JP2003218836A - 符号分割多元接続におけるダウンリンク用受信装置 - Google Patents

符号分割多元接続におけるダウンリンク用受信装置

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JP2003218836A
JP2003218836A JP2002350321A JP2002350321A JP2003218836A JP 2003218836 A JP2003218836 A JP 2003218836A JP 2002350321 A JP2002350321 A JP 2002350321A JP 2002350321 A JP2002350321 A JP 2002350321A JP 2003218836 A JP2003218836 A JP 2003218836A
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シャオビング サン
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勘三 岡田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】CDMAセルラ通信システムにおいて、多元接
続干渉(MAI)を最小化する手法を提供する。 【解決手段】端末装置27は、複数の基地局又は送信機
(20〜20)からの信号(s〜s)を受信す
る。各基地局からの信号(s)は、各基地局に固有の疑
似ランダム符号によって符号化されている。多くの場
合、受信機に強い影響を与える基地局の数は、少なく、
通常2〜3個である。基地局が受信機から十分遠けれ
ば、その信号は十分弱く、MAIに大きな影響を与える
ことはない。端末装置27は、複数の(M本の)アンテ
ナ素子と、それぞれ基地局(20〜20)に対応す
る複数の(N個の)チャンネル推定器が組み込まれた信
号処理回路と、行列算出器とを備える。更に、端末装置
27は、希望信号を得るためのデスクランブラ又は逆拡
散器を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルラ通信システ
ムに関し、詳しくはマルチパス伝搬環境における符号分
割多元接続信号の受信方法に関する。更に、本発明は、
これに限定されるものではないが、例えば第3世代セル
ラ通信システム等の符号分割多元接続システムにおける
携帯電話機又はラップトップコンピュータ等の移動受信
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】符号分割多元接続(code division mult
iple access:以下、CDMAという。)信号は、時間
的に及び周波数的に重なり合い、例えばウォルシュアダ
マール(Walsh-Hadamard)符号等の固有の拡散符号によ
って互いに識別される。原理的には、希望信号を含む受
信した合成信号(composite signal)に、その希望信号
に固有の拡散符号を乗算することにより、希望信号が再
生される。この処理により、希望信号が得られ、他の成
分は容易に排除される。この処理では、セル内で使用さ
れている各符号が、そのセル内で基地局が他のユーザの
ために使用している他の符号に直交することを仮定して
いる。この直交性が維持される完全な環境では、セル内
で使用されている他の信号からの干渉を一切受けること
なく、希望信号を再生することができる。セル内で使用
されている信号には、その信号を他のセルからの信号か
ら区別するための更なる符号もスーパーインポーズされ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、マルチパス伝
搬が存在する実際の環境では、受信信号の直交性は、著
しく損なわれてしまう。この結果、希望信号には、セル
内の他の信号から及び他のセルの信号からの干渉成分が
含まれてしまう。このような現象は、多元接続干渉(mu
ltiple access interference:以下、MAIという。)
と呼ばれ、MAIには、セル内MAI(セル内で使用さ
れている信号からの干渉)とセル間MAI(他のセルで
使用されている信号からの干渉)とがある。
【0004】Rake受信機は、希望信号の信号対雑音
比を高めるために使用されるが、MAIを低減するため
に特別に設計されたものではない。Rake受信機は、
複数の入力端子を備え、入力合成信号(希望信号を含
む)の複数のサンプルに希望信号の拡散符号を乗算し、
希望信号をより良好に再生する。Rake受信機の各入
