JP2003241236A - 磁気表示装置 - Google Patents

磁気表示装置

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JP2003241236A
JP2003241236A JP2002036176A JP2002036176A JP2003241236A JP 2003241236 A JP2003241236 A JP 2003241236A JP 2002036176 A JP2002036176 A JP 2002036176A JP 2002036176 A JP2002036176 A JP 2002036176A JP 2003241236 A JP2003241236 A JP 2003241236A
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magnetic
display device
reversible thermochromic
upper support
magnetic particles
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JP2002036176A
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Michiyuki Yasuda
満行 安田
Hisayoshi Kato
久義 加藤
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Pilot Ink Co Ltd
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Pilot Ink Co Ltd
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  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散媒体中の磁性粒子の泳動により像を形成
できることに加えて、温度変化による色変化も視覚で
き、また、その相乗効果で複雑且つ変化性に富む様相変
化が視認される磁気表示装置を提供する。 【解決手段】 透明性を有する非磁性材からなる上部支
持体(22)と、非磁性材からなる下部支持体(21)
間に分散媒体(3)と磁性粒子(4)を収容してなり、
前記支持体間の磁性粒子(3)の移動或いは配向によ
り、像を現出又は消去させる磁気表示装置の、前記上部
支持体(22)中に可逆熱変色性材料を分散してなる、
或いは、上部支持体(22)表面及び/又は裏面に可逆
熱変色性材料を含む可逆熱変色層を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気表示装置に関
する。更に詳細には、磁気ペン又は磁気スタンプの適用
により、内在する磁性粒子の移動或いは配向を生じて像
が視認されると共に、温度変化によって色変化も視認で
きる磁気表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、黒色とは異なるカラフルな像或い
は筆跡が得られる磁気表示装置としては着色した磁性粒
子を内蔵した磁気表示装置が挙げられる。前記磁気表示
装置は、磁気ペンの適用により着色した磁性粒子が泳動
或いは配向して黒色とは異なるカラフルな像が現出する
ものの、繰り返しの使用により遊戯が単調になりがちで
飽きることが多々あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来の磁気表示装置の不具合を解消するものであって、即
ち、磁気表示装置の意外性、変化性を付加した、長時間
遊戯しても飽きることがなく、遊びのバリエーションを
広げた磁気表示装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明性を有す
る非磁性材からなる上部支持体と、非磁性材からなる下
部支持体間に分散媒体と磁性粒子を収容してなり、前記
支持体間の磁性粒子の移動或いは配向により、像を現出
又は消去させる磁気表示装置において、前記上部支持体
中に可逆熱変色性材料を分散してなる、或いは、上部支
持体表面及び/又は裏面に可逆熱変色性材料を含む可逆
熱変色層を設けてなる磁気表示装置、或いは、透明性を
有する非磁性材からなる上部支持体の裏面に分散媒体及
び磁性粒子を内包した複数のマイクロカプセルを固着し
てなり、前記マイクロカプセル内の磁性粒子の移動或い
は配向により、像を現出又は消去させる磁気表示装置に
おいて、前記上部支持体中に可逆熱変色性材料を分散し
てなる、或いは、上部支持体表面及び/又は裏面に可逆
熱変色性材料を含む可逆熱変色層を設けてなる磁気表示
装置を要件とする。更には、上部支持体と、非磁性材か
らなる下部支持体間に分散媒体及び磁性粒子を内包した
複数のマイクロカプセルを固着してなること、上部支持
体表面及び/又は裏面に可逆熱変色性材料を含む可逆熱
変色層が、像を形成してなること、前記可逆熱変色性材
料は、電子供与性呈色性有機化合物、電子受容性化合
物、呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体の三
成分からなる可逆熱変色性組成物をマイクロカプセルに
内包したマイクロカプセル顔料であること等を要件とす
る。
【0005】前記磁気表示装置は、磁性粒子により像を
形成するため、通常は磁性粒子自体の色調による像が視
認される。本発明においては表示面に熱変色性を付加す
ることによって、通常現出する磁性粒子による像の現
出、消去の他、表示面に色変化による様々な様相変化を
付加して遊戯性を高めようとするものである。
【0006】以下に前記上部支持体について説明する。
前記上部支持体の材質としては、透明性を有するガラス
や樹脂が挙げられるが、好ましくは樹脂成形体が用いら
れる。尚、前記透明性とは無色透明の他、半透明、着色
透明、着色半透明でもよい。
【0007】前記可逆熱変色性材料は、電子供与性呈色
性有機化合物、電子受容性化合物、呈色反応を可逆的に
生起させる有機化合物媒体の三成分を含む組成物が好適
に用いられる。具体的には、特公昭51−44706号
公報、特公平1−29398号公報に記載されている可
