JP2003241001A - 分散補償光ファイバ、光ファイバモジュールおよび光増幅器 - Google Patents

分散補償光ファイバ、光ファイバモジュールおよび光増幅器

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JP2003241001A
JP2003241001A JP2002240646A JP2002240646A JP2003241001A JP 2003241001 A JP2003241001 A JP 2003241001A JP 2002240646 A JP2002240646 A JP 2002240646A JP 2002240646 A JP2002240646 A JP 2002240646A JP 2003241001 A JP2003241001 A JP 2003241001A
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optical fiber
core
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Kazunori Mukasa
和則 武笠
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速伝送に対応するためのラマン増幅に適し
た、ノン零分散シフトファイバーの分散を補償するため
の分散補償ファイバを提供すること。 【解決手段】 センタコアの外周側を覆う1層以上のコ
ア層の少なくとも1つのクラッドを基準とした比屈折率
差が−0.7%以下のディプレスト層であり、波長15
50nmにおける分散値/分散スロープが30nm以
上、80nm以下であること、または分散値が−20p
s/nm/km以下、分散スロープが−0.05ps/
nm/km以下、Aeffが8以上、13μm以下
であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長分割多重伝送
に適した光ファイバおよびその光ファイバを用いた光フ
ァイバモジュールならびに光増幅器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】情報社会の発展により、通信情報量が飛
躍的に増大する傾向にあり、このような情報の増大化に
伴い、波長分割多重伝送が通信分野に広く受け入れられ
ている。波長分割多重伝送は、複数の波長の光を1本の
光ファイバで伝送する方式である。
【0003】従来は、エルビウム添加光ファイバの利得
帯域である波長1.55μm帯を中心とした波長分割多
重伝送の検討が行われ、波長1.55μm帯の分散を4
〜8ps/nm/km程度とした非零分散シフト光ファ
イバ(NZ−DSF)が光線路用の光ファイバとして検
討されている。なお、波長1.55μm帯は、一般に、
C−bandと呼ばれ、波長1550nmを中心とした
約1530nm〜約1570nmの波長範囲のことであ
る。
【0004】高品質の波長分割多重伝送を実現するため
には、自己位相変調(SPM)や相互位相変調(XP
M)を抑制することが重要であり、これらを抑制するた
めには、光ファイバの実効コア断面積の拡大が必要であ
る。そこで、OFC’96 WK15や OFC’97
TuN2等の学会報告書に報告されているように、上
記NZ−DSFの実効コア断面積の拡大の検討が行われ
てきた。
【0005】しかしながら、NZ−DSFは、一般に、
実効コア断面積を拡大すると、曲げ損失や分散スロープ
が増大するといった問題があった。
【0006】そこで、これらの問題を解決するための検
討が行われ、屈折率プロファイルやケーブル化条件の最
適化等によって曲げ損失の増大を克服する手段が講じら
れてきた。しかし、分散スロープの増大を抑制すること
は難しい問題として残されていた。特に、近年は、40
Gb/s以上の高速伝送が盛んに検討されており、分散
スロープの増大は無視できない問題としてクローズアッ
プされてきている。
【0007】なお、NZ−DSFは、波長1.55μm
帯における分散値が、前記値(4〜8ps/nm/km
程度)あるいは4〜6ps/nm/km程度であり、分
散スロープは正の値である。このように、NZ−DSF
の波長1.55μm帯における分散値を非常に小さい値
にしない理由は、分散の絶対値を小さくしすぎることに
よって四光波混合(FWM)による伝送特性劣化が生じ
ることを抑制するためである。
【0008】そこで、NZ−DSFの分散および分散ス
ロープを、分散補償ファイバ(DCF)を用いて補償す
る方法が有効であると提案されている。その手法が、E
COC‘96TuP.1で紹介されて以来、各種の提案
がなされてきた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、それら
のDCFは、0.06〜0.08ps/nm/kmと
いう通常の分散スロープを有するNZ−DSF、または
それよりも分散スロープを抑制したNZ−DSFがター
ゲットであり、0.08ps/nm/km以上の大き
な分散スロープを有するNZ−DSFに対する分散スロ
ープの補償まで含めた検討は、これまで殆どなされてこ
なかった。
【0010】また、DCFは非線形性が高いので、ラマ
ン増幅媒体としての使用が期待されているが、その最適
化に関しては、十分な検討がなされてこなかった。
【0011】本発明は、このような事情の下になされ、
高速伝送に対応するためのラマン増幅に適した、ノン零
分散シフトファイバーの分散を補償するための光ファイ
バ、光ファイバモジュール、および光増幅器を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、第1の発明は、コアと、該コアの外周側を覆うクラ
ッドとを具備し、前記コアは光ファイバ中心部に形成さ
れた第1コア層と該第1コア層の外周側を覆う1層以上
のコア層を有し、前記第1コア層の外周側を覆う1層以
上のコア層の少なくとも1つが、前記クラッドを基準と
した比屈折率差が−0.7%以下のディプレスト層であ
り、波長1550nmにおける分散値/分散スロープが
30nm以上、80nm以下であることを特徴とする分
散補償光ファイバを提供する。
【0013】以上のように構成される第1の発明に係る
分散補償光ファイバによると、屈折率プロファイルの最
適化によって波長1.55μm帯(C−band)にお
けるDPSを高分散スロープ型NZ−DSFのDPSに
近い値としているので、高分散スロープ型NZ−DSF