力端子は、それぞれ独立したアンテナ素子に接続されて
おり、各アンテナ素子で受信された希望信号のコピー
は、他のアンテナ素子で受信された希望信号と相関が有
り、一方、異なるアンテナ素子で受信される雑音は相関
が無く、これによって、空間ダイバーシチが得られる。
これに代えて、又はこれに加えて、Rake受信機の入
力信号は、希望信号のコピーが異なる時刻に受信機に到
着するマルチパス環境における通信システムの動作を補
償するために、時間的に遅延される。Rake受信機の
出力信号は、可干渉的に(coherently)結合され、これ
により、希望信号がより正確に再生される。Rake受
信機の具体例は、例えば、米国特許第5305349号
及び第6026115号に開示されている。希望信号の
信号対雑音比を高めることにより、ビット誤り率はある
程度改善されるが、これらの種類のCDMA受信機にお
いても、MAIは、重大な信号劣化要因となっている。
【0005】これまで、様々なセル内MAI抑圧法が提
案されているが、これらの手法は、MAIの一部を抑圧
するものに過ぎず、特に、これらの手法は、セル間MA
Iを対象としていない。適応等化に大きく依存するMA
I抑圧法の具体例は、IEEEビーキュラテクノロジコ
ンファレンス1999(IEEE Vehicular TechnologyCon
ference, 1999)、マーク・ジェイ・ヘイキラ(Markku
J. Heikkila)著「適応チャンネル等化によるCDMA
ダウンリンクにおける干渉抑圧(InterferenceSuppress
ion in CDMA Downlink through adaptive channel equa
lization)」、IEEEビーキュラテクノロジコンファ
レンス1999(IEEE Vehicular Technology Conferen
ce, 1999)、ステファン・ワーナ(Stefan Werner)、
ジョルマ・リルベルグ(Jorma Lilleberg)著「ロング
コードによるCDMAシステムにおけるダウンリンクチ
ャンネル逆相関(Downlink channel decorrelation inC
DMA systems with long codes)」、IEEEビーキュ
ラテクノロジコンファレンス1998(IEEE Vehicular
Technology Conference, 1998)、イルファン・ガウリ
(Irfan Ghauri)、ドリク・ディー・エム・スロック
(Dirk T.M. slock)著「拡散シーケンスの直交性を利
用したDS−CDMAダウンリンク用線形受信機(Line
ar Receivers for the DS-CDMA Downlink Exploiting O
rthogonalityof Spreading Sequences)」、グロベコ
ム’99(Globecom'99)、フーリ・ケイ(Hooli,
K)、ラトバ−アホ・エム(Latva-aho, M)及びジュン
チ・エム(Juntti, M)著「WCDMAダウンリンク受
信機における線形クリップ等化器による多元接続干渉抑
圧(Multiple access interference Suppression with
linearclip equalizer in WCDMA downlink receiver
s)」、ビーキュラーテクノロジグロベコム’99(Veh
icular Technology Globecom'99)、フーリ・ケイ(Hoo
li, K)、ラトバ−アホ・エム(Latva-aho, M)及びジ
ュンチ・エム(Juntti, M)著「低拡散係数によるWC
DMAシステムにおけるパス間干渉抑圧(Inter-path I
nterference Suppression in WCDMA Systems with Low
Spreading Factors)」に開示されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、符号分割多元
接続信号用の改善された又は少なくとも代替的な受信装
置及び受信方法を提供する。包括的に言えば、本発明
は、それぞれ単一の送信機から送信された信号を含む、
所定数の空間的及び時間的に整合された合成信号サンプ
ルを再生することを提案する。これにより、マルチパス
伝搬環境において複数の基地局のうちの1つの送信機か
ら送信されてきた信号におけるセル内MAI及び他の基
地局の送信機からの信号に起因するセル間MAIの両方
を低減することができる。合成信号サンプルは、複数の
基地局からの合成信号を含む複数の信号サンプルを受信
し、各基地局から受信した合成信号成分を分離する数学