逆熱変色性組成物が挙げられる。前記組成物は所定の温
度(変色点)を境としてその前後で変色し、変化前後の
両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在しえ
ない。即ち、もう一方の状態は、その状態が発現するの
に要する熱又は冷熱が適用されている間は維持される
が、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する
状態に戻る、所謂、温度変化による温度−色濃度につい
て小さいヒステリシス幅(ΔH)を示して変色するタイ
プである。
【0008】又、本出願人が提案した特公平4−171
54号公報に記載されている、大きなヒステリシス特性
を示して変色する感温変色性色彩記憶性熱変色性組成
物、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットし
た曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から温度
を上昇させていく場合と逆に変色温度より高温側から下
降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色す
るタイプの変色材であり、低温側変色点と高温側変色点
の間の常温域において、前記低温側変色点以下又は高温
側変色点以上の温度で変化させた状態を記憶保持できる
特徴を有する熱変色性組成物も有効である。更に、電子
受容性化合物としてアルコキシフェノール化合物を用い
た、昇温によって発色性を示す可逆熱変色性組成物を用
いることもできる。
【0009】前記した可逆熱変色性組成物は、そのまま
の適用でも有効であるが、マイクロカプセルに内包して
使用することが好ましい。それは、種々の使用条件にお
いて可逆熱変色性組成物は同一の組成に保たれ、同一の
作用効果を奏することができるからである。前記マイク
ロカプセルに内包させることにより、化学的、物理的に
安定なマイクロカプセル顔料を構成でき、粒子径0.1
〜100μm、好ましくは0.1〜30μmの範囲が実
用性を満たす。尚、マイクロカプセル化は、従来より公
知の界面重合法、in Situ重合法、液中硬化被覆
法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、
融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング
法等があり、用途に応じて適宜選択される。更にマイク
ロカプセルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂
皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質さ
せて実用に供することもできる。
【0010】前記可逆熱変色性材料を、熱可塑性樹脂或
いは熱硬化性樹脂中にブレンドして形成した成形体を上
部支持体として用いるか、或いは、可逆熱変色性材料を
樹脂を含むビヒクル中に分散したインキや塗料を用い
て、前記した従来より公知の方法、例えば、スクリーン
印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タン
ポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、
静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗
装等の手段により支持体表面及び/又は裏面に可逆熱変
色層を形成できる。前記樹脂としては、引張破断伸度が
400%以上である透明性樹脂を用いると、温度の変化
に依存して無色透明と着色透明の互変性を示して変色す
る可逆熱変色層が得られる。その際、可逆熱変色性カプ
セル顔料の平均粒子径は1.0〜5.0μmであること
が好ましい。また、引張破断伸度が350%以下である
透明性樹脂を用いると、温度変化に依存して無色透明と
着色不透明の互変性を示して変色する可逆熱変色層が得
られる。その際、可逆熱変色性カプセル顔料の平均粒子
径は0.1〜5.0μmであることが好ましい。なお、
前記支持体又は可逆熱変色層中には、非熱変色性有色染
顔料の適宜量を混在させて、より多彩な色彩変化を現出
させることもできる。
【0011】更に、電子供与性呈色性有機化合物、電子
受容性化合物、呈色反応を可逆的に生起させる有機化合
物媒体の三者の均質相溶体を塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合樹脂中に微粒子状に分散させて得られる、特開平6
−135144号公報に記載の熱変色性材料を用いて可
逆熱変色層を形成することもできる。
【0012】前記可逆熱変色層は上部支持体の全面に設
けたものに限らず、部分的に設けて可逆熱変色像を形成
したり、異なる変色温度や色調の可逆熱変色層を併設し
たり、積層して設けることもできる。又、可逆熱変色層
を着脱自在にして、取り替え可能にすることもできる。
【0013】前記した磁気表示装置は、使用する磁気ペ
ン又は磁気スタンプによって、可逆熱変色層が損傷しな
いようにするため、可逆熱変色性材料を熱可塑性樹脂或
いは熱硬化性樹脂中にブレンドして形成する構成、或い
は、支持体裏面に可逆熱変色層を設ける構成が好まし
い。
【0014】前記した上部支持体の最上層にはトップコ
ート層を設けて耐久性を向上させることもできる。更
に、前記した最上層に光安定剤層や真珠光沢顔料層を適
宜設けて、可逆熱変色性組成物の耐光性を向上させるこ
ともできる。具体的には、前記光安定剤層は紫外線吸収
剤、酸化防止剤、老化防止剤、一重項酸素消光剤、スー
パーオキシドアニオン消光剤、オゾン消色剤、可視光線
吸収剤、赤外線吸収剤から選ばれる光安定剤を分散状態
に固着した層である。
【0015】前記真珠光沢顔料層は、従来より公知の天
然雲母やガラス片表面を二酸化チタン等の金属酸化物で
被覆した透明性真珠光沢顔料が適用できる。前記真珠光
沢顔料は、例えば、天然雲母の表面を14〜68重量%
の酸化チタンで被覆した、被覆層の光学的厚さが110
〜415nmであって粒度が5〜300μmの真珠光沢
顔料を例示できる。前記真珠光沢顔料における被覆層の
光学的厚さとは、屈折率×幾何学的厚さのことであっ
て、この厚さは、或る一定の波長の光を反射させること