の分散と分散スロープを共に効率的に補償することが可
能である。
【0014】また、第1の発明に係る光ファイバにおい
て、条長2mにおけるカットオフ波長を1500nm以
下にすることにより、波長1.55μm帯において確実
にシングルモード動作することができる。
【0015】さらに、第1の発明に係る光ファイバにお
いて、波長1550nmにおける直径20mmの曲げ損
失を10dB/m以下にすることにより、曲げ損失を抑
制することができることから、例えば光ファイバをコイ
ル状に巻回してモジュール化した時の特性劣化等を抑制
することができる。
【0016】さらに、第1の発明に係る光ファイバにお
いて、波長1550nmにおける分散値を−40ps/
nm/km以下とすることにより、短い長さで効率的に
波長1.55μm帯におけるNZ−DSFの分散を補償
することができる。
【0017】さらに、第1の発明に係る光ファイバにお
いて、波長1550nmの伝送損失を1.0dB/km
以下にすることにより、波長1.55μm帯における伝
送損失を抑制することができるので、本発明の光ファイ
バをNZ−DSFと接続して形成される光伝送システム
の損失増加を抑制することができる。
【0018】第2の発明は、分散値が−20ps/nm
/km以下、分散スロープが−0.05ps/nm
km以下、Aeffが8以上、13μm以下であるこ
とを特徴とする分散補償光ファイバを提供する。
【0019】第2の発明に係る光ファイバーにおいて、
NZ−DSFの分散を補償するためには、分散値は−2
0ps/nm/km以下でなければならず、分散値が−
20ps/nm/kmを越えると、モジュールサイズが
大きくなり、好ましくない。
【0020】また、NZ−DSFの分散を補償するため
には、分散スロープは−0.05ps/nm/km以
下でなければならず、分散スロープは−0.05ps/
nm /kmを越えると、必要な補償率を得ることが出
来ない。
【0021】なお、補償率は、以下の式により表され
る。 補償率(%)=(分散スロープDCF/分散スロープ
ND−DSF)/(分散DCF/分散 ND−DSF) 更に、高速伝送のためラマン増幅を考慮し、NZ−DS
Fの分散を補償するためには、Aeffは8〜13μm
でなければならず、Aeffが13μmを越える
と、必要なラマン増幅効率を得ることが出来ず、A
effが8μm未満では、光ファイバ中の非線形現象
が顕著となり、好ましくない。
【0022】以上のように構成される本発明の分散補償
ファイバは、NZ−DSFの分散を効果的に補償するこ
とを可能とし,また、高速伝送のためのラマン増幅に好
適である。
【0023】第2の発明に係る分散補償ファイバにおい
て、高分散スロープを有するNZ−DSFの分散を補償
するためには、波長1550nmにおける分散値/分散
スロープが30〜150nmであることが好ましく、3
0〜80nmであることがより好ましい。
【0024】また、モジュール化を最適化するために
は、1550nmにおける20mmφでの曲げ損失が2
0dB/m以下であることが望ましい。更に、1550
nmでのSM動作を補償するためには、カットオフ波長
が1550nm以下であることが望ましい。
【0025】第1および第2の発明に係る光ファイバ
は、内側からセンタコア、サイドコア、およびクラッド
を備えるW型屈折率プロファイルを有し、前記クラッド
に対するセンタコアの比屈折率差Δ1が1.8%以上、
より好ましくは1.8%以上、2.8%以下、αが1.
5〜15、前記クラッドに対するサイドコアの比屈折率
差Δ2が−0.4%以下、サイドコアのコア径に対する
センターコアのコア径の比Ra1が0.20〜0.50
である構成とすることが出来る。
【0026】この場合、クラッドに対するサイドコアの
比屈折率差Δ2が−0.7%以下であることがより好ま
しい。
【0027】また、第1および第2の発明に係る光ファ
イバは、内側からセンタコア、サイドコア、セグメント
コア、およびクラッドを備えるW+セグメント型屈折率
プロファイルを有する構成とすることが出来る。
【0028】この場合、クラッドに対するセグメントコ
アの比屈折率差Δ3が0.2%〜0.6%であり、サイ
ドコアのコア径に対するセグメントコアのコア径の比R
a2が1.3〜1.8であることが望ましい。
【0029】第3の発明は、以上の分散補償光ファイバ
を含む光ファイバモジュールを提供する。上記優れた効
果を奏する分散補償光ファイバを有することにより、例
えば波長1.55μm帯におけるNZ−DSFの分散と
分散スロープを効率よく補償した、低損失の光ファイバ
モジュールを得ることが出来る。
【0030】第4の発明は、以上の分散補償光ファイバ
をラマン増幅媒体として用いた光増幅器を提供する。分
散補償光ファイバは、優れたラマン増幅特性を有してい
るため、高性能の光増幅器を実現することが可能であ
る。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施
形態例に係る光ファイバの屈折率プロファイルを示す図
である。以下、図1を参照して、第1の発明に係る実施
形態例について説明する。
【0032】本発明の光ファイバの屈折率分布のプロフ
ァイルとしては、様々な形態の屈折率プロファイルのも
のを適用することが可能であるが、本実施形態例では、
構造が比較的単純で、屈折率構造の設計、制御がしやす
い、図1に示すような屈折率プロファイルを採用してい
る。この種の屈折率プロファイルは、一般に、W+セグ
メントコア型の屈折率プロファイルと呼ばれている。
【0033】本実施形態例に係る光ファイバは、コア4
の外周側をクラッド5で覆って形成され、コア4はクラ
ッド5より屈折率が大きい第1コア(センタコア)層1
と、該第1コア層1の外周側に設けられた第2コア(サ
イドコア)層2と、該第2コア層2の外周側に設けられ
た第3コア(セグメントコア)層3を有している。第2
コア層2は第1コア層1に隣接し、第3コア層3は第2
コア層2に隣接している。
【0034】第2コア層2はクラッド5より屈折率が小
さいディプレスト層であり、第3コア層3は、前記クラ
ッド5より屈折率が大きく、前記第1コア層1より屈折
率が小さい。
【0035】また、第1コア層1はα乗屈折率プロファ
イルを有しており、αの値は1.5以上、15以下であ
る。第1コア層1のクラッド5を基準とした比屈折率差
Δ1は1.8%以上、2.8%以下、第2コア層2のク
ラッド5を基準とした比屈折率差Δ2は−0.7%以下
である。比屈折率差Δ2のより好ましい値は、−0.8
%以下である。比屈折率差Δ3は、0.2%以上、0.
