JP2003222643A - 波形表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な操作で、全体波形画面を縮小すること
なく全体波形画面と部分拡大波形画面とを同一画面上で
同時に見ることができる波形表示装置を提供すること。 【解決手段】 全体波形を表示するための画像を生成す
る全体波形画像生成部と、全体波形画像上の任意の指定
点を中心とする拡大枠を指定し、この拡大枠内に指定さ
れた倍率で全体波形の指定部分を拡大表示するための画
像を生成する部分拡大波形画像生成部と、これら全体波
形画像と部分拡大波形画像を同一画面に表示するように
合成する表示画面合成部、とで構成されたことを特徴と
するもの。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は波形表示装置に関
し、詳しくは、波形の一部を拡大表示する機能の改善に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、デジタルオシロスコープなど
の波形表示装置では、波形の一部を拡大表示する機能が
実装されている。

【０００３】図４は従来の波形表示装置における波形の
一部を拡大表示する機能の表示例図である。図４におい
て、（Ａ）は全体波形を表示する全体波形画面であり、
４系統の測定チャンネルの測定波形を互いに重ならない
ように上下方向に沿って分割されたそれぞれの表示領域
に表示した例を示している。

【０００４】（Ｂ）は表示画面を上下方向に２分割し、
上の領域には（Ａ）に示した全体波形を縮小表示し、下
の領域には（Ａ）の領域において矩形のカーソル枠Ｃで
指定選択された部分を時間軸方向に沿って画面全幅に拡
大表示した例を示している。

【０００５】（Ｃ）は、（Ｂ）の下領域の部分拡大波形
画像のみを画面全体に１枚の画面として表示した例を示
している。

【０００６】（Ｄ）は、（Ａ）の全体波形画面と（Ｃ）
の部分拡大波形画面とをマルチウィンドウ状態で重ね合
わせて複数枚表示した例を示している。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
表示画面形態（Ｂ）〜（Ｄ）には、以下のような問題が
ある。

【０００８】まず、（Ｂ）の表示形態の場合は、一画面
に全体波形画像と部分拡大波形画像とを上下方向に沿っ
て分割表示しているので、いずれの画像も振幅方向が縮
小されることになり、波形の微妙な変化部分を読み取り
にくく、波形拡大部分を指定するためのカーソル枠Ｃを
適切に当てにくい。

【０００９】次に、（Ｃ）の表示形態では、部分拡大波
形画像のみであることから、全体波形画像のどの位置を
拡大表示しているかがわからない。

【００１０】そして、（Ｄ）の表示形態では、全体波形
画面と部分拡大波形画面とが重なって表示されているの
で、操作するためには画面をアクティブに切り替えなけ
ればならない。また重なり合っている場合は、全体波形
画面と部分拡大波形画面とを同時に見ることはできない
ことから、（Ｃ）の表示形態と同様に、全体波形画像の
どの位置を拡大表示しているかがわからない。

【００１１】これら従来の表示形態における問題点は、
いずれも全体波形画面と部分拡大波形画面とが離れてい
ることが原因と考えられる。

【００１２】本発明はこれらの問題点に着目したもので
あり、その目的は、簡単な操作で、全体波形画面を縮小
することなく全体波形画面と部分拡大波形画面とを同一
画面上で同時に見ることができる波形表示装置を提供す
ることにある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
る請求項１の発明は、全体波形を表示するための画像を
生成する全体波形画像生成部と、全体波形画像上の任意
の指定点を中心とする拡大枠を指定し、この拡大枠内に
指定された倍率で全体波形の指定部分を拡大表示するた
めの画像を生成する部分拡大波形画像生成部と、これら
全体波形画像と部分拡大波形画像を同一画面に表示する
ように合成する表示画面合成部、とで構成されたことを
特徴とする波形表示装置である。

【００１４】請求項２の発明は、請求項１記載の波形表
示装置において、任意の指定点が複数設けられているこ
とを特徴とする。

【００１５】請求項３の発明は、請求項１または請求項
２記載の波形表示装置において、任意の指定点が全体波
形画像上を移動するのに連動して、指定点に対応する拡
大枠内の部分拡大波形画像がスクロール表示することを
特徴とする。

