JP2003241269A - カメラの駆動機構 - Google Patents

カメラの駆動機構

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JP2003241269A
JP2003241269A JP2002038922A JP2002038922A JP2003241269A JP 2003241269 A JP2003241269 A JP 2003241269A JP 2002038922 A JP2002038922 A JP 2002038922A JP 2002038922 A JP2002038922 A JP 2002038922A JP 2003241269 A JP2003241269 A JP 2003241269A
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JP
Japan
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strobe unit
pop
strobe
spring
camera
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Application number
JP2002038922A
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English (en)
Inventor
Atsushi Maruyama
淳 丸山
立男 ▲高▼梨
Tatsuo Takanashi
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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  • Stroboscope Apparatuses (AREA)
  • Structure And Mechanism Of Cameras (AREA)
  • Cameras Adapted For Combination With Other Photographic Or Optical Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ストロボユニットのポップアップおよびダウン
動作を動力により行うことが可能なカメラの駆動機構を
提供する。 【解決手段】本カメラの駆動機構は、ストロボユニット
24をストロボボタンの操作によりポップアップ位置と
ダウン位置に回動駆動させる機構であり、上記ストロボ
ユニット24は、ダウンバネ34でダウン位置方向へ付
勢され、かつ、形状記憶合金製のポップアップバネ36
が懸架されている。ポップアップバネ36を通電により
加熱すると、収縮してストロボユニット24は、ポップ
アップ位置に回動駆動される。その状態でカム溝31の
当接面に係止され、ポップアップ位置に保持される。ダ
ウンさせる場合は、ポップアップバネ36を一時通電加
熱して上記係止状態を解除し、ダウンバネ34の付勢力
でダウン位置に回動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラのストロボ
ユニット(ストロボ発光部)のポップアップおよび収納
(ダウン)動作を行うためのカメラの駆動機構に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、カメラのストロボ発光部(ストロ
ボユニット)の駆動機構に関して提案されているものと
して特開平10−301168号公報に開示ものは、ば
ね力を利用してストロボ発光部をポップアップさせるポ
ップアップ機構に関するものである。そのポップアップ
機構においては、係止部の係止状態を解除してストロボ
発光部をポップアップさせるが、その係止部の係止を解
除する手段して形状記憶合金が利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開平10−
301168号公報に開示のポップアップ機構は、スト
ロボ発光部のポップアップを釦操作により、または、自
動的に行うことが可能な駆動機構であるが、ストロボ発
光部を収納させるダウン動作は手動で行う必要がある。
ユーザーにとってさらに使い勝手をよくするためには、
ポップアップ動作に加えてダウン動作も釦操作によっ
て、あるいは、自動的に行えるようにする必要がある。
【0004】本発明は、上述の問題を解決するためにな
されたものであって、ストロボ発光部等のポップアップ
およびダウン動作を動力により行うことが可能なカメラ
の駆動機構を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
カメラの駆動機構は、収納位置と、発光位置とに移動可
能なストロボユニットを有するカメラの駆動機構におい
て、ストロボユニットを収納方向に付勢するための付勢
手段と、ストロボユニットを支持するための支持アーム
と、上記支持アームの片端が移動可能なカム溝と、所定
温度まで加熱された際にストロボユニットをアップ方向
に駆動するよう変形する形状記憶合金部材と、上記形状
記憶合金部材を加熱するための加熱手段とを具備し、上
記カム溝には、ストロボユニットを収納位置またはアッ
プ位置に係止するための係止用斜面部が設けられてい
る。
【0006】本発明の請求項2記載のカメラの駆動機構
は、収納位置と、発光位置とを移動可能なストロボユニ
ットを有するカメラの駆動機構において、ストロボユニ
ットを収納方向に付勢するための付勢手段と、ストロボ
ユニットを発光位置に係止するための係止手段と、所定
温度まで加熱された際にストロボユニットをアップ方向
に駆動するよう変形する第1の形状記憶合金部材と、所
定温度まで加熱された際にストロボユニットの係止手段
を解除する方向に駆動するよう変形する第2の形状記憶
合金部材と、上記第1および第2の形状記憶合金部材を
加熱するための加熱手段とを具備しており、上記第1の
形状記憶合金部材を加熱して上記ストロボユニットを発
光位置に移動させて上記係止手段で係止し、上記第2の
形状記憶合金部材を加熱して上記係止手段の係止を解放
し、上記ストロボユニットを収納位置に移動させる。
【0007】本発明の請求項3記載のカメラの駆動機構
は、請求項1、または、2に記載のカメラの駆動機構に
おいて、上記加熱手段は、上記形状記憶合金部材に通電
して上記形状記憶合金部材を発熱させるための通電手段
を含む。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態
である駆動機構を内蔵するカメラのブロック構成図であ
る。 本実施形態のカメラは、図1に示すように主に撮
影レンズ1,3を含む撮影ブロック41と、ストロボユ
ニット24を含むストロボブロック42と、カメラ全体
