JP2003229415A - 発光分光処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

発光分光処理装置及びプラズマ処理方法

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JP2003229415A
JP2003229415A JP2002062254A JP2002062254A JP2003229415A JP 2003229415 A JP2003229415 A JP 2003229415A JP 2002062254 A JP2002062254 A JP 2002062254A JP 2002062254 A JP2002062254 A JP 2002062254A JP 2003229415 A JP2003229415 A JP 2003229415A
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signals
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light receiving
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Taketo Usui
建人 臼井
Tetsunori Kaji
哲徳 加治
Shizuaki Kimura
静秋 木村
Takashi Fujii
敬 藤井
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Hitachi Ltd
Hitachi Kasado Engineering Co Ltd
Hitachi High Tech Corp
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Hitachi High Technologies Corp
Hitachi Ltd
Hitachi Kasado Engineering Co Ltd
Hitachi High Tech Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマ処理装置等における分光スペクトル
の速い微小変化を再現性よく検知すること。 【解決手段】 処理装置からの入力光を分光する分光器
3と、前記分光した入力光の光量を各波長毎に検出する
一連の受光素子を備えた受光部4と、一連の受光素子の
内の隣接する一部の受光素子の検出信号をそれぞれ第1
の周期で順次保持する第1の信号保持部10と、前記保
持した隣接する一部の受光素子の検出信号を含む前記受
光部の隣接する受光素子の検出信号を加算する加算部1
1と、該加算部の加算出力を順次保持する第2の信号保
持部12を備え、該第2の信号保持部の出力をもとに前
記処理装置の状態を判定する信号処理部9を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマなどから
の発光を分光し、波長に対応した各分光をそれぞれ受光
素子で電気信号に変換し、その後、前記信号に信号処理
を施して所望の検出出力を得る発光分光処理装置及びプ
ラズマ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマなどからの発光を分光し、波長
に対応した各分光をそれぞれ受光素子で電気信号に変換
し、さらにこの変換した信号に信号処理を施し、所望の
出力を得る発光分光処理装置が知られている。例えば特
開2001−60585には、次のような主成分解析を
用いたプロセスモニタ装置が示されている。
【0003】すなわち、プラズマチャンバからの電磁放
射を、光ファイバ等を介してスペクトロメータ及びプロ
セッサからなるプロセスモニタ装置に入力する。前記ス
ペクトロメータはプラズマの電磁放射を波長に基づいて
空間的に分離し(例えば、プリズムまたは回折格子を介
して行い)、複数の空間的に分離した波長のスペクトル
を例えば2048チャンネルのCCDアレーにより検出
し、検出信号(即ち発光分光法(OES)信号)を発生す
る。発生したOES信号は(例えば、アナログーデジタ
ル変換器を介して)デジタル化し、次の処理のためプロ
セッサに出力する。このようにプラズマからの電磁放射
はスペクトロメータにより測定され、2048チャンネ
ルのOES信号の形態でプロセッサに供給される。
【0004】プロセッサで実行される主成分解析処理の
特定のタイプは、遠隔コンピュータシステム、製造実行
システム等により選択される。スペクトロメータの代わ
りに、回折格子、プリズム、光学フィルタやその他の波
長選択デバイスを複数の検出器(例えばフォトダイオー
ド、フォトマルチプライヤーその他)と共に用い、プロ
セッサに複数の電磁放射波長に関する情報を提供しても
良い。なお、プロセッサは制御バスを介してプラズマエ
ッチングコントローラに結合される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】分光された光を、簡便
に各波長に対する光の振幅信号として得る手段として、
CCDはよく用いられる。多数の受光素子を集積したC
CDでは、感度を上げようとして小さい容量の受光素子
を用いるとノイズが増加し、ノイズを下げようとして大
きい容量の受光素子を用いると感度が下がる。たとえ
ば、比較的高感度のCCD(例えばソニー製ILX51
1,2048画素CCDリニアセンサ)では、飽和光量
を受光した場合の信号対ノイズ比(S/N比)は250程
度であり、受光量が低下するとS/N比は受光量の1/
2乗に比例して低下する。これはCCDのみに限らず、
多数の受光素子を集積した光素子の共通の課題である。
【0006】通常のイメージセンサでは、入射光量の変
動に対して、画面全体の受光量の平均値あるいはピーク
値を測定し、この測定値をもとにCCDの出力信号に対
する増幅度あるいはCCDの蓄積時間を変化させるゲイ
ン調整が行われる(例えば特開2000−32429
