JP2003226977A - 無機−有機ハイブリッド薄膜及びその製造方法 - Google Patents

無機−有機ハイブリッド薄膜及びその製造方法

Info

Publication number
JP2003226977A
JP2003226977A JP2002026400A JP2002026400A JP2003226977A JP 2003226977 A JP2003226977 A JP 2003226977A JP 2002026400 A JP2002026400 A JP 2002026400A JP 2002026400 A JP2002026400 A JP 2002026400A JP 2003226977 A JP2003226977 A JP 2003226977A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
organic
inorganic
ceramic
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002026400A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3870253B2 (ja
Inventor
Atsushi Hozumi
篤 穂積
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2002026400A priority Critical patent/JP3870253B2/ja
Publication of JP2003226977A publication Critical patent/JP2003226977A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3870253B2 publication Critical patent/JP3870253B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Chemically Coating (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 無機−有機ハイブリッド薄膜、その製造方法
及び該薄膜を表面に形成してなる高潤滑性部材を提供す
る。 【解決手段】 金属、セラミックス、ガラス、プラスチ
ックの内から選択された1種類以上からなる基材を用
い、該基材に、有機シラン化合物、有機金属化合物のセ
ラミックス前駆体の内から選択された1種類以上を付着
させて膜を形成し、その後、該膜を光酸化及び/又は3
次元架橋させることにより有機成分を除去してセラミッ
クス薄膜に化学変化させた後、該セラミックス薄膜表面
にフッ化炭素鎖及び/又は長鎖アルキル基を有する有機
シランを化学反応させてなる耐摩耗性、潤滑性、撥水、
撥油性を有する無機−有機ハイブリッド薄膜、その製造
方法、及び表面に上記薄膜を形成してなる高潤滑性部
材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な無機−有機
ハイブリッド薄膜、その製造方法及び該薄膜を表面に形
成してなる高潤滑性部材に関するものであり、更に詳し
くは、各種の部材、例えば、光学レンズ、磁気ヘッド、
磁気テープ、ハードディスク、フレキシブルディスク、
ピストン、マイクロマシン用部品、人工歯根、義歯、義
歯床などの表面の耐摩耗性を向上させ、表面の自由エネ
ルギーを低下させることにより、表面潤滑性、更には、
撥水、撥油性を著しく向上させることを可能とする新し
い表面処理技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、プラスチックのような耐摩耗性に
劣る基材の表面を、酸化シリコンに代表されるセラミッ
クス薄膜で被覆し、耐摩耗性を向上させる表面改質が盛
んに行われている。これらの基材は、一般的に、材料自
身が耐熱性に劣るため、低温での表面改質技術が必要不
可欠であり、例えば、ドライプロセス、ウエットプロセ
ス、あるいはそれらの複合プロセスを利用した様々な表
面改質方法が提案されている。
【0003】しかし、いずれの処理方法にも、長所、短
所がある。例えば、プラズマCVDやPVDに代表され
るドライプロセスであれば、高価な真空装置が必要であ
るし、ディップコーティングに代表されるウエットプロ
セスであれば、液溜まりによって膜厚むらが生じるた
め、微小で複雑な形状の基材へ均一な薄膜を形成するこ
とは困難であった。また、基材のしゅう動性を向上させ
るために、固体潤滑材料、例えば、ポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)を固定化する処理が盛んに行われ
ているが、PTFEは化学反応性が極めて少ないため、
基材と十分な密着性を確保することは困難であり、更
に、高い焼き付け温度、処理時間が必要なため、必然的
