JP2003226524A - 二酸化チタン被膜の形成法 - Google Patents

二酸化チタン被膜の形成法

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acid
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Toshiaki Sugimoto
敏明 杉本
Kaname Hatanaka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光触媒活性が高い二酸化チタン被膜を形成す
る。 【解決手段】 チタン化合物を含む流体を基体に接触さ
せ、該チタン化合物を熱分解せしめて基体表面に二酸化
チタン被膜を形成する方法において、流体中のチタン化
合物として常温における電離定数Kが1×10-4以上の有
機酸がチタン原子に1基以上配位したものを少なくとも
用いる方法であって、該有機酸がチタン化合物に直接配
位したチタン化合物からなる場合には、該チタン化合物
を酸化物換算したTiO2/有機酸配位子とのモル比が
1/0.25〜1/3、該有機酸が直接配位したチタン
化合物と有機酸が配位していないチタン化合物との混合
物の場合には、有機酸が直接配位したチタン化合物/有
機酸が配位しないチタン化合物とのモル比が1/3〜3
/1のものを用いること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒活性、すな
わち光励起による電子−正孔対の生成に起因する酸化還
元反応活性の高い二酸化チタン被膜を形成する方法に関
する。
【0002】
【従来技術および解決すべき課題】光触媒活性を有する
二酸化チタン被膜の製造法については、従来多く行なわ
れている方法としてゾルゲル法があり、有機チタン化合
物の加水分解物前駆体を基体に塗布し焼成することによ
り二酸化チタン被膜を形成する方法や、予め二酸化チタ
ンの微結晶をガラス質形成用のシリカ等の加水分解物に
均一に分散させたゾル液を塗布して焼成することにより
強固に基体に固着させる被膜形成法も公知である(例え
ば、特許第2756474号公報)。
【0003】チタンの前駆体ゾルを用いる方法では、二
酸化チタンを光触媒活性の高いアナターゼ結晶とし、か
つ結晶成長を促進させるためには、基体にゾル液を塗布
後、基体を熱処理炉に搬送して高温で加熱処理しなけれ
ばならなかった。また、被膜を基体に固着させるために
シリカゾルやアルコキシシラン等の珪酸原料をガラス化
させる方法でも、塗布後の基体の高温での焼成が必要で
あった。このように基体に被膜形成原料を塗布し熱処理
する方法は、操作が簡便ではなく、また基体の大面積化
が困難であって、基体に熱歪みが残留し易く、特に基体
の厚みが厚いと熱処理後の徐冷に長時間を要して生産性
が劣るという不都合がある。なお、近年プラスチック等
の高分子材料への二酸化チタンの成膜も提唱されている
が、温度が150℃以下に限定され、光触媒活性は発現
するものの被膜の基体への固着力が小さく、耐摩耗性の
点で到底実用には供し難い。
【0004】別に、CVD法や熱スプレー法等におい
て、チタンにアルコキシ基(−OR)を配したり、キレ
ート配位子としてアセチルアセトンやグリコールを配し
たチタン化合物を基体表面に施す方法も特公平7−25
572号公報等により公知である。しかし、アルコキシ
ドは成膜速度が遅くかつ加水分解し易く取り扱いが困難
であり、キレート化合物は加水分解等の安定性には優れ
成膜速度も速いが、光活性は殆ど発現し得ないという欠
点を有する。
【0005】本発明は、特に熱スプレー法やCVD法の
如く高温の基体の表面に直接チタン化合物を施し、例え
ば板ガラス製造ラインに適用して、大面積板ガラスに光
触媒活性の高い二酸化チタン被膜を低コストで形成する
