JP2003218669A - 弾性表面波フィルタを用いたフィルタ回路及びデュプレクサ - Google Patents

弾性表面波フィルタを用いたフィルタ回路及びデュプレクサ

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JP2003218669A
JP2003218669A JP2002011120A JP2002011120A JP2003218669A JP 2003218669 A JP2003218669 A JP 2003218669A JP 2002011120 A JP2002011120 A JP 2002011120A JP 2002011120 A JP2002011120 A JP 2002011120A JP 2003218669 A JP2003218669 A JP 2003218669A
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Toshitaka Suma
利隆 須磨
Hiroyuki Taguchi
博幸 田口
Masahisa Nakaguchi
昌久 中口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度変化に対して安定なフィルタ回路及びデ
ュプレクサを提供すると共に、送信器からの高出力信号
が弾性表面波フィルタに入力されるのを防止するデュプ
レクサを提供する。 【解決手段】 帯域通過型の弾性表面波フィルタ2と、
該フィルタ2の入力側又は出力側に接続されると共に、
誘電体共振器4を具えているトラップ手段3とを含むフィ
ルタ回路1において、誘電体共振器4の共振周波数は、弾
性表面波フィルタ2の抑圧帯域に位置し、トラップ手段3
の減衰量の温度変化は、該共振周波数側の弾性表面波フ
ィルタ2の遷移帯域において、弾性表面波フィルタ2の減
衰量の温度変化と相殺するように構成した。また、送信
帯域に減衰極が形成されているフィルタ回路1をデュプ
レクサ6に使用した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、数百MHzから数
GHz帯の信号を使用する移動体通信装置等に用いられ
る、弾性表面波フィルタを用いたフィルタ回路及びデュ
プレクサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、帯域通過型の弾性表面波フィ
ルタは、通信機器用フィルタとして広く無線通信装置に
使用されている。図6に従来の無線通信装置の構成を示
す。無線通信装置は、デュプレクサ(6)、アンテナ(9
1)、送信器(92)、及び受信器(93)を含んでいる。デュプ
レクサ(6)には、アンテナ用端子(61)、送信器用端子(6
2)、及び受信器用端子(63)が設けられており、これら端
子(61)(62)(63)には、アンテナ(91)、送信器(92)、及び
受信器(93)がそれぞれ電気的に接続されている。
【0003】デュプレクサ(6)は、アンテナ用端子(61)
及び送信器用端子(62)と電気的に接続された送信フィル
タ(7)と、アンテナ用端子(61)及び受信器用端子(62)と
電気的に接続された受信フィルタ(8)とを具える。送信
フィルタ(7)は、所定の送信帯域の信号成分を通過させ
る帯域通過型フィルタであり、送信器(92)から出力され
た信号は、送信フィルタ(7)で処理されて、送信帯域外
の成分が減衰された信号がアンテナ(91)によって空中に
放射される。また、受信フィルタ(8)は、所定の受信帯
域の信号成分を通過させる帯域通過型フィルタであり、
アンテナ(91)で受信された信号は、受信フィルタ(8)で
処理されて、受信帯域外の成分が減衰された信号が受信
器(93)に入力される。
【0004】送信フィルタ(7)及び受信フィルタ(8)に
は、誘電体フィルタが用いられていたが、近年は、受信
フィルタ(8)に弾性表面波フィルタが使用されている。
特に、無線通信装置の一つである移動体通信装置では、
