JP2003228413A - 設備の劣化診断方法およびその装置 - Google Patents

設備の劣化診断方法およびその装置

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JP2003228413A
JP2003228413A JP2002026226A JP2002026226A JP2003228413A JP 2003228413 A JP2003228413 A JP 2003228413A JP 2002026226 A JP2002026226 A JP 2002026226A JP 2002026226 A JP2002026226 A JP 2002026226A JP 2003228413 A JP2003228413 A JP 2003228413A
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JP2002026226A
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Masato Itagaki
正人 板垣
Kenji Nakagawa
憲治 仲川
Jiro Ebara
二郎 江原
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Hitachi Plant Technologies Ltd
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Hitachi Industries Co Ltd
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  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】設備を停止しなければならないような状態にな
るまえに設備の劣化状態を診断して設備の保全作業を効
率良く行い、健全な運転を維持することができる設備の
劣化診断方法及びその装置を提供することである。 【解決手段】設備1aにおける測定データと予め設定し
た診断レベルとの比較をして設備1aの劣化状態を診断
するにあたり、複数の監視項目について監視項目毎の診
断レベル値に対する測定データの近接度を求め、近接度
に基づいて複数個の監視項目のトラブル発生順位を算出
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、設備における測定
データと予め設定した診断レベルとの比較をして設備の
劣化状態を診断する設備の劣化診断方法およびその装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来技術における設備の劣化診断装置に
おいては、管理対象である設備の性能を表わす複数の代
表的項目(監視項目)のデータを測定し、いづれかの監
視項目の測定データが予め設定しておいた診断レベルに
到達したら、劣化状態になったと判断して、その旨を警
告するようにしている。
【0003】作業者は、警告に基づいて、設備の性能チ
ェック,部品修理,部品交換等の保全作業を実施する
(例えば、特開平11−3113号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】監視対象設備として、
監視項目における測定データの変動が激しい空気圧縮機
(以下、圧縮機と略記する。)がある。圧縮機は工場用
空気源として使用されており、ロータが回転し空気タン
ク(またはレシーバタンク)に高圧空気を供給している
負荷運転(またはロード運転)と、使用量の変動に基づ
いて、時々、空気を吸込む入口部を閉じて高圧空気の吐
出を停止し、ロータは復帰に備えてほぼ大気圧以下の圧
力状態で回転している無負荷運転(またはアンロード運
転)がある。
【0005】圧縮機には、圧縮形態として往復動型、ス
クリュー型などがあるが、その運転パターンは吐出圧力
で表すと概ね図14に示す通りである。
【0006】図14において、横軸は時間(単位:
分)、縦軸は圧力(単位:MPa)であり、実線14は
圧縮機出口圧力(吐出圧力)、破線15は圧縮機出口の
下流側に設置されているレシーバタンクの圧力である。
【0007】起動すると数分間で昇圧され設定圧力の
0.69MPaになり、レシーバタンクに高圧空気が供給
される。消費空気量と発生高圧空気量が等しければ、こ
のままのロード運転が続く。その内、この消費空気量が