7、USP2001/0016053A1参照)。
【0007】一方、プラズマ処理装置では、チャンバの
経時的汚れなどにより入射光量が大幅(10倍程度以上)
に変動する。この変動に対して蓄積時間を変化させて対
応することはシステム全体のタイミングを大幅に変化さ
せることになるため好ましくない。また、プラズマ処理
装置におけるプラズマ発光などからの分光スペクトルは
複数の鋭いピークの高輝度部分と波長に対し比較的なだ
らかに変化している低輝度部分とが混在している(例え
ば、USP6261470B1-Fig.17A,ある
いは特開2001−60585−図3C参照)。CCD
を用いてこのような分光スペクトルを受光する場合、鋭
いピーク部分を飽和させないようにCCDの出力信号の
増幅度を設定すると、低輝度部分のS/N比が大幅に低
下する。逆に低輝度部に合わせて増幅すると、ピーク部
が飽和する。
【0008】半導体製造装置の処理室から出射する分光
スペクトルの時間的変化は処理室における処理内容の変
化を示しており、その微少変化から処理状況を推定する
ことが近年行われるようになってきた。しかし、分光ス
ペクトルの検出手段としてCCDなどを用いた場合は、
上記のようにS/N比の低い信号しか得ることができな
い。このため、同一波長の信号を多数回加算してノイズ
除去を行なっているのが現状である。この方法では、例
えば信号対ノイズ比を一桁上げようとすると、100回
以上のサンプリングデータの加算を行う必要が有る。こ
の処理には通常のCCDでは数秒から数十秒を要し、1
秒程度未満好ましくは0.5秒以下の速い微小変化(1
0%程度以下の変化)を検知することは比較的困難であ
る。特にプラズマなどの分光スペクトルの波長に対し比
較的なだらかに変化している低輝度部分において、1秒
程度未満の速い微小変化を再現性よく検知することはか
なり困難である。
【0009】本発明はこれらの問題点に鑑みてなされた
もので、分光スペクトルの速い微小変化を再現性よく検
知することのできる発光分光処理装置及びそれを用いた
プラズマ処理方法を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の一例によれば、
上記の課題を解決するために本願発明は次のような手段
を採用した。
【0011】処理装置からの入力光を分光する分光器
と、前記分光した入力光の光量を各波長毎に検出する一
連の受光素子を備えた受光部と、一連の受光素子の内の
隣接する一部の受光素子の検出信号をそれぞれ第1の周
期で順次保持する第1の信号保持部と、前記保持した隣
接する一部の受光素子の検出信号を含む前記受光部の隣
接する受光素子の検出信号を加算する加算部と、該加算
部の加算出力を順次保持する第2の信号保持部を備え、
該第2の信号保持部の出力をもとに前記処理装置の状態
を判定する信号処理部を備えた。さらに、本発明の他の
一例においては、前記分光した入力光の光量を各波長毎
に検出する一連の受光素子を備えた受光部と、予め設定
された発光物質に固有な発光波長の組に対応する受光素
子の検出信号を加算する加算部と、該加算部の加算出力
を順次保持する第3の信号保持部を備え、該第3の信号
保持部の出力をもとに前記処理装置の状態を判定する信
号処理部を備えた。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施形態
を示す図である。図において、プラズマ処理装置1の処
理室中で発生したプラズマ発光は、光ファイバ2及びス
リットを経由して分光器3に入力される。分光器3は前
記スリットを通った入力光を波長毎に異なる角度に分光
する。分光された光は複数個(通常数百個ないしは数千
個、以下の説明では2048個と仮定する)からなる一
連の受光素子を内蔵したCCD(Charge Coupled Devic
e)4に入力される。このようにして、CCD4中の特定
位置の受光素子(検知器)は入射光中の特定波長成分の
スペクトルの強さを検知することになる。
【0013】タイミング発生回路5は、CCDリセット
タイミング信号及びCCD転送クロック信号を発生す
る。CCDリセットタイミング信号はCCD中に蓄積す
る電荷の蓄積時間を決め、CCD転送クロック信号はC
CD4から時系列で出力される時系列信号の転送速度を
決める。以下の説明では、これらの信号をまとめてCC
D駆動信号6と呼ぶ。このCCD駆動信号6によりCC
D4は駆動され、プラズマ発光中の光の波長分布が時系
列信号として所定周期毎に出力される。次いでこの時系
列信号は、オフセット調整や利得調整機能を有する増幅
回路7に入力される。なお、従来のシステムでは、増幅
回路7の出力は直接アナログ−デジタル変換器(以下A
D変換器と略称する)8を経由してCPU等で構成され
る信号処理装置9に入力され、入力光の波長分布や所定
波長毎の光強度の時間変化などが信号処理装置9中の表
示器に表示される構成となっている。
【0014】これに対して本実施形態では、前記増幅回
路7からの時系列の出力信号(隣接するCCDを順次繰
り返し操作して得られる)は、異なるタイミングで複数
個(n個、n≧2)の第1の信号保持回路10に蓄えら
れる。複数個の信号保持回路8の出力及び増幅回路7の
出力は加算増幅回路11により加算され、所定タイミン
グにて第2の信号保持回路12に転送される。隣接する
複数の異なるタイミング(隣接する複数の異なる波長)
に対応した複数の信号は、このようにして加え合わさ
れ、第2の信号保持回路12から出力され、AD変換器
8でデジタル信号に変換した後、信号処理装置9に入力
される。
【0015】このように第1の加算増幅回路11によ
り、n+1個(nは第1の信号保持回路の数)の信号を
加算することにより、CCD4の出力信号のS/N比を
(n+1)の1/2乗倍に改善するとともに、AD変換
器8に入力するデータ量を1/(n+1)に低減するこ
とができる。この加算処理を、隣接する各CCD4毎
(隣接するn+1個のCCD毎)に順次行うことによ
り、信号処理装置9へ入力されるノイズの影響を大幅に
