JP2003230969A - 摩擦撹拌接合法、熱交換器の製造方法及び熱交換器 - Google Patents

摩擦撹拌接合法、熱交換器の製造方法及び熱交換器

Info

Publication number
JP2003230969A
JP2003230969A JP2002030678A JP2002030678A JP2003230969A JP 2003230969 A JP2003230969 A JP 2003230969A JP 2002030678 A JP2002030678 A JP 2002030678A JP 2002030678 A JP2002030678 A JP 2002030678A JP 2003230969 A JP2003230969 A JP 2003230969A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
probe
joint
heat exchanger
outer peripheral
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002030678A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003230969A5 (ja
Inventor
Yoshiharu Sugano
快治 菅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2002030678A priority Critical patent/JP2003230969A/ja
Publication of JP2003230969A publication Critical patent/JP2003230969A/ja
Publication of JP2003230969A5 publication Critical patent/JP2003230969A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外周面に周方向の接合予定部を有する接合部
材における前記接合予定部を接合工具のプローブによっ
て接合する摩擦撹拌接合法であって、プローブ抜出孔の
発生を防止することができ、更には、プローブの捨て肉
部への移動操作を容易に行うことができ又は移動操作を
行うための接合装置の構造を簡素化することのできる摩
擦撹拌接合法を提供すること。 【解決手段】 接合終了時又は終了後に、埋入状態のプ
ローブ52が接合部材10、20の外周面を略螺旋状に通過す
るように、接合部材10、20の外周面とプローブ52のうち
少なくとも一方を移動させる。そして、このプローブ52
が接合部材の端部からなる捨て肉部29に到達したあと
で、プローブ52をこの捨て肉部29において抜出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、電子デ
バイス製造装置や液晶製造装置に設けられる熱交換器を
製作する際に好適に用いられる摩擦撹拌接合法、あるい
は前記熱交換器として好適に用いられる接合継手の製造
方法、接合継手、熱交換器の製造方法及び熱交換器に関
する。
【0002】
【従来の技術】例えば、電子デバイス製造装置や液晶製
造装置に設けられる熱交換器は、従来、その構成部材同
士をろう付や電子ビーム溶接によって接合一体化するこ
とにより、製作されていた。
【0003】ところで、この種の熱交換器の内部には、
作動流体が収容される中空部が形成されているが、この
中空部に臨んだ面には、腐食防止のための表面処理層
(例:アルマイト層)が形成されていることから、ろう
付や電子ビーム溶接では構成部材同士を良好に接合する
ことができず、作動流体の漏出や接合不良が生じ易かっ
た。また、このような不具合が生じなかったとしても、
溶接時や接合時に発生する熱によって表面処理層が熱影
響を受けてその耐食性が損なわれるという問題が発生し
ていた。
【0004】そこで近年、熱交換器を製作する接合手段
として摩擦撹拌接合が用いられてきている。摩擦撹拌接
合は固相接合の一種であり、接合時に発生する熱が少な
いことから、この摩擦撹拌接合で接合を行うことによ
り、上述した問題を解決することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、摩擦撹
拌接合で接合を行う場合には、次のような難点があっ
た。すなわち、摩擦撹拌接合によれば、接合終了時に
は、構成部材に埋入された接合工具のプローブを抜出す
る必要があるため、このプローブの抜出によって、構成
部材にプローブの径や挿入深さに対応する孔が残存する
問題が発生する。このプローブ抜出孔は、得られた熱交
換器の外観を低下させることはもとより、作動流体の漏
出や腐食の原因となるため、接合終了後に、これを取り
除いたり埋めたりする必要がある。
【0006】このプローブ抜出孔の処理手段として、こ
の孔内にピンを埋める方法、TIG、MIG等の溶融溶
接により該孔内に溶融金属を充填する方法、及び接合終
了時にプローブを当て部材等の捨て肉部へ移動させる方
法(特開2000−42762号公報)が提案されてい
る。
【0007】しかしながら、ピンを埋める方法によれ
ば、ピンを機械的な食い込みにより固定しているだけな
ので、漏出や腐食に対する信頼性は乏しいという難点が
あった。
【0008】溶融金属を充填する方法によれば、溶接熱
によって接合強度の低下や熱歪みを生じる虞があるし、
表面処理層の耐食性が損なわれるという難点があった。
【0009】プローブを捨て肉部へ移動させる方法によ
れば、プローブの捨て肉部への移動の際に、接合工具の
姿勢を変更しなければならないことがあり、このため、
移動操作を行い難くなるし、又は移動操作を行うための
接合装置の構造が複雑になるという難点があった。
【0010】この発明は、上述した技術背景に鑑みてな
されたもので、その目的は、プローブ抜出孔の発生を防
止することができ、更には、プローブの捨て肉部への移
動操作を容易に行うことができ又は移動操作を行うため
の接合装置の構造を簡素化することのできる摩擦撹拌接
合法、接合継手の製造方法、これにより得られた接合継
手、熱交換器の製造方法及びこれにより得られた熱交換
器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1発明に係る摩擦撹拌接合法は、外周面に周方向
の接合予定部を有する接合部材における前記接合予定部
を、該接合予定部に接合部材の外周面側から埋入された
プローブによって該接合予定部に沿って接合する摩擦撹
拌接合法であって、接合終了時又は終了後に、埋入状態
のプローブが接合部材の外周面を略螺旋状に通過するよ
うに、接合部材の外周面とプローブのうち少なくとも一
方を移動させることを特徴としている(請求項1)。
【0012】この第1発明では、接合終了時又は終了後
に、埋入状態のプローブが接合部材の外周面を略螺旋状
に通過するように、接合部材の外周面とプローブのうち
少なくとも一方を移動させることにより、接合予定部を
接合した接合部にプローブ抜出孔が発生しなくなる。ま
た、この移動操作によれば、埋入状態のプローブは、接
合部材の外周面を略螺旋状に通過するから、接合部材の
外周面に対する接合工具の姿勢を殆ど変更しなくても、
プローブを接合部材の外周面に対して相対的にスムーズ
に移動させることができる。このため、移動操作が容易
に行われるようになるし、又は移動操作を行うための接
合装置の構造が簡素化される。
【0013】また、この第1発明において、埋入状態の
プローブが接合部材の外周面を略螺旋状に通過するよう
に、接合部材の外周面とプローブのうち少なくとも一方
を移動させる方法としては、次の方法が例示される。す
なわち、接合部材の位置を固定しておき、該接合部材を
その軸線を中心に回転させて該接合部材の外周面を移動
させながら、埋入状態のプローブを接合部材の軸線と略
平行に移動させる方法(これを「第1方法」という。)
と、埋入状態のプローブの位置を固定しておき、接合部
材をその軸線を中心に回転させて該接合部材の外周面を
移動させながら、該接合部材をその軸線方向に移動させ
る方法(これを「第2方法」という。)と、双方の方法
を同時に行う方法(これを「第3方法」という。)と、
接合部材の位置を固定しておき且つ該接合部材を回転さ
せないで、埋入状態のプローブが接合部材の外周面を略
螺旋状に通過するように、プローブを移動させる方法
(これを「第4方法」という。)と、が例示される。特
にこの発明では、これら第1〜第4方法のうち第1〜第
3方法を採用することが、移動操作を容易に行えるよう
になる点等で望ましい。
【0014】また、埋入状態のプローブが、接合予定部
を接合した接合部における接合始端部に戻った直後に、
上述した移動操作を行っても良いし、あるいは、埋入状
態のプローブが、接合予定部を接合した接合部における
接合始端部に戻って更に当該接合始端部を接合部に沿っ
て通過した後で、つまり接合始端部を重複して接合した
後で、上述した移動操作を行っても良い。
【0015】また、接合部材としては、金属製のものが
例示され、特に、アルミニウム又はその合金製のもの
か、あるいは鉄又はその合金製のものか、あるいは銅又
はその合金製のものであることが望ましい。また、接合
予定部としては、突合せ部や重合せ部が例示される。
【0016】上記第1発明において、前記接合部材の外
周面におけるプローブ通過部のリード角が0°を超え7
0°未満の範囲内になるように、接合部材の外周面とプ
ローブのうち少なくとも一方を移動させることが望まし
い(請求項2)。
【0017】その理由は次のとおりである。すなわち、
かかるリード角が0°では、接合終了後においてもプロ
ーブが接合部を通過するため、プローブを抜出すると、
接合部にプローブ抜出孔が残存することになる。一方、
リード角が70°以上では、プローブをスムーズに移動
させることが困難になり、ひいてはプローブ通過部(即
ちビード部)に欠陥が生じる虞があるからである。特
に、リード角は0°を超え40°以内の範囲内に設定さ
れていることが望ましく、更には0°を超え25°以内
の範囲内に設定されていることがより一層望ましい。ま
た、プローブに対する接合部材の外周面の周速度、又は
接合部材の外周面に対するプローブの移動速度は、30
0〜600mm/minの範囲内に設定されていること
が望ましいが、この発明はこれに限定されない。また、
接合工具のプローブの回転数は1000〜2000rp
mの範囲内に設定されていることが望ましいが、この発
明はこれに限定されない。
【0018】上記第1発明において、埋入状態のプロー
ブを、接合部材の端部からなる捨て肉部において抜出す
ることが望ましい(請求項3)。
【0019】この場合には、接合部材にプローブ抜出孔
が残存しなくなる。
【0020】この場合において、埋入状態のプローブが
前記捨て肉部に到達すると同時に又はそのあとで、接合
部材の前記端部を長さ方向において切断することが望ま
しい(請求項4)。
【0021】この場合には、得られる接合継手の外観体
裁が向上する。なお、この発明では、捨て肉部の外周面
の、少なくともプローブ抜出孔が生じた部分を、深さ方
向に切削することによって、プローブ抜出孔を除去して
も良い。
【0022】上記第1発明において、前記接合部材は、
前記接合予定部の内側に中空部を有するとともに、該中
空部に臨んだ面の少なくとも一部に表面処理層が形成さ
れたものであることが望ましい(請求項5)。
【0023】この場合において、表面処理層としては、
例えば、防食処理を目的とした層(即ち防食処理層)が
挙げられ、詳述すると、アルマイト層等の陽極酸化層を
はじめ、メッキ層やフッ化層が例示される。
【0024】上記第1発明において、前記接合部の表面
に研磨加工又は切削加工を施すことが望ましい(請求項
6)。
【0025】この場合には、接合部材の表面に生じるこ
とのある接合痕が研磨加工又は切削加工により除去さ
れ、もって表面状態の良好な接合継手が得られる。研磨
加工としては、例えば、研磨剤や研磨材を用いた研磨加
工、あるいは研磨布、研磨紙、研磨ベルト、研磨ディス
ク等の研磨布紙を用いた研磨加工が挙示される。なお、
この発明では、接合部の表面だけではなく接合継手の表
面全体に研磨加工又は切削加工を施しても良い。
【0026】上記目的を達成するため、第2発明に係る
接合継手の製造方法は、回転可能なプローブを有する摩
擦撹拌接合用接合工具を用い、外周面に周方向の接合予
定部を有する接合部材における前記接合予定部を、該接
合予定部に接合部材の外周面側から埋入された前記プロ
ーブによって該接合予定部に沿って摩擦撹拌接合して、
接合継手を得る接合継手の製造方法であって、接合終了
時又は終了後に、埋入状態のプローブが接合部材の外周
面を略螺旋状に通過するように、接合部材の外周面とプ
ローブのうち少なくとも一方を移動させることを特徴と
している(請求項7)。この第2発明では、上記第1発
明と同様の作用を奏し得る。