減少すると、レシーバタンク圧力15は高くなり、上限
圧力(0.71MPa)に到達すると、圧力スイッチによ
り入口アンロード弁が作動して、空気入口部を密閉状態
にする。これにより、入口圧力は負圧になり、さらに圧
縮機出口とレシーバタンク間にある逆止弁は高圧空気の
逆流を阻止し、アンロード弁に連動している放気弁は圧
縮機出口側空気を大気に放出する。圧縮機出口圧力14
は急激に0.03MPa程度の低圧力になり、圧縮機の負
荷は低下し、ロータは回転しているが真空に近い状態
で、これがアンロード運転である。
【0008】レシーバタンク内の高圧空気が消費されて
レシーバタンク圧力15は徐々に下がり、この値が下限
圧力(0.61MPa)に到達すると、圧縮機のアンロー
ド弁が元にもどり入口部が全開となり、元のロード運転
となる。
【0009】圧縮機は分単位で頻繁にロード運転とアン
ロード運転を繰り返えし、吐出圧力は運転状態で大幅に
変動する監視項目であるが、ロード運転及びアンロード
運転に影響されない監視項目もある。
【0010】スクリュー圧縮機における診断レベルの一
例では、ロード運転での吐出圧力診断レベルの上限値を
0.725MPa、アンロード運転での吐出圧力診断レベ
ルの上限値を0.049MPaと設定しているが、通常は
ロード運転の診断レベルのみを採用して、吐出圧力がこ
の値になると圧縮機を停止させている。即ち、測定デー
タが診断レベルに到達して、初めてその劣化を知ること
になり、連続運転が要求される現場においては、設備の
停止は製造ライン全体の停止に繋がることもあり、突発
的な停止は問題である。
【0011】それゆえ本発明の目的は、設備を停止しな
ければならないような状態になるまえに設備の劣化状態
を診断して設備の保全作業を効率良く行い、健全な運転
を維持することができる設備の劣化診断方法及びその装
置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の特徴とするところは、設備における測定データと
予め設定した診断レベルとの比較をして設備の劣化状態
を診断するものにおいて、複数の監視項目について監視
項目毎の診断レベル値に対する測定データの近接度を求
め、近接度に基づいて複数個の監視項目のトラブル発生
順位を算出することにある。
【0013】トラブル発生の順位付けは、近接度を測定
データと診断レベル値との比あるいは差で求め、前者に
おいてはその比の値の大きい順に、後者においてはその
差の値の小さい順に順位付ける。
【0014】さらには、近接度を測定データの平均増分
が診断レベル値に到達するまでの余寿命予測値で算出
し、その値の小さい順にトラブル発生の順位付けをする
ことにある。
【0015】また上記の目的を達成する本発明の特徴と
するところは、設備における測定データと予め設定した
診断レベルとの比較をして設備の劣化状態を診断するも
のにおいて、監視対象である設備の測定データをそのま
まあるいは所要の演算をして測定値として収録するデー
タ演算処理手段と、データ演算処理手段で収録した測定
値の診断レベル値に対する近接度を求める近接度算出手
段と、近接度算出手段で求めた近接度を用いてトラブル
発生を順位付るトラブル発生順位算出手段とを備えたこ
とにある。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図1に示した本発明の一実
施形態になる設備の劣化診断装置について説明する。
【0017】図1において、設備運転施設1には、例え
ば圧縮機のような監視対象としての設備1aがあり、そ
の運転状態をデータ測定手段1bで測定している。設備
用集中制御手段(コンピュータ)1cは内蔵している通
信プロトコルによりデータ測定手段1bに対し予め決め
てある測定のサンプリング周期でオンラインによりリア
ルタイムで測定データを伝送させている。紙面の簡略化
のために設備1aやデータ測定手段1bは1個ずつ記載
しているが、実際には設備運転施設1に設備1aは複数
個存在し、データ測定手段1bは個々の設備1aに複数
個存在している。従って、設備用集中制御手段(コンピ
ュータ)1cでは、データ測定手段1bで測定した各測
定データに設備1aのコード,監視項目のコード,ロー
ド運転やアンロード運転などの運転状態を表すコードを
付加する。測定のサンプリング周期が決まっており、一
定期間(例えば1日間)に多数回測定されるので、設備
用集中制御手段(コンピュータ)1cでは、さらに、測