誘電体フィルタよりも弾性表面波フィルタが用いられて
いる。なお、弾性表面波フィルタは、一般に耐電力性が
低いことから、送信器(92)からの大電力が入力される送
信フィルタ(7)には使用しにくい。
【0005】図2に、一般的な帯域通過型の弾性表面波
フィルタの減衰特性の一例を示す。図2では、フィルタ
温度が25℃である場合の減衰特性を実線で示してい
る。該フィルタは、周波数fp1からfp2までの範囲を通過
域とし、周波数fs1以下の周波数、及び周波数fs2以上の
範囲を抑圧帯域としている。そして、周波数fs1からfp1
までの範囲及び周波数fp2からfs2までの範囲がそれぞれ
遷移域となる。図2には、図6の無線通信装置の送信帯
域Tx、受信帯域Rxを示している。図6のデュプレクサ
(6)の受信フィルタ(8)にこのような減衰特性を有する弾
性表面波フィルタを使用する場合、受信帯域Rxは通過域
(fp1〜fp2)とほぼ一致するように構成される。また、
無線通信装置が移動体通信装置である場合は、一般的に
送信帯域Txと受信帯域Rxは近接するように設定されてお
り、図2に示すように、送信帯域Txは、低周波数側の遷
移域(fs1〜fp1)近くの抑圧帯域(≦fs1)に位置すること
になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般的な弾性表面波フ
ィルタの減衰特性は、フィルタの温度が上昇するにした
がって、曲線の形状をほぼ保持しつつ低周波数側にシフ
トする。図2には、フィルタの温度が85℃である場合
の減衰特性を破線で示している。低周波数側の遷移域(f
s1〜fp1)及び抑圧帯域(≦fs1)では、温度上昇に伴い、
弾性表面波フィルタの減衰量が低下することが図2から
理解できる。
【0007】図6の無線通信装置では、送信フィルタ
(7)からの大電力の送信信号の一部は、アンテナ(91)に
よって空中に放射されずに受信フィルタ(8)に入力され
る。ゆえに、図2に示した温度特性を有する弾性表面波
フィルタが、デュプレクサ(6)の受信フィルタ(8)として
使用されている場合、該フィルタ(8)の温度が上昇する
と、受信フィルタ(8)に入力される送信信号の一部が、
受信フィルタ(8)で充分に減衰されずに受信器(93)に入
力されるおそれがある。
【0008】また、弾性表面波フィルタの減衰特性の温
度変化は両遷移域において激しく、該フィルタの挿入損
失も温度によって大きく変化する。図2のような温度変
化が生ずると、常温で、受信帯域Rxの端部における挿入
損失が所定の最大挿入損失以下であっても、温度上昇に
より遷移域が通受信帯域Rxの端部に近づくにつれ、該端
部における挿入損失は増加して、ついには最大挿入損失
を越えるおそれがある。
【0009】さらに、弾性表面波フィルタは耐電力性が
低いので、図6の無線通信装置においては、送信器(92)
からの大電力の送信信号が受信フィルタ(8)である弾性
表面波フィルタに直接入力されると、フィルタの特性不
良が引き起こされ、又はフィルタが破壊されてしまう。
【0010】本発明は、上記の問題を解決し、温度変化
に対して安定なフィルタ回路及びデュプレクサを提供す
る。さらには、送信器からの送信信号が受信フィルタで
充分に減衰でき、受信フィルタに弾性表面波フィルタを
用いても耐電力性に対する信頼性が高いデュプレクサを
提供する。
【0011】
【課題を解決する為の手段】本発明のフィルタ回路(1)
は、帯域通過型の弾性表面波フィルタ(2)と、該フィル
タの入力側又は出力側に接続されたトラップ手段(3)と
を含むフィルタ回路(1)において、トラップ手段(3)は、
誘電体共振器(4)を具えており、該誘電体共振器(4)の共
振周波数は、弾性表面波フィルタ(2)の抑圧帯域に位置
し、トラップ手段(3)の減衰量の温度変化は、弾性表面
波フィルタ(2)の遷移帯域において、弾性表面波フィル
タ(2)の減衰量の温度変化と相殺するように構成されて
いることを特徴とする。トラップ手段(3)は、複数段の
誘電体共振器(4)から構成されてもよい。