に処理できる基材にも制限があった。
【0004】一方、近年、従来のメカトロニクス技術を
更に小さなスケールとするマイクロマシン技術が注目を
集めている。最近では、1ミクロンを切る高分解能を持
つ内部硬化型マイクロ光造形法が開発され、直径45ミ
クロンのプラスチック製可動マイクロギアやシャフトな
どが製造できることが報告されている。しかし、マイク
ロマシンへのプラスチック材料の適用は始まったばかり
であり、プラスチック製しゅう動、可動部品のトライポ
ロジーに関する科学的な知見は不明な点が多い。先行技
術文献として、1)Proc of IEEE MEMS 93, 42-47 (199
3)、2) H. Brunner et. al., Langmuir 1996, 12, 461
4-4617、3) M. Brinkmann et. al., Chem. Mater, 200
1, 13, 967-972)、があげられる。
【0005】また、これまでの潤滑層の形成技術、例え
ば、磁気ヘッドの保護膜となる炭素系薄膜へのフッ素含
有エーテルやアルコールの水素結合による潤滑層形成技
術では、基材と潤滑層間の密着性が不十分であるため、
脆弱で剥離しやすいという問題点があった。そのため、
既存の技術をそのままマイクロマシン用部品に適用する
ことはできない。マイクロマシン技術を実用化、製品化
するには、高寿命化、信頼性を確保することが必要不可
欠である。そのためには、耐摩耗性層ならびに潤滑層を
ナノメートルスケールで基材表面に強固に化学結合させ
る表面改質技術が必要不可欠であると考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような状況の中
で、本発明者は、上記従来技術に鑑みて、従来技術の問
題を解決することが可能な新しい表面改質技術を開発す
ることを目標として鋭意研究を進めた結果、基材表面を
酸素プラズマや紫外線照射により親水化した後、この基
材表面に、有機シラン化合物、有機金属化合物、セラミ
ックス前駆体を気相から付着させることにより、膜厚が
0.5〜500nmの膜を形成し、その後、その膜にプ
ラズマや紫外線を照射することにより、膜中の炭素等の
不純物が膜中から除去され、室温付近でセラミックス薄
膜に化学変化され、基材、特にプラスチック基材の耐摩
耗性が向上することを見いだした。更に、その表面に、
長鎖フッ化炭素鎖及び/又は長鎖アルキル鎖を有する有
機シランを気相から化学反応させることにより、膜厚が
1〜500nmの低表面エネルギー薄膜を形成すること
により、耐摩耗性、潤滑性が飛躍的に向上することを見
いだし、本発明を完成させるに至った。本発明は、新規
な耐摩耗性及び潤滑性を有する無機−有機ハイブリッド
薄膜及びその製造方法を提供することを目的とするもの
である。また、本発明は、各種の部材、例えば、磁気ヘ
ッド、磁気テープ、ハードディスク、フレキシブルディ
スク、ピストン、マイクロマシン用部品、人工歯根、義
歯、義歯床などの高い摩耗性、潤滑性が要求される材料
として有効な、表面に上記無機−有機ハイブリッド薄膜
を形成してなる優れた耐摩耗性、高潤滑性、撥水・撥油
性を有する高潤滑性部材を提供することを目的とするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明は、以下の技術的手段から構成される。 (1)基材に、有機シラン化合物、有機金属化合物のセ
ラミックス前駆体の内から選択された1種類以上を付着
させて膜を形成し、その後、該膜を光酸化及び/又は3
次元架橋させることで有機成分を除去してセラミックス
薄膜に化学変化させた後、該セラミックス薄膜表面にフ
ッ化炭素鎖及び/又は長鎖アルキル基を有する有機シラ
ンを化学反応させたことを特徴とする耐摩耗性及び潤滑
性を有する無機−有機ハイブリッド薄膜。 (2)基材が、金属、セラミックス、ガラス、プラスチ
ックの内から選択された1種類以上からなることを特徴
とする前記(1)に記載の無機−有機ハイブリッド薄
膜。 (3)基材に、有機シラン化合物、有機金属化合物のセ
ラミックス前駆体の内から選択された1種類以上を付着
させて膜を形成した後、該膜を光酸化及び/又は3次元
架橋させることにより有機成分を除去してセラミックス
薄膜とし、次いで、該セラミックス薄膜表面にフッ化炭
素鎖及び/又は長鎖アルキル基を有する有機シランを化
学反応させることを特徴とする耐摩耗性及び潤滑性を有
する無機−有機ハイブリッド薄膜の製造方法。 (4)前記基材表面に、前記有機シラン化合物、有機金
属化合物のセラミックス前駆体の内から選択された1種
類以上を気相を経て付着させることを特徴とする前記
(3)に記載の無機−有機ハイブリッド薄膜の製造方
法。 (5)前記基材に付着させた有機シラン化合物、有機金
属化合物のセラミックス前駆体が、紫外線、電子線、電
磁波を透過する材料であることを特徴とする前記(3)
に記載の無機−有機ハイブリッド薄膜の製造方法。 (6)紫外線、電子線、電磁波の内から選択された1種