定日時に関するデータと何番目のサンプリングに当たる
測定データであるかの順序を表すデータを付加する。設
備用集中制御手段(コンピュータ)1cは、こうして形
成したデータを内蔵している通信プロトコルにより通信
インターフェース1dと通信手段3を介して遠隔地にあ
る中央管理施設2の中央管理装置(コンピュータ)4に
送る。以下、個々の測定データとこれに関連して付加し
たコードやデータの一連のものを送信データと呼ぶ。
【0018】中央管理施設2では通信インターフェース
2aを介して設備用集中制御手段1cから送られてくる
送信データを中央管理装置4において内蔵している通信
プロトコルに従って収集(データの取り込み)する。
【0019】中央管理装置4には、収集した個々の送信
データについて装置4(通常はコンピュータである。)
に送られる。
【0020】中央管理装置4には、設備1aのコード,
監視項目のコード,運転状態を表すコードを読んで、設
備1a毎の運転状態を判定する運転状態判定手段4a
と、設備1aの各監視項目について運転状態判定手段4
aで判定した運転状態毎に区別して各測定データに測定
の日時に関するデータと何番目のサンプリングに当たる
測定データであるかの順序を表すデータを付加して収録
するデータ演算処理手段4bがある。
【0021】この演算処理手段4bでは、運転状態に影
響を受けない測定データも監視項目毎に一定期間分毎に
分けてそのまま収録する。そして、一定期間(例えば1
日分)の測定データが溜まったところで、設備毎・監視
項目毎・運転状態毎に区別して測定データについて所要
の演算をして、例えば、最大値,最小値および平均値を
算出して、それらを収録している。
【0022】最大値,最小値の算出はサンプリングの順
序のデータを用いて取り出した2個の測定データの大小
比較を繰り返して最大のものあるいは最小のものを選出
することで得ることができる。平均値は日時のデータを
用いて取り出した一定期間の全測定データを加算し全測
定データ数で除すことで得られる。
【0023】中央管理装置4は、さらに、収録した各測
定データの各運転状態について最大値,最小値および平
均値と診断レベル値データベース4gに予め設定してあ
る診断レベル値とを比較する運転状態診断手段4cと、
診断レベル値データベース4gに予め設定してある診断
レベル値に対する測定データの近接度を算出する近接度
算出手段4dと、この近接度の値に基づいて全ての監視
項目のトラブル発生を予測して順位付けるトラブル発生
順位算出手段4eと、これらの診断結果に基づいて警告
提示する診断結果表示手段4fと、を備えている。この
警告提示方法は、画面点滅、音声等で行なう。これらの
提示内容の一部は、前述の通信インターフェース1d及
び2aを介して、通信手段3により、設備運転施設1の
設備用集中制御手段1cの表示画面に送信する。
【0024】図1では中央管理装置4の構成を図2に示
す劣化診断のフローでのデータ処理の流れに合わせた機
能で示しているが、実際には各手段4a〜4gおよび図
2のフローを実行するプログラムを格納したROMなど
がバスに繋がっていて通信インターフェース2aで外部
と連動する。
【0025】次に図2に基づいて、中央管理装置4で行
う設備の劣化診断について説明する。
【0026】運転状態判定手段4aは、図2のステップ
(以下Sと略す。)11において、設備用集中制御手段
1cから送信データを取り込み、S12にて運転状態の
区別が必要な測定データかどうかを運転状態を表すコー
ドの有無で判定する。運転状態を表すコードがあれば、
S13にて負荷運転状態かあるいは無負荷運転状態か運
転状態の判定をして、設備毎・監視項目・毎運転状態毎
にこれら3分類に分けて測定データを収録する。例えば
1日分の測定データが溜まったところで、S12にて運
転状態の区別が不要と判定された測定データはS14A
に進み、S12にて運転状態の区別要と判定された測定
データのうちS13でロード運転と判定されたものはS
14Bに進み、アンロード運転と判定されたものはS1
4Cに進んで、各運転状態毎・監視項目毎に測定データ
の最大値Xa,最小値Xiおよび平均値Xmを前述した
算出法で求めてそれらを収録する。
【0027】ある設備におけるある監視項目についてロ
ード運転とアンロード運転での平均値,最大値及び最小
値の合計6個の算出値か、運転状態区別なしの監視項目
の平均値,最大値及び最小値の合計3個の測定値(算出
値)のいずれかが1日分毎に求まる。
【0028】図3は、これらの測定値のうちロード運転
