JP2003238749A - 押出成形用プロピレン系重合体組成物 - Google Patents

押出成形用プロピレン系重合体組成物

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JP2003238749A
JP2003238749A JP2002043788A JP2002043788A JP2003238749A JP 2003238749 A JP2003238749 A JP 2003238749A JP 2002043788 A JP2002043788 A JP 2002043788A JP 2002043788 A JP2002043788 A JP 2002043788A JP 2003238749 A JP2003238749 A JP 2003238749A
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propylene
extrusion molding
polymer composition
based polymer
rad
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Application number
JP2002043788A
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English (en)
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Yasunori Kadoi
泰憲 門井
Takayuki Kono
孝之 河野
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 反り及びその他成形時の表面不良現象の発生
を抑制し、幅広で比較的厚みのある段ボール状中空シー
トを、予定寸法通りに押出成形し得るプロピレン系重合
体組成物を提供すること。 【解決手段】 コーン&プレート法レオメーターによる
溶融粘弾性測定において、角周波数ωが0.01rad
/sのときの貯蔵弾性率G′が60Pa以下であり、貯
蔵弾性率G′が2×102 Paとなるような角周波数を
ω1 、2×104Paとなるような角周波数をω2 とした
とき、ω2 /10ω1 で表される分子量分布指数PDI
−Pが10〜20の範囲にあると共に、MFRが0.5
〜3.0g/10分である押出成形用プロピレン系重合
体組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、押出成形用プロピ
レン系重合体組成物に関する。さらに詳しくは、本発明
は、反り及びその他成形時の表面不良現象の発生を抑制
し、幅広で比較的厚みのある段ボール状中空シートを、
予定寸法通りに押出成形し得る押出成形用プロピレン系
重合体組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、紙製段ボールの代替として、プラ
スチック製段ボール状中空シートが数多く開発され、軽
量で耐水性、断熱性、耐薬品性などに優れるため、コン
テナー、自動車内装材、箱、容器などの種々の用途に用
いられている。
【0003】さらに、このプラスチック製段ボール状中
空シートを芯材とし、その両面に熱可塑性樹脂シートを
設けてなるサンドイッチ構造の積層体は、軽量性、断熱
性、防音性などに優れていることから、ドア、壁材、間
仕切りなどの建築用材料として賞用されており、また、
軽量性の点から、家具や台所製品のキャビネットの表面
化粧板、あるいは机の天板などとしても用いられてい
る。
【0004】このような用途に用いられるプラスチック
製段ボール状中空シートは、通常ポリオレフィン系樹脂
で構成されている。また、建築用材料や家具、台所製品
のキャビネットなどの表面化粧板などには、これまで、
適度の柔軟性を有し、かつ加工性が良いことなどから、
一般に塩化ビニル系樹脂製シートが用いられてきた。し
かしながら、この塩化ビニル系樹脂製シートは、燃焼時
に有害ガスを発生するため、環境汚染の面で問題を有す
る上、その中に含まれている可塑剤がブリードしやす
く、外観不良を引き起こすなどの問題も有していた。し
たがって、塩化ビニル系樹脂を使用しないで、環境に対
して優しい建築材料や化粧板などの開発が望まれてい
る。
【0005】一方、近年、環境問題及び省資源の観点か
ら、各種製品に対してリサイクル性が求められるように
なってきた。このような状況下で、建築用材料の分野に
おいては、プラスチック製段ボール状中空シートを芯材
とするサンドイッチ構造の積層体として、芯材の中空シ
ート及びその両面に設けられる熱可塑性樹脂シートが、
いずれもポリオレフィン系樹脂製のものが多用されるよ
うになってきた。
【0006】そして、前記ポリオレフィン系樹脂として
は、機械特性、耐化学薬品性、低吸湿性などの点から、
結晶性プロピレン系重合体が、一般に用いられている。
ところで、ポリプロピレン製段ボール状中空シートは、
一般に押出成形により作製されているが、成形材料とし
て用いられるプロピレン系重合体組成物の物性によって
は、しばしば、得られる中空シートに、反りや膨らみが
発生したり、あるいは鮫肌、縦筋、メルトフラクチャー
などの表面不良が生じるなど、好ましくない事態を招来
する。したがって、反りがなく、良好な外観を有する段
ボール状中空シートを押出成形により作製するために
は、素材のプロピレン系重合体組成物の物性が極めて重
要となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で反り及びその他成形時の表面不良現象の発生を
抑制し、幅広で比較的厚みのある段ボール状中空シート
を、予定寸法通りに押出成形し得る押出成形用プロピレ
ン系重合体組成物を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する押出成形用プロピレン系重合体組成
物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の溶融粘弾
性パラメータ及びメルトフローレイトを有するプロピレ
ン系重合体組成物により、その目的を達成し得ることを
見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したも
のである。
【0009】すなわち、本発明は、(1) コーン&プ
レート法レオメーターによる溶融粘弾性測定において、
角周波数ωが0.01rad/sのときの貯蔵弾性率
G′が60Pa以下であり、貯蔵弾性率G′が2×10
2 Paとなるような角周波数をω1 、2×104 Paと
なるような角周波数をω2 としたとき、ω2 /10ω1
で表される分子量分布指数PDI−Pが10〜20の範
囲にあること、及びメルトフローレイトMFR(荷重2
1.18N、温度230℃)が0.5〜3.0g/10
分であることを特徴とする押出成形用プロピレン系重合
体組成物、(2) 角周波数ωが0.01rad/sの
ときの貯蔵弾性率G′が10〜60Paである上記
(1)のプロピレン系重合体組成物、(3) 引張弾性
率が900MPa以上で、かつシャルピー衝撃強さ(2
3℃)が15kJ/m2 以上である上記(1)、(2)
の押出成形用プロピレン系重合体組成物、(4) 溶融
粘弾性測定において、角周波数ωが0.01rad/s
のときの粘度ηが30000〜50000Pa・sであ
る上記(1)〜(3)の押出成形用プロピレン系重合体
組成物。(5) 角周波数ωが100rad/sのとき
の粘度ηが1100Pa・s以上である上記(1)〜
(4)の押出成形用プロピレン系重合体組成物、及び
(6) 1m幅以上の段ボール状中空シートの押出成形
用である上記(1)〜(5)の押出成形用プロピレン系
重合体組成物、を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のプロピレン系重合体組成
物は、ダンボール状中空シートの素材として好適に用い
られる押出成形用であって、以下に示す性状を有する。
まず、コーン&プレート法レオメーターによる溶融粘弾
性測定において、角周波数ωが0.01rad/sのと
きの貯蔵弾性率G′が60Pa以下であり、貯蔵弾性率
G′が2×102 Paとなるような角周波数をω1 、2
×104 Paとなるような角周波数をω2 としたとき、
ω2 /10ω1 で表される分子量分布指数PDI−Pが
10〜20の範囲である。
【0011】上記コーン&プレート法レオメーターによ
る溶融粘弾性測定においては、測定機器としてレオメト
リック社製の「システム4」(測定形状:コーン・プレ
ート型)を用い、180℃、歪20%の条件で測定を行
い、周波数−貯蔵弾性率曲線G′(ω)を求め、この曲
線から求めた角周波数ωが0.01rad/sのときの
貯蔵弾性率G′が60Pa以下である。該G′が60P
aを超えると、成形体表面に鮫肌や縦筋が発生する場合
がある。角周波数ωが0.01rad/sのときの好ま
しい貯蔵弾性率G′は、10〜60Paの範囲である。
【0012】また、前記周波数−貯蔵弾性率曲線G′
(ω)から、貯蔵弾性率G′が2×102 Pa及び2×
104 Paのときの角周波数ω1及びω2 をそれぞれ求
め、ω2 /10ω1 で表される分子量分布指数PDI−
Pを算出し、この値が10〜20の範囲にあることが必
要である。このPDI−Pが10未満では成形条件が狭
くな り、20を超えると鮫肌やメルトフラクチャー
が発生したり、シートに筋状の不良が発生する。
【0013】さらに、角周波数ωが0.01rad/s
のときの粘度ηは、30000〜50000Pa・sの
範囲にあるのが好ましい。特に好ましくは35000〜
50000Pa・sの範囲である。この粘度η(ω=
0.01rad/s)が30000Pa・s未満では、
ダイスから押出成形体が吐出した際に膨らむ現象が起き
やすい。特にダンボール状中空シートなどの内部に空間
を有する押出成形体においては、その傾向が強い。一
方、粘度η(ω=0.01rad/s)が50000P
a・sを超えると反りが大きくなりやすい。また、角周
波数ωが100rad/sのときの粘度η(ω=100
rad/s)は、900Pa・s以上であるのが好まし
い。この粘度η(ω=100rad/s)が900Pa
・s未満では膨らみが発生するなどのデメリットが生じ
やすい。特に好ましい粘度η(ω=100rad/s)
は、950〜1350Pa・sの範囲である。
【0014】次に、メルトフローレイトMFR(荷重2
1.18N、温度230℃)が、0.5〜3.0g/1
0分の範囲にあることが必要である。このMFRが、
0.5g/10分未満ではメルトフラクチャーが発生し
やすく、3.0g/10分を超えると、特に長寸法の押
出成形体作製時に垂れてしまい、フラットな成形体が得
られにくい。なお、このMFRは、JIS K7210
に準拠し、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測
定した値である。
【0015】また、引張弾性率が900MPa以上で、
かつシャルピー衝撃強さ(23℃)が15kJ/m2
上であることが好ましい。引張弾性率が900MPa未
満では押出成形体の剛性が不充分であり、シャルピー衝
撃強さ(23℃)が15kJ/m2 未満では押出成形体
の耐衝撃性が低く、使用できる分野が限られるおそれが
ある。なお、上記引張弾性率はJIS K7161:9
4に準拠して測定した値であり、シャルピー衝撃強さ
(23℃)は、JIS K7111:96に準拠して測
定した値である。溶融張力は3.0g以下が好ましく、
特に1.0〜3.0gが好ましい。ダンプレートの様に
幅広の押出成形品を製造する場合は、一般には溶融張力
が大きい方がドローダウン特性の点から有利と考えられ
る。しかし、本発明者らの検討の結果では、ダンプレー
トの様にダイスの入口と出口における変形量が大きい成
形品を比較的高速で生産する場合は、溶融張力が必要以
上に大きいと、ダイス出口を出た後の押出成形品の変
形、例えばリブが真っ直ぐ立たない、平面の平滑性が悪
くなる、等の現象が発生するおそれがあることが判っ
た。
【0016】このような性状を有する本発明のプロピレ
ン系重合体組成物においては、プロピレン系重合体とし
て、一般に結晶性プロピレン系重合体が用いられる。こ
の結晶性プロピレン系重合体としては、特に制限はな
く、従来公知のもの、例えば結晶性を有するアイソタク
チックプロピレン単独重合体、エチレン単位の含有量の
少ないエチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピ
レン単独重合体からなるホモ部とエチレン単位の含有量
の比較的多いエチレン−プロピレンランダム共重合体か
らなる共重合部とから構成されたプロピレンブロック共
重合体、さらには前記プロピレンブロック共重合体にお
ける各ホモ部又は共重合部が、さらにブテン−1などの
α−オレフィンを共重合したものからなる結晶性のプロ
ピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体などが挙げ
られる。
【0017】これらの結晶性プロピレン系重合体は、得
られるプロピレン系重合体組成物が、前述した性状を有
するように、押出機中でラジカル発生剤の存在下、溶融
混練し、分子鎖を切断することができる。
【0018】この際、使用するラジカル発生剤として
は、有機過酸化物が好ましく、例えばベンゾイルパーオ
キサイド;t−ブチルパーベンゾエート;t−ブチルパ
ーアセテート;t−ブチルパーオキシイソプロピルカー
ボネート;2,5−ジ−メチル−2,5−ジ(ベンゾイ
ルパーオキシ)ヘキサン;2,5−ジ−メチル−2,5
−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3;t−ブチ
ル−ジ−パーアジペート;t−ブチルパーオキシ−3,
5,5−トリメチルヘキサノエート;メチル−エチルケ
トンパーオキサイド;シクロヘキサノンパーオキサイ
ド;ジ−t−ブチルパーオキサイド;ジクミルパーオキ
サイド;2,5−ジ−メチル−2,5−ジ(t−ブチル
パーオキシ)ヘキサン;2,5−ジ−メチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3;1,3−ビ
ス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン;t
−ブチルクミルパーオキサイド;1,1−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)−8,3,5−トリメチルシクロヘキ
サン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘ
キサン;2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)プタ
ン;p−メンタンハイドロパーオキサイド;ジ−イソプ
ロピルベンゼンハイドロパーオキサイド;クメンハイド
ロパーオキサイド;t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド;p−サイメンハイドロパーオキサイド;1,1,
3,3−テトラ−メチルブチルハイドロパーオキサイ
ド;2,5−ジ−メチル−2.5−ジ(ハイドロパーオ
キシ)ヘキサン;トリメチルシリル−クミルパーオキサ
イド;2,5−ジ−メチル−2,5−ビス(トリメチル
シリルパーオキシ)ヘキサン;2,5−ジ−メチル−
2,5−ビス(トリメチルシリルパーオキシ)ヘキシン
−3及び1,3−ビス(トリメチルシリルパーオキシイ
ソプロピル)ベンゼンなどの有機過酸化物を挙げること
ができる。
【0019】これらの中で、特に2,5−ジ−メチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン;2,5
−ジ−メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キシン−3及び1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイ
ソプロピル)ベンゼンが好ましい。これらのラジカル発
生剤は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わ
せて用いてもよい。その使用量は、通常被処理プロピレ
ン系重合体100重量部に対し、0.001〜0.5重
量部、好ましくは0.01〜0.2重量部の範囲で選定
される。
【0020】本発明のプロピレン系重合体組成物には、
所望に応じ、公知の各種添加成分、例えば酸化防止剤、
熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、中和剤、難燃剤、
難燃助剤、滑剤、離型剤、着色剤、さらには可塑剤やプ
ロセスオイルや流動パラフィンなどの軟化剤、他の熱可
塑性樹脂や熱可塑性エラストマーなどを適宜含有させる
ことができる。
【0021】該プロピレン系重合体組成物は、例えばプ
ロピレン系重合体と、所望により用いられる各種添加成
分とを配合し、タンブラーブレンダー、ヘンシェルミキ
サーなどで混合するか、又は混合後さらに単軸押出機や
多軸押出機を用いて、必要に応じラジカル発生剤の存在
下に溶融混練造粒することにより、調製することができ
る。一般に、貯蔵弾性率G′、粘度η(ω=0.01r
ad/s)、η(ω=100rad/s)及び分子量分
布指数PDI−Pは、ポリプロピレン中の高分子量成分
が多くなると大きくなり、高分子量成分を減らすと小さ
くなる傾向がある。また、PDI−P、G′は、重量平
均分子量が同じ場合は、分子量分布を狭くすると小さく
なり、分子量分布を広くすると大きくなる傾向がある。
【0022】本発明のプロピレン系重合体組成物は、押
出成形用として用いられ、特に1m幅以上で、比較的厚
みのあるダンボール状中空シートの押出成形に好適に用
いられる。ダンボール状中空シートとしては、例えば図
1の斜視図で示されるようなサンドイッチ構造のものを
挙げることができる。図1(a)はツラスコア・サンド
イッチ・パネル(Trusscore sandwic
h panel)であり、(b)はウエブコア・サンド
イッチ・パネル(Webcore sandwich
panel)である。これらの中で、金型の作りやす
さ、中空シートの切断しやすさ、均一な物性を発現しや
すい、などの点から(b)のタイプが多用されている。
【0023】本発明のプロピレン系重合体組成物から得
られたダンボール状中空シートは、反りの発生が抑制さ
れると共に、鮫肌、縦筋、メルトフラクチャーなどの表
面不良の発生が抑制され、良好な外観を有し、かつ物性
にも優れている。また、成形条件を従来のものに比べて
緩やかにすることができるので、樹脂の熱分解が抑えら
れ(目ヤニの低減化)、長期間の連続生産が可能とな
り、生産効率を高めることができる。
【0024】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。 製造例1 プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造 (1)予備重合 50リットルのステンレス製オートクレーブを用いて、
モレキュラーシーブス(4A)及び窒素バブリングによ
り脱水されたヘプタンを、 窒素気流下で40リットル
投入した後、 常温(23℃)にて、 先ずジエチルアル
ミニウムクロライド(DEAC;東ソー・アクゾ社製)
1.4kg、 次いで、 三塩化チタン(丸紅ソルベー社
製)203gを攪拌しながら添加した。次に、 攪拌し
ながら、 常温にてプロピレンを連続投入し、 三塩化チ
タン重量当たり0.8倍量のポリプロピレンが生成する
ように実施した。 これを予備重合触媒とした。
【0025】(2)プロピレン−エチレンブロック共重
合体の製造 (ホモ部の製造) よく窒素置換し、 乾燥した500
リットルの耐圧オートクレーブにモレキュラーシーブス
でよく脱水されたn−ヘプタン300リットルを窒素気
流中で仕込んだ。 次いで、80℃にて窒素をプロピレ
ンガスで置換した後、 水素を0.2kg/cm2G精密
ゲージにて導入し、 更にプロピレンを8.0kg/c
2Gになるまで攪拌しながら導入した。上記(1)で
得られた予備重合触媒を三塩化チタン重量当たり30g
仕込んだのち,8.0kg/cm2Gになるようにプロ
ピレンを連続的に導入するとともに、 重合温度を80
℃に保持した。1時間重合反応を行った後、 大気圧ま
で脱圧した。
【0026】(ランダム部の製造) 引き続きオートク
レーブ内をエチレン/プロピレン流量比0.07/1.
0(NLM/NLM)の混合ガスで置換し、 水素を
0.1kg/cm2G導入した後、エチレン/プロピレ
ンを流量比0.07/1.0(NLM/NLM)にて連
続的に導入し(圧力はフリー状態)、57℃で2時間共
重合を行った(尚、ここでNLMはnormal li
ters per minuteを示す)。その後、大
気圧まで脱圧し、n−ヘプタンを含む重合パウダーを、
ステンレス製の400メッシュの金網を用いて57℃で
分離した後、 更に57℃のヘプタン200リットルを
用いて1時間攪拌洗浄後、ステンレスの400メッシュ
の金網を用いて重合パウダーを分離し、乾燥させてブロ
ック共重合体を得た。このようにして、第1表に示す性
状を有するプロピレン−エチレンブロック共重合体を製
造した。
【0027】実施例1及び比較例1〜4 第1表に示す種類のプロピレン系重合体100重量部
に、フェノール系酸化防止剤「イルガノックス101
0」(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.2
5重量部、リン系酸化防止剤「イルガフォス168」
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.06重
量部、ステアリン酸カルシウム0.05重量部及びパー
カドックス14R(化薬アクゾ社製)0.006重量部
をドライブレンドしたのち、35mm2軸押出機で26
0℃、300rpmで溶融混練した。このものを押出機
に供給し、押出機上流側180℃、ダイス出口220℃
にて100rpmで溶融混練して押出成形することによ
り、図1(b)に示す形状の1.5m幅、厚さ3mmの
ダンボール状中空シートを作製した。なお、比較例3,
4について、鮫肌を解消するために、ダンプレートの成
形温度(ダイス出口温度)を250℃に上げたところ、
鮫肌は解消したが、ダンプレートの断面が膨らんだ。 実施例2 パーカドックス14Rの使用量を0.008重量部に変
えた以外は実施例1と同様にペレタイズした。そのペレ
ットを用いて、実施例1と同様にしてダンボール状中空
シートを作製した。 実施例3 パーカドックス14Rの使用量を0.007重量部に変
えた以外は実施例1と同様にペレタイズした。そのペレ
ットを用いて、実施例1と同様にしてダンボール状中空
シートを作製した。反り、外観は実施例1,2と同様で
あった。
【0028】<反り、浮きの評価>前記中空シートを室温
で24時間状態調整したのち、1.5m角に切断し、平
らな床面におき、最も床面から離れた部分の高さ(浮
き)をチェックした。前記「浮き」は、基本的に反った
ことにより発生したものであるが、一部ダイスから吐出
した際の膨らみに起因するものもあった。流れ方向と平
行な両端以外の「浮き」は、前記膨らみに起因するもの
と思われる。
【0029】端部以外の浮きは、浮いている部分をカッ
ターで切って、定規やスペーサーで床からの浮きの高さ
を測定し、下記の基準で反り、浮きを評価した。 ○:3mm未満 △:3〜10mm ×:10mm以上 この結果を、プロピレン系重合体組成物の性状と共に、
第1表に示す。
【0030】
【表1】
【0031】(注) (1)溶融張力〔MT〕:JIS K7210に準拠
し、メルトテンションテスターを用いて温度(オイルバ
ス中)230℃にて測定した。 (2)MFR、PDI−P、G′、引張弾性率、シャル
ピー衝撃強さ:前述の方法により、測定した。 (3)比較例1〜4で使用したプロピレン系重合体 PP−1:(株)グランドポリマー製 プロピレン−エ
チレンブロック共重合体 E−601 PP−2:日本ポリケム(株)製 プロピレン−エチレ
ンブロック共重合体BC8A PP−3:出光石油化学(株)製 プロピレン−エチレ
ンブロック共重合体E−150GK PP−4:出光石油化学(株)製 プロピレン−エチレ
ンブロック共重合体E−250G
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、反り及びその他成形時
の表面不良現象の発生を抑制し、幅広で比較的厚みのあ
る段ボール状中空シートを、予定寸法通りに押出成形し
得るプロピレン系重合体組成物を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ダンボール状中空シートのサンドイッチ構造
の例を示す斜視図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BB111 BB121 BB141 BB151 BP021 EK006 EK026 EK036 EK046 EK056 EK076 EK086 FD206 GG02 GK00 4J100 AA02Q AA03P AA04Q CA01 CA04 CA11 CA31 DA04 DA05 DA43 DA44 DA49 DA52 HA51 HC36 HG04 JA13 JA58

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コーン&プレート法レオメーターによる
    溶融粘弾性測定において、角周波数ωが0.01rad
    /sのときの貯蔵弾性率G′が60Pa以下であり、貯
    蔵弾性率G′が2×102 Paとなるような角周波数を
    ω1 、2×104 Paとなるような角周波数をω2 とし
    たとき、ω2 /10ω1 で表される分子量分布指数PD
    I−Pが10〜20の範囲にあること、及びメルトフロ
    ーレイトMFR(荷重21.18N、温度230℃)が
    0.5〜3.0g/10分であることを特徴とする押出
    成形用プロピレン系重合体組成物。
  2. 【請求項2】 角周波数ωが0.01rad/sのとき
    の貯蔵弾性率G′が10〜60Paである請求項1記載
    の押出成形用プロピレン系重合体組成物。
  3. 【請求項3】 引張弾性率が900MPa以上で、かつ
    シャルピー衝撃強さ(23℃)が15kJ/m2 以上で
    ある請求項1又は2記載の押出成形用プロピレン系重合
    体組成物。
  4. 【請求項4】 溶融粘弾性測定において、角周波数ωが
    0.01rad/sのときの粘度ηが30000〜50
    000Pa・sである請求項1ないし3のいずれかに記
    載の押出成形用プロピレン系重合体組成物。
  5. 【請求項5】 角周波数ωが100rad/sのときの
    粘度ηが900Pa・s以上である請求項1ないし4の
    いずれかに記載の押出成形用プロピレン系重合体組成
    物。
  6. 【請求項6】 1m幅以上の段ボール状中空シートの押
    出成形用である請求項1ないし5のいずれかに記載の押
    出成形用プロピレン系重合体組成物。
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