JP2003221055A - 冷菓用カップ容器 - Google Patents
冷菓用カップ容器Info
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Abstract
改ざん防止機能を有し、開封時には容易に開けられ、使
用中には再封することが容易であり、未使用時には積み
重ねの利便がある冷菓用カップ容器を提供すること。 【解決手段】 容器本体とその開口部を閉蓋する蓋体と
から成り、冷菓を収容するカップ容器であって、容器本
体及び蓋体が耐寒性プラスチック製の成型体であり、容
器本体の上部周縁のフランジか、または、そのフランジ
に対応する位置の蓋体周縁フランジに、ヒートシール性
を有するシール剤をコーティングして、容器本体に蓋体
が密封的に装着される構成にする。耐寒性及び耐衝撃性
のあるプラスチックにHIPSを採用し、シール剤にE
VAを採用し、ヒートシール部分の包材の厚みをおよそ
150〜350μmとしてもよい。
Description
器本体と、その開口部を閉蓋する蓋体とをヒートシール
によって密封でき、開封時には容易に開けられる冷菓用
のカップ容器に関する。
の一つとして、プラスチック製のカップ容器本体にプラ
スチック製の蓋体を嵌合させた形態のものがある。この
形態の容器では、容器本体と蓋体とがシールされていな
いために、流通過程で蓋体が外れてしまう問題点や、不
正開封防止と改ざん防止機能が備わっていないことによ
り、店頭でいたずらされてもわからないという問題点が
あった。一方で、カップ容器にアルミシール等のフィル
ム状蓋体をシールした形態のものもある。この形態の容
器は、流通過程で蓋体が外れてしまうことはなく、不正
開封防止と改ざん防止機能も有している。しかし、この
包装形態では、再封できないことによる利便性での問題
点や、シール面がフラットなので容器を積み重ね難いと
いう利便性での問題がある。また、冷菓用容器とは別の
分野では、惣菜や漬物等を収容する容器として、プラス
チック成型容器本体とプラスチック成型蓋体とをシール
したものがある。しかし、収容対象がチルド商品である
ので、容器の材質に耐寒性及び耐衝撃性がない。そのた
め、冷凍輸送すれば容器が割れてしまうので、冷菓用の
容器に使用することはできない。
て、本発明は、冷菓グレードの包材を用いて、不正開封
防止と改ざん防止機能を有すると共に、開封時には容易
に開けられ、更に、使用中には再封することが容易であ
り、未使用時には積み重ねの利便がある冷菓用のカップ
容器を提供することを課題とする。
課題に鑑み鋭意研究を重ねた結果、耐寒性を有する包材
から成り、再封可能な形状の容器本体と蓋体とをヒート
シールできるようにした。すなわち、本発明の冷菓用カ
ップ容器は、容器本体とその開口部を閉蓋する蓋体とか
ら成り、冷菓を収容するカップ容器であって、容器本体
及び蓋体が耐寒性プラスチック製の成型体であり、容器
本体の上部周縁のフランジか、または、そのフランジに
対応する位置の蓋体周縁フランジに、ヒートシール性を
有するシール剤をコーティングして、容器本体に蓋体が
密封的に装着される構成にしたことを特徴とする。
スチックにはHIPS(ハイインパクトポリスチレン)
を選定し、シール剤にはEVA(エチレン酢酸ビニル共
重合体)を選定した。すなわち、蓋体を構成するHIP
Sシートの内面に、HIPSとヒートシール可能なシー
ル剤であるEVAをコーティングし、そのシートを成型
することによってヒートシール性をもった蓋体を得た。
HIPSは、スチレンと合成ゴム(ブタジエン系)の重
合体であり、合成ゴムが多い程、耐衝撃性が向上する。
HIPSの他にPS(ポリスチレン)やPVC(塩化ビ
ニル)を用いることができるが、耐寒性、耐衝撃性、成
型性が良いHIPSが好ましい。容器本体と蓋体とはヒ
ートシールされるが、一般に、ヒートシールは、包材に
厚みがある分だけ熱の伝達が悪くなるため、低温度での
シールは困難であった。特にHIPSは耐熱性が低いの
で、シール温度を高く設定することはできない。そこで
本発明者らは、HIPSに対して低温シール性のあるシ
ール剤を選定したわけである。シール剤としては、EV
Aの他に、低融点のホットメルトを用いることができる
し、およそ50〜90℃で粘着性のあるシール剤であれ
ば用いることができる。また、ヒートシール部分の包材
の厚みも、成型できる範囲でできるだけ薄い厚みを選定
し、およそ150〜350μmという値を得た。
重ねの利便を考慮して設計した。すなわち、容器本体に
は、その周縁のフランジより下部の側面に、凹凸から成
る係止部を設け、蓋体には、その周縁のフランジより内
側に、下方に向かって延伸した側面を設け、その側面
に、凹凸から成り容器本体側面の係止部に係合する被係
止部を設けて、落とし蓋式にすることで、使用中におけ
る再封性を向上させると共に、未使用時には積み重ねら
れるようにした。また、蓋体の側面には、内側に向かっ
て突出した突部を設け、その突部の形状を、蓋体の全側
面において対称ではなくすることで、未使用時に積み重
ねた際、上下の蓋体が密着して分離困難になってしまう
ことを防止した。
面に示した実施例を基に説明する。図1は、本発明によ