の制御を司るカメラの制御手段としてのCPU17を含
むカメラ制御ブロック43とからなる。
【0009】上記撮影ブロック41においては、被写体
像を結像させるための撮影レンズが、正レンズ1と負レ
ンズ3で構成され、この撮影レンズ中に絞り機構2が配
置されている。この絞り機構2は、絞り駆動回路9によ
って駆動制御される。
【0010】上記負レンズ3の後方には、ほぼ中央部分
がハーフミラーとなっている可動ミラー4が配置されて
いる。上記可動ミラー4の中央背面部分には、サブミラ
ー5が下方に向けて被写体光を反射するように配置され
ている。上記サブミラー5の反射光軸方向位置にセパレ
ータ光学系29が配置されている。上記セパレータ光学
系29は、図1の図面上で略垂直方向に沿って配置され
る2像分離のための2つの光学系からなる。このセパレ
ータ光学系29による被写体像の結像位置にラインセン
サ30が配置され、このラインセンサ30はラインセン
サ駆動回路11に接続されている。
【0011】上記サブミラー5,セパレータ光学系2
9,ラインセンサ30等によって、公知の位相差法によ
る焦点検出装置が構成される。CPU17は、ラインセ
ンサ駆動回路11を介して入力された信号に基づいて、
2像の間隔を求め、撮影レンズを合焦位置に駆動するた
めの撮影レンズの駆動量データを演算する。上記駆動量
データは、ズーム・ピント駆動回路8に転送され、上記
撮影レンズの正,負レンズ1,3の焦点位置が変更され
る。このズーム・ピント駆動回路8には、既知の電磁モ
ータ、超音波モータ等の駆動源や、これらの駆動源を制
御するためのドライバ回路や、レンズの位置を検出する
ためのエンコーダ装置等が含まれる。
【0012】前記可動ミラー4の反射光路上には、焦点
板14、ペンタプリズム15、および、ファインダ接眼
光学系16が配置されている。また、可動ミラー4と銀
塩フィルム7の間にシャッタ6が配置されている。
【0013】上記可動ミラー4は、ミラー駆動回路10
によって駆動される。上記シャッタ6は、シャッタ駆動
回路12によって駆動される。
【0014】上記可動ミラー4が上昇し、シャッタ6が
開放状態となると、銀塩フィルム7上に被写体像が形成
され、露光される。なお、不図示の測光回路から出力さ
れる被写体輝度値、図示しないフィルム感度検出回路に
よって検出されたフィルム感度、図示しないプログラム
線図に基づいて、適正露光の得られる絞り2の絞り値お
よびシャッタ速度がCPU17で演算され、絞り2は、
演算された上記絞り値にしたがって絞り駆動され、シャ
ッタ6は、演算された上記シャッタ速度で駆動制御され
る。
【0015】また、カメラ内にはフィルム駆動回路13
が設けられており、1駒の撮影が終了すると上記フィル
ム駆動回路13によりフィルム7の巻き上げが行われ
る。
【0016】上記カメラ制御ブロック43には、CPU
17の他にバッテリチェック回路18と、各種スイッチ
の出力信号を取り込むスイッチ入力回路19と、EEP
ROM20が含まれる。
【0017】上記スイッチ入力回路19に接続され、そ
の出力信号が入力されるスイッチ群は、カメラを撮影準
備状態に移行させるためのパワースイッチ45と、レリ
ーズボタンの半押し操作に連動してオンする第1レリー
ズスイッチ46a、および、レリーズボタンの深押し操
作に連動してオンする第2レリーズスイッチ46bと、
ストロボユニット24のポップアップ、または、ダウン
の動作を開始させるため、ストロボボタンによりオンオ
フされるストロボアップ/ダウンスイッチ47と、スト
ロボが正規の位置にポップアップしているかどうか判別
するためのアームスイッチ(ポップアップ検出スイッ
チ)38等である。
【0018】上記EEPROM20は、工場においてカ
メラ個々のばらつきを抑えて出荷するために、カメラ毎
に調整値を格納するための不揮発性メモリである。
【0019】上記ストロボブロック42は、ストロボユ
ニット24と、トリガ回路25と、ストロボ回路23
と、カメラの駆動機構であるストロボユニット駆動機構
22と、形状記憶合金ドライブ回路21とを有してな
る。
【0020】上記ストロボユニット24は、ストロボユ
ニット駆動機構22によってカメラ本体30に対してポ
ップアップおよびダウン可能に支持されており、ストロ
ボ本体24aと、上記ストロボ本体24aに収納される
反射傘26,発光管27,パネル28とを有してなる。
【0021】上記トリガ回路25は、ストロボ発光動作
時にトリガ信号を出力し、このトリガ信号によって上記
発光管27内に封止されているキセノンガスが励起され
て発光し、その発光光は、上記反射傘26で反射され、
パネル28を透過して被写体に照射される。なお、上記
トリガ回路25は、ストロボ本体24aに内蔵される。
上記ストロボ回路23は、不図示のストロボ用メインコ
ンデンサの充電処理および上記トリガ回路25への発光
指示を行う。
【0022】上記ストロボユニット24は、ストロボ駆
動機構22に組み込まれるバネ部材および形状記憶合金
部材である機能的駆動源としてのポップアップバネ36
(図2)によって発光位置であるポップアップ位置(図
5)および収納位置(非発光位置)であるダウン位置
(図4)に駆動される。上記形状記憶合金部材の制御
は、CPU17の制御のもとで形状記憶合金ドライブ回
路21によって制御される。その詳しい制御方法につい
ては後述する。
【0023】なお、上記形状記憶合金は、任意の形状に
変形しても固有温度以上に加熱すると変形前の形状に回
復する材料で、NiTi合金のものが特性的に優れてい
る。しかも、一般のバネ材と同様に板や線材の形で板バ
ネやトーションバネとして利用できる。また、形状記憶
合金を加熱するには、形状記憶合金に直接通電する方法
が一般的で、形状記憶合金に通電してから元の形状に回
復するまでの時間は0.5秒程度であることが知られて
いる。
【0024】上述したストロボ回路23,ズームピント
駆動回路8,絞り駆動回路9,ミラー駆動回路10,シ
ャッタ駆動回路12,フィルム駆動回路13,形状記憶
合金ドライブ回路21,EPROM20,スイッチ入力
回路19,CPU17は、データバス31に接続されて
おり、相互間でデータの授受が行われる。これらの全て
の回路の動作は、上記CPU17が統括して制御する。
【0025】ここで、上記ストロボユニット駆動機構2
2の構成,作用について説明する。図2は、上記ストロ
ボユニットとストロボユニット駆動機構のポップアップ
状態を示す斜視図である。図3は、上記ストロボユニッ
ト駆動機構のカム溝部と支持アームとの拡大分解斜視図
である。図4は、ストロボユニットとストロボユニット
駆動機構のダウン状態における縦断面図である。図5
は、ストロボユニットとストロボユニット駆動機構のポ
ップアップ状態における縦断面図である。
【0026】ストロボユニット駆動機構22は、図2に
示すようにカメラ本体30に設けられるカム溝31と、