類以上を照射し、有機シラン化合物、有機金属化合物の
セラミックス前駆体の膜を光酸化及び/又は3次元架橋
させることにより有機成分を除去してセラミックス薄膜
に化学変化させることを特徴とする前記(3)に記載の
無機−有機ハイブリッド薄膜の製造方法。 (7)前記セラミックス薄膜表面に、長鎖フッ化炭素鎖
及び/又は長鎖アルキル鎖を有する有機シランを気相か
ら化学反応させることを特徴とする前記(3)に記載の
無機−有機ハイブリッド薄膜の製造方法。 (8)前記(1)に記載の無機−有機ハイブリッド薄膜
を表面に形成したことを特徴とする高潤滑性部材。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明について更に詳細に
説明する。本発明は、様々な基材の表面を、例えば、予
めプラズマ、紫外線、オゾンなどで親水化した後、該処
理基材の表面上に、有機シラン化合物、有機金属化合物
のセラミックス前駆体を1種類以上、気相から付着させ
ることにより、膜厚が0.5〜50nmの膜を形成した
後、例えば、プラズマや紫外線を照射することにより、
膜中の炭素等の不純物を膜中から除去し、セラミックス
薄膜に化学変化させることにより、基材の耐摩耗性を向
上させ、更に、該セラミックス薄膜表面に、長鎖フッ化
炭素鎖や長鎖アルキル鎖などを有する有機シランを化学
反応せることにより、膜厚が1〜500nmの低表面エ
ネルギー薄膜でセラミックス薄膜表面を被覆することに
より耐摩耗性、潤滑性、撥水・撥油性を著しく向上させ
る点に最大の特徴を有する。
【0009】本発明では、基材として、金属、セラミッ
クス、ガラス、プラスチックなどの適宜の材料を任意に
使用することができる。金属としては、例えば、アルミ
ニウム、銅、鉄、モリブデン、チタン、亜鉛、SUS、
スズなどが、セラミックスとしては、例えば、アルミ
ナ、チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化スズなど
が、ガラスとしては、例えば、石英ガラス、ソーダライ
ムガラス、ホウケイ酸ガラスなどが、プラスチックとし
ては、例えば、ポリカーボネイト、アクリル、ポリスチ
レン、PET、ポリエチレンなどが例示される。これら
の基材の形状は、例えば、板状、粉末状、チューブ状な
ど任意な形状の基材を使用することができる。これらの
基材の表面を、予め、酸素プラズマ、真空紫外光、オゾ
ンなどを照射することにより、基材表面に付着した有機
物を除去することにより親水化する。この場合、好まし
くは、波長172nm以下の真空紫外光を使用するが、
これに制限されるものではない。本発明が好適に適用さ
れる基材の具体例としては、例えば、マイクロマシン用
部品等の、耐熱性、耐摩耗性に劣るプラスチック基材
で、更に微細で複雑な形状の基材が例示される。
【0010】本発明で使用されるセラミックス前駆体の
有機シランとしては、フッ化炭素鎖を有する有機シラン
として、例えば、(トリデカフルオロ−1,1,2,2
−テトラヒドロオクチル)ジメチルクロロシラン、(ト
リデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチ
ル)メチルジクロロシラン、(トリデカフルオロ−1,
1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリクロロシラ
ン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒド
ロオクチル)トリエトキシシラン、(ヘプタデカフルオ
ロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)ジメチルク
ロロシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−
テトラヒドロデシル)メチルジクロロシラン、(ヘプタ
デカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)
トリクロロシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,
2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシランなど
が例示され、また、長鎖アルキル基を有する有機シラン
として、例えば、n−オクタデシル トリエトキシシラ
ン、n−オクタデシル トリクロロシラン、n−オクタ
デシル メトキシジクロロシラン、n−オクタデシルメ
チルジクロロシラン、n−オクタデシル メチルジエト
キシシラン、ノニルトリクロロシラン、n−オクタデシ
ルジメチル クロロシラン、n−オクタデシルジメチル
メトキシシランなどが例示される。次に、セラミック
ス前駆体の有機金属化合物としては、n−ブチルトリク
ロロスズ、ブチルクロロジヒドロキシスズ、ジ−t−ブ
チルジクロロスズ、ジメチルジクロロスズ、メチルトリ
クロロスズ、アルミニウム(III)n−ブトキサイ