方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の二酸化チタン被
膜の形成法は、チタン化合物を含む流体を基体に接触さ
せ、該チタン化合物を熱分解せしめて基体表面に二酸化
チタン被膜を形成する方法において、流体中のチタン化
合物として常温における電離定数Kが1×10-4以上の有
機酸がチタン原子に1基以上配位したものを少なくとも
用いることを特徴とする。
【0007】また、本発明の二酸化チタン被膜の形成法
は、チタン化合物は、有機酸がチタン化合物に直接配位
したチタン化合物からなるものであり、該チタン化合物
を酸化物換算したTiO2/有機酸配位子とのモル比が
1/0.25〜1/3であることを特徴とする。
【0008】さらに、本発明の二酸化チタン被膜の形成
法は、チタン化合物は、有機酸が直接配位したチタン化
合物と有機酸が配位していないチタン化合物との混合物
からなるものであり、有機酸が直接配位したチタン化合
物/有機酸が配位しないチタン化合物とのモル比が1/
3〜3/1であることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、チタン化合物を
含む流体を基体に接触させ、該チタン化合物を熱分解せ
しめて基体表面に二酸化チタン被膜を形成する方法にお
いて、流体中のチタン化合物として常温における電離定
数Kが1×10-4以上の有機酸がチタン原子に1基以上配
位したものを少なくとも用い、その流体を基材表面に接
触させて、前記チタン化合物の熱分解により基材表面に
二酸化チタン被膜を形成したものは光触媒活性に優れる
という効果を奏する。また、成膜に際しても、先述した
アルコキシドやキレート化合物よりも遙かに優れた成膜
性(被膜の均質性、成膜速度、成膜効率)を示す。
【0010】アルコキシド、例えばチタニウムイソプロ
ポキド〔Ti(OiC374〕単独の場合、200℃程
度の比較的低い温度においても蒸気圧が高く、400〜
600℃の基体に供すると、一部が揮発して成膜に寄与
されず、膜厚が30nm以下の厚みの被膜しか得られな
いことや、光触媒活性は認められるが加水分解速度が大
きいため一部微粒子化し、膜肌に粒状欠陥が目立って商
品価値を損ずることになる。
【0011】一方、チタニウムジイソプロポキシジアセ
チルアセトナート〔Ti(OiC3 72(C5
722〕で代表されるアセチルアセトナートなどのキ
レート配位子を含むチタン化合物を基体に供した場合、
400℃以上の温度で熱分解が始まり、膜厚が厚く膜肌
も良好な被膜が得られるが、アナターゼ結晶が生成し難
く、比表面積の乏しい微細な非晶質粒の被膜が生成し、
その光活性は微弱である。
【0012】それに対し、酸性度が高く電離定数が大き
い有機酸を官能基としてチタン原子に配位させた本発明
のチタン化合物は、薬液は安定しており、分解温度は一
概にはいえないが300〜500℃で逐次反応により熱
分解する。成膜に際して膜形成速度が大きく、膜を構成
する二酸化チタン結晶も個々の結晶粒子が均一に成長し
て被膜表面の比表面積が大きく、光触媒活性が著しく向
上する。前記光活性を向上することの理由は不明である
が、有機酸が触媒として働きチタンの官能基と速やかに
反応して400〜700℃の熱分解後に酸化チタンを生
成する適度の官能基に変化していると推定され、これが
熱分解に相応して主にアナターゼ型二酸化チタン結晶を
逐次的に優先して生成し、上記のごとく個々の結晶粒子
が均一に成長して被膜表面の比表面積を増大することが
一因であると推察される。
【0013】本発明において、基体としては耐熱性の材
料であればいづれも可能で、具体的にはガラス、セラミ
ックス、セメント、タイル、陶磁器、ALC、石膏ボー
ド等の各種窯業材料や活性炭、シリカゲル、粘土鉱物、
無機顔料、触媒担体、ヒル石、珪藻土、カオリン各種無
機粉体材料や、ガラスビーズ、ガラスレンズ、ガラス繊
