JP2003227515A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JP2003227515A
JP2003227515A JP2002345065A JP2002345065A JP2003227515A JP 2003227515 A JP2003227515 A JP 2003227515A JP 2002345065 A JP2002345065 A JP 2002345065A JP 2002345065 A JP2002345065 A JP 2002345065A JP 2003227515 A JP2003227515 A JP 2003227515A
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balls
bearing
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Michio Hori
径生 堀
Hiromitsu Kondo
博光 近藤
Yukimitsu Yamamoto
幸光 山本
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/38Ball cages
    • F16C33/3887Details of individual pockets, e.g. shape or ball retaining means
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
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    • F16C33/585Details of specific parts of races of raceways, e.g. ribs to guide the rollers
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    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/02Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
    • F16C19/14Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load
    • F16C19/16Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with a single row of balls
    • F16C19/163Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with a single row of balls with angular contact
    • F16C19/166Four-point-contact ball bearings

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アキシアル荷重の割に大きなラジアル荷重や
モーメント荷重が作用する軸受であっても、トルク変動
が発生しない転がり軸受を提供することである。 【解決手段】 アーム部材12からモーメント荷重が直
接作用する内輪1の軌道面3に、アーム部材12の取り
付け方向と直角方向両側で逃げ面3aを形成し、モーメ
ント荷重の非負荷圏Cの相当位置で、ボール5と両軌道
面3、4間に隙間を形成する隙間領域を設けることによ
り、負荷圏A、Bでそれぞれ進み遅れを生じるボール5
が、非負荷圏Cに移動したときにフリー状態となって、
累積された進み遅れが解消されるようにし、ボール5同
士の突っ張り合いで軸受にトルク変動が発生しないよう
にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ボールが内外輪
の軌道面と接触する転がり軸受、特にボールが4点接触
するものに好適な転がり軸受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ボールが内外輪の軌道面と4点接触する
転がり軸受は、内輪と外輪の軌道面間に複数のボールを
周方向に配列したものであり、アキシアル荷重の他にラ
ジアル荷重やモーメント荷重も支えることができる。こ
の4点接触転がり軸受は各種機械や装置の回転座に用い
られ、大型建設機械等の回転座に用いられるような大き
なアキシアル荷重を支えるものから、医療機械等の回転