ド、アルミニウム(III)s−ブトキサイド、アルミ
ニウム(III)エトキサイド、アルミニウム(II
I)イソプロポキサイド、チタンn−ブトキサイド、チ
タンクロライドトリイソプロポキサイド、チタンエトキ
サイド、チタンイソブトキサイド、チタンイソプロポキ
サイドなどが例示される。
【0011】本発明においては、続いて、基材表面の水
酸基、あるいは酸素含有極性官能基と、有機シラン化合
物、有機金属化合物のセラミックス前駆体の内から選択
された1種類以上を反応させ、これらを基材に付着させ
る。反応方法は特に限定されるものではないが、好まし
くは、高価な反応装置、長い処理時間、高い処理温度を
必要せず、少量の原料で処理可能な気相法が用いられ
る。特にプラスチック基材へ処理する場合、例えば、処
理温度は約80℃、処理時間は約3時間以上であること
が望ましい。処理膜の膜厚は、処理時間により0.5〜
500nmまで任意に制御することが可能であるが、膜
厚は300nm以下であることが望ましい。これは、膜
厚が300nmを越えると、セラミックス薄膜への化学
変化の効率が低下するためである。膜形成後、酸素プラ
ズマ、紫外線、電子線などで処理表面を処理することに
よりセラミックス薄膜に化学変化させる。好ましくは、
波長172nm以下の真空紫外光や電子線を利用する。
これらは、赤外線を含まないため、室温〜40℃で処理
することができる。例えば、真空紫外光を使用する場
合、10〜1000Pa下で10分以上処理することが
望ましい。大気圧下では、紫外光は雰囲気中の酸素分子
に吸収されてしまうため、処理時間が真空下での処理と
比較して長くかかるためである。
【0012】更に、該セラミックス薄膜被覆基材の潤滑
性を著しく向上させるために、該セラミックス薄膜表面
の水酸基と、長鎖フッ化炭素鎖や長鎖アルキル炭素鎖を
有する表面張力の低い有機シランを化学的に反応させ、
表面に低表面エネルギー薄膜を形成する。反応方法は特
に限定されるものではないが、好ましくは、高価な反応
装置、長い処理時間、高い処理温度を必要とせず、少量
の原料で処理可能な気相法が用いられる。特にプラスチ
ック基材へ処理する場合、例えば、処理温度は約80
℃、処理時間は約3時間以上であることが望ましい。こ
の処理により、該セラミックス薄膜表面に低表面エネル
ギー薄膜が形成される。該薄膜の膜厚は処理時間により
1〜500nmまで任意に制御することが可能である
が、膜厚は300nm以下であることが望ましい。これ
は、膜厚が300nmを越えると、基材の光学特性が低
下するためである。
【0013】以上の方法により、基材表面に300nm
以下のセラミックス薄膜、該セラミックス薄膜上に、3
00nm以下の低表面エネルギー薄膜で被覆した無機−
有機ハイブリッド薄膜を形成することにより、該処理基
材、特にプラスチック基材の耐摩耗性、潤滑性が著しく
向上する、という作用効果が得られる。この現象は、基
材表面に付着させたセラミックス前駆体を紫外線などを
利用して化学的にセラミックス薄膜に化学変化させるこ
とにより耐摩耗性が著しく向上すること、更に、このセ
ラミックス薄膜上に長鎖フッ化炭素鎖や長鎖アルキル炭
素鎖を有する表面張力の低い有機シランからなる低表面
エネルギー薄膜で表面を被覆することにより、表面自由
エネルギーが下がり、基材の耐摩耗性、潤滑性が飛躍的
に改善されることによる。また、表面自由エネルギーが
低下するため、撥水・撥油性も著しく改善される。セラ
ミックス薄膜上の水滴接触角は5°以下であるのに対
し、低表面エネルギー薄膜を形成することにより、水滴
接触角は約115〜120°まで増加する。また、流動
パラフィンのような油に対する接触角も80〜90°ま
で増加し、基材表面は、著しく撥水・撥油性を示すよう
になる。
【0014】セラミックス薄膜を形成する際に用いる有
機シラン化合物、有機金属化合物のセラミックス前駆体
は、液体で蒸気圧が高いものであることが望ましい。ま
た、低表面エネルギー薄膜を形成する際に用いる有機シ
ランは、フッ化炭素やメチル基といった、極性の低い、
すなわち、表面エネルギーの低い官能基が少なくとも一
つ入っていることが望ましい。なぜならば、極性が高
い、すなわち、表面エネルギーが高いと、接触する物体
との相互作用が大きくなり、摩耗が進行するためであ
る。また、セラミックス薄膜表面と強固な化学結合を得
るために、反応性官能基(OR:R=Cn2n+1)が少
なくとも三つ入っていることが望ましい。なぜならば、
反応性官能基が少ないと、セラミックス薄膜表面と低表
面エネルギー薄膜との界面で十分な密着性が得られない
ためである。なお、膜厚は、セラミックス薄膜と低表面
エネルギー薄膜をあわせて350nm以下であることが
望ましい。それは、350nm以下の膜厚であれば、基
材表面の形状や光学特性に変化を起こすことがないため
である。本発明の技術を用いることにより、従来技術で
は困難であった耐熱性に劣るプラスチック基材、特に、
微細で複雑な形状の部品への処理が容易になる。
