JP2003227442A - 燃料噴射弁の固定構造 - Google Patents

燃料噴射弁の固定構造

Info

Publication number
JP2003227442A
JP2003227442A JP2002026749A JP2002026749A JP2003227442A JP 2003227442 A JP2003227442 A JP 2003227442A JP 2002026749 A JP2002026749 A JP 2002026749A JP 2002026749 A JP2002026749 A JP 2002026749A JP 2003227442 A JP2003227442 A JP 2003227442A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
injection valve
fuel injection
fuel
cylinder head
pressing force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002026749A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3969105B2 (ja
Inventor
Yutaka Kawamoto
裕 川本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2002026749A priority Critical patent/JP3969105B2/ja
Publication of JP2003227442A publication Critical patent/JP2003227442A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3969105B2 publication Critical patent/JP3969105B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】燃料噴射弁を適切な力でシリンダヘッドに押し
付けて固定できる燃料噴射弁の固定構造を提供する。 【解決手段】燃料を供給する燃料供給通路3と、該燃料
供給通路3から供給された燃料を噴射する燃料噴射弁1
と、該燃料噴射弁の取付部21を有するシリンダヘッド
2と、前記燃料噴射弁1をシリンダヘッド2側に押圧す
る弾性部材7と、所定温度以上において、前記弾性部材
7の押圧力を抑制するよう変形する形状記憶材を用いた
押圧力抑制部材8と、を組み合せて構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料を燃焼室に直
接噴射する燃料噴射弁をシリンダヘッドに固定する燃料
噴射弁の固定構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、燃料を筒内に直接噴射する筒内直
噴射式内燃機関においては、燃料供給通路によって燃料
噴射弁を固定するものが主流になりつつある。このよう
に燃料噴射弁を固定するものは、燃料噴射弁を各気筒の
燃焼室に通じるようシリンダヘッドに形成した取付孔に
挿入すると共に、燃料噴射弁と複数気筒に共通の燃料供
給通路から各気筒に燃料を分配する分配通路とを接続
し、当該接続部をシール部材(例えば、Oリング)によ
って密閉(シール)している。
【0003】ここで、通常は、前記燃料供給通路もシリ
ンダヘッドに固定されるものであるため、各部品のバラ
ツキを考慮し、燃料噴射弁を配設した際にその軸方向に
所定のクリアランスが設定されているのであるが、前記
分配通路を介して燃料噴射弁へと供給される燃料圧力
を、燃焼により生じる燃焼圧よりも大きく設定すること
で燃料噴射弁をシリンダヘッドへと押し付けて、固定す
るようにしている。
【0004】ところが、機関始動時の燃料圧力が上昇す
るまでの間は、燃料圧力よりも燃焼圧の方が上回るた
め、燃料噴射弁がその軸方向に押し上げられてしまい、
前記シール部材の耐久性が損なわれるという問題があ
る。かかる問題に対して、燃料噴射弁と分配通路との間
に弾性部材を介装し、この弾性部材により燃料噴射弁を
シリンダヘッドへ押し付けることで、機関始動時におけ
る燃料噴射弁の軸方向の移動を防止するようにした技術
が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このもので
は、燃料圧力が上昇した後は、該燃料圧力による押し付
け力と弾性部材による押し付け力の双方が作用すること
になり、燃料噴射弁がシリンダヘッドへと過大な力で押
し付けられることになる。また、各部品のバラツキが上
限方向に振れていた場合にあっては、前記弾性部材の押