的処理を適用することにより再生される。各合成信号成
分は、空間的及び時間的に整合し、このため、基地局か
らの希望信号の合成信号成分に希望信号の符号を乗算す
ることにより、希望信号を簡単に求めることができる。
【0007】この手法は、セル間MAI及びセル内MA
Iの両方を低減又は排除できることを含む様々な利点を
有する。セル間MAIは、各基地局からの合成信号を分
離することにより取り除かれる。また、分離された合成
信号は、単一の基地局からの複数の時間的に整合された
又は直交する信号であり、この合成信号を逆拡散するこ
とにより、希望信号のみが取り出せるため、セル内MA
Iも取り除かれる。
【0008】本発明に基づく受信方法により、ソフトハ
ンドオーバ(soft hand over)を行わなくても、セル間
MAI及びセル内MAIを抑圧することができる。
【0009】本発明の第1の側面である受信方法は、複
数の基地局から送信されてくる、符号分割多元接続の希
望信号と符号分割多元接続の他の信号とが組み合わされ
た信号から該符号分割多元接続の希望信号を受信する受
信方法において、受信アンテナ配列(receiving antenn
a arrangement)からの受信信号サンプルの数を判定
し、受信信号ベクトルを定義するステップと、基地局と
受信アンテナ配列との間のマルチパスフェージングを推
定し、チャンネル行列を定義するステップと、受信信号
ベクトルに対し、チャンネル行列に基づく行列演算子を
乗算し、各基地局からの合成信号を再生するステップ
と、合成信号の1つから希望信号を検出するステップと
を有する。
【0010】受信信号サンプルは、時間ダイバーシチサ
ンプル及び/又は空間ダイバーシチサンプルである。空
間ダイバーシチサンプルは、Nを送信機の数とし、M>
Nとして、受信アンテナ配列のM本の異なるアンテナに
より受信される。サンプリングレートは1チップであ
る。
【0011】一具体例においては、M=N+1である。
なお、アンテナ素子の本数Mが多くなるほど、再生性能
も高くなる。
【0012】複数の空間的に離間したアンテナ素子に代
えて、又はこれに加えて、サンプリングレートを高め
て、単一の又はより少ない本数のアンテナ素子を使用し
てもよい。M本のアンテナ素子を1本のアンテナ素子に
置換するためには、時間ダイバーシチサンプルは、t=
(チップ期間)/M毎にサンプリングされる。
【0013】この具体例では、必要なアンテナ素子の本
数を減らすことができ、したがって移動端末装置におけ
る受信アンテナ配列のサイズを小型化することができ
る。この利点は、技術及び市場価値の観点から小型化が
重要となるハンドヘルド型の端末装置において特に重要
である。
【0014】チャンネル行列の推定は、推定器を用い
て、周知の手法により実行される。ここでは、既知のパ
イロットトーンを用いて、送信アンテナと受信アンテナ
との間の振幅及び移相伝達関数が推定される。
【0015】希望信号の検出は、この信号に対し、例え
ばウォルシュアダマール符号等の固有の符号を乗算する
ことにより実行される。この処理は、当分野で周知であ
り、特に逆拡散として知られている。
【0016】行列演算子は、好ましくは、チャンネル行
列の共役転置行列に、チャンネル行列とチャンネル行列
の共役転置行列との積の逆行列を乗算したものとする。
【0017】端末装置において必要とされる演算パワー
を小さくするために、行列演算子は、好ましくは繰り返
し算出される。
【0018】本発明の第2の側面である受信装置は、複
数の基地局から送信されてくる、符号分割多元接続の希
望信号と符号分割多元接続の他の信号とが組み合わされ
た信号から符号分割多元接続の希望信号を受信する受信
装置において、受信アンテナ配列からの受信信号サンプ
ルの数を判定し、受信信号ベクトルを定義する受信信号
サンプル数判定手段と、基地局と受信アンテナ配列との
間のマルチパスフェージングを推定し、チャンネル行列
を定義するマルチパスフェージング推定手段と、受信信
号ベクトルに対し、チャンネル行列に基づく行列演算子
を乗算し、各基地局からの合成信号を再生する合成信号
再生手段と、合成信号の1つから希望信号を検出するス
テップとを有する検出手段とを備える。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、マルチパス伝搬環境にお
ける基地局1及び移動端末装置7を示している。マルチ
パス効果は、特に、移動端末装置7が建物や乗り物等の
信号拡散オブジェクトによって取り囲まれている都市の
中心部やそれに類似する環境において生じやすい。これ
らの信号拡散オブジェクトを図1では「X」により示し