【0015】上記の処理基材が高い耐摩耗性、潤滑性を
示す理由は、処理表面に形成されたセラミックス薄膜
と、その上に形成された長鎖フッ化炭素鎖や長鎖アルキ
ル炭素鎖を有する低表面エネルギー薄膜からなる無機−
有機ハイブリッド薄膜の形成により、耐摩耗性を上げ、
更には表面自由エネルギーを下げるという、物理的及び
化学的な相乗効果によりそれらの特性が出現することに
よるものと考えられる。本発明において、適宜の部材の
表面に上記無機−有機ハイブリッド薄膜を形成すること
により優れた耐摩耗性、高潤滑性、撥水・撥油性を有す
る高潤滑性部材が得られる。この場合、部材の種類に応
じて、予め所定の形状に加工した部材の表面に上記薄膜
を形成することも可能であり、あるいは、上記表面形成
した材料を所定の形状に加工して部材を作製することも
可能である。これらの部材の具体例として、例えば、光
学レンズ、磁気ヘッド、磁気テープ、ハードディスク、
フレキシブルディスク、ピストン、マイクロマシン用部
材、人工歯根、義歯、義歯床、窓ガラス、自動車用ガラ
スなどの部材が例示されるが、これらに制限されるもの
ではなく、適宜の材料、部品からなる部材が包含され
る。
【0016】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、以下の実施例は、本発明の好適な例を示すも
のであり、本発明は、該実施例によって何ら限定される
ものではない。 実施例1 アクリル基材(旭化成製、デラグラスA(Registere
d))を大気圧下で30分間、波長172nmの真空紫
外光に暴露して親水化した基材表面に、オルトケイ酸テ
トラエチル(C25 O)4 Si(和光製)の蒸気を利
用して、気相からオルトケイ酸テトラエチルを化学吸着
させた。処理温度は80℃、処理時間は1時間とした。
この試料表面に、再度、同じ光源を利用して、1000
Paで30分間、真空紫外光を照射した。この試料を原
子間力顕微鏡(荷重:6μN、スキャン回数:5回、ス
キャン領域:1μm2 )を用いて摩耗試験を行った。そ
の結果を図1に示す。
【0017】実施例2 実施例1の基材表面に、気相から、長鎖フッ化炭素鎖C
3 (CF27-を有するフッ化アルキルシランCF3
(CF27 CH2 CH2 Si(OCH33 (信越化
学製、KBM7803)からなる薄膜を形成した。処理
温度は80℃、処理時間は8時間とした。この試料を原
子間力顕微鏡(荷重:6μN、スキャン回数:5回、ス
キャン領域:1μm2 )を用いて摩耗試験を行った。そ
の結果を図1に示す。
【0018】実施例3 ポリスチレン基材(旭化成製、OPSシート#300
0)を1000Pa下で20分間、波長172nmの真
空紫外光に暴露して親水化した基材表面に、1,3,
5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンC416
4 Si4 (アズマックス製)の蒸気を利用して、気相
から1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキ
サンを物理吸着させた。処理温度は80℃、処理時間は
3時間とした。この試料表面に、再度、同じ光源を利用
して、1000Paで30分間、真空紫外光を照射し
た。この試料を原子間力顕微鏡(荷重:6μN、スキャ
ン回数:5回、スキャン領域:1μm2 )を用いて摩耗
試験を行った。その結果を図2に示す。
【0019】実施例4 実施例3の基材表面に、気相から、長鎖フッ化炭素鎖C
3 (CF27-を有するフッ化アルキルシランCF3
(CF27 CH2 CH2 Si(OCH33 (信越化
学製、KBM7803)からなる薄膜を形成した。処理
温度は80℃、処理時間は8時間とした。この試料を原
子間力顕微鏡(荷重:6μN、スキャン回数:5回、ス
キャン領域:1μm2 )を用いて摩耗試験を行った。そ
の結果を図2に示す。
【0020】比較例1 アクリル基材(旭化成製、デラグラスA(Registered))
を原子間力顕微鏡(荷重:6μN、スキャン回数:5
回、スキャン領域:1μm2 )を用いて摩耗試験を行っ
た。その結果を図1に示す。
【0021】比較例2 アクリル基材(旭化成製、デラグラスA(Registered))
を大気圧下で30分間、波長172nmの真空紫外光に
暴露して親水化した基材表面に、オルトケイ酸テトラエ
チル(C25 O)4 Si(和光製)の蒸気を利用し
て、気相からオルトケイ酸テトラエチルを化学吸着させ
た。処理温度は80℃、処理時間は1時間とした。この
試料を原子間力顕微鏡(荷重:6μN、スキャン回数:
5回、スキャン領域:1μm2 )を用いて摩耗試験を行
った。その結果を図1に示す。
【0022】比較例3 ポリスチレン基材(旭化成製、OPSシート#300
0)を原子間力顕微鏡(荷重:6μN、スキャン回数:
5回、スキャン領域:1μm2 )を用いて摩耗試験を行
った。その結果を図2に示す。