減少することができる。
【0016】第1の信号保持回路10の数nが8、1
6、32、の場合のS/N比は、それぞれほぼ3、4
倍、6倍に改善される。なお、8個の信号処理回路を標
準の大きさの集積回路一個に集積した集積回路は既に市
販さており、この部分の回路の大きさはあまり問題とは
ならない。
【0017】なお、上記加算増幅回路11によるアナロ
グ加算の処理によりデータ量が低減するため、高分解能
(波長分解能)の入射光の分析はこのままでは困難にな
る。
【0018】高分解能(波長分解能)をも必要とする場
合には、増幅回路7からの出力と上記第2の信号保持回
路12からの出力とをアナログ切替器13に入力し、高
分解能(波長分解能)の分析を必要とするときは、アナ
ログ切り替え回路13を信号処理装置9からの指令によ
り増幅回路7側に切り替えて、増幅回路7からの出力を
AD変換器8を通して直接信号処理装置9に入力するよ
うにすれば良い。このように構成することにより、波長
分解能は低いが、高S/N比(高分解能)のモードと、
S/N比は低いが波長分解能が高いモードを、一つの装
置で切り替えて使用することができる。
【0019】図2は、他の実施形態を示す図である。図
1における第1の信号保持回路10に相当する部分を、
n個(n≧2)の信号保持回路(10−11ないし10
−1n)を備えた第1段の信号保持回路10Aと、m個
(m≧2)の信号保持回路(10−21ないし10−2
m)を備えた第2段の信号保持回路10Bを加算増幅回
路11−1を介して縦続接続して構成している。このよ
うにすることにより、(n+m)個の少ない信号保持回
路で、S/N比を[(n+1)*(m+1)]の1/2
乗倍に改善できる。たとえばn=8、m=8の場合、S
/N比として9倍近くの改善が得られる。
【0020】図3は、さらに他の実施形態を示す図であ
る。この分光処理装置は、プラズマ処理装置1内の二つ
処理室からの発光を同時に分析することができる。二つ
の処理室からの発光を同時に分析するために、光ファイ
バ2−1、2−2、光量調整器14−1、14−2、分
光器3−1、3−2、CCD4−1、4−2、増幅回路
7−1、7−2、第1の信号保持回路10−1、10−
2、加算増幅回路11−1、11−2及び第2の信号保
持回路12−1、12−2はそれぞれ2組が必要とな
る。一方、CCD駆動信号6は同じ信号を2つのCCD
4−1、4−2に共通に加えることにより回路を簡単と
することができる。このため、タイミング発生回路5、
AD変換器8は一つよい。
【0021】なお、二つの信号を一つのAD変換器8で
デジタル化するためには、第2の信号保持回路12−
1、12−2の出力を時分割多重化回路21で時系列に
多重化した後、アナログ切替器13を経由してAD変換
器8に入力するようにする。第2の信号保持回路12−
1、12−2の出力を直接アナログ切替器13に入力
し、信号処理装置9の指令により交互に選択してAD変
換することにより、時分割多重化回路21を省くことも
可能である。例えばn=16の場合、信号の量は、1/
9に低下するため、交互にAD変換を行っても、従来の
単一光入力の場合に比較してAD変換のスピードは、1
/8で済む。
【0022】また、プラズマ処理装置1内の4つの処理
室からの発光を同時に分析することができる。この場合
でも、単一光入力の場合に比較してAD変換のスピード
を低下させられるため、低価格のAD変換器や低価格の
信号処理装置を用いることができる。これが、加算増幅
回路11あるいは11−1、11−2等を用いて複数の
光入力の処理を同時に行う場合の大きな利点である。ま
た、処理装置からの測定光と参照光とを用いこれらの光
を異なるCCDで測定する場合、同一タイミングで前記
CCDを駆動すると、二つのCCD間の対応波長におけ
るデータの採取時間の時間差を0とすることができ、各
波長における測定光及び参照光を用いた演算を正確に行
うことができる。特に、プラズマ光などのように頻繁に
変動する光を測定光及び参照光とする場合には、前記複
数のCCDを同一タイミングで駆動する利点は大きい。
【0023】上述のように、複数個のCCDを同じタイ
ミングで動作させる場合には、各CCDの蓄積時間が同
一となり、複数のCCD毎の感度調整が困難となる。特
に複数のCCDに入力する光のレベルが大幅に異なる場
合は、図3に示すようにプラズマ処理装置1と光ファイ
バ2間、光ファイバ2中、あるいは光ファイバ2と分光
器3との間に光量調整器14を設置するとともに、信号
処理装置9からの指令を光量設定用DA変換器22を介
してアナログ量に変換した後、光量制御器23を経由し
て、前記光量調整器14を制御すれば良い。なお、前記
光量調整器14としては、印加電圧により光の透過光量
が変化する液晶素子あるいは印加電圧により光の開口の
大きさが変化する絞り機構等を用いることができる。
【0024】以上、加算増幅回路11等を用いたアナロ
グ加算によるS/N比の改善とデータ量の低減について
説明した。
【0025】S/N比の改善は、信号処理装置9におけ
るデジタル処理による改善を併用すると、さらに効果が
増大する。以下に2個の光入力を処理する図3の分光処
理装置を例に説明する。
【0026】蓄積時間が25ミリ秒で、25ミリ秒毎に
入力される同一チャンネル(同一波長)の信号128個
に対し、隣接信号16個を加算増幅回路11で加算し、
波長毎に128個のアナログ信号を得る。このアナログ
信号をAD変換器8でデジタル信号に変換した後、信号
処理装置9に入力する。信号処理装置9では、25ミリ
秒ごとに入力された前記波長毎の信号を、隣接波長間と
サンプリング毎とでそれぞれ16回加算する。これによ
り、波長毎に隣接16波長間平均処理を施した信号、及
び16回サンプリング平均を施した信号を得ることがで
きる。これらの信号をもとに所望の信号処理をおこな
い、0.5秒ごとにS/N比が大幅に向上した2つの処
理室に対応した所望の信号を得る。さらに、この信号を
もとに、プラズマ処理装置1の2つの処理室における処
理の終点をそれぞれ独立に見出すことができる。