ストロボ本体24aをカメラ本体30に対して回動自在
に支持する回動軸32と、ストロボ本体24aをダウン
方向(収納方向,D2 方向)に回動付勢する付勢手段で
あるダウンバネ(トーションバネ)34と、ストロボ本
体24aを支持する支持アーム33と、支持アーム33
をストロボ本体24aに対してD3 方向に回動付勢する
アームバネ35と、形状記憶合金からなる形状記憶合金
部材であるポップアップバネ36と、ストロボユニット
24がポップアップ位置にあることを検出するためのア
ームスイッチ38とを有してなる。
【0027】上記支持アーム33は、一端部がストロボ
本体24aのピン24bに回動自在に支持され、他端部
には、カム溝31に摺動自在に嵌入するアームピン33
aが設けられる。また、アームピン33a側方にスイッ
チ押圧用突起部33bが設けられる。さらに、支持アー
ム33は、支持アーム33のアームピン33a側の板厚
が薄く形成されており、アームピン33a側先端部がカ
ム溝31の係止用傾斜面31c,31eの傾斜分だけは
弾性変形可能になっている。
【0028】上記カム溝31は、回動軸32と直交する
面に沿って設けられるループ状で略菱形形状の有底カム
溝である。カム溝31の対向する頂点31g,31h
は、ストロボユニット24のポップアップ/ダウン移動
方向に沿った上下方向に位置しており、カム溝31は、
頂点31g,31hの図3上での左右に形成される
「く」の字状の左側カム溝31aと逆「く」の字状の右
側カム溝31bからなる。左側カム溝31aと右側カム
溝31bの左右の外側の隅部は、アームピン33aが摺
動しやすいように所定の曲率の溝となっている。
【0029】上記左側カム溝31aには、上方頂点31
gの近傍にて溝底部から表面に向けて傾斜する係止用傾
斜面31cと、傾斜面31cの端面部であって、上方頂
点31gより僅かに下方に後退した位置にアームピン当
接面31dとが設けられている。
【0030】また、上記右側カム溝31bには、下方頂
点31hの近傍に溝底部から浅い方向に傾斜する係止用
傾斜面31eが設けられている。上記傾斜面31eの下
方頂点側端面は、左側カム溝31aの下方頂点31h側
のアームピン当接面31fとなる。
【0031】上記カム溝31には、支持アーム33のア
ームピン33aが嵌入し、ストロボユニット24の回動
動作にしたがって摺動するが、ストロボユニット24が
ポップアップ位置にあるときには、アームピン33a
は、位置PA に位置し、左側カム溝31aの当接面31
dに当接している。また、ストロボユニット24がダウ
ン位置にあるときには、アームピン33aは、位置PC
に位置し、左側カム溝31aの当接面31fに当接す
る。
【0032】ストロボユニット24がダウン位置からポ
ップアップ位置に向けて移動するとき、アームピン33
aは、上記位置PC から左側カム溝31aをRa方向に
摺動し、傾斜面31cを通過後、カム溝底部に落ち込
み、位置PA に到達する。
【0033】また、ストロボユニット24をポップアッ
プ位置からダウン位置に移動するときは、一旦ストロボ
ユニット24をさらにアップ方向に僅かな角度回動させ
て、アームピン33aをカム溝31の上方頂点31gの
位置PB まで移動させる。この状態では、支持アーム3
3がD3 方向に回動付勢されていることから、アームピ
ン33aは、右側カム溝31bに進入することが可能な
状態にある。その後、ストロボユニット24のダウン動
作に伴ってアームピン33aは、右側カム溝31bに沿
ってRb方向に摺動し、傾斜面31cを通過後、カム溝
31aの底部に落ち込み、上記下方頂点31h側の位置
PC に到達する。すなわち、アームピン33aは、スト
ロボユニット24の回動動作に伴って図3のカム溝31
中を時計回りに移動する。
【0034】上記アームスイッチ38は、ストロボユニ
ット24がポップアップ位置に到達したとき、支持アー
ム33の突起部33bにより接点部が押圧され、オン信
号を出力する。ストロボユニット24がポップアップ位
置よりダウン位置に降下すると、アームスイッチ38の
接点部は、解放され、出力信号はオフとなる。
【0035】上記ポップアップバネ36は、形状記憶合
金線材で形成されており、コイルバネ形状部を有し、一
端がストロボ本体24aの支持ピン24c、他端がカメ
ラ本体30の支持ピン30cに懸架されている。ポップ
アップバネ36には、コイルバネ部両端の接続端子部3
7を介して形状記憶合金ドライブ回路21により通電が
可能である。ポップアップバネ36が通電により所定の
温度に加熱された場合、記憶されている形状に変化し、
ポップアップバネ36の長さが収縮する。そのときのポ
ップアップバネ36の付勢力は、ストロボユニット24
のダウンバネ34の付勢力よりも大きく、ダウンバネ3
4に抗してストロボユニット24がポップアップ位置方
向に回動駆動される。上記通電がオフし、温度が下がる
とポップアップバネ36は、ストロボユニット24がダ
ウンバネ34の付勢力でダウン位置方向に回動駆動され
るので長さが長い状態となる。
【0036】上述した構成を有するストロボユニット駆
動機構22によるストロボユニット24のアップダウン
動作について説明する。図4に示すようにストロボユニ
ット24がカメラ本体30の収納部30aに収納される
ダウン位置にあり、ポップアップバネ36が非通電(常
温)の状態では、取り付け長L0 の状態にあり、弛みの
ない緊張状態に保たれており、ストロボユニット24
は、ダウンバネ34の付勢力で付勢された状態でダウン
位置に保持される。また、アームピン33aは、カム溝
31の位置PC にある。
【0037】ダウン位置にあるストロボユニット24を
ポップアップ位置に上昇させるには、まず、CPU17
の指示により形状記憶合金ドライブ回路21を駆動し、
ポップアップバネ36に通電し、所定の温度に加熱す
る。この加熱によってポップアップバネ36は、元の記
憶状態に収縮する。すなわち、図5に示すようにダウン
バネ34の付勢力に打ち勝ってポップアップバネ36が
取り付け長L1 になるまで収縮し、ストロボユニット2
4がD1 方向に回動し、ポップアップ位置に到達する。
ここで、L1 <L0 である。
【0038】上記回動動作中、アームピン33aは、左
側カム溝31a上をRa方向に摺動し、ポップアップ位
置到達には係止用傾斜面31cを通過してカム溝31の
底部に落ち込む。そして、当接面31dに当接して位置
PA に係止される。また、ポップアップ位置到達時にア
ームスイッチ38のオン信号が検出されると、CPU1
7の指示により上記ポップアップバネ36への通電が停
止される。上記通電停止によりポップアップバネ36
は、延びた状態に戻るが、アームピン33aが当接面3
1dに当接して位置PA にて係止されるので、ストロボ
ユニット24は、図5に示すストロボ発光が可能なポッ
プアップ位置に保持される。
【0039】上記ポップアップ位置あるストロボユニッ
ト24をダウン位置に降下させるには、一旦、ポップア
ップバネ36に通電してストロボユニット24を僅かに
アップ方向に回動させ、アームピン33aをカム溝31
aの上頂点31gの位置PBに位置させる。その状態で
通電を切る。上記通電停止によりポップアップバネ36
が延びるので、ストロボユニット24は、ダウンバネ3
4の付勢力でダウン位置に向けて回動する。そのとき、
支持アーム33がD3 方向に付勢されていることからア
ームピン33aは、位置PB (図3)から右側カム溝3
1bに進入して移動する。そして、係止用傾斜面31e
を通過後、カム溝底部に落ち込み、下頂点31h側の位
置PC に到達し、当接面31fに当接する。この状態で
ストロボユニット24は、図4のダウン状態となり、ポ
ップアップバネ36の取り付け長さは、L0 の状態に保
持される。なお、アームピン33aが上述したように当
接面31fに当接しているので、再度、ストロボユニッ
ト24をアップ方向に駆動したとき、アームピン33a
は、必ず左側カム溝31aを通過することになる。
【0040】上記ストロボユニット駆動機構22を内蔵
する本実施形態のカメラの撮影シーケンスについて、図
6〜8のフローチャートを用いて説明する。なお、図6
は、上記撮影シーケンスにおけるメインルーチンのフロ
ーチャートである。図7は、上記メインルーチンでコー
ルされるサブルーチン「ポップアップ駆動(ストロボユ
ニット)」のフローチャートである。図8も上記メイン
ルーチンでコールされるサブルーチン「ダウン駆動(ス
トロボユニット)」のフローチャートである。
【0041】カメラに電源用電池が装填されると、CP
U17が動作を開始し、メインルーチンの処理がCPU
17の制御のもとで図6に示すフローチャートにしたが
って実行される。
【0042】ステップS1において、カメラのパワース
イッチ45がオンしているかどうかが判断される。スイ
ッチオフの場合は、ステップS2に進み、スイッチオン
の場合は、ステップS3に進む。
【0043】ステップS2においては、第1スタンバイ
処理が行われる。この第1スタンバイ処理は、CPU1
7の作動を停止する前に、停止後に再びCPU17を作
動開始させるための条件設定を行う処理であって、この
第1スタンバイ処理によって、その後のパワースイッチ
45のオンによって作動開始できる。続いて、CPU1
7の作動が停止され、スタンバイ状態となる。なお、ス
タンバイが解除された場合は、メインルーチンの処理が
先頭から実行される。
【0044】上記ステップS3に進んだ場合、撮影レン
ズである正,負レンズ1,3が沈胴位置からワイド位置
に繰り出される。ステップS4にてストロボ回路23に
内蔵されるメインコンデンサに充電が行なわれる。
【0045】続いて、ステップS5にて、CPU17に
内蔵される第1タイマのカウントが開始される。この第
1タイマは、所定時間毎にカウントアップされるカウン
タである。なお、上記カウント開始に際してカウンタ値
が所定の初期値にセットされる。
【0046】そこで、ステップS6にてレリーズ釦の半
押し操作により第1レリーズスイッチ46aがオンされ
たかどうか判断される。オンしている場合は、ステップ
S7にジャンプする。オフしている場合は、ステップS
11に進む。
【0047】上記ステップS7にジャンプした場合、測
光が行なわれ、被写体輝度値が算出される。さらに、ス
テップS8にてラインセンサ駆動回路11を介して入力
された信号に基づいて、2像の間隔を求め、合焦位置に
駆動するための撮影レンズの駆動量データが演算され
る。上記駆動量データは、ズーム・ピント駆動回路8に
転送され、上記撮影レンズの正,負レンズ1、3の焦点
位置が変更される。
【0048】続いて、ステップS9にて上記ステップS
7で得られた被写体輝度値と、撮影モードに応じたプロ
グラム線図等と、図示しないフィルム感度検出回路によ
って検出されたフィルム感度データに基づいて、公知の
技術によって適正露光の得られる絞り2の絞り値および
シャッタ6のシャッタ速度が演算される。
【0049】ステップS10において、レリーズ釦の深
押し操作により第2レリーズスイッチ46bがオンされ
たことを確認して、ステップS9の演算結果に応じて、
絞り2およびシャッタ6が制御され、フィルム27へ露
光が行われる。露光実行後、上記ステップS4に戻る。
【0050】上記ステップS6の判断によってステップ
S11に進んだ場合、不図示のストロボボタンの操作に
よってストロボアップ/ダウンスイッチ47がオンされ
たかどうかが判断される。オンされた場合は、ステップ
S12に進み、後述するサブルーチン「ストロボユニッ
トのポップアップ駆動」がコールされる。
【0051】また、ストロボアップ/ダウンスイッチ4
7がオンされていなかった場合は、ステップS13に進
み、ストロボアップ/ダウンスイッチ47がオフされた
かが判断される。オフされた場合は、ステップS14に
進み、後述するサブルーチン「ストロボユニットのダウ
ン駆動」がコールされる。オフされなかった場合は、ス
テップS15に進む。
【0052】ステップS15に進んだ場合、パワースイ
ッチ45がオンであるかどうかが判断される。オンの場
合は、ステップS16に進むが、オフの場合は、前述し
たステップS2にジャンプし、第1スタンバイ処理が実
行される。
【0053】ステップS16に進んだ場合、前記ステッ
プS5で第1タイマのカウントが開始されてから所定時
間が経過したかが判断される。すなわち、上記第1タイ
マのカウント値がオーバーフローしたかが判断される。
オーバーフローした場合は、ステップS17に進み、オ
ーバーフローしていない場合は、上記ステップS6に戻
り、ステップS6以下の処理が繰り返し実行される。
【0054】ステップS17に進んだ場合、第2スタン
バイ処理が実行される。この第2スタンバイ処理は、所
定時間経過してもパワースイッチ45などの操作スイッ
チが操作されない場合に電力の消費を抑えるために、C
PU17をスタンバイ状態にするための処理であって、
前記ステップS3の処理と同様にCPU17の作動を停
止するに先だって、停止後にCPU17が再び作動を開
始するための条件設定を行う。この第2スタンバイ処理
では、操作ボタンに連動する各スイッチの状態変化によ
って作動開始をするように設定され、その後、CPU1
7の作動が停止される。なお、上記第2スタンバイ状態
が解除されたときには上記ステップS4から処理が実行
される。
【0055】次に、上記図6のメインルーチンのステッ
プS12でコールされるサブルーチン「ポップアップ駆
動(ストロボユニット)」について図7のフローチャー
トにより説明する。ステップS18において、アームス
イッチ38のオンオフをチェックして、ストロボユニッ
ト24がすでにポップアップ位置にアップしているかど
うかが判断される。すでにポップアップ位置にアップし
ている場合、すなわち、アームスイッチ38がオンの場
合は、メインルーチンへリターンする。ポップアップ位
置にアップしていない場合、すなわち、アームスイッチ
38がオフの場合は、ステップS19に進む。
【0056】ステップS19において、ストロボユニッ
トがポップアップ状態にあることを示すポップアップフ
ラグがクリアされる。ステップS20にて、CPU17
に内蔵される第2タイマのカウントが開始される。この
第2タイマは、所定時間毎にカウントアップされるカウ
ンタであり、カウンタ値が所定の初期値にセットされた
状態で、カウントが開始される。
【0057】続いて、ステップS21にて、ポップアッ
プバネ36の通電が開始される。その通電によりポップ
アップバネ36が収縮するので、図4に示すダウン状態
から支持アーム33のアームピン33aが左側カム溝3
1a中を上方にスライドして移動し、ストロボユニット
24のポップアップ動作が開始される。
【0058】ステップS22にて、第2タイマのカウン
ト開始後、所定時間が経過して、第2タイマがオーバー
フローしたかどうか判断される。オーバーフローしてい
ない場合は、ステップS23に進む。オーバーフローし
た場合は、所定の設定時間内にストロボユニット24の
ポップアップ位置到達が検出されなかったことになるの
で、ポップアップバネ36の通電を停止して、ポップア
ップ状態を示すポップアップフラグがクリアされた状態
(ポップアップしていない状態を示す)のままでメイン
ルーチンへリターンする。この場合、ストロボユニット
24がポップアップできなかったことを使用者に警告
し、カメラの動作が停止される。
【0059】ステップS23においては、アームスイッ
チがオンしているかどうかが判断される。すなわち、ス
トロボユニット24がポップアップ位置に到達したこと
が検出されたかが判断される。オンしていない場合、未
だポップアップ位置に到達していないとして、ステップ
S22に戻り、上記の処理が繰り返される。オンした場
合、ポップアップ位置に到達したとしてステップS24
に進む。
【0060】ステップS24においては、ストロボユニ
ット24のポップアップ動作の完了に伴ってポップアッ
プバネ36への通電がオフされる。ステップS25にて
ポップアップフラグがセットされ、本サブルーチンを終
了し、メインルーチンに戻る。
【0061】上記ポップアップフラグは、アップバネの
通電によってストロボユニット24が正常に作動した場
合、すなわち、ポップアップ動作が完了した場合にセッ
トされるフラグである。ポップアップバネ36に通電し
たにもかかわらず何らかの原因、例えば、ポップアップ
バネ36の通電経路に断線が発生した場合や外力によっ
てストロボユニット24がロックされていた場合等でス
トロボユニット24がポップアップ位置に到達しなかっ
たときは、上記ポップアップフラグがクリア状態のまま
でメインルーチンに戻る。このフラグの状態を利用し
て、メインルーチンに戻ったとき、ストロボユニット2
4がポップアップしなかったことをユーザーに警告し、
カメラは、停止状態となる。
【0062】次に、上記図6のメインルーチンのステッ
プS14でコールされるサブルーチン「ダウン駆動(ス
トロボユニット)」について図8のフローチャートによ
り説明する。ステップS26において、アームスイッチ
38のオンオフをチェックして、ストロボユニット24
がすでに収納されているかどうかが判断される。アーム
スイッチ38がオフであり、ストロボユニット24がす
でに収納されている場合は、メインルーチンへリターン
する。アームスイッチ38がオンでストロボユニット2
4が収納されていない場合は、ステップS27に進む。
【0063】ステップS27において、ストロボユニッ
トがダウン状態であることを示すダウンフラグがクリア
される。ステップS28にて、CPU17に内蔵された
第3タイマのカウントが開始される。この第3タイマ
は、所定時間毎にカウントアップされるカウンタであ
り、カウンタ値が所定の初期値にセットされた状態で上
記カウントが開始される。
【0064】続いて、ステップS29にてポップアップ
バネ36への通電を所定の僅かな時間オンし、通電をオ
フする。この所定時間の通電によってストロボユニット
24がさらにアップ方向に僅かに回動する。このアップ
方向への回動動作によってアームピン33aが位置PB
に到達して右側カム溝31bに侵入可能状態となる。そ
して、ポップアップバネ36への通電の停止によってポ
ップアップバネ36が延びるので、ダウンバネ34の付
勢力でアームピン33aが右側カム溝31b中を下方向
にスライド移動し、ストロボユニット24は、ダウン方
向に回動することになる。
【0065】ステップS30にて、第3タイマのカウン
ト開始後、所定時間が経過して、第3タイマがオーバー
フローしたかどうか判断される。オーバーフローしてい
ない場合は、ステップS31の判断が実行される。オー
バーフローした場合は、所定の設定時間内に後述するス
トロボユニット24のダウン位置到達が検出されなかっ
たことになるので、ダウン状態を示すダウンフラグがク
リアされた状態(ダウンしていない状態を示す)のまま
でメインルーチンへリターンする。リターン後、前述し
たポップアップできなかった場合と同様にストロボユニ
ット24がダウンできなかったことを使用者に警告し、
カメラの動作が停止される。
【0066】上記ステップS31にてアームスイッチ3
8がオフしているかどうか判断される。オフしていない
場合は、未だダウン位置に到達していないとしてステッ
プS30の判断が繰り返し実行される。オフした場合
は、ステップS32に進む。
【0067】上記ステップS32に進んだ場合、ストロ
ボユニット24がダウン位置に到達し、収納されたもの
としてダウンフラグがセットされ、メインルーチンに戻
る。
【0068】上述したように本実施形態のカメラによる
と、ストロボユニット駆動装置22に形状記憶合金で形
成されたポップアップバネ36を組み込むことによって
ストロボユニット24のポップアップ動作およびダウン
動作をストロボボタンのオンオフ操作のみで実行させる
ことができ、ストロボユニットの使い勝手がよくなる。
また、ポップアップバネの形状記憶合金部材自身が発生
する熱によっては、瞬時に温度が上がらないので静かな
ストロボユニットのアップダウンが可能になる。
【0069】次に、本発明の第2の実施形態であるスト
ロボユニット駆動機構を内蔵するカメラについて、図
9,10を用いて説明する。図9は、本実施形態のカメ
ラに内蔵されるストロボユニット駆動機構とストロボユ
ニットのダウン状態における縦断面図である。図10
は、上記ストロボユニット駆動機構とストロボユニット
のポップアップ状態における縦断面図である。
【0070】本実施形態のストロボユニット駆動機構6
0を内蔵するカメラは、ストロボユニット駆動機構およ