【0023】比較例4 ポリスチレン基材(旭化成製、OPSシート#300
0)を1000Pa下で20分間、波長172nmの真
空紫外光に暴露して親水化した基材表面に、1,3,
5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンC416
4 Si4 (アズマックス製)の蒸気を利用して、気相
から1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキ
サンを化学吸着させた。処理温度は80℃、処理時間は
3時間とした。この試料を原子間力顕微鏡(荷重:6μ
N、スキャン回数:5回、スキャン領域:1μm2 )を
用いて摩耗試験を行った。その結果を図2に示す。
【0024】以上の実施例1〜4、比較例1〜4で作製
した試料の耐摩耗性を相対的に評価すると、比較例2≪
比較例1≪実施例1≪実施例2(アクリル基材)、比較
例4≦比較例3≪実施例3≪実施例4(ポリスチレン基
材)となり、未処理のアクリル基材、ポリスチレン基材
の耐摩耗性が最も低く、セラミックス薄膜と低表面エネ
ルギー薄膜からなる無機−有機ハイブリッド薄膜を形成
した各基材の耐摩擦性、潤滑性が最も優れていることが
分かった。
【0025】実施例5 (高潤滑性部材の作製)上記実施例4で作製した上記無
機−有機ハイブリッド薄膜を所定の形状に加工して優れ
た耐摩耗性、潤滑性、撥水・撥油性を有すマイクロマシ
ン部品用高潤滑性部材を作製した。この場合、水接触角
は約120°、流動パラフィンに対する接触角は約86
°となった。
【0026】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明は、基材と
該基材表面に形成されたセラミックス薄膜と有機シラン
薄膜からなる無機−有機ハイブリッド薄膜であって、該
基材は、金属、セラミックス、ガラス、プラスチックの
いずれの材質においても、その膜厚は、350nm以下
で構成されていることを特徴とする耐摩耗性・高潤滑性
を有する薄膜及びその製造方法に係るものであり、本発
明により、1)新規な耐摩耗性、高潤滑表面基材を提供
することができる、2)各種部材、例えば、光学レン
ズ、磁気ヘッド、磁気テープ、ハードディスク、フレキ
シブルディスク、ピストン、マイクロマシン用部品、人
工歯根、義歯、義歯床などの表面に優れた耐摩耗性と高
潤滑性、更には、撥水・撥油性を付与することができ
る、3)気相反応を利用しているため、従来のような有
機溶剤を使用するプロセスと比較して環境への負荷が小
さい、4)気相反応を利用しているため、有機溶剤を使
用するプロセスで問題となっていた、液溜まり、コーテ
ィングむら等を生じることなく、複雑形状を有する基材
にも、均一に薄膜をナノメートルスケールでコーティン
グすることができる、5)プロセスが簡易であり、か
つ、光や電子線を使用しているため、低温処理が可能な
省エネルギープロセスにより、優れた耐摩耗性、高潤滑
性を有する基材を作製することができる、6)優れた耐
摩耗性、高潤滑性、撥水・撥油性を有する高潤滑性部材
を提供することができる、等の格別の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例、比較例に係るアクリル基材の摩耗特性
を示す説明図である。
【図2】実施例、比較例に係るポリスチレン基材の摩耗
特性の変化を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K022 AA02 AA03 AA04 AA13 BA33 DA08 DB30 4K030 AA06 AA09 AA11 BA29 BA35 BB13 CA02 CA05 CA06 CA07 CA12 FA06 LA20 LA23 4K044 AA02 AA12 AA13 AA16 BA21 BC01 BC02 5D111 BB28 BB37 BB48 FF24 FF28 GG14 JJ03 JJ06 KK07 KK08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材に、有機シラン化合物、有機金属化
    合物のセラミックス前駆体の内から選択された1種類以
    上を付着させて膜を形成し、その後、該膜を光酸化及び
    /又は3次元架橋させることで有機成分を除去してセラ
    ミックス薄膜に化学変化させた後、該セラミックス薄膜
    表面にフッ化炭素鎖及び/又は長鎖アルキル基を有する
    有機シランを化学反応させたことを特徴とする耐摩耗性
    及び潤滑性を有する無機−有機ハイブリッド薄膜。
  2. 【請求項2】 基材が、金属、セラミックス、ガラス、
    プラスチックの内から選択された1種類以上からなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の無機−有機ハイブリッ
    ド薄膜。
  3. 【請求項3】 基材に、有機シラン化合物、有機金属化