し付け力が大きくなり、更に過大な力で燃料噴射弁がシ
リンダヘッドへと押し付けられることになる。
【0006】かかる場合に、燃料噴射弁が傾くような因
子が存在すると、燃料噴射弁の先端側にあるノズル部に
大きな横荷重が作用することとなり、燃料噴射のために
往復動する内部の弁体とその摺動部との摺動抵抗が増加
する等して、安定した燃料噴射を阻害してしまうといっ
た問題がある。そこで、本発明は、このような問題に鑑
みなされたものであり、燃料噴射弁を適切な力でシリン
ダヘッドに押し付けて、固定することにより、安定した
燃料噴射を行うことができる燃料噴射弁の固定構造を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る燃料噴射弁の固定構造は、燃料を供給
する燃料供給通路と、該燃料供給通路から供給された燃
料を噴射する燃料噴射弁と、該燃料噴射弁の取付部を有
するシリンダヘッドと、前記燃料噴射弁をシリンダヘッ
ド側に押圧する弾性部材と、所定温度以上において、前
記弾性部材の押圧力を抑制するよう変形する形状記憶材
を用いた押圧力抑制部材と、を備えることを特徴とす
る。
【0008】このように構成することで、低温時で燃料
供給通路から供給される燃料圧力が低い場合には、弾性
部材の押圧力によって燃料噴射弁はシリンダヘッドへと
押し付けられ、固定される。一方、所定温度以上となり
燃料圧力が十分に上昇した場合には、押圧力抑制部材が
変形して弾性部材の押圧力が抑制されることになる。ま
た、請求項2に係る発明は、前記弾性部材と前記押圧力
抑制部材とを一体的に構成したものを、前記燃料供給通
路と前記燃料噴射弁との間に介装させたことを特徴とす
る。
【0009】また、請求項3に係る発明は、前記燃料供
給通路内の燃料圧力のみによって燃料噴射弁をシリンダ
ヘッドへと押し付けることができるときの前記押圧力抑
制部材周辺の雰囲気温度とすることを特徴とする。ま
た、請求項4に係る発明は、前記所定温度が機関停止後
における燃料圧力の低下と前記押圧力抑制部材周辺の雰
囲気温度との相関に基づいて設定されることを特徴とす
る。
【0010】
【発明の効果】本発明に係る燃料噴射弁の固定構造によ
れば、燃料噴射弁を確実にシリンダヘッドに押し付けて
固定できると共に、燃料噴射弁に過大な押し付け力が作
用することを防止し、安定した燃料噴射を実行できる。
すなわち、機関始動時等の低温時は燃料圧力が低下して
いるため、燃料圧力のみでは燃料噴射弁をシリンダヘッ
ドに押し付けて固定することができないが、この場合は
弾性部材の押圧力が十分に作用しており、これにより燃
料噴射弁をシリンダヘッドに押し付けて固定することが
できる。一方、燃料圧力が上昇し、燃料圧力のみで燃料
噴射弁をシリンダヘッドに押し付けて固定できるように
なる頃には、押圧力抑制部材も所定温度以上となって弾
性部材の押圧力を抑制するよう変形する。この結果、燃
料噴射弁をシリンダヘッドに確実に固定できると共に、
燃料噴射弁に過大な押し付け力が作用することを防止で
き、常に安定した燃料噴射を実行できる。
【0011】請求項2に係る発明によれば、前記弾性部
材と前記押圧力抑制部材とを一体的に構成し、これを燃
料供給通路と燃料噴射弁との間に介装させるので、既存
のスペースを有効に利用しつつ、弾性部材及び押圧力抑
制部材を容易に取り付けることができる。請求項3に係
る発明によれば、燃料供給通路内の燃料圧力と雰囲気温
度とが相関することを利用し、前記所定温度を燃料圧力
のみによって燃料噴射弁をシリンダヘッドに押し付け
て、固定できるときの押圧力抑制部材周辺の雰囲気温度
とするので、必要な場合にのみ弾性部材の押圧力を十分
に燃料噴射弁へと作用させ、不要な場合には該弾性部材
の押圧力を抑制することができる。これにより、燃料噴
射弁を確実に固定しつつ、燃料噴射弁に過大な押し付け
力が作用する事態を抑制できる。
【0012】請求項4に係る発明によれば、前記所定温
度は、機関停止後のおける燃料供給通路内の圧力低下と
押圧力抑制部材の雰囲気温度との相関に基づいて設定さ
れるので、各機関において、弾性部材の押圧力を抑制す
る時期を、容易かつ高精度に設定できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図1、2は、本発明に係る燃
料噴射弁の固定構造を筒内直噴式内燃機関に適用した実
施形態を示す図である。図1はシステム概要図、図2は
燃料噴射弁近傍の部分拡大図である。図に示すように、
燃料噴射弁1は、機関のシリンダヘッド2に形成した取
付孔21に取り付けられる。
【0014】前記燃料噴射弁1は、例えば電磁制御式の
ものであり、図で見て下端側に燃料を噴射する燃料噴射
孔を、上端側に供給された燃料を導入する燃料導入孔を
有する。そして、内蔵するソレノイドが通電制御される