ている。これらのパスの特性は、移動端末装置7及びこ
の移動端末装置7の周囲のオブジェクトが動き回ること
により、時刻毎に変化する。この所謂「フェージング」
の影響は、基地局1及び移動端末装置7の一方又は両方
に2本以上のアンテナを設けることにより改善される。
これにより、少なくとも空間ダイバーシチが実現され、
更に、これらのアンテナは、例えば時空間符号化等のよ
り高度な無線通信技術に利用することもできる。
【0020】基地局1の送信アンテナTと移動端末装
置7の受信アンテナRとの間には、2つの信号伝搬パ
スP11a,P11bが示されている。実際には、一対
の送信アンテナと受信アンテナの間には、これより多く
のパスが存在することが多い。図1に示すように、信号
伝搬パスP11aは、信号伝搬パスP11bより短く、
したがって、送信アンテナTから送信された希望信号
の2つのコピーが時間的にずれて受信アンテナRで受
信される。信号伝搬パスP12aは、基地局1の送信ア
ンテナTと移動端末装置7の第2の受信アンテナR
との間のパスを示している。移動端末装置7の第2のア
ンテナRは、希望信号の受信信号パワーを更に高める
ための受信機空間ダイバーシチを実現している。ここ
で、上述のような時間的にずれた希望信号のコピーを可
干渉的に結合するためには、何らかのメカニズムが必要
である。
【0021】図2は、移動端末装置7においてRake
受信機8を用いた従来の無線通信システムを示してい
る。上述のように、CDMAシステムにおいて、セル内
の各データチャンネル又は音声チャンネルは、より高い
周波数の符号で拡散されており、セル内で使用されてい
る各符号は、互いに直交している。移動端末装置7が備
えるRake受信機8は、複数のRakeフィンガ(Ra
ke finger)を有し、各Rakeフィンガは、アンテナ
及びアンテナRが受信した入力合成信号に対し、
移動端末装置7に対応する希望チャンネル固有の符号を
乗算する乗算器9を備えている。更に、各Rakeフィ
ンガは、乗算器9における符号の乗算の前に、それぞれ
異なる遅延量を与える遅延素子10を備えている。各遅
延は、伝搬環境のマルチパス特性に起因する、希望信号
の各コピー間の時間的なずれに対応するように設定され
る。Rakeフィンガの各出力信号は、結合器11にお
いて、希望信号の各コピーの遅延を考慮して可干渉的に
結合され、希望信号が生成される。
【0022】最終的な信号を生成するために、希望信号
の複数のコピー又はサンプルを用いているので、最終的
な信号の信号対雑音比は、この手法を用いない場合に比
べて向上する。しかしながら、マルチパス伝搬環境にお
いては、基地局1からの希望信号のコピーと他の信号の
コピー間ではチップ同期(chip alignment)が維持され
ないことがある。これにより、他のチャンネルの成分が
希望信号のサンプルに重なり、チャンネル間の直交性が
完全でなくなる。この結果、図2においてIcとして示
すセル内多元接続干渉(intra-cell multiple access i
nterference:以下、MAIという。)が生じる。更
に、マルチパス伝搬環境では、時間的にずれた他の基地
局1からの信号の複数のコピーが希望信号に重なり、こ
れらの信号間の直交性が損なわれるという現象も生じ
る。この結果、図2においてIbとして示すセル間(in
ter-cell)MAIが生じる。セル間MAIは、セル内M
AIとは異なるマルチパス伝搬によって引き起こされる
ものであり、Rake受信機8によって希望信号の信号
対雑音比は改善されるが、MAIの問題は解消されな
い。
【0023】図3は、セル内MAIを最小化する適応等
化(adaptive equalization)を用いる従来の無線通信
システムの構成を示している。この無線通信システム
は、基地局1’から送信されてくるパイロットトーン3
を用いる。パイロットトーン3は、システム内の移動端
末装置7にとって既知である。移動端末装置7は、チャ
ンネル推定器6を備え、チャンネル推定器6は、受信し
たパイロットトーン3を用いて、一対の送信アンテナと
受信アンテナ間の合成チャンネル特性(composite chan
nel characteristic)を決定する。合成チャンネル特性
は、例えばアンテナTとアンテナRとの間の伝搬パ
スP11a,P11bによって定義される。次に、チャ
ンネル行列Hが推定される。チャンネル行列Hの要素H
trは、送信アンテナ(アンテナT)と受信アンテナ
(アンテナR,R)との間で伝送される信号の伝達
関数を定義する。チャンネル推定器6によってこのチャ
ンネル行列Hが推定されると、その逆行列H−1が決定