6%以下である。
【0036】なお、本明細書においては、上記各比屈折
率差Δ1、Δ2、Δ3を以下の各式(1)、(2)、
(3)により定義している。ここで、第1コア層1の屈
折率最大部の屈折率をn 、第2コア層2の屈折率最
小部の屈折率をn 、第3コア層3の屈折率最大部の
屈折率をn 3、クラッド5の屈折率をnとしてい
る。
【0037】 Δ1={(n −n)/n }×100・・・・・(1) Δ2={(n −n)/n }×100・・・・・(2) Δ3={(n 3−n)/n 3}×100・・・・・(3) さらに、本実施形態例において、第1コア層1の外径2
aは第2コア層2の外径2bの0.20倍以上、0.4
5倍以下の値、第3コア層3の外径2cは第2コア層2
の外径2bの1.3倍以上、1.8倍以下の値である。
【0038】本実施形態例に係る光ファイバは、上記屈
折率プロファイルを有し、さらに、以下の構成を有す
る。すなわち、本実施形態例の光ファイバは、波長15
50nmにおける各値を以下のようにしている。つま
り、波長1550nmにおいて、分散値を分散スロープ
で割った値を30nm以上、80nm以下の値とし、直
径20mmの曲げ損失を10dB/m以下とし、波長分
散値を−40ps/nm/km以下とし、伝送損失を
1.0dB/km以下としている。
【0039】また、本実施形態例に係る光ファイバで
は、条長2mにおけるカットオフ波長を1500nm以
下としている。
【0040】本実施形態例に係る光ファイバは、以上の
ように構成されており、本発明者は、本実施形態例に係
る光ファイバを形成するに当たり、以下のことに着目し
た。
【0041】まず、波長1.55μm帯において、光線
路として機能するNZ−DSFの分散の絶対値と分散ス
ロープ補償光ファイバとして機能する本実施形態例の光
ファイバの分散の絶対値とが同じになるように、NZ−
DSFと本実施形態例の光ファイバの長さを設定する。
ただし、両光ファイバの分散の符号は逆である。そし
て、この設定において、NZ−DSFのDPSと本実施
形態例の光ファイバのDPSがほぼ一致するように、本
実施形態例の光ファイバを形成することを考えた。
【0042】本実施形態例の光ファイバをこのように形
成すれば、本実施形態例の光ファイバによって、波長
1.55μm帯におけるNZ−DSFの分散と分散スロ
ープを同時にほぼ100%補償することができる。
【0043】なお、一般に、波長1.55μm帯におけ
るNZ−DSFの実効コア断面積は50μm程度であ
り、この値をシングルモード光ファイバと同等の80μ
に拡大しようとすると、分散スロープが0.08〜
0.10ps/nm/km程度となる。これは、波長
ごとの分散の格差という大きな問題を生じる。
【0044】そして、この種の高分散スロープNZ−D
SFにおいて、波長1550nmにおける分散値を5p
s/nm/km程度、分散スロープを約0.09ps/
nm /kmとすると、波長と分散との関係は下記表1
に示すようになる。また、これらの分散と分散スロープ
の代表値から求められる高分散スロープNZ−DSFの
波長1550nmにおける分散値/分散スロープ、即ち
DPS(Dispersion Per Slope)は、55nm程度とな
る。
【0045】
【表1】
【0046】ここで、例えば波長分割多重伝送システム
における分散の許容範囲が6ps/nm/km以下であ
る場合、上記表1に示すように、波長1550nmでは
分散値が許容範囲内の値となっているが、波長1565
nmでは分散値が許容範囲を超えてしまうことになる。
【0047】従って、波長1.55μm帯において、高
分散スロープNZ−DSFの分散と分散スロープを補償
することが不可欠であり、高分散スロープNZ−DSF
の分散と分散スロープをほぼ100%補償することを考
えると、本実施形態例に係る分散補償光ファイバの波長
1550nmにおけるDPSは、80nm以下であるこ
とが望ましい。
【0048】また、DPSが小さすぎて過補償なると、
逆に負の分散スロープを有してしまうので、波長155
0nmにおけるDPSは、30nm以上であることが望
ましい。
【0049】なお、波長1550nmにおいて、従来の
シングルモード光ファイバのDPSが270nm、低分
散スロープ型NZ−DSFのDPSが110nm程度で
あることを考えると、高分散スロープNZ−DSFの分
散と分散スロープを同時に補償できる光ファイバの設計
が難しいことが分かる。
【0050】本実施形態例に係る光ファイバでは、上記
のように、波長1550nmにおけるDPSを30nm
以上、80nm以下としており、上記高分散スロープN
Z−DSFの波長1550nmにおけるDPSが55n
m程度であることから、本実施形態例に係る光ファイバ
は、上記高分散スロープNZ−DSFの波長1.55μ
m帯における分散と分散スロープを共に効率的に補償す
ることができる。
【0051】また、本実施形態例に係る光ファイバは、
上記のように、条長2mにおけるカットオフ波長を15
00nm以下としているので、波長1.55μm帯にお
いてシングルモード動作することができる。
【0052】なお、カットオフ波長は小さければ小さい
ほど好ましく、本実施形態例の光ファイバをラマン増幅
等の技術に応用することを考えると、カットオフ波長を
1450nm以下とすることがより望ましい。
【0053】さらに、本実施形態例に係る光ファイバ
は、波長1550nmにおける直径20mmの曲げ損失
を10dB/m以下としているので、波長1550nm
における曲げ損失を小さい値に抑制することができ、本
実施形態例に係る光ファイバを、例えばコイル状にモジ
ュール化して適用しても、損失増加の問題を抑制するこ
とができる。なお、曲げ損失も小さければ小さいほど好
ましく、曲げ損失が小さいほど高信頼性が得られる。
