JP2003241684A - 表示装置及び電子機器 - Google Patents

表示装置及び電子機器

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JP2003241684A
JP2003241684A JP2002359768A JP2002359768A JP2003241684A JP 2003241684 A JP2003241684 A JP 2003241684A JP 2002359768 A JP2002359768 A JP 2002359768A JP 2002359768 A JP2002359768 A JP 2002359768A JP 2003241684 A JP2003241684 A JP 2003241684A
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JP2002359768A
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Hayato Nakanishi
早人 中西
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動回路等に対する電源供給線を基板の所定
部位に配設することで、基板面の有効利用と、当該表示
装置における誤作動発生の防止ないし抑制が可能な表示
装置及び電子機器を提供する。 【解決手段】 基板20上に、バンク層221と該バン
ク層221により区画形成された凹状区画領域223と
を所定のマトリクスパターンで配列するとともに、表示
部たる画素部110に、表示に寄与する実画素部111
と、表示に寄与しないダミー画素部112とを構成す
る。さらに基板20上には、走査線を導通する走査信号
の出力制御を行う走査線駆動回路80と、該走査線駆動
回路80を駆動させるための駆動電流が導通する駆動電
圧導通部310とが設けられ、基板20を平面視した場
合に、駆動電圧導通部310が、少なくともダミー画素
部112の凹状区画了領域223と重畳配置する部分を
含むように配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示装置及び電子
機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示装置、EL表示装置等の
光学表示装置においては、基板上に複数の回路素子、電
極、液晶又はEL素子等が積層された構成を具備してい
るものがある。例えばEL表示装置においては、発光物
質を含む発光層を陽極及び陰極の電極層で挟んだ構成を
具備しており、陽極側から注入された正孔と、陰極側か
ら注入された電子とを発光能を有する発光層内で再結合
し、励起状態から失括する際に発光する現象を利用して
いる。
【0003】このようなEL表示装置の駆動方式として
は、行方向に走査線及び列方向にデータ線をマトリクス
状に配設するとともに、その交差部分にあるEL素子の
画素毎に静電容量素子とトランジスタ等を配置して、書
き込み走査時に各画素の静電容量素子に充電した電圧に
従って、次に書き換えられるまで発光を持続する、いわ
ゆるアクティブマトリクス駆動方式が知られている(例
えば、特許文献1)。
【特許文献1】国際公開第WO98/3640号パンフ
レット
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなアクティ
ブマトリクス駆動方式の表示装置において、駆動回路と
して、各走査線毎に走査選択パルスを印加する走査線用
の駆動回路、各データ線毎にデータ信号を供給するデー
タ線用の駆動回路、及び製造途中や出荷時の表示装置の
品質、欠陥の検査を行うことができる検査回路を有する
ものがある。このような表示装置においては、駆動回路
及び/又はコントロール回路を基板上に配設しなければ
ならず基板が大型化するか、これら回路が配設された領
域は表示領域として使用し難く、基板上を表示領域とし
て有効に利用できない等の問題が生じる場合がある。ま
た、所定の電源部から上記駆動回路及び/又は検査回路
への導電線も基板上に配設しなければならず、さらに表
示領域が有効に利用できないものとなる場合がある。
【0005】一方、当該表示装置において、例えば大型
パネル化を試みるとから上記駆動回路及び/又は検査回
路の一般的な構成要素の一つであるシフトレジスタの段
数が増えた場合、大量の電力が消費されると、上記電源
電圧が低下する場合がある。その場合、上記駆動回路及
び/又は検査回路への供給電力が低下する惧れがあり、
当該表示装置が正常に作動しない等の問題が生じる場合
がある。
【0006】本発明の課題は、駆動回路等に対する電源
供給線を基板の所定部位に配設することで、基板面を有
効に利用するとともに、電源電圧低下に基づく当該装置
の誤作動等の発生を防止ないし抑制することが可能な表
示装置、及びそれを備えた電子機器を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の表示装置は、基板上に、表示に寄与する表
示領域と、表示に寄与しない非表示領域とを含むととも
に、該表示領域及び非表示領域には、隔壁部と該隔壁部
により区画形成された凹状区画領域とが所定のマトリク
スパターンで配列され、前記表示領域は、前記凹状区画
領域の凹状底部に前記基板側から少なくとも第1電極層
と、表示若しくは非表示を切り換え可能な物質を含む表
示主体層と、第2電極層とを含み、前記非表示領域は、
前記凹状区画領域の凹状底部に前記基板側から少なくと
も前記表示主体層と、第2電極層とを含み、さらに前記
基板上には、前記第1電極層に接続され、該第1電極層
への通電制御を行うスイッチング手段と、該スイッチン
グ手段に接続され、そのスイッチング手段の作動を制御
する作動制御手段と、該作動制御手段を駆動させるため
の駆動電流または駆動電圧を供給する駆動電圧導通部と
が設けられ、前記駆動電圧導通部が、少なくとも前記非
表示領域に配置された部分を含み、さらに前記基板を平
面視した場合に、前記凹状区画領域と重畳する部分を含
むように配置されていることを特徴とする。
【0008】このような表示装置においては、隔壁部に
より区画形成された凹状区画領域がマトリクスパターン
で配列して画素を形成することとなるが、例えばこのよ
うなマトリクスパターンで画素を配列する場合には、該
画素の全てを表示に寄与する表示領域(実画素)とせ
ず、その一部を表示に寄与しない非表示領域(ダミー画
素)として形成することがある。これは、製造上の問題
で、例えば上記表示主体層を各凹状区画領域に層形成す
る際、特に基板上の周縁部の凹状区画領域において該表
示主体層の層厚を均一に形成することが困難な場合があ
り、そのような場合においては、上記層厚が不均一とな