    合物のセラミックス前駆体の内から選択された1種類以
    上を付着させて膜を形成した後、該膜を光酸化及び/又
    は3次元架橋させることにより有機成分を除去してセラ
    ミックス薄膜とし、次いで、該セラミックス薄膜表面に
    フッ化炭素鎖及び/又は長鎖アルキル基を有する有機シ
    ランを化学反応させることを特徴とする耐摩耗性及び潤
    滑性を有する無機−有機ハイブリッド薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記基材表面に、前記有機シラン化合
    物、有機金属化合物のセラミックス前駆体の内から選択
    された1種類以上を気相を経て付着させることを特徴と
    する請求項3に記載の無機−有機ハイブリッド薄膜の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記基材に付着させた有機シラン化合
    物、有機金属化合物のセラミックス前駆体が、紫外線、
    電子線、電磁波を透過する材料であることを特徴とする
    請求項3に記載の無機−有機ハイブリッド薄膜の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 紫外線、電子線、電磁波の内から選択さ
    れた1種類以上を照射し、有機シラン化合物、有機金属
    化合物のセラミックス前駆体の膜を光酸化及び/又は3
    次元架橋させることにより有機成分を除去してセラミッ
    クス薄膜に化学変化させることを特徴とする請求項3に
    記載の無機−有機ハイブリッド薄膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記セラミックス薄膜表面に、長鎖フッ
    化炭素鎖及び/又は長鎖アルキル鎖を有する有機シラン
    を気相から化学反応させることを特徴とする請求項3に
    記載の無機−有機ハイブリッド薄膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の無機−有機ハイブリッ
    ド薄膜を表面に形成したことを特徴とする高潤滑性部
    材。
JP2002026400A 2002-02-04 2002-02-04 無機−有機ハイブリッド薄膜及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3870253B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002026400A JP3870253B2 (ja) 2002-02-04 2002-02-04 無機−有機ハイブリッド薄膜及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002026400A JP3870253B2 (ja) 2002-02-04 2002-02-04 無機−有機ハイブリッド薄膜及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003226977A true JP2003226977A (ja) 2003-08-15
JP3870253B2 JP3870253B2 (ja) 2007-01-17

Family

ID=27748248

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002026400A Expired - Lifetime JP3870253B2 (ja) 2002-02-04 2002-02-04 無機−有機ハイブリッド薄膜及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3870253B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005289055A (ja) * 2004-03-08 2005-10-20 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 物質の空間精密配置技術
JP2006242297A (ja) * 2005-03-03 2006-09-14 Riken Corp 組合せオイルコントロールリング
JP2013508543A (ja) * 2009-10-15 2013-03-07 アーケマ・インコーポレイテッド UV援用型化学蒸着によるポリマー基板上へのドープZnO膜の被着
EP2334443B1 (fr) * 2008-08-01 2016-10-26 Commissariat à l'Énergie Atomique et aux Énergies Alternatives Procédé d'utilisation d'une couche mince supraglissante caractérisée par son procede d'obtention.