座に用いられるような比較的小さなアキシアル荷重を支
えるものまで様々である。
【0003】前記内外輪の軌道面間に配列されたボール
は、保持器または間座により互いの間隔を保持される
が、軸受にラジアル荷重やモーメント荷重が作用する
と、軌道面に対するボールの接触角が個々に変化してボ
ールに進み遅れが生じ、軸受にトルク変動が発生するこ
とがある。
【0004】図9(a)、(b)は、4点接触転がり軸
受にモーメント荷重を作用させた例を模式的に示す。こ
の例では外輪51が固定され、回転する内輪52側にモ
ーメント荷重を作用させるレバー53が取り付けられて
いる。
【0005】前記レバー53の先端に荷重Pを負荷して
内輪52にモーメント荷重を作用させると、内輪52は
荷重P負荷側に傾動するとともに、その中心Oが荷重P
負荷側と反対側に偏心してO’となり、この偏心量δだ
け荷重P負荷側での内輪52と外輪51の間隔s1 が広
くなり、その反対側では間隔s2 が狭くなって、荷重P
負荷側のボール54の接触角α1 は大きく、反対側のボ
ール54の接触角α2は小さくなる。このため、荷重P
負荷側ではボール54が内輪52の軌道面と接触する位
置の半径r1 が大きくなって、ボール54に進みが生
じ、その反対側では半径r2 が小さくなって、ボール5
4に遅れが生じる。
【0006】このボール54の進み遅れは、図9(a)
に負荷圏A、Bとして示す、ある拡がりをもった領域で
生じ、負荷圏Aではボール54が進み勝手になり、負荷
圏Bではボール54が遅れ勝手になる。図9(a)に非
負荷圏Cとして示した領域のボール54は、接触角αが
あまり変化せず、したがって、ボール54の進み遅れも
あまり生じない。
【0007】図示は省略するが、ラジアル荷重が作用す
る場合は、内輪の偏心のみが生じ、モーメント荷重が作
用する場合ほどではないが、やはりボールの接触角が個
々に変化して、ボールに進み遅れが生じる。
【0008】前記負荷圏と非負荷圏は明確に区画される
ものではなく、負荷圏のボールにはラジアル荷重やモー
メント荷重による面圧が大きく負荷され、非負荷圏のボ
ールにはこれらの面圧があまり負荷されないという程度
の違いから便宜上区画したものである。なお、アキシア
ル荷重による面圧は負荷圏のボールにも非負荷圏のボー
ルにも負荷される。また、モーメント荷重が作用したと
きの負荷圏は、図9(a)に示したように、2箇所に形
成されるが、ラジアル荷重が作用したときの負荷圏は、
ラジアル荷重と対向する方向に1箇所だけ形成される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したようなボール
の進み遅れによるトルク変動を防止する手段として、本
出願人は、特開2002−295478号公報に記載し
たように、保持器を用いた軸受を対象として、保持器を
円周方向で分割したり、保持器のポケットを円周方向に
長孔とする方法を採用している。
【0010】これらの方法は、ボールの進み遅れをある
程度許容して、トルク変動の発生を防止するものである
が、ボールの進み遅れが大きく累積されると、ボール同
士の突っ張り合いでボールが転がらなくなって滑りを生
じ、トルク変動が発生する問題がある。
【0011】このようなボールの進み遅れの大きな累積
は、アキシアル荷重の大きさの割に大きなラジアル荷重
やモーメント荷重が作用する軸受で生じやすく、医療機
械等の回転座に用いられる軸受のように、アキシアル荷
重が比較的小さく、大きなモーメント荷重が作用する軸
受では特に生じやすい。
【0012】そこで、この発明の課題は、アキシアル荷
重の割に大きなラジアル荷重やモーメント荷重が作用す
る軸受であっても、トルク変動が発生しない転がり軸受
を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明は、内輪と外輪の軌道面間に複数のボー
ルが周方向に配列され、これらのボールが前記内外輪の
軌道面と接触する転がり軸受において、この軸受にラジ
アル荷重またはモーメント荷重が作用するときの円周方
向の非負荷圏相当位置で、前記ボールと内外輪の軌道面
間に隙間が形成される隙間領域を設けた構成を採用した
ものである。
【0014】すなわち、軸受にラジアル荷重やモーメン
ト荷重が作用するときの円周方向の非負荷圏相当位置
で、ボールと内外輪の軌道面間に隙間が形成される隙間
領域を設けることにより、前述した負荷圏で累積される
ボールの進み遅れを、この非負荷圏相当位置の隙間領域
でボールをフリー状態として解消し、ボールの進み遅れ
が大きく累積されないようにして、軸受のトルク変動を
低減した。