【0027】この場合のS/N比の改善は、アナログ加
算で約4倍、信号処理装置9中の波長加算で約4倍、お
よび信号処理装置中のサンプリング点毎の加算で約4
倍、すなわち4*4*4=約64倍の改善を得ることが
できる。
【0028】CCD4のS/N比がフルスケールで25
0の場合、フルスケールの1/64の光信号のS/N比
は、250/√64=約30に低下するが、上記の加算
平均処理を行うことにより、30*64=1900程度
にまで回復できる。フルスケールの1/64の暗い光の
信号中の微小(例えば1%)な変動でも、その変動を2
0段階程度に分離することが可能になる。
【0029】以上はAD変換時の量子化ノイズを省いて
説明したが、フルスケールの1/64程度の微小信号に
なるとノイズを無視することはできず、AD変換時のノ
イズ等により信号のS/N比は低下する。例えば、12
ビットのAD変換器にてデジタル信号に変換する場合、
量子化ノイズやその他の回路のノイズを含めるて、フル
スケールの1/3000ないし1/2000程度ノイズ
が増加する。これを考慮すると、フルスケールの1/6
4の光信号のS/N比は上記値の半分以下に低下するこ
とになる。
【0030】図4は、さらに他の実施形態を示す図であ
る。この分光処理装置はアナログ加算時の増幅度を波長
毎に変化させるようにしたものである。これにより低輝
度領域におけるAD変換時の量子化ノイズや回路系ノイ
ズの影響を低減することができる。
【0031】信号処理装置9から加算増幅回路11の利
得設定指令がタイミング発生回路5に入力されると、タ
イミング発生回路5は、CCDリセットタイミング信号
の後、加算増幅回路11(1倍の利得に設定してある)
の出力信号を第2の信号保持回路12に記憶させるタイ
ミングで、利得設定用AD変換器15(サンプルホール
ド機能付が好ましい)の変換をスタートさせる(利得設
定用AD変換器15は、8ビット以下(4ないしは5ビ
ット程度)のデジタル信号に変換する低価格で小型のも
ので十分である)。タイミング発生回路5からの信号に
より波長に対応した番地がアドレス回路16に設定さ
れ、メモリ17中の対応する番地に利得設定用AD変換
器15の出力(信号の大きさの情報)であるデジタル信
号が記憶される。
【0032】この動作がCCDの1蓄積時間に対し実施
されると、2048/(n+1)個の波長に対するに信
号の大きさの情報がメモリ17に蓄積される。つぎに、
信号処理装置9から利得付データ出力指令がタイミング
発生回路5に入力されると、加算増幅回路11の増幅度
はCCDリセットタイミング信号のあと、メモリ17中
の信号の大きさの情報に対応して設定される。このと
き、前記加算増幅回路11の利得は、2048/(n+
1)個の波長毎に利得設定回路18を経由して設定され
ることになる。
【0033】前記信号の大きさ情報と加算増幅回路11
の利得との関係は以下のように設定するとよい。
【0034】 信号の大きさ情報(対フルスケール) 加算増幅回路11の利得 1)1/4から1・・・・・・・・・・・・・・・・・A倍 2)1/8から1/4未満・・・・・・・・・・・・・2A倍 3)1/16から1/8未満・・・・・・・・・・・・4A倍 4)1/32から1/16未満・・・・・・・・・・・8A倍 5)1/32未満・・・・・・・・・・・・・・・・・16A倍 なお、Aの値は通常1未満の値(例えば:1/(n+
1)、但しnは第1の信号保持回路の数)とする。
【0035】プラズマ発光のスペクトル信号は、一回の
試料処理中には通常大幅には変動しない。このため、試
料処理の初期の段階の安定放電時に一回だけ前記加算増
幅回路11の利得を設定すれば、通常問題にはならな
い。しかし、アナログ信号の微小な変動で、上位の量子
化ビットが変化する領域も前記信号中に含まれる。この
ため加算増幅回路11の利得設定後、その波長における
信号が一回の試料処理中に増加(一般には1.3倍程度
以上)しても飽和しないように余裕をもたせて設定して
おくとよい。
【0036】なお、加算増幅回路11の利得設定データ
は、利得出力回路19及び第3の信号保持回路20でア
ナログ信号に変換し、第2の信号保持回路12の出力と
同じタイミングで時系列でアナログ切換器13に出力さ
れている。このため、前記利得設定データは、前記信号
処理装置9の指令によりAD変換器8を介して読み取る
ことができる。前述のように、加算増幅回路11の利得
の設定は、試料処理の初期の段階の安定放電時に一回だ
け行えば良い。従って、前記利得データの読み取りも、
試料処理の初期の段階の安定放電時に一回だけ行えば良
い。
【0037】信号処理装置9は、このようにして設定し
た一回の時系列利得設定データについて第3の信号保持
回路20の出力と、一回の処理中の蓄積時間毎に時系列
で出力される第2の信号保持回路12の出力データとを
用いて同一波長間の演算を行うことにより、各波長毎の
真の値をプラズマ処理中にわたり、継続して算出するこ
とができる。
【0038】なお、一回の処理中の発光スペクトルの微
小な時間的変化のみを検出対象とする場合には、信号処
理装置9中での、利得設定データを用いた上記演算は必
ずしも必須ではない。また、この例では、試料処理の初
期の段階の安定放電時に一回だけ加算増幅回路11の利
得を設定する場合を述べたが、試料処理の途中である波
長のスペクトル強度が大幅に変化する場合には、試料処
理の途中で、加算増幅回路11の利得の再設定を行うこ
ともできる。
【0039】図5は、さらに他の実施形態を示す図であ
る。この分光処理装置は、前記の例とは異なり、異なる
波長の信号を加算することなく増幅のみを施してAD変
換する。なお、利得設定回路18により異なる波長毎に
増幅回路7の利得を設定することにより、明るさの低い
成分のS/N比を向上させられることはもちろんであ
る。ただし、図4の場合に比べアナログ信号自身のS/
Nが低いため、その効果は図4の場合に比べ少なくな
る。
【0040】以上、発光分光処理装置について述べてき
た。この処理装置を用いると、プラズマ処理中の発光の