に関連しており、換言すれば、特定の光学厚さが特定の
波長の光を反射させる。
【0016】前記真珠光沢顔料として、例えば、天然雲
母粒子の表面を26〜57重量%の酸化チタンで被覆し
た、被覆層の光学的厚さ180〜240nm、粒度5〜
125μmの金色真珠光沢顔料は、選択的に紫色の波長
の光を透過し、その補色関係にある550〜600nm
の黄色の波長の光を反射する特性を与え金色となる。従
って、例えば、真珠光沢顔料層の下層に設けた可逆熱変
色層が黒色を呈する場合、紫色の透過光は熱変色層に吸
収されて金色真珠光沢顔料が反射する黄色光により金色
を呈し、又、可逆熱変色層が無色になって分散媒体によ
る白色を呈する場合、紫色の透過光を反射し、黄色光の
みならず紫色光まで反射するため、可視光線の全波長を
反射して金色真珠光沢顔料による金色は殆ど視覚され
ず、白色に視覚される。
【0017】また、前記上部支持体中に可逆熱変色性材
料を分散してなる、或いは、上部支持体裏面に可逆熱変
色性材料を含む可逆熱変色層を設ける構成の場合、上部
支持体中に前記光安定剤や真珠光沢顔料を分散状態に固
着させることもできる。
【0018】前記磁気表示装置としては、例えば、透明
性を有する非磁性材からなる上部支持体と下部支持体間
に、粘性流体と磁性粒子を収容した磁気表示装置が挙げ
られる。前記磁気表示装置は、上部支持体の表面上に磁
気ペンを接触させると磁気によって支持体間に沈降して
いた磁性粒子が吸着されて前記上部支持体の裏側まで泳
動し、分散媒体と磁性粒子のコントラストによって像を
視認させるものである。又、像の形成方法として磁性粒
子が泳動するものに限らず、例えば、磁場に対して応答
性を有する薄片状磁性粒子を用いて、前記磁性粒子の配
向性により像を隠顕する構成、或いは、磁極を異なる色
調に色分けした磁性粒子が反転して像を隠顕する構成で
あってもよい。又、支持体間に複数の小室を設け、前記
小室内に分散媒体と磁性粒子を注入し、且つ、前記分散
媒体と磁性粒子が外部に洩れださないように密封した
り、支持体間にハニカム状等の形状の小室を有する網目
部材を内在して、前記小室内に分散媒体と磁性粒子を注
入し、注入物が外部に洩れださないように封入して磁性
粒子の偏在を防止し、且つ、各々の小室に内在した磁性
粒子の密度を均一化することもできる。
【0019】前記支持体は、プラスチック、ガラス等の
非磁性材からなる材質により形成され、少なくとも像を
視認させる表示面が透明性を有する。従って、非表示面
は非磁性材であれば、色調と材質は特に限定されない。
前記表示面の透明性は、着色透明でもよいが、無色透明
或いは半透明のものが好適に用いられる。
【0020】前記粘性流体は、水、或いは、脂肪族炭化
水素系溶剤等の有機媒体中に各種染料、顔料を溶解又は
分散して着色性又は隠蔽性を付与し、磁性粒子により形
成される像とのコントラストを高めることが好ましい。
又、所望により珪酸、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウ
ム、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫
酸バリウム、モンモリロナイト、ベンチジンイエロー、
珪藻土、カオリン、クレー、ポリエチレンやポリプロピ
レン等のオレフィン重合体、エチレン−酢酸ビニル共重
合体やエチレン−アクリル酸エチル共重合体等のオレフ
ィンと単量体の共重合体、各種ワックス、金属石鹸、脂
肪族アミド、デキストリン脂肪酸エステル、ヒドロキシ
プロピルセルロースエステル、蔗糖脂肪酸エステル、ア
シルアミノ酸エステル、ジベンジリデンソルビトール等
を分散して、分散媒体の降伏値を調整して磁性粒子によ
り形成される像の安定化を向上させたり、更には流動粘
性を調整して像の表示速度を調節することもできる。
尚、前記分散媒体の降伏値を調整する化合物のうち、珪
酸、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、アルミナ、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、モン
モリロナイト、ベンチジンイエロー、珪藻土、カオリ
ン、クレーから選ばれる化合物、或いは、オレフィン重
合体、オレフィンと単量体の共重合体、各種ワックス、
金属石鹸、デキストリン脂肪酸エステルから選ばれる化
合物と珪酸又は珪酸塩の混合物が好適に用いられる。更
に、必要によって、界面活性剤を添加することもでき
る。
【0021】前記磁性粒子は、マグネタイト、ヘマタイ
ト、二酸化クロム、フェライト等の酸化物磁性材料、
鉄、酸化鉄、コバルト、ニッケル等の合金系の金属材
料、磁性粒子を樹脂と混練して粉砕したものが挙げら
れ、粒子の形状は球状の他、薄片状、柱状等が挙げら
れ、磁性粒子の大きさは均一であることが好ましい。更
に、前記酸化鉄は、水素還元法により製造した多孔質酸
化鉄が挙げられる。又、磁性粒子の大きさは、微粒子か
ら粗大粒子のものまで、前記粘性流体の性状等によって
適宜選択されるが、好ましくは10〜150μmのもの
が用いられる。前記磁性粒子は摩耗を防止するために、
適宜樹脂により被覆することもできるし、磁性粒子表面
に顔料や染料を含むインキや塗料を用いて着色処理を施
したカラフルな着色磁性粒子を用いることもできる。
【0022】又、前記磁気表示装置として、支持体の下
面に分散媒体と磁性粒子を内包した複数のマイクロカプ
セルを固着した磁気表示装置、或いは、支持体間に分散
媒体と磁性粒子を内包した複数のマイクロカプセルを固
着させた磁気表示装置を用いることもできる。前記磁気
表示装置の像を隠顕する方法としては、前記と同様の支
持体の表面上に磁気ペンを接触させると磁気によってカ
プセル内に沈降していた磁性粒子が吸着されて前記カプ
セル表面の裏側まで泳動し、分散媒体と磁性粒子のコン
トラストによって像を視認させる構成、磁場に対して応
答性を有する薄片状磁性粒子を用いて、前記磁性粒子の
配向性により像を隠顕する構成、或いは、磁極を異なる
色調に色分けした磁性粒子が反転して像を隠顕する構成
のいずれであってもよい。前記マイクロカプセルは10
0〜1000μmのものが好適に用いられ、又、前記マ
イクロカプセルに内包する磁性粒子は、前記と同様のも
のを用いることができる。尚、磁性粒子の大きさは0.