維、無機フレーク、ホイスカーや金属材料またはそれら
の複合材料等を含み、石英ガラス、容器ガラス、ガラス
ビーズ、ガラスレンズ、ガラス繊維等にも利用でき、特
にアルカリ石灰珪酸系ガラス、硼珪酸系ガラス、アルミ
ノ石灰珪酸系ガラス等の珪酸系ガラスが好適に採用でき
る。
【0014】なかでも、前記アルカリ石灰珪酸系ガラス
のようにアルカリ分を含有し、前記アルカリ分がガラス
表面に浸出し易いような基材に対しても有効であり、光
触媒活性を発現する。なお、従来含アルカリガラスの場
合、その表面に直接に光触媒被膜を形成すると前記浸出
したアルカリ分により光触媒活性を喪失するので、ガラ
スと光触媒被膜との間に下地膜、例えばシリカ膜を形成
することが必要とされていたが、本発明においては下地
膜を形成するような措置は必要としない利点を有する。
【0015】本発明における酸性度の高い、すなわち常
温(25℃)における電離定数Kが1×10-4以上の有機
酸としては、アルキル系、芳香族系等の有機スルホン
酸、有機硫酸、有機亜硫酸、有機硝酸、有機亜硝酸、有
機リン酸、有機亜リン酸、有機ハロゲン化物(フッ化
物、塩化物、臭化物)、ハロゲン置換有機酸、および各
種有機カルボン酸のうちの一部を含み、例えばジメチル
硫酸、ベンゼンスルホン酸、エチル硝酸、トリエチル燐
酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ジクロロモノ
ブロモ酢酸、クエン酸、クロル酢酸、サリチル酸、 d-酒
石酸、蓚酸、スルファニル酸、α-ナフトエ酸、乳酸、
ステアリン酸、尿酸、バルビツール酸、α-フタル酸、
ブドウ酸、マレイン酸、マロン酸、メゾ酒石酸、リンゴ
酸などが範疇に含まれる。なお、前記有機酸の電離定数
Kは、より好ましくはKが1×10-3以上のものであるこ
とが望ましい。
【0016】チタン化合物としては、ごく一般的に成膜
用原料として使用されるチタンのアルコキシド、βケト
エステル錯塩、βジケトン錯塩があるが、これらに限定
するものではない。それら有機酸およびチタン化合物
は、その種類に応じて水、アルコール系溶媒、芳香族系
溶媒等の各種溶媒を使用して溶液とし、熱スプレー法な
どに適用することができる。あるいは、先述したゾルゲ
ル法のようにゾルを基体に膜付けし、更に熱処理炉で処
理することも勿論可能であるが、大面積基板に採用する
うえでは、前記熱スプレーによる方法が好適である。別
に、前記チタン化合物および有機酸を含む溶液をそのま
ま超音波等で気化せしめ、それをキャリアーガスととも
に基体表面に供するCVD法を適用することもできる。
【0017】本発明のチタン化合物として、前述の有機
酸がチタン化合物に直接配位したチタン化合物のみから
なる場合には、該チタン化合物を酸化物換算したTiO
2/有機酸配位子とのモル比が1/0.25〜1/3で
あることが好ましく、前記モル比が0.25未満である
と加水分解が早く、膜厚が極めて薄いばかりか光触媒活
性も発現しない。また、前記モル比が3を越えると薬液
の安定性が著しく損なわれ、有機酸の化合物の沈殿が生
じるとともに膜質に粒が発生し劣化した膜質となる。他
方、チタン化合物が、有機酸が配位したチタン化合物と
有機酸が配位しないチタン化合物との混合物からなる場
合には、有機酸が配位したチタン化合物/有機酸が配位
しないチタン化合物とのモル比が1/3〜3/1である
ことが好適であり、有機酸のモル比が前記範囲未満であ
ると前記と同様に良好な被膜は得られるが膜厚が薄く、
光触媒活性は発現しない。また、モル比が前記範囲を越
えて過剰に添加しても、薬液の安定性が著しく損なわ
れ、沈殿を生じたりあるいはゲル化して光触媒活性の更
なる増大は望めず、更には膜質が斑点状欠陥やスモーク
状ヘイズ欠陥が目立つようになり、望ましい結果は得ら
れない。
【0018】得られた二酸化チタン被膜は、後述の実施