【0027】上記第2発明において、前記接合部材の外
周面におけるプローブ通過部のリード角が0°を超え7
0°未満の範囲内になるように、接合部材の外周面とプ
ローブのうち少なくとも一方を移動させることが望まし
い(請求項8)。その理由は上述のとおりである。ま
た、特に望ましいリード角の範囲等についても上述のと
おりである。
【0028】上記第2発明において、埋入状態のプロー
ブを、接合部材の端部からなる捨て肉部において抜出す
ることが望ましい(請求項9)。その理由は上述のとお
りである。
【0029】この場合において、埋入状態のプローブが
前記捨て肉部に到達すると同時に又はそのあとで、接合
部材の前記端部を長さ方向において切断することが望ま
しい(請求項10)。その理由は上述のとおりである。
なお、この発明では、捨て肉部の外周面の、少なくとも
プローブ抜出孔が生じた部分を、深さ方向に切削するこ
とによって、プローブ抜出孔を除去しても良い。
【0030】上記第2発明において、前記接合部材は、
前記接合予定部の内側に中空部を有するとともに、該中
空部に臨んだ面の少なくとも一部に表面処理層が形成さ
れたものであることが望ましい(請求項11)。
【0031】この場合において、表面処理層としては、
例えば、防食処理を目的とした層(即ち防食処理層)が
挙げられ、詳述すると、アルマイト層等の陽極酸化層を
はじめ、メッキ層やフッ化層が例示される。
【0032】上記第2発明において、前記接合部の表面
に研磨加工又は切削加工を施すことが望ましい(請求項
12)。その理由は上述のとおりである。なお、この発
明では、接合部の表面だけではなく接合継手の表面全体
に研磨加工又は切削加工を施しても良い。
【0033】上記目的を達成するため、第3発明に係る
接合継手は、外周面に周方向の接合予定部を有する接合
部材における前記接合予定部が、該接合予定部に接合部
材の外周面側から埋入された摩擦撹拌接合用接合工具の
プローブによって該接合予定部に沿って摩擦撹拌接合さ
れることにより、外周面に周方向の接合部が形成された
接合継手であって、外周面に、該外周面を前記プローブ
が通過することにより生じたビード部が、前記接合部か
ら略螺旋状に延びて形成されていることを特徴としてい
る(請求項13)。
【0034】この接合継手では、当該接合継手を製造す
る際に上記第1発明と同様の作用を奏し得るものとな
る。
【0035】上記第3発明において、前記ビード部のリ
ード角は、0°を超え70°未満の範囲内に設定されて
いることが望ましい(請求項14)。その理由は上述の
とおりである。特に、リード角は0°を超え40°以内
の範囲内に設定されていることが望ましく、更には0°
を超え25°以内の範囲内に設定されていることがより
一層望ましい。
【0036】上記第3発明において、前記接合部の内側
に中空部を有するとともに、該中空部に臨んだ面の少な
くとも一部に表面処理層が形成されたものであることが
望ましい(請求項15)。
【0037】この場合において、表面処理層としては、
例えば、防食処理を目的とした層(即ち防食処理層)が
挙げられ、詳述すると、アルマイト層等の陽極酸化層を
はじめ、メッキ層やフッ化層が例示される。
【0038】上記第3発明において、前記接合部におけ
る継手効率が60%以上であることが望ましい(請求項
16)。この場合には、強度的信頼性の高い接合継手が
得られる。
【0039】上記第3発明において、前記接合部の表面
に研磨加工又は切削加工が施されていることが望ましい
(請求項17)。この場合には、表面状態の良好な接合
継手が得られる。なお、この発明では、接合部の表面だ
けではなく接合継手の表面全体に研磨加工又は切削加工
が施されていても良い。
【0040】上記目的を達成するため、第4発明に係る
熱交換器の製造方法は、回転可能なプローブを有する摩
擦撹拌接合用接合工具を用い、作動流体が収容される中
空部を有する筒状の第1構成部材の一端開口部を第2構
成部材によって閉塞するとともに、この閉塞部を、該閉
塞部に両構成部材の外周面側から埋入された前記プロー
ブによって該閉塞部に沿って摩擦撹拌接合し、前記閉塞
部の接合終了時又は終了後に、埋入状態のプローブが第
1構成部材又は第2構成部材の外周面を略螺旋状に通過
するように、両構成部材の外周面とプローブのうち少な
くとも一方を移動させることを特徴としている(請求項
18)。
【0041】この第4発明では、閉塞部を接合した接合
部にプローブ抜出孔が発生しなくなり、このため、該プ
ローブ抜出孔からの作動流体の漏出や腐食の発生が防止
される。また、第1構成部材又は第2構成部材の外周面
に対する接合工具の姿勢を殆ど変更しなくても、プロー
ブを第1構成部材又は第2構成部材の外周面に対して相
対的にスムーズに移動させることができ、このため、移
動操作が容易に行われるようになるし、又は移動操作を
行うための接合装置の構造が簡素化される。
【0042】また、この第4発明において、埋入状態の
プローブが第1構成部材又は第2構成部材の外周面を略
螺旋状に通過するように、両構成部材の外周面とプロー
ブのうち少なくとも一方を移動させる方法としては、次
の方法が例示される。すなわち、両構成部材の位置を固
定しておき、該両構成部材をその軸線を中心に回転させ
て該両構成部材の外周面を移動させながら、埋入状態の
プローブを両構成部材の軸線と略平行に移動させる方法
(これを「第1方法」という。)と、埋入状態のプロー
ブの位置を固定しておき、両構成部材をその軸線を中心
に回転させて該両構成部材の外周面を移動させながら、
該両構成部材をその軸線方向に移動させる方法(これを
「第2方法」という。)と、双方の方法を同時に行う方
法(これを「第3方法」という。)と、両構成部材の位
置を固定しておき且つ該両構成部材を回転させないで、
埋入状態のプローブが第1構成部材又は第2構成部材の
外周面を略螺旋状に通過するように、プローブを移動さ
せる方法(これを「第4方法」という。)と、が例示さ
れる。特に、この発明では、これら第1〜第4方法のう
ち第1〜第3方法を採用することが、移動操作を容易に
行えるようになる点等で望ましい。
【0043】また、埋入状態のプローブが、閉塞部を接
合した接合部における接合始端部に戻った直後に、上述
した移動操作を行っても良いし、あるいは、埋入状態の
プローブが、接合予定部を接合した接合部における接合
始端部に戻って更に当該接合始端部を接合部に沿って通
過した後で、つまり接合始端部を重複して接合した後
で、上述した移動操作を行っても良い。
【0044】また、第1構成部材及び第2構成部材とし
ては、金属製のものが例示され、特にアルミニウム又は
その合金製のものか、あるいは鉄又はその合金製のもの
か、あるいは銅又はその合金製のものであることが望ま
しい。また、閉塞部としては、第1構成部材の一端面の
第2構成部材への突合せ部や、第1構成部材の周壁部の
端部と第2構成部材との重合せ部が例示される。
【0045】上記第4発明において、前記第1構成部材
又は前記第2構成部材の外周面におけるプローブ通過部
のリード角が0°を超え70°未満の範囲内になるよう
に、両構成部材の外周面とプローブのうち少なくとも一
方を移動させることが望ましい(請求項19)。その理
由は上述のとおりである。また、特に望ましいリード角
の範囲等についても上述のとおりである。
【0046】上記第4発明において、埋入状態のプロー
ブを、第1構成部材の端部又は第2構成部材の端部から
なる捨て肉部において抜出することが望ましい(請求項
20)。その理由は上述のとおりである。
【0047】この場合において、埋入状態のプローブが
前記捨て肉部に到達すると同時に又はそのあとで、第1
構成部材の前記端部又は第2構成部材の前記端部を長さ
方向において切断することが望ましい(請求項21)。
この場合には、得られる熱交換器の外観体裁が向上す
る。なお、この発明では、捨て肉部の外周面の、少なく
ともプローブ抜出孔が生じた部分を、深さ方向に切削す
ることによって、プローブ抜出孔を除去しても良い。
【0048】上記第4発明において、両構成部材のうち
少なくとも一方の構成部材は、前記中空部に臨んだ面の
少なくとも一部に表面処理層が形成されたものであるこ
とが望ましい(請求項22)。
【0049】この場合において、表面処理層としては、
例えば、防食処理を目的とした層(即ち防食処理層)が
挙げられ、詳述すると、アルマイト層等の陽極酸化層を
はじめ、メッキ層やフッ化層が例示される。表面処理層
が防食処理層であることが特に望ましく、この場合に
は、優れた耐食性を有する熱交換器が得られる。
【0050】上記第4発明において、前記接合部の表面
に研磨加工又は切削加工を施すことが望ましい(請求項
23)。この場合には、表面状態の良好な熱交換器が得
られる。なお、この発明では、接合部の表面だけではな
く熱交換器の表面全体に研磨加工又は切削加工を施して
も良い。
【0051】上記第4発明において、前記第2構成部材
は、被冷却体又は被加熱体と接続される接続用突出部を
有するとともに、前記第1構成部材の一端開口部を閉塞
した状態のもとで前記突出部が前記中空部内に挿入配置
されており、前記プローブが前記第1構成部材の外周面
側から該第1構成部材の周壁部を貫通して前記突出部の
先端部に埋入された状態に配置し、この埋入状態のプロ
ーブにより前記突出部の先端部を前記第1構成部材の周
壁部に周方向に摩擦撹拌接合して、第2接合部を形成
し、前記突出部の先端部の、前記第1構成部材の周壁部
への接合終了時又は終了後に、埋入状態のプローブが第
1構成部材又は第2構成部材の外周面を略螺旋状に通過
するように、両構成部材の外周面とプローブのうち少な
くとも一方を移動させることが望ましい(請求項2
4)。
【0052】この場合には、突出部の先端部の、第1構
成部材の周壁部への接合終了時又は終了後に、埋入状態
のプローブが第1構成部材又は第2構成部材の外周面を
略螺旋状に通過するように、両構成部材の外周面とプロ
ーブのうち少なくとも一方を移動させることにより、第
2接合部にプローブ抜出孔が発生しなくなる。また、こ
の移動操作によれば、埋入状態のプローブは、所定の部
位を略螺旋状に通過するから、第1構成部材又は第2構
成部材の外周面に対する接合工具の姿勢を殆ど変更しな
くても、プローブを第1構成部材又は第2構成部材の外
周面に対して相対的にスムーズに移動させることができ
る。このため、移動操作が容易に行われるようになる
し、又はこれを行う接合装置の構造が簡素化される。
【0053】また、この場合において、埋入状態のプロ
ーブが第1構成部材又は第2構成部材の外周面を略螺旋
状に通過するように、両構成部材の外周面とプローブの
うち少なくとも一方を移動させる方法としては、上述し
た第1〜第4方法が例示され、特に第1〜第3方法を採
用することが望ましい。
【0054】また、埋入状態のプローブが、第2接合部
における接合始端部に戻った直後に、移動操作を行って
も良いし、あるいは、埋入状態のプローブが、第2接合
部における接合始端部に戻って更に当該接合始端部を第
2接合部に沿って通過した後で、つまり接合始端部を重
複して接合した後で、移動操作を行っても良い。
【0055】なお、この発明では、突出部の先端部の、
第1構成部材の周壁部への接合は、上述した閉塞部の接
合よりも先に行っても良いし、その後に行っても良い
し、あるいは同時に行っても良いことはもちろんであ
る。また、熱交換器を構成する構成部材の個数が3個以
上であって接合予定部が複数箇所存在している場合にお
いては、これら複数箇所の接合予定部の接合は同時に行
っても良いし、別々に行っても良い。
【0056】また、被冷却体としては、プラズマCVD
装置等の成膜装置に用いられるとともに成膜用基板又は
ターゲットが取り付けられる台部材が例示される。この
台部材は、例えば金属製のものであって、特にアルミニ
ウム又はその合金製のものであることが望ましい。
【0057】上記第4発明において、前記第1構成部材
の外周面におけるプローブ通過部のリード角が0°を超
え70°未満の範囲内になるように、第1構成部材の外
周面とプローブのうち少なくとも一方を移動させること
が望ましい(請求項25)。その理由は、上述のとおり
である。また、特に望ましいリード角の範囲等について
も上述のとおりである。
【0058】上記第4発明において、埋入状態のプロー
ブを、第1構成部材の端部からなる捨て肉部において抜
出することが望ましい(請求項26)。この場合には、
第2接合部にプローブ抜出孔が残存しなくなる。
【0059】上記第4発明において、埋入状態のプロー
ブが前記捨て肉部に到達すると同時に又はそのあとで、
第1構成部材の前記端部を長さ方向において切断するこ
とが望ましい(請求項27)。この場合には、得られる
熱交換器の外観体裁が向上する。なお、この発明では、
捨て肉部の外周面の、少なくともプローブ抜出孔が生じ
た部分を、深さ方向に切削することによって、プローブ
抜出孔を除去しても良い。
【0060】上記第4発明において、前記突出部の内部
に、前記被冷却体又は被加熱体の接続部が挿入される挿