2μmから数μmのものが好適に用いられる。更に、前
記マイクロカプセル中には酸化チタン等の光反射性に優
れた粒子を含有して像が可視状態と不可視状態のコント
ラストを向上させることもできる。
【0023】前記した構成の磁気表示装置に、適宜像を
描く磁気ペンは、少なくとも筆記先端部に磁気部分を有
する。前記磁気部分は、磁気表示装置内の磁性粒子が前
記磁性材料である場合、鉄、コバルト、ニッケル等の合
金系の金属材料が用いられ、磁性粒子が前記金属材料で
ある場合、マグネタイト、ヘマタイト、二酸化クロム、
フェライト等の磁性材料が用いられる。更に、通電によ
り磁気を発する電磁石を用いることもできる。又、形態
としてはペン形態に限らず、磁性体を文字、数字、記
号、図形等の形状とした磁気スタンプ、或いは、磁気ヘ
ッドでもよい。
【0024】像の消去手段としては、表示体の裏面から
消去用の磁性体を作用させて像を消去させる手段、或い
は、裏面に設けた移動可能な消去用の磁性体を表面から
操作して像を消去させる手段が挙げられる。
【0025】尚、前記磁気表示装置表面には、迷路、双
六等各種遊戯用の図形を設けたり、前記図形を設けたシ
ートを着脱自在に構成することもできる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の磁気表示装置の具体的な
実施形態としては、玩具、筆記板等の教習具、メモ板、
公告板、各種ゲーム等の娯楽用具等が挙げられる。
【0027】
【実施例】次に、具体的に実施例を示す。尚、実施例中
の部は重量部を示す。 実施例1(図1、2参照) 下部支持体(21)として0.3mm厚のポリ塩化ビニ
ル樹脂板上に、ハニカム状(一辺の長さ4mm)の独立
したセル(セル壁の厚み0.05mm)を有する貫通し
た1.3mm厚の多セル板(5)をエチレン−酢酸ビニ
ル系エマルジョン接着剤を用いて接着し、前記セル内
に、イソパラフィン溶剤100部、酸化チタン1部、ノ
ニオン界面活性剤0.1部を十分に練合して得た白色分
散媒体(3)100部に、磁性粒子(4)として多孔質
黒色酸化鉄9部を均一に分散した分散液体を流し込んだ
後、エポキシ樹脂を用いて、塩化ビニル樹脂100部、
エポキシ樹脂系可塑剤3部、可逆熱変色性組成物(30
℃未満でピンク色、30℃以上で無色)を内包したマイ
クロカプセル顔料10部を均一に混合してカレンダー成
形により成形した上部支持体(22)を貼り合わせて磁
気表示装置(1)を得た。
【0028】前記磁気表示装置(1)は、常温(25
℃)下で上部支持体(22)側から視覚すると、上部支
持体中に含まれる可逆熱変色性組成物がピンク色に発色
しているため、磁性粒子(4)が沈降した状態では分散
媒体(3)による白色と混色となったピンク色が視認さ
れる。前記磁気表示装置(1)の上部支持体(22)上
を磁気ペンを用いて筆記すると、沈降していた磁性粒子
(4)が上部支持体(22)の下面まで泳動してピンク
地に黒色の像が視認される。前記像は、磁気表示装置
(1)の下面から磁性体を作用させて磁性粒子(4)を
沈降させることによって消去され、再び元のピンク色を
呈する状態に戻る。また、上部支持体を指触すると、上
部支持体中に含まれる可逆熱変色性組成物が無色にな
り、分散媒体(3)による白色が視認されるため、ピン
ク地に指触による白地の像が視認される。その際、磁性
粒子による像が可視状態或いは不可視状態によって、更
に複雑且つ変化性に富む様相変化が視認される。
【0029】実施例2(図3参照) 下部支持体(21)として300μm厚のポリ塩化ビニ
ルフィルム上に、ハニカム状(一辺の長さ4mm)の独
立したセル(セル壁の厚み0.05mm)を有する貫通
した1.3mm厚の多セル板(5)をエチレン−酢酸ビ
ニル系エマルジョン接着剤を用いて接着し、前記セル内
に、実施例1と同様の白色分散媒体(3)100部に、
磁性粒子(4)として多孔質黒色酸化鉄9部を均一に分
散した分散液体を流し込んだ後、エポキシ樹脂を用い
て、上部支持体(22)としてポリ塩化ビニルフィルム
を貼り合わせた。前記上部支持体(22)上に、感温変
色性色彩記憶性組成物(着色温度13℃、消色温度37
℃、着色時:青色、消色時:無色)22部、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合樹脂45部、メチルイソブチルケト
ン240部、消泡剤0.2部、光安定剤1部を混合した
可逆熱変色性インキを用いて、スプレー塗装により塗工
し、乾燥して50μm厚の可逆熱変色層(221)を設
け、その上層に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂1
5部、紫外線吸収剤1部、キシレン30部、酢酸エチル
29部、消泡剤1部からなるトップコート剤を用いて、
ドクターコートにより塗工し、乾燥して50μm厚のト
ップコート層(6)を設けて磁気表示装置(1)を得
た。
【0030】前記磁気表示装置(1)は、可逆熱変色層
(221)に含まれる感温変色性色彩記憶性組成物が無
色を示す状態下でトップコート層(6)側から視覚する
と、可逆熱変色層(221)に含まれる可逆熱変色性色
彩記憶性組成物が無色に消色しているため、磁性粒子
(4)が沈降した状態では分散媒体(3)による白色が
視認される。前記磁気表示装置(1)のトップコート層
(6)上を磁気ペンを用いて筆記すると、沈降していた
磁性粒子(4)が上部支持体(22)の下面まで泳動し
て白地に黒色の像が視認される。前記像は、磁気表示装
置(1)の下面から磁性体を作用させて磁性粒子(4)
を沈降させることによって消去され、再び元の白色を呈
する状態に戻る。次に、感温変色性色彩記憶性組成物が
青色を示す状態下でトップコート層(6)側から視覚す
ると、可逆熱変色層(221)に含まれる可逆熱変色性
色彩記憶性組成物が青色に着色しているため、磁性粒子
(4)が沈降した状態では分散媒体(3)による白色と
混色となった青色が視認される。前記磁気表示装置
(1)のトップコート層(6)上を磁気ペンを用いて筆