例に示すように、成膜後ステアリン酸を付着させ、これ
にブラックライト(3mW/cm2)を照射し、赤外分
光光度計によりステアリン酸の分解率を測定し、照射前
後のC−H結合の吸光度の差(△ABS×1000)が10
以上あれば、光触媒活性が優れるものである。
【0019】本発明において、成膜の際の温度−時間領
域は特定するものではなく、被膜を構成する二酸化チタ
ン結晶がアナターゼ型結晶(ルチル型結晶、ブルッカイ
ト型結晶を含むケースも包含する)を主に形成する温度
−時間の範囲、但し、基体が熱変形を起こさない範囲で
あればよい。また、有機酸の配位子によっては必ずしも
上記二酸化チタンの結晶が生成しなくとも、二酸化チタ
ンの被膜中に有機物が残存しない温度で熱分解を起こさ
せることにより、光触媒が十分発現する場合もある。特
に、基体が板ガラスの場合には、連続した板ガラス(帯
状ガラス)製造過程における板成形後の温度、例えば4
50℃前後から700℃前後、において熱スプレー法や
CVD法によって数秒〜1分以下、前記チタン化合物、
有機酸を有する溶液またはガスをガラス基体表面に施す
ことによりガラス基体に強固に密着した二酸化チタン被
膜が形成できる。得られた被膜は通常のX線(CuKα
線)回折によれば2θ:25.4°付近にアナターゼ型
二酸化チタンのピークが認められ、アナターゼが被膜中
に均一に析出する。
【0020】膜厚は、励起光照射による光触媒活性およ
び照射後の光触媒活性維持性を考慮すれば少なくとも2
0nm以上が必要であり、他方、200nmを越えても
光触媒活性、光触媒活性維持性を顕著に向上するもので
はなく、従って前記範囲とするのが好ましい。また、高
屈折率の二酸化チタン系被膜においては、膜厚分布が小
さいことが必要であり、膜厚分布が5nm程度において
も干渉による色調変化が著しく、光彩を呈した色ムラ
や、有機物の脱気した粒状痕跡の残留が認められる。
【0021】
【実施例】以下に熱スプレー法による二酸化チタン被膜
形成の具体的実施例(実施例において被膜厚みはいずれ
も30〜50nmである)をもとに本発明を説明する
が、本発明はそれに限定されるものではない。
【0022】実施例1 チタニウムイソプロポキド〔Ti(OiC374〕11
3.6gに、トリフルオロ酢酸(CF3COOH:K=
10-2)を91.2gを加え(チタニウムイソプロポキ
ドを酸化物換算したTiO2/有機酸配位子とのモル比
が1/2.0に相当)、さらに106.0gに、トリフ
ルオロ酢酸(CF3COOH:K=10- 2)10.69
g、さらにトルエン(C65CH3)883.3gを添
加して完全に溶解させ、約84℃で24時間還流し、遊
離したイソプロパノールを充分溜去して、更にトルエン
を追加して全体を1000.0gに調製した。生成物は
FT−IR、LCマススペクトル、NMRで同定したと
ころTi(OC372(OCOCF32の組成物が得
られ、この液をスプレー用薬液とした。
【0023】100mm角−厚さ3mmのソーダ石灰系
ガラス基板を630℃の電気炉内で10分間加熱した後
取り出し、前記薬液を市販のエアースプレー装置にて空
気圧3.5kg/cm2、吐出量200ml/minの
条件で、前記ガラス基板上に上記で調製した薬液の1
8mlをスプレーした。その結果、シルバー色の均一な
二酸化チタン被膜が得られた。
【0024】この被膜の光触媒活性を以下の条件で評価
した。すなわち、汚れ成分としてのステアリン酸の3w
t%エタノール溶液を調製してそれに前記被膜形成基板
を浸漬してステアリン酸を付着させ、次いで付着ステア
リン酸にブラックライト(3mW/cm2)を1時間照
射して分解させた。ステアリン酸の分解率を、フーリエ
変換赤外分光光度計を用い、照射前と60min照射後
のC−H結合の吸光度の差(△ABS×1000)を光
触媒活性値とした。光触媒活性を測定した結果、41.