るカップ容器の使用状態を示す斜視図である。また、図
2及び3は、容器本体の正面図及び平面図であり、図4
ないし7は、蓋体の正面図、側面図、平面図、底面図で
ある。ここでは、略四角柱状の容器を例示するが、本発
明のカップ容器は、円柱状など任意の水平断面形状を有
する容器に適用可能である。なお、本実施例のカップ容
器は、水平断面が略四角形であるので、その一側部を底
にして立脚させて展示することが可能である。
の上部が開口している。この容器本体(10)に冷菓が
収容されて、開口部(11)が蓋体(20)で閉蓋され
る。ここで、容器本体(10)及び蓋体(20)は、後
述の耐寒性プラスチックで成型される。そして、蓋体
(20)の周縁には、容器本体(10)の上部周縁のフ
ランジ(12)に対応する位置であるフランジ(21)
に、後述のヒートシール性を有するシール剤がコーティ
ングされる。これによって、容器本体(10)に蓋体
(20)が密封的に装着されて、不正開封防止と改ざん
防止機能が付帯されると共に、易開封性が得られる。ま
た、冷菓グレードの包材である耐寒性プラスチックを用
いることによって、冷凍状態で輸送しても割れることが
防止される。また、蓋体がプラスチック成型体なので、
容器本体に再封することが可能である。なお、蓋体(2
0)にシール剤をコーティングするのとは逆に、容器本
体(10)の方のフランジ(12)にシール剤を施して
もよい。
PS・PS用シール剤コートから成る包材を使用する。
包材の最外層のOPS(延伸ポリスチレン)は、印刷効
果を高めるために、裏面にグラビア印刷を施す。この層
は印刷による装飾が目的であり、厚みは30μm程度が
一般的である。基材のHIPSに直接印刷をする場合
は、最外層のOPSは必ずしも必要ない。基材のHIP
Sは、耐寒性を有するが、冷凍下で衝撃を受けても損傷
しないように、ゴム質を適量混ぜたものを用いる。最内
面のPS用のシール剤コートには、低温シール性を有す
るシール剤であるEVAを用い、表面のデザインピッチ
に合わせてシールされる部分にパートコートする。完成
したシートは、印刷の柄に合わせてピッチ成型する。
が悪くなりヒートシール性が劣ってしまうので、成型で
きる範囲でできるだけ薄いことが好ましく、150〜3
50μm程度が好適である。シール温度は、HIPSの
耐熱性を考えると125℃以下が好ましい。EVAのシ
ール温度は約80℃であるので、時間と圧力を調整する
ことで十分なシール強度が得られる。例えば、100k
g/cm2のシール圧力で0.7秒間のシールを2回連
続して行うと、120℃程度のシール温度で1.3kg
/cm2の開封強度が得られ十分であった。
は、再封性と積み重ねの利便を考慮して以下のように形
成する。容器本体(10)には、その周縁のフランジ
(12)より下部に位置する側面(13)に、凸状の係
止部(14)を設ける。一方、蓋体(20)には、その
周縁のフランジ(21)より内側に、下方に向かって延
伸した側面(22)を設けて、落とし蓋式の形状にす
る。そして、その側面(22)に、凹状の被係止部(2
2)を設けて、容器本体(10)の側面(13)の係止
部(14)に嵌合するようにする。
を容器本体(10)に装着すると、蓋体の側面(22)
が容器本体(10)の側面(13)に接合すると共に、
各側面(22)(13)に設けられた被係止部(23)
と係止部(14)とが凹凸嵌合によって係合する。その
ため、一旦開封した後であっても、被係止部(23)と
係止部(14)との間の係合作用によって、蓋体(2
0)を容器本体(10)に再度装着することができる。
なお、蓋体(20)を容器本体(10)に装着した際に
は、蓋体(20)のフランジ(21)が容器本体(1
0)のフランジ(12)に密着して、気密性が保たれる
ように構成されている。また、本実施例では、容器本体
(10)の係止部(14)を略線形の凸状にし、蓋体
(20)の被係止部(23)を略線形の凹状にしたが、
係止部(14)と被係止部(23)とは係合可能であれ
ば十分であり、その形状は適宜任意に設計できる。
の形状なので、その未使用時には多数積み重ねて、コン
パクトに格納することができる。しかし、一般に、複数
の蓋体(20)を積み重ねると、上下の蓋体(20)
(20)が密着してしまい、使用時に分離することが困
難になってしまう傾向がある。そこで、蓋体(20)の
側面(22)の4箇所に、内側に向かって突出し、対称
性を備えていない形状の突部(24)(24’)を設け
た。本実施例では、半円形の凹部(24a)の位置が偏
在することによって、突部(24)(24’)が非対称
になっている。
ていないと、蓋体(20)を例えば水平に90°回転さ
せて積み重ねたとき、上側の蓋体(20)の突部(2
4)と下側の蓋体(20)の突部(24’)の形状とが
一致しないために、上下の蓋体(20)(20)の間に
段差が生じる。本実施例では、下側の蓋体(20)の突
部(24)の上面(25)の上に、上側の蓋体(20)
の基底面(25)が接した状態で積み重ねられる。すな
わち、積み重ねられた上下の蓋体(20)(20)の間
には、突部(24)の高さに相当する段差が生じる。従
って、上下の蓋体(20)(20)は、密着して積み重