での最大値Xa,最小値Xiおよび平均値Xmの推移を
曲線10a〜10cで表しており、横軸が日にち、縦軸
が測定値(算出値)である。
【0029】初期には長期間、例えば、数十日分の測定
値(算出値)が溜まった頃、その後は数日毎に図2のS
15に進み、運転状態対応診断手段4cはで予告値に対
する診断1を行い、さらにS16に進んで、故障値に対
する診断2を行なう。これらの診断で用いる予告値およ
び故障値は、設備毎に負荷運転か無負荷運転かを考慮し
て予め設定して診断レベル値データベース4gに記憶格
納してある。
【0030】ここで診断1,2で構成した2段階の劣化
診断を図3の事例について図4に示す判定式に従って説
明する。
【0031】診断1は、故障が真近にせまっているかど
うかについて診断するもので、図4のように、直前長期
間(Yb日間で通常、数十日間)における平均値Xmの
平均12b(Xdb)に対する直前短期間(Ya日間で
通常、数日間)における平均値Xmの平均12a(Xd
a)の変化量(Xda−Xdb)の変化率Xdd(%)
を求め、この変化率Xdd(%)と予告値(診断レベル
値)11a(A0%)とを、比較判定する。この場合、
(1a)Xdd<A0であればOK(図2ではYES)
で、S16に進む.(1b)Xdd≧A0であればNO
で、S20に進み、故障が近いことのアラームを表示す
る。
【0032】ここで 平均値Xmを用いたのは、測定デ
ータが時間的変動の多い設備においては、平均値Xmは
外乱の影響が最も少なく、かつ日々の状態を表わしてい
るからである。
【0033】S16の診断2は故障状態にあるかどうか
を診断するもので、図3のトレンドの最大値Xaと図4
に示した故障値の診断レベル値C0とを比較判定する。
この場合、(2a)Xa<C0であればOK(図2ではY
ES)で、S17に進む。
【0034】(2b)Xa≧C0であればNOで、S2
1に進み、故障のアラーム表示をする。
【0035】診断レベル値C0は、設備が停止する状態
の限界値であり、設備にとっては最悪の状態になってい
る。
【0036】S20,S21でアラーム表示をした場合
には、S22で原因推定および対策決定を行い、S23
にてメンテナンス実行の内容を表示する。
【0037】図2のS16でS17に進んだ場合、近接
度算出手段4dは、例えば、図5に示す比率で定義する
方法で近接度を算出する。即ち、図5において増分に関
する予告値比率近接度Zrは、平均値Xmの変化率Xd
dと予告診断レベル値A0との比であるZr=Xdd/
A0の無次元量である。また、絶対値に関する故障値比
率近接度Yrは、最大値Xaと故障診断レベル値C0と
の比であるYr=Xa/C0の無次元量である。両者と
も、1に近いほど診断レベル値に近いことを示してい
る。
【0038】S17で近接度算出が済んだら、予告値比
率近接度Zrや故障値比率近接度Yrは記憶格納してお
く。
【0039】その後S18に進み、トラブル発生順位算
出手段4eは、診断レベル値データベース4gから得た
診断レベル値を参考にしつつ予告値比率近接度Zrや故
障値比率近接度Yrを用いて図6および図7に示すよう
に全ての監視項目のトラブル発生の順位付けを行う。予
告値比率近接度Zrの大きい順に順位付けしたのが図6
であり、故障値比率近接度Yrの大きい順に順位付けし
たのが図7で、両者とも、1に近い項目が上位で、診断
レベル値に近づいており、監視対象設備の監視項目の全
てに対して、そのトラブル発生の順位付けられる。
【0040】予告値比率近接度Zrはその測定データの
変化率が比率的に限界値に近い順位を表し、故障値比率
近接度Yrはその測定データの値そのものが(比率的
に)故障停止の限界値に近い順位を表している。従っ
て、順位付けの重要性は故障値比率近接度Yrの方が予
告値比率近接度Zrより高く、まず故障値比率近接度Y
rの高順位の監視項目から注意力を払う必要がある。加
えて、予告値比率近接度Zrの順位が高ければさらに監
視を強め、何故急に変化したか調査する。故障値比率近
接度Yrの順位が低い監視項目であっても、予告値比率
近接度Zrの順位が高い監視項目は、その内故障値比率
近接度Yrの順位が高くなる可能性が大きいので、何故
急に変化したか調査する。このようにして、膨大な監視
項目の内、次に故障に至る可能性の高い監視項目を予測
することができる。
【0041】そして、図2のS19において、図1の診
断結果表示手段4fは、トラブル発生予測における順位