【0054】さらに、NZ−DSFの分散スロープを補
償する光ファイバの長さは、NZ−DSFに対する分散
の絶対値の比によって決定されるので、分散スロープ補
償光ファイバの分散の絶対値が小さすぎると、分散スロ
ープ補償光ファイバの長さを長くせざるを得ず、モジュ
ールサイズの拡大等を招く。高分散スロープ型NZ−D
SFの波長1.55μm帯におけるNZ−DSFの分散
値は、最大8ps/nm/km程度である。
【0055】本実施形態例に係る光ファイバは、上記の
ように、波長1550nmにおける波長分散値を−40
ps/nm/km以下としているので、その絶対値は4
0ps/nm/km以上となり、高分散スロープ型NZ
−DSFの最大分散値の5倍以上の分散の絶対値を有し
ている。したがって、本実施形態例に係る光ファイバ
は、短い長さで高分散スロープ型NZ−DSFの分散と
分散スロープを補償することができる。
【0056】もちろん、他の特性が同等ならば、分散の
絶対値が大きい方がモジュールサイズの小型化を図する
ことができるので好ましい。
【0057】次に、第2の発明に係る実施形態例につい
て説明する。一般に、NZ−DSFは、1.55μm帯
(C−バンド)で4〜8ps/nm/km程度の分散値
を有している。分散値が4ps/nm/km以上になっ
ているのは、分散値が余りにも小さいと、四光波混合
(FWM)を起こし、ノイズ信号発生による伝送特性の
劣化を招くからである。逆に、8ps/nm/kmを越
える分散値にしない理由は、高速伝送になればなるほ
ど、この分散値による信号波形歪みが顕著になるからで
ある。
【0058】現在、高速伝送の時代を迎え、分散値の制
限は、さらに厳しいものになってきており、C−バンド
で分散値4〜6ps/nm/km程度のNZ−DSFが
盛んに検討されている。
【0059】このようなNZ−DSFにおいては、A
effの拡大と分散スロープがトレードオフの関係にあ
ることが知られている。例えば、NZ−DSFのA
effをSMF並の70〜80μm程度に拡大した場
合には、分散スロープは0.08〜0.10ps/nm
/km程度に増大してしまう。このことは、波長毎の
分散の格差という大きな問題を生じてしまう。
【0060】波長1550nmにおける分散値を5ps
/nm/km、1.55μm帯の分散スロープを0.0
9ps/nm/kmとした場合の、Aeff拡大型N
Z−DSFの各波長の分散値を、分散スロープが0.0
4ps/nm/kmの低分散スロープ型NZ−DSF
の分散値とあわせて、下記表2に示す。
【0061】
【表2】
【0062】上記表2に示すように、Aeff拡大型N
Z−DSFにおいては、例えば、システムの分散耐力を
6ps/nm/km以下とすると、1550nmではよ
いが、1565nmではシステムの分散耐力を越えてし
まうことになる。そのため、Aeff拡大型NZ−DS
Fの分散補償を行うことは必須である。高速伝送化に向
けて、分散耐力がさらに厳しくなっていく中で、低分散
スロープ型NZ−DSFにおいても、分散補償が要求さ
れてきている。
【0063】この場合、局でDSCFを用いて、NZ−
DSFの分散補償を行う技術が有効である。しかしなが
ら、現在までに、高分散スロープ型NZ−DSFを補償
するためのDSCFは、ほとんど検討されてこなかっ
た。それは、このような分散補償ファイバには、非常に
小さなDPSが要求されるからである。一般的に、DP
Sが小さい方が分散補償ファイバの設計が難しく、曲げ
損失が増大しやすい。
【0064】また、低分散スロープ型NZ−DSFを補
償するファイバは既に検討されていたが、そのラマン特
性まで考慮した最適化設計はなされてこなかった。この
ようなラマン特性を考慮した分散補償ファイバまたは分
散スロープ補償ファイバ(DSCF)を提供すること
が、第2の発明に係る実施形態例の主眼である。
【0065】ラマン増幅効率は、一般的に、光ファイバ
の非線形性に比例するため、Aef が従来のDCFよ
りも小さいことが有効である。従って、本実施形態例で
は、Aeffが13μm以下でなければならない。た
だし、余りにもAeffが小さくなりすぎると、今度は
光ファイバ中の非線形現象が無視できなくなるので、A
effが8μm以上であることが必要である。
【0066】本実施形態例に係るDSCFの分散絶対値
は、余りにも小さいと、モジュールサイズが大きくなっ
てしまうので、従来のSMF補償用DCFがSMFの1
/5以下の長さで接続されているのと同様に、NZ−D
SFの少なくとも1/5以下の長さに出来るように、4
ps/nm/kmの5倍以上の分散絶対値である−20
ps/nm/km以下の分散値であることが必要であ
る。
【0067】また、本実施形態例に係るDSCFの分散
スロープは、ある一定の補償率を得るために、低分散ス
ロープNZ−DSFよりも絶対値の大きな−0.05p
s/nm/km以下であることが必要である。
【0068】さらに、本実施形態例に係るDSCFは、
NZ−DSFの分散と逆の分散・分散スロープ特性を有
していることがキーポイントとなる。すなわち、分散値
が同じになるようにDSCFの条長を調整した時に、分
散スロープが逆符号のほぼ同じ値になっていて、お互い
を足しあわせたときの分散スロープが零に近くなる(広
帯域で分散フラットな線路が得られる)ように設計する
ことが望ましい。
【0069】このことは、言い換えると、分散補償器で
あるDSCFの分散/分散スロープ(DPS)の値が、
線路であるNZ−DSFの分散/分散スロープの値に一
致していれば良いと言うことになる。
【0070】上述したように、Aeffを拡大したNZ
−DSFでは、1.55μm帯の分散スロープは0.0
8〜0.10ps/nm/kmになる。1.55μm
帯の分散値を5ps/nm/km、分散スロープを0.