り得る凹状区画領域を含む領域を非表示領域として形成
することで、表示主体層の層厚不均一による表示上の不
具合を解消している。そのような不具合としては、例え
ばコントラストの低下、表示むら、画素寿命の低下等が
挙げられる。ところで、上記非表示領域は当然実質的に
表示装置としての表示機能を果たしておらず、その領域
は基板上では表示上無駄な領域として扱われることとな
る。そこで、本発明者は、該非表示領域を積極的に有効
利用するために、上記スイッチング手段の作動制御を行
う作動制御手段への駆動電圧導通部を少なくとも非表示
領域に形成した。したがって、非表示領域と同様、実質
的に表示機能を担わない駆動電圧導通部が該非表示領域
に配置されるため、基板上における表示機能を担わない
部分の面積が相殺されるものとなり、基板上の表示不能
な領域の増大を低減させることが可能となる。さらに駆
動電圧導通部を基板厚さ方向において凹状区画領域の下
側に位置するように、すなわち表示方向において凹状区
画領域と駆動電圧導通部とが重畳配置する構成とした。
この場合、基板を平面視した場合に、駆動電圧導通部が
凹状区画領域と重畳配置する部分を含むように配置さ
れ、非表示領域の第2電極層と駆動電圧導通部との間に
おいて絶縁層を介してキャパシタが形成されることとな
り、該キャパシタにより少なくとも駆動電圧導通部の電
圧低下を補償することが可能となる。ここで、凹状区画
領域は駆動電圧導通部側(基板側)に凹んだ底部を具備
しており、その底部に第2電極層を含んでいるため、隔
壁部と比して静電容量が大きくなる傾向にあり、隔壁部
に重畳配置してキャパシタを形成するよりも上記電源電
圧低下の補償効果が大きなものとなる。したがって、こ
のような本発明の表示装置は、表示不可能な領域を低減
し基板面積を表示領域として有効に利用できるととも
に、電源電圧低下に基づく当該装置の誤作動等の発生を
防止ないし抑制することが可能となる。なお、上記表示
装置において、表示主体層には表示物質として例えば有
機EL物質等を用いることができ、その他にも、表示物
質として液晶物質を用いることもできる。
【0009】ここで、前記隔壁部が互いに平行で軸線状
に形成された2つの隔壁部を含み、前記駆動電圧導通部
が、前記2つの隔壁部の間にこれら隔壁部と平行で軸線
状に形成された部分を含むように配置されているものと
すれば、該駆動電圧導通部と上記凹状区画領域とが重畳
する部分の面積が一層大きくなる。この場合、上記基板
面積の有効利用と、電源電圧低下の補償効果を更に向上
させることが可能となる。また、前記非表示領域は、前
記基板と前記表示主体層との間に位置する第1電極層を
備え、さらに該第1電極層と前記第2電極層との間の導
通を遮る絶縁層を備えるものとすることができる。この
場合、絶縁層により各電極間の通電が不可能、若しくは
表示領域よりも相対的に通電困難となり、非表示領域が
形成されるものとされている。なお、製造時において例
えば各電極層、表示主体層、絶縁層等をフォトリソグラ
フィにて形成する場合、該絶縁層を凹状区画領域の全域
に形成するか、若しくは絶縁層の一部を開口させて絶縁
空乏層を形成するかにより、表示領域、若しくは非表示
領域のいずれかを簡便に形成することが可能となる。
【0010】さらに、該絶縁層の表層面が、前記隔壁部
の表層面と比して相対的に前記表示主体層との親和性が
高い材質にて構成されているものとすることができる。
この場合、表示主体層の層厚が隔壁部近傍で大きくなる
等の不具合が生じにくく、該層厚を一層均一にすること
が可能となり、ひいてはコントラストの低下等の不具合
が生じにくくなる。
【0011】次に、前記基板上には、複数の走査線及び
複数のデータ線がマトリクス状に形成されるとともに、
前記スイッチング手段が該走査線とデータ線に接続さ
れ、前記作動制御手段が前記データ線を導通する信号に
関する制御を行うデータ制御手段を含むものとすること
ができる。一方、前記スイッチング手段が前記走査線と
データ線に接続され、前記作動制御手段が前記走査線を
導通する信号に関する制御を行う走査制御手段を含むも
のとすることも可能で、勿論、作動制御手段がデータ制
御手段及び走査制御手段のそれぞれを含むものとするこ
とも可能である。さらに、前記基板上には、複数の検査
線が形成されるとともに、前記スイッチング手段が該検
査線に接続され、前記作動制御手段が前記検査線を導通
する信号に関する制御を行う検査制御手段を含むものと
することも可能で、勿論、作動制御手段がデータ制御手
段及び走査制御手段、検査制御手段のそれぞれを含むも
のとすることも可能である。この場合、作動制御手段に
より走査線及び/又はデータ線及び/又は検査線を導通
する信号に関する制御を効率よく行うことが可能とな
り、さらにこれら走査線及び/又はデータ線及び/又は
検査線、スイッチング手段等を基板上に配設するため、
基板面積の有効利用が望まれるが、本発明のような作動
制御手段への駆動電圧導通部の構成を採用することによ
り該有効利用と、駆動電流の安定した供給が可能となり
得る。
【0012】ところで、表示物質として有機EL物質又
は液晶物質等を用いる場合、例えば該表示物質を構成す
る発光物質又は液晶物質等を各画素(凹状区画領域)に
対してインクジェット法にて表示主体層を形成すること
が可能である。該インクジェット法では上述した表示主
体層の層厚の不均一化を抑制するために、非表示領域を
所定領域、例えば基板面の周縁部において形成する場合
がある。したがって、このようなインクジェット法を用
いて表示主体層を形成した場合、本発明の構成を採用す
ることで、基板面における非表示領域の有効利用が可能
となる。
【0013】なお、本発明の電子機器は、上記表示装置
を表示部として備えたことを特徴とする。このような電
子機器としては、例えば携帯電話、時計や、ワープロ、
パソコン等の情報処理装置等を例示することができる。
各々の電子機器は電池により駆動される場合が多いた
め、本発明の構成を採用することで、安定した電力供給
を実現することが可能となる。また、これら電子機器は
小型のものが多いなか、本発明の表示装置を採用するこ
とで表示領域の有効利用が可能となり、機器全体が小型
であるにも拘らず比較的大きな表示領域を確保すること
が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態について説明する。かかる実施の形態は、本発
明の一態様を示すものであり、この発明を限定するもの
ではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可
能である。なお、以下に示す各図においては、各層や各
部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各
層や各部材ごとに縮尺を異ならせてある。
【0015】まず、表示主体層を構成する電気光学物質