ことで内部の弁体が往復動して、燃料導入孔より導入し
た燃料を燃料噴射孔から噴射する。また、燃料噴射弁1
は、図で見て上側の燃料導入孔側が、複数の気筒に共通
のものとして設けられる燃料供給通路3から各気筒に燃
料を分配供給するよう設けられた分配通路31に接続さ
れる。
【0015】燃料噴射弁1と分配通路31との接続部に
は、分配された(高圧の)燃料が漏洩しないようにシー
ル部材5(例えば、Oリング)を設けられている。具体
的には、燃料噴射弁1の外周にシール部材5を装着し、
このシール部材5装着部を円筒状に形成される分配通路
31に嵌め込むことで接続しており、これにより、前記
シール部材5が燃料噴射弁1の外周面と分配通路31の
内周面との間をシールしている。
【0016】ここで、前記燃料供給通路3は、ボルト4
締結によって前記シリンダヘッド2に固定されるもので
あり、従って、前記燃料噴射弁1は、前記シリンダヘッ
ド2の取付孔21とシリンダヘッド2に固定される燃料
供給通路3の分配通路31との間に取り付けられること
になる。このため、各部品(すなわち、燃料噴射弁1、
シリンダヘッド2及び燃料供給通路3)のバラツキを考
慮して、燃料噴射弁1を取り付けた際に、その軸方向に
所定のクリアランスが設定されており、燃料噴射弁1は
その軸方向に移動可能に配設されているのであるが、前
記分配通路31を介して供給される燃料圧力Pfによっ
てシリンダヘッド2へと押し付けられることになる。
【0017】また、前記燃料噴射弁1と前記分配通路3
1との間、より具体的には、燃料噴射弁1の軸方向の略
中間位置で他の部分よりも大きな径で形成されたフラン
ジ部11の上面11aと、分配通路31の下端面31a
と、の間には、燃料噴射弁1をシリンダヘッド2(の取
付孔21)側へと押圧する押圧部材6が介装されてい
る。
【0018】従って、機関運転中における燃料噴射弁1
には、軸方向に押し上げようとする燃焼圧Pcと、これ
に対抗して燃料噴射弁1をシリンダヘッド2へ押し付け
ようとする燃料圧力Pf及び前記押圧部材6による押圧
力Pbとが作用することになるが、後者(Pf+Pb)
を前者(Pc)よりも大きく設定することによって、燃
料噴射弁1をシリンダヘッド2に押し付けて、固定する
ことができる。
【0019】ここで、前記押圧部材6について図3、4
を参照しつつ説明する。なお、図3(a)は、押圧部材
6の上面図を示し、図3(b)は、押圧部材6の正面図
を示す。図に示すように、この押圧部材6は、上方から
見て略中央部に取付時に燃料噴射弁1を避けるための円
形の切欠部61が設けられ、該切欠部61の両側に一対
のアーム部62、63を有したクリップ状のものであ
り、矢印Y方向に圧縮した状態で前記燃料噴射弁1のフ
ランジ部13と分配通路31との間に取り付けられる。
【0020】そして、かかる押圧部材6が取り付けられ
ると、燃料噴射弁1(のフランジ部13)は、押圧部材
6のアーム部62、63によって、その軸方向の両側か
らシリンダヘッド2側へ押圧されることになる。また、
本実施形態の特徴的な構成として、この押圧部材6は、
図3(b)に示すように、通常のバネ材として使用され
る金属製の金属バネ7と、形状記憶合金製の形状記憶バ
ネ8と、を組み合わせて一体的に構成されている。
【0021】具体的には、以下のようにして前記押圧部
材6を作製する。まず、図4(a)に示すように、金属
バネ7を、その変形方向において前記燃料噴射弁1のフ
ランジ部11の上面11aと前記分配通路31の下端面
31aとの距離L(図2参照、以下、これを取付寸法と
いう)よりも大きな寸法Laに形成する。なお、この金
属バネ7に用いる材質としては、例えばSUS304が
ある。
【0022】次に、図4(b)に示すように、形状記憶
バネ8を、その変形方向において前記取付寸法Lとほぼ
等しい寸法Lbに形成する。なお、この形状記憶バネ8
に用いる材質としては、例えばNi−Ti合金があり、
本実施形態においては、かかるNi−Ti合金をその組
成比により母相→R相変態温度を約40℃としたものを
用いている。
【0023】そして、図4(c)に示すように、金属バ
ネ7をその変形方向に圧縮させた状態で前記形状記憶バ
ネ8の内側に嵌め込むことで一体化し、これを前記押圧
部材6としている。なお、図に示すように、このときの
押圧部材6全体としての変形方向寸法Lcは、前記取付
寸法Lよりも大きくなる。このように構成した押圧部材
6は、前記取付寸法Lにおける反力(すなわち、燃料噴
射弁1を押圧する押圧力)が、その雰囲気温度40℃を
境に変化することになる。
【0024】すなわち、前記押圧部材6は、上記のよう
に、圧縮させた金属バネ7を形状記憶バネ8の内側にセ
ットしたものであるが、その雰囲気温度が40℃未満に
おいては、形状記憶バネ8が金属バネ7を圧縮する力
(図中の矢印f1)は比較的小さく設定されており、図