09ps/nm/km程度とした場合には、DPSは
55nm程度になってしまう。従来のSMFのDPSは
270nm、低分散スロープ型NZ−DSFのDPSが
110nm程度であることを考えると、Aeff拡大型
NZ−DSFのための分散補償器の開発が非常に困難で
あることが分かる。しかしながら、C−バンドをほぼ1
00%補償するという観点から、1550nmでのDP
Sは80nm以下であることが望ましい。
【0071】以下、高分散スロープ型NZ−DSFの分
散補償を対象として説明を進めていくが、低分散スロー
プ型NZ−DSFの分散補償器に関しても、Aeff
最適化することで、ラマン増幅適用に最適化する事も可
能なので、DPSは150nm以下であることが望まし
い。一方、過補償になると、逆に負の分散スロープを有
してしまうので、DPSは30nm以上であることが望
ましい。
【0072】もちろん、1550nmの曲げ損失が大き
いと、モジュール化の際に小さな胴径のコイルに巻き付
けた時、伝送損失の増加を起こすため、曲げ損失は、小
さい方が望ましい。モジュール化の技術開発も進んでい
るため、必ずしも従来のDCFの様な20mmφで5d
B/m以下というような特性が要求されるわけではない
が、余りにも大きいと、モジュール化の最適化では、対
応できなくなる。よって、曲げ損失は、20mmφで2
0dB/m以下であることが望ましい。
【0073】また、λcc(ケーブルでのカットオフ波
長、ここでは暫定的に22mのカットオフ波長とした、
これは、実際のファイバ使用長が22m以上であると考
えたためである)が、1550nm以下であることが望
ましい。これにより、実際のケーブル使用時に、少なく
とも使用波長の1550nmでのSM動作が補償され
る。もちろん、WDM伝送使用も考慮し、例えば、15
30nm〜1570nmを使用する場合には、λccが1
530nm以下になっている必要があることは言うまで
もない。
【0074】さらに、ラマン増幅を考慮した場合には、
使用波長よりも、さらに約100nm低い波長を励起帯
域として用いるので、例えば、1530nm〜1570
nmを信号伝送するために、1430nm〜1470n
mを励起帯として用いる場合には、λccが1430nm
以下になっていることが望ましい。
【0075】本実施形態例に係る分散補償ファイバが、
上述した範囲(30〜80nm)のDPSを達成するこ
とが可能なのかどうかを検討するため、図2に示すよう
なW型の屈折率プロファイルを選択し、最適化を行っ
た。W型の屈折率プロファイルは、比較的単純な構造な
がら、ディプレスト層の最適化による構造分散の制御に
より、負の大きな分散スロープを得られる構造として知
られている。
【0076】このW型構造のパラメータとしては、第1
コア(センタコア)1のクラッド5に対する比屈折率差
(△1)、第2コア(サイドコア)2のクラッド5に対
する比屈折率差(△2)、第2コア(サイドコア)2の
外径を1とした時の第1コア(センタコア)1の径(R
a)、第1コア(センタコア)1の形状をα乗で近似し
た場合のα値、第2コア(サイドコア)2の外径(2
b)などが挙げられる。その中でも、△2は、DPSの
値に大きな影響を与える。
【0077】そこで、本発明者は、△2を変化させなが
ら、他のパラメータについて最適化を行ったところ、△
2が−0.7%以下の時だけ、DPS<80nm(15
50nm)の解が存在することが分かった。△2が−
0.7%を越えると、他のパラメータをいくら最適化し
ても、DPSが80nm以上に増大してしまうことが分
かった。各パラメータを変化させたときの△2に対する
1550nmのDPSに分布範囲を下記表3に示す。
【0078】
【表3】
【0079】上述のように、W型屈折率プロファイルに
おいて、△2が−0.7%以下の第2コア(サイドコ
ア)2を設けることにより、波長1550nmにおける
DPSを80nm以下にすることが出来ることが分かっ
た。比屈折率差Δ2が−0.7%より大きいと、他のパ
ラメータを最適化しても波長1550nmにおけるDP
Sは80nmを越えてしまう。
【0080】そこで、本発明者は、W型の屈折率プロフ
ァイルにおいて、比屈折率差Δ2を−0.7%以下と
し、他のパラメータである比屈折率差Δ1、α、コア径
2b等を最適化することにした。しかし、この場合、上
記パラメータの最適化を行っても、波長1550nmに
おける直径20mmの曲げ損失が20dB/m以上に増
大してしまうことが分かった。
【0081】DPSが150nm以下と言う条件で考え
ると、△2が−0.4%以下であるのが好ましいことが
分かった。ただし、△2が−0.4%〜−0.7%の範
囲では、Aeffが大きくなる傾向にある。従って、第
2の発明の趣旨にあうように、他のパラメータが最適化
されていることで、Aeffが13μm以下であるこ
とが重要である。
【0082】DPSが150nm以下の場合には、曲げ
損失は、W型プロファイルでも比較的低減される傾向に
あるが、それでも、やはり大きめの値であるのが実状で
ある。
【0083】一方、図1に示すように、第2コア層2の
外周側に第3コア層3を付加した構造では、DPSを低
減しても、曲げ損失の増大を抑制する効果がある。よっ
て、図1に示すようなW+セグメントコア型の屈折率プ
ロファイルの最適化を行うこととした。ただし、W+セ
グメントコア型の方が屈折率プロファイルが複雑になる
ため、曲げ損失が許容されるような条件の場合は、上述