の一例としてエレクトロルミネッセンス(以下ELと記
す)を用いたEL表示装置に本発明の構成を適用した実
施形態について説明する。図1及び図2は、本実施形態
に係るEL表示装置の構成を模式的に示す平面図及びA
−B断面図である。同図に示すEL表示装置101は、
スイッチング素子として薄膜トランジスタ(TFT:Th
in Film Transistor)を用いたアクティブマトリクス方
式のEL表示装置である。
【0016】EL表示装置101は、各画素にデータ信
号を書き込むか否かを制御するスイッチング手段として
のTFT(図3に示すTFT24であって、画素用TF
Tとも言う)に加え、走査線駆動回路80及び検査回路
90を構成するスイッチング手段の駆動手段たるTFT
(駆動回路用TFTとも言う)を基板20上に形成して
いる。また、当該表示装置101の画素部110は、パ
ネル表示に寄与する実画素領域111と、画素部110
から実画素領域111を除いた領域に形成され、通常の
表示に寄与しないダミー領域112とを備えている。
【0017】EL表示装置101は、図2に示すよう
に、相互に対向するアクティブマトリクス基板20と、
封止基板(対向基板)30とが封止樹脂40を介して貼
り合わされるとともに、両基板20,30と封止樹脂4
0とに囲まれた領域に、乾燥剤45が挿入された構成と
なっており、さらに両基板20,30間に形成された空
間には窒素ガスなどの不活性ガスが充填されたガス充填
層46を形成している。また、アクティブマトリクス基
板20上には陽極(画素電極)23と、該陽極(画素電
極)23から正孔を注入/輸送可能な正孔/注入輸送層
70(図3参照)と、電気光学物質の一つである有機E
L物質(以下、発光層、または有機EL層ともいう)6
0とを介して電子を注入し易くする例えばカルシウム2
22及び陰極50が例えば蒸着等により形成されてい
る。アクティブマトリクス基板20及び封止基板(対向
基板)30は、ガラスや石英、プラスチックといった光
透過性を有する絶縁性の板状部材が用いられる。
【0018】ここで、画素用TFT24(図3参照)を
駆動するための走査線駆動回路80は、アクティブマト
リクス基板20上に設けられている。一方、データ線駆
動回路100はデータドライバICとして外付けで設け
られている。もちろん、同一アクティブマトリクス基板
20にデータ線駆動回路100を設けることも可能であ
る。また、検査回路90は、当該表示装置101の作動
状況あるいは初期不良を検査するための回路であって、
例えば該検査結果を外部に出力するための検査情報出力
手段を備えている。
【0019】上記走査線駆動回路80及びデータ線駆動
回路100は、走査線及びデータ線に導通する信号の出
力制御を行う走査制御手段及びデータ制御手段として構
成され、これら走査線及びデータ線が上記画素用TFT
24(図3参照)に接続されている。すなわち、走査線
駆動回路80及びデータ線駆動回路100からの作動指
令信号に基づいて画素用TFT24(図3参照)が作動
し、該画素用TFT24が画素電極23への通電制御を
行っている。
【0020】走査線駆動回路80及び検査回路90の駆
動電圧は、所定の電源部から駆動電圧導通部310(図
2参照)及び駆動電圧導通部340(図4参照)を介し
て印加されている。また、これら走査線駆動回路80及
び検査回路90への駆動制御信号及び駆動電圧は、当該
表示装置101の作動制御を司る所定のメインドライバ
等から駆動制御信号導通部320(図2参照)及び駆動
制御信号導通部350(図4参照)を介して送信及び印
加されるようになっている。なお、この場合の駆動制御
信号とは、例えば、上記走査線あるいはデータ線への信
号出力のタイミングを制御する信号、走査線駆動回路8
0及びデータ線駆動回路100の制御に関連するクロッ
ク信号、イネーブル信号等の種々の制御信号等の指令信
号のことを言う。
【0021】次に、図3は表示領域内において実画素部
111に対応して設けられたTFT(画素用TFT)2
4の近傍の構成を示す断面図である。同図に示すよう
に、アクティブマトリクス基板20の表面には、酸化シ
リコンを主体とする下地保護層281を下地として、そ
の上層にはシリコン層241が形成されている。このシ
リコン層241の表面は、酸化シリコン及び/又は窒化
シリコンを主体とするゲート絶縁層282によって覆わ
れている。そして、このシリコン層241のうち、ゲー
ト絶縁層282を挟んでゲート電極242と重なる領域
がチャネル領域241aとされている。なお、このゲー
ト電極242は走査線の一部である。一方、シリコン層
241を覆い、ゲート電極242が形成されたゲート絶
縁層282の表面は、酸化シリコンを主体とする第1層
間絶縁層283によって覆われている。なお、本明細書
において、「主体」とする成分とは最も含有率の高い成
分のことを言うものとする。
【0022】また、シリコン層241のうち、チャネル
領域241aのソース側には低濃度ソース領域241b
及び高濃度ソース領域241Sが設けられる一方、チャ
ネル領域241aのドレイン側には低濃度ドレイン領域
241c及び高濃度ドレイン領域241Dが設けられ
て、いわゆるLDD(Light Doped Drain)構造となっ
ている。このうち、高濃度ソース領域241Sは、ゲー
ト絶縁層282と第1層間絶縁層283とに亙って開孔
するコンタクトホールを介して、ソース電極243に接
続されている。このソース電極243は、上述したデー
タ線(図3における紙面垂直方向に延在する)の一部と
して構成される。一方、高濃度ドレイン領域241D
は、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とに亙
って開孔するコンタクトホールを介して、ソース電極2
43と同一層からなるドレイン電極244に接続されて
いる。
【0023】ソース電極243及びドレイン電極244
が形成された第1層間絶縁層283の上層は、例えばア
クリル系の樹脂成分を主体とする第2層間絶縁層284
によって覆われている。また、アクリル系の絶縁膜以外
にも、窒化シリコンあるいは酸化シリコンからなる絶縁
膜を形成する事ができる。そして、ITOからなる画素
電極23が、この第2層間絶縁層284の面上に形成さ
れるとともに、当該第2層間絶縁層284に設けられた
コンタクトホール23aを介してドレイン電極244に
接続されている。すなわち、画素電極23は、ドレイン
電極244を介して、シリコン層241の高濃度ドレイ
ン電極241Dに接続されている。
【0024】なお、走査線駆動回路80及び検査回路9
0に含まれるTFT(駆動回路用TFT)、すなわち、
例えばこれらの駆動回路のうち、シフトレジスタに含ま
れるインバータを構成するNチャネル型又はPチャネル
型のTFTは、画素電極23と接続されていない点を除
いて上記TFT24と同様の構造となっている。
【0025】画素電極23が形成された第2層間絶縁層
284の表面は、例えば酸化シリコンを主体とする親水
性制御層25と、アクリルやポリイミド等からなる有機
バンク層221によって覆われている。そして、画素電
極23には親水性制御層25に設けられた開口部25
a、及び有機バンク221に設けられた開口部221a
内側に、正孔注入/輸送層70と、有機EL層60とが
画素電極23側からこの順で積層されている。
【0026】正孔注入/輸送層70と、有機EL層60
との上層は、例えばCa222、Alを積層して形成し
た陰極50によって覆われている。EL表示装置101
は、基本的に以上の構成により作成されるが、図2で
は、封止基板30を用いて乾燥剤45を使用することに
より高寿命化を図った構成となっている。
【0027】図2に戻り、本実施例の表示装置101に
おいては、上記走査線側駆動電圧導通部310がダミー
領域112に形成され、特に有機バンク層221により
区画形成された凹状区画領域223の下方に形成されて
いる。すなわち、走査線側駆動電圧導通部310が、有
機バンク層221を回避して配置され、当該表示装置1
01若しくは基板20を平面視した場合に、ダミー領域
112の凹状区画領域223と重なる位置に少なくとも
形成されている。
【0028】これはダミー領域112が表示に寄与しな
い非表示領域であって、該非表示領域と、実質的に表示
機能を具備しない駆動電圧導通部310とを重ねて配置
した構造である。すなわち、図2に示すように、表示可
能方向においてこれらを重畳配置したものである。これ
により、非表示画素部の有効利用が図られている。凹状
区画領域223に上部から順に陰極50、222、親水
性制御層25、絶縁層284、電源配線(駆動電圧導通
部)310と形成することで、これらを隔壁部に形成す
るよりも電源配線と陰極との間の距離を小さく出来る。
その為、電源配線と陰極との間の静電容量をより多く確
保することができることにより、電源配線部における電
圧値が低下した場合でも、上記静電容量により電源低下
が補償されるものとなり、例えば駆動電圧低下による表
示装置の誤作動等の不具合発生を防止ないし抑制するこ
とが可能となっている。
【0029】また、走査線側駆動制御信号導通部(回路
用制御信号線)320については、ダミー画素部112
に形成され、特に有機バンク層221の下方に形成され
ている。すなわち、走査線側駆動制御信号導通部320
が、有機バンク層221に対応して配置され、当該表示
装置101若しくは基板20を平面視した場合に、ダミ
ー画素部112の有機バンク層221と重なる位置に少
なくとも形成されている。
【0030】これはダミー領域112が表示に寄与しな
い非表示画素部であって、該非表示画素部と、駆動制御
信号導通部320とを、表示可能方向において重畳配置
したものである。これにより、非表示画素部の有効利用
が図られている。また、駆動制御信号導通部320を有
機バンク層221の下方に重畳配置して形成すること
で、上記凹状区画領域223と重畳配置して形成したと
きと比して、該駆動制御信号導通部320と陰極222
との間の距離が相対的に大きくなり、上述のような高い
静電容量を具備したキャパシタが形成され難く、駆動制
御信号導通部320を導通する信号に対する影響を低減
することが可能となる。すなわち、駆動制御信号導通部
320を導通するパルス信号は、上記のようなキャパシ
タの形成によりパルス波形が鈍ってしまう等の不具合が
生じる場合があるが、本実施例のように、高い静電容量
を具備し難い位置に駆動制御信号導通部350を配置す
ることで、該不具合発生を防止ないし抑制することがで
きる。
【0031】一方、図4は図1の平面図に示したC−D
断面図である。この場合も、検査回路90を駆動させる
ための検査回路側駆動電圧導通部340が、ダミー領域
112内であって、更に有機バンク層221により区画
形成された凹状区画領域223の下方に重畳配置して形
成されている。また、データ線側駆動制御信号導通部3
50は、ダミー領域112内であって、更に有機バンク
層221の下方に重畳配置して形成されている。これに
より、走査線側駆動電圧導通部310及び走査線側駆動
制御信号導通部320の場合と同様、実質的に表示機能
を具備しないダミー領域112の有効利用が可能となる
とともに、検査回路90への安定した駆動電流の供給及
びデータ信号の送信が可能となる。なお、データ線駆動
回路100を同一基板20上に形成した場合、駆動電圧
導通部及び駆動制御信号導通部を、それぞれ上記ダミー
領域112の凹状区画領域223及び有機バンク層22
1の下方に重畳配置させることにより、同様の効果を得
ることができる。
【0032】次に、本実施形態に係る表示装置101の
製造プロセスの一例について説明する。まず、図5ない
し図8を参照して、表示装置101の製造プロセス、特
にアクティブマトリクス基板20上の各構成要素に関す
る製造プロセスを説明する。なお、図5ないし図8に示
す各断面図は、図1中のA−B線の断面のうち走査線駆
動回路80が形成され、ダミー領域112が形成される
領域の断面115(図5(a)参照)と、実画素111
(TFT24)が形成される領域の断面116(図5
(a)参照)とにそれぞれ対応している。なお、以下の
説明において、不純物濃度は、いずれも活性化アニール
後の不純物として表される。
【0033】まず、図5(a)に示すように、石英基板
やガラス基板などの絶縁性基板であるアクティブマトリ
クス基板20の表面に、シリコン酸化膜などからなる下
地保護層281を形成する。次に、ICVD法、プラズ
マCVD法などを用いてアモルファスシリコン層501
を形成した後、レーザアニール法又は急速加熱法により
結晶粒を成長させてポリシリコン層とする。さらに、図
5(b)に示すように、当該ポリシリコン層をフォトリ
ソグラフィ法によってパターニングし、島状のシリコン
層241,251及び261を形成する。このうちシリ
コン層241は、表示領域内に形成され、画素電極23
に接続されるTFT(画素用TFT)24を構成するも
のであり、シリコン層251,261は、走査線駆動回
路80に含まれるPチャネル型及びNチャネル型のTF
T(駆動回路用TFT)をそれぞれ構成するものであ
る。
【0034】次に、図5(b)に示すように、プラズマ
CVD法、熱酸化法などにより、シリコン層の全表面に
厚さが約30nm〜200nmのシリコン酸化膜からな
るゲート絶縁層282を形成する。ここで、熱酸化法を
利用してゲート絶縁層282を形成する際には、シリコ
ン層241,251及び261の結晶化も行い、これら
のシリコン層をポリシリコン層とすることができる。チ
ャネルドープを行う場合には、例えば、このタイミング
で約1×1012cm-2のドーズ量でボロンイオンを打ち