5(a)に示すように、押圧部材6全体としては、前記
取付寸法Lにおいて反力B(図中の矢印f2)を発生す
る(反力Bで燃料噴射弁を押圧する)。
【0025】一方、始動後、機関の温度上昇に伴い、前
記押圧部材6の雰囲気温度が40℃以上となると、形状
記憶バネ8は形状を回復して元の状態(図4(b)の状
態)に戻ろうとするので、図5(b)に示すように、形
状記憶バネ8が金属ばね7を圧縮する力(f1')が大
きくなり、前記取付寸法Lにおいて押圧部材6の発生す
る反力f2'は小さくなる(反力A)。
【0026】図5(c)は、押圧部材6の雰囲気温度
と、押圧部材6の発生する反力との関係を示したもので
ある。そして、前記反力Bを、前記燃焼圧Pcが燃料噴
射弁1を押し上げる力に対抗できる力に設定すれば、該
押圧部材6のみにより燃料噴射弁1をシリンダヘッド2
に押し付けることができ、前記反力Aを極めて小さくす
れば、雰囲気温度が40℃を超えた場合は、燃料噴射弁
1には該押圧部材6からの押圧力がほとんど加わらない
ことになる。
【0027】なお、上記のように前記形状記憶バネ8の
母相→R相変態温度を40℃としたのは、以下の理由に
よる。すなわち、機関停止後の時間経過に伴う前記押圧
部材6の雰囲気温度Tの変化と前記燃料供給通路3内の
燃料圧力Pfの変化は、図6に示すように、相関するこ
とが確認されている。そして、図6において、前記燃焼
圧Pcに対抗して燃料噴射弁1をシリンダヘッド2に押
し付けて、固定できる燃料圧力をP0以上とすると、機
関停止後、燃料圧力PfがP0にまで下降する経過時間
t0に対応した雰囲気温度Tを参照すると雰囲気温度T
はT0まで下降していることが分かる。
【0028】逆に言えば、雰囲気温度TがT0以上であ
れば、燃料圧力Pfのみによって燃料噴射弁1をシリン
ダヘッド2に押し付けて、固定できることになり、この
場合には、前記押圧部材6の押圧力よる燃料噴射弁1の
押し付けは不要となる。そこで、この雰囲気温度T0を
前記形状記憶バネ8の母相→R相変態温度とすれば、雰
囲気温度T0未満においては、所定の押圧力で燃料噴射
弁1を押圧すると共に、雰囲気温度T0以上では、形状
記憶バネ8が金属バネ7を圧縮する方向に変形するの
で、押圧部材6全体としての燃料噴射弁1への押圧力を
縮小させることができる。
【0029】この結果、燃料圧力Pfが低いときには、
押圧部材6の押圧力を十分に確保すると共に、燃料圧力
Pfが高くなったときには、押圧部材6の押圧力を縮小
させて燃料噴射弁1に過大な力が作用することを防止で
きる。なお、本実施形態においては、この雰囲気温度T
0を実験により求めたところ約40℃であったので、形
状記憶バネ8の母相→R相変態温度を40℃としたので
ある。
【0030】このように、前記形状記憶バネ8の母相→
R相変態温度は、前記燃料圧力Pfによって燃料噴射弁
1をシリンダヘッド2に押し付ける力が、前記燃焼圧P
cによって燃料噴射弁1を押し上げる力よりも上回るよ
うになるとき、すなわち、燃料圧力Pfのみによって燃
料噴射弁1をシリンダヘッド2へ押し付けて、固定でき
るときの押圧部材6周辺の雰囲気温度として設定される
ものであり、各機関において適宜設定されるものであ
る。
【0031】次に、以上のように構成した燃料噴射弁の
固定構造の作用を説明する。図7に示すように、機関始
動直後(図中のA期間)においては、前記分配通路31
を介して供給される燃料圧力Pfが低く、燃焼により発
生する燃焼圧Pcが大きいため、燃料圧力Pfのみでは
燃料噴射弁1をシリンダヘッド2へと押し付けて固定す
ることができないが、この状態においては、押圧部材6
の雰囲気温度が40℃以下であるので、押圧部材6は前
記反力Bを発生し、これにより燃料噴射弁1をシリンダ
ヘッド2に押し付けて、固定する。
【0032】機関始動後の経過時間tと共に燃料圧力P
fが十分に上昇すると、該燃料圧力Pfのみによっても
燃料噴射弁1をシリンダヘッド2に押し付けて、固定で
きるようになる。なお、このときの機関の温度上昇に伴
い、押圧部材6の雰囲気温度も上昇する。ここで、かか
る雰囲気温度が40℃を超えるまでの間(図中のB期
間)は、燃料圧力Pfと押圧部材6の反力Bとによって
燃料噴射弁1を押し付けることになる。従って、必要以
上の力で燃料噴射弁1を押し付けることになるが、この
期間はごく短期間であること、また、図8に示すよう
に、低温時においては、燃料噴射パルスが長いため、燃
料噴射弁1が傾いてノズルに横荷重(偏荷重)が加わっ
たとしても噴射量の誤差も小さいことから、問題とはな
らない。
【0033】そして、更に機関が暖まり、燃料噴射パル
スが短くなる前には、押圧部材6の雰囲気温度が40℃
を超え、上述したように、押圧部材6の反力は小さくな
り(反力B→反力A)燃料圧力Pfによって燃料噴射弁
1をシリンダヘッド2に押し付けて、固定するようにな