のようなW型屈折率プロファイルの構造であっても、本
発明の趣旨に何ら反するものではない。
【0084】W+セグメントコア型構造は、曲げ損失を
抑制するという観点からは非常に効果が大きいが、λcc
(実使用線路長でのカットオフ波長)が1550nm
以上と増大してしまう可能性がある。λccが1550n
m以上に増大してしまうことは、1.55μm帯伝送す
る際に、シングルモード(SM)条件を満たすことが出
来ないことにつながる。よって、λccは1550nm以
下であることが伝送帯域でのSM動作補償という観点か
ら必要である。もちろん、曲げ損失が増大してしまう
と、モジュール化時のロス増加などの弊害を招くので、
λccを1550nm以下に保ちながら、曲げ損失の抑制
をすることが重要である。
【0085】まず、曲げ損失を一定値(5dB/m @
20mmφ)に設定して、W+セグメントコア型屈折率
プロファイルの中で、分散特性に最も大きな影響を与え
る△2とRa1を変化させながら、特性の変化を調査し
た。△1が2.4%、αが6、△3が0.3%、Ra3
が1.5の時の特性変化を図3に示す。
【0086】図3において、特性線aは比屈折率差Δを
−1.1%としたときの特性を示し、特性線bは比屈折
率差Δを−0.9%としたときの特性を示し、特性線c
は比屈折率差Δを−0.7%としたときの特性を示し、
特性線dは比屈折率差Δを−0.5%としたときの特性
を示す。
【0087】図3に示すように、80nm以下のDPS
を得るためには、各△2に対して、DPSが最小になる
Raを見つければ良いことが分かるが、△2の絶対値が
或る程度以上大きくないと、DPSが十分小さくなる前
に、λccが1550nm以上に増大してしまうことが分
かった。
【0088】80nm以下のDPSが得られたのは、△
2が−0.7%以下、より好ましくは−0.8%以下の
時だけであった。また、その時に取り得るRaの範囲
は、0.20〜0.50であることが分かった。
【0089】また、△1については、目標のDPS を
得るためには、1.8%以上でなければならない。△1
が1.8%以上の時に、低曲げ損失特性を維持しなが
ら、目標のDPSを得ることが出来た。△1が1.8%
未満の場合には、分散絶対値が20ps/nm/km以
下になるか、曲げ損失特性が20mmφで20dB/m
以上と悪くなってしまうことが分かった。しかし、△1
が2.8%を越える場合には、伝送損失が劣化するだけ
でなく、DPSが80nm以下にならないことが分かっ
たので、△1は1.8〜2.8であることが望ましい。
【0090】また、センタコアの形状を表すα定数は、
1.5以上、15以下であるのが望ましいことが分かっ
た。α定数が1.5未満の場合には、20mmφの曲げ
損失が20dB/m以上と増大してしまう。△3の値
は、曲げ損失が20mmφで10dB/m以上に増大し
ない範囲として0.2%以上、λccが1550nm以上
に増大しない範囲として0.6%以下を選択することが
望ましい。
【0091】さらに、径比は、サイドコアの直径(2
b)を1とした時に、セグメントコアの直径(2c)は
1.3〜1.8であることが望ましい。c/bが1.3
未満の場合には、曲げ損失の値が20mmφで20dB
/m以上に上昇し、1.8を越える場合には、λccが1
550nm以上に増大してしまう。
【0092】シミュレーションの結果から得られた、1
550nmにおけるDPS150nm以下(高分散スロ
ープNZ−DSF補償用DCFでは80nm以下)、分
散値−20ps/nm/km以下を維持しながら、良好
な特性を達成することの可能な屈折率プロファイルの例
を下記表4に示す。
【0093】
【表4】
【0094】なお、上記表4において、コア径は第2コ
ア層2の直径(2b)であり、分散は、波長1550n
mにおける分散値、DPSは波長1550nmにおける
DPS、Aeffは波長1550nmにおける実効コア
断面積、λccはカットオフ波長、曲げ損失は、波長15
50nmにおける直径20mmの曲げ損失をそれぞれ示
す。
【0095】上記表4に示すように、1550nmにお
いて、Aeffが13μm以下、DPSが80nm以
下と十分小さい値を維持しながら、−20ps/nm/
km以下の分散値を達成している。また、λccが155
0nm以下を維持しながら、20mmφの曲げ損失20
dB/m以下と、低曲げ損失特性を得ることが出来た。
特に、△2を−1.0%以下にした場合には、DPS6
0nm以下も達成可能であることが分かった。
【0096】このように、屈折率プロファイルを最適化
することにより、C−バンドでDPS80nm以下、分
散値−20ps/nm/km以下、λccが1550nm
以下、20mmφの曲げ損失が10dB/m以下を同時
に達成出来ることが分かった。また、シミュレーション
の結果から明らかなように、Aeffが13μm以下
と小さいことにより、ラマン増幅媒体として良好な増幅
特性(増幅効率)を期待することが出来る。
【0097】本発明では、ラマン増幅に適したNZ−D
SF用DSCFを提供し、接続後に広帯域低分散特性を
得ることが可能な分散特性を達成した。このDSCFの
分散特性は、将来の高速伝送に必須なものである。低非
線形DSCFと、このDSCFを用いて構成された新し
いタイプのシステムにより、高速大容量伝送に適したシ
ステムを容易に作製することができることになった。
【0098】