US10900123B2 (en) 2003-06-27 2021-01-26 Spts Technologies Limited Apparatus and method for controlled application of reactive vapors to produce thin films and coatings
JP2021038471A (ja) * 2012-03-26 2021-03-11 シルコテック コーポレーション コーティングされた物品及び化学蒸着方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10900123B2 (en) 2003-06-27 2021-01-26 Spts Technologies Limited Apparatus and method for controlled application of reactive vapors to produce thin films and coatings
JP2005289055A (ja) * 2004-03-08 2005-10-20 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 物質の空間精密配置技術
JP2006242297A (ja) * 2005-03-03 2006-09-14 Riken Corp 組合せオイルコントロールリング
EP2334443B1 (fr) * 2008-08-01 2016-10-26 Commissariat à l'Énergie Atomique et aux Énergies Alternatives Procédé d'utilisation d'une couche mince supraglissante caractérisée par son procede d'obtention.
JP2013508543A (ja) * 2009-10-15 2013-03-07 アーケマ・インコーポレイテッド UV援用型化学蒸着によるポリマー基板上へのドープZnO膜の被着
KR101790497B1 (ko) * 2009-10-15 2017-10-26 알케마 인코포레이티드 도핑된 ZnO막을 자외선 화학기상증착법에 의해 고분자 기판 상에 증착시키는 방법
JP2021038471A (ja) * 2012-03-26 2021-03-11 シルコテック コーポレーション コーティングされた物品及び化学蒸着方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3870253B2 (ja) 2007-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI472641B (zh) 基材之高疏水性表面的處理方法
Gu et al. Preparation and characterization of hydrophobic organic–inorganic composite thin films of PMMA/SiO2/TiO2 with low friction coefficient
Rao et al. Preparation of MTMS based transparent superhydrophobic silica films by sol–gel method
JP6256953B2 (ja) コーティングされた物品及び化学蒸着方法
Dey et al. Cleaning and anti-reflective (AR) hydrophobic coating of glass surface: a review from materials science perspective
DK1797967T3 (en) PROCEDURE FOR THE CREATION OF ORGANIC THIN FILM
JPH079608A (ja) 撥水撥油性被膜及びその製造方法
KR102468424B1 (ko) 비가시적 지문 코팅 및 이의 형성 방법
EP2543633A1 (en) Method for fixation onto layer comprising amorphous carbon film, and laminate
Sepulveda et al. Superhydrophobic–oleophobic visible–transparent antireflective nanostructured anodic HfO2 multifunctional coatings for potential solar panel applications
Matin et al. UV-resistant and transparent hydrophobic surfaces with different wetting states by a facile dip-coating method
JP2003226977A (ja) 無機−有機ハイブリッド薄膜及びその製造方法
Jung et al. Characterization of octadecyltrichlorosilane self-assembled monolayers on silicon (100) surface
JP2622316B2 (ja) 撥水撥油性フィルム及びその製造方法
JPH04367721A (ja) フッ素系化学吸着単分子累積膜及びその製造方法
JPH04255343A (ja) 撥水撥油コーティング膜及びその製造方法
JP2001064664A (ja) 高潤滑表面部材の製造方法及び高潤滑表面部材
KR20190117299A (ko) 졸-겔법에 의한 테트라에톡시실란 및 메틸트리메톡시실란으로부터의 발수 코팅 용액 제조방법
JP2004002187A (ja) 撥水撥油性被膜
JPH04249146A (ja) 撥水撥油防汚性被膜及びその製造方法
JP2007137767A (ja) 撥水撥油性ガラス基体
JP3017965B2 (ja) 撥水撥油性被膜を有する物品及びその形成方法
Zhang et al. Dense, uniform, smooth SiO 2/TiO 2 hard coatings derived from a single precursor source of tetra-n-butyl titanate modified perhydropolysilazane
JP3870254B2 (ja) 高親水性薄膜及びその製造方法
JP2000103007A (ja) 撥水撥油性面と親水性面を有する物品及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060502

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060630

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060919

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3870253

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term