込む。その結果、シリコン層241,251及び261
は、不純物濃度が約1×1017cm-3の低濃度P型のシ
リコン層となる。
【0035】次に、Pチャネル型TFT、Nチャネル型
TFTのチャネル層の一部にイオン注入選択マスクを形
成し、この状態でリンイオンを約1×1015cm-2のド
ーズ量でイオン注入する。その結果、パターニング用マ
スクに対してセルフアライン的に高濃度不純物が導入さ
れて、図5(c)に示すように、シリコン層241及び
261中に高濃度ソース領域241S及び261S並び
に高濃度ドレイン領域241D及び261Dが形成され
る。
【0036】次に、図5(c)に示すように、ゲート絶
縁層282の表面全体に、ドープドシリコンやシリサイ
ド膜、或いはアルミニウム膜やクロム膜、タンタル膜と
いった金属膜からなるゲート電極形成用導電層502を
形成する。当該導電層502の厚さは概ね500nm程
度である。その後、パターニング法により、図5(d)
に示すように、Pチャネル型の駆動回路用TFTを形成
するゲート電極252、画素用TFTを形成するゲート
電極242、Nチャネル型の駆動回路用TFTを形成す
るゲート電極262を形成する。また、駆動制御信号導
通部320(350)、陰極電源配線の第1層121も
同時に形成する。なお、この場合、駆動制御信号導通部
320(350)はダミー領域112に配設される。
【0037】続いて、図5(d)に示すように、ゲート
電極242,252及び262をマスクとして用い、シ
リコン層241,251及び261に対してリンイオン
を約4×1013cm-2のドーズ量でイオン注入する。そ
の結果、ゲート電極242,252及び262に対して
セルフアライン的に低濃度不純物が導入されて、図5
(c)及び(d)に示すように、シリコン層241及び
261中に低濃度ソース領域241b及び261b、並
びに低濃度ドレイン領域241c及び261cが形成さ
れる。また、シリコン層251中に低濃度不純物領域2
51S及び251Dが形成される。
【0038】次に、図6(e)に示すように、Pチャネ
ル型の駆動回路用TFT252以外を覆うイオン注入選
択マスク503を形成する。このイオン注入選択マスク
503を用いて、シリコン層251に対してボロンイオ
ンを約1.5×1015cm-2のドーズ量でイオン注入す
る。結果として、Pチャネル型駆動回路用TFTを構成
するゲート電極252もマスクとして機能するため、シ
リコン層252中にセルフアライン的に高濃度不純物が
ドープされる。従って、251S及び251Dはカウン
タードープされ、P型チャネル型の駆動回路用TFTの
ソース領域及びドレイン領域となる。
【0039】次いで、図6(f)に示すように、アクテ
ィブマトリクス基板20の全面に亙って第1層間絶縁層
283を形成するとともに、フォトリソグラフィ法を用
いて当該第1層間絶縁層283をパターニングすること
によって、各TFTのソース電極及びドレイン電極に対
応する位置にコンタクトホールCを形成する。
【0040】次に、図6(g)に示すように、第1層間
絶縁層283を覆うように、アルミニウムやクロム、タ
ンタル等の金属からなる導電層504を形成する。この
導電層504の厚さは概ね200nmないし800nm
程度である。この後、導電層504のうち、各TFTの
ソース電極及びドレイン電極が形成されるべき領域24
0a、駆動電圧導通部310(340)が形成されるべ
き領域310a、陰極電源配線の第2層が形成されるべ
き領域122aを覆うようにパターニング用マスク50
5を形成するとともに、当該導電層504をパターニン
グして、図7(h)に示すソース電極243,253,
263、ドレイン電極244,254,264を形成す
る。
【0041】次いで、図7(i)に示すように、これら
が形成された第1層間絶縁層283を覆う第2層間絶縁
層284を、例えばアクリル系などの樹脂材料によって
形成する。この第2層間絶縁層284は、約1〜2μm
程度の厚さに形成されることが望ましい。なお、窒化シ
リコン、酸化シリコンにより第2層間絶縁膜を形成する
事も可能であり、窒化シリコンの膜厚としては200n
m、酸化シリコンの膜厚としては800nmに形成する
ことが望ましい。続いて、図7(j)に示すように、第
2層間絶縁層284のうち、画素用TFTのドレイン電
極244に対応する部分をエッチングにより除去してコ
ンタクトホール23aを形成する。
【0042】この後、アクティブマトリクス基板20の
全面を覆うようにITO等の透明電極材料からなる薄膜
を形成する。そして、当該薄膜をパターニングすること
により、図8(k)に示すように、第2層間絶縁層28
4のコンタクトホール23aを介してドレイン電極24
4と導通する画素電極23を形成すると同時に、ダミー
領域のダミーパターン26も形成する(図2では、これ
ら画素電極23、ダミーパターン26を総称して画素電
極23としている)。ダミーパターン26は、第2層間
絶縁層284を介して下層のメタル配線へ接続しない構
成とされている。すなわち、ダミーパターン26は、島
状に配置され、表示領域に形成されている画素電極23
の形状とほぼ同一の形状を有している。もちろん、表示
領域に形成されている画素電極23の形状とは異なる構
造で有っても良い。なお、この場合、ダミーパターン2
6は少なくとも上記駆動電圧導通部310(340)の
上方に位置するものを含むものとされている。
【0043】次に、図8(l)に示すように、画素電極
23、ダミーパターン26上、及び第2層間絶縁膜上に
絶縁層たる親水性制御層25を形成する。なお、画素電
極23においては一部が開口する態様にて絶縁層(親水
性制御層)25を形成し、該開口部25a(図3も参
照)において画素電極23からの正孔移動が可能とされ
ている。逆に、開口部25aを設けないダミーパターン
26においては、絶縁層(親水性制御層)25が正孔移
動遮蔽層となって正孔移動が生じないものとされてい
る。
【0044】次に、絶縁層(親水性制御層)25の所定
位置を覆うように有機バンク層221を形成する。具体
的な有機バンク層の形成方法としては、例えばアクリル
樹脂、ポリイミド樹脂等のレジストを溶媒に溶かしたも
のを、スピンコート、ディップコート等により塗布して
有機質層を形成する。なお、有機質層の構成材料は、後
述するインクの溶媒に溶解せず、しかもエッチング等に
よってパターニングしやすいものであればどのようなも
のでもよい。さらに、有機質層をフォトリソグラフィ技
術等により同時にエッチングして、有機質物のバンク開
口部221aを形成し、開口部221aに壁面を備えた
有機バンク層(隔壁部)221が形成される。なお、こ
の場合、有機バンク層221は少なくとも上記駆動制御
信号導通部320(350)の上方に位置するものを含
むものとされている。