入孔を形成することが望ましい(請求項28)。この場
合には、被冷却体又は被加熱体を効率良く冷却又は加熱
することのできる熱交換器が得られる。
【0061】上記第4発明において、前記第2接合部の
表面に研磨加工又は切削加工を施すことが望ましい(請
求項29)。この場合には、表面状態の良好な熱交換器
が得られる。なお、この発明では、第2接合部の表面だ
けではなく接合部材の表面全体に研磨加工又は切削加工
を施しても良い。
【0062】上記第4発明において、前記突出部の外周
面に、前記中空部を仕切る1個又は複数個の仕切り壁部
が設けられるとともに、少なくとも1個の仕切り壁部の
一部に作動流体流通用切欠き部が設けられていることが
望ましい(請求項30)。この場合には、熱交換効率の
高い熱交換器が得られる。
【0063】上記第4発明において、前記仕切り壁部
は、略螺旋状に設けられていることが望ましい(請求項
31)。この場合には、極めて高い熱交換効率を有する
熱交換器が得られる。この仕切り壁部のリード角は、0
°を超え70°未満の範囲内に設定されていることが望
ましい。特に、リード角は0°を超え40°以内の範囲
内に設定されていることが望ましく、更には0°を超え
25°以内の範囲内に設定されていることがより一層望
ましい。
【0064】なお、仕切り壁部の個数が複数個である場
合においては、これら複数個の仕切り壁部は、互いに所
定の位相差をもって突出部の外周面に設けられているこ
とが望ましい。この位相差としては、180°、120
°、90°、60°、45°、30°、15°、10°
等が挙示され、通常この位相差は10〜180°の範囲
内に設定されるが、この発明はこれに限定されるもので
はない。
【0065】上記第4発明において、前記仕切り壁部を
前記第1構成部材の周壁部に摩擦撹拌接合することが望
ましい(請求項32)。この場合には、強度的信頼性の
高い熱交換器が得られる。また、中空部が仕切り壁部に
よって確実に仕切られるものとなり、もって、得られる
熱交換器の熱交換効率が向上する。
【0066】上記第4発明において、前記仕切り壁部
を、該仕切り壁部に沿って摩擦撹拌接合することが望ま
しい(請求項33)。この場合には、仕切り壁部が第1
構成部材の周壁部に強固に固定される。なお、仕切り壁
部が突出部の外周面に略螺旋状に設けられている場合に
は、この仕切り壁部を第1構成部材の周壁部に接合した
接合部は略螺旋状に形成されることとなる。
【0067】上記第4発明において、前記仕切り壁部を
第1構成部材の周壁部に摩擦撹拌接合した第3接合部の
表面に研磨加工又は切削加工を施すことが望ましい(請
求項34)。この場合には、表面状態の良好な熱交換器
が得られる。なお、この発明では、第3接合部の表面だ
けではなく熱交換器の表面全体に研磨加工又は切削加工
を施しても良い。
【0068】上記目的を達成するため、第5発明に係る
熱交換器は、作動流体が収容される中空部を有する筒状
の第1構成部材の一端開口部が第2構成部材によって閉
塞されるとともに、この閉塞部が、摩擦撹拌接合用接合
工具のプローブによって該閉塞部に沿って摩擦撹拌接合
されることにより、外周面に接合部が形成されており、
第1構成部材又は第2構成部材の外周面に、該外周面を
前記プローブが通過することにより生じたビード部が、
前記接合部から略螺旋状に延びて形成されていることを
特徴としている(請求項35)。この熱交換器では、当
該熱交換器を製造する際に上記第4発明と同様の作用を
奏し得る。
【0069】上記第5発明において、前記ビード部のリ
ード角は、0°を超え70°未満の範囲内に設定されて
いることが望ましい(請求項36)。その理由は上述の
とおりである。また、特にリード角は0°を超え40°
以内の範囲内に設定されていることが望ましく、更には
0°を超え25°以内の範囲内に設定されていることが
より一層望ましい。
【0070】上記第5発明において、両構成部材のうち
少なくとも一方の構成部材は、前記中空部に臨んだ面の
少なくとも一部に表面処理層が形成されたものであるこ
とが望ましい(請求項37)。
【0071】この場合において、表面処理層としては、
例えば、防食処理を目的とした層(即ち防食処理層)が
挙げられ、詳述すると、アルマイト層等の陽極酸化層を
はじめ、メッキ層やフッ化層が例示される。表面処理層
が防食処理層であることが特に望ましく、この場合に
は、優れた耐食性を有する熱交換器が得られる。
【0072】上記第5発明において、前記接合部の表面
に研磨加工又は切削加工が施されていることが望ましい
(請求項38)。この場合には、外観体裁の良好な熱交
換器ら得られる。なお、この発明では、接合部の表面だ
けではなく熱交換器の表面全体に研磨加工又は切削加工
が施されていても良い。
【0073】上記第5発明において、前記接合部におけ
る継手効率が60%以上であることが望ましい(請求項
39)。この場合には、強度的信頼性の高い熱交換器が
得られる。
【0074】上記第5発明において、両構成部材のうち
少なくとも一方の構成部材に、前記中空部と連通した作
動流体流入口又は作動流体流出口が設けられていること
が望ましい(請求項40)。この場合には、得られる熱
交換器において、作動流体が中空部内を流通するように
なる。したがって、熱交換効率の高い熱交換器が得られ
る。
【0075】上記第5発明において、前記第2構成部材
は、被冷却体又は被加熱体と接続される接続用突出部を
有するとともに、前記第1構成部材の一端開口部を閉塞
した状態のもとで前記突出部が前記中空部内に挿入配置
されており、前記突出部の内部には、前記被冷却体又は
被加熱体の接続部が挿入される挿入孔が形成されてお
り、前記プローブにより前記突出部の先端部が前記第1
構成部材の周壁部に周方向に摩擦撹拌接合されることに
よって、第2接合部が形成され、第1構成部材又は第2
構成部材の外周面に、該外周面を埋入状態のプローブが
通過することにより生じた第2ビード部が、前記第2接
合部から略螺旋状に延びて形成されていることが望まし
い(請求項41)。
【0076】上記第5発明において、前記第2ビード部
のリード角は、0°を超え70°未満の範囲内に設定さ
れていることが望ましい(請求項42)。また、特にこ
のリード角は、0°を超え40°以内の範囲内に設定さ
れていることが望ましく、更には0°を超え25°以内
の範囲内に設定されていることがより一層望ましい。
【0077】上記第5発明において、前記第2接合部の
表面に研磨加工又は切削加工が施されていることが望ま
しい(請求項43)。この場合には、外観体裁の良好な
熱交換器が得られる。なお、この発明では、第2接合部
の表面だけではなく熱交換器の表面全体に研磨加工又は
切削加工が施されていても良い。
【0078】上記第5発明において、前記第2接合部に
おける継手効率が60%以上であることが望ましい(請
求項44)。この場合には、強度的信頼性の高い熱交換
器が得られる。
【0079】上記第5発明において、前記突出部の外周
面に、前記中空部を仕切る1個又は複数個の仕切り壁部
が設けられるとともに、少なくとも1個の仕切り壁部の
一部に作動流体流通用切欠き部が設けられていることが
望ましい(請求項45)。この場合には、熱交換器の熱
交換効率が高くなる。
【0080】上記第5発明において、前記仕切り壁部
は、略螺旋状に設けられていることが望ましい(請求項
46)。この場合には、熱交換器の熱交換効率がより高
くなる。この仕切り壁部のリード角は、0°を超え70
°未満の範囲内に設定されていることが望ましい。特
に、リード角は0°を超え40°以内の範囲内に設定さ
れていることが望ましく、更には0°を超え25°以内
の範囲内に設定されていることがより一層望ましい。
【0081】上記第5発明において、前記仕切り壁部
は、前記第1構成部材の周壁部に摩擦撹拌接合されてい
ることが望ましい(請求項47)。この場合には、熱交
換器の強度的信頼性が高くなる。
【0082】上記第5発明において、前記仕切り壁部
は、該仕切り壁部に沿って摩擦撹拌接合されていること
が望ましい(請求項48)。この場合には、中空部を仕
切り壁部によって確実に仕切ることができて、熱交換器
の熱交換効率が向上する。
【0083】上記第5発明において、前記仕切り壁部が
第1構成部材の周壁部に摩擦撹拌接合された第3接合部
の表面に研磨加工又は切削加工が施されていることが望
ましい(請求項49)。この場合には、熱交換器の外観
体裁が良好になる。なお、この発明では、第3接合部の
表面だけではなく熱交換器の表面全体に研磨加工又は切
削加工が施されていても良い。
【0084】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施形態につい
て図面を参照して説明する。
【0085】図1〜図5は、この発明の実施形態に係る
熱交換器(1)を示している。図6は、この熱交換器
(1)が用いられた成膜装置としてのプラズマCVD装
置(100)の模式図を示している。図6に示すように、
このプラズマCVD装置(100)のチャンバ(101)内に
は、ターゲット(102)が板状の台部材(103)上に取り
付けられている。また、基板(104)がこれを加熱する
ヒータ(例:シース/セラミックヒータ、105)を介し
て台部材(106)上に取り付けられている。この台部材
(106)は、アルミニウム又はその合金製のものであっ
て、円板状等の板状台部(106a)と、該台部(106a)の
中央部に突出状に形成された接続部としての棒状の軸部
(106b)とを有している。
【0086】一方、熱交換器(1)は、前記台部材(10
6)を冷却するための冷却器として用いられるものであ
る。したがって、この実施形態では台部材(106)が
「被冷却体」となる。また、同図に示すように、この台
部材(106)の軸部(106b)が熱交換器(1)に装着さ
れている。
【0087】次に、この熱交換器(1)の構成について
説明する。図1〜図4に示すように、この熱交換器
(1)は、所定長さを有する有底円筒状の第1熱交換器
構成部材(10)と、該第1構成部材(10)の一端開口部
を閉塞する略円柱状の第2熱交換器構成部材(20)とを
備えている。第1及び第2構成部材(10)(20)はとも
に、アルミニウム又はその合金製のものである。第1構
成部材(10)の直径と第2構成部材(20)の直径とは同
寸に設定されている。
【0088】なお、この実施形態においては、両構成部
材(10)(20)が「接合部材」に対応し、熱交換器
(1)が「接合継手」に対応している。
【0089】第1構成部材(10)の中空部(11)内に
は、作動流体としての冷却液(例:冷却水)が収容され
るものであり、この実施形態では、冷却液は中空部(1
1)内を流通されるものである。また、図2において、
(12)は第1構成部材(10)の周壁部、(13)は第1構
成部材(10)の底壁部である。
【0090】第2構成部材(20)の一端部には、第1構
成部材(10)の一端開口部を閉塞するための断面略円形
状の栓部(21)が突出して一体に設けられている。さら
に、この栓部(21)の中心部には、台部材(106)の軸
部(106b)と接続される断面略円形状の接続用突出部
(23)が、軸線上に突出して一体に設けられている。ま
た、この栓部(21)の外周縁部には、径方向に突出した
フランジ部(22)が全周に亘って一体に設けられてい
る。
【0091】この第2構成部材(20)において、突出部
(23)の直径は、第1構成部材(10)の中空部(11)の
径(即ち、第1構成部材(10)の周壁部(12)の内径)
よりも小寸に設定されている。さらに、突出部(23)の
外周面には、軸線方向に略真っ直ぐに延びた複数個の仕
切り壁部(25)が互いに所定の位相差をもって一体に突
出して設けられている(図7参照)。この仕切り壁部
(25)は、第1構成部材(10)の中空部(11)を仕切る
ためのものである。この実施形態では、仕切り壁部(2
5)の個数は4個であって、これら仕切り壁部(25)の
位相差は90°に設定されている。また、突出部(23)
の先端部には、径方向に膨出した接合用膨出部(24)が
全周に亘って一体に設けられている。
【0092】そして、第1構成部材(10)の一端開口部
が第2構成部材(20)の栓部(21)によって閉塞されて
いる。この閉塞状態において、第1構成部材(10)の外
周面と第2構成部材(20)の外周面とは面一に連なって
いる。また、第2構成部材(20)の栓部(21)は、第1
構成部材(10)の一端開口部内に圧入されて配置されて
いる。また、第2構成部材(20)のフランジ部(22)の
フランジ面は、第1構成部材(10)の一端面に突き合わ
されている。そして、この閉塞部(H)が全周に亘って
密閉状態に摩擦撹拌接合されることにより、接合部(W
1、これを「第1接合部」という。)が形成されて、こ
の閉塞部(H)から冷却液が漏出しないものとなされて
いる。この実施形態では、摩擦撹拌接合された閉塞部
(H)の部位は、第2構成部材(20)のフランジ部(2
2)のフランジ面と第1構成部材(10)の一端面との突