【００１６】これらにより、全体波形の任意の部分を虫
めがねの感覚で部分的に拡大表示させることができ、拡
大波形全体波形と拡大波形との関係を直観的に把握でき
る。

【００１７】請求項４の発明は、請求項１に記載の波形
表示装置において、複数の測定チャンネルの全体波形が
互いに重ならないようにして上下方向に分割された領域
にそれぞれ表示されることを特徴とする。

【００１８】請求項５の発明は、請求項４に記載の波形
表示装置において、任意の指定点が各測定チャンネルの
表示領域内に設けられていることを特徴とする。

【００１９】請求項６の発明は、請求項４に記載の波形
表示装置において、任意の指定点が隣接する複数の測定
チャンネルの表示領域にまたがって設けられていること
を特徴とする。

【００２０】これらにより、複数の測定チャンネルの表
示波形についても、用途に応じて、多彩な虫めがね相当
の部分拡大表示形態が実現できる。

【００２１】

【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。図１は本発明の実施の形態例の要部
ブロック図である。図１において、入力端子１に入力さ
れる複数の測定チャンネルの測定波形は波形入力部２で
波形データに変換され、波形データメモリ３に格納され
る。オペレータは、操作パネル部４の操作を介して、一
連の測定作業を実行する。演算制御部５は、波形表示装
置全体の動作を統括制御する。

【００２２】表示制御部６は、波形データメモリ３に格
納されている波形データに基づいて本発明固有の画面を
生成し、表示部７に出力する。

【００２３】表示制御部６において、全体波形画像生成
部６１は、従来と同様な全体波形を表示するための画像
を生成する。

【００２４】部分拡大波形画像生成部６２は、全体波形
画像上の任意の指定点を中心とする拡大枠を指定し、こ
の拡大枠内に指定された倍率で全体波形の指定部分を拡
大表示するための画像を生成する部分を生成する。

【００２５】全幅拡大波形画像生成部６３は、従来と同
様な拡大波形を画面の全幅に表示するための画像を生成
する。

【００２６】表示モード制御部６４は、オペレータによ
る操作パネル部４の操作に基づき、図４に示したような
従来の表示モード画面や、本発明に基づく虫めがね表示
モード画面を生成するように制御する。

【００２７】表示画面合成部６５は、表示モード制御部
６４の制御に基づき、全体波形画像生成部６１で生成さ
れた画像、部分拡大波形画像生成部６２で生成された画
像および全幅拡大波形画像生成部６３で生成された画像
を用途に適合した表示画面として合成し、表示メモリ６
６に表示データとして格納する。

【００２８】表示メモリ６６に格納された表示データ
は、表示画像として表示部７に表示される。

【００２９】図２は本発明の動作の流れを説明するフロ
ーチャートである。まず、操作パネル部４を操作して、
全体波形画像上の注目位置をカーソルで指定する（ＳＰ
１）。次に、操作パネル部４を操作して、表示モードと
して部分拡大表示を選択する（ＳＰ２）。これにより、
全体波形画像上のカーソルで指定された任意の指定点を
中心とする拡大枠が初期値状態で表示される。

【００３０】続いて、操作パネル部４を操作してこの拡
大枠を所望の大きさに調整し、拡大領域を指定する（Ｓ
Ｐ３）。ここで、上下方向は個別に調整でき、左右方向
は中心位置を基準にして左右対称に幅を調整できる。

【００３１】そして、操作パネル部４を操作して、拡大
率を指定する（ＳＰ４）。なお拡大率は本実施例では時
間軸方向のみに機能するものとするが、振幅方向にも機
能させるようにしてもよい。これにより、拡大枠内に
は、指定された倍率で全体波形の指定部分が時間軸方向
に拡大表示されることになる（ＳＰ５）。