【0012】本発明のデュプレクサ(6)は、アンテナ用
端子(61)及び送信器用端子(62)と接続された送信フィル
タ(7)と、アンテナ用端子(61)及び受信器用端子(63)と
接続された受信フィルタ(8)とを具え、送信フィルタ(7)
は、所定の送信帯域の信号を通過させる帯域通過型フィ
ルタであり、受信フィルタ(8)は、所定の受信帯域の信
号を通過させる帯域通過型フィルタであるデュプレクサ
(6)において、受信フィルタ(8)は、請求項1又は請求項
2に記載のフィルタ回路(1)であると共に、送信帯域に
減衰極が形成されていることを特徴とする。
【0013】
【作用及び効果】本発明のフィルタ回路(1)では、トラ
ップ手段(3)を構成する誘電体共振器(4)の共振周波数
が、弾性表面波フィルタ(2)の抑圧帯域に位置すること
により、フィルタ回路(1)の抑圧帯域に減衰極が形成さ
れ、該共振周波数付近における減衰量は弾性表面波フィ
ルタ(2)単独の場合よりも増加する。また、この共振周
波数からトラップ手段(3)の通過帯域までの周波数帯域
と、弾性表面波フィルタの遷移帯域が重なり合うので、
該周波数帯域における誘電体共振器(4)の減衰量の温度
変化が、該遷移帯域における弾性表面波フィルタ(2)の
減衰量の温度変化と相殺するように構成することによ
り、共振周波数側に位置する遷移帯域におけるフィルタ
回路(1)の減衰特性の温度変化を少なくできる。さら
に、発明者の実験によれば、このような構成によって、
フィルタ回路(1)の他方の遷移帯域及び通過帯域でも減
衰特性の温度変化が少なくなることが確認されている。
従って、本発明によれば、温度変化に対する減衰特性の
変化、及び挿入損失の変化が少ないフィルタ回路(1)が
得られる。
【0014】デュプレクサ(6)の受信フィルタ(8)に、本
発明のフィルタ回路(1)を用いると、誘電体フィルタ(4)
により形成される減衰極を送信帯域に含めることによ
り、受信フィルタ(8)に入力される該送信帯域の信号成
分を充分に減衰でき、受信器(93)に入力される該信号は
極めて微小になる。さらに、温度変化に対して受信フィ
ルタ(8)の低周波数側の遷移帯域は安定となるので、温
度変化によって受信フィルタ(8)の減衰特性が変化し、
送信帯域の信号や該帯域近傍の信号成分が充分に減衰さ
れずに受信フィルタ(8)を通過することはない。さら
に、受信フィルタ(8)の遷移帯域及び通過帯域における
温度変化は少ないから、送信帯域の周波数の高域側の減
衰量が温度上昇によって、最小減衰量を割り込んでしま
うことを防止できる。また、高出力の送信帯域の信号が
受信フィルタ(8)に直接入力されても、本発明のフィル
タ回路(1)の減衰極を送信帯域に含めることによって該
信号は充分に減衰される。ゆえに、受信フィルタ(8)に
弾性表面波フィルタ(2)を使用しても、該信号によって
弾性表面波フィルタ(2)の特性不良や破壊が生じること
はない。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図を用い
て詳述する。従来技術と同様な構成要素については、同
一の符号を使用する。図1に、本発明に係るフィルタ回
路(1)を示す。該フィルタ回路(1)は、帯域通過型の弾性
表面波フィルタ(2)とその入力側に接続された誘電体共
振器(4)を具えるトラップ手段(3)とを含んでおり、帯域
通過型の減衰特性を有している。弾性表面波フィルタ
(2)は、例えば、LiTaO3で構成された基板と、該基
板上に形成されたすだれ状の入力用電極及び出力用電極
を具えている。誘電体共振器(4)は、例えば、貫通孔が
形成されると共に各種電極が形成された、直方体のセラ
ミック材料(BaTiO3等)の誘電体ブロックから構
成されている。トラップ手段(3)では、誘電体共振器(4)
は結合用コンデンサ(5)と直列に接続され、誘電体共振
器(4)はグランドと、結合用コンデンサ(5)は弾性表面波
フィルタ(2)と接続されている。なお、結合用コンデン
サ(5)の代わりに結合用インダクタを用いてもよく、ト