る(図中のC期間)。すなわち、機関始動時で供給され
る燃料圧力Pfが小さいときには、主として押圧部材6
の押圧力によって燃料噴射弁1をシリンダヘッド2に押
し付けて固定し、機関始動後燃料圧力Pfが十分に立ち
上がった後は、主として燃料圧力Pfにより燃料噴射弁
1をシリンダヘッド2に押し付け、固定することにな
る。
【0034】これにより、燃料噴射弁1を、確実にシリ
ンダヘッド2に押し付けて、固定できると共に、過大な
力が燃料噴射弁1に入力されるような事態を回避でき
る。従って、燃料噴射弁1が傾いて取り付いているよう
な場合であっても安定した燃料噴射を実行できる。な
お、本実施形態では、燃料噴射弁1をシリンダヘッド2
側に押圧する弾性部材として金属バネ7を用い、弾性部
材の押圧力を抑制する押圧力抑制部材として形状記憶バ
ネ8を用いており、これらを一体的に構成した押圧部材
6を、燃料噴射弁1と燃料供給通路3との間に介装する
ようにしているが、これに限られるものではなく、例え
ば、弾性部材をシリンダヘッド2に取り付け、これと別
に配設した押圧力抑制部材(の変形)によって弾性部材
の押圧力を抑制するように構成してもよい。
【0035】また、押圧力抑制部材として形状記憶合金
製の形状記憶バネ8を用いているが、金属以外の形状記
憶材(例えば、形状記憶ポリマー)で形成したものであ
ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る燃料噴射弁の固定構造
を示すシステム概要図である。
【図2】図1の燃料噴射弁近傍の拡大図である。
【図3】本実施形態に係る押圧部材を示す図である。
【図4】本実施形態に係る押圧部材の構成を説明するた
めの図である。
【図5】本実施形態に係る押圧部材の反力(燃料噴射弁
を押圧する押圧力)の変化を示す図である。
【図6】エンジン停止後の経過時間に伴う燃料供給通路
内の燃料圧力Pfの変化と押圧部材周辺の雰囲気温度T
の変化をとの関係を示す図である。
【図7】本実施形態に係る燃料噴射弁の固定構造の作
用、効果を説明する図である。
【図8】燃料噴射弁のノズル偏荷重と噴射量の誤差(エ
ラー)との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 … 燃料噴射弁 2 … シリンダヘッド 3 … 燃料供給通路 5 … Oリング 6 … 押圧部材 7 … 金属バネ 8 … 形状記憶バネ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料を供給する燃料供給通路と、 該燃料供給通路から供給された燃料を噴射する燃料噴射
    弁と、 該燃料噴射弁の取付部を有するシリンダヘッドと、 前記燃料噴射弁をシリンダヘッド側に押圧する弾性部材
    と、 所定温度以上において、前記弾性部材の押圧力を抑制す
    るよう変形する形状記憶材を用いた押圧力抑制部材と、 を備えることを特徴とする燃料噴射弁の固定構造。
  2. 【請求項2】前記弾性部材と前記押圧力抑制部材とを一
    体的に構成したものを、前記燃料供給通路と前記燃料噴
    射弁との間に介装させたことを特徴とする請求項1記載
    の燃料噴射弁の固定構造。
  3. 【請求項3】前記所定温度は、前記燃料供給通路内の燃
    料圧力のみによって燃料噴射弁をシリンダヘッドへと押
    し付けることができるときの前記押圧力抑制部材周辺の
    雰囲気温度とすることを特徴とする請求項1又は請求項
    2記載の燃料噴射弁の固定構造。
  4. 【請求項4】前記所定温度は、機関停止後における燃料
    圧力の低下と前記押圧力抑制部材周辺の雰囲気温度との
    相関に基づいて設定されることを特徴とする請求項3記
    載の燃料噴射弁の固定構造。
JP2002026749A 2002-02-04 2002-02-04 燃料噴射弁の固定構造 Expired - Fee Related JP3969105B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002026749A JP3969105B2 (ja) 2002-02-04 2002-02-04 燃料噴射弁の固定構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002026749A JP3969105B2 (ja) 2002-02-04 2002-02-04 燃料噴射弁の固定構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003227442A true JP2003227442A (ja) 2003-08-15
JP3969105B2 JP3969105B2 (ja) 2007-09-05