される。この機能(H−1)は、等化器12を用いて、
受信アンテナR,Rで受信された入力信号のサンプ
ルr,rに逆チャンネル行列H−1を乗算すること
により実行される。この処理により、基地局1’のアン
テナTから送信された元の信号(s)が結合され、時
間的に整合(time aligned)されたサンプル(r)が
算出される。これにより、チャンネル信号は直交し、図
3に示すように合成信号サンプル(r)に希望チャン
ネル固有の符号を乗算することにより、希望チャンネル
(4)を容易に抽出することができる。この処理によ
り、セル内MAI(Ic)を実質的に低減することがで
きる。しかしながら、ここでは、セル間MAI(Ib)
は取り除かれない。セル間MAIは、全体のMAIの1
/3に達することもあり、これが重大な干渉源となって
システムの性能を劣化させることがある。
【0024】セルラCDMAシステムのダウンリンクを
図4に示す。この具体例では、端末装置27は、3つの
基地局20からの信号(s)を強く受信している。端末
装置27は、更に遠く離れた基地局(図示せず)からの
信号も受信していることがある。セル間信号(s〜s
)は、MAIの原因となり、このMAIは既知のシス
テムでは抑圧されない。
【0025】図5aは、本発明に基づくセルラCDMA
システムを示している。また、図5bは、本発明に基づ
く受信機の具体的構成を示している。端末装置27は、
複数の基地局又は送信機(20〜20)からの信号
(s〜s)を受信する。各基地局からの信号(s)
は、各基地局に固有の疑似ランダム符号によって符号化
されている。多くの場合、受信機に強い影響を与える基
地局の数は、少なく、通常2〜3個である。基地局が受
信機から十分遠ければ、その信号は十分弱く、MAIに
大きな影響を与えることはない。
【0026】端末装置27は、複数の(M本の)アンテ
ナ素子と、それぞれ基地局(20〜20)に対応す
る複数の(N個の)チャンネル推定器が組み込まれた信
号処理回路26と、行列算出器25とを備える。更に、
端末装置27は、希望信号を得るためのデスクランブラ
又は逆拡散器を備える。
【0027】アンテナ素子(R〜R)は、空間的に
離間して配設されており、これにより入力合成信号(s
+s+・・・+s)の空間ダイバーシチサンプル
(r 〜r)が得られる。サンプリングレートは1チ
ップ又は拡散符号内の各サンプル分に相当する。アンテ
ナ素子は、搬送波の波長の1/2以上離間して配設する
必要がある。アンテナ素子の本数は、MAIに強い影響
を有する送信機20の数をNとして、N+1以上設けら
れる。一般的なセルラシステムの場合、アンテナ素子の
本数は、例えば4である。
【0028】これに代えて、単一のアンテナ(R)を用
い、異なるサンプルを異なる時刻に受信するようにして
もよい。ここでは、空間的に離間して配設された複数の
アンテナ素子が受信するサンプルに代えて、時間ダイバ
ーシチサンプルが使用される。ここで、サンプリングレ
ートは、時間ダイバーシチを用いない場合に必要とされ
るアンテナ素子の本数をMとして、(1チップ)/Mで
ある。また、空間ダイバーシチサンプルと時間ダイバー
シチサンプルとを組み合わせて使用してもよい。
【0029】複数のチャンネル推定器を備える信号処理
回路26は、チャンネル行列H’を生成する。チャンネ
ル行列H’の各要素H’nmは、それぞれ基地局の送信
アンテナ(T〜T)の1つと、受信アンテナ(R
〜R)の1つとの間の合成チャンネル特性を表してい
る。チャンネル推定の手法は周知であり、ここでは、適
切ないかなる手法を用いてもよい。
【0030】所望のユーザの受信機のm番目のアンテナ
素子(R)によって受信される信号は、下記式(1)
のように表される。
【0031】
【数2】
【0032】ここで、Sは、各基地局(20)から
の合成信号を表す。所望のユーザの受信機のM本のアン
テナによって受信される信号全体は、下記式(2)のよ
うに表される。
【0033】
【数3】
【0034】所望のユーザに送信された信号は、基地局
からの合成信号S,S,・・・,Sのうちの1つ
の信号に含まれる。一般性を損なうことなく、希望信号
が合成信号Sに含まれるとする。すなわち、合成信号
〜Sは、所望のユーザにとってセル間MAIであ
り、合成信号S内の希望信号以外の部分は、所望のユ
ーザにとってセル内MAIである。
【0035】この具体例におけるMAI抑圧法の手順
は、以下の通りである。 1.全てのアンテナで受信された信号を、式(2)で示
すrとして整理する。 2.それぞれ異なる基地局(セル)からのパイロット信