ラップ手段(3)は、温度特性を満足させる目的である場
合は、弾性表面波フィルタ(2)の出力側に接続してもよ
い。
【0016】弾性表面波フィルタ(2)の減衰特性は、図
2に示した減衰特性と同様である。減衰特性は、フィル
タの温度が上昇するにしたがって、曲線の形状をほぼ保
持しつつ低周波数側にシフトする。本実施例では、周波
数温度係数は−35ppm/℃である。低周波数側の遷
移帯域(fs1〜fp1)では、温度上昇に伴って減衰量は
小さくなり、該遷移帯域に属するある周波数faに注目す
ると、25℃では30dBの減衰量であるのに対して
(点A)、85℃では15dBの減衰量であり(点
B)、25℃から85℃の温度変化によって15dBの
減衰量の減少が生じている。
【0017】弾性表面波フィルタ(2)の図2のような減
衰特性を踏まえて、以下のような構成を有する誘電体共
振器(4)がトラップ手段(3)に使用される。図3は、トラ
ップ手段(3)の減衰特性である。トラップ手段(3)は、誘
電体共振器(4)の共振周波数fbを含む周波数範囲の信号
成分を減衰する帯域阻止型の減衰特性を示す。実線は2
5℃の減衰特性を示す。
【0018】25℃における誘電体共振器(4)の共振周
波数fbは、低周波数側の弾性表面波フィルタ(2)の遷移
帯域(fs1〜fp1)の近くであり、弾性表面波フィルタ
(2)の抑圧帯域(≦fs1)に含まれる値とされる。共振周
波数fbから高周波数側に位置する通過帯域の下限周波数
fcまでの周波数帯域(fb〜fc)は、弾性表面波フィルタ
(2)の低周波数側の遷移帯域(fs1〜fp1)を含み、該下
限周波数fcは、弾性表面波フィルタ(2)の通過帯域の下
限周波数fp1に近い値とされる。
【0019】誘電体共振器(4)の周波数温度係数は、弾
性表面波フィルタ(2)の周波数温度係数とは反対の符号
になされる。これにより、トラップ手段(3)の減衰特性
は、温度が上昇すると曲線の形状をほぼ保持しつつ高周
波数側にシフトするので、共振周波数fb側の弾性表面波
フィルタ(2)の遷移帯域において、トラップ手段(3)の減
衰量の温度変化の向きは、弾性表面波フィルタ(2)の減
衰量の温度変化とは逆向きになる。すなわち、温度変化
に対して弾性表面波フィルタ(2)の減衰量は減少するの
に対して、トラップ手段(3)の減衰量は増加する。図3
には、85℃の減衰特性が破線で示されている。
【0020】誘電体共振器(4)の周波数温度係数の絶対
値は、例えば、適当な弾性表面波フィルタ(2)の遷移帯
域に位置する基準周波数を設定し、該周波数におけるト
ラップ手段(3)の減衰量の温度変化量の絶対値を、弾性
表面波フィルタ(2)の減衰量の温度変化量の絶対値に合
わせることで決定される。基準周波数は複数設定されて
よく、各周波数における温度変化量の絶対値の差の平均
値が小さくなるように周波数温度係数の絶対値を決定し
てもよい。さらには、平均値を算出する場合には、周波
数に対応した重み付けを行ってもよい。
【0021】本実施例では、上記周波数faを基準周波数
とし、誘電体共振器(4)の周波数温度係数の絶対値は、
基準周波数faにおける減衰量の温度変化の絶対値が、基
準周波数faにおける弾性表面波フィルタ(3)の減衰量の
温度変化とほぼ等しくなるように決定している。具体的
には、上記周波数faにおけるトラップ手段(3)の減衰量
が25℃で15〜20dBであるならば(点C)、85℃
では30〜35dB程度(点D)になるように周波数温
度係数を決定しており、周波数温度係数は+10ppm
/℃となっている。なお、基準周波数faにおいて、トラ
ップ手段(3)の減衰量の温度変化の絶対値を、弾性表面
波フィルタ(2)の減衰量の温度変化の絶対値と厳密に等
しくなるように決める必要はない。
【0022】図4は、図1に示したフィルタ回路(1)の
減衰特性である。トラップ手段(3)によって、低周波数
側の抑圧帯域に減衰極Eが形成されている。実線は25
℃における減衰特性であり、破線は85℃における減衰
特性を示しているが、減衰特性は、温度変化に対して通
