JP2003223820A - 識別ストライプ付き絶縁線心とその成形方法および成形装置、その絶縁線心を用いたツイストペアケーブル - Google Patents

識別ストライプ付き絶縁線心とその成形方法および成形装置、その絶縁線心を用いたツイストペアケーブル

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JP2003223820A
JP2003223820A JP2002020285A JP2002020285A JP2003223820A JP 2003223820 A JP2003223820 A JP 2003223820A JP 2002020285 A JP2002020285 A JP 2002020285A JP 2002020285 A JP2002020285 A JP 2002020285A JP 2003223820 A JP2003223820 A JP 2003223820A
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insulator
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twisted pair
stripe
wire core
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JP2002020285A
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Yasuto Kasuga
泰斗 春日
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Yazaki Corp
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Yazaki Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1つはLANケーブルとして要求される絶縁
線心識別用のストライプに工夫を加えてコネクタ付け作
業の能率を向上させ、また1つはストライプ成形時の溶
融樹脂圧を安定させて絶縁線心の導体同心率の安定化を
図ることで、所要の伝送特性が得られる識別ストライプ
付き絶縁線心とその成形方法および成形装置、そしてそ
の絶縁線心を用いたツイストペアケーブルを提供する。 【解決手段】 コネクタ付け作業などのためにLANケ
ーブル10の外被シース10aが皮剥処理されて対撚り
線A,B,C,Dを露出させる。例えば、対撚り線Aの
絶縁線心12では、導体12aを被覆した絶縁体12b
の外周を120゜に三等分した位置にそれぞれ識別スト
ライプSが設けられている。それによって、どの方向
からでも目標とする絶縁線心12であることを識別で
き、コネクタ付け作業がはかどる。また、識別ストライ
プSが3本であることからストライプ成形時の樹脂圧
が絶縁体12bの全周に均等に働き、導体12aの軸心
がずれることなく絶縁体12bとの同心率が安定化す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LANケーブル等
として用いられるツイストペアケーブルの絶縁線心を識
別し易くしてコネクタ付け作業を能率アップでき、また
反射減衰量の低下を抑えられる識別ストライプ付き絶縁
線心とその成形方法および成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】導体をポリエチレンなどの絶縁体で被覆
して絶縁線心を形成し、この絶縁線心の2本を撚り合わ
せたものを対撚り線にしてその複数本をさらに撚り合わ
せ、その上から外被シースで被覆してツイストペアケー
ブルが形成される。そうしたツイストペアケーブルはL
ANシステム用の情報配線としてカテゴリ5ケーブルや
エンハンストカテゴリ5ケーブルが広く使用されてい
る。これらのLANケーブルはTIA/EIA 568A規格におい
て、コネクタ付け作業時に絶縁線心を識別するためにカ
ラーマークの表示が規定され、絶縁線心の表面に識別ス