号を用いて、H11〜H MNを推定する。 3.式(2)に示す所望のユーザに対して整理された信
号に対して、式(3)に示す行列Hを生成する。
【0036】
【数4】
【0037】ここで、( )は、共役転置行列を表
し、( )−1は逆行列を表す。 4.式(4)に示すように、Hに対し、式(2)に示
す受信信号rを右から乗算し、拡散合成信号S
,・・・,Sを再生する。
【0038】
【数5】
【0039】ここで,合成信号S,・・・,Sを無
視し、合成信号Sのみを抽出する。これにより、セル
間MAIは、完全にキャンセルされる。 5.合成信号Sを直接デスクランブル及び逆拡散す
る。合成信号S内の全ての全ての信号は互いに直交す
るため、セル内MAIは、デスクランブル及び逆拡散の
処理によってキャンセルされる。
【0040】端末装置のアンテナ(R〜R)で受信
されたサンプル信号(r〜r)には、チャンネル行
列演算子Hが左からから乗算され、これにより、各基
地局又は送信機20からの個々の、時間的及び空間的に
整合された合成信号(s〜s)が再生される。各基
地局と端末装置の受信アンテナ(R)との間の合成チャ
ンネル特性又はフェージングHmnを補正することによ
り、基地局からの信号は、時間的に整合し、各基地局か
らの信号の符号の直交性が維持される。
【0041】所望の基地局(20)からの全ての信号
(s)は直交するため、この合成信号(s)に単に
所定の符号を乗算するのみで、希望信号が算出される。
このようにして、希望信号からセル間MAI及びセル内
MAIの両方が取り除かれる。
【0042】信号処理回路26におけるチャンネル推定
処理及び行列算出器25における行列の算出は、特定用
途向け集積回路(application specific integrated ci
rcuit:ASIC)等のハードウェアにより実行しても
よく、端末装置内に設けられたプロセッサによりソフト
ウェアとして実行してもよい。
【0043】行列の演算は、簡単にするために、例えば
反復アルゴリズムを用いて実現するとよい。疑似逆チャ
ンネル行列(pseudo-inverse channel matrix)H
ための好ましい反復演算は、以下の通りである。
【0044】H=[Hn−1]をM×n行列とす
る。ここで、M≧nであり、Hn− はHの第1のn
−1行を含む行列であり、hはHのn番目の行であ
り、ランク(H)はnである。
【0045】
【数6】
【0046】これらに代えて、受信信号サンプルの行列
(r〜r)に作用して、各基地局又は送信機(T)
からの合成信号(s〜s)を算出する他の行列演算
子を用いてもよい。すなわち、希望信号を含む合成信号
の時間的及び空間的に整合(aligned)されたサンプル
は、個別に導出された後、単純に希望信号の符号が乗算
され、通常の手法で希望信号が得られる。行列演算子は
「高い(tall)」必要があり、すなわち、1つの拡散デ
ータ用の非相関サンプルの数をMとし、送信機の数をN
として、行数Mは列数Nより大きな数である必要があ
る。
【0047】図6は、図5に示す受信機における信号対
雑音比(Eb/N0)に対するビット誤り率(Bit-erro
r-rate:BER)と、Rake受信機(図2)を用いた
従来の受信機におけるそれとを比較して示すグラフであ
る。図6から分かるように、Rake受信機のBER
は、信号対雑音比が高くなっても余り小さくならない
が、図5に示す受信機では、信号対雑音比が高くなる
と、BERは良くなる。これは、図5に示す受信機で
は、MAIが排除されるためである。
【0048】図5に示すシステムは、上述のように、単
に受信機空間ダイバーシチモードで使用してもよく、又
は各基地局において複数の送信アンテナTが同じ信号を
送信する送信機ダイバーシチに使用してもよい。更なる
変形例として、基地局の各アンテナTから異なる複素シ
ンボルが送信される時空間符号化技術を用いてもよい。
但し、この手法では受信機側で更なるアンテナが必要と
なり、例えば、送信アンテナの本数を2倍にすると、受
信アンテナの本数も2倍にする必要がある。
【0049】以上、本発明を好ましいな実施の形態を用
いて説明した。当業者にとって明かな変形及び修正は、
本発明の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【図1】マルチパス伝搬環境において動作する移動通信
システムを示す図である。
【図2】Rake受信機を組み込んだ従来の受信機の構
成を示す図である。
【図3】適応等化を用いる従来の受信機の構成を示す図
である。
【図4】複数の基地局を備えるセルラWCDMAシステ
ムを示す図である。
【図5a】本発明に基づくセルラWCDMAシステムを