びその制御方式以外は、前記第1の実施形態のカメラの
場合と同様の構成を有してあり、以下、異なる部分に関
して説明する。
【0071】本実施形態のストロボユニット駆動機構6
0は、ストロボユニット51のアップ,ダウン駆動を行
う機構である。上記ストロボユニット51は、前記第1
の実施形態におけるストロボユニット24と同様にスト
ロボ本体24aと、上記ストロボ本体24aに収納され
る反射傘26,発光管27,パネル28とを有してな
る。上記ストロボ本体24aは、カメラ本体30に対し
て回動軸32により回動自在に支持され、ストロボユニ
ット51をポップアップ位置に係止するための係止溝2
4dが設けられている。
【0072】上記ストロボユニット駆動機構60は、ス
トロボユニット51をダウン方向(収納位置方向,D2
方向)に回動付勢する付勢手段のダウンバネ(引張りバ
ネ)55と、形状記憶合金からなる第1の形状記憶合金
部材であるポップアップバネ36と、ストロボユニット
51を発光位置であるポップアップ位置に係止するため
の係止手段であるストロボユニット係止機構部と、上記
ストロボユニット係止機構部が係止作動状態にあり、ス
トロボユニット51がポップアップ位置に位置している
ことを検出するためのポップアップスイッチ54とを有
してなる。なお、本カメラには、第1の実施形態の場合
と同様に加熱手段(通電手段)としての形状記憶合金ド
ライブ回路21が設けられ、CPU17の制御のもとで
上記形状記憶合金部材のポップアップバネ36と後述す
る係止解除バネ58とに通電がなされる。
【0073】上記ポップアップバネ36は、前記第1の
実施形態に適用されたポップアップバネと同様のもので
あり、形状記憶合金線材で形成され、コイルバネ形状部
を有する。コイルバネ部両端の接続端子部37を介して
形状記憶合金ドライブ回路21(図1)により通電が可
能である。上記ストロボユニット係止機構部が係止解除
状態にあるとき、ポップアップバネ36が通電により所
定の温度に加熱されると、ダウンバネ55に抗してスト
ロボユニット24をポップアップ位置方向に回動駆動可
能である。また、上記通電オフ状態では、ポップアップ
バネ36は、ストロボユニット51がダウンバネ55の
付勢力でダウン位置方向に回動駆動されるので長さが長
い状態となる。
【0074】上記ストロボユニット係止機構部は、スト
ロボユニット51をポップアップ位置に係止し、保持す
る係止手段である係止ピン56と、上記係止ピン56を
上方に付勢する係止ピン付勢バネ57と、上記係止ピン
56とカメラ本体30との間に懸架される第2の形状記
憶合金部材である機械的駆動源としての係止解除バネ5
8とを有してなる。
【0075】上記係止ピン56は、カメラ本体30のガ
イド部30fにスライド可能に支持されており、係止ピ
ン付勢バネ57の付勢力によりストロボ本体24aの係
止溝24dに嵌入してストロボユニット51をポップア
ップ位置に保持する。
【0076】上記係止解除バネ58は、形状記憶合金線
材で形成されており、コイルバネ形状部を有し、一端が
係止ピン56側に、他端がカメラ本体30側に懸架され
ている。この係止解除バネ58には、コイルバネ部両端
の接続端子部59を介して形状記憶合金ドライブ回路2
1(図1)により通電が可能である。係止解除バネ58
が通電により所定の温度に加熱された場合、記憶されて
いる形状になり、取り付け長さL3 に収縮する。そのと
きの係止解除バネ58の付勢力は、係止ピン付勢バネ5
7の付勢力よりも大きく、係止ピン56が下方に移動す
る。その移動により係止ピン56がストロボ本体24a
の係止溝24dから外れ、ストロボユニット51は、ダ
ウン可能な状態になる。
【0077】上記ポップアップスイッチ54は、係止ピ
ン56の上下移動によりオンオフされるスイッチであ
り、係止ピン56がストロボ本体24の係止溝24dに
嵌入している状態、すなわち、ストロボユニット51が
ポップアップ位置にあるとき、その出力信号がオンとな
る。また、係止ピン56がストロボ本体24の係止溝2
4dから外れている状態、すなわち、ストロボユニット
51がダウン位置にあるとき、または、ダウン位置に向
けて回動しているとき、その出力信号はオフとなる。
【0078】ここで、上述した構成を有するストロボユ
ニット駆動機構60によるストロボユニット51のアッ
プダウン動作について説明する。図9に示すようにスト
ロボユニット51がカメラ本体30の収納部30aに収
納されるダウン位置にあり、ポップアップバネ36が非
通電(常温)の状態では、取り付け長L0 の状態にあ
り、弛みのない緊張状態に保たれている。この状態で
は、ストロボユニット51は、ダウンバネ55の付勢力
で付勢され、ダウン位置に保持され、かつ、係止ピン5
6は、ストロボ本体24aの係止溝24dから外れてい
る。
【0079】ダウン位置にあるストロボユニット51を
ポップアップ位置に上昇させるには、まず、ポップアッ
プバネ36に通電し、所定の温度に加熱する。この加熱
によってポップアップバネ36は、元の記憶状態である
収縮状態となる。ストロボユニット51は、図10に示
すようにポップアップバネ36が取り付け長L1 になる
まで収縮するとD1 方向に回動してポップアップ位置に
到達する。ここで、L1 <L0 である。
【0080】ストロボユニット51ポップアップが位置
に到達すると係止ピン56が係止ピン付勢バネ57の付
勢力によってストロボ本体24aの係止溝24dに嵌入
するので、ポップアップスイッチ54の出力信号がオン
に切り換わる。上記出力信号のオンにに基づき、CPU
17の制御のもとでポップアップバネ36への通電が停
止される。上記通電停止によりポップアップバネ36
は、延びた状態に戻るが、係止ピン56がストロボ本体
24aの係止溝24dに嵌入しているので、ストロボユ
ニット51は、図10に示すストロボ発光が可能なポッ
プアップ位置に保持される。
【0081】上記ポップアップ位置あるストロボユニッ
ト51をダウン位置に降下させるには、CPU17の指
示により係止解除バネ58に通電して、所定の温度に加
熱する。係止解除バネ58は、元の記憶状態に収縮する
ので係止状態での取り付け長L2 (図10)から取り付
け長L3 の状態になる。この状態で係止ピン56は、ス
トロボ本体24aの係止溝24dから外れて係止解除状
態となる。上記係止解除状態でストロボユニット51
は、ダウンバネ55の付勢力でダウン方向のD2方向に
回動し、図9に示す収納位置であるダウン位置に到達す
る。一方、係止ピン56が係止解除状態となることから
ポップアップスイッチ54の出力信号がオフとなる。そ
の出力信号に基づき、CPU17の指示で係止解除バネ
58への通電が停止される。その通電停止状態では、係
止解除バネ58は延びており、係止ピン付勢バネ57の
付勢力が係止ピン56の作用するが、係止ピン56は、
ストロボ本体24aの外周面に当接した状態に保持され
