四高調波レ
ーザー光を用いた。繰り返し周期は10Hzである。陰
極3へ約45°の角度で紫外線パルスレーザー光照射を
行った。ただし、この紫外線パルスレーザー光照射の角
度は45°に限らず、紫外線パルスレーザー光照射が十
分に行われるようにすればよい。このときの紫外線パル
スレーザー光照射7のエネルギーは、30mJから40
mJであった。
【0022】図2は大気圧のHeの直流放電の電流電圧
特性を示す図である。図において、横軸は、陽極2と陰
極3間の直流電圧を示し、縦軸は放電電流を示す。ま
た、図中の○(白丸)は紫外線パルスレーザー光照射が
ある場合で、●(黒丸)は紫外線パルスレーザー光照射
がない場合である。図2から明らかなように、気体の放
電開始電圧を低下させる補助的手段として、紫外線パル
スレーザー光を照射することにより、大気圧Heの放電
開始電圧は500Vとなった。この電圧は、紫外線パル
スレーザー光を照射しない場合の700Vよりも200
V低下し、大気圧Heの放電開始電圧は約30%低減化
することができた。
【0023】次に、図3は大気圧のHeの直流放電の電
流電圧特性を示す図である。図の横軸と縦軸及び○と●
の印は、図2と同一であるので説明は省略する。図3か
ら明らかなように、紫外線パルスレーザー光を照射する
ことにより、大気圧Arの放電開始電圧は2100Vと
なり、紫外線パルスレーザー光照射しない場合には、3
000Vでも放電しなかった。以上の結果から、紫外線
パルスレーザー光を照射することにより、大気圧のAr
の放電開始電圧は、少なくとも約30%以上は低減する
ことができた。
【0024】さらに、紫外線パルスレーザー光として
は、上記のYAGの第四高調波レーザー光のほかに、上
記の波長可変OPOレーザー光を使用しても、大気圧の
HeとArの直流放電が実施できた。
【0025】ところで、以上説明した本発明のレーザー
光照射による直流放電発生装置20において、気体に圧
力変動が生じた場合などには、挿入している抵抗11だ
けでは、放電の安定化が不十分な場合がある。この場合
には、直流電圧や直流電流を監視したり、又は放電領域
12の発光強度を監視することにより放電不安定を検出
して、再度、補助的手段としての紫外線レーザー光照射
を行うことにより、放電を安定した状態で持続すること
ができる。
【0026】このような機能は、各種のセンサー、I
C、LSI、トランジスタ、ダイオードのような能動素
子や、抵抗とコンデンサなどの受動部品を使用した制御
回路を設け、紫外線レーザー光源6や直流電源10、抵
抗11を含む本発明のレーザー光照射による直流放電発
生装置20を制御することによって実現することができ
る。また、簡便な方法としては、補助的手段としての紫
外線レーザー光7を常時陰極3へ照射してもよい。
【0027】図1で説明した本発明のレーザー光照射に
よる直流放電発生装置20の構成において、予め気体を
所定の圧力で反応管1に封じ込んで使用できるような場
合には、レーザー光照射による直流放電発生装置20の
簡略化や低価格化のために、陽極の外部端子2aと陰極
の外部端子3aを直接、反応管1から引き出す構造とす
ることができる。この場合は、本発明のレーザー光照射
による直流放電発生装置20から、フランジ4及び5
と、気体の流入口4aと排出口5aと、圧力計8とその
圧力計表示部9を省略する構成とすることができる。
【0028】つぎに、本発明の別の態様を説明する。こ
れは、上記図1から図3で説明した本発明のレーザー光
照射による直流放電発生装置20を用いて、希ガスと環
境汚染ガスの気体を含む大気圧の混合気体を放電させ、
環境汚染ガスを無害なガスに分解する処理方法である。
【0029】この処理方法は、本発明のレーザー光照射
による直流放電発生装置20を用いて、以下の方法で行
う。ガス流入口4aに希ガスと環境汚染ガスの気体を含
む大気圧の混合気体を導入し、直流電源10を陽極2と
陰極3に印加し、紫外線レーザー光7もしくは紫外線パ
ルスレーザ光を照射することにより、放電領域12にお
いて環境汚染ガスを分解処理し、排出口5aより排出す
る。この構成によれば、レーザー光照射による直流放電
発生装置20により、環境汚染ガスを無害な気体に分解
処理できる作用がある。
【0030】以下に、実施例に基づいて、レーザー光照
射による直流放電発生装置20を使用したときの、Ar
とN2 Oガスの大気圧の混合気体の分解について説明す
る。レーザー光照射による直流放電装置20により、直