上位の監視項目に対するトラブル対応準備を推奨する。
最後に、S24にてシステム停止の有無を判定し、通常
はNOと判定がなされてS11に戻り、上述の手順を繰
り返し続行する。
【0042】S19でトラブル対応準備の推奨があった
時点において、設備は故障まで余裕があるので、設備の
運転を停止しても現場運営のに支障のない日程が到来す
るのを待って、設備を停止して保全作業を効率良く行
い、健全な運転を維持するようにすることができる。
【0043】第2の近接度算出の方法として、近接度算
出手段4dが近接度を差分で定義する方法を説明する。
図8において、増分に関する予告値差分近接度Zdは、
平均値Xmの変化率Xddの予告値(診断レベル値)A
0に対する差分であるZd=A0−Xddで定義する。
また、絶対値に関する故障値差分近接度Ydは、最大値
Xaの故障診断レベル値C0に対する差分であるYd=
C0−Xaで定義する。両者とも、差分が零に近いほど
診断レベル値に近いことを示している。
【0044】そして、トラブル発生順位算出手段4eで
は、図9や図10に示すように、全ての監視項目につい
てトラブル発生予測の順位付けを行う。増分に関する予
告値差分近接度Zdの小さい順に順位付けしたのが図9
であり、絶対値に関する故障値差分近接度Ydの小さい
順に順位付けしたのが図10で、近接度が零に近い監視
項目が上位であり、診断レベル値に近づいており、設備
の監視項目の全てに対して順位付けられる。
【0045】予告値差分近接度Zdはその測定データの
変化率が差分的に限界値に近い順位を表し、故障値差分
近接度Ydはその測定データの値そのものが(差分的
に)故障停止の限界値に近い順位を表している。従っ
て、順位付けの重要性は故障値差分近接度Ydの方が予
告値差分近接度Zdより高く、まず故障値差分近接度Y
dの高順位の監視項目から注意力を払う必要がある。加
えて予告値差分近接度Zdの順位が高ければさらに監視
を強め、何故急に変化したか調査する。故障値差分近接
度Ydの順位が低い監視項目であっても、予告値差分近
接度Zdの順位が高い監視項目は、その内故障値差分近
接度Ydの順位が高くなる可能性が大きいので、同様に
何故急に変化したのか調査する。
【0046】このようにして、膨大な監視項目の内、次
に故障に至る可能性の高い監視項目を予測することが出
来る。
【0047】この差分近接度算出による診断は、監視項
目の測定データが異なる物理量の場合、その差分の大小
関係で、どちらが診断レベル値に近いか判定しずらいか
ら、同一物理量である場合に効果的である。従って、ト
ラブル順位予測の順位づけは、図5の予告値比率近接度
Zrや故障値比率近接度Yrの方が汎用性がある。
【0048】次に、近接度を求める第3の方法を説明す
る。
【0049】図11において、日々変動する測定データ
を代表する平均値Xmを用いて平均増分値13(DDX
m)を求める。平均増分値DDXmの定義式は図12に
示す通りであり、先ず当日増分値DXmを昨日と一昨日
の平均値Xmの差から算出して、任意DDm日間の日々
の当日増分値DXmが溜まったら、任意DDm日間の平
均増分値DDXmを求める。
【0050】次に、このまま測定データが増加すると仮
定して、図12に示す計算式で余寿命予測値Ty(日)
を算出する。即ち、設定した故障値11b(CO)と昨
日分の平均値Xmの差を平均増分値DDXmで除すと、
何日先に故障するであろうという余寿命予測値Tyを算
出できる。
【0051】トラブル発生順位算出手段4eではトラブ
ル発生予測の順位付けを図13に示すように余寿命予測
値Tyを小さい順に並べることで行う。
【0052】故障に至る物理現象は単純ではないので、
相対的にどの監視項目が継続して上位に有るかが重要で
ある。
【0053】なお、変動の小さい設備については、以上
の記述において、最大値Xaおよび平均値Xmの変わり
に、代表時刻の測定データをそのまま用いて、同じ手順
で診断する。
【0054】以上述べたように、膨大な監視項目に対し
て、トラブル発生順位を算出することができる。設備の
故障では、測定データの値が直線的に増加して、診断レ
ベル値に到達するような単純なものは皆無で、日々のト
ラブル発生順位が常に上位にいる監視項目が、やはり、
早く故障に至る可能性が大きいと推定できるから、全て
の監視項目を同じ注意力で監視するのでは無く、常に上
位のある監視項目に注意を集中させれば、設備管理は効
率的となる。さらに、故障に至る前のオーバーホール
(保全作業)では、トラブル発生予測において上位の監