る。
【0082】上記ストロボユニット駆動機構60を内蔵
する本実施形態のカメラにおける撮影シーケンスのメイ
ンルーチンは、図6に示した前記第1の実施形態のカメ
ラにおけるメインルーチンの処理と同様である。しか
し、上記メインルーチンでコールされるサブルーチンの
「ポップアップ駆動(ストロボユニット)」と「ダウン
駆動(ストロボユニット)」が異なるのでそれらのサブ
ルーチンについて図11,12のフローチャートを用い
て説明する。なお、図11は、上記メインルーチンでコ
ールされるサブルーチン「ポップアップ駆動(ストロボ
ユニット)」のフローチャートである。図12は、上記
メインルーチンでコールされるサブルーチン「ダウン駆
動(ストロボユニット)」のフローチャートである。
【0083】上記メインルーチンにおいて、ストロボボ
タンがオン操作された場合にサブルーチン「ポップアッ
プ駆動(ストロボユニット)」がコールされる。まず、
ステップS34にてポップアップスイッチ54のオンオ
フをチェックし、ストロボユニット51がすでにポップ
アップされているかどうかを判断する。上記スイッチ5
4がオンの場合、ストロボユニット51がすでにポップ
アップ位置にあるとして本サブルーチンを終了し、メイ
ンルーチンに戻る。上記スイッチ54がオフの場合、ス
テップS35に進み、ストロボがポップアップ状態にあ
ることを示すポップアップフラグをクリアして、ステッ
プS36に進む。
【0084】ステップS36では、ステップS20に
て、CPU17に内蔵される第2タイマのカウントが開
始される。この第2タイマは、所定時間毎にカウントア
ップされるカウンタであり、カウンタ値が所定の初期値
にセットされた状態で、カウントが開始される。
【0085】続いて、ステップS37において、ポップ
アップバネ36の通電が開始される。その通電によりポ
ップアップバネ36が収縮するので、図9の示すダウン
状態からストロボユニット51がD1 方向に回動し、ポ
ップアップ動作が開始される。
【0086】ステップS38にて、第2タイマのカウン
ト開始後、所定時間が経過して、第2タイマがオーバー
フローしたかどうか判断される。オーバーフローしてい
ない場合は、ステップS39に進む。オーバーフローし
た場合は、所定の設定時間内にストロボユニット51の
ポップアップ位置到達が検出されなかったことになるの
で、ポップアップバネ36の通電を停止して、ポップア
ップ状態を示すポップアップフラグがクリアされた状態
(ポップアップしていない状態を示す)のままでメイン
ルーチンへリターンする。この場合、メインルーチンに
てストロボユニット51がポップアップしなかったこと
をユーザーに警告し、カメラは、停止状態となる。
【0087】ステップS39において、ポップアップス
イッチ54がオンしているかどうかが判断される。オン
していない場合は、まだストロボユニット51がポップ
アップ位置に到達していないことになるので繰返して上
記ステップS38の判断が実行される。オンした場合
は、ストロボユニット51がポップアップ位置に到達し
たことになるのでステップS40に進む。
【0088】ステップS40においては、ストロボユニ
ット51のポップアップ動作の完了に伴いポップアップ
バネ36への通電がオフされる。このポップアップ状態
では、係止ピン56がストロボ本体24aの係止溝24
dに嵌入しているので、ポップアップバネ36への通電
が切れて、その長さが延びたとしてもストロボユニット
51のポップアップ位置は保持される。
【0089】続いて、ステップS41にてポップアップ
フラグがセットされ、本サブルーチンを終了し、メイン
ルーチンに戻る。
【0090】次に、上記メインルーチンにおいて、スト
ロボボタンがオフ操作された場合にコールされるサブル
ーチン「ダウン駆動(ストロボユニット)」について、
図11のフローチャートにより説明する。まず、ステッ
プS42において、ポップアップスイッチ54のオンオ
フをチェックして、ストロボユニット51がすでに収納
されているかどうかが判断される。ポップアップスイッ
チ54がオフであり、ストロボユニット51がすでに収
納されている場合は、メインルーチンへリターンする。
ポップアップスイッチ54がオンでストロボユニット5
1が収納されていない場合は、ステップS43に進む。
【0091】ステップS43にてストロボユニットがダ
ウン状態であることを示すダウンフラグがクリアされ
る。ステップS44にてCPU17に内蔵された第3タ
イマのカウントが開始される。この第3タイマは、所定
時間毎にカウントアップされるカウンタであって、カウ
ンタ値が所定の初期値にセットされた状態で上記カウン
トが開始される。
【0092】ステップS45において、係止解除バネ5
8への通電をオンとし、係止解除バネ58を収縮させ
る。上記バネの収縮により係止ピン56がストロボ本体
24aの係止溝24dから脱出するので、ダウンバネ5
5の付勢力によるストロボユニット51のダウン動作が
開始される。
【0093】ステップS46にて第3タイマのカウント
開始後、所定時間が経過して、第3タイマがオーバーフ
ローしたかどうか判断される。オーバーフローしていな
い場合は、ステップS47に進む。オーバーフローした
場合は、所定の設定時間内にストロボユニット51のダ
ウン位置到達が検出されなかったことになるので、ダウ
ン状態を示すダウンフラグがクリアされた状態(ダウン
していない状態)のままでメインルーチンへリターンす
る。リターン後、前述したポップアップできなかった場
合と同様にストロボユニット51がダウン不可能である
ことを使用者に警告し、カメラの動作が停止される。
【0094】ステップS47において、ポップアップス
イッチがオフしているかどうか判断される。オフしてい
ない場合は、未だストロボユニット51がダウン位置に
到達していないとして、ステップS46の判断が繰り返
し実行される。オフした場合は、ストロボユニット51
がダウン位置に到達したとして、ステップS48に進
む。 ステップS48において、ストロボユニット51
が収納された状態にあることから係止解除バネ58への
通電をオフする。そして、ステップS49にてダウンフ
ラグをセットして、メインルーチンへリターンする。
【0095】以上、説明した本実施形態のストロボユニ
ット駆動機構60を内蔵するカメラによれば、前記第1
の実施形態のカメラの場合と同様にストロボボタン(ス
トロボアップ/ダウンスイッチ47)を手動によりオ
ン、または、オフ操作するだけでストロボユニット51
を発光位置であるポップアップ位置、または、収納位置
であるダウン位置に移動させることができ、操作性がよ
くなる。特に、本実施形態の場合は、ポップアップバネ
36と係止解除バネ58にそれぞれ形状記憶合金を適用
し、ポップアップ動作およびダウン動作をより確実に行
わせることが可能となる。また、ポップアップバネ,の