8と良好な値を示した。なお、以下の実施例及び比較例
では、ガラス基板と基板加熱条件、スプレー条件を実施
例1と同様にして成膜し、また光触媒活性も実施例1と
同様な方法で評価した。
【0025】実施例2 チタニウムジイソプロポキシジアセチルアセトナート
〔Ti(OiC372(C5722〕303.0g
に、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H:電
離定数K=10-2)を11.25gを加え(チタニウム
ジイソプロポキシジアセチルアセトナートを酸化物換算
したTiO2/有機酸配位子とのモル比が1/0.30
に相当)、さらにトルエン(C65CH3)897.8
gを添加して完全に溶解させ、スプレー用薬液を調製
した。この薬液と実施例1で調製した薬液をチタン
原子比で1/2.5となるように混合したものをスプレ
ー薬液とした。次いで、前記ガラス基板上に調製した
薬液の20mlをスプレーした。その結果シルバー色
の均一な二酸化チタン被膜が得られた。なお、光触媒活
性を測定した結果、71.9と良好な値を示した。
【0026】実施例3 チタニウムジイソプロポキシジアセチルアセトナート
〔Ti(OiC372(C5723〕30.3gに、
メタンスルホン酸(CH3SO3H:K=10-3)を8
0.64gを加え(チタニウムジイソプロポキシジアセ
チルアセトナートを酸化物換算したTiO2/有機酸配
位子とのモル比が1/2.80に相当)、さらにトルエ
ン(C65CH3)800.2gを添加して完全に溶解
させ、スプレー用薬液を調製した。この薬液と実施
例1で調製した薬液を各チタン原子比で2/1となる
ようにに混合したものをスプレー薬液とした。次い
で、前記ガラス基板上に調製した薬液の20mlをス
プレーした。その結果シルバー色の均一な二酸化チタン
被膜が得られた。なお、光触媒活性を測定した結果、6
3.0と良好な値を示した。
【0027】比較例1 チタニウムジイソプロポキシジアセチルアセトナート
〔Ti(OiC372(acac)2〕303.0g
に、トルエン(C65CH3)697.0gを添加して
完全に溶解させ、スプレー用薬液を調製した。前記ガ
ラス基板上に上記薬液の20mlをスプレーした。そ
の結果シルバー色の均一な二酸化チタン被膜が得られ
た。なお、光触媒活性を測定した結果、2.3と光触媒
活性が劣る値を示した。
【0028】比較例2 チタニウムジイソプロポキシジアセチルアセトナート
〔Ti(OiC372(C5722〕303.0g
に、ヘキサフルオロアセチルアセトン(CF3COCH2
COCF3)130.0g、さらにトルエン(C65
3)567.0gを添加して完全に溶解させ、有機酸
を含有しないスプレー用薬液を調製した。前記ガラス
基板上に上記薬液の20mlをスプレーした。その結
果マゼンタ色の均一な二酸化チタン被膜が得られた。な
お、光触媒活性を測定した結果、3.4と光触媒活性が
劣る値を示した。
【0029】比較例3 チタニウムジイソプロポキシジアセチルアセトナート
〔Ti(OiC372(C5722〕303.0g
に、オクタン酸〔CH3(CH26CH2COOH:K=
10-5〕90.11g、さらにトルエン(C65
3)606.89gを添加して完全に溶解させ、スプ
レー用薬液を調製した。前記ガラス基板上に上記薬液
の20mlをスプレーした。その結果シルバー色の均
一な二酸化チタン被膜が得られた。なお、光触媒活性を
測定した結果、1.8と光触媒活性が劣る値を示した。
【0030】以上のように、各実施例の光触媒活性 (△
ABS×1000)は高く、30を越えているのに対
し、比較例1〜3のそれは10未満と低く、光触媒活性
が劣ることがわかる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、基体に接触させる流体
中のチタン化合物として、チタン原子に有機酸が1基以
上配位したものを少なくとも用いることにより、光活性
が高い二酸化チタン被膜を形成できると共に優れた成膜
性(被膜の均質性、成膜速度、成膜効率)を有するとい
う効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G047 CA02 CB05 CB08 CC03 CD02 CD07 4G069 AA03 AA08 BA04A BA04B BA14B BA27A BA27B BA48A CA10 EA08 FB24

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン化合物を含む流体を基体に接触さ
    せ、該チタン化合物を熱分解せしめて基体表面に二酸化
    チタン被膜を形成する方法において、流体中のチタン化
    合物として常温における電離定数Kが1×10-4以上の有
    機酸がチタン原子に1基以上配位したものを少なくとも
    用いることを特徴とする二酸化チタン被膜の形成法。
  2. 【請求項2】 チタン化合物は、有機酸がチタン化合物
    に直接配位したチタン化合物からなるものであり、該チ
    タン化合物を酸化物換算したTiO2/有機酸配位子と
    のモル比が1/0.25〜1/3であることを特徴とす
    る請求項1記載の二酸化チタン被膜の形成法。
  3. 【請求項3】 チタン化合物は、有機酸が直接配位し
    たチタン化合物と有機酸が配位していないチタン化合物
    との混合物からなるものであり、有機酸が直接配位した
    チタン化合物/有機酸が配位しないチタン化合物とのモ
    ル比が1/3〜3/1であることを特徴とする請求項1
    記載の二酸化チタン被膜の形成法。
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