合せ部である。なお、この発明では、摩擦撹拌接合され
る閉塞部(H)の部位は、栓部(21)と第1構成部材
(10)の周壁部(12)との重合せ部であっても良い。
【0093】また、こうして閉塞部(H)を接合した第
1接合部(W1)は、図1に示すように、両構成部材(1
0)(20)の外周面に該閉塞部(H)に沿って全周に亘
って形成されている。さらに、図2及び図3に示すよう
に、第1構成部材(10)の一端開口部が閉塞された状態
のもとで、第2構成部材(20)の突出部(23)が第1構
成部材(10)の中空部(11)内に、第1構成部材(10)
と同軸状に挿入配置されている。この実施形態では、突
出部(23)の仕切り壁部(25)と膨出部(24)は、第1
構成部材(10)の中空部(11)内に圧入されて挿入配置
されている。そして、この挿入状態で、突出部(23)の
膨出部(24)が第1構成部材(10)の周壁部(12)に全
周に亘って周方向に摩擦撹拌接合されており、これによ
り、第1構成部材(10)の外周面には、図1に示すよう
に、突出部(23)の膨出部(24)を第1構成部材(10)
の周壁部(12)に接合した接合部(W2、これを「第2
接合部」という。)が全周に亘って形成されている。
【0094】また、第2構成部材(20)の突出部(23)
の内部には、図2及び図3に示すように、台部材(10
6)の軸部(106a)が挿入される挿入孔(27)が、第1
構成部材(10)の底壁部(13)を貫通した状態で、突出
部(23)と同軸状に形成されている。この挿入孔(27)
は断面略円形状のものである。この挿入孔(27)の形成
は、例えば切削加工により行われたものである。
【0095】また、第1構成部材(10)の中空部(11)
は、図4に示すように、複数個(この実施形態では4
個)の仕切り壁部(25)によって周方向に複数個(この
実施形態では4個)の室(11A)(11B)(11C)(11D)
に仕切られている。また、これら複数個(この実施形態
では4個)の仕切り壁部(25)における周方向に隣り合
う2個の仕切り壁部において、一方の仕切り壁部(25)
の先端部及び他方の仕切り壁部(25)の基端部には、そ
れぞれ冷却液流通用切欠き部(26)が形成されている
(図7参照)。
【0096】さらに、第2構成部材(20)には、複数個
(この実施形態では4個)の室(11A)(11B)(11C)
(11D)のうち1個の室(11A)と連通した冷却液流入路
(31)が形成されるとともに、他の1個の室(11D)と
連通した作動流体流出路(32)が形成されている(図4
参照)。そして、図1に示すように、冷却液流入路(3
1)の流入口(31a)には、冷却液供給用パイプ(図示せ
ず)が接続されるジョイント(例:竹の子ジョイント、
33)が取り付けられ一方、冷却液流出路(32)の流出口
(32a)には、冷却液排出用パイプ(図示せず)が接続
されるジョイント(例:竹の子ジョイント、34)が取り
付けられている。
【0097】この熱交換器(1)では、冷却液は、冷却
液流入口(31a)から冷却液流入路(31)を通って一つ
の室(11A、これを「第1室」という。)内に流入す
る。そして、流入した冷却液は、第1室(11A)内を流
通したのち、冷却液流通用切欠き部(26)を流通して前
記第1室(11A)に隣接する室(11B、これを「第2室」
という。)内に流入する。こうして冷却液が複数個の室
内を順次流通したのち、冷却液流出路(32)を通ってそ
の流出口(32a)から流出(排出)される。したがっ
て、冷却液は、中空部(11)内を周方向において略蛇行
状に流通するものとなり、このため、挿入孔(27)内に
挿入された台部材(106)の軸部(106b)が効率良く冷
却されるものとなる。一方、台部材(106)はその軸部
(106b)から冷却されることとなる。
【0098】また、図5に示すように、第1構成部材
(10)の周壁部(12)の内周面及び外周面には、防食処
理層(即ち表面処理層)としてのアルマイト層(30)が
略全面に亘って形成されている。一方、第2構成部材
(20)の突出部(23)の外周面及び仕切り壁部(25)の
外面には、同じく防食処理層としてのアルマイト層(3
0)が略全面に亘って形成されている。したがって、こ
の実施形態では、両構成部材(10)(20)における中空
部(11)に臨んだ面には、アルマイト層(30)が略全面
に亘って形成されている。
【0099】次に、この熱交換器(1)の製造方法につ
いて説明する。
【0100】まず、図7に示した第1構成部材(10)及
び第2構成部材(20)を準備する。この第2構成部材
(20)の一端部には、上述した栓部(21)、突出部(2
3)、膨出部(24)、仕切り壁部(25)及び冷却液流通
用切欠き部(26)が設けられている。一方、この第2構
成部材(20)の他端部(即ち、第2構成部材(20)の栓
部(21)側とは反対側の端部)は、第1捨て肉部(29)
となされている。(S1)は第1切断予定面である。こ
の第1捨て肉部(29)の直径と第2構成部材(20)の直
径とは同寸に設定されており、この第1捨て肉部(29)
の外周面と第2構成部材(20)の外周面とは面一に連な
っている。また、この第2構成部材(20)の突出部(2
3)の外周面及び仕切り壁部(25)の外面には、上述し
たアルマイト層(図5参照、30)が形成されている。こ
の実施形態では、アルマイト層(30)は第2構成部材
(20)の全表面に形成されている。なお、第2構成部材
(20)の突出部(23)の内部には、まだ上述した挿入孔
(図2参照、27)は形成されていない。
【0101】一方、第1構成部材(10)の他端部(即
ち、第1構成部材(10)の底壁部(13)側の端部)は、
第2捨て肉部(19)となされている。(S2)は第2切
断予定面である。この第2捨て肉部(19)の直径と第1
構成部材(10)の直径とは同寸に設定されており、この
第2捨て肉部(19)の外周面と第1構成部材(10)の外
周面とは面一に連なっている。この第1構成部材(10)
の周壁部(12)の内周面及び外周面には、上述したアル
マイト層(図5参照、30)が形成されている。この実施
形態では、アルマイト層(30)は第1構成部材(10)の
全表面に形成されている。
【0102】以上の構成の第1構成部材(10)及び第2
構成部材(20)を用い、図7に示すように、第1構成部
材(10)の中空部(11)内に、第2構成部材(20)の突
出部(23)を挿入配置するとともに、第2構成部材(2
0)の栓部(21)を第1構成部材(10)の一端開口部内
に圧入して配置する。更に、第1構成部材(10)の一端
面と第2構成部材(20)のフランジ部(22)のフランジ
面(22a)とを突き合わせる。これにより、第1構成部
材(10)の一端開口部が第2構成部材(20)によって閉
塞される。この閉塞状態において、図8に示すように、
第1構成部材(10)の軸線(P)と第2構成部材(20)
の軸線(P)とは一致しており、第1構成部材(10)の
外周面と第2構成部材(20)の外周面とは面一に連なっ
ている。そして、第1構成部材(10)と第2構成部材
(20)をそれぞれ図示しないチャック装置によって把持
し、両構成部材(10)(20)をこの状態に保持する。チ
ャック装置は回転駆動装置を備えており、この回転駆動
装置が作動することにより、両構成部材(10)(20)が
その軸線(P)を中心に一体に回転されるものとなされ
ている。
【0103】次いで、第1構成部材(10)の一端開口部
を閉塞した閉塞部(H)を摩擦撹拌接合する。この接合
手順について説明すると、次のとおりである。
【0104】図8において、(50)は摩擦撹拌接合用接
合工具である。この接合工具(50)は、径大の円柱状回
転子(51)と、該回転子(51)の端面(51a)の中央部
に該回転子(51)の軸線上に突出して一体に設けられた
径小のピン状プローブ(52)とを有している。プローブ
(52)は、回転子(51)が回転することで該回転子(5
1)と一体に回転されるものとなされている。図9にお
いて、(R)はプローブ(52)及び回転子(51)の回転
軸線である。回転子(51)及びプローブ(52)はとも
に、両構成部材(10)(20)よりも硬質で且つ接合時に
発生する摩擦熱に耐えうる耐熱材料によって形成されて
いる。また、プローブ(52)の外周面には撹拌用突部
(図示せず)が設けられている。
【0105】この接合工具(50)を用い、図9及び図1
0に示すように、回転子(51)を回転させてプローブ
(52)を回転させながら、該プローブ(52)の回転軸線
(R)を両構成部材(10)(20)の軸線(P)に対して
接合方向前方側にずらした状態にして、該プローブ(5
2)を閉塞部(H)に両構成部材(10)(20)の外周面
側から埋入する。あるいは、プローブ(52)を閉塞部
(H)に埋入した後で上述のずらした状態にしても良い
ことはもちろんである。更に、回転子(51)の端面(51
a)を両構成部材(10)(20)の外周面に押し付ける。
この押付けにより、接合開始時あるいは接合途中に生じ
ることのある軟化部の肉の飛散を防止し得て良好な接合
状態を実現し得るとともに、両構成部材(10)(20)と
回転子(51)の端面(51a)との摺動によって摩擦熱を
更に発生させて、プローブ(52)との接触部あるいはそ
の近傍の軟化を促進することができ、更には第1接合部
(W1)の表面に形成されることのあるバリ等の凹凸を
防止することができる。なお、この実施形態では、プロ
ーブ(52)は、閉塞部(H)における、第1構成部材
(10)の一端面と第2構成部材(20)のフランジ部(2
2)のフランジ面(22a)との突合せ部に埋入されてい
る。図10において、Tは、両構成部材(10)(20)の
外周面のプローブ埋入位置における法線である。θは、
この法線Tに対するプローブ(52)の回転軸線(R)の
接合方向後方側への傾斜角である。
【0106】このように、両構成部材(10)(20)の外
周面に対する接合工具(50)の姿勢を設定することによ
り、回転子(51)の端面(51a)における接合方向前方
側の部分が、両構成部材(10)(20)の外周面から浮き
上がるとともに、回転子(51)の端面(51a)における
接合方向後方側の部分が、両構成部材(10)(20)の外
周面に押し付けられて僅かに埋入された態様になる。こ
のため、接合時において、回転子(51)の端面(51a)
における接合方向前方側の縁部が両構成部材(10)(2
0)の外周面に存在することのある微細な凹凸部(図示
せず)に引っ掛かる不具合が防止されて、プローブ(5
2)がスムーズに閉塞部(H)を通過し得るようになる
し、その上、両構成部材(10)(20)の軟化部の肉を回
転子(51)の端面(51a)で受けることができて、肉不
足に伴う接合欠陥の発生を防止することができる。した
がって、このように接合工具(50)の姿勢を設定する。
【0107】そして、この接合工具(50)の姿勢のまま
で、埋入状態のプローブ(52)によって閉塞部(H)を
該閉塞部(H)に沿って摩擦撹拌接合する。この接合手
順は次のとおりである。すなわち、上述した接合工具
(50)の姿勢のままで、埋入状態のプローブ(52)の位
置を固定しておく。そして、図11に示すように、両構
成部材(10)(20)をその軸線(P)を中心に一体に所
定方向(矢印Kの方向)に回転させることにより、埋入
状態のプローブ(52)が閉塞部(H)を順次通過するよ
うに、両構成部材(10)(20)の外周面をプローブ(5
2)に対して移動させる。したがって、この実施形態で
は、両構成部材(10)(20)の回転方向(K)とは反対
の方向が「接合方向」となる。
【0108】プローブ(52)の回転により発生する摩擦
熱と、回転子(51)の端面(51a)と両構成部材(10)
(20)の外周面との摺動に伴い発生する摩擦熱とによっ
て、プローブ埋入位置の近傍において両構成部材(10)
(20)は軟化するとともに、この軟化部がプローブ(5
2)の回転力を受けて撹拌混合される。そして、この軟
化部がプローブ(52)の通過溝を埋めるように塑性流動
したのち、摩擦熱を急速に失って冷却固化する。この現
象が両構成部材(10)(20)の回転に伴って順次繰り返
されていく。(W1)は、閉塞部(H)を接合した第1
接合部である。こうして閉塞部(H)が接合されること
により、該閉塞部(H)が密閉される。
【0109】そして、接合始端部がプローブ(52)の埋
入位置に戻ってきたとき、あるいは更に接合始端部がプ
ローブ(52)の埋入位置を通過したとき、つまり両構成
部材(10)(20)が1回転以上したとき、図12及び図
13に示すように、閉塞部(H)は全周に亘って接合さ
れたこととなり、閉塞部(H)の接合が終了となるが、
このプローブ埋入位置でプローブ(52)を抜出すると、
第1接合部(W1)にプローブ抜出孔が生じてしまい、
このプローブ抜出孔から冷却液が漏出したり腐食が生じ
たりする虞がある。
【0110】そこで、かかる不具合を防止すべく、閉塞
部(H)の接合が終了した後で、詳述すると閉塞部
(H)が全周に亘って接合された後で、図13に示すよ