【0015】前記内外輪の軌道面の溝断面曲率半径を、
前記ボールの半径の1.10倍以上とすることにより、
軸受にラジアル荷重やモーメント荷重が作用したときの
ボールの接触角の変化を少なくして、ボールの進み遅れ
を抑制し、軸受のトルク変動をさらに低減することがで
きる。
【0016】前記軌道面の溝断面曲率半径をボール半径
の1.10倍以上としたのは、ボール半径の1.10倍
未満では、前述した一方の軌道輪に傾動や偏心が生じた
ときのボールの接触角の変化を十分に小さくできないか
らである。
【0017】前記転がり軸受は、前記各ボールが前記内
外輪の軌道面と4点接触するものに好適である。
【0018】前記隙間領域は、前記ラジアル荷重または
モーメント荷重が直接作用する側の内輪または外輪の軌
道面に、逃げ面を形成したものとすることができる。
【0019】すなわち、前記負荷圏と非負荷圏は、ラジ
アル荷重やモーメント荷重が直接作用する側の軌道輪に
付随して移動するので、これらの荷重が直接作用する側
の内輪または外輪の軌道面に逃げ面を形成することによ
り、非負荷圏相当位置に常に隙間領域が形成される。
【0020】前記隙間領域は、前記軸受の円周方向で4
0〜70%の領域に設けることが望ましい。これは、隙
間領域が40%未満では、ボールの進み遅れが生じる負
荷圏を隙間領域と十分に接続することができず、隙間領
域が70%を越えると、アキシアル荷重が作用したとき
に、これを受けるボールの個数が少なくなって、ボール
の面圧が過大となるからである。
【0021】また、この発明は、内輪と外輪の軌道面間
に複数のボールが周方向に配列され、これらのボールが
保持器のポケットに周方向で保持され、ラジアル荷重ま
たはモーメント荷重が作用したときに、前記各ボールが
前記内外輪の軌道面と4点接触する転がり軸受におい
て、前記保持器のポケットの周方向での長さ寸法を、前
記ボールの直径よりも大きくし、前記内外輪の軌道面の
溝断面曲率半径を、前記ボールの半径の1.10倍以上
とした構成も採用した。
【0022】すなわち、保持器のポケットの周方向での
長さ寸法をボールの直径よりも大きくして、ボールの進
み遅れを許容するとともに、内外輪の軌道面の溝断面曲
率半径をボールの半径の1.10倍以上とすることによ
り、ボールの接触角の変化を少なくして、ボールの進み
遅れを抑制するようにした。
【0023】上述した各転がり軸受は、アキシアル荷重
が比較的小さく、大きなモーメント荷重が作用する医療
機械の回転座等に好適である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図8に基づき、こ
の発明の実施形態を説明する。図1乃至図4は、第1の
実施形態を示す。この転がり軸受は、図1および図2に
示すように、内輪1と外輪2の両軌道面3、4間に、複
数のボール5が保持器6で保持されて周方向に配列さ
れ、各ボール5が各軌道面3、4と4点接触するように
なっている。ボール5が保持された両軌道面3、4間に
はグリースが充填され、その上下端部は、それぞれシー
ル部材7a、7bでシールされている。
【0025】また、この転がり軸受は、外輪2が固定さ
れて内輪1側が回転するものであり、内輪1の上面には
回転部材取付け用のねじ穴8が設けられ、その内周には
回転駆動軸と噛み合う歯車9が設けられている。外輪2
には、固定部材への取付け用のボルト孔10が設けられ
ている。
【0026】図3は、前記転がり軸受を放射線医療機械
の治療寝台11の回転座に組み込んだ状態を示す。外輪
2は床に固定され、内輪1の上面にアーム部材12と昇
降台13を介して治療寝台11が取り付けられており、
治療寝台11は側方に張り出した放射線照射装置14の
下方を旋回するようになっている。したがって、アーム
部材12の先端側には治療寝台11、昇降台13および
治療寝台11上の患者の重量が負荷され、内輪1にはア
キシアル荷重の割に大きなモーメント荷重が作用する。
なお、治療寝台11は前記内輪1の歯車9と噛み合う回
転駆動軸(図示省略)により旋回される。
【0027】図4に模式的に示すように、前記内輪1の
軌道面3には、アーム部材12の取り付け方向と直角方
向両側で逃げ面3aが形成され、図中に示すモーメント
荷重の非負荷圏Cの相当位置で、ボール5と両軌道面
3、4間に隙間を形成する隙間領域が設けられている。
したがって、図9(a)、(b)で説明したように、負
荷圏A、Bでそれぞれ進み遅れを生じるボール5は、非
負荷圏Cに移動したときにフリー状態となって、その累
積された進み遅れが解消される。なお、この実施形態で
は、前記隙間領域は円周方向の50%の領域に設けられ
ている。
【0028】上述した実施形態は、内輪を回転側とし
て、内輪側にモーメント荷重が直接作用するようにした
が、本発明に係る転がり軸受は、いずれの軌道輪を回転
側としてもよく、モーメント荷重やラジアル荷重が直接
作用する軌道輪についても、固定側および回転側のいず
れとしてもよい。なお、前記隙間領域を軌道面の逃げ面
の形成で設ける場合は、逃げ面をモーメント荷重やラジ
アル荷重が直接作用する側の軌道輪の軌道面に形成する
とよい。
【0029】また、上記実施形態の転がり軸受は、ボー
ルが内外輪の軌道面と4点接触するものとしたが、本発
明に係る転がり軸受は、ボールが内外輪の軌道面と3点
接触するものや、内外輪の軌道面と円弧面で接触する深
溝玉軸受にも適用することができる。
【0030】図5は、第2の実施形態の転がり軸受にお
ける、内外輪1、2の各軌道面3、4の溝断面を示す。
この実施形態では、各軌道面3、4の溝断面曲率半径ρ
が、ボール5の半径の1.20倍とされている。その他
の部分は、第1の実施形態のものと同じであり、前記隙
間領域も円周方向の50%の領域に設けられている。
【0031】図6は、第3の実施形態の転がり軸受の保
持器6を示す。この実施形態では、保持器6のポケット
15が長円状に形成され、その周方向での長さ寸法L
が、ボール5の直径の概ね2倍とされている。その他の
部分は、第2の実施形態のものと同じであり、溝断面曲
率半径ρもボール半径の1.20倍とされている。
【0032】以下に、実施例および比較例を挙げる。
【0033】
【実施例】図1および図2に示した第1の実施形態の転
がり軸受(実施例1)と、図5に示した第2の実施形態
の転がり軸受(実施例2)と、図6に示した第3の実施
形態の転がり軸受(実施例3)とを用意した。各実施例
における前記隙間領域での逃げ面3aの形成によるボー
ル5の逃げ量は、その最大となる位置でボール直径の約
4%とした。なお、実施例1の溝断面曲率半径ρは、ボ
ール半径の1.06倍である。
【0034】比較例として、図9に示した隙間領域のな
い4点接触転がり軸受を用意した。比較例の軸受は保持
器を円周方向で分割したものである。各実施例および比
較例のボールのピッチ円直径は、いずれも650mmで
ある。
【0035】上記各実施例および比較例の転がり軸受に
ついて、図9に示したように、それぞれの内輪にレバー
を取り付けて、レバーの先端に10000N・mのアキ
シアルモーメント荷重を負荷し、このレバーの先端をプ
ッシュプルゲージで水平方向に押すことにより、各回転
位置での起動トルクを測定した。
【0036】まず、実施例1と比較例の軸受について、
時計回りと反時計回りとに正逆1回ずつ±120°の範
囲で回転させる試験を行い、各回転位置での起動トルク
を測定した。続いて、実施例1乃至3の軸受について、
さらに試験条件を厳しくして、±150°の範囲で正逆
8回ずつ繰り返し回転させる追加試験を行い、各回転位
置での起動トルクを測定した。
【0037】図7(a)、(b)は、それぞれ実施例1
および比較例の軸受について、正逆1回ずつの回転で測
定された、各回転位置での起動トルクを示す。この測定
結果より、実施例1の軸受は、時計回り、反時計回りの
いずれの回転方向でも起動トルクの変動がなく、前記ボ
ールの進み遅れが隙間領域で解消されて、ボール同士の
突っ張り合いが生じていないことがわかる。
【0038】一方、比較例の軸受は、いずれの回転方向
でも起動トルクの変動が生じており、ボールの進み遅れ
の累積によるボール同士の突っ張り合いが生じているも
のと思われる。
【0039】図8(a)、(b)、(c)は、上記試験
で成績の良かった実施例1と、実施例2および3の各軸
受について、追加試験の正逆8回の繰り返し回転で測定
された、各回転位置での起動トルクの平均値と、最大値
が観察された回での各回転位置での起動トルクを示す。
溝断面曲率半径ρをボール半径の1.20倍と大きくし
た実施例2および3の軸受は、繰り返し回転における各
回転位置での起動トルクの変動が非常に少なく、その最
大値も小さい。保持器6のポケット15を長円形状とし
た実施例3の軸受は、起動トルクの最大値がさらに小さ
くなっている。これに対して、溝断面曲率半径ρをボー
ル半径の1.06倍とした実施例1の軸受は、繰り返し
回転における起動トルクの変動がやや大きい。
【0040】これらの測定結果より、溝断面曲率半径ρ
を大きくして、ラジアル荷重やモーメント荷重が作用し
たときにボールの接触角の変化を少なくすることは、ボ
ールの進み遅れの抑制に効果があり、繰り返し回転にお
ける各回転位置での起動トルクの安定化に寄与すること
がわかる。
【0041】