微小且つ速い変化を早期に検知可能となる。たとえば、
ゲート長0.1μm以下の半導体のゲートエッチング加
工に用いるプラズマ処理装置においては、処理対象とな
る下地絶縁膜の厚さは数nmないし1nmと極めて薄
い。このため、エッチング対象膜を全部エッチングして
しまう前の、前記膜を数nmないし数十nm残した状態
でプラズマ処理ステップを終了させ、次いで下地との選
択比が高い別の条件で次のプラズマ処理ステップをスタ
ートさせる必要がある。
【0041】前記エッチング対象膜の残膜量を処理中に
計測するには、ウエハからの干渉光を観察する必要があ
るが、この方法では各波長毎の光の変化は0.1%ない
し数%程度と少ない。これに対して、前記分光処理装置
を用いる場合には信号のS/N比を大幅に改善すること
ができ、かつ1秒以下の早い応答に対応してプラズマ処
理ステップを停止することができるため、0.1μm以
下のゲート長におけるエッチング加工が可能となる。
【0042】一方、数千枚のウエハを連続してエッチン
グ処理する場合、その処理室の変化をみるには、波長の
分解能を高くした状態で光量の変化をみる必要がある
が、高速の応答性は必ずしも必要としない。このような
用途の場合には、図3に示す増幅回路7の出力信号をア
ナログ切り替え器13で選択し、AD変換器8を経由し
て信号処理装置9に入力させる。すなわち、このような
用途の場合は、波長の分解能が必要となるため、波長間
の平均化は行わず、複数サンプリングデータ間の平均化
を施す。これにより、信号の処理中におけるS/N比を
改善することができる。
【0043】例えば、エッチング中に、0.5秒毎且つ
各波長毎に1回のデータを採取する操作を1分間行う
と、各波長毎に120点のデ−タが採取できる。この採
取データを波長ごとに平均化することにより、√120
=10.9倍のS/N比の改善が可能となる。このよう
に、波長分解能は必要としないが1秒以下の応答が必要
な微小変化の検知と、波長分解能は必要となるが、数十
秒の応答でよい微小変化の検知とを、図3に示す1台の
装置でともに実施することができる。
【0044】また、1秒以下の高速応答が必要な発光成
分の微小変化の検知、あるいは発光の各波長成分の微小
な変化のモニタリングに対しても本発明は適用可能であ
る。また、前記変化の変化量が所定値を越えた場合に、
異常信号を発報し、注意表示を行い、あるいは次の処理
を停止させることにより、プラズマ処理の異状を未然に
防止することができる。
【0045】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、プラズマ処理中の発光中の構成波長の微少な変化
(10%未満)を1秒以下(好ましくは、0.5秒以
下)のタイミングで高速かつ安定に処理することができ
る。また、プラズマ処理中の発光中の各波長毎のスペク
トルの微少な変化を高速かつ安定に処理するモードと、
プラズマ処理中の発光中の各波長毎のスペクトルの変化
を隣接する各波長に対して高分解能で判定するモードと
を、用途に応じてひとつの装置で切り替えて使用するこ
とができる。
【0046】次に、CCDから得られる光信号のデジタ
ル処理について説明する。まず、始めにプラズマエッチ
ング処理時のプラズマ発光の特徴について説明すると、
真空処理室でのプラズマエッチング処理では、処理ガス
(反応性ガス)としてCl2、HBr、CF4、C58 ガス
が用いられ、更にプラズマのイオン性を増すためArガ
スが用いられる。これらのガスはプラズマにより反応性
の高いCl、Br、F原子(ラジカル)に分解される。これ
らのラジカルガスが被エッチング材であるシリコン(S
i)、ポリシリコン(Si)、酸化膜(SiO2)、窒化膜(Si
34)、BARC(Back Anti-Reflection Coating)、P
t、Fe、SBT(SrBi2Ta29)等と反応して反応生成
物であるSiCl、SiCl2、SiF、SiBr、C2、Co、
CN、PtCl、FeCl、TaCl 等を生成し、エッチン
グが進行する。被エッチング材がなくなると、すなわ
ち、ッチングが終了すると、反応生成物は生成されなく
なり、減少すると共に、ラジカルガスは増加する。
【0047】従って、プラズマエッチング処理中の発光
スペクトル強度は、次の、、の3種類に分類され
る。 被エッチング材料のエッチング終了時点で減少する
反応生成物によるスペクトル。 エッチング終了時点で増加するラジカルによるスペ
クトル。 エッチング反応に無関係なためエッチング終了前後
で変化しない物質のスペクトル。
【0048】従来のプラズマ発光による終点判定では、
前記発光スペクトルの内、特定のスペクトル波長の発光
強度(例えば、反応生成物によるスペクトル)の時間変化
を用いていた。しかしながら、前記したように、CCD
からの発光スペクトル信号にはその信号強度に応じてノ
イズ成分が存在するため、発光スペクトル信号の微分波
形を利用したエッチング終点検出においては、このノイ
ズ成分が終点検出を困難にしていた。
【0049】以下に、このノイズ成分を除去することが
できるようにした本発明の実施形態について、図6と図
7を用いて説明する。まず、時刻tにおけるCCDから
の波長λの発光スペクトル信号をAD変換器8によりデ
ジタイズした信号が光信号成分i(λ、t)とノイズ成分
δi(λ、t)とにより表わせるとする。ここでノイズ成
分δi(λ、t)はCCDの電気的雑音や光の揺らぎ雑音
である。
【0050】この発光スペクトル信号i(λ、t)+δi
(λ、t)を上記した信号処理装置9内のデジタイズデー
タ保持回路910に1時保存し、予め設定回路911に
設定されている発光スペクトル分類用のマスク関数M
(λ)を用い、これら発光スペクトル信号i(λ、t)+δ
i(λ、t)とマスク関数M(λ)を、演算回路912によ
り、測定されたすべての波長λにわたり加算する。
【0051】この波長λについての積算ΣM(λ)[i
(λ、t)+δi(λ、t)]値は加算値保持回路913に蓄
えられ、微分処理回路914により発光強度の時間微分