【0045】続いて、有機バンク層221の表面に、親
インク性を示す領域と、撥インク性を示す領域とを形成
する。本実施例においてはプラズマ処理工程により、各
領域を形成するものとしている。具体的に該プラズマ処
理工程は、予備加熱工程と、バンク部221の上面及び
開口部221aの壁面並びに画素電極23の電極面(画
素電極の表面)23c、絶縁層(親水性制御層)25の
上面を親インク性にする親インク化工程と、有機バンク
層の上面及び開口部の壁面を撥インク性にする撥インク
化工程と、冷却工程とを具備している。
【0046】すなわち、基材(バンク等を含む基板2
0)を所定温度(例えば70〜80℃程度)に加熱し、
次いで親インク化工程として大気雰囲気中で酸素を反応
ガスとするプラズマ処理(酸素プラズマ処理)を行う。
続いて、撥インク化工程として大気雰囲気中で4フッ化
メタンを反応ガスとするプラズマ処理(CF4プラズマ
処理)を行い、プラズマ処理のために加熱された基材を
室温まで冷却することで、親インク性及び撥インク性が
所定箇所に付与されることとなる。なお、画素電極23
の電極面23c及び絶縁層(親水性制御層)25につい
ても、このCF4プラズマ処理の影響を多少受けるが、
画素電極23の材料であるITO(IndiumTin Oxide)
及び絶縁層(親水性制御層)25の構成材料である酸化
シリコン,酸化チタン等は結果として親インク性を保
つ。
【0047】続いて図8(l)に示す正孔注入/輸送層
70(図3も参照)を形成するべく正孔注入/輸送層形
成工程が行われる。正孔注入/輸送層形成工程では、イ
ンクジェット法により、正孔注入/輸送層材料を含む組
成物インクを電極面23c上に吐出した後に、乾燥処理
及び熱処理を行い、電極23上に正孔注入/輸送層70
を形成する。なお、この正孔注入/輸送層形成工程以降
は、正孔注入/輸送層70及び発光層(有機EL層)6
0の酸化を防止すべく、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等
の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。例えば、イ
ンクジェットヘッド(図示略)に正孔注入/輸送層材料
を含む組成物インクを充填し、インクジェットヘッドの
吐出ノズルを絶縁層(親水性制御層)25に形成された
上記開口部25a内に位置する電極面23cに対向さ
せ、インクジェットヘッドと基材(基板20)とを相対
移動させながら、吐出ノズルから1滴当たりの液量が制
御されたインク滴を電極面23cに吐出する。次に、吐
出後のインク滴を乾燥処理して組成物インクに含まれる
極性溶媒を蒸発させることにより、正孔注入/輸送層7
0が形成される(図8(l)及び図3参照)。
【0048】なお、組成物インクとしては、例えば、ポ
リエチレンジオキシチオフェン等のポリチオフェン誘導
体と、ポリスチレンスルホン酸等の混合物を、イソプロ
ピルアルコール等の極性溶媒に溶解させたものを用いる
こいとができる。ここで、吐出されたインク滴は、親イ
ンク処理された電極面23c上に広がり、絶縁層(親水
性制御層)25の開口部25a内に満たされる。その一
方で、撥インク処理された有機バンク層221の上面で
は、インク滴がはじかれて付着しない。従って、インク
滴が所定の吐出位置からはずれて有機バンク層221の
上面に吐出されたとしても、該上面がインク滴で濡れる
ことがなく、弾かれたインク滴が絶縁層(親水性制御
層)25の開口部25a内に転がり込むものとされてい
る。
【0049】続いて図8(l)に示す発光層(有機EL
層)60(図3も参照)を形成するべく発光層形成工程
が行われる。発光層形成工程では、上記と同様なインク
ジェット法により、発光層用材料を含む組成物インクを
正孔注入/輸送層70上に吐出した後に乾燥処理及び熱
処理して、有機バンク層221に形成された開口部22
1a内に発光層60を形成する。
【0050】発光層形成工程では、正孔注入/輸送層7
0の再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる
組成物インクの溶媒として、正孔注入/輸送層70に対
して不溶な無極性溶媒を用いる。しかし、その一方で正
孔注入/輸送層70は、無極性溶媒に対する濡れ性が低
いため、無極性溶媒を含む組成物インクを正孔注入/輸
送層70上に吐出しても、正孔注入/輸送層70により
発光層用の組成物インクが弾かれ、正孔注入/輸送層7
0と発光層60とを密着させることができなくなる場合
がある他、発光層60を均一に塗布できない惧れがあ
る。そこで、無極性溶媒に対する正孔注入/輸送層70
の表面の濡れ性を高めるために、発光層形成の前に表面
改質工程を行うことが好ましい。その表面改質工程は、
例えば上記無極性溶媒と同一溶媒又はこれに類する溶媒
をインクジェット法、スピンコート法又はディップ法等
により正孔注入/輸送層70上に塗布した後に乾燥する
ことにより行うものとすることができる。なお、ここで
用いる表面改質用溶媒としては、組成物インクの無極性
溶媒と同一なものとして例えば、シクロヘキシルベンゼ
ン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テ
トラメチルベンゼン等を例示でき、組成物インクの無極
性溶媒に類するものとしては、例えばトルエン、キシレ
ン等を例示することができる。
【0051】表面改質工程に続く上記インクジェット法
による発光層形成工程としては、例えばインクジェット
ヘッド(図示略)に、青色(B)発光層の材料を含有す
る組成物インクを充填し、インクジェットヘッドの吐出
ノズルを絶縁層(親水性制御層)25の開口部25a内
に位置する正孔注入/輸送層70に対向させ、インクジ
ェットヘッドと基材とを相対移動させながら、吐出ノズ
ルから1滴当たりの液量が制御されたインク滴として吐
出し、このインク滴を正孔注入/輸送層70上に吐出す
る。
【0052】発光層60を構成する発光材料としては、
フルオレン系高分子や、(ポリ)パラフェニレンビニレ
ン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導
体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、
ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、
その他ベンゼン誘導体に可溶な低分子有機EL材料、高
分子有機EL材料等も用いることができる。例えば、ル
ブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセ
ン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリ
ン6、キナクリドン等を用いることができる。一方、無