流電圧は2500Vを印加し、大気圧のArとN2 Oの
混合気体の放電を発生し、N2 Oを分解させた。また、
2 Oの分解率は、ガス排出口7aにガス分析装置とし
て、四重極質量分析計を接続して調べた。
【0031】レーザー光照射による直流放電がある場合
を放電onとして、また、レーザー光照射による直流放
電がない場合を放電offとして、N2 Oのピーク値を
計測した値により、N2 Oガスの分解率を次式(1)で
算出した。 N2 O分解率(%)=1−{(放電on時のN2 Oピーク強度) /(放電of f時のN2 Oピーク強度)} (1) なお放電off時のN2 Oピーク強度は、N2 Oの初期
濃度に比例するものである。
【0032】図4は、上記のN2 Oガスの分解率を示す
図である。図において、横軸は約200ccmから10
00ccmまで変化させたほぼ大気圧Ar流量を示し、
縦軸は上記(1)式で求めたN2 Oの分解率を示す。N
2O流量は、25ccmである。ここで、ccmはcm
3 /分であり、25℃において、1013hPaに換算
した場合の流量を表す単位である。図から明らかなよう
に、触媒を使用することなく、ほぼ大気圧のArとN2
Oの混合気体を、無害なN2 とO2 へと分解処理でき、
2 Oの分解率としておおよそ10%から30%の値が
得られたことがわかる。
【0033】
【発明の効果】上記説明から理解されるように、本発明
は以上のように構成することにより、大気圧の希ガスの
放電を可能とする新規なレーザー光照射による直流放電
発生装置を提供することができる。また、この放電を利
用し、大気圧の希ガスと環境汚染ガスの混合気体を無害
な分解物へ処理する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の、レーザー光照射
による直流放電発生装置の構成を示す図である。
【図2】大気圧Heによる放電の電流電圧特性である。
【図3】大気圧Arによる放電の電流電圧特性である。
【図4】本発明の第2の実施の形態による、N2 Oの分
解率を示す図である。
【符号の説明】
1 反応管 1a 窓部 2 陽極 2a 陽極の外部端子 3 陰極 3a 陰極の外部端子 4,5 フランジ 4a 気体の流入口 5a 気体の排出口 6 紫外線レーザー光源 7 紫外線レーザー光 8 圧力計 9 圧力計表示部 10 直流電源 11 抵抗 20 レーザー光照射による直流放電発生装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 19/08 B01D 53/34 129C 19/12 ZAB H01S 3/00 Fターム(参考) 4D002 AA12 BA07 BA09 4G075 AA03 AA37 BA05 CA15 CA36 CA47 CA62 EB01 EC21 5F072 AA06 AB02 QQ02 RR05 SS06 YY20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定圧力の気体を有する反応管と、該反
    応管内に設けられた陽極及び陰極と、該陽極及び陰極に
    電力を印加する直流電源と、上記気体の放電開始電圧を
    低下させるレーザー光源とからなる直流放電発生装置に
    おいて、 上記陰極は少なくとも表面がZrからなり、 かつ、上記レーザー光源が紫外線レーザー光源であるこ
    とを特徴とする、レーザー光照射による直流放電発生装
    置。
  2. 【請求項2】 前記紫外線レーザー光源は紫外線パルス
    レーザー光源であることを特徴とする、請求項1に記載
    のレーザー光照射による直流放電発生装置。
  3. 【請求項3】 前記気体が、大気圧のHeもしくはAr
    であることを特徴とする、請求項1に記載のレーザー光
    照射による直流放電発生装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のレーザー光照射による
    直流放電発生装置において、希ガスと環境汚染ガスを混
    合して大気圧で放電し、 環境汚染ガスを無害なガスに分解することを特徴とす
    る、環境汚染ガスの処理方法。
  5. 【請求項5】 前記希ガスがHeまたはArであり、前
    記環境汚染ガスが窒素酸化物であることを特徴とする、
    請求項4に記載の環境汚染ガスの処理方法。
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