示す図である。
【図5b】本発明に基づく受信機の構成を示す図であ
る。
【図6】図5bに示す受信機のBER対Eb/N0を図
2に示す受信機のそれと比較して示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マ、ユガング シンガポール国 117684 シンガポール サイエンス パーク セカンド ジ アル ファ ナンバー03−08 サイエンス パー ク ロード 10 ソニー エレクトロニク ス (シンガポール) プライベート リ ミテッド シンガポール リサーチ ラボ ラトリ内 (72)発明者 サン シャオビング シンガポール国 117684 シンガポール サイエンス パーク セカンド ジ アル ファ ナンバー03−08 サイエンス パー ク ロード 10 ソニー エレクトロニク ス (シンガポール) プライベート リ ミテッド シンガポール リサーチ ラボ ラトリ内 (72)発明者 岡田 勘三 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 トン、 コック レン シンガポール国 117684 シンガポール サイエンス パーク セカンド ジ アル ファ ナンバー03−08 サイエンス パー ク ロード 10 ソニー エレクトロニク ス (シンガポール) プライベート リ ミテッド シンガポール リサーチ ラボ ラトリ内 Fターム(参考) 5K022 EE01 EE31 5K059 AA08 BB08 CC00 DD31

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の基地局から送信されてくる、符号
    分割多元接続の希望信号と符号分割多元接続の他の信号
    とが組み合わされた信号から該符号分割多元接続の希望
    信号を受信する受信方法において、 受信アンテナ配列からの受信信号サンプルの数を判定
    し、受信信号ベクトルを定義するステップと、 上記基地局と上記受信アンテナ配列との間のマルチパス
    フェージングを推定し、チャンネル行列を定義するステ
    ップと、 上記受信信号ベクトルに対し、上記チャンネル行列に基
    づく行列演算子を乗算し、上記各基地局からの合成信号
    を再生するステップと、 上記合成信号の1つから希望信号を検出するステップと
    を有する受信方法。
  2. 【請求項2】 上記受信信号サンプルは、時間ダイバー
    シチサンプル及び/又は空間ダイバーシチサンプルであ
    ることを特徴とする請求項1記載の受信方法。
  3. 【請求項3】 上記空間ダイバーシチサンプルは、Nを
    送信機の数とし、M>Nとして、上記受信アンテナ配列
    のM本の異なるアンテナにより受信されることを特徴と
    する請求項2記載の受信方法。
  4. 【請求項4】 上記時間ダイバーシチサンプルは、Nを
    送信機の数とし、M>Nとして、t=(チップ期間)/
    M毎にサンプリングされることを特徴とする請求項2又
    は3記載の受信方法。
  5. 【請求項5】 上記行列演算子は、上記チャンネル行列
    の共役転置行列に、チャンネル行列とチャンネル行列の
    共役転置行列との積の逆行列を乗算したものであること
    を特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の受信方
    法。
  6. 【請求項6】 上記行列演算子は、以下の式に基づいて
    繰り返し算出されることを特徴とする請求項1乃至5い
    ずれか1項記載の受信方法。 【数1】
  7. 【請求項7】 複数の基地局から送信されてくる、符号
    分割多元接続の希望信号と符号分割多元接続の他の信号
    とが組み合わされた信号から該符号分割多元接続の希望
    信号を受信する受信装置において、 受信アンテナ配列からの受信信号サンプルの数を判定
    し、受信信号ベクトルを定義する受信信号サンプル数判
    定手段と、 上記基地局と上記受信アンテナ配列との間のマルチパス
    フェージングを推定し、チャンネル行列を定義するマル
    チパスフェージング推定手段と、 上記受信信号ベクトルに対し、上記チャンネル行列に基
    づく行列演算子を乗算し、上記各基地局からの合成信号
    を再生する合成信号再生手段と、 上記合成信号の1つから希望信号を検出するステップと
    を有する検出手段とを備える受信装置。
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