【００３２】この状態で操作パネル部４を操作して全体
波形画像上の注目位置を指定するカーソルを移動させる
ことにより指定点が移動し、指定点に対応する拡大枠内
の部分拡大波形画像がスクロール表示される（ＳＰ
６）。

【００３３】このような部分拡大表示状態において操作
パネル部４を操作し、部分拡大表示をオフにすると（Ｓ
Ｐ７）、拡大枠が消えて全体波形画像上の注目位置をカ
ーソルで指定しているＳＰ１の状態に戻る。

【００３４】図３は本発明の表示画面例図であり、
（Ａ）の全体波形画像上の２ヵ所Ｐ１とＰ２を（Ｂ）の
ように部分拡大表示する例を示している。

【００３５】Ｐ１では測定チャンネルＣＨ１の正弦波状
の波形に複数のパルスが重畳されている部分を拡大表示
し、Ｐ２では測定チャンネルＣＨ１の正弦波状の波形に
複数のパルスが重畳されている部分と測定チャンネルＣ
Ｈ１に隣接して表示されているパルス波形とを同時に拡
大表示している。なお、Ｐ１の拡大枠近傍の太線矢印Ａ
ＲＷ１，ＡＲＷ２は拡大枠の伸縮方向を示し、破線矢印
ＡＲＷ３は拡大枠のE移動方向を示している。また、表
示画面の上辺には、各拡大枠の時間軸方向の中心位置マ
ークＭ１，Ｍ２が表示されている。

【００３６】このように構成することにより、全体波形
画面を縮小することなくその任意の部分を虫めがねの感
覚で部分的に拡大表示させることができるので、拡大表
示させたい部分をカーソルなどの位置決め手段で的確に
位置決めでき、さらに拡大波形全体波形と拡大波形との
位置関係を直観的に把握できる。

【００３７】なお、上記実施例ではデジタルオシロスコ
ープに適用した例を示したが、波形表示機能を備えた電
力計や記録計などにも適用できるものである。

【００３８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
簡単な操作で、全体波形画面を縮小することなく全体波
形画面と部分拡大波形画面とを同一画面上で同時に見る
ことができる波形表示装置を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態例の要部ブロック図であ
る。

【図２】本発明の動作の流れを説明するフローチャート
である。

【図３】本発明の表示画面例図である。

【図４】従来の表示画面例図である。

【符号の説明】

１ 入力端子 ２ 波形入力部 ３ 波形データメモリ ４ 操作パネル部 ５ 演算制御部（ＣＰＵ） ６ 表示制御部 ６１ 全体波形画像生成部 ６２ 部分拡大波形画像生成部 ６３ 全幅拡大波形画像生成部 ６４ 表示モード制御部 ６５ 表示画面合成部 ６６ 表示メモリ ７ 表示部

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】全体波形を表示するための画像を生成する
   全体波形画像生成部と、 全体波形画像上の任意の指定点を中心とする拡大枠を指
   定し、この拡大枠内に指定された倍率で全体波形の指定
   部分を拡大表示するための画像を生成する部分拡大波形
   画像生成部と、 これら全体波形画像と部分拡大波形画像を同一画面に表
   示するように合成する表示画面合成部、とで構成された
   ことを特徴とする波形表示装置。
2. 【請求項２】任意の指定点が複数設けられていることを
   特徴とする請求項１記載の波形表示装置。
3. 【請求項３】任意の指定点が全体波形画像上を移動する
   のに連動して、指定点に対応する拡大枠内の部分拡大波
   形画像がスクロール表示することを特徴とする請求項１
   または請求項２記載の波形表示装置。
4. 【請求項４】複数の測定チャンネルの全体波形が互いに
   重ならないようにして上下方向に分割された領域にそれ
   ぞれ表示されることを特徴とする請求項１記載の波形表
   示装置。
5. 【請求項５】任意の指定点が各測定チャンネルの表示領
   域内に設けられていることを特徴とする請求項４記載の
   波形表示装置。
6. 【請求項６】任意の指定点が隣接する複数の測定チャン
   ネルの表示領域にまたがって設けられていることを特徴
   とする請求項４記載の波形表示装置。