値が求まる。この発光強度の時間微分値を用いて微分値
判定回路915によりエッチング終点判定が行われる。
このときの処理フローは図7に示す通りになる。
【0052】まず、処理800で被エッチング材や処理
ガスなどのエッチング条件が入力され、処理801では
CCD波長に対するマスク関数M(λ)の設定が行われ
る。次に、処理802で、エッチングが開始されると共
にCCDからの光信号のサンプリングが開始され、処理
803で、CCDの各波長λに関する光信号i(λ、t)
+δi(λ、t)が取得される。次いで、処理804で、
この光信号とマスク関数M(λ)のすべての波長λにおけ
る加算値ΣM(λ)[i(λ、t)+δi(λ、t)]を算出
し、処理805では、この加算値ΣM(λ)[i(λ、t)
+δi(λ、t)]を元に時刻tでの発光強度の時間微分
値を求める。
【0053】そして、処理806で、この時間微分値と
予め設定されている微分判定値が比較され、再び光信号
i(λ、t)+δi(λ、t)の取得処理803に戻るか、処
理807で、エッチング処理終了及び光信号のサンプリ
ング終了を設定するかが判定される。ここで、この波長
λについての積算ΣM(λ)[i(λ、t)+δi(λ、t)]
において、Σ[δi(λ、t)]はランダムノイズであ
り、このため、多くの波長λによる加算により積算値は
ゼロに近くなり、従って、この積算によりノイズが除去
できることになる。
【0054】次に、発光スペクトルの分類法について説
明すると、CCDの波長λからの発光スペクトルがプラ
ズマエッチング処理のエッチング終了前後で減少する光
信号か、増加する光信号か、または変化しない光信号か
を分類するには、以下の方法により決定することができ
る。
【0055】(a) 予め反応性ガスや被エッチング材の反
応生成物をスペクトルライブラリによりデータベースを
作成しておき、そのデータベースより反応性ガスに属す
る波長はエッチング終了前後で増加する波長、また反応
生成物に属する波長はエッチング終了前後で減少する波
長、そして、他の波長は反応に無関係な時間変化のない
波長と分類する。このときのスペクトルライブラリにつ
いては、次の文献に記載されている。 CRC Handbook of Chemistry and Physics,David R. Li
de、 CRC Press,R. W. B. Pearse and A. G. Gaydon,
“The Identification of Molecular Spectra"John Wil
ey & Sons, Inc. 1976
【0056】(b) サンプルウェハ処理(同種の被エッチ
ング材を含むウェハのエッチング処理)を行う。その処
理時の発光スペクトルの時間変化に対して、全波長につ
いて微分処理を行いエッチング終了前後での1次微分値
の値により分類する。微分処理法としては特開2000
−228397記載の方法を用いることができる。すな
わち、次の3種に分類する。 i.1次微分値が負の波長はエッチング終了前後で減少
する波長(反応生成物によるもの)。 ii.1次微分値が正の波長はエッチング終了前後で増加
する波長(ラジカルによるもの)。 iii.1次微分値がゼロの波長はエッチング終了前後で
変化しない波長(反応に無関係なもの)。
【0057】(c) サンプルウェハ処理(同種の被エッチ
ング材を含むウェハのエッチング処理)を行う。その処
理時の全波長に関する発光スペクトルの時間変化に対し
て主成分分析を行い、各成分のスペクトルを求め、その
各成分のスペクトルの値により分類する。主成分分析に
ついては、次の文献に記載されており、その方法を用い
ることができる。 南 茂夫著 “科学計測のための波形データ処理" CQ出版、 p220-226、 1986 K. Sasaki, S. Kawata,and S. Minami,“Estimation of
Component Spectral Curvesfrom Unknown Mixture Spe
ctra"Appl. Opt. Vol. 23, p1955-1959, 1984
【0058】この場合、主成分分析により求められた或
る成分のスペクトルの値により分類する。例えば、この
或る成分のスペクトルの値が負の波長は、エッチング終
了前後で減少する波長(反応生成物によるもの)とし、ス
ペクトルの値が正の波長は、エッチング終了前後で増加
する波長(ラジカルによるもの)で、スペクトルの値がゼ
ロの波長は、エッチング終了前後で変化しない波長(反
応に無関係なもの)であると分類する。ただし、この方
法では、或る成分のスペクトル値の正負の値に関して
は、必ずしも正が反応生成物で負がラジカルとは限らな
い。
【0059】上記の方法により3種に分類したグループ
に対して、グループを明記するため演算子M(λ)を導入
する。例えば、エッチング前後で発光強度が増加する波
長λはM(λ)=1、エッチング前後で発光強度が減少す
る波長λはM(λ)=−1、エッチング前後で発光強度が
変化しない波長λはM(λ)=1とする。
【0060】本実施形態を適用してたBARC(Back An
ti-Reflection Coating)エッチング処理した結果を図8
と図9に示す。このときのエッチング処理ガスはHBr
とCF4、O2、Ar の混合ガスである。まず、図8はB
ARCエッチング終了前とエッチング終了後の発光スペ
クトルの1例で、このエッチングではBARC材の反応
生成物であるCN、Co、C2など多くの発光スペクト
ルがエッチング終了前後で減少し、OHやOの発光スペ
クトルが増加していることがわかる。この発光スペクト
ルの時間変化を微分処理することにより、発光スペクト
ルの時間変動の分類を行い、図に示すマスク関数M(λ)
を決定した。
【0061】次に、図9は、マスク関数M(λ)を用い波
長λについて求めた積算ΣM(λ)[i(λ、t)+δi
(λ、t)]を示したもので、図において、標準状態とは
発光スペクトル強度の平均値が約1220カウントのも
のであり、発光量1/100減少とは発光スペクトル強