過帯域及びこの両側の遷移帯域においてほとんど変化し
ていない。なお、抑圧帯域では、もともとの減衰量が大
きいので、減衰量の温度変化を問題にする必要はない。
【0023】フィルタ回路(1)の減衰特性は、弾性表面
波フィルタ(2)の減衰特性とトラップ手段(3)の減衰特性
とに加えて、弾性表面波フィルタ(2)及びトラップ手段
(3)のインピーダンスの周波数特性にも依存する。トラ
ップ手段(3)のインピーダンスの周波数特性は、共振周
波数fbで極小値を取る下に凸の関数形を示す。一方、弾
性表面波フィルタ(2)のインピーダンスの周波数特性
は、トラップ手段(3)のインピーダンス特性と比べて変
化の度合いが極めて小さい。また、弾性表面波フィルタ
(2)とトラップ手段(3)のインピーダンスが近いほど、フ
ィルタ回路(1)の減衰量は、弾性表面波フィルタ(2)の減
衰量とトラップ手段(3)の減衰量の和により等しくな
る。よって、共振周波数fbにおいてトラップ手段(3)の
インピーダンスを弾性表面波フィルタ(2)のインピーダ
ンスと同程度の値とすれば、共振周波数fb付近におい
て、フィルタ回路(1)の減衰量は、弾性表面波フィルタ
(2)の減衰量とトラップ手段(3)の減衰量の和に近い値と
なる。そして、共振周波数fbが、弾性表面波フィルタ
(2)の低周波数側の遷移帯域の近くであれば、フィルタ
回路(1)の低周波数側の遷移帯域の減衰量は、弾性表面
波フィルタ(2)の減衰量とトラップ手段(3)の減衰量の和
に近くなる。従って、上記のように、弾性表面波フィル
タ(2)の減衰量の温度変化を弾性表面波フィルタ(2)の減
衰量の温度変化を相殺するように構成することにより、
フィルタ回路(1)の低周波数側の遷移帯域で減衰特性の
温度変化が小さくできる。
【0024】なお、図4に示したフィルタ回路(1)の減
衰特性では、低周波数側の遷移帯域だけでなく高周波側
の遷移帯域でも温度変化が極めて小さくなっている。こ
れは、該遷移帯域おいて、弾性表面波フィルタ(2)とト
ラップ手段(3)のインピーダンスの差が大きいことが影
響したためと考えられる。
【0025】上記実施例では、誘電体共振器(4)の共振
周波数fbは、弾性表面波フィルタ(2)の低周波数側の抑
圧帯域(≦fs1)に位置しており、弾性表面波フィルタ
(2)の低周波数側の遷移帯域(fs1〜fp1)における温度
変化を相殺するようにトラップ手段(3)を構成したが、
共振周波数fbを、弾性表面波フィルタ(2)の高周波数側
の抑圧帯域(≧fs2)に配置し、弾性表面波フィルタ(2)
の高周波数側の遷移帯域(fs2〜fp2)おける温度変化を
相殺するようにトラップ手段(3)を構成しても、通過帯
域及びその両側の遷移帯域において減衰量の温度変化が
微小なフィルタ回路を得ることができる。
【0026】図5に、上記実施例のフィルタ回路(1)を
受信フィルタに用いたデュプレクサ(6)を具える無線通
信装置を示す。また、図4のフィルタ回路(1)の減衰特
性には、デュプレクサ(6)の受信帯域R'xと送信帯域T'x
を示している。図4に示すように、送信帯域T'xの信号
成分を充分に減衰させるために、フィルタ回路(1)は、
送信帯域T'xに減衰極Eが位置するように構成されてい
る。さらに、フィルタ回路(1)は、図5に示すように、
入力側、すなわちアンテナ用端子(61)側にトラップ手段
(3)が配置されているのが好ましい。弾性表面波フィル
タ(2)に入力される前に、送信帯域T'xの信号成分がトラ
ップ手段(3)によって充分に減衰させ、送信フィルタ(8)
を通過した大電力の送信信号が弾性表面波フィルタ(2)
に入力される事態を防止できるからである。その他の構
成は図7に示した従来装置と同様であるので説明は省略
する。
【0027】図4から理解されるように、フィルタ回路
(1)の温度が上昇しても、送信帯域T'x側の遷移帯域の温
度変化は小さいから、送信帯域T'xの信号成分や該送信
帯域T'x近傍の信号成分が充分に減衰されずにフィルタ
回路(1)を通過して受信器(93)に入力されることはな