形状記憶合金部材自身が発生する熱によっては、瞬時に
温度が上がらないので静かなストロボユニットのアップ
ダウンが可能になる。
【0096】なお、上述した第1,2の実施形態のカメ
ラの場合、ストロボユニット24をポップアップ、また
は、ダウンさせるとき、ストロボボタン(ストロボアッ
プ/ダウンスイッチ47)を手動によりオンオフする必
要があったが、AE(自動露出)動作にてストロボ発光
が必要、または、不要であるとCPU17で判断された
とき、CPU17の指示に基づいて自動的に上記ストロ
ボユニット駆動機構22を駆動してストロボユニット2
4をポップアップ、または、ダウンさせるように構成す
ることは可能である。
【0097】なお、本発明は、また下記のような構成を
提供しているといえる。すなわち、 (1) 非発光位置と、発光位置とに移動可能なストロ
ボユニットを有するカメラの駆動機構において、上記ス
トロボユニットを非発光位置に駆動するための機械的駆
動源として形状記憶合金部材を用いたカメラの駆動機構
を提供することができる。
【0098】(2) 非発光位置と、発光位置とに移動
可能なストロボユニットを有するカメラの駆動機構にお
いて、上記ストロボユニットを発光位置に駆動するため
の機械的駆動源として形状記憶合金部材を用いたカメラ
の駆動機構を提供することができる。
【0099】(3) 非発光位置と、発光位置とに移動
可能なストロボユニットを有するカメラの駆動機構にお
いて、上記ストロボユニットを発光位置および非発光位
置に駆動するための機械的駆動源として形状記憶合金部
材を用いたカメラの駆動機構を提供することができる。
【0100】
【発明の効果】本発明によれば、ストロボユニットを所
望の作動位置である発光位置、または、収納位置に容易
に移動させることが可能なカメラの駆動機構を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である駆動機構を内蔵
するカメラのブロック構成図である。
【図2】上記図1のカメラに内蔵されるストロボユニッ
トとストロボユニット駆動機構のポップアップ状態を示
す斜視図である。
【図3】上記図2のストロボユニット駆動機構のカム溝
部と支持アームとの拡大分解斜視図である。
【図4】上記図1のカメラに内蔵されるストロボユニッ
トとストロボユニット駆動機構のダウン状態における縦
断面図である。
【図5】上記図1のカメラに内蔵されるストロボユニッ
トとストロボユニット駆動機構のポップアップ状態にお
ける縦断面図である。
【図6】上記図1のカメラの撮影シーケンスにおけるメ
インルーチンのフローチャートである。
【図7】上記図6のメインルーチンでコールされるサブ
ルーチン「ポップアップ駆動(ストロボユニット)」の
フローチャートである。
【図8】上記図6のメインルーチンでコールされるサブ
ルーチン「ダウン駆動(ストロボユニット)」のフロー
チャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態のカメラに内蔵される
ストロボユニット駆動機構とストロボユニットのダウン
状態における縦断面図である。
【図10】上記図9のストロボユニット駆動機構とスト
ロボユニットのポップアップ状態における縦断面図であ
る。
【図11】上記図9のカメラの撮影シーケンスであるメ
インルーチンでコールされるサブルーチン「ポップアッ
プ駆動(ストロボユニット)」のフローチャートであ
る。
【図12】上記図9のカメラの撮影シーケンスであるメ
インルーチンでコールされるサブルーチン「ダウン駆動
(ストロボユニット)」のフローチャートである。
【符号の説明】
21 …形状記憶合金ドライブ回路(加熱手段,通電手
段) 22,60…ストロボユニット駆動機構(カメラの駆動
機構) 31 …カム溝 31c,31e…カム溝の係止用斜面(カム溝の係止用
斜面部) 31d,31f…カム溝の当接面(カム溝の係止用斜面
部) 34,55…ダウンバネ(付勢手段) 36 …ポップアップバネ(形状記憶合金部材,第1の
形状記憶合金部材) 56 …係止ピン(係止手段) 58 …係止解除バネ(第2の形状記憶合金部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H053 CA42 CA45 2H101 BB02 2H104 CC00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 収納位置と、発光位置とに移動可能なス
    トロボユニットを有するカメラの駆動機構において、 ストロボユニットを収納方向に付勢するための付勢手段
    と、 ストロボユニットを支持するための支持アームと、 上記支持アームの片端が移動可能なカム溝と、 所定温度まで加熱された際にストロボユニットをアップ
    方向に駆動するよう変形する形状記憶合金部材と、 上記形状記憶合金部材を加熱するための加熱手段と、 を具備し、上記カム溝には、ストロボユニットを収納位
    置またはアップ位置に係止するための係止用斜面部が設
    けられていることを特徴とするカメラの駆動機構。
  2. 【請求項2】 収納位置と、発光位置とを移動可能なス
    トロボユニットを有するカメラの駆動機構において、 ストロボユニットを収納方向に付勢するための付勢手段
    と、 ストロボユニットを発光位置に係止するための係止手段
    と、 所定温度まで加熱された際にストロボユニットをアップ
    方向に駆動するよう変形する第1の形状記憶合金部材
    と、 所定温度まで加熱された際にストロボユニットの係止手
    段を解除する方向に駆動するよう変形する第2の形状記
    憶合金部材と、 上記第1および第2の形状記憶合金部材を加熱するため
    の加熱手段と、 を具備していることを特徴とするカメラの駆動機構。
  3. 【請求項3】 上記加熱手段は、上記形状記憶合金部材
    に通電して上記形状記憶合金部材を発熱させるための通
    電手段を含むことを特徴とする請求項1、または、2に
    記載のカメラの駆動機構。
JP2002038922A 2002-02-15 2002-02-15 カメラの駆動機構 Withdrawn JP2003241269A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007304314A (ja) * 2006-05-11 2007-11-22 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
KR101156680B1 (ko) 2005-01-12 2012-06-14 삼성전자주식회사 스트로보 팝업 기구 및 이를 구비한 카메라 장치

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