記すると、沈降していた磁性粒子(4)が上部支持体
(22)の下面まで泳動して青地に黒色の像が視認され
る。前記像は、磁気表示装置(1)の下面から磁性体を
作用させて磁性粒子(4)を沈降させることによって消
去され、再び元の青色を呈する状態に戻る。また、トッ
プコート層(6)を指で擦過すると、可逆熱変色層中に
含まれる可逆熱変色性組成物が無色になり、分散媒体
(3)による白色が視認されるため、青地に擦過による
白地の像が視認される。その際、磁性粒子による像が可
視状態或いは不可視状態によって、更に複雑且つ変化性
に富む様相変化が視認される。なお、前記可逆熱変色層
が呈する青色又は無色の状態は13〜37℃の温度間で
いずれかの状態が記憶保持される。
【0031】実施例3(図4参照) 下部支持体(21)として200μm厚のポリ塩化ビニ
ルフィルム上に、ハニカム状(一辺の長さ4mm)の独
立したセル(セル壁の厚み0.05mm)を有する貫通
した1.3mm厚の多セル板(5)をエチレン−酢酸ビ
ニル系エマルジョン接着剤を用いて接着し、前記セル内
に、実施例1と同様の白色分散媒体(3)100部に、
磁性粒子(4)として多孔質黒色酸化鉄9部を均一に分
散した分散液体を流し込んだ後、エポキシ樹脂を用い
て、上部支持体(22)としてポリ塩化ビニルフィルム
を貼り合わせて磁気表示装置(1)を得た。尚、前記上
部支持体(22)の下面には、可逆熱変色性組成物(2
6℃未満でピンク色、26℃以上で無色)を内包したマ
イクロカプセル顔料15部、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合樹脂15部、キシレン30部、酢酸エチル34部、
消泡剤1部を分散、混合したインキを用いて、スクリー
ン印刷により50μm厚の可逆熱変色層(221)を設
けてなる。
【0032】前記磁気表示装置(1)は、常温(25
℃)下で上部支持体(22)側から視覚すると、可逆熱
変色層(221)に含まれる可逆熱変色性組成物がピン
ク色に発色しているため、磁性粒子(4)が沈降した状
態では分散媒体(3)による白色と混色となったピンク
色が視認される。前記磁気表示装置(1)の上部支持体
(22)上を磁気ペンを用いて筆記すると、沈降してい
た磁性粒子(4)が可逆熱変色層(221)の下面まで
泳動してピンク地に黒色の像が視認される。前記像は、
磁気表示装置(1)の下面から磁性体を作用させて磁性
粒子(4)を沈降させることによって消去され、再び元
のピンク色を呈する状態に戻る。また、上部支持体を指
触すると、可逆熱変色層中に含まれる可逆熱変色性組成
物が無色になり、分散媒体(3)による白色が視認され
るため、ピンク地に指触による白地の像が視認される。
その際、磁性粒子による像が可視状態或いは不可視状態
によって、更に複雑且つ変化性に富む様相変化が視認さ
れる。
【0033】実施例4(図5参照) 下部支持体(21)として100μm厚のポリエステル
フィルム上に、ハニカム状(一辺の長さ4mm)の独立
したセル(セル壁の厚み0.05mm)を有する貫通し
た1.3mm厚の多セル板(5)をエチレン−酢酸ビニ
ル系エマルジョン接着剤を用いて接着し、前記セル内に
実施例1と同様の白色分散媒体(3)100部に、磁性
粒子(4)として多孔質黒色酸化鉄9部を均一に分散し
た分散液体を流し込んだ後、エポキシ樹脂を用いて、上
部支持体(22)として100μm厚のポリエステルフ
ィルムを貼り合わせて磁気表示装置(1)を得た。尚、
前記上部支持体(22)の下面には、可逆熱変色性組成
物(30℃未満で青色、30℃以上で無色)を内包した
マイクロカプセル顔料25部、蛍光ピンク顔料5部、ア
クリル酸エステル樹脂35部、シリコーン系消泡剤0.
5部、酢酸ブチル15部、芳香族中沸点溶剤10部を均
一に分散したインキを均一に分散したインキを用いて、
花柄模様をスクリーン印刷して可逆熱変色層(221)
を設けてなる。
【0034】前記磁気表示装置(1)は、常温(25
℃)下で上部支持体(22)側から視覚すると、磁性粒
子(4)が沈降した状態では分散媒体(3)による白地
に、上部支持体下面に配設された可逆熱変色層中の可逆
熱変色性組成物による青色と蛍光ピンク顔料が混色とな
った紫色の花柄模様が視覚される。前記磁気表示装置
(1)の上部支持体(22)上を磁気スタンプを用いて
捺印すると、沈降していた磁性粒子(4)が上部支持体
(22)の下面まで泳動し、白地に黒色の像と紫色の花
柄模様が視覚される。前記像は、磁気表示装置(1)の
下面から磁性体を作用させて磁性粒子(4)を沈降させ
ることによって消去され、再び元の状態に戻る。また、
上部支持体を指触すると、可逆熱変色層中に含まれる可
逆熱変色性組成物が消色して蛍光ピンク顔料によるピン
ク色の花柄模様が視認される。その際、磁性粒子による
像が可視状態或いは不可視状態によって、更に複雑且つ
変化性に富む様相変化が視認される。
【0035】実施例5(図6参照) 下部支持体(21)として300μm厚のポリ塩化ビニ
ルフィルム板上に、ハニカム状(一辺の長さ4mm)の
独立したセル(セル壁の厚み0.05mm)を有する貫
通した1.3mm厚の多セル板(5)をエチレン−酢酸
ビニル系エマルジョン接着剤を用いて接着し、前記セル
内に実施例1と同様の白色分散媒体(3)100部に、
磁性粒子(4)として多孔質黒色酸化鉄9部を均一に分
散した分散液体を流し込んだ後、エポキシ樹脂を用い
て、上部支持体(22)として80μm厚のポリ塩化ビ
ニルフィルムを貼り合わせた。
【0036】これとは別に、透明フィルム(7)として
12μm厚のポリエステルフィルム上に可逆熱変色性組
成物(30℃未満でピンク色、30℃以上で無色)を内
包したマイクロカプセル顔料(平均粒子径1μm)7
部、40%ポリウレタン樹脂(破断伸度500%)/ト
ルエン,MIBKを75部、キシレン40部、シクロヘ
キサノン30部を分散、混合したインキをスクリーン印
刷により印刷して星型の可逆熱変色層(221)を設
け、その上層にアクリル系樹脂トルエン・酢酸エチル溶