度を絞り平均値が約12.2カウントのものである。こ
の図から、発光量が1/100に減少した場合でも、本
発明によればノイズ成分が十分に除去でき、発光強度の
時間変化が正確に求められることが判る。
【0062】次に、CCDからのノイズ成分δi(λ、
t)が光信号成分i(λ)の強度に反比例する性質を考慮し
た場合の本発明の実施形態について説明すると、この実
施形態で用いたCCD(ソニー製ILX511)のS/N
比は、上述したように、約250√(i(λ)/4000)
と表現でき、ノイズ成分は、δi(λ、t)=1/250
*√(4000*i(λ、t))と表すことができる。例え
ば、ノイズはi(λ)=4000のときδi(λ、t)=1
6(S/N=250)であるが、i(λ)=10のときはδ
i(λ、t)=0.8(S/N=12.5)となる。
【0063】ここで、単純にλについての積算を行った
場合、発光量のS/N比に対する寄与は無視できる。こ
れは、上記したλについての積算ΣM(λ)[i(λ、t)
+δi(λ、t)]に関して、ノイズ成分δi(λ、t)によ
り規格化することにより可能になる。つまり図8のλに
ついての積算処理804をΣM(λ)[i(λ、t)+δi
(λ、t)]/[1/250*√(4000*i(λ、t))]
とすれば良い。従って、この実施形態による処理フロー
は図10に示すようになり、ここで、処理814が上記
した規格化処理であり、他の処理は図8の実施形態の場
合と同じである。
【0064】次に、プラズマ発光に異常放電などの変動
があった場合に、そのプラズマ発光変動を相殺すること
ができるようにした本発明の実施形態について説明す
る。まず、上記したマスク関数M(λ)値を、例えば、エ
ッチング前後で発光強度が増加する波長λはマスク関数
M(λ)=2、エッチング前後で発光強度が減少する波長
λはマスク関数M(λ)=−2、エッチング前後で発光強
度が変化しない波長λはマスク関数M(λ)=1と設定
し、これにより、エッチング前後で発光強度が変化しな
い波長λを区別し、このエッチング前後で発光強度が変
化しない波長λの光信号により、波長λについての積算
ΣM(λ)[i(λ、t)+δi(λ、t)]を規格化する。
【0065】すなわち、図11の処理フローに示すよう
に、図8の処理フローにおける処理804に代えて処理
824を設け、まず、A*ΣM(λ)[i(λ、t)+δi
(λ、t)]/ΣM(λ')[i(λ'、t)+δi(λ'、t)]を
算出する。ここで、ΣM(λ')[i(λ'、t)+δi
(λ'、t)]は、エッチング前後で発光強度が変化しない
波長λ'での積算値であり、係数Aは、プラズマエッチ
ング処理開始後の適当な時刻t0 におけるA=ΣM
(λ')[i(λ'、t)+δi(λ'、t)]/ΣM(λ)[i
(λ、t)+δi(λ、t)]の値である。この規格化処理8
24によれば、プラズマ発光に異常放電などの変動があ
った場合の発光変動がキャンセルされ、従って、この実
施形態によれば、正確で信頼性の高い終点判定を行うこ
とができる。
【0066】ここで、発光強度がエッチング前後で変化
しない波長λが見つからなかった場合は、エッチング前
後で発光強度が増加する波長λに関する積算値を規格化
値として用いるようにしてもよく、これによっても同様
の効果を得ることことができる。この場合、A*ΣM
(λ)[i(λ、t)+δi(λ、t)]/ΣM(λ')[i
(λ'、t)+δi(λ'、t)]の積算における波長λ'の加
算を、エッチング前後で発光強度が増加する波長λ'に
ついて行えば良い。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、分光スペクトルに現れ
る速い微小変化を再現性よく検知することのできる発光
分光処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる発光分光処理装置の一実施形態
を示す図である。
【図2】本発明にかかる発光分光処理装置の他の一実施
形態を示す図である。
【図3】本発明にかかる発光分光処理装置の更に他の一
実施形態を示す図である。
【図4】本発明にかかる発光分光処理装置の更に別の一
実施形態を示す図である。
【図5】本発明にかかる発光分光処理装置の更に他の一
実施形態を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態における信号処理装置部の
ブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態におけるデジタル信号処理
を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態における発光スペクトル波
形とマスク関数の一例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態における発光強度の変化波
形の一例を示す図である。
【図10】本発明の他の一実施形態におけるデジタル信
号処理を説明するフローチャートである。
【図11】本発明の更に他の一実施形態におけるデジタ
ル信号処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 プラズマ処理装置 2 光ファイバ 3 分光器 4 CCD 5 タイミング発生回路 6 CCD駆動信号 7 増幅回路 8 AD変換器 9 信号処理装置 10 第1の信号保持回路 11 加算増幅回路 12 第2の信号保持回路 13 アナログ切換器 14 光量調整器 15 利得設定用AD変換器 16 アドレス回路 17 メモリ 18 利得設定回路 19 利得出力回路 20 出力保持回路 21 時分割多重化回路 22 光量設定用AD変換器 23 光量制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 臼井 建人 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 加治 哲徳 