い。また、温度上昇により遷移域が受信帯域Rx'の端部
に近づくことななく、温度変化に対して、送信帯域T'x
の高域側の減衰量を所定の最小減衰量以上に保持でき
る。
【0028】なお、上記の実施例では、トラップ手段
(3)は、1段の誘電体共振器(4)から構成されているが、
減衰極をより急峻にして送信帯域Txの信号成分を充分に
減衰させるために複数段の誘電体共振器(4)から構成し
てもよい。
【0029】上記実施例の説明は、本発明を説明するた
めのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本
発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲
に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは
勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルタ回路の構成を示すブロック図
である。
【図2】本発明のフィルタ回路に用いられる一般的な弾
性表面波フィルタの減衰特性を示す図である。
【図3】本発明のフィルタ回路に用いられるトラップ手
段の減衰特性を示す図である。
【図4】本発明のフィルタ回路の減衰特性を示す図であ
る。
【図5】本発明のデュプレクサの構成を示すブロック図
である。
【図6】従来のデュプレクサの構成を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
(1) フィルタ回路 (2) 弾性表面波フィルタ (3) トラップ手段 (6) デュプレクサ (61) アンテナ用端子 (62) 送信器用端子 (63) 受信器用端子 (7) 送信フィルタ (8) 受信フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 博幸 大阪府大東市三洋町一番一号 三洋電子部 品株式会社内 (72)発明者 中口 昌久 大阪府大東市三洋町一番一号 三洋電子部 品株式会社内 Fターム(参考) 5J006 HC03 JA02 PB03 5J097 AA21 AA26 BB15 BB17 KK04 LL01 5K011 BA03 DA27 JA01 KA11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】帯域通過型の弾性表面波フィルタ(2)と、
    該フィルタ(2)の入力側又は出力側に接続されたトラッ
    プ手段(3)とを含むフィルタ回路(1)において、トラップ
    手段(3)は、誘電体共振器(4)を具えており、該誘電体共
    振器(4)の共振周波数は、弾性表面波フィルタ(2)の抑圧
    帯域に位置し、トラップ手段(3)の減衰量の温度変化
    は、該共振周波数側の弾性表面波フィルタ(2)の遷移帯
    域において、弾性表面波フィルタ(2)の減衰量の温度変
    化と相殺するように構成されていることを特徴とするフ
    ィルタ回路(1)。
  2. 【請求項2】トラップ手段(3)は複数段の誘電体共振器
    (4)から構成されている請求項1に記載のフィルタ回路
    (1)。
  3. 【請求項3】アンテナ用端子(61)及び送信器用端子(62)
    と接続された送信フィルタ(7)と、アンテナ用端子(61)
    及び受信器用端子(63)と接続された受信フィルタ(8)と
    を具え、送信フィルタ(7)は、所定の送信帯域の信号を
    通過させる帯域通過型フィルタであり、受信フィルタ
    (8)は、所定の受信帯域の信号を通過させる帯域通過型
    フィルタであるデュプレクサ(6)において、 受信フィルタ(8)は、請求項1又は請求項2に記載のフ
    ィルタ回路(1)であると共に、送信帯域に減衰極が形成
    されていることを特徴とするデュプレクサ(6)。
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