【発明の効果】以上のように、この発明の転がり軸受
は、軸受にラジアル荷重やモーメント荷重が作用すると
きの円周方向の非負荷圏相当位置で、ボールと内外輪の
軌道面間に隙間が形成される隙間領域を設け、負荷圏で
累積されるボールの進み遅れを、この非負荷圏相当位置
の隙間領域でボールをフリー状態として解消するように
したので、ボールの進み遅れの累積によるボール同士の
突っ張り合いを防止し、軸受のトルク変動を低減するこ
とができる。
【0042】前記内外輪の軌道面の溝断面曲率半径をボ
ール半径の1.10倍以上とすることにより、軸受にラ
ジアル荷重やモーメント荷重が作用したときのボールの
接触角の変化を少なくして、ボールの進み遅れを抑制
し、軸受のトルク変動をさらに低減することができる。
【0043】また、この発明の転がり軸受は、保持器の
ポケットの周方向での長さ寸法をボールの直径よりも大
きくして、ボールの進み遅れを許容するとともに、内外
輪の軌道面の溝断面曲率半径をボールの半径の1.10
倍以上として、ボールの接触角の変化を少なくし、ボー
ルの進み遅れを抑制するようにしたので、軸受のトルク
変動を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の転がり軸受を示す一部切欠き
平面図
【図2】図1の縦断面図
【図3】図1の転がり軸受を放射線医療機械の治療寝台
の回転座に組み込んだ状態を示す一部切欠き正面図
【図4】図1の転がり軸受を模式的に示す平面断面図
【図5】第2の実施形態の転がり軸受の軌道面の溝断面
【図6】第3の実施形態の転がり軸受の保持器を示す一
部省略展開図
【図7】a、bは、それぞれ実施例1と比較例の軸受の
起動トルクの測定結果を示すグラフ
【図8】a、b、cは、それぞれ実施例1乃至3の軸受
の起動トルクの測定結果を示すグラフ
【図9】aは従来の4点接触転がり軸受でのボールの進
み遅れを説明する平面図、bはaの縦断面図
【符号の説明】
1 内輪 2 外輪 3、4 軌道面 3a 逃げ面 5 ボール 6 保持器 7a、7b シール部材 8 ねじ穴 9 歯車 10 ボルト孔 11 治療寝台 12 アーム部材 13 昇降台 14 放射線照射装置 15 ポケット
フロントページの続き (72)発明者 山本 幸光 三重県桑名市大字東方字尾弓田3066 NT N株式会社内 Fターム(参考) 3J101 AA04 AA32 AA42 AA54 AA62 BA34 BA44 BA53 BA54 BA55 FA41 GA60

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪と外輪の軌道面間に複数のボールが
    周方向に配列され、これらのボールが前記内外輪の軌道
    面と接触する転がり軸受において、この軸受にラジアル
    荷重またはモーメント荷重が作用するときの円周方向の
    非負荷圏相当位置で、前記ボールと内外輪の軌道面間に
    隙間が形成される隙間領域を設けたことを特徴とする転
    がり軸受。
  2. 【請求項2】 前記内外輪の軌道面の溝断面曲率半径
    を、前記ボールの半径の1.10倍以上とした請求項1
    に記載の転がり軸受。
  3. 【請求項3】 前記各ボールが前記内外輪の軌道面と4
    点接触するものである請求項1または2に記載の転がり
    軸受。
  4. 【請求項4】 前記隙間領域が、前記ラジアル荷重また
    はモーメント荷重が直接作用する側の内輪または外輪の
    軌道面に、逃げ面を形成したものである請求項1乃至3
    のいずれかに記載の転がり軸受。
  5. 【請求項5】 前記隙間領域が、前記軸受の円周方向で
    40〜70%の領域に設けられた請求項1乃至4のいず
    れかに記載の転がり軸受。
  6. 【請求項6】 内輪と外輪の軌道面間に複数のボールが
    周方向に配列され、これらのボールが保持器のポケット
    に周方向で保持され、ラジアル荷重またはモーメント荷
    重が作用したときに、前記各ボールが前記内外輪の軌道
    面と4点接触する転がり軸受において、前記保持器のポ
    ケットの周方向での長さ寸法を、前記ボールの直径より
    も大きくし、前記内外輪の軌道面の溝断面曲率半径を、
    前記ボールの半径の1.10倍以上としたことを特徴と
    する転がり軸受。
  7. 【請求項7】 前記転がり軸受が、医療機械の回転座に
    用いられたものである請求項1乃至6のいずれかに記載
    の転がり軸受。
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