トライプを1本または2本施すことが一般的になってい
る。
【0003】図6は、LANケーブル1として使用され
るツイストペアケーブルの一例を示している。この場
合、対撚り線A,B,C,Dの4本を外被シース1aで
被覆してなっているものである。例えば、対撚り線Aは
2本の絶縁線心2,3を撚り合わせ、絶縁線心2,3は
それぞれ導体2a,3a上に絶縁体2b,3bを被覆し
てなっている。他の対撚り線B,C,Dも同様である。
【0004】そうしたLANケーブルは端末に一般にRJ
-45と呼ばれるコネクタを取り付けて各種情報端末に接
続される。コネクタ付け作業は、外被シース1aを剥離
して皮剥処理し、露出させた対撚り線A,B,C,Dの
撚りをほぐしてそれぞれ2本の絶縁線心を真っ直ぐに伸
ばす。対撚り線Aを例にとると、1本の絶縁線心2は表
面全体に着色2cが施され、この対相手である他の1本
の絶縁線心3には上記着色2cと同色の1本の識別スト
ライプSが施されている。この識別ストライプS
色違いにして、他の対撚り線B,C,Dもまたそれらの
1本の絶縁線心の全体表面にそれぞれ異なる色の着色4
c,6c,9cがなされ、そうした異なる着色に合わせ
た色で他の1本の絶縁線心にはそれぞれ1本ずつ識別ス
トライプS,S,Sが施されている。これら合計
8本の絶縁線心2,3,4,5,6,7,8,9は、上
記RJ-45コネクタの端子ピンの配列にしたがって所定の
端子に臨ませ、横並び一列などにして配置して接続され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そうし
たコネクタ付け作業時、絶縁線心のなかには1本ずつ設
けた識別ストライプS,S,S,Sが作業手向
きや方向によっては隠れて見えず、混乱が生じてコネク
タ付け作業を非能率なものにする不都合がある。
【0006】コネクタ付け前のLANケーブル1を皮剥
処理した状態を示す図6のように、作業時に図中矢印の
方向から目視すると、識別ストライプS,S
,S が見えたり見えなかったりする様子が説明さ
れている。同じことが8本の絶縁線心2〜9を横並び一
列などしてコネクタ付け作業を行う場合についてもいえ
る。図7は上記対撚り線Aの絶縁線心3を代表的に示し
ており、この場合は絶縁線心3に1本の識別ストライプ
を設けただけであるので、矢印のような一方向のみ
から見え、それ以外の方向は見えないので識別できな
い。以上は1本の識別ストライプを設けた場合について
の説明であるが、2本の識別ストライプを設けた場合で
も大差はなく、見る方向次第ではやはり識別に不便であ
る。
【0007】一方、前述のように1本、2本の識別スト
ライプの場合は識別の不便さといった問題の他に、絶縁
線心上に例えば1本の識別ストライプを押し出し成形す
ると、絶縁体に樹脂圧が偏って働くことで導体との同心
率がずれて以下のような伝送特性などに影響を及ぼす。
【0008】図8は、同じく対撚り線Aを代表例とし
て、図7に示す絶縁線心3上に1本の識別ストライプS
を押し出し成形するストライプ成形装置の押出ヘッド
20にあって、そのヘッド本体に装着された口金21の
みを示す断面図である。この口金21は、図示しない押
出スクリューから送られてきたストライプ成形用の溶融
樹脂Sの供給口22を有し、この供給口22に連通して
樹脂通路23が行き止まり部のある円弧または湾曲した
形状で設けられている。また、口金21の中心軸上には
円筒状空所のキャビティ25が設けられ、このキャビテ
ィ25に樹脂通路23がストライプ成形樹脂押込孔24
を介して連通している。
【0009】したがって、押出しヘッド20では、仮想
線で示す導体3a上に絶縁体3bを押し出して被覆しつ
つ、口金21のキャビティ25に送り込む。これにほぼ
同期して、ストライプ成形用の溶融樹脂Sが供給口22
から樹脂通路23に供給されて矢印のように流れ、押込
孔24からキャビティ25内に押し込まれる。キャビテ
ィ25内に送られてきた導体3a上の絶縁体3bは未だ
流動的であるので、その絶縁体3bの周の一部にストラ
イプ成形用の溶融樹脂Sが押込孔24から押し込まれ、
その部分だけが識別ストライプSとして成形される。
すなわち、かかる成形後は、図7に示す1本の識別スト