視項目を多く有している設備を優先的に実行して、経費
節減を図ることができる。
【0055】なお、上記実施形態では設備運転施設1が
中央管理施設と離れている事例であるが、同じ敷地内に
あるような事例でも実施できる。
【0056】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、設備
を停止しなければならないような状態になるまえに設備
の劣化状態を診断して設備の保全作業を効率良く行い、
健全な運転を維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である設備の劣化診断装置
を示す図である。
【図2】図1における設備の劣化診断装置で実行する劣
化診断のフロー図である。
【図3】設備における測定データのトレンドの一例を示
す図である。
【図4】図1における設備の劣化診断装置で実行する劣
化診断の判定式を示す図である。
【図5】本発明の第一の近接度の定義式を示す図であ
る。
【図6】本発明における第一の近接度の予告値比率に基
づくトラブル発生予測順位付けの一例を示す図である。
【図7】本発明における第一の近接度の故障値比率に基
づくトラブル発生予測順位付けの一例を示す図である。
【図8】本発明の第二の近接度の定義式を示す図であ
る。
【図9】本発明における第二の近接度の予告値差分に基
づくトラブル発生予測順位付けの一例を示す図である。
【図10】本発明における第二の近接度の故障値差分に
基づくトラブル発生順位付けの一例を示す図である。
【図11】測定データの平均増分値を説明する図であ
る。
【図12】本発明の第三の近接度の定義式を示す図であ
る。
【図13】本発明のにおける第三の近接度の余寿命予測
値に基づくトラブル発生予測順位付けの一例を示す図で
ある。
【図14】空気圧縮機の代表的な運転パターンを示す図
である。
【符号の説明】
1…設備運転施設 1a…設備 1b…データ測定手段 1c…設備用集中制御手段 1d,2a…通信インターフェース 2…中央管理施設 3…通信手段 4…中央管理装置 4a…運転状態判定手段 4b…データ演算処理手段 4c…運転状態診断手段 4d…近接度算出手段 4e…トラブル発生順位算出手段 4f…診断結果表示手段 4g…診断レベル値データベース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江原 二郎 東京都足立区中川四丁目13番17号 株式会 社日立インダストリイズ内 Fターム(参考) 2G024 AD33 BA12 FA03 5H223 AA01 BB01 CC01 EE06 FF06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】設備における測定データと予め設定した診
    断レベルとの比較をして設備の劣化状態を診断するもの
    において、 複数の監視項目について監視項目毎の診断レベル値に対
    する測定データの近接度を求め、近接度に基づいて複数
    個の監視項目のトラブル発生順位を算出することを特徴
    とする設備の劣化診断方法。
  2. 【請求項2】上記請求項1に記載の設備の劣化診断方法
    において、近接度を測定データと診断レベル値との比で
    求めて、その比の値の大きい順にトラブル発生の順位付
    けを行い、あるいは近接度を測定データと診断レベル値
    との差で求めて、その差の値の小さい順にトラブル発生
    の順位付け行い、あるいは近接度を測定データの平均増
    分が診断レベル値に到達するまでの余寿命予測値で算出
    し、その値の小さい順にトラブル発生の順位付けをする
    ことを特徴とする設備の劣化診断方法。
  3. 【請求項3】設備における測定データと予め設定した診
    断レベルとの比較をして設備の劣化状態を診断するもの
    において、 監視対象である設備の測定データをそのままあるいは所
    要の演算をして測定値として収録するデータ演算処理手
    段と、データ演算処理手段で収録した測定値の診断レベ
    ル値に対する近接度を求める近接度算出手段と、近接度
    算出手段で求めた近接度を用いてトラブル発生順位を算
    出するトラブル発生順位算出手段とを備えたことを特徴
    とする設備の劣化診断装置。
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