ねられないので、使用時には容易に分離することができ
る。なお、本実施例では、各突部の形状を非対称にした
が、蓋体(20)を所定の角度回転させて積み重ねたと
き、上下の蓋体(20)の各突部の形状が一致しなけれ
ば十分であるので、少なくとも一つの突部の形状が非対
称であればよい。
成を備えることによって、次の効果を奏する。すなわ
ち、請求項1に記載の容器によると、容器本体及び蓋体
が、耐寒性プラスチック製なので冷菓を収容でき、ま
た、それらがプラスチック成型体なので再封可能であ
る。そして、その両者にフランジを設けてヒートシール
可能にしたので、不正開封防止及び改ざんの防止が図れ
ると共に、開封時には容易に開けることができる。
ると、プラスチック成型体が耐衝撃性を有し、特に蓋体
がHIPSからなるので、耐寒性及び耐衝撃性が高く、
冷凍輸送しても割れることがない。
がEVAであるので、低温でヒートシールすることがで
きる。
ール部分の厚みがおよそ150〜350μmであるの
で、成型できる範囲でできるだけ薄くて、ヒートシール
の際の熱伝達が芳しい。
とし蓋式の形状であると共に、蓋体と容器本体とが係合
可能なので、使用中における再封性が向上すると共に、
未使用時には蓋体を積み重ねて格納することができる。
面に設けられた突部の形状が、蓋体の全側面において対
称ではないので、蓋体を未使用時に積み重ねた際、上下
の蓋体の間に段差が生じて、その使用時には容易に分離
することができる。
Claims (7)
- 【請求項1】容器本体とその開口部を閉蓋する蓋体とか
ら成り、冷菓を収容するカップ容器であって、 容器本体及び蓋体が耐寒性プラスチック製の成型体であ
り、 容器本体の上部周縁のフランジか、または、そのフラン
ジに対応する位置の蓋体周縁フランジに、ヒートシール
性を有するシール剤をコーティングして、容器本体に蓋
体が密封的に装着される構成にしたことを特徴とする冷
菓用カップ容器。 - 【請求項2】耐寒性プラスチック製の成型体が耐衝撃性
を有するものである請求項1に記載の冷菓用カップ容
器。 - 【請求項3】少なくとも蓋体がHIPSからなる請求項
1または2に記載の冷菓用カップ容器。 - 【請求項4】シール剤がEVAである請求項3に記載の
冷菓用カップ容器。 - 【請求項5】少なくとも容器本体または蓋体のヒートシ
ールするフランジの厚みが、およそ150〜350μm
である請求項1ないし4に記載の冷菓用カップ容器。 - 【請求項6】容器本体が、その周縁のフランジより下部
の側面に、凹凸から成る係止部を備え、 蓋体が、その周縁のフランジより内側に、下方に向かっ
て延伸した側面を備え、その側面に、凹凸から成り容器
本体側面の係止部に係合する被係止部を有する請求項1
ないし5に記載の冷菓用カップ容器。 - 【請求項7】蓋体の側面が、内側に向かって突出した突
部を備え、その突部の形状が、蓋体の全側面において対
称ではない請求項6に記載の冷菓用カップ容器。
Priority Applications (1)
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JP (1) | JP2003221055A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020045171A (ja) * | 2018-09-12 | 2020-03-26 | 旭化成ホームプロダクツ株式会社 | 容器用蓋 |
JP2020100433A (ja) * | 2018-12-25 | 2020-07-02 | 昭和電工パッケージング株式会社 | 容器用蓋材および包装体 |
JP2021075339A (ja) * | 2019-11-08 | 2021-05-20 | 南部化成股▲ふん▼有限公司 | 開封防止通気容器 |
-
2002
- 2002-01-24 JP JP2002015945A patent/JP2003221055A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020045171A (ja) * | 2018-09-12 | 2020-03-26 | 旭化成ホームプロダクツ株式会社 | 容器用蓋 |
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JP2020100433A (ja) * | 2018-12-25 | 2020-07-02 | 昭和電工パッケージング株式会社 | 容器用蓋材および包装体 |
JP7421860B2 (ja) | 2018-12-25 | 2024-01-25 | 株式会社レゾナック・パッケージング | 容器用蓋材および包装体 |
JP2021075339A (ja) * | 2019-11-08 | 2021-05-20 | 南部化成股▲ふん▼有限公司 | 開封防止通気容器 |
JP6990868B2 (ja) | 2019-11-08 | 2022-01-12 | 南部化成股▲ふん▼有限公司 | 開封防止通気容器 |
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