【実施例】以下、本発明の実施例を示し、本発明の有効
性を確認する。図1に示すようなW+セグメントコア型
プロファイルを有する2つのDSCFを試作した。試作
例1は上記表4の2行目、試作例2は上記表4の6行目
の2つの試料の特性を目標に試作した。その結果を下記
表5に示す。
【0099】
【表5】
【0100】なお、上記表5において、伝送損失は波長
1550nmにおける伝送損失、PMDは波長1550
nmにおける偏波モード分散ををれぞれ示す。
【0101】上記表5に示すように、2つの試作例とも
に80nm以下の所望のDPSが得られており、これら
は従来達成できなかったDPSの値であった。Aeff
もほぼ10〜11μmであり、非常に高いラマン増幅
効率を期待することができる。
【0102】分散値も−100〜―150ps/nm/
km程度あるので、5ps/nm/kmの局所分散を有
する高分散スロープNZ−DSFの1/20〜1/30
程度の長さのDSCFで、NZ−DSFの分散を補償す
ることができる。言い換えれば、1kmの長さのDSC
Fで20〜30kmのNZ−DSFを分散補償すること
ができる。
【0103】λccは1500nm以下、20mmφの曲
げ損失も10dB/m以下と小さめの値に抑えられてい
る。よって、モジュール化にも問題ない特性が得られて
いる。また、伝送損失やPMDも低いレベルに抑えられ
ていることが分かった。
【0104】本実施例では、非常に小さなAeffが得
られやすい高分散スロープ型NZ−DSF用のDSCF
を試作したが、13μm以下のAeffを満たすので
あれば、本発明は本実施例に限定されない。
【0105】上記表5の試作例1に関して、ラマン増幅
特性の評価を行った。ラマン増幅特性の評価結果を、他
のファイバについての評価結果とあわせて、図4に示
す。なお、図4において、曲線aは通常のSMF、曲線
bは通常のNZ−DSF、曲線cは通常のDCF、曲線
dは上記表4の試作例1のDSCFについてのラマン増
幅特性を示す。各光ファイバの特性は、下記表6に示す
とおりである。
【0106】
【表6】
【0107】図4に示すように、本発明に係るDSCF
では、Aeffを13μm以下に抑制することによ
り、他のファイバに比べて、大きなラマン増幅効率が得
られていることが分かる。このように、実際に試作した
DSCFにおいて、優れたラマン増幅効率を有している
ことを実証することが出来た。
【0108】なお、本発明は上記実施形態例および実施
例に限定されることはなく、様々な態様を採り得る。例
えば、上記実施形態例は、コア4が第1コア層1、第2
コア層2および第3コア層3の3層のコア層を有する構
成としたが、本発明の光ファイバは、4層以上のコア層
を有する光ファイバとしてもよい。
【0109】また、本発明の光ファイバは、上記実施形
態例における第3コア層3を省略し、図2に示したよう
な、いわゆるW型の屈折率プロファイルとしてもよい。
W型屈折率プロファイルの場合、波長1550nmにお
ける直径20mmの曲げ損失の値を10dB/m以下に
することは困難であるが、光ファイバの製造性をより高
めることができる。
【0110】また、本発明の光ファイバにおいて、波長
1550nmにおける曲げ損失、分散値、伝送損失は、
上記実施形態例に示した範囲が好ましいが、この範囲か
ら多少はずれていても構わない。
【0111】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、第1の発明
に係る光ファイバは、屈折率プロファイルの最適化によ
って波長1.55μm帯(C−band)におけるDP
Sを高分散スロープ型NZ−DSFのDPSに近い値と
しているので、また第2の発明に係る光ファイバは、分
散値、分散スロープおよびAeffを所定の範囲として
いるため、NZ−DSF、特に高分散値を有するNZ−
DSFの分散を効果的に補償するすることの可能な分散
補償ファイバを提供することが可能となった。また、本
発明の分散補償ファイバにより、優れたラマン増幅特性
を得ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るW型+セグメントコ
ア型の屈折率プロファイルを示す図。
【図2】本発明の他の実施形態に係るW型の屈折率プロ
ファイルを示す図。
【図3】W+セグメントコア型プロファイルのDSCF
のRaによるDPSの変化を示す特性図。
【図4】本発明のDSCFと、従来の光ファイバのラマ
ン増幅特性を比較して示す特性図。
【符号の説明】
1・・・第1コア(センタコア) 2・・・第2コア(サイドコア) 3・・・第3コア(セグメントコア) 4・・・コア 5・・・クラッド

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コアと、該コアの外周側を覆うクラッドと
    を具備し、前記コアは光ファイバ中心部に形成された第
    1コア層と該第1コア層の外周側を覆う1層以上のコア
    層を有し、前記第1コア層の外周側を覆う1層以上のコ
    ア層の少なくとも1つが、前記クラッドを基準とした比
    屈折率差が−0.7%以下のディプレスト層であり、波
    長1550nmにおける分散値/分散スロープが30n
    m以上、80nm以下であることを特徴とする分散補償
    光ファイバ。
  2. 【請求項2】条長2mにおけるカットオフ波長が150