ライプSを絶縁体3b上に施した絶縁線心3が得られ
る。
【0010】ところで、このような押出ヘッド20によ
る成形方法で絶縁線心3上に1本の識別ストライプS
を成形する場合、1つのストライプ成形樹脂押込孔24
から注入されたストライプ成形用の溶融樹脂Sの樹脂圧
が絶縁体3bに対して1個所のみに偏った荷重として働
く。その結果、導体3aに対して絶縁体3bの軸心がず
れてしまい、同心率にばらつきを生じて特にLANケー
ブルとして用いる場合に求められる需要な伝送特性が損
なわれ、反射減衰量が低下する不具合がある。
【0011】以上から、本発明の目的は、1つはLAN
ケーブルとして要求される絶縁線心識別用のストライプ
に工夫を加えてコネクタ付け作業の能率を向上させ、ま
た1つはストライプ成形時の溶融樹脂圧を安定させて絶
縁線心の導体同心率の安定化を図ることで、所要の伝送
特性が得られる識別ストライプ付き絶縁線心とその成形
方法および成形装置、そしてその絶縁線心を用いたツイ
ストペアケーブルを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明にかかる請求項1に記載の識別ストライプ付
き絶縁線心は、導体を絶縁体で被覆した絶縁線心の全長
にわたって外周を三等分以上した各位置に、絶縁体とは
異なる色に着色した識別ストライプを設けたことを特徴
とする。
【0013】以上から、この請求項1に記載の識別スト
ライプ付き絶縁線心は、図1および図2に示すように、
例えば導体12aを絶縁体12bで被覆した絶縁線心1
2の外周を120゜に三等分した位相位置にそれぞれ識
別ストライプSが設けられているので、どの方向から
でも目標とする絶縁線心12であることを識別でき、例
えばLANケーブルに用いるような場合でもコネクタ付
け作業を効率化する。
【0014】また、本発明にかかる請求項2に記載の識
別ストライプ付き絶縁線心の成形方法は、導体12a上
に絶縁体12bを押し出した状態で押出ヘッド20の口
金21に送り込み、送り込まれたその流動状態の絶縁体
12bの全長にわたって外周を三等分以上した各位置
に、絶縁体12bとは異なる色に着色した識別ストライ
プ成形用の溶融樹脂Sを同時かつ樹脂圧が均一にバラン
スするように押し込んで識別ストライプSを成形する
ことを特徴とする。
【0015】以上から、この本発明にかかる請求項2に
記載の成形方法は、図3および図4に示すように、押出
ヘッド20の後方から導体12aが供給されて前方へ送
り込まれ、芯金32から出た直後のその導体12a上に
絶縁体成形用の溶融樹脂35が絶縁体12bとして押出
し成形される。それにタイミングを合わせて絶縁体成形
用の溶融樹脂35と異なる色に着色されたストライプ成
形用の溶融樹脂Sが口金21に送り込まれ、樹脂圧でも
って3つの押込孔24a,24b,24cから同時かつ
均一にキャビティ25内に入り込み、流動状態の絶縁体
12bの外周の等分三個所に食い込み、絶縁体12と異
色の識別ストライプSとして全長にわたって形成され
る。かかるストライプ成形用の溶融樹脂Sは、絶縁体1
2bの外周の等分三個所に食い込む際に樹脂圧がほぼ同
時で均一にバランス良く働くので、絶縁体12bに偏っ
た樹脂圧が働かず、導体12aとの軸心がずれることな
く安定した同心率の絶縁線心12を得ることができ、例
えばLANケーブルとして用いられる場合、求められる
重要な伝送特性を損なわず、反射減衰量を低下させずに
済む。
【0016】また、請求項3に記載の識別ストライプ付
き絶縁線心の成形方法は、前記絶縁体12bと前記識別
ストライプSが同質であり、好ましくはポリエチレン
が用いられることを特徴とする。
【0017】以上から、この請求項3に記載の成形方法
では、識別ストライプSは絶縁体12bと同材質と
し、材質には電気特性が安定して加工性の良好なポリエ
チレンが好ましい。双方の材質が異なる場合、熱収縮率
の差などによって導体12aと絶縁体12bとの同心率
が安定せず、反射減衰量が低下したり、電気伝送特性が
低下する。
【0018】また、本発明にかかる請求項4に記載の識
別ストライプ付き絶縁線心の成形装置は、押出ヘッド2
0に装着された口金21が、導体12a上に絶縁体12
bを流動状態で押し出して送り込まれる断面円形のキャ
ビティ25と、キャビティ25の外側に沿って形成され
て識別ストライプ成形用の溶融樹脂Sが供給される樹脂
通路23と、樹脂通路23に連通してキャビティ25の
内周を三等分以上した各位置に開孔されて前記溶融樹脂
Sを前記流動状態の絶縁体12b上に押し込むための押
込孔(24a,24b,24c)とを設けてなっている
ことを特徴とする。
【0019】以上から、この請求項4の成形装置は、図
3および図4に示すように、口金21において、キャビ
ティ25の内周を三等分した各位置、四等分した各位置
といったように、三等分以上した位置に複数のストライ
プ成形樹脂押込孔(24a,24b,24c)を設ける
だけで、押出ヘッド20のヘッド本体31側から押し出
されてきた導体12a上の絶縁体12bに全長にわたっ
て等間隔に複数の識別ストライプSを効率的に形成す
ることができる。
【0020】また、請求項5に記載のツイストペアケー
ブルは、導体を絶縁体で被覆した絶縁線心の2本を撚り
合わせて対撚り線を形成し、この対撚り線の複数本
(A,B,C,D)をさらに撚り合わせた上に外被シー
ス10aを被覆してなっているものであって、前記対撚
り線を形成する絶縁線心の1本が前記請求項1に記載に
記載された識別ストライプ付き絶縁線心であり、その絶
縁線心の識別ストライプの色が対撚り線ごとに異なって
いることを特徴とする。
【0021】以上から、この請求項5に記載のツイスト
ペアケーブルは、図1に示すように、外被シース10a
を皮剥処理して、複数本の対撚り線A,B,C,Dの各
絶縁線心をほぐしてコネクタ付けに備えるような場合、
識別を必要とする絶縁線心12,14,16,18には
例えばそれぞれ3本ずつ識別ストライプS,S,S
,Sを設けてあるので、どの方向からでも識別しや
すい。
【0022】また、請求項6に記載のツイストペアケー
ブルは、前記外被シース10aを皮剥処理して露出させ
た前記対撚り線のそれぞれ絶縁線心の端末部がRJ型モ
ジュラジャック・プラグ式コネクタの対応するピン端子
に接続されるLANケーブルであることを特徴とする。
【0023】以上から、この請求項6に記載のツイスト
ペアケーブルでは、LANケーブルとしてRJ型モジュ
ラジャック・プラグコネクタなどをコネクタ付けする際
に、皮剥処理した絶縁線心を混乱することなく識別して
対応するピン端子に接続するコネクタ付け作業がはかど
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる識別ストラ
イプ付きの絶縁線心とその成形方法および成形装置、そ
してその絶縁線心を用いたツイストペアケーブルのそれ
ぞれ実施の形態について、図面を参照して詳細に説明す
る。なお、上記図6〜図8で示された各部、各部材に共
通する部材には対応する同一の符号を付している。
【0025】図1は、ツイストペアケーブルの実施の形
態として、識別ストライプを設けた絶縁線心からなるL
ANケーブル10を示す斜視図である。図6で示された
LANケーブル1のように、この場合のLANケーブル
10もまた対撚り線A,B,C,Dの4本を外被シース
10aで被覆したツイストペアケーブルである。対撚り
線Aは2本の絶縁線心11,12を撚り合わせてなって
おり、それら絶縁線心11,12はそれぞれ導体11
a,12a上に絶縁体11b,12bを被覆してなって
いる。以下、対撚り線Bは絶縁線心13,14を撚り合
わせ、対撚り線Cは絶縁線心15,16を撚り合わせ、
そして対撚り線Dは絶縁線心17,18を撚り合わせて
いる。
【0026】代表的に対撚り線Aを例にとって示せば、
撚り合わされる一方の絶縁線心11はその周面全体に着
色11cが施されている。撚り合わされる他方の絶縁線
心12は、図2に示すように、その周を三等分以上した
各位置に、本例の場合は位相角度120゜で三等分した
各位置に前記一方の絶縁線心11の全体着色11cと同
色の3本の識別ストライプSが全長にわたって施され
ている。
【0027】図3は、そうした対撚り線Aの絶縁線心1
2を例にとって、導体12a上に絶縁体12bを押出し
成形するとともに、その絶縁体12b上に3本の識別ス
トライプSを押出し成形する本発明でいうところの成
形装置である押出ヘッド20を示す側面断面図である。
ヘッド本体30の内部を挿通して円筒形状のマンドレル
31が嵌合して装着され、この先端部に芯金32が嵌着
固定して取り付けられている。また、芯金32は先細テ
ーパ部32aを有する全体が矢形状の筒体であり、その
先端部に臨む位置に口金21が口金ホルダ29に保持さ
れた状態でヘッド本体30の前部にボルト26で結合し
て装着されている。
【0028】また、マンドレル31と芯金32の周囲に
は、絶縁体成形用の溶融樹脂35(図中、白矢印で示
す)を供給する供給口33と樹脂通路34が形成され、
押出スクリュー36を回転駆動させて絶縁体成形用の溶
融樹脂35を供給口33から樹脂通路34に送り込むよ
うになっている。
【0029】また、図3と、この図の矢印Y−Y線から
の縦断面である図4に示すように、口金ホルダ29に保
持された口金21は天地方向でいう上部にストライプ成
形用の溶融樹脂Sが供給される供給口22を有し、この
供給口22に連通する樹脂通路23が口金軸心の周りに
両端行き止まり部23a,23bとなっている円弧また
は湾曲の形状に設けられている。樹脂通路23に囲まれ
た内側で口金21の中心軸上には円筒形のキャビティ2
5が形成されている。このキャビティ25に、上記芯金
32の先細テーパ部32aの先端口を通過した直後の図
中仮想線で示す絶縁線心12を送り込むようになってい
る。キャビティ25は、内周を三等分にした各位置に3
つのストライプ成形樹脂の押込孔24a,24b,24
cが設けられ、それら各押込孔によって周辺の樹脂通路
23と連通している。
【0030】かかる口金21に対応して、図3のよう
に、ヘッド本体30には口金21の供給口22に連通す
る樹脂通路28が設けられ、押出スクリュー27によっ
て供給されてきたストライプ成形用の溶融樹脂Sをその
樹脂通路28から、口金21の供給口22に送り込むよ
うになっている。供給口22から樹脂通路28に送り込
まれたストライプ成形用の溶融樹脂Sは、3つの押込孔
24a,24b,24cからキャビティ25内に押し込
められるようになっている。
【0031】以上の装置構成から、絶縁体12b上の全
長にわたって3本の識別ストライプSが次の成形方法
で成形される。
【0032】押出ヘッド20の後方から導体12aが供
給されて前方へ送り込まれ、マンドレル31と芯金32
内を通過して先細テーパ部32aの先端口から出た直
後、これに同期して駆動する押出スクリュー36によっ
て絶縁体成形用の溶融樹脂35が供給口33から樹脂通
路34を経由して供給され、導体12a上に絶縁体12
bとして押出し成形される。
【0033】一方、それにタイミングを合わせて押出ス
クリュー27からは、絶縁体成形用の溶融樹脂35と同
質ではあるが、異なる色に着色されたストライプ成形用
の溶融樹脂Sが樹脂通路28に供給され、口金21に供
給口22から送り込まれる。図4に示すように、供給口
22から口金21内に送られたストライプ成形用の溶融
樹脂Sは樹脂通路23を流れ、行き止まり部23a,2
3bに突き当たることで樹脂圧が生じる。そうした溶融
樹脂Sは樹脂圧でもって3つの押込孔24a,24b,
24cから同時かつ均一にキャビティ25内に入り込
む。キャビティ25内には導体12aとこの上の未だ流
動状態にある絶縁体12bが送り込まれており、流動状
態の絶縁体12bの外周の等分三個所に3つの押込孔2
4a,24b,24cから入り込んだ溶融樹脂Sが食い
込む。食い込んだ溶融樹脂Sは絶縁体12と異色の識別
ストライプSとして全長にわたって形成される。
【0034】溶融樹脂Sは、絶縁体12bの外周の等分
三個所に食い込む際に樹脂圧がほぼ同時で均一にバラン
ス良く働く。すなわち、絶縁体12bに偏った樹脂圧が
働かないから導体12aとの軸心がずれることなく、安
定した同心率の絶縁線心12を得ることができる。した
がって、従来の1本や2本の識別ストライプを形成する
場合のように、導体12aと絶縁体12bとの同心がず
れ、LANケーブルとして求められる重要な伝送特性を
損なわず、反射減衰量を低下させずに済む。
【0035】このようにして成形された絶縁線心12
は、周囲に3本の識別ストライプSが設けられている
ので、図1のように、LANケーブル10として外被シ
ース皮剥処理後にRJ-45コネクタ付けする作業時、どの
方向からでも目標とする絶縁線心12であることが容易
に識別でき、同コネクタにおける目標の配列ピン端子に
間違うことなく接続させることができる。
【0036】ここで、図5は、本実施の形態のように例
えば対撚り線Aでいう絶縁線心12のように識別ストラ
イプSを3本設けた場合(実施例)、1本だけ設けた
場合(比較例)、そしてカテゴリ5ケーブル(ANSI/TIA
/EIA568A)の規格値の場合についてそれぞれの反射減衰
量(dB)特性を比較して示すグラフである。実施例の
ストライプ数3本の場合の同心率は90〜92%で比較
例のストライプ数1本の場合の同心率85〜88%より
も高値が得られ、それによって反射減衰量も規格値を上
回っている。
【0037】また、本実施の形態では、代表的に対撚り
線Aの絶縁線心12に3本の識別ストライプSを設け
た場合が説明されたが、もちろん3本に限定されるもの
ではなく、好ましくは4本なども本発明にかかる技術思
想を満足する。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる請
求項1に記載の識別ストライプ付き絶縁線心は、導体を
絶縁体で被覆した絶縁線心の外周を例えば120゜に三
等分した位置にそれぞれ識別ストライプが設けられてい
るので、どの方向からでも目標とする絶縁線心であるこ
とを識別でき、例えばLANケーブルに用いるような場
合でもコネクタ付け作業が能率アップする。
【0039】また、本発明にかかる請求項2に記載の識
別ストライプ付き絶縁線心の成形方法は、押出ヘッドの
後方から導体が供給されて前方へ送り込まれ、芯金から
出た直後のその導体上に絶縁体成形用の溶融樹脂が絶縁
体として押出し成形される。それにタイミングを合わせ
て絶縁体成形用の溶融樹脂と異なる色に着色されたスト
ライプ成形用の溶融樹脂が口金に送り込まれ、樹脂圧で
もって例えば3つの押込孔から同時かつ均一にキャビテ
ィ内に入り込み、流動状態の絶縁体の外周の等分三個所
に食い込み、絶縁体と異色の識別ストライプとして全長
にわたって形成される。かかるストライプ成形用の溶融
樹脂は、絶縁体の外周の等分三個所に食い込む際に樹脂
圧がほぼ同時で均一にバランス良く働くので、絶縁体に
偏った樹脂圧が働かず、導体との軸心がずれることなく
安定した同心率の絶縁線心を得ることができ、例えばL
ANケーブルとして用いられる場合、求められる重要な
伝送特性を損なわず、反射減衰量を低下させずに済む。
【0040】また、請求項3に記載の識別ストライプ付
き絶縁線心の成形方法では、識別ストライプの材質が絶
縁体と異なる場合は熱収縮率の差などによって導体と絶
縁体との同心率が安定せず、反射減衰量が低下するおそ
れがあるので、材質は電気特性が安定して加工性の良好
なポリエチレンなどを絶縁体と識別ストライプ共に用い
られることが好ましい。
【0041】また、本発明にかかる請求項4に記載の識
別ストライプ付き絶縁線心の成形装置は、口金におい
て、キャビティの内周を三等分した各位置、四等分した
各位置といったように、三等分以上した位置に複数のス
トライプ成形樹脂押込孔を設けるだけで、押出ヘッドの
ヘッド本体側から押し出されてきた導体上の絶縁体に全
長にわたって等間隔に複数の識別ストライプを効率的に
形成することができる。
【0042】また、請求項5に記載のツイストペアケー
ブルは、外被シースを皮剥処理して、複数本の対撚り線
の各絶縁線心をほぐしてコネクタ付けに備えるような場
合、識別を必要とする絶縁線心には例えばそれぞれ3本
ずつ識別ストライプを設けてあるので、どの方向からで
も識別しやすい。
【0043】また、請求項6に記載のツイストペアケー
ブルは、LANケーブルとしてRJ型モジュラジャック
・プラグコネクタなどをコネクタ付けする際に、皮剥処
理した絶縁線心を混乱することなく識別して対応するピ
ン端子に接続するコネクタ付け作業がはかどる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる識別ストライプ付きの絶縁線心
を備えたツイストペアケーブルの実施の形態であるLA
Nケーブルを示す斜視図である。
【図2】3本の識別ストライプを設けた絶縁線心の例を
示す断面図である。
【図3】その絶縁線心に識別ストライプを設ける口金を
備えた押出ヘッドを示す側面断面図である。
【図4】図3の矢印Y−Y線から示す口金の縦断面図で
ある。
【図5】ストライプ数の本数による同心率と反射減衰量
との相関を示す特性グラフである。
【図6】識別ストライプ付きの絶縁線心を備えたツイス
トペアケーブルとして従来例のLANケーブルを示す斜
視図である。
【図7】1本の識別ストライプを設けた従来の絶縁線心
の例を示す断面図である。
【図8】その絶縁線心に識別ストライプを設ける従来の
口金を示す断面図である。
【符号の説明】
10 LANケーブル(ツイストペアケーブ
ル) 10a 外被シース 11〜18 絶縁線心 11c 着色 11a〜18a 導体 11b〜18b 絶縁体 20 押出ヘッド 21 口金 22 ストライプ成形樹脂の供給口 23 樹脂通路 24a〜24c ストライプ成形樹脂の押込孔 25 キャビティ 27 ストライプ成形樹脂の押出スクリュー 28,34 樹脂通路 29 口金ホルダ 30 ヘッド本体 31 マンドレル 32 芯金 33 絶縁体成形樹脂の供給口 35 絶縁体成形用の溶融樹脂 36 絶縁体成形樹脂の押出スクリュー A〜D 対撚り線 S〜S 識別ストライプ S ストライプ成形用の溶融樹脂

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体を絶縁体で被覆した絶縁線心の全長
    にわたって外周を三等分以上した各位置に、絶縁体とは
    異なる色に着色した識別ストライプを設けたことを特徴
    とする識別ストライプ付き絶縁線心。
  2. 【請求項2】 導体上に絶縁体を押し出した状態で押出
    ヘッドの口金に送り込み、送り込まれたその流動状態の
    絶縁体の全長にわたって外周を三等分以上した各位置
    に、絶縁体とは異なる色に着色した識別ストライプ成形
    用の溶融樹脂を同時かつ樹脂圧が均一にバランスするよ
    うに押し込んで識別ストライプを成形することを特徴と
    する識別ストライプ付き絶縁線心の成形方法。
  3. 【請求項3】 前記絶縁体と前記識別ストライプが同質
    であり、好ましくはポリエチレンが用いられることを特
    徴とする請求項2に記載の識別ストライプ付き絶縁線心
    の成形方法。
  4. 【請求項4】 押出ヘッドに装着された口金が、 導体上に絶縁体を流動状態で押し出して送り込まれる断
    面円形のキャビティと、 キャビティの外側に沿って形成されて識別ストライプ成
    形用の溶融樹脂が供給される樹脂通路と、 樹脂通路に連通してキャビティの内周を三等分以上した
    各位置に開孔されて前記溶融樹脂を前記流動状態の絶縁
    体上に押し込むための押込孔と、 を設けてなっていることを特徴とする識別ストライプ付
    き絶縁線心の成形装置。
  5. 【請求項5】 導体を絶縁体で被覆した絶縁線心の2本
    を撚り合わせて対撚り線を形成し、この対撚り線の複数
    本をさらに撚り合わせた上に外被シースを被覆してなっ
    ているツイストペアケーブルであって、 前記対撚り線を形成する絶縁線心の1本が前記請求項1
    に記載に記載された識別ストライプ付き絶縁線心であ
    り、その絶縁線心の識別ストライプの色が対撚り線ごと
    に異なっていることを特徴とするツイストペアケーブ
    ル。
  6. 【請求項6】 前記外被シースを皮剥処理して露出させ
    た前記対撚り線のそれぞれ絶縁線心の端末部がRJ型モ
    ジュラジャック・プラグ式コネクタの対応するピン端子
    に接続されるLANケーブルであることを特徴とする請
    求項5に記載のツイストペアケーブル。
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