極性溶媒としては、正孔注入/輸送層70に対して不溶
なものが好ましく、例えば、シクロヘキシルベンゼン、
ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラ
メチルベンゼン等を用いることができる。
【0053】吐出されたインク滴は、正孔注入/輸送層
70上に広がって親水性制御層25の開口部25a内に
満たされる。その一方で、撥インク処理された有機バン
ク層221上面では、インク滴が弾かれて付着しない。
これにより、インク滴が所定の吐出位置からはずれて有
機バンク層221上面に吐出されたとしても、該上面が
インク滴で濡れることがなく、インク滴が上記親水性制
御層25の開口部25a内に転がり込み、さらに有機バ
ンク層221の開口部221a内に吐出・充填される。
続いて、吐出後のインク滴を乾燥処理することにより組
成物インクに含まれる無極性溶媒を蒸発させ、青色発光
層(発光層60)が形成される。
【0054】さらに、青色発光層の場合と同様にして、
例えば赤色発光層(発光層60)を形成し、最後に緑色
発光層(発光層60)を形成する。なお、各色の発光層
60の形成順序は、発光層材料の構成成分数が少ないも
のから順に行うことが好ましい。成分数の多い色の発光
層を先に形成すると、後から形成した別の色の発光層の
組成物インクから蒸発した溶媒蒸気によって、先に形成
した発光層が再溶解して成分分離を起こす惧れがあるの
で好ましくない。なお、正孔注入/輸送層、発光層をそ
れぞれインクジェットプロセスにより形成するが、この
際、インクジェットヘッドは発光ドット間のピッチによ
り傾き方向を制御している。すなわち、インクジェット
ヘッドに形成されているノズルのピッチと、発光ドット
のピッチとは必ずしも一致しないため、ヘッドの傾けて
配置することにより発光ドットのピッチに合うように調
整するのである。
【0055】続いて図8(m)に示す陰極222、50
を形成するべく陰極形成工程が行われる。該陰極形成工
程においては、発光層60及び有機バンク層221の全
面に、陰極222、50となる下部陰極層及び上部陰極
層を順次積層する。下部陰極層は仕事関数が上部陰極層
よりも相対的に小さいもので構成することが好ましく、
例えばフッ化リチウム、カルシウム、アルミニウム等を
用いることができる。また、上部陰極層は下部陰極層を
保護するもので、下部陰極層よりも仕事関数が相対的に
大きいもので構成することが好ましく、製法としては例
えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等で形成することが
好ましく、特に蒸着法で形成することが、発光層60の
熱による損傷を防止できる点で好ましい。なお、ここで
は図8の222がカルシウム(下部陰極層)、50がア
ルミニウム(上部陰極層)に対応する。更に、Al以外
にもAg膜、Mg/Ag積層膜等を用いることができ
る。
【0056】最後に、図8(m)に示す封止基板30を
形成するべく封止工程を行う。この封止工程では、封止
基板30の内側に乾燥剤45を挿入しつつ、該封止基板
30とアクティブマトリクス基板20とを接着剤40に
て封止する。なお、この封止工程は、窒素、アルゴン、
ヘリウム等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
大気中で行うと、反射層50にピンホール等の欠陥が生
じていた場合に、この欠陥部分から水や酸素等が陰極2
22に侵入して陰極222が酸化される惧れがある。
【0057】以上のような製造プロセスにより、図1〜
図3に示すような表示装置101が得られる。
【0058】以下、本発明の表示装置を備えた電子機器
について幾つかの例を示す。図9(a)は、携帯電話を
示す斜視図である。1000は携帯電話本体を示し、そ
のうちの1001は本発明の表示装置を用いた表示部で
ある。図9(b)は、腕時計型電子機器を示す図であ
る。1100は時計本体を示す斜視図である。1101
は本発明の表示装置を用いた表示部である。
【0059】図9(c)は、ワープロ、パソコン等の携
帯型情報処理装置を示す図である。1200は情報処理
装置を示し、1202はキーボード等の入力部、120
6は本発明の表示装置を用いた表示部、1204は情報
処理装置本体を示す。各々の電子機器は電池により駆動
される電子機器であるので、本発明の構成を採用するこ
とで、安定した電力供給を実現することが可能となる。
また、これら電子機器は小型のものが多いなか、本発明
の表示装置を採用することで機器全体が小型であるにも
拘らず比較的大きな表示領域を確保することが可能とな
る。
【0060】
【発明の効果】このような構成とすることにより、基板
上において表示を行うことが不可能な領域を低減可能と
し、有効な表示領域を増大することが可能となるととも
に、陰極層と駆動電圧導通部との間においてキャパシタ
が形成されることとなり、該キャパシタにより少なくと
も駆動電圧導通部の電圧低下を補償することが可能とな
り、電源電圧低下に基づく当該表示装置の誤作動発生等
を防止ないし抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の表示装置の一実施形態たるEL表示
装置の平面模式図。
【図2】 図1のA−B断面模式図。
【図3】 図2の要部を拡大した断面模式図。
【図4】 図1のC−D断面模式図。
【図5】 図1のEL表示装置の製造プロセスの一例を
示す説明図。
【図6】 図5に続くEL表示装置の製造プロセスの一
例を示す説明図。
【図7】 図6に続くEL表示装置の製造プロセスの一
例を示す説明図。
【図8】 図7に続くEL表示装置の製造プロセスの一
例を示す説明図。
【図9】 本発明の電子機器の一実施形態を示す模式
図。
【符号の説明】
20 アクティブマトリクス基板 23 陽極層 24 画素用TFT(スイッチング手段) 60 有機EL層(発光層、表示主体層) 80 走査線駆動回路(作動制御手段) 90 データ線駆動回路(作動制御手段) 111 実画素部 112 ダミー画素部 221 バンク部 221a 開口部 222 陰極層 310 走査線側駆動電圧導通部 340 データ線側駆動電圧導通部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/14 H05B 33/14 A 33/22 33/22 Z

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、表示に寄与する表示領域と、
    表示に寄与しない非表示領域とを含むとともに、該表示
    領域及び非表示領域には、隔壁部と該隔壁部により区画
    形成された凹状区画領域とが所定のマトリクスパターン
    で配列され、前記表示領域は、前記凹状区画領域の凹状
    底部に前記基板側から少なくとも第1電極層と、表示若
    しくは非表示を切り換え可能な物質を含む表示主体層
    と、第2電極層とを含み、 前記非表示領域は、前記凹状区画領域の凹状底部に前記
    基板側から少なくとも前記表示主体層と、第2電極層と
    を含み、、 さらに前記基板上には、前記第1電極層に接続され、該
    第1電極層への通電制御を行うスイッチング手段と、該
    スイッチング手段に接続され、そのスイッチング手段の
    作動を制御する作動制御手段と、該作動制御手段を駆動
    させるための駆動電圧を印加する駆動電圧導通部と、が
    設けられ、 前記駆動電圧導通部が、少なくとも前記非表示領域に配
    置された部分を含み、さらに前記基板を平面視した場合
    に、前記凹状区画領域と重畳する部分を含むように配置
    されていることを特徴とする表示装置。
  2. 【請求項2】 前記隔壁部が互いに平行で軸線状に形成
    された2つの隔壁部を含み、前記駆動電圧導通部が、前
    記2つの隔壁部の間にこれら隔壁部と略平行で軸線状に
    形成された部分を含むように配置されていることを特徴
    とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動電圧導通部と前記第2電極層と
    の間に絶縁層を介してキャパシタが形成され、該キャパ
    シタにより少なくとも前記駆動電圧導通部における電圧
    低下が補償されることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の表示装置。
  4. 【請求項4】 前記非表示領域は、前記基板と前記表示
    主体層との間に位置する第1電極層を備え、さらに該第
    1電極層と前記第2電極層との間の導通を遮る遮蔽用絶
    縁層を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいず
    れか1項に記載の表示装置。
  5. 【請求項5】 前記遮蔽用絶縁層の表層面は、前記隔壁
    部の表層面と比して相対的に前記表示主体層との親和性
    が高い材質にて構成されていることを特徴とする請求項
    4に記載の表示装置。
  6. 【請求項6】 前記基板上には、複数の走査線及び複数
    のデータ線が交差するように形成されるとともに、前記
    スイッチング手段が該走査線と該データ線との交点に対
    応して形成され、前記作動制御手段が前記データ線に印
    加される信号に関する制御を行うデータ制御手段を含む
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記
    載の表示装置。
  7. 【請求項7】 前記基板上には、複数の走査線及び複数
    のデータ線が交差するように形成されるとともに、前記
    スイッチング手段が該走査線と該データ線との交点に対
    応して形成され、前記作動制御手段が前記走査線に印加
    される信号に関する制御を行う走査制御手段を含むこと
    を特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の
    表示装置。
  8. 【請求項8】 前記基板上には、複数の検査線が形成さ
    れるとともに、前記スイッチング手段が該検査線に接続
    され、前記作動制御手段が前記検査線を導通する信号に
    関する制御を行う検査制御手段を含むことを特徴とする
    請求項1ないし7のいずれか1項に記載の表示装置。
  9. 【請求項9】 前記表示主体層は有機EL物質を具備し
    ていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1
    項に記載の表示装置。
  10. 【請求項10】 隔壁部によって区画形成された複数の
    凹状領域が形成されてなり、前記複数の凹状領域には、
    表示領域と前記表示領域に隣接して形成されてなる非表
    示領域とが形成されてなり、 前記凹状領域には少なくとも発光層が形成されてなり、
    前記発光層の一方の面側には第1の電極層が形成されて
    なり、他方の面側には第2の電極層が形成されてなる表
    示装置であって、 前記第1電極層に接続され、該第1電極層への通電制御
    を行うスイッチング手段と、該スイッチング手段に接続
    され、そのスイッチング手段の作動を制御する作動制御
    手段と、該作動制御手段を駆動させるための駆動電流を
    供給する駆動電圧導通部とが設けられ、 前記駆動電圧導通部が、少なくとも前記非表示領域に配
    置された前記凹状領域と平面的に重なるように配置され
    ていることを特徴とする表示装置。
  11. 【請求項11】 前記駆動電圧導通部が、前記2つの隔
    壁部の間に形成されてなることを特徴とする請求項10
    に記載の表示装置。
  12. 【請求項12】 表示領域と、前記表示領域に隣接して
    形成されてなる非表示領域と、に発光層が形成されてな
    り、前記発光層の一方の面側には第1の電極層が形成さ
    れてなり、他方の面側には第2の電極層が形成されてな
    る表示装置であって、 前記第1電極層に接続され、該第1電極層への通電制御
    を行うスイッチング手段と、該スイッチング手段に接続
    され、該スイッチング手段の作動を制御する作動制御手
    段と、該作動制御手段を駆動させるための駆動電流を供
    給する駆動電圧導通部とが設けられ、 前記駆動電圧導通部が、少なくとも前記非表示領域と平
    面的に重なるように配置されていることを特徴とする表
    示装置。
  13. 【請求項13】 前記表示領域に形成されてなる絶縁膜
    と同一材料の絶縁パターンが前記非表示領域に形成され
    てなり、前記駆動電圧導通部が前記絶縁パターンと平面
    的に重なるように配置されてなることを特徴とする請求
    項12に記載の表示装置。
  14. 【請求項14】 前記表示領域に形成されてなる画素電
    極と同一材料のパターンが前記非表示領域に形成されて
    なり、前記駆動電圧導通部が前記パターンと平面的に重
    なるように配置されてなることを特徴とする請求項12
    に記載の表示装置。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし14のいずれか1項に
    記載の表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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