うに、両構成部材(10)(20)の位置を固定しておき、
該両構成部材(10)(20)を回転させた状態のままで、
埋入状態のプローブ(52)を両構成部材(10)(20)の
軸線(P)と略平行に第2構成部材(20)の他端部(即
ち、第1捨て肉部(29))に向かって移動させる。
(M)は、このときのプローブ(52)の移動方向を示し
ている。この移動操作により、埋入状態のプローブ(5
2)が、第2構成部材(20)の外周面の、第1接合部
(W1)より該第2構成部材(20)の他端部側の部位を
略螺旋状に通過するものとなる。また、この移動操作に
伴い、第2構成部材(20)の外周面の前記部位には、該
部位をプローブ(52)が通過することにより生じた第1
ビード部(X1)が、第1接合部(W1)から略螺旋状に
延びて形成される。この第1ビード部(X1)は、プロ
ーブ(52)の通過部に沿って形成されたものであって、
プローブ通過部において摩擦熱にて軟化した第2構成部
材(20)の軟化部が固化した部分である。さらに、この
移動操作において、第2構成部材(20)の外周面におけ
るプローブ通過部(即ち、第1ビード部(X1))のリ
ード角β1が0°を超え70°未満の範囲内になるよう
に、埋入状態のプローブ(52)を両構成部材(10)(2
0)の軸線(P)と略平行に移動させることが望まし
い。このリード角β1の設定は、両構成部材(10)(2
0)の外周面の周速度やプローブ(52)の移動速度を適
宜調整することにより、容易に行うことができる。な
お、この発明では、埋入状態のプローブ(52)の位置を
固定しておき、両構成部材(10)(20)を回転させた状
態でその軸線方向に移動させても良い。(L)は、この
場合における両構成部材(10)(20)の移動方向を示し
ている。
【0111】そして、図14に示すように、埋入状態の
プローブ(52)が第1切断予定面(S1)を越えて第1
捨て肉部(29)に到達したのち、該プローブ(52)を第
1捨て肉部(29)において抜出する。このプローブ(5
2)の抜出によって、図15に示すように、第1捨て肉
部(29)の外周面にプローブ抜出孔(Y)が生じること
となる。
【0112】一方、第2構成部材(20)の突出部(23)
の先端膨出部(24)を、第1構成部材(10)の周壁部
(12)に摩擦撹拌接合する。この接合手順について説明
すると、次のとおりである。
【0113】すなわち、図15〜図18に示すように、
上述した接合工具(50)を用い、プローブ(52)を回転
させながら、該プローブ(52)の回転軸線(R)を両構
成部材(10)(20)の軸線(P)に対して接合方向前方
側にずらした状態にするとともに、該プローブ(52)が
第1構成部材(10)の外周面側から第1構成部材(10)
の周壁部(12)を貫通して第2構成部材(20)の突出部
(23)の先端膨出部(24)に埋入された状態に配置す
る。このように接合工具(50)の姿勢を設定することに
より、上述したように、回転子(51)の端面(51a)に
おける接合方向前方側の部分が、両構成部材(10)(2
0)の外周面から浮き上がるとともに、回転子(51)の
端面(51a)における接合方向後方側の部分が、第1構
成部材(10)の外周面に押し付けられて僅かに埋入され
た態様になる。
【0114】そして、この接合工具(50)の姿勢のまま
で、埋入状態のプローブ(52)の位置を固定しておき、
図19に示すように、両構成部材(10)(20)をその軸
線(P)を中心に一体に所定方向(矢印Kの方向)に回
転させることにより、両構成部材(10)(20)の外周面
をプローブ(52)に対して移動させる。この移動操作に
伴い、膨出部(24)が第1構成部材(10)の周壁部(1
2)にプローブ(52)によって周方向に摩擦撹拌接合さ
れ、これにより、膨出部(24)を第1構成部材(10)の
周壁部(12)に接合した第2接合部(W2)が形成され
る。そして、両構成部材(10)(20)を1回転以上させ
ることにより、膨出部(24)が第1構成部材(10)の周
壁部(12)に全周に亘って接合される。
【0115】次いで、両構成部材(10)(20)の位置を
固定しておき、該両構成部材(10)(20)を回転させた
状態のままで、図20に示すように、埋入状態のプロー
ブ(52)を両構成部材(10)(20)の軸線(P)と略平
行に第1構成部材(10)の他端部(即ち、第2捨て肉部
(19))に向かって移動させる。(M)は、このときの
プローブ(52)の移動方向を示している。この移動操作
により、埋入状態のプローブ(52)が、第1構成部材
(10)の外周面の、第2接合部(W2)より第1構成部
材(10)の他端部側の部位を略螺旋状に通過するように
なる。また、この移動操作に伴い、第1構成部材(10)
の外周面の前記部位には、この部位をプローブ(52)が
通過することにより生じた第2ビード部(X2)が、第
2接合部(W2)から螺旋状に延びて形成される。この
第2ビード部(X2)は、プローブ(52)の通過部に沿
って形成されたものであって、プローブ通過部において
摩擦熱にて軟化した第1構成部材(10)の軟化部が固化
した部分である。さらに、この移動操作において、第1
構成部材(10)の外周面におけるプローブ通過部(即
ち、第2ビード部(X2))のリード角β2が0°を超え
70°未満の範囲内になるように、埋入状態のプローブ
(52)を両構成部材(10)(20)の軸線(P)と略平行
に移動させることが望ましい。このリード角β2の設定
は、両構成部材(10)(20)の外周面の周速度やプロー
ブ(52)の移動速度を適宜調整することにより、容易に
行うことができる。なお、この発明では、埋入状態のプ
ローブ(52)の位置を固定しておき、両構成部材(10)
(20)をその軸線(P)を中心に回転させながらその軸
線方向に移動させても良い。(L)は、この場合におけ
る両構成部材(10)(20)の移動方向を示している。
【0116】そして、埋入状態のプローブ(52)が第2
切断予定面(S2)を越えて第2捨て肉部(19)に到達
したのち、該プローブ(52)を第2捨て肉部(19)にお
いて抜出する。このプローブ(52)の抜出によって、図
21に示すように、第2捨て肉部(19)の外周面にプロ
ーブ抜出孔(Y)が生じることとなる。
【0117】次いで、図22に示すように、第2構成部
材(20)の他端部を長さ方向において第1切断予定面
(S1)に沿って切断工具(図示せず)により切断し
て、第1捨て肉部(29)を除去する。同じく、第1構成
部材(10)の他端部を長さ方向において第2切断予定面
(S2)に沿って切断工具(図示せず)により切断し
て、第2捨て肉部(19)を除去する。
【0118】なお、図示していないが、第1捨て肉部
(29)の外周面の、少なくともプローブ抜出孔(Y)が
生じた部分を、切削加工によって深さ方向に切削するこ
とにより、このプローブ抜出孔(Y)を除去しても良
い。同じく、第2捨て肉部(19)の外周面の、少なくと
もプローブ抜出孔(Y)が生じた部分を、切削加工によ
って深さ方向に切削することにより、このプローブ抜出
孔(Y)を除去しても良い。
【0119】次いで、第2構成部材(20)の突出部(2
3)の内部に、挿入孔(27)を切削加工によって第1構
成部材(10)の底壁部(13)を貫通して切削形成する。
【0120】一方また、第1接合部(W1)、第1ビー
ド部(X1)、第2接合部(W2)及び第2ビード部(X
2)の表面に、それぞれ研磨布紙等を用いて研磨加工を
施す。これにより、両構成部材(10)(20)の外周面に
生じた接合痕やプローブ通過痕が除去されて、両構成部
材(10)(20)の表面状態が良好になる。なお、第1接
合部(W1)、第1ビード部(X1)、第2接合部(W
2)及び第2ビード部(X2)の表面に、それぞれ切削加
工を施すことによって、両構成部材(10)(20)の外周
面に生じた接合痕やプローブ通過痕を除去しても良い。
あるいは、熱交換器(1)の外周面全面に研磨加工又は
/及び切削加工を施すことによって、両構成部材(10)
(20)の外周面に生じた接合痕やプローブ通過痕を除去
しても良い。
【0121】次いで、第1構成部材(10)の所定部位に
ジョイント(33)(34)等を取り付ける等して最終加工
を行い、もって図1に示した所望する熱交換器(1)が
製作される。
【0122】而して、上記実施形態の熱交換器(1)
は、プローブ抜出孔が存在していないので、プローブ抜
出孔からの作動流体の漏出や腐食は発生せず、長期に亘
ってこれを使用することができる。
【0123】さらに、プローブ(52)を第1捨て肉部
(29)へ移動させるに際し、埋入状態のプローブ(52)
は、第2構成部材(20)の外周面を略螺旋状に通過する
から、接合工具(50)の姿勢を変更しなくても、プロー
ブ(52)をスムーズに第1捨て肉部(29)へ移動させる
ことができる。同じく、プローブ(52)を第2捨て肉部
(19)へ移動させるに際し、埋入状態のプローブ(52)
は、第1構成部材(10)の外周面を略螺旋状に通過する
から、接合工具(50)の姿勢を変更しなくても、プロー
ブ(52)をスムーズに第2捨て肉部(19)へ移動させる
ことができる。したがって、この摩擦撹拌接合法によれ
ば、プローブ(52)の捨て肉部への移動操作を容易に行
うことができるし、あるいは移動操作を行うための接合
装置の構造を簡素化することができる。
【0124】特に、この熱交換器(1)では、プローブ
通過部のリード角β1及びβ2がそれぞれ0°を超え70
°未満の範囲内になるように、プローブ(52)を移動さ
せているから、プローブ(52)を確実にスムーズに移動
させることができ、このため、プローブ通過部(即ち、
第1及び第2ビード部(X1)(X2))には欠陥は殆ど
生じていない。
【0125】また、この熱交換器(1)では、第1接合
部(W1)における継手効率と、第2接合部(W2)にお
ける継手効率は、いずれも60%以上に設定されてい
る。
【0126】さらに、この熱交換器(1)においては、
中空部(11)に臨んだ面にはアルマイト層(30)が形成
されているので、優れた防食性を有している。
【0127】さらに、この熱交換器(1)においては、
中空部(11)が仕切り壁部(25)によって複数個に仕切
られるとともに、仕切り壁部(25)の一部に冷却液流通
用切欠き部(26)が設けられているから、冷却液が中空
部(11)内を略蛇行状(略U字状を含む。)に流通する
ようになり、このため、冷却効率(熱交換効率)が高く
なっている。
【0128】図23及び図24は、上記実施形態の熱交
換器の第1変形例を示す図である。これらの図には、上
記実施形態の熱交換器に対応する要素に同一の符号が付
されている。以下、この第1変形例の熱交換器の構成
を、上記実施形態のものとの相異点を中心に説明する。
【0129】この第1変形例では、図24に示すよう
に、第2構成部材(20)の4個の仕切り壁部(25)(2
5)は、上記実施形態のものと同じく軸線方向に真っ直
ぐに延びたものであって、それぞれ、第1構成部材(1
0)の周壁部(12)に該仕切り壁部(25)に沿って摩擦
撹拌接合されており、これにより、仕切り壁部(25)を
第1構成部材(10)の周壁部(12)に接合した第3接合
部(W3)が該仕切り壁部(25)に沿って形成されてい
る。
【0130】この仕切り壁部(25)の接合手順について
説明すると、次のとおりである。すなわち、図23に示
すように、まず接合工具(50)の回転しているプローブ
(52)が第1構成部材(10)の外周面側から第1構成部
材(10)の周壁部(12)を貫通して仕切り壁部(25)に
埋入された状態に配置する。さらに、回転している回転
子(51)の端面(51a)を第1構成部材(10)の外周面
に押し付ける。次いで、埋入状態のプローブ(52)が仕
切り壁部(25)を順次通過するように、両構成部材(1
0)の外周面とプローブ(52)のうち少なくとも一方を
移動させる。この接合操作により、仕切り壁部(25)が
第1構成部材(10)の周壁部(12)に接合される。同図
では、接合操作は、埋入状態のプローブ(52)を移動さ
せることによって、遂行されている。
【0131】次いで、この第3接合部(W3)の表面に
研磨加工を施して、該第3接合部(W3)の表面に形成
された接合痕を除去する。これにより、熱交換器(1)
の表面状態が良好になる。
【0132】この第1変形例では、仕切り壁部(25)が
第1構成部材(10)の周壁部(12)に該仕切り壁部(2
5)に沿って接合されているから、高い強度的信頼性を
有している上、中空部(11)が仕切り壁部(25)によっ
て確実に仕切られており、このため、高い冷却効率(熱
交換効率)を有している。
【0133】図25及び図26は、上記実施形態の熱交
換器の第2変形例を示す図である。これらの図には、上
記実施形態の熱交換器(1)に対応する要素に同一の符
号が付されている。以下、この第2変形例の熱交換器の
構成を、上記実施形態のものとの相異点を中心に説明す
る。
【0134】この第2変形例では、図25に示すよう
に、第2構成部材(20)の2個の仕切り壁部(25)(2