山口県下松市大字東豊井794番地 日立笠 戸エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 木村 静秋 山口県下松市大字東豊井794番地 日立笠 戸エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 藤井 敬 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立ハイテクノロジーズ設計・製造統括 本部笠戸事業所内 Fターム(参考) 2G043 AA03 CA02 FA03 HA05 JA01 LA03 MA04 NA01 NA05 4G075 AA24 AA30 AA62 BC06 CA47 DA01 EB32 5F004 AA01 CB02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理装置からの入力光を分光する分光器
    と、 前記分光した入力光の光量を各波長毎に検出する一連の
    受光素子を備えた受光部と、 一連の受光素子の内の隣接する一部の受光素子の検出信
    号をそれぞれ第1の周期で順次保持する第1の信号保持
    部と、 前記保持した隣接する一部の受光素子の検出信号を含む
    前記受光部の隣接する受光素子の検出信号を加算する加
    算部と、 該加算部の加算出力を順次保持する第2の信号保持部
    と、 該第2の信号保持部の出力をもとに前記処理装置の状態
    を判定する信号処理部を備えたことを特徴とする発光分
    光処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の記載において、 前記第1の信号保持部は、一連の受光素子の内の隣接す
    る一部の受光素子の検出信号をそれぞれ第1の周期で順
    次保持する第1段の信号保持部と、該保持部の加算出力
    を第1の周期よりも長い第2の周期で順次保持する第2
    段の信号保持部で構成したことを特徴とする発光分光処
    理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1ないし請求項2の何れか1の記
    載において、 前記信号処理部は、前記加算部出力及び前記受光部の隣
    接する各受光素子毎の検出信号の何れか一方を入力する
    選択手段を備えたことを特徴とする発光分光処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3の何れか1の記
    載において、 前記第1の信号保持部は、前記受光部の隣接する複数の
    受光素子毎に異なる比率で増幅した前記入力光の検出信
    号を保持することを特徴とする発光分光処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項3の何れか1の記
    載において、 前記処理装置はプラズマエッチング処理装置であり、前
    記発光分光処理装置は前記加算部の加算出力をもとに前
    記プラズマエッチング処理装置のエッチング処理を停止
    することを特徴とする発光分光処理装置。
  6. 【請求項6】 真空処理室からのプラズマ光を分光する
    ステップと、所定周期で異なる波長成分からなる時系列
    アナログ電気信号に変換するステップと、異なる波長成
    分のアナログ信号間で加算するステップと、加算された
    複数の信号を上記所定周期毎にデジタル量に変換するス
    テップと、変換された上記加算された複数の信号を複数
    の信号毎にさらに複数回デジタル的に加算するステップ
    と、この信号をもとに所定プラズマ処理ステップの終了
    点を判別するステップと、所定プラズマ処理ステップを
    終了させるステップとを有することを特徴とする、発光
    分光処理装置を用いたプラズマ処理方法。
  7. 【請求項7】 真空処理室からのプラズマ光を分光する
    ステップと、所定周期で異なる波長成分からなる時系列
    アナログ電気信号に変換するステップと、異なる波長成
    分のアナログ信号間で加算するステップと、加算された
    複数の信号を上記所定周期毎にデジタル量に変換するス
    テップと、変換された上記加算された複数の信号を複数
    の信号毎にさらに複数回デジタル的に加算するステップ
    と、上記デジタル的に加算された各波長毎の信号を予め
    設定されている物質に固有な発光波長に対応する波長に
    関して加算するステップと、この信号をもとに所定プラ
    ズマ処理ステップの終了点を判定するステップと、所定
    プラズマ処理ステップを終了させるステップとを有する
    ことを特徴とする、発光分光処理装置を用いたプラズマ
    処理方法。
  8. 【請求項8】 真空処理室からのプラズマ光を分光する
    ステップと、所定周期で異なる波長成分からなる時系列
    アナログ電気信号に変換するステップと、異なる波長成
    分のアナログ信号間で加算するステップと、加算された
    複数の信号を上記所定周期毎にデジタル量に変換するス
    テップと、変換された上記加算された複数の信号を複数
    の信号毎にさらに複数回デジタル的に加算するステップ
    と、上記デジタル的に加算された各波長毎の信号を予め
    設定されている物質に固有な発光波長に対応する波長に
    関して加算するステップと、上記デジタル的に加算され
    た各物質毎の信号を物質に対応して加算、あるいは減
    算、あるいは除算するステップと、この信号をもとに所
    定プラズマ処理ステップの終了点を判定するステップ
    と、所定プラズマ処理ステップを終了させるステップと
    を有することを特徴とする、発光分光処理装置を用いた
    プラズマ処理方法。
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