    0nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の分
    散補償光ファイバ。
  3. 【請求項3】波長1550nmにおける直径20mmの
    曲げ損失が10dB/m以下であることを特徴とする請
    求項1または2に記載の分散補償光ファイバ。
  4. 【請求項4】波長1550nmにおける分散値が−40
    ps/nm/km以下であることを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれかに記載の分散補償光ファイバ。
  5. 【請求項5】前記ディプレスト層は、第1コア層に隣接
    して該第1コア層の外周側を覆う第2コア層であり、前
    記第1コア層のクラッドに対する比屈折率差が1.8%
    以上、2.8%以下であり、前記第1コア層をα乗屈折
    率プロファイルとしてαの値が1.5以上、15以下で
    あることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記
    載の分散補償光ファイバ。
  6. 【請求項6】前記第1コア層の外径が、該第1コア層に
    隣接して該第1コア層の外周側を覆う第2コア層の外径
    の0.20倍以上、0.45倍以下であることを特徴と
    する請求項1ないし5のいずれかに記載の分散補償光フ
    ァイバ。
  7. 【請求項7】前記ディプレスト層は、第1コア層に隣接
    して該第1コア層の外周側を覆う第2コア層であり、該
    第2コア層の外周側に、クラッドよりも屈折率が大きく
    第1コア層よりも屈折率が小さい第3コア層を設けたこ
    とを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の分
    散補償光ファイバ。
  8. 【請求項8】前記第3コア層のクラッドに対する比屈折
    率差が0.2%以上、0.6%以下であることを特徴と
    する請求項7に記載の分散補償光ファイバ。
  9. 【請求項9】前記第3コア層の外径が前記第2コア層の
    外径の1.3倍以上、1.8倍以下であることを特徴と
    する請求項7または8に記載の分散補償光ファイバ。
  10. 【請求項10】波長1550nmの伝送損失が1.0d
    B/km以下であることを特徴とする請求項1ないし9
    のいずれかに記載の分散補償光ファイバ。
  11. 【請求項11】分散値が−20ps/nm/km以下、
    分散スロープが−0.05ps/nm /km以下、A
    effが8以上、13μm以下であることを特徴とす
    る分散補償光ファイバ。
  12. 【請求項12】波長1550nmにおける分散値/分散
    スロープが30nm以上、150nm以下であることを
    特徴とする請求項11に記載の分散補償光ファイバ。
  13. 【請求項13】波長1550nmにおける分散値/分散
    スロープが30nm以上、80nm以下であることを特
    徴とする請求項11に記載の分散補償光ファイバ。
  14. 【請求項14】1550nmにおける20mmφでの曲
    げ損失が20dB/m以下であることを特徴とする請求
    項11ないし13のいずれかに記載の分散補償光ファイ
    バ。
  15. 【請求項15】カットオフ波長が1550nm以下であ
    ることを特徴とする請求項11ないし14のいずれかに
    記載の分散補償光ファイバ。
  16. 【請求項16】内側からセンタコア、サイドコア、およ
    びクラッドを備えるW型屈折率プロファイルを有し、前
    記クラッドに対するセンタコアの比屈折率差Δ1が1.
    8%以上、αが1.5以上、15以下、前記クラッドに
    対するサイドコアの比屈折率差Δ2が−0.4%以下、
    サイドコアのコア径に対するセンターコアのコア径の比
    Ra1が0.20以上、0.50以下であることを特徴
    とする請求項11〜15のいずれかに記載の分散補償光
    ファイバ。
  17. 【請求項17】前記クラッドに対するサイドコアの比屈
    折率差Δ2が−0.7%以下であることを特徴とする請
    求項16に記載の分散補償光ファイバ。
  18. 【請求項18】内側からセンタコア、サイドコア、セグ
    メントコア、およびクラッドを備えるW+セグメント型
    屈折率プロファイルを有することを特徴とする請求項1
    1〜17のいずれかに記載の分散補償光ファイバ。
  19. 【請求項19】前記クラッドに対するセグメントコアの
    比屈折率差Δ3が0.2%以上、0.6%以下であり、
    サイドコアのコア径に対するセグメントコアのコア径の
    比Ra2が1.3以上、1.8以下であることを特徴と
    する請求項18に記載の分散補償光ファイバ。
  20. 【請求項20】請求項1〜19に記載の分散補償光ファ
    イバを含む光ファイバモジュール。
  21. 【請求項21】請求項1〜9に記載の分散補償光ファイ
    バをラマン増幅媒体として用いた増幅器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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