5)は、突出部(23)の外周面に互いに180°の位相
差をもって略螺旋状に一体に設けられている。各仕切り
壁部(25)の一部(詳述すると先端部)には、冷却液流
通用切欠き部(26)が形成されている。そして、図26
に示すように、これら2個の仕切り壁部(25)(25)が
それぞれ第1構成部材(10)の周壁部(12)に該仕切り
壁部(25)に沿って摩擦撹拌接合されており、これによ
り、仕切り壁部(25)を第1構成部材(10)の周壁部
(12)に接合した第3接合部(W3)が略螺旋状に形成
されている。各仕切り壁部(25)のリード角は0°を超
え70°未満の範囲内に設定されており、したがって、
第3接合部(W3)のリード角は0°を超え70°未満
の範囲内に設定されている。
【0135】この仕切り壁部(25)の接合手順について
説明すると、次のとおりである。すなわち、図26に示
すように、まず接合工具(50)の回転しているプローブ
(52)が第1構成部材(10)の外周面側から第1構成部
材(10)の周壁部(12)を貫通して仕切り壁部(25)に
埋入された状態に配置する。さらに、回転している回転
子(51)の端面(51a)を第1構成部材(10)の外周面
に押し付ける。次いで、埋入状態のプローブ(52)が仕
切り壁部(25)を順次通過するように、両構成部材(1
0)の外周面とプローブ(52)のうち少なくとも一方を
移動させる。この接合操作により、仕切り壁部(25)が
第1構成部材(10)の周壁部(12)に該仕切り壁部(2
5)に沿って接合される。同図では、接合操作は、埋入
状態のプローブ(52)を移動させることによって、遂行
されている。
【0136】次いで、第3接合部(W3)の表面に研磨
加工を施して、該第3接合部(W3)の表面に形成され
た接合痕を除去する。これにより、熱交換器(1)の表
面状態が良好になる。
【0137】この第2変形例では、仕切り壁部(25)が
第1構成部材(10)の周壁部(12)に該仕切り壁部(2
5)に沿って接合されているから、高い強度的信頼性を
有している上、中空部(11)が仕切り壁部(25)によっ
て確実に仕切られており、このため、高い冷却効率(熱
交換効率)を有している。その上、仕切り壁部(25)は
略螺旋状に設けられているので、冷却液は中空部(11)
を略螺旋状に流通するものとなり、このため、この第2
変形例の熱交換器(1)は極めて高い冷却効率(熱交換
効率)を有するものとなっている。
【0138】なお、この第2変形例の熱交換器(1)で
は、閉塞部(図8参照、H)の接合と、仕切り壁部(2
5)の周壁部(12)への接合と、突出部(23)の先端膨
出部(24)の周壁部(12)への接合とは、連続して行っ
ても良い。すなわち、閉塞部(H)を該閉塞部に埋入さ
れたプローブ(52)によって該閉塞部に沿って接合した
後で、この埋入状態のプローブ(52)を抜出しないでつ
まり埋入状態のままで該プローブ(52)を仕切り壁部
(25)に沿って通過させることにより、仕切り壁部(2
5)を周壁部(12)に接合し、次いでこの埋入状態のプ
ローブ(52)を抜出しないでつまり埋入状態のままで該
プローブ(52)によって突出部(23)の先端膨出部(2
4)を周壁部(12)に周方向に接合しても良い。
【0139】以上でこの発明の実施形態を説明したが、
この発明は上記実施形態に示すものに限定されるもので
はなく、様々に設定変更可能である。
【0140】例えば、上記実施形態の熱交換器(1)
は、被冷却体としての台部材(106)を冷却するための
冷却器として用いられるものであるが、この発明に係る
熱交換器は、他の被冷却体を冷却するための冷却器とし
て用いられるものであっても良いし、あるいは被加熱体
を加熱するための加熱器として用いられるものであって
も良い。また、上記実施形態の熱交換器(1)では、作
動流体として冷却液が用いられているが、この発明に係
る熱交換器では、他の作動流体が用いられるものであっ
ても良く、作動流体の種類に限定されるものではない。
【0141】また、第1構成部材(10)は、底壁部を有
していない筒状のものであっても良い。
【0142】
【実施例】図1に示した熱交換器(1)を製造するた
め、アルミニウム合金(材質:AA6061−T4)製
の第1構成部材(10)と、アルミニウム合金(材質:同
上)製の第2構成部材(20)とを準備した。第1構成部
材(10)の直径と第2構成部材(20)の直径はともにφ
65mmである。また、第1構成部材(10)の長さと第
2構成部材(20)の長さはともに230mmである。ま
た、第1構成部材(10)の周壁部(12)の肉厚は5mm
である。また、次のような構成の接合工具(50)を準備
した。 ・接合工具の材質…SKD61(合金工具鋼) ・プローブの形状…M6のネジの軸部 ・プローブの長さ…6mm ・回転子の端面の直径…18mm
【0143】上述の接合工具(50)を用いて、第1構成
部材(10)の一端開口部を閉塞した閉塞部(H)を接合
したのち、上述した移動操作に従って、埋入状態のプロ
ーブ(52)が第2構成部材(20)の外周面を略螺旋状に
通過するように、プローブ(52)を第1捨て肉部(29)
に向かって移動させた。あるいは、第2構成部材(20)
の突出部(23)の先端膨出部(24)を第1構成部材(1
0)の周壁部(12)に接合したのち、上述した移動操作
に従って、埋入状態のプローブ(52)が第1構成部材
(10)の外周面を略螺旋状に通過するように、プローブ
(52)を第2捨て肉部(19)に向かって移動させた。
【0144】こうして得られた接合継手に対して、ビー
ド部における欠陥の有無、ビード部からの空気の漏出の
有無、ビード部近傍における表面割れの有無について調
べた。また、接合部における継手効率を調べた。その結
果を表1に示す。
【0145】
【表1】
【0146】なお、ビード部からの空気の漏出の有無
は、水中において、中空部内に充填された空気に10M
Paの圧力を加えることにより、調べた。
【0147】同表に示すように、リード角が0°を超え
70°未満の範囲内に設定されている場合には、ビード
部に欠陥が生じる不具合を確実に防止でき、したがって
ビード部からの作動流体の漏出を確実に防止できること
を確認し得た。さらに、ビード部近傍には表面割れが発
生しておらず、したがってアルマイト層を健全な状態に
維持できて良好な耐食性を得ることができることを確認
し得た。さらに、継手効率を60%以上(更には70%
以上、特に80%以上)に設定することができ、高い強
度的信頼性を得ることができることを確認し得た。
【0148】
【発明の効果】上述の次第で、第1発明に係る摩擦撹拌
接合法によれば、接合終了時又は終了後に、埋入状態の
プローブが接合部材の外周面を略螺旋状に通過するよう
に、接合部材の外周面とプローブのうち少なくとも一方
を移動させるものであるから、接合予定部を接合した接
合部にプローブ抜出孔が発生する不具合を防止すること
ができる上、接合部材の外周面に対する接合工具の姿勢
を殆ど変更しなくても、プローブを接合部材の外周面に
対して相対的にスムーズに移動させることができる。こ
のため、移動操作を容易に行うことができるし、あるい
は移動操作を行うための接合装置の構造を簡素化するこ
とができる。
【0149】また、接合部材の外周面におけるプローブ
通過部のリード角が0°を超え70°未満の範囲内にな
るように、接合部材の外周面とプローブのうち少なくと
も一方を移動させる場合には、プローブを確実にスムー
ズに移動させることができる。また、プローブ通過部
(即ちビード部)に欠陥が生じる不具合を確実に防止す
ることができる。
【0150】また、埋入状態のプローブが、接合部材の
端部からなる捨て肉部に到達すると同時に又はそのあと
で、接合部材の端部を長さ方向において切断する場合に
は、接合継手の外観体裁を向上させることができる。
【0151】また、接合部の表面に研磨加工又は切削加
工を施す場合には、表面状態の良好な接合継手を得るこ
とができる。
【0152】第2発明に係る接合継手の製造方法によれ
ば、上記第1発明と同様の効果を奏し得る。
【0153】第3発明に係る接合継手によれば、当該接
合継手を製造する際に上記第1発明と同様の効果を奏し
得る。
【0154】第4発明に係る熱交換器の製造方法によれ
ば、閉塞部の接合終了時又は終了後に、埋入状態のプロ
ーブが第1構成部材又は第2構成部材の外周面を略螺旋
状に通過するように、両構成部材の外周面とプローブの
うち少なくとも一方を移動させるものであるから、閉塞
部を接合した接合部にプローブ抜出孔が発生する不具合
を防止することができ、このため、該プローブ抜出孔か
らの作動流体の漏出や腐食の発生を防止することができ
る。また、第1構成部材又は第2構成部材の外周面に対
する接合工具の姿勢を殆ど変更しなくても、プローブを
第1構成部材又は第2構成部材の外周面に対して相対的
にスムーズに移動させることができ、このため、移動操
作を容易に行うことができるし、あるいは移動操作を行
うための接合装置の構造を簡素化することができる。
【0155】また、第1構成部材又は第2構成部材の外
周面におけるプローブ通過部のリード角が0°を超え7
0°未満の範囲内になるように、両構成部材の外周面と
プローブのうち少なくとも一方を移動させる場合には、
プローブを確実にスムーズに移動させることができる。
また、プローブ通過部(即ちビード部)に欠陥が生じる
不具合を確実に防止することができる。
【0156】また、埋入状態のプローブが、第1構成部
材の端部又は第2構成部材の端部からなる捨て肉部に到
達すると同時に又はそのあとで、第1構成部材の端部又
は第2構成部材の端部を長さ方向において切断する場合
には、熱交換器にプローブ抜出孔が残存しなくなるた
め、プローブ抜出孔からの作動流体の漏出や腐食の発生
を防止できることはもとより、熱交換器の外観体裁を向
上させることができる。
【0157】また、接合部の表面に研磨加工を施す場合
には、表面状態の良好な熱交換器を得ることができる。
【0158】また、第2構成部材の突出部の先端部の、
第1構成部材の周壁部への接合終了時又は終了後に、埋
入状態のプローブが第1構成部材又は第2構成部材の外
周面を略螺旋状に通過するように、両構成部材の外周面
とプローブのうち少なくとも一方を移動させる場合に
は、第2接合部にプローブ抜出孔が発生する不具合を防
止することができ、このため、該プローブ抜出孔からの
作動流体の漏出や腐食の発生を防止することができる。
また、第1構成部材又は第2構成部材の外周面に対する
接合工具の姿勢を殆ど変更しなくても、プローブを第1
構成部材又は第2構成部材の外周面に対して相対的にス
ムーズに移動させることができ、このため、移動操作を
容易に行うことができるし、あるいは移動操作を行うた
めの接合装置の構造を簡素化することができる。
【0159】また、第1構成部材又は第2構成部材の外
周面におけるプローブ通過部のリード角が0°を超え7
0°未満の範囲内になるように、両構成部材の外周面と
プローブのうち少なくとも一方を移動させる場合には、
プローブを確実にスムーズに移動させることができる。
また、プローブ通過部(即ちビード部)に欠陥が生じる
不具合を確実に防止することができる。
【0160】また、埋入状態のプローブが、捨て肉部に
到達すると同時に又はそのあとで、第1構成部材の端部
又は第2構成部材の端部を長さ方向において切断する場
合には、熱交換器にプローブ抜出孔が残存しなくなるた
め、プローブ抜出孔からの作動流体の漏出や腐食の発生
を防止できることはもとより、熱交換器の外観体裁を更
に向上させることができる。
【0161】また、突出部の内部に、被冷却体又は被加
熱体の接続部が挿入される挿入孔を形成する場合には、
被冷却体又は被加熱体を効率良く冷却又は加熱すること
のできる熱交換器を得ることができる。
【0162】また、第2接合部の表面に研磨加工を施す
場合には、表面状態の良好な熱交換器を得ることができ
る。
【0163】また、突出部の外周面に、中空部を仕切る
1個又は複数個の仕切り壁部が設けられるとともに、該
仕切り壁部の一部に作動流体流通用切欠き部が設けられ
ている場合には、熱交換効率の高い熱交換器を得ること
ができる。
【0164】また、仕切り壁部が略螺旋状に設けられて
いる場合には、熱交換効率が一段と高い熱交換器を得る
ことができる。
【0165】また、仕切り壁部を第1構成部材の周壁部
に摩擦撹拌接合する場合には、強度的信頼性の高い熱交
換器を得ることができるし、熱交換器の熱交換効率を向
上させることができる。
【0166】第5発明に係る熱交換器によれば、当該熱
交換器を製造する際に上記第4発明と同様の効果を奏し
得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る一例としての熱交換
器の斜視図である。
【図2】図1中のA−A線断面図である。
【図3】図1中のB−B線断面図である。
【図4】図1中のC−C線断面図である。
【図5】図4中のZ部の拡大図である
【図6】プラズマCVD装置の模式図である。
【図7】同熱交換器の製造方法を説明するための図で、
第1構成部材の一端開口部を第2構成部材により閉塞す
る途中の状態を示す斜視図である。
【図8】両構成部材の閉塞部に接合工具のプローブを埋
入する途中の状態を示す斜視図である。
【図9】図8中のD−D線断面図である。
【図10】接合工具のプローブを閉塞部に埋入した状態
の断面図である。
【図11】両構成部材の閉塞部を接合する途中の状態の
断面図である。
【図12】両構成部材の閉塞部を全周に亘って接合した
状態の断面図である。
【図13】プローブを捨て肉部へ移動させる前の状態の
斜視図である。
【図14】プローブを捨て肉部に移動させた後の状態の
斜視図である。
【図15】第2構成部材の突出部の先端部に接合工具の
プローブを埋入する途中の状態を示す斜視図である。
【図16】第2構成部材の突出部の先端部にプローブを
埋入した状態の斜視図である。
【図17】図16中のE−E線断面図である。
【図18】図16中のF−F線断面図である。
【図19】第2構成部材の突出部の先端部を第1構成部
材の周壁部に全周に亘って接合した状態の断面図であ
る。
【図20】プローブを捨て肉部へ移動させる前の状態の
斜視図である。
【図21】プローブを捨て肉部から抜出した後の状態の
斜視図である。
【図22】捨て肉部を切断除去した状態の斜視図であ
る。
【図23】図1に示した熱交換器の第1変形例を示す図
で、第2構成部材の仕切り壁部を第1構成部材の周壁部
に接合する途中の状態を示す斜視図である。
【図24】図1に示した熱交換器の第1変形例の、図4
に対応する断面図である。
【図25】図1に示した熱交換器の第2変形例を示す図
で、第1構成部材の一端開口部を第2構成部材により閉
塞する途中の状態を示す斜視図である。
【図26】図1に示した熱交換器の第2変形例におい
て、第2構成部材の仕切り壁部を第1構成部材の周壁部
に接合する途中の状態を示す斜視図である。
【符号の説明】 1…熱交換器(接合継手) 10…第1構成部材 11…中空部 12…周壁部 19…第2捨て肉部 20…第2構成部材 23…接合用突出部 24…膨出部 25…仕切り壁部 26…冷却液流通用切欠き部(作動流体流通用切欠き部) 27…挿入孔 29…第1捨て肉部 30…アルマイト層(表面処理層) 50…接合工具 52…プローブ W1…第1接合部 W2…第2接合部 W3…第3接合部 X1…第1ビード部 X2…第2ビード部

Claims (49)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に周方向の接合予定部(H)を有
    する接合部材(10、20)における前記接合予定部(H)
    を、該接合予定部に接合部材の外周面側から埋入された
    プローブ(52)によって該接合予定部に沿って接合する
    摩擦撹拌接合法であって、 接合終了時又は終了後に、埋入状態のプローブ(52)が
    接合部材(10、20)の外周面を略螺旋状に通過するよう
    に、接合部材(10、20)の外周面とプローブ(52)のう
    ち少なくとも一方を移動させることを特徴とする摩擦撹
    拌接合法。
  2. 【請求項2】 前記接合部材(10、20)の外周面におけ
    るプローブ通過部のリード角(β1)が0°を超え70
    °未満の範囲内になるように、接合部材(10、20)の外
    周面とプローブ(52)のうち少なくとも一方を移動させ
    る請求項1記載の摩擦撹拌接合法。
  3. 【請求項3】 埋入状態のプローブ(52)を、接合部材
    (10、20)の端部からなる捨て肉部(29)において抜出
    する請求項1又は2記載の摩擦撹拌接合法。
  4. 【請求項4】 埋入状態のプローブ(52)が前記捨て肉
    部(29)に到達すると同時に又はそのあとで、接合部材
    (10、20)の前記端部を長さ方向において切断する請求
    項3記載の摩擦撹拌接合法。
  5. 【請求項5】 前記接合部材(10、20)は、前記接合予
    定部(H)の内側に中空部(11)を有するとともに、該
    中空部に臨んだ面の少なくとも一部に表面処理層(30)
    が形成されたものである請求項1〜4のいずれか1項記
    載の摩擦撹拌接合法。
  6. 【請求項6】 前記接合部(W1)の表面に研磨加工又
    は切削加工を施す請求項1〜5のいずれか1項記載の摩
    擦撹拌接合法。
  7. 【請求項7】 回転可能なプローブ(52)を有する摩擦
    撹拌接合用接合工具(50)を用い、 外周面に周方向の接合予定部(H)を有する接合部材
    (10、20)における前記接合予定部(H)を、該接合予
    定部に接合部材の外周面側から埋入された前記プローブ
    (52)によって該接合予定部に沿って摩擦撹拌接合し
    て、接合継手(1)を得る接合継手の製造方法であっ
    て、 接合終了時又は終了後に、埋入状態のプローブ(52)が
    接合部材(10、20)の外周面を略螺旋状に通過するよう
    に、接合部材(10、20)の外周面とプローブ(52)のう
    ち少なくとも一方を移動させることを特徴とする接合継
    手の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記接合部材(10、20)の外周面におけ
    るプローブ通過部のリード角(β1)が0°を超え70
    °未満の範囲内になるように、接合部材(10、20)の外
    周面とプローブ(52)のうち少なくとも一方を移動させ
    る請求項7記載の接合継手の製造方法。
  9. 【請求項9】 埋入状態のプローブ(52)を、接合部材
    (10、20)の端部からなる捨て肉部(29)において抜出
    する請求項7又は8記載の接合継手の製造方法。
  10. 【請求項10】 埋入状態のプローブ(52)が前記捨て
    肉部(29)に到達すると同時に又はそのあとで、接合部
    材(10、20)の前記端部を長さ方向において切断する請
    求項9記載の接合継手の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記接合部材(10、20)は、前記接合
    予定部(H)の内側に中空部(11)を有するとともに、
    該中空部に臨んだ面の少なくとも一部に表面処理層(3
    0)が形成されたものである請求項7〜10のいずれか
    1項記載の接合継手の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記接合部(W1)の表面に研磨加工
    又は切削加工を施す請求項7〜11のいずれか1項記載
    の接合継手の製造方法。
  13. 【請求項13】 外周面に周方向の接合予定部(H)を
    有する接合部材(10、20)における前記接合予定部
    (H)が、該接合予定部に接合部材の外周面側から埋入
    された摩擦撹拌接合用接合工具(50)のプローブ(52)
    によって該接合予定部に沿って摩擦撹拌接合されること
    により、外周面に周方向の接合部(W1)が形成された
    接合継手(1)であって、 外周面に、該外周面を前記プローブ(52)が通過するこ
    とにより生じたビード部(X1)が、前記接合部(W1)
    から略螺旋状に延びて形成されていることを特徴とする
    接合継手。
  14. 【請求項14】 前記ビード部(X1)のリード角(β
    1)は、0°を超え70°未満の範囲内に設定されてい
    る請求項13記載の接合継手。
  15. 【請求項15】 前記接合部(W1)の内側に中空部(1
    1)を有するとともに、該中空部に臨んだ面の少なくと
    も一部に表面処理層(30)が形成されたものである請求
    項13又は14記載の接合継手。
  16. 【請求項16】 前記接合部(W1)における継手効率
    が60%以上である請求項13〜15のいずれか1項記
    載の接合継手。
  17. 【請求項17】 前記接合部(W1)の表面に研磨加工
    又は切削加工が施されている請求項13〜16のいずれ
    か1項記載の接合継手。
  18. 【請求項18】 回転可能なプローブ(52)を有する摩
    擦撹拌接合用接合工具(50)を用い、 作動流体が収容される中空部(11)を有する筒状の第1
    構成部材(10)の一端開口部を第2構成部材(20)によ
    って閉塞するとともに、この閉塞部(H)を、該閉塞部
    に両構成部材の外周面側から埋入された前記プローブ
    (52)によって該閉塞部に沿って摩擦撹拌接合し、 前記閉塞部(H)の接合終了時又は終了後に、埋入状態
    のプローブ(52)が第1構成部材又は第2構成部材(2
    0)の外周面を略螺旋状に通過するように、両構成部材
    (10、20)の外周面とプローブ(52)のうち少なくとも
    一方を移動させることを特徴とする熱交換器の製造方
    法。
  19. 【請求項19】 前記第1構成部材(10)又は前記第2
    構成部材(20)の外周面におけるプローブ通過部のリー
    ド角(β1)が0°を超え70°未満の範囲内になるよ
    うに、両構成部材(10、20)の外周面とプローブ(52)
    のうち少なくとも一方を移動させる請求項18記載の熱
    交換器の製造方法。
  20. 【請求項20】 埋入状態のプローブ(52)を、第1構
    成部材(10)の端部又は第2構成部材(20)の端部から
    なる捨て肉部(19、29)において抜出する請求項18又
    は19記載の熱交換器の製造方法。
  21. 【請求項21】 埋入状態のプローブ(52)が前記捨て
    肉部(19、29)に到達すると同時に又はそのあとで、第
    1構成部材(10)の前記端部又は第2構成部材(20)の
    前記端部を長さ方向において切断する請求項20記載の
    熱交換器の製造方法。
  22. 【請求項22】 両構成部材(10、20)のうち少なくと
    も一方の構成部材は、前記中空部(11)に臨んだ面の少
    なくとも一部に表面処理層(30)が形成されたものであ
    る請求項18〜21のいずれか1項記載の熱交換器の製
    造方法。
  23. 【請求項23】 前記接合部(W1)の表面に研磨加工
    又は切削加工を施す請求項18〜22のいずれか1項記
    載の熱交換器の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記第2構成部材(20)は、被冷却体
    (106)又は被加熱体と接続される接続用突出部(23)
    を有するとともに、前記第1構成部材(10)の一端開口
    部を閉塞した状態のもとで前記突出部(23)が前記中空
    部(11)内に挿入配置されており、 前記プローブ(52)が前記第1構成部材(10)の外周面
    側から該第1構成部材(10)の周壁部(12)を貫通して
    前記突出部(23)の先端部(24)に埋入された状態に配
    置し、この埋入状態のプローブ(52)により前記突出部
    (23)の先端部(24)を前記第1構成部材(10)の周壁
    部(12)に周方向に摩擦撹拌接合して、第2接合部(W
    2)を形成し、 前記突出部(23)の先端部(24)の、前記第1構成部材
    (10)の周壁部(12)への接合終了時又は終了後に、埋
    入状態のプローブ(52)が第1構成部材(10)又は第2
    構成部材(20)の外周面を略螺旋状に通過するように、
    両構成部材(10、20)の外周面とプローブ(52)のうち
    少なくとも一方を移動させる請求項18〜23のいずれ
    か1項記載の熱交換器の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記第1構成部材(10)又は前記第2
    構成部材(20)の外周面におけるプローブ通過部のリー
    ド角(β2)が0°を超え70°未満の範囲内になるよ
    うに、両構成部材(10、20)の外周面とプローブ(52)
    のうち少なくとも一方を移動させる請求項24記載の熱
    交換器の製造方法。
  26. 【請求項26】 埋入状態のプローブ(52)を、第1構
    成部材(10)の端部又は第2構成部材(20)の端部から
    なる捨て肉部(19、29)において抜出する請求項24又
    は25記載の熱交換器の製造方法。
  27. 【請求項27】 埋入状態のプローブ(52)が前記捨て
    肉部(19、29)に到達すると同時に又はそのあとで、第
    1構成部材(10)の前記端部又は第2構成部材(20)の
    前記端部を長さ方向において切断する請求項26記載の
    熱交換器の製造方法。
  28. 【請求項28】 前記突出部(23)の内部に、前記被冷
    却体(106)又は被加熱体の接続部(106b)が挿入され
    る挿入孔(27)を形成する請求項24〜27のいずれか
    1項記載の熱交換器の製造方法。
  29. 【請求項29】 前記第2接合部(W2)の表面に研磨
    加工又は切削加工を施す請求項24〜28のいずれか1
    項記載の熱交換器の製造方法。
  30. 【請求項30】 前記突出部(23)の外周面に、前記中
    空部(11)を仕切る1個又は複数個の仕切り壁部(25)
    が設けられるとともに、少なくとも1個の仕切り壁部
    (25)の一部に作動流体流通用切欠き部(26)が設けら
    れている請求項24〜29のいずれか1項記載の熱交換
    器の製造方法。
  31. 【請求項31】 前記仕切り壁部(25)は、略螺旋状に
    設けられている請求項30記載の熱交換器の製造方法。
  32. 【請求項32】 前記仕切り壁部(25)を前記第1構成
    部材(10)の周壁部(12)に摩擦撹拌接合する請求項3
    0又は31記載の熱交換器の製造方法。
  33. 【請求項33】 前記仕切り壁部(25)を、該仕切り壁
    部(25)に沿って摩擦撹拌接合する請求項32記載の熱
    交換器の製造方法。
  34. 【請求項34】 前記仕切り壁部(25)を第1構成部材
    (10)の周壁部(12)に摩擦撹拌接合した第3接合部
    (W3)の表面に研磨加工又は切削加工を施す請求項3
    2又は33項記載の熱交換器の製造方法。
  35. 【請求項35】 作動流体が収容される中空部(11)を
    有する筒状の第1構成部材(10)の一端開口部が第2構
    成部材(20)によって閉塞されるとともに、この閉塞部
    (H)が、摩擦撹拌接合用接合工具(50)のプローブ
    (52)によって該閉塞部に沿って摩擦撹拌接合されるこ
    とにより、外周面に接合部(W1)が形成されており、 第1構成部材(10)又は第2構成部材(20)の外周面
    に、該外周面を前記プローブ(52)が通過することによ
    り生じたビード部(X1)が、前記接合部(W1)から略
    螺旋状に延びて形成されていることを特徴とする熱交換
    器。
  36. 【請求項36】 前記ビード部(X1)のリード角(β
    1)は、0°を超え70°未満の範囲内に設定されてい
    る請求項35記載の熱交換器。
  37. 【請求項37】 両構成部材(10、20)のうち少なくと
    も一方の構成部材は、前記中空部(11)に臨んだ面の少
    なくとも一部に表面処理層(30)が形成されたものであ
    る請求項35又は36記載の熱交換器。
  38. 【請求項38】 前記接合部(W1)の表面に研磨加工
    又は切削加工が施されている請求項35〜37のいずれ
    か1項記載の熱交換器。
  39. 【請求項39】 前記接合部(W1)における継手効率
    が60%以上である請求項35〜38のいずれか1項記
    載の熱交換器。
  40. 【請求項40】 両構成部材(10、20)のうち少なくと
    も一方の構成部材に、前記中空部(11)と連通した作動
    流体流入口(31a)又は作動流体流出口(32a)が設けら
    れている請求項35〜39のいずれか1項記載の熱交換
    器。
  41. 【請求項41】 前記第2構成部材(20)は、被冷却体
    (106)又は被加熱体と接続される接続用突出部(23)
    を有するとともに、前記第1構成部材(10)の一端開口
    部を閉塞した状態のもとで前記突出部(23)が前記中空
    部(11)内に挿入配置されており、 前記突出部(23)の内部には、前記被冷却体(106)又
    は被加熱体の接続部(106b)が挿入される挿入孔(27)
    が形成されており、 前記プローブ(52)により前記突出部(23)の先端部
    (24)が前記第1構成部材(10)の周壁部(12)に周方
    向に摩擦撹拌接合されて、第2接合部(W2)が形成さ
    れ、 第1構成部材(10)又は第2構成部材(20)の外周面
    に、該外周面を埋入状態のプローブ(52)が通過するこ
    とにより生じた第2ビード部(X2)が、前記第2接合
    部(W2)から略螺旋状に延びて形成されている請求項
    35〜40のいずれか1項記載の熱交換器。
  42. 【請求項42】 前記第2ビード部(X2)のリード角
    (β2)は、0°を超え70°未満の範囲内に設定され
    ている請求項41記載の熱交換器。
  43. 【請求項43】 前記第2接合部(W2)の表面に研磨
    加工又は切削加工が施されている請求項41又は42記
    載の熱交換器。
  44. 【請求項44】 前記第2接合部(W2)における継手
    効率が60%以上である請求項41〜43のいずれか1
    項記載の熱交換器。
  45. 【請求項45】 前記突出部(23)の外周面に、前記中
    空部(11)を仕切る1個又は複数個の仕切り壁部(25)
    が設けられるとともに、少なくとも1個の仕切り壁部
    (25)の一部に作動流体流通用切欠き部(26)が設けら
    れている請求項41〜44のいずれか1項記載の熱交換
    器。
  46. 【請求項46】 前記仕切り壁部(25)は、略螺旋状に
    設けられている請求項45記載の熱交換器。
  47. 【請求項47】 前記仕切り壁部(25)は、前記第1構
    成部材(10)の周壁部(12)に摩擦撹拌接合されている
    請求項45又は46記載の熱交換器。
  48. 【請求項48】 前記仕切り壁部(25)は、該仕切り壁
    部(25)に沿って摩擦撹拌接合されている請求項47記
    載の熱交換器。
  49. 【請求項49】 前記仕切り壁部(25)が第1構成部材
    (10)の周壁部(12)に摩擦撹拌接合された第3接合部
    (W3)の表面に研磨加工又は切削加工が施されている
    請求項47又は48項記載の熱交換器。
JP2002030678A 2002-02-07 2002-02-07 摩擦撹拌接合法、熱交換器の製造方法及び熱交換器 Pending JP2003230969A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002030678A JP2003230969A (ja) 2002-02-07 2002-02-07 摩擦撹拌接合法、熱交換器の製造方法及び熱交換器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002030678A JP2003230969A (ja) 2002-02-07 2002-02-07 摩擦撹拌接合法、熱交換器の製造方法及び熱交換器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003230969A true JP2003230969A (ja) 2003-08-19
JP2003230969A5 JP2003230969A5 (ja) 2005-08-18

Family

ID=27774340

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002030678A Pending JP2003230969A (ja) 2002-02-07 2002-02-07 摩擦撹拌接合法、熱交換器の製造方法及び熱交換器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003230969A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011115801A (ja) * 2009-12-01 2011-06-16 Calsonic Kansei Corp 摩擦攪拌接合方法、および摩擦攪拌接合部材
JP2014240706A (ja) * 2013-06-11 2014-12-25 京浜ラムテック株式会社 伝熱板、及びその製造方法
JP2017205782A (ja) * 2016-05-17 2017-11-24 本田技研工業株式会社 金属複合材及び金属接合方法
US20180264584A1 (en) * 2014-01-14 2018-09-20 Nippon Light Metal Company, Ltd. Method of manufacturing liquid-cooled jacket
KR20220151971A (ko) * 2021-05-07 2022-11-15 (주) 성부 마찰 교반 용접을 통한 내부공간을 갖는 밀폐수로 제작 방법

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011115801A (ja) * 2009-12-01 2011-06-16 Calsonic Kansei Corp 摩擦攪拌接合方法、および摩擦攪拌接合部材
JP2014240706A (ja) * 2013-06-11 2014-12-25 京浜ラムテック株式会社 伝熱板、及びその製造方法
US20180264584A1 (en) * 2014-01-14 2018-09-20 Nippon Light Metal Company, Ltd. Method of manufacturing liquid-cooled jacket
US10807188B2 (en) * 2014-01-14 2020-10-20 Nippon Light Metal Company, Ltd. Method of manufacturing liquid-cooled jacket
JP2017205782A (ja) * 2016-05-17 2017-11-24 本田技研工業株式会社 金属複合材及び金属接合方法
US10780521B2 (en) 2016-05-17 2020-09-22 Honda Motor Co., Ltd. Metal composite and metal joining method
KR20220151971A (ko) * 2021-05-07 2022-11-15 (주) 성부 마찰 교반 용접을 통한 내부공간을 갖는 밀폐수로 제작 방법
KR102529141B1 (ko) * 2021-05-07 2023-06-07 (주) 성부 마찰 교반 용접을 통한 내부공간을 갖는 밀폐수로 제작 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5957720B2 (ja) 摩擦攪拌接合方法
KR100617413B1 (ko) 냉각판 및 그 제조 방법과, 스퍼터링 타겟 및 그 제조 방법
WO2017033923A1 (ja) 接合方法、液冷ジャケットの製造方法及び液冷ジャケット
TW201113114A (en) Rotary tool for joining inner corner and joining method utilizing the same
JP2004106037A (ja) 金属材料の結合方法
KR20180104172A (ko) 전열판의 제조 방법 및 내부에 유로를 설치하지 않는 복합판의 제조 방법
WO2020095483A1 (ja) 液冷ジャケットの製造方法及び摩擦攪拌接合方法
JP2009297761A (ja) 伝熱板の製造方法
JP2010089147A (ja) 伝熱板の製造方法
JP2001321965A (ja) 摩擦撹拌接合によるすみ接合法
JP2004009113A (ja) 本体と蓋の接合構造体
JP4732571B2 (ja) 摩擦撹拌接合用接合工具及び摩擦撹拌接合法
JP2007209987A (ja) 摩擦攪拌接合方法
JP2003230969A (ja) 摩擦撹拌接合法、熱交換器の製造方法及び熱交換器
JP2000042762A (ja) 摩擦撹拌接合法
JP2010017739A (ja) 伝熱板の製造方法
JP2010089102A (ja) 伝熱板の製造方法
JP2013255946A (ja) 接合方法
JP2010201441A (ja) 接合方法
JP4888422B2 (ja) 伝熱板の製造方法及び伝熱板
WO2018003449A1 (ja) 伝熱板の製造方法
JP6836153B2 (ja) 摩擦攪拌接合方法
JP2012187623A (ja) 管接合方法
JP2019195825A (ja) 接合方法
JP2006239778A (ja) 接合方法および接合ツール

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Effective date: 20050201

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080610

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081021