液(固形分40%)を塗工し、溶剤を蒸発させて粘着層
(8)を設けて可逆熱変色性シールを作製した。更に、
透明フィルム(7)として12μm厚のポリエステルフ
ィルム上に可逆熱変色性組成物(30℃未満で青色、3
0℃以上で無色)を内包したマイクロカプセル顔料(平
均粒子径1.4μm)7部、40%ポリウレタン樹脂
(破断伸度500%)/トルエン,MIBKを75部、
キシレン40部、シクロヘキサノン30部を分散、混合
したインキをスクリーン印刷により印刷してハート型の
可逆熱変色層(221)を設け、その上層にアクリル系
樹脂トルエン・酢酸エチル溶液(固形分40%)を塗工
し、溶剤を蒸発させて粘着層(8)を設けて可逆熱変色
性シールを作製した。前記星型、ハート型の可逆熱変色
性シールの粘着層(8)側を、上部支持体(22)に貼
り合わせて磁気表示装置(1)を得た。
【0037】前記磁気表示装置(1)は、常温(25
℃)下で可逆熱変色性シールを貼り合わせた側から視覚
すると、磁性粒子(4)が沈降した状態では分散媒体
(3)による白地に可逆熱変色性シールによるピンク色
の星型及び青色のハート型が視認される。前記磁気表示
装置(1)の上部支持体(22)上を磁気ペンを用いて
筆記すると、沈降していた磁性粒子(4)が上部支持体
(22)の下面まで泳動して白地に黒色の像と星型及び
ハート型が視覚される。前記黒色の像は、磁気表示装置
(1)の下面から磁性体を作用させて磁性粒子(4)を
沈降させることによって消去され、再び元の状態に戻
る。また、可逆熱変色性シールを指触すると、可逆熱変
色層中に含まれる可逆熱変色組成物が無色になるため、
シールは透明になり、指触した星型又はハート型の像は
視認されなくなる。その際、磁性粒子による像が可視状
態或いは不可視状態によって、更に複雑且つ変化性に富
む様相変化が視認される。
【0038】実施例6(図7参照) 下部支持体(21)として100μm厚のポリエステル
フィルム上に、ハニカム状(一辺の長さ4mm)の独立
したセル(セル壁の厚み0.05mm)を有する貫通し
た1.3mm厚の多セル板(5)をエチレン−酢酸ビニ
ル系エマルジョン接着剤を用いて接着し、前記セル内に
実施例1と同様の白色分散媒体(3)100部に、磁性
粒子(4)として多孔質黒色酸化鉄9部を均一に分散し
た分散液体を流し込んだ後、エポキシ樹脂を用いて、上
部支持体(22)として100μm厚のポリエステルフ
ィルムを貼り合わせた。次いで、前記上部支持体(2
2)の上に、可逆熱変色性組成物(30℃未満で青色、
30℃以上で無色)を内包したマイクロカプセル顔料
(平均粒子径1.4μm)7部、ピンク顔料1部、50
%アクリル樹脂(破断伸度2%)/トルエン溶液75
部、シクロヘキサノン 5部、シリコーン系消泡剤0.5
部、芳香族中沸点溶剤5部を均一に分散したインキを用
いて、スクリーン印刷により水玉模様の可逆熱変色層
(221)を形成した後、その上層に透明性金属光沢顔
料(日本硝子繊維(株)製、商品名:RCFSX−50
90RC(8070)、平均の厚み5±2μm、平均粒
度90±30μm、メタリックパープル色)15部、ア
クリル酸エステル樹脂35部、シリコーン系消泡剤0.
5部、酢酸ブチル15部、芳香族中沸点溶剤10部を均
一に分散したインキを用いて、スクリーン印刷により水
玉模様の金属光沢層(9)を設けて磁気表示装置(1)
を得た。
【0039】前記磁気表示装置(1)は、常温(25
℃)下で金属光沢層(9)側から視覚すると、可逆熱変
色層(221)に含まれる可逆熱変色性組成物が青色に
発色してピンク顔料と混色となった紫色になり、磁性粒
子(4)が沈降した状態では分散媒体(3)による白色
上に紫色の可逆熱変色層、金属光沢層が位置するため、
白地にメタリックパープル色の水玉柄像が視覚される。
前記磁気表示装置(1)の上部支持体(22)上を磁気
ペンを用いて筆記すると、沈降していた磁性粒子(4)
が上部支持体(22)の下面まで泳動して白地に黒色の
像とメタリックパープル色の水玉柄像が視覚される。前
記黒色の像は、磁気表示装置(1)の下面から磁性体を
作用させて磁性粒子(4)を沈降させることによって消
去され、再び元の状態に戻る。また、水玉模様上を指触
すると、可逆熱変色層(221)に含まれる可逆熱変色
性組成物が消色して蛍光ピンク色顔料による色調が視覚
されるようになるため、白地にメタリックパープル色の
水玉模様と、指触した部分のピンク色の水玉が視覚され
る。その際、磁性粒子による像が可視状態或いは不可視
状態によって、更に複雑且つ変化性に富む様相変化が視
認される。
【0040】実施例7(図8参照) 表面に親油処理を施した酸化チタン粉体(粒径0.3μ
m)15部をフタル酸ジブチル84.5部に分散した白
色分散媒体(3)中に、磁性粒子(4)としてシリコン
表面処理を施した二酸化マンガン10%を含有するマグ
ネタイト粉体(粒径0.5μm)0.5部を均一に分散
して分散液を得た。次に、10%ゼラチン水溶液200
部、10%アラビアゴム水溶液200部、水100部を
混合し、約50℃に昇温した後、10%酢酸水溶液を加
えてpHを4に調整した溶液中に、前記分散液100部
を加え、分散液の液滴が約400μmになるように攪拌
した。水を加えて徐冷した後、更に5℃まで冷却し、2
5%グルタルアルデヒド水溶液を約10部加え、分散液
の液滴の界面上に析出したゼラチン/アラビアゴム重合
体膜を硬化し、磁性粒子(4)と白色分散媒体(3)を
含有したマイクロカプセル(10)を得た。前記マイク
ロカプセル(10)20部と10%ポリビニルアルコー
ル水溶液10部を混合した塗布液を得た。
【0041】上部支持体(22)として50μm厚のポ
リエステルフィルム上に、可逆熱変色組成物(28℃未
満で青色、28℃以上で無色)を内包したマイクロカプ
セル顔料35部、アクリル酸エステル樹脂30部、シリ
コーン系消泡剤0.5部、酢酸ブチル15部、芳香族中
沸点溶剤10部を均一に分散したインキをスクリーン印
刷により印刷して可逆熱変色層(221)を設け、更に
可逆熱変色層(221)上に前記塗布液をドクターコー
トにより約500μmのウエット厚みに塗布した後、乾
燥させて磁気表示装置(1)を得た。
【0042】前記磁気表示装置(1)は、常温(25
℃)下で上部支持体(21)側から視覚すると、可逆熱
変色層(221)に含まれる可逆熱変色性組成物が青色
に発色しているため、磁性粒子(4)が沈降した状態で
は分散媒体(3)による白色と混色となった青色が視認
される。前記磁気表示装置(1)の上部支持体(22)
上を磁気ペンを用いて筆記すると、沈降していた磁性粒
子(4)がカプセル内の上方まで泳動して青地に黒色の
像が視覚される。前記像は、磁気表示装置(1)の下面
から磁性体を作用させて磁性粒子(4)を沈降させるこ
とによって消去され、再び元の青色を呈する状態に戻
る。また、上部支持体(22)を指触すると、可逆熱変
色層(221)中に含まれる可逆熱変色性組成物が無色
になり、分散媒体(3)による白色が視認されるため、
青地に指触による白地の像が視認される。その際、磁性
粒子による像が可視状態或いは不可視状態によって、更
に複雑且つ変化性に富む様相変化が視認される。
【0043】実施例8(図9参照) 下部支持体(21)として、塩化ビニル樹脂100部、
エポキシ樹脂系可塑剤3部、可逆熱変色性組成物(30
℃未満で青色、30℃以上で無色)30部を均一に混合
し、カレンダー成形してポリ塩化ビニルフィルムを作製
した。また、上部支持体(22)として、塩化ビニル樹
脂100部、エポキシ樹脂系可塑剤3部、可逆熱変色性
組成物(30℃未満でピンク色、30℃以上で無色)を
内包したマイクロカプセル顔料30部を均一に混合し、
カレンダー成形してポリ塩化ビニルフィルムを作製し
た。
【0044】実施例7で作製したマイクロカプセル20
部、アクリル酸エステル樹脂エマルジョン(固形分35
%)10部を混合した塗布液をドクターコートにより前
記下部支持体(21)上に約500μmのウエット厚み
に塗布し、乾燥する前に上部支持体(22)を接着させ
て磁気表示装置(1)を得た。
【0045】前記磁気表示装置(1)は、常温(25
℃)下で上部支持体(22)側から視覚すると、可逆熱
変色性組成物がピンク色に発色しているため、磁性粒子
(4)が沈降した状態では分散媒体(3)による白色と
混色となったピンク色が視認される。前記磁気表示装置
(1)の上部支持体(22)上を磁気ペンを用いて筆記
すると、沈降していた磁性粒子(4)がカプセル内の上
方まで泳動してピンク地に黒色の像が視覚される。前記
像は、下部支持体(21)側から磁性体を作用させて磁
性粒子(4)を沈降させることによって消去され、再び
元のピンク色を呈する状態に戻る。また、上部支持体
(22)を指触すると可逆熱変色性組成物が無色にな
り、分散媒体(3)による白色が視認されるため、ピン
ク地に指触による白地の像が視認される。その際、磁性
粒子による像が可視状態或いは不可視状態によって、更
に複雑且つ変化性に富む様相変化が視認される。
【0046】更に、前記磁気表示装置(1)は、常温
(25℃)下で下部支持体(21)側から視覚すると可
逆熱変色性組成物が青色に発色しているため、磁性粒子
(4)が沈降した状態では分散媒体(3)による白色と
混色となった青色が視認される。前記磁気表示装置
(1)の下部支持体(21)上を磁気ペンを用いて筆記
すると、沈降していた磁性粒子(4)がカプセル内の上
方まで泳動して青地に黒色の像が視覚される。前記像
は、上部支持体(22)側から磁性体を作用させて磁性
粒子(4)を沈降させることによって消去され、再び元
の青色を呈する状態に戻る。また、下部支持体(22)
を指触すると可逆熱変色性組成物が無色になり、分散媒
体(3)による白色が視認されるため、青地に指触によ
る白地の像が視認される。その際、磁性粒子による像が
可視状態或いは不可視状態によって、更に複雑且つ変化
性に富む様相変化が視認される。
【0047】実施例9 下部支持体として0.3mm厚のポリ塩化ビニル樹脂板
上に、ハニカム状(一辺の長さ4mm)の独立したセル
(セル壁の厚み0.05mm)を有する貫通した1.3
mm厚の多セル板をエチレン−酢酸ビニル系エマルジョ
ン接着剤を用いて接着し、前記セル内に、イソパラフィ
ン溶剤100部、酸化チタン1部、ノニオン界面活性剤
0.1部を十分に練合して得た白色分散媒体100部
に、多孔質黒色酸化鉄表面を青色顔料で着色した磁性粒
子9部を均一に分散した分散液体を流し込んだ後、エポ
キシ樹脂を用いて、塩化ビニル樹脂100部、エポキシ
樹脂系可塑剤3部、可逆熱変色性組成物(30℃未満で
ピンク色、30℃以上で無色)を内包したマイクロカプ
セル顔料10部を均一に混合してカレンダー成形により
成形した上部支持体を貼り合わせて磁気表示装置を得
た。
【0048】前記磁気表示装置は、常温(25℃)下で
上部支持体側から視覚すると、上部支持体中に含まれる
可逆熱変色性組成物がピンク色に発色しているため、磁
性粒子が沈降した状態では分散媒体による白色と混色と
なったピンク色が視認される。前記磁気表示装置の上部
支持体上を磁気ペンを用いて筆記すると、沈降していた
磁性粒子が上部支持体の下面まで泳動し、磁気粒子の青
色と上部支持体のピンク色が混色となった紫色の像が視
認される。前記像は、磁気表示装置の下面から磁性体を
作用させて磁性粒子を沈降させることによって消去さ
れ、再び元のピンク色を呈する状態に戻る。また、上部
支持体を指触すると、上部支持体中に含まれる可逆熱変
色性組成物が無色になり、分散媒体(3)による白色が
視認されるため、ピンク地に指触による白地の像が視認
される。その際、磁性粒子による像が指触した部分に存
在すると、紫色から青色に変色する。
【0049】実施例10 下部支持体として300μm厚のポリ塩化ビニルフィル
ム板上に、ハニカム状(一辺の長さ4mm)の独立した
セル(セル壁の厚み0.05mm)を有する貫通した
1.3mm厚の多セル板をエチレン−酢酸ビニル系エマ
ルジョン接着剤を用いて接着し、前記セル内に実施例1
と同様の白色分散媒体100部に、磁性粒子として多孔
質黒色酸化鉄9部を均一に分散した分散液体を流し込ん
だ後、エポキシ樹脂を用いて、上部支持体として80μ
m厚のポリ塩化ビニルフィルムを貼り合わせた。これと
は別に、塩化ビニル樹脂100部、エポキシ樹脂系可塑
剤3部、感温変色性色彩記憶性組成物(消色温度30
℃、着色温度15℃、着色時:青色、消色時:無色)を
内包したマイクロカプセル顔料30部を均一に混合し、
カレンダー成形して青色を呈する可逆熱変色性フィルム
を作製し、前記上部支持体に着脱できるよう構成して磁
気表示装置を得た。
【0050】前記磁気表示装置は、感温変色性色彩記憶
性組成物が無色を示す状態の可逆熱変色性フィルムを上
部支持体側に固定した状態で、前記フィルム側から視覚
すると、磁性粒子が沈降した状態では分散媒体による白
色が視覚され、フィルム上を磁気ペンを用いて筆記する
と、沈降していた磁性粒子が上部支持体の下面まで泳動
して形成される黒色の像が視覚される。前記像は、下部
支持体側から磁性体を作用させて磁性粒子を沈降させる
ことによって消去され、再び元の白色を呈する状態に戻
る。次に、含有された感温変色性色彩記憶性組成物が青
色を示す状態の可逆熱変色性フィルムを上部支持体側に
固定した状態で、前記フィルム側から視覚すると、フィ
ルムに含まれる可逆熱変色性組成物が青色に発色してい
るため、磁性粒子が沈降した状態では分散媒体による白
色と混色となった青色が視認され、フィルム上を磁気ペ
ンを用いて筆記すると、沈降していた磁性粒子が上部支
持体の下面まで泳動して、青地に黒色の像が視覚され
る。前記像は、下部支持体(21)側から磁性体を作用
させて磁性粒子(4)を沈降させることによって消去さ
れ、再び元の青色を呈する状態に戻る。更に、前記青色
のフィルム上に手のひらを押しつけると、フィルムに含
まれる感温変色性色彩記憶性組成物が無色になるため、
青地に白色の手型が視覚される。前記手型の輪郭を磁気
ペンを用いてなぞると、青地に黒色の輪郭を有する白色
の手型が得られる。この状態でフィルムを上部支持体か
ら脱離させると白地に黒色の輪郭の手型が得られる。な
お、前記可逆熱変色フィルムが呈する青色又は無色の状
態は15〜30℃の温度間でいずれかの状態が記憶保持
される。
【0051】
【発明の効果】本発明は、分散媒体中の磁性粒子の泳動
により像を形成できることに加えて、温度変化による色
変化も視覚でき、また、その相乗効果で複雑且つ変化性
に富む様相変化が視認される磁気表示装置を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明磁気表示装置の一実施例の縦断面説明図
である。
【図2】図1の磁気表示装置に磁気ペンを用いた状態を
示す縦断面説明図である。
【図3】本発明磁気表示装置の他の実施例の縦断面説明
図である。
【図4】本発明磁気表示装置の他の実施例の縦断面説明
図である。
【図5】本発明磁気表示装置の他の実施例の縦断面説明
図である。
【図6】本発明磁気表示装置の他の実施例の縦断面説明
図である。
【図7】本発明磁気表示装置の他の実施例の縦断面説明
図である。
【図8】本発明磁気表示装置の他の実施例の縦断面説明
図である。
【図9】本発明磁気表示装置の他の実施例の縦断面説明
図である。
【符号の説明】
1 磁気表示装置 2 支持体 21 下部支持体 22 上部支持体 221 可逆熱変色層 3 分散媒体 4 磁性粒子 5 多セル板 6 トップコート層 7 透明フィルム層 8 接着層 9 金属光沢層 10 マイクロカプセル 11 磁気ペン

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明性を有する非磁性材からなる上部支
    持体と、非磁性材からなる下部支持体間に分散媒体と磁
    性粒子を収容してなり、前記支持体間の磁性粒子の移動
    或いは配向により、像を現出又は消去させる磁気表示装
    置において、前記上部支持体中に可逆熱変色性材料を分
    散してなる、或いは、上部支持体表面及び/又は裏面に
    可逆熱変色性材料を含む可逆熱変色層を設けてなる磁気
    表示装置。
  2. 【請求項2】 透明性を有する非磁性材からなる上部支
    持体の裏面に分散媒体及び磁性粒子を内包した複数のマ
    イクロカプセルを固着してなり、前記マイクロカプセル
    内の磁性粒子の移動或いは配向により、像を現出又は消
    去させる磁気表示装置において、前記上部支持体中に可
    逆熱変色性材料を分散してなる、或いは、上部支持体表
    面及び/又は裏面に可逆熱変色性材料を含む可逆熱変色
    層を設けてなる磁気表示装置。
  3. 【請求項3】 上部支持体と、非磁性材からなる下部支
    持体間に分散媒体及び磁性粒子を内包した複数のマイク
    ロカプセルを固着してなる請求項2記載の磁気表示装
    置。
  4. 【請求項4】 上部支持体表面及び/又は裏面に可逆熱
    変色性材料を含む可逆熱変色層が、像を形成してなる請
    求項1乃至3のいずれかに記載の磁気表示装置。
  5. 【請求項5】 前記可逆熱変色性材料は、電子供与性呈
    色性有機化合物、電子受容性化合物、呈色反応を可逆的
    に生起させる有機化合物媒体の三成分からなる可逆熱変
    色性組成物をマイクロカプセルに内包したマイクロカプ
    セル顔料である請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気
    表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006293150A (ja) * 2005-04-13 2006-10-26 Bridgestone Corp 情報表示用パネル
KR101072431B1 (ko) * 2006-09-28 2011-10-11 삼성코닝정밀소재 주식회사 변색성 디스플레이 장치

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