Family

ID=27748484

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002026749A Expired - Fee Related JP3969105B2 (ja) 2002-02-04 2002-02-04 燃料噴射弁の固定構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3969105B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008531918A (ja) * 2005-03-03 2008-08-14 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 燃料噴射装置
JP2013185461A (ja) * 2012-03-06 2013-09-19 Denso Corp 燃料噴射弁

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008531918A (ja) * 2005-03-03 2008-08-14 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 燃料噴射装置
US7765984B2 (en) 2005-03-03 2010-08-03 Robert Bosch Gmbh Fuel injection valve
JP2011220342A (ja) * 2005-03-03 2011-11-04 Robert Bosch Gmbh 燃料噴射装置
JP4809375B2 (ja) * 2005-03-03 2011-11-09 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 燃料噴射装置
JP2014122637A (ja) * 2005-03-03 2014-07-03 Robert Bosch Gmbh 燃料噴射装置
JP2013185461A (ja) * 2012-03-06 2013-09-19 Denso Corp 燃料噴射弁

Also Published As

Publication number Publication date
JP3969105B2 (ja) 2007-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7373925B2 (en) Compensating element for a fuel injector
JP5810726B2 (ja) 直噴式エンジン用フューエルレールアッシーの組付方法
US6729600B2 (en) Valve for regulating fluids
US20070096375A1 (en) Tubular spring for actuator, and method for assembling the tubular spring
EP1637729A1 (en) Support structure of fuel injector
CZ20023710A3 (en) Fastening device for a fuel injection valve
KR20150107660A (ko) 연료 분사기
CN101878547A (zh) 具有多功能弹簧的压电致动器及使用该压电致动器的装置
EP0913574B1 (en) Fuel injector solenoid utilizing an apertured armature
JP2003227442A (ja) 燃料噴射弁の固定構造
JP2003502577A (ja) 燃料噴射弁
EP1813805A1 (en) Compensation assembly for an injector
JP2003514189A (ja) 燃料噴射ノズル
US7040292B2 (en) Device for damping vibrations on fuel injection systems having a high-pressure accumulating space
WO2010053020A1 (ja) 蓄圧式燃料噴射装置の制御弁構造
EP2933472A1 (en) Fuel injection valve for an internal combustion engine
JP2002332933A (ja) 燃料噴射装置
US20060071099A1 (en) Fuel injector with VOP loss resistant valve spring for emissions-compliant engine applications
US8662420B2 (en) Valve body and fluid injector with a valve body
JP2008175102A (ja) 燃料噴射ノズル
EP1236883A3 (en) Fuel system
JP2947306B2 (ja) 燃料噴射ポンプの吐出弁
JP2004137915A (ja) 燃料噴射弁のシール構造
RU2084684C1 (ru) Форсунка двигателя внутреннего сгорания с регулируемым давлением впрыска
JP4086594B2 (ja) 燃料噴射装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060829

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061030

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070515

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20070528

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees